(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-08
(45)【発行日】2022-09-16
(54)【発明の名称】ガラス基板輸送構造物および方法
(51)【国際特許分類】
B65D 85/48 20060101AFI20220909BHJP
【FI】
B65D85/48
(21)【出願番号】P 2018539216
(86)(22)【出願日】2016-10-18
(86)【国際出願番号】 KR2016011708
(87)【国際公開番号】W WO2017069496
(87)【国際公開日】2017-04-27
【審査請求日】2019-10-17
(31)【優先権主張番号】10-2015-0145684
(32)【優先日】2015-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517449431
【氏名又は名称】コーニング プレシジョン マテリアルズ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CORNING PRECISION MATERIALS CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】ムン,サング
(72)【発明者】
【氏名】キム,ドンウ
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジェジョン
(72)【発明者】
【氏名】ウ,インソク
(72)【発明者】
【氏名】チェ,ウォンソク
(72)【発明者】
【氏名】ハン,ユリ
【審査官】杉田 剛謙
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-126257(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第101575036(CN,A)
【文献】特開2005-239184(JP,A)
【文献】特開2011-140336(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第101016104(CN,A)
【文献】特開2007-030938(JP,A)
【文献】国際公開第2014/024229(WO,A1)
【文献】国際公開第2009/75136(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/48
B65B 23/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のガラス基板を梱包するためのカセットにおいて、
一連の積み重ねたガラス基板の底面を覆う底部カバーと、
前記一連の積み重ねたガラス基板の裏面を覆う裏部カバーと、
前記一連の積み重ねたガラス基板の両側の側面を覆う両側の側部カバーと、
前記一連の積み重ねたガラス基板の前面を覆う前部カバーと、
前記一連の積み重ねたガラス基板の上面を覆う上部カバーと、
前記前部カバーと、前記一連の積み重ねたガラス基板との間に挟んだ前部パッドと
を含み、
前記底部カバー、前記裏部カバー、および、前記両側の側部カバーは、ハウジングカバーを形成し、前記前部カバー、および、前記上部カバーは、前記ハウジングカバーに連結されて、それにより、
前記一連の積み重ねたガラス基板と対向する前記底部カバーの内面と、前記裏部カバーの内面とが互いに垂直である状態で前記一連の積み重ねたガラス基板を中に梱包し、前記一連の積み重ねたガラス基板の重量が加わっても、前記裏部カバーが垂直状態の場合と、該裏部カバーが傾斜状態の場合の両方で、該裏部カバーと該底部カバーとは互いに垂直なままであり、
前記前部カバーは、前記前部パッドを介して、前記一連の積み重ねたガラス基板と密着して固定する格子部を含むことを特徴とするカセット。
【請求項2】
前記底部カバー、および前記裏部カバーの少なくとも1つと、前記一連の積み重ねたガラス基板との間に挟んだ少なくとも1つのパッドを、
更に含む、請求項1に記載のカセット。
【請求項3】
一連の積み重ねたガラス基板を中に梱包するカセットを載置するアダプターにおいて、
前記一連の積み重ねたガラス基板を中に梱包したカセットの底面が据えられる底枠部と、
前記底枠部に連結されて、前記カセットの裏面を支持する後枠部と、
を含み、
前記底枠部と前記後枠部が隣接する位置に回転シャフトを設けて、前記底枠部と前記後枠部が前記回転シャフトを中心に回転して、垂直状態から傾斜状態に、およびその逆になるように構成され、
前記カセットに対向する前記底枠部の上面は、水平面または傾斜面を形成し、該カセットに対向する前記後枠部の前面は、垂直面または傾斜面を形成し、前記底枠部の上面と前記後枠部の前面は互いに垂直なままであり、
