IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 佐藤産業株式会社の特許一覧

特許7138937スライド機構及びスライド機構の可動部分
<>
  • 特許-スライド機構及びスライド機構の可動部分 図1
  • 特許-スライド機構及びスライド機構の可動部分 図2
  • 特許-スライド機構及びスライド機構の可動部分 図3
  • 特許-スライド機構及びスライド機構の可動部分 図4
  • 特許-スライド機構及びスライド機構の可動部分 図5
  • 特許-スライド機構及びスライド機構の可動部分 図6
  • 特許-スライド機構及びスライド機構の可動部分 図7
  • 特許-スライド機構及びスライド機構の可動部分 図8
  • 特許-スライド機構及びスライド機構の可動部分 図9
  • 特許-スライド機構及びスライド機構の可動部分 図10
  • 特許-スライド機構及びスライド機構の可動部分 図11
  • 特許-スライド機構及びスライド機構の可動部分 図12
  • 特許-スライド機構及びスライド機構の可動部分 図13
  • 特許-スライド機構及びスライド機構の可動部分 図14
  • 特許-スライド機構及びスライド機構の可動部分 図15
  • 特許-スライド機構及びスライド機構の可動部分 図16
  • 特許-スライド機構及びスライド機構の可動部分 図17
  • 特許-スライド機構及びスライド機構の可動部分 図18
  • 特許-スライド機構及びスライド機構の可動部分 図19
  • 特許-スライド機構及びスライド機構の可動部分 図20
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-09
(45)【発行日】2022-09-20
(54)【発明の名称】スライド機構及びスライド機構の可動部分
(51)【国際特許分類】
   A01G 9/14 20060101AFI20220912BHJP
【FI】
A01G9/14 Z
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018203726
(22)【出願日】2018-10-30
(65)【公開番号】P2020068681
(43)【公開日】2020-05-07
【審査請求日】2021-08-18
(73)【特許権者】
【識別番号】597088591
【氏名又は名称】佐藤産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116573
【弁理士】
【氏名又は名称】羽立 幸司
(72)【発明者】
【氏名】富森 篤範
(72)【発明者】
【氏名】飯田 孝俊
【審査官】吉原 健太
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-360414(JP,A)
【文献】特開2002-030773(JP,A)
【文献】特開2017-002705(JP,A)
【文献】特開2018-138007(JP,A)
【文献】実開昭56-171968(JP,U)
【文献】特開平09-291746(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104381055(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 9/14 - 9/26
E04H 15/00 - 15/64
E05D 15/00 - 15/58
E06B 1/00 - 11/08
A47H 1/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビニルハウスの内側又は外側でスライドされるべき部材を水平方向にスライドさせるためのスライド機構であって、
前記ビニルハウスの内側又は外側に水平方向に配設され、外に向かって一方向に開放している開放部分が前記水平方向で連なっているレールと、
前記レールとの間で抜けない状態で係合する係合部と、
前記係合部が形成された板状部と、
前記板状部に一端が取り付けられるバネ手段を備え、
前記バネ手段の他端は前記スライドされるべき部材が接続され
前記レールは前記ビニルハウスに用いられる合成樹脂フィルムを止める条材として利用されることが可能なものであり、前記係合部は前記レールとの間で内に向かって移動可能な空間的なゆとりを持っていることを特徴とする、スライド機構。
【請求項2】
前記レールは、前記合成樹脂フィルムをハウス構築材上に被覆定着するためのフィルム止め部材でもあり、前記ハウス構築材にその背面側が固定される長尺帯板状の底壁部と、前記底壁部の長手側をなす左右端縁をそれぞれ内側斜め上方に立ち上げて形成される左右側壁部と、前記左右側壁部の先端を、内側に屈曲させて円柱状空間を有するように折り返して形成した折込部と、を有する、請求項記載のスライド機構。
