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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-09
(45)【発行日】2022-09-20
(54)【発明の名称】遊技球振分装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20220912BHJP
【FI】
A63F7/02 312Z
A63F7/02 320
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2018112191
(22)【出願日】2018-06-12
(65)【公開番号】P2019213677
(43)【公開日】2019-12-19
【審査請求日】2021-06-02
(73)【特許権者】
【識別番号】591044614
【氏名又は名称】株式会社足立ライト工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100112531
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 浩二
(72)【発明者】
【氏名】山崎 龍也
【審査官】小泉 早苗
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-071217(JP,A)
【文献】特開2005-131121(JP,A)
【文献】特開2015-208351(JP,A)
【文献】特開2003-190463(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スリ鉢形に形成された球受皿と、該球受皿を水平面内で回転駆動させる電気的駆動手段とからなり、該球受皿の外周縁部に外周端壁を起立状に立設し、該外周端壁の内側に遊技球が周回し得る環状樋形のトラックを形成し、該球受皿の少なくとも中央部と前記トラックの一部に遊技球が流落可能な球入口をそれぞれ形成し、該各球入口には遊技者にとって有利になる有利球入口と有利にならない非有利球入口とがあり、該球受皿に流入した遊技球は前記電気的駆動手段による回転動により該球受皿内にて転動するとともに該球受皿の回転状況に従い遠心力によって前記トラックに乗り上げ該トラックに形成された球入口に流落し得るようにしたことを特徴とする遊技球振分装置。
【請求項2】
前記球受皿の内面に遊技球を前記トラックに誘導し得る螺旋状ガイドを形成したことを特徴とする請求項1に記載した遊技球振分装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機,アレンジボール遊技機,雀球遊技機等のパチンコ球を遊技媒体とする遊技機において、遊技球が転動する遊技領域に設けられ、流入した遊技球を複数の流路に振り分ける遊技球振分装置に関するもので、特にはスリ鉢形の球受皿に遊技球を流入させて遊技球を複数の球入口に振り分ける装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年のパチンコ遊技機等の弾球遊技機には、液晶表示装置等の大型ディスプレイに単にアニメーション等の動画を表示するだけでなく、遊技球振分装置と該ディスプレイの表示とを連動させてインパクトのある演出をするものも存在している。即ち、一般に遊技球振分装置は、遊技盤の遊技領域に設けられ、該遊技領域から域入した遊技球を複数の流路のうちのいずれかに誘導し、ディスプレイの表示と連動させることにより演出効果を増大させるものである。
下記特許文献1に示された遊技球振分装置は、クルーンと称されるスリ鉢状の皿が上下2段に配置され、該各皿の中央部には3つの流落口が形成されていて、上段のクルーンに流入した遊技球はその3つの流落口のうちの特定の流落口に入ると下段のクルーンに導かれ、さらにその遊技球が3つの流落口のうちの特定の流落口に入ると、特定遊技状態に移行するように構成され、該各クルーンにおける遊技球の動きを遊技者が視認できるように構成したものである。
