(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-09
(45)【発行日】2022-09-20
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20220912BHJP
G06Q 10/10 20120101ALI20220912BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q10/10 322
(21)【出願番号】P 2018185938
(22)【出願日】2018-09-28
【審査請求日】2021-09-17
(73)【特許権者】
【識別番号】518347738
【氏名又は名称】株式会社プチジョブ
(74)【代理人】
【識別番号】100190621
【氏名又は名称】崎間 伸洋
(74)【代理人】
【識別番号】100207619
【氏名又は名称】渡辺 知晴
(72)【発明者】
【氏名】宮澤 明宏
【審査官】萩島 豪
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-279222(JP,A)
【文献】特開2004-272774(JP,A)
【文献】特開2008-210259(JP,A)
【文献】国際公開第2018/042550(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2002/0143752(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイナミックプライシングにより求職者の時給を設定し、求人者に対して、最短で、必要な求職者の採用を支援するための情報処理装置であって、
前記ダイナミックプライシングに基づいて需給状況によって時給を設定する時給設定手段と、
前記時給設定手段によって前記時給が設定される前に、勤務地、業態、日時、天候を少なくとも含む過去の類似情報に基づいて、前記求人者に前記時給をリコメンデーションする推薦条件提示手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記時給設定手段は、前記リコメンデーションで提示した時給において、前記求職者の採用が決定しない場合には、所定のダイナミックプライシングに基づいて、前記時給を設定する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
ダイナミックプライシングにより求職者の時給を設定し、求人者に対して最短で必要な求職者の採用を支援するための情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
前記ダイナミックプライシングに基づいて需給状況によって時給を設定する時給設定ステップと、
前記時給設定ステップによって前記時給が設定される前に、勤務地、業態、日時、天候を少なくとも含む過去の類似情報に基づいて、前記求人者に前記時給をリコメンデーションする推薦条件提示ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項4】
ダイナミックプライシングにより求職者の時給を設定し、求人者に対して最短で必要な求職者の採用を支援するための情報処理装置を制御するコンピュータに、
前記ダイナミックプライシングに基づいて需給状況によって時給を設定する時給設定ステップと、
前記時給設定ステップによって前記時給が設定される前に、勤務地、業態、日時、天候を少なくとも含む過去の類似情報に基づいて、前記求人者に前記時給をリコメンデーションする推薦条件提示ステップと、
を含む情報処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、求人者に対して最短で必要な求職者の採用を支援する情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォン、タブレットなどの情報端末の普及は、出先においても簡便に求人、求職情報を閲覧できるだけでなく、求職者端末の位置情報から求人者と求職者とのマッチングも可能にしている。その結果、就業場所からの距離を基準に求人情報が配信され、適切な人材の選定を短い時間で実現できる求人マッチングシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1の求人マッチングシステムは、求人情報の配信から実際の契約締結までの各種サポートを一元的に管理運用することができるものである。そして、早急に労働者を確保したい場合には、求人者側に提示される応募者リストに距離の情報を加味することで、効率よく求職者の選定を可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術には、以下のような課題がある。
上述した求人マッチングシステムは、求人者の設定した求人情報に対して求職者が応募するという形態である。そのため、至急に求人者が求職者を必要とする場合であっても、求職者からの応募を待つしかない。
【0006】
また、時給、就業日時などの求人条件は、求人者側と求職者側との事情に合わせることが難しい場合も多い。特に、時給は、職種、求職者の希望、能力、キャリア等を重視して決定されるため、一度設定すると容易に変更できないという問題がある。例えば、被雇用者が仕事の当日急に欠勤となり、求人者が緊急の募集をする場合がある。このような場合、一日の間に刻々と変化する需給バランスを加味して時給を変動させ、求人を募集することは難しい。求人者は、必要なときに必要な求職者を、短時間、例えば、即日、求職者が仕事の現場に到着するまでの時間も加味して最短で確保することが困難であるという問題を有している。
【0007】
さらに、求職者に対する求人情報は、求職者の評価にかかわらず、登録している全ての求職者に配信される。そのため、求人者は、忙しい中であっても、登録している全ての求職者の中から、必要とする求職者を選考することとなり、時間を取られることになる。また時間をかけて選考したにも関わらず、希望していた求職者を採用できない場合があるなどの問題も有している。
【0008】
本発明は、上述したような課題を解決するためになされたものであり、求人者に対して、例えば、即日、求職者が仕事の現場に到着するまでの時間を加味しても最短で、必要な求職者の採用を支援することが可能となる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明における情報処理装置は、ダイナミックプライシングにより求職者の時給を設定し、求人者に対して、例えば、即日、求職者が仕事の現場に到着するまでの時間を加味しても最短で、必要な求職者の採用を支援するための情報処理装置であって、ダイナミックプライシングに基づいて需給状況によって時給を設定する時給設定手段と、時給設定手段によって時給が設定される前に、勤務地、業態、日時、天候を少なくとも含む過去の類似情報に基づいて、求人者に時給をリコメンデーションする推薦条件提示手段と、を備えるものである。
【0010】
また、本発明における情報処理方法は、ダイナミックプライシングにより求職者の時給を設定し、求人者に対して、例えば、即日、求職者が仕事の現場に到着するまでの時間を加味しても最短で、必要な求職者の採用を支援するための情報処理装置が実行する情報処理方法であって、ダイナミックプライシングに基づいて需給状況によって時給を設定する時給設定ステップと、時給設定ステップによって時給が設定される前に、勤務地、業態、日時、天候を少なくとも含む過去の類似情報に基づいて、求人者に時給をリコメンデーションする推薦条件提示ステップと、を含むものである。
【0011】
