(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-08
(45)【発行日】2022-09-16
(54)【発明の名称】脈波伝導パラメータの測定システム、測定方法及び測定装置
(51)【国際特許分類】
A61B 5/02 20060101AFI20220909BHJP
A61B 5/11 20060101ALI20220909BHJP
【FI】
A61B5/02 310V
A61B5/02 310M
A61B5/11 100
(21)【出願番号】P 2020559357
(86)(22)【出願日】2018-04-28
(86)【国際出願番号】 CN2018085200
(87)【国際公開番号】W WO2019205174
(87)【国際公開日】2019-10-31
【審査請求日】2020-12-21
(73)【特許権者】
【識別番号】517107508
【氏名又は名称】深▲せん▼市大耳馬科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Shenzhen Darma Technology Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】Rm 501,Sun Mate Science & Technology Mansion,Shahe West Road No.2009,Nanshan District Shenzhen City,Guangdong 518052 P.R.China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】庄 少春
(72)【発明者】
【氏名】叶 飛
(72)【発明者】
【氏名】陳 仁庫
【審査官】藤原 伸二
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-534353(JP,A)
【文献】特開2005-152449(JP,A)
【文献】特開2016-036488(JP,A)
【文献】特表2005-507701(JP,A)
【文献】特開2015-192715(JP,A)
【文献】国際公開第2017/035452(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/02-5/03
A61B 5/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
脈波伝導パラメータの測定方法であって、前記方法は、
1つ又は複数の処理装置によって、第1の光ファイバセンサから仰臥対象の第1の振動情報を取得するステップと、前記第1の光ファイバセンサが、前記仰臥対象の第4の胸椎体に対応して背部区域の下に放置されるように配置され、
前記1つ又は複数の処理装置によって、第2の光ファイバセンサから前記仰臥対象の第2の振動情報を取得するステップと、前記第2の光ファイバセンサが、前記仰臥対象の第4の腰椎体に対応して腰部区域の下に放置されるように配置され、
前記1つ又は複数の処理装置によって、前記第1の振動情報に基づいて血流力学に関連する如何なる情報を含む第1の血流力学関連情報を生成するとともに、前記第2の振動情報に基づいて血流力学に関連する如何なる情報を含む第2の血流力学関連情報を生成するステップと、
前記1つ又は複数の処理装置によって、前記第1の血流力学関連情報に基づく特徴検索を行い、前記仰臥対象の大動脈弁開時間を確定するとともに、前記第2の血流力学関連情報に基づく特徴検索を行い、前記仰臥対象の脈波到達時間を確定するステップと、
前記1つ又は複数の処理装置によって、前記大動脈弁開時間と前記脈波到達時間に基づいて前記仰臥対象の大動脈脈波伝導時間を確定するステップと、を含む、
ことを特徴とする脈波伝導パラメータの測定方法。
【請求項2】
前記第1の光ファイバセンサ又は前記第2の光ファイバセンサは、
ほぼ1つの平面に位置するように配列された構造になった1つの光ファイバと、
前記1つ
の光ファイバの一端にカップリングされた光源と、
前記1つの光ファイバの他端にカップリングされ、前記光ファイバを通過した光度の変化を感知するように配置される受信機と、
開口を有するメッシュで構成された1つのメッシュ層と、を含み、
前記メッシュ層は、前記光ファイバの表面と当接されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の脈波伝導パラメータの測定方法。
【請求項3】
前記1つ又は複数の処理装置によって、前記第1の振動情報に基づいて第1の血流力学関連情報を生成するとともに、前記第2の振動情報に基づいて第2の血流力学関連情報を生成するステップは、
前記第1の振動情報と前記第2の振動情報に対して、それぞれフィルタリング・拡縮して前記第1の血流力学関連情報と第2の血流力学関連情報を生成するステップ、を更に含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の脈波伝導パラメータの測定方法。
【請求項4】
前記1つ又は複数の処理装置によって、前記第1の血流力学関連情報に基づいて前記仰臥対象の大動脈弁開時間を確定するステップは、
前記第1の血流力学関連情報を2階微分演算するステップと、
2階微分演算した第1の血流力学関連情報の波形図を特徴検索して心拍周期内の最高ピークを確定するステップと、
前記最高ピークによって前記仰臥対象の大動脈弁開時間を確定するステップと、を更に含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の脈波伝導パラメータの測定方法。
【請求項5】
前記方法は、
前記1つ又は複数の処理装置によって、前記第1の光ファイバセンサと前記第2の光ファイバセンサの体の身長の方向に沿った距離を取得して前記仰臥対象の大動脈脈波伝導距離を生成するステップと、
前記1つ又は複数の処理装置によって、前記大動脈脈波伝導距離と前記大動脈脈波伝導時間によって、大動脈脈波伝導速度を確定するステップと、を更に含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の脈波伝導パラメータの測定方法。
【請求項6】
前記方法は、
前記1つ又は複数の処理装置によって、前記大動脈脈波伝導時間と前記大動脈脈波伝導速度の中の少なくとも1つを1つ又は複数の出力装置に送信するステップを更に含む、
ことを特徴とする請求項5に記載の脈波伝導パラメータの測定方法。
【請求項7】
脈波伝導パラメータの測定システムであって、
仰臥対象の第4の胸椎体の付近区域に放置されるように配置され、前記仰臥対象の第1の振動情報を取得するための第1の光ファイバセンサと、
前記仰臥対象の第4の腰椎体の付近区域に放置されるように配置され、前記仰臥対象の第2の振動情報を取得するための第2の光ファイバセンサと、
1つ又は複数の処理装置と、
1つ又は複数のコンピュータ読取可能な記憶媒体と、
を含み、
前記1つ又は複数のコンピュータ読取可能な記憶媒体に指令が記憶され、前記指令が1つ又は複数の処理装置で実行される場合に、以下の操作:
前記第1の光ファイバセンサから仰臥対象の第1の振動情報を取得するステップと、
前記第2の光ファイバセンサから前記仰臥対象の第2の振動情報を取得するステップと、
前記第1の振動情報に基づいて血流力学に関連する如何なる情報を含む第1の血流力学関連情報を生成するとともに、前記第2の振動情報に基づいて血流力学に関連する如何なる情報を含む第2の血流力学関連情報を生成するステップと、
前記第1の血流力学関連情報に基づく特徴検索を行い、前記仰臥対象の大動脈弁開時間を確定するとともに、前記第2の血流力学関連情報に基づく特徴検索を行い、前記仰臥対象の脈波到達時間を確定するステップと、
前記大動脈弁開時間と前記脈波到達時間に基づいて前記仰臥対象の大動脈脈波伝導時間を確定するステップと、
を実現する、ことを特徴とする脈波伝導パラメータの測定システム。
【請求項8】
前記第1の光ファイバセンサ又は前記第2の光ファイバセンサは、
ほぼ1つの平面に位置するように配列された構造になった1つの光ファイバと、
前記1つ
の光ファイバの一端にカップリングされた光源と、
前記1つの光ファイバの他端にカップリングされ、前記光ファイバを通過した光度の変化を感知するように配置される受信機と、
開口を有するメッシュで構成された1つのメッシュ層と、を含み、
前記メッシュ層は、前記光ファイバの表面と当接されている、
ことを特徴とする請求項7に記載の脈波伝導パラメータの測定システム。
【請求項9】
前記第1の振動情報に基づいて第1の血流力学関連情報を生成するとともに、前記第2の振動情報に基づいて第2の血流力学関連情報を生成するステップは、
前記第1の振動情報と前記第2の振動情報に対して、それぞれフィルタリング・拡縮して前記第1の血流力学関連情報と第2の血流力学関連情報を生成するステップを更に含む、
ことを特徴とする請求項7に記載の脈波伝導パラメータの測定システム。
【請求項10】
前記第1の血流力学関連情報に基づいて前記仰臥対象の大動脈弁開時間を確定するステップは、
前記第1の血流力学関連情報を2階微分演算するステップと、
2階微分演算した第1の血流力学関連情報の波形図を特徴検索して心拍周期内の最高ピークを確定するステップと、
前記最高ピークによって前記仰臥対象の大動脈弁開時間を確定するステップと、を更に含む、
ことを特徴とする請求項7に記載の脈波伝導パラメータの測定システム。
【請求項11】
前記1つ又は複数の処理装置は、以下の操作:
前記第1の光ファイバセンサと前記第2の光ファイバセンサの体の身長方向に沿った距離を取得して前記仰臥対象の大動脈脈波伝導距離を生成するステップと、
前記1つ又は複数の処理装置によって、前記大動脈脈波伝導距離と前記大動脈脈波伝導時間によって、大動脈脈波伝導速度を確定するステップと、を更に実行するように配置される、ことを特徴とする請求項7に記載の脈波伝導パラメータの測定システム。
【請求項12】
前記1つ又は複数の処理装置は、以下の操作:
前記1つ又は複数の処理装置によって、前記大動脈脈波伝導時間と前記大動脈脈波伝導速度の中の少なくとも1つを1つ又は複数の出力装置に送信するステップ、
を更に実行するように配置される、
ことを特徴とする請求項11に記載の脈波伝導パラメータの測定システム。
【請求項13】
脈波伝導パラメータの測定装置であって、
上カバーと下カバーを具備し、背部区域と腰部区域を具備し、仰臥対象を横たわるための本体と、
前記本体の背部区域に放置されるように配置され、前記仰臥対象の第1の振動情報を取得するための第1の光ファイバセンサと、
