(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-08
(45)【発行日】2022-09-16
(54)【発明の名称】内視鏡システムに用いる画像処理装置、内視鏡システム及び内視鏡システムの作動方法
(51)【国際特許分類】
A61B 1/045 20060101AFI20220909BHJP
A61B 1/00 20060101ALI20220909BHJP
G16H 30/40 20180101ALI20220909BHJP
【FI】
A61B1/045 619
A61B1/00 685
A61B1/045 618
G16H30/40
(21)【出願番号】P 2020554641
(86)(22)【出願日】2018-10-30
(86)【国際出願番号】 JP2018040315
(87)【国際公開番号】W WO2020090002
(87)【国際公開日】2020-05-07
【審査請求日】2021-04-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002907
【氏名又は名称】特許業務法人イトーシン国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】谷口 勝義
(72)【発明者】
【氏名】神田 大和
(72)【発明者】
【氏名】窪田 明広
【審査官】▲高▼原 悠佑
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-128423(JP,A)
【文献】特開2013-128702(JP,A)
【文献】国際公開第2017/002184(WO,A1)
【文献】特開2009-178180(JP,A)
【文献】国際公開第2017/006574(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/199635(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00-1/32
A61B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された画像に対する病変部候補の検出と、前記病変部候補の鑑別との少なくとも一方を含む画像処理を行う内部画像処理部と、
外部ネットワークに接続された外部画像処理装置に対して前記入力された画像の一部を選択して送信するための選択処理を行う選択処理部と、
前記外部画像処理装置による前記病変部候補の検出と、前記病変部候補の鑑別との少なくとも一方の処理結果を受信するインタフェースと、
を具備したことを特徴とする内視鏡システムに用いる画像処理装置。
【請求項2】
前記選択処理部は、操作信号に基づいて前記選択処理を行って、前記入力された画像を前記内部画像処理部に供給するか前記外部画像処理装置に送信するかを切換えるための画像の選択処理を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡システムに用いる画像処理装置。
【請求項3】
前記選択処理部は、前記入力された画像の信号処理に基づいて前記選択処理を行って、前記入力された画像を前記内部画像処理部に供給するか前記外部画像処理装置に送信するかを切換えるための画像の選択処理を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡システムに用いる画像処理装置。
【請求項4】
前記選択処理部は、前記内部画像処理部に入力された画像のうち前記外部画像処理装置に送信する画像を選択するための選択処理を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡システムに用いる画像処理装置。
【請求項5】
前記選択処理部は、前記内部画像処理部による画像処理の処理結果に基づいて、前記外部画像処理装置に送信する画像を選択するための選択処理を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡システムに用いる画像処理装置。
【請求項6】
前記内部画像処理部は、診断処理を実施する
ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡システムに用いる画像処理装置。
【請求項7】
前記外部画像処理装置は、診断処理を実施する
ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡システムに用いる画像処理装置。
【請求項8】
前記内部画像処理部及び外部画像処理装置は、診断処理を実施する
ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡システムに用いる画像処理装置。
【請求項9】
前記内部画像処理部は、外部画像処理装置に比較して短時間で処理結果を出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡システムに用いる画像処理装置。
【請求項10】
前記外部画像処理装置は、内部画像処理部に比較して詳細な処理結果を出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡システムに用いる画像処理装置。
【請求項11】
前記内部画像処理部は、前記入力された画像に対する第1の診断を実施し、
前記選択処理部は、前記外部画像処理装置において前記第1の診断よりも詳細な第2の診断を行うための画像を、前記第1の診断の結果に基づいて選択する
ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡システムに用いる画像処理装置。
【請求項12】
前記内部画像処理部は、前記入力された画像から病変部候補の検出を行い、
前記選択処理部は、前記外部画像処理装置に対して前記病変部候補の鑑別を行わせるために、前記病変部候補の画像部分を含む画像を選択的に送信するための画像を選択し、
前記インタフェースは、前記外部画像処理装置による、前記選択処理部から送信された画像に基づく前記病変部候補の鑑別結果を前記処理結果として受信する
ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡システムに用いる画像処理装置。
【請求項13】
前記選択処理部は、前記病変部候補を含む画像部分をトリミングした画像を前記外部画像処理装置に送信するための選択処理を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡システムに用いる画像処理装置。
【請求項14】
前記選択処理部は、前記病変部候補の検出の信頼度が所定の閾値よりも低い画像を前記外部画像処理装置に送信するための選択処理を行い、
前記インタフェースは、前記外部画像処理装置による、前記選択処理部から送信された前記病変部候補の検出の信頼度が所定の閾値よりも低い画像に基づく前記処理結果を受信する
ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡システムに用いる画像処理装置。
【請求項15】
前記選択処理部は、前記病変部候補の画像部分のサイズが所定のサイズよりも大きい画像を前記外部画像処理装置に送信するための選択処理を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡システムに用いる画像処理装置。
【請求項16】
前記選択処理部は、前記病変部候補のフレームを含む前後所定数のフレームの画像を前記外部画像処理装置に送信するための選択処理を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡システムに用いる画像処理装置。