また、下記特許文献2に示された遊技球周回装置は、クルーンの中央に電動モータによって回転駆動される円筒状の回転リングを配置し、該回転リングには上方に突出する突出部が三角波状(鋸歯状)に形成され、該突出部の間を遊技球が通過可能にし、該回転リングの中心部に遊技球が流落する3つの球入口が開設され、遊技球がどの球入口に入るかにより遊技球が振り分けられるようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-458号公報
【文献】特開2006-6773号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に示された遊技球振分装置は、上下の各クルーンにおいて特定の流落口に遊技球が入る確率は3分の1であるので、特定遊技状態になる確率は常に9分の1という一定の確率にしかならないものであった。このため、遊技中の状況変化が乏しく、面白味が少なく、遊技が単調になり易いという問題がある。
なお、一般に電子回路により常に一定の確率で大当たりや確変等の遊技者にとって有利な状況が到来するように構成された弾球遊技機もまた単調になるので、遊技に面白味がないという問題がある。
また、特許文献2に示された装置は、遊技球の動きが画一的になりやすいとともに、回転リングの中心部に複数の球入口を接近して設けねばならないので、遊技球が高速で激しく動くことと相俟って、遊技球が球入口に入る瞬間が見届けられないため、どの球入口に入ったのかが分かりにくく、そのために十分な娯楽性が得られないという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで本発明は、上記のような問題点を解決したクルーン型の遊技球振分装置を提供しようとするもので、スリ鉢形に形成された球受皿と、該球受皿を水平面内で回転駆動させる電気的駆動手段とからなり、該球受皿の少なくとも中央部と外周縁部に遊技球が流落可能な球入口をそれぞれ形成し、該各球入口には遊技者にとって有利になる有利球入口と有利にならない非有利球入口とがあり、該球受皿に流入した遊技球は前記電気的駆動手段による回転動により該球受皿内にて転動するとともに該球受皿の回転状況に従い遠心力によって該球受皿の外周縁部まで到達し得るようにしたことを特徴とする。
【0006】
また本発明は上記遊技球振分装置において、前記球受皿の内周面に遊技球を誘導し得る螺旋状ガイドを形成したことを特徴とする。
【0007】
また本発明は上記遊技球振分装置において、前記電気的駆動手段による前記球受皿の回転駆動を制御する時間設定手段を設け、該時間設定手段に設定される回転時間および/または停止時間に従い前記球受皿の回転が制動されるようにしたことを特徴とする。
また本発明は上記遊技球振分装置において、前記時間設定手段に設定される回転時間および/または停止時間は抽選により決定され、該時間または停止する時間をディスプレイにより遊技者に表示するようにしたことを特徴とする。
【0008】
また本発明は上記遊技球振分装置において、前記電気的駆動手段による前記球受皿の回転駆動を制御する回転動設定手段を設け、該回転動設定手段に設定される速度および/または回転方向に従い前記球受皿の回転が制動されるようにしたことを特徴とする。
また本発明は上記遊技球振分装置において、前記回転動設定手段に設定される速度および/または回転方向は抽選により決定され、該速度および/または回転方向をディスプレイにより遊技者に表示するようにしたことを特徴とする。
【0009】
また本発明は上記遊技球振分装置において、前記回転動設定手段によって制御される前記球受皿の回転はディスプレイに表示されるアニメーション等の動画の動きと連動するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
球受皿を種々の態様にて回転させることにより、遊技球の動きを画一的でない面白いものにすることができる。また、球受皿の中央部と外周縁部とに離れて球入口を設けたことで、遊技者はいずれの球入口に遊技球が入球するかの過程を見損なうことなく分かり易く見ることができ、娯楽性が増す。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係る遊技球振分装置の斜視図。
図2】本発明に係る遊技球振分装置の正面図。
図3図2のA-A線断面図。
図4】本発明に係る遊技球振分装置の分解斜視図。
図5】本発明に係る遊技球振分装置を下方から見た分解斜視図。