複数の光ファイバセンサを具備し、前記本体の腰部区域に放置されるように配置され、前記仰臥対象の第2の振動情報を取得するための第2の光ファイバセンサセットと、を含み、
前記上カバーと下カバーは、前記第1の光ファイバセンサと前記第2の光ファイバセンサセットを内部に被覆する、
ことを特徴とする脈波伝導パラメータの測定装置。
【請求項14】
前記装置は、枕を更に含み、前記枕が前記上カバーに設けられ、前記仰臥対象の頸を当てることに用いられ、これにより前記仰臥対象が測量位置に位置することを確保する、
ことを特徴とする請求項13に記載の脈波伝導パラメータの測定装置。
【請求項15】
前記装置は、肩部ストッパーを更に含み、前記肩部ストッパーが前記上カバーに設けられ、前記仰臥対象の肩を当てることに用いられ、これにより前記仰臥対象が測量位置に位置することを確保する、
ことを特徴とする請求項13に記載の脈波伝導パラメータの測定装置。
【請求項16】
前記本体は、下肢区域を更に含み、前記装置は、脚部ストッパーを更に含み、前記脚部ストッパーが前記上カバーの下肢区域に設けられ、前記仰臥対象の脚部又は下腿を当てることに用いられ、これにより前記仰臥対象が測量位置に位置することを確保する、
ことを特徴とする請求項13に記載の脈波伝導パラメータの測定装置。
【請求項17】
前記本体の上カバーは、立体構造を採用することができ、人体輪郭凹み構造を含み、これにより前記仰臥対象が測量位置に位置することを確保する、
ことを特徴とする請求項13に記載の脈波伝導パラメータの測定装置。
【請求項18】
前記第2の光ファイバセンサセットの内の複数の光ファイバセンサが前記本体の縦軸に沿って配列されるように配置される、
ことを特徴とする請求項13に記載の脈波伝導パラメータの測定装置。
【請求項19】
前記光ファイバセンサは、 ほぼ1つの平面に位置するように配列された構造になった1つの光ファイバと、
前記1つ
の光ファイバの一端にカップリングされた光源と、
前記1つの光ファイバの他端にカップリングされ、前記光ファイバを通過した光度の変化を感知するように配置される受信機と、
開口を有するメッシュで構成された1つのメッシュ層と、を含み、
前記メッシュ層は、前記光ファイバの表面と当接されている、
ことを特徴とする請求項13に記載の脈波伝導パラメータの測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、脈波伝導パラメータの測定システム及び方法に関し、特別に、非侵襲的脈波伝導パラメータの測定システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ここで述べるものは、本願に関わる背景情報を提供するだけであり、先行技術を必然的に構成することはない。
【0003】
世界各地域で、心脳血管疾患は、発病と死亡を招く重要な原因であり、心脳血管疾患の発病率と死亡率は、動脈血管の病変に関わる。例えば、狭心症と心筋梗塞は、冠状動脈病変に関わり、脳卒中は、脳動脈病変に関わり、間欠性跛行は、下肢動脈病変に関わる。動脈病変の2つの主要な形態は、構造性病変と機能性病変を含み、構造性病変は、血管閉塞に表現し、例えば、動脈粥状硬化であり、機能性病変は、血管機能の変化に表現し、例えば、血管硬化である。なお、動脈血管壁の弾性の変化は、各種心血管イベントの発生と発展の基礎である。
【0004】
心臓周期性の収縮と拡張は、動脈血管中の血流の流速と流量の変化を引き起こすだけでなく、血管壁に沿って伝導する脈波を生成することもできる。脈波伝導速度(Pulse Wave Velocity, PWV)は、動脈血管の弾性に関わり、一般的に、血管の硬度が大きいほど脈波伝導速度も速く、従って、脈波伝導速度を測定することによって、動脈の弾性程度を評価する可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明実施例が解決しようと技術課題は、先行技術における心血管疾患検測に関する技術問題について、非侵襲的脈波伝導パラメータの測定システム及び方法を提供する。
【0006】
上記の技術問題を解決するために、一方、本発明は、1つの方法を提供し、当該方法は、1つ又は複数の処理装置によって、第1の光ファイバセンサから仰臥対象の第1の振動情報を取得するステップと、前記第1の光ファイバセンサは、前記仰臥対象の第4の胸椎体に対応して背部区域の下に放置されるように配置され、前記1つ又は複数の処理装置によって、第2の光ファイバセンサから前記仰臥対象の第2の振動情報を取得するステップと、前記第2の光ファイバセンサは、前記仰臥対象の第4の腰椎体に対応して腰部区域の下に放置されるように配置され、前記1つ又は複数の処理装置によって、前記第1の振動情報に基づいて第1の血流力学関連情報を生成するとともに、前記第2の振動情報に基づいて第2の血流力学関連情報を生成するステップと、前記1つ又は複数の処理装置によって、前記第1の血流力学関連情報に基づいて前記仰臥対象の大動脈弁開時間を確定するとともに、前記第2の血流力学関連情報に基づいて前記仰臥対象の脈波到達時間を確定するステップと、前記1つ又は複数の処理装置によって、前記大動脈弁開時間と前記脈波到達時間に基づいて前記仰臥対象の大動脈脈波伝導時間を確定するステップと、を含む。
【0007】
好ましくは、前記第1の光ファイバセンサ又は前記第2の光ファイバセンサは、ほぼ1つの平面に位置するように配列された構造になった1つの光ファイバと、前記1つ又は複数の光ファイバの一端にカップリングされた光源と、前記1つの光ファイバの他端にカップリングされ、前記光ファイバを通過した光度の変化を感知するように配置される受信機と、開口を有するメッシュで構成された1つのメッシュ層とを含み、前記メッシュ層は、前記光ファイバの表面と当接されている。
【0008】
好ましくは、前記1つ又は複数の処理装置によって、前記第1の振動情報に基づいて第1の血流力学関連情報を生成するとともに、前記第2の振動情報に基づいて第2の血流力学関連情報を生成するステップは、前記第1の振動情報と前記第2の振動情報に対して、それぞれフィルタリング・拡縮して前記第1の血流力学関連情報と第2の血流力学関連情報を生成するステップを更に含む。
【0009】
好ましくは、前記1つ又は複数の処理装置によって、前記第1の血流力学関連情報に基づいて前記仰臥対象の大動脈弁開時間を確定するステップは、前記第1の血流力学関連情報を2階微分演算するステップと、2階微分演算した第1の血流力学関連情報の波形図を特徴検索して心拍周期内の最高ピークを確定するステップと、及び前記最高ピークによって前記仰臥対象の大動脈弁開時間を確定するステップと、を更に含む。
【0010】
好ましくは、前記方法は、前記1つ又は複数の処理装置によって、前記第1の光ファイバセンサと前記第2の光ファイバセンサの体の身長方向に沿った距離を取得して前記仰臥対象の大動脈脈波伝導距離を生成するステップと、前記1つ又は複数の処理装置によって、前記大動脈脈波伝導距離と前記大動脈脈波伝導時間によって、大動脈脈波伝導速度を確定するステップと、を更に含む。
【0011】
好ましくは、前記方法は、前記1つ又は複数の処理装置によって、前記大動脈脈波伝導時間と前記大動脈脈波伝導速度の内の少なくとも1つを1つ又は複数の出力装置に送信するステップを更に含む。
【0012】
一方、本発明は、1つのシステムを提供し、当該システムは、仰臥対象の第4の胸椎体の付近区域に放置されるように配置され、前記仰臥対象の第1の振動情報を取得するための第1の光ファイバセンサと、前記仰臥対象の第4の腰椎体の付近区域に放置されるように配置され、前記仰臥対象の第2の振動情報を取得するための第2の光ファイバセンサと、1つ又は複数の処理装置と、1つ又は複数のコンピュータ読取可能な記憶媒体と、を含み、前記1つ又は複数のコンピュータ読取可能な記憶媒体に指令が記憶され、前記指令が1つ又は複数の処理装置で実行される場合に、以下の操作:前記第1の光ファイバセンサから仰臥対象の第1の振動情報を取得するステップと、前記第2の光ファイバセンサから前記仰臥対象の第2の振動情報を取得するステップと、前記第1の振動情報に基づいて第1の血流力学関連情報を生成するとともに、前記第2の振動情報に基づいて第2の血流力学関連情報を生成するステップと、前記第1の血流力学関連情報に基づいて前記仰臥対象の大動脈弁開時間を確定するとともに、前記第2の血流力学関連情報に基づいて前記仰臥対象の脈波到達時間を確定するステップと、前記大動脈弁開時間と前記脈波到達時間に基づいて前記仰臥対象の大動脈脈波伝導時間を確定するステップと、を実現する。
【0013】
好ましくは、前記第1の光ファイバセンサ又は前記第2の光ファイバセンサは、ほぼ1つの平面に位置するように配列された構造になった1つの光ファイバと、前記1つ又は複数の光ファイバの一端にカップリングされた光源と、前記1つの光ファイバの他端にカップリングされ、前記光ファイバを通過した光度の変化を感知するように配置される受信機と、開口を有するメッシュで構成された1つのメッシュ層とを含み、前記メッシュ層は、前記光ファイバの表面と当接されている。
【0014】
好ましくは、前記第1の振動情報に基づいて第1の血流力学関連情報を生成するとともに、前記第2の振動情報に基づいて第2の血流力学関連情報を生成するステップは、前記第1の振動情報と前記第2の振動情報に対して、それぞれフィルタリング・拡縮して前記第1の血流力学関連情報と第2の血流力学関連情報を生成するステップを更に含む。
【0015】
好ましくは、前記第1の血流力学関連情報に基づいて前記仰臥対象の大動脈弁開時間を確定するステップは、前記第1の血流力学関連情報を2階微分演算するステップと、2階微分演算した第1の血流力学関連情報の波形図を特徴検索して心拍周期内の最高ピークを確定するステップと、前記最高ピークによって前記仰臥対象の大動脈弁開時間を確定するステップと、を更に含む。
【0016】
好ましくは、前記1つ又は複数の処理装置は、以下の操作:前記第1の光ファイバセンサと前記第2の光ファイバセンサの体の身長方向に沿った距離を取得して前記仰臥対象の大動脈脈波伝導距離を生成するステップと、及び前記1つ又は複数の処理装置によって、前記大動脈脈波伝導距離と前記大動脈脈波伝導時間によって、大動脈脈波伝導速度を確定するステップと、を更に実行するように配置される。
【0017】
好ましくは、前記1つ又は複数の処理装置は、以下の操作:前記1つ又は複数の処理装置によって、前記大動脈脈波伝導時間と前記大動脈脈波伝導速度の内の少なくとも1つを1つ又は複数の出力装置に送信するステップ、を更に実行するように配置される。
【0018】
