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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-08
(45)【発行日】2022-09-16
(54)【発明の名称】まつ毛パーマ器及びまつ毛パーマ方法
(51)【国際特許分類】
   A45D 2/48 20060101AFI20220909BHJP
【FI】
A45D2/48
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021130133
(22)【出願日】2021-08-06
【審査請求日】2022-01-20
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521349820
【氏名又は名称】YOKOHAMA STYLE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125265
【弁理士】
【氏名又は名称】貝塚 亮平
(74)【代理人】
【識別番号】100220582
【弁理士】
【氏名又は名称】秋元 達也
(72)【発明者】
【氏名】山本 綾子
【審査官】渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-299431(JP,A)
【文献】実公昭53-004837(JP,Y2)
【文献】実開平04-021302(JP,U)
【文献】特開2004-089582(JP,A)
【文献】特開2020-006110(JP,A)
【文献】特開2014-004128(JP,A)
【文献】特開2001-340128(JP,A)
【文献】特開平03-004805(JP,A)
【文献】登録実用新案第3142927(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2009/0056736(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 2/00- 2/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
まつ毛にパーマをかける際に顔面に載置されて前記まつ毛を保持するとともにパーマ液を留置させることで、前記まつ毛に前記パーマ液が付着した状態を維持するまつ毛パーマ器であって、
互いに並んで延在する一対のガイド部と、
一対の前記ガイド部の間に架け渡され、一対の前記ガイド部のそれぞれに固定された固定保持部と、
一対の前記ガイド部の間に架け渡され、前記固定保持部に対応する位置である第1位置と前記固定保持部に対応しない位置である第2位置との間で一対の前記ガイド部の延在方向に沿って摺動可能に設けられた可動保持部と、を備え、
前記可動保持部は、
当該まつ毛パーマ器が前記顔面に載置された場合に前記顔面側となる可動保持部内面と前記可動保持部内面とは反対側である可動保持部外面とを連通し、前記パーマ液が通過可能な連通孔が形成された連通部を有し、
前記第1位置において、前記可動保持部内面が前記固定保持部と対面し、前記固定保持部と協働して前記まつ毛を挟み込むことにより当該まつ毛を保持可能であり、
前記固定保持部は、熱伝導部を有し、
前記熱伝導部は、前記固定保持部のうち、前記可動保持部が前記第1位置にある場合に前記可動保持部内面と対面する面である固定保持部外面において、前記可動保持部が前記第1位置にある場合に前記連通部に対応する位置に設けられており、
前記まつ毛パーマ器に載置された加熱源で加熱される前記熱伝導部によって、前記熱伝導部に接触している前記まつ毛及び前記パーマ液が加熱される、 まつ毛パーマ器。
【請求項2】
前記加熱源は、ホットタオルである、請求項1に記載のまつ毛パーマ器。
【請求項3】
前記熱伝導部は、300Kにおいて5W/(m・K)以上の熱伝導率を有する部材により構成されている、請求項1又は2に記載のまつ毛パーマ器。
【請求項4】
前記熱伝導部は、前記ガイド部を構成する部材と比較して高い熱伝導率を有する部材により構成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載のまつ毛パーマ器。
【請求項5】
前記熱伝導部は、前記固定保持部の表面に設けられている、請求項1~のいずれか一項に記載のまつ毛パーマ器。
【請求項6】
前記熱伝導部は、前記固定保持部のうち、前記固定保持部と前記可動保持部とが協働して前記まつ毛を挟み込むことにより当該まつ毛を保持した場合に当該まつ毛が接触する位置に設けられている、請求項1~のいずれか一項に記載のまつ毛パーマ器。
【請求項7】
前記熱伝導部は、前記固定保持部のうち、前記固定保持部外面とは反対側の面である固定保持部内面には設けられていない、請求項に記載のまつ毛パーマ器。
【請求項8】
前記熱伝導部は、金属を含む部材により構成されている、請求項1~7のいずれか一項に記載のまつ毛パーマ器。
【請求項9】
前記熱伝導部は、アルミニウムを含む部材により構成されている、請求項8に記載のまつ毛パーマ器。
【請求項10】
前記熱伝導部は、アルミニウムの合金を含む部材により構成されている、請求項8又は9に記載のまつ毛パーマ器。
【請求項11】
前記熱伝導部は、チタン、ジルコニウム、タンタル、金、及びプラチナの少なくともいずれかを含む部材により構成されている、請求項8~10のいずれか一項に記載のまつ毛パーマ器。
【請求項12】
前記熱伝導部は、チタン、ジルコニウム、タンタル、金、及びプラチナの少なくともいずれかの合金を含む部材により構成されている、請求項8~11のいずれか一項に記載のまつ毛パーマ器。
【請求項13】