さらに、本発明におけるプログラムは、ダイナミックプライシングにより求職者の時給を設定し、求人者に対して、例えば、即日、求職者が仕事の現場に到着するまでの時間を加味しても最短で、必要な求職者の採用を支援するための情報処理装置を制御するコンピュータに、ダイナミックプライシングに基づいて需給状況によって時給を設定する時給設定ステップと、時給設定ステップによって時給が設定される前に、勤務地、業態、日時、天候を少なくとも含む過去の類似情報に基づいて、求人者に時給をリコメンデーションする推薦条件提示ステップと、を含む情報処理を実行させるものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、求人者に対して、例えば、即日、求職者が仕事の現場に到着するまでの時間を加味しても最短で、必要な求職者の採用を支援することが可能となる技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施の形態1に係る情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】本発明の実施の形態1に係る
図1に示す情報処理システムのうち、管理サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施の形態1に係る
図1に示す情報処理システムにおける、
図2の管理サーバの機能的構成のうち、求人支援処理を実現するための機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図4】本発明の実施の形態1に係る
図3に示す情報処理システムの管理サーバが実行する求人支援処理の流れを説明するフローチャートである。
【
図5】本発明の実施の形態2に係る
図1に示す情報処理システムにおける、
図2の管理サーバの機能的構成のうち、求人支援処理を実現するための機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図6】本発明の実施の形態2に係る
図5に示す情報処理システムの管理サーバが実行する求人支援処理の流れを説明するフローチャートである。
【
図7】本発明の実施の形態3に係る
図5に示す情報処理システムの管理サーバが実行する求人支援処理の具体的な流れを説明するフローチャートである。
【
図8】本発明の実施の形態3に係る
図5に示す情報処理システムの管理サーバが実行する求人支援処理の具体的な流れを説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0015】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る情報処理システムの構成の一例を示す図である。まず、後述するサービスを実現可能とする情報処理システム1000の構成について説明する。なお、本実施の形態1の情報処理システム1000は、需給状況に応じて、仕事に対する報酬(以下、「価格」と称する場合がある)を変動させることにより需要の調整を図るダイナミックプライシングを採用した求人システムである。
【0016】
図1に示す情報処理システム1000(以下、「本システム」と称する場合がある)は、管理サーバ1、求人者端末2、求職者端末3を備えて構成されている。管理サーバ1、求人者端末2、求職者端末3は、インターネットなどのネットワーク100を介して、相互に接続されている。
【0017】
管理サーバ1は、求人者端末2、求職者端末3のそれぞれの動作を管理し、後述する求人支援処理などの各種処理を実行する。さらに、管理サーバ1は、本発明の実施の形態1に係る情報処理システムのサービスを提供するアプリケーションサーバであり、主に本システムの管理者(以下、「システム管理者」と称する場合がある)が、システム全体を統括管理するために使用する。
【0018】
求人者端末2は、
図1に示すように、求人を募集する企業などの求人者が操作する情報処理端末などである。例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォンなどで構成される。具体的に説明すると、例えば、求人を募集する求人者は、求人者端末2に必要事項を入力し、システム管理者へ求人を依頼する。なお、「必要事項」とは、例えば、求人者の氏名または名称、所在地または勤務地、業態、勤務日時、希望する時給、電子メールアドレスなどを少なくとも含む情報である(以下、「求人者情報」と称する場合がある)。
【0019】
求職者端末3は、
図1に示すように、求人に応募する求職者が操作する情報処理端末などである。例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォンなどで構成される。具体的に説明すると、例えば、求人に応募する求職者は、求職者端末3に必要事項を入力し、システム管理者へ求人の応募を依頼する。なお、「必要事項」とは、例えば、求職者の氏名、経歴、電子メールアドレス、労働実績などを少なくとも含む情報である(以下、「求職者情報」と称する場合がある)。また、求職者は、就業の可能な日時、または就業を希望する日時などを事前に入力し、あらかじめ求職者情報に付加することもできる。
【0020】
上述したような構成において、管理サーバ1は、求人情報に基づいて、あらかじめ登録してある求職者の中で、評価の高い求職者の求職者端末3へ求人情報を優先的に配信する。そして、求職者から求人に対する応募があった場合には、管理サーバ1は、求職者端末3へ採用決定の通知を送信し、その後、求職者から応諾情報を受信した場合には、求職者端末3へ労働条件を通知して雇用契約を電子的に締結する。なお、本システムによる採用は、応募に対する求職者の先着順で決定される。評価の高い求職者の求職者端末3へ求人情報を優先的に配信するとは、例えば、評価をランク付けし、求人者は求人者情報にあらかじめ希望する最低のランクを登録しておく。また、求職者端末3のGPSなどから求職者の位置情報を取得できる場合には、求人者は求人者情報にあらかじめ希望する就業場所から求人者までの最長の距離を登録しておく。就業場所から求人者までの距離が所定の距離を下回っている求職者の求職者端末3のみに絞って求人情報を配信するものでもよい。また、所定の時間を経過しても応募がない場合は、その都度、求人者が指定する最長の距離に至るまで、段階的に所定の距離を伸ばし、対象とする求職者の求職者端末3へ求人情報を配信する、としてもよい。さらに、就業場所が交通の便の悪いところに位置し、就業場所から求人者までの距離だけでは判断がつかないと思われる場合には、図示されていない、例えば、タブレット、スマートフォンなどの画面上にマップを表示して、当該マップ上で求職者の位置を特定し、求職者に求人情報を配信するか否かを判断せるようにしてもよい。
【0021】
さらに、管理サーバ1は、労働が完了した場合には、求人者端末2および求職者端末3に評価依頼をそれぞれ配信し、求人者と求職者との評価情報を収集する。
【0022】
また、本システムは、ダイナミックプライシングを採用している。「ダイナミックプライシング」とは、価格を需給状況に応じて変動させることにより、需要の調整を図るものである。具体的には、例えば、本システムでは、求職者の時給は、需給によって変化し、求人の締め切り直前、繁忙期、天候などの状況を考慮して、あらかじめ設定されている上限を限度にして高くすることができる。
【0023】
次に、本発明の実施の形態1に係る情報処理システム1000のうち、管理サーバ1のハードウェア構成について説明する。
【0024】
図2は、本発明の実施の形態1に係る
図1に示す情報処理システム1000のうち、管理サーバ1のハードウェア構成を示すブロック図である。管理サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、バス14、入出力インターフェース15、入力部16、出力部17、記憶部18、通信部19、ドライブ20を備えて構成されている。
【0025】
