(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-08
(45)【発行日】2022-09-16
(54)【発明の名称】ビデオゲーム処理プログラム、及びビデオゲーム処理システム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/56 20140101AFI20220909BHJP
A63F 13/35 20140101ALI20220909BHJP
A63F 13/45 20140101ALI20220909BHJP
【FI】
A63F13/56
A63F13/35
A63F13/45
(21)【出願番号】P 2020203411
(22)【出願日】2020-12-08
【審査請求日】2020-12-17
(73)【特許権者】
【識別番号】308033283
【氏名又は名称】株式会社スクウェア・エニックス
(74)【代理人】
【識別番号】100188662
【氏名又は名称】浅見 浩二
(74)【代理人】
【識別番号】100177895
【氏名又は名称】山田 一範
(72)【発明者】
【氏名】坂田 新平
(72)【発明者】
【氏名】三宅 陽一郎
(72)【発明者】
【氏名】ボエダ ゴティエ
【審査官】早川 貴之
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-192168(JP,A)
【文献】特開2020-108733(JP,A)
【文献】コロぱた,週刊ファミ通 ,株式会社エンターブレイン,2010年01月14日, 第25巻 第2号 ,159頁
【文献】コロぱた,週刊ファミ通 ,株式会社エンターブレイン,2009年10月22日, 第24巻 第44号 ,47頁
【文献】道具,コロぱた Wiki [online],2010年01月30日,https://wikiwiki.jp/coropata/%E9%81%93%E5%85%B7,[2021年12月23日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24,13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビデオゲームの進行においてキャラクタを制御する機能をサーバに実現させるためのビデオゲーム処理プログラムであって、
前記サーバに、
前記ビデオゲームの進行状況に応じて、当該ビデオゲームにおける所定の条件(以下「ゲーム内条件」という。)を満たすために用いられるオブジェクトの組み合わせを選択する選択機能と、
前記ゲーム内条件を満たすために、前記選択機能にて選択したオブジェクトの組み合わせを前記キャラクタに使用させる使用機能とを
実現させ、
該使用機能では、1つのオブジェクトを使用させる場合と、当該1つのオブジェクトを含む複数のオブジェクトの組み合わせを使用させる場合とで、異なる行動をとるように前記キャラクタを制御する機能を
実現させるためのビデオゲーム処理プログラム。
【請求項2】
前記選択機能では、オブジェクトに設定された性質を示す情報(以下「性質情報」という。)に基づいて、前記ゲーム内条件を満たすために用いられるオブジェクトの組み合わせを選択する機能を
実現させるための請求項1記載のビデオゲーム処理プログラム。
【請求項3】
前記選択機能では、前記キャラクタに関するオブジェクトの選択候補条件を満たす複数のオブジェクトから前記ゲーム内条件を満たすために用いられるオブジェクトの組み合わせを選択する機能を
実現させるための請求項1又は請求項2記載のビデオゲーム処理プログラム。
【請求項4】
前記サーバに、前記使用機能による組み合わせの使用により当該ゲーム内条件が満たされたか否かを所定の判定値に基づいて判定する判定機能を
実現させるための請求項1から請求項3のうち何れかに記載のビデオゲーム処理プログラム。
【請求項5】
前記選択機能では、所定のオブジェクトに対応付けられたキャラクタの行動を示す情報に基づいて、前記所定のオブジェクト以外の複数のオブジェクトから前記ゲーム内条件を満たすために用いられるオブジェクトの組み合わせを選択する機能を
実現させるための請求項1から請求項4のうち何れかに記載のビデオゲーム処理プログラム。
【請求項6】
前記選択機能では、前記ゲーム内条件が満たされる前に当該ゲーム内条件よりも充足優先度が高い他のゲーム内条件が設定されたときは、当該他のゲーム内条件を満たすために用いられるオブジェクトの組み合わせを優先して選択する機能を
実現させるための請求項1から請求項5のうち何れかに記載のビデオゲーム処理プログラム。
【請求項7】
通信ネットワークと、サーバと、ユーザ端末とを備え、ビデオゲームの進行においてキャラクタを制御するビデオゲーム処理システムであって、
前記ビデオゲームの進行状況に応じて、当該ビデオゲームにおける所定の条件(以下「ゲーム内条件」という。)を満たすために用いられるオブジェクトの組み合わせを選択する選択手段と、
前記ゲーム内条件を満たすために、前記選択手段にて選択したオブジェクトの組み合わせを前記キャラクタに使用させる使用手段とを含
み、
該使用手段では、1つのオブジェクトを使用させる場合と、当該1つのオブジェクトを含む複数のオブジェクトの組み合わせを使用させる場合とで、異なる行動をとるように前記キャラクタを制御する
ことを特徴とするビデオゲーム処理システム。
【請求項8】
ビデオゲームの進行においてキャラクタを制御する機能をユーザ端末に実現させるためのビデオゲーム処理プログラムであって、
前記ユーザ端末に、
前記ビデオゲームの進行状況に応じて、当該ビデオゲームにおける所定の条件(以下「ゲーム内条件」という。)を満たすために用いられるオブジェクトの組み合わせを選択する選択機能と、
前記ゲーム内条件を満たすために、前記選択機能にて選択したオブジェクトの組み合わせを前記キャラクタに使用させる使用機能とを
実現させ、
該使用機能では、1つのオブジェクトを使用させる場合と、当該1つのオブジェクトを含む複数のオブジェクトの組み合わせを使用させる場合とで、異なる行動をとるように前記キャラクタを制御する機能を
実現させるためのビデオゲーム処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態の少なくとも1つは、ビデオゲームの進行においてキャラクタを制御する機能を実現させるためのビデオゲーム処理プログラム、及びビデオゲーム処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ビデオゲームにおいてキャラクタを出現させ、当該キャラクタを制御することで当該ビデオゲームを進行させることが行われてきた。
【0003】
例えば、特許文献1には、キャラクタに自動で動作をさせることによりビデオゲームを進行させるシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ビデオゲームにおいて、所定の目的を達成するための所定行動が可能な1のオブジェクト(例えばアイテム)をキャラクタが使用するように当該キャラクタを自動制御することがある。一般的に、自動制御されるキャラクタは、ビデオゲームにおける目的が設定されると、所定行動が可能なオブジェクトの発見をトリガとして当該オブジェクトを使用する。
【0006】
ここで、当該オブジェクトをキャラクタが使用した場合において他の状況により所定行動が目的の達成に寄与しなかったり、当該行動が可能なオブジェクトをキャラクタが発見できなかったりする状況が発生し得る。つまり、キャラクタに所定目的を達成させるためには、当該目的の達成に寄与する行動が可能となる1のオブジェクトをキャラクタに使用させることになる。しかし、制御パターンを増加させるために、開発者により、キャラクタの使用により目的の達成に寄与するオブジェクト等をより多く用意(設定)する場合、ビデオゲームの規模が大きくなるに従って、データの設定や管理に関する開発者の負担が大きくなってしまう問題が発生していた。
【0007】
本発明の少なくとも1つの実施形態の目的は、上記課題を解決し、開発者の負担増加を抑える一方で、ビデオゲームにおいて所定の目的を達成するためのキャラクタの行動に多様性を持たせることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
