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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-08
(45)【発行日】2022-09-16
(54)【発明の名称】サーバ、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20120101AFI20220909BHJP
【FI】
G06Q30/06
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022049920
(22)【出願日】2022-03-25
【審査請求日】2022-03-25
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】502332474
【氏名又は名称】eBASE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115749
【弁理士】
【氏名又は名称】谷川 英和
(74)【代理人】
【識別番号】100121223
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 悟道
(72)【発明者】
【氏名】常包 浩司
(72)【発明者】
【氏名】岩田 貴夫
【審査官】大野 朋也
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-004308(JP,A)
【文献】特開2009-009174(JP,A)
【文献】特開2006-338332(JP,A)
【文献】特開2011-170462(JP,A)
【文献】特開2006-318191(JP,A)
【文献】特開2021-033608(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
販売対象を識別する販売対象識別子と、当該販売対象に関する複数の情報を含む販売対象情報とを有するマスタデータが複数記憶される記憶部と、
マスタデータを受信すると共に、販売対象識別子を含む送信要求を受信する受信部と、を備え、
前記販売対象情報には、マスタデータごとの内容の揺らぎが大きい第1の情報と、前記第1の情報よりもマスタデータごとの内容の揺らぎが小さい第2の情報とが含まれており、
受信されたマスタデータのうち、少なくとも第2の情報を前記記憶部に蓄積する蓄積部と、
受信された送信要求に含まれる販売対象識別子に対応する販売対象情報を送信する送信部と、さらに備えたサーバ。
【請求項2】
前記送信部は、受信された送信要求に含まれる販売対象識別子に対応する販売対象情報のうち、送信者数の多い第2の情報を含む販売対象情報を送信する、請求項1記載のサーバ。
【請求項3】
前記送信部は、受信された送信要求に含まれる販売対象識別子に対応する販売対象情報のうち、第2の情報が異なる1以上の販売対象情報を、第2の情報の送信者数に対応付けて送信する、請求項1記載のサーバ。
【請求項4】
受信されたマスタデータに含まれる比較元の第2の情報と、前記記憶部において、当該受信されたマスタデータに含まれる販売対象識別子に対応付けられている販売対象情報に含まれる比較先の第2の情報とを比較し、比較元の第2の情報が比較先の閾値を超える数の送信者、または閾値を超える割合の送信者の第2の情報と同じであるかどうかを示す比較結果を取得する比較部をさらに備え、
前記送信部は、比較結果を送信する、請求項1から請求項3のいずれか記載のサーバ。
【請求項5】
前記比較部は、マスタデータの受信時以外にも比較を行い、
前記送信部は、マスタデータの受信時以外の比較において、比較元の第2の情報が、比較先の閾値を超える数の送信者、または閾値を超える割合の送信者の第2の情報と相違していることを示す比較結果が取得された場合に、当該比較結果を送信する、請求項4記載のサーバ。
【請求項6】
前記記憶部において、マスタデータには、当該マスタデータを送信した送信者を識別する送信者識別子が対応付けられており、
前記受信部は、マスタデータの送信者を識別する送信者識別子をも受信し、
前記蓄積部は、受信されたマスタデータのうち、少なくとも第2の情報を、当該マスタデータの送信者を識別する送信者識別子に対応付けて前記記憶部に蓄積し、
比較結果は、比較元の第2の情報と同じ比較先の第2の情報を含むマスタデータに対応付けられている送信者識別子ごとに重み付け加算を行ったスコアである、請求項4または請求項5記載のサーバ。
【請求項7】
比較元の第2の情報が比較先の閾値を超える数の送信者、または閾値を超える割合の送信者の第2の情報と相違していることを示す比較結果の送信に応じて再度、受信されたマスタデータの送信者を識別する送信者識別子の重みは、それ以外の送信者識別子の重みよりも大きい、請求項6記載のサーバ。
【請求項8】
前記記憶部では、送信者識別子と重みとを対応付ける重み情報が記憶されており、
重み付け加算では、送信者識別子に重み情報によって対応付けられている重みが、当該送信者識別子の重みとして用いられる、請求項6記載のサーバ。
【請求項9】
販売対象を識別する販売対象識別子と、当該販売対象に関する複数の情報を含む販売対象情報とを有するマスタデータが複数記憶される記憶部と、
マスタデータを受信する受信部と、を備え、
前記販売対象情報には、マスタデータごとの内容の揺らぎが大きい第1の情報と、前記第1の情報よりもマスタデータごとの内容の揺らぎが小さい第2の情報とが含まれており
信されたマスタデータのうち、少なくとも第2の情報を前記記憶部に蓄積する蓄積部と、
受信されたマスタデータに含まれる比較元の第2の情報と、前記記憶部において、当該受信されたマスタデータに含まれる販売対象識別子に対応付けられている販売対象情報に含まれる比較先の第2の情報とを比較し、比較元の第2の情報が比較先の閾値を超える数の送信者、または閾値を超える割合の送信者の第2の情報と同じであるかどうかを示す比較結果を取得する比較部と、
比較結果を送信する送信部と、をさらに備えたサーバ。
【請求項10】
販売対象を識別する販売対象識別子と、当該販売対象に関する複数の情報を含む販売対象情報とを有するマスタデータが複数記憶される記憶部と、受信部と、蓄積部と、送信部とを用いて処理される情報処理方法であって、
前記販売対象情報には、マスタデータごとの内容の揺らぎが大きい第1の情報と、前記第1の情報よりもマスタデータごとの内容の揺らぎが小さい第2の情報とが含まれており、
前記受信部が、マスタデータを受信するステップと、
前記蓄積部が、受信されたマスタデータのうち、少なくとも第2の情報を前記記憶部に蓄積するステップと、
前記受信部が、販売対象識別子を含む送信要求を受信するステップと、
前記送信部が、受信された送信要求に含まれる販売対象識別子に対応する販売対象情報を送信するステップと、を備えた情報処理方法。
【請求項11】
販売対象を識別する販売対象識別子と、当該販売対象に関する複数の情報を含む販売対象情報とを有するマスタデータが複数記憶される記憶部と、受信部と、蓄積部と、比較部と、送信部とを用いて処理される情報処理方法であって、
前記販売対象情報には、マスタデータごとの内容の揺らぎが大きい第1の情報と、前記第1の情報よりもマスタデータごとの内容の揺らぎが小さい第2の情報とが含まれており、
前記受信部が、マスタデータを受信するステップと、
前記蓄積部が、受信されたマスタデータのうち、少なくとも第2の情報を前記記憶部に蓄積するステップと、
前記比較部が、受信されたマスタデータに含まれる比較元の第2の情報と、前記記憶部において、当該受信されたマスタデータに含まれる販売対象識別子に対応付けられている販売対象情報に含まれる比較先の第2の情報とを比較し、比較元の第2の情報が比較先の閾値を超える数の送信者、または閾値を超える割合の送信者の第2の情報と同じであるかどうかを示す比較結果を取得するステップと、
前記送信部が、比較結果を送信するステップと、を備えた情報処理方法。
【請求項12】
販売対象を識別する販売対象識別子と、当該販売対象に関する複数の情報を含む販売対象情報とを有するマスタデータが複数記憶される記憶部にアクセス可能なコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記販売対象情報には、マスタデータごとの内容の揺らぎが大きい第1の情報と、前記第1の情報よりもマスタデータごとの内容の揺らぎが小さい第2の情報とが含まれており、
前記コンピュータを、
マスタデータを受信すると共に、販売対象識別子を含む送信要求を受信する受信部、
受信されたマスタデータのうち、少なくとも第2の情報を前記記憶部に蓄積する蓄積部、
受信された送信要求に含まれる販売対象識別子に対応する販売対象情報を送信する送信部として機能させるためのプログラム。
【請求項13】
販売対象を識別する販売対象識別子と、当該販売対象に関する複数の情報を含む販売対象情報とを有するマスタデータが複数記憶される記憶部にアクセス可能なコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記販売対象情報には、マスタデータごとの内容の揺らぎが大きい第1の情報と、前記第1の情報よりもマスタデータごとの内容の揺らぎが小さい第2の情報とが含まれており、
前記コンピュータを、
マスタデータを受信する受信部、
受信されたマスタデータのうち、少なくとも第2の情報を前記記憶部に蓄積する蓄積部、