前記連通部は、透明部分を含んでいる、請求項1~12のいずれか一項に記載のまつ毛パーマ器。
【請求項14】
前記ガイド部は、透明部分を含んでいる、請求項1~13のいずれか一項に記載のまつ毛パーマ器。
【請求項15】
前記ガイド部及び前記可動保持部のそれぞれは、透明部分を含んでいる、請求項1~14のいずれか一項に記載のまつ毛パーマ器。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか一項に記載のまつ毛パーマ器を用いて前記まつ毛にパーマをかけるまつ毛パーマ方法であって、
前記まつ毛パーマ器を前記顔面に載置した状態において前記可動保持部を前記第2位置から前記第1位置に摺動させることで、前記固定保持部と前記可動保持部とを協働させて前記まつ毛を挟み込むことにより当該まつ毛を保持する保持ステップと、
前記連通部に形成された前記連通孔を通過させて前記パーマ液を前記まつ毛に付着させるパーマ液付着ステップと、
前記熱伝導部を加熱する加熱ステップと、を含む、まつ毛パーマ方法。
【請求項17】
前記加熱ステップにおいては、前記まつ毛パーマ器の上にホットタオルを載置することにより、前記熱伝導部を加熱する、請求項16に記載のまつ毛パーマ方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、まつ毛パーマ器及びまつ毛パーマ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
まつ毛にパーマをかける際に顔面に載置されてまつ毛を保持するまつ毛パーマ器が知られている。例えば特許文献1には、一対のガイド部の間にそれぞれ架け渡された固定保持部及び可動保持部によりまつ毛を挟み込むことで当該まつ毛を保持可能な器具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-299431号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した器具では、保持されたまつ毛にパーマ液を付着させることによりまつ毛にパーマがかけられる。ところで、まつ毛にパーマをかける際には、パーマ液が付着したまつ毛が適度に加熱されることが好ましい。この点に関して、上述した器具において、パーマ液が付着したまつ毛をより迅速に加熱することが望まれる。
【0005】
そこで、本開示に係るまつ毛パーマ器及びまつ毛パーマ方法は、まつ毛を保持するとともに当該まつ毛をより迅速に加熱することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係るまつ毛パーマ器(100)は、まつ毛(EL)にパーマをかける際に顔面(F)に載置されてまつ毛(EL)を保持するまつ毛パーマ器(100)であって、互いに並んで延在する一対のガイド部(10,11)と、一対のガイド部(10,11)の間に架け渡され、一対のガイド部(10,11)のそれぞれに固定された固定保持部(2)と、一対のガイド部(10,11)の間に架け渡され、固定保持部(2)に対応する位置である第1位置と固定保持部(2)に対応しない位置である第2位置との間で一対のガイド部(10,11)の延在方向(D)に沿って摺動可能に設けられた可動保持部(3)と、を備え、可動保持部(3)は、当該まつ毛パーマ器(100)が顔面(F)に載置された場合に顔面(F)側となる可動保持部内面(3a)と可動保持部内面(3a)とは反対側である可動保持部外面(3b)とを連通し、パーマ液が通過可能な連通孔(P)が形成された連通部(30)を有し、第1位置において、可動保持部内面(3a)が固定保持部(2)と対面し、固定保持部(2)と協働してまつ毛(EL)を挟み込むことにより当該まつ毛(EL)を保持可能であり、固定保持部(2)は、熱伝導部(20)を有する。
【0007】
このまつ毛パーマ器(100)によれば、まつ毛(EL)にパーマをかける際に顔面(F)に載置され、一対のガイド部(10,11)の間にそれぞれ架け渡された固定保持部(2)及び可動保持部(3)によりまつ毛(EL)を挟み込むことにより当該まつ毛(EL)が保持される。そして、可動保持部(3)の連通部(30)に形成された連通孔(P)を介してパーマ液がまつ毛(EL)に塗布される。この状態において、まつ毛パーマ器(100)を加熱することによりパーマ液が付着したまつ毛(EL)が加熱され、まつ毛(EL)にパーマがかけられる。ここで、固定保持部(2)には熱伝導部(20)が設けられているため、まつ毛パーマ器(100)を加熱した際に熱伝導部(20)を介してまつ毛(EL)がより効率的に加熱されることとなる。よって、まつ毛(EL)を保持するとともに当該まつ毛(EL)をより迅速に加熱することが可能となる。
【0008】
本開示の一態様に係るまつ毛パーマ器(100)では、熱伝導部(20)は、300Kにおいて5W/(m・K)以上の熱伝導率を有する部材により構成されていてもよい。これによれば、まつ毛パーマ器(100)の上述した作用及び効果を好適に奏することができる。
【0009】
本開示の一態様に係るまつ毛パーマ器(100)では、熱伝導部(20)は、ガイド部(10,11)を構成する部材と比較して高い熱伝導率を有する部材により構成されていてもよい。これによれば、まつ毛パーマ器(100)の上述した作用及び効果を好適に奏することができる。
【0010】
本開示の一態様に係るまつ毛パーマ器(100)では、熱伝導部(20)は、固定保持部(2)の表面に設けられていてもよい。これによれば、まつ毛(EL)が熱伝導部(20)に接触しやすくなるため、まつ毛パーマ器(100)を加熱した際に熱伝導部(20)を介してまつ毛(EL)がより効率的に加熱される。
【0011】
