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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-08
(45)【発行日】2022-09-16
(54)【発明の名称】扇風機玩具
(51)【国際特許分類】
   A63H 33/30 20060101AFI20220909BHJP
【FI】
A63H33/30 B
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2019217260
(22)【出願日】2019-11-29
(65)【公開番号】P2021083962
(43)【公開日】2021-06-03
【審査請求日】2021-12-07
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(72)【発明者】
【氏名】松原 大典
【審査官】前地 純一郎
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3076648(JP,U)
【文献】登録実用新案第3076705(JP,U)
【文献】特開昭63-297795(JP,A)
【文献】特開2016-183592(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 1/00-37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品供給装置で供給可能な扇風機玩具であって、
相互連結可能な第1本体要素および第2本体要素から成り外観が丸い本体部と、
前記第1本体要素内に収容された回転駆動部と、
前記第2本体要素内に収容され前記回転駆動部により回転可能な羽根部と、を備え、
前記第2本体要素は、前記羽根部を非接触で覆う態様を成し通気部を含んでいる、
扇風機玩具。
【請求項2】
前記第1本体要素は、前記羽根部と向き合う対向面と、前記羽根部と向き合わない外表面と、を含む半球状を成す、
請求項1に記載の扇風機玩具。
【請求項3】
前記第1本体要素は、前記第2本体要素を連結可能な被連結部を含む、
請求項2に記載の扇風機玩具。
【請求項4】
前記第1本体要素側の質量は、前記第2本体要素側の質量よりも大きい、
請求項2または3に記載の扇風機玩具。
【請求項5】
前記第1本体要素は、平坦面から成る載置面を前記外表面に含む、
請求項4に記載の扇風機玩具。
【請求項6】
前記載置面の面積は、前記外表面の面積よりも小さい、
請求項5に記載の扇風機玩具。
【請求項7】
前記載置面が前記対向面と成す角度は、20度以上90度未満の範囲内にある、
請求項5または6に記載の扇風機玩具。
【請求項8】
前記第1本体要素には、前記対向面から前記外表面に及ぶ吸気孔が形成されている、
請求項2~7のいずれか1項に記載の扇風機玩具。
【請求項9】
前記吸気孔は、2個以上である、
請求項8に記載の扇風機玩具。
【請求項10】
前記第1本体要素が請求項5~7のいずれか1項に記載の前記載置面を含むとき、
2個以上の前記吸気孔のうちの1個は、前記対向面から前記載置面に及ぶように設けられている、
請求項9に記載の扇風機玩具。
【請求項11】
前記第2本体要素は、円錐台状を成す、
請求項1~10のいずれか1項に記載の扇風機玩具。
【請求項12】
前記第2本体要素は、前記第1本体要素に連結可能な部分を一端部に含む、
請求項11に記載の扇風機玩具。
【請求項13】
前記第2本体要素は、第1枠部と、前記第1枠部から外方に延びる複数の第1支持部と
、前記複数の第1支持部の終端に設けられた第2枠部と、前記第2枠部から内方に延びる複数の第2支持部と、前記複数の第2支持部の終端に設けられた補強部と、を含み、
前記第1枠部は、前記第1本体要素に連結可能な部分を構成し、
前記複数の第1支持部の間隙と前記複数の第2支持部の間隙は、前記通気部を構成している、
請求項12に記載の扇風機玩具。
【請求項14】
前記第1枠部の外形は、前記第2枠部の外形よりも大きい、
請求項13に記載の扇風機玩具。
【請求項15】
前記複数の第1支持部の間隙の総面積は、前記複数の第2支持部の間隙の総面積よりも大きい、