受信されたマスタデータに含まれる比較元の第2の情報と、前記記憶部において、当該受信されたマスタデータに含まれる販売対象識別子に対応付けられている販売対象情報に含まれる比較先の第2の情報とを比較し、比較元の第2の情報が比較先の閾値を超える数の送信者、または閾値を超える割合の送信者の第2の情報と同じであるかどうかを示す比較結果を取得する比較部、
比較結果を送信する送信部として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、販売対象のマスタデータを管理するサーバ等に関する。
【背景技術】
【0002】
POSレジや物流システムなどの基幹システムにおいて、商品の商品名やサイズ、重量等の情報を含むマスタデータが用いられている。そのため、新たな商品を取り扱う際には、その新たな商品のマスタデータを準備する必要があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
新たな商品を取り扱う際に、その商品のマスタデータを用意する負荷が大きいという問題があった。また、そのマスタデータに誤りがあった場合には、様々なトラブルの原因となる。例えば、段ボールの入数に誤りがあった場合には、発注量が想定していた量と異なることになり、返品や追加発注を行う必要が出てくるという問題がある。また、商品サイズを間違えた場合(例えば、サイズのセンチメートルとミリメートルとを間違えた場合など)には、物流倉庫やトラック、店頭展示スペースの予定が狂うことになるという問題がある。そのようなことを避けるため、マスタデータには高い精度が要求され、その高い精度を担保するためのチェックなどの負担も大きいという問題もあった。
【0004】
一般的に言えば、商品やサービスなどの販売対象のマスタデータに関連する負担を軽減したいという要望があった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、マスタデータに関連する負担を軽減することができるサーバ等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様によるサーバは、販売対象を識別する販売対象識別子と、販売対象に関する複数の情報を含む販売対象情報とを有するマスタデータが複数記憶される記憶部と、マスタデータを受信すると共に、販売対象識別子を含む送信要求を受信する受信部と、を備え、販売対象情報には、マスタデータごとの内容の揺らぎが大きい第1の情報と、第1の情報よりもマスタデータごとの内容の揺らぎが小さい第2の情報とが含まれており、受信されたマスタデータのうち、少なくとも第2の情報を記憶部に蓄積する蓄積部と、受信された送信要求に含まれる販売対象識別子に対応する販売対象情報を送信する送信部と、さらに備えたものである。
このような構成により、送信要求を送信した者は、他者の作成したマスタデータの販売対象情報を受信することができ、その販売対象情報を用いてマスタデータを作成することができる。したがって、マスタデータの作成の負担が軽減されることになる。
【0007】
また、本発明の一態様によるサーバでは、送信部は、受信された送信要求に含まれる販売対象識別子に対応する販売対象情報のうち、送信者数の多い第2の情報を含む販売対象情報を送信してもよい。
このような構成により、より精度の高い販売対象情報が送信されるようになると考えられる。そのため、送信要求を送信した者は、より精度の高いマスタデータを容易に作成することができるようになる。
【0008】
また、本発明の一態様によるサーバでは、送信部は、受信された送信要求に含まれる販売対象識別子に対応する販売対象情報のうち、第2の情報が異なる1以上の販売対象情報を、第2の情報の送信者数に対応付けて送信してもよい。
このような構成により、送信要求を送信した者は、第2の情報の送信者数を参照して、マスタデータの作成にどの第2の情報を用いるのかを検討することができるようになる。例えば、より多くの送信者が送信した第2の情報を用いてマスタデータを作成することによって、精度の高いマスタデータを容易に作成することができるようになる。
【0009】
また、本発明の一態様によるサーバでは、受信されたマスタデータに含まれる比較元の第2の情報と、記憶部において、受信されたマスタデータに含まれる販売対象識別子に対応付けられている販売対象情報に含まれる比較先の第2の情報とを比較し、比較元の第2の情報が比較先の多くの送信者の第2の情報と同じであるかどうかを示す比較結果を取得する比較部をさらに備え、送信部は、比較結果を送信してもよい。
このような構成により、マスタデータを送信した者は、マスタデータの比較結果を受け取ることができ、例えば、自らの送信したマスタデータが、他者の多くのマスタデータと異なっている場合に、内容に誤りがあるかどうかをチェックすることによって、マスタデータの精度を向上させることができる。このように比較結果を用いることによって、詳細なチェックが必要なマスタデータと、そうでないマスタデータとを分けることができ、マスタデータのチェックの負荷が軽減されることになる。
【0010】
また、本発明の一態様によるサーバでは、比較部は、マスタデータの受信時以外にも比較を行い、送信部は、マスタデータの受信時以外の比較において、比較元の第2の情報が、比較先の多くの送信者の第2の情報と相違していることを示す比較結果が取得された場合に、その比較結果を送信してもよい。
このような構成により、例えば、1番目に送信されたマスタデータのように、比較の対象がないマスタデータについても、事後的に比較することができるようになる。
【0011】
また、本発明の一態様によるサーバでは、記憶部において、マスタデータには、マスタデータを送信した送信者を識別する送信者識別子が対応付けられており、受信部は、マスタデータの送信者を識別する送信者識別子をも受信し、蓄積部は、受信されたマスタデータのうち、少なくとも第2の情報を、そのマスタデータの送信者を識別する送信者識別子に対応付けて記憶部に蓄積し、比較結果は、比較元の第2の情報と同じ比較先の第2の情報を含むマスタデータに対応付けられている送信者識別子ごとに重み付け加算を行ったスコアであってもよい。
このような構成により、例えば、より適切な比較結果を、マスタデータを送信した者に送信することができるようになる。
【0012】
また、本発明の一態様によるサーバでは、比較元の第2の情報が比較先の多くの送信者の第2の情報と相違していることを示す比較結果の送信に応じて再度、受信されたマスタデータの送信者を識別する送信者識別子の重みは、それ以外の送信者識別子の重みよりも大きくてもよい。
このような構成により、比較結果に応じて修正されたマスタデータは、精度が高いと考えられるため、それに応じた重みを設定することができる。
【0013】
また、本発明の一態様によるサーバでは、記憶部では、送信者識別子と重みとを対応付ける重み情報が記憶されており、重み付け加算では、送信者識別子に重み情報によって対応付けられている重みが、送信者識別子の重みとして用いられてもよい。
このような構成により、例えば、売上額の大きい送信者については、マスタデータの誤りが少ないと考えて、それに応じた重みを設定することができる。
【0014】
また、本発明の一態様によるサーバは、販売対象を識別する販売対象識別子と、販売対象に関する複数の情報を含む販売対象情報とを有するマスタデータが複数記憶される記憶部と、マスタデータを受信する受信部と、を備え、販売対象情報には、マスタデータごとの内容の揺らぎが大きい第1の情報と、第1の情報よりもマスタデータごとの内容の揺らぎが小さい第2の情報とが含まれており、受信されたマスタデータのうち、少なくとも第2の情報を記憶部に蓄積する蓄積部と、受信されたマスタデータに含まれる比較元の第2の情報と、記憶部において、受信されたマスタデータに含まれる販売対象識別子に対応付けられている販売対象情報に含まれる比較先の第2の情報とを比較し、比較元の第2の情報が比較先の多くの送信者の第2の情報と同じであるかどうかを示す比較結果を取得する比較部と、比較結果を送信する送信部と、をさらに備えたものである。
【0015】
また、本発明の一態様による情報処理方法は、販売対象を識別する販売対象識別子と、販売対象に関する複数の情報を含む販売対象情報とを有するマスタデータが複数記憶される記憶部と、受信部と、蓄積部と、送信部とを用いて処理される情報処理方法であって、販売対象情報には、マスタデータごとの内容の揺らぎが大きい第1の情報と、第1の情報よりもマスタデータごとの内容の揺らぎが小さい第2の情報とが含まれており、受信部が、マスタデータを受信するステップと、蓄積部が、受信されたマスタデータのうち、少なくとも第2の情報を記憶部に蓄積するステップと、受信部が、販売対象識別子を含む送信要求を受信するステップと、送信部が、受信された送信要求に含まれる販売対象識別子に対応する販売対象情報を送信する送信部と、を備えたものである。
【0016】
