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特許7138571シート要素加工機のための品質管理ステーション及び品質管理ステーションのための照明ユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-08
(45)【発行日】2022-09-16
(54)【発明の名称】シート要素加工機のための品質管理ステーション及び品質管理ステーションのための照明ユニット
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/892 20060101AFI20220909BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20220909BHJP
   F21V 3/00 20150101ALI20220909BHJP
   F21V 3/04 20180101ALI20220909BHJP
   F21V 7/04 20060101ALI20220909BHJP
   F21V 7/06 20060101ALI20220909BHJP
   G01N 21/84 20060101ALI20220909BHJP
【FI】
G01N21/892 A
F21S2/00 230
F21S2/00 310
F21S2/00 340
F21S2/00 600
F21V3/00 320
F21V3/04
F21V7/04 500
F21V7/06 200
G01N21/84 E
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2018561733
(86)(22)【出願日】2017-05-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-07-25
(86)【国際出願番号】 EP2017025132
(87)【国際公開番号】W WO2017207113
(87)【国際公開日】2017-12-07
【審査請求日】2018-11-22
【審判番号】
【審判請求日】2020-11-05
(31)【優先権主張番号】16172030.5
(32)【優先日】2016-05-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】512159605
【氏名又は名称】ボブスト メックス ソシエテ アノニム
【氏名又は名称原語表記】Bobst Mex SA
【住所又は居所原語表記】Route de Faraz 3,CH-1031 MEX(VD),Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(72)【発明者】
【氏名】リシャール マチュー
(72)【発明者】
【氏名】ピロー フランシス
【合議体】
【審判長】石井 哲
【審判官】三崎 仁
【審判官】▲高▼見 重雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-283563(JP,A)
【文献】特開2013-253906(JP,A)
【文献】特開2009-42076(JP,A)
【文献】特開2012-60313(JP,A)
【文献】特開2005-283563(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N21/84-21/958, G01B11/00-11/30, F21S2/00, F21V7/04-7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート要素加工機のための品質管理ステーション(2)であって、
前記品質管理ステーション(2)を通って移送されるシート要素(4)の上面の画像を取り込むように配置された少なくとも1つのカメラ(6)であって、前記カメラ(6)の光軸面(O 6 )は、前記シート要素(4)の前記上面に直交する平面(P)に対して傾斜している、前記カメラ(6)と、
互いに対向するように配置された第1の反射器(12)及び第2の反射器(14)、及び、前記第1の反射器(12)と前記第2の反射器(14)との間に位置付けられる少なくとも1つの発光体(16)、を有する照明ユニット(5)であって、前記照明ユニット(5)の光軸面(O5)は、前記平面(P)及び前記カメラ(6)の光軸面(O6)に対して傾斜している、前記照明ユニット(5)と、を備え、
前記照明ユニット(5)は、
光の第1の部分が、前記発光体(16)によって前記第1の反射器(12)の湾曲した反射面に向かって放出され、前記シート要素(4)の前記上面に向かって反射され、
光の第2の部分が、前記発光体(16)によって前記第2の反射器(14)の湾曲した反射面に向かって放出され、前記シート要素(4)の前記上面に向かって反射され、