非限定的な観点によると、本発明の一実施形態に係るビデオゲーム処理プログラムは、ビデオゲームの進行においてキャラクタを制御する機能をサーバに実現させるためのビデオゲーム処理プログラムであって、前記サーバに、前記ビデオゲームの進行状況に応じて、当該ビデオゲームにおける所定の条件(以下「ゲーム内条件」という。)を満たすために用いられるオブジェクトの組み合わせを選択する選択機能と、前記ゲーム内条件を満たすために、前記選択機能にて選択したオブジェクトの組み合わせを前記キャラクタに使用させる使用機能とを実現させるためのものである。
【0009】
非限定的な観点によると、本発明の一実施形態に係るビデオゲーム処理システムは、通信ネットワークと、サーバと、ユーザ端末とを備え、ビデオゲームの進行においてキャラクタを制御するビデオゲーム処理システムであって、前記ビデオゲームの進行状況に応じて、当該ビデオゲームにおける所定の条件(以下「ゲーム内条件」という。)を満たすために用いられるオブジェクトの組み合わせを選択する選択手段と、前記ゲーム内条件を満たすために、前記選択手段にて選択したオブジェクトの組み合わせを前記キャラクタに使用させる使用手段とを含むことを特徴とする。
【0010】
非限定的な観点によると、本発明の一実施形態に係るビデオゲーム処理プログラムは、ビデオゲームの進行においてキャラクタを制御する機能をユーザ端末に実現させるためのビデオゲーム処理プログラムであって、前記ユーザ端末に、前記ビデオゲームの進行状況に応じて、当該ビデオゲームにおける所定の条件(以下「ゲーム内条件」という。)を満たすために用いられるオブジェクトの組み合わせを選択する選択機能と、前記ゲーム内条件を満たすために、前記選択機能にて選択したオブジェクトの組み合わせを前記キャラクタに使用させる使用機能とを実現させるためのものである。
【発明の効果】
【0011】
本願の各実施形態により1または2以上の不足が解決される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するビデオゲーム処理システムの構成の例を示すブロック図である。
【
図2】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理の例を示すフローチャートである。
【
図4】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理におけるサーバ側の動作の例を示すフローチャートである。
【
図5】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理における端末側の動作の例を示すフローチャートである。
【
図6】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。
【
図7】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理の例を示すフローチャートである。
【
図8】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。
【
図9】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理の例を示すフローチャートである。
【
図10】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。
【
図11】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理の例を示すフローチャートである。
【
図12】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。
【
図13】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理の例を示すフローチャートである。
【
図14】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。
【
図15】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理の例を示すフローチャートである。
【
図16】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。
【
図17】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する情報の格納状態の例について説明するための説明図である。
【
図18】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理の例を示すフローチャートである。
【
図19】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム画面の例を示す説明図である。
【
図20】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム画面の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態の例について図面を参照して説明する。なお、以下で説明する各実施形態の例における各種構成要素は、矛盾等が生じない範囲で適宜組み合わせ可能である。また、ある実施形態の例として説明した内容については、他の実施形態においてその説明を省略している場合がある。また、各実施形態の特徴部分に関係しない動作や処理については、その内容を省略している場合がある。さらに、以下で説明する各種フローを構成する各種処理の順序は、処理内容に矛盾等が生じない範囲で順不同である。
【0014】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の一実施の形態におけるビデオゲーム処理システム100の構成の例を示すブロック図である。
図1に示すように、ビデオゲーム処理システム100は、ビデオゲーム処理サーバ10(サーバ10)と、ビデオゲーム処理システム100のユーザが使用するユーザ端末(20,201~20N(Nは任意の整数))とを含む。なお、ビデオゲーム処理システム100の構成はこれに限定されず、単一のユーザ端末を複数のユーザが使用する構成としてもよいし、複数のサーバを備える構成としてもよい。
【0015】
サーバ10と複数のユーザ端末20,201~20Nは、それぞれインターネットなどの通信ネットワーク30に接続されている。なお、図示しないが、複数のユーザ端末20,201~20Nは、通信業者によって管理される基地局と無線通信回線によるデータ通信を行うことによって、通信ネットワーク30と接続する。
【0016】
ビデオゲーム処理システム100は、サーバ10と複数のユーザ端末20,201~20Nとを備えることにより、ユーザの操作に応じて各種処理を実行するための各種機能を実現する。
【0017】
サーバ10は、ビデオゲーム処理システム100の管理者によって管理され、複数のユーザ端末20,201~20Nに対して各種処理に関する情報を提供するための各種機能を有する。本例において、サーバ10は、WWWサーバなどの情報処理装置によって構成され、各種情報を格納する記憶媒体を備える。サーバ10の構成は、制御部や通信部などコンピュータとして各種処理を行うための一般的な構成を備えていれば特に限定されない。以下、サーバ10のハードウェア構成の例について簡単に説明する。
【0018】
図1に示すように、サーバ10は、CPU(Central Processing Unit)101と、メモリ102と、記憶装置103とを少なくとも備える。
【0019】
CPU101は、各種の演算および制御を行う中央処理装置である。また、サーバ10がGPU(Graphics Processing Unit)を備える場合には、各種の演算および制御の一部をGPUによって行うようにしてもよい。サーバ10は、適宜メモリ102に読み出したデータを用いてビデオゲームの制御に必要な各種の情報処理をCPU101にて実行し、得られた処理結果を必要に応じて記憶装置103に記憶させる。
【0020】
記憶装置103は、各種情報を格納する記憶媒体としての機能を有する。記憶装置103の構成は特に限定されないが、複数のユーザ端末20,201~20Nそれぞれにかかる処理負荷を軽減させるといった観点から、ビデオゲームの制御に必要な各種情報を全て記憶可能な構成であることが好ましい。このような例には、HDDやSSDがある。ただし、各種情報を記憶する記憶部は、サーバ10がアクセス可能な状態で記憶領域を備えていればよく、例えば専用の記憶領域をサーバ10の外部に有する構成とされていてもよい。
【0021】
図2は、サーバ10の構成の例であるサーバ10Aの構成を示すブロック図である。
図2に示すように、サーバ10Aは、選択部11と、使用部12とを少なくとも備える。