また、本発明の一態様による情報処理方法は、販売対象を識別する販売対象識別子と、販売対象に関する複数の情報を含む販売対象情報とを有するマスタデータが複数記憶される記憶部と、受信部と、蓄積部と、比較部と、送信部とを用いて処理される情報処理方法であって、販売対象情報には、マスタデータごとの内容の揺らぎが大きい第1の情報と、第1の情報よりもマスタデータごとの内容の揺らぎが小さい第2の情報とが含まれており、受信部が、マスタデータを受信するステップと、蓄積部が、受信されたマスタデータのうち、少なくとも第2の情報を記憶部に蓄積するステップと、比較部が、受信されたマスタデータに含まれる比較元の第2の情報と、記憶部において、受信されたマスタデータに含まれる販売対象識別子に対応付けられている販売対象情報に含まれる比較先の第2の情報とを比較し、比較元の第2の情報が比較先の多くの送信者の第2の情報と同じであるかどうかを示す比較結果を取得するステップと、送信部が、比較結果を送信するステップと、を備えたものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明の一態様によるサーバ等によれば、マスタデータに関連する負担を軽減することができるようになる。例えば、他者の作成したマスタデータを受け取ることによって、マスタデータを作成する負担を軽減することができる。また、例えば、自らのマスタデータと他者のマスタデータとの比較結果を受け取ることによって、マスタデータを確認するための負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施の形態によるサーバの構成を示すブロック図
図2】同実施の形態によるサーバの動作を示すフローチャート
図3】同実施の形態における記憶部で記憶されているマスタデータの一例を示す図
図4】同実施の形態における記憶部で記憶されているマスタデータの一例を示す図
図5】同実施の形態におけるコンピュータシステムの外観一例を示す模式図
図6】同実施の形態におけるコンピュータシステムの構成の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明によるサーバ、及び情報処理方法について、実施の形態を用いて説明する。なお、以下の実施の形態において、同じ符号を付した構成要素及びステップは同一または相当するものであり、再度の説明を省略することがある。本実施の形態によるサーバは、マスタデータを受信した場合に、受信したマスタデータと、過去に受信したマスタデータとの比較結果を送信すると共に、送信要求に応じて、要求されたマスタデータを送信するものである。
【0020】
図1は、本実施の形態による情報処理システムの構成を示す図である。図1において、本実施の形態による情報処理システムは、有線または無線の通信回線500を介して通信可能に接続されたサーバ1と、複数の情報処理装置2とを備える。通信回線500は、例えば、インターネットやイントラネット、公衆電話回線網などであってもよい。情報処理装置2は、通常、マスタデータを利用する者である小売企業や物流企業等が用いる端末であり、例えば、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータ等であってもよい。なお、図1では、情報処理システムが3個の情報処理装置2を有している場合について示しているが、情報処理装置2の個数は特に限定されない。より多くの小売企業などの送信者からマスタデータが送信されることが好適であるため、情報処理装置2の個数は、より多いことが好適であり、例えば、4個以上であってもよい。
【0021】
図1で示されるように、サーバ1は、記憶部11と、受信部12と、蓄積部13と、比較部14と、送信部15とを備える。
【0022】
記憶部11では、複数のマスタデータが記憶される。マスタデータは、例えば、POSレジや物流システムなどの基幹システムで用いられる販売対象に関する基本となるデータのことである。販売対象は、例えば、有体物であってもよく、無体物であってもよい。後者の場合には、販売対象は、例えば、飲食の提供や、宿泊の提供などのサービス(役務)であってもよい。有体物である販売対象は、商品であってもよい。商品は、例えば、食品、日用品、家電製品、書籍など、どのようなものであってもよい。本実施の形態では、販売対象が商品である場合について主に説明する。
【0023】
マスタデータは、販売対象を識別する販売対象識別子と、その販売対象に関する複数の情報を含む販売対象情報とを有する。販売対象識別子は、販売対象を識別できる情報であれば特に限定されないが、例えば、JAN(Japanese Article Number)コードであってもよく、販売対象のその他の識別コードであってもよい。なお、本実施の形態では、説明の便宜上、販売対象識別子が「ID00001」などの情報である場合について主に説明する。
【0024】
販売対象情報には、マスタデータごとの内容の揺らぎが大きい第1の情報と、第1の情報よりもマスタデータごとの内容の揺らぎが小さい第2の情報とが含まれていてもよい。本実施の形態では、この場合について主に説明する。内容の揺らぎが大きい(小さい)とは、内容の差が大きい(小さい)ことである。なお、販売対象情報に含まれる複数の情報が、第1及び第2の情報のいずれであるのかについては、あらかじめ設計者等によって、手作業で設定されていてもよい。
【0025】
第1の情報は特に限定されないが、例えば、商品名や商品の説明などであってもよい。通常、POSレジなどにおいては、商品名に使用できる文字数が限定されるため、企業ごとに種々の名称が使用されることになり、内容の揺らぎが大きくなる。第1の情報は、例えば、主観的に決められる情報であるということもできる。
【0026】
第2の情報は特に限定されないが、例えば、商品形態(例えば、ケース、パック、単品など)、ITF(Interleaved Two of Five)、入数、サイズ、重量、終売日などのうち、任意の1以上の情報を含んでいてもよい。商品形態や入数、サイズなどは客観的に決まるため、通常、内容の揺らぎは生じないことになる。第2の情報は、例えば、客観的に決まる販売対象の属性に関する情報であるということもできる。
【0027】
記憶部11において、ある販売対象識別子を有するマスタデータについて、同じ第2の情報を含むマスタデータが1個しか存在しなくてもよく、または、複数存在してもよい。後者の場合には、例えば、受信されたマスタデータがそのまま記憶部11に蓄積されてもよい。本実施の形態では、前者の場合、すなわち、記憶部11において、ある販売対象識別子を有するマスタデータについて、同じ第2の情報を含むマスタデータが1個しか存在しない場合について主に説明する。
【0028】
記憶部11において、マスタデータには、マスタデータに含まれる第2の情報の送信者数を取得するために用いられる情報が対応付けられていてもよい。この情報は、例えば、その送信者数を示す情報であってもよく、マスタデータを送信した送信者、すなわち、そのマスタデータに含まれる第2の情報を送信した送信者を識別する送信者識別子であってもよい。後者の場合には、ある第2の情報に対応する送信者識別子の個数をカウントすることによって、その第2の情報の送信者数を取得することができる。本実施の形態では、後者の場合について主に説明する。なお、マスタデータの送信者は、例えば、小売や物流などの分野における企業であってもよい。
【0029】
1個のマスタデータに含まれる複数の情報を、対応する情報と呼ぶこともある。例えば、あるマスタデータに情報Aと、情報Bとが含まれている場合に、情報Bは、情報Aに対応する情報であるということもある。より具体的には、あるマスタデータに含まれる販売対象情報は、そのマスタデータに含まれる販売対象識別子に対応する販売対象情報である。
【0030】
記憶部11では、マスタデータ以外の情報が記憶されていてもよい。上記のように、記憶部11では、マスタデータに対応付けられて、送信者識別子や送信者数が記憶されていてもよい。また、記憶部11では、例えば、重み情報が記憶されてもよい。重み情報は、送信者識別子と、後述する重み付け加算で用いられる重みとを対応付ける情報である。この重み情報については後述する。
【0031】
記憶部11に情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して情報が記憶部11で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された情報が記憶部11で記憶されるようになってもよく、入力デバイスを介して入力された情報が記憶部11で記憶されるようになってもよく、または、蓄積部13によって蓄積された情報が記憶部11で記憶されるようになってもよい。記憶部11は、不揮発性の記録媒体によって実現されることが好適であるが、揮発性の記録媒体によって実現されてもよい。記録媒体は、例えば、半導体メモリや磁気ディスクなどであってもよい。
【0032】
受信部12は、マスタデータを受信する。このマスタデータは、例えば、情報処理装置2から送信されてもよい。受信部12は、例えば、1個のマスタデータを受信してもよく、複数のマスタデータを一括して受信してもよい。このマスタデータは、記憶部11への蓄積の対象となるマスタデータであり、また、比較部14による比較の対象となるマスタデータである。なお、受信部12は、例えば、マスタデータと、そのマスタデータの送信者を識別する送信者識別子とを受信してもよい。両者の受信タイミングは、同じであってもよく、または、異なっていてもよい。例えば、送信者がまず、送信者識別子を用いてサーバ1にログインし、その後にマスタデータを送信するような場合には、後者のように、マスタデータと送信者識別子との受信タイミングが異なることになる。また、受信部12は、販売対象識別子を含む送信要求を受信する。この送信要求は、送信要求に含まれる販売対象識別子に対応する販売対象情報の送信を要求する情報である。この送信要求は、例えば、情報処理装置2から送信されてもよい。
【0033】
なお、受信部12は、受信を行うための有線または無線の受信デバイス(例えば、モデムやネットワークカードなど)を含んでもよく、または含まなくてもよい。また、受信部12は、ハードウェアによって実現されてもよく、または受信デバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
