(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-08
(45)【発行日】2022-09-16
(54)【発明の名称】端末装置、仮想現実空間編集システム、プログラムおよび仮想現実空間編集方法
(51)【国際特許分類】
G06T 19/20 20110101AFI20220909BHJP
G06F 3/0481 20220101ALI20220909BHJP
【FI】
G06T19/20
G06F3/0481
(21)【出願番号】P 2021172816
(22)【出願日】2021-10-22
【審査請求日】2021-10-22
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516248004
【氏名又は名称】クラスター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】弁理士法人山王内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】半田 大樹
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 翔馬
(72)【発明者】
【氏名】東峰 裕之
【審査官】梅本 章子
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-168934(JP,A)
【文献】特開2004-206338(JP,A)
【文献】特開2002-083320(JP,A)
【文献】国際公開第2019/155876(WO,A1)
【文献】特開2018-067261(JP,A)
【文献】特開2006-155230(JP,A)
【文献】特開2002-049934(JP,A)
【文献】特開2018-028789(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 19/20
G06F 3/0481
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
編集用の仮想現実空間である編集用空間の編集に使用可能な複数のアイテムそれぞれの3次元データおよび簡易表示データを有して複数の前記アイテムを管理するアイテム管理サーバから、前記簡易表示データを取得する簡易表示データ取得部と、
前記編集用空間の編集のために表示される編集用画面に
前記簡易表示データを使用し
て表示された複数の前記アイテムからの前記アイテムの選択を受け付けるアイテム選択処理部と、
前記アイテム管理サーバから、選択された前記アイテムの3次元データを取得する3次元データ取得部と、
前記編集用空間の3次元データである編集用空間情報に基づき前記編集用画面に前記編集用空間を表示し、選択された前記アイテムの3次元データを用いた前記編集用空間の編集操作に関する操作情報の入力を受け付け、前記操作情報を、前記編集用空間を管理する編集サーバに送信するとともに、編集後の前記編集用空間を前記編集用画面に表示する編集処理部と、を備えた
ことを特徴とする端末装置。
【請求項2】
前記編集処理部は、前記編集サーバから、前記編集用空間情報として、前記編集サーバが管理する前記編集用空間の編集用空間情報のうち前記編集用画面に表示される空間領域である表示対象領域の3次元データを取得して、前記表示対象領域を前記編集用画面に表示するものである
ことを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記編集用空間の編集に使用する記憶部を備え、
前記編集処理部は、前記編集用画面に現在表示中の前記表示対象領域以外の3次元データを前記記憶部から削除する
ことを特徴とする請求項2に記載の端末装置。
【請求項4】
複数の前記アイテムには、形状が互いに同一で彩色もしくは仮想的な材質を示す特性が互いに異なる複数の前記アイテム、仮想現実空間の背景の3次元データである前記アイテムとして互いに異なる背景に関する複数の背景アイテム、または、空間編集用のツールであるツールアイテムが含まれる
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項5】
編集者以外のユーザが参加可能な仮想現実空間である参加用空間の3次元データである参加用空間情報を
前記編集サーバが前記編集用空間の管理のために有する前記編集用空間情報に基づき修正する修正指示を、前記編集サーバに送信する修正指示送信部を備える
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項6】
前記修正指示送信部は、前記編集処理部が前記操作情報を前記編集サーバに送信すると、前記修正指示を前記編集サーバに送信する
ことを特徴とする請求項5に記載の端末装置。
【請求項7】
前記修正指示を前記編集サーバに送信する送信指示を受け付ける送信指示部を備え、
前記修正指示送信部は、前記送信指示部が前記送信指示を受け付けると、前記修正指示を前記編集サーバに送信する
ことを特徴とする請求項5に記載の端末装置。
【請求項8】
前記編集処理部は、前記編集用空間情報に基づき前記編集用空間を表示可能であるとともに、編集者以外のユーザが参加可能な仮想現実空間である参加用空間の3次元データである参加用空間情報に基づき、前記参加用空間を表示可能である
ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項9】
前記編集処理部は、前記編集用空間と、前記参加用空間とを切り替えて表示可能である
ことを特徴とする請求項8に記載の端末装置。
【請求項10】
前記編集処理部は、前記編集用空間において、既に前記参加用空間の修正に用いられた編集内容と、未だ前記参加用空間の修正に用いられていない編集内容とを区別して表示する
ことを特徴とする請求項8または請求項9に記載の端末装置。
【請求項11】
前記編集処理部は、前記編集用空間情報に基づき、他の端末装置によって編集された前記編集用空間を前記他の端末装置における前記操作情報の発生に同期して表示する
ことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項12】
前記他の端末装置によって編集された編集内容を、編集者以外のユーザが参加可能な仮想現実空間である参加用空間の3次元データである参加用空間情報の修正に用いることを、承認または非承認とする操作を受け付ける承認受付部を備える
ことを特徴とする請求項11に記載の端末装置。
【請求項13】
前記編集処理部は、前記他の端末装置を使用して前記編集用空間を編集する編集者である共同編集者のアバターを前記編集用空間に表示可能とする
ことを特徴とする請求項11または請求項12に記載の端末装置。
【請求項14】
前記編集処理部は、前記共同編集者が前記他の端末装置から入力したコミュニケーション用データを、前記編集サーバを経由して取得し、前記コミュニケーション用データを前記編集用画面に前記共同編集者のアバターと関連付けて表示する
ことを特徴とする請求項13に記載の端末装置。
【請求項15】
前記編集処理部は、編集者のアバターを前記編集用空間に表示可能であり、
前記編集用空間を前記編集者のアバターからみた視点であるアバター視点と、前記アバター視点とは異なる前記編集用空間を前記編集用画面に表示するための編集用視点とを切り替える切替操作を受け付ける切替操作受付部を備え、
前記編集処理部は、前記切替操作受付部が前記切替操作を受け付けると、前記アバター視点と前記編集用視点とを切り替える
ことを特徴とする請求項13または請求項14に記載の端末装置。
【請求項16】
請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の端末装置である第1端末装置と、
前記アイテム管理サーバと、
前記編集サーバと、を備えた
ことを特徴とする仮想現実空間編集システム。
【請求項17】
前記アイテム管理サーバは、前記第1端末装置と同じまたは異なる第2端末装置から、前記アイテムのアップロードを受け付け、アップロードを受け付けた前記アイテムを管理する
ことを特徴とする請求項16に記載の仮想現実空間編集システム。
【請求項18】
前記編集サーバは、前記第1端末装置から前記操作情報を取得すると、前記アイテム管理サーバから、前記操作情報が示す前記アイテムの3次元データを取得し、前記操作情報の示す位置と向きで前記編集用空間内に前記アイテムが配置されるよう、前記編集サーバが有する前記編集用空間情報を編集する
ことを特徴とする請求項16または請求項17に記載の仮想現実空間編集システム。
【請求項19】
前記編集サーバは、前記編集用空間のうち、前記第1端末装置の前記編集用画面に表示される空間領域を表示対象領域として特定し、前記編集用空間情報のうち、前記表示対象領域の3次元データを前記第1端末装置に送信する
ことを特徴とする請求項16から請求項18のいずれか1項に記載の仮想現実空間編集システム。
【請求項20】
前記編集サーバは、同一の前記編集用空間を前記編集用画面において表示中の複数の前記第1端末装置のそれぞれから取得した前記操作情報に基づき、前記編集用空間を編集する
ことを特徴とする請求項16から請求項19のいずれか1項に記載の仮想現実空間編集システム。
【請求項21】
前記編集サーバは、前記複数の前記第1端末装置の全てに、編集後の前記編集用空間の3次元データである前記編集用空間情報を送信する
ことを特徴とする請求項20に記載の仮想現実空間編集システム。
【請求項22】
前記編集サーバは、それぞれの前記第1端末装置と、前記編集用空間のうちそれぞれの前記第1端末装置の前記編集用画面において表示中の空間領域である表示対象領域とが紐付けられた前記編集用空間情報を記憶し、前記編集用空間情報に基づき、複数の前記第1端末装置による前記編集用空間の重複した編集を制限し、
前記第1端末装置は、前記編集用空間情報に基づき、他の前記第1端末装置の前記表示対象領域を、当該表示対象領域以外の領域とは区別して表示する
ことを特徴とする請求項20または請求項21に記載の仮想現実空間編集システム。
【請求項23】
前記編集サーバは、前記編集用空間のうち、それぞれの前記第1端末装置が前記編集用画面に表示する空間領域を表示対象領域として特定し、前記編集用空間情報のうち、前記表示対象領域の3次元データをそれぞれの前記第1端末装置に送信する
ことを特徴とする請求項20から請求項22のいずれか1項に記載の仮想現実空間編集システム。
【請求項24】
前記編集サーバは、前記第1端末装置を使用して前記編集用空間の編集を行う編集者ごとに、編集履歴を残す
ことを特徴とする請求項20から請求項23のいずれか1項に記載の仮想現実空間編集システム。
【請求項25】
コンピュータを、請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の端末装置として機能させるためのプログラム。
【請求項26】
簡易表示データ取得部が、編集用の仮想現実空間である編集用空間の編集に使用可能な複数のアイテムそれぞれの3次元データおよび簡易表示データを有して複数の前記アイテムを管理するアイテム管理サーバから、前記簡易表示データを取得するステップと、
アイテム選択処理部が、
前記編集用空間の編集のために表示される編集用画面に前記簡易表示データを使用し
て表示された複数の前記アイテムからの前記アイテムの選択を受け付けるステップと、
3次元データ取得部が、前記アイテム管理サーバから、選択された前記アイテムの3次元データを取得するステップと、
編集処理部が、前記編集用空間の3次元データである編集用空間情報に基づき前記編集用画面に前記編集用空間を表示し、選択された前記アイテムの3次元データを使用した前記編集用空間の編集操作に関する操作情報の入力を受け付け、前記操作情報を、前記編集用空間を管理する編集サーバに送信するとともに、編集後の前記編集用空間を前記編集用画面に表示するステップと、を備えた
ことを特徴とする仮想現実空間編集方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置、仮想現実空間編集システム、プログラムおよび仮想現実空間編集方法に関する。
【背景技術】
【0002】
