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特許7138403コンピュータシステム、食品売買仲介方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-08
(45)【発行日】2022-09-16
(54)【発明の名称】コンピュータシステム、食品売買仲介方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20120101AFI20220909BHJP
   G06Q 50/02 20120101ALI20220909BHJP
【FI】
G06Q30/06 312
G06Q50/02
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021517719
(86)(22)【出願日】2019-08-29
(86)【国際出願番号】 JP2019034030
(87)【国際公開番号】W WO2021038813
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2021-03-29
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】500521522
【氏名又は名称】株式会社オプティム
(74)【代理人】
【識別番号】100177220
【弁理士】
【氏名又は名称】小木 智彦
(72)【発明者】
【氏名】菅谷 俊二
【審査官】貝塚 涼
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-225249(JP,A)
【文献】特開2005-151851(JP,A)
【文献】特開2002-189775(JP,A)
【文献】特開2001-195513(JP,A)
【文献】特開2009-278958(JP,A)
【文献】特開平11-175609(JP,A)
【文献】特開2002-203133(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
任意の食品の売買を仲介するコンピュータシステムであって、
前記食品の供給者と、当該供給者が供給可能な当該食品に関する情報とを供給情報として取得する供給情報取得手段と、
取得した供給情報を記録する記録手段と、
前記食品の注文情報を受け付ける受付手段と、
受け付けた前記注文情報を満たす前記供給者を、記録した前記供給情報から検索する第1検索手段と、
検索した前記供給者が育成する前記食品の育成情報を取得する育成情報取得手段と、
前記食品が育成される場所の天候情報を取得する天候情報取得手段と、
取得した前記育成情報と、前記天候情報とに基づいて、前記食品の生産量及び生産時期を生産情報として予測する第1予測手段と、
予測した前記生産情報が、前記注文情報における数量及び納期を満たすか否かを判定することによって、予測した前記生産情報が、前記注文情報を満たすか否かを判定する生産情報判定手段と、
予測した前記生産情報が、前記注文情報を満たさない場合、当該注文情報を補う他の前記供給者を記録した前記供給情報から検索する第2検索手段と、
を備え、
前記供給者が複数である場合は、所定の条件を満たす供給者を一の供給者として特定することを特徴とするコンピュータシステム。
【請求項2】
検索した前記供給者に、栽培ソリューションを提供する提供手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項3】
前記栽培ソリューションは、栽培計画、ノウハウ、農機具、種子、苗、肥料、農薬又はITサービスの少なくとも一つである、ことを特徴とする請求項2に記載のコンピュータシステム。
【請求項4】
前記注文情報と、前記注文情報を取得した際における需要予測用情報と、前記供給者情報に基づいて学習する学習手段と、
前記食品の販売場所における需要予測用情報を取得する需要予測用情報取得手段と、
取得した前記需要予測用情報に基づいて、将来の前記注文情報を予測する第2予測手段と、
前記学習の結果と、予測した前記注文情報を満たす前記供給者を、記録した前記供給情報から検索する第3検索手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項5】
前記需要予測用情報は、地域人口、年齢分布、販売実績、局地/広域の天候情報、市場価格、平均株価、先物相場、為替相場の少なくとも一つである、
ことを特徴とする請求項に記載のコンピュータシステム。
【請求項6】
前記所定の条件は、過去の取引実績、供給者の評価を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項7】
前記供給者を検索できなかった場合は、不在通知を販売者に通知する通知手段を、さらに備え、
前記不在通知は、前記注文情報の変更を促す通知が含まれる、
ことを特徴とする請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項8】
前記第1検索手段は、前記注文情報を満たさないものの、近似する前記供給者を検索し、
前記通知手段は、近似する前記供給者を販売者に通知することを特徴とする請求項に記載のコンピュータシステム。
【請求項9】
任意の食品の売買を仲介するコンピュータが実行する食品売買仲介方法であって、
前記食品の供給者と、当該供給者が供給可能な当該食品に関する情報とを供給情報として取得するステップと、
取得した供給情報を記録するステップと、
前記食品の注文情報を受け付けるステップと、
受け付けた前記注文情報を満たす前記供給者を、記録した前記供給情報から検索するステップと、
検索した前記供給者が育成する前記食品の育成情報を取得するステップと、
前記食品が育成される場所の天候情報を取得するステップと、
取得した前記育成情報と、前記天候情報とに基づいて、前記食品の生産量及び生産時期を生産情報として予測するステップと、
予測した前記生産情報が、前記注文情報における数量及び納期を満たすか否かを判定することによって、予測した前記生産情報が、前記注文情報を満たすか否かを判定するステップと、
予測した前記生産情報が、前記注文情報を満たさない場合、当該注文情報を補う他の前記供給者を記録した前記供給情報から検索するステップと、
を備え、
前記供給者が複数である場合は、所定の条件を満たす供給者を一の供給者として特定することを特徴とする食品売買仲介方法。
【請求項10】
任意の食品の売買を仲介するコンピュータに、
前記食品の供給者と、当該供給者が供給可能な当該食品に関する情報とを供給情報として取得するステップ、
取得した供給情報を記録するステップ、
前記食品の注文情報を受け付けるステップ、
受け付けた前記注文情報を満たす前記供給者を、記録した前記供給情報から検索するステップ、
検索した前記供給者が育成する前記食品の育成情報を取得するステップ、
前記食品が育成される場所の天候情報を取得するステップ、
取得した前記育成情報と、前記天候情報とに基づいて、前記食品の生産量及び生産時期を生産情報として予測するステップ、
予測した前記生産情報が、前記注文情報における数量及び納期を満たすか否かを判定することによって、予測した前記生産情報が、前記注文情報を満たすか否かを判定するステップ、
