(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-08
(45)【発行日】2022-09-16
(54)【発明の名称】内視鏡装置、内視鏡装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
H04N 5/225 20060101AFI20220909BHJP
A61B 1/00 20060101ALI20220909BHJP
A61B 1/045 20060101ALI20220909BHJP
A61B 1/06 20060101ALI20220909BHJP
A61B 1/12 20060101ALI20220909BHJP
G02B 23/24 20060101ALI20220909BHJP
G03B 7/093 20210101ALI20220909BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20220909BHJP
G03B 15/02 20210101ALI20220909BHJP
H04N 5/232 20060101ALI20220909BHJP
H04N 5/235 20060101ALI20220909BHJP
H04N 7/18 20060101ALI20220909BHJP
【FI】
H04N5/225 500
A61B1/00 512
A61B1/00 640
A61B1/045 622
A61B1/045 631
A61B1/045 632
A61B1/06 511
A61B1/06 612
A61B1/12 542
G02B23/24 B
G03B7/093
G03B15/00 L
G03B15/02 F
H04N5/225 430
H04N5/225 600
H04N5/232 941
H04N5/235 300
H04N5/235 400
H04N7/18 M
(21)【出願番号】P 2018068585
(22)【出願日】2018-03-30
【審査請求日】2020-10-26
(73)【特許権者】
【識別番号】322004393
【氏名又は名称】株式会社エビデント
(74)【代理人】
【識別番号】110002907
【氏名又は名称】特許業務法人イトーシン国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】阿部 真幸
【審査官】高野 美帆子
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-022834(JP,A)
【文献】特開2001-157666(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/225
A61B 1/06
A61B 1/00
A61B 1/045
A61B 1/12
G02B 23/24
H04N 7/18
H04N 5/235
H04N 5/232
G03B 7/093
G03B 15/02
G03B 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿入部と、
前記挿入部の基端が接続される筐体と、
前記筐体に着脱自在に取り付けられ、被検体に照射する照明光を前記挿入部に供給する光源ユニットと、
前記光源ユニットに設けられた光源の種別を判別する判別部と、
前記被検体の像に基づく画像を生成する撮像素子と、
制御部と、を備え、
前記光源ユニットは、白色光を発光する光源を備えた光源ユニット、或いは赤外線光を発光する光源を備えた光源ユニットであって、前記筐体に選択的に取り付けられ、
前記制御部は、前記判別部が判別した前記光源の種別に応じて前記被検体の観察時における光量を制御するための設定を変更し、前記判別部が判別した結果に応じて、前記撮像素子の露光時間、或いは前記光源に供給する駆動電流の電流値のうち少なくとも一つを変更し、前記判別部が判別した前記光源が前記赤外線光を発光する光源である場合、前記白色光を発光する前記光源よりも前記撮像素子の露光時間が長くなるように設定を変更する
ことを特徴とする内視鏡装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記判別部が判別した前記光源が前記赤外線光を発光する前記光源である場合、前記撮像素子の前記露光時間の設定変更に伴い、前記撮像素子のフレームレートが小さくなるように設定を変更する
ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項3】
挿入部と、
前記挿入部の基端が接続される筐体と、
前記筐体に着脱自在に取り付けられ、被検体に照射する照明光を前記挿入部に供給する光源ユニットと、
前記光源ユニットに設けられた光源の種別を判別する判別部と、
前記被検体の像に基づく画像を生成する撮像素子と、
制御部と、を備え、
前記光源ユニットは、白色光を発光する光源を備えた光源ユニット、或いは紫外線光を発光する光源を備えた光源ユニットであって、前記筐体に選択的に取り付けられ、
前記制御部は、前記判別部が判別した前記光源の種別に応じて前記被検体の観察時における光量を制御するための設定を変更し、前記判別部が判別した結果に応じて、前記撮像素子の露光時間、或いは前記光源に供給する駆動電流の電流値のうち少なくとも一つを変更し、前記判別部が判別した前記光源が前記紫外線光を発光する光源である場合、前記白色光を発光する前記光源よりも前記撮像素子の露光時間が長くなるように設定を変更する
ことを特徴とする内視鏡装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記判別部が判別した前記光源が前記紫外線光を発光する前記光源である場合、前記撮像素子の前記露光時間の設定変更に伴い、前記撮像素子のフレームレートが小さくなるように設定を変更する
ことを特徴とする請求項3に記載の内視鏡装置。
【請求項5】
挿入部と、
前記挿入部の基端が接続される筐体と、
前記筐体に着脱自在に取り付けられ、被検体に照射する照明光を前記挿入部に供給する光源ユニットと、
前記光源ユニットに設けられた光源の種別を判別する判別部と、
制御部と、を備え、
前記筐体は、紫外線光を発光する前記光源を備えた前記光源ユニットを取り付けることが可能であり、
前記制御部は、前記判別部が判別した前記光源の種別に応じて前記被検体の観察時における光量を制御するための設定を変更し、前記光源が前記紫外線光を発光する前記光源である場合、検査者に対して注意を促すための警報を行う
ことを特徴とする内視鏡装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記判別部が判別した前記光源が前記紫外線光を発光する前記光源である場合、前記光源を発光させる前に音による警報を行う
ことを特徴とする請求項3に記載の内視鏡装置。
【請求項7】
被検体の像に基づく画像を生成する撮像素子と、
前記撮像素子が生成した前記画像を表示する表示部と、を更に備え、
