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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-09
(45)【発行日】2022-09-20
(54)【発明の名称】ボトルキャップ
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/36 20060101AFI20220912BHJP
【FI】
B65D47/36
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021162411
(22)【出願日】2021-09-30
(62)【分割の表示】P 2018193916の分割
【原出願日】2018-10-13
(65)【公開番号】P2021193042
(43)【公開日】2021-12-23
【審査請求日】2021-09-30
(31)【優先権主張番号】P 2017199415
(32)【優先日】2017-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】518422390
【氏名又は名称】株式会社フェイスアップ
(74)【代理人】
【識別番号】100126310
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 慎太郎
(72)【発明者】
【氏名】河島 康仁
【審査官】矢澤 周一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-56703(JP,A)
【文献】特開2016-155569(JP,A)
【文献】仏国特許出願公開第2775259(FR,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 47/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウォーターサーバー用液体容器の筒状口部に装着されて用いられ、中央部にウォーターサーバーの給水軸が挿入される筒状の軸受部が形成される本体部材と、前記軸受部の液体容器側の開口端に嵌脱可能に保持されるインナー部材とを有してなるボトルキャップにおいて、
前記本体部材は、前記軸受部が天面の中央部に形成される天面部と、断面円形の筒状に肉薄形成され筒状口部の外周面に当接される外縁部と、が一体形成され、
前記軸受部には、先端部が前記外縁部の内周面に向けて延出され、前記外縁部の内周面に当接するか又は近接するようにして配設される複数の弾性片を有する形状保持部材が装着される、
ことを特徴とするボトルキャップ。
【請求項2】
前記形状保持部材は、前記複数の弾性片が前記先端部を屈曲させた長板状に形成され、前記軸受部との装着部から給水軸の挿入方向に向けて延出される請求項1に記載のボトルキャップ。
【請求項3】
前記形状保持部材は、ボトルキャップが液体容器に装着された状態で前記複数の弾性片が弾性変形されて筒状口部の内周面に付勢状態で当接される請求項1又は請求項2に記載のボトルキャップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボトルキャップの技術に関し、より詳細には、ウォーターサーバー用液体容器の筒状口部に装着されて用いられ、中央部にウォーターサーバーの給水軸が挿入される筒状の軸受部が形成される本体部材と、前記軸受部の液体容器側の開口端に嵌脱可能に保持されるインナー部材とを有してなるボトルキャップに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、飲料水等の液体が充填された液体容器を連結し、注ぎ口から液体容器内の飲料水を取り出して提供するウォーターサーバーが提案されている。通常、この種のウォーターサーバーに連結される液体容器は、筒状口部にボトルキャップが装着された状態で使用され、ウォーターサーバーに液体容器が連結される際には、ウォーターサーバーの給水軸がボトルキャップを介して液体容器内に挿入され、液体容器内の飲料水が機外に漏出することなく給水軸を介して注ぎ口へと供給される。
【0003】
従来のボトルキャップとしては、例えば、特許文献1に開示されるように、中央部にウォーターサーバーの給水軸が挿入される筒状の軸受部が形成される本体部材と、軸受部の液体容器側の開口端に嵌脱可能に保持されるインナー部材等で構成され、軸受部が筒状口部内に突出された状態で、本体部材の外縁が筒状口部の形状に合わせて弾性変形して筒状口部の外周側に固定される。そして、ウォーターサーバーに液体容器が連結される際には、まず給水軸の先端部がインナー部材に嵌挿され、次いで軸受部を介して給水軸が液体容器内に挿入される。一方、ウォーターサーバーより液体容器が取り外される際には、再び軸受部の液体容器側の開口端にインナー部材が嵌合されて元の状態に戻される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-335713号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来のボトルキャップでは、本体部材において天面を形成する天面部と、天面部の周縁に形成される外縁部等とを有してなり、ボトルキャップが液体容器の筒状口部に装着された状態で、外縁部が筒状口部の外周面の形状に併せて弾性変形して密着されるように構成されているため、上述した外縁部が断面円形の筒状に肉薄形成されることから、自重や他のボトルキャップとの重なり等により外縁部が変形して、製造工程にてパーツフィーダーにて搬送する際に所定方向に整列させることができず、搬送時の目詰まりや打栓不良を生じる場合があった。
【0006】
そこで、本発明では、ボトルキャップに関し、前記従来の課題を解決するもので、外縁部の形状変化を防止して生産性を向上させたボトルキャップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
