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  • 特許-風呂給湯装置 図1
  • 特許-風呂給湯装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-08
(45)【発行日】2022-09-16
(54)【発明の名称】風呂給湯装置
(51)【国際特許分類】
   F24H 15/196 20220101AFI20220909BHJP
   F24H 15/238 20220101ALI20220909BHJP
   F24H 15/246 20220101ALI20220909BHJP
   F24H 15/265 20220101ALI20220909BHJP
   F24H 15/421 20220101ALI20220909BHJP
   F24H 1/18 20220101ALI20220909BHJP
   F24H 4/02 20220101ALI20220909BHJP
【FI】
F24H15/196 301M
F24H15/238
F24H15/246
F24H15/265
F24H15/421
F24H1/18 G
F24H4/02 F
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019029758
(22)【出願日】2019-02-21
(65)【公開番号】P2020134055
(43)【公開日】2020-08-31
【審査請求日】2021-07-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(72)【発明者】
【氏名】高野 清一
(72)【発明者】
【氏名】荒木 亮
(72)【発明者】
【氏名】巌 憲介
(72)【発明者】
【氏名】菅原 優輝
【審査官】礒部 賢
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-071857(JP,A)
【文献】特開平06-185802(JP,A)
【文献】特開2001-235226(JP,A)
【文献】特開2002-048395(JP,A)
【文献】特開2001-215051(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 1/00 - 4/06
F24H 15/00 - 15/493
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽内の水位を検出する水位センサと、前記浴槽への湯張り量をカウントする風呂流量センサと、浴室内における人の動きを検出する人感センサと、前記浴槽へ湯を供給する湯張り手段とを備え、
前記人感センサの検出結果に基づいて浴室に人が入室したか否かを判定する入室判定手段と、前記浴槽に連通する配管を介して予め任意に定められた湯張り設定量の湯を供給する湯張り運転を行う湯張り運転制御手段と、前記水位センサで検出した検出値と前記風呂流量センサで検出した検出値から前記浴槽の断面積を算出する断面積算出手段とを設けた制御装置と、を備えた風呂給湯装置において、
前記制御装置の前記断面積算出手段は、前記湯張り運転開始から前記湯張り運転完了までの間に前記入室判定手段が人の入室を判定した場合、今回の前記断面積の算出をしないようにし、前記湯張り運転開始から前記湯張り運転完了までの間に前記入室判定手段が人の入室を判定しない場合、今回の前記断面積の算出をするようにしたことを特徴とする風呂給湯装置。
【請求項2】
前記制御装置は、前記湯張り運転開始から前記湯張り設定量よりも低い所定量、または、前記湯張り運転開始から所定時間を超えるまでは、前記入室判定手段の判定結果を受け付けず、前記所定量または前記所定時間を超えた場合は、前記入室判定手段の判定結果によって前記断面積の算出をするか、前記断面積の算出をしないかを決定するようにしたことを特徴とする請求項1記載の風呂給湯装置。
【請求項3】
前記断面積算出手段は、前記湯張り設定量と前記所定量との差の量と、湯張り設定量を湯張りしたときの水位と前記所定量の湯張りをしたときの水位との水位差とから前記断面積を算出するようにしたことを特徴とする請求項2記載の風呂給湯装置。
【請求項4】
