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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-08
(45)【発行日】2022-09-16
(54)【発明の名称】ベンズアミド系化合物及びその使用
(51)【国際特許分類】
   C07C 255/29 20060101AFI20220909BHJP
   C07C 255/50 20060101ALI20220909BHJP
   A01P 7/04 20060101ALI20220909BHJP
   A01N 37/46 20060101ALI20220909BHJP
【FI】
C07C255/29 CSP
C07C255/50
A01P7/04
A01N37/46
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021512987
(86)(22)【出願日】2019-05-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-30
(86)【国際出願番号】 CN2019085737
(87)【国際公開番号】W WO2019214588
(87)【国際公開日】2019-11-14
【審査請求日】2020-12-22
(31)【優先権主張番号】201810448081.X
(32)【優先日】2018-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521486136
【氏名又は名称】メティサ バイオテクノロジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100190621
【弁理士】
【氏名又は名称】崎間 伸洋
(72)【発明者】
【氏名】チャン リーシン
(72)【発明者】
【氏名】チャン ジン
(72)【発明者】
【氏名】チャン シーハン
(72)【発明者】
【氏名】ガオ イーシン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ジエ
(72)【発明者】
【氏名】カン チュオ
【審査官】早乙女 智美
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2010/013567(WO,A1)
【文献】国際公開第2005/073165(WO,A1)
【文献】特表2010-513346(JP,A)
【文献】特表2012-526066(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C
A01N
A01P7/00-7/04
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式Iで表されるベンズアミド系化合物。
【化1】
(一般式I中、
は、ハロゲンであり
は、ハロゲン又はトリフルオロメチル基から選択され
は、ヘプタフルオロイソプロピル基又はノナフルオロ-2-ブチル基からなる群から選択され、
、R は、それぞれ独立して、水素、メチル基、エチル基又はシアノメチル基からなる群から選択され、且つ、R 、R の少なくとも1つはシアノメチル基から選択され、
は、水素、フッ素、塩素、臭素、シアノ基、ニトロ基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、トリフルオロメチル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、メトキシ基又はトリフルオロメトキシ基からなる群から選択され、nは、1、2又は3であり、
は、フッ素から選択され、
、X 、X は、それぞれ独立して、水素又はフッ素からなる群から選択される。)
【請求項2】
一般式I中、
は、ヘプタフルオロイソプロピル基であることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
一般式I中、下記の表1の化合物から選択されることを特徴とする、請求項2に記載の化合物。
【表1】
【請求項4】
一般式I中、下記の表2の化合物から選択されることを特徴とする、請求項3に記載の化合物。
【表2】
【請求項5】
一般式Iで表される請求項1に記載の化合物の、農業、林業及び衛生分野で殺虫剤薬物の調製のための使用。
【請求項6】
活性成分として一般式Iで表される請求項1に記載の化合物が含まれ、活性成分の重量パーセントが0.1-99%であることを特徴とする、殺虫剤組成物。
【請求項7】
有効量の請求項に記載の殺虫剤組成物を防除対象の害虫又はその増殖培地に施用することを特徴とする、農業又は林業害虫の防除方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は農業用殺虫剤分野に属し、具体的には、新規のベンズアミド系化合物及びその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
特開JP2007099761Aは殺虫活性を有するベンズアミド系化合物に関し、且つ具体的に下記の構造の化合物CK1(化合物番号:1-23)、CK2(化合物番号:1-24)及びCK3(化合物番号:1-206)を開示している。
【化1】
【0003】
CN102112437Aは特定の殺虫活性を有する、下記の一般式で表される化合物、具体的に、CK4(化合物番号:6-18)、CK5(化合物番号:1-128)、CK6(化合物番号:1-163)、CK7(化合物番号:1-171)、CK8(化合物番号:7-130)、CK9(化合物番号:7-135)、CK10(化合物番号:7-169)、CK11(化合物番号:7-174)、CK12(化合物番号:8-111)、CK13(化合物番号:8-146)、及びCK14(化合物番号:8-155)という化合物を開示している。
【化2】
【0004】
CN102119144Aは下記の特定の殺虫活性を有する化合物CK15(化合物番号:3-14)を開示している。
【化3】
【0005】
CN102119143Aは下記の特定の殺虫活性を有する化合物CK16(化合物番号:7-1574)を開示しており、この化合物は殺虫剤として研究開発されている。その一般名がbroflanilideである。
【化4】
【0006】
従来技術において本発明の一般式Iで表される化合物及びその殺虫活性は報告されていない。また、従来技術と比較して、本発明の化合物は、殺虫活性及び殺虫速効性に優れている。
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的はベンズアミド系化合物を提供することである。それは農業及び他の分野で害虫を防除するための医薬を調製するために用いられ得る。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の技術的解決手段は以下のとおりである。
【0009】
一般式Iで表されるベンズアミド系化合物を提供する。
【化5】
【0010】
(式中:
、Rは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C-Cアルキル基、C-Cハロアルキル基、C-Cアルコキシ基又はC-Cハロアルコキシ基からなる群から選択され、
は、ヘプタフルオロイソプロピル基又はノナフルオロ-2-ブチル基からなる群から選択され、
、Rは、それぞれ独立して、水素、C-Cアルキル基、C-Cハロアルキル基又はシアノメチル基からなる群から選択され、且つ、R、Rの少なくとも1つはシアノメチル基から選択され、
は、水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、C-Cアルキル基、C-Cハロアルキル基、C-Cアルコキシ基、C-Cハロアルコキシ基、C-Cアルキルチオ基又はC-Cハロアルキルチオ基からなる群から選択され、nは、1、2、3、4又は5であり、 nが1より大きい場合、Rは同じであるかまたは同じではなく、
、X、X、Xは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、シアノ基又はC-Cアルコキシ基からなる群から選択され、且つ、ともに水素ではない。)
本発明においてより好ましい化合物は以下のとおりである。
【0011】
一般式I中、
、Rは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C-Cアルキル基、C-Cハロアルキル基、C-Cアルコキシ基又はC-Cハロアルコキシ基からなる群から選択され、
は、ヘプタフルオロイソプロピル又はノナフルオロ-2-ブチル基からなる群から選択され、
、Rは、それぞれ独立して、水素、メチル基、エチル基又はシアノメチル基からなる群から選択され、且つ、R、Rの少なくとも1つはシアノメチル基から選択され、
は、水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、C-Cアルキル基、C-Cハロアルキル基、C-Cアルコキシ基、C-Cハロアルコキシ基、C-Cアルキルチオ基又はC-Cハロアルキルチオ基からなる群から選択され、nは、1、2、3又は4であり、
は、フッ素から選択され、
、X、Xは、それぞれ独立して、水素、フッ素又はシアノ基からなる群から選択される。
【0012】
本発明においてさらに好ましい化合物は以下のとおりである。
【0013】
一般式I中、
、Rは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基又はジフルオロメトキシ基からなる群から選択され、
は、ヘプタフルオロイソプロピル基又はノナフルオロ-2-ブチル基からなる群から選択され、
、Rは、それぞれ独立して、水素、メチル基、エチル基又はシアノメチル基からなる群から選択され、且つ、R、Rの少なくとも1つはシアノメチル基から選択され、
は、水素、フッ素、塩素、臭素、シアノ基、ニトロ基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、トリフルオロメチル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、メトキシ基又はトリフルオロメトキシ基からなる群から選択され、nは、1、2又は3であり、
は、フッ素から選択され、
、X、Xは、それぞれ独立して、水素又はフッ素からなる群から選択される。
【0014】
本発明においてさらに一層好ましい化合物は以下のとおりである。
【0015】
一般式I中、
、Rは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基又はジフルオロメトキシ基からなる群から選択され、
は、ヘプタフルオロイソプロピル基又はノナフルオロ-2-ブチル基からなる群から選択され、
は、シアノメチル基から選択され、
は、水素、メチル基、エチル基又はシアノメチル基からなる群から選択され、