CPU11は、ROM12に記憶されているプログラム、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
【0026】
CPU11、ROM12、RAM13は、バス14を介して相互に接続されている。入出力インターフェース15には、入力部16、出力部17、記憶部18、通信部19、ドライブ20が接続されている。
【0027】
入力部16は、キーボード、マウスなどで構成され、各種情報を入力する。
出力部17は、データ、処理結果などを表示出力するためのディスプレイ、データなどを印刷するプリンタ、各種情報を音声として出力するスピーカーなどで構成されている。
【0028】
記憶部18は、ハードディスク、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などで構成され、各種データを記憶する。
通信部19は、インターネットを含むネットワーク100を介して他の装置との間で通信を行う。
【0029】
ドライブ20は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、メモリなどで構成される。また、ドライブ20は、リムーバルメディアであってもよく、ドライブ20によってリムーバルメディアから読み出されたプログラムは、状況に応じて記憶部18にインストールされる。さらに、リムーバルメディアは、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0030】
なお、図示はしないが、
図1の情報処理システム1000のうち、求人者端末2、求職者端末3も
図2に示すハードウェア構成を有している。
【0031】
次に、
図2に示すハードウェア構成を持つ管理サーバ1の機能的構成について、
図3を参照して説明する。
【0032】
図3は、本発明の実施の形態1に係る
図1に示す情報処理システム1000における、
図2の管理サーバ1の機能的構成のうち、求人支援処理を実現するための機能的構成の一例を示すブロック図である。
【0033】
「求人支援処理」とは、管理サーバ1により実行させる処理であって、店舗など企業の求人者が必要なときに必要な人材を、例えば、即日、求職者が仕事の現場に到着するまでの時間を加味しても最短で確保するための求人を支援するために実行される一連の処理のことである。
【0034】
図3に示すように、管理サーバ1のCPU11においては、求人支援処理が実行される場合には、求職者情報取得部111、求人者情報取得部112、マッチング部113、求人情報配信部114、時給設定部115、および契約管理部116が、少なくとも機能する。また、管理サーバ1の記憶部18の一領域には、求職者情報DB201、求人者情報DB202、および時給DB203が設けられている。
【0035】
求職者情報取得部111は、求職者による求職者情報の入力の受付を制御する。具体的には、求職者情報取得部111は、求職者端末3から送信されてきた求職者情報を受付ける制御を実行する。そして、求職者情報取得部111は、求職者情報を取得すると、求職者情報を求職者情報DB201に格納する。「求職者情報」とは、上述したように、例えば、求職者の氏名、経歴、電子メールアドレス、労働実績などを少なくとも含む情報である。また、求職者情報には、上述したように、求職者が、就業の可能な日時、または就業を希望する日時などが含まれていてもよい。
【0036】
ここで、求職者端末3は、複数であってもよく、求職者端末3が複数ある場合には、複数の求職者端末3からそれぞれ送信された各種求職者情報は、求職者情報DB201に逐次格納され、適宜更新される。
【0037】
なお、求職者が求職者情報を入力する方法は、特に限定されない。例えば、求職者端末3にインストールされたアプリケーションプログラムを起動させて、アプリケーション上で求職者情報を入力することができる。
【0038】
求人者情報取得部112は、求人者による求人者情報の入力の受付を制御する。具体的には、求人者情報取得部112は、求人者端末2から送信されてきた求人者情報を受付ける制御を実行する。そして、求人者情報取得部112は、求人者情報を取得すると、求人者情報を求人者情報DB202に格納する。求人者情報とは、上述したように、例えば、求人者の氏名または名称、所在地または勤務地、業態、勤務日時、時給、電子メールアドレスなどを少なくとも含む情報である。
【0039】
ここで、求人者端末2は、複数であってもよく、求人者端末2が複数ある場合には、複数の求人者端末2からそれぞれ送信された各種求人者情報は、求人者情報DB202に逐次格納され、適宜更新される。
【0040】
なお、求人者が求人情報を入力する方法は、特に限定されない。例えば、求人者端末2にインストールされたアプリケーションプログラムを起動させて、アプリケーション上で求人者情報を入力することができる。
【0041】
マッチング部113は、求職者情報と求人者情報とに基づいて、求職者と求人者とのマッチングを行う。そして、マッチング部113は、求職者と求人者とをマッチングした結果を、後述する求人情報配信部114へ送る。具体的には、マッチング部113は、求職者情報DB201に格納している求職者情報と求人者情報DB202に格納している求人者情報とに基づいて、求職者と求人者との条件がマッチするか否かを判定する。
【0042】
そして、マッチング部113は、条件にマッチした求職者を選択した場合には、その結果を求人情報配信部114へ送る。例えば、求職者情報に就業の可能な日時、または就業を希望する日時などが含まれている場合には、マッチング部113は、求人者情報の日時などにマッチした求職者を選択する。そして、マッチング部113は、求人情報配信部114へ選択した求職者の情報を送る。
【0043】
また、求職者端末3のGPSなどから求職者の位置情報を取得できる場合には、マッチング部113は、求職者の位置情報も加味して、例えば、意思表示をしている求職者に対して、就業場所から求人者までの距離が所定の距離を下回っているか判断し、求職者と求人者との条件がマッチするか否かを判定することもできる。さらに、就業場所が交通の便の悪いところに位置し、就業場所から求人者までの距離だけでは判断がつかないと思われる場合には、マッチング部113は、図示されていない、例えば、タブレット、スマートフォンなどの画面上にマップを表示して、当該マップ上で求職者の位置を特定し、求職者に求人情報を配信するか否かを判断せるようにしてもよい。
【0044】
なお、求職者と求人者とのマッチング手法は、特に限定されず、求職者の雇用条件および求人者情報を特定可能な情報全体からみた総合的な類似度に基づいてマッチングする手法を用いてもよい。
【0045】
求人情報配信部114は、求人者情報に基づいて、求職者に対して求人情報を配信する制御を実行する。具体的には、求人情報配信部114は、マッチング部113から送られた求職者情報を受けると、求職者に対して求人情報を通信部19を介して配信する。求人情報配信部114は、求人者側からの評価が高い求職者を対象として、求人情報を優先的に配信するように制御する。
【0046】
「評価が高い求職者」とは、例えば、過去の労働に対する求人者からの評価の点数が高かった求職者などを少なくとも含んでいる。また、すでに本システムを利用している求職者の場合には、求人者からの評価は、求職者情報に含まれているものとする。「評価の点数」とは、例えば、求職者が過去に行った仕事の品質、仕事量、職場の評価等を含むことができる。求人者側からの評価が高い求職者を対象として、求人情報を優先的に配信するとは、求人者は、例えば、それらの総合点について受け入れ可能な最低の点数を求人者情報DB202に登録しておき、例えば、求人情報配信部114は、それらの総合点の高い、少なくとも当該最低の点数を上回る求人者のみに配信することであってもよい。求人者が特定の項目に対する要望があるときには、求人者は、該当する項目について最低の点数を求人者情報DB202に登録しておき、例えば、求人情報配信部114は、該当する項目について当該最低の点数を上回る求人者にのみ配信するものであってもよい。また、所定の時間を経過しても応募がない場合は、その都度、求人者が指定する最低の点数に至るまで、段階的にランクを下げて、対象とする求職者の求職者端末3へ求人情報を配信する、としてもよい。
