(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-08
(45)【発行日】2022-09-16
(54)【発明の名称】瓶口用キャップ
(51)【国際特許分類】
B65D 41/58 20060101AFI20220909BHJP
【FI】
B65D41/58
(21)【出願番号】P 2018247183
(22)【出願日】2018-12-28
【審査請求日】2021-07-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】小賀坂 優太
【審査官】加藤 信秀
(56)【参考文献】
【文献】特開昭55-116560(JP,A)
【文献】特開2012-232779(JP,A)
【文献】特開2017-197196(JP,A)
【文献】実開昭53-093343(JP,U)
【文献】特開平01-182259(JP,A)
【文献】特開2004-231278(JP,A)
【文献】実開平03-057511(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 41/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
瓶口内に着脱可能に嵌合される栓体と、
前記栓体から下方に向けて延び、瓶口の外周面を囲い、かつ径方向に貫く窓孔が形成された囲繞筒と、
前記窓孔の内側に配設された被係止片と、を備え、
前記被係止片は、前記窓孔の内面に、弾性変形可能に形成された連結片を介して連結され、前記囲繞筒の内側に向けて折り返し可能に配設され、
前記被係止片が、前記囲繞筒の内側に向けて折り返され、瓶口の外周面に形成された係止部に係止されることにより、瓶口に対する前記栓体の上方移動が規制され
、
前記栓体と前記囲繞筒とは、周方向に延びる破断可能な第1弱化部を介して連結され、
前記囲繞筒に、前記第1弱化部と前記窓孔とを接続する破断可能な第2弱化部と、前記窓孔から下方に向けて延びる破断可能な第3弱化部と、が形成されている、瓶口用キャップ。
【請求項2】
前記囲繞筒の下端部に、径方向に貫き、かつ下方に向けて開口した切欠き部が形成され、前記第3弱化部は、前記切欠き部と前記窓孔とを接続している、請求項
1に記載の瓶口用キャップ。
【請求項3】
前記被係止片は、前記窓孔から径方向の外側に向けて突出した突曲面状に形成されている、請求項1
または2に記載の瓶口用キャップ。
【請求項4】
前記連結片は、前記窓孔の内周面のうち、上端に位置して下方を向く上面に連結され、前記被係止片は、上方に向けて折り返し可能に配設されている、請求項1から
3のいずれか1項に記載の瓶口用キャップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、瓶口用キャップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば下記特許文献1に示されるように、瓶口内に着脱可能に嵌合される栓体と、栓体から下方に向けて延び、瓶口の外周面を囲う囲繞筒と、を備え、囲繞筒の内周面に被係止突部が形成され、この被係止突部が、瓶口の外周面に形成された係止凹部に係止されることにより、瓶口に対する栓体の上方移動が規制される瓶口用キャップが知られている。
ところで、瓶体内に充填する内容物の種類によっては、次のような殺菌洗浄処理を行う場合がある。
例えば、5℃程度の内容液を瓶体内に充填した後に、瓶口に瓶口用キャップを装着して瓶体内を密封し、その後、70℃程度の温水を瓶体に浴びせる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の瓶口用キャップでは、殺菌洗浄時に、熱による瓶口用キャップの軟化、並びに瓶体の内圧上昇などに起因して、瓶口から外れるおそれが考えられる。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、瓶口から外れにくい瓶口用キャップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明の瓶口用キャップは、瓶口内に着脱可能に嵌合される栓体と、前記栓体から下方に向けて延び、瓶口の外周面を囲い、かつ径方向に貫く窓孔が形成された囲繞筒と、前記窓孔の内側に配設された被係止片と、を備え、前記被係止片は、前記窓孔の内面に、弾性変形可能に形成された連結片を介して連結され、前記囲繞筒の内側に向けて折り返し可能に配設され、前記被係止片が、前記囲繞筒の内側に向けて折り返され、瓶口の外周面に形成された係止部に係止されることにより、瓶口に対する前記栓体の上方移動が規制され、前記栓体と前記囲繞筒とは、周方向に延びる破断可能な第1弱化部を介して連結され、前記囲繞筒に、前記第1弱化部と前記窓孔とを接続する破断可能な第2弱化部と、前記窓孔から下方に向けて延びる破断可能な第3弱化部と、が形成されている。