すなわち、請求項1においては、ウォーターサーバー用液体容器の筒状口部に装着されて用いられ、中央部にウォーターサーバーの給水軸が挿入される筒状の軸受部が形成される本体部材と、前記軸受部の液体容器側の開口端に保持されるインナー部材とを有してなるボトルキャップにおいて、ウォーターサーバー用液体容器の筒状口部に装着されて用いられ、中央部にウォーターサーバーの給水軸が挿入される筒状の軸受部が形成される本体部材と、前記軸受部の液体容器側の開口端に嵌脱可能に保持されるインナー部材とを有してなるボトルキャップにおいて、前記本体部材は、前記軸受部が天面の中央部に形成される天面部と、断面円形の筒状に肉薄形成され筒状口部の外周面に当接される外縁部と、が一体形成され、前記軸受部には、先端部が前記外縁部の内周面に向けて延出され、前記外縁部の内周面に当接するか又は近接するようにして配設される複数の弾性片を有する形状保持部材が装着される、ものである。
【0009】
請求項2においては、前記形状保持部材は、前記複数の弾性片が前記先端部を屈曲させた長板状に形成され、前記軸受部との装着部から給水軸の挿入方向に向けて延出されるものである。
【0010】
請求項3においては、前記形状保持部材は、ボトルキャップが液体容器に装着された状態で前記複数の弾性片が弾性変形されて筒状口部の内周面に付勢状態で当接されるものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の効果として、外縁部の形状変化を防止して生産性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第一実施例のボトルキャップの全体的な構成を示した斜視図である。
図2図1のボトルキャップの斜視断面図である。
図3図1のボトルキャップの断面図である。
図4】筒状口部にボトルキャップが装着された状態を示した断面図である。
図5】ウォーターサーバーに液体容器が連結された状態を示した断面図である。
図6図5の部分拡大断面図である。
図7】第二実施例のボトルキャップの全体的な構成を示した斜視図である。
図8図7のボトルキャップの断面図である。
図9】筒状口部にボトルキャップが装着された状態を示した断面図である。
図10】筒状口部にカバー部材を含むボトルキャップが装着された状態を示した断面図である。
図11】第三実施例のボトルキャップの全体的な構成を示した斜視図である。
図12図11のボトルキャップの斜視断面図である。
図13図11のボトルキャップの断面図である。
図14】インナー部材の斜視図である。
図15】筒状口部にボトルキャップが装着された状態を示した断面図である。
図16】ウォーターサーバーに液体容器が連結された状態を示した断面図である。
図17】第四実施例のボトルキャップの全体的な構成を示した斜視図である。
図18図17のボトルキャップの斜視断面図である。
図19図17のボトルキャップの断面図である。
図20】形状保持部材の斜視図である。
図21】筒状口部にボトルキャップが装着された状態を示した断面図である。
図22】第五実施例のボトルキャップの全体的な構成を示した斜視図である。
図23図22のボトルキャップの斜視断面図である。
図24図22のボトルキャップの断面図である。
図25】筒状口部にボトルキャップが装着された状態を示した断面図である。
図26】ウォーターサーバーに液体容器が連結された状態を示した断面図である。
図27】第六実施例のボトルキャップの全体的な構成を示した斜視図である。
図28図27のボトルキャップの斜視断面図である。
図29図27のボトルキャップの断面図である。
図30】筒状口部にボトルキャップが装着された状態を示した断面図である。
図31】第七実施例のボトルキャップの全体的な構成を示した斜視図である。
図32図31のボトルキャップの斜視断面図である。
図33図31のボトルキャップの断面図である。
図34】筒状口部にボトルキャップが装着された状態を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、発明を実施するための形態を説明する。なお、以下の実施例では、矢印X方向をボトルキャップの上下方向とする。
【実施例1】
【0014】
図1乃至図4に示すように、本実施例のボトルキャップ1は、ウォーターサーバー用液体容器の筒状口部10に着脱可能に装着されるキャップ部材であって、具体的には、中央部にウォーターサーバーの給水軸11が挿入される筒状の軸受部21が形成される本体部材2と、軸受部21の液体容器側の開口端に嵌脱可能に保持されるインナー部材3等とで構成されている。
【0015】
筒状口部10は、飲料水等の液体が充填されたカートリッジ容器として構成される液体容器(図略)の一側に突出されており、筒状口部10に本体部材2が装着された状態でウォーターサーバーに液体容器が連結される。筒状口部10の開口端は、緩やかなR形状に面取りされ、外周側より径方向に突出された突起部12が形成されており、筒状口部10にボトルキャップ1が容易に装着できるように構成されている。突起部12は、筒状口部10にボトルキャップ1が装着された状態で、後述する本体部材2に形成される装着凹部22aと嵌合される。
【0016】
本体部材2は、天面を形成する天面部20と、天面側の中央部に形成された筒状の軸受部21と、天面部20の周縁に形成される外縁部22と、天面部20よりボトルキャップ1の上下方向(図3の矢印X方向)に沿って立設される周縁鍔部23と、軸受部21と周縁鍔部23との間に連続される周壁部24等とが一体形成されて構成されている。本体部材2の天面には、軸受部21の開口部を塞ぐための図示せぬラベル部材が貼付されて用いられる。
【0017】
軸受部21は、筒状の内部に給水軸11が挿入される軸孔21aが形成され、天面側(以下、「給水軸挿入側」という)及びその反対側(以下、「液体容器側」という)が開口されている。軸受部21の液体容器側の開口端(図3の下方側)には、後述するインナー部材3が水密状態で嵌脱可能に保持され、インナー部材3により軸孔21aが閉止されている。給水軸11は、軸受部21の給水軸挿入側の開口端(図3の上方側)より軸孔21a内に挿入されて、液体容器側の開口端より先端が突出される(図5等参照)。
【0018】
軸受部21は、液体容器側の内径がインナー部材3の(止水リブ33を含む)外径よりも僅かに小さくなるように形成されており、内周面がインナー部材3(の止水リブ33)水密状態で嵌合されることでインナー部材3が止水保持される。また、軸受部21の液体容器側の開口端は、内周縁部が面取りされてインナー部材3の挿脱が容易となるように形成されている。他方、軸受部21の給水軸挿入側の開口端は、内周縁部が断面テーパ状に形成され、挿入時に給水軸11が内周面(後述する圧接部21c)と少ない抵抗で当接(摺接)されるように形成されている。