予測した前記生産情報が、前記注文情報を満たさない場合、当該注文情報を補う他の前記供給者を記録した前記供給情報から検索するステップ、
を実行させ、
前記供給者が複数である場合は、所定の条件を満たす供給者を一の供給者として特定するためのコンピュータ読み取り可能なプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、任意の食品の売買を仲介するコンピュータシステム、食品売買仲介方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、公衆回線網等を介して、購入者が所望する食品の購入を行うことが容易となっている。例えば、オンラインショッピングにおいて、購買者は、ウェブサイト等にアクセスし、食品の紹介を閲覧するとともに自身が所望する食品を発注する。
【0003】
このような食品の紹介及び発注のシステムとして、例えば、食品の旬の情報に基づいて、旬の産地の食品を優先的に紹介する構成が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第4875262号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の構成は、単に、旬の食品を紹介するだけのものに過ぎず、食品の需給調整を行うことが困難であった。
【0006】
本発明は、食品の需給調整を行うことが容易なコンピュータシステム、食品売買仲介方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
【0008】
本発明は、任意の食品の売買を仲介するコンピュータシステムであって、
前記食品の供給者と、当該供給者が供給可能な当該食品に関する情報とを供給情報として取得する供給情報取得手段と、
取得した供給情報を記録する記録手段と、
前記食品の注文情報を受け付ける受付手段と、
受け付けた前記注文情報を満たす前記供給者を、記録した前記供給情報から検索する第1検索手段と、
検索した前記供給者が育成する前記食品の育成情報を取得する育成情報取得手段と、
前記食品が育成される場所の天候情報を取得する天候情報取得手段と、
取得した前記育成情報と、前記天候情報とに基づいて、前記食品の生産量及び生産時期を生産情報として予測する第1予測手段と、
予測した前記生産情報が、前記注文情報における数量及び納期を満たすか否かを判定することによって、予測した前記生産情報が、前記注文情報を満たすか否かを判定する生産情報判定手段と、
予測した前記生産情報が、前記注文情報を満たさない場合、当該注文情報を補う他の前記供給者を記録した前記供給情報から検索する第2検索手段と、
を備え、
前記供給者が複数である場合は、所定の条件を満たす供給者を一の供給者として特定することを特徴とするコンピュータシステムを提供する。
【0009】
本発明によれば、任意の食品の売買を仲介するコンピュータシステムは、前記食品の供給者と、当該供給者が供給可能な当該食品に関する情報とを供給情報として取得し、取得した供給情報を記録し、前記食品の注文情報を受け付け、受け付けた前記注文情報を満たす前記供給者を、記録した前記供給情報から検索し、検索した前記供給者が育成する前記食品の育成情報を取得し、前記食品が育成される場所の天候情報を取得し、取得した前記育成情報と、前記天候情報とに基づいて、前記食品の生産量及び生産時期を生産情報として予測し、予測した前記生産情報が、前記注文情報における数量及び納期を満たすか否かを判定することによって、予測した前記生産情報が、前記注文情報を満たすか否かを判定し、予測した前記生産情報が、前記注文情報を満たさない場合、当該注文情報を補う他の前記供給者を記録した前記供給情報から検索し、前記供給者が複数である場合は、所定の条件を満たす供給者を一の供給者として特定する。
【0010】
本発明は、システムのカテゴリであるが、方法及びプログラム等の他のカテゴリにおいても、そのカテゴリに応じた同様の作用・効果を発揮する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、食品の需給調整を行うことが容易なコンピュータシステム、食品売買仲介方法及びプログラムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、食品売買仲介システム1の概要を示す図である。
図2図2は、食品売買仲介システム1の全体構成図である。
図3図3は、コンピュータ10が実行する供給者情報記録処理のフローチャートを示す図である。
図4図4は、コンピュータ10が実行する第1の供給者検索処理のフローチャートを示す図である。
図5図5は、コンピュータ10が実行する第2の供給者検索処理のフローチャートを示す図である。
図6図6は、コンピュータ10が実行する第3の供給者検索処理のフローチャートを示す図である。
図7図7は、コンピュータ10が実行する第3の供給者検索処理のフローチャートを示す図である。
図8図8は、コンピュータ10が実行する学習処理のフローチャートを示す図である。
図9図9は、コンピュータ10が実行する第4の供給者検索処理のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
【0014】
[食品売買仲介システム1の概要]
本発明の好適な実施形態の概要について、図1に基づいて説明する。図1は、本発明の好適な実施形態である食品売買仲介システム1の概要を説明するための図である。食品売買仲介システム1は、コンピュータ10から構成され、任意の食品(例えば、農畜産物、海産物)の売買を仲介するコンピュータシステムである。
【0015】
なお、食品売買仲介システム1は、食品を販売する販売者(例えば、個人、小売店、飲食店)が所持する販売者端末(例えば、スマートフォンやタブレット端末等の携帯端末や、スマートグラス等のヘッドマウントディスプレイといったウェアラブル端末や、ラップトップパソコンやデスクトップパソコン等のパーソナルコンピュータ)、食品を販売者等に供給する供給者(例えば、生産者、卸売業者)が所持する供給者端末(例えば、スマートフォンやタブレット端末等の携帯端末や、スマートグラス等のヘッドマウントディスプレイといったウェアラブル端末や、ラップトップパソコンやデスクトップパソコン等のパーソナルコンピュータ)、食品を育成する場所に設置された撮影装置、外部システム、その他の端末や装置類が含まれていてもよい。この場合、食品売買仲介システム1は、後述する各処理を、コンピュータ10と含まれる端末や装置類等との何れか又は複数の組み合わせにより実行することになる。
【0016】
また、食品売買仲介システム1は、例えば、コンピュータ10等の1台のコンピュータで実現されてもよいし、クラウドコンピュータのように、複数のコンピュータで実現されてもよい。
【0017】
コンピュータ10は、販売者端末、供給者端末、撮影装置、外部システム、その他の端末や装置類等と、公衆回線網等を介して、データ通信可能に接続されており、必要なデータや情報の送受信を実行する。
【0018】