前記制御部は、前記判別部が判別した前記光源が前記紫外線光を発光する前記光源である場合、前記光源を発光させる前に前記表示部に対する表示による警報を行う
ことを特徴とする請求項5に記載の内視鏡装置。
【請求項8】
前記筐体は、基準となる光源を有する前記光源ユニット、或いは、前記基準となる前記光源よりも光量が大きい他の光源を有する前記光源ユニットを選択的に取り付けることが
可能であり、
前記制御部は、前記判別部が判別した光源が前記他の光源である場合、前記基準となる前記光源よりも駆動電流の電流値が大きくなるように設定を変更する
ことを特徴とする請求項1又は3に記載の内視鏡装置。
【請求項9】
挿入部と、
前記挿入部の基端が接続される筐体と、
前記筐体に着脱自在に取り付けられ、被検体に照射する照明光を前記挿入部に供給する光源ユニットと、
前記光源ユニットに設けられた光源の種別を判別する判別部と、
制御部と、を備え、
前記筐体は、基準となる光源を有する前記光源ユニット、或いは、前記基準となる前記光源よりも光量が大きい他の光源を有する前記光源ユニットを選択的に取り付けることが可能であり、
前記制御部は、前記判別部が判別した前記光源の種別に応じて前記被検体の観察時における光量を制御するための設定を変更し、光源が前記他の光源である場合、前記基準となる前記光源よりも駆動電流の電流値が大きくなるように設定を変更し、
前記光量が大きい前記他の光源を有する前記光源ユニットは、当該光源ユニットを冷却する冷却ファンを備えることを特徴とする内視鏡装置。
【請求項10】
前記筐体は、前記光源の種類が異なる複数種類の前記光源ユニットが選択的に取り付けられ、
前記光源ユニットは、前記筐体に取り付けられた前記光源ユニットの前記光源の種類を前記制御部に識別させるための識別部を備える
ことを特徴とする請求項1又は3に記載の内視鏡装置。
【請求項11】
前記撮像素子が生成した前記画像を表示する表示部と、を更に備え、
前記制御部は、前記判別部が判別した光源に関する情報を前記表示部に表示する
ことを特徴とする請求項1又は3に記載の内視鏡装置。
【請求項12】
挿入部と、前記挿入部の基端が接続される筐体と、前記筐体に着脱自在に取り付けられ、被検体に照射する照明光を前記挿入部に供給する光源ユニットと、前記光源ユニットに設けられ
た光源の種別を判別する判別部と、前記被検体の像に基づく画像を生成する撮像素子と、制御部と、を備え、前記光源ユニットは、白色光を発光する光源を備えた光源ユニット、或いは赤外線光を発光する光源を備えた光源ユニットであって、前記筐体に選択的に取り付けられる内視鏡の制御方法であって、
前記制御部は、前記判別部が判別した前記光源の種別に応じて前記被
検体の観察時における光量を制御するための設定を変更し、前記判別部が判別した結果に応じて、前記撮像素子の露光時間、或いは前記光源に供給する駆動電流の電流値のうち少なくとも一つを変更し、前記判別部が判別した前記光源が前記赤外線光を発光する光源である場合、前記白色光を発光する前記光源よりも前記撮像素子の露光時間が長くなるように設定を変更することを特徴とする内視鏡装置の制御方法。
【請求項13】
挿入部と、前記挿入部の基端が接続される筐体と、前記筐体に着脱自在に取り付けられ、被検体に照射する照明光を前記挿入部に供給する光源ユニットと、前記光源ユニットに設けられた光源の種別を判別する判別部と、前記被検体の像に基づく画像を生成する撮像素子と、制御部と、を備え、前記光源ユニットは、白色光を発光する光源を備えた光源ユニット、或いは紫外線光を発光する光源を備えた光源ユニットであって、前記筐体に選択的に取り付けられる内視鏡装置の制御方法において、
前記制御部は、前記判別部が判別した前記光源の種別に応じて前記被検体の観察時における光量を制御するための設定を変更し、前記判別部が判別した結果に応じて、前記撮像素子の露光時間、或いは前記光源に供給する駆動電流の電流値のうち少なくとも一つを変更し、前記判別部が判別した前記光源が前記紫外線光を発光する光源である場合、前記白色光を発光する前記光源よりも前記撮像素子の露光時間が長くなるように設定を変更することを特徴とする内視鏡装置の制御方法。
【請求項14】
挿入部と、前記挿入部の基端が接続される筐体と、前記筐体に着脱自在に取り付けられ、被検体に照射する照明光を前記挿入部に供給する光源ユニットであって基準となる光源を有する光源ユニット及び前記基準となる前記光源よりも光量が大きい他の光源を有する光源ユニットと、前記光量が大き
い他の光源
を有する光源ユニットに備えられた当該光源ユニットを冷却する冷却ファンと、前記光源ユニットに設けられた光源の種別を判別する判別部と、制御部と、を備え、前記筐体は、前記基準となる光源を有する前記光源ユニット、或いは、前記基準となる前記光源よりも光量が大きい他の光源を有する前記光源ユニットを選択的に取り付けることが可能な内視鏡装置の制御方法であって、前記制御部は、前記判別部が判別した前記光源の種別に応じて前記被検体の観察時における光量を制御するための設定を変更し、光源が前記他の光源である場合、前記基準となる前記光源よりも駆動電流の電流値が大きくなるように設定を変更することを特徴とする内視鏡装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源ユニットを選択的に着脱可能な内視鏡装置、内視鏡装置の制御方法
に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、内視鏡装置は、工業分野及び医療分野において広く利用されている。工業分野において、内視鏡装置は、例えば、ボイラ、タービン、エンジンなどの内部の傷や腐食を検査(観察)するために使用される。
【0003】
このような検査では、内視鏡装置の工場などの施設への持ち込みや屋外への持ち出し等、持ち運びを容易にすることが求められる。このため、特に、工業用の内視鏡装置では、挿入部に連設される操作部に、光源ユニット、各種制御ユニット、及び、電源ユニット等の各種機能ユニットを一体的に設けた構成が知られている。
【0004】
このように各種機能ユニットを操作部に設けた内視鏡装置の使い勝手を向上させるための技術として、例えば、特許文献1には、ヒートシンクを一体に備えた素子ユニット(光源ユニット)を操作部に対して着脱自在な構成とすることにより、発光素子の冷却効率を向上しつつ、万一、発光素子が寿命等によって発光不能となった場合にも、ユーザーによる光源ユニットの交換を可能とする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述のように持ち運びが可能な内視鏡装置の操作部に光源ユニットを設ける場合、当該光源ユニットは、小型且つ簡単な構成であることが求められる。従って、この種の内視鏡装置では、多岐に渡る検査等の用途に応じて最適な照明光を供給することが困難な場合がある。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、用途に応じて適切な照明光を用い、被検体