前記カセットは、前記カセットの前部と、前記一連の積み重ねたガラス基板との間に挟んだ前部パッド、および前記前部パッドを介して、前記一連の積み重ねたガラス基板と密着して固定する格子部を含むアダプター。
【請求項4】
アダプターにおいて、
一連の積み重ねたガラス基板を中に梱包したカセットの底面が据えられる底枠部と、
前記底枠部に連結されて、前記カセットの裏面を支持する後枠部と、
を含み、
前記底枠部と前記後枠部が隣接する位置に回転シャフトを設けて、前記底枠部と前記後枠部が前記回転シャフトを中心に回転して、垂直状態から傾斜状態に、およびその逆になるように構成され、
前記カセットに対向する前記底枠部の上面は、水平面または傾斜面を形成し、該カセットに対向する前記後枠部の前面は、垂直面または傾斜面を形成し、前記底枠部の上面と前記後枠部の前面は互いに垂直なままであり、
前記カセットに対向する前記後枠部の前面が垂直面を形成する場合に、前記カセットの前面を支持する前枠部を、
更に含み、
前記カセットに対向する前記前枠部の裏面は、垂直面を形成するものであるアダプター。
【請求項5】
ガラス基板輸送構造物において、
一連の積み重ねたガラス基板を中に梱包するカセットと、
前記一連の積み重ねたガラス基板を中に梱包した前記カセットが載置されるアダプターと、
を含み、
前記アダプターが、前記カセットが傾斜状態で載置される傾斜状態と、該カセットが垂直状態で載置される垂直状態とを有するものであり、
前記カセットが、前記一連の積み重ねたガラス基板を中に梱包した梱包構造物を変化させずに、前記アダプターから分離可能な独立体であり、前記梱包構造物は、前記一連の積み重ねたガラス基板の底面と裏面とを互いに垂直にさせるものであり、
前記カセットは、前記セットの前部と、前記一連の積み重ねたガラス基板との間に挟んだ前部パッド、および前記前部パッドを介して、前記一連の積み重ねたガラス基板と密着して固定する格子部を含むガラス基板輸送構造物。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、米国特許法第119条の下、2015年10月19日出願の韓国特許出願第10-2015-0145684号の優先権の利益を主張し、その内容は依拠され、全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本開示は、ガラス基板を輸送するためのカセット、アダプターおよび構造物、並びに、それらを用いて、ガラス基板を輸送する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ガラス基板は、表示装置、建物、輸送手段、太陽電池などの様々な利用例で使用されている。ガラス基板は、ガラス原料を溶融させて、溶融材料を基板の形状に加工することによって、製造しうる。製造したガラス基板を、購入注文に応じて製造会社から購入会社に輸送する必要がある場合に、輸送コストを削減するために、一連の積み重ねたガラス基板を1つのガラス基板輸送構造物にまとめて梱包している。
【0004】
図17は、従来のガラス基板輸送構造物400(特許文献1)を概略的に示す斜視図である。
【0005】
図17に示すように、一連の積み重ねたガラス基板を傾斜状態で輸送構造物400に梱包して、輸送する。
【0006】
ガラス基板を保護するために、紙のシートをガラス基板間に挟んでいる。
【0007】
しかしながら、従来のガラス基板輸送構造物400は、以下の点で改良を必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
まず、一連の積み重ねたガラス基板を傾斜状態で梱包するので、ガラス基板の重量が、紙のシートに加わる。加わった重量により、ガラス基板と紙のシートとの間で摩擦を生じ、紙のシートから粒子が落ちる。
【0010】
したがって、粒子を除去するために、酸を用いた清浄動作を必要とする。清浄動作自体が、時間とコストを生じる動作である。更に、清浄動作は、輸送後に行われなくてはならないので、ほとんどの場合、清浄動作はガラス基板の購入者側で行われる。清浄動作が必要なことは、ガラス基板製造会社に対する顧客の不満となっている。
【0011】
更に、紙のシートとガラス基板との間の摩擦は、ガラス基板の表面品質を低下させる(スクラッチ、汚れなど)。
【0012】
更に、一連の互いに積み重ねたガラス基板のうちの前方のガラス基板の重量が累積して、後方のガラス基板に加わる。ガラス基板の重量が、非均一に集中することで、前方の基板の品質が、後方の基板の品質と異なるものとなる。
【0013】
更に、従来のガラス基板輸送構造物400は、比較的広い領域を占有する。例えば、そのようなガラス基板輸送構造物400を、輸送手段の積載領域またはコンテナの中に置いて出荷する場合に、一度に輸送できるガラス基板の量が制限される。このことは、ロジスティックスのコストの上昇という不都合を生じる。