【0019】
軸受部21の同一内周面には、インナー部材3と係合可能に突設される係合部21bと、係合部21bよりも中心方向に向けて突出(膨出)され、給水軸挿入側の開口端より軸受部21に挿入された給水軸11と圧接可能に突設される圧接部21cとがそれぞれ形成されている。
【0020】
係合部21bは、液体容器側の開口端から軸受部21の内部方向に向けて徐々に縮径するように断面テーパ状の突起として円周方向に沿って形成され、軸受部21に挿入されたインナー部材3(の外側突起31)と係合可能に形成される。係合部21bは、液体容器側の開口端にインナー部材3が保持された状態で、インナー部材3の外側突起31と止水リブ33の間に配設される。特に、係合部21bは、液体容器側の開口端に保持された状態のインナー部材3の止水リブ33よりも給水軸挿入側に配置され、係合部21bの上端面とインナー部材3の外側突起31の下端面とが離間を有するようにして上下方向に近接した位置に配設される(図3及び図6参照)。
【0021】
圧接部21cは、係合部21bよりも給水軸挿入側に配置され、軸受部21の内周面より中心方向に向けて膨出される突起として円周方向に沿って形成され、軸受部21に対する給水軸11の挿入方向(図3の下方向)に向けて斜めに突出されるリブ状の圧接突起21dが設けられている。このように圧接部21cが設けられることで、圧接部21cが給水軸11の外周面と水密状態で圧接されるとともに、給水軸11にて圧接突起21dが弾性変形されて給水軸11が止水保持される。
【0022】
外縁部22は、天面部20の周縁と連続されて断面円形の筒状に肉薄形成され、内周面に筒状口部10の突起部12が嵌合される装着凹部22aが円周方向に沿って形成されており、ボトルキャップ1が筒状口部10に装着された状態(図4等参照)では、筒状口部10の形状に合わせて弾性変形して外周面に密着されている。
【0023】
周縁鍔部23は、天面部20の他方の周縁と連続されて外縁部22と同一円心の断面円形の筒状に立設され、外周面に止水リブ23aが円周方向に沿って形成されている。このように外縁部22及び周縁鍔部23が形成されることで、ボトルキャップ1が筒状口部10に装着された状態(図4等参照)では、筒状口部10の開口端(突起部12)が外縁部22の内周面と周縁鍔部23の外周面との離間に挿入されて装着凹部22aに嵌合される。その際、筒状口部10の開口端(の突起部12)の形状に合わせて外縁部22が弾性変形されるとともに、周縁鍔部23の止水リブ23aが筒状口部10の内周面に圧接されることで、外縁部22の内周面と周縁鍔部23の外周面とで筒状口部10が挟圧され、筒状口部10に本体部材2が水密状態で装着される。
【0024】
周壁部24は、軸受部21の外周面から周縁鍔部23へと連続されて形成され、軸受部21の液体容器側の開口端近傍の外周面より円周方向に沿って平行に延出された後、周縁鍔部23へ向けて徐々に拡径するように斜め上方に延出されている。周壁部24の給水軸挿入側の側面には、周縁鍔部23と同一円心の断面円形の筒状の補強壁部25が立設されており、同じく給水軸挿入側の側面に径方向に沿って立設される複数の補強リブ26・26・・・を介して軸受部21と補強壁部25とが連続されている。
【0025】
補強壁部25は、周縁鍔部23と離間を有するように配設されており、軸受部21と周縁鍔部23との離間に補強壁部25が設けられることで、本体部材2の天面に平面視で断面円形の凹溝25aが形成されている。このように軸受部21と周縁鍔部23との間に補強壁部25を設けて凹溝25aを形成することで、液体容器にボトルキャップ1を装着した状態で、筒状口部10の開口端(突起部12)にて周縁鍔部23が中心方向に向けて押圧されて弾性変形しても、凹溝25aが緩衝溝として作用して、軸受部21(軸孔21a)の変形を防止して、軸孔21aから液体容器内の飲料水が機外に漏出するのを防ぐことができる。
【0026】
インナー部材3は、軸受部21の液体容器側の開口端を塞ぐようにして水密状態で嵌脱可能に保持され、具体的には、有底筒状の本体部30より形成され、本体部30の開口端側(図3の上方側)の外周面に外側突起31が形成され、本体部30の閉止端側(図3の下方側)の外周面に閉止鍔32が円周方向に沿って延出され、閉止鍔32の近傍位置に止水リブ33が円周方向に沿って延出されている。
【0027】
本体部30は、軸受部21の内部方向に向けて開口され、開口端が径方向内側に向けて屈曲されて、給水軸11の先端に形成される凹状部と係合可能に形成されている。インナー部材3は、軸受部21の液体容器側の開口端に保持された状態で、軸受部21に挿入された給水軸11が開口端に嵌挿され、開口端と凹状部とが係合されることで給水軸11と一体とされる(図5参照)。
【0028】
外側突起31は、本体部30の外周面より円周方向に沿って突出され、軸受部21に形成された係合部21bと係合可能に形成されており、係合部21bと係合されることで軸受部21にインナー部材3を係止して、軸受部21から落脱するのを防止するように構成されている。外側突起31は、先端がインナー部材3の給水軸挿入側から徐々に拡径するように断面テーパ形状に形成され、ウォーターサーバーから液体容器を取り外す際に、同じく断面テーパ形状に形成された係合部21bとの係合時の抵抗を少なくして、軸受部21の液体容器側の開口端にインナー部材3を容易に嵌合できるように形成されている。
【0029】
閉止鍔32は、軸受部21の開口端にインナー部材3が嵌合された状態で、軸受部21の開口端に当接される。また、止水リブ33は、本体部30の外周面より円周方向に沿って突出され、上述したように、軸受部21の液体容器側の開口端にインナー部材3が保持された状態で軸受部21の内周面に圧接される。
【0030】
