(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-08
(45)【発行日】2022-09-16
(54)【発明の名称】部品集積装置
(51)【国際特許分類】
B65G 27/02 20060101AFI20220909BHJP
B65G 27/16 20060101ALI20220909BHJP
B65G 47/08 20060101ALI20220909BHJP
【FI】
B65G27/02
B65G27/16
B65G47/08 E
(21)【出願番号】P 2018033019
(22)【出願日】2018-02-27
【審査請求日】2021-01-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000102692
【氏名又は名称】NTN株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 翔也
(72)【発明者】
【氏名】伏原 慎二
(72)【発明者】
【氏名】北川 貴一
(72)【発明者】
【氏名】大塚 晃範
【審査官】寺川 ゆりか
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-113961(JP,A)
【文献】特開昭59-143808(JP,A)
【文献】特開平02-258123(JP,A)
【文献】実開昭49-085776(JP,U)
【文献】中国実用新案第206939699(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 27/02
B65G 27/16
B65G 47/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品生産ラインの所定の2つの工程の間に設置され、その2つの工程のうちの上流側工程から排出される部品を集積し、下流側工程に供給する部品集積装置において、
前記上流側工程の部品排出口に一端部を接続され、前記下流側工程の部品供給口に他端部を接続されるホースを、円筒状の中心部材の外周と内周の少なくとも一方に螺旋状に配置してなる部品集積部と、前記部品集積部に前記中心部材の軸心まわりのねじり振動を付与する振動発生部とを備え、
前記ホースは、その内径が所定の姿勢の部品を1個だけ通過可能とする寸法に形成されており、
前記ホースの一端部と他端部を除く部位は、前記中心部材の軸心方向で隣り合う部分どうしが接触するように配置されており、
前記上流側工程の部品排出口から排出された部品が、所定の姿勢で1個ずつ前記ホースの一端部に進入し、前記部品集積部のねじり振動によって前記ホース内を搬送されていき、進入時と同じ順番で前記ホースの他端部から前記下流側工程の部品供給口に供給されるようになっていることを特徴とする部品集積装置。
【請求項2】
前記ホースは、前記中心部材の外周と内周の少なくとも一方に着脱可能に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の部品集積装置。
【請求項3】
前記ホース内に部品とともに潤滑用の液体が供給されるようになっていることを特徴とする請求項1または2に記載の部品集積装置。
【請求項4】
前記振動発生部は、前記部品集積部に付与するねじり振動のねじり方向を反転できるようになっていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の部品集積装置。
【請求項5】
前記振動発生部は、前記中心部材が取り付けられる上部振動体と、前記上部振動体の下方に設置される基台と、前記中心部材の周方向に所定の間隔で配され、前記上部振動体と基台を連結する複数の弾性部材と、前記上部振動体と基台の間に水平方向の振動を発生させる加振機構とからなるものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の部品集積装置。
【請求項6】
前記所定の2つの工程が部品の加工工程であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の部品集積装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品生産ラインの所定の2つの工程の間に設置され、その上流側工程から排出される部品を集積し、下流側工程に供給する部品集積装置に関する。