【0022】
選択部11は、ビデオゲームの進行状況に応じて、当該ビデオゲームにおける所定の条件(ゲーム内条件)を満たすために用いられるオブジェクトの組み合わせを選択する機能を有する。
【0023】
ここで、ビデオゲームの進行状況に応じてとは、ビデオゲームで発生し得る種々の進行あるいは変化等の状況を特定の処理の契機や基準とすることを意味する。特定の処理の例としては、判定処理や情報更新処理などがある。また、ビデオゲームで発生し得る種々の進行あるいは変化等の状況の例としては、時間の進行、ゲーム要素値の変化、特定のステータス若しくはフラグの更新、あるいはユーザによる操作入力などがある。
【0024】
また、ゲーム内条件とは、ビデオゲームにおいて設定される条件を意味する。ゲーム内条件は特に限定されないが、ビデオゲームをキャラクタが進行させるための条件が好ましい。ゲーム内条件の例には、所定のイベントを完了又は一部進行させるための条件やキャラクタに与えられた課題を完了させるための条件がある。ゲーム内条件が設定されるタイミングは特に限定されないが、ビデオゲームをキャラクタが進行させるために必要なタイミングが好ましい。なお、所定のイベントを完了又は一部進行させるための条件が設定されるタイミングの例には、イベントの開始時や、イベントの進行中の所定タイミングがある。また、キャラクタに与えられた課題を完了させるための条件が設定されるタイミングの例には、キャラクタに課題が与えられたタイミングや課題の完了にキャラクタによる所定行動の実行が必要となった時がある。
【0025】
また、キャラクタとは、ビデオゲームに登場し行動するものを意味する。キャラクタには、ユーザ操作に基づいて行動するものやユーザ操作にかかわらず自律的に行動するものがある。特に、本例でのキャラクタは、ユーザ操作にかかわらず自律的に行動するものとする。自律的に行動するキャラクタは特に限定されず、ビデオゲームにおいてユーザの操作を完全に受け付けないノンプレイヤキャラクタ(NPC)でもよいし、一部ユーザの操作を受付ける状況が存在し、その他の状況ではユーザの操作を受け付けないキャラクタでもよい。自律的に行動するキャラクタの例には、周囲のオブジェクトを自律的に認識し意思決定及び行動を行うものがある。
【0026】
また、オブジェクトとは、ビデオゲームに登場する仮想的な物を意味する。特に、本例でのオブジェクトは、所定の行動の実行を目的としてキャラクタにより使用されるものとする。ここで、所定の行動は特に限定されないが、1つのオブジェクトを対象とした行動(例えばオブジェクトを「投げる」や「食べる」、「振る」)でもよいし、複数のオブジェクトを対象とした行動(例えば、あるオブジェクトを使用して他のオブジェクトを「たたき切る」や「打つ」)でもよい。
【0027】
また、オブジェクトの組み合わせとは、複数のオブジェクトをひとまとめにしたものを意味する。特に、本例での組み合わされた複数のオブジェクトは、同時期に使用することにより特定の行動が実行可能となるものとする。ここでの同時期は、具体的に、同時や、複数のオブジェクトを連続して使用する時期、非連続で使用する時期等である。また、特定の行動は特に限定されず、組み合わされたオブジェクトの何れかを単体で使用して実行できるものでもよいし、単体で使用しても実行できないものでもよい。特定の行動の例には、複数のオブジェクトを対象とした行動がある。
【0028】
また、オブジェクトの組み合わせを選択するための構成は特に限定されないが、オブジェクトに関する情報(オブジェクト情報)に基づいて選択する構成が好ましい。このような構成の例には、複数のオブジェクト情報が対応付けされた組み合わせ情報に基づいて選択する構成がある。なお、組み合わせ情報は特に限定されないが、組み合わされた複数のオブジェクトを同時期に使用することにより実行可能となる行動を示す情報も対応付けられていることが好ましい。
【0029】
使用部12は、ゲーム内条件を満たすために、選択部11にて選択したオブジェクトの組み合わせをキャラクタに使用させる機能を有する。
【0030】
ここで、オブジェクトの組み合わせをキャラクタに使用させるタイミングは特に限定されず、オブジェクトの組み合わせが選択されていれば種々のタイミングが考えられる。すなわち、オブジェクトの組み合わせをキャラクタに使用させるタイミングは、当該組み合わせの選択処理の直後のタイミングでもよいし、その後の必要なタイミングであってもよい。
【0031】
複数のユーザ端末20,201~20Nは、それぞれ、ユーザによって管理され、例えば携帯電話端末やPDA(Personal Digital Assistants)、携帯型ゲーム装置や所謂ウェアラブルデバイスなどのネットワーク配信型のゲームを行うことが可能な通信端末によって構成される。なお、ビデオゲーム処理システム100が含み得るユーザ端末の構成は上述した例に限定されず、ユーザが合成画像を認識し得る構成であればよい。ユーザ端末の構成の他の例には、各種通信端末を組み合わせたものやパーソナルコンピュータ、据置型ゲーム装置がある。
【0032】
また、複数のユーザ端末20,201~20Nは、それぞれ、通信ネットワーク30に接続し、サーバ10との通信を行うことにより各種処理を実行するためのハードウェア(例えば、座標に応じたブラウザ画面やゲーム画面を表示する表示装置など)及びソフトウェアを備える。なお、複数のユーザ端末20,201~20Nそれぞれは、サーバ10を介さずに互いに直接通信を行うこともできる構成とされていてもよい。
【0033】
次に、本例のビデオゲーム処理システム100(システム100)の動作について説明する。
【0034】
図3は、システム100が実行するビデオゲーム処理の例を示すフローチャートである。本例におけるゲーム処理では、ユーザ端末のユーザの操作に応じてビデオゲームの進行を制御すること関連する処理が行われる。以下、サーバ10Aとユーザ端末20(端末20)とが、ゲーム処理を実行する場合を例にして説明する。
【0035】
ゲーム処理は、例えば端末20が、条件の入力画面を表示した場合に開始される。以下、端末20が、ゲーム条件が設定され、かつ複数のオブジェクトが配置された場合を例にして説明する。
【0036】
サーバ10Aは、ゲーム処理において、先ず、ビデオゲームの進行状況に応じて、当該ビデオゲームにおける所定の条件(ゲーム内条件)を満たすために用いられるオブジェクトの組み合わせを選択する(ステップS11)。本例においてサーバ10Aは、オブジェクト情報に基づいて同時期に使用することによりキャラクタによる所定の行動が実行可能となる複数のオブジェクトの組み合わせを選択する。
【0037】
サーバ10Aは、オブジェクトの組み合わせを選択すると、ゲーム内条件を満たすために、選択したオブジェクトの組み合わせをキャラクタに使用させる(ステップS12)。本例においてサーバ10Aは、組み合わせの選択処理の直後に当該組み合わせをキャラクタに使用させ所定の行動を実行させる。また、サーバ10Aは、オブジェクト性質情報の利用に関する出力情報を端末20に送信する。
【0038】
端末20は、サーバ10Aから出力情報を受信すると、所定の表示装置の表示画面にゲーム画面を出力する(ステップS13)。本例において端末20がゲーム画面を出力すると、ここでの処理を終了する。
【0039】
図4は、ゲーム処理におけるサーバ10A側の動作の例を示すフローチャートである。ここでは、システム100におけるサーバ10Aの動作について改めて説明する。
【0040】
サーバ10Aは、ゲーム処理において、先ず、ビデオゲームの進行状況に応じて、当該ビデオゲームにおける所定の条件(ゲーム内条件)を満たすために用いられるオブジェクトの組み合わせを選択し(ステップS101)、ゲーム内条件を満たすために、選択したオブジェクトの組み合わせをキャラクタに使用させる(ステップS102)。サーバ10Aは、オブジェクトの組み合わせをキャラクタに使用させると、ここでの処理を終了する。
【0041】
図5は、端末20がゲーム処理を実行する場合の端末20側の動作の例を示すフローチャートである。以下、端末20が、単体でゲーム処理を実行する場合を例にして説明する。なお、端末20の構成については、サーバ10から各種情報を受信することを除きサーバ10の構成と同様の機能を備えるものであるため、重複説明を避ける観点から記載を省略する。
【0042】
端末20は、ゲーム処理において、先ず、ビデオゲームの進行状況に応じて、当該ビデオゲームにおける所定の条件(ゲーム内条件)を満たすために用いられるオブジェクトの組み合わせを選択し(ステップS201)、ゲーム内条件を満たすために、選択したオブジェクトの組み合わせをキャラクタに使用させる(ステップS202)。端末20は、オブジェクトの組み合わせをキャラクタに使用させると、ここでの処理を終了する。