請求項13または14に記載の扇風機玩具。
【請求項16】
前記第2本体要素を前記第1本体要素に連結した状態で、前記第1枠部の外表面は前記第1本体要素の外表面と段差無く連続する、
請求項13~15のいずれか1項に記載の扇風機玩具。
【請求項17】
前記回転駆動部は、当該回転駆動部の回転軸の端部を前記羽根部と向き合う対向面の中央から突出している、
請求項1~16のいずれか1項に記載の扇風機玩具。
【請求項18】
前記回転軸の端部の向きは、前記対向面と直交している、
請求項17に記載の扇風機玩具。
【請求項19】
前記羽根部は、ボス部と、前記ボス部に設けられた複数のブレード部と、を含み、
前記ボス部が前記回転軸の端部に固定されている、
請求項17または18に記載の扇風機玩具。
【請求項20】
前記扇風機玩具は、前記第2本体要素に着脱可能な装飾部を、さらに備える、
請求項1~19のいずれか1項に記載の扇風機玩具。
【請求項21】
前記第2本体要素が請求項13に記載の前記補強部を含むとき、
前記装飾部は、前記補強部に着脱可能に構成されている、
請求項20に記載の扇風機玩具。
【請求項22】
前記扇風機玩具は、前記第2本体要素に着脱可能で、かつ、取り付け状態で前記扇風機玩具をより丸まった外観とするための補助部品を、さらに備える、
請求項1~21のいずれか1項に記載の扇風機玩具。
【請求項23】
前記第2本体要素が請求項13に記載の前記第2枠部と前記複数の第2支持部と前記補強部とを含むとき、
前記補助部品は、前記第2枠部と前記複数の第2支持部と前記補強部のいずれかに着脱可能に構成されている、
請求項22に記載の扇風機玩具。
【請求項24】
前記第1本体要素は、前記扇風機玩具を吊り下げるための吊り下げ部を含む、
請求項1~23のいずれか1項に記載の扇風機玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品供給装置で供給可能な扇風機玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
後記の特許文献1には、本体と蓋体とから成るカプセルを開け、内部に収容されている空気扇および電動機等を取り出した後、本体内に電動機等を逆向きで組み込み、空気扇を本体外から電動機の回転軸に取り付け、本体に蓋体を取り付けるようにしたカプセル収容組立型扇風機おもちゃが開示されている。
【0003】
前掲のカプセル収容組立型扇風機おもちゃは、分解および組み立て前の形態において物品供給装置(自動販売機)による供給が可能であるものの、扇風機として使用するには所定の分解および組み立て作業が必要となるため、物品供給装置から供給された形態のままで扇風機として使用できない煩わしさがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】登録実用新案第3076648号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、物品供給装置から供給された形態のままで扇風機として使用できる扇風機玩具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様としての扇風機玩具は、物品供給装置で供給可能なものであって、相互連結可能な第1本体要素および第2本体要素から成り外観が丸い本体部と、第1本体要素内に収容された回転駆動部と、第2本体要素内に収容され回転駆動部により回転可能な羽根部とを備え、第2本体要素は羽根部を非接触で覆う態様を成し通気部を含んでいる。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る扇風機玩具によれば、物品供給装置から供給された形態のままで扇風機として使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1(A)は本発明の第1実施形態に係る扇風機玩具の前面図、図1(B)は同左側面図、図1(C)は同後面図、図1(D)は同上面図である。
図2図2(A)は図1に示した第1本体要素の前面図、図2(A)は同上面図である。
図3図3(A)は図1に示した第2本体要素の前面図、図3(B)は同上面図である。
図4図4(A)は図1に示した羽根部の前面図、図4(B)は同上面図である。