【背景技術】
【0002】
転がり軸受のころ等、比較的小さな部品を生産する部品生産ラインでは、連続する2つの工程の間に、その上流側工程から排出される部品を一旦集積した後、下流側工程に自動的に供給する部品集積装置として、振動式ボウルフィーダ(「パーツフィーダ」とも呼ばれる。)が設置されることがある。
【0003】
一般的な振動式ボウルフィーダは、内周壁に螺旋状の搬送路が形成されたボウルと、ボウルが取り付けられる上部振動体と、上部振動体の下方に設置される基台と、ボウルの周方向に等間隔で配され、上部振動体と基台とを連結する複数の傾斜板ばねと、上部振動体と基台との間に設けられる加振機構とで基本的に構成され、その加振機構から上部振動体を介してボウルに付与されるねじり振動によって、ボウルの底部に集積された部品をボウルの螺旋状搬送路に沿って搬送し、ボウルの上部から下流側工程に供給するようになっている。
【0004】
また、振動式ボウルフィーダには、ボウルの搬送路の表面に摩擦材層を設けることにより、搬送路表面と部品との間の摩擦係数を大きくして、部品の搬送能力を向上させ、下流側工程への部品供給能力を確保できるようにしているものもある(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、上記のような振動式ボウルフィーダは、部品供給能力の面では十分な性能を有していても、上流側工程および下流側工程が加工工程である場合、下流側工程の加工方法等によっては、以下に述べるように部品の品質を低下させてしまうおそれがあった。
【0007】
まず、振動式ボウルフィーダの下流側の工程でスルーフィード加工方式による加工を行う場合について説明する。スルーフィード加工方式の加工機としては、例えば、
図6に示すようなセンタレス研削盤や、
図7(a)、(b)に示すような超仕上げ機がある。
【0008】
図6のセンタレス研削盤は、円筒状の砥石51と調整車52を、それぞれの軸心が相対的にわずかに傾斜するように並べて配置し、同じ方向に回転させることにより、その砥石51と調整車52の間に連続的に送り込まれる転がり軸受の外輪Aをブレード53で支持して軸方向に送りながら、外輪A外周面へ砥石51を押し付けて外輪Aの外径研削を行うものである。
【0009】
また、
図7の超仕上げ機は、一対のフィードロール54、55を、
図6の砥石51と調整車52の場合と同様の位置関係で配置し、同じ方向に回転させることにより、両フィードロール54、55間に連続的に送り込まれる針状ころBを軸方向に送りながら、針状ころBの外周面へ板状の砥石56を押し当てた状態で、砥石56を針状ころBの送り方向に揺動させることにより、針状ころBの外径面を超仕上げ加工するものである。なお、砥石56は、エアシリンダ57のロッド57aの下端に取り付けられた状態で砥石ホルダ58に上下方向移動可能に支持されており、そのエアシリンダ57の作動によって上下動し、エアシリンダ57および砥石ホルダ58と一体に揺動するようになっている。
【0010】
このようなスルーフィード加工方式の加工機は、連続的に送り込まれる被加工物に砥石を押し付けて、同時に複数個の被加工物の加工を行うことができるため、生産性が非常に高いという特長がある。
【0011】
一方、一般的な加工設備では、それ自体から発生する熱(加工熱、モータやスピンドル等の構成部品から発生する熱)や、雰囲気温度、クーラント温度等の影響を受けて膨張したり収縮したりするため、砥石等の加工具と被加工物との位置関係が変化し(この現象を「温度ドリフト」と呼ぶ。)、結果的に加工順列とともに加工寸法が徐々に変化していくことが多い。
【0012】
そして、振動式ボウルフィーダでは、上流側工程から排出された部品を、ランダムに(上流側工程での加工順列とは無関係に)ボウル底部に集積した後、1個ずつ下流側工程に供給するため、振動式ボウルフィーダの下流側の工程では上流側の工程とは異なる加工順列で部品の加工が行われることになる。
【0013】
したがって、振動式ボウルフィーダの下流側にスルーフィード加工方式の加工機が接続されている場合、その下流側の加工機では、同時に加工される部品(被加工物)の間で加工前の寸法誤差のバラツキが大きくなるので、部品と砥石との間の面圧のバラツキも大きくなり、加工精度が低下して、一部の部品で加工後の寸法や表面性状が許容範囲から外れるおそれがある。