コンピュータ10は、食品の供給者と、この供給者が供給可能な食品に関する情報である供給食品情報とを供給者情報として取得する。食品は、任意な食品、所定の食品、供給者が供給可能な食品の一部又は全部を意味する。この食品は、例えば、農畜産物、海産物である。供給者は、例えば、食品の生産者や卸売業者である。供給食品情報は、例えば、食品の品目、数量、納期、供給場所である。コンピュータ10は、供給者情報として、供給者の識別子(例えば、氏名、ID、管理番号、整理番号)と供給食品情報とを取得することになる。
【0019】
例えば、供給者端末は、供給者の識別子及び供給食品情報の入力を受け付け、受け付けた供給者の識別子及び供給食品情報を、供給者情報として、コンピュータ10に送信する。コンピュータ10は、この供給者情報を受信することにより、供給者情報を取得することになる。
【0020】
コンピュータ10は、取得した供給者情報を記録する。
【0021】
例えば、コンピュータ10は、取得した供給者情報に基づいて、供給者の識別子と供給食品情報とを対応付けた供給者データベースを記録することにより、供給者情報を記録することになる。
【0022】
コンピュータ10は、食品の注文情報を受け付ける。注文情報は、例えば、品目、数量、納期、供給場所である。
【0023】
例えば、販売者端末は、食品の注文情報の入力を受け付け、受け付けた注文情報を、コンピュータ10に送信する。この注文情報は、販売者の識別子(例えば、氏名、ID、管理番号、整理番号)が含まれる。コンピュータ10は、この注文情報を受信することにより、食品の注文情報を受け付けることになる。
【0024】
コンピュータ10は、受け付けた注文情報を満たす供給者を、記録した供給者情報から検索する。
【0025】
例えば、コンピュータ10は、受け付けた注文情報に合致する供給者情報を、供給者データベースを参照し、検索する。コンピュータ10は、検索した供給者情報における供給者の識別子を特定する。この結果、コンピュータ10は、注文情報を満たす供給者を検索することになる。
【0026】
なお、コンピュータ10は、この検索した供給者に、栽培ソリューションを提供する構成であってもよい。栽培ソリューションは、例えば、栽培計画、ノウハウ、農機具、種子、苗、肥料、農薬又はITサービス(例えば、生産管理システム、生産記録システム、農業機械連携システム、複合環境制御システム、環境モニタリングシステム)の少なくとも一つである。
【0027】
例えば、コンピュータ10は、注文情報と栽培ソリューションとを対応付けて記録した栽培ソリューションデータベースを参照し、取得した注文情報に適した栽培ソリューションを特定する。コンピュータ10は、この栽培ソリューションを供給者端末に送信する。供給者端末は、この栽培ソリューションを受信し、自身の表示部に表示又は音声部から放音することにより、供給者に通知する。この結果、コンピュータ10は、検索した供給者に栽培ソリューションを提供することになる。
【0028】
また、コンピュータ10は、検索した供給者が育成する食品の育成情報と、この食品が育成される場所の天候情報とを取得し、これらに基づいて、食品の生産情報を予測し、予測した生産情報が、注文情報を満たさない場合、この注文情報を補う他の供給者を記録した供給者情報から検索する構成であってもよい。育成情報は、例えば、育成中の食品の状態、土壌の状態、水質の状態、病害虫の状態である。天候情報は、例えば、気温、降水量、天気、湿度、風速、風向、日射量である。生産情報は、例えば、生産量、生産時期である。
【0029】
例えば、供給者端末は、育成情報の入力を受け付け、受け付けた育成情報をコンピュータ10に送信する。この育成情報は、供給者の識別子が含まれる。コンピュータ10は、この育成情報を受信することにより、育成情報を取得することになる。コンピュータ10は、所定のウェブサイトやデータベース等からこの食品の育成場所における天候情報を取得する。
【0030】
コンピュータ10は、取得した育成情報及び天候情報に基づいて、食品の生産情報として、食品の生産量及び生産時期を予測する。具体的には、育成情報を取得した時点における食品の状態、土壌や水質の状態、病害虫の状態等と、今後の天候情報の推移とに基づいて、食品の生産量及び生産時期を予測する。
【0031】
コンピュータ10は、予測した生産量及び生産時期が、注文情報における数量と納期を満たすか否かを判定し、満たさない場合、不足する数量及び納期を補う他の供給者を、供給者データベースを参照し、検索する。
【0032】
また、コンピュータ10は、食品の販売場所における需要予測用情報を取得し、この需要予測用情報に基づいて、将来の食品の注文情報を予測し、予測した注文情報を満たす供給者を、記録した供給者情報から検索する構成であってもよい。需要予測用情報は、例えば、地域人口、年齢分布、販売実績、局地/広域の天候情報、市場価格、平均株価、先物相場、為替相場の少なくとも一つである。
【0033】
例えば、コンピュータ10は、注文情報を取得した時点における需要予測用情報を、処所定のウェブサイトやデータベース等から取得する。
【0034】
コンピュータ10は、この需要予測用情報に基づいた機械学習(例えば、教師あり学習、教師なし学習、ニューラルネットワーク、Deep Learning)を行う。
【0035】
コンピュータ10は、この学習結果に基づいて、将来のこの販売場所における食品の注文情報を予測する。
【0036】
コンピュータ10は、予測した注文情報を満たす供給者を、供給者データベースを参照し、検索する。
【0037】
次に、食品売買仲介システム1が実行する処理の概要について説明する。
【0038】
はじめに、コンピュータ10は、食品の供給者と、この供給者が供給可能な食品に関する情報である供給食品情報とを供給者情報として取得する(ステップS01)。コンピュータ10は、供給者情報として、供給者の識別子と供給食品情報とを取得することになる。食品、供給者、供給食品情報及び供給者の識別子は、上述した通りである。
【0039】
供給者端末は、供給者の識別子及び供給食品情報の入力を受け付け、受け付けた供給者の識別子及び供給食品情報を、供給者情報として、コンピュータ10に送信する。コンピュータ10は、この供給者情報を受信することにより、供給者情報を取得することになる。
【0040】
コンピュータ10は、取得した供給者情報を記録する(ステップS02)。
【0041】
コンピュータ10は、取得した供給者情報に基づいて、上述した供給者データベースを記録することにより、供給者情報を記録することになる。
【0042】
コンピュータ10は、食品の注文情報を受け付ける(ステップS03)。注文情報は、上述した通りである。
【0043】
販売者端末は、食品の注文情報の入力を受け付け、受け付けた注文情報を、コンピュータ10に送信する。この注文情報は、販売者の識別子が含まれる。コンピュータ10は、この注文情報を受信することにより、食品の注文情報を受け付けることになる。
【0044】
コンピュータ10は、受け付けた注文情報を満たす供給者を、記録した供給者情報から検索する(ステップS04)。
【0045】
コンピュータ10は、受け付けた注文情報に合致する供給者情報を、供給者データベースを参照し、検索する。コンピュータ10は、検索した供給者情報における供給者の識別子を特定する。この結果、コンピュータ10は、注文情報を満たす供給者を検索することになる。
【0046】
[食品売買仲介システム1のシステム構成]