図5図5図1に示した扇風機玩具の使用方法の説明図である。
図6図6図1に示した扇風機玩具の使用方法の説明図である。
図7図7(A)は本発明の第2実施形態に係る扇風機玩具の上面図、図7(B)および図7(C)は図7(A)に示した装飾部の上面図および下面図、図7(D)は図7(A)の装飾部除外の上面図である。
図8図8(A)は本発明の第3実施形態に係る扇風機玩具の前面図、図7(B)は同上面図、図8(C)および図8(D)は図8(A)に示した補助部品の前面図および下面図、図8(E)は図8(A)に示した補助部品の変形例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の説明では、便宜上、図1(A)の手前側を前、奥側を後、右側を左、左側を右、上側を上、下側を下と表記し、他の図もこれと同様に向きを表記する。
【0010】
《第1実施形態》
まず、図1図4を用いて、本発明の第1実施形態に係る扇風機玩具100の構成を説明する。
【0011】
扇風機玩具100は、図1(A)~図1(D)に示したように、相互連結可能な第1本体要素11および第2本体要素12から成り外観が丸い本体部10と、第1本体要素11内に収容された回転駆動部20と、第2本体要素12内に収容され回転駆動部20により回転可能な羽根部30と、を備え、さらに、電源スイッチ40と、吊り下げ部50と、第1本体要素11内に設けられた図示省略の電源収容部(乾電池や充電池等の出し入れが可能な収容部分)と、を備える。
【0012】
前掲の「外観が丸い」について補足すれば、扇風機玩具100は、必要に応じて全体または一部をフィルム等で包装することにより自動販売機等の物品供給装置で供給可能なものであるため、その外観は、供給過程で転がりが期待できる丸みを帯びたものであればよい。換言すれば、物品供給装置で供給可能な丸みを帯びた外観であれば、全体形状に特段の制限はない。
【0013】
また、扇風機玩具100の質量配分について補足すれば、扇風機玩具100を第1本体要素11側と第2本体要素12側とで分けて見た場合、第1本体要素11は回転駆動部20を内部に有するため、電源収容部に乾電池や充電池等が収容されていないときでも、第1本体要素側11の質量は羽根部30を含む第2本体要素12側の質量よりも大きい。
【0014】
参考までに寸法を例示すると、扇風機玩具100の上面視の最大直径(図1(D)を参照)は約73mmであり、前面視の上下方向寸法(図1(A)を参照)は約68mmである。
【0015】
〈第1本体要素11〉
第1本体要素11は、図2(A)および図2(B)にも示したように、羽根部30と向き合う円状の対向面11aと、羽根部30と向き合わない外表面11bと、を有する半球状を成す。
【0016】
なお、図面には第1本体要素11を単一部品として描いているが、対向面11a用の部品と外表面11b用の部品とによって第1本体要素11を構成してもよいし、さらには外表面11b用の部品を複数の部品から構成してもよい。
【0017】
また、第1本体要素11は、第2本体要素12を連結可能な被連結部11cを有する。詳しく述べると、被連結部11cは、対向面11aの周囲に設けられた環状凹部から成り、位置決め用の凹部11c1と連結用のネジ穴11c2が上面視で45度間隔で形成される。
【0018】
さらに、第1本体要素11は、平坦面から成る載置面11dを外表面11bに有する。詳しく述べると、載置面11dは、扇風機玩具100を卓上等の平坦な被載置面(図5の2点鎖線を参照)に置くときに利用されるものであり、その面積は外表面11bの面積よりも小さく、載置面11dが対向面11bと成す角度は20度以上90度未満の範囲内、好ましくは30度以上60度以下の範囲内にある。この載置面11dの利用方法については後に詳述する。
【0019】
さらに、第1本体要素11には、対向面11aから外表面11bに及ぶ吸気孔11eが形成される。詳しく述べると、吸気孔11eの数は2個で、上面視形が弓状で左右対称である。
【0020】
なお、図面には上面視形が弓状の吸気孔11eを描いているが、吸気孔11eの上面視形に特段の制限はない。また、吸気孔11eの数は2個に限らず、1個としてもよいし、3個以上としてもよい。さらに、吸気孔11eが2個以上の場合、そのうちの1個を対向面11aから載置面11dに及ぶように設けてもよく、この場合の作用については載置面11dの利用方法と併せて後に詳述する。