【0043】
以上に説明したように、第1の実施形態の一側面として、ビデオゲームの進行においてキャラクタを制御するサーバ10Aが、選択部11と、使用部12とを備える構成としているので、ビデオゲームの進行状況に応じて、当該ビデオゲームにおける所定の条件(ゲーム内条件)を満たすために用いられるオブジェクトの組み合わせを選択し、ゲーム内条件を満たすために、選択したオブジェクトの組み合わせをキャラクタに使用させ、開発者の負担増加を抑える一方で、ビデオゲームにおいて所定の目的を達成するためのキャラクタの行動に多様性を持たせることが可能となる。
【0044】
すなわち、データの設定や管理に関する開発者の負担の増加を抑止しながら、キャラクタに所定目的を達成させるための行動パターンを増加させることが可能となる。また、1のオブジェクトをキャラクタが使用するだけの場合と比較して、目的を達成するためのキャラクタの行動自体の複雑化を開発者の負担の増加を抑止しつつ実現することが可能となる。
【0045】
[第2の実施形態]
図6は、ビデオゲーム処理サーバ10の例であるビデオゲーム処理サーバ10B(サーバ10B)の構成を示すブロック図である。本例において、サーバ10Bは、選択部11Bと、使用部12とを少なくとも備える。
【0046】
選択部11Bは、オブジェクトに設定された性質を示す情報(性質情報)に基づいて、ゲーム内条件を満たすために用いられるオブジェクトの組み合わせを選択する機能を有する。
【0047】
ここで、性質情報とは、オブジェクトに備わった特徴を示す情報を意味する。性質情報は、オブジェクト情報の一例である。オブジェクトの性質は特に限定されず、オブジェクトの物質的特徴でもよいし、オブジェクトに対して実行可能な行動を直接示すものでもよい。性質を示す情報の例には、性質を示す文字列情報や性質毎に割り当てられた識別情報、各性質に対応するフラグ情報がある。
【0048】
また、性質情報に基づいてオブジェクトの組み合わせを選択するとは、オブジェクトに設定された性質情報を参照してオブジェクトの組み合わせを選ぶことを意味する。性質情報に基づいてオブジェクトの組み合わせを選択するための構成は特に限定されないが、複数のオブジェクトに設定された性質情報が所定の組み合わせとなるように選択する構成が好ましい。このような構成の例には、複数の性質情報と、キャラクタにより実行可能な行動を示す情報とが対応付けされた性質組み合わせ情報に基づいて選択する構成がある。
【0049】
図7は、システム100が実行するゲーム処理の例を示すフローチャートである。以下、サーバ10Bと、端末20の動作を例にして説明する。なお、サーバ10Bと端末20それぞれの動作を示すフローチャートについては、重複説明を避ける観点から記載を省略する。
【0050】
サーバ10Bは、ゲーム処理において、先ず、ビデオゲームの進行状況に応じて、ゲーム内条件を満たすために用いられるオブジェクトの組み合わせをオブジェクトに設定された性質情報に基づいて選択する(ステップS2-11)。本例においてサーバ10Bは、組み合わされた複数のオブジェクトそれぞれに設定された性質情報が所定の組み合わせとなるように選択する。
【0051】
以上に説明したように、第2の実施形態の一側面として、ビデオゲームの進行においてキャラクタを制御するサーバ10Bが、選択部11Bと、使用部12とを備える構成としているので、オブジェクトに設定された性質を示す情報(性質情報)に基づいて、ゲーム内条件を満たすために用いられるオブジェクトの組み合わせを選択し、例えばオブジェクトの種類自体を参照する場合と比較して、ビデオゲームにおいて所定の目的を達成するためのオブジェクトの組み合わせの選択により多様性を持たせることが可能となる。
【0052】
[第3の実施形態]
図8は、ビデオゲーム処理サーバ10の例であるビデオゲーム処理サーバ10C(サーバ10C)の構成を示すブロック図である。本例において、サーバ10Cは、選択部11Cと、使用部12とを少なくとも備える。
【0053】
選択部11Cは、キャラクタに関するオブジェクトの選択候補条件を満たす複数のオブジェクトからゲーム内条件を満たすために用いられるオブジェクトの組み合わせを選択する機能を有する。
【0054】
ここで、キャラクタに関するオブジェクトの選択候補条件とは、キャラクタにより使用されるために選択される複数のオブジェクトとなる候補となる条件を意味する。キャラクタに関するオブジェクトの選択候補条件は特に限定されないが、当該キャラクタにより取得可能と判定されるオブジェクトの条件が好ましい。キャラクタにより取得可能と判定されるオブジェクトの条件の例には、キャラクタと同一の所定領域やキャラクタに与えられた課題に対応する領域に配置されたオブジェクトであること、キャラクタに直接付与されたオブジェクトであること等がある。
【0055】
図9は、システム100が実行するゲーム処理の例を示すフローチャートである。以下、サーバ10Cと、端末20の動作を例にして説明する。なお、サーバ10Cと端末20それぞれの動作を示すフローチャートについては、重複説明を避ける観点から記載を省略する。
【0056】
サーバ10Cは、ゲーム処理において、先ず、ビデオゲームの進行状況に応じて、キャラクタに関するオブジェクトの選択候補条件を満たす複数のオブジェクトからゲーム内条件を満たすために用いられるオブジェクトの組み合わせを選択する(ステップS3-11)。本例においてサーバ10Cは、キャラクタに与えられた課題に対応する領域に配置された複数のオブジェクトからゲーム内条件を満たすために用いられるオブジェクトの組み合わせを選択する。
【0057】
以上に説明したように、第3の実施形態の一側面として、ビデオゲームの進行においてキャラクタを制御するサーバ10Cが、選択部11Cと、使用部12とを備える構成としているので、キャラクタに関するオブジェクトの選択候補条件を満たす複数のオブジェクトからゲーム内条件を満たすために用いられるオブジェクトの組み合わせを選択し、オブジェクトの組み合わせに関するデータの管理が容易にすることが可能となる。
【0058】
[第4の実施形態]
図10は、ビデオゲーム処理サーバ10の例であるビデオゲーム処理サーバ10D(サーバ10D)の構成を示すブロック図である。本例において、サーバ10Dは、選択部11と、使用部12と、判定部13とを少なくとも備える。
【0059】
判定部13は、使用部12による組み合わせの使用により当該ゲーム内条件が満たされたか否かを所定の判定値に基づいて判定する機能を有する。
【0060】
ここで、判定値とは、ゲーム内条件が満たされたか否かを判定するために用いられる値を意味する。判定値は特に限定されず、組み合わされ使用された複数のオブジェクトに関する値でもよいし、キャラクタに関する値でもよい。オブジェクトに関する値の例には、アイテムの耐久度やサイズ、重量等がある。キャラクタに関する値の例には、キャラクタの腕力や脚力等がある。
【0061】
また、所定の判定値に基づいて判定するとは、所定の判定値が所定範囲内の値であるか否か、又は、所定値であるか否かに基づいて判定することを意味する。所定の判定値に基づいて判定する構成は特に限定されず、1つの判定値に基づいて判定する構成としてもよいし、2つ以上の判定値に基づいて判定する構成としてもよい。2つ以上の判定値に基づいて判定する構成の例には、2つ以上の判定値がそれぞれに対応する所定範囲内の値であるか否かに基づいて判定する構成がある。
【0062】
図11は、システム100が実行するゲーム処理の例を示すフローチャートである。以下、サーバ10Dと、端末20の動作を例にして説明する。なお、サーバ10Dと端末20それぞれの動作を示すフローチャートについては、重複説明を避ける観点から記載を省略する。
【0063】
サーバ10Dは、オブジェクトの組み合わせを使用させると、オブジェクトの組み合わせの使用によりゲーム内条件が満たされたか否かを所定の判定値に基づいて判定する(ステップS4-11)。本例においてサーバ10Dは、組み合わされた複数のオブジェクトに関する2つ以上の判定値がそれぞれに対応する所定範囲内の値であるか否かに基づいてゲーム内条件が満たされたか否かを判定する。また、サーバ10Dは、オブジェクト性質情報の利用に関する出力情報を端末20に送信する。
【0064】