【0014】
この不都合は、輸送距離が長いと、より鮮明になる。
【0015】
ここまでの記載した情報は、背景技術のより良い理解のためだけに示したものであり、この情報が当業者には既知であろう従来例を形成すると、自認、または、何らかの示唆を行ったと捉えるべきではない。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本開示の様々な態様は、粒子の量を削減することを意図する。
【0017】
酸を用いて粒子を除去する清浄動作の必要性をなくすことも、意図する。
【0018】
輸送中のガラス基板の表面品質低下を防ぐことも、意図する。
【0019】
複数のガラス基板の表面品質が互いに異なってしまうのを防ぐことも、意図する。
【0020】
ロジスティックスコストの削減も、意図する。
【0021】
一態様によれば、複数のガラス基板を梱包するためのカセットは、一連の積み重ねたガラス基板の底面を覆う底部カバーと、一連の積み重ねたガラス基板の裏面を覆う裏部カバーとを含む。一連の積み重ねたガラス基板と対向する、底部カバーの内面と裏部カバーの内面とは、互いに垂直である。
【0022】
他の態様によれば、アダプターは、一連の積み重ねたガラス基板を中に梱包したカセットの底面が据えられる底枠部と、底枠部に連結されて、カセットの裏面を支持する後枠部とを含む。カセットに対向する後枠部の前面は、垂直面を形成し、カセットに対向する底枠部の上面は、水平面を形成する。
【0023】
更に他の態様によれば、ガラス基板輸送構造物は、一連の積み重ねたガラス基板を中に梱包するカセットと、一連の積み重ねたガラス基板を中に梱包したカセットが載置されるアダプターとを含む。カセットは、アダプターから分離可能な独立体である。
【0024】
他の態様によれば、ガラス基板輸送方法は、一連の積み重ねたガラス基板を中に梱包したカセットを、傾斜状態で第1の傾斜アダプター上に載置するように、セットする第1の動作工程と、カセットを、第1の傾斜アダプターから分離して、カセットを垂直に載置した状態で、陸上輸送手段、海上輸送手段、および、空路輸送手段の少なくとも1つで輸送する第2の動作工程とを含む。
【0025】
第2の動作工程は、カセットを、第1の傾斜アダプターから分離する工程と、カセットを、垂直アダプターに載置する工程と、カセットが載置された垂直アダプターを、輸送手段で輸送する工程とを含んでもよい。
【0026】
第2の動作工程は、カセットを、第1の傾斜アダプターから分離する工程と、カセットを、輸送手段に積載する工程と、カセットを、ガイドによって、垂直状態で輸送手段に固定する工程と、カセットを輸送する工程とを含んでもよい。更に、第2の動作工程は、カセットを輸送手段から降ろす工程と、カセットを、垂直状態でラック上に載置する工程と、垂直状態でラック上に載置したカセットを保管する工程とを、更に含んでもよい。
【0027】
ガラス基板輸送方法は、カセットを、1つの輸送手段から降ろして、カセットを、傾斜状態で、第2の傾斜アダプター上に載置する第3の動作工程を、更に含んでもよい。
【0028】
本開示によれば、理想的には、ガラス基板の重量は、ガラス基板の間に挟んだ紙のシートに加わらず、それにより、ガラス基板と紙のシートの間の摩擦が、大きく削減される。したがって、紙のシートから落ちる粒子の量を大きく削減できる。
【0029】
更に、酸を用いて、粒子を除去する清浄動作の必要性をなくすことができる。
【0030】
更に、ガラス基板と紙のシートの間の摩擦を削減することによって、ガラス基板の表面品質を高めることもできる。
【0031】
更に、理想的には、ガラス基板のうちの1つのガラス基板の重量は、ガラス基板のうちの他のガラス基板に加わらず、それにより、ガラス基板の重量が非均一に集中するのを防ぐことができる。したがって、複数のガラス基板の表面品質を均一に維持できる。
【0032】
更に、より多くのカセットを、同じコンテナ、または、同じ輸送手段の積載領域に積載でき、それにより、一度に輸送出荷する量を、大きく増やすことができる。したがって、ロジスティックスコストを、大きく削減できる。
【0033】
本開示の方法および装置は、他の特徴および利点も有し、それは、本開示の原理を説明する役割を共に果たすものである、本明細書に組み込まれる添付の図面および以下の詳細な記載から、明らかとなるか、または、非常に詳細に示される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】一連の積み重ねたガラス基板を、例示的な実施形態によるカセットに梱包した梱包構造物を、概略的に示す分解斜視図である。
【
図2】例示的な実施形態による傾斜アダプターを、概略的に示す斜視図である。
【
図3】例示的な実施形態による垂直アダプターを、概略的に示す側立面図である。
【
図4】
図1に示したカセットを、
