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  • 特許-アンカー装置およびアンカー設置装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-08
(45)【発行日】2022-09-16
(54)【発明の名称】アンカー装置およびアンカー設置装置
(51)【国際特許分類】
   E02D 5/80 20060101AFI20220909BHJP
【FI】
E02D5/80 102
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020209605
(22)【出願日】2020-12-17
(65)【公開番号】P2022096479
(43)【公開日】2022-06-29
【審査請求日】2020-12-17
(73)【特許権者】
【識別番号】518152017
【氏名又は名称】株式会社Meary
(74)【代理人】
【識別番号】100075557
【弁理士】
【氏名又は名称】西教 圭一郎
(72)【発明者】
【氏名】西井上 靖代
【審査官】荒井 良子
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-016043(JP,A)
【文献】特開平10-204877(JP,A)
【文献】特公昭53-003168(JP,B1)
【文献】特開昭53-084308(JP,A)
【文献】米国特許第04843785(US,A)
【文献】特開平10-117615(JP,A)
【文献】特開昭49-020915(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 5/24、5/48、5/54、5/80
7/18、7/20、9/00、11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地上に構築された構築物に連結されるアンカー装置であって、
前記構築物に連結される上端部および地中に挿入される下端部を有する棒状体と、
前記棒状体の前記下端部に、前記棒状体の中心軸線に垂直な第1軸線まわりに回動可能に連結される基端部を有し、前記基端部から前記棒状体の長手方向に沿って延びる閉鎖位置と、前記長手方向に垂直な開放位置とにわたって回動可能なアンカー体と、
前記棒状体に装着され、前記棒状体とともに前記中心軸線上を移動可能な筒状体と、
前記筒状体の下端部と、前記閉鎖位置にある状態での前記アンカー体の前記基端部の前記第1軸線よりも前記中心軸線寄りの部分と、を回動可能に連結する腕部と、
前記棒状体の一端部寄りの部分に設けられる取付片と、前記取付片に前記開放位置のアンカー体の遊端部および前記基端部の間の中間部を連結して前記アンカー体を前記開放位置で保持する連結材と、を備えていることを特徴とするアンカー装置。
【請求項2】
請求項1に記載されるアンカー装置を地上から地盤に打ち込んで設置するためのアンカー設置装置であって、
地上に立設された前記棒状体に支持された状態で、前記棒状体の前記中心軸線に沿って配設される長尺な支持部材と、
前記支持部材に配設される、振動を発生する振動発生体と、
前記振動発生体上に配設され、前記長手方向に移動する可動部を有するジャッキと、
前記可動部上に配設される支圧部材と、
前記取付片から外された前記連結材と、前記支圧部材とを連結する第1連結棒とを備えるアンカー設置装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地盤に貫入された状態で、地上に構築された構築物に連結されるアンカー装置およびアンカー装置を地盤に貫入して設置するためのアンカー設置装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電柱などの構築物が、たとえば強風に煽られて浮き上がり、伏倒することを防止するために、地中アンカーが配設されている。地中アンカーは、一端部が構築物に連結されたワイヤーなどの支線の他端部が結合されて、地中に埋設される。地中アンカーは、たとえば、上端部に支線が連結される鉛直方向に長尺な金属製の棒状部材と、該棒状部材に装着される直方体状のコンクリートブロックとを有している。コンクリートブロックは、たとえば縦0.6m×横1.5m×上下方向の長さが0.15mである。地中アンカーが埋設される地盤には、コンクリートブロックが収容可能な、深さが2.5m程度の縦坑が掘削される。この縦坑を掘削するために掘削機械である重機を使用する必要があり、そのような重機を使って安全に掘削作業を行ないながら、車両や歩行者の通行を許容しなければならず、重機を運転するための作業スペースを確保できない場合には、作業者が人力で掘削せざるを得なかった。