は、水素、フッ素、塩素、臭素、シアノ基、ニトロ基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、トリフルオロメチル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、メトキシ基又はトリフルオロメトキシ基からなる群から選択され、nは、1、2又は3であり、
は、フッ素から選択され、
、X、Xは、それぞれ独立して、水素又はフッ素からなる群から選択される。
【0016】
或いは、本発明においてさらに一層好ましい化合物は以下のとおりである。
【0017】
一般式I中、
、Rは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基又はジフルオロメトキシ基からなる群から選択され、
は、ヘプタフルオロイソプロピル基又はノナフルオロ-2-ブチル基からなる群から選択され、
は、水素、メチル基又はエチル基からなる群から選択され、
は、シアノメチル基から選択され、
は、水素、フッ素、塩素、臭素、シアノ基、ニトロ基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、トリフルオロメチル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、メトキシ基又はトリフルオロメトキシ基からなる群から選択され、nは、1、2又は3であり、
はフッ素から選択され、
、X、Xは、それぞれ独立して、水素又はフッ素からなる群から選択される。
【0018】
上記の一般式で表される化合物の定義について、用語は一般的に下記の置換基を意味する。
【0019】
「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を意味する。
【0020】
「アルキル基」は、直鎖又は分枝鎖アルキル基を意味する。例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基若しくは異なるブチル基、ペンチル基又はヘキシル異性体等が挙げられる。
【0021】
「ハロアルキル基」は、直鎖又は分枝鎖アルキル基のアルキル基上の水素原子の一部又は全部がハロゲンに置換されてなる置換基を意味する。例えば、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、フルオロメチル基、二フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、ヘプタフルオロイソプロピル(
【化6】
【0022】
)基、ノナフルオロ-2-ブチル基(
【化7】
【0023】
)、1,1,2,2,2-ペンタフルオロエチル基等が挙げられる。
【0024】
「アルコキシ基」は、直鎖又は分枝鎖アルキル基に酸素原子が結合されてなる構造の置換基を意味する。例えば、メトキシ基、エトキシ基、tert-ブトキシ基等が挙げられる。
【0025】
「ハロアルコキシ基」は、アルコキシ基上の水素原子の一部又は全部がハロゲンに置換されてなる構造の置換基を意味する。例えば、クロロメトキシ基、ジクロロメトキシ基、トリクロロメトキシ基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、塩素フルオロメトキシ基、トリフルオロエトキシ基等が挙げられる。
【0026】
「アルキルチオ基」は、直鎖又は分枝鎖アルキル基に硫黄原子が結合されてなる構造の置換基を意味する。例えば、メチルチオ基、エチルチオ基等が挙げられる。
【0027】
「ハロアルキルチオ基」は、アルキルチオ基上の水素原子の一部又は全部がハロゲンに置換されてなる構造の置換基を意味する。例えば、ジフルオロメチルチオ、トリフルオロエチルチオ等が挙げられる。
【0028】
「シアノメチル基」は、CNCH-を意味する。
【0029】
本発明の一般式Iで表される化合物の一部が表1~70に示すとおりであるが、本発明はこれらの化合物のみに限定されるものではない。
【化8】
【0030】
一般式I中、R=R=CH、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=シアノメチル、R=Hである場合、(Rは異なる置換基であり(表1を参照)、代表化合物の番号は、1.1-1.321である。
【表1(1)】
【表1(2)】
【表1(3)】
【表1(4)】
【0031】
表2:一般式I中、R=R=Br、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=シアノメチル、R=Hである場合、(Rは、異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、2.1-2.321である。
【0032】
表3:一般式I中、R=R=Cl、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=シアノメチル、R=Hである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、3.1-3.321である。
【0033】
表4:一般式I中、R=R=CF、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=シアノメチル、R=Hである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、4.1-4.321である。
【0034】
表5:一般式I中、R=CH、R=CHCH、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=シアノメチル、R=Hである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、5.1-5.321である。
【0035】
表6:一般式I中、R=Br、R=CH、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=シアノメチル、R=Hである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、6.1-6.321である。
【0036】
表7:一般式I中、R=Br、R=Cl、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=シアノメチル、R=Hである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、7.1-7.321である。
【0037】
表8:一般式I中、R=Br、R=I、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=シアノメチル、R=Hである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、8.1-8.321である。
【0038】
表9:一般式I中、R=Br、R=CF、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=シアノメチル、R=Hである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、9.1-9.321である。
【0039】
表10:一般式I中、R=Cl、R=CF、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=シアノメチル、R=Hである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、10.1-10.321である。
【0040】
表11:一般式I中、R=I、R=CF、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=シアノメチル、R=Hである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、11.1-11.321である。
【0041】
表12:一般式I中、R=Br、R=OCHF、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=シアノメチル、R=Hである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、12.1-12.321である。
【0042】
表13:一般式I中、R=Cl、R=OCHF、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=シアノメチル、R=Hである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、13.1-13.321である。
【0043】
表14:一般式I中、R=I、R=OCHF、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=シアノメチル、R=Hである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、14.1-14.321である。
【0044】
表15:一般式I中、R=R=CH、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=H、R=シアノメチルである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、15.1-15.321である。
【0045】
表16:一般式I中、R=R=Br、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=H、R=シアノメチルである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、16.1-16.321である。
【0046】
表17:一般式I中、R=R=Cl、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=H、R=シアノメチルである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、17.1-17.321である。
【0047】
表18:一般式I中、R=R=CF、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=H、R=シアノメチルである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、18.1-18.321である。
【0048】
表19:一般式I中、R=CH、R=CHCH、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=H、R=シアノメチルである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、19.1-19.321である。
【0049】
表20:一般式I中、R=Br、R=CH、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=H、R=シアノメチルである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、20.1-20.321である。