図2に示した傾斜アダプター上に載置した構造物を、概略的に示す斜視図である。
【
図5】
図1に示したカセットを、
図3に示した垂直アダプター上に載置した構造物を、概略的に示す斜視図である。
【
図6】従来のガラス基板輸送構造物の試験の結果を示す図である。
【
図7】
図4および5に示したガラス基板輸送構造物の試験の結果を示す図である。
【
図8】従来のガラス基板輸送構造物と、
図4および5に示したガラス基板輸送構造物とに対する比較試験の結果を示す図である。
【
図9】従来のガラス基板輸送構造物と、
図4および5に示したガラス基板輸送構造物とに対する比較試験の結果を示す図である。
【
図10】従来のガラス基板輸送構造物と、
図4および5に示したガラス基板輸送構造物とに対する比較試験の結果を示す図である。
【
図11】第1の例示的な実施形態によるガラス基板輸送方法を、概略的に示す図である。
【
図12】第2の例示的な実施形態によるガラス基板輸送方法を、概略的に示す図である。
【
図13】
図12に示したガラス基板輸送方法の利点を、従来のガラス基板輸送方法と比較して示す図である。
【
図14】
図12に示したガラス基板輸送方法の利点を、従来のガラス基板輸送方法と比較して示す図である。
【
図15】第3の例示的な実施形態によるガラス基板輸送方法を、概略的に示す図である。
【
図16】第4の例示的な実施形態によるガラス基板輸送方法を、概略的に示す図である。
【
図17】従来のガラス基板輸送構造物を概略的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
ここで、添付の図面に示すと共に以下に記載した本開示の例示的な実施形態を、本開示に関連する分野の当業者が本開示を容易に実施できるように、詳細に記載する。
【0036】
本明細書を通して、同じ、または、類似した構成要素を指すのに、異なる図でも同じ参照番号および記号を用いた図面を、参照すべきである。以下の記載において、本明細書に組み入れた既知の機能および構成要素の詳細な記載は、そのような記載を含むことで本開示の主題が不明瞭になる場合には、省略する。
【0037】
図1は、一連の積み重ねたガラス基板Gを、例示的な実施形態によるカセット200に梱包した梱包構造物を、概略的に示す分解斜視図である。
【0038】
一連の積み重ねたガラス基板Gを、カセット200に梱包する。カセット200は、少なくとも底部カバー211および裏部カバー213を含む。
図1に示した実施形態において、カセット200は、底部カバー211および裏部カバー213の他にも、両側の側部カバー212、前部カバー217、および、上部カバー216を含む。
【0039】
一連の積み重ねたガラス基板Gの底面、裏面、側面、前面、および、上面は、底部、裏部、側部、前部、および、上部カバーで覆われる。一連の積み重ねたガラス基板Gの底面、側面および上面は、立位状態の複数のガラス基板の底面同士、側面同士、および、上面同士をつなげることによって形成された表面である。
【0040】
底部カバー211、裏部カバー213、および、側部カバー212は、一体に提供されてもよく、それにより、ハウジングカバー214を形成する。別々の部分としての前部カバー217および上部カバー216を、ハウジングカバー214に連結してもよい。
【0041】
一連の積み重ねたガラス基板Gに対向する、底部カバー211の内面と裏部カバー213の内面とは、互いに垂直であってもよい。更に、一連の積み重ねたガラス基板Gの重量が加わっても、裏部カバー213が垂直状態の場合と、裏部カバー213が傾斜状態の場合の両方で、裏部カバー213と底部カバー211とは互いに垂直なままである。このために、裏部カバー213および底部カバー211は、一連の積み重ねたガラス基板Gの重量に耐えることができる堅さを有する必要がある。
【0042】
底部パッド231を、底部カバー211と一連の積み重ねたガラス基板Gの間に挟んでもよい。裏部パッド233を、裏部カバー213と一連の積み重ねたガラス基板Gの間に挟んでもよい。裏部パッド233は、前方から順に配置されたパロニアシート233aおよびポリ塩化ビニル(PVC)シート233bを、含んでもよい。前部パッド237は、前部カバー217と一連の積み重ねたガラス基板Gの間に配置される。
【0043】
前部カバー217は、格子部217aを含んでもよい。一連の積み重ねたガラス基板Gを、よりしっかりと固定しうるように、格子部217aは、(前部パッド237を介して)一連の積み重ねたガラス基板Gと密着しうる。これは、結果的に、一連の積み重ねたガラス基板Gの移動を制限して、紙のシートから落ちる粒子の量を更に削減する。
【0044】
図2は、例示的な実施形態による傾斜アダプター310を、概略的に示す斜視図である。
【0045】