【0007】
この発明によれば、被係止片が、囲繞筒の内側に向けて折り返され、瓶口の外周面の係止部に係止されるので、連結片の弾性復元力により、被係止片を、瓶口の係止部に強く当接させることが可能になり、瓶口に対する瓶口用キャップの装着強度を高めることができる。これにより、例えば、瓶口用キャップが熱より軟化したり、瓶体の内圧が上昇したりしても、瓶口用キャップを瓶口から外れにくくすることができる。
被係止片が、囲繞筒の内側に向けて折り返された状態で、瓶口の係止部に係止されることから、被係止片のうち、囲繞筒の内側に向けて折り返された状態で、径方向の内側を向いて、係止部に係止される部分が、この折り返し前の状態では、径方向の外側を向くこととなる。したがって、この瓶口用キャップを、径方向に2分割された金型を用いて成形することによって、被係止片のうち、係止部に係止される部分の径方向の大きさを大きくしても、この部分を、脱型時に無理抜きをせずに容易かつ精度よく形成することができる。
【0009】
栓体と囲繞筒とが第1弱化部を介して連結され、囲繞筒に、第2弱化部および第3弱化部が形成されているので、囲繞筒の下端部のうち、第3弱化部に近接する部分を摘まんで引き上げたときに、第3弱化部、第2弱化部、および第1弱化部がこの順に破断されることとなる。これにより、被係止片を、瓶口の係止部から離間させることが可能になり、栓体を瓶口に対して上昇させて瓶口を開封することができる。
第1弱化部が、全周にわたって延びている場合、第1弱化部の全周を破断することにより、栓体から、被係止片、および囲繞筒の全体を分離することができる。
【0010】
また、前記囲繞筒の下端部に、径方向に貫き、かつ下方に向けて開口した切欠き部が形成され、前記第3弱化部は、前記切欠き部と前記窓孔とを接続してもよい。
【0011】
この場合、囲繞筒の下端部に、径方向に貫き、かつ下方に向けて開口した切欠き部が形成されていて、第3弱化部が、切欠き部と窓孔とを接続しているので、囲繞筒の下端部における切欠き部の開口周縁部を摘まんで引き上げることで、第3弱化部を容易に破断することが可能になり、開封時の操作性を向上させることができる。
【0012】
また、前記被係止片は、前記窓孔から径方向の外側に向けて突出した突曲面状に形成されてもよい。
【0013】
この場合、被係止片が、窓孔から径方向の外側に向けて突出した突曲面状に形成されているので、被係止片のうち、係止部に係止される部分の径方向の大きさが確保されることとなり、瓶口に対する瓶口用キャップの装着強度を確実に高めることができる。
被係止片のうち、係止部に係止される部分が、突曲面状に形成されているので、瓶口用キャップを瓶口に装着する際に、被係止片を、引っ掛かり少なく円滑に瓶口の外周面上を摺動させて係止部に到達させることができる。
【0014】
また、前記連結片は、前記窓孔の内周面のうち、上端に位置して下方を向く上面に連結され、前記被係止片は、上方に向けて折り返し可能に配設されてもよい。
【0015】
この場合、連結片が、窓孔の内周面のうち、上端に位置して下方を向く上面に連結され、被係止片が、上方に向けて折り返し可能に配設されているので、被係止片を囲繞筒の内側に上方に向けて折り返した状態で、この瓶口用キャップを瓶口に打栓により装着する際に、被係止片がめくれて折り返す前の元の姿勢に戻るのを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、瓶体の内圧が上昇しても瓶口から外れにくくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明に係る一実施形態として示した瓶口用キャップの側面図である。
【
図2】