【0003】
特許文献1には、軟弱地盤でも、該地盤から容易に抜け出さないことを目的とするアンカー杭が記載されている。アンカー杭は、パイプ状の軸部と、軸部の上端に形成された、ハンマーなどで叩き込むための打設部と、打設部の左右両側に延出して形成された、紐やロープなどを結ぶための鈎部と、軸部の下端部に位置する、地中への差込みが容易になるように尖らせたテーパー部と、軸部の上下方向中間部に、杭の上下方向と略直角な方向に延出する、平面状の延出部材と、を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実用新案登録第3196205号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のアンカー杭では、アンカー杭を地盤に設置するために、一人の作業者が把持したアンカー杭の打設部を他の作業者がハンマーなどで打撃して地中に叩き込まなければならず、極めて手間と労力とを要している。また、地盤に設置されているアンカー杭は、工事が終了した場合には、該地盤から撤去する必要があるが、この従来技術のアンカー杭の構成では、地盤から容易に撤去することができないという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、地盤に簡便に設置することができ、工事が終了したとき、地盤から容易に撤去できるアンカー装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、地上に構築された構築物に連結されるアンカー装置であって、
前記構築物に連結される上端部および地中に挿入される下端部を有する棒状体と、
前記棒状体の前記下端部に、前記棒状体の中心軸線に垂直な第1軸線まわりに回動可能に連結される基端部を有し、前記基端部から前記棒状体の長手方向に沿って延びる閉鎖位置と、前記長手方向に垂直な開放位置とにわたって回動可能なアンカー体と、
前記棒状体に装着され、前記棒状体とともに前記中心軸線上を移動可能な筒状体と、
前記筒状体の下端部と、前記閉鎖位置にある状態での前記アンカー体の前記基端部の前記第1軸線よりも前記中心軸線寄りの部分と、を回動可能に連結する腕部と、
前記棒状体の一端部寄りの部分に設けられる取付片と、前記取付片に前記開放位置のアンカー体の遊端部および前記基端部の間の中間部を連結して前記アンカー体を前記開放位置で保持する連結材と、を備えていることを特徴とするアンカー装置である。
【0009】
また本発明は、前記アンカー装置を地上から地盤に打ち込んで設置するためのアンカー設置装置であって、
地上に立設された前記棒状体に支持された状態で、前記棒状体の前記中心軸線に沿って配設される長尺な支持部材と、
前記支持部材に配設される、振動を発生する振動発生体と、
前記振動発生体上に配設され、前記長手方向に移動する可動部を有するジャッキと、
前記可動部上に配設される支圧部材と、
前記取付片から外された前記連結材と、前記支圧部材とを連結する第1連結棒とを備えるアンカー設置装置である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、アンカー体が棒状体に開放位置と閉鎖位置とに回動可能に設けられ、アンカー体保持手段が、棒状体を地盤に打込むことによって開放位置に回動したアンカー体を、開放位置で保持するので、地盤にアンカー装置を簡便に設置することができる。アンカー体保持手段がアンカー体を開放位置において保持する保持状態を解除して、アンカー装置を容易に地盤から撤去することができる。
【0011】
また、本発明によれば、連結部材を棒状体の上端部寄りの部分へ接続することによって、アンカー体を開放位置で閉鎖位置へ回動しないように、容易に保持することができる。連結部材を棒状体の上端部寄りの部分から取り外すことによって、アンカー体保持手段がアンカー体を開放位置で保持する保持状態を容易に解除することができる。
【0012】
また、本発明によれば、振動発生体が発生する振動をアンカー体に作用させながら、アンカー体を回動させることができ、これによって土砂へのアンカー体の挿入が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1実施形態に係るアンカー体2が閉鎖位置に位置するアンカー装置1の正面図である。
図2】アンカー体2が開放位置に回動した状態のアンカー装置1の正面図である。
図3】第2実施形態に係るアンカー体2が閉鎖位置に位置するアンカー設置装置51の正面図である。
図4図3に示すアンカー装置1を切断面線IV-1Vから見た断面図である。
