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  • 特許-外科手術器具の連続回転 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-08
(45)【発行日】2022-09-16
(54)【発明の名称】外科手術器具の連続回転
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/04 20060101AFI20220909BHJP
   A61B 17/28 20060101ALI20220909BHJP
【FI】
A61B18/04
A61B17/28
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021521955
(86)(22)【出願日】2019-10-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-14
(86)【国際出願番号】 US2019057788
(87)【国際公開番号】W WO2020086801
(87)【国際公開日】2020-04-30
【審査請求日】2021-04-22
(31)【優先権主張番号】62/749,841
(32)【優先日】2018-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500103074
【氏名又は名称】コンメッド コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアムズ メイソン
(72)【発明者】
【氏名】コンセルマン ジュリア
【審査官】石川 薫
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-513560(JP,A)
【文献】特開2012-070857(JP,A)
【文献】特開2006-062019(JP,A)
【文献】特開2002-127074(JP,A)
【文献】特開2014-236984(JP,A)
【文献】特表2017-513566(JP,A)
【文献】国際公開第2012/132860(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 13/00-18/18
A61F 2/01
A61N 7/00-7/02
B25J 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気外科手術装置であって、
長手方向軸の周りの回転のためにシャフトによって支持される電気外科手術器具、
前記シャフトの周りに位置付けられかつ回転に対して固定されたステータであって、互い電気的に分離されかつ電気外科手術電源への接続のために構成される同心円状に位置付けられた一対のリングを含む、ステータ、および、
互いに電気的に分離されかつ前記電気外科手術器具に電気的に連結された第一の一組のピンおよび第二の一組のピンを有するローターを含み
前記第一の一組のピンは同一円状に位置付けられており、前記第二の一組のピンは同一円状に位置付けられており、
前記第一の一組のピンが前記一対のリングのうちの一方と接触して位置付けられ、前記第二の一組のピンが前記一対のリングのうちの他方と接触して位置付けられるように、前記ローターが前記シャフトの周りに位置付けられかつ回転可能である電気外科手術装置。
【請求項2】
前記ステータに当接して位置付けられ、前記ステータの回転を防止する第一のリブを画定するハウジングをさらに含む、請求項1に記載の電気外科手術装置。
【請求項3】
前記ハウジングが、前記ローターに隣接して位置付けられた第二のリブをさらに画定する、請求項2に記載の電気外科手術装置。
【請求項4】
前記ローターの回転を可能にするために、前記ローターと前記第二のリブとの間に位置付けられたブッシングをさらに含、請求項3に記載の電気外科手術装置。
【請求項5】
前記シャフトが長手方向スロットを含む、請求項4に記載の電気外科手術装置。
【請求項6】
前記ローターが、前記シャフトの前記スロットと係合するタングを含む、請求項5に記載の電気外科手術装置。
【請求項7】
前記第一の一組のピンおよび前記第二の一組のピンが、ポゴピンを含む、請求項6に記載の電気外科手術装置。
【請求項8】
電気外科手術器具が、対向する第一のジョー及び第二のジョーを含み、前記対向する第一のジョー及び第二のジョーの各々が、一対のワイヤのそれぞれによって、前記第一の一組のピンおよび前記第二の一組のピンのそれぞれの一つに電気的に連結される、請求項7に記載の電気外科手術装置。
【請求項9】
連続回転を提供する電気外科手術装置の作動方法であって、
互いに電気的に分離されかつ同心円状に位置付けられた第一の一組のピンおよび第二の一組のピンを有するローターの、前記第一の一組のピンが、回転に対して固定されステータの同心円状に位置付けられた一対のリングの一方と接触して位置付けられ、前記第二の一組のピンが、前記一対のリングの他方と接触して位置付けられるように、前記ローターを前記電気外科手術装置の回転可能シャフトに連結するステップ、