【0050】
表21:一般式I中、R=Br、R=Cl、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=H、R=シアノメチルである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、21.1-21.321である。
【0051】
表22:一般式I中、R=Br、R=I、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=H、R=シアノメチルである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、22.1-22.321である。
【0052】
表23:一般式I中、R=Br、R=CF、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=H、R=シアノメチルである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。そして表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、23.1-23.321である。
【0053】
表24:一般式I中、R=Cl、R=CF、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=H、R=シアノメチルである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、24.1-24.321である。
【0054】
表25:一般式I中、R=I、R=CF、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=H、R=シアノメチルである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、25.1-25.321である。
【0055】
表26:一般式I中、R=Br、R=OCHF、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=H、R=シアノメチルである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、26.1-26.321である。
【0056】
表27:一般式I中、R=Cl、R=OCHF、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=H、R=シアノメチルである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、27.1-27.321である。
【0057】
表28:一般式I中、R=I、R=OCHF、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=H、R=シアノメチルである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、28.1-28.321である。
【0058】
表29:一般式I中、R=R=CH、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=CH、R=シアノメチルである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、29.1-29.321である。
【0059】
表30:一般式I中、R=R=Br、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=CH、R=シアノメチルである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、30.1-30.321である。
【0060】
表31:一般式I中、R=R=Cl、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=CH、R=シアノメチルである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、31.1-31.321である。
【0061】
表32:一般式I中、R=R=CF、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=CH、R=シアノメチルである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、32.1-32.321である。
【0062】
表33:一般式I中、R=CH、R=CHCH、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=CH、R=シアノメチルである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、33.1-33.321である。
【0063】
表34:一般式I中、R=Br、R=CH、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=CH、R=シアノメチルである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、34.1-34.321である。
【0064】
表35:一般式I中、R=Br、R=Cl、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=CH、R=シアノメチルである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、35.1-35.321である。
【0065】
表36:一般式I中、R=Br、R=I、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=CH、R=シアノメチルである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、36.1-36.321である。
【0066】
表37:一般式I中、R=Br、R=CF、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=CH、R=シアノメチルである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、37.1-37.321である。
【0067】
表38:一般式I中、R=Cl、R=CF、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=CH、R=シアノメチルである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、38.1-38.321である。
【0068】
表39:一般式I中、R=I、R=CF、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=CH、R=シアノメチルである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、39.1-39.321である。
【0069】
表40:一般式I中、R=Br、R=OCHF、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=CH、R=シアノメチルである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、40.1-40.321である。
【0070】
表41:一般式I中、R=Cl、R=OCHF、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=CH、R=シアノメチルである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、41.1-41.321である。
【0071】
表42:一般式I中、R=I、R=OCHF、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=CH、R=シアノメチルである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、42.1-42.321である。
【0072】
表43:一般式I中、R=R=CH、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=シアノメチル、R=CHである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、43.1-43.321である。
【0073】
表44:一般式I中、R=R=Br、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=シアノメチル、R=CHである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、44.1-44.321である。
【0074】
表45:一般式I中、R=R=Cl、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=シアノメチル、R=CHである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、45.1-45.321である。
【0075】
表46:一般式I中、R=R=CF、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=シアノメチル、R=CHである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、46.1-46.321である。
【0076】
表47:一般式I中、R=CH、R=CHCH、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=シアノメチル、R=CHである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、47.1-47.321である。
【0077】
表48:一般式I中、R=Br、R=CH、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=シアノメチル、R=CHである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、48.1-48.321である。
【0078】
表49:一般式I中、R=Br、R=Cl、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=シアノメチル、R=CHである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、49.1-49.321である。
【0079】