【請求項17】
前記選択処理部は、前記入力された画像の輝度範囲、色範囲、合焦状態範囲の少なくとも1つの範囲が各閾値の範囲外にある場合には、前記入力された画像を前記外部画像処理装置に送信しないための選択処理を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡システムに用いる画像処理装置。
【請求項18】
前記内部画像処理部の処理結果及び前記外部画像処理装置の処理結果の少なくとも一方と前記入力された画像とを出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡システムに用いる画像処理装置。
【請求項19】
前記内部画像処理部の処理結果及び前記外部画像処理装置の処理結果の少なくとも一方と前記入力された画像とをモニタに出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡システムに用いる画像処理装置。
【請求項20】
前記選択処理部は、静止画像撮影と、静止画像表示と、観察モード切替と、画像拡大と、画像の所定時間以上の停止と、医療機器のオン、オフの切り替えとの少なくとも1つである操作信号に基づいて前記選択処理を行うことを特徴とする請求項2に記載の内視鏡システムに用いる画像処理装置。
【請求項21】
請求項1から20のいずれか1つに記載の内視鏡システムに用いる画像処理装置と、
前記外部画像処理装置と
を具備したことを特徴とする内視鏡システム。
【請求項22】
内部画像処理部と、選択処理部と、インタフェースと、を備えた内視鏡システムの作動方法であって、
前記内部画像処理部が、入力された画像に対する病変部候補の検出と、前記病変部候補の鑑別との少なくとも一方を含む画像処理を行い、
前記選択処理部が、外部ネットワークに接続された外部画像処理装置に対して前記入力された画像の一部を選択して送信するための選択処理を行い、
前記インタフェースが、前記外部画像処理装置の前記病変部候補の検出と、前記病変部候補の鑑別との少なくとも一方の処理結果を受信する
ことを特徴とする内視鏡システム
の作動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク上の装置との連携処理が可能な内視鏡システムに用いる画像処理装置、内視鏡システム及び内視鏡システムの作動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医療用画像に対する画像処理によって、定量的な判断尺度の提供・診断の際に着目すべき微細構造の特定・画像解析による病状の推定結果などの支援情報を提供するコンピュータ診断支援(Computer Aided Diagnosis:CAD)が開発されている。CADは、例えば、X線画像に対する診断等に利用されている。
【0003】
また、近年、内視鏡からの動画像に対して病変部候補の位置を示したり鑑別情報を表示したりするCADも発表されている。CADにおいて鑑別情報を表示するためには、膨大な計算が必要である。このため、例えば手術室に配置されたシステムだけでは、演算能力等の点からCADによる確実な診断処理を行うことができないことがあったり、確実な診断を行うために膨大な時間を要する場合があったりする。そこで、ネットワークを介して処理能力が高い外部の機器に画像情報等を伝送して、外部機器において診断処理等を行う場合が考えられる。
【0004】
この場合には、伝送量の削減のために画像の符号化処理をおこなうことも考えられる。例えば、特許文献1においては、複数のカメラを備えた監視カメラシステムにおいて、ネットワークを介してシステムに流される画像情報を削減するために、画像情報を符号化することで、伝送するデータ量を削減する技術が開示されている。
【0005】
しかしながら、特許文献1の提案を採用して情報を圧縮して伝送したとしても、伝送量を十分に削減することができないことがあるという問題があった。
【0006】
本発明は、外部の機器に伝送する画像情報の選択を行うことにより、外部の機器への伝送量を十分に削減することができる内視鏡システムに用いる画像処理装置、内視鏡システム及び内視鏡システムの作動方法を提供することを目的とする。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様の内視鏡システムに用いる画像処理装置は、入力された画像に対する病変部候補の検出と、前記病変部候補の鑑別との少なくとも一方を含む画像処理を行う内部画像処理部と、外部ネットワークに接続された外部画像処理装置に対して前記入力された画像の一部を選択して送信するための選択処理を行う選択処理部と、前記外部画像処理装置による前記病変部候補の検出と、前記病変部候補の鑑別との少なくとも一方の処理結果を受信するインタフェースと、を具備する。
【0008】
本発明の一態様の内視鏡システムは、前記内視鏡システムに用いる画像処理装置と、前記外部画像処理装置とを具備する。
【0009】
本発明の一態様による内視鏡システムの作動方法は、内部画像処理部と、選択処理部と、インタフェースと、を備えた内視鏡システムの作動方法であって、前記内部画像処理部が、入力された画像に対する病変部候補の検出と、前記病変部候補の鑑別との少なくとも一方を含む画像処理を行い、前記選択処理部が、外部ネットワークに接続された外部画像処理装置に対して前記入力された画像の一部を選択して送信するための選択処理を行い、前記インタフェースが、前記外部画像処理装置の前記病変部候補の検出と、前記病変部候補の鑑別との少なくとも一方の処理結果を受信する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像処理装置を用いた内視鏡システムを示す説明図。
【
図2】内部画像処理装置4の具体的な構成の一例を示すブロック図。
【
図3】本発明の第2の実施の形態を示すブロック図。
【
図4】
図3中の選択部15の具体的な構成の一例を示すブロック図。
【
図5】第1の実施の形態の動作を説明するためのフローチャート。
【
図6】本発明の第3の実施の形態を示すブロック図。
【
図7】本発明の第4の実施の形態を示すブロック図。
【
図8】
図7中の画像処理部22の具体的な構成の一例を示すブロック図。
【
図9】第4の実施の形態の動作を説明するためのフローチャート。
【
図10】本発明の第5の実施の形態を示すブロック図。
【
図11】本発明の第6の実施の形態を示すブロック図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0012】
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態に係る画像処理装置を用いた内視鏡システムを示す説明図である。
【0013】
本実施の形態の内視鏡システムは、外部ネットワークの内側に配置された内部画像処理装置と、内部画像処理装置により外部ネットワークを介してアクセス可能な外部画像処理装置とにより構成される。一般に、外部ネットワークに接続された外部画像処理装置は、内部画像処理装置に比べて処理能力が高く、高精度処理が容易である場合が多いのに対し、外部ネットワークの内側に配置される内部画像処理装置は、外部ネットワークへのアクセス及びデータ伝送に要する時間だけ早く処理を行うことができ、結果的に高速処理やリアルタイム処理が可能な場合がある。
【0014】
本実施の形態はこのような内部画像処理装置と外部画像処理装置との利点を考慮して、処理に用いる画像情報等の外部画像処理装置への伝送を選択的に行うことで、伝送量を削減すると同時に、リアルタイム性や高速性を必要に応じて確保しつつ、詳細で信頼性の高い確実な処理を可能にするものである。