前記制御装置は、前記断面積算出手段で算出した断面積を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶した回数をカウントするカウント手段を設け、前記カウント手段のカウントが所定カウント以上であった場合、前記断面積算出手段による断面積の算出をしないようにしたことを特徴とするようにしたことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項記載の風呂給湯装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水位センサを備えた風呂給湯装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、この種の風呂給湯装置においては、浴槽への給湯量を設定するリモコン等の湯量設定手段と、その設定湯量に基づいて、例えばバーナと熱交換器とで水を加熱し、所定温度の湯を直接浴槽へ落とし込んで浴槽に湯張りを行う湯張り運転手段と、その湯張り運転手段による湯張り量を検出する流量センサとが設けられている。又、風呂給湯装置には、浴槽の水位を検出する圧力センサ等の水位センサと、流量センサにより得られる湯張り量と水位センサにより得られる水位の変化量とから浴槽断面積を算出する断面積算出手段とが備えられており、この浴槽断面積を記憶して保持し続け、補水や湯張り運転に利用していた。(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-215051号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、この断面積算出手段では、ユーザーが湯張り運転途中に入浴してしまった場合や掛け湯等で浴槽の湯を使用した場合、流量センサにより得られる湯張り量と水位センサにより得られる水位の変化量から断面積を求めると、間違った断面積を記憶して保持し続けてしまうという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記課題を解決するため、浴槽内の水位を検出する水位センサと、前記浴槽への湯張り量をカウントする風呂流量センサと、浴室内における人の動きを検出する人感センサと、前記浴槽へ湯を供給する湯張り手段とを備え、前記人感センサの検出結果に基づいて浴室に人が入室したか否かを判定する入室判定手段と、前記浴槽に連通する配管を介して予め任意に定められた湯張り設定量の湯を供給する湯張り運転を行う湯張り運転制御手段と、前記水位センサで検出した検出値と前記風呂流量センサで検出した検出値から前記浴槽の断面積を算出する断面積算出手段とを設けた制御装置と、を備えた風呂給湯装置において、前記制御装置の前記断面積算出手段は、前記湯張り運転開始から前記湯張り運転完了までの間に前記入室判定手段が人の入室を判定した場合、今回の前記断面積の算出をしないようにし、前記湯張り運転開始から前記湯張り運転完了までの間に前記入室判定手段が人の入室を判定しない場合、今回の前記断面積の算出をするようにした。
【0006】
また、前記制御装置は、前記湯張り運転開始から前記湯張り設定量よりも低い所定量、または、前記湯張り運転開始から所定時間を超えるまでは、前記入室判定手段の判定結果を受け付けず、前記所定量または前記所定時間を超えた場合は、前記入室判定手段の判定結果によって前記断面積の算出をするか、前記断面積の算出をしないかを決定するようにした。
【0007】
また、前記断面積算出手段は、前記湯張り設定量と前記所定量との差の量と、湯張り設定量を湯張りしたときの水位と前記所定量の湯張りをしたときの水位との水位差とから前記断面積を算出するようにした。
【0008】
また、前記制御装置は、前記断面積算出手段で算出した断面積を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶した回数をカウントするカウント手段を設け、前記カウント手段のカウントが所定カウント以上であった場合、前記断面積算出手段による断面積の算出をしないようにした。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、入室判定手段が入室ありと判定した場合は、断面積算出手段は断面積の算出を行わないようにすることで、ユーザーが浴室に入室したことで、湯張り運転前の入浴や掛け湯等を行った可能性があり、信頼性の低い浴槽の断面積の算出しないようにすることで、信頼性の高い浴槽の断面積のみを算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1実施形態の概略説明図