図2に示した傾斜アダプター310は、底枠部311および後枠部313を含む。一連の積み重ねたガラス基板Gを梱包したカセット200の底面を、底枠部311上に据える。後枠部313は、底枠部311に連結されて、カセット200の裏面を支持する。
図2の傾斜アダプター310は、基枠部315を、更に含んでもよい。基枠部315は、後枠部313および底枠部311が固定される基部としての役割を果たす。
【0046】
カセット200に対向する後枠部313の前面は、垂直面に対して傾いた面を形成する。(本開示において、「面」という用語は、幾何学的に完全な面に限定されず、
図2の枠部の表面をつなげて形成した仮想面も含むものである)。カセット200に対向する底枠部の上面は、水平面に対して傾いた面を形成する。したがって、一連の積み重ねたガラス基板Gが梱包されたカセット200は、傾斜状態で傾斜アダプター310に載置される。
【0047】
図3は、例示的な実施形態による垂直アダプター320を、概略的に示す側立面図である。
【0048】
図3に示した垂直アダプター320は、底枠部321および後枠部323を含む。一連の積み重ねたガラス基板Gが梱包されたカセット200の底面を、底枠部321上に据える。後枠部323は、底枠部に連結されて、カセット200の裏面を支持する。
【0049】
図3の垂直アダプター320は、カセット200の前面を支持する前枠部327を、更に含む。垂直アダプター320は、前枠部327を後枠部323に固定する固定部329を、更に含んでもよい。前枠部327は、カセット200が前方に倒れるのを防ぐ。
【0050】
カセット200に対向する後枠部323の前面は、垂直面を形成する。カセット200に対向する(つまり、支持する)底枠部321の上面は、水平面を形成する。したがって、一連の積み重ねたガラス基板Gが梱包されたカセット200は、垂直に、垂直アダプター320に載置される。カセット200に対向する前枠部327の裏面は、垂直面を形成するのが好ましい。
【0051】
垂直アダプター320(の後枠部323)は、本体、および、バンド323aを含む。本体は、カセット200を支持し、バンド323aは、カセット200を本体に拘束することによって、カセット200を固定する(
図5を参照)。
【0052】
図4は、
図1に示したカセット200を、
図2に示した傾斜アダプター310上に載置した構造物を、概略的に示す斜視図であり、
図5は、
図1に示したカセット200を、
図3に示した垂直アダプター320上に載置した構造物を、概略的に示す斜視図である。
【0053】
図4および
図5に示すように、ガラス基板輸送構造物110、120は、
図1に示したカセット200、および、アダプターを含む。アダプターは、
図2に示した傾斜アダプター310、および、
図3に示した垂直アダプター320から選択した1つであってもよい。アダプターは、傾斜アダプター310から垂直アダプター320に、または、その逆に、必要に応じて交換してもよい。
【0054】
傾斜アダプター310は、ガラス基板の積載、および、荷降ろしを容易にする。つまり、ガラス基板が前方に倒れる心配なく、ガラス基板が底枠部および後枠部に確実に支持された状態で、ガラス基板の積載、および、荷降ろしができる。カセット200を、ボルトによって、傾斜アダプター310に連結してもよい。一方、垂直アダプター320は、ガラス基板の輸送に便利である。垂直アダプター320は、ガラス基板を、垂直状態で輸送するのを可能にする。このことは、結果的に、粒子の削減、清浄動作の必要性をなくすこと、ガラス基板の表面品質低下を防ぐこと、ガラス基板同士の品質の違いを防ぐことなどの、本開示の目的を実現する。このように、本開示は、2つのタイプのアダプターの2つの利点を利用しうる点を特徴とする。
【0055】
代わりの方法として、傾斜アダプター310を垂直アダプター320と、および、その逆に交換する代わりに、ユニバーサルアダプターを使用してもよい。ユニバーサルアダプターは、カセット200を傾斜した状態で載置する傾斜状態と、カセット200を垂直状態で載置する垂直状態とを有する。
【0056】
この点について、例えば、回転シャフトを、底枠部が後枠部に隣接する位置に設けて、底枠部および後枠部が回転シャフトを中心に回転して、垂直状態から傾斜状態に、および、その逆になるようにしてもよい。(しかしながら、本開示は、それに限定されないと理解すべきである。)アダプターは、後枠部および底枠部の位置を変えるために、モータなどの駆動手段を、更に含んでもよい。その代わりに、駆動手段は、力を加えて後枠部を押圧または引っ張る別の装置として、備えられてもよい。更に、アダプターは、後枠部および底枠部の位置を固定するための固定装置を、必要としうる。
【0057】
図4の構造物は、
図17の構造物の同様に見えるかもしれない。しかしながら、
図4および
図5の構造物は、
図17の構造物とは異なる。具体的には、
図4および