本開示の一態様に係るまつ毛パーマ器(100)では、熱伝導部(20)は、固定保持部(2)のうち、固定保持部(2)と可動保持部(3)とが協働してまつ毛(EL)を挟み込むことにより当該まつ毛(EL)を保持した場合に当該まつ毛(EL)が接触する位置に設けられていてもよい。これによれば、まつ毛(EL)が熱伝導部(20)に接触するため、まつ毛パーマ器(100)を加熱した際に熱伝導部(20)を介してまつ毛(EL)がより確実に加熱される。
【0012】
本開示の一態様に係るまつ毛パーマ器(100)では、熱伝導部(20)は、固定保持部(2)のうち、可動保持部(3)が第1位置にある場合に可動保持部内面(3a)と対面する面である固定保持部外面(2b)に設けられていてもよい。これによれば、まつ毛(EL)が熱伝導部(20)に接触するため、まつ毛パーマ器(100)を加熱した際に熱伝導部(20)を介してまつ毛(EL)がより確実に加熱される。
【0013】
本開示の一態様に係るまつ毛パーマ器(100)では、熱伝導部(20)は、固定保持部(2)のうち、固定保持部外面(2b)とは反対側の面である固定保持部内面(2a)には設けられていなくてもよい。これによれば、熱伝導部(20)が顔面(F)等の皮膚に接触しにくくなるため、皮膚への影響を抑制することが可能となる。例えば、熱伝導部(20)が金属を含む部材により構成されている場合には、金属アレルギー等の症状が発生することを抑制することができる。
【0014】
本開示の一態様に係るまつ毛パーマ器(100)では、熱伝導部(20)は、金属を含む部材により構成されていてもよい。これによれば、熱伝導部(20)の熱伝導率を高くしやすいため、まつ毛パーマ器(100)の上述した作用及び効果を好適に奏することができる。
【0015】
本開示の一態様に係るまつ毛パーマ器(100)では、熱伝導部(20)は、アルミニウムを含む部材により構成されていてもよい。これによれば、軽量且つ腐食しにくいアルミニウムを熱伝導部(20)として使用することにより、まつ毛パーマ器(100)の利便性及び耐久性を向上させることが可能となる。
【0016】
本開示の一態様に係るまつ毛パーマ器(100)では、熱伝導部(20)は、アルミニウムの合金を含む部材により構成されていてもよい。これによれば、まつ毛パーマ器(100)の上述した構成を具体的に実現しやすくなる。
【0017】
本開示の一態様に係るまつ毛パーマ器(100)では、熱伝導部(20)は、チタン、ジルコニウム、タンタル、金、及びプラチナの少なくともいずれかを含む部材により構成されていてもよい。これによれば、イオン化しにくい金属を熱伝導部(20)として使用することにより、皮膚等にアレルギー反応を起こさせにくくなる。
【0018】
本開示の一態様に係るまつ毛パーマ器(100)では、熱伝導部(20)は、チタン、ジルコニウム、タンタル、金、及びプラチナの少なくともいずれかの合金を含む部材により構成されていてもよい。これによれば、これらの金属を加工しやすくなるとともに単価の高い金属の使用量を減らすことができるため、コストを削減することが可能となる。
【0019】
本開示の一態様に係るまつ毛パーマ器(100)では、連通部(30)は、透明部分を含んでいてもよい。これによれば、固定保持部(2)及び可動保持部(3)によりまつ毛(EL)を挟み込んだ状態において、まつ毛(EL)の状態を視認しやすくなる。したがって、まつ毛(EL)が適切に保持されているか否かを確認しやすくなり、まつ毛(EL)にパーマをかける際の作業性が向上する。
【0020】
本開示の一態様に係るまつ毛パーマ器(100)では、ガイド部(10,11)は、透明部分を含んでいてもよい。これによれば、固定保持部(2)及び可動保持部(3)によりまつ毛(EL)を挟み込んだ状態において、まつ毛(EL)の状態を視認しやすくなる。したがって、まつ毛(EL)が適切に保持されているか否かを確認しやすくなり、まつ毛(EL)にパーマをかける際の作業性が向上する。
【0021】
本開示の一態様に係るまつ毛パーマ器(100)では、ガイド部(10,11)及び可動保持部(3)のそれぞれは、透明部分を含んでいてもよい。これによれば、固定保持部(2)及び可動保持部(3)によりまつ毛(EL)を挟み込んだ状態において、まつ毛(EL)の状態を視認しやすくなる。したがって、まつ毛(EL)が適切に保持されているか否かを確認しやすくなり、まつ毛(EL)にパーマをかける際の作業性が向上する。
【0022】
本開示の一態様に係るまつ毛パーマ方法は、上述したいずれかのまつ毛パーマ器(100)を用いてまつ毛(EL)にパーマをかけるまつ毛パーマ方法であって、まつ毛パーマ器(100)を顔面(F)に載置した状態において可動保持部(3)を第2位置から第1位置に摺動させることで、固定保持部(2)と可動保持部(3)とを協働させてまつ毛(EL)を挟み込むことにより当該まつ毛(EL)を保持する保持ステップと、連通部(30)に形成された連通孔(P)を通過させてパーマ液をまつ毛(EL)に付着させるパーマ液付着ステップと、熱伝導部(20)を加熱する加熱ステップと、を含む。
【0023】
このまつ毛パーマ方法によれば、まつ毛(EL)にパーマをかける際に顔面(F)に載置され、一対のガイド部(10,11)の間にそれぞれ架け渡された固定保持部(2)及び可動保持部(3)によりまつ毛(EL)を挟み込むことにより当該まつ毛(EL)が保持される。そして、可動保持部(3)の連通部(30)に形成された連通孔(P)を介してパーマ液がまつ毛(EL)に塗布される。この状態において、まつ毛パーマ器(100)を加熱することによりパーマ液が付着したまつ毛(EL)が加熱され、まつ毛(EL)にパーマがかけられる。ここで、固定保持部(2)には熱伝導部(20)が設けられているため、まつ毛パーマ器(100)を加熱した際に熱伝導部(20)を介してまつ毛(EL)がより効率的に加熱されることとなる。よって、まつ毛(EL)を保持するとともに当該まつ毛(EL)をより迅速に加熱することが可能となる。