【請求項3】
前記係合部は前記レールの内面と接触して回転するローラ部である、請求項1又は2記載のスライド機構。
【請求項4】
前記係合部は複数であり、前記板状部には前記複数の係合部が形成されている、請求項1又は2記載のスライド機構。
【請求項5】
ビニルハウスの内側又は外側で水平方向に配設されるレールに沿ってスライドされるべき部材を前記水平方向にスライドさせるためのスライド機構の可動部分であって、
前記レールは、外に向かって一方向に開放している開放部分が前記水平方向で連なっており、
前記レールは前記ビニルハウスに用いられる合成樹脂フィルムを止める条材として利用されることが可能なものであり、前記係合部は前記レールとの間で内に向かって移動可能な空間的なゆとりを持っていることを特徴とし、
前記レールとの間で抜けない状態で係合する係合部と、
前記係合部が形成された板状部と、
前記板状部にその一端が取り付けられるバネ手段を備え、
前記バネ手段の他端は前記スライドされるべき部材が接続される、スライド機構の可動部分。
【請求項6】
前記レールは、前記合成樹脂フィルムをハウス構築材上に被覆定着するためのフィルム止め部材でもあり、前記ハウス構築材にその背面側が固定される長尺帯板状の底壁部と、前記底壁部の長手側をなす左右端縁をそれぞれ内側斜め上方に立ち上げて形成される左右側壁部と、前記左右側壁部の先端を、内側に屈曲させて円柱状空間を有するように折り返して形成した折込部と、を有する、請求項5記載のスライド機構の可動部分。
【請求項7】
前記係合部は前記レールの内面と接触して回転するローラ部である、請求項5又は6記載のスライド機構の可動部分。
【請求項8】
前記係合部は複数であり、前記板状部には前記複数の係合部が形成されている、請求項5又は6記載のスライド機構の可動部分。
【請求項9】
前記板状部は三角形の形状をしており、その頂点の一つの位置に前記バネ手段の一端が取り付けられ、少なくとも他の2つの頂点の位置のそれぞれには係合部が形成されていることを特徴とする、請求項8記載のスライド機構の可動部分。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スライド機構及びスライド機構の可動部分に関し、特に、ビニルハウスの内側又は外側で水平方向にスライドされるべき部材をスライドさせるためのスライド機構等に関する。
【背景技術】
【0002】
ビニルハウスでは農作物を作っていることから、保温、断熱、遮光、換気も必要であり、ビニルハウスにおいても、シートの開閉が必要になっている。その開閉機構としては、例えば特許文献1に記載のような技術がある。この技術は、巻き上げ機構を用いて、外張りシートを上下させる構造をとっている。なお、内張のものもあるが、同じく上下方向で、巻き上げ機構を用いて上下させる構造をとっている。
【0003】
また、ビニルハウスにおいて、出入り口扉は、引き戸の構造が用いられている。例えば、特許文献2に記載のものでは、下レール走行型のものとされている。
【0004】
また、特許文献3、4に示すように、上レールは、矩形C字状で下向きに開放しており、2つのローラが底部側で引っ掛けられる構造をしている(図19も参照)。なお、一般に、カーテンやカーテンドアのようなスライドさせて開閉ができるものを吊るす構造もあるが、上に取り付けられるレールが用いられる。レールは、下向きに開放していて、特許文献3,4に示すのと同様に、底部側にフックが吊り下げられ、フックがスライドすることによりカーテン等の開閉が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2014-221032号公報
【文献】特開2014-42495号公報
【文献】特開2005-253414号公報
【文献】特開2012-140758号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、外張りシート全体を巻き上げる構造になっており、装置も含め大型のものとなっているという問題がある。シートが外張りではなく、内張りの場合も同様に、内側に骨組構造の上に位置するように内張シート全体を巻き上げる構造になっており、同様の問題がある。
【0007】
一方で、内張シートに対して、一般の住居で使用するようなカーテンやカーテンドアのようなレールを使うには、ハウスの壁面がトップ位置に向かって弧を描くような形状をしていることもあって、スライドさせることが簡単ではないという問題がある。
【0008】
また、特許文献1の技術では、全体ではなく一部だけを開放したり、一部だけを閉めたりすることが難しいという問題もある。通常、内張シートについては、日中に使用し、夜は不要という位置付けになっているものの、保温、断熱、遮光、換気の観点から必要に応じた細かな対応が必要な場合もあり、その一部の開閉については、開閉負担を小さくすることに繋がり、巻き上げ機構のような装置を必要としない点からもユーザから期待されているものの、現状では対応できていないという問題がある。