図2に基づいて、本発明の好適な実施形態である食品売買仲介システム1のシステム構成について説明する。図2は、本発明の好適な実施形態である食品売買仲介システム1のシステム構成を示す図である。図2において、食品売買仲介システム1は、コンピュータ10から構成され、任意の食品の売買を仲介するコンピュータシステムである。
【0047】
コンピュータ10は、販売者端末、供給者端末、撮影装置、外部システム、その他の端末や装置類等と、公衆回線網等を介して、データ通信可能に接続されており、必要なデータや情報の送受信を実行する。
【0048】
なお、食品売買仲介システム1は、図示していない販売者端末、供給者端末、撮影装置、外部システム、その他の端末や装置類等が含まれていてもよい。この場合、食品売買仲介システム1は、後述する各処理を、コンピュータ10と含まれる端末や装置類等との何れか又は複数の組み合わせにより実行することになる。
【0049】
また、食品売買仲介システム1は、例えば、コンピュータ10等の1台のコンピュータで実現されてもよいし、クラウドコンピュータのように、複数のコンピュータで実現されてもよい。
【0050】
コンピュータ10は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備え、通信部として、他の端末や装置等と通信可能にするためのデバイス、例えば、IEEE802.11に準拠したWi―Fi(Wireless―Fidelity)対応デバイス等を備える。また、コンピュータ10は、記録部として、ハードディスクや半導体メモリ、記録媒体、メモリカード等によるデータのストレージ部を備える。また、コンピュータ10は、処理部として、各種処理を実行する各種デバイス等を備える。
【0051】
コンピュータ10において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、通信部と協働して、供給者情報取得モジュール20、注文情報受付モジュール21、通知モジュール22、発注モジュール23、栽培ソリューション提供モジュール24、育成情報取得モジュール25、天候情報取得モジュール26、需要予測用情報取得モジュール27を実現する。また、コンピュータ10において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、記録部と協働して、記録モジュール30を実現する。また、コンピュータ10において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、処理部と協働して、第1検索モジュール40、検索可否判定モジュール41、検索数判定モジュール42、栽培ソリューション特定モジュール43、生産情報予測モジュール44、生産情報判定モジュール45、不足解析モジュール46、第2検索モジュール47、学習モジュール48、需要予測モジュール49、第3検索モジュール50を実現する。
【0052】
[供給者情報記録処理]
図3に基づいて、食品売買仲介システム1が実行する供給者情報記録処理について説明する。図3は、コンピュータ10が実行する供給者情報記録処理のフローチャートを示す図である。上述した各モジュールが実行する処理について、本処理に併せて説明する。
【0053】
供給者情報取得モジュール20は、食品の供給者の識別子と、この供給者が供給可能なこの食品に関する情報である供給食品情報とを供給者情報として取得する(ステップS10)。ステップS10において、食品は、上述した通り、農畜産物、海産物であり、任意な食品、所定の食品、供給者が供給可能な食品の一部又は全部である。供給者は、上述した通り、食品の生産者や卸売業者等である。供給者の識別子は、上述した通り、氏名、ID、管理番号、整理番号等である。供給食品情報は、上述した通り、食品の品目、数量、納期、供給場所等である。
【0054】
供給者端末は、供給者の識別子及び供給食品情報の入力を受け付け、受け付けた識別子及び供給食品情報を、供給者情報としてコンピュータ10に送信する。供給者情報取得モジュール20は、この供給者情報を受信することにより、供給者情報を取得することになる。
【0055】
なお、供給者情報取得モジュール20は、供給者端末の識別子(ID、管理番号、整理番号、MACアドレス、IPアドレス等)を、供給者の識別子として取得してもよい。また、供給者情報取得モジュール20は、その他の端末や装置類等から、この供給者情報を取得してもよい。
【0056】
記録モジュール30は、取得した供給者情報を記録する(ステップS11)。ステップS11において、記録モジュール30は、この供給者情報における識別子と供給食品情報とを対応付けた供給者データベースとして、供給者情報を記録する。
【0057】
以上が、供給者情報記録処理である。
【0058】
[第1の供給者検索処理]
図4に基づいて、食品売買仲介システム1が実行する第1の供給者検索処理について説明する。図4は、コンピュータ10が実行する第1の供給者検索処理のフローチャートを示す図である。上述した各モジュールが実行する処理について、本処理に併せて説明する。
【0059】
注文情報受付モジュール21は、食品の注文情報を受け付ける(ステップS20)。ステップS20において、注文情報は、上述した通り、品目、数量、納期、供給場所等である。
【0060】
販売者端末は、注文情報の入力を受け付け、受け付けた注文情報を、コンピュータ10に送信する。このとき、注文情報には、販売者の識別子(氏名、ID、管理番号、整理番号等)が含まれる。注文情報受付モジュール21は、この注文情報を受信することにより、食品の注文情報を受け付けることになる。
【0061】
第1検索モジュール40は、この注文情報を満たす供給者を、記録した供給者情報から検索する(ステップS21)。ステップS21において、第1検索モジュール40は、この供給者を、上述したステップS11の処理により記録した供給者データベースを参照することにより検索する。第1検索モジュール40は、注文情報における品目、数量、納期及び納品場所に合致する供給食品情報を、供給者データベースを参照して特定する。第1検索モジュール40は、この供給者情報に対応付けられた供給者の識別子を、供給者データベースを参照して特定する。この結果、第1検索モジュール40は、注文情報を満たす供給者を検索することになる。
【0062】
なお、第1検索モジュール40は、注文情報に各項目の重要度の順位が付与される等により、供給者を検索する優先順位が設定されていてもよい。例えば、第1検索モジュール40は、重要度の順位の内、所定の順位内に合致する供給食品情報を、供給者データベースを参照して特定し、この特定した供給者情報に対応付けられた供給者の識別子を、供給者データベースを参照して特定するといった構成も可能である。
【0063】
また、第1検索モジュール40は、上述した注文情報における項目以外の項目を加味して、供給者を検索してもよいし、上述した注文情報における項目の何れかを満たす供給者を検索する構成も可能である。
【0064】
検索可否判定モジュール41は、この供給者を検索できたか否かを判定する(ステップS22)。ステップS22において、検索可否判定モジュール41は、上述したステップS21の処理の結果、供給者の識別子を特定できたか否かを判定する。
【0065】