【0021】
〈第2本体要素12〉
第2本体要素12は、図3(A)および図3(B)にも示したように、円錐台状を成し、第1本体要素11に連結可能な部分(後記の第1枠部12a)を一端部に有する。
【0022】
詳しく述べると、第2本体要素12は、環状の第1枠部12aと、第1枠部12aから外方(図面では上方)に延びる複数(図面では4本)の第1支持部12bと、複数の第1支持部12bの終端に設けられた環状の第2枠部12cと、第2枠部から内方(図面では中心方向)に延びる複数の第2支持部12d(図面では4本)と、複数の第2支持部の終端に設けられた円状の補強部12eと、を有する。
【0023】
第1枠部12aは、第1本体要素11に連結可能な部分であって、その外形および内形は第1本体要素11の被連結部11cの外形および内形と同じ大きさである。また、第1枠部12aは、被連結部11cの凹部11c1とネジ穴11c2とに対応した位置決め用の凸部12a1と連結用のネジ挿入孔12a2が上面視で45度間隔で形成される。
【0024】
各第1支持部12bは全体が湾曲した棒状を成し、各第2支持部12bは全体が真っ直ぐな棒状を成しており、複数の第1支持部12bの周方向の間隙VH1(図面では4個)と、複数の第2支持部12dの周方向の間隙VH2(図面では4個)は、第2本体要素12の通気部(符号省略)を構成している。
【0025】
また、第1枠部12aの外形は第2枠部12cの外形よりも大きく、間隙VH1の総面積は間隙VH2の総面積よりも大きい。
【0026】
前掲の第2本体要素12を第1本体要素13に連結するときは、第1枠部12aを第1本体要素13の被連結部11cに嵌めてから、各ネジ挿入孔12a2に挿入したネジSC(図1(D)を参照)を被連結部11cの各ネジ穴11c2にねじ込めばよい。
【0027】
第2本体要素12の第1枠部12aの外形が第1本体要素11の外形と同じ大きさであるため、第2本体要素12を第1本体要素11に連結した状態では、第1枠部12aの外表面は第1本体要素11の外表面11bと段差無く連続する(図1(A)~図1(C)を参照)。
【0028】
なお、図面には第2本体要素12として4本の第1支持部12bと同数の第2支持部12dを上面視で45度間隔で有するものを描いているが、第1支持部12bの数と第2支持部12dの数を3本としてもよいし、5本以上としてもよい。また、第1支持部12bの数と第2支持部12dの数を異ならせてもよい。
【0029】
また、第1本体要素11に対する第2本体要素12の連結は、第1本体要素11にネジ穴11c2のみから成る被連結部11cを設けておいても行うことができるため、被連結部11cから環状凹部および凹部11c1を排除することも可能である。この場合は、第1本体要素11の対向面11aの上下方向位置を凹部11c1の上下方向寸法分だけ下げれば、扇風機玩具100の外観が変わることはない。
【0030】
さらに、第1本体要素11に対する第2本体要素12の連結は、第1本体要素12に環状凹部のみから成る被連結部11cを設けておいても行うことができるため、被連結部11cから凹部11c1およびネジ穴11c2を排除し、第2本体要素12の第1枠部12aから凸部12a1およびネジ挿入孔12a2を排除することも可能である。この場合は、環状凹部のみから成る被連結部11cに対する第1枠部12aの嵌め合いをきつくするか、嵌め合い部分に凹凸を設けて両者が外れにくくするとよい。
【0031】
〈回転駆動部20および羽根部30〉
回転駆動部20は、図2(A)および図2(B)にも示したように、好ましくはモーターから成り、その回転軸31の端部(符号省略)を、第1本体要素11の対向面11aの中央に設けられた上面視が円形の貫通孔11a1(図2(B)を参照)を通じて上方に突出している。この回転軸31の端部の向きは、対向面11aと直交している、
【0032】
羽根部30は、図4(A)および図4(B)にも示したように、半球状のボス部31と、ボス部31に設けられた複数(図面では4枚)のブレード部32と、を有する。ボス部31の下面には下面視が円形の非貫通穴31aが設けられているため、非貫通穴31aを前掲の回転軸21の端部に必要に応じて接着剤を用いて嵌め込むことにより、羽根部30のボス部31は回転軸31の端部に固定されている。
