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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-08
(45)【発行日】2022-09-16
(54)【発明の名称】基板処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20220909BHJP
   H05H 1/46 20060101ALI20220909BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20220909BHJP
【FI】
H01L21/302 101C
H05H1/46 L
H01L21/31 C
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020204790
(22)【出願日】2020-12-10
(65)【公開番号】P2021097231
(43)【公開日】2021-06-24
【審査請求日】2020-12-10
(31)【優先権主張番号】10-2019-0169528
(32)【優先日】2019-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519362963
【氏名又は名称】ピーエスケー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】マ,ヨン ジェ
(72)【発明者】
【氏名】ユン,ソン ジン
(72)【発明者】
【氏名】セオ,ヒョ ジョン
(72)【発明者】
【氏名】パク,ジョン ウー
【審査官】馬場 慎
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-098172(JP,A)
【文献】特開2013-140950(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0199183(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/205
H01L 21/302
H01L 21/3065
H01L 21/31
H01L 21/365
H01L 21/461
H01L 21/469
H01L 21/86
H05H 1/00 ー 1/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理する装置において、
基板に対する処理が遂行される処理空間を提供する工程処理部と、
工程ガスを放電させてプラズマを生成し、前記プラズマを前記処理空間に供給するプラズマ発生部と、を含み、
前記プラズマ発生部は、
プラズマ発生空間を有するプラズマチャンバーと、
前記プラズマチャンバーの外部で前記プラズマチャンバーに複数回巻かれているアンテナと、
前記プラズマチャンバーの内壁を覆い、フッ化イットリウム(YF)を含む第1コーティング膜と、
前記プラズマチャンバーの内壁を覆う第2コーティング膜と、 が提供され
前記第1コーティング膜は、前記第2コーティング膜上に提供され、
前記プラズマチャンバーの正断面から見る時、前記第1コーティング膜の厚さに関して、前記プラズマチャンバーの上部領域及び下部領域の厚さが前記プラズマチャンバーの中央領域の厚さより厚い 基板処理装置。
【請求項2】
前記第2コーティング膜は、 イットリウムオキサイド(Y)を含む請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記プラズマチャンバーの内壁全体領域で前記第1コーティング膜と前記第2コーティング膜の厚さの和は同一である請求項に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記アンテナは、
誘導結合型プラズマアンテナであり、
前記アンテナの一端には前記アンテナで電力を印加する電源が連結され、
前記アンテナの他端は接地される請求項1乃至請求項のいずれかの一項に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記アンテナの前記一端と前記他端は、前記プラズマチャンバーの前記正断面から見る時、前記プラズマチャンバーの前記上部領域と前記下部領域の各々に対応される高さに提供される請求項に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記プラズマ発生部は、
前記プラズマ発生空間に工程ガスを供給するガス供給ユニットを含み、
前記工程ガスは、
フルオリン(Fluorine)及び/又はハイドロゲン(Hydrogen)を含む請求項1乃至請求項のいずれかの一項に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記プラズマチャンバーは、
酸化アルミニウム(Al)を含む材質で提供される請求項1乃至請求項のいずれかの一項に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記プラズマ発生部は、
前記プラズマチャンバーの下部に配置され、前記プラズマチャンバーで発生されたプラズマを拡散させる拡散空間を有する拡散チャンバーをさらに有する請求項1乃至請求項のいずれかの一項に記載の基板処理装置。
【請求項9】
プラズマを利用して基板を処理する装置において、
チャンバーと、
前記チャンバー内に工程ガスを供給するガス供給ユニットと、
前記チャンバー内でプラズマを発生させるプラズマソースと、
前記チャンバーの内壁を覆う第1コーティング膜と、
前記チャンバーの内壁を覆い、前記第1コーティング膜と異なる材質で提供される第2コーティング膜を含み、
前記第2コーティング膜は、前記チャンバーの内壁上に提供され、
前記第1コーティング膜は、前記第2コーティング膜上に提供され、
前記チャンバーの正断面から見る時、前記第1コーティング膜の厚さに関して、前記チャンバーの上部領域及び下部領域に提供される厚さが前記チャンバーの中央領域に提供される厚さより厚い 基板処理装置。
【請求項10】
前記チャンバーの内壁全体領域で前記第1コーティング膜と前記第2コーティング膜の厚さの和は同一である請求項に記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記チャンバーは、
前記プラズマを発生させるプラズマチャンバーであり、