【0015】
本実施の形態は、画像処理の対象となる画像として、内視鏡からの動画像を例に説明するが、本実施の形態は内視鏡画像等の医療画像に限らず、各種動画像についての処理を行うものに適用可能である。また、適用対象の画像として医療画像を採用し画像処理として診断処理等を行う装置を例に説明するが、画像処理の種類は特に限定されるものではなく、種々の画像処理に適用可能である。
【0016】
図1において、内視鏡1は、体腔内に挿入される図示しない細長い挿入部を有し、挿入部の基端部には操作者に操作される操作部(図示せず)が連設されている。この操作部からユニバーサルコード2が延出されてセントラルプロセッサ3に接続されている。内視鏡1の挿入部の先端部には、観察対象を照明するための照明レンズが配設されており、照明レンズを介して被写体に照明光が照射されるようになっている。被写体からの反射光は、挿入部の先端に設けられた対物レンズを介して挿入部に取り込まれ、内視鏡1に設けられたCCDやCMOSセンサ等により構成される撮像部に入射する。撮像部は、被写体光学像に基づく撮像信号をユニバーサルコード2を介してセントラルプロセッサ3に出力する。
【0017】
セントラルプロセッサ3は、内視鏡1からの撮像信号に対して所定の信号処理を施して、モニタ5に表示可能な形式の内視鏡画像を生成する。セントラルプロセッサ3は生成した内視鏡画像(医療画像)を内部画像処理装置4に出力する。なお、内部画像処理装置4には内視鏡1により得られた内視鏡画像のみが入力される例を示しているが、複数の内視鏡からの画像や超音波内視鏡からの画像等、複数種類の医療画像が入力されるものであってもよい。
【0018】
内部画像処理装置4は、入力された医療画像に対する画像解析によって、診断支援を行うことができるようになっている。例えば、内部画像処理装置4は、医療画像に基づいて病変部候補を検出することができる。また、例えば、内部画像処理装置4は、検出した病変部候補について、良性か悪性か等の鑑別を行うことができるようになっていてもよい。
【0019】
内部画像処理装置4による病変部候補の検出や鑑別には、公知の各種手法を採用することができる。例えば、内部画像処理装置4は、AIを用いた機械学習によって、病変部候補の検出や鑑別を行うようになっていてもよい。例えば、内部画像処理装置4は、病変部の画像や病変部でない画像等の大量の学習用画像を用いた深層学習によって、医療画像から病変部候補の検出や鑑別を行うための推論モデルを生成してもよい。この場合には、内部画像処理装置4は、病変部候補である確率や鑑別の確率の情報を出力することができる。
【0020】
なお、機械学習に採用するネットワークとしては、公知の種々のネットワークを採用してもよい。例えば、CNN(Convolution Neural Network)を利用したR-CNN(Regions with CNN features)やFCN(Fully Convolutional Networks)等を用いてもよい。また、深層学習に限らず、公知の各種機械学習の手法を採用して推論モデルを取得してもよい。
【0021】
また、内部画像処理装置4は、機械学習以外の手法によって、医療画像から病変部候補の検出や鑑別を行ってもよい。例えば、内部画像処理装置4は、医療画像に対する画像解析により、色、突起部等の形状、表面形状等について各像部分を判定することで、病変部候補の検出や鑑別を行ってもよい。
【0022】
内部画像処理装置4は、外部ネットワーク6にアクセス可能であり、外部ネットワーク6に接続されている外部画像処理装置7との間で情報の授受が可能である。なお、外部ネットワーク6は例えばインターネット等の公衆ネットワークであってもよく、院内ネットワーク等であってもよい。
【0023】
外部画像処理装置7は内部画像処理装置4と同様の機能を有し、内部画像処理装置4よりも高精度の処理を比較的短時間に行うことができる。例えば、外部画像処理装置7の診断機能を機械学習によって実現する場合には、外部画像処理装置7はより大量の画像を用いて機械学習を行っており、内部画像処理装置4よりも高い信頼度で高精度の診断を行うことができる可能性を有している。なお、外部画像処理装置7は、1台のコンピュータによって機能を実現するものだけに限らず、分散処理を行う複数のコンピュータによって機能を実現するものでもよく、また、インターネット上のサービスとして各種機能を提供するクラウドコンピューティングを実現するものであってもよい。
【0024】
内部画像処理装置4は、自機において診断を行うだけでなく、外部画像処理装置7に対して画像情報等を送信して診断等を依頼することができるようになっている。この場合において、本実施の形態においては、内部画像処理装置4は、入力される画像情報のうち外部画像処理装置7に提供する画像情報等を選択し、一部の画像情報のみを外部画像処理装置7に出力するようになっている。外部画像処理装置7は、内部画像処理装置4の請求に従って、受信した画像情報に対する診断を実施し、診断結果を外部ネットワーク6を介して内部画像処理装置4に送信することができるようになっている。
【0025】
内部画像処理装置4は、セントラルプロセッサ3からの医療画像をモニタ5に出力することができる。また、内部画像処理装置4は、自機による診断結果と外部画像処理装置7の診断結果とを表示するためのモニタ出力を発生してモニタ5に出力することができるようになっている。なお、内部画像処理装置4は、セントラルプロセッサ3からの医療画像に診断結果を重畳してモニタ5に表示させることが可能である。
【0026】
本実施の形態においては、内部画像処理装置4は、外部からの選択信号に基づいて、外部画像処理装置7に供給する画像情報の選択を行うようになっている。外部からの選択信号としては、例えば、内視鏡1の操作に基づく信号を用いることができる。
【0027】
例えば、内視鏡1の操作部には、静止画撮影のためのレリーズスイッチや静止画表示のためのフリーズスイッチ等が配設されている。レリーズスイッチやフリーズスイッチは、術者が例えば注意深く観察すべきと判断した場合に操作されることが考えられる。そこで、レリーズスイッチやフリーズスイッチ等が操作されると、当該操作に基づく操作信号を画像情報の出力先の選択信号として内部画像処理装置4に与えるようになっていてもよい。内部画像処理装置4は、レリーズスイッチやフリーズスイッチ等の操作に基づく選択信号が入力されると、この操作によって指定された静止画像を外部ネットワーク6を介して外部画像処理装置7に供給する。
【0028】
また、内視鏡1では、可視光を用いた通常光観察(白色光観察:White Light Imaging:WLI)だけでなく、狭帯域光観察(Narrow Band Imaging:NBI)や蛍光観察等の特殊光観察も可能である。内視鏡1の操作部には、通常光観察と特殊光観察との選択のためのスイッチも配設されており、このスイッチの操作に基づく操作信号を画像情報の出力先の選択信号として内部画像処理装置4に与えるようになっていてもよい。この場合には、内部画像処理装置4は、通常光観察時には入力された画像情報を自機で用い、特殊光観察を指定する操作に基づく選択信号が入力されると、入力された画像を外部ネットワーク6を介して外部画像処理装置7に供給する。
また、観察モードの切換時を操作の一例として挙げたが、例えば、画像を拡大する操作信号等のように画像を注意深く見ようとする操作についても選択信号として採用してもよい。また、画像が一定時間以上停止した場合等についても、これを検出して選択信号としてもよい。
【0029】