【0034】
蓄積部13は、受信されたマスタデータのうち、少なくとも第2の情報を記憶部11に蓄積する。なお、マスタデータと、その送信者を識別する送信者識別子とが受信された場合には、蓄積部13は、受信されたマスタデータのうち、少なくとも第2の情報を、その送信者識別子に対応付けて記憶部11に蓄積してもよい。蓄積部13は、例えば、受信されたマスタデータを記憶部11にそのまま蓄積してもよい。この場合には、例えば、10個のマスタデータが受信された場合に、10個のマスタデータが記憶部11で記憶されることになる。また、蓄積部13は、例えば、受信されたマスタデータに含まれる販売対象識別子、及び第2の情報と同じ販売対象識別子、及び第2の情報を含むマスタデータがすでに記憶部11で記憶されている場合には、そのマスタデータに対応付けられている1以上の送信者識別子に、受信されたマスタデータの送信者を識別する送信者識別子を追加し、そうでない場合には、受信されたマスタデータを、そのマスタデータの送信者を識別する送信者識別子に対応付けて記憶部11に蓄積してもよい。この場合には、例えば、10個のマスタデータが受信された場合に、6個のマスタデータが記憶部11で記憶されることになる。
【0035】
また、蓄積部13は、例えば、受信されたマスタデータに含まれる販売対象識別子、及び第2の情報と同じ販売対象識別子、及び第2の情報を含むマスタデータが、送信者数を示す情報に対応付けられてすでに記憶部11で記憶されている場合には、その送信者数を示す情報を1だけインクリメントし、そうでない場合には、受信されたマスタデータに、送信者数を示す情報「1」を対応付けて記憶部11に蓄積してもよい。送信者識別子の追加や、送信者数のインクリメントを行った場合には、受信されたマスタデータのうち、第1の情報は蓄積したことにならないが、第2の情報については、すでに蓄積されているため、実質的に第2の情報を蓄積したことになる。また、マスタデータにおいて重要なのは第2の情報であり、第1の情報は第2の情報と比較して重要度が低いため、マスタデータの蓄積において、第1の情報は蓄積の対象とならなくてもよい。また、説明の便宜上、受信されたマスタデータそのものの蓄積と、受信されたマスタデータに含まれる第2の情報のみの蓄積との両方を、単に受信されたマスタデータの蓄積と呼ぶこともある。
【0036】
蓄積部13は、例えば、同じ送信者から、同じ販売対象に関するマスタデータが複数回受信された場合には、以前に受信されたマスタデータを記憶部11から削除して、新たに受信されたマスタデータを蓄積してもよい。例えば、あるマスタデータと送信者識別子とが受信された場合に、蓄積部13は、その受信されたマスタデータに含まれる販売対象識別子及び受信された送信者識別子を検索キーとして記憶部11を検索し、マスタデータ、及びそれに対応付けられている送信者識別子がヒットしたときに、そのヒットしたマスタデータの削除に関する処理を行ってもよい。その削除に関する処理は、例えば、ヒットしたマスタデータそのものを削除することであってもよく、ヒットしたマスタデータに対応付けられている複数の送信者識別子から、受信された送信者識別子と一致する送信者識別子を削除することであってもよい。また、記憶部11において、マスタデータに送信者識別子が対応付けられておらず、送信者数を示す情報が対応付けられている場合には、マスタデータを更新する際に、送信者の情報処理装置2から、更新前のマスタデータと、更新後のマスタデータとの両方が送信されてもよい。この場合には、蓄積部13は、更新前のマスタデータに含まれる販売対象識別子及び第2の情報を検索キーとして、記憶部11で記憶されているマスタデータを検索し、ヒットしたマスタデータに対応付けられている送信者数を1だけデクリメントしてもよい。なお、デクリメント後の送信者数が0になる場合には、その送信者数に対応するマスタデータが削除されてもよい。
【0037】
なお、この蓄積の際に、マスタデータに関する正規化処理が行われてもよい。この正規化処理は、例えば、マスタデータに含まれる情報を、あらかじめ決められた形式の情報に変換する処理であってもよい。より具体的には、マスタデータに商品等のサイズが含まれる場合に、そのサイズの単位を揃える処理(例えば、センチメートルやミリメートルに揃える処理)であってもよく、マスタデータに商品等の重量が含まれる場合に、その重量の単位を揃える処理(例えば、キログラムやグラムに揃える処理)であってもよい。受信されたマスタデータに含まれる販売対象識別子、及び第2の情報と同じ販売対象識別子、及び第2の情報を含むマスタデータがすでに記憶部11で記憶されているかどうかの判断や、後述する比較処理は、例えば、正規化後の情報を用いて行われてもよい。
【0038】
比較部14は、受信されたマスタデータに含まれる第2の情報である比較元の第2の情報と、記憶部11において、その受信されたマスタデータに含まれる販売対象識別子に対応付けられている販売対象情報に含まれる第2の情報である比較先の第2の情報とを比較し、比較元の第2の情報が比較先の多くの送信者の第2の情報と同じであるかどうかを示す比較結果を取得する。なお、多くの送信者とは、例えば、あらかじめ決められた閾値(例えば、「10」や「20」など)を超える数の送信者であってもよく、あらかじめ決められた閾値(例えば、30%や40%、50%など)を超える割合の送信者であってもよい。例えば、比較元の第2の情報と一致する比較先の第2の情報の送信者の数が閾値を超えている場合に、比較元の第2の情報が比較先の多くの送信者の第2の情報と同じである旨の比較結果が取得されてもよい。また、例えば、比較元の第2の情報と一致する比較先の第2の情報の送信者の数を、比較先の第2の情報の送信者の総数で割った割合が閾値を超えている場合に、比較元の第2の情報が比較先の多くの送信者の第2の情報と同じである旨の比較結果が取得されてもよい。
【0039】
比較結果の取得に送信者の割合を用いる場合には、例えば、比較部14は、受信されたマスタデータに含まれる販売対象識別子を特定し、記憶部11において、その特定した販売対象識別子を含むマスタデータの送信者の総数を取得してもよい。この送信者の総数の取得は、例えば、特定した販売対象識別子を含むマスタデータに対応付けられている送信者識別子の個数をカウントすることによって行われてもよい。次に、比較部14は、受信されたマスタデータに含まれる販売対象識別子及び第2の情報を特定し、記憶部11において、その特定した販売対象識別子及び第2の情報を含むマスタデータの送信者の数を取得する。この送信者の数の取得は、例えば、特定した販売対象識別子及び第2の情報を含むマスタデータに対応付けられている送信者識別子の個数をカウントすることによって行われてもよい。そして、比較部14は、取得した送信者の数を、取得した送信者の総数で除算することによって、送信者の割合を算出してもよい。なお、上記のようにして取得された送信者の総数は、比較先の第2の情報の送信者数であり、上記のようにして取得された送信者の数は、比較元の第2の情報と一致している比較先の第2の情報の送信者数である。
【0040】
また、比較部14は、例えば、ある送信者から受信されたマスタデータについて比較結果を取得する際に、そのマスタデータと同じ販売対象について過去に同じ送信者から送信されたマスタデータは、その比較に用いないようにしてもよい。具体的には、ある受信されたマスタデータについて比較結果を取得する際に、比較部14は、そのマスタデータに含まれる販売対象識別子を特定し、記憶部11において、その特定した販売対象識別子を含むマスタデータを特定し、その特定したマスタデータに、受信されたマスタデータの送信者を識別する送信者識別子が対応付けられている場合には、その送信者識別子を考慮しないで比較結果を取得してもよい。送信者識別子を考慮しないとは、例えば、送信者数をカウントする際に、その送信者識別子については、カウント対象に含めないことであってもよい。
【0041】
この比較結果によって、比較元の第2の情報が比較先の多くの送信者の第2の情報と同じであることが示される場合には、比較元の第2の情報を含むマスタデータは、正確な情報であると判断することができる。そのため、比較元の第2の情報が比較先の多くの送信者の第2の情報と同じである場合には、例えば、正しい旨を示す比較結果が取得されてもよい。一方、この比較結果によって、比較元の第2の情報が比較先の多くの送信者の第2の情報と相違していることが示される場合には、比較元の第2の情報を含むマスタデータは、正確な情報ではない可能性があると判断することができる。そのため、比較元の第2の情報が比較先の多くの送信者の第2の情報と相違している場合には、例えば、誤っている旨を示す比較結果が取得されてもよい。
【0042】
また、比較部14は、記憶部11において、受信されたマスタデータに含まれる販売対象識別子と同じ販売対象識別子を含むマスタデータの送信者数(すなわち、上記した送信者の総数)があらかじめ決められた数(例えば、「3」や「5」など)より少ない場合には、比較できないと判断してもよい。比較先の第2の情報に対応する送信者の数が少ない場合には、正確な比較を行うことができないからである。
【0043】
比較結果には、例えば、どのマスタデータの比較結果であるのかを示す情報が含まれていてもよい。例えば、比較結果には、比較元の第2の情報に対応する販売対象識別子が含まれていてもよく、または、比較元の第2の情報を含む、受信されたマスタデータそのものが含まれていてもよい。
【0044】