前記プラズマチャンバーの外部には前記プラズマチャンバーに複数回巻かれているアンテナが提供される請求項9または10に記載の基板処理装置。
【請求項12】
前記アンテナは、
誘導結合型プラズマアンテナであり、
前記アンテナの一端には前記アンテナで電力を印加する電源が印加され、
前記アンテナの他端は接地される請求項11に記載の基板処理装置。
【請求項13】
前記第1コーティング膜は、
フッ化イットリウム(YF)を含み、
前記第2コーティング膜は、
イットリウムオキサイド(Y)を含む請求項乃至請求項11のいずれかの一項に記載の基板処理装置。
【請求項14】
前記チャンバーは、
酸化アルミニウム(Al)を含む材質で提供される請求項13に記載の基板処理装置。
【請求項15】
前記工程ガスは、
フルオリン(Fluorine)及び/又はハイドロゲン(Hydrogen)を含む請求項9または10に記載の基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は基板処理装置に関り、より詳細にはプラズマを利用して基板を処理する基板処理装置に係る。
【背景技術】
【0002】
プラズマはイオンやラジカル、及び電子等から成されたイオン化されたガス状態を言う。プラズマは非常に高い温度や、強い電界、或いは高周波電磁界(RF Electromagnetic Fields)によって生成される。半導体素子製造工程はプラズマを使用して基板の上の薄膜を除去するアッシング又は蝕刻工程を含む。アッシング又は蝕刻工程はプラズマに含有されたイオン及びラジカル粒子が基板上の膜と衝突又は反応することによって遂行される。
【0003】
一般的にプラズマはチャンバー内で発生される。チャンバー内には工程ガスが供給される。チャンバー内に供給された工程ガスはチャンバー内に生成された電磁気場によってプラズマ状態に励起される。プラズマはチャンバーと衝突する。チャンバーはプラズマと衝突して蝕刻される。このような蝕刻によってチャンバーにはパーティクル(Particle)等の不純物が発生する。チャンバー内で不純物が発生する問題を最小化するためにチャンバーの内壁にコーティング膜を形成する方法が提示されている。このようなコーティング膜はプラズマがチャンバーの内壁と直接的に反応することを最小化する。しかし、一般的なコーティング膜は高い温度を有するプラズマによる熱的ストレス、そしてプラズマとの物理的衝突によって容易に損傷される。
【0004】
一方、チャンバーの内壁が蝕刻されるか、或いはチャンバー内で不純物が発生する問題は容量結合プラズマ(Capacitively Coupled Plasma、CCP)装置より、誘導結合プラズマ(Inductively Coupled Plasma、ICP)装置でさらに著しく発生する。容量結合プラズマ装置は上部電極と、下部電極を有する。そして、上部電極と下部電極との間で電気場が生成される。プラズマは電気場が生成された上部電極と下部電極との間で発生する。発生されたプラズマは上部電極と下部電極との間に生成された電気場の方向に沿って運動するようになる。即ち、容量結合プラズマ装置でのプラズマは主にチャンバーの内壁ではない両電極と衝突するようになる。反面、誘導結合プラズマ装置はプラズマ反応チャンバーを有する。プラズマ反応チャンバーはアンテナコイルによって囲まれる。アンテナコイルには交流電流が流れながら、プラズマ反応チャンバーの内部に電気場を発生させる。発生された電気場はプラズマを発生させる。プラズマ発生チャンバー内でプラズマはアンテナコイルの一端と他端に向かう方向に主に運動するようになる。プラズマの運動はチャンバーの内壁に向かう運動を含む。即ち、誘導結合プラズマ装置でプラズマとチャンバーの内壁の衝突は容量結合プラズマ装置でのチャンバーの内壁の衝突と比較する時さらに強く行われる。また、誘導結合プラズマ装置でプラズマとチャンバーの内壁の衝突頻度もさらに多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際特許公開第2010-087648 A2号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は基板を効率的に処理することができる基板処理装置を提供することにある。
【0007】
また、本発明の目的はチャンバーの内壁がプラズマと反応して不純物が発生されることを最小化することができる基板処理装置を提供することにある。
【0008】
また、本発明はプラズマチャンバーの使用寿命を増加させることができる基板処理装置を提供することにある。
【0009】
また、本発明の目的はプラズマチャンバーの内壁を覆うコーティング膜が損傷されるか、或いはプラズマチャンバーの内壁から離脱されることを最小化することができる基板処理装置を提供することにある。
【0010】
本発明が解決しようとする課題が上述した課題に限定されることはなく、言及されなかった課題は本明細書及び添付された図面から本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は基板を処理する装置を提供する。基板を処理する装置は、基板に対する処理が遂行される処理空間を提供する工程処理部と、工程ガスを放電させてプラズマを生成し、前記プラズマを前記処理空間に供給するプラズマ発生部と、を含み、前記プラズマ発生部は、プラズマ発生空間を有するプラズマチャンバーと、前記プラズマチャンバーの外部で前記プラズマチャンバーに複数回巻かれているアンテナと、前記プラズマチャンバーの内壁を覆い、フッ化イットリウム(YF)を含む第1コーティング膜が提供されることができる。
【0012】
一実施形態によれば、前記プラズマチャンバーの内壁を覆うイットリウムオキサイド(Y)を含む第2コーティング膜がさらに提供されることができる。
【0013】
一実施形態によれば、前記第2コーティング膜は、前記プラズマチャンバーの内壁上に提供され、前記第1コーティング膜は、前記第2コーティング膜上に提供されることができる。
【0014】
一実施形態によれば、前記第1コーティング膜は、前記プラズマチャンバーの正断面から見る時、前記プラズマチャンバーの上部領域及び下部領域に提供される厚さが前記プラズマチャンバーの中央領域に提供される厚さより厚い。
【0015】
一実施形態によれば、前記プラズマチャンバーの内壁全体領域で前記第1コーティング膜と前記第2コーティング膜の厚さの和は同一に提供されることができる。
【0016】