一方、本発明は、1つの装置を提供し、当該装置は、上カバーと下カバーを具備し、背部区域と腰部区域を具備し、仰臥対象を横たわるための本体と、前記本体の背部区域に放置されるように配置され、前記仰臥対象の第1の振動情報を取得するための第1の光ファイバセンサと、複数の光ファイバセンサを具備し、前記本体の腰部区域に放置されるように配置され、前記仰臥対象の第2の振動情報を取得するための第2の光ファイバセンサセットと、を含み、前記上カバーと下カバーは、前記第1の光ファイバセンサと前記第2の光ファイバセンサセットを内部に被覆する。
【0019】
好ましくは、前記装置は、枕を更に含み、前記枕が前記上カバーに設けられ、前記仰臥対象の頸を当てることに用いられ、これにより前記仰臥対象が測量位置に位置することを確保する。
【0020】
好ましくは、前記装置は、肩部ストッパーを更に含み、前記肩部ストッパーが前記上カバーに設けられ、前記仰臥対象の肩を当てることに用いられ、これにより前記仰臥対象が測量位置に位置することを確保する。
【0021】
好ましくは、前記本体は、下肢区域を更に含み、前記装置は、脚部ストッパーを更に含み、前記脚部ストッパーが前記上カバーの下肢区域に設けられ、前記仰臥対象の脚部又は下腿を当てることに用いられ、これにより前記仰臥対象が測量位置に位置することを確保する。
【0022】
好ましくは、前記本体の上カバーは、立体構造を採用することができ、人体輪郭凹み構造を含み、これにより前記仰臥対象が測量位置に位置することを確保する。
【0023】
好ましくは、前記第2の光ファイバセンサセットの内の複数の光ファイバセンサが前記本体の縦軸に沿って配列されるように配置される。
【0024】
好ましくは、前記光ファイバセンサは、ほぼ1つの平面に位置するように配列された構造になった1つの光ファイバと、 前記1つ又は複数の光ファイバの一端にカップリングされた光源と、前記1つの光ファイバの他端にカップリングされ、前記光ファイバを通過した光度の変化を感知するように配置される受信機と、開口を有するメッシュで構成された1つのメッシュ層とを含み、前記メッシュ層は、前記光ファイバの表面と当接されている。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本願実施例の技術方案をはっきりと説明するために、以下、実施例の説明に使用する必要な図面を簡単に紹介する。勿論、以下説明する図面は、本発明の幾つかの実施例だけであり、当業者について、創造的な労力を払うことなく、これらの図面によって、本発明を他の類似の状況も適用することができる。図中の同じ符号は、言語環境から明らかにして又は別の説明とする限りに、同じ構造及び動作を表している。
【
図1】
図1は、本願の幾つかの実施例による脈波伝導パラメータの測定システムの概略図である。
【
図3】
図3は、大動脈脈波伝導パラメータの測定原理図である。
【
図4】
図4は、本願の幾つかの実施例による計算装置の構成図である。
【
図5】
図5は、本願の幾つかの実施例によるセンサ装置の構成図である。
【
図6】
図6は、本願の幾つかの実施例によるセンサ装置の位置図である。
【
図7】
図7は、本願の幾つかの実施例による脈波伝導パラメータの測定方法のフローチャートである。
【
図8】
図8は、本願の幾つかの実施例による1つの対象の信号波形図である。
【
図9】
図9は、本願の幾つかの実施例によるセンサ装置の概略図である。
【
図10】
図10は、本願の幾つかの実施例による位置決め指示器の概略図である。
【
図11】
図11は、本願の幾つかの実施例による位置決め指示器の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本願の説明書と請求書に示すように、文脈に例外の状況を提示する限りに、「1つ」、「一個」、「一種」及び/又は「当該」などの言葉は、特に単数ではなく、複数でもよい。一般的に、術語「含む」と「備える」は、明確に標識したステップと要素を含むことを提示するものだけであり、しかし、これらのステップと要素は、排他的な羅列を構成されなく、方法又は装置も、他のステップ又は要素を含むことが可能である。
【0027】
図1は、本願の幾つかの実施例による脈波伝導パラメータの測定システム100の概略図である。
図1に示すように、脈波伝導パラメータの測定システム100は、1つのセンサ装置101と、1つのネットワーク103と、1つのサーバ105と、1つの記憶装置107と、1つの出力装置109とを含むことが可能である。
【0028】
センサ装置101は、対象102の振動情報を取得するように配置されることが可能である。幾つかの実施例において、センサ装置101は、振動敏感センサであってもよく、例えば、加速度センサ、速度センサ、変位センサ、圧力センサ、歪みセンサ、応力センサ(stress sensor)、又は、加速度、速度、変位又は圧力を基礎として物理量を等価変換するセンサ(例えば、静電荷敏感センサ、空気式微動センサ、レーダセンサなど)中の一種又は多種である。幾つかの実施例において、応力センサは、ファイバ応力センサであってもよい。幾つかの実施例において、センサ装置101は、温度敏感センサを含むこともでき、例えば、赤外線センサであり、対象の体温情報を取得するためである。センサ装置101は、対象102がいる医療ベッドや看護ベッドなどの各種のタイプのべッドに放置するように配置されることができる。対象102は、生命徴候情報を監視する生命体が可能である。幾つかの実施例において、対象102は、病院患者であってもよいし、高齢者や、被保護者や、他人などの被介護者であってもよい。センサ装置101は、取得された対象102の振動情報をネットワーク103で、サーバ105に伝送して後処理を行うことができる。幾つかの実施例において、センサ装置101が取得された振動情報は、処理された後に、対象の心拍数や、呼吸率や、体温などの生命徴候を算出することができる。幾つかの実施例において、センサ装置101が取得された振動情報は、処理された後に、対象の脈波伝導時間(Pulse Wave Transit Time, PTT)や、脈波伝導速度PWVなどの脈波伝導パラメータを算出することができる。センサ装置101は、取得された対象102の振動情報を出力装置109に伝送して出力することもでき、例えば、ディスプレイで振動情報の波形図を表示する。センサ装置101は、取得された対象102の振動情報をネットワーク103で、記憶装置107に伝送して記憶することもでき、例えば、システム100は、複数のセンサ装置を含むことができ、複数のセンサ装置が取得された複数の対象102の振動情報を記憶装置107に伝送して記憶することができ、顧客データの一部とする。
【0029】
ネットワーク103は、情報の交換を実現することができる。幾つかの実施例において、脈波伝導パラメータの測定システム100の構成部分(即ち、センサ装置101、ネットワーク103、サーバ105、記憶装置107、出力装置109)は、ネットワーク103を通じて、相互の情報の送受信を行うことが可能である。例えば、センサ装置101は、ネットワーク103を通じて、取得された対象102の生命徴候に関連する情報を記憶装置107に記憶することができる。幾つかの実施例において、ネットワーク103は、有線ネットワークや無線ネットワークなどの単一のネットワークであってもよいし、多種ネットワークの組み合わせであってもよい。ネットワーク103は、LAN(local area network)や、WAN(Wide area network)や、共用ネットワークや、プライベートネットワーク(private network)などを含むことができるが、これらに限定されない。ネットワーク103は、無線AP(Access point)や、有線AP(Wired access point)や、基地局(base station)などの多種のNAP(network access point)を含むことができ、上記のAPによって、脈波伝導パラメータの測定システム100の他の構成部分をネットワーク103に接続させ、且つネットワークによって情報を伝送することができる。
【0030】
サーバ105は、情報を処理するように配置される。例えば、サーバ105は、センサ装置101から対象102の振動情報を受信して、且つ振動情報から血流力学関連信号を抽出して、血流力学関連信号を更に処理する後に対象102の脈波伝導パラメータを取得することができる。幾つかの実施例において、サーバ105は、単一のサーバであってもよいし、サーバグループであってもよい。サーバグループは、クラスタ型(cluster)であってもよいし、分散型であってもよい(即ち、サーバ105は、分散型システムができる)。幾つかの実施例において、サーバ105は、ローカル(local)であってもよいし、リモート(remote)であってもよい。例えば、サーバ105は、ネットワーク103を通じて、記憶装置107、センサ装置101、及び/又は出力装置109に記憶されたデータをアクセスすることができる。また、サーバ105は、センサ装置101、記憶装置107、及び/又は出力装置109と直接に接続してデータを記憶することができる。幾つかの実施例において、サーバ105は、クラウド(cloud)に配置されることもでき、クラウドは、公有クラウドや、プライベートクラウドや、混合クラウドなどを含むことができるが、これらに限定されない。幾つかの実施例において、サーバ105は、
図4に示すような計算装置400に実施されることができる。
【0031】
記憶装置107は、データと指令を記憶するように配置される。幾つかの実施例において、記憶装置107は、RAMや、ROMや、PROMなどを含むことができるが、これらに限定されない。記憶装置107は、電気的方式や、磁気的方式や、光学的方式などで情報を記憶する装置であってもよく、例えば、ハードディスク(hard disk)や、フロッビーディスク(floppy disc(登録商標))や、マグネチックコアストレージユニット(magnetic core storage unit)や、CDや、DVDなどである。上記の記憶装置は、一部の例を挙げるだけであり、記憶装置107が使用された記憶ディバイスは、これらに限定されない。記憶装置107は、センサ装置101によって取得された対象102の振動情報を記憶することができ、サーバ105によって振動情報を処理したデータを記憶することもでき、例えば、対象102の生命徴候情報(呼吸率、心拍数)である。幾つかの実施例において、記憶装置107は、サーバ105の一部とすることが可能である。
【0032】