表50:一般式I中、R=Br、R=I、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=シアノメチル、R=CHである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、50.1-50.321である。
【0080】
表51:一般式I中、R=Br、R=CF、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=シアノメチル、R=CHである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、51.1-51.321である。
【0081】
表52:一般式I中、R=Cl、R=CF、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=シアノメチル、R=CHである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、52.1-52.321である。
【0082】
表53:一般式I中、R=I、R=CF、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=シアノメチル、R=CHである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、53.1-53.321である。
【0083】
表54:一般式I中、R=Br、R=OCHF、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=シアノメチル、R=CHである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、54.1-54.321である。
【0084】
表55:一般式I中、R=Cl、R=OCHF、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=シアノメチル、R=CHである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、55.1-55.321である。
【0085】
表56:一般式I中、R=I、R=OCHF、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=シアノメチル、R=CHである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、56.1-56.321である。
【0086】
表57:一般式I中、R=R=CH、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=R=シアノメチルである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、57.1-57.321である。
【0087】
表58:一般式I中、R=R=Br、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=R=シアノメチルである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、58.1-58.321である。
【0088】
表59:一般式I中、R=R=Cl、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=R=シアノメチルである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、59.1-59.321である。
【0089】
表60:一般式I中、R=R=CF、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=R=シアノメチルである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、60.1-60.321である。
【0090】
表61:一般式I中、R=CH、R=CHCH、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=R=シアノメチルである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、61.1-61.321である。
【0091】
表62:一般式I中、R=Br、R=CH、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=R=シアノメチルである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、62.1-62.321である。
【0092】
表63:一般式I中、R=Br、R=Cl、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=R=シアノメチルである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、63.1-63.321である。
【0093】
表64:一般式I中、R=Br、R=I、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=R=シアノメチルである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、64.1-64.321である。
【0094】
表65:一般式I中、R=Br、R=CF、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=R=シアノメチルである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、65.1-65.321である。
【0095】
表66:一般式I中、R=Cl、R=CF、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=R=シアノメチルである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、66.1-66.321である。
【0096】
表67:一般式I中、R=I、R=CF、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=R=シアノメチルである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、67.1-67.321である。
【0097】
表68:一般式I中、R=Br、R=OCHF、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=R=シアノメチルである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、68.1-68.321である。
【0098】
表69:一般式I中、R=Cl、R=OCHF、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=R=シアノメチルである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、69.1-69.321である。
【0099】
表70:一般式I中、R=I、R=OCHF、R=ヘプタフルオロイソプロピル、X=F、X=X=X=H、R=R=シアノメチルである場合、(Rは異なる置換基であり、表1に示すものと合致する。表1中の1.1-1.321として記載される置換基に順次対応し、代表化合物の番号は、70.1-70.321である。
【0100】
本発明の一般式Iで表される化合物は以下の方法に従って調製することができる(式中の各置換基については、特に記載がない限り、上記のとおりに定義され、式中、LG=Cl又はBrである。)。
【化9】
【0101】
一般式Sで表される化合物と一般式Kで表される化合物又は一般式Wで表される化合物と一般式Yで表される化合物を適切な溶媒中で、-10℃から溶媒の沸点までの温度で0.5-48時間反応させることで一般式IIで表される化合物を調製でき、この反応は塩基の存在下で行うことができる。
【0102】
一般式IIで表される化合物とハロアセトニトリルを適切な溶媒、塩基の存在下で、-10℃から溶媒の沸点までの温度で0.5-48時間反応させることで一般式I-1、I-2及びI-3で表される化合物をそれぞれ調製することができる。一般式I-1又はI-2で表される化合物とハロアセトニトリルを適切な溶媒、塩基の存在下で、-10℃から溶媒の沸点までの温度で0.5-48時間反応させることで一般式I-3で表される化合物を調製することができる。一般式I-1で表される化合物と一般式R-LGで表される化合物を適切な溶媒、塩基の存在下で、-10°Cから溶媒の沸点までの温度で0.5-48時間反応させることで一般式I-4で表される化合物を調製することができる。一般式I-2で表される化合物と一般式R-LGで表される化合物を適切な溶媒、塩基の存在下で、-10°Cから溶媒の沸点までの温度で0.5-48時間反応させることで一般式I-5の化合物を調製することができる。一般式IIIで表される化合物(ただし、RはC-Cアルキル基又はC-Cハロアルキル基かなる群から択一選択される。)とハロアセトニトリルを適切な溶媒、塩基の存在下で、-10°Cから溶媒の沸点までの温度で0.5-48時間反応させることで一般式I-4の化合物を調製することができる。一般式IVの化合物(ただし、RはC-Cアルキル基又はC-Cハロアルキル基からなる群から択一選択される)とハロアセトニトリルを適切な溶媒、塩基の存在下で、-10°Cから溶媒の沸点までの温度で0.5-48時間反応させることで一般式I-5で表される化合物を調製することができる。
【0103】
上記適切な溶媒は、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、1,2-ジメトキシエタン等のエーテル類、水、アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド等の極性溶媒類、又は上記溶媒の混合溶媒であってもよい。適切な塩基は、トリエチルアミン、ピリジン、DBU、4-ジメチルアミノピリジン等の有機塩基、水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属水素化物、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウム等のアルカリ金属重炭酸塩、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、カリウムtert-ブトキシド、ナトリウムt-ブトキシド等の金属アルコキシドであってもよい。
【0104】