【0009】
さらに、特許文献2に示すような出入り口扉として下レール走行型引き戸の構造の場合には、通常、扉はハウスの内側又は外側のいずれかに取り付けられる。すなわち、吊り下げる形ではなく、外側と内側の両方に扉を付けることは行われない。また、特許文献3、4に示すような上レールを用いる場合にも、ローラを左右の2つ必要とすることから、幅がとられることもあって、扉はハウスの内側又は外側のいずれにかに取り付けられる。一方で、保温、断熱、遮光の観点などから、内側と外側との両方に出入り口扉があることが期待されても、大型な上又は下レール走行型引き戸の構造を二つも取り付けるのは現実的ではなく、少なくとも一方は、カーテン等のような吊り下げ型スライド機構で、例えば内張シートを用いた扉であれば、保温、断熱、遮光、換気の観点からも理にかなったものとできるが、現状ではそのようなものはない。
【0010】
ゆえに、本発明は、ビニルハウスの内側又は外側で保温、断熱、遮光のための内張シートや扉などのスライドさせるべき部材を簡易な構造で水平方向にスライドさせるためのスライド機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の観点は、ビニルハウスの内側又は外側でスライドされるべき部材を水平方向にスライドさせるためのスライド機構であって、前記ビニルハウスの内側又は外側に水平方向に配設されて開放方向が下向きを除いて開放しているレールと、前記レールとの間で抜けない状態で係合する係合部と、前記係合部が形成された板状部と、前記板状部に一端が取り付けられるバネ手段又はフック部とを備え、前記バネ手段の他端又は前記フック部には前記スライドされるべき部材が接続されるものである。
【0012】
この観点によれば、バネ手段が用いられることにより、付勢力が働き、ハウスの壁面がトップ位置に向かって弧を描くような形状であっても、重力の力を逃がしながらスライドさせることができ、スライド機構を機能させることができる。
【0013】
本発明の第2の観点は、第1の観点において、前記レールは前記ビニルハウスに用いられる合成樹脂フィルムを止める条材として利用されることが可能なものであり、前記係合部は前記レールとの間で空間的なゆとりを持っていることを特徴とするものである。
【0014】
この観点によれば、合成樹脂フィルムを止める条材として利用されるものをレールとしても兼務することができる。また、係合部はレールとの間で空間的なゆとりを持っていることから、スライドにおける摩擦をバネ手段による付勢力と相まって小さくできる。
【0015】
本発明の第3の観点は、第2の観点において、前記レールは、前記合成樹脂フィルムをハウス構築材上に被覆定着するためのフィルム止め部材でもあり、前記ハウス構築材にその背面側が固定される長尺帯板状の底壁部と、前記底壁部の長手側をなす左右端縁をそれぞれ内側斜め上方に立ち上げて形成される左右側壁部と、前記左右側壁部の先端を、内側に屈曲させて円柱状空間を有するように折り返して形成した折込部と、を有するものである。
【0016】
本発明の第4の観点では、第1の観点において、前記レールは断面がC形をしたものである。
【0017】
本発明の第5の観点では、第1~第4の観点のいずれかにおいて、前記係合部は回転するローラ部である。
【0018】
この観点によれば、ローラ部を用いることにより、スライドにおける摩擦をより小さいものとできる。
【0019】
本発明の第6の観点は、第1~第5の観点のいずれかにおいて、前記板状部は細長い形状をしており、前記板状部の一端側に前記係合部が形成され、前記板状部の他端側に前記バネ手段が取り付けられるものである。
【0020】
この観点によれば、細長い形状により、スライドされるべき部材の加重をレールに対してほぼ真下に加えるのではなく、ずらしてかけることになり、スライド機構への荷重負担を小さくできて、スライドにおける摩擦を小さくできる。
【0021】
本発明の第7の観点は、第1~第5の観点いずれかにおいて、前記係合部は複数であり、前記板状部には前記複数の係合部が形成されているものである。
【0022】
複数の係合部を用いることにより、スライドされるべき部材の荷重が複数に分散することになり、スライド機構への荷重負担の分散化により1つずつへの負担を小さいものにできる。
【0023】
本発明の第8の観点は、第7の観点において、前記板状部は三角形の形状をしており、その頂点の一つの位置に前記バネ手段の一端が取り付けられ、他の2つの頂点の位置のそれぞれには係合部が形成されていることを特徴とするものである。
【0024】