【0047】
さらに、求職者は、求職者の位置情報に基づいて、求人情報配信部114からの求人情報を知ることができる。具体的には、例えば、求職者は、タブレット、スマートフォンなどの情報端末を利用して、プッシュ通知、ポップアップ、検索などを少なくとも含む方法で確認できる。そして、それらの情報端末は、GPS(Global Positioning System)などの位置情報を確認するための手段を少なくとも備えている。
【0048】
求職者に対して求人情報を配信する方法は、特にこれに限定されない。例えば、求職者の評価が確定されていない場合には、求職者の位置情報に基づいて、マッチングする近隣の求職者に配信してもよい。また、予定していた被雇用者が仕事の当日急に欠勤となり、求人者が緊急の募集をする場合等、緊急性の高い場合においては、位置情報が確認できる求職者の中から、求人者が指定する時間、例えば、30分又は1時間以内で仕事の現場に到着し得る求職者に絞って求人情報を優先的に配信してもよい。即ち、求人者は求人者情報DB202に希望する就業場所から求人者までの最長の距離をあらかじめ登録しておく。就業場所から求人者までの距離が所定の距離を下回っている求職者の求職者端末3のみに絞って求人情報を配信するものでもよい。また、所定の時間を経過しても応募がない場合は、その都度、求人者が指定する最長の距離に至るまで、段階的に所定の距離を伸ばし、対象とする求職者の求職者端末3へ求人情報を配信する、としてもよい。さらに、就業場所が交通の便の悪いところに位置し、就業場所から求人者までの距離だけでは判断がつかないと思われる場合には、図示されていない、例えば、タブレット、スマートフォンなどの画面上にマップを表示して、当該マップ上で求職者の位置を特定し、求職者に求人情報を配信するか否かを判断せるようにしてもよい。
【0049】
時給設定部115は、ダイナミックプライシングに基づいて、求職者の時給を設定し、提示する制御を実行する。具体的には、時給設定部115は、ダイナミックプライシングに基づいて、求職者の時給が需給によって変化するよう、求人の締め切り直前、繁忙期、天候などの状況を考慮して、あらかじめ設定されている上限を限度にして求職者の時給を設定する。具体的には、求人者が指定する時間、例えば、求人締め切り時間、現場到着時間、又は仕事開始時間等から遡って、当該求人者が指定する時間における時給が、上限を限度とするピークとなるよう、当該求人者が指定する時間に近づくにつれて、所定の時間間隔、例えば、1時間前、30分前等と、時給を段階的、例えば、20円、上げていってもよい。また、例えば天候の変化、求人の需要、求職者の集まり具合等に応じて、時給を段階的に変動させていってもよい。段階的に時給を変動させる時間間隔は、一定でもよく、当該求人者が指定する時間に近づくにつれて短くしてもよく、時給の段階的な増加又は変動も、当該求人者が指定する時間に近づくにつれて大きくしてもよい。
【0050】
例えば、システム管理者は、あらかじめ、求人の時間帯(繁忙期など)、天候など、状況ごとの時給の入力を求人者から受付け、受付けた状況別の時給を時給DB203に登録する(以下、「時給提供情報」と称する場合がある)。そして、時給提供情報は、時給取得要求として時給を取得するためのコマンドなどを、管理サーバ1、求人者端末2などの外部装置から受信した場合には、時給DB203から読み出され、時給取得要求の送信元に応答する。
【0051】
なお、時給提供情報の入力は、例えば、入力部16から直接受け付けて時給DB203に登録してもよいし、コマンドを受信する毎に状況別の時給を受け付けて時給DB203に登録してもよい。また、時給提供情報は、定期的に状況別の時給を管理サーバ1に送信するようにしてもよい。
【0052】
契約管理部116は、求職者からの応諾情報、求人者からの労働条件提示、仕事の終了情報、求人者および求職者からの評価情報を管理する制御を実行する。具体的には、契約管理部116は、求職者端末3から求人に対して応募する旨の情報を受信すると、求人に応諾したと見なし応諾情報として記録する。そして、契約管理部116は、求職者と求人者との間の雇用契約を電子的に締結して、労働条件を求職者に配信する。
【0053】
例えば、求職者に対しては、求人に応募するときに、契約に関する画面を提示して、承諾、あるいは電子的な署名およびタイムスタンプなどを取得しておく。また、求人者に対しては、採用を決定するときに、契約に関する画面を提示して、承諾、あるいは電子的な署名およびタイムスタンプなどを取得しておく。そして、契約管理部116は、両者を紐づけることで電子的な雇用契約を締結する。
【0054】
なお、本システムにおける求職者の採用は、1人又は、求人者が指定した人数の求職者が求人に対して応募した時点で即時決定(契約成立)となる。つまり、本システムは、求人への応募者の先着順で採用が決定する方式になっている。
【0055】
また、求職者による仕事が完了した場合には、契約管理部116は、求職者と求人者とからの仕事終了情報を受信し、仕事の終了情報を記録する。そして、契約管理部116は、求人者が評価した求職者の結果を求職者情報DB201に格納する。一方、契約管理部116は、求職者が評価した求人者の結果を求人者情報DB202に格納する。
【0056】
本システムは、上述したような構成により、求人者は、ダイナミックプライシングに基づく時給の決定が可能になり、求人の状況、天候などを考慮して柔軟に時給を設定することで、必要な時に必要な人材を採用できる可能性が高くなる。さらに、求職者の位置情報に基づいて、位置情報が確認できる求職者の中から、求人者が指定する時間に到着し得る求職者に絞って求人情報を優先的に配信することも可能である。
【0057】
また、本システムは、評価の高い求職者に対して求人情報を優先的に配信し、かつ、事前に求職者の希望日時を登録することもできるため、求人者と求職者とがマッチする結果が高くなり、店舗など企業の求人者にとっての満足度も併せて高めることができる。
求職者に対して求人情報を配信する方法は、特にこれに限定されない。例えば、求職者の評価が確定されていない場合には、求職者の位置情報に基づいて、マッチングする近隣の求職者に配信してもよい。また、予定していた被雇用者が仕事の当日急に欠勤となり、求人者が緊急の募集をする場合等、緊急性の高い場合においては、位置情報が確認できる求職者の中から、求人者が指定する時間、例えば、30分又は1時間以内で仕事の現場に到着し得る求職者に絞って求人情報を優先的に配信してもよい。
【0058】
次に、
図4のフローチャートを参照して、
図4の機能的構成を有する管理サーバ1が実行する求人支援処理の流れについて説明する。
【0059】
図4は、本発明の実施の形態1に係る
図3に示す情報処理システムの管理サーバ1が実行する求人支援処理の流れを説明するフローチャートである。
【0060】
図4に示すように、管理サーバ1では、次のような処理が実行される。
ステップS400において、求職者情報取得部111は、求職者による求職者情報の入力の受付を制御する。具体的には、求職者情報取得部111は、求職者端末3から送信されてきた求職者情報を受付ける制御を実行する。そして、求職者情報取得部111は、求職者情報を取得すると、求職者情報を求職者情報DB201に格納する。
【0061】
ここで、求職者端末3は、複数であってもよく、求職者端末3が複数ある場合には、複数の求職者端末3からそれぞれ送信された各種求職者情報は、求職者情報DB201に逐次格納され、適宜更新される。
【0062】