の観察を適切に行うことができる内視鏡装置、内視鏡装置の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様による内視鏡装置は、挿入部と、前記挿入部の基端が接続される筐体と、前記筐体に着脱自在に取り付けられ、被検体に照射する照明光を前記挿入部に供給する光源ユニットと、前記光源ユニットに設けられた光源の種別を判別する判別部と、前記被検体の像に基づく画像を生成する撮像素子と、制御部と、を備え、前記光源ユニットは、白色光を発光する光源を備えた光源ユニット、或いは赤外線光を発光する光源を備えた光源ユニットであって、前記筐体に選択的に取り付けられ、前記制御部は、前記判別部が判別した前記光源の種別に応じて前記被検体の観察時における光量を制御するための設定を変更し、前記判別部が判別した結果に応じて、前記撮像素子の露光時間、或いは前記光源に供給する駆動電流の電流値のうち少なくとも一つを変更し、前記判別部が判別した前記光源が前記赤外線光を発光する光源である場合、前記白色光を発光する前記光源よりも前記撮像素子の露光時間が長くなるように設定を変更する。
本発明の他態様による内視鏡装置は、挿入部と、前記挿入部の基端が接続される筐体と、前記筐体に着脱自在に取り付けられ、被検体に照射する照明光を前記挿入部に供給する光源ユニットと、前記光源ユニットに設けられた光源の種別を判別する判別部と、前記被検体の像に基づく画像を生成する撮像素子と、制御部と、を備え、前記光源ユニットは、白色光を発光する光源を備えた光源ユニット、或いは紫外線光を発光する光源を備えた光源ユニットであって、前記筐体に選択的に取り付けられ、前記制御部は、前記判別部が判別した前記光源の種別に応じて前記被検体の観察時における光量を制御するための設定を変更し、前記判別部が判別した結果に応じて、前記撮像素子の露光時間、或いは前記光源に供給する駆動電流の電流値のうち少なくとも一つを変更し、前記判別部が判別した前記光源が前記紫外線光を発光する光源である場合、前記白色光を発光する前記光源よりも前記撮像素子の露光時間が長くなるように設定を変更する。
本発明の他態様による内視鏡装置は、挿入部と、前記挿入部の基端が接続される筐体と、前記筐体に着脱自在に取り付けられ、被検体に照射する照明光を前記挿入部に供給する光源ユニットと、前記光源ユニットに設けられた光源の種別を判別する判別部と、制御部と、を備え、前記筐体は、紫外線光を発光する前記光源を備えた前記光源ユニットを取り付けることが可能であり、前記制御部は、前記判別部が判別した前記光源の種別に応じて前記被検体の観察時における光量を制御するための設定を変更し、前記光源が前記紫外線光を発光する前記光源である場合、検査者に対して注意を促すための警報を行う。
本発明の他態様による内視鏡装置は、挿入部と、前記挿入部の基端が接続される筐体と、前記筐体に着脱自在に取り付けられ、被検体に照射する照明光を前記挿入部に供給する光源ユニットと、前記光源ユニットに設けられた光源の種別を判別する判別部と、制御部と、を備え、前記筐体は、基準となる光源を有する前記光源ユニット、或いは、前記基準となる前記光源よりも光量が大きい他の光源を有する前記光源ユニットを選択的に取り付けることが可能であり、前記制御部は、前記判別部が判別した前記光源の種別に応じて前記被検体の観察時における光量を制御するための設定を変更し、光源が前記他の光源である場合、前記基準となる前記光源よりも駆動電流の電流値が大きくなるように設定を変更し、前記光量が大きい前記他の光源を有する前記光源ユニットは、当該光源ユニットを冷却する冷却ファンを備える。
【0009】
また、本発明の一態様による内視鏡装置の制御方法は、挿入部と、前記挿入部の基端が接続される筐体と、前記筐体に着脱自在に取り付けられ、被検体に照射する照明光を前記挿入部に供給する光源ユニットと、前記光源ユニットに設けられた光源の種別を判別する判別部と、前記被検体の像に基づく画像を生成する撮像素子と、制御部と、を備え、前記光源ユニットは、白色光を発光する光源を備えた光源ユニット、或いは赤外線光を発光する光源を備えた光源ユニットであって、前記筐体に選択的に取り付けられる内視鏡の制御方法であって、前記制御部は、前記判別部が判別した前記光源の種別に応じて前記被検体の観察時における光量を制御するための設定を変更し、前記判別部が判別した結果に応じて、前記撮像素子の露光時間、或いは前記光源に供給する駆動電流の電流値のうち少なくとも一つを変更し、前記判別部が判別した前記光源が前記赤外線光を発光する光源である場合、前記白色光を発光する前記光源よりも前記撮像素子の露光時間が長くなるように設定を変更する。
【0010】
本発明の他態様による内視鏡装置の制御方法は、挿入部と、前記挿入部の基端が接続される筐体と、前記筐体に着脱自在に取り付けられ、被検体に照射する照明光を前記挿入部に供給する光源ユニットと、前記光源ユニットに設けられた光源の種別を判別する判別部と、前記被検体の像に基づく画像を生成する撮像素子と、制御部と、を備え、前記光源ユニットは、白色光を発光する光源を備えた光源ユニット、或いは紫外線光を発光する光源を備えた光源ユニットであって、前記筐体に選択的に取り付けられる内視鏡装置の制御方法において、前記制御部は、前記判別部が判別した前記光源の種別に応じて前記被検体の観察時における光量を制御するための設定を変更し、前記判別部が判別した結果に応じて、前記撮像素子の露光時間、或いは前記光源に供給する駆動電流の電流値のうち少なくとも一つを変更し、前記判別部が判別した前記光源が前記紫外線光を発光する光源である場合、前記白色光を発光する前記光源よりも前記撮像素子の露光時間が長くなるように設定を変更することを特徴とする内視鏡装置の制御方法。
【0011】
本発明の他態様による内視鏡装置の制御方法は、挿入部と、前記挿入部の基端が接続される筐体と、前記筐体に着脱自在に取り付けられ、被検体に照射する照明光を前記挿入部に供給する光源ユニットであって基準となる光源を有する光源ユニット及び前記基準となる前記光源よりも光量が大きい他の光源を有する光源ユニットと、前記光量が大きい他の光源を有する光源ユニットに備えられた当該光源ユニットを冷却する冷却ファンと、前記光源ユニットに設けられた光源の種別を判別する判別部と、制御部と、を備え、前記筐体は、前記基準となる光源を有する前記光源ユニット、或いは、前記基準となる前記光源よりも光量が大きい他の光源を有する前記光源ユニットを選択的に取り付けることが可能な内視鏡装置の制御方法であって、前記制御部は、前記判別部が判別した前記光源の種別に応じて前記被検体の観察時における光量を制御するための設定を変更し、光源が前記他の光源である場合、前記基準となる前記光源よりも駆動電流の電流値が大きくなるように設定を変更する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、用途に応じた適切な照明光を用い、被検体の観察を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図2】光源ユニットを取り外した状態の内視鏡装置の斜視図
【