図6】本発明に係る遊技球振分装置を設けた弾球遊技機の遊技盤の概略を示す正面図。
図7】本発明に係る遊技球振分装置の制御系のブロック図。
図8】本発明に係る遊技球振分装置の作動の概略を表すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る遊技球振分装置は、図1図5に示すように、スリ鉢形の球受皿10と、該球受皿10を水平面内で回転駆動させる電気的駆動手段30とからなる。該球受皿10はスリ鉢形に形成され、該球受皿10の中央部の最も低い位置にて遊技球が流落可能な球入口11を形成している。該球入口11の周囲には複数の半球状の小突起からなる障害部12を形成している。なお、該球入口11は図3図5に示したように該球受皿10の底部中心から下方に垂下するように一体に形成された筒状軸13の中心貫通孔として形成されている。そして該球入口11に流落した遊技球は通過球センサ(図示せず)によって検知されるようにしている。また、該球受皿10の外周縁部には外周端壁10aが立設され遊技球が周回し得る環状樋形のトラック14を形成し、該トラック14の一部には前記外周端壁10aに沿って周回した遊技球が流落可能な球入口15を前記中央部の球入口11より高い位置に形成している。そして、該球入口15の下流にも該球入口15に流落した遊技球を検知するための通過球センサ(図示せず)が設けられる。
また、該球受皿10の内周面に螺旋筋状の突起からなる螺旋状ガイド16を形成している。17は該球受皿10に遊技球Pを誘導するために設けられた球誘導樋を示す。なお、前記球入口11と前記球入口15とは、いずれか一方が遊技者にとって非常に有利となる有利球入口となるように設定され、他方はその有利球入口に対して相対的に不利となる非有利球入口となるように設定される。
【0013】
そして、図4に示すように両端縁の脚部18により水平に支持された板状の支持台19に環状凹部20を形成し、該環状凹部20内底に貫通孔21を形成するとともに、該環状凹部20に球軸受22を固設し、該球軸受22に前記筒状軸13を貫挿することにより、球受皿10を回転自在に支持する。なお、前記球誘導樋17は支柱17aを該支持台19の脚部18にビス17bにより固着することにより該球受皿10の一側上部に支持される。
【0014】
次に電気的駆動手段30の構成を説明する。前記支持台19の前記貫通孔21から下方に突出した前記筒状軸13の下端部外周にセンター歯車31を固着するとともに、該支持台19の下面に形成された複数のボス32に駆動部支持板33をビス34により固設し、該駆動部支持板33の中央に形成された貫通孔35に前記筒状軸13を相対させることで前記球入口11を該貫通孔35に連通させている。そして、該駆動部支持板33の貫通孔35を挟むように両側に止孔36a,36b開設し、該止孔36a,36bに一端を嵌着することで該支持台19と該駆動部支持板33との間に一対の支軸37a,37bを垂直に支持し、該支軸37a,37bに大径歯車部38a,38bと小径歯車部39a,39bとを一体的に形成してなる伝動歯車40a,40b(図5参照)を回転自在に支持し、該大径歯車部38a,38bを前記センター歯車31に噛合させる。また、該駆動部支持板33の下面に一対のモータ41a,41bをビス42によって固設し、該モータ41a,41bの回転軸43a,43bを該駆動部支持板33上に突出させ該回転軸43a,43bに駆動歯車44a,44bを固設し、該駆動歯車44a,44bを前記伝動歯車40a,40bの小径歯車部39a,39bに噛合させてなる。このため該モータ41a,41bが駆動され、該駆動歯車44a,44bが回転すると、その回転は伝動歯車40a,40bを介してセンター歯車31に伝達され球受皿10が回転動する。
【0015】
球受皿10は、図6に例示したように、弾球遊技機の遊技盤50に配置され、遊技者は該球受皿10の状況を遊技中に観察できるようにしている。そして該遊技盤の上部に打ち放たれた遊技球が流下する該遊技盤50前面の遊技領域51に、翼片53がソレノイドの作動により開閉可能に設けられた電動開閉式の開閉翼片型入賞装置52を設け、該開閉翼片型入賞装置52が開状態にあるときに該遊技球が該開閉翼片型入賞装置52から前記球誘導樋17を通って前記球受皿10内に流入し得るようにしている。なお、該開閉翼片型入賞装置52の翼片53が開く契機をどのように設定するかは、該遊技機の機種に従い自由に設定可能である。