一対の第一のワイヤの一方が前記第一の一組のピンを、前記一対の第一のワイヤの他方が前記第二の一組のピンを、それぞれ前記シャフトに取り付けられた前記電気外科手術装置の電気外科手術器具に連結するステップ、および、
電気外科手術電源が前記電気外科手術器具と電気的に連続するように、一対の第二のワイヤの一方が前記ステータの前記一対のリングの一方を、前記一対の第二のワイヤの他方が前記一対のリングの他方を、それぞれ前記電気外科手術電源に連結するステップを含む、方法。
【請求項10】
前記ステータを固定したまま前記シャフトを回転させて前記ローターの回転を引き起こし、前記シャフトが回転する時に前記第一の一組のピンおよび前記第二の一組のピンを前記一対のリングと接触したままとすることで、前記電気外科手術電源と前記電気外科手術器具との間の電気的連続を維持するステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第一の一組のピンおよび前記第二の一組のピンが、前記一対のリングと接触し続けるようにばね式である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ローターが、前記シャフト内のスロットと係合する前記ローターのタングによって前記シャフトに連結される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ローターが、前記シャフトを囲むブッシングによって前記回転可能シャフトにさらに連結され、前記電気外科手術装置のハウジングのリブに当接する、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年10月24日に出願された米国仮特許出願第62/749,841号の優先権を主張する。
【0002】
発明の分野
本発明は、外科手術器具に関し、より具体的には、外科手術器具が、360度回転し続けることができる電動構成要素を有することを可能にするためのアプローチに関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術の説明
電気手術血管シーラーおよびメスなどの外科手術器具は、器具が治療される組織に簡単に適用され得るように、細長いシャフトの端部に位置付けられたジョーまたは他の器具を有する。器具は、器具に電気的に連結された発電機によって供給される高周波エネルギーの使用を通してなど、電動式であり得る。器具を発電機に連結するための従来的なアプローチは、通電ワイヤを使用することである。しかしながら、多くのタイプの外科手術装置は、器具を回転させることができるように設計される。有線装置は、ある一定の量を回転され得るが、ある時点で、さらなる回転は、非回転要素と回転要素との間に延在するワイヤの長さによって制限される。極端な場合、器具のさらなる回転は、ワイヤの切断および電気機能の喪失を引き起こし得る。したがって、ユーザが、電力の喪失または装置の損傷の心配なく、必要と思われるだけ器具を回転させることができる一方で、外科手術装置の電動式器具に電気的連続性を送達できるアプローチに対するニーズが当技術分野において存在する。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、電気外科手術装置のハウジング内に位置付けられ、電気外科手術電源と回転可能シャフトの端部に位置する電気外科手術器具との間の電気的連続性を維持しうる連続回転アセンブリを含む。本発明は、互いに電気的に分離された一対のリングを有するステータを含む。ステータはシャフトの周りに位置付けられ、回転に対して固定される。互いに電気的に分離された第一および第二のピンのセットを有するローターは、シャフトの周りに位置付けられ、それと共に回転可能である。ローターは、リングの対の一つと接触して位置する第一のピンのセットと、ピンの対の他方と接触して位置する第二のピンのセットとを含む。一対のワイヤは、電気外科手術電源への相互接続を可能にするために、リングの対にそれぞれ連結され得る。装置のハウジングは、ステータに当接するように位置付けられ、ステータの回転を防止する第一のリブを画定し得る。ハウジングはさらに、ローターに隣接して位置付けられた第二のリブを画定し得る。ブッシングは、ローターと第二のリブとの間に位置付けられ、ローターの回転を容易にすることができる。シャフトは、それらが共に回転するように、ローターのタングと係合する長手方向スロットを含み得る。第一および第二のピンのセットは、リングと確実に係合するためのポゴピンであってもよい。電気外科手術器具は、第一および第二の対向するジョーを有し得、第一および第二の対向するジョーの各々は、第二のワイヤの対のそれぞれによって、第一および第二のピンのセットのそれぞれの一つに電気的に連結される。
【0005】