一実施形態によれば、前記第1コーティング膜は、前記プラズマチャンバーの正断面から見る時、前記プラズマチャンバーの上部領域及び下部領域と前記プラズマチャンバーの中央領域の中で前記上部領域及び前記下部領域に提供され、前記第2コーティング膜は、前記中央領域に提供されることができる。
【0017】
一実施形態によれば、前記アンテナは、誘導結合型プラズマアンテナであり、前記アンテナの一端には前記アンテナで電力を印加する電源が連結され、前記アンテナの他端は接地されることができる。
【0018】
一実施形態によれば、前記アンテナの前記一端と前記他端は前記プラズマチャンバーの正断面から見る時、前記プラズマチャンバーの上部領域と下部領域の各々に対応される高さに提供されることができる。
【0019】
一実施形態によれば、前記プラズマ発生部は、前記プラズマ発生空間に工程ガスを供給するガス供給ユニットを含み、前記工程ガスは、フルオリン(Fluorine)及び/又はハイドロゲン(Hydrogen)を含むことができる。
【0020】
一実施形態によれば、前記プラズマチャンバーは、酸化アルミニウム(Al)を含む材質で提供されることができる。
【0021】
一実施形態によれば、前記プラズマ発生部は、前記プラズマチャンバーの下部に配置し、前記プラズマチャンバーで発生されたプラズマを拡散させる拡散空間を有する拡散チャンバーをさらに含むことができる。
【0022】
また、本発明はプラズマを利用して基板を処理する装置を提供する。プラズマを利用して基板を処理する装置は、チャンバーと、前記チャンバー内に工程ガスを供給するガス供給ユニットと、前記チャンバー内でプラズマを発生させるプラズマソースと、前記チャンバーの内壁を覆う第1コーティング膜と、前記チャンバーの内壁を覆い、前記第1コーティング膜と異なる材質で提供される第2コーティング膜と、を含むことができる。
【0023】
一実施形態によれば、前記第2コーティング膜は、前記チャンバーの内壁上に提供され、前記第1コーティング膜は、前記第2コーティング膜上に提供されることができる。
【0024】
一実施形態によれば、前記第1コーティング膜は、前記チャンバーの正断面から見る時、前記チャンバーの上部領域及び下部領域に提供される厚さが前記チャンバーの中央領域に提供される厚さより厚い。
【0025】
一実施形態によれば、前記チャンバーの内壁全体領域で前記第1コーティング膜と前記第2コーティング膜の厚さの和は同一に提供されることができる。
【0026】
一実施形態によれば、前記第1コーティング膜は、前記チャンバーの正断面から見る時、前記チャンバーの上部領域及び下部領域と前記チャンバーの中央領域の中で前記上部領域及び前記下部領域に提供され、前記第2コーティング膜は、前記中央領域に提供されることができる。
【0027】
一実施形態によれば、前記チャンバーは、前記プラズマを発生させるプラズマチャンバーであり、前記プラズマチャンバーの外部には前記プラズマチャンバーに複数回巻かれているアンテナが提供されることができる。
一実施形態によれば、前記アンテナは、誘導結合型プラズマアンテナであり、前記アンテナの一端には前記アンテナで電力を印加する電源が印加され、前記アンテナの他端は接地されることができる。
【0028】
一実施形態によれば、前記第1コーティング膜は、フッ化イットリウム(YF)を含み、前記第2コーティング膜は、イットリウムオキサイド(Y)を含むことができる。
【0029】
一実施形態によれば、前記チャンバーは、酸化アルミニウム(Al)を含む材質で提供されることができる。
【0030】
一実施形態によれば、前記工程ガスは、フルオリン(Fluorine)及び/又はハイドロゲン(Hydrogen)を含むことができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明の一実施形態によれば、本発明は基板を効率的に処理することができる基板処理装置を提供することができる。
【0032】
また、本発明の一実施形態によれば、チャンバーの内壁がプラズマと反応して不純物が発生されることを最小化することができる。
【0033】
また、本発明の一実施形態によれば、プラズマチャンバーの使用寿命を増加させることができる。
【0034】
また、本発明の一実施形態によれば、プラズマチャンバーの内壁を覆うコーティング膜が損傷されるか、或いはプラズマチャンバー内壁から離脱されることを最小化することができる。
【0035】
本発明の効果が上述した効果によって限定されることはなく、言及されなかった効果は本明細書及び添付された図面から本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明の基板処理設備を概略的に示す図面である。
図2図1のプロセスチャンバーの中でプラズマ処理工程を遂行する基板処理装置を示す図面である。
図3】本発明の一実施形態によるプラズマチャンバーの形状を示す図面である。
図4図3のプラズマチャンバーで発生されたプラズマが流動する形状を示す図面である。
図5】本発明の他の実施形態によるプラズマチャンバーの形状を示す図面である。
図6図5のプラズマチャンバーで発生されたプラズマが流動する形状を示す図面である。
図7】本発明のその他の実施形態によるプラズマチャンバーの形状を示す図面である。
図8図7のプラズマチャンバーで発生されたプラズマが流動する形状を示す図面である。
図9】本発明のその他の実施形態によるプラズマチャンバーの形状を示す図面である。
図10図9のプラズマチャンバーで発生されたプラズマが流動する形状を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
下では添付した図面を参考として本発明の実施形態に対して本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし、本発明は様々な異なる形態に具現されることができ、ここで説明する実施形態に限定されない。また、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明することにおいて、関連された公知機能又は構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不必要に曖昧にすることができていると判断される場合にはその詳細な説明を省略する。また、類似な機能及び作用をする部分に対しては図面の全体に亘って同一な符号を使用する。
【0038】