図2】本発明の浴槽の断面積の学習についての動作を表すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
1は温水を貯湯する貯湯タンク、2は温水を加熱する加熱手段としてのヒートポンプユニット、3は浴槽である。
【0012】
また、浴槽3の一般的な構造として底端から上端に向かって広がっていくようになっており、肘掛けの用途でステップが設けられている。
【0013】
4は貯湯タンク1とヒートポンプユニット2を循環可能に接続する加熱循環回路で、加熱循環ポンプ5を有し貯湯タンク1の下部に接続されたヒーポン往き管及び貯湯タンク1上部に接続されたヒーポン戻り管より構成され、貯湯タンク1下部の冷水を、ヒーポン往き管を介してヒートポンプユニット2で加熱し、加熱された高温の温水をヒーポン戻り管で貯湯タンク1上部に戻して貯湯タンク1内に温水を加熱貯湯するものである。なお、貯湯タンク1の外周面には貯湯温度センサ6を有しており、この貯湯温度センサ6が所定温度以上を検出することで貯湯量を検知するものである。
【0014】
7は貯湯タンク1に水を供給する給水管、8は貯湯タンク1内の温水を出湯する出湯管、9は給水管7から分岐し、貯湯タンク1を迂回する給水バイパス管、10は給水バイパス管9からの冷水と出湯管8からの温水を設定温度になるように混合する給湯混合弁、11は混合された設定温度の温水を給湯する給湯管、12は給湯管11の端部に設けられる給湯栓である。13は給湯混合弁10の下流に設けた給湯温度センサ、14は給湯量をカウントする給湯流量センサである。なお、15は水道圧を所定の圧力に減圧する減圧弁、16は加熱されることによる過圧を逃がす圧力逃し弁である。
【0015】
17は風呂循環回路で、貯湯タンク1内の湯水と循環する風呂の湯水とを熱交換させる風呂熱交換器18と浴槽3とを、浴槽3から風呂熱交換器18に向かう風呂往き管17a及び風呂熱交換器18から浴槽3に向かう風呂戻り管17bとで循環可能に接続するものである。
【0016】
19は風呂循環回路17に設けられた風呂循環ポンプ、20は流水の有無を検出する流水センサ、21は風呂循環回路16を流れる風呂の温度を検出する風呂温度センサ、22は湯水の水圧から浴槽3内の水位を検出する水位センサであり、風呂循環回路17途中の風呂循環ポンプ19よりも上流側に設けられている。この水位センサ22は、湯水の水圧から浴槽3内の水位を検出しているので、浴槽3の循環口が露出してしまうと水位検出が行えないため、水位を検出するためには浴槽3の循環口よりも水位が上である必要がある。
【0017】
23は給湯管11途中から分岐されて風呂循環回路17に接続され浴槽3への湯張りを行うための湯張り管、24はこの湯張り管23に設けられ浴槽3への湯張りの開始、停止を行う湯張り弁、25は浴槽3への湯張り量をカウントする風呂流量センサである。
【0018】
26はヒートポンプユニット2の加熱制御を行う加熱制御部、27は給湯および風呂の制御を行う制御装置で、貯湯温度センサ6、給湯温度センサ13、給湯流量センサ14、流水センサ20、風呂温度センサ21、水位センサ22、風呂流量センサ25の検出値が入力され、加熱循環ポンプ5、給湯混合弁10、風呂循環ポンプ19、湯張り弁24を駆動するものである。
【0019】
また、浴槽3へ湯を供給するために必要な構成は、貯湯タンク1、給水管7、出湯管8、給水バイパス管9、給湯混合弁10、給湯管11、風呂循環回路17、湯張り管23、湯張り弁24で構成される湯張り手段である。
【0020】
28は制御装置27と通信可能で、浴室内に設けられた浴室内リモコンであり、湯張り運転開始や湯張り運転の目標水位である設定水位や目標量である湯張り設定量を設定する操作部29と、設定内容を表示する表示部30と、湯張り運転が完了したことを報知する報知部31と、浴室内における人の有無を検出する人感センサ32とが設けられている。また33は、浴室外に設けられた浴室外リモコンであり、浴室内リモコン28同様に、操作部29、表示部30、報知部31とが設けられている。
【0021】
人感センサ32は、検出エリア内の熱源の温度変化量を検出する焦電センサであり、浴室に人がいることを検出する。具体的には、人感センサ32は、人が移動したときや手足などを動かすことによる検出エリアの温度変化を検出することにより、浴室内に人が在室しているか否かを検出するものであり、人感センサ32の検出結果に基づいて、制御装置27に設けられた入室判定手段34で浴室内への入室と浴室外への退室との判定を行う。