図5の構造物は、カセット200とアダプターを、互いに分離しうる別々のものとして備えて構成されているが、
図17の構造物は、カセット200に対応する部分と、アダプターに対応する部分とを、一体化された部分として備えて構成されている。
【0058】
本開示による構造物において、複数のガラス基板を中に梱包した梱包構造物を変化させずに、カセット200を、アダプターから分離可能である。梱包構造物は、一連の積み重ねたガラス基板の底面と裏面とが互いに垂直である構造物を指す。
【0059】
図6、
図7、
図8、
図9、および、
図10は、従来のガラス基板輸送構造物400と、
図4および5に示したガラス基板輸送構造物110、120に対する比較試験の結果を示す図である。
【0060】
従来の輸送構造物400、および、
図5の輸送構造物120に、300枚のガラス基板を積載して、天安と釜山の往復を2度(約1500kmの総移動距離で)移動する同じ輸送手段へと発送した。
【0061】
その後、粒子を検査した。
図6から
図10に示すように、ガラス基板輸送構造物110、120を使用した場合には、粒子分布も、粒子塊も観察されなかった。(
図6は、従来の輸送構造物400が使用された場合を示し、
図7は、輸送構造物110、120を使用した場合を示している。)
更に、ガラス基板の表面品質を検査すると、
図8~
図10に示すように、表面欠陥が大きく低下したことが明らかだった。
【0062】
図11は、第1の例示的な実施形態によるガラス基板輸送方法を、概略的に示す図である。
図12は、第2の例示的な実施形態によるガラス基板輸送方法を、概略的に示す図である。
【0063】
図11に示した輸送方法と
図12に示した輸送方法の両方共、第1の動作工程および第2の動作工程を含む。
【0064】
第1の動作工程において、一連の積み重ねたガラス基板Gを梱包したカセット200を、傾斜状態で、第1の傾斜アダプター310に載置する。梱包工程は、カセット200の少なくとも底部カバー211(より好ましくは、少なくとも底部カバー211および裏部カバー213)を、第1の傾斜アダプター310上に配置して、更に、一連の積み重ねたガラス基板Gを、傾斜状態で、底部カバー211上に積載することによって、行ってもよい。
図11および
図12に示した実施形態によれば、ハウジングカバー214を、第1の傾斜アダプター310上に配置し、複数のガラス基板を、傾斜状態でハウジングカバー214に積載し、更に、前部カバー217および上部カバー216を、ハウジングカバー214に連結し、それにより、梱包処理が完了する。
【0065】
第2の動作工程において、カセット200を、第1の傾斜アダプター310から分離して、次に、陸上、海上、および/または、空路輸送手段で輸送する。この時に、カセット200は、垂直に載置された状態で輸送される。
【0066】
第1および第2の動作工程は、一連の積み重ねたガラス基板Gを梱包した梱包構造物を変化させずに、カセット200に対して行われることが好ましい。ここで、梱包構造物とは、一連の積み重ねたガラス基板Gの底面と裏面とが互いに垂直となるように、一連の積み重ねたガラス基板Gを中に梱包した構造物を意味する。
【0067】
図11に示した方法の第2の動作工程は、
図12に示した方法の第2の動作工程と異なる。
【0068】
図11の第2の動作工程において、カセット200を、第1の傾斜アダプター310から分離して、次に、垂直アダプター320に、垂直状態で載置する。カセット200が載置された垂直アダプター320を、輸送手段に積載し、次に、それが、垂直アダプター320を輸送する。
【0069】
これに対し、
図12の第2の動作処理において、カセット200を、第1の傾斜アダプター310から分離して、輸送手段に積載する。カセット200を、ガイド330によって、カセット200が垂直状態となるように輸送手段に固定する。次に、輸送手段が、固定されたカセット200を輸送する。
【0070】
図13および
図14は、
図12に示したガラス基板輸送方法の利点を、従来のガラス基板輸送方法と比較して示す図である。
【0071】
図13および
図14に示すように、
図12に示した輸送方法は、カセット200が、コンテナ、または、輸送手段の積載領域の小さい領域を占有するので、一度の輸送出荷量を大きく増加することができる。従来例によれば、わずか4つの輸送構造物400だけを、コンテナに積載できる。これに対し、
図12の輸送方法によれば、8つのカセット200を、同じコンテナに積載でき、それにより、ロジスティックスコストを、ほぼ半分にできる。
【0072】
図15は、第3の例示的な実施形態によるガラス基板輸送方法を、概略的に示す図である。
【0073】
第3の例示的な実施形態によれば、