【0014】
また、振動式ボウルフィーダでは、搬送中の部品が、振動によって、あるいは姿勢不良のために排除されて、搬送路からボウル底部へ落下し、落下した部品がボウル底部の部品に衝突することにより、両方の部品に打ちキズ等が発生し、製品となった部品の外観品質に悪影響を与えるおそれもある。
【0015】
そこで、本発明は、上流側工程から排出された部品を、上流側工程での順列を保持したまま集積し、表面キズを発生させることなく搬送して、下流側工程に供給できる部品集積装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の課題を解決するために、本発明は、部品生産ラインの所定の2つの工程の間に設置され、その2つの工程のうちの上流側工程から排出される部品を集積し、下流側工程に供給する部品集積装置において、前記上流側工程の部品排出口に一端部を接続され、前記下流側工程の部品供給口に他端部を接続されるホースを、円筒状の中心部材の外周と内周の少なくとも一方に螺旋状に配置してなる部品集積部と、前記部品集積部に前記中心部材の軸心まわりのねじり振動を付与する振動発生部とを備え、前記ホースは、その内径が所定の姿勢の部品を1個だけ通過可能とする寸法に形成されており、前記上流側工程の部品排出口から排出された部品が、所定の姿勢で1個ずつ前記ホースの一端部に進入し、前記部品集積部のねじり振動によって前記ホース内を搬送されていき、進入時と同じ順番で前記ホースの他端部から前記下流側工程の部品供給口に供給される構成を採用した。
【0017】
すなわち、部品生産ラインの所定の2つの工程をつなぐホースを、円筒状の中心部材の外周と内周の少なくとも一方に螺旋状に配置して部品集積部とし、そのホースの内径を所定の姿勢の部品が1個だけ通過可能な寸法とし、部品集積部にねじり振動を付与してホース内の部品を搬送する構成とすることにより、上流側工程から排出された部品を、ホース内で上流側工程の順列通りに集積し、部品どうしの衝突による表面キズを発生させることなく搬送して、下流側工程に供給できるようにしたのである。
【0018】
上記の構成において、前記ホースを、前記中心部材の外周と内周の少なくとも一方に着脱可能に配置されているものとすれば、集積・搬送の対象となる部品の種類やサイズが変わった場合にも、変更後の部品に応じた内径のホースに交換するだけで対応でき、段取作業が効率よく行えるようになる。
【0019】
また、前記ホース内に部品とともに潤滑用の液体が供給されるようにすれば、その液体が搬送方向の前後の部品どうしの間に介在するようになり、より確実に部品の表面キズの発生を防止することができる。
【0020】
また、前記振動発生部を、前記部品集積部に付与するねじり振動のねじり方向を反転できる構成とすれば、部品を上り方向で搬送するか下り方向で搬送するかを選択できるようになるので、上流側工程および下流側工程を含めたレイアウトの自由度が大きくなる。
【0021】
そして、前記振動発生部としては、前記中心部材が取り付けられる上部振動体と、前記上部振動体の下方に設置される基台と、前記中心部材の周方向に所定の間隔で配され、前記上部振動体と基台を連結する複数の弾性部材と、前記上部振動体と基台の間に水平方向の振動を発生させる加振機構とからなるものを採用することができる。
【0022】
本発明は、前記所定の2つの工程が部品の加工工程である場合に、特に効果的に適用することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の部品集積装置は、上述したように、所定の姿勢の部品が1個だけ通過可能な内径のホースを、円筒状の中心部材の外周と内周の少なくとも一方に螺旋状に配置して部品集積部とし、その部品集積部にねじり振動を付与してホース内の部品を搬送するようにしたので、上流側工程から排出された部品を、上流側工程の順列を保持したまま集積・搬送して、下流側工程に供給することができる。
【0024】
したがって、この部品集積装置を設置した部品生産ラインでは、部品集積装置の上流側工程および下流側工程が加工工程である場合、上流側工程で加工設備の温度ドリフト等によって部品の加工寸法が加工順列とともに変化していても、下流側工程で上流側工程と同じ加工順列で部品加工を行えるので、上流側工程の寸法誤差のバラツキが下流側工程の加工精度に及ぼす影響が少なく、加工完了後の部品寸法精度を向上させることができる。