ステップS22において、検索可否判定モジュール41、検索できなかったと判定した場合(ステップS22 NO)、通知モジュール22は、受け付けた注文情報を満たす供給者が存在しないことを示す不在通知を、販売者に通知する(ステップS23)。ステップS23において、通知モジュール22は、この不在通知を、販売者端末に送信する。販売者端末は、この不在通知を受信し、自身の表示部に表示又は音声部から放音する。この結果、通知モジュール22は、不在通知を販売者に通知することになる。コンピュータ10は、ステップS23の処理を実行後、本処理を終了することになる。
【0066】
なお、この不在通知は、注文情報の変更を促す通知が含まれていてもよい。
【0067】
また、通知モジュール22は、上述したステップS21の処理により、第1検索モジュール40が、注文情報を満たさないものの、近似する(例えば、注文情報の項目の何れか又は複数における各数値や日付等が近似するもの)供給者を併せて検索しておくことにより、この近似する供給者を不在通知に含めて販売者に通知する構成も可能である。
【0068】
一方、ステップS22において、検索可否判定モジュール41は、検索できたと判定した場合(ステップS22 YES)、検索数判定モジュール42は、検索した供給者の数が一であるか否かを判定する(ステップS24)。ステップS24において、検索数判定モジュール42は、検索した供給者の数が一又は複数の何れかであるかを判定する。
【0069】
ステップS24において、検索数判定モジュール42は、検索した供給者の数が一であると判定した場合(ステップS24 YES)、コンピュータ10は、後述するステップS26の処理を実行する。
【0070】
一方、ステップS24において、検索数判定モジュール42は、検索した供給者の数が複数であると判定した場合(ステップS24 NO)、第1検索モジュール40は、検索した供給者のうち、一の供給者を検索する(ステップS25)。ステップS25において、第1検索モジュール40は、この複数の供給者から一の供給者を特定する。この特定方法は、例えば、クローズドリバースオークション形式等により、供給者間での入札を受け付け、落札者を、一の供給者として特定する。また、所定の条件(例えば、過去の取引実績、供給者の評価)を満たす供給者を、一の供給者として特定する。この結果、第1検索モジュール40は、複数の供給者から一の供給者を検索することになる。
【0071】
なお、第1検索モジュール40が、複数の供給者から一の供給者を検索する方法は、上述した例に限らず、適宜変更可能である。
【0072】
また、上述したステップS24及びS25の処理を省略する構成も可能である。この場合、検索数判定モジュール42が、複数の供給者を検索した際、後述するステップS26の処理において、発注モジュール23は、検索した供給者の数に応じて、注文情報における数量や納期を分割し、其々の供給者に発注する構成も可能である。また、発注モジュール23は、検索した供給者のうち、所定の人数に応じて、注文情報における数量や納期を分割し、其々の供給者に発注する構成も可能である。また、コンピュータ10は、一の供給者に限らず、複数の供給者により注文情報を満たせる場合、其々の供給者に発注する構成も可能である。
【0073】
発注モジュール23は、検索した一の供給者に対して、注文情報に基づいた食品を発注する(ステップS26)。ステップS26において、発注モジュール23は、検索した一の供給者が所持する供給者端末に、食品の発注に必要な情報等の発注情報を送信することにより、食品の発注を実行することになる。この供給者端末は、発注情報を受信し、自身の表示部に表示又は音声部から放音等することにより、供給者に食品の発注を通知することになる。供給者は、この発注情報に従って、販売者が入力した注文情報に基づいた食品の発注を受け付け、販売者が必要とする食品の品目、数量、納期及び納品場所を把握し、食品を販売者に対して発送することになる。
【0074】
以上が、第1の供給者検索処理である。
【0075】
[第2の供給者検索処理]
図5に基づいて、食品売買仲介システム1が実行する第2の供給者検索処理について説明する。図5は、コンピュータ10が実行する第2の供給者検索処理のフローチャートを示す図である。上述した各モジュールが実行する処理について、本処理に併せて説明する。なお、上述した処理と同様の処理については、その詳細な説明は省略する。
【0076】
注文情報受付モジュール21は、食品の注文情報を受け付ける(ステップS30)。ステップS30の処理は、上述したステップS20の処理と同様である。
【0077】
第1検索モジュール40は、この注文情報を満たす供給者を、記録した供給者情報から検索する(ステップS31)。ステップS31の処理は、上述したステップS21の処理と同様である。
【0078】
検索可否判定モジュール41は、この供給者を検索できたか否かを判定する(ステップS32)。ステップS32の処理は、上述したステップS22の処理と同様である。
【0079】
ステップS32において、検索可否判定モジュール41、検索できなかったと判定した場合(ステップS32 NO)、通知モジュール22は、受け付けた注文情報を満たす供給者が存在しないことを示す不在通知を、販売者に通知する(ステップS33)。ステップS33の処理は、上述したステップS23の処理と同様である。
【0080】
一方、ステップS32において、検索可否判定モジュール41は、検索できたと判定した場合(ステップS32 YES)、検索数判定モジュール42は、検索した供給者の数が一であるか否かを判定する(ステップS34)。ステップS34の処理は、上述したステップS24の処理と同様である。
【0081】
ステップS34において、検索数判定モジュール42は、検索した供給者の数が一であると判定した場合(ステップS34 YES)コンピュータ10は、後述するステップS36の処理を実行する。
【0082】
一方、ステップS34において、検索数判定モジュール42は、検索した供給者の数が複数であると判定した場合(ステップS34 NO)、第1検索モジュール40は、検索した供給者のうち、一の供給者を検索する(ステップS35)。ステップS35の処理は、上述したステップS25の処理と同様である。
【0083】
なお、上述したステップS33及びS34の処理を省略する構成も可能である。この場合、検索数判定モジュール42が、複数の供給者を検索した際、後述するステップS36の処理において、栽培ソリューション特定モジュール43は、検索した供給者の数に応じて、注文情報における数量や納期を分割し、其々の供給者に適した栽培ソリューションを特定する構成も可能である。また、栽培ソリューション特定モジュール43は、検索した供給者のうち、所定の人数に応じて、注文情報における数量や納期を分割し、其々の供給者に適した栽培ソリューションを特定する構成も可能である。また、コンピュータ10は、一の供給者に限らず、複数の供給者により注文情報を満たせる場合、其々の供給者に適した栽培ソリューションを特定する構成も可能である。
【0084】
栽培ソリューション特定モジュール43は、この検索した供給者に適した栽培ソリューションを特定する(ステップS36)。ステップS36において、栽培ソリューションは、上述した通り、栽培計画、ノウハウ、農機具、種子、苗、肥料、農薬又はITサービス(例えば、生産管理システム、生産記録システム、農業機械連携システム、複合環境制御システム、環境モニタリングシステム)の少なくとも一つである。
