(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-09
(45)【発行日】2022-09-20
(54)【発明の名称】電子的記録媒体の異常発生リスク検知方法
(51)【国際特許分類】
G11B 20/18 20060101AFI20220912BHJP
G11B 5/09 20060101ALI20220912BHJP
G11B 20/10 20060101ALI20220912BHJP
G11B 5/00 20060101ALI20220912BHJP
【FI】
G11B20/18 520D
G11B5/09 361Z
G11B20/18 572B
G11B20/18 572F
G11B20/10 311
G11B5/00 D
(21)【出願番号】P 2018195538
(22)【出願日】2018-10-17
【審査請求日】2021-07-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000101400
【氏名又は名称】アツミ電氣株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130281
【氏名又は名称】加藤 道幸
(72)【発明者】
【氏名】高崎 裕宇
(72)【発明者】
【氏名】高柳 博之
【審査官】川中 龍太
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-073641(JP,A)
【文献】特開2005-115975(JP,A)
【文献】特開2017-037694(JP,A)
【文献】特開2015-014824(JP,A)
【文献】特開2003-257135(JP,A)
【文献】特開2014-116045(JP,A)
【文献】特開2016-218741(JP,A)
【文献】特開2014-021925(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11B 20/18
G11B 5/09
G11B 20/10
G11B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子的記録媒体の異常発生リスク検知方法において、
該電子的記録媒体の状態情報又は診断情報である記録媒体情報のうち、特定の特定記録媒体情報の変化を監視し、
該特定記録媒体情報の変化量の増加率を算出し、所定以上の該増加率が所定日数連続している場合、該電子的記録媒体の異常発生リスクを検知したものとし、該所定以上の該増加率が該所定日数連続しなければ該電子的記録媒体の異常発生リスクを検知したことにはならないことを特徴とする電子的記録媒体の異常発生リスク検知方法。
【請求項2】
前記特定記録媒体情報が、動作が不安定であるものの、他の記録エリアにデータを移すまでには及ばない記録エリアの数である
ことを特徴とする請求項1記載の電子的記録媒体の異常発生リスク検知方法。
【請求項3】
前記特定記録媒体情報が、動作が不安定で
他の記録エリアにデータを移した記録エリアの数であることを特徴とする請求項1記載の電子的記録媒体の異常発生リスク検知方法。
【請求項4】
前記特定記録媒体情報が、
読み書きのできない不良な記録エリアの数であることを特徴とする請求項1記載の電子的記録媒体の異常発生リスク検知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子的記録媒体の異常発生リスク検知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ハードディスク等の電子記録媒体は、その動作に信頼性が求められるが、物理的に破損する等、永続的に使用することはできない。このため、完全に破損する前に、電子的記録媒体の異常発生リスクを検知し、予め対処することが必要となる。
【0003】
例えば、特許文献1のハードディスク記録装置は、HDDの周囲温度を温度検出回路で計測して、適正温度を超えた場合に、HDDの使用環境が適当でない旨メッセージを表示すると共に、HDDが使われていないタイミングで、クラスタスキャンを実行して不良クラスタ数が増えた場合にエラーフラグをセットし、装置の電源を入れたタイミングでHDDの交換勧告メッセージを表示させるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の電子的記録媒体の異常発生リスク検知方法では、HDDの周囲温度を温度検出回路で計測して、適正温度を超えた場合に異常発生のリスクが高いと判断しているが、HDDが設置された環境やHDDの連続使用により温度が大きく変化する場合もあり、温度では必ずしも正しい異常発生リスクの検知要素とは言えない。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、より正確な検知が可能な電子的記録媒体の異常発生リスク検知方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の電子的記録媒体の異常発生リスク検知方法は、電子的記録媒体の状態情報又は診断情報である記録媒体情報のうち、特定の特定記録媒体情報の変化を監視し、特定記録媒体情報の変化量の増加率を算出し、所定以上の増加率が所定日数連続している場合、電子的記録媒体の異常発生リスクを検知したものとし、所定以上の増加率が所定日数連続しなければ電子的記録媒体の異常発生リスクを検知したことにはならないことを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の電子的記録媒体の異常発生リスク検知方法は、特定記録媒体情報が、動作が不安定であるものの、他の記録エリアにデータを移すまでには及ばない記録エリアの数であることを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の電子的記録媒体の異常発生リスク検知方法は、特定記録媒体情報が、動作が不安定で他の記録エリアにデータを移した記録エリアの数であることを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の電子的記録媒体の異常発生リスク検知方法は、特定記録媒体情報が、読み書きのできない不良な記録エリアの数であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本願の発明によれば、より正確に可能な電子的記録媒体の異常発生リスクの検知が可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本実施の形態における異常発生リスク検知方法は、HDD(ハードディスクドライブ)等の電子的記録媒体の致命的な破損が起こる前に、予め電子的記録媒体の各種情報から、異常発生のリスクを検知しそれを報知する方法である。この電子的記録媒体の異常発生リスク検知方法により報知された情報に基づき、該当の電子的記録媒体が使用不可能になる前に交換等の適切な対処を可能にするものである。
【0014】
尚、本実施の形態における電子的記録媒体は、HDDのような磁気記録媒体の他、電子情報の読み書きが可能な媒体はいずれも含み、例えば、不揮発性記録媒体のSSD(ソリッドステートドライブ:solid state drive)、SDメモリーカード、CFカード、USBメモリーも含まれる。
【0015】
本実施の形態における電子的記録媒体の異常発生リスク検知方法は、電子的記録媒体の状態情報又は診断情報である記録媒体情報のうち、特定の特定記録媒体情報の変化を監視し、特定記録媒体情報の変化が、所定の条件を満たした場合、電子的記録媒体の異常発生リスクを検知したものとして、報知するものである。
【0016】
電子的記録媒体の状態情報は、電子記録媒体から単純に出力される電子記録媒体の状態を示す情報で有り、診断情報は、電子記録媒体の自己診断結果又は、外部から診断を行って得られた診断結果に関する情報である。そして、その状態情報又は診断情報である記録媒体情報のうち、所定の特定のものが、特定記録媒体情報である。
【0017】
この特定記録媒体情報としては、例えば、電子記録媒体の動作が不安定であるものの、電子記録媒体の他の記録エリアにデータを移すまでには及ばない記録エリアの数を使用することができる。
【0018】
また、特定記録媒体情報としては、電子的記録媒体の動作が不安定で、他の記録エリアにデータを移した記録エリアの数を使用することができる。
【0019】
さらに、特定記録媒体情報としては、電子記録媒体の読み書きのできない不良な記録エリアの数を使用することができる。
【0020】
そして、特定記録媒体情報の変化が、所定の条件を満たした場合の具体的な例としては、特定記録媒体情報の変化量の増加率を算出し、所定以上の増加率が所定日数連続している場合、電子的記録媒体の異常発生リスクを検知したものとする、というようなことがある。
【0021】
以上のような電子的記録媒体の異常発生リスク検知方法によれば、より正確に可能な電子的記録媒体の異常発生リスクの検知が可能となる。
【0022】
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
【産業上の利用可能性】
【0023】
以上のように、本発明によれば、より正確な検知が可能な電子的記録媒体の異常発生リスク検知方法を提供することができる。