なお、内視鏡1の操作に基づく操作信号は、一旦セントラルプロセッサ3に供給され、セントラルプロセッサ3から選択信号として内部画像処理装置4に供給されるようになっていてもよく、また、内視鏡1から内部画像処理装置4に直接供給されるようになっていてもよい。
【0030】
また、検査室内には、各種医療機器が配設されており、例えば、電気メスやフットスイッチ等の医療機器のオン,オフを切換えるスイッチ操作に基づく信号を選択信号として、内部画像処理装置4に供給することも可能である。この場合には、例えば、フットスイッチの使用時の画像情報を外部画像処理装置7に転送する等の選択処理が可能である。
【0031】
図2はこのような内部画像処理装置4の具体的な構成の一例を示すブロック図である。
【0032】
内部画像処理装置4は、スイッチ11、画像診断処理部12及びインタフェース13によって構成されている。選択処理部としてのスイッチ11にはセントラルプロセッサ3からの医療画像等が入力され、入力された医療画像を選択信号に基づいてインタフェース13に出力するか又は画像診断処理部12に出力するようになっている。内部画像処理部としての画像診断処理部12は、入力された医療画像に対して、上述した機械学習や他の手法を採用した診断処理を実行し、診断結果をモニタ出力としてモニタ5に出力するようになっている。インタフェース13は、内部画像処理装置4の内部と外部ネットワーク6との間で情報の授受が可能であり、スイッチ11からの医療画像等を外部ネットワーク6を介して外部画像処理装置7に送信すると共に、外部画像処理装置7からの情報を外部ネットワーク6を介して受信して画像診断処理部12に供給することができるようになっている。
【0033】
次に、このように構成された実施の形態の動作について説明する。
【0034】
いま、内視鏡1を被検体に挿入し、内視鏡画像を用いて被検体内の病変部の検出及び鑑別を行うものとする。術者は図示しない挿入部を図示しない被検体内に挿入する。内視鏡1は被検体内の撮影によって取得した撮像信号をセントラルプロセッサ3に出力する。セントラルプロセッサ3は、内視鏡1からの撮像信号に基づく内視鏡画像を生成して、内部画像処理装置4に出力する。
【0035】
内部画像処理装置4は、例えば
図2のスイッチ11によって、入力された内視鏡画像を画像診断処理部12に与える。画像診断処理部12は、入力された内視鏡画像をモニタ5に供給して、モニタ5の表示画面上に表示させることができる。また、画像診断処理部12は、内視鏡画像に対する診断処理を実施し、診断結果をモニタ出力としてモニタ5に供給する。これにより、モニタ5の表示画面には、セントラルプロセッサ3からの内視鏡画像と共に画像診断処理部12による診断結果が表示される。
【0036】
画像診断処理部12は、処理性能の制限から、内視鏡画像に対するリアルタイム処理では、正確で且つ高精度の診断を実施できるとは限らない。そこで、画像診断処理部12は、主に、例えば病変部候補の検出のみを行う。画像診断処理部12は、例えば機械学習等を利用した診断処理を実施し、内視鏡画像中に病変部候補が存在するか否かを検出する。画像診断処理部12は、内視鏡画像中に病変部候補を検出すると、検出結果をモニタ出力としてモニタ5に出力する。こうして、モニタ5の表示画面上には、内視鏡画像と共に、病変部候補が検出されたことを示す表示及び病変部候補の位置を示す表示が内視鏡画像に重ねて表示される。
【0037】
術者はモニタ5の表示から、病変部候補が検出されたことを認識する。すると、術者は、病変部の確実な検出や鑑別のために、当該病変部候補を内視鏡1の撮影範囲に捉えながら、例えばレリーズスイッチ操作する。この操作によって、内視鏡1は静止画像の撮像信号をセントラルプロセッサ3に出力し、セントラルプロセッサ3は静止画像を内部画像処理装置4に出力する。一方、レリーズスイッチ操作に基づく操作信号は選択信号として内部画像処理装置4のスイッチ11に供給される。これにより、スイッチ11は、入力された病変部候補位置を含む内視鏡静止画像の出力先をインタフェース13に変更する。こうして、病変部候補位置を含む内視鏡静止画像は、インタフェース13から外部ネットワーク6を介して外部画像処理装置7に出力される。
なお、病変部候補が検出された後、ユーザーがレリーズスイッチを押すことで、画像を外部画像処理装置に送る例を説明したが、病変部候補の検出そのものをトリガーとして画像を送信しても良い。
【0038】
外部画像処理装置7は、入力された内視鏡静止画像に対する診断処理を実施する。外部画像処理装置7は、高性能処理が可能であり、正確で且つ高精度の診断を実施できる場合がある。外部画像処理装置7は、病変部候補を含む静止画像に対する診断処理によって、病変部候補が病変部であるか否かを判定すると共に、可能ならば、病変部の鑑別を行う。外部画像処理装置7は、病変部の検出結果及び鑑別結果を外部ネットワーク6を介して内部画像処理装置4に出力する。
【0039】
内部画像処理装置4のインタフェース13は、外部画像処理装置7からの診断結果を受信して画像診断処理部12に与える。画像診断処理部12は、外部画像処理装置7による信頼度が高い診断結果をモニタ出力としてモニタ5に出力する。こうして、モニタ5の表示画面上には、内視鏡画像が表示されると共に、当該内視鏡画像中に病変部が存在するか否かの表示及び存在する場合には病変部の位置を示す表示が表示される。更に、外部画像処理装置7によって鑑別結果が得られた場合には、病変部の鑑別結果についての表示もモニタ5の表示画面上に表示される。
なお、外部画像処理装置7から送信される診断結果としては、対象画像が良性か悪性かの結果(1か0)や、悪性である確率の数値(0~1の間の数値)の場合だけでなく、例えばグラフ化された診断結果等の表示データが送信される場合もある。この場合には、画像診断処理部12は、受信した診断結果を直接モニタ5に出力するようになっていてもよい。また、画像診断処理部12を介さずに外部画像処理装置7の送信データを直接モニタ5に供給することも可能である。また、画像診断処理部12は、受信した情報に基づいて、病変の検出結果を示す枠の色や形状を変更してモニタ5に表示させるようになっていてもよい。
【0040】
このように、内視鏡を用いた検査中において、内部画像処理装置4が病変部候補を検出すると、病変部候補に関する表示をモニタ5の表示画面上に表示することができる。内部画像処理装置4は、外部ネットワーク6の内側に設けられており、短時間に画像情報を受信することができ、また、比較的短時間で処理が可能な診断処理を実行しており、診断結果を例えばリアルタイムで表示させることができる。術者は検査途中において病変部候補が存在することを示す表示を確認すると、内視鏡画像を外部画像処理装置7に転送させるための何からの操作を実施する。これにより、スイッチ11によって内視鏡画像が外部ネットワーク6を介して外部画像処理装置7に転送されることになり、外部画像処理装置7において高精度(詳細)で信頼性の高い診断結果が得られる。この診断結果は外部ネットワーク6を介して内部画像処理装置4に供給されて、モニタ5の表示画面に表示される。こうして、術者は、例えば、検査途中において、レリーズスイッチ等の操作から所定時間後に、信頼度が高い詳細な診断結果をモニタ5の表示から認識することができる。また、外部画像処理装置7には必要な情報のみが伝送されるので、伝送するデータ量を削減することが可能である。
【0041】
このように本実施の形態においては、例えば術者の操作に応じた選択信号に基づいて、外部画像処理装置に送信する画像情報を選択しており、外部画像処理装置に送信するデータ量を削減することが可能である。また、画像情報の送信先の選択は、比較的短時間にできる処理を内部画像処理装置に実施させるように行われると共に比較的詳細で高い信頼性が必要な処理を外部画像処理装置に実施させるように行われており、リアルタイム性や高速性を必要に応じて確保しつつ、信頼性の高い確実な診断を実現することができる。