【0022】
また、制御装置27には、湯張り運転時の動作を制御する湯張り運転制御手段35と、水位センサ22で検出した検出値と風呂流量センサ25で検出した検出値から浴槽3の断面積を算出する断面積算出手段36と、断面積算出手段36で算出した断面積を記憶しておく記憶手段37と、記憶手段37に記憶した回数をカウントするカウント手段38とを備えている。
【0023】
断面積算出手段36は、湯張り設定量と湯張り設定量よりも低い所定量との差の量と、湯張り設定量を湯張りしたときの水位と前記所定量の湯張りをしたときの水位との水位差とから断面積を算出している。
【0024】
この所定量は、浴槽3に設けられている肘掛けステップを超える流量であれば、断面積の変化幅を少なくし、より正確な断面積を算出することができ、湯張り運転開始初期ではユーザーが栓抜け確認をしに浴室に入室する可能性があり、いつまでも断面積の算出を行えないという不具合があるので、所定量達するまでは入室判定手段34の判定結果を受け付けないことで、いつまでも断面積の算出を行えないという不具合を解消することもできる。
【0025】
次に、沸き上げ運転について説明する。
沸き上げ要求があると、制御装置27は、貯湯タンク1とヒートポンプユニット2を繋ぐ配管の途中にある加熱循環ポンプ5を駆動して、貯湯タンク1内下部から水をくみ上げ、ヒートポンプユニット2で温めて貯湯タンク1上部に戻す動作を続ける事により徐々に貯湯タンク1内の水が高温水へと沸き上げる。
【0026】
次に、給湯動作ついて説明する。
給湯栓12が開かれると給水管7から給水され、貯湯タンク1下部に流入すると共に給水バイパス管9を通り、貯湯タンク1上部から押し出された高温水と給水バイパス管9の給水が給湯ミキシング弁10で混ぜ合わされ、給湯設定温度と給湯サーミスタ13で検出された温度が同じなるように調整された湯水が給湯栓12から給湯される。
【0027】
また、湯張り運転の各種器具の動作について説明する。
浴室内リモコン28および浴室外リモコン33の操作部29の湯張りスイッチが押されると制御装置27は湯張り弁24を開弁し、給水管7から給水を供給し、貯湯タンク1下部に流入すると共に給水バイパス管9を通り、貯湯タンク1上部から押し出された高温水と給水バイパス管9の給水が給湯混合弁10で混ぜ合わされ、風呂設定温度と風呂温度センサ21で検出された温度が同じになるように調整された湯水が浴槽3に流入されることで湯張りが開始される。そして、風呂流量センサ25で流れた流量を検出して、流れた流量の合計積算値が湯張り設定量分流れたら制御装置27が湯張り弁24を閉状態にすることで湯張り運転を完了し、風呂温度を自動で保温する自動保温運転に移行する。
【0028】
また、浴槽3の断面積を記憶しておくことで、浴槽断面積と水位センサ22の検出値から湯張り量を求めることができるので、まず2本の風呂配管から両搬送で一気に浴槽3に湯張りし、両搬送湯張り後に現在の水位確認を行ってから湯張り設定量の湯が貯まるように残りを湯張りすることで、片搬送で湯張りして風呂流量センサ25で流れた流量を積算するよりも湯張り運転完了の時間を短縮することができる。
【0029】
次に、本発明の湯張り運転の断面積の算出について図2のフローチャートに基づいて詳しく説明する。
まず、浴室内リモコン28および浴室外リモコン33の操作部29の湯張りスイッチが操作されると(S1がYes)、制御装置27は湯張り弁24を開弁し、湯張り運転の制御を開始し(S2)、カウント手段38にカウントされている記憶手段37で記憶した浴槽断面積のカウントが2以上か確認し(S3)、カウントが2未満の場合(S3がNO)、まだ浴槽3の断面積の学習が不十分であるので、湯張り設定量を一定の量(ここでは180L)に決定して(S4)、風呂設定温度と風呂温度センサ21で検出された温度が同じになるように調整された温度で湯張りを開始する(S5)。
【0030】
そして、風呂流量センサ25で流れた流量を検出して、流れた流量の合計積算値が所定量分流れたら(S6がYes)、断面積算出手段36は、所定量と所定量分湯張りしたときの浴槽の水位を保持しておき、制御装置27は、入室判定手段34の判定結果を受け付けるようにする。
【0031】