送信部15は、送信要求が受信部12で受信された場合に、その受信された送信要求に含まれる販売対象識別子に対応する販売対象情報を送信する。販売対象情報の送信先は、例えば、送信要求の送信元であってもよい。送信部15は、例えば、販売対象情報のみを送信してもよく、販売対象情報と、その販売対象情報に対応する販売対象識別子とを含むマスタデータを送信してもよい。前者の場合であっても、送信者は、自らが送信した送信要求に含まれる販売対象識別子を知っているため、例えば、送信者側でマスタデータを構成することができる。また、受信された送信要求に含まれる販売対象識別子に、同じ第2の情報を含む複数の販売対象情報が対応している場合には、送信部15は、例えば、その複数の販売対象情報のうち、いずれか1個のみを送信してもよい。この場合には、送信部15から送信される1以上の販売対象情報は、それぞれ異なる第2の情報を含んでいてもよい。マスタデータのうち、正確性が求められるのは第2の情報であり、第1の情報はマスタデータの利用者が適宜、設定するものであるため、第1の情報に関する複数のバリエーションを送信する必要はないからである。同じ第2の情報を含む複数の販売対象情報から送信対象の販売対象情報を選択する方法は特に限定されないが、例えば、ランダムな選択であってもよく、あらかじめ決められたルールに応じた選択であってもよい(例えば、その複数の販売対象情報のうち、最初に登録された販売対象情報など)。
【0045】
また、送信部15は、例えば、受信された送信要求に含まれる販売対象識別子に対応する販売対象情報のうち、送信者数の多い第2の情報を含む販売対象情報を送信してもよい。このようにすることで、より多くの送信者が採用している販売対象情報が送信されることになり、より精度の高い販売対象情報が送信されることになると考えられる。そのため、送信要求を送信した者は、より精度の高いマスタデータを容易に作成することができるようになる。なお、ある販売対象識別子に対応する販売対象情報について、第2の情報ごとの送信者数を取得する場合には、例えば、その販売対象情報に含まれるすべての第2の情報についてユニーク処理を行い、そのユニーク処理後の各第2の情報に対応する送信者識別子の個数をカウントすることによって、第2の情報ごとの送信者数を取得してもよい。また、例えば、記憶部11で記憶されているマスタデータに、複数の送信者識別子や、送信者数などが対応付けられている場合には、送信部15は、ユニーク処理を行うことなく、送信者識別子の個数をカウントしたり、送信者数を読み出したりすることによって、第2の情報ごとの送信者数を取得してもよい。
【0046】
また、送信部15は、例えば、受信された送信要求に含まれる販売対象識別子に対応する販売対象情報のうち、第2の情報が異なる1以上の販売対象情報を、第2の情報の送信者数に対応付けて送信してもよい。この場合には、送信部15によって複数の販売対象情報が送信される場合に、各販売対象情報に含まれる第2の情報はすべて異なることになる。この場合には、送信要求を送信した者は、例えば、販売対象情報に対応付けられている送信者数に基づいて、採用する販売対象情報を決めることができる。送信要求を送信した者は、例えば、より多くの送信者数に対応付けられている販売対象情報をマスタデータに用いてもよい。
【0047】
送信部15は、比較部14によって比較結果が取得された場合には、その比較部14によって取得された比較結果を送信する。比較結果の送信先は、例えば、マスタデータの送信元であってもよい。
【0048】
なお、送信部15は、販売対象情報や比較結果を送信先の装置等に直接送信してもよく、または、サーバ等を介して間接的に送信してもよい。また、送信部15は、送信を行うための送信デバイス(例えば、モデムやネットワークカードなど)を含んでもよく、または含まなくてもよい。また、送信部15は、ハードウェアによって実現されてもよく、または送信デバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
【0049】
次に、サーバ1の動作について図2のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS101)受信部12は、マスタデータを受信したかどうか判断する。そして、マスタデータを受信した場合には、ステップS102に進み、そうでない場合には、ステップS105に進む。なお、受信部12は、マスタデータと共に、そのマスタデータの送信者を識別する送信者識別子を受信してもよい。
【0050】
(ステップS102)比較部14は、受信されたマスタデータに含まれる比較元の第2の情報と、そのマスタデータに含まれる販売対象識別子と同じ販売対象識別子を含む、記憶部11で記憶されているマスタデータに含まれる比較先の第2の情報とを比較して、比較結果を取得する。なお、正規化後のマスタデータに含まれる第2の情報が、比較元の第2の情報となってもよい。
【0051】
(ステップS103)送信部15は、ステップS102で取得された比較結果を送信する。
【0052】
(ステップS104)蓄積部13は、受信されたマスタデータを記憶部11に蓄積する。なお、この蓄積は、上記したように、例えば、受信されたマスタデータと送信者識別子とを対応付けて蓄積することであってもよく、あらかじめ記憶されているマスタデータに対応付けられている1以上の送信者識別子に、受信された送信者識別子を追加することであってもよく、あらかじめ記憶されているマスタデータに対応付けられている送信者数をインクリメントすることであってもよい。また、正規化処理後のマスタデータが蓄積されてもよい。そして、ステップS101に戻る。
【0053】
(ステップS105)受信部12は、送信要求を受信したかどうか判断する。そして、送信要求を受信した場合には、ステップS106に進み、そうでない場合には、ステップS101に戻る。
【0054】
(ステップS106)送信部15は、ステップS105で受信された送信要求に含まれる販売対象識別子に対応付けられている販売対象情報を記憶部11から読み出す。なお、上記のように、送信要求に含まれる販売対象識別子に対応付けられているすべての販売対象情報が読み出されてもよく、または、一部の販売対象情報が読み出されてもよい。
【0055】
(ステップS107)送信部15は、ステップS106で読み出した販売対象情報を送信する。そして、ステップS101に戻る。
なお、図2のフローチャートにおける処理の順序は一例であり、同様の結果を得られるのであれば、各ステップの順序を変更してもよい。また、図2のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0056】
次に、本実施の形態によるサーバ1の動作について、具体例を用いて説明する。本具体例では、図3で示される複数のマスタデータが送信者識別子に対応付けられて記憶部11で記憶されているものとする。マスタデータは、販売対象識別子と、販売対象情報とを含む情報である。販売対象情報は、第1及び第2の情報を含んでいる。第1の情報には、例えば、長い品名と、中程度の長さの品名と、短い品名などが含まれている。第2の情報には、例えば、商品形態、入数、サイズ、重量などが含まれている。また、図3で示される1番目のマスタデータには、送信者識別子「U001,U002」等が対応付けられているが、その送信者識別子で識別される送信者は、1番目のマスタデータに含まれる第2の情報を含むマスタデータを送信した送信者である。なお、1番目のマスタデータに含まれる第1の情報は、その第2の情報を含むマスタデータのうち、最初に受信されたマスタデータに含まれていた第1の情報である。図3の1番目のマスタデータと2番目のマスタデータとは、同じ販売対象に対応するマスタデータであるが、第2の情報に含まれるサイズが異なっているため、別々に記憶部11で記憶されている。
【0057】
次に、送信者識別子「U201」で識別される企業の担当者が、情報処理装置2を操作して販売対象識別子「ID00001」で識別される販売対象のマスタデータを作成し、そのマスタデータと送信者識別子「U201」とをサーバ1に送信したとする。すると、そのマスタデータと送信者識別子とは、サーバ1の受信部12で受信され、蓄積部13と比較部14とに渡される(ステップS101)。また、受信部12は、マスタデータの送信元のアドレスを送信部15に渡す。
【0058】
受信されたマスタデータ等を受け取ると、比較部14は、そのマスタデータに含まれる販売対象識別子「ID00001」を検索キーとして記憶部11で記憶されているマスタデータを検索し、ヒットしたマスタデータに含まれる第2の情報を、比較先の第2の情報として特定する。また、比較部14は、受け取ったマスタデータに含まれる第2の情報である比較元の第2の情報と、特定した比較先の第2の情報とを比較し、比較元の第2の情報に一致する比較先の第2の情報があるかどうか判断する。この場合には、比較元の第2の情報に一致する比較先の第2の情報はなかったとする。すると、比較部14は、比較元の第2の情報は、比較先の多くの送信者の第2の情報と同じではない旨の比較結果を取得して、送信部15に渡す(ステップS102)。なお、比較結果には、比較元の第2の情報に対応する販売対象識別子「ID00001」が含まれていてもよく、または、比較元の第2の情報を含む、受信されたマスタデータそのものが含まれていてもよい。どのマスタデータに対する比較結果であるのかが分かるようにするためである。
【0059】
比較結果を受け取ると、送信部15は、あらかじめ受信部12から受け取っていた、マスタデータの送信元のアドレスを送信先として、受け取った比較結果を送信する(ステップS103)。送信された比較結果は、送信者識別子「U201」で識別される送信者の情報処理装置2で受信され、出力される。このようにして出力された比較結果に応じて、担当者は、比較結果に含まれる販売対象識別子を含むマスタデータについて目視検査を行って、マスタデータを修正することができる。