一般式R-LG、一般式R-LG、一般式Kで表される化合物及び一般式CNCH-LGで表される化合物、塩基は一般的に市販されており、通常の方法に従って調製されてもよい。一般式S、一般式W、一般式Y、一般式II、一般式III及び一般式IVで表される化合物は、公知の方法に従って調製されてもよく、例えばWO2011093415、US20110201687、WO2005021488、WO2005073165、WO2010018857、WO2006137395、JP2007099761、WO2008000438、WO2008074427、WO2008107091、WO2010013567、WO2010018714、WO2010090282、WO2010127926、WO2010127928、JP2011063549、WO2012020483、WO2012020484、WO2012077221、WO2012164698、WO2013050261、WO2014069665、WO2014067838、WO2014161848、WO2014161850、WO2015097091又はWO2015097094等で開示した方法を参照した上で、調製することができる。
【0105】
本発明の一般式Iの化合物は予想外の高い殺虫活性を有しており、コナガ、アワヨトウ、シロイチモンジヨトウ、ハスモンヨトウ、タバコガ、イラクサキンウワバ、ニカメイガ、サンカメイガ、コブノメイガ、アワノメイガ、ヒメシンクイ、オオタバコガ等の鱗翅目害虫と、アブラムシ、マメアブラムシ、アフィス・ファバエ、ワタアブラムシ、アフィス・ポミ、モモアカアブラムシ、ロパロシフム・マイジス、コナジラミ、ネフォテチクス、ウンカ、トビイロウンカ、コナカイガラムシ等の同翅目害虫と、ブリスス・ロイコプテルス、コットンレースバグ、トマトカメムシ、ミナミアオカメムシ、イネニワウルシ等の半翅目害虫と、ネギアザミウマ、ミカンキイロアザミウマ、ダイズアザミウマ等のアザミウマ目害虫と、コロラドポテトビートル、コメツキムシ、悪性ジアブロティカ、葉もぐりムシ、グレーゾウムシ等の鞘翅目害虫と、ハエ、カ等の双翅目害虫と、ハチ、アリ等の膜翅目害虫の防除に用いられることができる。なお、列挙したものは単に本発明を説明するものに過ぎず、本発明を限定するものではない。本発明の一般式Iで表される化合物はまた予想外の高い殺虫速効性を有し、効き目が速く、施用後1日目に高い殺虫活性を達成し、3日目に極めて高い殺虫活性を達成することができる。本発明の一般式Iで表される化合物は、調製方法が単純で効率的であり、大規模な産業化生産に適し、応用の見通が広い。従って、本発明の技術的解決手段は、また、農業及びその他の分野で殺虫剤を調製するための薬物として使用される一般式Iで表される化合物の使用を含む。
【0106】
その能動的な特性により、上記化合物は、農業と園芸の重要な作物、家畜及び繁殖用動物、及び日常生活の場を害虫による被害から保護するように好適に用いられることができる。
【0107】
所望の効果を奏するために、使用する化合物、保護する作物、害虫の種類、感染の程度、気候条件、薬物施用方法、使用する剤形等の様々な要因によって化合物の使用量が異なる。
【0108】
1ヘクタール当たり10g-5kgの範囲の化合物用量は、防除が十分にできる。
【0109】
本発明はまた、一般式Iで表される化合物を活性成分とする殺虫剤組成物を含む。該殺虫剤組成物中の活性成分の重量パーセントが0.1-99%の範囲内である。該殺虫剤組成物には、農業、林業、又は公衆衛生において許容し得る担体がさらに含まれている。
【0110】
本発明の組成物は、製剤の形態で施用することができる。殺虫剤として使用するときにさらに分散させやすくするために、一般式Iで表される化合物を活性成分として、担体中に溶解若しくは分散させるか、又は製剤に調製することができる。例えば、これらの化学製剤は水和剤、油性懸濁液、水性懸濁液、水乳濁液、水剤又は乳剤などに調製されてもよい。これらの組成物へ、少なくとも1種類の液体又は固体の担体を加え、かつ必要に応じて適切な界面活性剤を加えることができる。
【0111】
本発明の技術的解決手段はまた、本発明の殺虫剤組成物を前記害虫又はその増殖培地に施用するという害虫の防除方法を含む。一般的に選択される適切な有効量は、1ヘクタール当たり10g-1kgの範囲であり、有効量は1ヘクタール当たり10-500gの範囲であることが好ましい。
【0112】
特定の使用については、例えば農業において1種類又は複数種類の他の殺菌剤、殺虫剤/殺ダニ剤、除草剤、植物成長調節剤又は肥料等を本発明の殺虫剤組成物に加えることができ、それによって更なる利点と効果を生じることができる。
【0113】
本発明の特許請求の範囲を超えておらずに、様々な置き換え及び変更を行うことができることは明らかである。
【0114】
具体的な実施形態
下記の具体的な実施例は本発明をさらに説明するためのものであるが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。(特に記載がない限り、使用する原料はいずれも市販品である。
【0115】
合成実施例
上記で記載した合成スキームに従って、異なる原料化合物を使用することにより、本発明の一般式Iで表される化合物を別々に調製できる。具体的に下記のとおりである。
【0116】
実施例1:化合物2.321の調製
【化10】
【0117】
(1)3-ベンズアミド-N-(2,6-ジブロモ-4-ヘプタフルオロイソプロピルフェニル)-2-フルオロベンズアミド(中間体II-1)の調製
1.00g(1.80mmol)のN-(2,6-ジブロモ-4-ヘプタフルオロイソプロピルフェニル)-2-フルオロ-3-アミノベンズアミド(WO2010013567、WO2010018714、US20110201687又はWO2011093415等に開示された方法に従って調製された中間体S-1)及び0.27g(1.93mmol)の塩化ベンゾイルを30mlのトルエンに加え、加熱還流させた。TLCで反応の完了を観察すると、減圧脱溶媒して、残留物をカラムクロマトグラフィーにより(体積比が1:6~1:2の酢酸エチルと石油エーテルを溶出液として)精製し、1.09gの白色固体、即ち中間体II-1が得られた。
【0118】
(2)化合物2.321の調製
【化11】
【0119】
10mlのテトラヒドロフランに0.30g(7.5mmol)の60%水素化ナトリウムを加え、室温で10mlのテトラヒドロフランに溶解した0.50g(0.75mmol)の3-ベンズアミド-N-(2,6-ジブロモ-4-ヘプタフルオロイソプロピルフェニル)-2-フルオロベンズアミド(中間体II-1)を滴下し、室温で10分間撹拌した。0.45g(3.78mmol)のブロモアセトニトリルを加え、室温で引き続き1時間撹拌した。TLCで反応の完了を観察すると、この反応を氷水でクエンチし、酢酸エチルを加えて抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過を行い、減圧脱溶媒して、残留物をカラムクロマトグラフィーにより(体積比が1:6~1:2の酢酸エチルと石油エーテルを溶出液として)精製し、0.38gの白色固体が得られた。
【0120】
化合物2.321の核磁気共鳴データ及び質量スペクトルデータは下記のとおりである。
【0121】
H NMR (600MHz、内部標準:TMS、溶媒:CDCl) δ(ppm):8.10 (t, 1H)、7.98 (d, 1H)、7.86 (s, 2H)、7.54 - 7.48(m, 1H)、7.41 - 7.29(m, 4H)、7.28 - 7.21(m, 2H)、4.80 (d, 2H).
H NMR (600MHz、内部標準:TMS、溶媒:DMSO) δ(ppm):10.62 (d, 1H)、8.04 (d, 2H)、7.66 (d, 2H)、7.44 - 7.27 (m, 6H)、4.93 (s, 2H).
LC-MS(m/z):722.0 (m+Na+H)。
【0122】
同様に、実施例1に記載の方法に従って化合物2.7、2.17、2.43を調製する。
【化12】
【0123】
化合物2.7の核磁気共鳴データ及び質量スペクトルデータは下記のとおりである。
【0124】
H NMR (600MHz、内部標準:TMS、溶媒:CDCl) δ(ppm): 8.13 (t, 1H)、7.95 (d, 1H)、7.87 (s, 2H)、7.54 - 7.49 (m, 1H)、7.44 - 7.39 (m, 2H)、7.35 (t, 1H)、6.95 (t, 2H)、4.79 (d, 2H).
H NMR (600MHz、内部標準:TMS、溶媒:DMSO) δ(ppm):10.62 (s, 1H)、8.04 (s, 2H)、7.73 - 7.65 (m, 2H)、7.48 - 7.42 (m, 2H)、7.38 (t, 1H)、7.15 (t, 2H)、4.94 (s, 2H).
LC-MS(m/z):718.1 (m+H)。
【0125】
化合物2.17の核磁気共鳴データ及び質量スペクトルデータは下記のとおりである。
【0126】
H NMR (600MHz、内部標準:TMS、溶媒:CDCl) δ(ppm):8.16 (t, 1H)、7.88 (s, 2H)、7.57 (d, 2H)、7.53 - 7.48 (m, 3H)、7.37 (t, 1H)、7.34 (s, 1H)、4.99 (s, 1H)、4.67 (s, 1H).
H NMR (600MHz、内部標準:TMS、溶媒:DMSO) δ(ppm):10.59 (s, 1H)、8.04 (s, 2H)、7.80 (d, 2H)、7.77 - 7.67 (m, 2H)、7.55 (d, 2H)、7.38 (t, 1H)、4.99 (s, 2H).
LC-MS(m/z):725.2 (m+H)。
【0127】
化合物2.43の核磁気共鳴データ及び質量スペクトルデータは下記のとおりである。
【0128】
H NMR (600MHz、内部標準:TMS、溶媒:CDCl) δ(ppm):7.90 - 7.80 (m, 4H)、7.55 (d, 2H)、7.23 (s, 1H)、7.11 (s, 1H)、6.85 (s, 1H)、4.39 - 4.31 (m, 1H)、4.08 (d, 2H).
LC-MS(m/z):767.9 (m+H)。
【0129】
実施例2:化合物3.321の調製
【化13】
【0130】
3-ベンズアミド-N-(2, 6-ジクロロ-4-ヘプタフルオロイソプロピルフェニル)-2-フルオロベンズアミド(WO2010018857に開示した方法に従って調製された中間体II-2)から化合物3.321を調製する方法は実施例1と同様である。
【0131】
化合物3.321の核磁気共鳴データ及び質量スペクトルデータは下記のとおりである。
【0132】
H NMR (600MHz、内部標準:TMS、溶媒:CDCl) δ(ppm):8.10 (t, 1H)、7.95 (d, 1H)、7.67 (s, 2H)、7.49 (t, 1H)、7.41 - 7.34 (m, 3H)、7.31 (t, 1H)、7.29 - 7.22 (m, 2H)、4.80 (d, 2H).
H NMR (600MHz、内部標準:TMS、溶媒:DMSO) δ(ppm):10.61 (s, 1H)、7.92 (s, 2H)、7.70 - 7.58 (m, 2H)、7.42 - 7.27 (m, 6H)、4.93 (s, 2H).