以上に説明したように、第4の実施形態の一側面として、ビデオゲームの進行においてキャラクタを制御するサーバ10Dが、選択部11と、使用部12と、判定部13とを備える構成としているので、組み合わせの使用により当該ゲーム内条件が満たされたか否かを所定の判定値に基づいて判定し、オブジェクトの組み合わせを用いた結果に関して、判定値を用いない場合と比較してより詳細な判定処理を行うことができ、ゲームバランスを向上させることが可能となる。
【0065】
[第5の実施形態]
図12は、ビデオゲーム処理サーバ10の例であるビデオゲーム処理サーバ10E(サーバ10E)の構成を示すブロック図である。本例において、サーバ10Eは、選択部11Eと、使用部12とを少なくとも備える。
【0066】
選択部11Eは、所定のオブジェクトに対応付けられたキャラクタの行動を示す情報に基づいて、当該所定のオブジェクト以外の複数のオブジェクトからゲーム内条件を満たすために用いられるオブジェクトの組み合わせを選択する機能を有する。
【0067】
ここで、キャラクタの行動を示す情報は、所定のオブジェクトを使用して実行できる行動を示す情報を意味する。キャラクタの行動を示す情報は特に限定されないが、所定のオブジェクトの単体での使用により実行可能な行動を示す情報が好ましい。キャラクタの行動を示す情報の例には、キャラクタの行動の種類を示す情報がある。
【0068】
また、所定のオブジェクト以外の複数のオブジェクトからオブジェクトの組み合わせを選択するための構成は特に限定されないが、所定のオブジェクトに対応付けられたキャラクタの行動を示す情報に基づいて、使用により当該行動と同種の行動が可能な組み合わせを選択する構成がある。
【0069】
図13は、システム100が実行するゲーム処理の例を示すフローチャートである。以下、サーバ10Eと、端末20の動作を例にして説明する。なお、サーバ10Eと端末20それぞれの動作を示すフローチャートについては、重複説明を避ける観点から記載を省略する。
【0070】
サーバ10Eは、ゲーム処理において、先ず、所定のオブジェクトに対応付けられたキャラクタの行動を示す情報に基づいて、当該所定のオブジェクト以外の複数のオブジェクトからゲーム内条件を満たすために用いられるオブジェクトの組み合わせを選択する(ステップS5-11)。本例においてサーバ10Eは、所定のオブジェクトに対応付けられたキャラクタの行動を示す情報に基づいて、使用により当該行動と同種の行動が可能な組み合わせを選択する。
【0071】
以上に説明したように、第5の実施形態の一側面として、ビデオゲームの進行においてキャラクタを制御するサーバ10Eが、選択部11Eと、使用部12とを備える構成としているので、所定のオブジェクトに対応付けられたキャラクタの行動を示す情報に基づいて、当該所定のオブジェクト以外の複数のオブジェクトからゲーム内条件を満たすために用いられるオブジェクトの組み合わせを選択し、オブジェクトに対して行動に関する設定をする負担を削減することが可能となる。
【0072】
[第6の実施形態]
図14は、ビデオゲーム処理サーバ10の例であるビデオゲーム処理サーバ10F(サーバ10F)の構成を示すブロック図である。本例において、サーバ10Fは、選択部11Fと、使用部12とを少なくとも備える。
【0073】
選択部11Fは、ゲーム内条件が満たされる前に当該ゲーム内条件よりも充足優先度が高い他のゲーム内条件が設定されたときは、当該他のゲーム内条件を満たすために用いられるオブジェクトの組み合わせを優先して選択する機能を有する。
【0074】
ここで、ゲーム内条件の充足優先度とは、ゲーム内条件が満たされる優先の度合いを意味する。ゲーム内条件の充足優先度は特に限定されず、複数のゲーム内条件の順序によるものでもよいし、ゲーム内条件毎に値として設定されるものでもよい。ゲーム内条件の充足優先度を設定するための構成は特に限定されないが、ビデオゲームの進行状況や他のゲーム内条件に基づいて設定する構成が好ましい。ゲーム内条件の充足優先度を設定するための構成の例には、特定のゲーム内条件を満たすためには他のゲーム内条件が満たされる必要がある場合において他のゲーム内条件の充足優先度を特定のゲーム内条件の充足優先度よりも高く設定する構成がある。
【0075】
また、特定のゲーム内条件を満たすために用いられるオブジェクトの組み合わせを優先して選択するとは、特定のゲーム内条件を満たすために用いられるオブジェクトの組み合わせを他のゲーム内条件を満たすために用いられるオブジェクトの組み合わせよりも先に選択することを意味する。特定のゲーム内条件を満たすために用いられるオブジェクトの組み合わせを優先して選択するための構成は特に限定されず、既に選択され組み合わされた複数のオブジェクトが選択候補として含まれる構成でもよいし、含まれない構成でもよい。
【0076】
また、オブジェクトの組み合わせを優先して選択するタイミングは特に限定されず、既に設定されているゲーム内条件よりも充足優先度が高いゲーム内条件の設定処理の直後でもよいし、その後の必要なタイミングであってもよい。
【0077】
図15は、システム100が実行するゲーム処理の例を示すフローチャートである。以下、サーバ10Fと、端末20の動作を例にして説明する。なお、サーバ10Fと端末20それぞれの動作を示すフローチャートについては、重複説明を避ける観点から記載を省略する。
【0078】
サーバ10Fは、ゲーム処理において、先ず、ゲーム内条件が満たされる前に当該ゲーム内条件よりも充足優先度が高い他のゲーム内条件が設定されたときは、当該他のゲーム内条件を満たすために用いられるオブジェクトの組み合わせを優先して選択する(ステップS6-11)。本例においてサーバ10Fは、既に選択され組み合わされた複数のオブジェクトが選択候補として含めて充足優先度が高い他のゲーム内条件を満たすために用いられるオブジェクトの組み合わせを優先して選択する。
【0079】
以上に説明したように、第6の実施形態の一側面として、ビデオゲームの進行においてキャラクタを制御するサーバ10Fが、選択部11Fと、使用部12とを備える構成としているので、ゲーム内条件が満たされる前に当該ゲーム内条件よりも充足優先度が高い他のゲーム内条件が設定されたときは、当該他のゲーム内条件を満たすために用いられるオブジェクトの組み合わせを優先して選択し、状況の変化に応じた行動をキャラクタに実行させ、キャラクタの制御に関するビデオゲームの趣向性を向上させることが可能となる。
【0080】
[第7の実施形態]
図16は、システム100(
図1参照)におけるビデオゲーム処理サーバ10の例であるビデオゲーム処理サーバ10Z(サーバ10Z)の構成を示すブロック図である。本例において、サーバ10Zは、選択部11Zと、使用部12Zとを少なくとも備える。
【0081】
選択部11Zは、ビデオゲームの進行状況に応じて、当該ビデオゲームにおける所定の条件(ゲーム内条件)を満たすために用いられるオブジェクトの組み合わせを選択する機能を有する。
【0082】
ここで、ビデオゲームの進行状況に応じてとは、ビデオゲームで発生し得る種々の進行あるいは変化等の状況を特定の処理の契機や基準とすることを意味する。以下、キャラクタによるビデオゲームの進行状況に応じて当該キャラクタを制御する場合を例に説明する。
【0083】
また、ゲーム内条件とは、ビデオゲームにおいて設定される条件を意味する。以下、ゲーム内条件が、キャラクタに設定された目的が達成されるための条件である場合を例に説明する。キャラクタに設定された目的が達成されるための条件の例には、明かりが無いことが原因で視界が不良なダンジョンを探検するという目的がキャラクタに設定された場合の「明かりが灯る」ことや、ロープにつられた荷物を獲得するという目的がキャラクタに設定された場合の「ロープを切る」こと、がある。また、他の上記条件の例には、特定のアイテムAを獲得するという目的がキャラクタに設定された場合の「手が届くところにアイテムAを移動させる」ことや、手が届かない場所のスイッチを押すという目的がキャラクタに設定された場合の「手が届く場所に自身が移動する」ことがある。また、さらに他の上記条件の例には、壁の向こう側に移動するという目的がキャラクタに設定された場合の「壁を破壊する」ことや、スイッチを押した状態を維持するという目的がキャラクタに設定された場合の「スイッチの上に物を置く」ことがある。
【0084】