【0025】
また、本発明の部品集積装置では、部品をホースに通して集積・搬送するので、部品どうしの衝突による表面キズを発生させるおそれがなく、製品となった部品の表面品質の向上も図れる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図4】集積および搬送の対象となる部品の一例を示す斜視図
【
図6】スルーフィード加工方式の加工機の一例を示す斜視図
【
図7】(a)はスルーフィード加工方式の加工機の別の例を示す一部切欠き正面図、(b)は(a)のVII-VII線に沿った断面図
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、
図1乃至
図5に基づき、本発明の実施形態を説明する。この部品集積装置は、部品生産ラインの所定の2つの工程の間に設置されるもので、
図1乃至
図3に示すように、部品集積部1と、部品集積部1の下側面に接続される振動発生部2とからなり、
図4に示すように軸方向の一端側P1が他端側P2よりも大径に形成された筒状の部品P、具体的には円錐ころ軸受に組み込まれる円錐ころを集積および搬送の対象としている。そして、図示は省略するが、この部品集積装置の上流側の工程は部品Pの外周面を粗研削する工程であり、部品集積装置の下流側の工程は、部品Pの外周面をスルーフィード加工方式で仕上げ研削する工程である。
【0028】
前記部品集積部1は、
図1乃至
図3に示すように、円筒状の中心部材3の外周に樹脂製のホース4を螺旋状に巻き付けた(配置した)もので、中心部材3の外周の上端側から離れていくホース4の一端部が上流側工程の部品排出口(図示省略)に接続され、中心部材3の外周の下端側から離れていくホース4の他端部が下流側工程の部品供給口(図示省略)に接続され、部品Pを下り方向で搬送するようになっている。そのホース4は、中心部材3の上端側および下端側において中心部材3の外周から離れる位置の近傍で、それぞれホース固定具5によって中心部材3に固定されており、各ホース固定具5を取り外すことにより容易に着脱できるようになっている。
【0029】
そして、前記ホース4は、
図5に示すように、その内径が所定の姿勢(ここでは軸方向をホース4の径方向と直交する方向に向けた姿勢)の部品Pを1個だけ通過可能とする寸法に形成されている。ここで、集積・搬送の対象となる部品の種類やサイズが変われば、ホースの内径も変える必要があるが、上記のようにホースは中心部材の外周に着脱可能に巻き付けているので、部品変更時の段取作業はホースを変更後の部品に応じた内径のものに交換するだけでよく、手間がかからない。
【0030】
また、図示は省略するが、ホース4内には部品Pとともに潤滑用の液体として洗浄油や研削クーラント等が供給され、ホース4内の各部品Pがその前後の部品Pとの接触、ホースとの接触による表面キズを生じにくいようになっている。
【0031】
前記振動発生部2は、一般的な構造の振動式ボウルフィーダのボウルを取り外したもので、
図1および
図2に示すように、部品集積部1の中心部材3が取り付けられる円板状の上部振動体6と、上部振動体6の下方に設置される基台7と、中心部材3の周方向に所定の間隔で配され、上部振動体6と基台7を連結する複数の弾性部材としての板ばね8とを備えている。各板ばね8は、それぞれ鉛直面に対して同じ角度だけ傾斜した姿勢で、上部振動体6および基台7に取り付けられている。また、上部振動体6の外周には板ばね8を覆う円筒状のカバー9が取り付けられており、基台7は床上に固定された防振ゴム等の防振部材10によって支持されている。
【0032】
そして、図示は省略するが、上部振動体6と基台7の間には水平方向の振動を発生させる加振機構が設けられている。その加振機構は、基台7に取り付けられる交流電磁石と上部振動体6に取り付けられる可動鉄心とからなり、その電磁石と可動鉄心との間に作用する断続的な電磁吸引力によって上部振動体6を振動させるものである。これにより、振動発生部2がその上部振動体6から部品集積部1に中心部材3の軸心まわりのねじり振動を付与し、中心部材3の外周に螺旋状に巻き付けられたホース4の内部を部品Pが搬送されるようになっている。
【0033】