ある構成要素を‘含む’ということは、特別に反対になる記載がない限り、他の構成要素を除外することではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。具体的に、“含む”又は“有する”等の用語は明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとすることであり、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものの存在又は付加可能性を予め排除しないことと理解されなければならない。
【0039】
単数の表現は文脈の上に明確に異なりに表現しない限り、複数の表現を含む。また、図面で要素の形状及びサイズ等はより明確な説明のために誇張されることができる。
【0040】
以下、図1乃至図10を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0041】
図1は本発明の基板処理設備を概略的に示す図面である。図1を参照すれば、基板処理設備1は設備前方端部モジュール(equipment front end module、EFEM)20及び処理モジュール30を有する。設備前方端部モジュール20と処理モジュール30は一方向に配置される。
【0042】
設備前方端部モジュール20はロードポート(load port)10及び移送フレーム21を有する。ロードポート10は第1の方向11に設備前方端部モジュール20の前方に配置される。ロードポート10は複数の支持部6を有する。各々の支持部6は第2方向12に一列に配置され、工程に提供される基板W及び工程処理が完了された基板Wが収納されたキャリヤー4(例えば、カセット、FOUP等)が安着される。キャリヤー4には工程に提供される基板W及び工程処理が完了された基板Wが収納される。移送フレーム21はロードポート10と処理モジュール30との間に配置される。移送フレーム21はその内部に配置され、ロードポート10と処理モジュール30との間に基板Wを移送する第1移送ロボット25を含む。第1移送ロボット25は第2方向12に具備された移送レール27に沿って移動してキャリヤー4と処理モジュール30との間に基板Wを移送する。
【0043】
処理モジュール30はロードロックチャンバー40、トランスファーチャンバー50、及びプロセスチャンバー60を含む。
【0044】
ロードロックチャンバー40は移送フレーム21に隣接するように配置される。一例として、ロードロックチャンバー40はトランスファーチャンバー50と設備前方端部モジュール20との間に配置されることができる。ロードロックチャンバー40は工程に提供される基板Wがプロセスチャンバー60に移送される前、又は工程処理が完了された基板Wが設備前方端部モジュール20に移送される前に待機する空間を提供する。
【0045】
トランスファーチャンバー50はロードロックチャンバー40に隣接するように配置される。トランスファーチャンバー50は上部から見る時、多角形の本体を有する。図3を参照すれば、トランスファーチャンバー50は上部から見る時、五角形の本体を有する。本体の外側には、ロードロックチャンバー40と複数のプロセスチャンバー60が本体の周辺に沿って配置される。本体の各側壁には、基板Wが出入りする通路(未図示)が形成され、通路はトランスファーチャンバー50とロードロックチャンバー40又はプロセスチャンバー60を連結する。各通路には、通路を開閉して内部を密閉させるドア(未図示)が提供される。トランスファーチャンバー50の内部空間にはロードロックチャンバー40とプロセスチャンバー60との間に基板Wを移送する第2移送ロボット53が配置される。第2移送ロボット53はロードロックチャンバー40で待機する未処理された基板Wをプロセスチャンバー60に移送するか、或いは工程処理が完了された基板Wをロードロックチャンバー40に移送する。そして、複数のプロセスチャンバー60に基板Wを順次的に提供するためにプロセスチャンバー60の間に基板Wを移送する。図3のように、トランスファーチャンバー50が五角形の本体を有する時、設備前方端部モジュール20と隣接する側壁には、ロードロックチャンバー40が各々配置され、残りの側壁には、プロセスチャンバー60が連続して配置される。トランスファーチャンバー50は前記形状のみならず、要求される工程モジュールに応じて多様な形態に提供されることができる。
【0046】
プロセスチャンバー60はトランスファーチャンバー50の周辺に沿って配置される。プロセスチャンバー60は複数に提供されることができる。各々のプロセスチャンバー60内では基板Wに対する工程処理が進行される。プロセスチャンバー60は第2移送ロボット53から基板Wが移送されて工程処理をし、工程処理が完了された基板Wを第2移送ロボット53に提供する。各々のプロセスチャンバー60で進行される工程処理は互いに異なることができる。以下、プロセスチャンバー60の中でプラズマ処理工程を遂行する基板処理装置1000に対して詳細に説明する。
【0047】
図2図1のプロセスチャンバーの中でプラズマ処理工程を遂行する基板処理装置を示す図面である。図2を参照すれば、基板処理装置1000はプラズマを利用して基板W上に所定の工程を遂行する。一例として、基板処理装置1000は基板W上の薄膜を蝕刻又はアッシングすることができる。薄膜はポリシリコン膜、シリコン酸化膜、及びシリコン窒化膜等の多様な種類の膜である。また、薄膜は自然酸化膜や化学的に生成された酸化膜である。
【0048】
基板処理装置1000は工程処理部200、プラズマ発生部400、そして排気部600を有する。
【0049】
工程処理部200は基板Wが置かれ、基板に対する処理が遂行される処理空間212を提供する。プラズマ発生部400は工程ガスを放電させてプラズマ(Plasma)を生成させ、これを工程処理部200の処理空間212に供給する。排気部600は工程処理部200の内部に留まる工程ガス及び/又は基板処理過程で発生した反応副産物等を外部に排出し、工程処理部200内の圧力を設定圧力に維持する。
【0050】
工程処理部200はハウジング210、支持ユニット230、そしてバッフル250を含むことができる。
【0051】