図3】光源ユニットを交換可能な内視鏡装置の機能ブロック図
【
図5】光源ユニットと光源取付部との接続状態を示す要部断面図
【
図6】光源取付部から光源ユニットを取り外した状態での要部断面図
【
図7】内視鏡装置の制御情報設定ルーチンを示すフローチャート(その1)
【
図8】内視鏡装置の制御情報設定ルーチンを示すフローチャート(その2)
【
図9】内視鏡装置の駆動制御ルーチンを示すフローチャート
【
図10】白色光を発光可能な第1の発光素子を光源とする第1の光源ユニットを用いた際の表示部の表示例を示す説明図
【
図11】赤外線光を発光可能な第2の発光素子を光源とする第2の光源ユニットを用いた際の表示部の表示例を示す説明図
【
図12】紫外線光を発光可能な第3の発光素子を光源とする第3の光源ユニットを用いた際の表示部の表示例を示す説明図
【
図13】第1発光素子よりも大光量の白色光を発光可能な第4の発光素子を光源とする第4の光源ユニットを用いた際の表示部の表示例を示す説明図
【
図14】紫外線光を発光可能な第3の発光素子が接続された際の警報画面の表示例を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の形態を説明する。図面は本発明の一実施形態に係り、
図1は内視鏡装置の斜視図、
図2は光源ユニットを取り外した状態の内視鏡装置の斜視図、
図3は光源ユニットを交換可能な内視鏡装置の機能ブロック図、
図4は光源ユニットと光源取付部とを示す斜視図、
図5は光源ユニットと光源取付部との接続状態を示す要部断面図、
図6は光源取付部から光源ユニットを取り外した状態での要部断面図、
図7,8は内視鏡装置の制御情報設定ルーチンを示すフローチャート、
図9は内視鏡装置の駆動制御ルーチンを示すフローチャート、
図10は白色光を発光可能な第1の発光素子を光源とする第1の光源ユニットを用いた際の表示部の表示例を示す説明図、
図11は赤外線光を発光可能な第2の発光素子を光源とする第2の光源ユニットを用いた際の表示部の表示例を示す説明図、
図12は紫外線光を発光可能な第3の発光素子を光源とする第3の光源ユニットを用いた際の表示部の表示例を示す説明図、
図13は第1発光素子よりも大光量の白色光を発光可能な第4の発光素子を光源とする第4の光源ユニットを用いた際の表示部の表示例を示す説明図、
図14は紫外線光を発光可能な第3の発光素子が接続された際の警報画面の表示例を示す説明図である。
【0015】
図1に示す内視鏡装置1は、例えば、工業分野において用いられる内視鏡装置であり、発電所内のガスタービンエンジンや配管等の被検体内に挿入可能な挿入部2と、挿入部2の基端に接続された操作部3と、操作部3に対して交換可能且つ着脱可能に取り付けられる光源ユニット4と、を有して構成されている。ここで、操作部3は、2種類以上の光源ユニット4を選択的に適宜交換して取り付けることが可能となっている。
【0016】
挿入部2は、先端側から順に、先端部5、湾曲部6、及び、可撓管部7が連設された可撓性を有する管状部品によって構成されている。
【0017】
図3に示すように、先端部5の内部には、撮像ユニット8が設けられている。この撮像ユニット8は、観察光学系8aと、この観察光学系8aの基端側に光学的に接続する撮像素子8bと、を有して構成されている。この撮像ユニット8の観察光学系8aの先端は、先端部5の外部に露出され、これにより、先端部5の先端面には観察窓が形成されている。
【0018】
また、先端部5の内部には、照明光学系9が設けられている。この照明光学系9の基端側には、ライトガイド10の先端が光学的に接続されている。また、照明光学系の先端は、先端部5の外部に露出され、これにより、先端部5の先端面には照明窓が形成されている。
【0019】
湾曲部6は、先端部5を所望の方向に向けるためのものであり、例えば、図示しない複数の湾曲駒が連設されて構成されている。ここで、本実施形態の湾曲部6は、上下左右方向を含む挿入軸O周りの全方向へと能動的に湾曲させうるように構成されている。
【0020】
なお、挿入部2の各部における上下左右方向とは、例えば、撮像素子8bによって撮像された画像の上下左右方向に対応付けて便宜的に定義されるものである。
【0021】
可撓管部7の内部には、ライトガイド10と、撮像素子8bに電気的に接続する信号線8cと、が挿通されると共に(
図3参照)、湾曲部6を湾曲動作させるための図示しない複数(例えば、4本)の牽引ワイヤ等が挿通されている。
【0022】
図1~
図3に示すように、操作部3は、例えば、略直方体形状をなす筐体としての操作部本体15を有して構成されている。
【0023】
ここで、操作部本体15は、使用者等が操作部3を長手方向に沿って把持するための把持部としての機能を有している。このため、操作部3は、使用者等に把持された状態に応じて姿勢が変化し得るが、説明を簡略にするため、操作部3の方向については、便宜上、長手方向の一端方向を先端方向、他端方向を基端方向と定義すると共に、長手方向に直交する4つの方向を上下左右方向と定義する。
【0024】
なお、操作部本体15の下面の先端側及び基端側には脚部16が突設され、これにより、本実施形態の操作部3は、机上等に載置して使用することも可能となっている。
【0025】
操作部本体15の先端側の上部には、扁平な略直方体形状をなす表示部17が一体的に設けられている。この表示部17の上面には、LCD(liquid crystal display)等のディスプレイ20が組み込まれている。
【0026】
ここで、操作部本体15を把持した際の使用者等によるディスプレイ20の視認性を向上させるため、本実施形態の表示部17は、操作部本体15の長手方向に対し、基端側から先端側に向けて所定の仰角にて傾斜するように配置されている。
【0027】
また、表示部17よりも基端側において、操作部本体15の上面には、凹部25が形成されている。この凹部25には、湾曲部6を湾曲操作するための湾曲レバー26と、表示部17(ディスプレイ20)に表示されるカーソル等を操作するためのポインティングデバイス27と、内視鏡装置1の各種機能等が割り当てられた複数のスイッチ28と、が配設されている。
【0028】
また、操作部本体15の先端には、表示部17の下方に光源ユニット4を着脱自在に取り付けるための光源取付部30が設けられている。
【0029】
図2~6に示すように、光源取付部30は、操作部本体15の先端から露出するように配置された板状の部品によって構成されている。そして、この光源取付部30によって形成された操作部本体15の先端面が、光源ユニット4が接離可能に接合するための被接合面31として設定されている。
【0030】
被接合面31上には円形の嵌合凹部31aが設けられ、この嵌合凹部31aの内側には、信号用端子32と一対の電源用端子33とが一体に収容されたコネクタ部34と、ライトガイド10の基端側と、が突設されている。
【0031】
また、光源取付部30には、嵌合凹部31aの左右両側に、光源ユニット4との位置決めを行うためのガイドピン31b及びガイド孔31cが設けられ、さらに、光源ユニット4を締結によって固定するためのネジ孔31dが設けられている。