本発明の第9の観点は、ビニルハウスの内側又は外側で水平方向に配設されるレールに沿ってスライドされるべき部材を水平方向にスライドさせるためのスライド機構の可動部分であって、前記レールは、開放方向が下向きを除いて開放して配設されるものであり、前記レールとの間で抜けない状態で係合する係合部と、前記係合部が形成された板状部と、前記板状部にその一端が取り付けられるバネ手段又はフック部とを備え、前記バネ手段の他端又は前記フック部には前記スライドされるべき部材が接続されるものである。
【発明の効果】
【0025】
各観点の発明によれば、ビニルハウスの内側で保温、断熱、遮光、換気のための内張シートや扉などのスライドさせるべき部材を簡易な構造でスライドさせることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の実施の形態にかかるスライド機構が用いられてスライドする遮光ネット及びサイド用シート材がビニルハウスに取り付けられた状態を示す図である。
図2図1のII方向から見た図である。
図3】本発明の実施の形態にかかるスライド機構のレールの構造を示す図である。
図4図1の棟の位置に設置されたスライド機構を示す図であって図3(A)のレールが用いられている場合を示す図である。
図5図1の肩の位置に設置されたスライド機構を示す図であって図3(A)のレールが用いられている場合を示す図である。
図6図4及び図5のスライド機構のレールと可動部分の関係を示す斜視図である。
図7図6のVII方向から見た図である。
図8図6のスライド機構の可動部分の斜視図である。
図9】本発明の実施の形態にかかる他のスライド機構の可動部分を示す斜視図である。
図10図8のスライド機構の可動部分及び図9のスライド機構の可動部分が図3(B)のレールに取り付けられた状態を示す斜視図である。
図11図10のXI方向から見た図である。
図12図8のスライド機構の可動部分及び図9とは異なる他のスライド機構の可動部分が図3(B)のレールに取り付けられた状態を示す斜視図である。
図13図12のXIII方向から見た図である。
図14図8図9図12に示したスライド機構の可動部分とは異なるさらに他のスライド機構の可動部分を示す斜視図である。
図15図14のXV方向から見た図である。
図16図15のXVI方向から見た図である。
図17図15のXVIIの方向から見た図である。
図18】本発明の実施の形態にかかるスライド機構が用いられてスライドする扉がビニルハウスに取り付けられた状態を示す図である。
図19図18の扉に適用されるスライド機構を示す図である。
図20図18のスライド機構の可動部分を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0028】
図1は、本発明の実施の形態にかかるスライド機構が用いられてスライドする遮光ネット及びサイド用シート材がビニルハウスに取り付けられた状態を示す図である。図2は、図1のIIの方向から見た図である。図3は本発明の実施の形態にかかるスライド機構のレールの構造を示す図である。図4は、図1の棟の位置に設置されたスライド機構を示す図であって図3(A)のレールが用いられている場合を示す図である。図5は、図1の肩の位置に設置されたスライド機構を示す図であって図3(A)のレールが用いられている場合を示す図である。図6は、図4及び図5のスライド機構のレールと可動部分の関係を示す斜視図である。図7は、図6のスライド機構の可動部分の斜視図である。
【0029】
ビニルハウス1には、内側に、サイド用シート材3と遮光シート5が取り付けられている。ビニルハウス1には複数のアーチパイプ6が用いられて、全体の外形が作られている。アーチパイプ6に対してフィルム止め部材としても兼用できるレール7aとレール7bとがクランプ8により取り付けられており、レール7aとレール7bとの間にサイド用シート材3が内張されている。同様に、アーチパイプ6に対してフィルム止め部材としても兼用できるレール9aとレール9bとがクランプにより取り付けられており、レール9aとレール9bとの間に遮光シート5が内張されている。遮光シート5は、プーリーブロック11により、開閉できるようになっている。レール7a及びレール7b並びにレール9a及びレール9bはスライド機構の一部を構成し、スライド機構の可動部分は後述する構成をしており、スライド機構の可動部分によって、サイド用シート材3及び遮光シート5はスライドできるようになっている。
【0030】
ここで、レール9a等としては、図3(A)に示す断面構造の他、図3(B)及び図3(C)のようなものでもよく、さらには図3(D)のようなものでもよい。図3(A)~(C)に示すものは、ビニルハウス1に用いられる合成樹脂フィルムを止める条材として利用されることが可能なものであり、後述するスライド機構の可動部分の係合部との間で空間的なゆとりを持っているものとしている。もう少し説明すると、図3(A)に示すものは、合成樹脂フィルムをハウス構築材上に被覆定着するためのフィルム止め部材でもあり、アーチパイプ6のようなハウス構築材にその背面側が固定される長尺帯板状の底壁部13と、底壁部13の長手側をなす左右端縁をそれぞれ内側斜め上方に立ち上げて形成される左右側壁部14a,14bと、左右側壁部14a,14bの先端を、内側に屈曲させて円柱状空間を有するように折り返して形成した折込部15a,15と、を有するものとしている。図3(D)に示すものは、C鋼の場合を示している。