ハウジング210の内部には基板処理工程を遂行する処理空間212を有することができる。ハウジング210は上部が開放され、側壁には、開口(未図示)が形成されることができる。基板Wは開口を通じてハウジング210の内部に出入する。開口はドア(未図示)のような開閉部材によって開閉されることができる。また、ハウジング210の底面には排気ホール214が形成される。排気ホール214を通じて処理空間212内の工程ガス及び/又は副産物を処理空間212の外部に排気することができる。排気ホール214は後述する排気部600を含む構成と連結されることができる。
【0052】
支持ユニット230は処理空間212で基板Wを支持する。支持ユニット230は支持プレート232、そして支持軸234を含むことができる。支持プレート232は処理空間212で基板Wを支持することができる。支持プレート232は支持軸234によって支持されることができる。支持プレート232は外部電源と連結され、印加された電力によって静電気を発生させることができる。発生された静電気が有する静電気力は基板Wを支持ユニット230に固定させることができる。
【0053】
支持軸234は対象物を移動させることができる。例えば、支持軸234は基板Wを上下方向に移動させることができる。一例として、支持軸234は支持プレート232と結合され、支持プレート232を乗下降して基板Wを移動させることができる。
【0054】
バッフル250は支持ユニット230と対向するように支持ユニット230の上部に位置する。バッフル250は支持ユニット230とプラズマ発生部400との間に配置されることができる。プラズマ発生部400で発生されるプラズマはバッフル250に形成された複数のホール252を通過することができる。
【0055】
バッフル250は処理空間212に流入されるプラズマが基板Wに均一に供給されるようにする。バッフル250に形成されたホール252はバッフル250の上面から下面まで提供される貫通ホールとして提供され、バッフル250の各領域に均一に形成されることができる。
【0056】
プラズマ発生部400はハウジング210の上部に位置されることができる。プラズマ発生部400は工程ガスを放電させてプラズマを生成し、生成されたプラズマを処理空間212に供給する。プラズマ発生部400はプラズマチャンバー410、ガス供給ユニット420、電力印加ユニット430、そして拡散チャンバー440を含むことができる。
【0057】
プラズマチャンバー410には上面及び下面が開放された形状を有することができる。プラズマチャンバー410は上面及び下面が開放された筒形状を有することができる。プラズマチャンバー410は上面及び下面が開放された円筒形状を有することができる。プラズマチャンバー410はプラズマ発生空間412を有することができる。また、プラズマチャンバー410は酸化アルミニウム(Al)を含む材質で提供されることができる。プラズマチャンバー410の上面はガス供給ポート414によって密閉されることができる。ガス供給ポート414はガス供給ユニット420と連結されることができる。工程ガスはガス供給ポート414を通じてプラズマ発生空間412に供給されることができる。プラズマ発生空間412に供給されたガスはバッフル250を経て処理空間212に流入されることができる。
【0058】
ガス供給ユニット420は工程ガスを供給することができる。ガス供給ユニット420はガス供給ポート414と連結されることができる。ガス供給ユニット420が供給する工程ガスはフルオリン(Fluorine)及び/又はハイドロゲン(Hydrogen)を含むことができる。
【0059】
電力印加ユニット430はプラズマ発生空間412に高周波電力を印加する。電力印加ユニット430はプラズマ発生空間412で工程ガスを励起してプラズマを発生させるプラズマソースである。電力印加ユニット430はアンテナ432、電源434を含むことができる。
【0060】
アンテナ432は誘導結合型プラズマ(ICP)アンテナである。アンテナ432はコイル形状に提供されることができる。アンテナ432はプラズマチャンバー410の外部でプラズマチャンバー410に複数回巻かれる。アンテナ432はプラズマチャンバー410の外部で螺旋形にプラズマチャンバー410に複数回巻かれる。アンテナ432はプラズマ発生空間412に対応する領域でプラズマチャンバー410に巻かれる。アンテナ432の一端はプラズマチャンバー410の正断面から見る時、プラズマチャンバー410の上部領域と対応される高さに提供されることができる。アンテナ432の他端はプラズマチャンバー410の正断面から見る時、プラズマチャンバー410の下部領域と対応される高さに提供されることができる。
【0061】
電源434はアンテナ432に電力を印加することができる。電源434はアンテナ432に高周波交流電流を印加することができる。アンテナ432に印加された高周波交流電流はプラズマ発生空間412に誘導電気場を形成することができる。プラズマ発生空間412内に供給される工程ガスは誘導電気場からイオン化に必要とするエネルギーを得てプラズマ状態に変換されることができる。また、電源434はアンテナ432の一端に連結されることができる。電源434はプラズマチャンバー410の上部領域と対応される高さに提供されるアンテナ432の一端に連結されることができる。また、アンテナ432の他端は接地されることができる。プラズマチャンバー410の下部領域と対応される高さに提供されるアンテナ432の他端は接地されることができる。しかし、これに限定されることではなく、アンテナ432の他端に電源434が連結され、アンテナ432の一端が接地されてもよい。
【0062】
拡散チャンバー440はプラズマチャンバー410で発生されたプラズマを拡散させることができる。拡散チャンバー440はプラズマチャンバー410の下部に配置されることができる。拡散チャンバー440は上部と下部が開放された形状を有することができる。拡散チャンバー440は逆ホッパー形状を有することができる。拡散チャンバー440の上端はプラズマチャンバー410と対応される直径を有することができる。拡散チャンバー440の下端は拡散チャンバー440の上端より大きい直径を有することができる。拡散チャンバー440は上端から下端に行くほど、その直径が大きくなることができる。また、拡散チャンバー440は拡散空間442を有することができる。プラズマ発生空間412で発生されたプラズマは拡散空間442を経ながら、拡散されることができる。拡散空間442に流入されたプラズマはバッフル250を経て処理空間412に流入されることができる。
【0063】