【0024】
本開示の一態様に係るまつ毛パーマ方法では、加熱ステップにおいては、まつ毛パーマ器(100)の上にホットタオルを載置することにより、熱伝導部(20)を加熱してもよい。これによれば、ホットタオルが重力により沈み込むようにしてまつ毛パーマ器(100)に密着することにより、まつ毛パーマ器(100)を効率的に加熱することができる。また、まつ毛パーマ器(100)を例えば40度程度の好適な温度に保つことが容易であるため、まつ毛(EL)にパーマをかける際の作業性が向上する。
【0025】
なお、上記の括弧内の符号は、後述する実施形態における構成要素の符号を本開示の一例として示したものであって、本開示を実施形態の態様に限定するものではない。
【発明の効果】
【0026】
このように、本開示に係るまつ毛パーマ器及びまつ毛パーマ方法は、まつ毛を保持するとともに当該まつ毛をより迅速に加熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は、本実施形態に係るまつ毛パーマ器を示す斜視図である。
図2図2は、可動保持部が第1位置にある場合におけるまつ毛パーマ器を示す平面図である。
図3図3は、可動保持部が第1位置にある場合におけるまつ毛パーマ器を示す底面図である。
図4図4は、可動保持部が第2位置にある場合におけるまつ毛パーマ器を示す平面図である。
図5図5は、固定保持部及び第1位置にある可動保持部によりまつ毛が保持された状態を模式的に示す部分側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して例示的な実施形態について説明する。なお、各図における同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0029】
[全体構成]
図1は、本実施形態に係るまつ毛パーマ器100を示す斜視図である。図2は、可動保持部3が第1位置にある場合におけるまつ毛パーマ器100を示す平面図である。図3は、可動保持部3が第1位置にある場合におけるまつ毛パーマ器100を示す底面図である。図4は、可動保持部3が第2位置にある場合におけるまつ毛パーマ器100を示す平面図である。図1図4に示されるように、まつ毛パーマ器100は、まつ毛ELにパーマをかける際に顔面Fに載置されてまつ毛ELを保持するための器具である(まつ毛EL及び顔面Fについては図5参照)。まつ毛パーマ器100は、例えば、まつ毛パーマの施術を受けるユーザの右目及び左目のそれぞれに1個ずつ用いられる。まつ毛パーマ器100は、まつ毛EL(例えば上まつ毛)を保持するとともにパーマ液を留置させることで、まつ毛ELにパーマ液が付着した状態を維持する。
【0030】
ここで、「まつ毛パーマ」とは、所望の形状に屈曲等させたまつ毛ELにパーマ液を付着させる(塗布する)ことにより、まつ毛ELを当該形状に留めさせる手法である。まつ毛パーマにおいては、まつ毛ELにパーマ液を付着させた状態で加熱することにより、より効率的に(例えば、短時間で)まつ毛ELを当該形状に留めさせることができる。
【0031】
「パーマ液」とは、まつ毛パーマに用いられる液状又はジェル状の薬剤である。例えば、パーマ液は、まつ毛ELを軟化させるための第1液及びまつ毛ELを硬化させるための第2液の2種類からなる薬剤であってもよい。あるいは、パーマ液は、1種類からなる薬剤であってもよく、3種類以上からなる薬剤であってもよい。パーマ液の成分は特に限定されず、公知の成分であってもよい。
【0032】
まつ毛パーマ器100は、枠部1、固定保持部2、可動保持部3、及び係止部4を備えている。
【0033】
枠部1は、まつ毛パーマ器100の外形を構成する部材である。枠部1は、概略矩形枠状を呈している。枠部1は、延在方向Dに沿って、互いに並んで延在する一対のガイド部10,11、及び、延在方向Dと交差する方向(例えば直交する方向)に沿って、互いに並んで延在する一対の接続部12,13を有している。
【0034】
一対のガイド部10,11は、枠部1において互いに対向する2辺を構成している。一対のガイド部10,11は、互いに平行(又は、略平行)に並んでおり、互いに等長(又は、略等長)である。一対のガイド部10,11は、一対の接続部12,13及び固定保持部2等により、互いの相対位置が固定されている。一対のガイド部10,11のそれぞれの延在方向Dにおける一端側が接続部12により接続され、一対のガイド部10,11のそれぞれの延在方向Dにおける他端側が接続部13により接続されることにより、枠部1は矩形枠を構成している。
【0035】
一対のガイド部10,11のそれぞれは、一対のガイド部10,11の他方に対面する面に、可動保持部3を延在方向Dに沿って摺動させるためのガイドを含んでいる。ガイドは、例えば延在方向Dに沿って形成された溝であり、可動保持部3に形成された突起等が嵌め込まれて可動保持部3を摺動方向に案内する。
【0036】
固定保持部2は、可動保持部3と協働してまつ毛ELを挟み込むことにより当該まつ毛ELを保持するための構造である。固定保持部2は、一対のガイド部10,11の間に架け渡され、一対のガイド部10,11のそれぞれに固定されている。具体的には、固定保持部2は、延在方向Dと交差する方向(直交する方向)に延在し、その一端がガイド部10の内側面に接続されているとともに、その他端がガイド部11の内側面に接続されている。
【0037】