ステップS410において、求人者情報取得部112は、求人者による求人者情報の入力の受付を制御する。具体的には、求人者情報取得部112は、求人者端末2から送信されてきた求人者情報を受付ける制御を実行する。そして、求人者情報取得部112は、求人者情報を取得すると、求人者情報を求人者情報DB202に格納する。
【0063】
ここで、求人者端末2は、複数であってもよく、求人者端末2が複数ある場合には、複数の求人者端末2からそれぞれ送信された各種求人者情報は、求人者情報DB202に逐次格納され、適宜更新される。
【0064】
ステップS420において、マッチング部113は、求職者情報と求人者情報とに基づいて、求職者と求人者とのマッチングを行う。そして、マッチング部113は、求職者と求人者とがマッチした結果を、求人情報配信部114へ送る。
【0065】
具体的には、マッチング部113は、求職者情報DB201に格納している求職者情報と求人者情報DB202に格納している求人者情報とに基づいて、求職者と求人者との条件がマッチするか否かを判定する。そして、マッチング部113は、条件にマッチした求職者を選択した場合には、その結果を求人情報配信部114へ送る。
【0066】
また、求職者端末3のGPSなどから求職者の位置情報を取得できる場合には、マッチング部113は、求職者の位置情報も加味して、求職者と求人者との条件がマッチするか否かを判定することもできる。例えば、求人者は求人者情報DB202にあらかじめ希望する就業場所から求人者までの最長の距離を登録しておく。就業場所から求人者までの距離が所定の距離を下回っている求職者の求職者端末3のみに絞って求人情報を配信するものでもよい。また、所定の時間を経過しても応募がない場合は、その都度、求人者が指定する最長の距離に至るまで、段階的に所定の距離を伸ばし、対象とする求職者の求職者端末3へ求人情報を配信する、としてもよい。さらに、就業場所が交通の便の悪いところに位置し、就業場所から求人者までの距離だけでは判断がつかないと思われる場合には、図示されていない、例えば、タブレット、スマートフォンなどの画面上にマップを表示して、当該マップ上で求職者の位置を特定し、求職者に求人情報を配信するか否かを判断せるようにしてもよい。例えば、求人者情報DB202に所定のコマンドを登録しておけば容易であることは、当業者であれば想到可能である。
【0067】
ステップS430において、求人情報配信部114は、求人者情報に基づいて、求職者に対して求人情報を配信する制御を実行する。具体的には、求人情報配信部114は、マッチング部113から送られた求職者情報を受けた場合には、求職者に対して求人情報を配信する。求人情報配信部114は、求人者側からの評価が高い求職者を対象として、求人情報を優先的に配信するように制御する。また、緊急性の高い場合においては、位置情報が確認できる求職者の中から、求人者が指定する時間、例えば、30分又は1時間以内で仕事の現場に到着し得る求職者に絞って求人情報を優先的に配信してもよい。
【0068】
さらに、求職者は、求職者の位置情報に基づいて、求人情報配信部114からの最寄りの求人情報を知ることができる。具体的には、例えば、求職者は、タブレット、スマートフォンなどの情報端末を利用して、プッシュ通知、ポップアップ、検索などを少なくとも含む方法で確認できる。
【0069】
ステップS440において、時給設定部115は、ダイナミックプライシングに基づいて、求職者の時給を設定し、提示する制御を実行する。具体的には、時給設定部115は、ダイナミックプライシングに基づいて、求職者の時給が需給によって変化するよう、求人の締め切り直前、繁忙期、天候などの状況を考慮して、あらかじめ設定されている上限を限度にして求職者の時給を設定する。
【0070】
例えば、システム管理者は、あらかじめ時間帯(繁忙期など)、天候など、状況ごとの時給の入力を求人者から受付け、受付けた状況別の時給を時給DB203に登録する。そして、時給提供情報は、時給取得要求として時給を取得するためのコマンドなどを、管理サーバ1、求人者端末2などの外部装置から受信した場合には、時給DB203から読み出され、時給取得要求の送信元に応答する。
【0071】
ステップS450において、契約管理部116は、求職者からの応諾情報を管理する制御を実行する。具体的には、契約管理部116は、求職者端末3から求人に対して応募する旨の情報を受信すると、求人に応諾したと見なし応諾情報として記録する。
【0072】
ステップS460において、契約管理部116は、求人者からの労働条件提示を配信する制御を実行する。具体的には、契約管理部116は、求職者と求人者との間の雇用契約を電子的に締結して、労働条件を求職者に配信する。
【0073】
例えば、求職者に対しては、求人に応募するときに、契約に関する画面を提示して、承諾、あるいは電子的な署名およびタイムスタンプなどを取得しておく。また、求人者に対しては、採用を決定するときに、契約に関する画面を提示して、承諾、あるいは電子的な署名およびタイムスタンプなどを取得しておく。そして、契約管理部116は、両者を紐づけることで電子的な雇用契約を締結する。
【0074】
ステップS470において、契約管理部116は、仕事の終了情報に関する記録の制御を実行する。具体的には、求職者による仕事が完了した場合には、契約管理部116は、求職者と求人者とからの仕事終了情報を受信し、仕事の終了情報を記録する。
【0075】
ステップS480において、契約管理部116は、求人者および求職者からの評価情報を管理する制御を実行する。具体的には、契約管理部116は、求人者が評価した求職者の結果を求職者情報DB201に格納する。一方、契約管理部116は、求職者が評価した求人者の結果を求人者情報DB202に格納する。これにより、一連の求人支援処理は、終了する。尚、ステップS450において、求職者から応諾する旨の情報が受信されない場合は、S440に戻り、時給設定部115によりダイナミックプライシングにより新たな時給を設定し、再びS450以降の処理を繰り返すというルーチンを求職者が採用されるまで反復してもよい。あるいは、ステップS410に戻り、求人者が新たな求人者情報の入力をして、ステップS600を除く、ステップS410からステップS480までの処理のルーチンを求職者が採用されるまで反復してもよい。
【0076】
以上、説明したように、本実施の形態1に係る情報処理装置によれば、上述したような処理が、各ステップで実行されることにより、求人者は、ダイナミックプライシングに基づく時給の決定が可能になり、求人の状況、天候などを考慮して柔軟に時給を設定することができる。さらに、求職者の位置情報に基づいて、位置情報が確認できる求職者の中から、求人者が指定する時間に到着し得る求職者に絞って求人情報を優先的に配信することも可能である。
【0077】
また、求職者は、事前に仕事の希望日時などを登録することができるため、求人者と求職者とがマッチする結果を高くすることもできる。その結果、求人者は、必要な時に必要な人材を採用できる可能性が高くなり、かつ、求職者は、希望条件にマッチする仕事を確保でき、求人者および求職者の満足度を向上できる。
【0078】
さらに、本システムは、先着順の求人システムである。そのため、求人情報は、一斉配信ではなく、評価の高い求職者に対して優先的に配信することで、店舗など企業の求人者にとっての満足度を高めることができる。本システムは、求職者の選考に関するステップが不要であるため、選考に要する時間が不要であり、また、緊急性の高い場合においては、位置情報が確認できる求職者の中から、求人者が指定する時間、例えば、30分又は1時間以内で仕事の現場に到着し得る求職者に絞って求人情報を優先的に配信するため、求人者に対して、必要なときに必要な求職者を、短時間、例えば、即日、求職者が仕事の現場に到着するまでの時間も加味して最短で確保可能となるように図られている。
【0079】
実施の形態2.
