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  • 特許-撮影システム 図1
  • 特許-撮影システム 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-08
(45)【発行日】2022-09-16
(54)【発明の名称】撮影システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20220909BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018189788
(22)【出願日】2018-10-05
(65)【公開番号】P2020060837
(43)【公開日】2020-04-16
【審査請求日】2021-05-17
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518355962
【氏名又は名称】株式会社ウィングド
(74)【代理人】
【識別番号】100151208
【弁理士】
【氏名又は名称】植田 吉伸
(72)【発明者】
【氏名】吉羽 潤司
【審査官】加内 慎也
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-073220(JP,A)
【文献】国際公開第02/077868(WO,A1)
【文献】株式会社ユニヴァ・ペイキャスト,日本初、店舗掲示型QRによるアリペイ決済が、浅草の観光人力車「えびす屋」・築地市場内の「築地 海鮮丼 大江戸」で稼働開始。ユニヴァ・ペイキャストがサービス提供,[online],2018年01月11日,[2021年10月7日検索],インターネット <URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000043.000016178.html>
【文献】鈴木淳也,FeliCaよりお手軽? QRコード決済の実態を中国・深センに学ぶ:モバイル決済最前線,[online],2017年05月01日,[2021年10月7日検索],インターネット <URL:https://japanese.engadget.com/jp-2017-05-01-felica-qr.html>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影者に関する情報を入力する撮影者入力部と、
ユーザに関する情報を入力するユーザ入力部と、
前記撮影者と前記ユーザとをリンクさせるための1次元コード又は2次元コードであり、前記ユーザ毎に異なる前記1次元コード又は2次元コードを出力するn次元コード出力部と、
定の場所での撮影を希望する前記ユーザが前記1次元コード又は2次元コードを読み取って注文操作することで撮影契約を行う契約処理部と、
前記ユーザに関する撮影を行って生成された撮影データを前記1次元コード又は2次元コードに基づいて記憶部に登録する撮影データ登録部と、
前記撮影データ登録部で登録された前記撮影データを他のユーザのデータと分類して保存する分類保存部と、
を備えることを特徴とする撮影システム。
【請求項2】
請求項1に記載の撮影システムにおいて、
前記契約処理部は、前記1次元コード又は2次元コードを用いて前記注文操作を行うとともに前金支払操作を行うことで前記撮影契約を完了することを特徴とする撮影システム。
【請求項3】
請求項1に記載の撮影システムにおいて、
前記所定の場所で撮影可能状態であるか否かを登録する撮影者登録部を備えることを特徴とする撮影システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、家族写真などの撮影を希望する場合には、フォトスタジオに所属するカメラマンやフリーで活動するカメラマンなどに事前に予約を行った上で撮影してもらう必要がある。
【0003】
本発明に関連する技術として、例えば、特許文献1には、各種イベントで撮影された複数の写真のデータに、通信網を介してアクセスし、所望の写真を注文するイベント写真注文システムであって、特定人物を登録する特定人物登録部と、複数の写真のうち、特定人物を示す写真である特定人物写真を抽出する抽出部と、抽出された特定人物写真の数が複数である場合、該複数の前記特定人物写真を、指定された優先項目に従った順番に並べ替えて提示する並べ替え処理を行う表示順制御部と、並べ替えて提示された複数の特定人物写真から所望の写真の注文を受け付ける注文受付部と、注文受付部が受け付けた注文の内容を登録する登録部と、を備えるイベント写真注文システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-161394号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
カメラスタジオ内で撮影する場合は、撮影を希望する家族が移動するだけで足りるが、例えば、行楽地などで家族写真を撮影してもらう場合には、カメラマンにも当該行楽地に出向いてもらうなどの必要があり、効率が悪いという課題があった。
【0006】