また、該遊技盤50の遊技領域51に通過チャッカー54を設け、該通過チャッカー54に遊技球が通過したことを電気信号で検出する通過球センサ(図示せず)を設けている。さらに、該遊技領域51には、遊技情報を表示する小型のディスプレイ55を設けるほか、ソレノイドの作動により開閉動する横長の開閉扉を有する大入賞口56、遊技球が入賞する度に開閉する開閉翼片型入賞口57、普通入賞口58、風車59等が機種に応じて適宜設けられる。
【0016】
また、図7にブロック図を示したように、前記電気的駆動手段30を制御し球受皿10の回転時間や停止時間を制御する時間設定手段60を設け、該時間設定手段60に設定された回転時間および/または停止時間に従い球受皿10の回転が制動されるようにするとともに、該時間設定手段60に時間抽選手段61を設け、該時間抽選手段61により選定された回転時間および/または停止時間が該時間設定手段60に設定されるようにする。またさらに、電気的駆動手段30を制御し球受皿10の回転速度を制御する回転動設定手段62を設け、該回転動設定手段62に設定された回転速度および/または回転方向に従い球受皿10の回転が制御されるようにするとともに、該回転動設定手段62に回転動抽選手段63を設け、該回転動抽選手段63により選定された速度および/または回転方向が該回転動設定手段62に設定されるようにする。
【0017】
図8にはこの遊技球振分装置の作動の概略を表すフローチャートを示し、ステップ(a)にて前記通過チャッカー54を遊技球が通過したことが検出されると、ステップ(b)に移行し、前記時間抽選手段61および回転動抽選手段63により回転時間および回転速度が抽選される。回転時間は例えば5秒~30秒の間で選出され、回転速度は100rpm~600rpmの間で選出される。そして、ステップ(c)にてこの抽選の結果選出された回転時間および回転速度が前記時間設定手段60と回転動設定手段62にそれぞれ記憶・設定される。こうして設定された回転時間および回転速度はステップ(d)にて前記ディスプレイ55に表示される。例えば回転時間が20秒、回転速度が150rpmに設定されたとすると、該ディスプレイ55に[20秒]、[150rpm]といった表示がされる。そしてステップ(e)で電気的駆動手段30である前記モータ41a,41bに回転駆動が指令され球受皿10がこれらの設定に従い回転する。
こうして球受皿10が回転しているときに遊技球Pが該球受皿10内に流入すると、該遊技球Pは該球受皿10内にて揺動し、該球受皿10との接触によって受ける摩擦により、該遊技球にスピンが掛かったり、遠心力の作用で該球受皿10の内面に沿って上方に移動し、外周縁部のトラック14に乗り上げて外周端壁10aに当接した状態で該トラック14を周回し、前記球入口15に導かれ流落し得る。或いは、該球受皿10の回転方向の変更や停止時間の設定を実行させるプログラムを上記フローチャートに反映させることによって、該遊技球Pを前記球入口11に突発的に流落したりするなど、画一的でない動きを実現可能とすることもできる。
なお、該球受皿10ではこのように複数の球入口11,15が設けられていても、両球入口11,15は球受皿10の中央部と外周縁部という離れた位置であって、さらに高低差があるので、遊技者はその動きを見逃さずに観察でき、いずれの球入口に入球したかが分かりやすく、球入口11または15に流落するまでの過程を楽しみ易い。
【0018】
そしてステップ(f)にて、回転時間=0かどうかが判断され、回転時間=0でない場合はステップ(h)にて経過時間を差し引き、残り時間がステップ(i)にて前記ディスプレイ55に表示され、ステップ(j)に移行する。ステップ(j)では球入口15が有利球入口として設定されていた場合に該球入口15に遊技球Pが入球したかどうかを判定し、該球入口15に遊技球Pが入球したことが判定されるとステップ(k)に移行し遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生させリターンする。この特定遊技状態は例えば前記大入賞口56の開閉扉が繰り返し開かれ、遊技領域51を流下する多数の遊技球が該大入賞口56に入賞し、大量の遊技が得られるようにするものである。ステップ(j)にて球入口15に遊技球Pが入球していないと判定された場合はこうした特定遊技状態を発生させることなくリターンする。そして、前記ステップ(f)にて、回転時間=0と判断されると、ステップ(g)にて停止指令が出されてリターンし、球受皿10の回転動が停止される。球受皿10の回転動が停止あるいは減速すると該球受皿10内に未だ残っている遊技球Pは重力で球入口11に流落し易くなる。このように遊技球Pが球入口11に入球すると有利球入口として設定された前記球入口15に入球するのと比較して遊技者にとって相対的に不利となる。