次に、本実施の形態2に係る情報処理システム1000の構成および動作について、
図5および
図6を参照して説明する。
【0080】
実施の形態2と実施の形態1では、過去の類似データ(所在地または勤務地、業態、勤務日時、時給、天候など)に基づいて、時給に関するリコメンデーションを実行する推薦条件提示部511を管理サーバ1に備えた構成が異なっている。
【0081】
したがって、実施の形態2の説明において、実施の形態1の
図3および
図4で示した求人支援処理を実現するためのブロック図および処理フローと同様の部分は、同じ符号を付して説明を省略する場合がある。
【0082】
図5は、本発明の実施の形態2に係る
図1に示す情報処理システム1000における、
図2の管理サーバ1の機能的構成のうち、求人支援処理を実現するための機能的構成の一例を示すブロック図である。
【0083】
図5に示すように、管理サーバ1のCPU11においては、求人支援処理が実行される場合には、実施の形態1の機能に加えて、推薦条件提示部511が機能する。その結果、本実施の形態2に係る情報処理システム1000は、いわゆる求人者の求人支援処理におけるリコメンデーションの機能を有するシステムである。
【0084】
なお、「リコメンデーション」とは、求職者の応募履歴をデータベース化して分析し、効率よく求人情報を提供する方法で、ダイナミックプライシングによって求職者の時給が高く設定される前に、過去の類似の求人者情報に基づき、時給を推薦、提示することで、求職者の採用確率を高めるためのものである。
【0085】
推薦条件提示部511は、求人者の所在地または勤務地、業態、勤務日時、時給、天候などの過去の類似情報に基づいて、求人者に対して、求人情報の時給に関するリコメンデーションの実行を制御する。
【0086】
具体的には、推薦条件提示部511は、ダイナミックプライシングによって求職者の時給が高く設定される前に、過去の類似の求人者情報に基づき、時給のリコメンデーションを提示する。そして、求人者が、そのリコメンデーションを受諾すれば、時給を決定することができる。
【0087】
その結果、求人者は、リコメンデーションされた時給を用いて求人を行うことで、ダイナミックプライシングの動作により時給が高くなる前に、必要な求職者を採用できる可能性が高くなる。
【0088】
なお、求人者が、リコメンデーションで提示した時給を利用しても採用に至らなかった場合には、上述した時給設定部115は、所定のダイナミックプライシングに基づいて、時給を設定する。求人者が、リコメンデーションされた時給を受諾しない場合にも同様の処理が実行される。また、求人者に対して行うリコメンデーションの方法は、特に限定されない。
【0089】
次に、
図6のフローチャートを参照して、
図6の機能的構成を有する管理サーバ1が実行する求人支援処理の流れについて説明する。
【0090】
図6は、本発明の実施の形態2に係る
図5に示す情報処理システム1000の管理サーバ1が実行する求人支援処理の流れを説明するフローチャートである。
【0091】
図6に示すように、管理サーバ1では、次のような処理が実行される。
ステップS400からステップS410までは、実施の形態1における
図4と同じ処理が実行される。
【0092】
その後、ステップS600において、推薦条件提示部511は、求人者の所在地または勤務地、業態、勤務日時、時給、天候などの過去の類似情報に基づいて、求人者に対して、求人情報の時給に関するリコメンデーションの実行を制御する。具体的には、推薦条件提示部511は、ダイナミックプライシングによって求職者の時給が高く設定される前に、過去の類似の求人者情報に基づき時給のリコメンデーションを提示する。そして、求人者が、そのリコメンデーションを受諾すれば、時給を決定することができる。
【0093】
ステップS600を実行した後、再度、
図4に示すステップS420に戻り、ステップS420以降のフローを実行して、一連の処理を終了する。本実施の形態では、ステップS440において、時給設定部115は、リコメンデーションで提示された時給を提示する。ステップS600において求人者がリコメンデーションで提示された時給を受諾しない場合、又は、ステップS450において、求職者から応諾する旨の情報が受信されない場合は、S440に戻り、時給設定部115によりダイナミックプライシングにより新たな時給を設定し、再びS450以降の処理を繰り返すというルーチンを求職者が採用されるまで反復してもよい。あるいは、ステップS410に戻り、求人者が新たな求人者情報の入力をして、ステップS600を除く、ステップS410からステップS480までの処理のルーチンを求職者が採用されるまで反復してもよい。
【0094】
以上、説明したように、本実施の形態2に係る情報処理装置によれば、上述したような処理が、各ステップで実行されることにより、求人者は、ダイナミックプライシングによって求職者の時給が高く設定される前に、求人者の所在地または勤務地、業態、勤務日時、時給、天候などの過去の類似の求人者情報に基づいて、時給のリコメンデーションを提示する。そして、求人者が、そのリコメンデーションを受諾すれば、時給を決定することができる。
【0095】
その結果、求人者は、リコメンデーションされた時給を用いて求人を行うことで、ダイナミックプライシングの動作により時給が高くなる前に、必要な求職者を採用できる可能性が高くなる。
【0096】
実施の形態3.