排気部600は工程処理部200の内部の工程ガス及び不純物を外部に排気することができる。排気部600は基板W処理過程で発生する不純物を基板処理装置1000の外部に排気することができる。排気部600は処理空間212内に供給された工程ガスを外部に排気することができる。排気部600は排気ライン602及び減圧部材604を含むことができる。排気ライン602はハウジング210の底面に形成された排気ホール214と連結されることができる。また、排気ライン602は減圧を提供する減圧部材604と連結されることができる。これによって、減圧部材604は処理空間212に減圧を提供することができる。減圧部材604はポンプである。減圧部材604は処理空間212に残留するプラズマ及び不純物をハウジング210の外部に排出することができる。また、減圧部材604は処理空間212の圧力を既設定された圧力に維持するように減圧を提供することができる。
【0064】
図3は本発明の一実施形態によるプラズマチャンバーの形状を示す図面である。図3を参照すれば、プラズマチャンバー410の内壁には第1コーティング膜C1が提供されることができる。第1コーティング膜C1はプラズマチャンバー410の内壁を覆うことができる。第1コーティング膜C1はプラズマチャンバー410の内壁上に提供されることができる。第1コーティング膜C1はプラズマチャンバー410の内壁全体に同一な厚さに提供されることができる。第1コーティング膜C1はフッ化イットリウム(YF)を含むことができる。第1コーティング膜C1は大気圧プラズマ溶射(Atmosphere Plasma Spary、APS)方法でプラズマチャンバー410の内壁にコーティングされることができる。しかし、これに限定されることではなく、第1コーティング膜C1はエアロゾル方式又はコールドスプレー方式でプラズマチャンバー410の内壁にコーティングされることができる。
【0065】
図4図3のプラズマチャンバーで発生されたプラズマが流動する形状を示す図面である。図4を参照すれば、プラズマチャンバー410が有するプラズマ発生空間412ではプラズマPが発生されることができる。具体的に、プラズマ発生空間412に工程ガスが供給されることができる。プラズマ発生空間412に供給された工程ガスはアンテナ432が形成する電気場によってプラズマP状態に励起されることができる。プラズマチャンバー410の正断面から見る時、プラズマPは側方向に運動することができる。また、プラズマPは相対的にプラズマチャンバー410の上部領域及び/又は下部領域に向かう方向に運動することができる。これはプラズマチャンバー410の上部領域と対応する高さにアンテナ432の一端が提供され、プラズマチャンバー410の下部領域と対応する高さにアンテナ432の他端が提供されるためである。具体的に、アンテナ432の一端には電源434が連結される。アンテナ432の他端は接地される。これによって、アンテナ432の一端及び/又は他端はアンテナ432の他の領域より電位値が大きい。したがって、プラズマ発生空間412に残留するプラズマPは相対的にプラズマチャンバー410の中央領域よりプラズマチャンバー410の上部領域及び下部領域に向かう方向に運動するようになる。
【0066】
プラズマチャンバー410に複数回巻かれているアンテナ432を利用してプラズマPを発生させる誘導結合プラズマ装置の場合には、発生されたプラズマPがプラズマチャンバー410の内壁に向かう方向に運動するようになる。これによって、プラズマチャンバー410はプラズマPとの化学的反応のみならず、プラズマPがプラズマチャンバー410と衝突しながら、印加する物理的他力によっても蝕刻される。即ち、チャンバーがプラズマPによって蝕刻される問題は容量結合プラズマ装置より誘導結合プラズマ装置でさらに著しく発生する。一般的にはこのような問題を最小化するためにチャンバーの内壁にイットリウムオキサイド(Y)をコーティングする方法が利用されている。しかし、イットリウムオキサイド(Y)コーティングはフルオリンを含む工程ガスが適用される場合、コーティング膜のその自体が蝕刻されてパーティクルを発生させる。即ち、イットリウムオキサイド(Y2O3)コーティング膜はパーティクル(Paritcle)発生抑制能力が低下される。
【0067】
しかし、本発明の一実施形態によれば、プラズマチャンバー410の内壁にフッ化イットリウム(YF)を含む第1コーティング膜C1が提供される。フッ化イットリウム(YF)はイットリウムオキサイド(Y)と比較する時、パーティクル(Particle)発生抑制能力が高い。これによって、プラズマチャンバー410内でパーティクル(Particle)が発生することを最小化することができる。このようなパーティクル発生の抑制効果は上述したような理由で誘導結合プラズマ装置でさらに大きい。
【0068】
図5は本発明の他の実施形態によるプラズマチャンバーの形状を示す図面である。図5を参照すれば、プラズマチャンバー410の内壁には第1コーティング膜C1と第2コーティング膜C2が提供されることができる。第1コーティング膜C1と第2コーティング膜C2は互いに異なる材質で提供されることができる。第1コーティング膜C1はプラズマチャンバー410の内壁を覆うことができる。第2コーティング膜C2はプラズマチャンバー410の内壁を覆うことができる。第2コーティング膜C2はプラズマチャンバー410の内壁上に提供されることができる。第1コーティング膜C1は第2コーティング膜C2上に提供されることができる。第1コーティング膜C1と第2コーティング膜C2の厚さの和はプラズマチャンバー410の内壁全体領域で同一に提供されることができる。また、第1コーティング膜C1と第2コーティング膜C2の接合性は第1コーティング膜C1とプラズマチャンバー410の接合性より大きいことができる。また、第2コーティング膜C2の熱膨張係数とプラズマチャンバー410の熱膨張係数の差は第2コーティング膜C2の熱膨張係数と第1コーティング膜C1の熱膨張係数の差より小さいことができる。第1コーティング膜C1はフッ化イットリウム(YF)を含むことができる。また、第2コーティング膜C2はイットリウムオキサイド(Y)を含むことができる。第1コーティング膜C1と第2コーティング膜C2は大気圧プラズマ溶射(Atmosphere Plasma Spary、APS)方法でプラズマチャンバー410の内壁にコーティングされることができる。しかし、これに限定されることではなく、第1コーティング膜C1と第2コーティング膜C2はエアロゾル方式又はコールドスプレー方式でプラズマチャンバー410の内壁にコーティングされることができる。
【0069】