図4乃至図6に示すように、ウォーターサーバーに液体容器を連結する際には、ウォーターサーバーの上方より筒状口部10の開口端(突起部12)に予めボトルキャップ1が装着された液体容器を下動させて、本体部材2の天面に露出している軸孔21aより軸受部21内に給水軸11を挿入する。軸受部21に挿入された給水軸11は、軸孔21a内で圧接部21cと圧接され、圧接突起21dを拡径方向に弾性変形させながら外周面が水密状態で圧着された状態で挿通されていく。そして、給水軸11の先端部が軸受部21の開口端に嵌合されたインナー部材3に当接すると、液体容器の下動に伴って給水軸11の先端部がインナー部材3の開口端に嵌挿されて給水軸11とインナー部材3とが一体とされ、やがて、軸受部21の液体容器側の開口端より給水軸11の先端が突出される。
【0031】
ウォーターサーバーより液体容器が取り外される際には、液体容器を連結する場合とは逆に、液体容器が上動されることで給水軸11とインナー部材3とが一体に移動され、やがて軸受部21の液体容器側の開口端にインナー部材3が嵌合される。そして、軸受部21の開口端に閉止鍔32が当接されてインナー部材3が完全に嵌合された後、インナー部材3から給水軸11が脱離され、軸受部21より給水軸11が引き抜かれる。
【0032】
本実施例のボトルキャップ1では、ウォーターサーバーに液体容器が連結された状態では、圧接部21cが係合部21bよりも中心方向に向けて突出されることで、係合部21bが給水軸11に当接せず干渉しないように配設されている(図6参照)。このように係合部21bが給水軸11に干渉しないように形成されることで、ウォーターサーバーに液体容器が長時間装着された場合であっても、係合部21bが変形することによる軸受部21の内径の拡大を防止して、液体容器が取り外された後のインナー部材3の脱落を確実に防止することができる。
【0033】
以上のように、本実施例のボトルキャップ1は、ウォーターサーバー用液体容器の筒状口部10に装着されて用いられ、中央部にウォーターサーバーの給水軸11が挿入される筒状の軸受部21が形成される本体部材2と、軸受部21の液体容器側の開口端に嵌脱可能に保持されるインナー部材3とを有してなるボトルキャップ1において、軸受部21の同一内周面に、インナー部材3と係合可能に突設される係合部21bと、係合部21bよりも中心方向に向けて突出され、軸受部21に挿入された給水軸11と圧接可能に突設される圧接部21cと、がそれぞれ形成されるため、軸受部21におけるインナー部材3の保持性及び給水軸11との止水性を向上させることができるのである。
【0034】
すなわち、軸受部21の内周面にインナー部材3が係合される係合部21bと給水軸11と圧接される圧接部21cとが別々に設けられるため、軸受部21において係合部21bにてインナー部材3を止水保持し、圧接部21cにて給水軸11を止水保持するようにして分離して止水機能を発揮させることが可能となり、ウォーターサーバーから液体容器を取り外した後、軸受部21の液体容器側の開口端が拡径方向に変形するのを防止して、インナー部材3が自重にて液体容器内に落下したり、液体容器内の飲料水が機外に漏出したりするのを防ぐことでき、再びウォーターサーバーに液体容器を連結させる際であっても、給水軸11の先端部にてインナー部材3が押し出されることなく確実に嵌合させることができる。
【0035】
特に、本実施例のボトルキャップ1では、圧接部21cが給水軸11の挿入方向に向けて斜めに突出されるリブ状の圧接突起21dが設けられるため、圧接突起21dにて給水軸11との水密性を高めて止水性をより向上できる。
【0036】
また、圧接部21cは、係合部21bよりも給水軸挿入側に配置されるため、圧接部21cによる給水軸11の止水保持機能を確実に発揮させることができる。
【0037】
また、係合部21bは、インナー部材3の外周面に形成される係合リブ31と係合可能とされ、液体容器側の開口端に保持された状態のインナー部材3の止水リブ33よりも給水軸挿入側に配置されるため、係合部21bの拡径方向の変形を防止しして、止水リブ33にて止水性を確実に発揮させることができる。
【0038】
なお、ボトルキャップ1の構成としては、上述した実施例に限定されず、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【実施例2】
【0039】
図7乃至図10に示す別実施例のボトルキャップ101は、上述した実施例のボトルキャップ1とは異なり、有天筒状のカバー部材104の内部空間内に本体部材102が一体に組みつけられたカバー付きボトルキャップとして構成されている(図10参照)。このように有天筒状のカバー部材104の内部空間内に本体部材102が一体に組み付けられたカバー付きボトルキャップとして構成することで、液体容器の筒状口部10に装着された状態でカバー部材104により本体部材102が露出しないので、液体容器を搬送・保管する際の衛生管理及び品質保持が容易であり、液体容器内の内容物の品質改竄を防止して未開封性(バージン性)を向上できる。
【0040】
本実施例の本体部材102は、天面を形成する天面部120と、天面側の中央部に形成された筒状の軸受部121と、天面部120の周縁に形成される外縁部122と、天面部120より給水軸11の挿入方向に沿って立設される周縁鍔部123と、軸受部121と周縁鍔部123との間に形成される周壁部124等とが一体形成されている。
【0041】
本体部材102は、軸受部121の同一内周面にインナー部材103と係合可能に突設される係合部121bと、係合部121bよりも中心方向に向けて突出され、軸受部121に挿入された給水軸11と圧接可能に突設される圧接部121cと、がそれぞれ形成されており、軸受部121におけるインナー部材103の保持性及び給水軸11との止水性を向上させることができるように構成されている。また、軸受部121と周縁鍔部123との間に補強壁部125を設けて凹溝125aを形成することで、液体容器にボトルキャップ101を装着した状態で、筒状口部10の開口端(突起部12)にて周縁鍔部123が中心方向に向けて押圧されて弾性変形しても、凹溝125aが緩衝溝として作用して、軸受部121(軸孔121a)の変形を防止して、軸孔121aから液体容器内の飲料水が機外に漏出するのを防ぐように構成されている。
【0042】
その他の本体部材102等の構成については、上述した実施例(図3等参照)の本体部材2とほぼ同様に構成されているため、略同一形状の部材については詳細な説明は省略する。
【0043】