仮想現実技術は、コンピュータ上に構築された仮想的な世界を現実のように体験させる技術である。例えば、特許文献1には、配信者の動きを仮想キャラクタの動きとして合成した映像に応じたライブコンテンツを視聴可能な仮想現実空間が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の仮想現実空間の編集用アプリケーションは、編集者による自由度の高い編集を可能としている。しかし、その反面、編集者または編集用端末にとっては、仮想現実空間の編集に要する負荷が高いという課題があった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するものであり、仮想現実空間の編集に要する負荷を低減することができる端末装置、仮想現実空間編集システム、プログラムおよび仮想現実空間編集方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る端末装置は、編集用の仮想現実空間である編集用空間の編集に使用可能な複数のアイテムそれぞれの3次元データおよび簡易表示データを有して複数のアイテムを管理するアイテム管理サーバから、簡易表示データを取得する簡易表示データ取得部と、編集用空間の編集のために表示される編集用画面に簡易表示データを使用して表示された複数のアイテムからのアイテムの選択を受け付けるアイテム選択処理部と、アイテム管理サーバから、選択されたアイテムの3次元データを取得する3次元データ取得部と、編集用空間の3次元データである編集用空間情報に基づき編集用画面に編集用空間を表示し、選択されたアイテムの3次元データを使用した編集用空間の編集操作に関する操作情報の入力を受け付け、操作情報を、編集用空間を管理する編集サーバに送信するとともに、編集後の編集用空間を編集用画面に表示する編集処理部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る端末装置は、アイテム管理サーバから、簡易表示データを取得し、編集用空間の編集のために表示される編集用画面に簡易表示データを使用して表示された複数のアイテムからのアイテムの選択を受け付け、アイテム管理サーバから、選択されたアイテムの3次元データを取得し、選択されたアイテムの3次元データを使用した編集用空間の編集に関する操作情報の入力を受け付け、操作情報を編集サーバに送信するとともに、編集後の編集用空間を編集用画面に表示する。これにより、選択可能な複数のアイテムを表示可能としつつ、それら複数のアイテム全ての3次元データを予め取得しておく必要がないため、本発明に係る端末装置は、仮想現実空間の編集に要する負荷を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1に係る仮想現実空間編集システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】実施の形態1に係る編集端末の構成を示すブロック図である。
【
図3】アイテムのサムネイルを含む編集用画面を示す画面図である。
【
図4】アイテムが配置された編集用画面を示す画面図である。
【
図5】簡易表示されたアイテムを用いた編集用空間の編集の概要を示す概要図である。
【
図6】実施の形態1に係る編集端末が備える演算部の機能を実現するハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図7】実施の形態1に係る仮想現実空間編集方法を示すフローチャートである。
【
図8】実施の形態1に係る編集端末の変形例の構成を示すブロック図である。
【
図10】実施の形態2に係る仮想現実空間編集システムの構成を示すブロック図である。
【
図11】実施の形態2に係る編集端末の構成を示すブロック図である。
【
図12】実施の形態2に係る仮想現実空間編集方法を示すフローチャートである。
【
図13】共同編集における編集用画面を示す画面図である。
【
図14】実施の形態2に係る編集端末の変形例の構成を示すブロック図である。
【
図15】編集が承認された場合における共同編集処理の概要を示す概要図である。
【
図16】実施の形態2に係る編集端末の他の変形例の構成を示すブロック図である。
【
図17】共同編集におけるアバター視点の編集用画面を示す画面図である。
【
図18】共同編集における編集用視点の編集用画面を示す画面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る仮想現実空間編集システム1の構成を示すブロック図である。
図1において、仮想現実空間編集システム1は、アイテム管理サーバ2、編集サーバ3、サービス提供サーバ4、アイテム提供端末5、編集端末6および参加端末7がネットワーク8を介して接続されたシステムである。ネットワーク8は、既存の電気通信回線を利用でき、例えば、インターネットである。アイテム提供端末5、編集端末6および参加端末7は、ネットワーク8を介して、アイテム管理サーバ2、編集サーバ3またはサービス提供サーバ4と通信可能な端末装置である。なお、実施の形態1では、アイテム管理サーバ2、編集サーバ3またはサービス提供サーバ4を、それぞれ独立したサーバとしているが、これらサーバのうち2つ以上のサーバの機能が1台のサーバによって実現されていてもよいし、また、これらのサーバのうちの1つのサーバの機能が、複数台のサーバによって実現されていてもよい。
【0010】
アイテム提供端末5、編集端末6および参加端末7は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、またはPC(Personal Computer)である。また、編集端末6および参加端末7は、コントローラとともに使用される、通信機能を有したヘッドマウントディスプレイであってもよい。例えば、ヘッドマウントディスプレイを頭部に装着しコントローラを手に持ったユーザは、頭部もしくは手を動かすこと、または、コントローラのボタン等を操作することにより、ヘッドマウントディスプレイに表示された仮想現実空間に対する操作が可能である。すなわち、編集端末6および参加端末7は、仮想現実空間を表示し、仮想現実空間に対する操作が可能なデバイスであればよい。なお、実施の形態1におけるユーザには、後述する編集用空間を編集するために編集端末6を使用するユーザである編集者と、後述する参加用空間に参加するために参加端末7を使用するユーザである参加者とが含まれる。
【0011】
仮想現実空間は、コンピュータ上に構築された仮想的な世界である。実施の形態1における仮想現実空間には、編集者による編集のみが可能な編集用の仮想現実空間と、編集者以外のユーザの参加が可能な参加用の仮想現実空間とがある。以下、編集用の仮想現実空間を「編集用空間」と呼び、参加用の仮想現実空間を「参加用空間」と呼ぶ。
編集サーバ3は、編集用空間を管理する。より具体的には、編集サーバ3は、編集用空間の3次元データである編集用空間情報を管理する。また、サービス提供サーバ4は、参加用空間を管理する。より具体的には、サービス提供サーバ4は、参加用空間の3次元データである参加空間用情報を管理する。
編集端末6は、編集者が編集用空間の編集のために使用する第1端末装置である。参加端末7は、参加者が参加用空間に参加するために使用される端末装置である。
編集者が編集端末6と同じ端末装置を参加端末7として使用して参加者となる場合もあり、編集者以外のユーザが編集端末6としては使用されない参加端末7を使用して参加者となる場合もある。したがって、編集端末6と参加端末7とは、互いに同じ端末装置である場合も異なる端末装置である場合もあり得る。また、参加用空間へは、上述のとおり編集者以外のユーザの参加も可能であるが、編集者も参加者としての参加が可能である。
編集端末6の詳細については後述する。
【0012】
アイテム提供端末5は、アイテム管理サーバ2にアイテムを提供するアイテム提供者が用いる第2端末装置である。アイテム提供者は、アイテム提供端末5から、ネットワーク8を介して、アイテム管理サーバ2にアイテムをアップロードする。アイテム提供者がアイテム管理サーバ2にアップロードするアイテムは、例えば、アイテム提供者自身が3次元モデリングツール等を利用して作成したアイテムである。編集者は、アイテム管理サーバ2から、ネットワーク8を介して、所望のアイテムを編集端末6にダウンロードし、編集用空間にアイテムを配置する等して、編集用空間を編集することができる。
【0013】
アイテム提供者がアイテム提供端末5と同じ端末装置を編集端末6として使用して編集者となる場合も、アイテム提供者以外のユーザがアイテム提供端末5として使用されない端末装置を編集端末6として使用して編集者となる場合もあり得る。また、アイテム提供者がアイテム提供端末5と同じ端末装置を参加端末7として使用して参加者となる場合も、アイテム提供者以外のユーザがアイテム提供端末5として使用されない端末装置を参加端末7として使用して参加者となる場合もあり得る。したがって、アイテム提供端末5(第2端末装置)と編集端末6(第1端末装置)とは、互いに同じ端末装置である場合も異なる端末装置である場合もあり、また、アイテム提供端末5と参加端末7とは、互いに同じ端末装置である場合も異なる端末装置である場合もあり得る。なお、実施の形態1におけるユーザには、アイテム提供者も含まれ得る。
【0014】
アイテム管理サーバ2は、アイテム提供端末5から、ネットワーク8を介してアイテムのアップロードを受け付けて、アップロードされたアイテムを管理する。また、アイテム管理サーバ2は、予め用意されたアイテムだけでなく、様々なアイテム提供者から、アイテム提供端末5を使用してアップロードされたアイテムも追加で管理することができる。これにより、アイテム管理サーバ2は、多種多様なアイテムを管理可能である。編集サーバ3は、アイテム管理サーバ2が管理する、多種多様なアイテムを用いて編集用空間の編集を行うことにより、多様性のある仮想現実空間を作成可能である。
【0015】
アイテム管理サーバ2は、編集用の仮想現実空間である編集用空間の編集に使用可能な複数のアイテムそれぞれの3次元データおよび簡易表示データを有して複数のアイテムを管理する。アイテムは、例えば、仮想現実空間に配置可能な仮想的な3次元の静止物体または移動物体である。
アイテムの3次元データは、仮想現実空間におけるアイテムを表現するデータである。アイテムの3次元データには、例えば、アイテムの3次元形状情報、サイズ情報、彩色情報、および、特性情報が含まれる。特性情報は、アイテムの仮想的な材質を示す特性の情報であり、特性情報には、例えば、アイテムのテクスチャおよび適用されるシェーダを示すパラメータ、アイテムが他の物体と衝突した時の音を示すパラメータ、または、物理的特性を示すパラメータが含まれる。また、アイテムの3次元データには、メタデータとして、例えば、アイテム固有のID等の、アイテムを特定する情報(以下「アイテム特定情報」という。)が含まれてもよい。
アイテムの簡易表示データは、各アイテムを識別可能な程度にアイテムの外観を簡易的に表示するためのデータである。アイテムの簡易表示データは、例えば、アイテムの外観を示す2次元データ、または、アイテムの外観を示す3次元データである。また、アイテムの簡易表示データには、メタデータとしてアイテム特定情報が含まれる。また、アイテムの簡易表示データには、アイテムの外観を示すデータに加えて、メタデータとしてアイテムを示す文字列が含まれてもよい。アイテムの簡易表示データのデータ量は、アイテムの3次元データのデータ量よりも小さい。
【0016】
アイテム管理サーバ2が管理する複数のアイテムには、形状が互いに同一であり、彩色または仮想的な材質を示す特性が互いに異なる複数のアイテムが含まれる。例えば、3次元形状が互いに同一の複数のアイテムの3次元データは、互いに異なる彩色情報、または、互いに異なる特性情報を含んでいる。編集サーバ3は、形状が互いに同一であっても彩色または仮想的な材質を示す特性が互いに異なる複数のアイテムを編集用空間の編集に用いることができるので、多種多様な仮想現実空間の作成が可能である。
【0017】
アイテム管理サーバ2が管理する複数のアイテムには、仮想現実空間の背景の3次元データであるアイテムとして、互いに異なる背景に関する複数の背景アイテムが含まれる。背景アイテムは、仮想現実空間の基本的な背景を編集するためのテンプレートデータである。例えば、背景アイテムには、草木および川等が含まれる自然の背景を表すアイテム、壁および床等が含まれる屋内の背景を表すアイテム、または、建物および道路等が含まれる都会の背景を表すアイテムがある。編集用空間の編集において背景アイテムを用いることにより、編集用空間の基本的な背景の編集を簡易に行うことが可能である。
【0018】
背景アイテムには、仮想現実空間の背景を一から作成するための初期背景テンプレートデータが含まれていてもよい。初期背景テンプレートデータは、例えば、床などの地面と地面を境とした虚無の空間とを表す3次元データである。編集用空間の編集に初期背景テンプレートデータを用いることにより、編集者の感性に応じた多種多様な背景の仮想現実空間の作成が可能である。
【0019】
アイテム管理サーバ2が管理するアイテムには、空間編集用のツールであるツールアイテムも含まれる。ツールアイテムは、編集端末6を用いた簡易な操作によりアイテムの作成等を行って空間を編集することが可能なアイテムであり、例えば、スクリプト言語で記述されたプログラムモジュールである。ツールアイテムを使用した空間編集操作は、例えば、編集端末6の画面上に搭載したタッチパネルを用いた操作である。ツールアイテムを使用したアイテムの作成操作によって、例えば、編集用空間で指定した任意の曲線に沿って川のアイテムを作成したり、編集用空間で指定した任意の領域においてランダムな形状の建物のアイテムを作成したり、または、編集用空間で指定した任意の領域において指定アイテムをコピーして複数のアイテムを作成して配置したりすることができる。また、ツールアイテムを使用した他の空間編集操作によって、例えば、編集用空間で指定した任意の領域を、指定した色で塗りつぶすことができる。ツールアイテムは、仮想的な物体のアイテムと同様に、固有の3次元形状を有することができ、この場合、アイテム管理サーバ2は、ツールアイテムについても3次元データおよび簡易表示データを有する。編集用空間の編集において、空間編集用のツールアイテムを用いることにより、アイテム管理サーバ2が管理するアイテム以外のアイテムによる編集、または、ツールの機能に応じた種々の編集ができるので、多種多様な仮想現実空間を作成することが可能である。