固定保持部2は、概略板状を呈している。固定保持部2は、まつ毛パーマ器100が顔面Fに載置された場合に顔面F側となる固定保持部内面2a、及び、まつ毛パーマ器100が顔面Fに載置された場合に顔面Fとは反対側となる固定保持部外面2bを有している。つまり、固定保持部内面2aと固定保持部外面2bとは、互いに対向している(背中合わせとなっている)。固定保持部2は、固定保持部外面2b側に凸となるように湾曲している。より詳細には、固定保持部2は、可動保持部3と協働してまつ毛ELを保持したときに、瞼の曲線に沿うとともにまつ毛ELに好適なカーブを付与し得るように、湾曲した形状とされている。なお、まつ毛パーマ器100が顔面Fに載置された場合とは、仰向けの状態のユーザの顔面Fにまつ毛パーマ器100が置かれた場合に限らず、座位又は立位等の状態のユーザの顔面Fにまつ毛パーマ器100が設置された場合(例えば、テープ又は接着剤等により固定された場合)等を含んでもよい。
【0038】
固定保持部2は、熱伝導部20を有している。熱伝導部20は、固定保持部2が可動保持部3と協働してまつ毛ELを保持したときにまつ毛ELを効率良く加熱するための機構である。熱伝導部20は、比較的高い熱伝導率を有することにより、まつ毛ELを効率良く加熱する。熱伝導部20は、ガイド部10,11等の枠部1を構成する部材と比較して高い熱伝導率を有する部材により構成されていてもよい。
【0039】
具体的には、熱伝導部20は、300Kにおいて5W/(m・K)以上の熱伝導率を有する部材により構成されている。なお、熱伝導部20は、好ましくは300Kにおいて10W/(m・K)以上の熱伝導率を有する部材により構成されていてもよく、より好ましくは300Kにおいて20W/(m・K)以上の熱伝導率を有する部材により構成されていてもよい。
【0040】
熱伝導部20は、少なくとも固定保持部2の表面に設けられている。つまり、熱伝導部20は、固定保持部2において露出するように設けられている。熱伝導部20は、固定保持部2の表面部分を構成する薄板状又は薄膜状の部材であってもよい。熱伝導部20は、固定保持部2のうち、固定保持部2と可動保持部3とが協働してまつ毛ELを挟み込むことにより当該まつ毛ELを保持した場合に当該まつ毛ELが接触する位置に設けられている。
【0041】
具体的には、熱伝導部20は、固定保持部2のうち少なくとも固定保持部外面2bに設けられている。ここでは、熱伝導部20は、固定保持部2のうち、固定保持部外面2bとは反対側の面である固定保持部内面2aには設けられていない。つまり、熱伝導部20は、まつ毛パーマ器100が顔面Fに載置された状態において顔面Fに接触しない位置に設けられている。なお、熱伝導部20は、固定保持部2のうち固定保持部内面2aにも設けられていてもよい。
【0042】
熱伝導部20は、金属を含む部材により構成されていてもよい。例えば、熱伝導部20は、アルミニウムを含む部材により構成されていてもよく、アルミニウムの合金を含む部材により構成されていてもよい。あるいは、熱伝導部20は、チタン、ジルコニウム、タンタル、金、及びプラチナの少なくともいずれかを含む部材により構成されていてもよく、チタン、ジルコニウム、タンタル、金、及びプラチナの少なくともいずれかの合金を含む部材により構成されていてもよい。
【0043】
熱伝導部20は、例えばメッキ加工、電動塗装、又は粉末塗装等の手段により、固定保持部2の表面に設けられてもよい(コーティングされてもよい)。熱伝導部20は、まつ毛パーマ器100を組み立てる工程において、いかなるタイミングで固定保持部2の表面に設けられてもよい。例えば、まつ毛パーマ器100において枠部1と固定保持部2とが一体として成形されている場合には、枠部1と固定保持部2とが成形された後に熱伝導部20が固定保持部2に設けられてもよい。また、まつ毛パーマ器100において枠部1と固定保持部2とが一体として成形されておらず、別々に成型された後に互いに取り付けられる場合には、枠部1と固定保持部2とが互いに取り付けられる前に熱伝導部20が固定保持部2に設けられてもよく、枠部1と固定保持部2とが互いに取り付けられた後に熱伝導部20が固定保持部2に設けられてもよい。
【0044】
可動保持部3は、固定保持部2と協働してまつ毛ELを挟み込むことにより当該まつ毛ELを保持するための構造である。可動保持部3は、一対のガイド部10,11の間に架け渡され、第1位置と第2位置との間で一対のガイド部10,11の延在方向Dに沿って摺動可能(往復動可能)に設けられている。具体的には、可動保持部3は、延在方向Dと交差する方向(直交する方向)に延在し、その一端に形成された突起がガイド部10のガイド(溝)に嵌め込まれており、且つ、その他端に形成された突起がガイド部11のガイド(溝)に嵌め込まれている。これにより、可動保持部3は、一対のガイド部10,11にそれぞれ形成されたガイドに案内されて、延在方向Dに沿って摺動可能とされる。
【0045】
ここで、「第1位置」とは、可動保持部3が固定保持部2に対応する位置である。より詳細には、第1位置とは、可動保持部3が固定保持部2と重なる位置であり、具体的には、可動保持部3の可動領域である仮想的な面の法線方向に見て、可動保持部3が固定保持部2に重なる位置である。第1位置は、枠部1のうち延在方向Dにおける接続部12側の位置である。
【0046】
一方、「第2位置」とは、可動保持部3が固定保持部2に対応しない位置である。より詳細には、第2位置とは、可動保持部3が固定保持部2と重ならない位置であり、具体的には、可動保持部3の可動領域である仮想的な面の法線方向に見て、可動保持部3が固定保持部2に重ならない位置である。第2位置は、枠部1のうち延在方向Dにおける接続部13側の位置である。なお、第2位置とは、可動保持部3が固定保持部2と部分的に重なるものの、第1位置と比較して可動保持部3が固定保持部2と重なる面積(割合)が小さい位置であってもよい。
【0047】