【0033】
羽根部30の上面視外形(ブレード32を囲む円の直径)は、第1本体要素11の対向面11aの外形(被連結部11cを含まない最大直径、図2(B)を参照)よりも小さく、かつ、回転軸31の端部に固定された後の対向面11aを基準とした羽根部30の上下方向寸法は、第2本体要素12の各第1支持部12bの上下方向寸法(図3(A)を参照)よりも小さいため、羽根部30は第2本体要素12と非接触で回転可能である。換言すれば、第2本体要素12は、羽根部30を非接触で覆う態様を成している。
【0034】
なお、図面には羽根部30として4枚のブレード部32を有するものを描いているが、ブレード32の数は2枚または5枚以上としてもよいし、ブレード部32の形も適宜変更可能である。
【0035】
〈電源スイッチ40および吊り下げ部50〉
電源スイッチ40は、公知のオンオフスイッチ、好ましくはスライドスイッチから成り、第1本体要素11の外表面11bに設けた矩形状凹部11f(図1(B)を参照)内に設けられ、操作部分は外表面11bから外に突出していない。
【0036】
電源スイッチ40は、先に述べた第1本体要素11の電源収容部に収容された乾電池や充電池等から回転駆動部20への電力供給およびその遮断を行うためのものであって、操作部分が電力供給位置にあるときに羽根部30は回転する。
【0037】
吊り下げ部50は、好ましくは柱状を成し、第1本体要素11の外表面11bに設けた矩形状凹部11g(図1(C)を参照)内に設けられ、外表面11bから外に突出していない。この吊り下げ部50の利用方法については後に詳述する。
【0038】
次に、図5および図6を用いて、前述の扇風機玩具100の使用方法を作用効果を交えて説明する。
【0039】
扇風機玩具100で所期の送風を行うときには、第1本体要素11の電源収容部に乾電池や充電池等を収容した後、電源スイッチ40の操作部分を電力供給位置に切り替えればよい。これにより、図1(D)において羽根部30が反時計回り方向に回転し、第1本体要素11の各吸気孔11e(図1(A)~図1(C)を参照)を通じて吸い込まれた空気が、図1(A)において第2本体要素11の通気部(各間隙VH1よび各間隙VH2、図3(B)を参照)から上方に吹き出される。
【0040】
図1(A)および図1(D)から分かるように、第2本体要素11の各間隙VH1は羽根部30の周囲と向き合い、各間隙VH2は羽根部30の上側と向き合うため、各間隙VH2からの吹き出し量と各間隙VH1からの吹き出し量とは異なる。
【0041】
よって、扇風機玩具100を手で把持して使用するときには、第1本体要素11の各吸気孔11eの外表面11b側の開口を塞がないようにし、第2本体要素11の各間隙VH2を顔等の送風対象に向ければよい。
【0042】
すなわち、扇風機玩具100は、先に述べたように必要に応じて全体または一部をフィルム等で包装することにより自動販売機等の物品供給装置で供給可能なものであり、第1本体要素11の電源収容部に乾電池や充電池等を収容する必要はあるものの、物品供給装置から供給された形態のままで扇風機として使用することができる。換言すれば、扇風機玩具100は、物品供給装置から供給された形態のものを分解して組み立てる作業が不要であるため、当該作業に伴う煩わしさや部品紛失の懸念を一掃することができ、極めて利便性が高い。
【0043】
また、扇風機玩具100は第1本体要素11の外表面11bに載置面11dを有するため、図5に示したように、載置面11dを利用して扇風機玩具100を卓上等の平坦な被載置面(図5の2点鎖線を参照)に置いて使用することもでき、多少傾いた被載置面に置いて使用することもできる。
【0044】
先に述べたように第1本体要素11側の質量は第2本体要素12側の質量よりも大きいため、載置面11dを利用して被載置面に扇風機玩具100を置いても、扇風機玩具100が載置時や送風時に倒れることはない。ちなみに、載置面11dは、第1本体要素11の対向面11bと所定の角度を成すため、扇風機玩具100の載置場所を変えることによって好みの向きの送風を行うことができる。