図5】アンカー体2が開放位置に位置するアンカー設置装置51の正面図である。
図6図5に示すアンカー装置1を切断面線VI-VIから見た断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、第1実施形態に係るアンカー体2が閉鎖位置に位置するアンカー装置1の正面図である。図2は、アンカー体2が開放位置に回動した状態のアンカー装置1の正面図である。
【0015】
第1実施形態に係るアンカー装置1について説明する。アンカー装置1は、鉄鋼製であって地盤に設置された状態で、地上に構築された図示しない構築物に連結される。アンカー装置1は、長手方向一端部11が構築物を支持する棒状体3を備えている。棒状体3は、長手方向他端部12に、支持部23を有している。支持部23には、棒状体3の中心軸線L1に対して対称となるように、一対のアンカー体2が配設されている。アンカー体2は、棒状体3の中心軸線L1に垂直な中心軸線L2まわりに回動可能に支持される基端部5と、基端部5の、中心軸線L2に垂直な方向に連設され、基端部5とともに回動して地盤に挿入される遊端部6とを有している。アンカー体2は、図1に示す、棒状体3の長手方向に沿って延びる閉鎖位置と、図2に示す、棒状体3の長手方向に垂直な、開放位置とにわたって回動可能である。棒状体3は、各アンカー体2が負荷する引抜き力を許容する高い引抜き強度を有する構造用鋼棒から成る。
【0016】
アンカー装置1は、アンカー体2を開放位置で閉鎖位置へ回動しないように保持するアンカー体保持手段9を備えている。なお、本実施形態において、棒状体3の中心軸線L1に対して対称となるように一対のアンカー体2が配設されているが、これに限定されるものではない。アンカー体2は、1つのみ配設されるものでもよく、あるいは中心軸線L1の周方向に90°の角度位置毎に4箇所配設されるものでもよい。
【0017】
アンカー体保持手段9は、たとえば、開放位置に回動したアンカー体2の遊端部6および基端部5の間の中間部8と、棒状体3の一端部11寄りの部分に設けられる取付片10とを連結する長尺な連結材17を有している。連結材17は、一端部16がアンカー体2に、中心軸線L2に平行な中心軸線L4まわりに回動可能に連結されており、図2に示すように、アンカー体2が中心軸線L2まわりに閉鎖位置から開放位置に回動した状態で、他端部19が棒状体3の一端部11寄りの部分に設けられる取付片10に連結される。アンカー体保持手段9は、棒状体3の、一端部11寄りの部分に設けられる取付片10に配設される連結部21をさらに有しており、連結材17の他端部19は、連結部21に連結される。連結材17は、たとえば鉄筋、鋼棒などの棒状部材を用いて容易に製作可能である。
【0018】
また、地上の作業は目視によって連結材17の他端部19が連結部21に連結可能な状態にあれば、地中のアンカー体2は、地中で開放位置に位置していることが推定されるので、連結材17の他端部19を連結部21に連結するだけで、アンカー体2を開放位置に保持することができる。
【0019】
アンカー体保持手段9を備えることによって、アンカー体2を開放位置で閉鎖位置へ回動しないように保持することができ、これによって、高い抗引抜き力を得ることができる。
【0020】
たとえば、地上に構築された構築物が撤去されて、構築物の浮き上がりを防止するアンカー装置1が不要になった場合には、連結材17の他端部19を連結部21から取り外し、アンカー体2が開放位置から閉鎖位置へ向かって回動可能な状態で、棒状体3の一端部11を上方に引き上げることによって、アンカー装置1を地盤から容易に引き抜いて撤去することができる。
【0021】
支持部23には、アンカー体2の閉鎖位置から開放位置へ向かう回動方向下流側に位置し、アンカー体2が開放位置に回動した状態で、アンカー体2の下流側の面30が当接する当接部31が設けられている。
【0022】
このように、アンカー体2が開放位置に回動した状態で、アンカー体2の下流側の面30が当接する当接部31を備えているので、アンカー体2が開放位置を超えて回動して、破損することを効果的に防止することができる。
【0023】
アンカー装置1は、上下方向に移動可能に、棒状体3が嵌合して、棒状体3とともに中心軸線L1上を移動可能な筒状体77を備えている。筒状体77の下端部には、筒状体77の下端部をアンカー体2の基端部5に回動可能に連結する一対の腕部78がリンク部材として配設されている。腕部78の一端部74は、中心軸線L1上であって、筒状体77の下端部に位置する中心軸線L5まわりに回動可能に連結されており、腕部78の他端部73は、アンカー体2の基端部5に位置し、中心軸線L2と平行な中心軸線L6まわりに各々回動可能に連結されている。腕部78は、筒状体77の下端部と、アンカー体2の基端部5の前記中心軸線L1寄りの部分と、を回動可能に連結する。