【0019】
回転中の球受皿10内の遊技球Pは、該球受皿10への接触部位との摩擦によりスピンが生じるとともに、該遊技球Pに遠心力が作用する。このため該遊技球Pは重力と遠心力とにより該遊技球Pは該球受皿10内にて不規則に周回し、その複雑に動く状況にインパクトがあるので遊技者はこれを見て楽しむことができる。その際、該球受皿10の回転時間が長くかつ回転速度は速いほうが該遊技球Pは該球受皿10の内面を転動し外周縁部のトラック14に到達し球入口15に流落しやすくなる一方、回転時間が短く回転速度が遅いと遊技球Pはトラック14に到達し難くなり自重で中央部の球入口11に流落しやすくなる。このため抽選によって設定される球受皿10の回転時間や回転速度は、該遊技球Pが両球入口11,15のいずれに入球するかに大きく影響する。また、球受皿10の回転方向、停止時間等の回転のパターンも加味し設定することで、さらに遊技球Pがいずれの球入口に入球するかに大きな影響を及ぼす。つまり、遊技球の動きを複雑化することを可能とし、より一層遊技者にとって興味深い遊技とすることができる。
【0020】
また、球入口11,15のいずれか一方が有利球入口であり、他方が非有利球入口であり、トラック14に形成された球入口15には遊技球がスリ鉢形に形成された球受皿10の底面上を周回しながら上昇し入球することを可能としているので、遊技者は一層注意深く該遊技球Pの動きを観察し楽しむことができる。なお、球受皿10の内面に突設された前記螺旋状ガイド16は、図1に示す場合においては球受皿10が反時計回りに回転することで遊技球Pが該球受皿10の内面に沿って上昇し外周縁部に移動するのを妨げるように作用し、球受皿10が時計回りに回転することで遊技球Pをこの螺旋状ラインに沿って上昇し外周縁部に到達し易く作用するので、該遊技球Pの動きを一層興味あるものにする。また、球入口11の周囲に形成された前記障害部12は、球入口11に流入しようとする遊技球Pが衝突し、該遊技球Pを跳ね飛ばすので、該遊技球Pの挙動を一律でなく一層複雑で興味あるものにする。
また、球受皿10が回転している際に前記ディスプレイ55に回転の残り時間が刻々と表示され、残り時間がなくなると回転が停止する。このため遊技者は該ディスプレイ55に表示される残り時間を気にしつつ遊技球Pが早く有利球入口に入球することを願いつつ該遊技球Pの動きを見て楽しむこととなる。また、球受皿10の回転速度は速いほうが遊技球Pは該球受皿10の外周縁部に到達し易いので、抽選の結果選定される回転速度についても遊技者は重大な関心事となる。
【0021】
なお、この実施形態に示した電気的駆動手段30では、2つのモータ41a,41b、および該各モータ41a,41bの回転を伝動する2つの駆動歯車44a,44bを設けて、球受皿10を回転させるようにしたので、十分な回転駆動力が得られ、質量のある球受皿でも即座に高速回転、停止、或いは逆転等をスムースに行うことができる。また、その際に前記センター歯車31に両側から均等に動力が伝達するので、球受皿10の回転軸が偏芯することなく駆動がスムースになる。
【0022】
この実施形態では通過チャッカー54を遊技球が通過することで上記のように抽選が開始されるようにしたが、その他の事象を契機として抽選が開始されるようにしてもよい。例えば従来からある弾球遊技機の遊技盤に一般的に備えられている大型ディスプレイ(図示せず)に表示される図柄変動等の動画に影響を及ぼす開閉翼片型入賞口57への入賞を契機として抽選が開始されるようにしてもよい。また、抽選内容についても、回転時間と回転速度だけでなく、球受皿10を一時停止させるかどうかや、その一時停止させる時間を抽選したり、或いは、回転方向を抽選したり、逆回転させるか否か、急停止させるかどうかなど、球受皿10の回転態様を種々抽選のうえ設定し得る。或いは、複数の回転パターンが用意され、抽選によって例えばパターン1が選定された場合は初期は高速で回転し後期は低速になり、パターン2が選定された場合はその反対に初期は低速で回転し後期は高速になるようにするなど種々の態様がある。