【0032】
また、光源取付部30には、嵌合凹部31aよりも下側に偏倚した位置に、挿入部2の基端側が連設されている。
【0033】
光源ユニット4は、光源取付部30に対して着脱自在な板状の光源ユニット本体40を有する。
【0034】
この光源ユニット本体40の一方の面は、操作部本体15に設定された被接合面31と接合するための接合面41として設定されている。また、この光源ユニット本体40をヒートシンクとして機能させるため、当該光源ユニット本体40の他方の面には、複数の放熱板42が一体形成により突設されている。
【0035】
光源ユニット本体40の接合面41上には、操作部本体15の嵌合凹部31aに嵌合可能な円環状の嵌合凸部41aが設けられている。
【0036】
この嵌合凸部41aの内側には実装基板43が設けられ(
図5,6参照)、この実装基板43には、操作部本体15の信号用端子32に対応する信号用接点44と、操作部本体15の各電源用端子33電気的にそれぞれ対応する電源用接点45と、が設けられている。そして、光源ユニット4が操作部本体15に取り付けられたとき、信号用接点44及び各電源用接点45は、対応する信号用端子32及び各電源用端子33とそれぞれ電気的に接続するように構成されている。
【0037】
また、実装基板43には、発光ダイオード等の発光素子46が光源として実装され、この発光素子46が各電源用接点45と電気的に接続されている。ここで、発光素子46としては、例えば、基準となる標準的な光源として白色光を発光可能な第1の発光素子46A、赤外線光を発光可能な第2の発光素子46B、紫外線光を発光可能な第3の発光素子46C、或いは、第1の発光素子46Aよりも大光量の白色光を発光可能な第4の発光素子46Dの何れかが採用されている。ここで、例えば、第1~第3の発光素子46は定格電流が同等の発光素子によって構成されるものであるが、赤外線光を発光する第2の発光素子46B及び紫外線光を発光する第3の発光素子46Cは、白色光を発光する第1の発光素子46Aに比べ、同様の駆動制御を行った際の発光量が小さくなる。また、例えば、第4の発光素子46Dは、定格電流が第1の発光素子46Aよりも大きい発光素子によって構成されており、供給電流を高くすることによって第1の発光素子46Aよりも大光量の白色光を発光することが可能となっている。
【0038】
発光素子46(すなわち、第1~第4の発光素子46A~46Dの何れか)は、操作部本体15の嵌合凹部31aの内側に突出されたライトガイド10の基端に対応する位置に配置されている。また、発光素子46の発光面には、当該発光素子46から出射された照明光を集光するためのレンズ47が設けられている。そして、光源ユニット4が操作部本体15に取り付けられたとき、発光素子46は、出射光を、レンズ47によって集光させた後、ライトガイド10の基端に入射させるように構成されている。すなわち、光源ユニット4は、ライトガイド10を介して、照明光を挿入部2の照明光学系9に供給することが可能となっている。
【0039】
また、実装基板43には、発光素子46の種類に応じた識別信号を発生するための識別部として識別用抵抗48が実装され、この識別用抵抗48が信号用接点44と電気的に接続されている。
【0040】
識別用抵抗48としては、第1~第4の発光素子46A~46Dに対応付けて互いに異なる固有の抵抗値(第1~第4の抵抗値)が設定された第1~第4の識別用抵抗48A~48Dが採用されている。すなわち、識別用抵抗48としては、第1の抵抗値を有し、第1の発光素子46Aと共に実装基板43に実装される第1の識別用抵抗48A、第2の抵抗値を有し、第2の発光素子46Bと共に実装基板43に実装される第2の識別用抵抗48B、第3の抵抗値を有し、第3の発光素子46Cと共に実装基板43に実装される第3の識別用抵抗48C、或いは、第4の抵抗値を有し、第4の発光素子46Dと共に実装基板43に実装される第4の識別用抵抗48Dの何れかが採用されている。
【0041】
ここで、第4の発光素子46Dが光源として実装される光源ユニット4Dにおいては、冷却効率をより高めるための冷却ファン49が設けられ、この冷却ファン49は各電源用接点45と電気的に接続されている。
【0042】
また、光源ユニット本体40には、嵌合凸部41aの左右両側に、操作部本体15のガイドピン31b及びガイド孔31cに対応するガイド孔41b及びガイドピン41cが設けられ、さらに、ネジ孔31dに対応するネジ挿通孔41dが設けられている。
【0043】
また、光源ユニット本体40には、挿入部2の基端側との干渉を回避するため、逆U字状をなす逃げ溝41eが設けられている。
【0044】
なお、上述のように構成された光源ユニット4について、第1の発光素子46A及び第1の識別用抵抗48Aを実装した光源ユニットを第1の光源ユニット4Aと、第2の発光素子46B及び第2の識別用抵抗48Bを実装した光源ユニットを第2の光源ユニット4Bと、第3の発光素子46C及び第3の識別用抵抗48Cを実装した光源ユニットを第3の光源ユニット4Cと、第4の発光素子46D及び第4の識別用抵抗48Dを実装した光源ユニットを第4の光源ユニット4Dと、必要に応じて適宜区別して称する。
【0045】
このような光源ユニット4は、ガイド孔41bにガイドピン31bが挿入されると共に、ガイドピン41cがガイド孔31cに挿入されることにより、操作部本体15との間の位置決めがされる。また、このように位置決めされた状態において、嵌合凸部41aが嵌合凹部31aに嵌合することにより、信号用接点44及び各電源用接点45と信号用端子32及び各電源用端子33との電気的な接続、及び、発光素子48とライトガイド10との光学的な接続が実現される。そして、ネジ挿通孔41d及びネジ孔31dに挿通された図示しないネジによって光源ユニット4が操作部本体15に対して締結固定されることにより、上述の各接続状態が維持される。
【0046】
図3に示すように、このような内視鏡装置1の操作部3は、制御ユニット50と、電源供給回路51と、映像処理回路52と、を内部に有する。
【0047】
なお、本実施形態においては、操作部本体15の内部に制御ユニット50及び電源供給回路51を配置し、表示部17の内部に映像処理回路52を配置した一例について示しているが、これらの配置は操作部3の内部に配置される各種機構のレイアウト等に応じて適宜変更が可能である。例えば、制御ユニット50や電源供給回路51を表示部17の内部に配置することが可能であり、逆に、映像処理回路52を操作部本体15の内部に配置することも可能である。
【0048】
制御ユニット50は、内視鏡装置1の全体を統括的に制御するためのものであり、制御部55と、記憶媒体としての記憶部56と、を有して構成されている。ここで、記憶部56には、内視鏡装置1に対する各種制御プログラムや各種設定情報が予め記録されている。
【0049】