可動保持部3は、概略板状を呈している。可動保持部3は、まつ毛パーマ器100が顔面Fに載置された場合に顔面F側となる可動保持部内面3a、及び、まつ毛パーマ器100が顔面Fに載置された場合に顔面Fとは反対側となる可動保持部外面3bを有している。つまり、可動保持部内面3aと可動保持部外面3bとは、互いに対向している(背中合わせとなっている)。可動保持部3は、可動保持部外面3b側に凸となるように湾曲している。より詳細には、可動保持部3は、固定保持部2と協働してまつ毛ELを保持したときに、瞼の曲線に沿うとともにまつ毛ELに好適なカーブを付与し得るように、湾曲した形状とされている。
【0048】
可動保持部3は、第1位置において、可動保持部内面3aが固定保持部2の固定保持部外面2bと対面するように設けられている。換言すると、固定保持部外面2bは、可動保持部3が第1位置にある場合に可動保持部内面3aと対面する面である。これにより、可動保持部3は、第1位置において、固定保持部2と協働してまつ毛ELを挟み込むことにより当該まつ毛ELを保持可能とされている。なお、「まつ毛を挟み込む」とは、固定保持部2及び可動保持部3によりまつ毛ELを両側から加圧した状態で挟持することを意味してもよく、まつ毛ELに対して加圧せずに空隙を有した状態で支持することを意味してもよい。また、「まつ毛を保持する」とは、まつ毛ELを当該位置及び姿勢に保つことを意味している。
【0049】
可動保持部3は、可動保持部内面3aと可動保持部外面3bとを連通する連通孔Pが形成された連通部30を有している。ここでは、連通部30は、複数の連通孔Pが整列した網状を呈している。連通孔Pは、まつ毛ELにパーマをかける際にまつ毛ELに付着させるべきパーマ液が通過可能に形成されている。「パーマ液が通過可能」とは、パーマ液が自重で通過可能であることを意味してもよく、外部から通過させるための操作(例えば、先端の細い針状の器具により押し込まれる操作等)を受けることによって通過可能であることを意味してもよい。
【0050】
係止部4は、可動保持部3を係止して第1位置に固定するための機構である。係止部4は、矩形板状を呈し、その一辺を中心軸線(回動中心軸線)として回動可能に構成されている。係止部4は、回動中心軸線を接続部13の位置に有している。係止部4は、回動中心軸線回りに、少なくとも、延在方向Dにおいて接続部12とは反対側の方向に延在する第1姿勢(図4参照)から、延在方向Dにおいて接続部12の方向に延在する第2姿勢(図2参照)までの範囲で回動可能である。
【0051】
係止部4は、第1姿勢において、回動中心軸線となる一辺と対向する他辺が可動保持部3に接触しないように構成されている。このため、係止部4は、第1姿勢において、可動保持部3が第1位置と第2位置との間で摺動(往復動)する動作を規制しない。したがって、まつ毛パーマ器100においては、係止部4が第1姿勢とされた状態で、可動保持部3を第2位置から第1位置に摺動させてまつ毛ELを保持することができる。
【0052】
係止部4は、第2姿勢において、回動中心軸線となる一辺と対向する他辺が可動保持部3に接触するように構成されている。より詳細には、係止部4は、第2姿勢において、当該他辺が第1位置にある可動保持部3に接触し、可動保持部3が第2位置の方向に摺動することを規制する。したがって、まつ毛パーマ器100においては、固定保持部2及び可動保持部3によりまつ毛ELを保持した状態で係止部4が第2姿勢とされることで、可動保持部3の位置の変動を抑制してまつ毛ELが保持された状態を維持することができる。
【0053】
まつ毛パーマ器100において、枠部1、固定保持部2、可動保持部3、及び係止部4の少なくとも一部は、透明部分を含んでいる。「透明部分」とは、透明な部材により構成された部分である。また、「透明」とは、当該部材の向こう側が透けて見える状態を意味している。一例として、透明とは、当該部材の向こう側にあるまつ毛ELが透けて見える状態を意味してもよい。透明とは、当該部材の向こう側が明瞭に見える状態に限らず、若干霞んで見える状態を含んでもよい。また、透明とは、無色透明に限らず、有色透明を含んでいてもよい。
【0054】
具体的には、まつ毛パーマ器100において、熱伝導部20以外の全ての部材が透明部分であってもよい。あるいは、まつ毛パーマ器100において、枠部1の一対のガイド部10,11及び可動保持部3のそれぞれが透明部分を含んでいてもよく、この場合、これら以外の部分が透明でなくてもよい。また、まつ毛パーマ器100において、枠部1の一対のガイド部10,11が透明部分を含んでいてもよく、この場合、これら以外の部分が透明でなくてもよい。また、まつ毛パーマ器100において、可動保持部3の連通部30が透明部分を含んでいてもよく、この場合、これ以外の部分が透明でなくてもよい。
【0055】
[まつ毛パーマ方法]
続いて、まつ毛パーマ器100を用いてまつ毛ELにパーマをかけるまつ毛パーマ方法について説明する。まつ毛パーマ方法においては、まつ毛パーマ器100を用いて所望の形状に屈曲等させたまつ毛ELにパーマ液を付着させて加熱することにより、まつ毛ELを当該形状に留めさせる。このとき、パーマ液としては、まつ毛ELを軟化させるための第1液を2回塗布し、その後、まつ毛ELを硬化させるための第2液を1回塗布する。以下のまつ毛パーマ方法は、1回目に第1液を塗布する際の方法であるが、2回目に第1液を塗布する際に採用されてもよく、第2液を塗布する際に採用されてもよい。
【0056】
まつ毛パーマ方法においては、まず、まつ毛パーマ器100を顔面Fに載置した状態において可動保持部3を第2位置から第1位置に摺動させることで、固定保持部2と可動保持部3とを協働させてまつ毛ELを挟み込むことにより当該まつ毛ELを保持する(保持ステップ)。次いで、可動保持部3の連通部30に形成された連通孔Pを通過させてパーマ液をまつ毛ELに付着させる(パーマ液付着ステップ)。次いで、固定保持部2の熱伝導部20を加熱する(加熱ステップ)。