【0042】
(第2の実施の形態)
図3は本発明の第2の実施の形態を示すブロック図である。
図3は内部画像処理装置4の他の具体例を示すものであり、内視鏡システムの全体構成は
図1と同様である。
図3において
図2と同一の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
【0043】
第1の実施の形態においては、操作に基づく選択信号によって、外部画像処理装置7に供給する画像情報を選択する例について説明した。これに対し、本実施の形態は、入力される画像情報に対する信号処理によって、外部画像処理装置7に供給する画像情報を選択する例である。
【0044】
本実施の形態における内部画像処理装置4は、スイッチ11に代えて選択部15を採用した点が第1の実施の形態と異なる。選択処理部としての選択部15は、入力された画像情報に基づいて、外部画像処理装置7に供給する画像情報を選択する。
【0045】
図4は
図3中の選択部15の具体的な構成の一例を示すブロック図である。
【0046】
図4において、選択部15は、入力部15a、制御部15b、判断部15c及び出力部15dにより構成されている。制御部15b及び判断部15cは、CPU等を用いたプロセッサによって構成されて、図示しないメモリに記憶されたプログラムに従って動作するものであってもよいし、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアの電子回路で機能の一部又は全部を実現するものであってもよい。なお、選択部15の全体がFPGA等によって構成されていてもよい。
【0047】
入力部15aは、制御部15bに制御されて、セントラルプロセッサ3を介して入力される医療画像を取り込む。出力部15dは、入力部15aによって取り込まれた医療画像を、判断部15cの判断結果に従って、画像診断処理部12に出力するか又はインタフェース13に出力する。
【0048】
判断部15cは、入力部15aから入力された医療画像についての信号処理によって、入力された医療画像を画像診断処理部12に出力するか(内部処理)又はインタフェース13に出力するか(外部処理)を判断する。例えば、判断部15cは、入力された医療画像について、色、輝度、合焦状態等の判断を行い、判断結果に従って医療画像の出力先を決定する。例えば、判断部15cは、医療画像中に、所定の色相範囲外の画像部分が含まれる場合には外部処理と判断して医療画像をインタフェース13に与え、それ以外の色相の場合には内部処理と判断して医療画像を画像診断処理部12に与える。
【0049】
また、例えば、判断部15cは、医療画像全体の輝度や、医療画像中の部分的な輝度やその変化に基づいて外部処理すべき画像であるか否かを判断してもよい。また、例えば、判断部15cは、医療画像全体の合焦状態や、医療画像中の部分的な合焦状態やその変化に基づいて外部処理すべき画像であるか否かを判断してもよい。
【0050】
即ち、判断部15cは、入力された医療画像についての色、輝度、合焦状態等によって、病変部候補が存在しそうであるか否かを判断したり、診断が困難な画像であるか否か等を判断したりするようになっている。例えば、判断部15cは、色、輝度、合焦状態等によって、病変部候補が存在しそうであると判断した場合には、医療画像を外部処理すべき画像としてインタフェース13に出力するようになっていてもよい。また、判断部15cは、例えば、画像全体の輝度が極めて低く診断が困難であったり、合焦状態が不良であったりする画像については、入力画像を用いても診断は不能であるものと判定して、外部画像処理装置7への送信は行わずに、医療画像を内部処理すべき画像として画像診断処理部12に出力するようになっていてもよい。また、逆に、必ず診断する必要がある医療画像の場合には、画像全体の輝度が極めて低く診断が困難な画像や、合焦状態が不良な画像について、長時間を要しても正確な診断を行うために、医療画像を外部処理すべき画像としてインタフェース13に出力するようになっていてもよい。
また、例えば、判断部15cは、真っ黒な画像から色付きの画像に変わった場合や、セントラルプロセッサ3から警告情報が送られてきた場合等において、医療画像を外部処理すべき画像としてインタフェース13に出力するようになっていてもよい。
【0051】
なお、判断部15cを含む選択部15は、医療画像に対する診断処理を行うわけではなく、色、輝度、合焦状態等を判定する比較的簡単な処理によって内部処理すべき医療画像であるか外部処理すべき医療画像であるかを判断しており、処理能力が比較的低いプロセッサによって構成可能である。
【0052】
次に、このように構成された実施の形態の動作について
図5を参照して説明する。
図5は制御部15bの制御を示すフローチャートである。
【0053】
セントラルプロセッサ3からの医療画像は内部画像処理装置4の選択部15に供給される。選択部15を構成する制御部15bは、入力部15aを制御して、入力された医療画像を取り込む(ステップS1)。制御部15bは取り込んだ医療画像を判断部15c及び出力部15dに与える。
【0054】
判断部15cは、医療画像の色、輝度、合焦状態等を判定して、医療画像が内部処理すべきか外部処理すべきかを判断する。例えば、判断部15cは、ステップS2において、輝度が所定の閾値を超えたか否かを判定する。例えば、ステップS2は、医療画像全体の輝度が所定の低輝度以下又は所定の高輝度以上の輝度であるかを判定するものであってもよく、これらの場合には医療画像は極めて暗いか又は明るすぎて、診断は不能であると考えられる。この場合には、判断部15cは、ステップS3において内部処理を行うために医療画像を画像診断処理部12に出力する。また、医療画像全体の輝度が所定の輝度範囲内にある場合には、外部画像処理装置7において正確な診断が可能であるので、この場合には、判断部15cは、ステップS4において外部処理を行うために医療画像をインタフェース13に出力する。なお、上述したように、判断部15cは、医療画像全体の輝度が所定の輝度範囲内にある場合に内部処理すべき画像と判断し、医療画像全体の輝度が所定の輝度範囲を超えた場合に外部処理すべき画像と判断してもよい。
【0055】
他の作用は第1の実施の形態と同様である。
【0056】
このように本実施の形態においては、医療画像に対する信号処理に基づいて、外部画像処理装置に送信する画像情報を選択しており、外部画像処理装置に送信するデータ量を削減することが可能である。また、画像情報の送信先の選択は、比較的短時間にできる処理を内部画像処理装置に実施させるように行われると共に、高い信頼性が必要な処理を外部画像処理装置に実施させるように行われており、リアルタイム性や高速性を必要に応じて確保しつつ、信頼性の高い確実な診断を実現することができる。
なお、選択部における画像処理によって外部画像処理装置に送信する画像情報を選択する例を説明したが、セントラルプロセッサ3における画像処理結果によって、外部画像処理装置に送信する画像情報を選択するようになっていてもよい。この場合には、選択部としては、
図2と同様のスイッチを採用すればよい。
【0057】
なお、上記第1及び第2の実施の形態においては、スイッチ11又は選択部15は、画像情報を画像診断処理部12又はインタフェース13の一方に選択的に出力する例を説明したが、インタフェース13に画像情報を出力する場合には、インタフェース13に供給する画像情報を画像診断処理部12にも与えるようにしてもよい。
【0058】
(第3の実施の形態)