制御部55は、例えば、CPU等を中心として構成されている。この制御部55は、記憶部56に記録されている各種プログラムや各種設定情報を読み出し、ポインティングデバイス27やスイッチ28等から入力されるユーザーの操作信号に応じて、内視鏡装置1の各種制御を行う。例えば、制御部55は、撮像素子8b及び発光素子46の駆動制御、映像処理回路52を通じたディスプレイ20の表示制御等を行う。
【0050】
このような制御に際し、制御部55は、操作部3(操作部本体15)に対して現在取り付けられている光源ユニット4の光源の種別(すなわち、本実施形態においては、第1~第4の発光素子46A~46Dの何れかであるか)を判別する。すなわち、制御部55には信号用端子32が接続されており、制御部55は、光源ユニット4に実装された識別用抵抗48の抵抗値に応じた制御信号(電圧信号)に基づいて、発光素子46の種別を判別する。このように、本実施形態の制御部55は、判別部としての機能を実現する。
【0051】
そして、制御部55は、発光素子46の種別の判別結果に基づいて、被検体の観察時における光量を制御するための各種設定を適宜変更するとともに、表示部17等に表示する各種情報等の設定を適宜変更した上で、内視鏡装置1の各部に対する制御を行う。
【0052】
電源供給回路51は、制御部55からの制御信号に基づき、挿入部2及び操作部3の各部に対する電源供給を行うことが可能となっている。
【0053】
また、電源供給回路51には、光源取付部30に設けられた電源用端子33が電気的に接続されている。これにより、電源供給回路51は、光源取付部30(操作部本体15)に光源ユニット4が取り付けられている間は、当該光源ユニット4の発光素子46(及び、光源ユニット4が第4の光源ユニット4Dである場合には冷却ファン49)に対しても、制御部55からの制御信号に基づく電源供給を行うことが可能となっている。
【0054】
映像処理回路52には、例えば、撮像素子8bからの撮像信号が制御部55を介して入力されると共に、制御部55からの各種制御信号が入力される。そして、映像処理回路52は、入力信号に基づいて、表示部17のディスプレイ20に、内視鏡画像や検査情報等の付帯情報を表示するための映像信号を生成する。
【0055】
次に、操作部3に取り付けられる光源ユニット4に応じて変更される内視鏡装置1の制御情報設定制御について、
図7,8に示す制御情報設定ルーチンに従って説明する。
【0056】
このルーチンは、例えば、内視鏡装置1の電源がONされている間、記憶部56から読み出した制御プログラムに基づき、制御部55において設定時間毎に繰り返し実行されるものであり、ルーチンがスタートすると、制御部55は、先ず、ステップS101において、操作部3に対し光源ユニット4が正しく接続されているか否かを調べる。
【0057】
すなわち、制御部55は、例えば、信号用端子32から制御信号が入力されているか否かに基づいて、光源ユニット4が正しく接続されているか否かを調べる。
【0058】
そして、ステップS101において、信号用端子32からの信号が入力されておらず、操作部3から光源ユニット4が取り外されていると判定した場合、制御部55は、ステップS112に進み、内視鏡装置1の電源をOFFした後、ルーチンを抜ける。
【0059】
一方、ステップS101において、信号用端子32から所定の制御信号が入力されており、操作部3に対して光源ユニット4が正しく接続されていると判定した場合、制御部55は、ステップS102に進む。
【0060】
ステップS101からステップS102に進むと、制御部55は、信号用端子32から現在入力されている制御信号に基づき、操作部3に対して現在接続されている光源ユニット4の種類が第1~第4の光源ユニット4A~4Dのうちの何れであるかの判別を行い、その判別結果を記憶した後、ステップS103に進む。
【0061】
ステップS102からステップS103に進むと、制御部55は、ステップS102の判別結果に基づいて、現在、操作部3に対して光源ユニット4が交換された直後であるか否かを調べる。
【0062】
そして、ステップS103において、光源ユニット4が交換された直後でないと判定した場合、制御部55は、そのままルーチンを抜ける。
【0063】
一方、ステップS103において、光源ユニット4が交換された直後であると判定した場合、制御部55は、新たな光源ユニット4に基づく制御情報の変更を行うべく、ステップS104に進む。
【0064】
ステップS103からステップS104に進むと、制御部55は、操作部3に対して新たに接続された光源ユニット4が第1の光源ユニット4Aであるか否かを調べる。
【0065】
そして、ステップS104において、新たに接続された光源ユニット4が第1の光源ユニット4Aでないと判定した場合、制御部55は、ステップS106に進む。
【0066】
一方、ステップS104において、新たに接続された光源ユニット4が第1の光源ユニット4Aであると判定した場合、制御部55は、ステップS105に進み、記憶部56から第1の光源ユニット4Aに対応する制御情報(第1の制御情報)を読み出した後、ステップS106に進む。
【0067】
ステップS104或いはステップS105からステップS106に進むと、制御部55は、操作部3に対して新たに接続された光源ユニット4が第2の光源ユニット4Bであるか否かを調べる。
【0068】
そして、ステップS106において、新たに接続された光源ユニット4が第2の光源ユニット4Bでないと判定した場合、制御部55はステップS108に進む。
【0069】
一方、ステップS106において、新たに接続された光源ユニット4が第2の光源ユニット4Bであると判定した場合、制御部55は、ステップS107に進み、記憶部56から第2の光源ユニット4Bに対応する制御情報(第2の制御情報)を読み出した後、ステップS108に進む。
【0070】
ステップS106或いはステップS107からステップS108に進むと、制御部55は、操作部3に対して新たに接続された光源ユニット4が第3の光源ユニット4Cであるか否かを調べる。
【0071】
そして、ステップS108において、新たに接続された光源ユニット4が第3の光源ユニット4Cでないと判定した場合、制御部55はステップS110に進む。
【0072】
一方、ステップS108において、新たに接続された光源ユニット4が第3の光源ユニット4Cであると判定した場合、制御部55は、ステップS109に進み、記憶部56から第3の光源ユニット4Cに対応する制御情報(第3の制御情報)を読み出した後、ステップS110に進む。
【0073】
ステップS108或いはステップS109からステップS110に進むと、制御部55は、操作部3に対して新たに接続された光源ユニット4が第4の光源ユニット4Dであるか否かを調べる。
【0074】
そして、ステップS110において、新たに接続された光源ユニット4が第4の光源ユニット4Dでないと判定した場合、制御部55はステップS113(
図8参照)に進む。
【0075】
一方、ステップS110において、新たに接続された光源ユニット4が第4の光源ユニット4Dであると判定した場合、制御部55は、ステップS111に進み、記憶部56から第4の光源ユニット4Dに対応する制御情報(第4の制御情報)を読み出した後、ステップS113に進む。