出力装置109は、データを出力するように配置される。幾つかの実施例において、出力装置109は、サーバ105で処理されて生成する生命徴候情報を出力することができ、出力方式は、図形表示や、ディジタル表示や、音声放送や、点字表示などの一種又は多種を含むことができるが、これらに限定されない。出力装置109は、ディスプレイや、携帯電話や、タブレットPCや、投影機や、ウェアラブルデバイス(腕時計、イヤホン、眼鏡など)や、点字ディスプレイなどの一種又は多種であってもよい。幾つかの実施例において、出力装置109は、対象102の生命徴候情報(呼吸率、心拍数など)をリアルタイムに表示することができる。他の実施例において、出力装置109は、報告を非リアルタイムに表示することができ、当該報告は、対象102が所定時間内の測定結果であり、例えば、当該測定結果は、ユーザが入眠時間帯内の毎分心拍数監視結果と毎分呼吸率監視結果である。幾つかの実施例において、出力装置109は、早期警報提示を出力することもでき、当該提示方式は、可聴警報や、振動警報や、画面表示警報などの方式を含むことができるが、これらに限定されない。例えば、対象102は、被介護の患者が可能であり、出力装置109は、ナースステーションのディスプレイであってもよい。出力装置109が表示される結果は、リアルタイムの心拍数やリアルタイムの呼吸率などのことが可能である。心拍数又は呼吸率が異常を発生する場合に、出力装置109は、警報音声を放送して医療従事者を提示することができ、医療従事者が患者を早速に救急するなどのことを行うことが可能である。他の実施例において、出力装置109は、医者が携帯する通信デバイス(例えば、携帯電話)であってもよく、対象102の生命徴候が異常の場合に、1つ又は複数の医者が携帯する1つ又は複数の出力装置109が早期警報情報を受信することができ、早期警報情報のプッシュ方式は、端末装置と対象102との間の距離の遠近によって、プッシュすることが可能である。
【0033】
本願のシステム及び方法の応用シーンは、本願の幾つかの例又は実施例だけであり、当業者と言えば、創造的な労力を払うことなく、これらの図面によって、本発明を他の類似の状況も適用することができることを理解されたい。脈波伝導パラメータの測定システム100は、家庭シーンに使用でき、センサ装置101は、普通の家庭ベッドに設置されることができ、対象102(例えば、年長者、心血管疾患を有する人、術後回復期の人)が夜に睡眠状態に当たる時に、センサ装置101は、連続的、又は所定的、又は需要的な方式で対象の振動情報を取得することができ、そして、ネットワーク103を通じて、対象の振動情報(リアタイムに送信してもよいし、所定の時刻例えば翌朝に前の晩の全部のデータを送信してもよい)をクラウドサーバ105に送信して処理され、クラウドサーバ105は、処理された情報(例えば、毎分心拍数、毎分呼吸率、大動脈PWV)を端末装置109に送信し、端末装置109は、対象102の家庭医者のコンピュータが可能であり、家庭医者は、対象102の処理された情報によって、対象102の身体状況や回復状況などのことを評価できる。
【0034】
注意すべき点は、上記の説明は、本願に記載された具体的な実施例にすぎず、唯一の実施例と見るべきではない。明らかに、当業者であれば、本発明の内容及び原理を理解した後に、本発明の原理及び構造を逸脱することなく、様々な形式的・詳細的な修正及び変形を行うことができるが、これらの修正及び変形は、本発明の特許請求の範囲内に属するべきである。幾つかの実施例において、サーバ105、記憶装置107、及び出力装置109は、1つのディバイスにして且つそれぞれの機能を実現することができる。例えば、脈波伝導パラメータの測定システム100は、1つのセンサ装置と、1つのコンピュータとを含むことが可能である。なお、センサ装置は、ケーブルを通じて直接にコンピュータに接続されてもよいし、ネットワークを通じてコンピュータに接続されてもよい。当該コンピュータは、上記のサーバ105、記憶装置107、及び出力装置109のデータの処理や、記憶や、表示などの全部の機能を実現できる。幾つかの実施例において、脈波伝導パラメータの測定システム100は、1つのセンサ装置と、1つの集積回路とを含むことが可能である。当該集積回路は、センサ装置と一体化(例えば、1つのマットに集成される)になって、当該集積回路は、1つのディスプレイに接続され、上記のサーバ105と記憶装置107の機能を実現し、ディスプレイは、出力装置109とし、データの処理や、記憶や、及び表示などの機能を実現する。
【0035】
図2は、脈波の生成原理図である。
図2に示すように、左心室201は、大動脈弁205を通じて大動脈と連通する。左心室201が収縮して所定の圧力値に到達した後に大動脈弁(Aortic Valve Opening,AVO)205が開け、血液が左心室201から大動脈203に注入し、血管が弾性配管のため、血液が大動脈に注入する時に、大動脈壁を拡張させ、これらの拍動が大動脈壁に沿って伝導して脈波207を形成する。血液動力学(Hemodynamics)が研究するものは、血液が心血管系内の流動の力学であり、血液と血管との変形及び流動を研究対象とする。脈波の生成と伝導は、血液流動及血管変形と関し、血流力学の研究対象に属する。脈波207が大動脈に沿っての伝導速度及び大動脈203の血管弾性と関し、従って、脈波の伝導速度PWVによって、血管の硬直程度を評価することができる。
【0036】
図3は、大動脈脈波伝導パラメータの測定原理図である。
図3に示すように、大動脈は、上行大動脈、大動脈弓、及び下行大動脈に分けることができ、上行大動脈は、左心室大動脈口から右前上に斜行して大動脈弓に接続し、大動脈弓から腕頭動脈、左総頚動脈、及び左鎖骨下動脈が出て、腕頭動脈が右胸鎖関節の後方で右総頚動脈と右鎖骨下動脈に分ける。大動脈弓は、上行大動脈に接続し、胸骨柄の後方で弓状にして左後方へ曲がり、左後方に弓状的に走行して第4の胸椎体の下縁に移行して下行大動脈とする。下行大動脈は、大動脈の最も長い部分であり、第4の腰椎体で左腸骨大動脈と右腸骨大動脈に分ける。だから、大動脈分節の脈波は、大動脈起点301から、大動脈に沿って大動脈と左右腸骨大動脈の分岐点303に伝導し、これにより、大動脈起点301、大動脈と左右腸骨大動脈の分岐点303との間の大動脈経路に沿っての距離を大動脈脈波伝導距離とし、脈波が点301から点303に伝導する時間を大動脈脈波伝導時間とし、大動脈脈波伝導距離と大動脈脈波伝導時間との比率を大動脈脈波伝導速度(aortic PWV, aPWV)とする。
【0037】
図4は、本願の幾つかの実施例による計算装置の構成図である。幾つかの実施例において、
図1のサーバ105、記憶装置107、及び/又は出力装置109は、計算装置400に実施されることができる。例えば、サーバ105は、計算装置400に実施され且つ本願に記載されたサーバ105の機能を実行することに配置できる。幾つかの実施例において、計算装置400は、専用コンピュータであってもよい。説明の都合の上、
図1において、1つのサーバを説明するだけであり、当業者が理解できれば、脈波伝導パラメータの測定に係る計算機能は、複数の類似機能を具備する計算装置にも実施されており、演算負荷を分散させることができる。
【0038】
計算装置400は、1つの通信ポート401、1つのプロセッサ(Central Processing Unit,CPU)403、1つの記憶装置405、及び1つのバス407を含むことができる。通信ポート401は、ネットワークを通じて、他のディバイスとデータを交換するように配置される。プロセッサ403は、ROMや、RAMや、Disk等の各種形式の記憶装置であってもよい。バス407は、計算装置400内部の部品間のデータ通信を行うように構成される。幾つかの実施例において、計算装置400は、入力出力ポート409を含むこともでき、入力出力ポート409は、データの入力と出力を支持するように配置される。例えば、他人は、入力装置(例えば、キーボード)を利用して、入力出力ポート409を通じてデータを計算装置400に入力することができる。計算装置400は、入力出力ポート409を通じてデータをディスプレイなどの出力装置に出力することもできる。
【0039】
説明の都合上、ここで、1つのプロセッサ403について説明するだけであり、理解できれば、計算装置400は、複数のプロセッサーを含むことができ、1つのプロセッサーで実行された操作又は方法は、複数のプロセッサーで連携実行され又は分別に実行されることができる点を理解されたい。例えば、本願に記載された1つのプロセッサ403は、ステップAとステップBを実行することができ、理解できれば、ステップAとステップBが複数のプロセッサーで連携実行され又は分別に実行されることができ、例えば、第1のプロセッサーでステップAを実行し且つ第2のプロセッサーでステップBを実行し、又は第1のプロセッサーと第2のプロセッサーでステップAとステップBを連携実行する。
【0040】
図5は、本願の幾つかの実施例によるセンサ装置の構成図である。
図5に示すように、光ファイバセンサ装置500は、歪センサ(strain sensor)であり、外力が光ファイバセンサ装置500に加える場合に、例えば、光ファイバセンサ装置500を横になる人体の下に放置される場合に、対象が平気状態になる時に、人体の呼吸や心拍などによって人体の身体振動を生成することを引き起こし、人体の身体振動が光ファイバ501の曲げを引き起こすことができ、光ファイバの曲げは、光ファイバを通過する光のパラメータを変化させ、例えば、光度を変化させる。光度の変化は、処理した後に人体の身体振動を表すことができる。
【0041】
光ファイバセンサ装置500は、1つの光ファイバ501、1つのメッシュ層503、1つの上カバー507、及び1つの下カバー505を含むことができる。なお、光ファイバ501の一端は、光源509と電気的に接続され、光源509は、LED光源であってもよく、光源509は、光源駆動回路511と電気的に接続され、光源駆動回路511は、光源の開閉と準位を制御するように配置される。光ファイバ501の他端は、受信機513と電気的に接続され、受信機513は、光ファイバ501を通過する光信号を受信するように配置され、受信機513は、増幅器515と電気的に接続され、増幅器515は、AD変換機517と電気的に接続され、AD変換機517は、受信した光信号をAD変換してディジタル信号に変換することができる。光源駆動回路511とAD変換機517は、制御処理部519と電気的に接続される。制御処理部519は、信号制御と信号処理を行うように配置され、例えば、制御処理部519は、光源駆動回路511を制御することによって、光源509の発光を駆動することができ、制御処理部519は、AD変換機517からのデータを受信し、データを処理する後にデータが各種の無線又は有線ネットワークのデータ伝送標準を満足させ、無線又は有線ネットワークを通じて、他の装置に伝送することもでき、例えば、