図6は本発明の第3の実施の形態を示すブロック図である。
図6は内部画像処理装置4の他の具体例を示すものであり、内視鏡システムの全体構成は
図1と同様である。
【0059】
図6において、内部画像処理装置4は、入力部14a、制御部14b、選択及び画像処理部14c、出力部14d並びにインタフェース14eにより構成されている。
図6の内部画像処理装置4は、
図3の選択部15、画像診断処理部12及びインタフェース13と同様の機能を有する。入力部14a、制御部14b、出力部14d及びインタフェース14eは、それぞれ
図4の入力部15a、制御部15b、出力部15d及びインタフェース13と同様の機能を有し、選択及び画像処理部14cは、判断部15c及び画像診断処理部12と同様の機能を有する。
【0060】
制御部14bと選択及び画像処理部14cとは、CPU等を用いたプロセッサによって構成されて、図示しないメモリに記憶されたプログラムに従って動作するものであってもよいし、FPGA等のハードウェアの電子回路で機能の一部又は全部を実現するものであってもよい。なお、
図6の内部画像処理装置4全体がFPGA等によって構成されていてもよい。
【0061】
入力部14aは、制御部14bに制御されて、セントラルプロセッサ3を介して入力される医療画像を取り込む。出力部14dは、入力部14aによって取り込まれた医療画像を、選択及び画像処理部14cの判断結果に従って、インタフェース14eに出力する。
【0062】
内部画像処理部及び選択処理部としての選択及び画像処理部14cは、入力部14aから入力された医療画像についての信号処理によって、入力された医療画像を選択及び画像処理部14cにおいて用いるか(内部処理)又はインタフェース14eに出力するか(外部処理)を判断する。なお、選択及び画像処理部14cにおける判断手法は判断部15cと同様であり、説明を省略する。
【0063】
【0064】
このように本実施の形態においても、第2の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0065】
(第4の実施の形態)
図7は本発明の第4の実施の形態を示すブロック図である。
図7は内部画像処理装置4の他の具体例を示すものであり、内視鏡システムの全体構成は
図1と同様である。
【0066】
第1の実施の形態においては、操作に基づく選択信号によって、外部画像処理装置7に供給する画像情報を選択する例について説明した。これに対し、本実施の形態は、入力される画像情報に対する画像処理によって診断を実施し、診断結果に従って外部画像処理装置7に供給する画像情報を選択する例である。
【0067】
図7において、内部画像処理装置4は、画像処理部22、選択部23及びインタフェース24によって構成される。内部画像処理部及び選択処理部としての画像処理部22は、入力された画像情報に対する画像処理によって診断を行うと共に、診断結果に従って、外部画像処理装置7に供給する画像情報を選択するための判断を行う。選択部23は、画像処理部22から画像情報が与えられており、画像処理部22の判断に従って外部処理すべきと判断された画像情報をインタフェース24に出力する。インタフェース24は、インタフェース13と同様の構成であり、選択部23からの画像情報を外部ネットワーク6を介して外部画像処理装置7に供給すると共に、外部画像処理装置7からの情報を外部ネットワーク6を介して受信して画像処理部22に供給するようになっている。
【0068】
図8は
図7中の画像処理部22の具体的な構成の一例を示すブロック図である。
【0069】
図8において、画像処理部22は、入力部22a、制御部22b、診断部22c、選択判断部22d及び出力部22eにより構成されている。制御部22b、診断部22c及び選択判断部22dは、CPU等を用いたプロセッサによって構成されて、図示しないメモリに記憶されたプログラムに従って動作するものであってもよいし、FPGA等のハードウェアの電子回路で機能の一部又は全部を実現するものであってもよい。なお、画像処理部22の全体がFPGA等によって構成されていてもよく、
図7の内部画像処理装置4の全体がFPGA等によって構成されていてもよい。
【0070】
入力部22aは、制御部22bに制御されて、セントラルプロセッサ3を介して入力される医療画像を取り込む。出力部22eは、制御部22bに制御されて、入力部22aによって取り込まれた医療画像をそのままモニタ5に出力すると共に、診断部22cの診断結果を付加した医療画像をモニタ5に出力することもできるようになっている。また、出力部22eは、制御部22bに制御されて、入力部22aによって取り込まれた医療画像の一部又は全部を選択部23に出力する。
【0071】
診断部22cは、入力部22aを介して入力された医療画像に対する画像処理によって、診断支援を行うことができるようになっている。例えば、診断部22cは、医療画像に基づいて病変部候補を検出することができる。また、例えば、診断部22cは、検出した病変部候補について、良性か悪性か等の鑑別を行うことができるようになっていてもよい。
【0072】
診断部22cは、病変部候補の検出や鑑別に、公知の各種手法を採用することができる。例えば、診断部22c、AIを用いた機械学習によって病変部候補の検出や鑑別を行うようになっていてもよく、医療画像に対する画像解析により、色、突起部等の形状、表面形状等について各像部分を判定することで、病変部候補の検出や鑑別を行ってもよい。
【0073】
選択判断部22dは、入力部22aによって入力された医療画像のうちの一部の画像を選択的に外部画像処理装置7に送信させるための選択を行う。本実施の形態においては、選択判断部22dは、診断部22cの診断結果を利用して、外部画像処理装置7に送信する医療画像を選択するようになっている。
【0074】
上述したように、外部画像処理装置7は診断部22cと同様の機能を有し、診断部22cよりも高精度の処理を高い信頼度で行うことができる。そこで、選択判断部22dは、詳細で且つ高い信頼度の診断結果が必要な画像を選択して外部画像処理装置7に送信するように、画像選択の判断を行う。
【0075】
例えば、選択判断部22dは、診断部22cにおいて病変部候補の検出が可能であるが、病変部の特定が不能である場合、或いは病変部の特定は可能であるが病変部の良性悪性の鑑別が不能である場合等においては、当該病変部候補又は特定された病変部を含む画像部分を外部画像処理装置7に送信するための選択を行う。
【0076】
また、選択判断部22dは、診断部22cにおいて検出された病変部候補の検出結果の信頼度が所定の閾値よりも低い画像、又は病変部候補の検出自体が困難な画像を外部画像処理装置7に供給するための選択信号を発生してもよい。これにより、このような画像であっても、外部画像処理装置7において確実な病変部の検出が可能となる。また、選択判断部22dは、病変部候補のサイズを判定し、所定のサイズよりも大きい病変部候補を含む画像を外部画像処理装置7に供給するための選択信号を発生してもよい。これにより、病変の悪化が懸念されるサイズの病変部候補については、外部画像処理装置7において確実に病変部の特定及び鑑別等が可能となる。
【0077】
更に、選択判断部22dは、外部画像処理装置7に伝送する画像として、病変部候補を含むフレーム及び前後の所定数のフレームを選択するための選択信号を発生してもよい。これにより、必要十分な画像を伝送することで、外部画像処理装置7において確実な診断を可能にすると共に、外部画像処理装置7に伝送するデータ量を抑制することが可能である。
【0078】