図1に示す瓶口用キャップを瓶口に装着した状態を示す半縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態に係る瓶口用キャップ1について説明する。
瓶口用キャップ1は、
図1および
図2に示されるように、栓体11、囲繞筒12、および被係止片13を備えている。図示の例では、栓体11は、有頂筒状に形成されており、栓体11、および囲繞筒12は、共通軸Oと同軸に配設されている。
以下、この共通軸Oに沿う方向を上下方向といい、上下方向から見て、共通軸Oに交差する方向を径方向といい、共通軸O回りに周回する方向を周方向という。
【0019】
図2に示されるように、栓体11は、頂壁部25、および頂壁部25から下方に向けて延びる周壁部26を備え、周壁部26が瓶口W内に着脱可能に嵌合される。
周壁部26の上端部の外周面に、径方向の外側に向けて突出し、上下方向に延びる突リブ26aが周方向に間隔をあけて複数形成されている。突リブ26aの下端面が、瓶口Wの上端開口縁に当接する。
【0020】
頂壁部25は、閉塞板15、および外筒16を備えている。閉塞板15の外径は、周壁部26の外径より大きく、閉塞板15の外周部は、周壁部26より径方向の外側に位置している。閉塞板15の下面に、突リブ26aの上端部が接続されている。外筒16は、閉塞板15の外周縁部から下方に向けて延びている。外筒16の下端開口縁は、周壁部26の下端開口縁より上方に位置している。
【0021】
瓶口用キャップ1を瓶口Wに装着した状態で、外筒16の外周面は、瓶口Wの外周面より径方向の外側に位置し、外筒16の内周面は、瓶口Wの外周面より径方向の内側に位置する。瓶口用キャップ1を瓶口Wに装着した状態で、外筒16の下端開口縁、および瓶口Wの上端開口縁それぞれの上下方向の位置は互いに同等になり、外筒16は、瓶口Wに対して非接触となる。
【0022】
囲繞筒12は、栓体11から下方に向けて延び、瓶口Wの外周面を囲う。図示の例では、囲繞筒12の上端開口縁は、栓体11の外筒16の下端開口縁に、破断可能な第1弱化部17を介して連結されており、囲繞筒12および栓体11は一体に形成されている。第1弱化部17は、全周にわたって連続して延びている。
囲繞筒12の下端部に、径方向に貫き、かつ下方に向けて開口した切欠き部18が形成されている。切欠き部18は、下方に向かうに従い、周方向の大きさが大きくなっている。切欠き部18の内面のうち、周方向で互いに対向する側面は、径方向の外側から見て、周方向の内側に向けて突の曲線状を呈する。
【0023】
囲繞筒12に、径方向に貫く窓孔19が形成されている。窓孔19は、囲繞筒12に周方向に間隔をあけて複数形成されている。窓孔19は、囲繞筒12に周方向に等間隔をあけて3つ以上(図示の例では4つ)形成されている。窓孔19は、囲繞筒12における上下方向の中央部に配設されている。窓孔19は、径方向の外側から見て、周方向に長い長方形状を呈する。周方向で隣り合う窓孔19同士の間の間隔は、窓孔19の周方向の大きさより小さくなっている。
【0024】
囲繞筒12に、第1弱化部17と窓孔19とを接続する破断可能な第2弱化部21と、窓孔19から下方に向けて延びる破断可能な第3弱化部22と、が形成されている。第2弱化部21、および第3弱化部22は、同一の窓孔19における周方向の一方側の端部に接続されている。
第2弱化部21は、窓孔19の4つの角部のうち、上端に位置して、周方向の一方側に向けて尖る角部から、周方向の一方側に向かうに従い、上方に向けて延び、第1弱化部17に接続されている。
【0025】
第3弱化部22は、窓孔19が有する4つの角部のうち、下端に位置して、周方向の一方側に向けて尖る角部から、周方向の他方側に向かうに従い、下方に向けて延びている。第3弱化部22、および第2弱化部21それぞれの、上下方向に対する傾斜角度は、互いに同等になっている。第3弱化部22の長さは、第2弱化部21の長さより短くなっている。
【0026】
第3弱化部22は、切欠き部18と窓孔19とを接続している。第3弱化部22は、切欠き部18の内面のうち、上端に位置して下方を向く上面に接続されている。第3弱化部22は、切欠き部18の上面における周方向の一方側の端部に接続されている。
切欠き部18の内面のうち、上面における周方向の一方側の端部と、側面と、の接続部分は、周方向の一方側に向けて尖る角部とされ、上面における周方向の他方側の端部と、側面と、の接続部分は、周方向の他方側に向けて窪む曲面状に形成されている。