【0024】
図3は、第2実施形態に係るアンカー体2が閉鎖位置に位置するアンカー設置装置51の正面図である。図4は、図3に示すアンカー装置1を切断面線IV-1Vから見た断面図である。図5は、アンカー体2が開放位置に位置するアンカー設置装置51の正面図である。図6は、図5に示すアンカー装置1を切断面線VI-VIから見た断面図である。
【0025】
ここで第2実施形態に係るアンカー設置装置51について説明する。アンカー装置1の説明と重複する部分については、説明を省略し、同一の参照符を用いる。アンカー設置装置51は、アンカー装置1を地上から地盤に打ち込んで設置するための装置である。アンカー設置装置51は、地上に立設された棒状体3に支持された状態で、棒状体3に沿って支持部23に配設される長尺な支持部材44と、支持部材44に配設される、振動を発生する振動発生体53と、振動発生体53上に配設され、長手方向に移動可能な可動部57を有するジャッキ58と、可動部57上に配設される支圧部材61と、アンカー体2の遊端部6および基端部5の間の中間部8とを、連結する連結棒材62と、を備える。
【0026】
連結棒材62は、一端部63が支圧部材61に回動可能に連結される第1連結棒64と、一端部65が第1連結棒64の他端部67に回動可能に連結され、他端部68が遊端部6および基端部5の間の中間部8に回動可能に連結される第2連結棒69と、を有しており、一対のアンカー体2は、可動部57の上下方向の伸長に伴って、遊端部6が基端部5の下方に位置し、下流側の面30とは反対側に位置する上流側の面37同士が向かい合う閉鎖位置の状態から、一対のアンカー体2同士が互いに離間する開放位置まで回動する。第1連結棒64の他端部67と第2連結棒69の一端部65との連結は、人の手によって解除可能に構成されている。
【0027】
振動発生体53が発生する振動は、振動発生体53が配設されている支持部材44および支持部23を介してアンカー体2に作用させることができ、また、振動発生体53が発生する振動は、振動発生体53上に配設されるジャッキ58、ジャッキ58の可動部57上に配設される支圧部材61および支圧部材61とアンカー体2とを連結する連結棒材62とを介して、アンカー体2に作用させることもできる。作業者は、振動発生体53が発生する振動をアンカー体2に作用させながら、該アンカー体2を回動させることができるので、アンカー体2に作用する地盤の抵抗を抑制することができる。これによって、アンカー体2を容易に回動させて、遊端部6を地盤に挿入させることができる。
【0028】
支持部材44の材料としては、振動発生体53が発生した振動を支持部23に伝達し易いものが好ましく、たとえば金属製のパイプ材などが用いられる。支持部材44として金属製のパイプ材を用いる場合に、パイプ材の断面形状は、特に限定されるものではなく、たとえば四角形、円形のものが使用可能である。支持部材44としてパイプ材を用いることによって、棒状体3を支持部材44内に収容することができる。振動発生体53は、油圧、空気圧、電気、内燃機関などを利用して振動を発生させることができる。
【0029】
アンカー設置装置51は、アンカー体2が閉鎖位置に位置した状態で、アンカー体2の遊端部6が下孔55の底面71に接地するように設置される。
【0030】
この状態で、ジャッキ58が駆動されて可動部57が伸長すると、一対のアンカー体2は、可動部57の伸長に伴って、遊端部6が基端部5の下方に位置した閉鎖位置の状態から、互いに離間するように回動する。このとき、振動発生体53が駆動されて振動を発生するので、振動発生体53が発生する振動を一対のアンカー体2に作用させて、アンカー体2の回転方向前方にある土砂の払い除け作用によってアンカー体2を容易に回動させることができる。ジャッキ58としては、油圧ジャッキが用いられる。
【0031】
アンカー設置装置51は、棒状体3に装着され、棒状体3とともに中心軸線L1上を移動可能な筒状体77を備えている。筒状体77は、鋼管から成る。腕部78は、構造用鋼板から成る。支持部材44は、筒状体77の周壁に形成された円形のフランジ90上に配設されている。筒状体77の下端部には、筒状体77の下端部と一対のアンカー体2の基端部5とをそれぞれ回動可能に連結する一対の腕部78が配設されている。腕部78の一端部は、筒状体77の下端部の中心軸線L1上に位置し、中心軸線L1に垂直な中心軸線L5まわりに回動可能に連結されており、腕部78の他端部は、アンカー体2の基端部5に位置する一対の中心軸線L6まわりに回動可能に連結されている。