図12に示したガラス基板輸送方法の第2の動作工程の後に、カセット200を輸送手段から降ろして、更に、カセット200を、ラック340上に垂直状態で載置して、保管する動作工程を、追加してもよい。製造会社によっては、購入注文にすぐに応じるために、海外に倉庫を有するかもしれない。この場合に、そのようなカセット200の占有領域を最小にするために、カセット200を垂直状態で倉庫に保管しうる。このことは、結果的に、倉庫の必要領域を削減し、それにより、ロジスティックスコストを削減する。
【0074】
図16は、第4の例示的な実施形態によるガラス基板輸送方法を、概略的に示す図である。
【0075】
第4の例示的な実施形態は、第3の動作工程を、第1、第2、および、第3の例示的な実施形態のいずれか1つの第2の動作工程の後に含んでもよい。(
図16に示した実施形態において、第3の動作工程を、第2の動作工程の後に行う。)
第3の動作工程において、カセット200を、傾斜状態で第2の傾斜アダプター310に載置する。その後、カセット200が傾斜状態で載置された第2の傾斜アダプター310を、必要に応じて輸送してもよい。第3の動作工程における輸送は、短距離範囲の輸送であることが好ましい。この場合に、カセット200を第2の傾斜アダプター310に載置する動作工程を、製造会社(または、ロジスティックス会社)の倉庫内で行ってもよい。その後、カセット200を、購入者に輸送してもよい。
【0076】
第1から第3の動作工程は、一連の積み重ねたガラス基板Gを中に梱包した梱包構造物を変化させずに、カセット200に対して行われることが好ましい。ここで、梱包構造物とは、一連の積み重ねたガラス基板Gの底面と裏面とが互いに垂直となるように、一連の積み重ねたガラス基板Gを中に梱包した構造物を意味する。
【0077】
本開示の具体的な例示的実施形態を、図面を参照して記載した。それらの記載は、本開示を網羅することも、本開示を、開示した精密な形状に限定することも意図せず、更に、当業者には、上記のような教示に鑑みて、多くの変更および変形が可能なことが、明らかであろう。
【0078】
したがって、本開示の範囲は、上記実施形態に限定されるものではなく、添付の請求項および等価物によって画定されることを、意図している。
【0079】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0080】
実施形態1
複数のガラス基板を梱包するためのカセットにおいて、
一連の積み重ねたガラス基板の底面を覆う底部カバーと、
前記一連の積み重ねたガラス基板の裏面を覆う裏部カバーと、
を含み、
前記一連の積み重ねたガラス基板と対向する前記底部カバーの内面と前記裏部カバーの内面とが互いに垂直であるカセット。
【0081】
実施形態2
前記一連の積み重ねたガラス基板の重量が加わっても、前記裏部カバーが垂直状態の場合と、該裏部カバーが傾斜状態の場合の両方で、該裏部カバーと該底部カバーとは互いに垂直なままである、実施形態1に記載のカセット。
【0082】
実施形態3
前記一連の積み重ねたガラス基板の両側の側面を覆う両側の側部カバーと、
前記一連の積み重ねたガラス基板の前面を覆う前部カバーと、
前記一連の積み重ねたガラス基板の上面を覆う上部カバーと、
を、更に含み、
前記底部カバー、前記裏部カバー、および、前記両側の側部カバーは、ハウジングカバーを形成し、前記前部カバー、および、前記上部カバーは、前記ハウジングカバーに連結されて、それにより、前記一連の積み重ねたガラス基板を中に梱包する、実施形態1に記載のカセット。
【0083】
実施形態4
前記前部カバーは、前記一連の積み重ねたガラス基板と密着して、それを固定する格子部を含むものである、実施形態3に記載のカセット。
【0084】
実施形態5
前記底部カバー、前記裏部カバー、および、前記前部カバーの少なくとも1つと、前記一連の積み重ねたガラス基板との間に挟んだ少なくとも1つのパッドを、
更に含む、実施形態3に記載のカセット。
【0085】
実施形態6
アダプターにおいて、
一連の積み重ねたガラス基板を中に梱包したカセットの底面が据えられる底枠部と、
前記底枠部に連結されて、前記カセットの裏面を支持する後枠部と、
を含み、
前記カセットに対向する前記底枠部の上面は、水平面を形成し、該カセットに対向する前記後枠部の前面は、垂直面を形成するアダプター。
【0086】
実施形態7
前記カセットの前面を支持する前枠部を、
更に含み、
前記カセットに対向する前記前枠部の裏面は、垂直面を形成するものである、実施形態6に記載のアダプター。
【0087】
実施形態8
前記前枠部を前記後枠部に固定する固定部を、
更に含む、実施形態7に記載のアダプター。
【0088】
実施形態9
ガラス基板輸送構造物において、
一連の積み重ねたガラス基板を中に梱包するカセットと、
前記一連の積み重ねたガラス基板を中に梱包した前記カセットが載置されるアダプターと、
を含み、
前記カセットが、前記アダプターから分離可能な独立体であるガラス基板輸送構造物。
【0089】