図1のサーバ105、記憶装置107、及び/又は出力装置109である。制御処理部519は、AD変換機517の抽出率を制御して異なる要求によって対応の抽出率を有させることもできる。幾つかの実施例において、光源駆動回路511、受信機513、増幅器515、AD変換機517、及び制御処理部519は、1つのモジュールに合併させて全部の機能を実現することもできる。
【0042】
光ファイバ501は、マルチモードファイバであってもよいし、シングルモードファイバであってもよい。光ファイバ501の並べ方式は、異なる形状が可能であり、例えば、蛇形状構造であり、
図5の501に示すような形状である。幾つかの実施例において、光ファイバ501の並べ方式は、U形構造もできる。幾つかの実施例において、光ファイバ501の並べ方式は、環状構造も可能であり、521に示すようであり、当該環状構造は、1つの光ファイバが排列された基本的に1つの平面に位置する複数の大小相同の環によって形成され、なお、環状構造内の毎環は、隣接した環と部分的に重なって且つ横に移行する。毎光ファイバ環は、基本的に円形縁を有する平行四辺形の構造(例えば、長方形や正方形など)が可能であり、急激な曲げはない。幾つかの実施例において、環状光ファイバ構造は、円形構造又は楕円形構造を含むことができる。幾つかの実施例において、当該環状構造は、急激に曲げがなく不規則な形状になることもできる。
【0043】
メッシュ層503は、貫通穴を有する繰り返しパターンの何れかの適合な材料で構成され、幾つかの実施例において、メッシュは、交織な繊維で構成され、例えば、重合繊維(polymer fiber)、複合織物繊維、天然植物繊維又は他の繊維である。光ファイバセンサ装置500は、対象身体の下に放置され、対象が光ファイバセンサ装置500に外力を加えて、メッシュ層503が光ファイバのある作用点にもともと加わる外力を分散させ、これにより当該作用点の周囲の光ファイバに分布することができる。光ファイバ501が微小な曲げを発生することによって、光ファイバ501で伝送する光のパラメータ(例えば、光強度)を変化させ、受信機513は、変化した光を受信し、制御処理部519によって光変化量の処理及び決定を行うことができる。光ファイバ501が外力によって形成する曲がり量は、外力、フャイバ直径、メッシュ繊維の直径、メッシュ開口寸法に依存し、フャイバ直径、メッシュ繊維の直径、メッシュ開口寸法の異なるパラメータの組み合わせを設定することによって、外力が加える場合に光ファイバの曲がり量を変化させ、光ファイバセンサ装置500が外力に対して異なる感度を持たせることができる。
【0044】
上カバー507と下カバー505は、シリカゲルを採用することができ、光ファイバ501とメッシュ層503の周りに配置され、光ファイバ501を保護することができ、同時に外力を分散して外力が作用点に沿って分散させることもできる。上カバー507、光ファイバ501、メッシュ層503、及び下カバー505は、貼り付けにより一体になることができ、例えば、シリカゲル接着剤を利用して一体に接着されており、光ファイバセンサ装置500を一枚のセンサパッドに形成させる。センサパッドの幅及び/又は長さは、光ファイバの異なる並べ方式によって変化することができ、環状構造の配列を採用する場合に、センサパッドの幅は、6cm又は6cm以上の適合な幅とすることができ、例えば、8cm、10cm、13cm、又は15cmである。センサパッドの長さは、異なる使用シーンによって変化することができ、例えば、体が正常範囲にいる人達に対して、センサパッドの長さは、30cmから80cmまでとすることができ、例えば、50cmであり、また、他の適合な寸法こともでき、45cmの長さは、大多数の人に適用できる。幾つかの実施例において、センサパッドの厚さは、1mmから50mmまでとすることができ、好ましくは、厚さは、3mmである。幾つかの実施例において、センサパッドの幅と長さは、他の寸法であってもよく、異なる試験対象によって異なる寸法のセンサを選択することができ、例えば、試験対象は、年齢層、身長、体重によってグループを区画し、異なるグループが異なる寸法のセンサに対応する。幾つかの実施例において、光ファイバは、U形構造を採用する場合に、センサパッドの幅は、6cm以下とすることもでき、例えば、1cm、2cm、又は4cmである。
【0045】
幾つかの実施例において、光ファイバセンサ装置500は、1つの外殻(
図5に示さず)を含むことができ、外殻は、上カバー507、メッシュ層503、光ファイバ501、及び下カバー505を包み、外殻は、防水防油の材質を採用することができ、例えば、硬質プラスチックを採用する。幾つかの実施例において、光ファイバセンサ装置500は、1つの支持部材(
図5に示さず)を含むことができ、支持部材は、剛性構造が可能であり、例えば、ハードボード(hardboard)や、硬質プラスチックプレート(plastic plate)や、木板などであり、支持部材は、光ファイバ501と下カバー505との間に放置されることができ、光ファイバ501に支持を与え、外力が光ファイバ501に加えられる場合に、支持部材は、光ファイバ層の変形をより速く戻させることができ、戻す時間がより短いので、光ファイバ層は、より高い周波数の信号を捉えることができる。
【0046】
図6は、本願の幾つかの実施例によるセンサ装置の位置図である。
図6に示すように、センサ装置600は、光ファイバセンサ601と光ファイバセンサ603を含むことができるが、これらに限定されない。幾つかの実施例において、光ファイバセンサ601と光ファイバセンサ603は、光ファイバセンサ装置500の構造を用いることができる。
【0047】
本願において、人体の各部位の位置、相互関係及びセンサ装置の放置位置と人体の各部位の位置との関係をはっきりに説明するために、ここで人体解剖学座標系を導入し、人体標準体位は、直立位と仰臥位を区画し、例えば、仰臥位を例として、
図6に示すように、X軸は、正中横軸であり、Y軸は、正中矢状軸であり、Z軸は、正中垂直軸であり、原点Oは、趾骨が上縁と結合する中点に位置し、YZ平面は、正中矢状面で、人体を左右両部分に区画し、XZ平面は、正中矢状面で、人体を前後両部分に区画し、XY面は、原点横断面で、人体を上下両部分に区画する。本願に説明した人体の前部、後部、上部、下部、左部及び右部は、解剖学座標系を基準として説明する。
【0048】
幾つかの実施例において、光ファイバセンサ601は、対象102の大動脈の起点に対応する身体後部区域の下に放置されることができ、約人体の第4の胸椎体に対応する背部体表区域の下に放置される。光ファイバセンサ603は、対象102の大動脈と左右腸骨大動脈の分岐点に対応する身体後部区域の下に放置されることができ、約人体の第4の腰椎体に対応する背部体表区域の下に放置される。異なる試験対象及び/又は異なる応用シーンに基づいて、光ファイバセンサ601と光ファイバセンサ603の長さと幅は、実際の需要に応じて選択することができ、例えば、長さ(X軸に沿って)は、30cmから80cmまでとすることができ、幅(Y軸に沿って)は、1cmから20cmまでとすることができ、当然なら、他の適合な寸法であってもよい。幾つかの実施例において、光ファイバセンサ601と光ファイバセンサ603は、2つの独立なセンサであり、両者の放置位置は、それぞれ人工で調節されることができ、例えば、異なる対象の異なる身長が大動脈分節の異なる長さを招くため、光ファイバセンサ601と光ファイバセンサ603との離間距離は、対象の異なる身長によって調節されることができる。幾つかの実施例において、センサ装置600は、1つの本体を含むことができ、当該本体は、対象に横たわりためであり、例えば、本体は、マットが可能であり、マットは、上カバーと下カバーを含み、上カバーと下カバーは、貼り合わせて一体になって、マットは、光ファイバセンサ601と光ファイバセンサ603を上カバーと下カバーにより形成された空間の内部に被覆し且つその位置を固定することができ、なお、光ファイバセンサ601と光ファイバセンサ603との間の間隔は、実際の需要に応じて設定することができ、例えば、20cmから80cmまでとすることができ、当然なら、他の適合な距離であってもよい。センサ装置600の形状と大小は、実際の需要に応じて選択することができ、例えば、センサ装置600は、四辺形であってもよいし、円形又は他の適合な形状であってもよい。センサ装置600は、通常の人達の身長により異なる寸法を設置することができ、例えば、155cmから160cmまでにかけての人達に適合する寸法は、40cmであり、S号に設置し、161cmから170cmまでにかけての人達に適合する寸法は、S号の上に、予定の距離を増加することができ、例えば、3cmである。幾つかの実施例において、光ファイバセンサ601と光ファイバセンサ603は、マットの内部に被覆され、何れかの光ファイバセンサの位置は、固定することができ(例えば、光ファイバセンサ601を固定する)、マットの内部に1つの可動空間を設けることができ、他の光ファイバセンサ(光ファイバセンサ603)の位置を調整させることができる。例えば、マットの内部に1つのスライディング軌道が設けられ、光ファイバセンサ603を軌道に設けて、マットの外部に1つの制御装置が設けられて作業員が当該制御装置によって光ファイバセンサ603の移動を制御することができ、例えば、制御装置は、ハンドルであり、作業員は、光ファイバセンサ603の移動を人工で制御することができ、また、制御装置は、スイッチであり、制御装置は、開状態にする場合に、光ファイバセンサ603は、あらかじめ定められた速度により光ファイバセンサ601に対して接近する又は離隔する方向へ自動的に移動し、制御装置は、閉状態にする場合に、光ファイバセンサ603がスリープ状態になる。なお、マットの外部に目盛りが設けられることもでき、例えば、スライディング軌道に沿って設けられて、作業員が直接に光ファイバセンサ601と光ファイバセンサ603との間の間隔距離を読み取らせることができる。
【0049】
本願の装置、システム及び方法の応用シーンは、本願の幾つかの例示又は実施例だけであり、当業者について、創造的な労力を払うことなく、これらの図面によって、本願を他の類似のシーンに適用することもできることを理解されたい。例えば、センサ装置101は、光ファイバセンサ装置500及びセンサ装置600の形態に限定されることなく、他のシーンに適用することができる。
【0050】
図7は、本願の幾つかの実施例による脈波伝導パラメータの測定方法のフローチャートである。幾つかの実施例において、方法700は、
図1に示すような脈波伝導パラメータの測定システムで実施されることができる。例えば、方法700は、記憶装置107に記憶されて命令セットとしてサーバ105によって実行されることができ、サーバ105は、計算装置400に実施されることができる。