【0020】
編集用空間の編集は、編集端末6における編集操作により、編集サーバ3が管理する編集用空間の3次元データである編集用空間情報を変更する処理である。編集操作には、少なくとも、簡易表示データを使用して表示された複数のアイテムから1つのアイテムを選択して、その選択したアイテムを編集用空間に配置する操作(以下「新規配置操作」という。)が含まれる。また、編集操作には、編集用空間内に既に配置されているアイテムを選択して編集用空間内の別の位置に移動して配置し直す操作(以下「配置変更操作」という。)、編集用空間内に既に配置されているアイテムを選択して編集用空間内の別の向きにして配置し直す操作(以下「向き変更操作」という。)、または、編集用空間に既に配置されているアイテムを選択して編集用空間から削除する操作(以下「削除操作」という。)等が含まれてもよい。また、編集操作には、編集用空間に既に配置されているアイテムのサイズを変更する操作、彩色を変更する操作、または材質を変更する操作(以下、これらを合わせて「サイズ等変更操作」という。)等が含まれてもよい。編集用空間の編集において、編集端末6は、アイテムを用いた編集に関する操作情報の入力を受け付けると、ネットワーク8を介して、操作情報を編集サーバ3に送信する。
操作情報は、選択されたアイテムの3次元データを使用した編集用空間の編集操作に関する情報である。編集操作が新規配置操作の場合、選択されたアイテムとは、簡易表示データを使用して表示された複数のアイテムから選択されたアイテムである。編集操作が、配置変更操作、向き変更操作、削除操作、または、サイズ等変更操作等の、編集用空間内に既に配置されているアイテムを対象に行われる操作の場合、選択されたアイテムとは、編集用空間内に既に配置されている1または複数のアイテムのうちから選択されたアイテムである。
操作情報には、少なくとも、編集操作のために選択されたアイテムを特定するアイテム特定情報が含まれる。編集操作が、新規配置操作、配置変更操作、または、向き変更操作である場合、操作情報には、アイテム特定情報に加えて、各操作後に編集用空間内に配置されるアイテムの位置を示す情報および編集用空間におけるアイテムの向きを示す情報が含まれる。編集操作が、サイズ等変更操作のいずれかである場合、操作情報には、アイテム特定情報に加えて、変更操作後にアイテムに適用されるサイズを示すサイズ情報、変更操作後にアイテムに適用される色彩を示す色彩情報、または、変更操作後にアイテムに適用される材質を示す特性情報が含まれる。
操作情報の編集サーバへの送信は、例えば、各操作が一旦終了したと判断されるタイミングで行われる。例えば、配置変更操作の場合、ドラッグ操作によって、編集用空間に既に配置されているアイテムを選択し、移動し、別の位置に配置し直すことができる。この場合、一回のドラッグ操作が開始してから終了したタイミングで、編集操作が一旦終了したと判断され、操作情報が編集サーバ3に送信される。また、例えば、同じく配置変更操作の場合、編集用空間に既に配置されているアイテムの位置を示す3次元直交座標系の各座標の数値を入力することで、そのアイテムを別の位置に配置し直すことができる。この場合、各座標の数値が入力されたタイミングで、編集操作が一旦終了したと判断され、操作情報が編集サーバ3に送信される。
なお、ツールアイテムを使用してアイテムが生成されて配置された場合、編集操作とは、ツールアイテムを使用してアイテムを生成して配置するための操作(以下「生成配置操作」という。)である。この場合の操作情報には、生成されたアイテムの3次元データ、そのアイテムの編集用空間内における位置と向きの情報が含まれる。
【0021】
編集サーバ3は、編集操作として新規配置操作が行われた場合、編集端末6から操作情報を取得すると、ネットワーク8を介して、操作情報が示すアイテムの3次元データを、アイテム管理サーバ2から取得する。編集サーバ3は、取得したアイテムの3次元データを使用して、操作情報が示す位置と向きで編集用空間内にアイテムが配置されるように、編集用空間情報を編集する。このように、編集サーバ3は、編集端末6において選択されたアイテムの3次元データをアイテム管理サーバ2から直接取得して編集用空間の編集を行う。このため、編集端末6は、後述のように、選択されたアイテムの3次元データをアイテム管理サーバ2から取得するが、その選択されたアイテムの3次元データを編集サーバ3に送信する必要はなく、編集端末6における編集用空間の編集に要する負荷を低減することができる。
また、編集サーバ3は、編集操作として、配置変更操作、向き変更操作、または削除操作等の操作が行われた場合、既に編集操作の対象となるアイテムの3次元データを有しており、編集端末6から操作情報を取得すると、その3次元データと操作情報に基づいて、編集用空間情報を編集できる。したがって、この場合も、編集端末6は、アイテムの3次元データを編集サーバ3に送信する必要がなく、編集端末6における編集用空間の編集に要する負荷を低減することができる。
【0022】
また、編集サーバ3は、編集用空間のうち、編集端末6の編集用画面に表示される空間領域を表示対象領域として特定し、編集用空間情報のうち、表示対象領域の3次元データを編集端末6に送信することもできる。表示対象領域は、編集用空間のうち、編集用画面に表示される空間領域である。編集者は、編集用空間の任意の領域を編集することができる。編集用画面の大きさには限りがあるため、通常、編集者は、編集用画面に編集用空間の一部の空間領域、つまり、表示対象領域のみを表示させ、表示された表示対象領域に対して編集操作を行う。編集者は、例えば後述する操作部64を操作して、表示対象領域を次々に変えながら、編集用空間全体の編集を行っていく。編集者が表示対象領域を変える操作を行った場合、編集端末6は、次に表示される表示対象領域の座標情報を編集サーバ3に送信し、編集サーバ3は、編集端末6から取得した座標情報に基づき表示対象領域を特定して、表示対象領域の3次元データを編集端末6に送信する。また、編集者が表示対象領域に対する編集操作を行った場合、編集端末6は操作情報を編集サーバ3に送信し、編集サーバ3は、表示対象領域を編集し、編集後の表示対象領域の3次元データを、編集端末6に送信する。このように、編集サーバ3は、編集用空間情報のうち、少なくとも表示対象領域の3次元データを含む情報を、編集端末6に送信すればよく、編集用空間情報の全部を送信する必要はない。このため、編集端末6は、編集用空間情報の全部を記憶装置(例えば、後述する記憶部65)に記憶させる必要も編集用空間情報全体を処理対象とする必要もなく、編集用空間の編集に要する負荷および記憶装置の負荷を低減することができる。
【0023】
サービス提供サーバ4は、参加用空間を管理し、ネットワーク8を介して、参加用空間を用いたサービスを提供する。参加用空間のサービスを利用するユーザは、参加端末7を使用して、ネットワーク8を介して参加用空間に参加することができる。ここで、参加用空間への参加には、参加者が参加用空間を閲覧することに加え、参加者に対応するアバターが参加用空間に入ることも含まれる。
【0024】
仮想現実空間編集システム1は、編集用空間の編集に利用されるシステムであるため、
図1に示したサービス提供サーバ4、アイテム提供端末5および参加端末7を備えていなくてもよい。すなわち、編集端末6とアイテム管理サーバ2と編集サーバ3を備える仮想現実空間編集システム1において、編集サーバ3が編集用空間およびアイテムのそれぞれの3次元データを用いた編集用空間の編集を行うことにより、編集端末6は、編集用空間の編集に要する負荷を低減することができる。
【0025】
図2は、編集端末6の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、編集端末6は、通信部61、演算部62、表示部63、操作部64および記憶部65を備える。通信部61は、他の機器と通信を行うための通信インタフェースである。通信部61は、例えば、LTE、3G、4Gまたは5Gなどの通信方式によるモバイル通信が可能な通信装置であり、ネットワーク8に接続されたアイテム管理サーバ2または編集サーバ3といった他の機器(
図2においては、アイテム管理サーバ2または編集サーバ3のみを示す)との通信を行う。また、通信部61は、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信手段を備えていてもよい。
【0026】
演算部62は、編集端末6の全体動作を制御する。例えば、編集用アプリケーションが編集端末6にインストールされている場合、演算部62は、当該編集用アプリケーションを実行することにより、編集用空間を編集するための各種機能を実現する。また、演算部62は、例えば、編集用アプリケーションが編集サーバ3において実行されるものであれば、編集サーバ3からの指示を受けることにより、編集用空間を編集するための各種機能を実現する。
【0027】
表示部63は、編集端末6が備える表示装置である。表示部63は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)または有機EL(Electroluminescence)表示装置である。編集端末6がヘッドマウントディスプレイである場合、表示部63のディスプレイ方式は、非透過型である。
【0028】
操作部64は、表示部63に表示された編集用画面に対する操作を受け付ける入力装置である。編集端末6がスマートフォンまたはタブレット端末である場合、操作部64は、例えば、表示部63の画面と一体に設けられたタッチパネルである。編集端末6がPCである場合、操作部64は、例えば、マウスまたはキーボードである。編集端末6がヘッドマウントディスプレイである場合、操作部64は、ヘッドマウントディスプレイ、および、ヘッドマウントディスプレイとともに使用されるコントローラである。
【0029】
記憶部65は、編集用アプリケーション等のアプリケーションプログラムを記憶して、演算部62の演算処理に利用されるデータを記憶する記憶装置である。記憶部65には、例えば、通信部61により、ネットワーク8を介して、編集サーバ3から受信された編集用空間情報が記憶される。
【0030】
演算部62は、簡易表示データ取得部621、アイテム選択処理部622、3次元データ取得部623および編集処理部624を備える。演算部62が、例えば、記憶部65に記憶された編集用アプリケーションを実行することで、簡易表示データ取得部621、アイテム選択処理部622、3次元データ取得部623および編集処理部624の各機能が実現される。
【0031】
簡易表示データ取得部621は、アイテムの簡易表示データを、アイテム管理サーバ2から取得する。アイテムの簡易表示データは、各アイテムを識別可能な程度にアイテムの外観を簡易的に表示するためのデータであり、アイテム管理サーバ2が管理する複数のアイテムそれぞれに対応して生成されている。アイテムの簡易表示データは、例えば、アイテムの外観を示す2次元データ、または、アイテムの外観を示す3次元データであり、アイテムの簡易表示データのデータ量は、アイテムの3次元データのデータ量よりも小さい。また、アイテムの簡易表示データには、メタデータとしてアイテム特定情報が含まれる。また、アイテムの簡易表示データには、アイテムの外観を示すデータに加えて、メタデータとしてアイテムを示す文字列が含まれてもよい。簡易表示データ取得部621は、簡易表示データを使用して表示部63にアイテムを簡易表示する。アイテムの簡易表示データを使用した簡易表示は、ユーザに各アイテムを識別可能に示すサムネイルとして機能する。アイテムの簡易表示データに文字列が含まれる場合は、簡易表示は、その文字列も含めた表示としてもよい。また、簡易表示データ取得部621は、簡易表示データを、アイテム選択処理部622に出力する。
【0032】
簡易表示データ取得部621は、アイテム管理サーバ2から、アイテム管理サーバ2が管理する複数のアイテムのうち、少なくとも一部のアイテムを示す簡易表示データを取得することができる。言い換えれば、簡易表示データ取得部621は、アイテム管理サーバ2から、アイテム管理サーバ2が管理する複数のアイテムの全てについて、それらのアイテムを示す簡易表示データを取得するものでもよいし、アイテム管理サーバ2が管理する複数のアイテムのうち、一部のみのアイテムを示す簡易表示データを取得するものでもよい。
【0033】
例えば、アイテム管理サーバ2は、複数のアイテムそれぞれのカテゴリを表示するためのカテゴリデータを管理しており、アイテムのカテゴリごとに簡易表示データを管理している。簡易表示データ取得部621は、通信部61により、ネットワーク8を介して、アイテム管理サーバ2からカテゴリデータを取得し、カテゴリデータを使用して、複数のカテゴリを表示部63に表示する。
図3は、アイテム633(
図4参照)のサムネイル632Aを含む編集用画面63Aを示す画面図である。
図3のサムネイル一覧表632に示されたサムネイル632A等のサムネイルは、アイテムの簡易表示データが2次元データである場合の例である。
図3において、編集用画面63Aには、カテゴリ一覧表631が表示されている。例えば、編集者は、タッチパネル等の操作部64を使用して、
図3に示すように、カテゴリ一覧表631からカテゴリ631Aを選択する。簡易表示データ取得部621は、通信部61により、ネットワーク8を介して、選択されたカテゴリ631Aに対応する簡易表示データをアイテム管理サーバ2から取得する。簡易表示データ取得部621は、カテゴリ631Aに対応する簡易表示データを使用して、カテゴリ631Aに属する複数のアイテムのサムネイル一覧表632を編集用画面63Aに表示する。