本発明の目的は、より効率良く撮影してもらうことを可能とする撮影システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る撮影システムは、撮影者に関する情報を入力する撮影者入力部と、ユーザに関する情報を入力するユーザ入力部と、前記撮影者と前記ユーザとをリンクさせるための1次元コード又は2次元コードであり、前記ユーザ毎に異なる前記1次元コード又は2次元コードを出力するn次元コード出力部と、定の場所での撮影を希望する前記ユーザが前記1次元コード又は2次元コードを読み取って注文操作することで撮影契約を行う契約処理部と、前記ユーザに関する撮影を行って生成された撮影データを前記1次元コード又は2次元コードに基づいて記憶部に登録する撮影データ登録部と、前記撮影データ登録部で登録された前記撮影データを他のユーザのデータと分類して保存する分類保存部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る撮影システムにおいて、前記契約処理部は、前記1次元コード又は2次元コードを用いて前記注文操作を行うとともに前金支払操作を行うことで前記撮影契約を完了することが好ましい。
【0010】
また、本発明に係る撮影システムにおいて、前記所定の場所で撮影可能状態であるか否かを登録する撮影者登録部を備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、所定の場所で撮影可能な撮影者に依頼することができる。これにより、例えば、行楽地などで予め待機しており、すぐに撮影可能な撮影者に撮影を依頼することができるため、効率良く撮影してもらうことができるという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係る実施形態の撮影システムの構成図である。
図2】本発明に係る実施形態の撮影システムにおいて、ユーザが撮影者と契約を行う手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本文中の説明においては、必要に応じそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
【0014】
図1は、本発明に係る実施形態の撮影システム10の構成図である。図2は、本発明に係る実施形態の撮影システム10においてユーザ4が撮影者6と契約を行う手順を示すフローチャートである。
【0015】
撮影システム10は、ユーザ4が行楽地などで撮影者6(カメラマンなど)に撮影を依頼することを可能とし、インターネット等の通信ネットワーク2に接続されて情報などの授受を行うサーバ装置を含んで構成されるシステムである。
【0016】
撮影システム10は、撮影者入力部12と、ユーザ入力部14と、撮影者登録部16と、二次元コード出力部18と、契約処理部20と、撮影データ登録部22と、分類保存部24と、記憶部26とを備えている。
【0017】
撮影システム10において、記憶部26以外の各機能は、ハードウェア構成、ソフトウェア構成の何れによっても実現することが可能である。例えば、ソフトウェアによって実現する場合、これらの機能は、実際にはCPUあるいはMPU、RAM、ROMなどを備えて構成されたサーバ装置上において、RAMやROM、ハードディスク等の記録媒体に記憶された撮影注文プログラムが動作することによって実現することができる。
【0018】
撮影者入力部12は、撮影者6に関する情報を入力する機能を有している。撮影者6に関する情報として、例えば、性別、年齢、出身地、身長、趣味、学歴、職歴、自己紹介などのプロフィール情報を含む。これらのプロフィール情報は、撮影者6の所有するパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末などを用いて登録することができる。
【0019】
ユーザ入力部14は、ユーザ4に関する情報を入力する機能を有している。ユーザ4に
関する情報として、撮影者6とのコミュニケーションを円滑するように、撮影者6と同様のプロフィール情報を含んでもよいが、その他の情報として、家族構成や家族に関する情報や前払金決済のためのクレジットカード番号などの情報を含めてもよい。
【0020】
撮影者登録部16は、撮影者6が待機する所定の場所で撮影可能状態であるか否かを登録する機能を有する。ここで、所定の場所とは、行楽地などユーザ4を含む家族などが出かけていく場所(例えば、公園や遊園地など)である。行楽シーズンの公園や遊園地などは特に人がたくさんいるため、家族写真を撮影してもらうことを望んでいる人がいることが予測される。
【0021】
したがって、カメラマンである撮影者6は予め撮影の依頼が無い場合であっても行楽地に足を運んで待機し、撮影者登録部16の機能を用いて撮影可能であることを登録することができる。なお、この場合も撮影者6はスマートフォンやタブレット端末を用いて登録することができる。
【0022】
二次元コード出力部18は、所定の場所で撮影可能な撮影者6に関する二次元コードを所定の場所で出力する機能を有する。具体的には、撮影者6が待機する行楽地などにおいて撮影者6の所有するスマートフォンなどに二次元コードを出力するように操作を行って表示する。ユーザ4は、当該撮影者6による撮影を希望する場合には、当該スマートフォンに表示された二次元コードを読み取って契約締結を行う。
【0023】
二次元コードは、例えば、QRコード(登録商標)を用いることができるが、例えば、一次元コードのバーコードなどを用いてもよい。二次元コードは、様々な情報を有することが可能であるが、ここでは、例えば、契約情報(撮影者情報、ユーザ情報、時間、場所、料金プラン、前受金についての受諾等)を含む。
【0024】
契約処理部20は、所定の場所での撮影を希望するユーザ4が二次元コードを読み取って注文操作することで撮影契約を行う機能を有する。また、契約処理部20は、ユーザ4から撮影依頼してもらったにもかかわらず費用が不払いとなるリスクを抑制するために二次元コードを用いて注文操作を行うとともに前金支払操作を行うことで撮影契約を完了するものとしてもよい。なお、前金支払の方法として、例えば、ユーザ4の所有するクレジットカードを用いた決裁などを用いることが好ましい。
【0025】