【0031】
図4図8を参照して、スライド機構16は、ビニルハウスの内側に配設されるレール9a等と、レール9a等との間で抜けない状態で係合する係合部19と、係合部19が形成された板状部21と、板状部21に一端が取り付けられるバネ部23とを備えている。係合部19と、板状部21と、バネ部23とで、スライド機構16の可動部分17を構成している。バネ部23の他端にはスライドされるべき部材であるサイド用シート材3又は遮光シート5が取り付けられる。図7に示すように、レール9aと係合部19との関係は、嵌合状態ではなく、空間的なゆとりがある状況ではあるが、互いに抜けない関係で係合している。係合部19はローラになっていて回転可能なものとなっており、レール9a内での摩擦は小さくなっている。
【0032】
図9は、本発明の実施の形態にかかる他のスライド機構の可動部分を示す斜視図である。図10は、図8のスライド機構の可動部分及び図9のスライド機構の可動部分が図3(B)のレールに取り付けられた状態を示す斜視図である。図11は、図10のXI方向から見た図である。
【0033】
図9に示すスライド機構の可動部分25は、レール24に空間的にはゆとりがありながらも抜けない状態で係合する2つの係合部27a,27bと、係合部27a,27bが設けられた板状部29と、板状部29における係合部27a,27bとは反対位置に取り付けられるバネ部31とを備えている。さらに、可動部分25は、図11に示すように、レール24の外側でガイドの役割を果たすガイド部33を備える。ここで、係合部27a,27bとガイド部33は、ローラになっていて回転可能なものとなっており、レール24内での摩擦は小さくなっている。
【0034】
図12は、図8のスライド機構の可動部分及び図9とは異なる他のスライド機構の可動部分が図3(B)のレールに取り付けられた状態を示す斜視図である。図13は、図12のXIII方向から見た図である。
【0035】
可動部分35は、係合部37a,37bと、板状部39と、バネ部41とを備えている。この可動部分35は、図9の可動部分25と同様に、複数の係合部を用いている。係合部37a,37bも、ローラになっていて回転可能なものとなっており、レール24内での摩擦は小さくなっている。
【0036】
図14は、図8図9図12に示したスライド機構の可動部分とは異なるさらに他のスライド機構の可動部分を示す斜視図である。図15は、図14のXV方向から見た図である。図16は、図15のXVI方向から見た図である。図17は、図15のXVIIの方向から見た図である。
【0037】
図14の可動部分43は、係合部45a,45bと、板状部47と、バネ部49とを備えている。この板状部47は、略二等辺三角形の形状をしている。ここでも、係合部45a,45bも、ローラになっていて回転可能なものとなっており、レール内での摩擦は小さくなっている。
【0038】
図18は、本発明の実施の形態にかかるスライド機構が用いられてスライドする扉がビニルハウスに取り付けられた状態を示す図である。図19は、図18の扉に適用されるスライド機構を示し図である。図20は、図18のスライド機構の可動部分を示す図である。図18(A)は正面図、図18(B)は平面図、図18(C)は右側面図であり、図18(D)は斜視図である。
【0039】
図19に示すように、従来の扉構造50では、レール51は、矩形略C字状をして下向きに開放する形をしており、2つのローラ53a,53bがそれに引っ掛けられ、扉55がスライドするようになっている。これに対して、扉57をスライドさせるべき対象としてスライドさせることが可能なスライド機構59は、図3(A)に示したレール61が用いられており、可動部分63は、保持部65と、板状部67とを備え、バネ部に代えてフック部69を備える。
【0040】
なお、上記では、保持部をローラにしたが、R滑車、U溝滑車、V溝滑車、凹溝滑車、フラット滑車などの種々の形状の滑車としてよい。
【0041】
また、上記では、保持部をローラとしたが、回転しないものでもよい。
【符号の説明】
【0042】
3・・・サイド用シート材、5・・・遮光シート、7a,7b,9a,9b,24・・・レール、16,59・・・スライド機構、17,25,35,43,63・・・可動部分、19,27a,27b,37a,37b,45a,45b,65・・・係合部、21,29,39,47,67・・・板状部、23,31,41,49・・・バネ部、57・・・扉、69・・・フック部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20