また、選択判断部22dは、診断部22cにおける診断が著しく困難な画像、例えば、暗い画像、非合焦の画像、ブレが生じている画像、色や輝度が診断に適さない画像等については、外部画像処理装置7に伝送する画像として選択しないようにしてもよい。また、逆に、選択判断部22dは、診断部22cにおける診断が著しく困難な画像であっても診断すべき画像については、例え暗い画像、非合焦の画像、ブレが生じている画像、色や輝度が診断に適さない画像等であっても、外部画像処理装置7に伝送する画像として選択するようにしてもよい。
【0079】
選択判断部22dは、選択すべき画像部分を指定するための選択信号を選択部23に出力する。選択部23は、画像処理部22から与えられる画像のうち、選択信号によって指定された画像部分のみを選択してインタフェース24に出力するようになっている。
【0080】
また、選択判断部22dは、選択信号により、例えば病変部候補を含む画像部分のみをトリミングして選択するための選択信号を発生してもよい。これにより、外部画像処理装置7に伝送するデータ量を削減することが可能である。
【0081】
次に、このように構成された実施の形態の動作について
図9を参照して説明する。
図9は制御部22bの制御を示すフローチャートである。
【0082】
いま、内視鏡1を被検体に挿入し、内視鏡画像を用いて被検体内の病変部の検出及び鑑別を行うものとする。術者は図示しない挿入部を図示しない被検体内に挿入する。内視鏡1は被検体内の撮影によって得た撮像信号をセントラルプロセッサ3に出力する。セントラルプロセッサ3は、内視鏡1からの撮像信号に基づく内視鏡画像を生成して、内部画像処理装置4に出力する。
【0083】
内部画像処理装置4を構成する
図8の制御部22bは、
図9のステップS1において内視鏡画像を取り込み、診断部22cに与える。診断部22cは、内視鏡画像に対する診断処理を実施し、診断結果を出力する(ステップS11)。出力部22eは、セントラルプロセッサ3からの内視鏡画像と診断部22cによる診断結果をモニタ5に出力して、表示画面上に表示させる。
【0084】
診断部22cは、処理性能の制限から、内視鏡画像に対するリアルタイム処理では、正確で且つ高精度の診断を実施できるとは限らない。そこで、選択判断部22dは、診断部22cの診断結果に従って、より高精度の診断が必要であるか否かを判断し(ステップS12)、必要である場合には、診断に必要な画像を外部画像処理装置7に送信するための選択信号を発生する。
【0085】
例えば、診断部22cは、リアルタイムでは病変部候補の検出しかできない場合がある。診断部22cは内視鏡画像中に病変部候補を検出すると、検出結果を出力部22eを介してモニタ5に出力する。こうして、モニタ5の表示画面上には、内視鏡画像と共に、病変部候補が検出されたことを示す表示及び病変部候補の位置を示す表示が内視鏡画像に重ねて表示される。
【0086】
診断部22cにおいて病変部についての鑑別が行われていないことから、選択判断部22dは、ステップS12において、より高精度の診断が必要と判断して処理をステップS4に移行し、病変部候補を含む画像部分を選択的に送信させるための選択信号を発生する。
【0087】
この選択信号は、選択部23に供給される。選択部23は、画像処理部22からの画像のうち選択信号によって指定された画像部分を選択して、インタフェース24に出力する。これにより、病変部候補位置を含む内視鏡画像は、インタフェース24から外部ネットワーク6を介して外部画像処理装置7に出力される。
【0088】
外部画像処理装置7は、入力された内視鏡画像に対する診断処理を実施する(ステップS4)。外部画像処理装置7は、高性能処理が可能であり、正確で且つ高精度の診断を実施できる場合がある。外部画像処理装置7は、病変部候補を含む画像に対する診断処理によって、病変部候補が病変部であるか否かを判定すると共に、病変部の鑑別を行う。外部画像処理装置7は、病変部の検出結果及び鑑別結果を外部ネットワーク6を介してインタフェース24に出力する。
【0089】
インタフェース24は、外部画像処理装置7からの診断結果を受信して診断部22cに与える。診断部22cは、外部画像処理装置7による信頼度が高い診断結果を出力部22eを介してモニタ5に出力する。こうして、モニタ5の表示画面上には、内視鏡画像が表示されると共に、当該内視鏡画像中に病変部が存在するか否かの表示及び存在する場合には病変部の位置を示す表示が表示される。更に、外部画像処理装置7によって鑑別結果が得られた場合には、病変部の鑑別結果についての表示もモニタ5の表示画面上に表示される。
【0090】
例えば、ポリープの検査を行うものとする。この場合には、診断部22cは、比較的簡単な処理によって短時間にポリープを検出する。この結果、略リアルタイムで、モニタ5上にポリープの可能性のある部分の表示が行われる。更に、術者が当該ポリープについて詳細な検査を行うために挿入部をポリープ近傍に近づけようと挿入操作を行っている間に、画像データが外部画像処理装置7に転送され、精密な診断処理によってポリープの種類等の鑑別が行われて、その結果が診断部22cに送信される。これにより、挿入操作の途中で、ポリープ部分が良性であるか悪性であるかを示す表示が行われる。即ち、内部画像処理装置4と外部画像処理装置7とで自動的に連携した診断が行われて、高速且つ確実な診断が可能となる。
【0091】
なお、ステップS12において、選択判断部22dにより高精度の診断が必要と判断されない場合には、病変部候補を含む画像部分を選択的に送信させるための選択信号は発生せず、内部処理のみが行われる。即ち、この場合には、モニタ5の表示画面上には、診断部22cによる診断結果のみが表示される。
【0092】
なお、選択判断部22dは、ステップS12における選択の判断において、病変部候補の検出結果の信頼度、病変部候補のサイズ、伝送する画像のフレーム、診断が著しく困難な画像であるか否か、トリミングの範囲を考慮して、選択信号を生成してもよい。
【0093】
このように本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。更に、本実施の形態においては、外部画像処理装置に伝送する画像を、内部画像処理装置における診断結果に基づいて判定しており、外部画像処理装置において診断すべき画像を確実に選択することが可能である。例えば、内部画像処理装置においてリアルタイム性を重視した診断のみを行った場合でも、内部画像処理装置では行われていない詳細で信頼度の高い診断を外部画像処理装置において確実に行うことが可能となる。これにより、リアルタイム性や高速性を必要に応じて確保しつつ、詳細で信頼性の高い診断を確実に実現することができる。
【0094】
(第5の実施の形態)
図10は本発明の第5の実施の形態を示すブロック図である。
図10において
図1と同一の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
【0095】
上記各実施の形態においては、リアルタイムに入力される動画像に対して処理を行う装置の例を説明したが、本実施の形態は記録されている動画像に対して処理を行う装置の例である。その一例として、
図10はカプセル内視鏡によって取得された画像を処理する例を示している。
【0096】
カプセル内視鏡31は、カプセル形状の密閉容器(カプセル)に撮像素子を設けて、患者が口から飲み込んだカプセルが体内を進行する過程において撮影を行う内視鏡である。カプセル内視鏡31は、撮影により取得した内視鏡画像を無線により受信装置32に送信する。
【0097】