図10に示すように、カバー部材104は、有天筒状に形成され、略平面に形成される天面部140と、天面部140の周縁と連続されて断面円形の筒状に肉薄形成されたスカート部141とが一体成形されて構成されている。スカート部141の内周面には、天面部140との連続箇所であるコーナー箇所に本体部材102(の外縁部122)が嵌合される係止凹部141aが円周方向に沿って形成されている。本実施例のボトルキャップ101は、カバー部材104のスカート部141の下方開口端より本体部材102が内部空間内に挿入され、スカート部材104の係止凹部141aに本体部材102の外縁部122が嵌合されることで、カバー部材104に本体部材102が一体に組み付けられている。
【0044】
本体部材102及びカバー部材104が一体に組み付けられた状態では、カバー部材104にて本体部材102の天面部120及び外縁部122が囲繞され、天面部140にて天面に開口された軸孔121aが閉止されるとともに、スカート部141にて外縁部122が完全に覆われる。そして、ウォーターサーバーに液体容器を連結する際には、カバー部材104が筒状口部10より剥脱されて、本体部材2を露出させた状態(図9等参照)でウォーターサーバーの上方より液体容器が下動される。
【0045】
なお、ボトルキャップ101の構成としては、上述した実施例に限定されず、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【実施例3】
【0046】
図11乃至図16に示す別実施例のボトルキャップ201は、上述した実施例のボトルキャップ1・101とは異なり、インナー部材203が軸受部221の外周面に係合可能となるように構成されている。このようにインナー部材203が軸受部221に取り付けられることで、軸受部221におけるインナー部材203の保持性を向上させ、ウォーターサーバーから液体容器を取り外した際に、インナー部材203が自重にて液体容器内に落下するのを確実に防止することができる。
【0047】
すなわち、従来のボトルキャップでは、インナー部材が軸受部の液体容器側の開口端に嵌脱可能に保持され、ウォーターサーバーに液体容器が連結される際には、給水軸の先端部がインナー部材に嵌挿されるとともに、ウォーターサーバーより液体容器が取り外される際には、再び軸受部の液体容器側の開口端にインナー部材が嵌合されて元の状態に戻されるように構成されていた。そのため、ウォーターサーバーから液体容器を取り外した後、軸受部の液体容器側の開口端が拡径方向に弾性変形したまま元の形状(内径)に戻らない場合には、インナー部材の嵌合状態が不十分となって、インナー部材が自重にて液体容器内に落下してしまい、液体容器の回収時に液体容器内に残留する飲料水が機外に漏出してしまうだけでなく、液体容器を再利用する際にインナー部材の回収作業や液体容器内に入り込んだ異物を排出する作業に時間を要する等の問題があった。そこで、本実施例では、ボトルキャップに関し、前記従来の課題を解決するもので、軸受部におけるインナー部材の保持性を向上させたボトルキャップを提供するものである。
【0048】
本実施例のボトルキャップ201は、ウォーターサーバー用液体容器の筒状口部10に装着されて用いられ、中央部にウォーターサーバーの給水軸11が挿入される筒状の軸受部221が形成される本体部材202と、軸受部221の液体容器側の開口端に保持されるインナー部材203とを有してなるボトルキャップ201において、インナー部材203は、軸受部221の液体容器側の開口端を閉止する有底筒状の本体部230と、軸受部221の外周面に軸心方向に沿って移動可能に係合される係合部231等とが形成されている。
【0049】
本体部材202は、天面を形成する天面部220と、天面側の中央部に形成された筒状の軸受部221と、天面部220の周縁に形成される外縁部222と、天面部220より給水軸11の挿入方向に沿って立設される周縁鍔部223等とが一体形成されている。また、軸受部221と周縁鍔部223との間に補強壁部225を設けて凹溝225aを形成することで、液体容器にボトルキャップ201を装着した状態で、筒状口部10の開口端(突起部12)にて周縁鍔部223が中心方向に向けて押圧されて弾性変形しても、凹溝225aが緩衝溝として作用して、軸受部221(軸孔221a)の変形を防止して、軸孔221aから液体容器内の飲料水が機外に漏出するのを防ぐように構成されている。
【0050】
本体部材202は、軸受部221の外周面であって液体容器側の開口縁部に後述するインナー部材203(の係合突起231a及び開口縁部231c)と係合される係合突起221bが突設されている。係合突起221bは、液体容器側の開口端から他端方向に徐々に拡径するように断面テーパ状の突起として円周方向に沿って形成されている。
【0051】
その他の本体部材202等の構成については、上述した実施例(図3等参照)の本体部材2と略同一形状の部材の詳細な説明は省略する。
【0052】
インナー部材203は、上述したように有底筒状の本体部230及び軸受部221と係合される係合部231等とが形成されている(図14参照)。本体部230は、本体部材202に取り付けられた状態で、軸受部221の内部方向に向けて開口され、開口端が径方向内側に向けて屈曲されて給水軸11の先端に形成される凹状部と係合可能に形成されている。インナー部材203は、軸受部221に挿入された給水軸11が開口端に嵌挿され、開口端と凹状部とが係合されることで給水軸11と一体とされる(図16参照)。また、本体部230は、開口端側の外周面に閉止鍔232が円周方向に沿って延出され、閉止鍔232が軸受部221の開口縁部に当接されることで軸受部221の開口端が閉止される。
【0053】
係合部231は、本体部230(の閉止鍔232)に連設される断面円形の筒状に形成されており、内周面に係合突起231aが突設されている。係合突起231aは、本体部230との固定側から他端方向に徐々に縮径するように断面テーパ状の突起として円周方向に沿って形成されており、同じく断面テーパ形状に形成された本体部材202の係合突起部221bとの係合時の抵抗を少なくして、軸受部221の液体容器側の開口端にインナー部材3を容易に保持できるように形成されている。また、係合部231は、周壁に液体容器内の飲料水の流入孔231bが開口されており、本体部230との固定側との反対側に開口縁部231cが形成されている。
【0054】