LC-MS(m/z):610.0 (m+H)。
【0133】
実施例3:化合物6.321の調製
【化14】
【0134】
3-ベンズアミド-N-(2-ブロモ-6-メチル-4-ヘプタフルオロイソプロピルフェニル)-2-フルオロベンズアミド(WO2010018857に開示した方法に従って調製された中間体II-3)から化合物6.321を調製する方法は実施例1と同様である。
【0135】
化合物6.321の核磁気共鳴データ及び質量スペクトルデータは下記のとおりである。
【0136】
H NMR (600MHz、内部標準:TMS、溶媒:CDCl) δ(ppm):8.12-8.06 (m, 1H)、7.90 (d, 1H)、7.72 (s, 1H)、7.51 (t, 1H)、7.51 (t, 1H)、 7.48 (s, 1H)、7.42 - 7.30 (m, 4H)、7.28 - 7.22 (m, 1H)、4.81 (d, 2H)、2.38 (s, 3H).
H NMR (600MHz、内部標準:TMS、溶媒:DMSO) δ(ppm):10.29 (s, 1H)、7.80 (d, 1H)、7.70 - 7.64 (m, 2H)、7.59 (t, 1H)、7.38 (d, 3H)、7.35 - 7.27 (m, 3H)、4.93 (s, 2H)、2.35 (s, 3H).
LC-MS(m/z):634.0 (m+H)。
【0137】
実施例4:化合物7.321の調製
【化15】
【0138】
3-ベンズアミド-N-(2-ブロモ-6-クロロ-4-ヘプタフルオロイソプロピルフェニル)-2-フルオロベンズアミド(WO2014161849に開示した方法に従って調製された中間体II-4)から化合物7.321を調製する方法は実施例1と同様である。
【0139】
化合物7.321の核磁気共鳴データ及び質量スペクトルデータは下記のとおりである。
【0140】
H NMR (600MHz、内部標準:TMS、溶媒:CDCl) δ(ppm):8.10 (t, 1H)、7.96 (d, 1H)、7.88 - 7.80 (m, 1H)、7.71 (d, 1H)、7.54 - 7.46 (m, 1H)、7.42 - 7.29 (m, 4H)、7.28 - 7.21 (m, 2H)、4.80 (d, 2H).
H NMR (600MHz、内部標準:TMS、溶媒:DMSO) δ(ppm):10.61 (s, 1H)、8.05 - 7.99 (m, 1H)、7.95 (s, 1H)、7.71 - 7.58 (m, 2H)、7.42 - 7.27 (m, 6H)、4.93 (s, 2H).
LC-MS(m/z):654.0 (m+H)。
【0141】
実施例5:化合物8.321の調製
【化16】
【0142】
3-ベンズアミド基-N-(2-ブロモ-6-ヨード-4-ヘプタフルオロイソプロピルフェニル)-2-フルオロベンズアミド(WO2010018857に開示した方法に従って調製された中間体II-5)から化合物8.321を調製する方法は実施例1と同様である。
【0143】
化合物8.321の核磁気共鳴データ及び質量スペクトルデータは下記のとおりである。
【0144】
H NMR (600MHz、内部標準:TMS、溶媒:CDCl) δ(ppm):8.12 (t, 1H)、8.06 (d, 1H)、7.96 (d, 1H)、7.89 (d, 1H)、7.54 (t, 1H)、7.42 - 7.31 (m, 4H)、7.28 - 7.21 (m, 2H)、4.81 (d, 2H).
H NMR (600MHz、内部標準:TMS、溶媒:DMSO) δ(ppm):10.61 (s, 1H)、8.14 (s, 1H)、8.02 (s, 1H)、7.70 (t, 1H)、7.66 - 7.60 (m, 1H)、7.41 - 7.28 (m, 6H)、4.93 (s, 2H).
LC-MS(m/z):745.9 (m+H)。
【0145】
実施例6:化合物9.321の調製
【化17】
【0146】
3-ベンズアミド-N-(2-ブロモ-6-トリフルオロメチル-4-ヘプタフルオロイソプロピルフェニル)-2-フルオロベンズアミド(WO2010013567、WO2010018714、US20110201687又はWO2011093415等に開示した方法に従って調製された中間体II-6)から化合物9.321を調製する方法は実施例1と同様である。
【0147】
化合物9.321の核磁気共鳴データ及び質量スペクトルデータは下記のとおりである。
【0148】
H NMR (600MHz、内部標準:TMS、溶媒:CDCl) δ(ppm):8.13 (s, 1H)、8.08 (t, 1H)、8.03 (d, 1H)、7.91 (s, 1H)、7.53 (t, 1H)、7.40 - 7.30 (m, 4H)、7.28 - 7.22 (m, 2H)、4.80 (d, 2H).
H NMR (600MHz、内部標準:TMS、溶媒:DMSO) δ(ppm):10.66 (s, 1H)、8.40 (d, 1H)、 7.94 (d, 1H)、7.62 (q, 2H)、7.39 - 7.31 (m, 4H)、7.28 (t, 2H)、4.91 (s, 2H).
LC-MS(m/z):687.9 (m+H)。
【0149】
実施例7:化合物16.321の調製
【化18】
【0150】
0.5g(0.75mmol)の3-ベンズアミド-N-(2,6-ジブロモ-4-ヘプタフルオロイソプロピルフェニル)-2-フルオロベンズアミド(中間体II-1)、0.18g(1.51mmol)のブロモアセトニトリル及び0.17g(1.52mmol)のカリウムtert-ブトキシドを20mlのテトラヒドロフランに加え、室温で5時間撹拌した。TLCで反応の完了を観察すると、水と酢酸エチルを加えて抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過を行い、減圧脱溶媒して、残留物をカラムクロマトグラフィーにより(体積比が1:6~1:2の酢酸エチルと石油エーテルを溶出液として)精製し、0.29gの白色固体が得られた。
【0151】
化合物16.321の核磁気共鳴データ及び質量スペクトルデータは下記のとおりである。
【0152】
H NMR (600MHz、内部標準:TMS、溶媒:CDCl) δ(ppm):8.52 (td, 1H)、8.08 (s, 1H)、7.88 - 7.83 (m, 2H)、7.79 (s, 2H)、7.62 - 7.57 (m, 1H)、7.54 - 7.50 (m, 2H)、6.98 - 6.93 (m, 1H)、6.92 - 6.88 (m, 1H)、4.72 (s, 2H).