このように、簡易表示データ取得部621が、アイテム管理サーバ2が管理する複数のアイテムのうち一部のみのアイテムを示す簡易表示データを取得する場合、アイテム管理サーバ2が管理する複数のアイテムの全てについて簡易表示データを取得する場合に比べて、編集用空間の編集に要する処理負荷を低減することができる。
【0034】
アイテム選択処理部622は、簡易表示データを使用して表示部63に表示された複数のアイテムからのアイテムの選択を受け付ける。例えば、アイテム選択処理部622は、簡易表示データが示す表示部63における複数のアイテムのそれぞれの簡易表示位置から、操作部64を使用して選択されたアイテムの簡易表示位置を特定することにより、アイテムの選択を受け付ける。
図3において、編集者は、操作部64を使用して、編集用画面63Aに表示されたサムネイル一覧表632から、サムネイル632Aを選択する。アイテム選択処理部622は、操作部64を使用して選択されたアイテムを特定するアイテム特定情報を、3次元データ取得部623に出力する。
【0035】
3次元データ取得部623は、アイテム管理サーバ2から、選択されたアイテムの3次元データを取得する。アイテムの3次元データは、仮想現実空間におけるアイテムを表現するデータである。アイテムの3次元データには、例えば、アイテムの3次元形状情報、サイズ情報、彩色情報、および、特性情報が含まれる。アイテムの3次元データを使用することで、仮想現実空間内でアイテムを3次元表示し、かつ仮想現実空間内でアイテムの特性を発現させることができる。3次元データ取得部623は、通信部61により、ネットワーク8を介して、アイテム管理サーバ2にアクセスし、選択されたアイテムを特定するアイテム特定情報を送信し、アイテム管理サーバ2が管理する複数のアイテムのうち、アイテム特定情報により特定されるアイテムの3次元データを取得する。3次元データ取得部623は、取得したアイテムの3次元データを編集処理部624に出力する。
なお、アイテム管理サーバ2が管理する複数のアイテムは、それぞれ無料のアイテムであっても、有料のアイテム(以下「有料アイテム」という。)であってもよい。アイテムが有料アイテムである場合、例えば、アイテム管理サーバ2が有する簡易表示データには、メタデータとしてアイテムの価格情報が含まれる。そして、有料アイテムの簡易表示データを取得した編集端末6がその有料アイテムの価格も含めた簡易表示を行うことにより、編集者は、各有料アイテムの価格を確認した上で、その有料アイテムを購入して使用するか否かの意思決定を行うことができる。
【0036】
編集処理部624は、編集用空間情報に基づき編集用空間を表示部63の編集用画面に表示し、選択されたアイテムについての操作情報の入力を操作部64から受け付け、受け付けた操作情報を編集サーバ3に送信するとともに、編集後の編集用空間を編集用画面に表示する。操作情報は、選択されたアイテムの3次元データを使用した編集用空間の編集操作に関する情報である。例えば、操作情報には、編集操作のために選択されたアイテムを特定するアイテム特定情報、編集用空間内に配置されるアイテムの位置および編集用空間におけるアイテムの向きが含まれる。
【0037】
編集処理部624は、編集サーバ3が操作情報に基づき編集した編集用空間情報を取得して、取得した編集用空間情報に基づき、編集後の編集用空間を編集用画面に表示する。例えば、編集処理部624は、操作情報の入力を操作部64から受け付けると、操作情報を編集サーバ3に送信する。編集サーバ3は、編集端末6から受信した操作情報に基づき、編集用空間を編集する。そして、編集処理部624は、編集サーバ3から受信した編集後の編集用空間情報に基づき、編集後の編集用空間を編集用画面に表示する。なお、編集処理部624は、操作情報の入力を受け付けた場合、操作情報に基づき、編集端末6の記憶部65に記憶された編集用空間情報を編集し、一旦、その編集後の編集用空間を編集用画面に表示し、その後、編集サーバ3から受信した編集サーバ3による編集後の編集用空間情報に基づき、編集後の編集用空間を編集用画面に表示するようにしてもよい。
【0038】
図4は、アイテム633が配置された編集用画面63Aを示す画面図であって、
図3のサムネイル一覧表632から選択されたサムネイル632Aに対応するアイテム633を示している。編集処理部624は、例えば、編集用空間にアイテム633を配置する操作情報の入力を受け付けると、操作情報を編集サーバ3に送信する。編集サーバ3は、編集端末6から受信した操作情報に基づき編集用空間を編集する。編集処理部624は、編集サーバ3から操作情報に基づき編集された編集用空間情報を取得し、取得した編集用空間情報に基づき、アイテム633が配置された編集用空間を編集用画面63Aに表示する。このように、編集処理部624は、編集後の編集用空間情報を編集サーバ3から取得するので、編集端末6を使用する編集者は、編集サーバ3が管理する編集用空間の状態を確認することができる。
【0039】
編集処理部624は、編集サーバ3から、前記編集用空間情報として、編集サーバ3が管理する編集用空間の編集用空間情報のうち編集用画面に表示する表示対象領域の3次元データを取得する。例えば、編集処理部624は、編集用画面に表示する表示対象領域の座標情報を、通信部61により、ネットワーク8を介して編集サーバ3に送信する。編集サーバ3は、編集端末6から取得した座標情報に基づき表示対象領域を特定し、特定した表示対象領域の3次元データを編集端末6に送信する。編集処理部624は、編集サーバ3から取得した表示対象領域の3次元データに基づき、表示対象領域を編集用画面に表示する。編集サーバ3は、編集用空間情報のうち、少なくとも表示対象領域の3次元データを含む情報を、編集端末6に送信すればよく、編集用空間情報の全部を送信する必要はない。編集処理部624は、編集用空間の全部ではなく、表示対象領域を示す編集用空間情報を編集サーバ3から取得すればよいので、編集端末6は、編集用空間情報の全部を記憶部65に記憶させる必要も編集用空間情報全体を処理対象とする必要もなく、編集端末6における編集用空間の編集に要する負荷および記憶部65の負荷を低減することができる。
【0040】
また、編集処理部624は、編集用画面に現在表示中の表示対象領域以外の3次元データを記憶部65から削除してもよい。例えば、編集処理部624は、編集者が操作部64を使用して編集用空間のうちの編集対象となる空間領域を変える操作を行うこと等によって、表示対象領域が変化した場合に、記憶部65に記憶された編集用空間情報のうち、編集用画面に現在表示中の表示対象領域の3次元データを使用して、現在表示中の表示対象領域以外の3次元データを特定し、特定した3次元データを削除する。これにより、編集用空間の編集で必要な記憶部65の負荷を低減することができる。
【0041】
図3では、アイテムの簡易表示データが2次元データである場合のサムネイルの例を示したが、上述のように、サムネイルの表示に使用されるアイテムの簡易表示データは3次元データでもよい。この場合のサムネイル(以下「3次元サムネイル」という。)は、物体のアイテムと同様に、編集用空間において、仮想的な物体として扱うことができる。例えば、
図5は、簡易表示されたアイテム636を用いた編集用空間の編集の概要を示す概要図であり、3次元サムネイルで示されたアイテムおよびこれを用いた編集処理の概要を示している。
図5における白抜き矢印を境とした上段の図は、3次元サムネイルで示されたアイテムおよびその選択処理の概要を示す図であり、矢印を境とした下段の図は、選択されたアイテム636を配置した編集用空間を示す図である。
【0042】
図5の上段に示すように、簡易表示データ取得部621は、3次元サムネイル一覧634を、表示部63の編集用画面に表示する。3次元サムネイルは、2次元データを使用して表示したサムネイルのようにクリック操作で選択すされるものとは異なり、3次元サムネイル一覧634から、編集者が使用を意図するアイテムを示す3次元サムネイルを移動させることにより選択される。
図5に示されたアバター635は、編集用空間に配置された、編集者に対応するアバターであり、操作部64を用いた操作により動作させることができる。アバター635は、操作部64を用いた操作に応じて、3次元サムネイル一覧634から、3次元サムネイル632Bを移動させる。アイテム選択処理部622は、3次元サムネイル632Bが移動されると、3次元サムネイル632Bに対応するアイテムの選択を受け付ける。
【0043】
3次元データ取得部623は、アイテム管理サーバ2から、3次元サムネイル632Bに対応するアイテムの3次元データを取得して編集処理部624に出力する。編集処理部624は、3次元データ取得部623から取得した3次元データを使用して、
図5の下段に示すように、3次元サムネイル632Bに対応するアイテム636を、編集用画面に表示する。アイテム選択に3次元サムネイル632Bを用いることで、編集者に対し、編集用空間で実際にアイテムを手に持って扱っているような感覚を持たせることができる。
【0044】
図6は、編集端末6が備える演算部62の機能を実現するハードウェア構成を示すブロック図である。編集端末6の機能は、演算部62により実現される。演算部62は、通信インタフェース100、入出力インタフェース101、プロセッサ102およびメモリ103を有する。演算部62が備える、簡易表示データ取得部621、アイテム選択処理部622、3次元データ取得部623および編集処理部624の各機能は、これらのハードウェア構成により実現される。
【0045】
通信インタフェース100は、通信部61によりネットワーク8を介して編集サーバ3から受信された編集用空間情報を、プロセッサ102へ送り、操作部64により受け付けられた操作情報を、ネットワーク8介して編集サーバ3へ送信する。また、プロセッサ102は、入出力インタフェース101を介して、表示部63の表示を制御し、操作部64からの操作情報を取得し、記憶部65に対するデータの読み書きを制御する。
【0046】
簡易表示データ取得部621、アイテム選択処理部622、3次元データ取得部623および編集処理部624の各機能を実現するためのアプリケーションプログラムは、記憶部65に記憶されている。記憶部65は、例えば、スマートフォンに搭載された半導体メモリである。プロセッサ102は、入出力インタフェース101を介して、記憶部65に記憶されたアプリケーションプログラムを読み出してメモリ103にロードし、ロードしたプログラムを実行する。これにより、プロセッサ102は、簡易表示データ取得部621、アイテム選択処理部622、3次元データ取得部623および編集処理部624の各機能を実現する。メモリ103は、例えば、RAM(Random Access Memory)である。
【0047】
図7は、実施の形態1に係る仮想現実空間編集方法を示すフローチャートであり、編集端末6による編集用空間の編集処理について示している。
まず、簡易表示データ取得部621は、通信部61により、ネットワーク8を介して、アイテム管理サーバ2から、簡易表示データを取得する(ステップST1)。
アイテム選択処理部622は、簡易表示データを使用して表示した複数のアイテムからのアイテムの選択を受け付ける(ステップST2)。
3次元データ取得部623は、通信部61により、ネットワーク8を介して、アイテム管理サーバ2から、アイテム選択処理部622により選択されたアイテムの3次元データを取得する(ステップST3)。
編集処理部624は、編集用空間情報に基づき編集用画面を表示し、アイテム選択処理部622により選択されたアイテムの操作情報の入力を操作部64から受け付ける。操作情報を受け付けると、編集処理部624は、通信部61により、ネットワーク8を介して、受け付けた操作情報を編集サーバ3に送信し、編集後の編集用空間を編集用画面に表示する(ステップST4)。
このように、実施の形態1の編集端末6は、アイテム管理サーバ2から、簡易表示データを取得し、簡易表示データを使用して編集用画面に表示した複数のアイテムからのアイテムの選択を受け付け、アイテム管理サーバ2から、選択されたアイテムの3次元データを取得し、選択されたアイテムの3次元データを使用した編集用空間の編集に関する操作情報の入力を受け付け、操作情報を編集サーバ3に送信するとともに、編集後の編集用空間を編集用画面に表示する。これにより、選択可能な複数のアイテムを表示可能としつつ、それら複数のアイテム全ての3次元データを予め取得しておく必要がないため、編集端末6は、仮想現実空間の編集に要する負荷を低減することができる。
なお、ここまでの実施の形態の例では、編集端末6は、編集用画面に表示した複数のアイテムからのアイテムの選択を受け付けた場合に、初めてアイテム管理サーバ2から選択されたアイテムの3次元データを取得していたが、例えば、アイテム管理サーバ2が管理する複数のアイテムのうち、一般的に使用頻度の高い一部のアイテムについては、簡易表示データの取得と同様なタイミングで、3次元データを取得しておいてもよい。この場合も、選択可能な複数のアイテムを表示可能としつつ、それら複数のアイテム全ての3次元データを予め取得しておく必要がないため、編集端末6は、仮想現実空間の編集に要する負荷を低減することができる。