【0060】
また、受信されたマスタデータと送信者識別子とを受け取ると、蓄積部13は、そのマスタデータと送信者識別子とを対応付けて記憶部11に蓄積する(ステップS104)。その蓄積の際に、蓄積部13は、受け取ったマスタデータに含まれる販売対象識別子「ID00001」を検索キーとして記憶部11で記憶されているマスタデータを検索し、ヒットしたマスタデータの第2の情報に、受け取ったマスタデータに含まれる第2の情報と一致するものがあるかどうか判断する。この場合には、ヒットしたマスタデータの第2の情報に、受け取ったマスタデータに含まれる第2の情報と一致するものはなかったとする。そのため、蓄積部13は、受け取ったマスタデータと送信者識別子とをそのまま記憶部11に蓄積する。その結果、記憶部11で記憶されているマスタデータは、図4で示されるようになったとする。
【0061】
なお、ヒットしたマスタデータの第2の情報に、受け取ったマスタデータに含まれる第2の情報と一致するものがあった場合には、蓄積部13は、ヒットしたマスタデータのうち、受け取ったマスタデータに含まれる第2の情報と同じ第2の情報を含むマスタデータに対応付けられている送信者識別子に、受け取った送信者識別子を追加することによって、マスタデータの蓄積を行う。
【0062】
なお、目視検査を行った担当者が、販売対象識別子「ID00001」を含むマスタデータの第2の情報に含まれる入数「10」を「12」に修正し、再度、サーバ1に送信したとする。すると、上記説明と同様に、そのマスタデータと送信者識別子とは受信部12で受信され(ステップS101)、そのマスタデータの比較元の第2の情報と、記憶部11において、そのマスタデータに含まれる販売対象識別子に対応付けられている比較先の第2の情報とが比較される(ステップS102)。この比較では、受信された送信者識別子「U201」に対応付けられている第2の情報は、比較先の第2の情報にはならないものとする。また、この場合には、比較元の第2の情報と一致する比較先の第2の情報に、53個の送信者識別子が対応付けられていたとする。また、この具体例では、比較元の第2の情報と一致する比較先の第2の情報に、10個以上の送信者識別子が対応付けられている場合に、比較元の第2の情報が比較先の多くの送信者の第2の情報と同じであると判断されるものとする。すると、この場合には、比較部14は、比較元の第2の情報が比較先の多くの送信者の第2の情報と同じである旨と、販売対象識別子「ID00001」とを含む比較結果を取得して、送信部15に渡す。送信部15は、その比較結果を、マスタデータの送信元の情報処理装置2に送信する(ステップS103)。このようにして、送信者識別子「U201」で識別される企業の担当者は、その比較結果を見ることによって、修正したマスタデータで問題ない旨を知ることができる。
【0063】
また、修正後のマスタデータが、蓄積部13によって記憶部11に蓄積される(ステップS104)。この蓄積の際には、修正前のマスタデータが削除されると共に、修正後のマスタデータが蓄積されることになる。具体的には、蓄積部13は、修正後のマスタデータから販売対象識別子を読み出し、その販売対象識別子と、受信された送信者識別子とを検索キーとして、記憶部11を検索する。その結果、図4で示される3番目のマスタデータと送信者識別子との組がヒットすることになる。なお、この3番目のマスタデータには送信者識別子「U201」のみが対応付けられているため、蓄積部13は、その3番目のマスタデータと送信者識別子との組を削除する。
【0064】
また、蓄積部13は、修正後のマスタデータに含まれる販売対象識別子を検索キーとして記憶部11で記憶されているマスタデータを検索し、ヒットしたマスタデータの第2の情報に、修正後のマスタデータに含まれる第2の情報と一致するものがあるかどうか判断する。この場合には、図4の1番目のマスタデータの第2の情報が、修正後のマスタデータの第2の情報と一致したとする。すると、蓄積部13は、図4の1番目のマスタデータに対応付けられている送信者識別子に、送信者識別子「U201」を追加する。この追加によって、マスタデータの蓄積が行われたことになる。
【0065】
次に、送信者識別子「U301」で識別される企業の担当者が、販売対象識別子「ID00001」で識別される販売対象のマスタデータをサーバ1から入手するため、情報処理装置2を操作して、販売対象識別子「ID00001」を含む送信要求をサーバ1に送信したとする。すると、その送信要求は、サーバ1の受信部12で受信され、送信要求に含まれる販売対象識別子と、その送信要求の送信元のアドレスとが送信部15に渡される(ステップS105)。
【0066】
販売対象識別子等を受け取ると、送信部15は、受け取った販売対象識別子「ID00001」を検索キーとして、記憶部11で記憶されているマスタデータを検索し、ヒットしたマスタデータに含まれる販売対象情報と、その販売対象情報に対応付けられている送信者識別子の個数との組を特定する。そして、送信部15は、その組のうち、送信者識別子の個数が最も多い組を特定し、その特定した組の販売対象情報を記憶部11から読み出して、受信部12から受け取った送信要求の送信元のアドレスに送信する(ステップS106、S107)。この具体例では、図4で示される1番目の販売対象情報が、送信者識別子「U301」で識別される企業の情報処理装置2に送信されることになる。このようにして、送信者識別子「U301」で識別される企業の担当者は、販売対象識別子「ID00001」で識別される販売対象の販売対象情報を受け取ることができ、それをそのまま用いることによって、または、それの一部(例えば、品名など)を変更することによって、販売対象識別子「ID00001」で識別される販売対象のマスタデータを容易に作成することができる。なお、作成されたマスタデータは、上記説明と同様に、サーバ1に送信され、すでに記憶されているマスタデータと比較されたり、記憶部11に蓄積されたりしてもよい(ステップS101~S104)。
【0067】
以上のように、本実施の形態によるサーバ1によれば、マスタデータを送信した者は、マスタデータの比較結果を受け取ることができ、例えば、自らの送信したマスタデータが、他者の多くの送信者のマスタデータと異なっている場合に、内容に誤りがあるかどうかをチェックすることによって、マスタデータの精度を向上させることができる。また、例えば、自らの送信したマスタデータが、他者の多くの送信者のマスタデータと同じである場合に、その自らの送信したマスタデータが正確であると確認することができ、そのマスタデータを安心して使用することができる。このように、マスタデータのチェックの負担が軽減されることになる。
【0068】
また、送信要求を送信した者は、他者の作成したマスタデータの販売対象情報を受信することができ、その販売対象情報を用いてマスタデータを作成することができる。したがって、マスタデータの作成の負担が軽減されることになる。
【0069】
なお、本実施の形態によるサーバ1は、上記の説明のものに限定されず、様々な変更が可能である。以下、その変形例について説明する。
[マスタデータの受信時以外の比較]
本実施の形態では、マスタデータが受信された際にマスタデータの比較を行う場合について主に説明したが、そうでなくてもよい。マスタデータの受信時以外にも、マスタデータの比較を行ってもよい。例えば、ある販売対象識別子を含むマスタデータが記憶部11で記憶されていないか、または1,2社程度などのように少数の送信者からしか送信されていない状況で、その販売対象識別子を含むマスタデータが受信された場合には、その受信されたマスタデータについて適切な比較を行うことができない。したがって、比較部14は、マスタデータの受信時以外にも比較を行ってもよい。
【0070】
マスタデータの受信時以外の比較は、例えば、すべてのマスタデータについて行われてもよく、または、一部のマスタデータについて行われてもよい。後者の場合には、例えば、マスタデータを受信した際の比較において、比較先の第2の情報に対応する送信者数が少ないため、比較できないと判断された際に、比較元の第2の情報を含むマスタデータに、再比較を行う旨のフラグ等の情報を設定しておき、その再比較を行う旨のフラグ等の情報の設定されているマスタデータについてのみ、受信時以外の比較を行ってもよい。その受信時以外の比較において、十分な送信者数に対応する比較先の第2の情報との比較を行うことができた場合には、その再比較を行う旨のフラグ等の情報は外され、そうでない場合には、そのフラグ等の情報が維持されてもよい。受信時以外の比較は、例えば、定期的に(例えば、1か月に1回、1週間に1回など)行われてもよい。
【0071】
この受信時以外の比較において、比較元の第2の情報が、比較先の多くの送信者の第2の情報と相違していることを示す比較結果が取得された場合には、送信部15は、その比較結果を送信してもよい。この場合には、その比較元の第2の情報が含まれるマスタデータを送信した送信者は、送信したマスタデータが、多くの送信者の第2の情報と相違していることを事後的に知ることができ、適宜、マスタデータを修正することができる。なお、受信時以外の比較において、比較元の第2の情報が、比較先の多くの送信者の第2の情報と一致していることを示す比較結果が取得された場合には、その比較結果は、送信されてもよく、または、送信されなくてもよい。この場合における比較結果の送信先も、比較元の第2の情報を含む、受信されたマスタデータの送信元であってもよい。この場合には、例えば、マスタデータの受信時に送信元の情報が送信者識別子等に対応付けられて記憶されていてもよい。