光の第3の部分が、前記発光体(16)によって前記シート要素(4)の前記上面に直接向かって放出されるように、前記カメラ(6)の視域に光を向けるように構成され、
前記光の第1の部分、前記光の第2の部分、及び前記光の第3の部分は、前記シート要素(4)の厚さの変化にかかわらず前記シート要素(4)の前記上面における照度が一定であるように重なり合う、
ことを特徴とする品質管理ステーション。
【請求項2】
前記照明ユニット(5)は、前記照明ユニット(5)の長さに沿って延びる前記発光体(16)を支持する基部(10)を備え、前記第1の反射器(12)及び前記第2の反射器(14)は、前記発光体(16)に沿って延びるように配置され、前記第1の反射器(12)及び前記第2の反射器(14)の反射面の形状は、円錐面及び非球面変形の和である、
請求項1に記載の品質管理ステーション。
【請求項3】
前記発光体(16)は、隣接して配置された複数のLEDから形成される、
請求項1又は2に記載の品質管理ステーション。
【請求項4】
前記発光体(16)は、前記基部(10)に直ぐ隣接して配置される、
請求項2に記載の品質管理ステーション。
【請求項5】
前記照明ユニット(5)の光軸面(O5)と前記第1の反射器(12)及び前記第2の反射器(14)との間に20°程度の開口角が存在する、
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の品質管理ステーション。
【請求項6】
拡散器(18)をさらに備える、
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の品質管理ステーション。
【請求項7】
前記第1の反射器(12)及び前記第2の反射器(14)は、同じ輪郭を有する、
請求項1ないし6のいずれか1項に記載の品質管理ステーション。
【請求項8】
前記照明ユニット(5)は、200mmより大きい長さを有する、
請求項1ないし7のいずれか1項に記載の品質管理ステーション。
【請求項9】
前記照明ユニット(5)の光軸面(O5)は、前記平面(P)に対して約45°の角度βで配置されている、
請求項1ないし8のいずれか1項に記載の品質管理ステーション。
【請求項10】
前記カメラ(6)の光軸面(O6)は、前記平面(P)に対して約20°の角度(α)で配置されている、
請求項1ないし9のいずれか1項に記載の品質管理ステーション。
【請求項11】
前記発光体(16)は、前記視域(7)から60から120mmの距離で、詳細には90mm程度の距離で配置されている、
請求項1ないし10のいずれか1項に記載の品質管理ステーション。
【請求項12】
請求項1ないし11のいずれか1項に記載の品質管理ステーションに使用されるように構成された照明ユニット(5)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート要素加工機のための品質管理ステーション及び品質管理ステーションのための照明ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書において用語「シート要素加工機」は、紙、段ボール、又は他の類似の材料などのシート要素を加工するために使用される何らかの機械、詳細には印刷機、コーティング機、ラミネート加工機、及び加工機(例えば、裁断機、スタンピング機、折り畳み機、及び/又は糊付け機)を意味する。
【0003】
カメラを用いてシート要素の品質を管理することは一般に知られている。一般的に言えば、カメラは、品質管理ステーションを通過するシート要素の画像を取り込み、取り込まれた画像は、シート要素がある基準を満たしているかに関する情報を取得するために、様々なパラメータに関して分析される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
カメラが所望の画像を取り込むことができるようにカメラの視域(画像が取り込まれるシート要素の部分)を照明する必要がある。照明ユニットは、可能な限り一定の照度で光を放出することが重要である。
【0005】
特定の既知の視域を一定に照度で照明するのを保証することはそれほど難しくはないが、品質管理ステーションが、異なる高さのシート要素(例えば、薄い紙及び厚い段ボール)を受け入れることが意図されている場合、これは自動的に視域の「高さ」(シート要素の支持面からのシート要素上面の距離)の変化をもたらすので問題点が自動的に現れる。単純な例として、厚さ12mmの段ボールを検査すると想定すると、視域は厚さ0.5mmの紙の場合に比べて11.5mmだけ高く位置付けられる。
【0006】