【0048】
以下、実施の形態1の変形例について説明する。
図8は、編集端末6の変形例である編集端末6Aの構成を示すブロック図である。
図8において、編集端末6Aは、通信部61、演算部62A、表示部63、操作部64および記憶部65を備える。演算部62Aは、編集端末6Aの全体動作を制御する。また、演算部62Aは、編集端末6Aにインストールされている編集用アプリケーションを実行することで、簡易表示データ取得部621、アイテム選択処理部622、3次元データ取得部623、編集処理部624A、修正指示送信部625および送信指示部626の各機能を実現する。
【0049】
修正指示送信部625は、通信部61により、ネットワーク8を介して、編集用空間情報に基づき参加用空間情報を修正する修正指示を、編集サーバ3に送信する。参加用空間は、編集者以外のユーザの参加が可能な仮想現実空間である。参加用空間へは、編集者も参加者としての参加が可能である。参加用空間情報は、参加用空間の3次元データと、参加用空間に配置されたアイテムの3次元データとを含む情報である。参加用空間に配置されたアイテムの3次元データには、アイテムの3次元形状情報、サイズ情報、彩色情報、および特性情報が含まれる。実施の形態1の変形例においても、参加用空間は、サービス提供サーバ4によって管理されている。より具体的には、サービス提供サーバ4は、参加用空間の3次元データである参加空間用情報を管理する。
【0050】
参加用空間情報の修正とは、一つまたは複数の編集情報に基づき編集用空間情報の編集がなされた後、その編集内容を含む編集用空間情報に基づき、参加用空間に対する変更を行うことを意味する。編集内容とは、個々の操作情報が示す編集の内容、または、複数の操作情報それぞれが示す編集の内容を統合した内容である。修正指示送信部625を備えることにより、編集端末6Aは、修正指示を送信したタイミングで、編集用空間情報の編集内容に応じて参加用空間の修正を行うことが可能である。実施の形態1の変形例において、編集サーバ3は、編集端末6Aから修正指示を受信すると、編集サーバ3が管理する編集用空間情報をサービス提供サーバ4に送信する。サービス提供サーバ4は、編集サーバ3から編集用空間情報を受信すると、受信した編集用空間情報を新たな参加用空間情報として、サービス提供サーバ4がそれまでに管理していた参加用空間情報と置き換える。このようにして、参加用空間情報が修正される。
編集サーバ3は、修正前にサービス提供サーバ4が管理している参加用空間情報と、編集サーバ3が管理する編集用空間情報との差分である編集内容の履歴を記憶しておくものであってもよい。この編集内容の履歴は、参加用空間情報の修正に用いられていない編集内容を示すものである。この場合は、修正指示を受信後に、記憶しておいた編集内容の履歴をサービス提供サーバ4に送信することで、サービス提供サーバ4が、受信した編集内容の履歴に基づいて、参加用空間情報を修正することができる。
【0051】
編集サーバ3は、例えば、アイテムが全く配置されていない初期状態の編集用空間の3次元データである初期状態の編集用空間情報を有しており、編集端末6Aからの要求に基づき、初期状態の編集用空間情報を編集端末6Aへ送信し、編集端末6Aは、受信した初期状態の編集用空間情報に基づき、編集用空間を示す編集用画面を、表示部63に表示する。その後、編集者は、編集端末6Aを使用して、初期状態の編集用空間情報を編集する。所望の編集が完了した場合、編集者は、編集用空間を編集者以外のユーザの参加が可能に設定(リリース)するための操作を行うことにより、編集サーバ3が管理する編集用空間情報をコピーした情報が、参加用空間情報としてサービス提供サーバ4に送信される。参加用空間情報がサービス提供サーバ4に送信されると、参加用空間情報が示す参加用空間が、初めてサービス提供サーバ4によって管理される状態となる。このように、編集サーバ3は、編集用空間が参加用空間としてリリースされた時点では、サービス提供サーバ4が管理する参加用空間の参加用空間情報と同一内容の編集用空間情報を有している。しかし、リリース後に、編集者は、編集端末6Aを使用して、編集用空間をさらに編集する場合があり、その場合、サービス提供サーバ4が管理する参加用空間情報と、編集サーバ3が管理する編集用空間情報とは、異なる内容となる。
このような場合でも、編集端末6Aは、修正指示送信部625を備えることにより、修正指示を送信したタイミングで、編集用空間情報の編集内容に応じて参加用空間の修正を行うことが可能である。
【0052】
例えば、修正指示送信部625は、編集端末6Aから操作情報を編集サーバ3に送信すると、操作情報に応じた修正を指示する修正指示を編集サーバ3に送信する。編集サーバ3は、編集用空間情報を、操作情報に応じて編集し、この編集内容を含む編集用空間情報をサービス提供サーバ4に送信することで、参加用空間情報の修正を行う。これにより、編集端末6Aは、編集用空間の編集内容に基づく参加用空間の修正を、編集操作を行う度に行うことが可能である。なお、この場合、送信指示部626は不要である。
【0053】
演算部62Aが送信指示部626を有する場合、送信指示部626は、修正指示を編集サーバ3に送信する送信指示を受け付ける。例えば、編集処理部624Aは、編集者の操作により修正指示を編集サーバ3に送信するための送信指示ボタンを編集用画面に表示し、送信指示部626は、操作部64を用いた送信指示ボタンの操作を受け付ける。修正指示送信部625は、送信指示部626が送信指示ボタンの操作を受け付けると、修正指示を編集サーバ3に送信する。これにより、編集端末6Aは、編集用空間情報の編集内容に基づく参加用空間の修正を、編集者が意図したタイミングで行うことができる。
【0054】
編集処理部624Aは、編集用空間情報に基づき編集用空間を表示可能であるとともに、参加用空間情報に基づき参加用空間を表示可能である。例えば、編集処理部624Aは、編集用空間情報を使用して表示部63に編集用画面を表示し、参加用空間情報を使用して表示部63に参加用空間の画面を表示する。編集端末6Aは、参加用空間情報をサービス提供サーバ4から取得することができる。また、編集処理部624Aは、編集用空間と、参加用空間とを切り替えて表示部63に表示可能である。これにより、編集者は、表示部63において、編集対象の編集用空間と、これに対応する参加用空間とを視認可能である。
【0055】
また、編集処理部624Aは、編集用空間において既に参加用空間の修正に用いられた編集内容と、未だ参加用空間の修正に用いられていない編集内容とを区別して編集用画面に表示できる。
図9は、編集用画面63Aの例を示す画面図である。
図9に示す編集用画面63Aにおいて、編集領域636Aは、未だ参加用空間の修正に用いられていない編集内容に相当し、編集領域636A以外の編集領域636Bは、既に参加用空間の修正に用いられた編集内容に相当する。
【0056】
上述のとおり、編集サーバ3は、修正前にサービス提供サーバ4が管理している参加用空間情報と、編集サーバ3が管理する編集用空間情報との差分である編集内容の履歴を記憶しておくものであってもよい。この編集内容の履歴は、参加用空間情報の修正に用いられていない編集内容を示すものである。例えば、この編集内容の履歴を使用することで、編集処理部624Aは、編集用空間情報の編集内容のうち、参加用空間情報の修正に用いられていない編集内容を判断し、判断した編集内容に対応する編集領域636Aを、既に参加用空間情報の修正に用いられた編集内容に対応する編集領域636Bとは区別して表示する。例えば、区別表示の手法としては、編集領域636Aを編集領域636Bとは異なる色で表示する、編集領域636Aが点滅するように表示する、または編集領域636Aの外形に沿った枠線を表示する、といったものが挙げられる。編集用画面63Aを視認した編集者は、既に参加用空間の修正に用いられた編集内容と、未だ参加用空間の修正に用いられていない編集内容とを容易に把握することができる。
【0057】
以上のように、実施の形態1に係る編集端末6は、アイテム管理サーバ2から簡易表示データを取得する簡易表示データ取得部621と、簡易表示データを使用して表示した複数のアイテムからのアイテムの選択を受け付けるアイテム選択処理部622と、アイテム管理サーバ2から、選択されたアイテムの3次元データを取得する3次元データ取得部623と、編集用空間情報に基づき編集用画面に編集用空間を表示し、選択されたアイテムの3次元データを利用した編集用空間の編集操作に関する操作情報の入力を受け付け、操作情報を、編集用空間を管理する編集サーバ3に送信するとともに、編集後の編集用空間を編集用画面63Aに表示する編集処理部624を備える。編集サーバ3が、編集端末6において選択されたアイテムを用いた編集用空間の編集を行い、編集端末6は、編集後の編集用空間を編集用画面に表示する。選択可能な複数のアイテムを表示可能としつつ、それら複数のアイテム全ての3次元データを予め取得しておく必要がないため、編集端末6は、仮想現実空間の編集に要する負荷を低減することができる。
【0058】
実施の形態1に係る編集端末6において、簡易表示データ取得部621は、アイテム管理サーバ2から、複数のアイテムのうち少なくとも一部のアイテムを示す簡易表示データを取得する。これにより、簡易表示データ取得部621は、アイテム管理サーバ2が管理する複数のアイテムのうち少なくとも一部のアイテムを示す簡易表示データを取得すればよいので、編集用空間の編集に要する負荷を低減することができる。
【0059】
実施の形態1に係る編集端末6において、操作情報は、選択されたアイテムを特定するアイテム特定情報、編集用空間に配置されたアイテムの位置および編集用空間におけるアイテムの向きを含む情報である。編集処理部624は、編集サーバ3が操作情報に基づき編集した編集用空間情報を取得し、編集用空間情報に基づき、編集後の編集用空間を編集用画面63Aに表示する。これにより、編集端末6を使用する編集者は、編集サーバ3が管理する編集用空間の状態を確認することができる。
【0060】
実施の形態1に係る編集端末6において、編集処理部624は、編集サーバ3から、編集用空間情報として、編集サーバ3が管理する編集用空間の編集用空間情報のうち編集用画面63Aに表示される表示対象領域の3次元データを取得する。編集処理部624は、編集用空間情報の全部ではなく、表示対象領域を示す編集用空間情報を編集サーバ3から取得すればよいので、編集端末6は、編集用空間情報の全部を記憶装置に記憶させる必要も編集用空間情報全体を処理対象とする必要もなく、編集端末6における編集用空間の編集に要する負荷および記憶部65の負荷を低減することができる。
【0061】
実施の形態1に係る編集端末6は、編集用空間の編集に使用する記憶部65を備える。編集処理部624は、編集用画面65Aに現在表示中の表示対象領域以外の3次元データを記憶部65から削除する。これにより、編集用空間の編集で必要な記憶部65の負荷を低減することができる。
【0062】
実施の形態1に係る編集端末6において、複数のアイテムには、形状が互いに同一で、彩色または仮想的な材質を示す特性が互いに異なる複数のアイテムが含まれる。形状が互いに同一であっても特性が互いに異なる複数のアイテムを編集用空間の編集に用いることができるので、多種多様な仮想現実空間を作成可能である。また、アイテムを多種多様なものとすることで、仮想現実空間の編集用アプリケーションを編集者による自由度の高い編集を可能とするために多機能とする必要性が低減するため、編集端末6の負荷を低減することができる。
【0063】
実施の形態1に係る編集端末6において、複数のアイテムには、仮想現実空間の背景の3次元データであるアイテムとして、互いに異なる背景に関する複数の背景アイテムが含まれる。このような複数の背景アイテムを用いることにより、多種多様な仮想現実空間を作成可能である。また、背景アイテムを用いることにより、編集用空間の編集を簡易に行うことが可能である。また、背景アイテムを利用可能とすることで、仮想現実空間の編集用アプリケーションを編集者による自由度の高い編集を可能とするために多機能とする必要性が低減するため、編集端末6の負荷を低減することができる。
【0064】
実施の形態1に係る編集端末6において、複数のアイテムには、空間編集用のツールであるツールアイテムが含まれる。空間編集用のツールアイテムを使用してアイテム管理サーバ2に既存のアイテム以外のアイテムを作成する等の空間の編集をすることができるので、多種多様な仮想現実空間を作成することが可能である。また、ツールアイテムを利用可能とすることで、仮想現実空間の編集用アプリケーションを編集者による自由度の高い編集を可能とするために多機能とする必要性が低減するので、編集端末6の負荷を低減することができる。
【0065】
実施の形態1に係る編集端末6Aにおいて、編集者以外のユーザが参加可能な仮想現実空間である参加用空間の3次元データである参加用空間情報を編集用空間情報に基づき修正する修正指示を編集サーバ3に送信する修正指示送信部625を備える。これにより、修正指示を送信したタイミングで、編集用空間情報の編集内容に基づき参加用空間の修正を行うことができる。
【0066】
実施の形態1に係る編集端末6Aにおいて、修正指示送信部625は、編集処理部624が操作情報を編集サーバ3に送信すると、修正指示を編集サーバ3に送信する。これにより、編集端末6Aは、編集用空間情報の編集内容に基づく参加用空間の修正を、編集操作を行う度に行うことができる。