図6図5のプラズマチャンバーで発生されたプラズマが流動する形状を示す図面である。図6を参照すれば、上述した内容と同一又は類似な理由でプラズマ発生空間412内のプラズマPは側方向に運動することができる。また、プラズマ発生空間412内のプラズマPはプラズマチャンバー410の正断面から見る時、相対的にプラズマチャンバー410の上部領域及び/又は下部領域に向かう方向に運動することができる。第1コーティング膜C1は第2コーティング膜C2上に提供されることができる。第1コーティング膜C1はパーティクル抑制能力が高いフッ化イットリウム(YF)を含むことができる。即ち、第1コーティング膜C1はプラズマ発生空間412のプラズマPと直接的に衝突するようになる。しかし、第1コーティング膜C1は上述したうにパーティクル抑制能力が優秀であるので、プラズマ発生空間412でパーティクルが発生することを最小化することができる。
【0070】
また、第1コーティング膜C1がプラズマチャンバー410上に提供される場合、プラズマPを発生させる過程で第1コーティング膜C1が損傷されるか、或いは第1コーティング膜C1がプラズマチャンバー410から離脱されることができる。例えば、プラズマチャンバー410が酸化アルミニウム(Al)を含む材質で提供され、第1コーティング膜C1がフッ化イットリウム(YF)を含むように提供される場合、第1コーティング膜C1の熱膨張係数とプラズマチャンバー410の熱膨張係数の差が大きい。プラズマ発生空間412でプラズマPを発生させながら、熱が発生される。このような熱によって、第1コーティング膜C1とプラズマチャンバー410は熱変形される。第1コーティング膜C1とプラズマチャンバー410の熱膨張係数差が大きい場合、第1コーティング膜C1が熱変形される程度とプラズマチャンバー410が熱変形される程度が異なる。これによって、第1コーティング膜C1は熱変形によってプラズマチャンバー410から離脱されることができる。
【0071】
しかし、本発明の他の実施形態では第2コーティング膜C2がプラズマチャンバー410上に提供される。また、第1コーティング膜C1は第2コーティング膜C2上に提供される。この時、第2コーティング膜C2の熱膨張係数とプラズマチャンバー410の熱膨張係数の差は第2コーティング膜C2の熱膨張係数と第1コーティング膜C1の熱膨張係数の差より小さい。例えば、第1コーティング膜C1がフッ化イットリウム(YF)を含み、第2コーティング膜C2がイットリウムオキサイド(Y)を含み、プラズマチャンバー410が酸化アルミニウム(Al)を含む材質で提供される場合、第2コーティング膜C2の熱膨張係数とプラズマチャンバー410の熱膨張係数の差は第2コーティング膜C2の熱膨張係数と第1コーティング膜C1の熱膨張係数の差より小さい。第2コーティング膜C2の熱膨張係数はプラズマチャンバー410の熱膨張係数と同一又は類似することができる。即ち、第2コーティング膜C2が熱変形される程度はプラズマチャンバー410が熱変形される程度と同一又は類似である。したがって、熱変形によって第2コーティング膜C2がプラズマチャンバー410から離脱される問題を最小化することができる。
【0072】
また、第1コーティング膜C1と第2コーティング膜C2の接合性は第1コーティング膜C1とプラズマチャンバー410の接合性より大きい。例えば、第1コーティング膜C1がフッ化イットリウム(YF)を含み、第2コーティング膜C2がイットリウムオキサイド(Y)を含み、プラズマチャンバー410が酸化アルミニウム(Al)を含む材質で提供される場合、第1コーティング膜C1と第2コーティング膜C2の接合性は第1コーティング膜C1とプラズマチャンバー410の接合性より大きい。これによって、第1コーティング膜C1と第2コーティング膜C2の熱変形程度が互いに異なっても、第1コーティング膜C1が第2コーティング膜C2から離脱することを最小化することができる。
【0073】
図7は本発明のその他の実施形態によるプラズマチャンバーの形状を示す図面である。図7を参照すれば、プラズマチャンバー410の内壁には第1コーティング膜C1と第2コーティング膜C2が提供されることができる。第1コーティング膜C1はプラズマチャンバー410の内壁を覆うことができる。第2コーティング膜C2はプラズマチャンバー410の内壁を覆うことができる。第2コーティング膜C2はプラズマチャンバー410の内壁上に提供されることができる。第1コーティング膜C1は第2コーティング膜C2上に提供されることができる。
【0074】
また、第1コーティング膜C1はプラズマチャンバー410の正断面から見る時、プラズマチャンバー410の上部領域及び下部領域に提供される厚さがプラズマチャンバー410の中央領域に提供される厚さより厚い。第1コーティング膜C1と第2コーティング膜C2の厚さの和はプラズマチャンバー410の内壁全体領域で同一に提供されることができる。また、第1コーティング膜C1と第2コーティング膜C2の接合性は第1コーティング膜C1とプラズマチャンバー410の接合性より大きい。また、第2コーティング膜C2の熱膨張係数とプラズマチャンバー410の熱膨張係数の差は第2コーティング膜C2の熱膨張係数と第1コーティング膜C1の熱膨張係数の差より小さい。第1コーティング膜C1はフッ化イットリウム(YF)を含むことができる。また、第2コーティング膜C2はイットリウムオキサイド(Y)を含むことができる。第1コーティング膜C1と第2コーティング膜C2は大気圧プラズマ溶射(Atmosphere Plasma Spary、APS)方法でプラズマチャンバー410の内壁にコーティングされることができる。しかし、これに限定されることではなく、第1コーティング膜C1と第2コーティング膜C2はエアロゾル方式又はコールドスプレー方式でプラズマチャンバー410の内壁にコーティングされることができる。
【0075】
図8図7のプラズマチャンバーで発生されたプラズマが流動する形状を示す図面である。図8を参照すれば、上述した内容と同一又は類似な理由でプラズマ発生空間412内のプラズマPは側方向に運動することができる。また、プラズマ発生空間412内のプラズマPはプラズマチャンバー410の正断面から見る時、相対的にプラズマチャンバー410の上部領域及び/又は下部領域に向かう方向に運動することができる。これによって、プラズマPによる第1コーティング膜C1の蝕刻はプラズマチャンバー410の中央領域よりプラズマチャンバー410の上部領域及び下部領域でさらに多く行われることができる。
【0076】