【0051】
ステップ711において、プロセッサ403は、第1の光ファイバセンサから仰臥対象の第1の振動情報を取得することができ、前記第1の光ファイバセンサは、前記仰臥対象の第4の胸椎体に対応して背部区域の下に放置されることに配置される。幾つかの実施例において、仰臥対象は、病院患者や、被介護者などとすることができ、仰臥姿勢としてセンサ装置600に寝る。第1の光ファイバセンサは、センサ装置600の光ファイバセンサ601が可能であり、光ファイバセンサ601は、仰臥対象の大動脈起点に対応して背部区域の下に放置され、ほぼ、第4の胸椎体に対応して背部区域の下に放置される。仰臥対象の第1の振動情報は、呼吸により引き起こした人体振動情報、心臓収縮・拡張により引き起こした人体振動情報、血管変形により引き起こした人体振動情報、及び人体の体動情報中の一種又は多種を含むことができる。心臓収縮・拡張により引き起こした人体振動情報は、心臓収縮・拡張自体により引き起こした人体振動情報であってもよいし、心臓収縮・拡張による血液流動により引き起こした人体振動であってもよく、例えば、心臓駆血による血液が大動脈弓を衝撃することにより引き起こした人体振動である。血管変形により引き起こした人体振動情報は、心臓駆血による大動脈壁が拡張することにより形成された脈波ができ、脈波が血管に沿って伝導するにより引き起こした人体振動である。人体の体動情報は、屈腿や、脚上げや、寝返りや、ジッターなどを含むことができる。具体的に、人体が呼吸する時に、体全体、特別に胸腔・腹腔を主とする体部分を律動に振動することを引き起こし、人体が心臓収縮・拡張する時に、体全体、特別に心臓周りの体を振動することを引き起こし、左心室が大動脈に駆血する瞬間に、血液は、大動脈弓を衝撃し、心臓自体及びその連結された大血管部分は、1つの全体として一連の動きを起こし、心臓から遠いほど体部分の振動が弱く、脈波が血管に沿って伝導することにより血管が所在する体部分の振動を引き起こし、血管が細いほど、心臓から遠いほど、体の振動が弱い。従って、センサが人体の異なる位置の下に放置される場合に、センサが取得した振動情報は、その位置で検出した上記の人体振動情報であり、位置が異なる場合に、取得した人体振動情報も異なるである。大動脈は、人体の最も太い動脈であり、左心室から、胸腔・腹腔区域に位置するので、光ファイバセンサ601が対象の第4の胸椎体に対応して背部区域の下に放置される場合に、心臓の近くに位置されることにより、上記幾つかの人体振動情報は、全体又は部分的に取得されて第1の振動情報を生成することができる。
図8に示すように、曲線821は、本願の1つの実施例におけるある対象の第4の胸椎体に対応して背部区域の下に放置された1つの光ファイバセンサ601によって取得したある対象の第1の振動情報の波形図であり、なお、横軸は、時間を表し、縦軸は、規格化処理した対象の第1の振動情報、無次元を表す。
【0052】
ステップ713において、プロセッサ403は、第2の光ファイバセンサから前記仰臥対象の第2の振動情報を取得することができ、前記第2の光ファイバセンサは、前記仰臥対象の第4の腰椎体に対応して腰部区域の下に放置されることに配置される。幾つかの実施例において、第2の光ファイバセンサは、センサ装置600の光ファイバセンサ603が可能であり、光ファイバセンサ603は、仰臥対象の下行大動脈と左右腸骨大動脈の分岐点に対応して腰部区域の下に放置され、約第4の腰椎体に対応して腰部区域の下に放置される。光ファイバセンサ603が対象の大動脈の末端に位置しており、腹腔内に含まれているため、取得された第2の振動情報は、呼吸により引き起こした人体振動、心臓収縮・拡張により引き起こした人体振動、脈波が血管に沿って伝導により引き起こした人体振動を含む。
図8に示すように、曲線823は、本願の1つの実施例におけるある対象の第4の腰椎体に対応して腰部区域の下に放置された1つの光ファイバセンサ603によって取得したある対象の第23の振動情報の波形図であり、なお、横軸は、時間を表し、縦軸は、規格化処理した対象の第22の振動情報、無次元を表す。
【0053】
ステップ715において、プロセッサ403は、前記第1の振動情報に基づいて第1の血流力学関連情報を生成し、且つ前記第2の振動情報に基づいて第2の血流力学関連情報を生成することができる。血液動力学(Hemodynamics)が研究するものは、血液が心血管系内の流動の力学であり、血液と血管との変形及び流動を研究対象とする。本願に掲載された「血流力学関連情報」は、血流力学に関連する如何なる情報であり、血液の生成と関連する情報(例えば、心臓収縮・拡張により駆血)、血液の流れと関連する情報(例えば、心拍出量CO(cardiac output)、左心室が駆血して大動脈弓を衝撃する)、血液圧力と関連する情報(例えば、動脈最高血圧(systolic pressure)、最低血圧(diastolic pressure)、平均動脈圧)、血管と関連する情報(例えば、血管弾性)中の一種又は多種を含むことができるが、これらに限定されない。脈波伝導パラメータは、例えば、脈波伝導速度は、血管弾性と関わるだけでなく、心臓収縮・拡張と、左心室が駆血による大動脈弓への衝撃と関連し、これにより脈波伝導パラメータの測定は、血液力学関連情報の取得に関する。幾つかの関連文献において、心弾動(Ballistocardiogram,BCG)信号で心臓の拍動によって引き起こした人体の一連の周期性運動を表徴することを有し、本願に掲載された振動敏感センサが取得された人体振動情報において、心臓収縮・拡張により引き起こした人体振動は、BCG信号に表すこともできる。本願に記載された血流力学関連情報は、BCG信号を含む。幾つかの実施例において、ステップ711における光ファイバセンサ601が取得された第1の振動情報について、403が生成する第1の血流力学関連情報は、左心室駆血時に血液が大動脈弓を衝撃することによって引き起こした振動と、血管変形によって引き起こした振動(即ち、脈波が血管に沿って伝導することによって引き起こした振動)を含むことができる。ステップ713における光ファイバセンサ603が取得された第2の振動情報について、プロセッサ403が生成する第2の血流力学関連情報は、脈波が血管に沿って伝導することによって引き起こした振動を含むことができる。
図8に示すように、曲線825は、プロセッサ403が曲線821に示すような第1の振動情報によって生成された第1の血流力学関連情報の時間帯波形図であり、曲線827は、プロセッサ403が曲線823に示すような第2の振動情報によって生成された第2の血流力学関連情報の時間帯波形図であり、横軸は、時間を表す。
【0054】
幾つかの実施例において、プロセッサ403は、取得された第1の振動情報と第2の振動情報を一連の処理を行って、第1の血流力学関連情報と第1の血流力学関連情報を生成することができる。第1の振動情報及び/又は第2の振動情報は、多種の子振動情報(呼吸により引き起こした振動、心臓収縮・拡張により引き起こした振動、血管変形により引き起こした振動)を含み、プロセッサ403は、異なる子振動情報に対して異なる周波帯のフィルタ処理を行うことができる。例えば、プロセッサ403は、呼吸により引き起こした振動のフィルタ周波帯を1Hz以下に設置することができ、プロセッサ403が採用されたフィルタ方法は、ローパスフィルタ、帯域フィルタ、IIR(Infinite Impulse Response)フィルタ、FIR(Finite Impulse Response)フィルタ、ウェーブレット(wavelet)フィルタ、零相双方向フィルタ、多項式当て嵌め平滑フィルタ中の一種又は多種を含むことができるが、これらに限定されなく、第1の振動情報及び/又は第2の振動情報に対して少なくとも1つのフィルタ処理を行うことができる。仮に振動情報に周波数干渉信号(power frequency signal)が携帯されば、周波数フィルタを設計して周波数干渉信号をフィルタリングすることができる。プロセッサ403は、時間帯又は周波数領域に振動情報をフィルタリングすることができる。プロセッサ403は、情報動態範囲によって、フィルタリングしてノイズを除去した後の第1又は第2の振動情報を拡縮しており、第1又は第2の血流力学関連情報を取得することもできる。
【0055】
ステップ717において、プロセッサ403は、前記第1の血流力学関連情報に基づいて前記仰臥対象の大動脈弁開時間を確定するとともに、前記第2の血流力学関連情報に基づいて前記仰臥対象の脈波到達時間を確定することができる。第1の血流力学関連情報は、左心室駆血時に血液が大動脈弓を衝撃することによって引き起こした振動と、脈波が血管に沿って伝導することによって引き起こした振動を含むことができる。心拍周期において、大動脈弁が開く、左心室が駆血し、血液が大動脈に進入する時は、脈波の生成時間点を認め、この時に、左心室が駆血する血液は、大動脈弓を衝撃して、心臓自体と、その連続した大血管の部分を一体になる一連の運動を引き起こしており、体運動を引き起こして変位を生成する。心臓が周期性に収縮・拡張するため、体変位も周期性な変化であり、このような振動情報は、体の骨格や、筋肉などによって伝導することができ、仰臥対象の第4の胸椎体に対応して背部区域の下に放置された第1の光ファイバセンサは、このような振動情報を検出することができる。大動脈弁が開いたイベントとセンサが対応して体振動情報検出したイベントとの間の時間遅延は通常に小さいので、約10ms以内であり、当該時間遅延は、後続の脈波伝導パラメータの測定において、無視することを選択でき、即ち、センサで検出された大動脈弁が開くによって引き起こした体振動情報の時間を大動脈弁開時間とし、実測された大動脈弁開時間に補正係数を与えて補正することも選択できる。脈波が血管に沿って伝導し、振動も血管に沿って伝導し、体の振動を引き起こし、従って、脈波が伝導して血管のある位置に到達する後に、当該血管が所在する体位置の振動敏感センサは、振動情報を検出することができ、仰臥対象の第4の腰椎体に対応して腰部区域の下に放置された第2の光ファイバセンサは、脈波が大動脈分節の末端(下行大動脈と左右腸骨大動脈の分岐点)に伝導する振動情報を取得することができる。同様に、脈波到達時間と第2の光ファイバが検出された対応して体振動情報との間の遅延時間は、より小さく、当該時間遅延は、後続の脈波伝導パラメータの測定において、無視することを選択でき、即ち、センサで検出された脈波が大動脈分節の末端に到達することによって引き起こした体振動情報の時間を脈波到達時間とし、実測された脈波到達時間に補正係数を与えて補正することも選択できる。
【0056】
幾つかの実施例において、プロセッサ403は、以下の操作を実行して、前記第1の血流力学関連情報に基づいて前記仰臥対象の大動脈弁開時間を確定することができる。