【0067】
実施の形態1に係る編集端末6Aにおいて、修正指示を編集サーバ3に送信する送信指示を受け付ける送信指示部626を備え、修正指示送信部625は、送信指示部626が送信指示を受け付けると、修正指示を編集サーバ3に送信する。これにより、編集端末6Aは、編集用空間情報の編集内容に基づく参加用空間の修正を、編集者が意図したタイミングで行うことができる。
【0068】
実施の形態1に係る編集端末6Aにおいて、編集処理部624は、編集用空間情報に基づき編集用空間を表示可能であるとともに、編集者以外のユーザが参加可能な仮想現実空間である参加用空間の3次元データである参加用空間情報に基づき参加用空間を表示可能である。これにより、編集者は、表示部63において、編集対象の編集用空間と、これに対応する参加用空間とを視認することができる。
【0069】
実施の形態1に係る編集端末6Aにおいて、編集処理部624は、編集用空間と、参加用空間とを切り替えて表示可能である。これにより、編集者は、表示部63において、編集対象の編集用空間とこれに対応する参加用空間とを視認することができる。
【0070】
実施の形態1に係る編集端末6Aにおいて、編集処理部624は、編集用空間において、既に参加用空間の修正に用いられた編集内容と、未だ参加用空間の修正に用いられていない編集内容とを区別して表示する。これにより、編集用画面を視認した編集者は、既に参加用空間の修正に用いられた編集内容と、未だ参加用空間の修正に用いられていない編集内容とを、容易に把握することができる。
【0071】
実施の形態1に係る仮想現実空間編集システム1は、編集端末6または6Aと、アイテム管理サーバ2と、編集サーバ3と、を備える。選択可能な複数のアイテムを表示可能としつつ、それら複数のアイテム全ての3次元データを予め取得しておく必要がないため、編集端末6または6Aは、仮想現実空間の編集に要する負荷を低減することができる。
【0072】
実施の形態1に係る仮想現実空間編集システム1において、アイテム管理サーバ2は、編集端末6または6Aと同じまたは異なるアイテム提供端末5から、アイテムのアップロードを受け付け、アップロードを受け付けたアイテムを管理する。これにより、アイテム管理サーバ2には、多種多様なアイテムがアップロードされるので、多種多様なアイテムを用いた編集用空間の編集によって参加用空間に多様性を持たせることが可能である。また、多種多様なアイテムを追加可能とすることで、仮想現実空間の編集用アプリケーションを編集者による自由度の高い編集を可能とするために多機能とする必要性が低減するため、編集端末6の負荷を低減することができる。
【0073】
実施の形態1に係る仮想現実空間編集システム1において、編集サーバ3は、編集端末6または6Aから操作情報を取得すると、アイテム管理サーバ2から、操作情報が示すアイテムの3次元データを取得して、操作情報の示す位置と向きで編集用空間内にアイテムが配置されるよう、編集サーバ3が有する編集用空間情報を編集する。このため、編集端末6は、アイテムの3次元データを編集サーバ3に送信する必要がなく、編集端末6における編集用空間の編集に要する処理負荷を低減することができる。
【0074】
実施の形態1に係る仮想現実空間編集システム1において、編集サーバ3は、編集用空間のうち、編集端末6または6Aの編集用画面に表示する空間領域を表示対象領域として特定し、編集用空間情報のうち、表示対象領域の3次元データを編集端末6または6Aに送信する。編集端末6または6Aは、編集用空間情報の全部を記憶装置に記憶させる必要も編集用空間情報全体を処理対象とする必要もなく、編集端末6における編集用空間の編集に要する負荷および記憶部65の負荷を低減することができる。
【0075】
実施の形態1に係るプログラムは、コンピュータを、編集端末6または6Aとして機能させるためのプログラムである。コンピュータのプロセッサが当該プログラムを実行することにより、編集用空間の編集に要する負荷を低減することが可能な編集端末6または6Aが実現される。
【0076】
実施の形態1に係る仮想現実空間編集方法は、簡易表示データ取得部621が、複数のアイテムそれぞれの3次元データおよび簡易表示データを有して前記複数のアイテムを管理するアイテム管理サーバ2から、簡易表示データを取得するステップと、アイテム選択処理部622が、簡易表示データを使用して表示した複数のアイテムからのアイテムの選択を受け付けるステップと、3次元データ取得部623が、アイテム管理サーバ2から、選択されたアイテムの3次元データを取得するステップと、編集処理部624が、編集用空間情報に基づき編集用画面に編集用空間を表示し、選択されたアイテムの操作情報の入力を受け付け、操作情報を編集サーバ3に送信するとともに、編集後の編集用空間を編集用画面に表示するステップを備える。選択可能な複数のアイテムを表示可能としつつ、それら複数のアイテム全ての3次元データを予め取得しておく必要がないため、編集端末6または6Aは、仮想現実空間の編集に要する負荷を低減することができる。
【0077】
実施の形態2.
図10は、実施の形態2に係る仮想現実空間編集システム1Aの構成を示すブロック図である。
図10において、仮想現実空間編集システム1Aは、アイテム管理サーバ2、編集サーバ3A、サービス提供サーバ4、アイテム提供端末5、編集端末6-1、編集端末6-2および参加端末7が、ネットワーク8を介して接続されたシステムである。また、編集端末6-1および6-2は、同一の編集用空間を編集するために、互いに異なる編集者が利用する、互いに異なる第1端末装置である。なお、ここでは、第1端末装置が編集端末6-1および6-2の2台の場合を示すが、同一の編集用空間を編集する第1端末装置は3台以上でもよい。以下、複数台の第1端末装置のうち、ある1つの第1端末装置を使用して編集用空間を編集する編集者に対し、他の第1端末装置を使用して編集用空間を編集する編集者のことを「共同編集者」ということがある。例えば、編集端末6-2を使用する編集者は、編集端末6-1を使用する編集者の共同編集者であり、編集端末6-1を使用する編集者は、編集端末6-2を使用する編集者の共同編集者である。また、以下、同一の編集用空間を編集するために複数の第1端末装置を使用する全ての編集者を「共同編集者」と総称することもある。
【0078】
アイテム提供端末5、編集端末6-1、編集端末6-2、および参加端末7は、ネットワーク8を介して、アイテム管理サーバ2、編集サーバ3Aまたはサービス提供サーバ4との通信可能な端末装置であり、例えば、スマートフォン、タブレット端末またはPCである。また、編集端末6-1、編集端末6-2および参加端末7は、上記実施の形態1で示したヘッドマウントディスプレイおよびコントローラであってもよい。
【0079】
編集サーバ3Aは、編集端末6-1および6-2のいずれか一方または両方から、編集用空間情報の編集操作に関する操作情報を取得すると、ネットワーク8を介して、操作情報が示すアイテムの3次元データをアイテム管理サーバ2から取得する。編集サーバ3Aは、アイテムの3次元データを使用して、操作情報が示す位置と向きで編集用空間内にアイテムが配置されるように、編集用空間情報を編集する。仮想現実空間編集システム1Aは、編集端末6-1および6-2を用いた、同一の編集用空間の編集(以下「共同編集」という。)に利用される。
【0080】
例えば、編集端末6-1のユーザである編集者が、編集用空間の編集の責任者であり、当該責任者が、編集端末6-2のユーザを共同編集者となる相手として選択すると、当該責任者は、編集端末6-1を使用して、編集端末6-2へのアクセス情報を、編集サーバ3Aに送信する。編集サーバ3Aは、編集端末6-1および編集端末6-2のそれぞれのアクセス情報を紐付けて管理して、編集端末6-1における編集対象の編集用空間を、編集端末6-2の編集対象として設定する。なお、共同編集者となる相手の選択と、アクセス情報の設定および管理の手法としては、意図した相手のみとの共同編集が可能となる範囲で、任意の手法を採用することができる。
【0081】
編集サーバ3Aは、編集端末6-1における編集対象の編集用空間を示す編集用空間情報と、編集端末6-2における編集対象の編集用空間を示す編集用空間情報とに基づき、編集端末6-1および6-2の編集対象として同一の編集用空間を特定する。編集サーバ3Aは、編集端末6-1および6-2のそれぞれから取得した操作情報に基づき、編集用空間を編集する。これにより、編集端末6-1および6-2のそれぞれの編集者は、同一の編集用空間を共同編集することが可能である。
【0082】
編集サーバ3Aは、編集端末6-1および6-2それぞれの編集用画面において同一の編集用空間を表示中である場合、編集端末6-1および6-2の全てに、編集後の編集用空間情報を送信する。例えば、編集サーバ3Aは、編集端末6-1および6-2が同一の編集用空間を編集対象としている場合、いずれかの編集端末を使用して当該編集用空間の編集操作が行われると、その編集操作に関する操作情報が編集サーバ3Aに送信されるとともに、ネットワーク8を介して、編集サーバ3Aが操作情報に基づいて編集した後の編集用空間情報を、編集端末6-1および6-2の全てに送信する。編集端末6-1および6-2は、編集サーバ3Aから受信した編集用空間情報に基づき、編集後の編集用空間を編集用画面に表示する。これにより、編集端末6-1および6-2は、編集用空間の編集内容を共有することができる。
【0083】
編集サーバ3Aは、編集端末6-1および6-2と、編集用空間のうち編集端末6-1および6-2の編集用画面における表示対象領域とが紐付けられた編集用空間情報を記憶する。表示対象領域は、編集端末6-1および6-2のそれぞれの編集用画面に表示中の空間領域である。編集サーバ3Aは、編集用空間情報に基づき、編集端末6-1および6-2による編集用空間の重複した編集を制限する。
【0084】
例えば、編集サーバ3Aは、編集端末6-1から取得した操作情報に基づき表示対象領域の一部分を編集しているときに、編集端末6-2から取得した操作情報に基づく編集対象がその表示対象領域における同一の部分であった場合、当該部分に対する編集端末6-2による編集を受け付けない。さらに、編集サーバ3Aは、編集端末6-1から取得した操作情報に基づき表示対象領域の一部分を編集しているとき、編集端末6-2の編集用画面において当該部分に対応する領域が編集不可領域となるように、編集用空間情報を編集し、編集端末6-2に送信してもよい。これにより、編集サーバ3Aは、編集端末6-1および6-2による編集用空間の重複した編集を制限できる。
【0085】
編集端末6-1は、編集用空間情報に基づき、編集端末6-2の表示対象領域を、当該表示対象領域以外の領域とは区別して表示する。また、編集端末6-2は、編集用空間情報に基づき、編集端末6-1の表示対象領域を、当該表示対象領域以外の領域とは区別して表示する。例えば、編集端末6-1は、編集用画面における表示対象領域のうち、編集端末6-2の表示領域に対応する領域を、それ以外の領域とは区別して表示する。区別表示の手法として、例えば、領域間で互いに異なる色で表示する、共同編集相手の領域が点滅するように表示する、または共同編集相手の領域の外形に沿った枠線を表示する、といったものが挙げられる。これにより、共同編集者は、編集用画面において互いが編集している編集用空間の領域を容易に区別することができる。
【0086】
編集サーバ3Aは、編集用空間のうち、編集端末6-1および6-2のそれぞれが編集用画面に表示される空間領域を、表示対象領域として特定し、編集用空間情報のうち、表示対象領域の3次元データを、編集端末6-1および6-2にそれぞれ送信する。これにより、編集端末6-1および6-2は、編集用空間情報の全部ではなく、それぞれの表示対象領域を示す編集用空間情報を編集サーバ3Aから取得すればよいので、編集用空間情報の全部を記憶装置に記憶させる必要も編集用空間情報全体を処理対象とする必要もなく、編集用空間の編集に要する処理負荷および記憶部の負荷を低減することができる。
【0087】
編集サーバ3Aは、編集端末6-1および6-2を使用して編集用空間の編集を行う編集者ごとに編集履歴を残す。例えば、同一の編集用空間において、第1編集者が、編集端末6-1を使用して第1アイテムに関する編集を行い、第2編集者が、編集端末6-2を使用して第2アイテムに関する編集を行った場合に、編集サーバ3Aは、第1アイテムに関する編集後の編集用空間情報を第1編集者に紐付けて記憶し、第2アイテムに関する編集後の編集用空間情報を第2編集者に紐付けて記憶する。
【0088】
編集端末6-1は、編集サーバ3Aから受信した、第1編集者と第2編集者にそれぞれ紐付けられた編集用空間情報に基づき、第1アイテムおよび第2アイテムに関する編集後の編集用空間を編集用画面に表示する。同様に、編集端末6-2は、編集サーバ3Aから受信した編集用空間情報に基づき、第2アイテムおよび第1アイテムに関する編集後の編集用空間を編集用画面に表示する。編集履歴を用いることより、編集用空間の共同編集において編集者ごとの編集内容を編集用画面に表示することが可能である。また、編集者ごとに編集履歴を残すことで、いずれかの編集者が自身の行った編集を取り消したい場合に、他の編集者が行った編集に影響を与えることなく、容易に取り消しを行うことができる。
【0089】
図11は、編集端末6-1および6-2の構成を示すブロック図である。