なお、この実施形態では部品Pを下り方向で搬送しているが、振動発生部2は加振機構の配置等を変えるだけで、部品集積部1に付与するねじり振動のねじり方向を反転できる構成となっているので、部品Pを上り方向で搬送するように変更することもできる。そして、このように搬送方向を選択できることにより、上流側工程および下流側工程を含めたレイアウトの自由度が大きくなっている。
【0034】
この部品集積装置は、上記の構成であり、上流側工程の部品排出口から排出された部品Pが、所定の姿勢で1個ずつホース4の一端部に進入し、部品集積部1のねじり振動によってホース4内を搬送されていき、進入時と同じ順番でホース4の他端部から下流側工程の部品供給口に供給されるようになっている。すなわち、上流側工程から排出された部品Pを、上流側工程の加工順列を保持したまま集積・搬送して、下流側工程に供給することができる。
【0035】
したがって、上流側工程で粗研削設備の温度ドリフト等によって部品Pの外径寸法が加工順列とともに変化していても、下流側工程では上流側工程と同じ加工順列で仕上げ研削を行えるので、スルーフィード加工方式の研削機で同時に研削される部品Pは、加工前の寸法誤差のバラツキが小さく、ほぼ同じ面圧で砥石を押し付けられることになる。これにより、従来の振動式ボウルフィーダを用いた場合に比べて、上流側工程での外径寸法誤差のバラツキが下流側工程の研削精度に及ぼす影響が少なくなり、研削完了後の部品Pの外径寸法精度を向上させることができる。
【0036】
また、従来の振動式ボウルフィーダでは、搬送中の部品が搬送路からボウル底部へ落下し、落下した部品とボウル底部の部品の衝突により両方の部品に打ちキズ等が発生することがあるのに対し、この部品集積装置では、部品Pをホース4に通して集積・搬送するので、部品Pどうしの衝突による表面キズを発生させるおそれがなく、また、ホース4内には、前述したように部品Pとともに潤滑用液体が供給されていて部品P同士等の接触も防いでいるので、研削完了後の部品Pの表面品質の向上を図ることもできる。
【0037】
また、この部品集積装置では、上流側工程から受け入れたすべての部品Pを搬送中に上流側へ戻すことなく下流側工程に供給するので、振動式ボウルフィーダと同等以上の部品供給能力が得られる。
【0038】
さらに、全体的な構造としては、一般的な振動式ボウルフィーダのボウルを部品集積部1に代えたものとなっているので、市販の振動式ボウルフィーダの改造により容易に製作することができる。そして、既設の部品生産ラインで工程間の部品搬送にホースを用いた搬送方式を採用している場合は、その工程間の部品搬送用ホースの途中に部品集積部1のホース4を接続するだけで、部品Pの集積・搬送の機能を発揮できるようになるという利点もある。
【0039】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0040】
例えば、実施形態の部品集積部は、円筒状の中心部材の外周にホースを螺旋状に巻き付けたものとしたが、そのホースは中心部材の内周に螺旋状に配置してもよいし、中心部材の外周と内周の両方に螺旋状に配置してもよい。
【0041】
また、部品集積部では、実施形態のようにホース内に潤滑用の液体を供給することが望ましいが、前後の部品どうしの接触による部品の搬送方向端部の表面キズがあまり問題とならないような場合には、ホース内への液体の供給を行わないようにして構造の簡素化を図ることもできる。
【0042】
また、ホースの材質は、実施形態のような樹脂に限らず、金属製のパイプなどの中空状のものを用いることができる。
【0043】
また、実施形態では、振動発生部として一般的な振動式ボウルフィーダの一部を利用するようにしたが、振動発生部の構成はこれに限らず、部品集積部にねじり振動を付与することができるようになっていればよい。
【0044】
そして、本発明は、実施形態で説明したような円錐ころを集積・搬送の対象とする部品集積装置に限らず、各種のころ軸受のころ等で、部品生産ラインの途中でスルーフィード加工方式による加工を受ける部品を対象とし、スルーフィード加工方式による加工を行う工程とその上流側の工程の間に設置される部品集積装置に広く効果的に適用できる。
【0045】
さらに、本発明の部品集積装置は、部品生産ラインの2つの加工工程の間に設置されるだけでなく、検査・搬送・投入等にも使用することができる。
【符号の説明】
【0046】
1 部品集積部
2 振動発生部
3 中心部材
4 ホース
5 ホース固定具
6 上部振動体
7 基台
8 板ばね
9 カバー
10 防振部材
P 部品(円錐ころ)