図8に示すように、曲線825は、第1の血流力学関連情報の時間帯波形図であり、プロセッサ403は、曲線825を2階微分演算して、曲線829を取得することができる。曲線829の波形図に対して、プロセッサ403は、特徴検索することによって、大動脈弁の開特徴点を確定することができる。特徴検索における特徴は、ピークや、谷や、幅や、振幅や、極大値や、極小値や、最大値や、最小値などを含むことできるが、これらに限定されない。幾つかの実施例において、曲線829に対しての特徴検索は、ピーク検索を採用することができ、毎周期を検索範囲として、1つの周期に検索された最高ピークを大動脈弁の開特徴点として、それに応じた時間は、大動脈弁開時間である。
図8の曲線829に示すように、図中に第1の完全な心拍周期において、点820は、大動脈弁の開特徴点である。幾つかの実施例において、プロセッサ403は、曲線825を直接に特徴検索することによって、大動脈弁の開特徴点を確定することもでき、例えば、1つの心拍周期を1つの検索区間として、先ず最高ピークJピークを検出し、そして、Jピークに応じて時間の前の時間範囲内に検索し、極小値(AVOピーク)を検出し、それを大動脈弁の開特徴点として、それに応じて時間は、大動脈弁開時間である。
【0057】
幾つかの実施例において、プロセッサ403は、以下の操作を実行して、前記第2の血流力学関連情報に基づいて前記仰臥対象の脈波到達時間を確定することができる。
図8に示すように、曲線827は、第2の血流力学関連情報の時間帯波形図であり、プロセッサ403は、曲線827を2階微分演算して、曲線831を取得することができる。曲線831の波形図に対して、プロセッサ403は、特徴検索することによって、脈波の到達特徴点を確定することができる。特徴検索における特徴は、ピークや、谷や、幅や、振幅や、極大値や、極小値や、最大値や、最小値などを含むことできるが、これらに限定されない。幾つかの実施例において、曲線831に対しての特徴検索は、ピーク検索を採用することができ、毎周期を検索範囲として、1つの周期に検索された最高ピークを脈波の到達特徴点として、それに応じた時間は、脈波到達時間である。
図8の曲線831に示すように、図中に第1の完全な心拍周期において、点822は、脈波の到達特徴点である。
【0058】
幾つかの実施例において、プロセッサ403は、他の本質に同等するディジタル信号処理方法によって、例えば、多項式当て嵌め平滑フィルタを採用し、2階微分演算と同等効果の情報を取得することができる。
【0059】
幾つかの実施例において、仰臥対象の第1の振動情報と第2の振動情報は、連続に取得されるものであり、ある1つ又は幾つかの心拍周期内におけるデータ波形が他の心拍周期のデータ波形と異なる可能性を有し、この時に、当該心拍周期内の大動脈弁の開特徴点と脈波の到達特徴点は、それぞれ対応しての最高ピークではない可能性を有し、埋没する可能性を有し、この場合に、当該心拍周期のデータを捨てることができる。
【0060】
幾つかの実施例において、プロセッサ403は、1つ又は複数の入力装置からユーザの入力を受信しており、前記仰臥対象の大動脈弁開時間と脈波到達時間を確定することができる。例えば、外部入力パラメータは、医療スタッフが入力装置(例えば、マウス、鍵盤)を利用して入力出力ポート409によって処理設備400に入力することができる。医療スタッフは、訓練を経て振動情報波形から特徴点を判断する能力を有する。例えば、曲線825に対して、医療スタッフは、人工で波形分析を行うことができ、先ず、1つの心拍周期の最高ピークを選択し、そして、最高ピークに応じて時間の前の同じ周期範囲内に波形極小値を尋ねて、大動脈弁開特徴点として標記し、且つ、入力装置で標定し、例えば、マウスを利用して特徴点を選択し、従って、プロセッサ403は、医療スタッフの入力を大動脈弁開特徴点として確定するとともに、それに対応して時間を自動に取得して大動脈弁開時間とすることができる。
【0061】
ステップ719において、プロセッサ403は、前記大動脈弁開時間と前記脈波到達時間に基づいて、前記仰臥対象の大動脈脈波伝導時間を確定することができる。幾つかの実施例において、プロセッサ403は、何れかの1つの心拍周期における大動脈弁開時間と脈波到達時間との差(脈波到達時間から大動脈弁開時間を減算する)を選択して大動脈脈波伝導時間とすることができる。幾つかの実施例において、プロセッサ403は、複数の心拍周期を選択し、例えば、20個の心拍周期であり、各心拍周期の大動脈脈波伝導時間(即ち、PTT1、PTT2…PTT20)をそれぞれに計算し、そして、平均値を求めて大動脈脈波伝導時間とすることができる。幾つかの実施例において、プロセッサ403は、固定時間を選択し、例えば、60秒であり、当該時間内の毎心拍周期内の脈波伝導時間(即ち、PTT1、PTT2…)を計算し、そして、平均値を求めて脈波伝導時間とすることができる。幾つかの実施例において、プロセッサ403は、脈波伝導時間の適正範囲外のデータを自動に除去し且つ残りの他のデータの平均値を脈波伝導時間とすることもできる。幾つかの実施例において、プロセッサ403は、試験における採取された全ての周期内の脈波伝導時間を計算し、そして、平均値を求めて脈波伝導時間とすることもできる。
【0062】
ステップ721において、プロセッサ403は、前記第1の光ファイバセンサと前記第2の光ファイバセンサが体の身長の方向に沿っての距離を取得して前記仰臥対象の大動脈脈波伝導距離とし、前記大動脈脈波伝導距離と前記大動脈脈波伝導時間に基づいて、大動脈脈波伝導速度を確定することができる。幾つかの実施例において、第1の光ファイバセンサと第2の光ファイバセンサは、独立な装置であり、両者の間隔が人工で調節して異なる身長の試験対象に適合することができる。この場合の大動脈脈波伝導距離は、人工で測定することを採用することができ、例えば、医療スタッフは、軟定規や、直定規や、目盛り付けた線などの測距工具を用いて第1の光ファイバセンサと第2の光ファイバセンサの体の身長方向に沿った距離を測定して脈波伝導距離とする。幾つかの実施例において、第1の光ファイバセンサと第2の光ファイバセンサとの間の間隔は、固定可能であり、この場合に、両者の距離は、固定パラメータとすることができ、システムの初期化の際にプロセッサ403に伝送される。幾つかの実施例において、プロセッサ403は、取得された第1の光ファイバセンサと第2の光ファイバセンサが体の身長の方向に沿っての距離を直接に脈波伝導距離とすることができる。幾つかの実施例において、プロセッサ403は、取得された第1の光ファイバセンサと第2の光ファイバセンサの体の身長方向に沿た距離を補正することができ、例えば、補正係数を与え、また、1つの常数と加算し、そして、大動脈脈波伝導距離とすることができる。
【0063】
幾つかの実施例において、大動脈脈波伝導距離は、公式によって推測することができ、例えば、試験対象の身長や、体重や、年齢などのパラメータをシステム100の入力装置によって、データ入力を行うことができ、プロセッサ403は、即ち、公式によって試験対象の脈波伝導距離を推測することができる。例えば、プロセッサ403は、以下の公式によって、試験対象の大動脈長さ、即ち大動脈脈波伝導距離を推測することができる。
【0064】
L=a+b*(年齢)+c*(身長)+d*(体重)
【0065】
ここで、Lは、大動脈長さを表し、センチメートルを単位とし、年齢は、年を単位とし、身長は、センチメートルを単位とし、体重は、キログラムを単位とする。aは、常数を表し、b、c、dは、係数であり、実際の人工で測定した大動脈長さと各試験者の年齢や、身長や、体重などによって、a、b、c、dの数値を当て嵌め計算して取得することができ、例えば、幾つかの実施例において、aは、-21.3にし、bは、0.18にし、cは、0.32にし、dは、0.08にすることができる。
【0066】
ステップ723において、プロセッサ403は、前記脈波伝導時間と前記脈波伝導速度の中の少なくとも1つを1つ又は複数の出力装置に伝送することができる。例えば、脈波伝導時間は、システム100における出力装置109に伝送して出力することができる。出力装置109は、表示装置であってもよく、例えば、携帯電話であり、図形又は文字によって脈波伝導時間を表示することができる。出力装置109は、印刷装置であってもよく、脈波伝導パラメータの測定報告を印刷する。出力装置109は、音声放送装置であってもよく、脈波伝導パラメータを音声で出力する。幾つかの実施例において、プロセッサ403は、無線ネットワークを通じて脈波伝導時間及び/又は脈波伝導速度を出力装置に伝送することができ、例えば、出力装置は、携帯電話である。幾つかの実施例において、ケーブルを通じて脈波伝導時間及び/又は脈波伝導速度を直接に出力装置に伝送することができ、例えば、出力装置は、表示装置であり、ケーブルによってセンサ装置と電気的に接続されることができる。
【0067】
幾つかの実施例において、方法700のステップは、順次に実行されてもよいし、幾つかの実施例において、方法700のステップは、順次なくて実行されてもよいし、又は同時に実行されてもよい。幾つかの実施例において、前記大動脈弁開時間と前記脈波到達時間に基づいて、脈波伝導時間を確定するステップ719と、前記第1の光ファイバセンサと前記第2の光ファイバセンサの体の身長方向に沿った距離を取得して前記仰臥対象の大動脈脈波伝導距離とし、前記大動脈脈波伝導距離と前記大動脈脈波伝導時間に基づいて、大動脈脈波伝導速度を確定するステップ721と、及び前記脈波伝導時間を1つ又は複数の出力装置に伝送するステップ723は、同時に実行されることができる。また、幾つかの実施例において、ここで説明するテームの精神と範囲を逸脱しない場合に、幾つかの実施例において、方法700は、1つ又は複数のステップを除去することができ、例えば、ステップ721及び/又はステップ723が実行されなくてもよいし、幾つかの実施例において、他の操作が方法700に追加されてもよい。
【0068】
図9は、本願の幾つかの実施例によるセンサ装置の概略図である。
図9に示すように、センサ装置900は、1つの本体901、第1の光ファイバセンサ903、第2の光ファイバセンサセット905、及び定位指示器907を含むことができるが、これらに限定されない。
【0069】