図11において、編集端末6-1および6-2は、通信部61、演算部62B、表示部63、操作部64および記憶部65を備える。演算部62Bは、簡易表示データ取得部621、アイテム選択処理部622、3次元データ取得部623および編集処理部624Bを備える。演算部62Bが、例えば、記憶部65に記憶された編集用アプリケーションを実行することにより、簡易表示データ取得部621、アイテム選択処理部622、3次元データ取得部623および編集処理部624Bの各機能が実現される。
【0090】
編集端末6-1の編集処理部624Bは、編集用空間情報に基づき、編集端末6-2によって編集された編集用空間を編集端末6-2における操作情報の発生に同期して表示する。また、編集端末6-2の編集処理部624Bは、編集用空間情報に基づき、編集端末6-1によって編集された編集用空間を編集端末6-2における操作情報の発生に同期して表示する。例えば、編集端末6-2は、編集用空間の編集操作に関する操作情報の入力を受け付け、受け付けた操作情報を編集サーバ3Aに送信する。編集サーバ3Aは、編集端末6-2からの操作情報に基づき編集用空間を編集し、編集後の編集空間情報を、編集端末6-1に送信する。編集端末6-1は、編集端末6-2の操作情報に基づき編集された編集用空間を表示する。これにより、編集端末6-1および6-2は、編集用空間を共同編集することができる。
【0091】
図12は、実施の形態2に係る仮想現実空間編集方法を示すフローチャートであって、
図10に示した編集端末6-1および6-2による共同編集を示している。
編集端末6-1および6-2において、簡易表示データ取得部621は、通信部61により、ネットワーク8を介して、アイテム管理サーバ2から、簡易表示データを取得する(ステップST1A)。
アイテム選択処理部622は、簡易表示データを使用して表示した複数のアイテムからのアイテムの選択を受け付ける(ステップST2A)。
3次元データ取得部623は、通信部61により、ネットワーク8を介して、アイテム管理サーバ2から、アイテム選択処理部622により選択されたアイテムの3次元データを取得する(ステップST3A)。
編集処理部624Aは、編集用空間情報に基づき編集用画面を表示して、アイテム選択処理部622により選択されたアイテムの操作情報の入力を受け付ける。編集端末6-1および6-2において、編集処理部624Aは、通信部61により、ネットワーク8を介して、受け付けた操作情報を編集サーバ3Aに送信し、共同編集後の編集用空間を編集用画面に表示する(ステップST4A)。
【0092】
図13は、共同編集における編集用画面63Aを示す画面図であり、編集端末6-1と共同編集を行う編集端末6-2の編集用画面63Aを示している。アバター635Aは、編集端末6-1を利用する第1編集者に対応したアバターであり、アバター635Bは、編集端末6-2を利用する第2編集者に対応したアバターである。編集端末6-2が備える編集処理部624Bは、
図13に示すように、第2編集者に対応するアバター635Bに加えて、共同編集者である第1編集者に対応するアバター635Aを編集用画面63Aに表示できる。同様に、編集端末6-1が備える編集処理部624Bは、第1編集者に対応するアバター635Aに加えて、共同編集者である第2編集者に対応するアバター635Bを編集用画面63Aに表示できる。
【0093】
編集端末6-1の編集処理部624Bは、第1編集者に対応するアバター635Aを編集端末6-2の編集用画面に表示される編集用空間に表示可能とするための、アバター635Aの位置情報を、編集サーバ3Aに送信する。また、編集端末6-2の編集処理部624Bは、第2編集者に対応するアバター635Bを編集端末6-1の編集用画面に表示される編集用空間に表示可能とするための、アバター635Bの位置情報を、編集サーバ3Aに送信する。
例えば、編集端末6-1は、編集用空間内のアバター635Aの三次元データ、位置、向き、および動作を示す情報(以下「アバター情報」という。)を編集サーバ3Aに送信し、編集サーバ3Aは、アバター635Aのアバター情報を、編集端末6-2に送信する。また、編集端末6-2は、編集用空間内のアバター635Bのアバター情報を、編集サーバ3Aに送信し、編集サーバ3Aは、アバター635Bのアバター情報を、編集端末6-1に送信する。編集端末6-1および6-2は、それぞれが取得したアバター635Bのアバター情報およびアバター635Aのアバター情報に基づき、編集用画面に表示された編集用空間にアバター635Bおよび635Aを表示する。なお、ここでは、編集端末が編集端末6-1および6-2の2台の場合を示すが、編集端末が3台以上の場合、ある1台の編集端末から編集サーバ3Aに送信されたアバター情報は、編集サーバ3Aから、残りの全ての編集端末に送信され、各編集端末は共同編集者のアバターを表示する。また、編集サーバ3Aは、各編集端末に他の編集端末からのアバター情報を送信する際、各編集端末固有の識別子を付加することで、各アバター情報がいずれの編集端末から送信されたアバター情報であるかを各編集端末に認識させることができる。
また、例えば、編集サーバ3Aは、編集端末6-1および6-2から取得した受信したアバター情報に基づき、編集用空間にアバター635Aおよび635Bを含むように編集用空間情報を編集して、編集後の編集用空間情報を編集端末6-1および6-2に送信するものであってもよい。編集端末6-1および6-2は、編集サーバ3Aから取得した編集後の編集用空間情報に基づき、アバター635Aおよび635Bを含む編集用空間を編集用画面に表示する。
なお、編集端末6-1(または6-2)の編集処理部624Bは、アバター635A(または635B)の三次元データを、例えば、第1編集者(または第2編集者)の編集用アプリケーションを起動してアバター635A(または635B)として編集用空間に参加したときのみ、または、アバター635A(または635B)の外見を変更したときのみに、編集サーバ3Aを経由して編集端末6-2(または6-1)に送信すればよく、常時、送信し続ける必要はない。また、例えば、アバター635A(または635B)の三次元データは、予めデフォルトとして編集サーバ3Aが有していてもよい。また、例えば、各編集者は、共同編集者のアバターの位置を認識できればよく、向きと動作は必須ではない。したがって、アバター情報は、少なくとも位置情報を有していればよい。また、各アバター情報の送受信の頻度は、例えば、各アバターの移動速度、または、編集端末と編集サーバ3A間のネットワーク環境に応じて増減するものでもよいし、一定周期でもよい。
このように、編集端末6-1(または6-2)の編集処理部624Bが、第2編集者のアバター635B(または第1編集者のアバター635A)を、編集用空間に表示可能とすることにより、共同編集者である第1編集者および第2編集者は、編集用画面におけるアバター635Aおよび635Bを通じて編集用空間における互いの位置を知ることができるので、編集端末6-1(または6-2)は、編集者に共同で編集している実感を持たせることができる。また、第1編集者および第2編集者は、互いに編集用画面におけるアバター635Aおよび635Bの位置を確認することで、それぞれの編集位置を確認できるため、編集端末6-1(または6-2)は、重複した編集を抑制することができる。
【0094】
また、編集端末6-1および6-2の編集処理部624Bは、各編集端末を使用する編集者から入力されたコミュニケーション用データを、通信部61により、ネットワーク8を介して、編集サーバ3Aに送信することができる。そして、編集端末6-1(または6-2)の編集処理部624Bは、第2編集者が編集端末6-2から入力した(または第1編集者が編集端末6-1から入力した)コミュニケーション用データを、編集サーバ3Aを経由して取得し、そのコミュニケーション用データを、アバター635B(または635B)と関連付けて編集用画面63Aに表示する。コミュニケーション用データは、共同編集者に対応するアバター間で行われる、チャット、エモーションの表示、音声等を含むコミュニケーションを示すデータである。エモーションの表示とは、現在の感情等を伝えるために予め選択肢として用意された複数の動作等を示す表示であり、拍手の表示、エクスクラメーションマークの表示または口笛音を発する動作等を示す表示が含まれる。
【0095】
例えば、編集用画面63Aにおいて、アバター635Aは、アバター635Bが行う編集に対して、エモーションの表示として拍手637Aの表示をしている。また、アバター635Bは、アバター635Aに対してチャット637Bで会話している。このように、共同編集者がアバターを通じてコミュニケーションをとることにより、編集者に共同で編集している実感を持たせることができる。
【0096】
編集端末6-1は、編集用空間情報に基づき、編集端末6-2の表示対象領域を、当該表示対象領域以外の領域とは区別して表示する。また、編集端末6-2は、編集用空間情報に基づき、編集端末6-1の表示対象領域を、当該表示対象領域以外の領域とは区別して表示する。例えば、編集用画面63Aにおいて、編集端末6-1が備える編集処理部624Bは、編集用空間情報に基づき、編集端末6-2における表示対象領域である編集領域636Cを、当該表示対象領域以外の編集領域636Dとは異なる色で表示している。共同編集者は、編集用画面において、自身が編集している編集用空間の領域と、共同編集相手が編集している領域を容易に視認することができる。
【0097】
図14は、編集端末6-1および6-2の変形例である、編集端末6A-1および6A-2の構成を示すブロック図である。
図14において、編集端末6A-1および6A-2は、通信部61、演算部62C、表示部63、操作部64、および記憶部65を備える。また、演算部62Cは、簡易表示データ取得部621、アイテム選択処理部622、3次元データ取得部623、編集処理部624C、および承認受付部627を備える。演算部62Cが、例えば、記憶部65に記憶された編集用アプリケーションを実行することで、簡易表示データ取得部621、アイテム選択処理部622、3次元データ取得部623、編集処理部624Cおよび承認受付部627の各機能が実現される。
【0098】
承認受付部627は、他の端末装置により編集された編集内容を参加用空間情報の修正に用いることを、承認または非承認とする操作を受け付ける。承認または非承認の操作には、編集用画面に表示した承認または非承認を示すボタン画像に対する、操作部64を用いた操作等がある。
【0099】
例えば、編集端末6A-1および6A-2が共同編集を行う場合、編集端末6A-1が備える編集処理部624Cは、編集用空間の編集操作に関する操作情報の入力を受け付けて、この操作情報を、編集サーバ3Aに送信する。編集サーバ3Aは、編集端末6A-1から受信した操作情報に基づき編集用空間を編集し、その編集内容を参加用空間の修正に用いることが未承認であることを示す編集用空間情報を、編集端末6A-1および6A-2に送信する。
【0100】
編集端末6A-2が備える編集処理部624Cは、編集端末6A-1が受け付けた操作情報に基づく編集内容が未承認の場合、編集用空間情報に基づき、その編集内容が未承認であることが認識できるように編集用画面に表示する。
図15は、編集が承認された場合における共同編集処理の概要を示す概要図である。
図15における白抜き矢印を境とした左側の図は、編集端末6A-1の編集者に対応するアバター635Aが、編集用空間にアイテム636を配置した場合を示している。
図15の左側図において、編集内容を参加用空間情報の修正に用いることは、編集端末6A-1の編集者から承認されていない。このため、
図15の左側図に示すように、編集端末6A-1の編集用画面において、アイテム636は、未承認を示す半透明画像636Eで表示される。
【0101】
編集用空間情報は、参加用空間情報の修正に用いることが承認されるか非承認であるかに応じて、編集用画面における編集内容の表示態様が変更されるように設定されている。例えば、
図15における白抜き矢印を境とした右側の図は、参加用空間情報の修正に用いることが承認された編集内容の表示態様を示している。編集端末6A-1が備える承認受付部627が、アイテム636を配置する編集内容を参加用空間情報の修正に用いることを承認する操作を受け付けると、承認を示す情報を、編集処理部624Cに出力する。
【0102】
編集処理部624Cは、承認を示す情報を取得すると、
図15の右側図に示すように、編集用空間情報に基づき、半透明画像636Eが実体化されるように、アイテム636を通常の表示に戻す。これにより、アイテム636を配置するという編集内容が参加用空間の修正時に用いられ、参加用空間にアイテム636が配置される。編集端末6A-1および6A-2が承認受付部627を備えることにより、共同編集者間で互いに承認をとりながら編集を行うことができる。また、共同編集者のうち一部の編集者のみが承認を行えるようにしてもよい。例えば、編集端末6A-1および6A-2をそれぞれ使用する2名の共同編集者のうち、編集端末6A-1を使用する編集者のみが承認を行えるようにする場合は、編集端末6A-1のみが承認受付部627を備える構成とすればよい。この場合、編集端末6A-1を使用した編集操作に基づく編集は、常に参加用空間の修正に用いられる。
【0103】