【0027】
被係止片13は、窓孔19の内側に配設されている。被係止片13は、窓孔19の内面に、弾性変形可能に形成された連結片23を介して連結され、囲繞筒12の内側に向けて折り返し可能に配設されている。
図2に示されるように、被係止片13が、囲繞筒12の内側に向けて折り返され、瓶口Wの外周面に形成された係止部W1に係止されることにより、瓶口Wに対する栓体11の上方移動が規制される。係止部W1は、瓶口Wの上端部の外周面に形成され、径方向の内側に向けて窪む曲面状に形成されている。係止部W1は、全周にわたって連続して延びている。
【0028】
図示の例では、連結片23は、窓孔19の内周面のうち、上端に位置して下方を向く上面に連結されており、被係止片13は、上方に向けて折り返し可能に配設されている。連結片23は、窓孔19の上面と、被係止片13の上端部と、を連結している。
【0029】
被係止片13、および連結片23はそれぞれ、径方向の外側から見て、周方向に長い長方形状を呈する。被係止片13、および連結片23それぞれの周方向の長さは互いに同等になっている。被係止片13、および連結片23それぞれの周方向の中央部の位置は互いに一致している。被係止片13、および連結片23それぞれの周方向の両端部は、窓孔19の内周面から周方向に離れている。
【0030】
被係止片13は、窓孔19から径方向の外側に向けて突出した突曲面状に形成されている。被係止片13の表面のうち、径方向の外側を向く外面の少なくとも一部は、囲繞筒12の外周面より径方向の外側に位置している。上下方向に沿う縦断面視において、被係止片13の外面、および瓶体Wの係止部W1それぞれにおける曲率半径は互いに同等になっている。
【0031】
被係止片13の表面のうち、径方向の内側を向く内面は、連結片23の表面のうち、径方向の内側を向く内面にほぼ段差なく連なっている。連結片23の内面は、囲繞筒12の内周面にほぼ段差なく連なっている。連結片23の表面のうち、径方向の外側を向く外面は、囲繞筒12の外周面より径方向の内側に位置している。連結片23の厚さは、囲繞筒12の厚さより薄くなっている。
【0032】
次に、瓶口用キャップ1を、瓶口Wに装着する方法について説明する。
まず、冶具などを用いて、連結片23を弾性変形させながら、被係止片13を囲繞筒12の内側に上方に向けて折り返す。この状態で、栓体11の周壁部26を瓶口W内に嵌合し、突リブ26aの下端面を、瓶口Wの上端開口縁に突当てる。この際、被係止片13の外面が、瓶口Wの外周面に摺接しながら係止部W1に到達したときに、被係止片13が係止部W1内に進入して係止される。これにより、瓶口Wに対する栓体11の上方移動が規制される。
この状態で、被係止片13の内面は、囲繞筒12の内周面に当接若しくは近接し、被係止片13のうち連結片23と反対側の自由端が、囲繞筒12の内周面に形成され、かつ下方を向く段面12aに当接する。囲繞筒12の内周面のうち、段面12aの上方に位置する上端部が、瓶口Wの外周面のうち、係止部W1の上方に位置する部分に当接する。
【0033】
次に、瓶口用キャップ1が装着された瓶口Wを開封する方法について説明する。
囲繞筒12の下端部における切欠き部18の開口周縁部のうち、周方向の一方側に位置して第3弱化部22に近接する部分を摘まんで引き上げると、まず、第3弱化部22が破断し、この破断部分が窓孔19に達する。この操作を継続すると、次に、第2弱化部21が破断し、この破断部分が第1弱化部17に達する。そして、囲繞筒12におけるこれらの破断部分を、周方向の一方側に向けて引張することで、第1弱化部17が破断される。第1弱化部17が全周にわたって破断されると、栓体11から、被係止片13、および囲繞筒12の全体を分離することができる。
【0034】
以上説明したように、本実施形態による瓶口用キャップ1によれば、被係止片13が、囲繞筒12の内側に向けて折り返され、瓶口Wの外周面の係止部W1に係止されるので、連結片23の弾性復元力により、被係止片13を、瓶口Wの係止部W1に強く当接させることが可能になり、瓶口Wに対する瓶口用キャップ1の装着強度を高めることができる。これにより、例えば、瓶口用キャップ1が熱より軟化したり、瓶体の内圧が上昇したりしても、瓶口用キャップ1を瓶口Wから外れにくくすることができる。
【0035】