第1の光ファイバセンサ903と第2の光ファイバセンサセット905は、定位指示器907との間の位置関係、及び本体901との位置関係を明確に説明するために、ここで対応する座標系を導入して説明する。センサ装置900は、ベッドに放置されてもよいし、又は地板に直接に放置されてもよく、従って、Z軸は、地面に垂直する方向を表し、地面から離れた方向は、正方向であり、XY平面は、水平面と平行し、X軸は、センサ装置900に沿っての幅方向であり、Y軸は、センサ装置900に沿っての長さ方向であり、原点Oは、センサ装置900の1つの端点縁の中点に位置する。YZ平面は、センサ装置900を左右両部分に区分けする。Y軸方向に沿って、相対的に上下方向を表すことができ、例えば、背部区域と腰部区域との境界線は、背部区域の下縁と呼ばれることができ、同時に、腰部区域の上縁でもある。
【0070】
本体901は、上カバー911と下カバー913を含むことができ、上カバー911と下カバー913は、第1の光ファイバセンサ903と第2の光ファイバセンサ905を内部に被覆し、上カバー911と下カバー913は、縫い糸又は接着剤によって一体に貼着する。本体901は、Y軸方向に沿って、背部区域、腰部区域、及び下肢区域の順に区分けされることができる。本体901の寸法は、試験対象の体型と身長によって選択することができ、例えば、その長さ(Y軸に沿って)は、190cmとすることができ、幅は、85cmとすることができ、この寸法は、多数人に適合し、他の適合した寸法とすることもでき、ここで限定されない。相応に、本体の背部区域、腰部区域、及び下肢区域の幅(X軸に沿って)は、試験対象の体型と身長によって選択することもでき、例えば、多数人に適合した寸法は、背部区域の幅は、30cmであり、腰部区域の幅は、50cmであり、他の適合した寸法とすることもでき、ここで限定されない。対象がセンサ装置900に仰臥する時に、仰臥姿勢とする時に、背部、腰部、及び下肢は、背部区域、腰部区域、及び下肢区域に順次に位置され、上肢は、背部区域と腰部区域に位置される。上カバー911と下カバー913は、多種の材質を採用することができ、例えば、皮質や、綿質などである。
【0071】
第1の光ファイバセンサ903は、背部区域に位置される。第1の光ファイバセンサ903は、
図5に示すような構造を採用することができる。幾つかの実施例において、
図9に示すように、第1の光ファイバセンサ903の長さ(X軸に沿って)は、試験対象の体型と身長によって選択することができ、例えば、50cmとすることができ、幅(Y軸に沿って)は、試験対象の体型と身長によって選択することができ、例えば、30cmとすることができ、多数人に適合し、他の適合した寸法とすることもでき、ここで限定されない。対象がセンサ装置900に仰臥する時に、左右の身体部分は、ほぼY軸に沿って対称であり、肩部の上縁は、背部区域の上縁と合わせ、背部は、本体の背部区域に位置され、両肢は、自然に閉じ、両腕は、自然に体の両側に垂れ、この場合に、対象の背部は、第1の光ファイバセンサ903に位置される。第1の光ファイバセンサ903は、対象の第1の振動情報を取得するように配置される。
【0072】
第2の光ファイバセンサセット905は、複数の光ファイバセンサを含むことができ、複数の光ファイバセンサ(905-1、905-2…905-n)は、X軸方向に沿って腰部区域に順に配列されることができる。Y軸方向は、本体の縦軸と呼ばれることもでき、X軸方向は、本体の横軸である。複数の光ファイバセンサは、
図5に示すような構造を採用することができる。幾つかの実施例において、
図9に示すように、6つの光ファイバセンサがY軸に沿って順に配列されることができ、各光ファイバセンサの幅(Y軸に沿って)は、1cm-20cmとすることができ、長さ(X軸に沿って)は、10cm-80cmとすることができ、他の適合した寸法とすることもでき、ここで限定されない。幾つかの実施例において、第2の光ファイバセンサセット905における光ファイバセンサの数量は、変化可能であり、試験対象の身長が特に高い場合に、光ファイバセンサの数量を追加することができ、例えば、8つ以上に追加しており、試験対象が仰臥する時に、第2の光ファイバセンサセット905におけるY軸に沿って排列された最後の光ファイバセンサは、試験対象の寛骨の下方に位置できればよい。対象がセンサ装置900に仰臥する時に、左右の体部分は、ほぼY軸に沿って対称であり、肩部の上縁が背部区域の上縁と揃えられ、両肢は、自然に閉じ、両腕は、自然に体の両側に垂れ、この場合に、対象の腰部と臀部は、センサ装置の腰部区域に位置される。第2の光ファイバセンサセット905は、対象の第2の振動情報を取得するように配置され、第2の振動情報は、腰部で各センサが検出された人体振動情報を含むことができる。
【0073】
定位指示器907は、試験対象が好ましい測量位置に迅速に横たわるように指示・補助するように配置される。
図9に示すように、定位指示器907は、肩部ストッパーであり、当該肩部ストッパーは、本体901の上カバー911に固定されることができ、例えば、縫合によって上カバー911と一体になる。幾つかの実施例において、肩部ストッパーは、脱着可能な方式によって上カバー911と接続することもでき、例えば、マジックテープ(登録商標)によって上カバー911と一体になる。幾つかの実施例において、定位指示器907は、複数の肩部ストッパーを含むことができ、
図10に示すように、3つのセンサ装置の上面図であり、センサ装置1001の定位指示器は、2つの肩部ストッバー1011を含むことができ、背部区域の境界線に近い側に配置され、左肩ストッバーと右肩ストッバーは、Y軸の両側に配列されることができ、両者の間の距離間隔は、対象が横になった場合に、頸部が左肩ストッバーと右肩ストッバーとの間に位置させ、且つ左肩と右肩をそれぞれ左肩ストッバーと右肩ストッバーに当接させることができ、それによって対象の肩部が背部区域の上縁と揃えさせる。幾つかの実施例において、左肩ストッバーと右肩ストッバーとの間の間隔は、130mmとすることができる。幾つかの実施例において、左肩ストッバーと右肩ストッバーとの間の間隔は、変化可能であり、異なる体型の対象によって対応する間隔を選択することができ、例えば、肩部ストッパーは、マジックテープ(登録商標)によって上カバー911と接続する場合に、上カバー911におけるマジックテープ(登録商標)の丸い毛の寸法は、肩部ストッパーの刺毛の寸法より大きいことができ、測量補助者(例えば、医療スタッフ)が対象の体型によって肩部ストッパーの位置を調整することができる。
【0074】
幾つかの実施例において、定位指示器907は、1つ又は複数の脚部ストッバーを含むことができ、例えば、2つの脚部ストッバーであり、下肢区域に配置され、対象がセンサ装置に横たわる場合に、対象の脚部又は下腿を当てることを提供しており、対象の両足を伸ばさせ且つ閉じた姿勢にさせる。幾つかの実施例において、脚部ストッバーは、本体901の上カバー911に固定されることができ、例えば、縫合によって上カバー911と一体になる。幾つかの実施例において、脚部ストッパーは、脱着可能な方式で上カバー911と接続することもでき、例えば、マジックテープ(登録商標)によって上カバー911と一体になる。幾つかの実施例において、左脚ストッバーと右脚ストッバーとの間の間隔は、300mmとすることができる。
図10に示すように、センサ装置1001は、2つの脚部ストッバー1013を含むことができる。幾つかの実施例において、肩部ストッバーと脚部ストッバーとの形状が変化してもよいし、色も変化してもよく、本願は、その形状と色を限定するものではない。
図10に示すようなセンサ装置1003の定位指示器は、2つの肩部ストッバー1031と2つの脚部ストッバー1033を含む。
【0075】
幾つかの実施例において、定位指示器907は、1つの枕を含むことができ、当該枕が、背部区域の境界線に近い側に配置され、且つ正中(Y軸に近づく)に配置される。枕は、対象が横たわる場合に、頸を当てることを提供することができ、これにより対象の肩部を背部区域の上縁と揃えさせる。幾つかの実施例において、枕は、本体901の上カバー911に固定されることができ、例えば、縫合によって上カバー911と一体になる。幾つかの実施例において、枕は、脱着可能な方式で上カバー911と接続することもでき、例えば、マジックテープ(登録商標)によって上カバー911と一体になる。幾つかの実施例において、枕の外形は、円柱体又は近似円柱体が可能であり、これにより体の頸部生理弧度と貼り合わせる。
図10に示すように、センサ装置105の定位指示器1051は、枕として1つの実施例である。
【0076】
幾つかの実施例において、センサ装置900は、1つの支持板909を含むこともできる。支持板909は、第1の光ファイバセンサ903と第2の光ファイバセンサセット905に支持を提供するように配置され、第1の光ファイバセンサ903と第2の光ファイバセンサセット905の下に放置するように配置され、且つ第1の光ファイバセンサ903と第2の光ファイバセンサセット905と一緒に本体901内に被覆されることができる。支持板909は、例えば、木板や、PVC板などの硬質構造を採用することができる。
【0077】
図11は、本願の幾つかの実施例による位置決め指示器の概略図である。幾つかの実施例において、
図9における本体901の上カバー911は、立体構造を採用することができ、例えば、
図11に示すように、センサ装置1000の上カバーは、人体輪郭凹み構造1101を含むことができる。対象が上カバーに仰臥する時に、身体は、人体輪郭凹み構造1101に位置することができる。人体輪郭凹み構造1101は、センサ装置のY軸に近づくに配置され、Y軸に沿って対称的に配列され、対象が人体輪郭凹み構造1101に仰臥する時に、対象の頭部がセンサ装置1100に位置し、背部がセンサ装置1100の背部区域に位置し、腰部がセンサ装置1100の腰部区域に位置し、下肢がセンサ装置1100の下肢区域に位置する。幾つかの実施例において、センサ装置は、対象の身長によって異なる寸法を有することができ、それに応じて、人体輪郭凹み構造1101は、対象の身長、体型の異なることによって、変化することができる。幾つかの実施例において、身長が155cm-160cmの群に適合した寸法は、S号に設置し、従って、身長が161cm-170cmの群に適合した寸法は、S号に基づいて全体に予定の寸法を加えることができ、例えば、2-5cmである。幾つかの実施例において、
図9における本体901の上カバー911は、平面構造を採用することができ、この場合に、明確な識別性を有する輪郭線を用いて人体輪郭を表すことができ、例えば、上カバー911は、白い色を用いる場合に、赤色線を用いて人体輪郭を識別することができる。
【0078】
注意すべき点は、上記の説明は、本願に記載された具体的な実施例にすぎず、唯一の実施例と見るべきではない。明らかに、当業者と言えば、本発明の内容及び原理を理解した後に、本発明の原理及び構造を逸脱することなく、様々な形式的・詳細的な修正及び変形を行うことができるが、これらの修正及び変形は、本発明の特許請求の範囲内に属するべきである。