本発明の目的は、余分な改変を伴うことなく異なる厚さの種々の媒体に適合することができる品質管理ステーションを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するために、本発明は、シート要素加工機のための品質管理ステーションを提供し、この品質管理ステーションは、品質管理ステーションを通って移送されるシート要素の画像を取り込むように配置された少なくとも1つのカメラと、さらに少なくとも1つの発光体及び2つの反射器を備えた照明ユニットと、を有し、照明ユニットは、媒体の厚さの変化にもかかわらず照度が一定であるように、カメラの視域上に光を向けるように構成される。本発明は、比較的広域にわたって(垂直に及びシート要素が進む方向に沿って)一定の照度でカメラの視域を照明するという考え方に基づいている。従って、照度は、その上でシート要素が送られる表面に近接した視域(薄いシート要素の場合)、又はこの表面から特定の高さにある視域(厚いシート要素の場合)に関わらず一定である。さらに、照度は、横断方向に沿って一様である。従って、品質管理ステーションは、シート要素加工機の中を通過する特定の媒体の厚さに応じて調節又は調整する必要はない。
【0008】
品質管理ステーションで使用される照明ユニットは、この照明ユニットの長さに沿って延びる発光体を支持する基部と、発光体に沿って延びると共に互いに向かい合うように配置されている2つの反射器とを備えることができ、反射器の各々は、断面で見た場合に、放物線又は非球面輪郭、詳細には円錐形輪郭を有する。
【0009】
特定の区域にわたって一定の照度は、発光体によってもたらされる3つの光部分を適切に重ね合わせることによって得られ、光の第1の部分は、発光体から第1の反射器に向かって放出されかつ視域に向かって反射される。光の第2の部分は、発光体から第2の反射器に向かって放出されかつ視域に向かって反射される。光の第3の部分は、発光体から視域に向かって直接放出される。2つの別個の反射器を使用することで、第1及び第2の反射器によって視域上に反射された光は、個別に調節することができ、その結果、視域上に直接当たる光と重なり合う場合に最終的に一定の照度を得ることができる。
【0010】
発光体は、所望の照度及び波長の光を発生し得る何らかの形態で実装することができる。好ましくは、発光体は、互いに近接して配置された複数のLEDから形成される。LEDは小型で熱損失が僅かであり、小型照明ユニットの中に組み込むことができる。
【0011】
好ましい実施形態によれば、発光体は、基部に直接隣接して配置される。これは、照明ユニットの小型構成を助長し、視域から照明ユニットの中を見た場合に発光体の「後方」に反射器を配置しないことが可能になる。また、この構成は、熱出力消散に好都合でもある。LED(裏面)と支持体との間の熱経路は非常に短い。さらに、基部に水冷又は空冷用ダクトを組み込むことができる。
【0012】
LEDの光強度特性に鑑みて、10°から20°程度の開口角が、照明ユニットの光軸面と反射器との間に存在する。従って、LEDの光軸面に沿って高い照度で放出される光は、視域上に直接当たることができるが、もっと横方向に放出される光は反射器によって視域に向かって反射される。
【0013】
約12mmの幅(シート要素が送られる方向での)及び/又は高さの区域にわたる視域の均一な照明を得るために、反射器の各々で反射される発光体のエネルギは、照明ユニットの光軸面から6から10mm程度の距離で分散される。
【0014】
拡散器は、照明ユニットに関連付けることができる。これにより、より一様な放射輝度を得ることができる。拡散器は、例えば、シート移動方向に対して直交する一方向にホログラフィックな拡散器とすることができる。
【0015】
同じ輪郭の2つの反射器を使用することができる。特定の要件に応じて、一方の反射器の輪郭の変化量を他の反射器の輪郭の変化量に比べて小さくすることができるが、これらの変化量は、通常最小である。
【0016】
好ましくは、照明ユニットは、シート要素が品質管理ステーションの中を通って送られる方向を横切る方向に特定の長さだけ延びる。好ましくは、照明ユニットの長さは200mmよりも大きく、視域の幅広い部分が照明される。
【0017】
必要であれば、2又は3以上の照明ユニットを互いに隣接して配列することができる。また、2以上のカメラを使用することができる。詳細には、2又は3以上のカメラを互いに隣接して使用することができ、各カメラは、品質検査ステーション内のシート要素の移送通路の幅全体にわたって広がる狭い視域の一部の画像を取り込む。
【0018】
好ましい実施形態によれば、反射器の光軸面は、視域が配置される平面に垂直な平面に対して約45°の角度で配置される。この反射器の光軸面の配向によって、その幅に対応した高さを有する一定の照度の区域がもたらされる。一例として、一定照度の区域が高さ12mmを有する場合(結果的に薄い紙の表面が厚さ12mmの段ボールの表面と同じ照度で照明される)、この区域は、シート要素がカメラの視域を通って搬送される方向に沿って見た場合、同様に12mmにわたる。このことは、シートの移動方向におけるカメラの位置及び照明ユニットの位置に関する可能性のある公差が、視域内のそれぞれのシート要素の表面上の特定の点での照度に大きな影響を与えないことにつながる。
【0019】