受信装置32は、無線送受信機により構成されており、カプセル内視鏡31からの画像を受信する受信機能を備えている。また、受信装置32は、記録部32aを備えており、カプセル内視鏡31から送信された内視鏡画像を受信して、記録部32aに記録するようになっている。記録部32aは、図示しない記録媒体により構成されており、カプセル内視鏡31によって撮像された内視鏡画像を記録する。クレードル33は、受信装置32を載置可能に構成されて、受信装置32に対する充電が可能である。
【0098】
本実施の形態においては、クレードル33は、内部画像処理部を有しており、受信装置32の充電機能の他に、記録部32aに記録された画像を読出して取り込む機能、取り込んだ画像に対する診断機能、取り込んだ画像のうち外部画像処理装置7に送信する画像を選択して送信する機能、診断結果を受信する機能並びに取り込んだ画像及び診断結果をモニタ5に出力する機能を備える。
【0099】
例えば、クレードル33は、
図7の画像処理部22、選択部23及びインタフェース24と同様の構成を有しており、そのうちの画像処理部22は、
図8の入力部22a、制御部22b、診断部22c、選択判断部22d、出力部22eと同様の構成を有している。
【0100】
即ち、クレードル33は、記録部32aから画像を取り込み、診断を行うことができる。なお、クレードル33による診断は、診断部22cによる診断と同程度の比較的簡易なものであってもよく、例えば、病変部候補が存在するか否か等の判断を行うものであればよい。クレードル33は、診断の結果、病変部候補が撮像されている画像のみについて、外部画像処理装置7に送信するように画像の選択を行う。クレードル33は、選択した画像のみを外部ネットワーク6を介して外部画像処理装置7に出力する。
【0101】
他の構成及び作用は第4の実施の形態と同様である。
【0102】
一般的に、カプセル内視鏡31によって撮影される画像数は膨大であり、その全てのデータに対して比較的短時間に詳細な診断結果を得るためには、極めて処理能力が高い画像処理装置(コンピュータ)が必要であり、このような画像処理装置は検査室等に配置困難な場合が多い。そこで、カプセル内視鏡31によって取得された画像を外部ネットワーク6を介して高い処理能力を有する外部画像処理装置7に伝送して診断を実施することが考えられる。本実施の形態においては、この場合において、膨大な数の内視鏡画像のうち、病変部候補が存在する画像のみを外部画像処理装置7に伝送するようになっており、伝送するデータ量を著しく削減することが可能である。
【0103】
なお、クレードル33は、外部画像処理装置7から外部ネットワーク6を介して診断結果を受信し、モニタ5に内視鏡画像と共に診断結果を表示するようになっていてもよい。
【0104】
このように本実施の形態においては、第4の実施の形態と同様に、外部画像処理装置に伝送する画像を、クレードルにおける診断結果に基づいて判定しており、外部画像処理装置において診断すべき画像のみを選択して伝送することが可能であり、伝送するデータ量を著しく削減することができる。
【0105】
(第6の実施の形態)
図11は本発明の第6の実施の形態を示すブロック図である。
図11において
図10と同一の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
【0106】
本実施の形態はクレードル33に代えて画像処理装置35、選択部36及びインタフェース37を採用した点が第5の実施の形態と異なる。受信装置32には記録部32aに記録された画像を転送するためのインタフェース32bが設けられている。インタフェース32bとしては例えばUSB(ユニバーサルシリアルバス)端子や無線インタフェース等を採用することができる。画像処理装置35は、内部画像処理部35aを含む。内部画像処理部35aは、インタフェース32bを介して記録部32aに記録されている画像を取り込んで、診断を行うようになっている。なお、内部画像処理部35aは、例えば、AIを用いた機械学習によって病変部候補の検出や鑑別を行うようになっていてもよく、医療画像に対する画像解析により、色、突起部等の形状、表面形状等について各像部分を判定することで、病変部候補の検出や鑑別を行ってもよい。
【0107】
本実施の形態においては、画像処理装置35は、内部画像処理部35aの診断結果に従って、外部画像処理装置7に送信する画像を選択するようになっている。即ち、画像処理装置35は、
図8の選択判断部22dと同様の構成を有する。画像処理装置35は、内部画像処理部35aの診断よりもより高精度の診断が必要と判断した場合、例えば、内部画像処理部35aにより検出された病変部候補の鑑別を行う場合等においては、病変部候補を含む画像部分を選択的に送信させるための選択信号を発生する。この選択信号は、選択部36に供給される。
【0108】
選択部36は、画像処理装置35からの画像のうち選択信号によって指定された画像部分を選択して、インタフェース37に出力する。インタフェース37は、
図7のインタフェース24と同様の構成を有しており、選択部36からの画像を外部ネットワーク6を介して外部画像処理装置7に送信すると共に、外部画像処理装置7からの診断結果を外部ネットワーク6を介して受信して画像処理装置35に出力する。
【0109】
これにより、病変部候補位置を含む内視鏡画像は、インタフェース37から外部ネットワーク6を介して外部画像処理装置7に出力され、外部画像処理装置7による鑑別結果は、インタフェース37によって受信されて画像処理装置35に供給される。
画像処理装置35は、内視鏡画像と内部画像処理部35aの処理結果及びインタフェース37を介して受信した処理結果の一方又は両方とをモニタ5に出力して表示させることができる。また、画像処理装置35は、処理結果を受信装置32に出力するようになっていてもよく、また、内視鏡画像と内部画像処理部35aの処理結果及びインタフェース37を介して受信した処理結果の一方又は両方とを図示しない外部サーバに転送するようになっていてもよい。
【0110】
他の構成及び作用は第5の実施の形態と同様である。
【0111】
このように本実施の形態においても、第5の実施の形態と同様に、外部画像処理装置において診断すべき画像のみを選択して伝送することが可能であり、伝送するデータ量を著しく削減することができる。また、本実施の形態においては、既存の診断装置を利用することができ、比較的容易に内視鏡システムを構築することができる。
【0112】
本発明は、上記各実施形態にそのまま限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素の幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
例えば、外部画像処理装置7に伝送する画像としては、病変部候補を含むフレーム及び前後の所定数のフレームを送信するようになっていてもよい。これにより、必要十分な画像を伝送することで、外部画像処理装置7において確実な診断を可能にすると共に、外部画像処理装置7に伝送するデータ量を抑制することが可能である。
【0113】
また、ここで説明した技術のうち、主にフローチャートで説明した制御や機能は、多くがプログラムにより設定可能であり、そのプログラムをコンピュータが読み取り実行することで上述した制御や機能を実現することができる。そのプログラムは、コンピュータプログラム製品として、フレキシブルディスク、CD-ROM等、不揮発性メモリ等の可搬媒体や、ハードディスク、揮発性メモリ等の記憶媒体に、その全体あるいは一部を記録又は記憶することができ、製品出荷時又は可搬媒体或いは通信回線を介して流通又は提供可能である。利用者は、通信ネットワークを介してそのプログラムをダウンロードしてコンピュータにインストールしたり、あるいは記録媒体からコンピュータにインストールしたりすることで、容易に本実施の形態の移動支援システムを実現することができる。