また、キャラクタとは、ビデオゲームに登場し行動するものを意味する。キャラクタには、ユーザ操作に基づいて行動するものやユーザ操作にかかわらず自律的に行動するものがある。特に本例でのキャラクタは、ユーザ操作にかかわらず自律的に行動するものとする。自律的に行動するキャラクタは特に限定されず、ビデオゲームにおいてユーザの操作を完全に受け付けないノンプレイヤキャラクタ(NPC)でもよいし、一部ユーザの操作を受付ける状況が存在し、その他の状況ではユーザの操作を受け付けないキャラクタでもよい。以下、キャラクタが、NPCである場合を例に説明する。本例では、NPCは、ビデオゲームにおいてオブジェクトを認識して意思決定を行い、行動を実行する。ここでの意思決定とは、NPCが実行する具体的な行動を決定することを意味する。
【0085】
また、オブジェクトとは、ビデオゲームに登場する仮想的な物を意味する。特に、本例でのオブジェクトは、所定の行動の実行を目的としてキャラクタにより使用されるものとする。以下、オブジェクトが、剣やたいまつ、ボールなどのアイテムである場合を例に説明する。ここで、所定の行動は特に限定されないが、1つのオブジェクトを対象とした行動(例えばオブジェクトを「投げる」や「食べる」、「振る」、「火を灯す」)でもよいし、複数のオブジェクトを対象とした行動(例えば、あるオブジェクトを使用して他のオブジェクトを「たたき切る」や「打つ」)でもよい。
【0086】
また、オブジェクトの組み合わせとは、複数のオブジェクトをひとまとめにしたものを意味する。特に、本例での組み合わされた複数のオブジェクトは、同時期に使用することにより特定の行動が実行可能となるものとする。ここでの同時期は、具体的に、同時や、複数のオブジェクトを連続して使用する時期、非連続で使用する時期等である。例えば、組み合わされた複数のオブジェクトがたいまつとライタである場合、同時期に使用することにより実行可能な特定の行動は、ライタで火を灯してたいまつに火を付けることである。
【0087】
また、オブジェクトの組み合わせを選択するための構成は特に限定されないが、オブジェクトに関する情報(オブジェクト情報)に基づいて選択する構成が好ましい。以下、オブジェクトに設定された性質を示す情報(性質情報)に基づいて、ゲーム内条件を満たすために用いられるオブジェクトの組み合わせを選択する場合を例に説明する。ここで、性質情報とは、オブジェクトに備わった特徴を示す情報を意味する。オブジェクトの性質は特に限定されず、オブジェクトの物質的特徴(例えば「細長い」、「燃える」)でもよいし、オブジェクトに対して実行可能な行動を直接示すもの(例えば「振る」や「蹴る」、「投げる」)でもよい。
【0088】
また、本例では、所定イベントに対応する領域にキャラクタが進入した場合に当該イベントを進行させるためのゲーム内条件が設定される。ゲーム内条件が設定された後、当該ゲーム内条件を満たすためのオブジェクト(選択候補のオブジェクト)が所定イベントに対応する領域に複数配置される。オブジェクトが配置されるタイミングは特に限定されず、ゲーム内条件が設定された後直ぐでもよいし、ゲーム内条件を満たすためのキャラクタの行動を特定する処理が所定時間実行された後でもよい。キャラクタが使用するオブジェクトの組み合わせは、所定イベントに対応する領域に配置された複数のオブジェクトから選択される。配置されるオブジェクトの種類や数は適宜決定される。なお、オブジェクトを配置する処理は、ユーザ操作に基づいて実行されてもよい。また、オブジェクトは、オブジェクトが一度配置された後であっても、さらに追加で配置されてもよい。
【0089】
また、本例では、既に設定されているゲーム内条件よりも充足優先度が高い他のゲーム内条件が設定された場合、当該他のゲーム内条件を満たすために用いられるオブジェクトの組み合わせが優先して選択される(リプランニングが実行される)。ここで、ゲーム内条件の充足優先度とは、ゲーム内条件が満たされる優先の度合いを意味する。具体的には、既に設定されているゲーム内条件を満たすために他のゲーム内条件を満たす必要がある場合に当該他のゲーム内条件を満たすために用いられるオブジェクトの組み合わせが選択される。
【0090】
例えば、「特定のアイテムを取得する」というゲーム内条件が既に設定されている状況において、キャラクタと特定のアイテムとの間に障害物が現れた場合、キャラクタが特定のアイテムを取得するために障害物を破壊する必要があるときは「障害物を破壊する」というゲーム内条件が「特定のアイテムを取得する」というゲーム内条件よりも充足優先度が高く設定され、当該ゲーム内条件を満たすために用いられるオブジェクトの組み合わせの選択が先ず行われる。ここで、「障害物を破壊する」というゲーム内条件を満たすために用いられる組み合わせの選択において、「特定のアイテムを取得する」というゲーム内条件を満たすために用いられる組み合わされた複数のオブジェクトが選択されてもよい。
【0091】
また、選択部11Zは、ゴール指向プランニングを用いてゲーム内条件を満たすために用いられるオブジェクトの組み合わせを選択する機能を有する。ここで、ゴール指向プランニングとは、目標を決定し、ビデオゲームの進行状況に基づき当該目標を達成するために必要な行動(過程)を組み合わせることを意味する。ゴール指向プランニングの例には、GOAP(Goal Oriented Action Planning)がある。オブジェクトの組み合わせの選択にゴール指向プランニングを用いることで、オブジェクトの組み合わせ選択処理の効率化と開発段階におけるデバック等作業のし易さの向上とが可能となる。
【0092】
使用部12Zは、ゲーム内条件を満たすために、選択部11にて選択したオブジェクトの組み合わせをキャラクタに使用させる機能を有する。
【0093】
ここで、オブジェクトの組み合わせをキャラクタに使用させるタイミングは特に限定されず、オブジェクトの組み合わせが選択されていれば種々のタイミングが考えられる。すなわち、オブジェクトの組み合わせをキャラクタに使用させるタイミングは、当該組み合わせの選択処理の直後のタイミングでもよいし、その後の必要なタイミングであってもよい。
【0094】
なお、組み合わされた複数のオブジェクトが同時期に使用されたことによって当該ゲーム内条件が満たされたか否かが所定の基準により判定される。本例では、所定の基準により判定する構成の例には、所定の判定値に基づいて判定する構成がある。ここで、判定値とは、ゲーム内条件が満たされたか否かを判定するために用いられる値を意味する。判定値の例には、アイテムの耐久度やサイズ、重量等がある。キャラクタに関する値の例には、キャラクタの腕力や脚力等がある。例えば、木の棒とボールの組み合わせが選択され、木の棒でボールを打って飛ばす行動をキャラクタに実行させる場合、木の棒の重量が所定値以上であるときにボールを飛ばすことが成功する。また、他の例では、ライタで火を灯してたいまつに火を付ける行動をキャラクタに実行させる場合、ライタ内の燃料が所定量以上であるときにたいまつに火を付けることに成功する。
【0095】
また、サーバ10Zが、所定のオブジェクトに対応付けられたキャラクタの行動を示す情報に基づいて、当該所定のオブジェクト以外の複数のオブジェクトからゲーム内条件を満たすために用いられるオブジェクトの組み合わせを選択する構成としてもよい。ここで、キャラクタの行動を示す情報は、所定のオブジェクトを使用して実行できる行動を示す情報を意味する。
【0096】
また、所定のオブジェクト以外の複数のオブジェクトは、所定のオブジェクトと所定の関係を有するオブジェクトを含んでよい。ここで、所定のオブジェクトと所定の関係を有するオブジェクトの例には、所定のオブジェクトとの間で行動に関する情報の継承が可能な関係を有するオブジェクトや、他のオブジェクトと組み合わされて使用されることにより所定のオブジェクトの性質と同様の性質を実現できるオブジェクトがある。所定のオブジェクトとの間で行動に関する情報の継承が可能な関係を有するオブジェクトの例には、所定のオブジェクトと近似の関係にあるオブジェクトや所定のオブジェクトの所定パラメータ(例えば形状や重量のパラメータ)と同様のパラメータを有するオブジェクトがある。組み合わされた複数のオブジェクトを使用することにより所定のオブジェクトの性質と同様の性質を実現する構成の例には、組み合わされた複数のオブジェクトを使用することにより特定の機能を所定のオブジェクトと同様に発揮可能になる構成がある。例えば、所定のオブジェクトが「剣」である場合、「刀身」と「厚手の布」とを組み合わせて、「刀身」に「厚手の布」を巻くことにより「剣」と同様にキャラクタが手にダメージを負わずに敵を攻撃できるようになる。なお、ここでの「ダメージを負わない」ことが「剣」の使用時に発揮する機能である。ここでの「厚手の布」は、例えば代わりに「金属製の義手」でもよい(ケガをしない。)。
【0097】