LC-MS(m/z):699.9 (m+H)。
【0153】
同様に、実施例7に記載の方法に従って化合物17.321、20.321、21.321を調製する。
【化19】
【0154】
化合物17.321の核磁気共鳴データ及び質量スペクトルデータは下記のとおりである。
【0155】
H NMR (600MHz、内部標準:TMS、溶媒:CDCl) δ(ppm):8.54 - 8.48 (m, 1H)、8.04 (d, 1H)、7.87 - 7.82 (m, 2H)、7.60 - 7.57 (m, 3H)、7.54 - 7.50 (m, 2H)、6.97 (t, 1H)、6.92 - 6.87 (m, 1H)、4.74 (s, 2H).LC-MS(m/z):610.0 (m+H)。
【0156】
化合物20.321の核磁気共鳴データ及び質量スペクトルデータは下記のとおりである。
【0157】
H NMR (600MHz、内部標準:TMS、溶媒:CDCl) δ(ppm):8.51 - 8.45 (m, 1H)、8.00 (d, 1H)、7.87 - 7.82 (m, 2H)、7.71 (s, 1H)、7.62 - 7.58 (m, 1H)、7.54 - 7.50 (m, 2H)、7.37 (s, 1H)、6.97 (t, 1H)、6.93 - 6.89 (m, 1H)、5.14 (d, 1H)、4.35 (d, 1H)、2.43 (s, 3H).LC-MS(m/z):634.0 (m+H)。
【0158】
化合物21.321の核磁気共鳴データ及び質量スペクトルデータは下記のとおりである。
【0159】
H NMR (600MHz、内部標準:TMS、溶媒:CDCl) δ(ppm):8.56 - 8.50 (m, 1H)、8.05 (s, 1H)、7.88 - 7.83 (m, 2H)、7.76 (d, 1H), 7.64 - 7.58 (m, 2H)、7.56 - 7.50 (m, 2H)、6.97 (t, 1H)、6.93 - 6.87 (m, 1H)、4.79 (d, 1H)、4.68 (d, 1H).LC-MS(m/z):654.0 (m+H)。
【0160】
実施例8:化合物30.321の調製
【化20】
【0161】
0.5g(0.74mmol)のN-(2,6-ジブロモ-4-ヘプタフルオロイソプロピルフェニル)-2-フルオロ-3-(N-メチルベンゾイル)ベンズアミド(WO2010013567、WO2010018714、US20110201687又はWO2011093415等に開示した方法に従って調製された中間体IV-1)、0.18g(1.51mmol)のブロモアセトニトリル及び0.17g(1.52mmol)のカリウムtert-ブトキシドを20mlのDMFに加え、室温で10時間撹拌した。TLCで反応の完了を観察すると、水と酢酸エチルを加えて抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧脱溶媒して、残留物をカラムクロマトグラフィーにより(体積比が1:6~1:2の酢酸エチルと石油エーテルを溶出液として)精製し、0.34gの白色固体が得られた。
【0162】
化合物30.321の核磁気共鳴データ及び質量スペクトルデータは下記のとおりである。
【0163】
H NMR (600MHz、内部標準:TMS、溶媒:CDCl) δ(ppm):7.76(s, 2H)、7.49 - 7.37(m, 1H)、7.28 - 7.21(m, 2H)、7.18 - 7.10(m, 3H)、7.00 - 6.94(m, 1H)、6.80 - 6.74(m, 1H)、4.69(s, 2H), 3.27(s, 3H).
H NMR (600MHz、内部標準:TMS、溶媒:DMSO) δ(ppm):7.99(s, 2H)、7.31 - 7.25(m, 2H)、7.24 - 7.16(m, 4H)、7.07 - 7.01(m, 1H)、6.94 - 6.88(m, 1H)、4.88(s, 2H)、3.18(s, 3H).
LC-MS(m/z):713.9 (m+H)。
【0164】
実施例9:化合物58.321の調製
【化21】
【0165】
0.5g(0.75mmol)の3-ベンズアミド-N-(2,6-ジブロモ-4-ヘプタフルオロイソプロピルフェニル)-2-フルオロベンズアミド(中間体II-1)、0.45g(3.78mmol)のブロモアセトニトリル及び0.42g(3.75mmol)のカリウムtert-ブトキシドを20mlのテトラヒドロフランに加え、室温で5時間撹拌した。TLCで反応の完了を観察すると、水と酢酸エチルを加えて抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧脱溶媒して、残留物をカラムクロマトグラフィーにより(体積比が1:6~1:2の酢酸エチルと石油エーテルを溶出液として)精製し、0.26gの白色固体が得られた。
【0166】
化合物58.321の核磁気共鳴データ及び質量スペクトルデータは下記のとおりである。
【0167】
H NMR (600MHz、内部標準:TMS、溶媒:CDCl) δ(ppm):7.77 (s, 2H)、7.33 - 7.28 (m, 3H)、7.18 (t, 2H)、7.16 - 7.12 (m, 1H)、7.09 (t, 1H)、6.82 (t, 1H)、5.05 (s, 1H)、4.69 (d, 2H)、4.20 (s, 1H).LC-MS(m/z):760.9 (m+H)。
【0168】
上記実施例を参照して本発明の一般式Iで表される他の化合物を調製することができる。
【0169】
生物活性アッセイ
実施例10:殺虫活性アッセイ
本発明の化合物を用い、数種類の昆虫に対して殺虫活性アッセイ実験を行った。アッセイ方法は下記のとおりである。
【0170】
試験化合物をアセトン/メタノール(1:1)の混合溶媒で溶解後、0.1%(wt)のツイーン80を含有する水で所望の濃度になるまで希釈した。
【0171】
アワヨトウ、コナガ、ニカメイガをターゲットとして、Airbrushスプレー法に基づいて活性アッセイを行った。
【0172】
(1)アワヨトウに対する殺虫活性アッセイ
<アッセイ方法> トウモロコシ葉を長さ2cmの葉切片に切り、Airbrushスプレー処理時の圧力は10psi(約0.7kg/cm)とし、各葉切片の表裏面に対してスプレーを行い、スプレー量は0.5mlとした。陰乾しした後、処理1回当たり3齢幼虫10匹を投入し、各処理は3回繰り返した。処理後、25℃、相対湿度60~70%の観察室内に入れて培養し、施用後1日目、2日目、3日目に生存虫数を調査し、死亡率を計算した。
【0173】
アワヨトウに対する試験結果の一部は下記のとおりである。
【0174】
0.5mg/Lの用量で、施用後3日目に、化合物2.7、2.17、2.43、2.321、3.321、6.321、7.321、8.321、9.321、16.321、17.321、20.321、21.321、30.321及び58.321によるアワヨトウの死亡率は90%以上である。
【0175】
0.1mg/Lの用量で、施用後3日目に、化合物2.7、2.17、2.43、2.321、3.321、7.321、8.321、9.321、16.321、17.321、21.321、30.321及び58.321によるアワヨトウの死亡率は90%以上である。
【0176】
0.05mg/Lの用量で、施用後3日目に、化合物2.7、2.17、2.43、2.321、9.321及び30.321によるアワヨトウの死亡率は90%以上である。