なお、承認受付部627が、アイテム636を配置するという編集内容を、非承認する操作を受け付けた場合には、その編集内容を無効にしてもよい。例えば、編集端末6A-1が備える承認受付部627が、アイテム636を配置する編集内容を参加用空間情報の修正に用いることを非承認する操作を受け付けた場合、非承認を示す情報を、編集処理部624Cに出力する。編集処理部624Cは、通信部61により、ネットワーク8を介して、非承認を示す情報を、編集サーバ3Aに送信する。編集サーバ3Aは、非承認を示す情報を受信すると、アイテム636を配置する編集内容が無効化されるように編集用空間情報を編集し、編集後の編集用空間情報を編集端末6A-1および6A-2に送信する。これにより、編集端末6A-1および6A-2において、アイテム636を配置する編集内容が無効化される。
【0104】
図16は、編集端末6-1および6-2の変形例である、編集端末6B-1および6B-2の構成を示すブロック図である。
図16において、編集端末6B-1および6B-2は、通信部61、演算部62D、表示部63、操作部64、および記憶部65を備える。また、演算部62Dは、簡易表示データ取得部621、アイテム選択処理部622、3次元データ取得部623、編集処理部624D、および切替操作受付部628を備える。演算部62Dが、例えば、記憶部65に記憶された編集用アプリケーションを実行することにより、簡易表示データ取得部621、アイテム選択処理部622、3次元データ取得部623、編集処理部624Dおよび切替操作受付部628の各機能が実現される。
【0105】
切替操作受付部628は、編集用空間をアバターからみた視点であるアバター視点と、アバター視点とは異なる編集用空間を編集用画面に表示するための編集用視点とを切り替える切替操作を受け付ける。編集用視点は、例えば、アバターを含む編集用空間内を俯瞰する視点である。編集端末6B-1および6B-2を用いた共同編集において、それぞれの編集処理部624Dは、例えば、編集サーバ3から取得した編集用空間情報を使用して、アバター視点と編集用視点とを切り替える切替ボタン画像を編集用画面に表示させる編集用空間情報を作成する。編集端末6B-1および6B-2は、編集用空間情報に基づき切替ボタン画像を含む編集用画面に表示する。
【0106】
編集者は、タッチパネル等の操作部64を使用して、編集用画面に表示された切替ボタン画像を操作する。切替操作受付部628は、切替ボタン画像の操作を受け付けると、切替操作を示す情報を、編集処理部624Dに出力する。例えば、編集端末6B-1が備える切替操作受付部628が、編集用空間をアバター視点に切り替える切替操作を受け付けると、編集処理部624Dは、通信部61により、ネットワーク8を介して、アバター視点を指示する情報を、編集サーバ3Aに送信する。編集サーバ3Aは、アバター視点を指示する情報を受信すると、編集用空間内のアバター635Aの位置および動きを示すアバター情報に基づき、編集用空間をアバター視点で表示する編集用空間情報を編集し、編集後の編集用空間情報を編集端末6B-1に送信する。編集端末6B-1は、編集サーバ3Aから受信した編集用空間情報に基づき、アバター視点の編集用空間を編集用画面に表示する。
【0107】
図17は、共同編集におけるアバター視点の編集用画面63Bを示す画面図であって、編集端末6B-1と共同編集を行う編集端末6B-2における編集用画面63Bを示している。
図17において、編集端末6B-2を利用する第2編集者に対応したアバター635Bは、編集用空間でアイテム636Fを運ぶ動作を行っており、編集端末6B-1を利用する第1編集者に対応したアバター635Aは、アイテム636Gを運ぶ動作を行っている。編集用画面63Bには、アバター635Bの視点で編集用空間が表示されている。アバター視点で編集用空間を表示することにより、アバターに対応する編集者に対して、仮想現実空間の編集に臨場感を持たせることができる。特に、編集端末6B-1および6B-2がヘッドマウントディスプレイである場合に有効である。
【0108】
編集端末6B-2が備える切替操作受付部628が、編集用空間を編集用視点に切り替える切替操作を受け付けた場合、編集処理部624Dは、編集用視点を指示する情報を、通信部61により、ネットワーク8を介して、編集サーバ3Aに送信する。編集サーバ3Aは、編集用視点を指示する情報を受信すると、編集用空間内のアバター635Bの位置および動きを示すアバター情報に基づき、編集用空間を編集用視点で表示する編集用空間情報を編集し、編集後の編集用空間情報を編集端末6B-2に送信する。編集端末6B-2は、編集サーバ3Aから受信した編集用空間情報に基づき、編集用視点の編集用空間を編集用画面に表示する。
【0109】
図18は、共同編集における編集用視点の編集用画面63Cを示す画面図であり、
図17に示した編集用画面63Bを編集用視点の編集用画面63Cに切り替えた場合を示している。
図18において、編集用視点は、アバター635Aおよび635Bを含む編集用空間内を俯瞰する視点である。編集用画面63Cには、編集端末6B-2において適宜設定された編集用視点からみた編集用空間が表示されている。このように編集用視点で編集用空間を表示することにより、編集者が仮想現実空間の編集の全体像を把握することが可能である。
【0110】
なお、仮想現実空間編集システム1Aは、編集端末6-1および6-2、編集端末6A-1および6A-2または編集端末6B-1および6B-2等の2つの編集端末を用いた共同編集のみならず、3つ以上の編集端末を用いた共同編集も可能である。
【0111】
以上のように、実施の形態2に係る編集端末6-1(または6-2)において、編集処理部624Aは、編集用空間情報に基づき、編集端末6-2(または6-1)によって編集された編集用空間を、編集端末6-2(または6-1)における操作情報の発生に同期して表示する。これにより、編集端末6-1および6-2は、編集用空間を共同編集することができる。
【0112】
実施の形態2に係る編集端末6A-1(または6A-2)は、編集端末6A-2(または6A-1)によって編集された編集内容を、編集者以外のユーザが参加可能な仮想現実空間である参加用空間の3次元データである参加用空間情報の修正に用いることを、承認または非承認とする操作を受け付ける承認受付部627を備える。これにより、共同編集者間で承認をとりながら編集を行うことができる。
【0113】
実施の形態2に係る編集端末6-1(または6-2)において、編集処理部624Bは、第2編集者のアバター635B(または第1編集者のアバター635A)を編集用空間に表示可能とする。これにより、共同編集者は、編集用画面におけるアバター635Aおよび635Bを通じて編集用空間における互いの位置を知ることができるので、編集端末6-1(または6-2)は、編集者に共同で編集している実感を持たせることができる。また、共同編集者は、互いに編集用画面におけるアバター635Aおよび635Bの位置を確認することで、それぞれの編集位置を確認できるため、重複した編集を抑制することができる。
【0114】
実施の形態2に係る編集端末6-1(または6-2)において、編集処理部624Bは、第2編集者が編集端末6-2から入力した(または第1編集者が編集端末6-1から入力した)コミュニケーション用データを、編集サーバ3Aを経由して取得し、そのコミュニケーション用データを、編集用画面に第2編集者のアバター635B(または第1編集者のアバター635A)と関連付けて表示する。共同編集者がアバターを通じてコミュニケーションをとることにより、編集者に共同で編集している実感を持たせることができる。
【0115】
実施の形態2に係る編集端末6B-1(および6B-2)の編集処理部624Cは、編集者のアバターを編集用空間に表示可能であり、編集用空間を編集者のアバターからみた視点であるアバター視点と、アバター視点とは異なる編集用空間を編集用画面に表示するための編集用視点とを切り替える切替操作を受け付ける切替操作受付部628を備えている。編集処理部624Cは、切替操作受付部628が切替操作を受け付けると、アバター視点と編集用視点とを切り替える。アバター視点で編集用空間を表示することにより、アバターに対応する編集者に対して、仮想現実空間の編集に臨場感を持たせることが可能である。また、編集用視点で編集用空間を表示することにより、編集者が仮想現実空間の編集の全体像を把握することが可能である。
【0116】
実施の形態2に係る仮想現実空間編集システム1Aにおいて、編集サーバ3Aは、同一の編集用空間を編集用画面において表示中の編集端末6-1および6-2のそれぞれから取得した操作情報に基づき、編集用空間を編集する。これにより、編集端末6-1および6-2のそれぞれの編集者は、編集用画面において同じ編集用空間を表示しながら、当該編集用空間の編集を行うことが可能である。
【0117】
実施の形態2に係る仮想現実空間編集システム1Aにおいて、編集サーバ3Aは、編集端末6-1および6-2の全てに編集後の編集用空間を示す編集用空間情報を送信する。編集後の編集用空間情報に基づき、編集後の編集用空間を編集用画面に表示することで、編集端末6-1および6-2は、編集用空間の編集内容を共有することができる。
【0118】
実施の形態2に係る仮想現実空間編集システム1Aにおいて、編集サーバ3Aは、編集端末6-1および6-2と、編集用空間のうち、編集端末6-1および6-2のそれぞれの編集用画面において表示中の空間領域である表示対象領域とが紐付けられた編集用空間情報を記憶し、編集用空間情報に基づき、編集端末6-1および6-2による編集用空間の重複した編集を制限する。編集端末6-1(または6-2)は、編集用空間情報に基づき編集端末6-2(または6-1)の表示対象領域を当該表示対象領域以外の領域とは区別して表示する。これにより、編集サーバ3Aは、編集端末6-1および6-2による編集用空間の重複した編集を制限できる。さらに、共同編集者は、編集用画面において互いが編集している編集用空間の領域を容易に区別することができる。
【0119】
実施の形態2に係る仮想現実空間編集システム1Aにおいて、編集サーバ3Aは、編集用空間のうち、編集端末6-1および6-2が編集用画面に表示する空間領域を表示対象領域として特定し、編集用空間情報のうち、表示対象領域の3次元データをそれぞれの編集端末6-1および6-2に送信する。編集端末6-1および6-2は、編集用空間情報の全部ではなく、それぞれの表示対象領域を示す編集用空間情報を編集サーバ3Aから取得すればよいので、編集用空間情報の全部を記憶装置に記憶させる必要も編集用空間情報全体を処理対象とする必要もなく、編集用空間の編集に要する負荷および記憶部の負荷を低減することができる。
【0120】
実施の形態2に係る仮想現実空間編集システム1Aにおいて、編集サーバ3Aは、編集端末6-1および6-2を使用して編集用空間の編集を行う編集者ごとに編集履歴を残す。編集履歴を用いることより、編集用空間の共同編集において編集者ごとの編集内容を編集用画面に表示することが可能である。また、編集者ごとに編集履歴を残すことで、いずれかの編集者が自身の行った編集を取り消したい場合に、他の編集者が行った編集に影響を与えることなく、容易に取り消しを行うことができる。
【0121】
なお、各実施の形態の組み合わせまたは実施の形態のそれぞれの任意の構成要素の変形もしくは実施の形態のそれぞれにおいて任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0122】
1,1A 仮想現実空間編集システム、2 アイテム管理サーバ、3,3A 編集サーバ、4 サービス提供サーバ、5 アイテム提供端末、6,6-1,6-2,6A-1,6A-2,6B-1,6B-2 編集端末、7 参加端末、61 通信部、62,62A~62D 演算部、63 表示部、63A~63C 編集用画面、64 操作部、65 記憶部、100 通信インタフェース、101 入出力インタフェース、102 プロセッサ、103 メモリ、621 簡易表示データ取得部、622 アイテム選択処理部、623 3次元データ取得部、624,624A~624D 編集処理部、625 修正指示送信部、626 送信指示部、627 承認受付部、628 切替操作受付部、631 カテゴリ一覧表、632 サムネイル一覧表、632A サムネイル、632B 3次元オブジェクト、633,636,636F,636G アイテム、634 3次元サムネイル一覧、635,635A,635B アバター、636A~636D 編集領域、636E 半透明画像、637A 拍手、637B チャット。
【要約】 (修正有)
【課題】仮想現実空間の編集に要する処理負荷を低減する端末装置、仮想現実空間編集システム、プログラム及び方法を提供する。
【解決手段】アイテム管理サーバ、編集サーバ、サービス提供サーバ、アイテム提供端末、編集端末及び参加端末がネットワークを介して接続された仮想現実空間編集システムにおいて、編集端末は、アイテム管理サーバから簡易表示データを取得する簡易表示データ取得部と、簡易表示データを使用して表示した複数のアイテムからのアイテムの選択を受け付けるアイテム選択処理部と、アイテム管理サーバから、選択されたアイテムの3次元データを取得する3次元データ取得部と、編集用空間情報に基づき編集用画面に編集用空間を表示し、選択されたアイテムの3次元データを用いた編集用空間の編集に関する操作情報の入力を受け付け、操作情報を編集サーバに送信し、編集後の編集用空間を編集用画面に表示する編集処理部と、を備える。
【選択図】
図2