本実施例のボトルキャップ201は、ボトルキャップ201が液体容器に装着された状態で、インナー部材203が軸受部221の外周面に軸心方向に沿って移動可能に係合されて取り付けられている。通常は、軸受部221の係合突起221bとインナー部材203の係合突起231aとが水密状態で係合され、軸受部221の開口縁部に閉止鍔232が当接されることで、軸受部221の開口端がインナー部材203にて水密状態で閉止されている。かかる状態で、軸受部221の係合突起221bとインナー部材203の係合突起231aとの係合状態が不十分であっても、軸受部221の軸心方向に沿ってインナー部材203が移動して軸受部221の係合突起221bとインナー部材203の開口縁部231cとが係合されることで、軸受部221にてインナー部材203を保持して液体容器内へ落下するのが防止されている。
【0055】
図15乃至図16に示すように、ウォーターサーバーに液体容器を連結する際には、ウォーターサーバーの上方より筒状口部10の開口端(突起部12)に予めボトルキャップ201が装着された液体容器を下動させて、本体部材202の天面に露出している軸孔221aより軸受部221内に給水軸11を挿入する。軸受部221に挿入された給水軸11は、先端部が軸受部221の開口端に配設されたインナー部材203に当接すると、液体容器の下動に伴って給水軸11の先端部がインナー部材203の本体部230開口端に嵌挿されて給水軸11とインナー部材203とが一体とされる。かかる状態でさらに液体容器が下動されることで、やがてインナー部材203の係合突起231aが軸受部221の係合突起221bより脱離され、インナー部材203が軸受部221の軸心方向に沿って移動しながら、軸受部221の液体容器側の開口端より給水軸11の先端が突出される。
【0056】
ウォーターサーバーより液体容器が取り外される際には、液体容器を連結する場合とは逆に、液体容器が上動されることで給水軸11とインナー部材203とが一体に移動され、本体部材202の係合突起221bとインナー部材203の係合突起231aとが係合され、軸受部221の液体容器側の開口端にインナー部材203の閉止鍔232が当接されることで、インナー部材203から給水軸11が脱離され、軸受部221より給水軸11が引き抜かれる。
【0057】
なお、ボトルキャップ201の構成としては、上述した実施例に限定されず、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【実施例4】
【0058】
図17乃至図21に示す別実施例のボトルキャップ301は、上述した実施例のボトルキャップ1・101・201とは異なり、外縁部322の形状を保持するための形状保持部材304が設けられている。このように外縁部322の形状を保持するための形状保持部材304が設けられることで、ボトルキャップ301の外縁部322の形状変化を防ぎ、製造工程におけるパーツフィーダーでの目詰まりや打栓不良等を防止することができる。
【0059】
すなわち、従来のボトルキャップは、本体部材において天面を形成する天面部と、天面側の中央部に形成された筒状の軸受部と、天面部の周縁に形成される外縁部等とを有してなり、ボトルキャップが液体容器の筒状口部に装着された状態で、外縁部が筒状口部の外周面の形状に併せて弾性変形して密着されるように構成されている。しかしながら、従来のボトルキャップの構成では、上述した外縁部が断面円形の筒状に肉薄形成されるため、自重や他のボトルキャップとの重なり等により外縁部が変形して、製造工程にてパーツフィーダーにて搬送する際に所定方向に整列させることができず、搬送時の目詰まりや打栓不良を生じる場合があった。そこで、本実施例では、ボトルキャップに関し、前記従来の課題を解決するもので、外縁部の形状変化を防止して生産性を向上させたボトルキャップを提供するものである。
【0060】
本実施例のボトルキャップ301は、ウォーターサーバー用液体容器の筒状口部10に着脱可能に装着されるキャップ部材であって、中央部にウォーターサーバーの給水軸11が挿入される筒状の軸受部321が形成される本体部材302と、軸受部321の液体容器側の開口端に嵌脱可能に保持されるインナー部材303と、軸受部321に装着され、軸受部321を軸中心とした円周方向に沿って外縁部322の内周面に当接される複数の弾性片341・341・・・が設けられる形状保持部材304等とで構成されている。
【0061】
本体部材302は、天面を形成する天面部320と、天面部320の中央部にウォーターサーバーの給水軸11が挿入される筒状の軸受部321と、天面部320の周縁に形成され筒状口部の外周面に当接される外縁部322と等とが一体形成されて構成されている。なお、本実施例のボトルキャップ301は、本体部材302の天面部320の裏面側にパッキン部材305が別体として配設されており、ボトルキャップ301が液体容器に装着された状態でパッキン部材305が筒状口部10の突起部12と圧接されて、液体容器内の飲料水が機外に漏出しないように構成されている。
【0062】
軸受部321は、筒状の内部に給水軸11が挿入される軸孔321aが形成され、軸受部321の液体容器側の開口端(図19の下方側)の内周面にインナー部材303と係合可能に突設される係合部321bが突設され、液体容器側の開口端の内径が給水軸11の外径よりも小さくなるように形成されている。このように軸受部321の内周面に係合部321bが形成されることで、軸受部321の液体容器側の開口端に挿入されたインナー部材303(の止水リブ333)と水密状態で嵌合されることでインナー部材303が止水保持されるとともに、ウォーターサーバーに液体容器が連結される際に軸受部321に挿入された給水軸11が圧接されることで給水軸11が止水保持される。
【0063】
外縁部322は、天面部320の周縁と連続されて断面円形の筒状に肉薄形成され、内周面に筒状口部10の突起部12が嵌合される装着凹部322aが円周方向に沿って形成されており、装着凹部322aの内周面に突起部12に当接して弾性変形する止水リブ322bが突設されている。ボトルキャップ301が液体容器に装着された状態(図21等参照)では、筒状口部10の形状に併せて装着凹部322aが弾性変形して外周面に密着されるとともに、止水リブ322bが弾性変形して突起部12に密着される。
【0064】