好ましくは、カメラの光軸面は、視域が配置される平面に垂直な平面に対して約20°の角度で配置される。これは、システムの画像取り込み性能並びにカメラ及び照明ユニットを備える組立体の小型化の両方に関して好都合であることが分かっている。
【0020】
シート要素加工機の典型的な検査条件に関して、発光体は、視域から60から120mmの距離で、詳細には90mm程度の距離で配置することができる。
【0021】
また、前述の目的は、品質管理ステーションで使用されるように構成された照明ユニットで達成することができ、照明ユニットはその長さに沿って延びる少なくとも1つの発光体を支持する基部と、発光体に沿って延びると共に互いに向かい合うように配置されている2つの反射器とを備え、反射器の各々は、断面で見た場合に円錐形輪郭を有し、照明ユニットは、照明領域に対応する矩形領域上で実質的に均一な照射分布をもたらし、照明領域は、媒体送り方向に特定の距離だけ広がり、均一な照射分布は、照明領域の特定の距離だけ上の高さに至る照明領域の上の異なる高さで存在する。
【0022】
本発明は、添付図面に示されている好ましい実施形態を参照して以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】シート要素加工機に用いられる本発明の実施形態の品質管理ステーションの概略的な側面図である。
図2図1の品質管理ステーションの概略的な上面図である。
図3】本発明の実施形態によるカメラ及び照明ユニットの概略的な拡大図である。
図4】大きな縮尺比で、右側に図3の照明ユニットの半分を示し、左側に典型的な照明ユニット内の発光体として使用されるLEDの光強度の極線図を示す。
図5】本発明の実施形態による照明ユニットから光を受け取る視域での光強度を概略的に示す。
図6】個別の反射器から受光及び発光体から直接受光した視域における光強度並びに結果としての全光強度を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1には、搬送テーブル3が示されているシート要素加工機に用いられる品質管理ステーション2が概略的に示されている。シート要素加工機は、矢印Aの方向に移送されるシート要素4を加工することができる。シート要素4は、紙、段ボール、プラスチックフイルム、又は類似の材料のシートとすること、又は長いウェブとすることができる。シート要素加工機は、印刷機、スタンピング機、ラミネート加工機、折り畳み機、糊付け機などを含むことができる。
【0025】
品質管理ステーション2は、シート要素4の品質を管理するために使用される。概略的には、検査中のシート要素の表面に光を向ける照明ユニット5と、品質管理ステーションの中を通過中のシート要素4の画像を取り込むために用いられるカメラ6とが使用される。
【0026】
詳細には、カメラ6は、シート要素が品質管理ステーション2の中を通過する方向Aに対して直交する方向でシート要素の全幅にわたって広がる非常に狭い領域である視域7の画像を取り込む(図2も参照)。
【0027】
品質管理ステーション2において、2以上の照明ユニット5を使用すること及び2以上のカメラ6を使用することもできる。詳細には、互いに隣接して配置された2つのカメラを使用することができ、第1のカメラは、視域7内のシートの左半分の画像を取り込み、第2のカメラは、視域7内のシートの右半分の画像を取り込む。
【0028】
カメラ6で取り込んだ画像は制御装置8に供給され、この画像は、記憶された参照画像と比較され、及び/又は種々の事項で分析される。次に、制御装置8は、それぞれのシート要素4が所定の基準を満たすか否かを決定する。
【0029】
照明ユニット5及びカメラ6の向きは、図2及び3に詳細に示されている。
【0030】
搬送テーブル3の上面は、参照符号9で示されている。この上面は、(少なくとも視域7において)平ら又は平坦と考えることができる。従って、視域7内の検査されるシート要素4の上面も平ら又は平坦と考えられる。上面9に対して直交して(従って、視域7内でシート要素4の上面に対して直交して)、同様に方向Aに対して直交して広がる平面は、符号Pで示される。
【0031】
カメラ6は、その光軸面O6が平面Pに対して角度αだけ傾斜するように配置されている。好ましい実施形態において、角度αは20°程度である。構造的制約及び実行される検査の特定の特性に応じて、代替的に他の角度を選択することもできる。
【0032】
照明ユニット5は、その光軸面O5が平面Pに対して角度βだけ傾斜するように配置されている。好ましい実施形態において、角度βは45°程度である。構造的制約及び実行される検査の特定の特性に応じて、他の角度を選択することもできる。
【0033】
図3から分かるように、照明ユニット5は、基部10、2つの反射器12、14、及び発光体16を備える。
【0034】
一部の用途向けに、拡散器18を使用することができる。拡散器の例は、拡散がシートの移動方向に直交する方向にだけ機能するホログラフィック拡散器である。観察面において一定の放射輝度は必須ではないが、拡散器を使用することは、(金属基材のための)同じ面に沿って一定の放射輝度が望まれる場合に好都合な可能性がある。