【0072】
[スコアである比較結果]
比較結果は、例えば、比較元の第2の情報と同じ比較先の第2の情報を含むマスタデータに対応付けられている送信者数、または送信者識別子の個数や割合に応じたスコアであってもよい。このようなスコアが取得される場合には、記憶部11において、マスタデータに、そのマスタデータを送信した送信者の送信者識別子や送信者数が対応付けられていることが好適である。このスコアは、例えば、比較元の第2の情報と同じ比較先の第2の情報の送信者の数そのものであってもよく、比較元の第2の情報と同じ比較先の第2の情報の送信者の数を、比較先の第2の情報の送信者の総数で除算した割合であってもよい。
【0073】
また、比較結果は、例えば、比較元の第2の情報と同じ比較先の第2の情報を含むマスタデータに対応付けられている送信者識別子ごとに重み付け加算を行ったスコアであってもよい。このようなスコアが取得される場合には、記憶部11において、マスタデータに、そのマスタデータを送信した送信者の送信者識別子が対応付けられていることが好適である。例えば、比較元の第2の情報と同じ比較先の第2の情報を含むマスタデータに対応付けられている送信者識別子の個数がN個である場合に、重み付け加算を行わないときには、例えば、スコアはNになる。ここで、Nは1以上の整数である。また、1個の送信者識別子のスコアを「1」にしている。一方、マスタデータの信頼性が高い送信者の送信者識別子については、1を超える重み(例えば、2や5など)を用いることによって、より適切な比較結果を取得することができる。そのため、このような重み付け加算を行ったスコアである比較結果が取得されてもよい。例えば、上記したN個の送信者識別子に、マスタデータの信頼性が高い送信者の送信者識別子が含まれている場合には、スコアは、Nを超える値(例えば、N+Mなど)になってもよい。ここで、Mは1以上の整数である。以下、重み付け加算で用いられる重みのいくつかの例について説明する。
【0074】
比較元の第2の情報が比較先の多くの送信者の第2の情報と相違していることを示す比較結果の送信に応じて再度、受信されたマスタデータの送信者を識別する送信者識別子の重みは、それ以外の送信者識別子の重みよりも大きくてもよい。この再度、受信されたマスタデータは、その比較結果を受け取った送信者から送信されたものとする。なお、この重みは、そのマスタデータに含まれる第2の情報が比較先の第2の情報となる際のスコアの取得についてのみ用いられる重みである。比較結果に応じて再送信されたマスタデータは、目視検査によって間違いがないことを確認して再送信されたと考えることができ、精度が高いと推定することができる。そのため、そのようなマスタデータの送信者の送信者識別子については、より大きな重みが設定されてもよい。より具体的には、例えば、比較結果の送信に応じて再受信されたマスタデータと共に受信された送信者識別子には、記憶部11において、フラグ等の情報が設定されてもよい。そして、比較部14は、重み付け加算によってスコアを取得する際に、フラグ等の情報の設定されている送信者識別子については、そうでない送信者識別子よりも大きい重みとしてもよい。例えば、通常の送信者識別子については重みを「1」にするのに対して、フラグ等の情報の設定されている送信者識別子については重みを「2」や「3」にしてもよい。
【0075】
また、記憶部11において、重み情報が記憶部11で記憶されている場合には、重み付け加算において、送信者識別子に重み情報によって対応付けられている重みが、その送信者識別子の重みとして用いられてもよい。この場合には、マスタデータの信頼性が高いと考えられる送信者の送信者識別子に、より大きな重みが対応付けられているものとする。なお、例えば、すべての送信者識別子に関する重み情報が記憶部11で記憶されていてもよく、または、一部の送信者識別子についてのみ、重み情報が記憶部11で記憶されていてもよい。後者の場合には、重み情報によって重みと対応付けられていない送信者識別子については、デフォルトの重み(例えば、「1」など)が用いられてもよい。また、前者の場合には、記憶部11において複数の重み情報が記憶されていることが好適であるが、後者の場合には、記憶部11で記憶されている重み情報は、例えば、1個でもよく、または、2個以上であってもよい。なお、重み情報によって送信者識別子に対応付けられている重みは、例えば、デフォルトの重みよりも大きくてもよく、または、小さくてもよい。
【0076】
例えば、大規模な企業や売上の多い企業の送信者を識別する送信者識別子には、より大きな重みが対応付けられていてもよい。そのような企業では、小規模な企業よりもマスタデータの管理に多くの人材や費用を掛けることができ、より正確なマスタデータを用意できると考えられるからである。
【0077】
また、例えば、販売対象の分野ごとに、異なる重み情報が用いられてもよい。例えば、食品分野においては、大手食品小売である送信者を識別する送信者識別子に、より大きな重みが対応付けられていてもよい。また、薬の分野においては、大手ドラッグストアである送信者を識別する送信者識別子に、より大きな重みが対応付けられていてもよい。
【0078】
また、例えば、送信者ごとの比較結果に応じて重みが設定されてもよい。例えば、ある送信者から送信されたマスタデータの比較結果について、比較元の第2の情報が、比較先の多くの送信者の第2の情報と同じである旨の比較結果となる割合が高い場合には、その送信者の送信者識別子に対応付けられている重みが高い値に設定されてもよい。一方、ある送信者から送信されたマスタデータの比較結果について、比較元の第2の情報が、比較先の多くの送信者の第2の情報と相違している旨の比較結果となる割合が高い場合には、その送信者の送信者識別子に対応付けられている重みが低い値に設定されてもよい。
【0079】
[比較結果に応じた蓄積]
本実施の形態では、蓄積部13が受信されたすべてのマスタデータを記憶部11に蓄積する場合について主に説明したが、そうでなくてもよい。例えば、受信されたあるマスタデータについて、比較元の第2の情報が比較先の多くの送信者の第2の情報と相違していることを示す比較結果が取得された場合には、蓄積部13は、その受信されたマスタデータを蓄積しなくてもよい。そして、その比較結果の送信に応じて、再度、同じ送信者から修正後のマスタデータ、または、問題のない旨が確認された以前と同じマスタデータが受信された場合に、その受信されたマスタデータが蓄積されてもよい。この場合には、比較結果の送信に応じて再度、送信者から送信されたマスタデータには、再度の送信である旨が対応付けられていてもよい。そして、蓄積部13は、その再度の送信である旨が対応付けられているマスタデータについては、比較結果に関わらず、記憶部11に蓄積してもよい。
【0080】
[比較を行うサーバ]
本実施の形態では、サーバ1が、送信要求の受信に応じたマスタデータの送信と、マスタデータの受信に応じた比較とを行う場合について主に説明したが、そうでなくてもよい。サーバ1は、送信要求の受信に応じたマスタデータの送信を行わなくてもよい。この場合には、サーバ1は、例えば、次のようなものであってもよい。すなわち、サーバ1は、販売対象を識別する販売対象識別子と、その販売対象に関する複数の情報を含む販売対象情報とを有するマスタデータが複数記憶される記憶部11と、マスタデータを受信する受信部12と、受信されたマスタデータを記憶部11に蓄積する蓄積部13と、を備え、販売対象情報には、マスタデータごとの内容の揺らぎが大きい第1の情報と、その第1の情報よりもマスタデータごとの内容の揺らぎが小さい第2の情報とが含まれており、記憶部において、マスタデータには、そのマスタデータに含まれる第2の情報の送信者数を取得するために用いられる情報が対応付けられており、受信されたマスタデータに含まれる比較元の第2の情報と、記憶部11において、その受信されたマスタデータに含まれる販売対象識別子に対応付けられている販売対象情報に含まれる比較先の第2の情報とを比較し、比較元の第2の情報が比較先の多くの送信者の第2の情報と同じであるかどうかを示す比較結果を取得する比較部14と、比較結果を送信する送信部15とを備えたものであってもよい。
【0081】
[その他の変形例]
本実施の形態では、記憶部11において、マスタデータに、そのマスタデータに含まれる第2の情報の送信者数を取得するために用いられる情報が対応付けられている場合について主に説明したが、そうでなくてもよい。記憶部11において、マスタデータに、そのような情報が対応付けられていなくてもよい。この場合には、例えば、マスタデータが記憶部11に蓄積される際に、マスタデータがそのまま蓄積されてもよい。このようにすることで、例えば、あるマスタデータに含まれる販売対象識別子と第2の情報とを検索キーとして、記憶部11で記憶されているマスタデータを検索した際のヒット数を特定することによって、その第2の情報の送信者数を特定することができる。
【0082】
また、上記実施の形態において、各処理または各機能は、単一の装置または単一のシステムによって集中処理されることによって実現されてもよく、または、複数の装置または複数のシステムによって分散処理されることによって実現されてもよい。
【0083】
また、上記実施の形態において、各構成要素間で行われる情報の受け渡しは、例えば、その情報の受け渡しを行う2個の構成要素が物理的に異なるものである場合には、一方の構成要素による情報の出力と、他方の構成要素による情報の受け付けとによって行われてもよく、または、その情報の受け渡しを行う2個の構成要素が物理的に同じものである場合には、一方の構成要素に対応する処理のフェーズから、他方の構成要素に対応する処理のフェーズに移ることによって行われてもよい。