このとき、入室判定手段34が入室ありと判定した場合(S7がYes)、浴槽3の断面積の算出を行わず(S8)、風呂流量センサ25で流れた流量を検出して、流れた流量の合計積算値が湯張り設定量分流れたら、制御装置27が湯張り弁24を閉状態にすることで湯張り運転を完了し(S9がYes)、湯張り運転が完了したことを浴室内リモコン28及び浴室外リモコン33の報知部31で報知する(S10)。
【0032】
このように、入室判定手段34が入室ありと判定した場合は、断面積算出手段36は断面積の算出を行わないようにすることで、ユーザーが浴室に入室したことで、湯張り運転前の入浴や掛け湯等を行った可能性があり、信頼性の低い浴槽の断面積の算出しないようにすることで、信頼性の高い浴槽の断面積のみを算出することができる。
【0033】
また、流れた流量の合計積算値が所定量分を超えてから入室判定手段34の判定結果を受け付けるようにするのは、湯張り運転開始直後ではユーザーが浴槽3の栓抜け確認等で浴室に入室する可能性があるため、所定量分の湯張りを超えてから入室判定手段34の判定結果を受け付けるようにすることで、使い勝手の良い断面積の算出を行うことができる。
【0034】
また、入室判定手段34が入室ありと判定していない状態で(S7がNo)、風呂流量センサ25で流れた流量を検出して、流れた流量の合計積算値が湯張り設定量分流れたら、制御装置27が湯張り弁24を閉状態にすることで湯張り運転を完了し(S11がYes)、断面積算出手段36は、湯張り設定量と所定量との差の量と、湯張り設定量を湯張りしたときの水位と所定量を湯張りしたときの水位との水位差とから浴槽3の断面積を算出する(S12)。
【0035】
そして、記憶手段37は、断面積算出手段36で算出した浴槽3の断面積を記憶し(S13)、カウント手段38で断面積記憶のカウントを+1して(S14)、湯張り運転が完了したことを浴室内リモコン28及び浴室外リモコン33の報知部31で報知する(S10)。
【0036】
このように、浴槽3の断面積は浴槽3の高さが高くなるに連れて大きくなるような構造をしており、また、浴槽3には肘掛け等のステップがあることから、断面積の算出に湯張り設定量と所定量との差の量と、湯張り設定量を湯張りしたときの水位と所定量を湯張りしたときの水位との水位差とを用いて浴槽3の断面積を算出することで、湯張り運転完了時の水位周辺の断面積の平均値を記憶することで、一般的な浴槽3の構造に基づいた適正な断面積の記憶を行うことができる。
【0037】
また、カウント手段38にカウントされている記憶手段37で記憶した浴槽断面積のカウントが2以上か確認し(S3)、カウントが2以上であった場合(S3がNO)、浴室内リモコン28及び浴室外リモコン33で設定された湯張り設定量に決定し(S15)、風呂流量センサ25で流れた流量を検出して、流れた流量の合計積算値が湯張り設定量分流れたら、制御装置27が湯張り弁24を閉状態にすることで湯張り運転を完了し(S16がYes)、湯張り運転が完了したことを浴室内リモコン28及び浴室外リモコン33の報知部31で報知する(S10)。
【0038】
このように、浴槽3の断面積は浴槽3の入れ替えを行わない限り、経年的に変化するものは無く、複数回分(ここでは2回)の断面積を記憶して記憶しておけば良く、カウント手段38で複数回分の記憶がされていることが確認できていれば断面積の算出のフローを省略することで、湯張り運転完了までの時間を短縮することができる。
【0039】
なお、本発明は本実施例に限定されるものではなく、要旨を変更しない範囲で改変する事を妨げるものではなく、例えば、今回はヒートポンプ式貯湯給湯機を用いて説明したが、貯湯タンク1内にヒーターを設けたものやバーナなどの熱源で湯水を加熱する給湯機でもよいものである。
【0040】
また、湯張り運転完了時の水位センサ22の検出水位と、湯張り運転完了時に風呂温度センサ25で検出した総湯張り量とから浴槽3の断面積を算出することもできる。
【0041】
また、図2のフローには記載されていないが、浴槽3の栓抜け等の外乱が発生し、水位センサ23で検出した水位が異常と判断できる異常水位であった場合は、断面積の記憶を行わないようにすることで、断面積の算出の信頼性を高めることができる。
【符号の説明】
【0042】
1 貯湯タンク
3 浴槽
22 水位センサ
25 風呂流量センサ
27 制御装置
28 浴室内リモコン
32 人感センサ
33 浴室外リモコン
34 入室判定手段
35 湯張り運転制御手段
36 断面積算出手段
37 記憶手段
38 カウント手段
図1
図2