インナー部材303は、軸受部321の液体容器側の開口端を塞ぐようにして水密状態で嵌脱可能に保持され、有底筒状の本体部330の開口端側の外周面に外側突起331が形成され、本体部330の閉止端側の外周面に閉止鍔332が円周方向に沿って延出され、閉止鍔332の近傍位置に止水リブ333が円周方向に沿って延出されている。
【0065】
外側突起331は、本体部330の外周面より円周方向に沿って突出され、軸受部321に形成された係合部321bと係合可能に形成されており、係合部321bと係合されることで軸受部321にインナー部材303を係止して、軸受部321から落脱するのを防止するように構成されている。閉止鍔332は、軸受部321の開口端にインナー部材303が嵌合された状態で軸受部321の開口端に当接される。止水リブ333は、本体部330の外周面より円周方向に沿って突出され、軸受部321の液体容器側の開口端にインナー部材303が保持された状態で軸受部321の内周面に形成された係合部321bに圧接される。
【0066】
形状保持部材304は、本体部材302とは別体に形成され、軸受部321に装着されて外縁部322の内周面に当接可能に形成されており、具体的には、軸受部321の外周面に保持される装着部340と、装着部340より延出される給水軸11の挿入方向(図19の矢印X方向)に向けて延出される複数(本実施例では8個)の弾性片341・341・・・等とで構成されている(図20参照)。
【0067】
装着部340は、断面円形の筒状に形成され、軸受部321の外周面に装着されることで、形状保持部材304が軸受部321に保持される。弾性片341は、断面略L字型に屈曲された長板状に形成され、装着部321の円周方向に沿って所定の離間を有するようにして、給水軸11の挿入方向に向けて延出されて配設されている。弾性片341の先端部341aは、軸受部321に形状保持部材304が装着された状態で、軸受部321を軸中心とした径方向に向けて延出され、本体部材302の外縁部322が断面円形の筒状形状を保持するように端面にて外縁部322の内周面と当接可能に形成されている。
【0068】
図20乃至図21に示すように、形状保持部材304は、軸受部321に取り付けられた状態では弾性片341の先端部341aが外縁部322の内周面に向けて延出され、外縁部322に当接するか又は近接するようにして配設される。このように形状保持部材304が設けられることで、外縁部322のクリープ変形を防止して、外縁部322が断面円形の筒状となるように形状が保持される。また、ボトルキャップ301が液体容器に装着される際には、本体部材302の外縁部322内に挿入された筒状口部10の突起部12にて弾性片341が弾性変形され、先端部341aが筒状口部10の挿入方向に向けて屈曲されて、筒状口部10の内周面に先端部341aが付勢状態で当接される。このように弾性片341が弾性変形するように形成されることで、形状保持部材304を装着したままボトルキャップ301を液体容器に容易に挿脱することができる。
【0069】
なお、ボトルキャップ301の構成としては、上述した実施例に限定されず、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【実施例5】
【0070】
図22乃至図26に示す別実施例のボトルキャップ401は、上述した実施例のボトルキャップ1とは異なり、軸受部421が液体容器側に延伸され、圧接部421cにて軸孔421aより軸受部421内に挿入された給水軸11をガイドして、液体容器を垂直に姿勢保持した状態で軸受部421の開口端よりインナー部材403が嵌脱されるように形成されている。このように、圧接部421cが液体容器を垂直に姿勢保持するガイド機能を有するように形成されることで、ウォーターサーバーに液体容器を連結する際やウォーターサーバーより液体容器が取り外される際に、給水軸11に対して軸受部421が斜めに挿脱されるのを防止して、軸受部421よりインナー部材403が落脱するのを確実に防止することができる。
【0071】
本体部材402は、軸受部421の同一内周面にインナー部材403と係合可能に突設される係合部421bと、係合部421bよりも中心方向に向けて突出され、軸受部421に挿入された給水軸11と圧接可能に突設される圧接部421cと、がそれぞれ形成されており、軸受部421におけるインナー部材403の保持性及び給水軸11との止水性を向上させることができるように構成されている。また、軸受部421と周縁鍔部423との間に補強壁部425を設けて凹溝425aを形成することで、液体容器にボトルキャップ401を装着した状態で、筒状口部10の開口端(突起部12)にて周縁鍔部423が中心方向に向けて押圧されて弾性変形しても、凹溝425aが緩衝溝として作用して、軸受部421(軸孔421a)の変形を防止して、軸孔421aから液体容器内の飲料水が機外に漏出するのを防ぐように構成されている。
【0072】
その他の本体部材402等の構成については、上述した実施例(図3等参照)の本体部材2とほぼ同様に構成されているため、略同一形状の部材については詳細な説明は省略する。
【0073】
ウォーターサーバーに液体容器を連結する際には、ウォーターサーバーの上方より筒状口部10の開口端(突起部12)に予めボトルキャップ401が装着された液体容器を下動させて、本体部材402の天面に露出している軸孔421aより軸受部421内に給水軸11を挿入する。軸受部421に挿入された給水軸11は、軸孔421a内でガイドされながら圧接部421cと圧接され、液体容器が垂直に姿勢保持されながら徐々に挿通され、このとき圧接突起421dを拡径方向に弾性変形させながら外周面が水密状態で圧着される。そして、圧接部421cにて液体容器が垂直に姿勢保持された状態で、給水軸11の先端部が軸受部421の開口端に嵌合されたインナー部材403に当接すると、液体容器の下動に伴って給水軸11の先端部がインナー部材403の開口端に嵌挿されて給水軸11とインナー部材403とが一体とされ、やがて、軸受部421の液体容器側の開口端より給水軸11の先端が突出される(図26参照)。
【0074】
ウォーターサーバーより液体容器が取り外される際には、液体容器を連結する場合とは逆に、液体容器が上動されることで、圧接部421cにて液体容器が垂直に姿勢保持された状態で給水軸11とインナー部材403とが一体に移動され、やがて軸受部421の液体容器側の開口端にインナー部材403が嵌合される。そして、軸受部421の開口端に閉止鍔432が当接されてインナー部材403が完全に嵌合された後、インナー部材403から給水軸11が脱離され、軸受部421より給水軸11が引き抜かれる。