【0084】
また、上記実施の形態において、各構成要素が実行する処理に関係する情報、例えば、各構成要素が受け付けたり、取得したり、選択したり、生成したり、送信したり、受信したりした情報や、各構成要素が処理で用いる閾値や数式、アドレス等の情報等は、上記説明で明記していなくても、図示しない記録媒体において、一時的に、または長期にわたって保持されていてもよい。また、その図示しない記録媒体への情報の蓄積を、各構成要素、または、図示しない蓄積部が行ってもよい。また、その図示しない記録媒体からの情報の読み出しを、各構成要素、または、図示しない読み出し部が行ってもよい。
【0085】
また、上記実施の形態において、各構成要素等で用いられる情報、例えば、各構成要素が処理で用いる閾値やアドレス、各種の設定値等の情報がユーザによって変更されてもよい場合には、上記説明で明記していなくても、ユーザが適宜、それらの情報を変更できるようにしてもよく、または、そうでなくてもよい。それらの情報をユーザが変更可能な場合には、その変更は、例えば、ユーザからの変更指示を受け付ける図示しない受付部と、その変更指示に応じて情報を変更する図示しない変更部とによって実現されてもよい。その図示しない受付部による変更指示の受け付けは、例えば、入力デバイスからの受け付けでもよく、通信回線を介して送信された情報の受信でもよく、所定の記録媒体から読み出された情報の受け付けでもよい。
【0086】
また、上記実施の形態において、サーバ1に含まれる2以上の構成要素が通信デバイスや入力デバイス等を有する場合に、2以上の構成要素が物理的に単一のデバイスを有してもよく、または、別々のデバイスを有してもよい。
【0087】
また、上記実施の形態において、各構成要素は専用のハードウェアにより構成されてもよく、または、ソフトウェアにより実現可能な構成要素については、プログラムを実行することによって実現されてもよい。例えば、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをCPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、各構成要素が実現され得る。その実行時に、プログラム実行部は、記憶部や記録媒体にアクセスしながらプログラムを実行してもよい。なお、上記実施の形態におけるサーバ1を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムであってもよい。つまり、このプログラムは、販売対象を識別する販売対象識別子と、販売対象に関する複数の情報を含む販売対象情報とを有するマスタデータが複数記憶される記憶部にアクセス可能なコンピュータに実行させるためのプログラムであって、販売対象情報には、マスタデータごとの内容の揺らぎが大きい第1の情報と、第1の情報よりもマスタデータごとの内容の揺らぎが小さい第2の情報とが含まれており、コンピュータを、マスタデータを受信すると共に、販売対象識別子を含む送信要求を受信する受信部、受信されたマスタデータのうち、少なくとも第2の情報を記憶部に蓄積する蓄積部、受信された送信要求に含まれる販売対象識別子に対応する販売対象情報を送信する送信部として機能させるためのものでもよい。
【0088】
また、上記実施の形態におけるサーバ1を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムであってもよい。つまり、このプログラムは、販売対象を識別する販売対象識別子と、販売対象に関する複数の情報を含む販売対象情報とを有するマスタデータが複数記憶される記憶部にアクセス可能なコンピュータに実行させるためのプログラムであって、販売対象情報には、マスタデータごとの内容の揺らぎが大きい第1の情報と、第1の情報よりもマスタデータごとの内容の揺らぎが小さい第2の情報とが含まれており、コンピュータを、マスタデータを受信する受信部、受信されたマスタデータのうち、少なくとも第2の情報を記憶部に蓄積する蓄積部、受信されたマスタデータに含まれる比較元の第2の情報と、記憶部において、受信されたマスタデータに含まれる販売対象識別子に対応付けられている販売対象情報に含まれる比較先の第2の情報とを比較し、比較元の第2の情報が比較先の多くの第2の情報と同じであるかどうかを示す比較結果を取得する比較部、比較結果を送信する送信部として機能させるためのものでもよい。
【0089】
なお、上記プログラムにおいて、上記プログラムが実現する機能には、ハードウェアでしか実現できない機能は含まれない。例えば、情報を受信する受信部や、情報を送信する送信部、情報を蓄積する蓄積部などにおけるモデムやインターフェースカードなどのハードウェアでしか実現できない機能は、上記プログラムが実現する機能には少なくとも含まれない。
【0090】
また、このプログラムは、サーバなどからダウンロードされることによって実行されてもよく、所定の記録媒体(例えば、CD-ROMなどの光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなど)に記録されたプログラムが読み出されることによって実行されてもよい。また、このプログラムは、プログラムプロダクトを構成するプログラムとして用いられてもよい。
【0091】
また、このプログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、または分散処理を行ってもよい。
【0092】
図5は、上記プログラムを実行して、上記実施の形態によるサーバ1を実現するコンピュータの外観の一例を示す模式図である。上記実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムによって実現されうる。
【0093】
図5において、コンピュータシステム900は、CD-ROMドライブ905を含むコンピュータ901と、キーボード902と、マウス903と、モニタ904とを備える。
【0094】
図6は、コンピュータシステム900の内部構成を示す図である。図6において、コンピュータ901は、CD-ROMドライブ905に加えて、MPU(Micro Processing Unit)911と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM912と、MPU911に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶すると共に、一時記憶空間を提供するRAM913と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するハードディスク914と、MPU911、ROM912等を相互に接続するバス915とを備える。なお、コンピュータ901は、LANやWAN等への接続を提供する図示しないネットワークカードを含んでいてもよい。
【0095】
コンピュータシステム900に、上記実施の形態によるサーバ1の機能を実行させるプログラムは、CD-ROM921に記憶されて、CD-ROMドライブ905に挿入され、ハードディスク914に転送されてもよい。これに代えて、そのプログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ901に送信され、ハードディスク914に記憶されてもよい。プログラムは実行の際にRAM913にロードされる。なお、プログラムは、CD-ROM921、またはネットワークから直接、ロードされてもよい。また、CD-ROM921に代えて他の記録媒体(例えば、DVD等)を介して、プログラムがコンピュータシステム900に読み込まれてもよい。
【0096】
プログラムは、コンピュータ901に、上記実施の形態によるサーバ1の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティプログラム等を必ずしも含んでいなくてもよい。プログラムは、制御された態様で適切な機能やモジュールを呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいてもよい。コンピュータシステム900がどのように動作するのかについては周知であり、詳細な説明は省略する。
【0097】
また、本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0098】
1 サーバ
11 記憶部
12 受信部
13 蓄積部
14 比較部
15 送信部
【要約】
【課題】マスタデータに関連する負担を軽減することができるサーバを提供する。
【解決手段】サーバ1は、販売対象を識別する販売対象識別子と、販売対象に関する複数の情報を含む販売対象情報とを有するマスタデータが複数記憶される記憶部11と、マスタデータを受信すると共に、販売対象識別子を含む送信要求を受信する受信部12とを備える。販売対象情報には、マスタデータごとの内容の揺らぎが大きい第1の情報と、第1の情報よりもマスタデータごとの内容の揺らぎが小さい第2の情報とが含まれている。サーバ1は、受信されたマスタデータのうち、少なくとも第2の情報を記憶部11に蓄積する蓄積部13と、受信された送信要求に含まれる販売対象識別子に対応する販売対象情報を送信する送信部15とをさらに備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6