契約処理部20によって撮影契約の処理が完了した後に、ユーザ4及び撮影者6に契約完了の通知が行われる。これにより、撮影者6は、当該行楽地などでユーザ4を含む家族などついて、家族写真などの撮影を開始し、撮影データを生成する。
【0026】
撮影データ登録部22は、撮影者6が二次元コードを読み取ってユーザ4に関する撮影を行って生成された撮影データを登録する機能を有する。撮影者6がユーザ4を含む家族などの家族写真を撮影して、二次元コードを読み取って記憶部26にアップロードを行う。
【0027】
分類保存部24は、撮影データ登録部22で登録された撮影データを他のユーザ4のデータと分類して保存する。具体的には、撮影者6とユーザ4とをリンクさせる二次元コードを個々に生成することで識別することができる。
【0028】
撮影者6が撮影した時刻は、撮影データとともに記録されているため、二次元コードとリンクさせることで、分類保存部24が自動的にユーザ4毎の撮影データを振り分けることができる。
【0029】
従来、撮影者6は、これらの振り分け作業を手作業で行っていたが、分類保存部24の機能により自動的に振り分けが行われるため、撮影者6の労力を削減しつつ、撮影作業に集中させることができるという利点がある、
【0030】
記憶部26は、撮影者6に関する情報、ユーザ4に関する情報、撮影データなどを含む各種の情報を記憶することができる。
【0031】
続いて、上記構成からなる撮影システム10の作用について、図2などを用いて説明する。最初に、スマートフォンなどを用いてユーザ4がユーザ4自身に関するプロフィール情報などを入力する(S2)。この機能は、ユーザ入力部14の機能によって実行される。
【0032】
S4の工程では、スマートフォンなどを用いて撮影者6が撮影者6自身に関するプロフィール情報などを入力する(S4)。この機能は、撮影者入力部12の機能によって実行される。
【0033】
また、S4の工程における撮影者情報の登録と併せて、撮影者登録部16の機能を用いて撮影者6が所定の場所である行楽地などで待機しており、撮影可能な状態であることを登録することが好ましい。これにより、撮影者6がスマートフォンなどの操作によって二次元コードが撮影者6のスマートフォンの画面に表示される。
【0034】
なお、図2のフローでは、S2,S4の工程順で記載しているが、これについては一例であり、S4,S2の工程順でもよい。
【0035】
二次元コード出力部18の機能によって撮影者6のスマートフォンの画面に表示されており、当該撮影サービスに関する宣伝広告情報を見ることで、ユーザ4が「そう言えば、プロのカメラマンに綺麗に写真を撮ってもらいたいな」と感じた場合に、二次元コードを読み取って、撮影依頼の操作部を操作したか否かを判断する(S6)。
【0036】
S6の工程において、二次元コードを読み取って操作部を操作されていないと判断されたときは再びS6の工程へと戻る。S6の工程において、二次元コードを読み取って操作部を操作されたと判断したときは、ユーザ4によって前金の支払いがなされたか否かを判断する(S8)。
【0037】
S8の工程において、前金が支払われていないと判断した場合には、再びS8の工程へと戻る。S8の工程において、前金が支払われたと判断した場合には、ユーザ4と撮影者6の間における撮影依頼の契約が完了し、その旨の通知をユーザ4及び撮影者6に対して行う。
【0038】
なお、前金の金額については適宜設定することが可能である。例えば、撮影者6が撮影データのうちユーザ4が望む写真データの枚数に応じて金額が変動してもよい。例えば、撮影代金として1万円を設定し、写真データについて1枚当たり500円と設定した場合には、撮影代金に相当する金額について前金として受け取るようにしてもよい。
【0039】
この場合、例えば、ユーザ4が撮影者6に撮影を依頼したにもかかわらず、写真を購入しない場合には、前金の中から必要経費を差し引いて撮影者6に支払うように設定することで撮影者6は不払いの不安を感じることなく写真撮影を行うことができる。
【0040】
また、撮影者6の撮影スキルが著しく低く、写真の品質が極めて悪いような場合には、前受け金をユーザ4に返金するような構成にしてもよい。
【0041】
ユーザ4が撮影者6の撮影スキルに満足して写真を購入する場合には、当該ユーザ4について撮影された撮影データをスマートフォンやタブレット端末などの画面を通じて確認し、必要な写真を購入してデータのダウンロードを行い、プリント印刷の注文をするようにしてもよい。
【0042】
なお、上記では、前金の支払いを前提に撮影依頼の契約が完了するものとして説明したが、前金の支払いに関係なく、二次元コードを読み取って操作部を操作することで契約を完了するようにしてもよい。
【0043】
上記のように撮影システム10によれば、ユーザ4は事前にカメラマンの撮影予約をすることなく、行楽地で撮影可能な撮影者6がいる場合に必要に応じて撮影を依頼することができる。
【0044】
また、カメラマンである撮影者6も予約が無い状態であっても行楽地に移動して撮影可能である登録を行うことでユーザ4から撮影依頼を受けることができるため、ユーザ4にとっても撮影者6にとっても効率良く撮影を行うことができるという効果を奏する。
【0045】
従来、撮影を希望するユーザがカメラマンの日程を予約し、場合によって交通費なども支払ながら撮影してもらう必要があったが、撮影システム10によれば、このような事前予約など必要なく、ユーザ4と撮影者6とをマッチングすることができるという利点がある。
【符号の説明】
【0046】
2 通信ネットワーク、4 ユーザ、6 撮影者、10 撮影システム、12 撮影者入力部、14 ユーザ入力部、16 撮影者登録部、18 二次元コード出力部、20 契約処理部、22 撮影データ登録部、24 分類保存部、26 記憶部。

図1
図2