【0057】
加熱ステップにおいては、まつ毛パーマ器100の上にホットタオルを載置することにより、固定保持部2の熱伝導部20を加熱してもよい。ホットタオルは、例えば40度程度に加熱されたものであってもよい。まつ毛パーマ器100の上にホットタオルが載置されると、ホットタオルが自重で沈み込んでまつ毛パーマ器100に密着するため、まつ毛パーマ器100に熱が伝達されやすい。加熱ステップにおいて熱伝導部20が加熱されると、熱伝導部20に接触しているまつ毛ELが好適に加熱されることとなる。
【0058】
[作用及び効果]
以上説明したように、まつ毛パーマ器100は、まつ毛ELにパーマをかける際に顔面Fに載置されてまつ毛ELを保持するまつ毛パーマ器100であって、互いに並んで延在する一対のガイド部10,11と、一対のガイド部10,11の間に架け渡され、一対のガイド部10,11のそれぞれに固定された固定保持部2と、一対のガイド部10,11の間に架け渡され、固定保持部2に対応する位置である第1位置と固定保持部2に対応しない位置である第2位置との間で一対のガイド部10,11の延在方向Dに沿って摺動可能に設けられた可動保持部3と、を備え、可動保持部3は、当該まつ毛パーマ器100が顔面Fに載置された場合に顔面F側となる可動保持部内面3aと可動保持部内面3aとは反対側である可動保持部外面3bとを連通し、パーマ液が通過可能な連通孔Pが形成された連通部30を有し、第1位置において、可動保持部内面3aが固定保持部2と対面し、固定保持部2と協働してまつ毛ELを挟み込むことにより当該まつ毛ELを保持可能であり、固定保持部2は、熱伝導部20を有する。
【0059】
このまつ毛パーマ器100によれば、まつ毛ELにパーマをかける際に顔面Fに載置され、一対のガイド部10,11の間にそれぞれ架け渡された固定保持部2及び可動保持部3によりまつ毛ELを挟み込むことにより当該まつ毛ELが保持される。そして、可動保持部3の連通部30に形成された連通孔Pを介してパーマ液がまつ毛ELに塗布される。この状態において、まつ毛パーマ器100を加熱することによりパーマ液が付着したまつ毛ELが加熱され、まつ毛ELにパーマがかけられる。ここで、固定保持部2には熱伝導部20が設けられているため、まつ毛パーマ器100を加熱した際に熱伝導部20を介してまつ毛ELがより効率的に加熱されることとなる。よって、まつ毛ELを保持するとともに当該まつ毛ELをより迅速に加熱することが可能となる。
【0060】
まつ毛パーマ器100では、熱伝導部20は、300Kにおいて5W/(m・K)以上の熱伝導率を有する部材により構成されている。これによれば、まつ毛パーマ器100の上述した作用及び効果を好適に奏することができる。
【0061】
まつ毛パーマ器100では、熱伝導部20は、ガイド部10,11を構成する部材と比較して高い熱伝導率を有する部材により構成されている。これによれば、まつ毛パーマ器100の上述した作用及び効果を好適に奏することができる。
【0062】
まつ毛パーマ器100では、熱伝導部20は、固定保持部2の表面に設けられている。これによれば、まつ毛ELが熱伝導部20に接触しやすくなるため、まつ毛パーマ器100を加熱した際に熱伝導部20を介してまつ毛ELがより効率的に加熱される。
【0063】
まつ毛パーマ器100では、熱伝導部20は、固定保持部2のうち、固定保持部2と可動保持部3とが協働してまつ毛ELを挟み込むことにより当該まつ毛ELを保持した場合に当該まつ毛ELが接触する位置に設けられている。これによれば、まつ毛ELが熱伝導部20に接触するため、まつ毛パーマ器100を加熱した際に熱伝導部20を介してまつ毛ELがより確実に加熱される。
【0064】
まつ毛パーマ器100では、熱伝導部20は、固定保持部2のうち、可動保持部3が第1位置にある場合に可動保持部内面3aと対面する面である固定保持部外面2bに設けられている。これによれば、まつ毛ELが熱伝導部20に接触するため、まつ毛パーマ器100を加熱した際に熱伝導部20を介してまつ毛ELがより確実に加熱される。
【0065】
まつ毛パーマ器100では、熱伝導部20は、固定保持部2のうち、固定保持部外面2bとは反対側の面である固定保持部内面2aには設けられていない。これによれば、熱伝導部20が顔面F等の皮膚に接触しにくくなるため、皮膚への影響を抑制することが可能となる。例えば、熱伝導部20が金属を含む部材により構成されている場合には、金属アレルギー等の症状が発生することを抑制することができる。
【0066】
まつ毛パーマ器100では、熱伝導部20は、金属を含む部材により構成されている。これによれば、熱伝導部20の熱伝導率を高くしやすいため、まつ毛パーマ器100の上述した作用及び効果を好適に奏することができる。
【0067】
まつ毛パーマ器100では、熱伝導部20は、アルミニウムを含む部材により構成されている。これによれば、軽量且つ腐食しにくいアルミニウムを熱伝導部20として使用することにより、まつ毛パーマ器100の利便性及び耐久性を向上させることが可能となる。
【0068】
まつ毛パーマ器100では、熱伝導部20は、アルミニウムの合金を含む部材により構成されている。これによれば、まつ毛パーマ器100の上述した構成を具体的に実現しやすくなる。
【0069】
まつ毛パーマ器100では、熱伝導部20は、チタン、ジルコニウム、タンタル、金、及びプラチナの少なくともいずれかを含む部材により構成されている。これによれば、イオン化しにくい金属を熱伝導部20として使用することにより、皮膚等にアレルギー反応を起こさせにくくなる。