【0045】
加えて、第1本体要素11の吸気孔11eが2個以上で、そのうちの1個が対向面11aから載置面11dに及ぶように設けられている場合、載置面11dを利用して扇風機玩具100を卓上等の平坦な被載置面や多少傾いた被載置面に置いて使用すると、羽根部30が回転したときに前記1個の吸気孔11eの載置面11d側の開口に生じる負圧によって載置面11dを被載置面に押し付ける作用が得られるため、被載置面に対する扇風機玩具100の姿勢が安定するとともに位置ずれも生じにくくなる。
【0046】
さらに、扇風機玩具100は第1本体要素11の外表面11bに非突出の吊り下げ部50を有するため、図6に示したように、ネック用やハンド用のストラップSTを取り付けることによって、ストラップSTによって扇風機玩具100を吊り下げて携帯することができる。
【0047】
吊り下げ部50が第2本体要素12ではなく第1本体要素11に設けられているため、携帯途中で扇風機玩具100を手で把持して使用するときでも、ストラップSTが送風の邪魔になることもない。
【0048】
《第2実施形態》
次に、図7を用いて、本発明の第2実施形態に係る扇風機玩具200の構成を説明する。
【0049】
扇風機玩具200が、前述の扇風機玩具100と構成上異なるところは、図7(A)に示したように、
・第2本体要素12に着脱可能な装飾部60を、さらに備えた点
にあり、他の構成は前述の扇風機玩具100と同じである。
【0050】
装飾部60は、図7(B)および図7(C)に示したように、上面視が円状で、その外形は第2本体要素12の補強部12eの外形よりも僅かに大きい。また、装飾部60は、キャラクターの顔部を模した顔模様60aを上面に有し、4角柱状の凸部から成る取付部61を下面中央に有する。
【0051】
一方、第2本体要素12は、図7(D)に示したように、補強部12eの中央に、装飾部60の取付部61を着脱可能に嵌め込むことができる4角柱状の貫通孔または非貫通穴から成る被取付部12e1を有する。
【0052】
第2本体要素12に装飾部60が取り付けられた扇風機玩具200を自動販売機等の物品供給装置で供給可能なものとする場合、装飾部60の厚さは、供給過程での転がりを阻害しない厚さ、好ましくはなるべく薄いものとすることが好ましい。
【0053】
また、装飾部60の外形は、第2本体要素12の各第2間隙VH2を極力塞がないような大きさとすることが好ましい。補足すれば、装飾部60の外形は第2本体要素12の補強部12eの外形よりも多少大きくしてもよいが、同外形を極端に大きくすると、装飾部60によって各第2間隙VH2の実質的な吹き出し面積が大きく低下して送風時における各第2間隙VH2からの吹き出し量が大きく低減する。よって、装飾部60の外形の大きさは、前掲の吹き出し量の低減を考慮して決定することが望ましい。
【0054】
すなわち、扇風機玩具200は、第2本体要素12に着脱可能な装飾部60を備えているため、装飾部60による視覚効果によって、扇風機玩具200に対する愛着が沸くとともに、送風時に格別な涼感を得ることができる。また、気分に応じ、装飾部60を第2本体要素12から取り外した状態で扇風機玩具200を使用することもできる。
【0055】
なお、図面には装飾部60として上面視が円状のものを描いているが、装飾部60の上面視形はキャラクターの顔部の輪郭に応じて変更してもよい。また、図面には単一の装飾部60を描いているが、他のキャラクターに対応した装飾部を別途用意しておけば、好みや気分に応じて装飾部(60)を交換することも可能である。
【0056】
また、図面には装飾部60としてキャラクターの顔部を模した顔模様60aを上面に有するものを示したが、キャラクターの顔部以外の模様を装飾部60の上面に設けてもよいし、キャラクターに関連しない模様を装飾部60の上面に設けてもよし、装飾部60の上面視形をハート状や星状等の各種マークに対応したものとしてもよい。
【0057】
また、図面には装飾部60の取付部61として1個の4角柱状の凸部から成る取付部61を有するものを描いているが、凸部の形状は円柱状でも3角または4角以上の多角柱状であってもよい。さらに、取付部61を2個以上の凸部から構成し、これに対応する2個の4角柱状の貫通孔または非貫通穴から構成された被取付部12e1を第2本体要素12の補強部12eに設けてもよい。