【0177】
(2)コナガに対する殺虫活性アッセイ
<アッセイ方法> キャベツの葉を穴あけ器で長さ2cmの葉ディスクにパンチし、Airbrushスプレー処理時の圧力は10psi(約0.7kg/cm)とし、各葉ディスクの表裏面に対してスプレーを行い、スプレー量は0.5mlとした。陰乾しした後、処理1回当たり3齢幼虫10匹を投入し、各処理は3回繰り返した。処理後、25℃、相対湿度60~70%の観察室内に入れて培養し、施用後1日目、2日目、3日目に生存虫数を調査し、死亡率を計算した。
【0178】
コナガに対する試験結果の一部は下記のとおりである。
【0179】
1mg/Lの用量で、施用後3日目、化合物2.7、2.17、2.43、2.321、3.321、6.321、7.321、8.321、9.321、16.321、17.321、20.321、21.321、30.321及び58.321によるコナガの死亡率は90%以上である。
【0180】
0.5mg/Lの用量で、施用後3日目、化合物2.7、2.17、2.43、2.321、9.321、16.321、30.321及び58.321によるコナガの死亡率は90%以上である。
【0181】
0.05mg/Lの用量で、施用後3日目、化合物9.321及び30.321によるコナガの死亡率は90%以上である。
【0182】
対照化合物としてのCK1、CK2、CK3及びCK4と、本発明の化合物2.7、2.17、2.43、2.321、3.321、6.321、7.321、8.321、9.321、16.321、17.321、20.321、21.321、30.321及び58.321とを選択後、上記のアッセイ方法に従って、コナガに対する殺虫活性の並列比較試験(施用後3日目)を行った。その結果は表71に示すとおりである。
【表2】
【0183】
対照化合物としてのCK5、CK8及びCK12と、本発明の化合物6.321と20.321とを選択後、上記のアッセイ方法に従って、コナガに対する殺虫活性の並列比較試験(施用してから3日間後に)を行った。その結果は表72に示すとおりである。
【表3】
【0184】
対照化合物としてのCK6、CK9、CK10、CK13及びCK15と、本発明の化合物2.7、2.17、2.43、2.321、16.321、30.321及び58.321とを選択後、上記のアッセイ方法に従って、コナガに対する殺虫活性の並列比較試験(施用後3日目)を行った。その結果は表73に示すとおりである。
【表4】
【0185】
対照化合物としてのCK7、CK11、CK14及びCK16と、本発明の化合物9.321及び30.321とを選択後、上記のアッセイ方法に従って、コナガに対する殺虫活性の並列比較試験(施用後3日目)を行った。その結果は表74に示すとおりである。
【表5】
【0186】
対照化合物としてのCK15と本発明の化合物2.321及び30.321とを選択し、コナガに対する殺虫活性の並列比較試験を行うことで、殺虫速効性を比較する。その結果は表75に示すとおりである。
【表6】
【0187】
表75からは、本発明の化合物は従来の化合物CK15と比較して、低い用量において、殺虫速効性に優れ、かつ殺虫活性が高いことが分かる。
【0188】
対照化合物としてのCK16と本発明の化合物9.321を選択し、コナガに対する殺虫活性の並列比較試験を行うことで殺虫速効性を比較する。その結果は表76に示すとおりである。
【表7】
【0189】
表76からは、本発明の化合物は従来の化合物CK16と比較して、低い用量において、殺虫速効性に優れ、かつ殺虫活性が高いことが分かる。
【0190】
(3)ニカメイガに対する殺虫活性アッセイ
<アッセイ方法> 1)イネ苗の用意:恒温室(温度26~28℃、相対湿度60~80%程度、光照射16hL:8hD)内で直径4.5cm、高さ4cmのプラスチックカップにイネを栽培し、イネが4~5葉期まで成長したら、勢いが均一で繁茂しているイネ稚苗に対して薬剤処理を行い、各処理は3回繰り返した。2)受試虫の用意:室内で飼育しているニカメイガの3齢幼虫である。3)イネの茎に噴霧して虫を投入する方法を施した。噴霧によりイネ苗全体を均一に噴霧処理を行い、処理1回当たり15ml施用する。まず、ブランクコントロールを処理し、次に、試験濃度が低い順に上記操作を繰り返した。イネ苗の噴霧処理後、冷暗所に置いて薬液を乾燥させ、挺幹の茎稈約5cmを切って受試虫に給餌した。直径9mmのガラスペトリ皿を用意し、皿の底部に濾紙を置いて、水を加えて保湿し、皿1つ当たりイネの茎約20本を入れ、幼虫10匹を投入し、不織布でペトリ皿を密封し、恒温室内に置いて培養した。施用後3日目に、生存虫数を調査した。
【0191】
ニカメイガに対する試験結果の一部は下記のとおりである。
【0192】
用量が40mg/Lである場合、化合物2.7、2.17、2.43、2.321、3.321、6.321、7.321、8.321、9.321、16.321、17.321、20.321、21.321、30.321及び58.321によるニカメイガの死亡率は90%以上である。
【0193】
用量が4mg/Lである場合、化合物2.7、2.17、2.43、2.321、3.321、7.321、8.321、9.321、16.321、17.321、21.321、30.321及び58.321によるニカメイガの死亡率は90%以上である。
【0194】
用量が1mg/Lである場合、化合物2.7、2.17、2.43、2.321、9.321及び30.321によるニカメイガの死亡率は90%以上である。
【0195】
対照化合物としてのCK15と、本発明の化合物2.321及び30.321とを選択後、上記のアッセイ方法に従って、ニカメイガに対する殺虫活性の並列比較試験を行った。その結果は表77に示すとおりである。
【表8】
【0196】
表77からは、本発明の化合物は従来の化合物CK15と比較して、用量が低く、かつ殺虫効果に優れた利点を有することが分かる。
【0197】
対照化合物としてのCK16と、本発明の化合物9.321とを選択後、上記のアッセイ方法に従って、ニカメイガに対する殺虫活性の並列比較試験を行った。その結果は表78に示すとおりである。
【表9】
【0198】
表78からは、本発明の化合物は従来の化合物CK16と比較して、用量が低く、かつ殺虫効果に優れた利点を有することが分かる。
【0199】
本発明の発明者らは数多くの実験を通じて、従来の化合物の分子骨格に基づいて、そのアミド結合N原子にシアノメチル(CNCH-)を適切に導入することにより、本発明の一般式Iで表される化合物を得た。表71~表78の活性比較試験のデータからは、従来の化合物と比較して、新しい適切なフラグメント(ファーマコフォア)の導入により、分子と受容体の間の相互作用力及び結合の可能性を向上させるため、従来の化合物と比較して、本発明の化合物は予想外の効果を有し、即ち、本発明の化合物は殺虫活性が高く、かつ殺虫速効性に優れた(効き目が速く、施用後1日目に高殺虫活性を達成し、3日目に極めて高い殺虫活性を達成することができる)ことが分かる。
【0200】
有機分子では、置換基の電気陰性度、体積の大きさ又は空間的構成が異なるため、昆虫や植物などの生体内において、分子全体の輸送特性又は受容体への結合が大きく異なり、示された生物学的活性も大きく異なり、しかしながら、分子の輸送特性と受容体への結合の適合性は予測不可能であり、それを知るには多くの創造的な労力が必要であるため、本発明は実質的な特徴と顕著な進歩を有する。