なお、上述したキャラクタの行動を示す情報は、キャラクタの動作を示す情報の一例である。ここでキャラクタの動作とは、キャラクタが動くことを意味する。キャラクタの動作は特に限定されないが、オブジェクトに関係するものが好ましい。キャラクタの動作には、キャラクタの行動以外に、キャラクタの体の何らかの動きが含まれ得る。
【0098】
図17は、サーバ10Zが備える記憶部(図示せず)に記憶される情報の格納状態の例について説明するための説明図である。
図17に示すように、記憶部は、オブジェクトに関する情報として、オブジェクトと、性質とを対応付けてオブジェクト関連情報として記憶する。
【0099】
オブジェクトは、オブジェクトの名前を示す情報を意味する。
【0100】
性質は、オブジェクトに設定された性質を示す情報(性質情報)を意味する。本例では、性質情報は、オブジェクトに設定された性質が文字列で示された情報である。ここで、性質情報のうち同様の行動を示すものについては、複数の性質が1つの性質情報として示されてよい。本例では、オブジェクト「鉄の棒」及び「たいまつ」の性質情報として「振る」と「打つ」とが1つの性質情報「振る(打つ)」として設定されている。ここでの「振る」は、「鉄の棒」、「たいまつ」単体を対象とした行動を示す。一方で「打つ」は、「鉄の棒」又は「たいまつ」と他のオブジェクト(例えば「ゴムボール」)との複数のオブジェクトを対象とした行動を示す。
【0101】
なお、
図17ではオブジェクトと性質とが対応付けされたオブジェクト関連情報について説明したが、少なくとも一部のオブジェクトには上述した所定のパラメータがさらに対応付けられてオブジェクト関連情報として記憶部に記憶されてもよい。
【0102】
次に、システム100(
図1参照)の例であるビデオゲーム処理システム100Z(システム100Z。図示せず。)の動作について説明する。システム100Zは、サーバ10Zを備える。以下、説明を簡単にするため、サーバ10Zおよび端末により実行される処理について、システム100Zが実行するものとして説明する。
【0103】
図18は、システム100Zが実行するビデオゲーム処理の例を示すフローチャートである。本例におけるゲーム処理では、ビデオゲームの進行においてキャラクタを制御することに関連する処理が行われる。以下、各処理について説明する。なお、各処理の順序は、処理内容に矛盾等が生じない範囲で順不同である。
【0104】
ゲーム処理は、例えばサーバ10Zにアクセスした端末20がゲーム画面の表示を要求したことを契機に開始される。
【0105】
システム100Zは、ゲーム処理において、先ず、ゲーム内条件を設定する(ステップS301)。本例では、システム100Zは、所定イベントに対応する領域にキャラクタが進入した場合、当該イベントを進行させるためのゲーム内条件を設定する。
【0106】
システム100Zは、ゲーム内条件を設定すると、複数のオブジェクトを配置する(ステップS302)。本例では、システム100Zは、ゲーム内条件を満たすためのオブジェクトを所定イベントに対応する領域に複数配置する。
【0107】
システム100Zは、複数のオブジェクトを配置すると、ビデオゲームの進行状況に応じて、ゲーム内条件を満たすために用いられるオブジェクトの組み合わせを選択する(ステップS303)。本例では、システム100Zは、オブジェクトに設定された性質情報に基づいてオブジェクトの組み合わせを選択する。
【0108】
システム100Zは、オブジェクトの組み合わせを選択すると、ゲーム内条件を満たすために、選択したオブジェクトの組み合わせをキャラクタに使用させる(ステップS304)。本例では、システム100Zは、オブジェクトの組み合わせの選択処理の直後に当該組み合わせをキャラクタに使用させる。
【0109】
システム100Zは、オブジェクトの組み合わせをキャラクタに使用させると、組み合わされた複数のオブジェクトが同時期に使用されたことによって当該ゲーム内条件が満たされたか否かを所定の基準により判定する(ステップS304)。本例では、システム100Zは、組み合わされた複数のオブジェクトが同時期に使用されたことによって当該ゲーム内条件が満たされたか否かを所定の判定値に基づいて判定する。
【0110】
本例では、システム100Zは、ゲーム内条件が満たされたか否かを判定すると、ここでの処理を終了する。
【0111】
図19は、ゲーム画面の例について説明するための説明図である。
図19のゲーム画面には、ユーザのキャラクタ1901と、木1902と、リンゴ1903と、鉄の棒1904と、ボール1905とが示されている。
【0112】
キャラクタ1901は、自律的にオブジェクトを認識し使用するキャラクタである。木1902は、仮想空間に生成された物である。リンゴ1903は、木1902に配置されているオブジェクトである。鉄の棒1904及びボール1905は、キャラクタ1901の付近に配置されているオブジェクトである。
図19に示す例では、木1902にあるリンゴ1903を獲得するというゲーム内条件が設定された直後のゲーム画面が示されている。ここで、設定されているゲーム内条件は、キャラクタ1901がビデオゲームを進行させるためのものである。なお、本例では、リンゴ1903は、鉄の棒1904及びボール1905の何れかをキャラクタが使用しても獲得できないオブジェクトである。
【0113】
図20は、ゲーム画面の例について説明するための説明図である。
図20のゲーム画面には、ユーザのキャラクタ2001と、木2002と、リンゴ2003と、鉄の棒2004と、ボール2005とが示されている。キャラクタ2001~ボール2005は、
図19におけるキャラクタ1901~ボール1905に対応する。
【0114】
ここで、
図20に示すように、鉄の棒2004とボール2005との組み合わせをキャラクタ2001が使用している。具体的には、鉄の棒2004を振ってボール2005を打っている(飛ばしている)。結果、ボール2005はリンゴ2003に激突し、リンゴ2003は激突が原因で地面に落下している。そのため、キャラクタ2001はリンゴ2003を獲得可能な状況になった。
【0115】
以上に説明したように、第7の実施形態の一側面として、ビデオゲームの進行においてキャラクタを制御するサーバ10Zが選択部11Zと、使用部12Zとを備える構成としているので、ビデオゲームの進行状況に応じて、当該ビデオゲームにおける所定の条件(ゲーム内条件)を満たすために用いられるオブジェクト(例えばアイテム)の組み合わせを選択し、ゲーム内条件を満たすために、選択したオブジェクトの組み合わせをキャラクタに使用させ(例えばアクションを実行させ)、開発者の負担増加を抑える一方で、ビデオゲームにおいて所定の目的を達成するためのキャラクタの行動に多様性を持たせることが可能となる。
【0116】
すなわち、データの設定や管理に関する開発者の負担の増加を抑止しながら、キャラクタに所定目的を達成させるための行動パターンを増加させることが可能となる。また、1のオブジェクトをキャラクタが使用するだけの場合と比較して、目的を達成するためのキャラクタの行動自体の複雑化を開発者の負担の増加を抑止しつつ実現することが可能となる。
【0117】
また、上述した第7の実施形態の例では、サーバ10Zが、オブジェクトに設定された性質を示す情報(性質情報)に基づいて、ゲーム内条件を満たすために用いられるオブジェクトの組み合わせを選択し、例えばオブジェクトの種類自体を参照する場合と比較して、ビデオゲームにおいて所定の目的を達成するためのオブジェクトの組み合わせの選択により多様性を持たせることが可能となる。
【0118】
また、上述した第7の実施形態の例では、サーバ10Zが、キャラクタに関するオブジェクトの選択候補条件を満たす複数のオブジェクトからゲーム内条件を満たすために用いられるオブジェクトの組み合わせを選択し、オブジェクトの組み合わせに関するデータの管理が容易にすることが可能となる。
【0119】
また、上述した第7の実施形態の例では、サーバ10Zが、組み合わせの使用により当該ゲーム内条件が満たされたか否かを所定の判定値に基づいて判定し、オブジェクトの組み合わせを用いた結果に関して、判定値を用いない場合と比較してより詳細な判定処理を行うことができ、ゲームバランスを向上させることが可能となる。
【0120】
また、上述した第7の実施形態の例では、サーバ10Zが、所定のオブジェクトに対応付けられたキャラクタの行動を示す情報に基づいて、当該所定のオブジェクト以外の複数のオブジェクトからゲーム内条件を満たすために用いられるオブジェクトの組み合わせを選択し、オブジェクトに対して行動に関する設定をする負担を削減することが可能となる。
【0121】