【0085】
栽培ソリューション特定モジュール43は、予め記録モジュール30が記録する注文情報と、栽培ソリューションとを対応付けて記録した栽培ソリューションデータベースを参照し、今回検索した一の供給者に適した栽培ソリューションを特定する。栽培ソリューション特定モジュール43は、取得した注文情報における品目、数量、納期及び納品場所に合致する栽培ソリューションを、栽培ソリューションデータベースを参照して特定する。このとき、栽培ソリューション特定モジュール43は、一又は複数の栽培ソリューションを特定する。
【0086】
栽培ソリューション提供モジュール24は、この特定した栽培ソリューションを供給者に提供する(ステップS37)。ステップS37において、栽培ソリューション提供モジュール24は、検索した一の供給者が所持する供給者端末に、この栽培ソリューションを送信する。供給者端末は、この栽培ソリューションを受信し、自身の表示部に表示又は音声部から放音する。この結果、栽培ソリューション提供モジュール24は、この栽培ソリューションを供給者に提供することになる。
【0087】
発注モジュール23は、検索した一の供給者(栽培ソリューションを提供した供給者)に対して、注文情報に基づいた食品を発注する(ステップS38)。ステップS38の処理は、上述したステップS26の処理と同様である。
【0088】
以上が、第2の供給者検索処理である。
【0089】
[第3の供給者検索処理]
図6及び図7に基づいて、食品売買仲介システム1が実行する第3の供給者検索処理について説明する。図6及び図7は、コンピュータ10が実行する第3の供給者検索処理のフローチャートを示す図である。上述した各モジュールが実行する処理について、本処理に併せて説明する。なお、上述した処理と同様の処理については、その詳細な説明は省略する。
【0090】
注文情報受付モジュール21は、食品の注文情報を受け付ける(ステップS40)。ステップS40の処理は、上述したステップS20の処理と同様である。
【0091】
第1検索モジュール40は、この注文情報を満たす供給者を、記録した供給者情報から検索する(ステップS41)。ステップS41の処理は、上述したステップS21の処理と同様である。
【0092】
検索可否判定モジュール41は、この供給者を検索できたか否かを判定する(ステップS42)。ステップS42の処理は、上述したステップS22の処理と同様である。
【0093】
ステップS42において、検索可否判定モジュール41、検索できなかったと判定した場合(ステップS42 NO)、通知モジュール22は、受け付けた注文情報を満たす供給者が存在しないことを示す不在通知を、販売者に通知する(ステップS43)。ステップS43の処理は、上述したステップS23の処理と同様である。
【0094】
一方、ステップS42において、検索可否判定モジュール41は、検索できたと判定した場合(ステップS42 YES)、検索数判定モジュール42は、検索した供給者の数が一であるか否かを判定する(ステップS44)。ステップS44の処理は、上述したステップS24の処理と同様である。
【0095】
ステップS44において、検索数判定モジュール42は、検索した供給者の数が一であると判定した場合(ステップS44 YES)コンピュータ10は、後述するステップS46の処理を実行する。
【0096】
一方、ステップS44において、検索数判定モジュール42は、検索した供給者の数が複数であると判定した場合(ステップS44 NO)、第1検索モジュール40は、検索した供給者のうち、一の供給者を検索する(ステップS45)。ステップS45の処理は、上述したステップS25の処理と同様である。
【0097】
なお、コンピュータ10は、上述したステップS36及びS37の処理を実行する構成も可能である。すなわち、コンピュータ10は、検索した供給者に適した栽培ソリューションを特定し、提供する構成も可能である。コンピュータ10は、栽培ソリューションの提供後に、後述する処理を実行することになる。
【0098】
育成情報取得モジュール25は、検索した供給者が育成する食品の育成情報を取得する(ステップS46)。ステップS46において、育成情報は、上述した通り、育成中の食品の状態、土壌の状態、水質の状態、病害虫の状態等である。育成情報取得モジュール25は、この育成情報を、供給者端末や撮影装置等を介して取得する。
【0099】
供給者端末は、育成情報の入力を受け付け、受け付けた育成情報をコンピュータ10に送信する。このとき、育成情報には、供給者の識別子が含まれる。育成情報取得モジュール25は、この育成情報を受信することにより、食品の育成情報を取得することになる。
【0100】
また、供給者端末に設けられた撮影装置や育成場所に設置された撮影装置は、この食品の育成場所を撮影する。供給者端末や撮影装置は、この撮影した画像をコンピュータ10に送信する。育成情報取得モジュール25は、この画像を受信する。コンピュータ10は、この画像を画像解析し、特徴点(例えば、形状、輪郭、色相)や特徴量(例えば、画素値の平均、分散、ヒストグラム等の統計的な数値)を抽出する。コンピュータ10は、この特徴点や特徴量に基づいて、育成情報を解析する。その結果、育成情報取得モジュール25は、解析した育成情報に基づいて、食品の育成情報を取得することになる。
【0101】
天候情報取得モジュール26は、検索した供給者が食品を育成する場所の天候情報を取得する(ステップS47)。ステップS47において、天候情報は、上述した通り、気温、降水量、天気、湿度、風速、風向、日射量等である。
【0102】
天候情報取得モジュール26は、所定のウェブサイトやデータベース等からこの天候情報を取得する。
【0103】
生産情報予測モジュール44は、取得した育成情報と天候情報とに基づいて、この食品の生産情報を予測する(ステップS48)。ステップS48において、生産情報は、上述した通り、生産量、生産時期等である。
【0104】
生産情報予測モジュール44は、育成情報を取得した時点における食品の状態、食品の状態、土壌や水質の状態、病害虫の状態等と、天候情報を取得した時点における天候情報及び今後の天候情報の推移とに基づいて、食品の生産量及び生産時期を予測する。すなわち、生産情報予測モジュール44は、現時点における食品の育成状況と、今後の天候情報の推移とにより、食品の育成状況を予測し、この食品の生産量及び生産時期を予測することになる。
【0105】
生産情報判定モジュール45は、予測した生産情報が、注文情報を満たすか否かを判定する(ステップS49)。ステップS49において、生産情報判定モジュール45は、予測した生産量及び生産時期が、注文情報における数量及び納期を満たすか否かを判定する。
【0106】
ステップS49において、生産情報判定モジュール45は、注文情報を満たすと判定した場合(ステップS49 YES)、発注モジュール23は、検索した一の供給者に対して、注文情報に基づいた食品を発注する(ステップS50)。ステップS50の処理は、上述したステップS26の処理と同様である。
【0107】