【0023】
また、開閉翼片型入賞装置52を開動させる条件もこの実施形態に限らず、例えば開閉翼片型入賞口57へ入球することを契機としたり、通過チャッカー54を遊技球が通過することを契機としたり、開閉翼片型入賞口57への入賞や通過チャッカー54を通過したタイミングで、その入賞又は通過の際に抽選しその結果を契機としてもよい。
なお、球受皿10内に遊技球Pがある間であっても、前記開閉翼片型入賞装置52の翼片53が開いていると、さらに遊技球Pが該球受皿10内に流入し、該球受皿10で複数の遊技球Pが転動するようになる。こうした状況では球受皿10内にて遊技球Pどうしが衝突し、さらに変わった動きをするようになるので、遊技者はこうした動きを一層興味深く見られるようになる。そして該開閉翼片型入賞装置52の翼片53の開閉を制御することによっては、該球受皿10内に同時に流入可能な遊技球Pの個数を制御することが可能となる。このため、該翼片53の開閉させるタイミング、時間等についても、特定の入賞口に遊技球が入球することやディスプレイに特定の表示がされたときなど、何らかの事象を契機として実行される抽選により遊技者にとって有利または不利なように設定されるようにしてもよい。
このような構成を採用することにより、抽選で有利な結果となったときの喜びと、有利な球入口に入球する公算が高くなったという期待感が高まり、趣向性の高い弾球遊技機とすることができる。また、球受皿10に遊技球Pを流入させる経路について必ずしも開閉翼片型入賞装置52を設ける必要はない。
【0024】
なお、前記回転動設定手段62によって制御される球受皿10の回転を図示しない大型ディスプレイに表示されるアニメーション等の動画の動きと連動するように設定することも可能である。このように球受皿10の回転を動画の動きと連動させることによっては、アニメーション等の進行とがマッチングし一層インパクトがあり趣向性も高い弾球遊技機を提供できる。
【0025】
またこの実施形態は、球入口11と球入口15との2つの球入口を設けたのみであるが、さらに多数の球入口を球受皿10の中央部や周縁部等に設け、遊技球Pが該球入口11や球入口15へ入球した場合よりも、遊技者にとって一層有利にしたり不利となるようにしてもよい。要するにこの球受皿10により流入した遊技球Pがさらに多数の流路に振り分けられるようにしてもよい。
また、この実施形態では球受皿10が電気的駆動手段30によって横ブレすることなく真円状に回転運動するように構成したが、あえて偏芯運動をするように構成し、該球受皿内の遊技球の動きにさらに変化が与えられるようにすることもできる。
なお、この実施形態においては球入口15を有利球入口として設定したが、球入口11を有利球入口として設定し、球入口11に遊技球Pが入球するかどうかという遊技内容とすることもできる。
【符号の説明】
【0026】
10…球受皿、 10a…外周端壁、 11…球入口、 12…障害部、 13…筒状軸、 14…トラック、 15…球入口、 16…螺旋状ガイド、 17…球誘導樋、 17a…支柱、 17b…ビス、 18…脚部、 19…支持台、 20…環状凹部、 21…貫通孔、 22…球軸受、 30…電気的駆動手段、 31…センター歯車、 32…ボス、 33…駆動部支持板、 34…ビス、 35…貫通孔、 36a,36b…止孔、 37a,37b…支軸、 38a,38b…大径歯車部、 39a,39b…小径歯車部、 40a,40b…伝動歯車、 41a,41b…モータ、 42…ビス、 43a,43b…回転軸、 44a,44b…駆動歯車、 50…遊技盤、 51…遊技領域、 52…開閉翼片型入賞装置、 53…翼片、 54…通過チャッカー、 55…ディスプレイ、 56…大入賞口、 57…開閉翼片型入賞口、 58…普通入賞口、 59…風車、 60…時間設定手段、 61…時間抽選手段、 62…回転動設定手段、 63…回転動抽選手段、 P…遊技球
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8