【0058】
《第3実施形態》
次に、図8を用いて、本発明の第3実施形態に係る扇風機玩具300の構成を説明する。
【0059】
扇風機玩具300が、前述の扇風機玩具100と構成上異なるところは、図8(A)および図8(B)に示したように、
・第2本体要素12に着脱可能で、かつ、取り付け状態で扇風機玩具300をより丸まっ
た外観とするための補助部品70を、さらに備えた点
にあり、他の構成は前述の扇風機玩具100と同じである。
【0060】
補助部品70は、図8(C)および図8(D)に示したように、上面視が円状で、上面が凸曲面から成り、その外形は第2本体要素12の第2枠部12cの上面の外形と同じ大きさである(図(A)および図8(B)を参照)。また、補助部品70は、4角柱状の凸部から成る取付部71を下面に2組有し、取付部71の各組は、4本の第2支持部12dのうちの2本に着脱可能に嵌め込めるようになっている(図8(B)を参照)。
【0061】
補助部品70は取り付け状態で扇風機玩具300をより丸まった外観とするためのものであるため、第2本体要素12に補助部品70が取り付けられた扇風機玩具200を自動販売機等の物品供給装置で供給可能なものとする場合、補助部品70の厚さは、供給過程での転がりを阻害しない厚さとすることが好ましい。
【0062】
また、補助部品70の外形は、第2本体要素12の第2枠部12cの上面から外にはみ出ない大きさとすることが好ましい。補足すれば、補助部品70の外形は第2本体要素12の第2枠部12cの上面の外形よりも小さくしても僅かに大きくしてもよいが、同外形を第2本体要素12の第2枠部12cの上面の外形よりも極端に大きくすると、第2本体要素12の第2枠部12cの上面から外にはみ出した部分によって供給過程での転がりが阻害される懸念がある。よって、補助部品70の外形の大きさは、前掲の転がり阻害を考慮して決定することが望ましい。
【0063】
すなわち、扇風機玩具300は、取り付け状態で扇風機玩具300をより丸まった外観とするための着脱可能な補助部品70を備えているため、補助部品70による供給過程の転がり促進によって、自動販売機等の物品供給装置による供給をより良好に行うことができる。
【0064】
なお、図面には補助部品70として下面が平坦なものを描いているが、図8(E)に示した補助部品70’のように、下面に前述の装飾部60を収容可能な収容凹部72を設けてもよい。この補助部品70’を用いれば、第2本体要素12に装飾部60が取り付けられている場合でも、装飾部60を覆い隠すようにして補助部品70を第2本体要素12に取り付けることができ、また、補助部品70’を取り外すことによって装飾部60を露出させることができる。
【0065】
また、図面には補助部品70および70’として第2本体要素12の第2支持部12dに着脱可能な2組の取付部71を下面に有するものを描いているが、3組または4組の取付部71を下面に設けてもよいし、取付部を第2本体要素12の第2枠部12cまたは補強部12eに着脱可能なものに変更してもよい。例えば、第2枠部12cに着脱可能とする場合には第2枠部12cの内面に嵌め込み可能な少なくとも2個の取付部を下面に設ければよく、補強部12eに着脱可能とする場合には補強部12eの外側面に嵌め込み可能な少なくとも2個の取付部を下面に設ければよい。
【符号の説明】
【0066】
100,200,300…扇風機玩具、10…本体部、11…第1本体要素、11a…対向面、11b…外表面、11c…被連結部、11d…載置面、11e…吸気孔、12…第2本体要素、12a…第1枠部、12b…第1支持部、VH1…第1支持部の間隙、12c…第2枠部、12d…第2支持部、VH2…第1支持部の間隙、12e…補強部、12e1…被取付部、SC…ネジ、20…回転駆動部、21…回転軸、30…羽根部、31…ボス部、32…ブレード部、40…電源スイッチ、50…吊り下げ部、60…装飾部、60a…顔模様、61…取付部、70,70’…補助物品、71…取付部、72…収容凹部。
図1
図2
図3
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図5
図6
図7
図8