【0076】
ステップS110或いはステップS111からステップS113に進むと、制御部55は、以下のステップS118までの処理において、上述のステップS105、ステップS107、ステップS109、或いは、ステップS111において読み出した制御情報に基づく各種制御情報の設定を行う。なお、制御情報の設定は、必ずしも以下に示す各種制御情報の全てを変更とする必要はなく、また、以下に示す制御情報以外の項目についても変更することも可能である。
【0077】
すなわち、ステップS113において、制御部55は、操作部3に対して現在接続されている光源ユニット4の種類に応じて使用者に通知すべき各種情報の設定を行う。
【0078】
例えば、制御部55は、操作部3に現在接続されている光源ユニット4の種類に応じたインジケータを、表示部17のディスプレイ20に表示するための設定を行う。さらに、例えば、操作部3に現在接続されている光源ユニット4が、紫外線光を発行可能な第3の発光素子46Cを実装した第3の光源ユニット4Cである場合、照明光の取扱いについて使用者に注意を促すための警報に関する設定を行う。
【0079】
続くステップS114において、制御部55は、発光素子46に供給する駆動電流の設定を行う。
【0080】
例えば、制御部55は、操作部3に現在接続されている光源ユニット4が第1~第3の光源ユニット4A~4Cのうちの何れかである場合には、デフォルトの駆動電流を設定する。一方、制御部55は、操作部3に現在接続されている光源ユニット4が第4の光源ユニット4Dである場合には、デフォルトの駆動電流よりも高い駆動電流を設定する。
【0081】
続くステップS115において、制御部55は、撮像素子8bの露光時間を設定する。
【0082】
例えば、制御部55は、操作部3に現在接続されている光源ユニット4が第1,第4の光源ユニット4A,4Dのうちの何れかである場合には、デフォルトの露光時間を設定する。一方、制御部55は、操作部3に現在接続されている光源ユニット4が第2,第3の光源ユニット4B,4Cのうちの何れかである場合には、デフォルトの露光時間よりも長い露光時間を設定する。
【0083】
続くステップS116において、制御部55は、撮像素子8bのフレームレートを設定する。
【0084】
例えば、制御部55は、操作部3に現在接続されている光源ユニット4が第1,第4の光源ユニット4A,4Dのうちの何れかである場合には、デフォルトのフレームレート(例えば、60fps)を設定する。一方、制御部55は、操作部3に現在接続されている光源ユニット4が第2,第3の光源ユニット4B,4Cのうちの何れかである場合には、撮像素子8bの露光時間を確保すべく、デフォルトのフレームレートよりも小さいフレームレート(例えば、30fps)を設定する。なお、操作部3に現在接続されている光源ユニット4が第2,第3の光源ユニット4B,4Cのうちの何れかである場合において、上述のステップS115において設定した露光時間がデフォルトのフレームレートによっても確保できる場合には、デフォルトのフレームレートを設定することも可能である。
【0085】
このように、本実施形態の制御情報設定ルーチンでは、ステップS114~ステップS117において、被検体の観察時における光量を制御するための各種設定が適宜変更される。
【0086】
続くステップS117において、制御部55は、操作部3の内部温度の閾値を設定した後、ルーチンを抜ける。
【0087】
例えば、制御部55は、操作部3に現在接続されている光源ユニット4が第1~第3の光源ユニット4A~4Cのうちの何れかである場合には、デフォルトの閾値を設定する。一方、制御部55は、操作部3に現在接続されている光源ユニット4が第4の光源ユニット4Dである場合には、冷却ファン49の作用により操作部3の内部温度が急激に上昇することが想定しづらいため、デフォルトの閾値よりも高い閾値を設定する。
【0088】
次に、上述の各種設定情報に基づいて行われる内視鏡装置1の駆動制御について、
図9に示す内視鏡装置1の駆動制御ルーチンに従って説明する。
【0089】
このルーチンは、例えば、内視鏡装置1の電源がONされている間、制御部55において設定時間毎に繰り返し実行されるものであり、ルーチンがスタートすると、制御部55は、先ず、ステップS201において、映像処理回路52を通じたディスプレイ20の表示制御を行う。
【0090】
この表示制御において、制御部55は、撮像素子8bからの撮像信号が入力されている場合には、当該映像信号に基づく内視鏡画像21をディスプレイ20に表示するための制御を行う(
図10~
図13参照)。
【0091】
また、制御部55は、内視鏡観察における付帯情報のうちの一つとして、上述のステップS113において設定したインジケータ22をディスプレイ20に表示するための表示制御を行う。
【0092】
この場合、例えば、操作部3に現在接続されている光源ユニット4が、白色光を発光可能な第1の発光素子46Aを実装した第1の光源ユニット4Aである場合、制御部55は、例えば、
図10に示すように、光源が点灯しているマークに「白色」の文字が付された第1のインジケータ22Aを表示するための制御を行う。
【0093】
また、例えば、操作部3に現在接続されている光源ユニット4が赤外線光を発光可能な第2の発光素子46Bを実装した第2の光源ユニット4Bである場合、制御部55は、例えば、
図11に示すように、光源が点灯しているマークに「IR」の文字が付された第2のインジケータ22Bを表示するための制御を行う。
【0094】
また、例えば、操作部3に現在接続されている光源ユニット4が紫外線光を発光可能な第3の発光素子46Cを実装した第3の光源ユニット4Cである場合、制御部55は、例えば、
図12に示すように、光源が点灯しているマークに「UV」の文字が付された第3のインジケータ22Cを表示する。
【0095】
また、例えば、操作部3に現在接続されている光源ユニット4が第1の発光素子46Aよりも大光量の白色光を発光可能な第4の発光素子46Dを実装した第4の光源ユニット4Dである場合、制御部55は、例えば、
図13に示すように、光源が大光量で点灯しているマークに「白色」の文字が付された第4のインジケータ22Dを表示するための制御を行う。
【0096】
ステップS201からステップS202に進むと、制御部55は、現在、観察制御中であるか否か(すなわち、撮像素子8b及び発光素子46等が駆動制御中であるか否か)を調べる。
【0097】
そして、ステップS202において、現在、観察制御中であると判定した場合、制御部55は、ステップS206に進み、観察制御をON/OFFするための観察スイッチがOFFされているか否かを調べる。なお、観察スイッチは、例えば、操作部本体15に設けられたスイッチ28のうちの何れかに割り当てられている。
【0098】