一方、ステップS49において、生産情報判定モジュール45は、注文情報を満たさないと判定した場合(ステップS49 NO)、不足解析モジュール46は、生産情報の不足分を解析する(ステップS51)。ステップS51において、不足解析モジュール46は、予測した生産量と、注文情報における数量とを比較し、不足する数量を解析する。また、不足解析モジュール46は、予測した生産時期と、注文情報における納期とを比較し、不足する日数を解析する。
【0108】
第2検索モジュール47は、解析した生産情報の不足分を補う他の供給者を、記録した供給者情報から検索する(ステップS52)。ステップS52において、第2検索モジュール47は、この他の供給者を、上述したステップS11の処理により記録した供給者データベースを参照することにより検索する。第2検索モジュール47は、注文情報における数量及び納期のうち、予測した生産量及び生産時期を補う数量及び納期に合致する供給者情報を、供給者データベースを参照して特定する。第2検索モジュール47は、この供給者情報に対応付けられた供給者の識別子を、供給者データベースを参照して特定する。この結果、第2検索モジュール47は、不足分を補う他の供給者を検索することになる。
【0109】
なお、第2検索モジュール47は、予測した生産量又は納期の何れか一方を補う他の供給者を検索する構成も可能である。
【0110】
検索可否判定モジュール41は、この供給者を検索できたか否かを判定する(ステップS53)。ステップS53の処理は、上述したステップS22の処理と同様である。
【0111】
ステップS53において、検索可否判定モジュール41、検索できなかったと判定した場合(ステップS53 NO)、通知モジュール22は、受け付けた注文情報が不足することを示す不足通知を、販売者に通知する(ステップS54)。ステップS54において、通知モジュール22は、この不足通知を、販売者端末に送信する。販売者端末は、この不足通知を受信し、自身の表示部に表示又は音声部から放音する。この結果、通知モジュール22は、不足通知を販売者に通知することになる。コンピュータ10は、ステップS53の処理を実行後、本処理を終了することになる。
【0112】
なお、この不足通知は、注文情報の変更(特に、数量及び納期)を促す通知が含まれていてもよい。
【0113】
また、通知モジュール22は、上述したステップS52の処理により、第2検索モジュール47が、不足分を補えないものの、近似する(例えば、数量が近似する、納期が近似する)他の供給者をあわせて検索しておくことにより、この近似する他の供給者を不足通知に含めて販売者に通知する構成も可能である。
【0114】
一方、ステップS53において、検索可否判定モジュール41は、検索できたと判定した場合(ステップS53 YES)、検索数判定モジュール42は、検索した供給者の数が一であるか否かを判定する(ステップS55)。ステップS55の処理は、上述したステップS24の処理と同様である。
【0115】
ステップS55において、検索数判定モジュール42は、検索した供給者の数が一であると判定した場合(ステップS55 YES)、コンピュータ10は、後述するステップS57の処理を実行する。
【0116】
一方、ステップS55において、検索数判定モジュール42は、検索した供給者の数が複数であると判定した場合(ステップS55 NO)、第2検索モジュール47は、食品の発注先となる供給者をさらに検索する(ステップS56)。ステップS56において、第2検索モジュール47は、検索した複数の供給者のうち、実際に食品を発注する一又は複数の供給者を特定する。この特定方法は、例えば、クローズドリバースオークション形式等により、供給者間での入札を受け付け、数量及び納期を満たす分(不足分を補う分)の一又は複数の供給者を特定する。また、所定の条件(例えば、過去の取引実績、供給者の評価)を満たすとともに、数量及び納期を満たす分(不足分を補う分)の一又は複数の供給者を特定する。この結果、第2検索モジュール47は、検索した複数の供給者から注文情報の不足分を補う実際の食品を発注する供給者をさらに検索することになる。
【0117】
なお、第2検索モジュール47が、複数の供給者から注文情報の不足分を補う一又は複数の供給者を検索する方法は、上述した例に限らず、適宜変更可能である。
【0118】
また、上述したステップS55及びS56の処理を省略する構成も可能である。この場合、検索数判定モジュール42が、複数の注文情報の不足分を補う他の供給者を検索した際、後述するステップS57の処理において、発注モジュール23は、検索した注文情報の不足分を補う供給者の数に応じて、注文情報における数量や納期を分割し、其々の供給者に発注する構成も可能である。また、発注モジュール23は、検索した注文情報の不足分を補う供給者のうち、所定の人数に応じて、注文情報における数量や納期を分割し、其々の供給者に発注する構成も可能である。また、コンピュータ10は、不足分を補う一の供給者に限らず、不足分を補う複数の供給者により注文情報の不足分を満たせる場合、其々の供給者に発注する構成も可能である。
【0119】
また、コンピュータ10は、上述したステップS36及びS37の処理を実行する構成も可能である。すなわち、コンピュータ10は、不足分を補う供給者に適した栽培ソリューションを特定し、提供する構成も可能である。コンピュータ10は、栽培ソリューションの提供後に、後述する処理を実行することになる。
【0120】
発注モジュール23は、検索した一の供給者と、注文情報の不足分を補う他の供給者に対して、注文情報に基づいた食品を発注する(ステップS57)。ステップS57において、発注モジュール23は、検索した一の供給者が所持する供給者端末に対して、予測した生産量及び生産時期に基づいた数量及び納期を加味した注文情報に基づいた食品を発注する。さらに、発注モジュール23は、注文情報の不足分を補う他の供給者が所持する供給者端末に対して、不足する数量及び納期を加味した注文情報に基づいた食品を発注する。発注モジュール23は、其々の供給者端末に、食品の発注に必要な情報等の発注情報を送信することにより、食品の発注を実行することになる。其々の供給者端末は、発注情報を受信し、自身の表示部に表示又は音声部から放音等することにより、供給者に食品の発注を通知することになる。供給者は、この発注情報に従って、販売者が入力した注文情報に基づいた食品の発注を受け付け、販売者が必要とする食品の品目、数量、納期及び納品場所を把握し、食品を販売者に対して発送することになる。
【0121】
なお、コンピュータ10は、この第3の供給者検索処理を、注文情報の受付時のみでなく、食品の発注後に、定期的に実行する構成も可能である。
【0122】
以上が、第3の供給者検索処理である。
【0123】
[学習処理]
図8に基づいて、食品売買仲介システム1が実行する学習処理について説明する。図8は、コンピュータ10が実行する学習処理のフローチャートを示す図である。上述した各モジュールが実行する処理について、本処理に併せて説明する。なお、上述した処理と同様の処理については、その詳細な説明は省略する。
【0124】
需要予測用情報取得モジュール27は、上述した第1-第3供給者検索処理において、注文情報を取得した際における需要予測用情報を取得する(ステップS60)。ステップS60において、需要予測用情報は、上述した通り、地域人口、年齢分布、販売実績、局地/広域の天候情報、市場価格、平均株価、先物相場、為替相場等である。