本発明はまた、電気外科手術装置に連続回転を提供する方法を含む。一つの工程は、第一のピンのセットが、回転に対して固定されるようにステータのリングの対の一方と接触して位置付けられ、第二のピンのセットが、リングの対の他方と接触して位置付けられるように、互いから電気的に分離された第一および第二のピンのセットを有するローターを電気外科手術装置の回転可能シャフトに連結することを含む。別の工程は、第一および第二のピンのセットを、シャフトに取り付けられた電気外科手術装置の電気外科手術器具に連結することを含む。さらなる工程は、電気外科手術電源が電気外科手術器具と電気的に連続するように、ステータのリングの対を電気外科手術電源に連結することを含む。方法はさらに、軸が回転する時にリングの対と接触したままの第一および第二のピンのセットの結果として電気外科手術電源と電気外科手術器具との間に電気連続性が維持されるようにステータが固定されたまま、シャフトを回転させてローターの回転を引き起こす工程を含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本発明は、添付図面と併せて以下の詳細な説明を読むことにより、より完全に理解され、認識される。
【0007】
図1図1は、本発明による電気的連続性および連続回転を有する外科手術装置の斜視図である。
図2図2は、本発明による外科手術装置に電気的連続性および連続回転を提供するためのアセンブリの等角図である。
図3図3は、本発明による外科手術装置に電気的連続性および連続回転を提供するためのアセンブリの分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図を参照すると、同様の数字は、全体を通して同様の部分を指し、電気外科手術発電機などの電気外科手術電源16に連結されたシャフト18の端部の電気外科手術ジョー14の対として図示された、外科手術器具に電気的連続性を提供するための連続回転アセンブリ12を有する外科手術装置10が図1に示される。本発明は、電気外科手術用鉗子、電気外科手術用ペンシルなど、電気外科手術電源16の供給源に連結される器具を有する他の外科手術装置に組み込まれ得ることが認識されるべきである。
【0009】
図2を参照すると、連続回転アセンブリ12は、ステータ22と連続的に接触して保持されるローター20を含む。ローター20は、互いに電気的に分離された導電性ピン24および26の第一および第二のセットを担う。ステータ22は、互いに電気的に分離され、それぞれ第一および第二のピンのセット24および26とそれぞれ嵌合するように整列される第一および第二のリング28および30を支持する。例えば、第一および第二のリング28は、シャフト18の周りに同心円状に位置付けら得る。ステータ22は、ハウジング32の内部内に形成された第一のリブ34によってなど、装置10のハウジング32内に固定される。ローター20は、それと回転するためにジョー14を支持する装置10のシャフト18に連結される。例えば、シャフト18は、ローター20のタング38を収容し、シャフト18が回転する場合にローター20に回転力を付与するスロット36を含み得る。
【0010】
図2に示されるように、第一のピンのセット24は、第一のリング28と接触するように位置付けられる。第二のピンのセット26は、第二のリング30に接触するように位置付けられる。第一および第二のピンのセット24および26は、ステータ22に対するローター20の任意の回転中に、第一および第二のリング28および30との安定した電気的接触を維持するばね式先端を有するポゴピンであることが好ましい。ベアリング40は、ハウジング32内で第二のリブ42に対して、また導電リング28および30に対応して第一および第二のピンのセット24および26の間の接触が保持されるように、ローター20をステータ22と接触したままにするようにローター20に対して当接して位置付けられ得る。
【0011】
第一のワイヤの対46および48は、接触パッド50を介して、第一および第二のピンのセット24および26にそれぞれ連結され得る。ワイヤ46および48は、シャフト18内に延在し、ジョー14内に保持された電極に接続する。第一のワイヤの対46および48は、ローター20およびシャフト18と共に回転し、そのため、シャフト18のいかに回転するかに関するいかなる張力も受けない。第二のワイヤのセット52および54は、リング28および30のそれぞれを電気外科手術電源16に相互接続する。結果として、電気外科手術電源16は、切断および凝固処置のために、ジョー14に電気的に相互接続される。装置10のシャフト18が電気外科手術処置中に長手方向軸X-Xの周りを回転する場合、ローター20は、ステータ22が静止したまま、シャフト18と共に回転する。ローター20の第一および第二のピンのセット24および26は、任意の回転の間、それぞれリング28および30と接触し続ける。ステータ22が定位置に固定されているため、ワイヤ52および54は、シャフト18の回転と共に移動または伸張する必要がなく、そのためシャフト18がどのように回転しても意図せず外れることはない。結果として、ジョー14と電気外科手術電源16との間の電気的連続性は、シャフト18の回転の程度にかかわらず維持される。事実、シャフト18は、断線や電気部品による電気的連続性の喪失の懸念なく、ジョー14と電気外科手術電源16との間の電気的連結を維持したまま、連続的に回転され得る。
図1
図2
図3