実施形態10
前記一連の積み重ねたガラス基板を中に梱包した梱包構造物を変化させずに、前記カセットは、前記アダプターから分離可能である、実施形態9記載のガラス基板輸送構造物。
【0090】
実施形態11
前記梱包構造物は、前記一連の積み重ねたガラス基板の底面と裏面とを互いに垂直にさせるものである、実施形態10に記載のガラス基板輸送構造物。
【0091】
実施形態12
前記アダプターは、前記カセットが傾斜状態で載置される傾斜アダプターか、または、該カセットが垂直状態で載置される垂直アダプターであり、該アダプターは交換可能である、実施形態9に記載のガラス基板輸送構造物。
【0092】
実施形態13
前記アダプターは、前記カセットが傾斜状態で載置される傾斜状態と、該カセットが垂直状態で載置される垂直状態とを有するものである、実施形態9に記載のガラス基板輸送構造物。
【0093】
実施形態14
前記アダプターは、本体およびバンドを含み、前記カセットが垂直状態で載置される垂直アダプターであり、前記バンドが、該カセットを前記本体に拘束することによって、該カセットを固定するものである、実施形態9に記載のガラス基板輸送構造物。
【0094】
実施形態15
ガラス基板輸送方法において、
一連の積み重ねたガラス基板を中に梱包したカセットを、傾斜状態で第1の傾斜アダプター上に載置するように、セットする第1の動作工程と、
前記カセットを、前記第1の傾斜アダプターから分離して、該カセットを垂直に載置した状態で、陸上輸送手段、海上輸送手段、および、空路輸送手段の少なくとも1つで輸送する第2の動作工程と、
を含む方法。
【0095】
実施形態16
前記一連の積み重ねたガラス基板を梱包した梱包構造物を変化させずに、前記カセットに、前記第1の動作工程と前記第2の動作工程とを行う、実施形態15に記載のガラス基板輸送方法。
【0096】
実施形態17
前記梱包構造物は、前記一連の積み重ねたガラス基板の底面と裏面とを互いに垂直にさせるものである、実施形態16に記載のガラス基板輸送方法。
【0097】
実施形態18
前記第1の動作工程は、
前記カセットの少なくとも底部カバーを、前記第1の傾斜アダプター上に配置する工程と、
前記一連の積み重ねたガラス基板を、傾斜状態で、前記底部カバー上に積載する工程と、
前記一連の積み重ねたガラス基板を梱包する工程と、
を含むものである、実施形態15に記載のガラス基板輸送方法。
【0098】
実施形態19
前記第2の動作工程は、
前記カセットを、前記第1の傾斜アダプターから分離して、該カセットを、垂直状態で垂直アダプターに載置する工程と、
前記カセットが載置された前記垂直アダプターを、前記少なくとも1つの輸送手段で輸送する工程と、
を含むものである、実施形態15に記載のガラス基板輸送方法。
【0099】
実施形態20
前記第2の動作工程は、
前記カセットを、前記第1の傾斜アダプターから分離して、該カセットを、前記少なくとも1つの輸送手段に積載する工程と、
前記カセットを、ガイドによって、垂直状態で前記少なくとも1つの輸送手段に固定して、該カセットを輸送する工程と、
を含むものである、実施形態15に記載のガラス基板輸送方法。
【0100】
実施形態21
前記第2の動作工程は、
前記カセットを、前記第1の傾斜アダプターから分離して、該カセットを、前記少なくとも1つの輸送手段に積載する工程と、
前記カセットを、ガイドによって、垂直状態で前記少なくとも1つの輸送手段に固定して、該カセットを輸送する工程と、
前記カセットを前記少なくとも1つの輸送手段から降ろして、該カセットを、垂直状態でラック上に載置して保管する工程と、
を含むものである、実施形態15に記載のガラス基板輸送方法。
【0101】
実施形態22
前記カセットを、前記少なくとも1つの輸送手段から降ろして、該カセットを、傾斜状態で第2の傾斜アダプター上に載置する第3の動作工程を、
更に含む、実施形態15に記載のガラス基板輸送方法。
【0102】
実施形態23
前記第3の動作工程は、
前記カセットを、傾斜状態で前記第2の傾斜アダプターに載置する工程と、
前記カセットが傾斜状態で載置された前記第2の傾斜アダプターを、輸送する工程と、
を含み、
前記第3の動作工程の前記輸送する工程は、前記第2の動作工程の前記輸送する工程と比べて、短距離範囲の輸送である、実施形態22に記載のガラス基板輸送方法。
【符号の説明】
【0103】
110、120 ガラス基板輸送構造物
200 カセット
211 底部カバー
212 側部カバー
213 裏部カバー
214 ハウジングカバー
216 上部カバー
217 前部カバー
217a 格子部
233 裏部パッド
231 底部パッド
237 前部パッド
310 傾斜アダプター
311、321 底枠部
313、323 後枠部
315 基枠部
320 垂直アダプター
327 前枠部
329 固定部
330 ガイド
340 ラック