【0035】
基部10は、照明ユニットの各要素の支持体であり、図3の平面に対して直交する方向に細長い。従って、基部10は、シート要素4が品質検査ステーションの中を通過する方向Aを横断して延びる。
【0036】
照明ユニットの典型的な長さは300から400mm程度である。
【0037】
発光体16は、基部の長手方向に沿って広がり、照明ユニットの長さに沿って発光するように構成される。発光体16は、照明ユニットの長さに沿って変化しない照度で光を発生することが可能である。実際には、発光体16は、通常、短い間隔で近接して配置される複数の個別のLEDを備えることができる。拡散器18と組み合わせて、放出された光の照度は、照明ユニット5の長さに沿って変化しない(又は著しく変化しない)はずである。
【0038】
対向する2つの反射器12、14が配置され、発光体16は、反射器12、14の間に位置付けられる。図3及び4から分かるように、各反射器の輪郭は、略楕円形又は放物線形である。各反射器は、光軸面に対してほぼ対称的に配置される。各反射器の表面は、円錐面及び非球面変形の和である方程式で説明することができる。反射器12、14の両方は、正確に対称的に一致し、これらは光軸面に対して対称又はほぼ対称とすることができ、又はこれらは光学面形態で僅かに異なることができる。
【0039】
各反射器は、適切な材料(例えば、アルミ合金又はプラスチック材)で製造された別個の構成要素とすることができ、その反射面は、研磨されるか又は反射コーティングを備えることができる。これらは基部10に対してボルト20で取り付けることができる。
【0040】
図4の右側には、発光体16に使用したLEDが放出した光の強度が極線図で示されている。光強度は、光軸面O5の近くで大きく(特に、光軸面O5から0°-15°の間の範囲で)、強度はより大きな角度に対して著しく低下することが分かる。
【0041】
図4の左側には照明ユニット5が詳細に示されている。
【0042】
発光体16は、この発光体16から生じた光の一部分が検査されることになるシート要素4の上に直接当たって視域7を照明するように、反射器12、14に対して配置されている。反射器12、14の幾何学的形状によって、この部分は、光軸面O5から0°から約18°の間の角度で発光体16から出る光に対応する。この光の部分は、図4に照明ユニット5の外側の斜めに延びる光線で示されている。この光の視域7(図2)上の寄与度は全照明の約25%である。
【0043】
発光体16から生じた光の第2及び第3の部分、すなわち、光軸面O5から約18°を超える角度で発光体16から出る部分は、反射器12、14によって視域7に向けられる。これらの光部分の1つは、図4に光軸面O5に対して平行に延びる光線で示されている。
【0044】
光の3つの部分(発光体16から直接生じる光の第1の部分、反射器12で反射された第2の部分、及び反射器14で反射された第3の部分)は、視域7で重なり合い、全体の光の照度が、数ミリメートルの幅(及び数ミリメートルの高さ)の領域上で一定となっている。
【0045】
図5は、視域の全光強度Itを示す。光強度は、12mm幅の領域にわたってX方向(シート要素4の進行方向Aに対応する)に一定であることが分かる。
【0046】
光軸面O5の配向の結果、光強度は、水平方向だけでなく垂直方向にも一定である。光強度が一定の領域の高さも12mmである。光軸面O5が45°とは異なる角度βで配置されると、一定の光強度の領域の幅はその高さとは異なることになる。
【0047】
用語「一定の光強度」は、光強度が完全に一定である必要はない。むしろ、この用語は、変動が生じ得る種々の条件下(例えば、薄い紙を厚い段ボールに変える)で行われる検査に影響を与えない程度に小さいとすれば、光強度の小さな変動を含む。実際には、基準点からの(z方向又はx方向のいずれかにおける)3%/mm、より好ましくは0.5%/mmから1%/mmの偏差(及び一定の光強度の全領域に対する合計2%から5%)の光強度の変動は、「一定」と見なす。
【0048】
図6は、発光体16から生じて視域に当たる光の異なる部分が一定の全光強度Itを得るために、どのように重なり合うかを詳細に示す。
【0049】
ラインIdは、発光体16から視域内のシート要素4の上面に直接当たる光の強度を示す。
【0050】
ラインI12は、反射器12から視域内のシート要素4の上面に反射される光の強度を示す。
【0051】
ラインI14は、反射器14から視域内のシート要素4の上面に反射される光の強度を示す。
【0052】
光の異なる部分は、全光強度Itをもたらすことが分かり、全光強度Itは、ここでは幅12mmであり、0mmから12mmの種々の高さで広がることができる領域z上で一定である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6