そして、制御部55は、ステップS206において、観察スイッチがOFFされていない(すなわち、ONされている)と判定した場合にはステップS207に進み、観察スイッチがOFFされていると判定した場合にはステップS209に進む。
【0099】
一方、ステップS202において、現在、観察制御中でないと判定した場合、制御部55は、ステップS203に進み、観察スイッチがONされたか否かを調べる。
【0100】
そして、ステップS203において、観察スイッチがONされていない(すなわち、OFFされている)と判定した場合、制御部55は、そのままルーチンを抜ける。
【0101】
一方、ステップS203において、観察スイッチがONされたと判定した場合、制御部55は、ステップS204に進み、操作部3に対して現在接続されている光源ユニット4が第3の光源ユニット4Cであるか否かを調べる。
【0102】
そして、ステップS204において、操作部3に現在接続されている光源ユニット4が第3の光源ユニット4Cであると判定した場合、制御部55は、ステップS205に進み、第3の光源ユニット4Cを駆動する前に、照明光の取扱いについて使用者に注意を促すための警報をスピーカ57(
図3参照)等を通じて出力するとともに、表示部17のディスプレイ20に対し、紫外線光の光源が接続された旨の警報(例えば、
図14参照)を出力した後、ステップS207に進む。なお、この警報は、スピーカ57によるもの或いはディスプレイ20によるものの何れかであってもよい。更に、警報の方法としては、振動等によるものであってもよい。
【0103】
ステップS204、ステップS205、或いは、ステップS206からステップS207に進むと、制御部55は、操作部3の内部温度が上述のステップS117において設定した閾値以上となっているか否かを調べる。
【0104】
そして、ステップS207において、操作部3の内部温度が閾値未満であると判定した場合、制御部55は、観察制御を実行した後、ルーチンを抜ける。
【0105】
すなわち、ステップS208において、制御部55は、例えば、上述のステップS114において設定した駆動電流に基づいて発光素子46を駆動制御するとともに、上述のステップS115において設定した露光時間及び上述のステップS116において設定したフレームレートに基づいて撮像素子8bを駆動制御する。
【0106】
また、ステップS206或いはステップS207からステップS209に進むと、制御部55は、観察制御を停止した後、ルーチンを抜ける。
【0107】
すなわち、ステップS209において、制御部55は、発光素子46の駆動を停止するとともに、撮像素子8bの駆動を停止する。
【0108】
このような実施形態によれば、被検体に照射する照明光を挿入部2に供給するための光源ユニット4が、操作部本体15に対して着脱自在に取り付けられる構成とし、操作部本体15に光源ユニット4が取り付けられた際に、制御部55が、光源ユニット4に設けられた発光素子46(光源)の種別を判別する手順と、判別した発光素子46の種別に応じて被検体の観察時における光量を制御するための設定を変更する手順と、を有することにより、用途に応じて適切な照明光を用い、被検体の観察を適切に行うことができる。
【0109】
すなわち、光源ユニット4を操作部本体15に対して着脱自在に取り付けられる構成とすることにより、用途に応じて適切な光源46を選択することができる。その上で、操作部本体15に光源ユニット4が取り付けられた際に、光源ユニット4に設けられた発光素子46の種別を判別し、判別した発光素子46の種別に応じて被検体の観察時における光量を制御するための設定を変更することにより、最適な光源により最適な光量での被検体の観察を実現することができる。
【0110】
この場合において、被検体の観察時における光量の制御としては、発光素子46に供給する駆動電流の電流値、撮像素子8bの露光時間のうちの少なくとも何れか一つに対する設定を変更することによって行うことにより、簡単な制御により被検体の観察を適切に行うことができる。その際、長い露光時間が必要な場合には、当該撮像素子8bのフレームレートを変更することにより、適切な露光時間を確保することができる。
【0111】
また、操作部3に対して現在接続されている光源の種類を表示部17のディスプレイ20に表示することにより、使用者に現在の光源の種別を的確に認識させることができる。
【0112】
また、紫外線光を発光可能な第3の光源ユニット4Cが接続された場合には、発光前に警報を行うことにより、より安全性に配慮した内視鏡装置1を実現することができる。
【0113】
なお、本発明は、以上説明した各実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲内である。
【0114】
例えば、上述の実施形態における制御部、記憶部、電源供給回路、及び、映像処理回路等の各機能部(回路)は、概念的なもので、必ずしも特定のハードウエアやソフトウエア・ルーチンに1対1には対応しないことは勿論である。
【0115】
また、上述の実施形態においては、操作部に対して表示部を一体的に設けた構成の一例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、操作部に対して表示部を別体で構成してもよい。
【符号の説明】
【0116】
1 … 内視鏡装置
2 … 挿入部
3 … 操作部
4 … 光源ユニット
4A … 第1の光源ユニット
4B … 第2の光源ユニット
4C … 第3の光源ユニット
4D … 第4の光源ユニット
5 … 先端部
6 … 湾曲部
7 … 可撓管部
8 … 撮像ユニット
8a … 観察光学系
8b … 撮像素子
8c … 信号線
9 … 照明光学系
10 … ライトガイド
15 … 操作部本体
16 … 脚部
17 … 表示部
20 … ディスプレイ
21 … 内視鏡画像
22A … 第1のインジケータ
22B … 第2のインジケータ
22C … 第3のインジケータ
22D … 第4のインジケータ
25 … 凹部
26 … 湾曲レバー
27 … ポインティングデバイス
28 … スイッチ
30 … 光源取付部
31 … 被接合面
31a … 嵌合凹部
31b … ガイドピン
31c … ガイド孔
31d … ネジ孔
32 … 信号用端子
33 … 電源用端子
34 … コネクタ部
40 … 光源ユニット本体
41 … 接合面
41a … 嵌合凸部
41b … ガイド孔
41c … ガイドピン
41d … ネジ挿通孔
41e … 逃げ溝
42 … 放熱板
43 … 実装基板
44 … 信号用接点
45 … 電源用接点
46 … 発光素子(光源)
46A … 第1の発光素子
46B … 第2の発光素子
46C … 第3の発光素子
46D … 第4の発光素子
47 … レンズ
48 … 識別用抵抗
48 … 発光素子
48A … 第1の識別用抵抗
48B … 第2の識別用抵抗
48C … 第3の識別用抵抗
48D … 第4の識別用抵抗
49 … 冷却ファン
50 … 制御ユニット
51 … 電源供給回路
52 … 映像処理回路
55 … 制御部
56 … 記憶部
57 … スピーカ