【0032】
一対の中心軸線L6は、アンカー体2が閉鎖位置に位置した状態で、中心軸線L2より中心軸線L1寄りに設けられている。中心軸線L2と中心軸線L6とを繋ぐ直線と、中心軸線L6と中心軸線L4とを繋ぐ直線との成す角が略90°となるように配設されている。
【0033】
このため、アンカー体2の中間部8に連結された第2連結棒69と中心軸線L2との間の距離が短いため、閉鎖位置から開放位置への回動開始時に、アンカー体2に作用する回転力が小さい場合でも、筒状体77に作用する中心軸線L1方向下向きに作用する力によって、閉鎖位置に位置するアンカー体2を開放位置に向かって容易に回動させることができる。
【0034】
第2連結棒69の長さを、アンカー体2が開放位置に位置した状態で、棒状体3の一端部11寄りの部分に設けられる取付片10に連結可能な長さとすることによって、第2連結棒69を一端部11寄りの部分に設けられる取付片10に連結して、アンカー体2を開放位置で容易に保持することができる。
できる。
【0035】
このように、地上に構築された構築物に連結されるアンカー装置は、構築物に連結される上端部および地中に挿入される下端部を有する棒状体と、棒状体の下端部に、棒状体の中心軸線に垂直な第1軸線まわりに回動可能に連結される基端部を有し、基端部から棒状体の長手方向に沿って延びる閉鎖位置と、長手方向に垂直な開放位置とにわたって回動可能なアンカー体と、棒状体に装着され、棒状体とともに中心軸線上を移動可能な移動体と、移動体の下端部と、アンカー体の基端部の中心軸線寄りの部分と、を回動可能に連結する腕部と、棒状体に設けられ、アンカー体を開放位置で保持するアンカー体保持手段とを備えていることを特徴とする。
【0036】
このようなアンカー装置によれば、アンカー体保持手段によって、アンカー体が開放位置に回動した状態を保持することができる。
【0037】
アンカー体保持手段は、アンカー体の遊端部と基端部との間の中間部と、棒状体の上端部寄りの部分に設けられる取付片とを連結するアンカー体保持手段であって、地盤に貫入された状態で、アンカー体保持手段の上端部寄りの部分への接続およびアンカー体保持手段の上端部寄りの部分に設けられる取付片からの取り外しが可能なアンカー体保持手段を有することを特徴とする。
【0038】
このようなアンカー装置によれば、連結部材を、棒状体の上端部寄りの部分に設けられる取付片へ接続することによって、アンカー体が開放位置から閉鎖位置に向かって回動することを防止でき、連結部材を、棒状体の上端部寄りの部分に設けられる取付片から取り外すことによって、アンカー体を容易に引き上げて地盤から撤去することができる。
【0039】
このように、前記アンカー装置を地上から地盤に打ち込んで設置するためのアンカー設置装置は、地上に立設された棒状体に支持された状態で、棒状体の前記中心軸線に沿って配設される長尺な支持部材と、支持部材に配設される、振動を発生する振動発生体と、振動発生体上に配設され、長手方向に移動する可動部を有するジャッキと、可動部上に配設される支圧部材と、支圧部材と、アンカー体の遊端部および基端部の間の中間部と、を連結する連結棒材と、を備えることを特徴とする上記アンカー装置を地上から地盤に打ち込んで設置するためのアンカー設置装置は、地上に立設された前記棒状体に支持された状態で、棒状体に沿って配設される長尺な支持部材と、支持部材に配設される、振動を発生する振動発生体と、振動発生体上に配設され、長手方向に移動する可動部を有するジャッキと、可動部上に配設される支圧部材と、支圧部材と、アンカー体の遊端部および基端部の間の中間部とを、連結する連結棒材と、を備えることを特徴とする。
【0040】
このようなアンカー設置装置によれば、振動発生体が発生する振動をアンカー体に作用させながら、アンカー体を回動させることができ、これによってアンカー体に作用する地盤の抵抗を抑制することができる。
【符号の説明】
【0041】
1 アンカー装置
2 アンカー体
3 棒状体
5 基端部
6 遊端部
8 中間部
9 アンカー体保持手段
10 取付片
11,16,63,65,74 一端部
17 連結材
12,19 他端部
21 連結部
23 支持部
30,37 面
31 当接部
40 他端部
41 突出部
42 下端部
44 支持部材
51 アンカー設置装置
53 振動発生体
55 下孔
12,54,67,68,73 他端部
57 可動部
58 ジャッキ
61 支圧部材
62 連結棒材
64 第1連結棒
69 第2連結棒
71 底面
77 筒状体
78 腕部
90 フランジ
91 底面
L1,L2,L4,L5,L6 中心軸線
図1
図2
図3
図4
図5
図6