また、上述した第7の実施形態の例では、サーバ10Zが、ゲーム内条件が満たされる前に当該ゲーム内条件よりも充足優先度が高い他のゲーム内条件が設定されたときは、当該他のゲーム内条件を満たすために用いられるオブジェクトの組み合わせを優先して選択し、状況の変化に応じた行動をキャラクタに実行させ、キャラクタの制御に関するビデオゲームの趣向性を向上させることが可能となる。
【0122】
なお、上述した第7の実施形態の例では特に言及していないが、サーバ10Zが、何らかのタスクの進行において第1オブジェクトを制御する構成としてもよい。ここでの「第1オブジェクト」は、第7の実施形態の例における「キャラクタ」を読み替えたものである。また、サーバ10Zが、何らかのタスクの進行状況に応じて、タスクに関する所定の条件(タスク条件)を満たすために用いられる第2オブジェクトの組み合わせを選択し、タスク条件を満たすために、選択した第2オブジェクトの組み合わせを第1オブジェクトに使用させる構成としてもよい。ここで、「第2オブジェクト」は、第7の実施形態の例における「オブジェクト」を読み替えたものである。また、タスクとは、個々の作業や工程、処理の実行単位等を意味する。
【0123】
以上に説明したように、本願の各実施形態により1または2以上の不足が解決される。なお、夫々の実施形態による効果は、非限定的な効果または効果の一例である。
【0124】
なお、上述した各実施形態では、複数のユーザ端末20,201~20Nとサーバ10は、自己が備える記憶装置に記憶されている各種制御プログラム(例えば、ビデオゲーム処理プログラム)に従って、上述した各種の処理を実行する。
【0125】
また、システム100の構成は上述した各実施形態の例として説明した構成に限定されず、例えばユーザ端末が実行する処理として説明した処理の一部または全部をサーバ10が実行する構成としてもよいし、サーバ10が実行する処理として説明した処理の一部または全部を複数のユーザ端末20,201~20Nの何れか(例えば、ユーザ端末20)が実行する構成としてもよい。また、サーバ10が備える記憶部の一部または全部を複数のユーザ端末20,201~20Nの何れかが備える構成としてもよい。すなわち、システム100におけるユーザ端末20とサーバ10のどちらか一方が備える機能の一部または全部を、他の一方が備える構成とされていてもよい。
【0126】
また、プログラムが、上述した各実施形態の例として説明した機能の一部または全部を、通信ネットワークを含まない装置単体に実現させる構成としてもよい。
【0127】
[付記]
上述した実施形態の説明は、少なくとも下記発明を、当該発明の属する分野における通常の知識を有する者がその実施をすることができるように記載した。
[1]
ビデオゲームの進行においてキャラクタを制御する機能をサーバに実現させるためのビデオゲーム処理プログラムであって、
前記サーバに、
前記ビデオゲームの進行状況に応じて、当該ビデオゲームにおける所定の条件(以下「ゲーム内条件」という。)を満たすために用いられるオブジェクトの組み合わせを選択する選択機能と、
前記ゲーム内条件を満たすために、前記選択機能にて選択したオブジェクトの組み合わせを前記キャラクタに使用させる使用機能とを
実現させるためのビデオゲーム処理プログラム。
[2]
前記選択機能では、オブジェクトに設定された性質を示す情報(以下「性質情報」という。)に基づいて、前記ゲーム内条件を満たすために用いられるオブジェクトの組み合わせを選択する機能を
実現させるための[1]記載のビデオゲーム処理プログラム。
[2-1]
前記選択機能では、前記性質情報に基づいて、前記ゲーム内条件を満たすための前記キャラクタの所定行動を実行可能とするようにオブジェクトの組み合わせを選択する機能を
実現させるための[2]記載のビデオゲーム処理プログラム。
[3]
前記選択機能では、前記キャラクタに関するオブジェクトの選択候補条件を満たす複数のオブジェクトから前記ゲーム内条件を満たすために用いられるオブジェクトの組み合わせを選択する機能を
実現させるための[1]又は[2]記載のビデオゲーム処理プログラム。
[4]
前記サーバに、前記使用機能による組み合わせの使用により当該ゲーム内条件が満たされたか否かを所定の判定値に基づいて判定する判定機能を
実現させるための[1]から[3]のうち何れかに記載のビデオゲーム処理プログラム。
[5]
前記選択機能では、所定のオブジェクトに対応付けられたキャラクタの行動を示す情報に基づいて、前記所定のオブジェクト以外の複数のオブジェクトから前記ゲーム内条件を満たすために用いられるオブジェクトの組み合わせを選択する機能を
実現させるための[1]から[4]のうち何れかに記載のビデオゲーム処理プログラム。
[5-1]
前記所定のオブジェクト以外の複数のオブジェクトは、前記所定のオブジェクトと所定の関係を有するオブジェクトを含む
[5]記載のビデオゲーム処理プログラム。
[6]
前記選択機能では、前記ゲーム内条件が満たされる前に当該ゲーム内条件よりも充足優先度が高い他のゲーム内条件が設定されたときは、当該他のゲーム内条件を満たすために用いられるオブジェクトの組み合わせを優先して選択する機能を
実現させるための[1]から[5]のうち何れかに記載のビデオゲーム処理プログラム。
[7]
前記選択機能では、ゴール指向プランニングを用いて前記ゲーム内条件を満たすために用いられるオブジェクトの組み合わせを選択する機能を
実現させるための[1]から[6]のうち何れかに記載のビデオゲーム処理プログラム。
[8]
[1]から[7]のうち何れかに記載のビデオゲーム処理プログラムが前記サーバに実現させる機能のうち少なくとも1つの機能を、当該サーバと通信可能なユーザ端末に実現させるためのビデオゲーム処理プログラム。
[9]
通信ネットワークと、サーバと、ユーザ端末とを備え、ビデオゲームの進行においてキャラクタを制御するビデオゲーム処理システムであって、
前記ビデオゲームの進行状況に応じて、当該ビデオゲームにおける所定の条件(以下「ゲーム内条件」という。)を満たすために用いられるオブジェクトの組み合わせを選択する選択手段と、
前記ゲーム内条件を満たすために、前記選択手段にて選択したオブジェクトの組み合わせを前記キャラクタに使用させる使用手段とを含む
ことを特徴とするビデオゲーム処理システム。
[10]
前記サーバが、前記選択手段と、前記使用手段とを含み、
前記ユーザ端末が、前記表示手段により前記キャラクタの様子を表すゲーム画面を表示装置の表示画面に出力する出力手段を含む
[9]記載のビデオゲーム処理システム。
[11]
ビデオゲームの進行においてキャラクタを制御する機能をユーザ端末に実現させるためのビデオゲーム処理プログラムであって、
前記ユーザ端末に、
前記ビデオゲームの進行状況に応じて、当該ビデオゲームにおける所定の条件(以下「ゲーム内条件」という。)を満たすために用いられるオブジェクトの組み合わせを選択する選択機能と、
前記ゲーム内条件を満たすために、前記選択機能にて選択したオブジェクトの組み合わせを前記キャラクタに使用させる使用機能とを
実現させるためのビデオゲーム処理プログラム。
[12]
ビデオゲームの進行においてキャラクタを制御するビデオゲーム処理方法であって、
前記ビデオゲームの進行状況に応じて、当該ビデオゲームにおける所定の条件(以下「ゲーム内条件」という。)を満たすために用いられるオブジェクトの組み合わせを選択する選択処理と、
前記ゲーム内条件を満たすために、前記選択処理にて選択したオブジェクトの組み合わせを前記キャラクタに使用させる使用処理とを含む
ことを特徴とするビデオゲーム処理方法。
[13]
通信ネットワークと、サーバと、ユーザ端末とを備えるビデオゲーム処理システムが、ビデオゲームの進行においてキャラクタを制御するビデオゲーム処理方法であって、
前記ビデオゲームの進行状況に応じて、当該ビデオゲームにおける所定の条件(以下「ゲーム内条件」という。)を満たすために用いられるオブジェクトの組み合わせを選択する選択処理と、
前記ゲーム内条件を満たすために、前記選択処理にて選択したオブジェクトの組み合わせを前記キャラクタに使用させる使用処理とを含む
ことを特徴とするビデオゲーム処理方法。
【産業上の利用可能性】
【0128】
本発明の実施形態の一つによれば、開発者の負担増加を抑える一方で、ビデオゲームにおいて所定の目的を達成するためのキャラクタの行動に多様性を持たせることを可能にするのに有用である。
【符号の説明】
【0129】
10 ビデオゲーム処理サーバ
20,201~20N ユーザ端末
11 選択部
12 使用部
13 判定部
30 通信ネットワーク
100 ビデオゲーム処理システム