【0075】
なお、ボトルキャップ401の構成としては、上述した実施例に限定されず、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【実施例6】
【0076】
図27乃至図30に示す別実施例のボトルキャップ501は、上述した実施例のボトルキャップ1・101・401とは本体部材502の天面形状が異なり、天面520aが外縁部522及び周縁鍔部523と連続され、天面550bが軸受部521及び補強壁部525と連続されるように形成されている。このように構成することで、上述した実施例(図2及び図3等)とは異なり、軸受部521と補強壁部525との間に配設される補強リブ526・526・・・が天面側(水軸挿入側)に露出せず、天面側が平滑で凹凸がないので、ウォーターサーバーに液体容器を連結させる際に、給水軸11が凹凸に引っ掛かることなく軸受部521に容易かつ確実に挿入させることができる。
【0077】
本実施例の本体部材502は、天面を形成する天面部520a・520bと、天面側の中央部に形成された筒状の軸受部521と、天面部520aの周縁に形成される外縁部522と、天面部520aより給水軸11の挿入方向に沿って立設される周縁鍔部523と、軸受部521の外周面から周縁鍔部523へと連続されて形成される周壁部524と、天面部520bより給水軸11の挿入方向に沿って立設される補強壁部525等とが一体形成されている。
【0078】
軸受部522は、同一内周面にインナー部材503と係合可能に突設される係合部521bと、係合部521bよりも中心方向に向けて突出され、軸受部521に挿入された給水軸11と圧接可能に突設される圧接部521cと、がそれぞれ形成されており、軸受部521におけるインナー部材503の保持性及び給水軸11との止水性を向上させることができるように構成されている。
【0079】
周縁鍔部523は、天面部520aの他方の周縁と連続されて外縁部522と同一円心の断面円形の筒状に立設され、外周面に止水リブ523aが円周方向に沿って形成されている。また、周壁部524が周縁鍔部523から給水軸11の挿入方向に沿って延出されて形成され、周壁部524の給水軸挿入側の縁部であって天面部520bの周縁に、周縁鍔部523と同一円心の断面円形の筒状の補強壁部525が立設されており、同じく給水軸挿入側の側面に径方向に沿って立設される複数の補強リブ526・526・・・を介して軸受部521と周壁部524及び補強壁部525が連続されている。
【0080】
補強壁部525は、周縁鍔部523と離間を有するように配設されており、軸受部521と周縁鍔部523との離間に設けられることで、本体部材502の天面部520a及び520bの間に平面視で断面円形の凹溝525aが形成されている。このように軸受部521と周縁鍔部523との間に補強壁部525を設けて凹溝525aを形成することで、液体容器にボトルキャップ501を装着した状態で、筒状口部10の開口端(突起部12)にて周縁鍔部523が中心方向に向けて押圧されて弾性変形しても、凹溝525aが緩衝溝として作用して、軸受部521(軸孔521a)の変形を防止して、軸孔521aから液体容器内の飲料水が機外に漏出するのを防ぐことができる。
【0081】
その他の本体部材502等の構成については、上述した実施例(図3等参照)の本体部材2とほぼ同様に構成されているため、略同一形状の部材については詳細な説明は省略する。
【0082】
なお、ボトルキャップ501の構成としては、上述した実施例に限定されず、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【実施例7】
【0083】
図31乃至図34に示す別実施例のボトルキャップ601は、上述した実施例のボトルキャップ501とは本体部材602の天面が面一の天面部620より形成され、上述した補強壁部や凹溝が形成されない点で異なる。具体的には、本実施例の本体部材602は、天面を形成する天面部620と、天面側の中央部に形成された筒状の軸受部621と、天面部620の周縁に形成される外縁部622と、天面部620より給水軸11の挿入方向に沿って立設される周縁鍔部623と、周縁鍔部623と離間を有して天面部620より給水軸11の挿入方向に沿って立設される周壁部624等とが一体形成されている。
【0084】
本実施例の周縁鍔部623は、天面部620より外縁部22と同一円心の断面円形の筒状に立設され、周壁部624と離間を有するようにして配設されている。このように周縁鍔部623が形成されることで、ボトルキャップ601が筒状口部10に装着された状態(図34等参照)では、筒状口部10の開口端(突起部12)が外縁部622の内周面と周縁鍔部623の外周面との離間に挿入されて装着凹部622aに嵌合された際、筒状口部10の開口端(の突起部12)の形状に合わせて外縁部622が弾性変形されるとともに、周縁鍔部623も弾性変形しながら圧接されることで、外縁部622の内周面と周縁鍔部623の外周面とで筒状口部10が挟圧され、筒状口部10に本体部材602が水密状態で装着される。
【0085】
その他の本体部材602等の構成については、上述した実施例(図27等参照)の本体部材502とほぼ同様に構成されているため、略同一形状の部材については詳細な説明は省略する。
【0086】
なお、ボトルキャップ601の構成としては、上述した実施例に限定されず、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0087】
1 ボトルキャップ
2 本体部材
3 インナー部材
10 筒状口部
11 給水軸
12 突起部
20 天面部
21 軸受部
21a 軸孔
21b 係合部
21c 圧接部
21d 圧接突起
22 外縁部
22a 装着凹部
23 周縁鍔部
23a 止水リブ
24 周壁部
25 補強壁部
25 凹溝
26 補強リブ
30 本体部
30a 外周壁
31 外側突起
32 閉止鍔
33 止水リブ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34