【0070】
まつ毛パーマ器100では、熱伝導部20は、チタン、ジルコニウム、タンタル、金、及びプラチナの少なくともいずれかの合金を含む部材により構成されている。これによれば、これらの金属を加工しやすくなるとともに単価の高い金属の使用量を減らすことができるため、コストを削減することが可能となる。
【0071】
まつ毛パーマ器100では、連通部30は、透明部分を含んでいる。これによれば、固定保持部2及び可動保持部3によりまつ毛ELを挟み込んだ状態において、まつ毛ELの状態を視認しやすくなる。したがって、まつ毛ELが適切に保持されているか否かを確認しやすくなり、まつ毛ELにパーマをかける際の作業性が向上する。
【0072】
まつ毛パーマ器100では、ガイド部10,11は、透明部分を含んでいる。これによれば、固定保持部2及び可動保持部3によりまつ毛ELを挟み込んだ状態において、まつ毛ELの状態を視認しやすくなる。したがって、まつ毛ELが適切に保持されているか否かを確認しやすくなり、まつ毛ELにパーマをかける際の作業性が向上する。
【0073】
まつ毛パーマ器100では、ガイド部10,11及び可動保持部3のそれぞれは、透明部分を含んでいる。これによれば、固定保持部2及び可動保持部3によりまつ毛ELを挟み込んだ状態において、まつ毛ELの状態を視認しやすくなる。したがって、まつ毛ELが適切に保持されているか否かを確認しやすくなり、まつ毛ELにパーマをかける際の作業性が向上する。
【0074】
まつ毛パーマ方法は、まつ毛パーマ器100を用いてまつ毛ELにパーマをかけるまつ毛パーマ方法であって、まつ毛パーマ器100を顔面Fに載置した状態において可動保持部3を第2位置から第1位置に摺動させることで、固定保持部2と可動保持部3とを協働させてまつ毛ELを挟み込むことにより当該まつ毛ELを保持する保持ステップと、連通部30に形成された連通孔Pを通過させてパーマ液をまつ毛ELに付着させるパーマ液付着ステップと、熱伝導部20を加熱する加熱ステップと、を含む。
【0075】
このまつ毛パーマ方法によれば、まつ毛ELにパーマをかける際に顔面Fに載置され、一対のガイド部10,11の間にそれぞれ架け渡された固定保持部2及び可動保持部3によりまつ毛ELを挟み込むことにより当該まつ毛ELが保持される。そして、可動保持部3の連通部30に形成された連通孔Pを介してパーマ液がまつ毛ELに塗布される。この状態において、まつ毛パーマ器100を加熱することによりパーマ液が付着したまつ毛ELが加熱され、まつ毛ELにパーマがかけられる。ここで、固定保持部2には熱伝導部20が設けられているため、まつ毛パーマ器100を加熱した際に熱伝導部20を介してまつ毛ELがより効率的に加熱されることとなる。よって、まつ毛ELを保持するとともに当該まつ毛ELをより迅速に加熱することが可能となる。
【0076】
まつ毛パーマ方法では、加熱ステップにおいては、まつ毛パーマ器100の上にホットタオルを載置することにより、熱伝導部20を加熱する。これによれば、ホットタオルが重力により沈み込むようにしてまつ毛パーマ器100に密着することにより、まつ毛パーマ器100を効率的に加熱することができる。また、まつ毛パーマ器100を例えば40度程度の好適な温度に保つことが容易であるため、まつ毛ELにパーマをかける際の作業性が向上する。
【0077】
[変形形態]
上述した実施形態は、当業者の知識に基づいて変更又は改良が施された様々な形態により実施可能である。
【0078】
例えば、上述した実施形態に記載されている個々の構成の一部を適宜組み合わせて実施してもよい。
【0079】
また、上述した実施形態においては、まつ毛パーマ器100は係止部4を備えている。しかし、まつ毛パーマ器100は係止部4を備えていなくてもよい。また、まつ毛パーマ器100は、係止部4に代えて、可動保持部3を第1位置に固定するための別途の機構を備えていてもよい。
【0080】
また、上述した実施形態においては、熱伝導部20が金属を含む部材により構成されている。しかし、熱伝導部20は、例えばセラミック又は半導体等を含む部材により構成されていてもよい。
【0081】
また、上述した実施形態においては、ユーザ(すなわち、人間)のまつ毛ELにパーマをかけることが前提とされている。しかし、本開示に係るまつ毛パーマ器100及びまつ毛パーマ方法は、人間に限らず、マネキン(人形)又は動物(人間以外の動物)等のまつ毛ELにパーマをかけるためのものであってもよい。
【符号の説明】
【0082】
1 枠部
2 固定保持部
2a 固定保持部内面
2b 固定保持部外面
3 可動保持部
3a 可動保持部内面
3b 可動保持部外面
10,11 ガイド部
20 熱伝導部
30 連通部
100 まつ毛パーマ器
D 延在方向
EL まつ毛
F 顔面
P 連通孔
【要約】
【課題】まつ毛を保持するとともに当該まつ毛をより迅速に加熱する。
【解決手段】まつ毛パーマ器100は、まつ毛ELにパーマをかける際に顔面Fに載置されてまつ毛ELを保持する。まつ毛パーマ器100は、一対のガイド部10,11と、固定保持部2と、固定保持部2に対応する位置である第1位置と固定保持部2に対応しない位置である第2位置との間で摺動可能に設けられた可動保持部3と、を備えている。可動保持部3は、可動保持部内面3aと可動保持部外面3bとを連通し、パーマ液が通過可能な連通孔Pが形成された連通部30を有している。可動保持部3は、第1位置において、可動保持部内面3aが固定保持部2と対面し、固定保持部2と協働してまつ毛ELを挟み込むことにより当該まつ毛ELを保持可能であり、固定保持部2は、熱伝導部20を有する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5