被係止片13が、囲繞筒12の内側に向けて折り返された状態で、瓶口Wの係止部W1に係止されることから、被係止片13のうち、囲繞筒12の内側に向けて折り返された状態で、径方向の内側を向いて、係止部W1に係止される部分が、この折り返し前の状態では、径方向の外側を向くこととなる。したがって、この瓶口用キャップ1を、径方向に2分割された金型を用いて成形することによって、被係止片13のうち、係止部W1に係止される部分の径方向の大きさを大きくしても、この部分を、脱型時に無理抜きをせずに容易かつ精度よく形成することができる。
【0036】
栓体11と囲繞筒12とが第1弱化部17を介して連結され、囲繞筒12に、第2弱化部21および第3弱化部22が形成されているので、囲繞筒12の下端部のうち、第3弱化部22に近接する部分を摘まんで引き上げたときに、第3弱化部22、第2弱化部21、および第1弱化部17がこの順に破断されることとなる。これにより、被係止片13を、瓶口Wの係止部W1から離間させることが可能になり、栓体11を瓶口Wに対して上昇させて瓶口Wを開封することができる。
【0037】
囲繞筒12の下端部に、径方向に貫き、かつ下方に向けて開口した切欠き部18が形成されていて、第3弱化部22が、切欠き部18と窓孔19とを接続しているので、囲繞筒12の下端部における切欠き部18の開口周縁部を摘まんで引き上げることで、第3弱化部22を容易に破断することが可能になり、開封時の操作性を向上させることができる。
【0038】
被係止片13が、窓孔19から径方向の外側に向けて突出した突曲面状に形成されているので、被係止片13のうち、係止部W1に係止される部分の径方向の大きさが確保されることとなり、瓶口Wに対する瓶口用キャップ1の装着強度を確実に高めることができる。
被係止片13のうち、係止部W1に係止される部分が、突曲面状に形成されているので、瓶口用キャップ1を瓶口Wに装着する際に、被係止片13を、引っ掛かり少なく円滑に瓶口Wの外周面上を摺動させて係止部W1に到達させることができる。
【0039】
連結片23が、窓孔19の内周面のうち、上端に位置して下方を向く上面に連結され、被係止片13が、上方に向けて折り返し可能に配設されているので、被係止片13を囲繞筒12の内側に上方に向けて折り返した状態で、この瓶口用キャップ1を瓶口Wに打栓により装着する際に、被係止片13がめくれて折り返す前の元の姿勢に戻るのを防ぐことができる。
【0040】
本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0041】
例えば前記実施形態では、栓体11、および囲繞筒12が一体に形成された構成を示したが、別体としてもよい。
例えば、囲繞筒12を、頂壁部および周壁部を有する有頂筒状に形成し、囲繞筒12の頂壁部の下面を、栓体11の頂壁部25の上面に配置し、囲繞筒12の周壁部に窓孔19を形成し、囲繞筒12の周壁部のうち、窓孔19および被係止片13より上方に位置する部分に、第1弱化部17を形成してもよい。
【0042】
連結片23は、窓孔19の内周面のうち、下端に位置して上方を向く下面に連結され、被係止片13が、下方に向けて折り返し可能に配設されてもよく、また、連結片23は、窓孔19の内周面のうち、周端に位置して周方向を向く側面に連結され、被係止片13が、周方向に折り返し可能に配設されてもよい。
係止部W1を突部とし、被係止片13の外面に窪み部を形成してもよい。
【0043】
囲繞筒12に、第1弱化部17、第2弱化部21、第3弱化部22、および切欠き部18を形成しなくてもよい。
第1弱化部17は、全周にわたって延びていなくてもよい。
前記実施形態では、第2弱化部21、および第3弱化部22が、同一の窓孔19における周方向の一方側の端部に接続された構成を示したが、第2弱化部21、および第3弱化部22のうちのいずれか一方を、窓孔19における周方向の一方側の端部に接続し、いずれか他方を、この窓孔19における周方向の他方側の端部に接続してもよい。
第2弱化部21と第3弱化部22とは、窓孔19を介さず直接、接続されてもよい。
【0044】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0045】
1 瓶口用キャップ
11 栓体
12 囲繞筒
13 被係止片
17 第1弱化部
18 切欠き部
19 窓孔
21 第2弱化部
22 第3弱化部
23 連結片
W 瓶口
W1 係止部