【0125】
需要予測用情報取得モジュール27は、所定のウェブサイトやデータベース等から、この食品の販売場所における需要予測用情報を取得する。
【0126】
学習モジュール48は、上述した第1-第3供給者検索処理の其々において取得した注文情報と、取得した需要予測用情報と、上述した第1-第3供給者検索処理の結果検索した供給者情報(不足分の注文情報を補う供給者情報も含む)とに基づいて、機械学習を行う(ステップS61)。ステップS61において、機械学習は、上述した通り、教師あり学習、教師なし学習、ニューラルネットワーク、Deep Learning等である。
【0127】
記録モジュール30は、学習結果を記録する(ステップS62)。
【0128】
以上が、学習処理である。
【0129】
[第4の供給者検索処理]
図9に基づいて、食品売買仲介システム1が実行する第4の供給者検索処理について説明する。図9は、コンピュータ10が実行する第4の供給者検索処理のフローチャートを示す図である。上述した各モジュールが実行する処理について、本処理に併せて説明する。なお、上述した処理と同様の処理については、その詳細な説明は省略する。
【0130】
需要予測用情報取得モジュール27は、販売場所における需要予測用情報を取得する(ステップS70)。ステップS70において、需要予測用情報取得モジュール27は、予め記録モジュール30が記録する食品の販売場所や、販売者端末の位置情報等に基づいた販売場所における需要予測用情報を、所定のウェブサイトやデータベース等から取得する。
【0131】
需要予測モジュール49は、上述した学習処理により記録した学習結果と、今回取得した需要予測用情報とに基づいて、将来のこの販売場所における食品の注文情報を予測する(ステップS71)。ステップS71において、将来とは、数日後、数週間後、数か月後等である。需要予測モジュール49は、この販売場所における一又は複数の食品の注文情報を予測する。需要予測モジュール49は、この販売場所における全部の食品の注文情報を予測することにより、食品の需要の全体量を予測する。
【0132】
第3検索モジュール50は、予測した注文情報を満たす供給者を、記録した供給者情報から検索する(ステップS72)。ステップS72の処理は、実質的に上述したステップS21の処理と同様である。すなわち、注文情報が受け付けたものであるか、予測したものであるかが異なるだけである。
【0133】
第3検索モジュール50は、複数の食品の注文情報を予測した場合、其々の食品において、予測した注文情報を満たす供給者を、記録した供給者情報から検索する。
【0134】
検索可否判定モジュール41は、この供給者を検索できたか否かを判定する(ステップS73)。ステップS73の処理は、上述したステップS22の処理と同様である。
【0135】
ステップS73において、検索可否判定モジュール41、検索できなかったと判定した場合(ステップS73 NO)、通知モジュール22は、予測した注文情報を満たす供給者が存在しないことを示す不在通知を、販売者に通知する(ステップS74)。ステップS74の処理は、上述したステップS24の処理と同様である。
【0136】
一方、ステップS73において、検索可否判定モジュール41は、検索できたと判定した場合(ステップS73 YES)、検索数判定モジュール42は、検索した供給者の数が一であるか否かを判定する(ステップS75)。ステップS75の処理は、上述したステップS24の処理と同様である。
【0137】
ステップS75において、検索数判定モジュール42は、検索した供給者の数が一であると判定した場合(ステップS75 YES)コンピュータ10は、後述するステップS77の処理を実行する。
【0138】
一方、ステップS75において、検索数判定モジュール42は、検索した供給者の数が複数であると判定した場合(ステップS75 NO)、第1検索モジュール40は、検索した供給者のうち、一の供給者を検索する(ステップS76)。ステップS76の処理は、上述したステップS25の処理と同様である。
【0139】
なお、コンピュータ10は、上述したステップS36及びS37の処理を実行する構成も可能である。すなわち、コンピュータ10は、検索した供給者に適した栽培ソリューションを特定し、提供する構成も可能である。コンピュータ10は、栽培ソリューションの提供後に、後述する処理を実行することになる。
【0140】
また、コンピュータ10は、上述したステップS46-S56の処理を実行する構成も可能である。すなわち、コンピュータ10は、検索した供給者が育成する食品の育成情報及びこの食品を育成する場所の天候情報を取得し、これらに基づいて、生産情報を予測する。コンピュータ10は、この予測した生産情報が、予測した注文情報を満たす場合、後述する処理を実行することになる。一方、コンピュータ10は、この予測した生産情報が、予測した注文情報を満たさない場合、生産情報の不足分を解析し、この不足分を補う他の供給者を検索する。コンピュータ10は、検索できなかった場合、不在通知を販売者に通知し、検索できた場合、後述する処理を実行することになる。
【0141】
また、コンピュータ10は上述したステップS36及びS37の処理と、上述したステップS46-S56の処理とをあわせて実行する構成も可能である。
【0142】
発注モジュール23は、検索した一の供給者に対して、予測した注文情報に基づいた食品を発注する(ステップS77)。ステップS77の処理は、上述したステップS26の処理と同様である。
【0143】
なお、コンピュータ10は、検索した供給者情報に基づいて、供給者ポートフォリオを作成する構成も可能である。この供給者ポートフォリオは、例えば、各食品の供給食品情報をまとめて可視化(例えば、画像化、グラフ化、図化、表化)したものである。
【0144】
以上が、第4の供給者検索処理である。
【0145】
上述した手段、機能は、コンピュータ(CPU、情報処理装置、各種端末を含む)が、所定のプログラムを読み込んで、実行することによって実現される。プログラムは、例えば、コンピュータからネットワーク経由で提供される(SaaS:ソフトウェア・アズ・ア・サービス)形態で提供される。また、プログラムは、例えば、フレキシブルディスク、CD(CD-ROMなど)、DVD(DVD-ROM、DVD-RAMなど)等のコンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供される。この場合、コンピュータはその記録媒体からプログラムを読み取って内部記録装置又は外部記録装置に転送し記録して実行する。また、そのプログラムを、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等の記録装置(記録媒体)に予め記録しておき、その記録装置から通信回線を介してコンピュータに提供するようにしてもよい。
【0146】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述したこれらの実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0147】
1 食品売買仲介システム、10 コンピュータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9