仮に、第1コーティング膜C1の厚さと第2コーティング膜C2の厚さが互いに同一に提供される場合、プラズマチャンバー410の上部領域及び下部領域に提供される第1コーティング膜C1が全て蝕刻されれば、プラズマチャンバー410を交替するか、又はプラズマチャンバー410に再びコーティング膜をコーティングしなければならない。しかし、本発明の他の実施形態によれば、プラズマチャンバー410の上部領域及び下部領域に提供される第1コーティング膜C1の厚さが厚く提供される。即ち、プラズマPとの衝突が頻繁なプラズマチャンバー410の上部領域及び下部領域にパーティクル抑制能力及び内プラズマ性が高い第1コーティング膜C1の厚さを厚くして、プラズマチャンバー410の使用寿命をさらに増加させることができる。図7図8で説明している本発明の他の実施形態のその他の効果は上述した実施形態の効果と同一又は類似であるので、詳細な説明は省略する。
【0077】
図9は本発明のその他の実施形態によるプラズマチャンバーの形状を示す図面である。図9を参照すれば、プラズマチャンバー410の内壁には第1コーティング膜C1と第2コーティング膜C2が提供されることができる。第1コーティング膜C1はプラズマチャンバー410の内壁を覆うことができる。第2コーティング膜C2はプラズマチャンバー410の内壁を覆うことができる。第1コーティング膜C1はプラズマチャンバー410の内壁上に提供されることができる。第2コーティング膜C2はプラズマチャンバー410の内壁上に提供されることができる。第1コーティング膜C1の厚さはプラズマチャンバー410の内壁全体領域で同一に提供されることができる。第2コーティング膜C2の厚さはプラズマチャンバー410の内壁全体領域で同一に提供されることができる。第1コーティング膜C1と第2コーティング膜C2の厚さは互いに同一に提供されることができる。第1コーティング膜C1はプラズマチャンバー410の正断面から見る時、プラズマチャンバー410の上部領域及び下部領域に提供されることができる。第2コーティング膜C2はプラズマチャンバー410の正断面から見る時、プラズマチャンバー410の中央領域に提供されることができる。
【0078】
また、第2コーティング膜C2の熱膨張係数とプラズマチャンバー410の熱膨張係数の差は第2コーティング膜C2の熱膨張係数と第1コーティング膜C1の熱膨張係数の差より小さいことができる。第1コーティング膜C1はフッ化イットリウム(YF)を含むことができる。また、第2コーティング膜C2はイットリウムオキサイド(Y)を含むことができる。第1コーティング膜C1と第2コーティング膜C2は大気圧プラズマ溶射(Atmosphere Plasma Spary、APS)方法でプラズマチャンバー410の内壁にコーティングされることができる。しかし、これに限定されることではなく、第1コーティング膜C1と第2コーティング膜C2はエアロゾル方式又はコールドスプレー方式でプラズマチャンバー410の内壁にコーティングされることができる。
【0079】
図10図9のプラズマチャンバーで発生されたプラズマが流動する形状を示す図面である。図10を参照すれば、上述した内容と同一又は類似な理由でプラズマ発生空間412内のプラズマPは側方向に運動することができる。また、プラズマ発生空間412内のプラズマPはプラズマチャンバー410の正断面から見る時、相対的にプラズマチャンバー410の上部領域及び/又は下部領域に向かう方向に運動することができる。また、プラズマ発生空間412の温度はプラズマチャンバー410の上部領域及び/又は下部領域より中央領域がさらに高い。本発明の他の実施形態によれば、第1コーティング膜C1をプラズマチャンバー410の上部領域と下部領域上に提供する。また、第2コーティング膜C2はプラズマチャンバー410の中央領域上に提供する。即ち、プラズマチャンバー410の上部領域及び/又は下部領域はプラズマPとの衝突が頻繁な領域であるので、第1コーティング膜C1をプラズマチャンバー410の上部領域と下部領域上に提供して、パーティクルが発生することを最大に抑制することができる。また、プラズマチャンバー410の中央領域は温度が最も高い領域であるので、プラズマチャンバー410と熱膨張係数が類似な第2コーティング膜C2をプラズマチャンバー410の中央領域上に提供する。これによって、第2コーティング膜C2が熱変形されてもプラズマチャンバー410から離脱されることを最小化することができる。図9図10で説明している本発明のその他の実施形態のその他の効果は上述した実施形態の効果と同一又は類似であるので、詳細な説明は省略する。
【0080】
上述した実施形態はプラズマを利用して基板を処理する装置に多様に適用されることができる。例えば、上述した実施形態はプラズマを利用してアッシング工程、蒸着工程、蝕刻工程、又はクリーン工程を遂行する多様な装置に同一又は類似に適用されることができる。
【0081】
また、上述した例では第1コーティング膜C1がフッ化イットリウム(YF)を含み、第2コーティング膜C2がイットリウムオキサイド(Y)を含むことを例として説明したが、これに限定されることではない。例えば、第1コーティング膜C1はフッ化イットリウム、イットリウムオキサイド、オキシフッ化イットリウム(YOF)の中でいずれか1つを含み、第2コーティング膜C2はフッ化イットリウム、イットリウムオキサイド、オキシフッ化イットリウム(YOF)の中で他の1つを含むことができる。
【0082】
以上の詳細な説明は本発明を例示するものである。また、前述した内容は本発明の好ましい実施形態を例として説明することであり、本発明は多様な他の組合、変更、及び環境で使用することができる。即ち、本明細書に開示された発明の概念の範囲、前述した開示内容と均等な範囲及び/又は当業界の技術又は知識の範囲内で変更又は修正が可能である。前述した実施形態は本発明の技術的思想を具現するための最善の状態を説明することであり、本発明の具体的な適用分野及び用途で要求される多様な変更も可能である。したがって、以上の発明の詳細な説明は開示された実施状態に本発明を制限しようとする意図ではない。添付された請求の範囲は他の実施状態も含むこととして解析されなければならない。
【符号の説明】
【0083】
200 工程処理部
400 プラズマ発生部
410 プラズマチャンバー
C1第1コーティング膜
C2 第2コーティング膜
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10