次に、
図7および
図8を参照して、本発明の実施の形態3に係る情報処理システム1000の具体的な求人支援処理の詳細について説明する。
【0097】
図7は、本発明の実施の形態3に係る
図5に示す情報処理システム1000の管理サーバ1が実行する求人支援処理の具体的な流れを説明するフローチャートである。
【0098】
図7は、求人者による求人から求職者の採用までの流れを、求人者、管理サーバ、求職者の3つの部分について、求人支援処理の具体的な流れを示している。
【0099】
まず、求人者側における一連の処理フローを説明する。なお、管理サーバ1のフローについては、後述する。
【0100】
求人者は、求人者端末2よりブラウザなどを起動し(ステップS110)、URLを入力し(ステップS120)、管理サーバ1のシステムにアクセスする(ステップS130)。次に、求人者は、管理サーバ1から送られた入力画面に求人者情報として、氏名または名称、所在地または勤務地、業態、勤務日時、時給、電子メールアドレスなどを少なくとも含む情報として入力し(ステップS140)、管理サーバ1の求職者情報取得部111へ送る(ステップS150)。
【0101】
続いて、求人者は、管理サーバ1より求人情報に関する推薦条件を受け取る。即ち、求人者は、求人者の過去の求人者情報、天候などに関する類似情報に基づいて、求人者端末2に管理サーバ1の推薦条件提示部511から、求人情報の時給に関する推薦条件の提示を受ける。そして、推薦条件を受諾した場合には、当該推薦条件が求人情報として確定し(ステップS160において、Yesの場合)、求人情報を確定し、管理サーバ1へ確定した求人情報を送信し、管理サーバ1からマッチした応募者リスト並びに応諾情報を受信して一連の処理を終了する。
【0102】
一方、求人者が、推薦条件を受諾しなかった場合には(ステップS160において、Noの場合)、ステップS140に戻る。ここで、図示していないが、二回目以降のルーチンでは、ダイナミックプライシングを実行することができる。即ち、ステップS140において求人者がダイナミックプライシングの指示を含む求人情報を入力し、ステップS150において管理サーバ1に当該求人情報を送信する。
続いて、求人者は、管理サーバ1よりダイナミックプライシングに基づいて設定された時給を推薦条件として受け取る。即ち、求人者は、ダイナミックプライシングに基づいて、求職者の時給が需給によって変化するよう、求人の締め切り直前、繁忙期、天候などの状況を考慮して、あらかじめ設定されている上限を限度にして決定された求職者の時給を推薦条件として受け取る。管理サーバ1はこうして設定した時給を推薦条件として提示を受ける。そして、推薦条件を受諾した場合には、当該推薦条件が求人情報として確定し(ステップS160において、Yesの場合)、求人情報を確定し、管理サーバ1へ確定した求人情報を送信し、管理サーバ1からマッチした応募者リスト並びに応諾情報を受信して一連の処理を終了する。
さらに、求人者が、推薦条件を受諾しなかった場合には(ステップS160において、Noの場合)、ステップS140に戻る。ここで、図示していないが、三回目以降のルーチンでは、二回目と同様のダイナミックプライシングを実行することができる。但し、管理サーバ1の時給設定部115は、ダイナミックプライシングに基づいて、時給を設定するが、時給設定部115は、求人者が指定する時間、例えば、求人締め切り時間、現場到着時間、又は仕事開始時間等から遡って、当該求人者が指定する時間における時給が、上限を限度とするピークとなるよう、ルーチンの回数、又は経過した時間に応じて、及び/又は、当該求人者が指定する時間に近づくにつれて、所定の時間間隔、例えば、1時間前、30分前等と、時給を段階的、例えば、20円、上げていってもよい。段階的に時給を変動させる時間間隔は、一定でもよく、当該求人者が指定する時間に近づくにつれて短くしてもよく、時給の段階的な増加又は変動も、当該求人者が指定する時間に近づくにつれて大きくしてもよい。求人者は、管理サーバ1よりダイナミックプライシングに基づいて設定された時給を推薦条件として受け取る。そして、このルーチンを、求人側が推薦条件を受諾するまで繰り返す。
【0103】
次に、管理サーバ1における一連の処理フローを説明する。なお、求職者のフローについては、後述する。
【0104】
管理サーバ1は、求人者端末2などの外部機器からアクセスがあった場合には、求職者情報取得部111、求人者情報取得部112から求人者情報、求職者情報などを入力する入力画面を送信する(ステップS210)。
【0105】
管理サーバ1は、求人者から求人情報を受信した場合には、求人情報取得部112を介して、求人情報を求人情報DB202に格納し、記録する(ステップS220)。
【0106】
そして、管理サーバ1は、推薦条件提示部511によって、求人情報に関する推薦条件を求人者情報DB202から読み出し、求人者に提示する(ステップS230)。尚、求人情報にダイナミックプライシングの指示が含まれていた場合、あるいは、推薦条件提示部511によって提示された推薦条件が求人者によって受け入れられなかった場合、管理サーバ1の時給設定部115は、ダイナミックプライシングに基づいて、求職者の時給が需給によって変化するよう、求人の締め切り直前、繁忙期、天候などの状況を考慮して、あらかじめ設定されている上限を限度にして求職者の時給を設定する。管理サーバ1はこうして設定した時給を推薦条件として求人者に提示する。
二回目のルーチン、即ち、推薦条件提示部511による、又は初回のダイナミックプライシングに基づく推薦条件が求人者によって受け入れられなかった場合、管理サーバ1の時給設定部115は、ダイナミックプライシングに基づいて、時給を設定するが、求人者が指定する時間、例えば、求人締め切り時間、現場到着時間、又は仕事開始時間等から遡って、当該求人者が指定する時間における時給が、上限を限度とするピークとなるよう、ルーチンの回数に応じて、当該求人者が指定する時間に近づくにつれて、所定の時間間隔、例えば、1時間前、30分前等と、時給を段階的、例えば、20円と上げていってもよい。段階的に時給を変動させる時間間隔は、一定でもよく、当該求人者が指定する時間に近づくにつれて短くしてもよく、時給の段階的な増加又は変動も、当該求人者が指定する時間に近づくにつれて大きくしてもよい。そして、このルーチンを、求人側が推薦条件を受諾するまで繰り返す。
【0107】
次に、管理サーバ1は、求人者端末2から求人情報が確定した信号を受信すると、マッチング部113において、求職者情報と求人者情報とに基づき求職者と求人者とのマッチングを行う(ステップS240)。
【0108】
そして、マッチした求職者を選択した場合には、その結果を求人情報配信部114が応募者リストとして求人者へ送信(ステップS250)し、求職者へも送信する(ステップS260)。ここにおいて、位置情報が確認できる求職者の中から、求人者が指定する時間に到着し得る求職者に絞って求人情報を優先的に配信する。就業場所から求人者までの距離が所定の距離を下回っている求職者の求職者端末3のみに絞って求人情報を配信するものでもよい。また、所定の時間を経過しても応募がない場合は、その都度、求人者が指定する最長の距離に至るまで、ルーチン毎及び/又は時間の経過毎に、段階的に所定の距離を伸ばし、対象とする求職者の求職者端末3へ求人情報を配信する、としてもよい。さらに、就業場所が交通の便の悪いところに位置し、就業場所から求人者までの距離だけでは判断がつかないと思われる場合には、求人者端末の画面上にマップを表示して、当該マップ上で求職者の位置を特定し、求職者に求人情報を配信するか否かを判断せるようにしてもよい。
【0109】
管理サーバ1は、求職者からの応諾情報を受信した場合には、契約管理部116において受信時刻を記録し、求人者情報DB202に格納する(ステップS270)。
【0110】
そして、管理サーバ1は、契約管理部116において、応諾情報を求人者に送信(ステップS280)した後、労働条件を求職者に送信(ステップS290)して、一連の処理を終了する。ここで管理サーバ1は、求人者が指定した人数分だけ、ステップS270において記録された受信時刻が最も早い順に求職者を抽出し、当該求職者を応諾した求職者とみなし、ステップS280及び続く処理を実行する。求人者が指定した人数が1人である場合は、ステップS270において記録された受信時刻が最も早い求職者のみを応諾したものとみなしてステップS280以下の処理を実行する。
【0111】
次に、求職者における一連の処理フローを説明する。
求職者は、ステップS310において、求職者端末2から求人者情報を登録する。そのとき、システム管理者による承認の処理を実行してもよい。
【0112】
求職者は、ステップS320において求人情報を受信し、ステップS330において応諾情報を受諾した場合には(ステップS330において、Yesの場合)、ステップS340において、管理サーバ1へ応諾情報を送信し、採用が決定する。一方、ステップS340において、Noの場合には、応諾情報を拒否したとして、一連の処理を終了する。
【0113】
ステップS350において、求職者は、管理サーバ1から労働条件を受信して、一連の処理を終了する。
【0114】
次に、
図8を参照して、仕事の終了から評価までの流れを、求人者、管理サーバ、求職者の3つの部分について、具体的に説明する。
【0115】
図8は、本発明の実施の形態3に係る
図5に示す情報処理システムの管理サーバが実行する求人支援処理の具体的な流れを説明するフローチャートである。
【0116】
図8に示すように、求人者、求職者は、仕事が終了した場合には、仕事終了情報を管理サーバ1へ送信する(求人者は、ステップS410、求職者は、ステップS610)。
【0117】
そして、求人者、求職者は、管理サーバ1から評価依頼を受信した場合には、求人者は求職者を、求職者は求人者を、それぞれ評価する(求人者は、ステップS420、求職者は、ステップS620)。
【0118】
評価した後、求人者、求職者は、結果を管理サーバ1へ送信(求人者は、ステップS430、求職者は、ステップS630)して、一連の処理を終了する。
【0119】
次に、管理サーバ1の一連の処理フローを説明する。
管理サーバ1は、求人者、求職者から、仕事終了情報を受信(ステップS510)すると、求人者、求職者に対して評価依頼を送信する(ステップS520)。
【0120】
そして、求人者、求職者の評価結果を受信した場合には(ステップS530)、管理サーバ1は、評価情報を記録し、求人者情報DB202に格納して(ステップS540)、一連の処理を終了する。
【0121】
以上、説明したように、本実施の形態3に係る情報処理装置によれば、上述したような処理が、各ステップで実行されることにより、求人者は、ダイナミックプライシングに基づく時給の決定が可能になり、求人の状況、天候などを考慮して柔軟に時給を設定することができる。なお、本システムにおける求職者の採用が1人の場合を例に説明したが、これに限定されることはない。求人者が指定した人数、任意の人数の採用に対しても、同様の工程を繰り返すことにより可能なことは、当業者には明かである。
【0122】
また、求職者は、事前に仕事の希望日時などを登録することができるため、求人者と求職者とがマッチする結果を高くすることもできる。その結果、求人者は、必要な時に必要な人材を採用できる可能性が高くなり、かつ、求職者は、希望条件にマッチする仕事を確保でき、求人者および求職者の満足度を向上できる。また、本システムは、先着順の求人システムである。そのため、求人情報は、一斉配信ではなく、評価の高い求職者に対して優先的に配信することで、店舗など企業の求人者にとっての満足度を高めることができる。また、緊急性の高い場合においては、位置情報が確認できる求職者の中から、求人者が指定する時間、例えば、30分又は1時間以内で仕事の現場に到着し得る求職者に絞って求人情報を優先的に配信するため、求人者に対して、必要なときに必要な求職者を、短時間、例えば、即日、求職者が仕事の現場に到着するまでの時間も加味して最短で確保可能となるように図られている。
【0123】
さらに、本システムは、求職者の選考に関するステップが不要であるため、選考に要する時間が不要であり、求人者に対して、必要なときに必要な求職者を、短時間、例えば、即日、求職者が仕事の現場に到着するまでの時間も加味して最短で確保可能となるように図られている。さらに、本システムは、いわゆる求人支援処理におけるリコメンデーションの機能を有するシステムである。その結果、求人者は、ダイナミックプライシングによって求職者の時給が高く設定される前に、求人者の所在地または勤務地、業態、勤務日時、時給、天候などの過去の類似情報に基づいて、時給を設定し、必要な求職者を採用できる可能性が高くなっている。
【0124】
また、上述したように、本システムは、登録された求職者情報のほかに、過去の求人者情報と求職者情報とに基づいて、求人者と求職者とのマッチングを行い、自動で求人情報を配信することができる。その結果、本システムを利用する企業、店舗などの求人者は、採用に要する時間を含めて、求人に関する特別な人員を必要としないため、大きなコストダウンを実現することもできる。そして、本システムは、アルバイトのような短期での就労を想定しているが、求人者は、求職者の就労状況により長期の就労に変更しようとする場合には、本システムのデータを、雇用変更するための情報として使用することも可能である。
【0125】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは本発明に含まれるものである。例えば、ダイナミックプライシング、リコメンデーションの機能は、管理サーバとは別のサーバにより実現することもでき、その場合には、システム管理者としてサーバを管理してもよい。
【0126】
また、
図2に示す各ハードウェア構成は、本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。
【0127】
さらに、
図3および
図5に示す機能ブロック図は、例示に過ぎず、特に限定されない。つまり、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理装置に備えられていればよく、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは、特に
図3、
図5の例に限定されない。機能ブロックの存在場所も、
図3、
図5に示す場所に限定されず任意でよい。
【0128】
各機能ブロックの処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータなどにネットワークあるいは記録媒体からインストールされる。
【0129】
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えば、サーバのほか汎用のスマートフォン、パーソナルコンピュータであってもよい。
【0130】
このようなプログラムを含む記録媒体は、各ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される、リムーバルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体にあらかじめ組み込まれた状態で各ユーザに提供される記録媒体などで構成される。
【0131】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序で時系列的に行われる処理は無論、必ずしも時系列的に処理されなくても、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
図1は、本発明の情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0132】
1 管理サーバ、2 求人者端末、3 求職者端末、11 CPU、18 記憶部、19 通信部、100 ネットワーク、111 求職者情報取得部、112 求人者情報取得部、113 マッチング部、114 求人情報配信部、115 時給設定部、116 契約管理部、201 求職者情報DB、202 求人者情報DB、203 時給DB、511 推薦条件提示部