(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-09
(45)【発行日】2022-09-20
(54)【発明の名称】遺骨収納体の収納方法
(51)【国際特許分類】
A61G 17/08 20060101AFI20220912BHJP
A47G 33/00 20060101ALI20220912BHJP
【FI】
A61G17/08 Z
A47G33/00 R
A47G33/00 Z
(21)【出願番号】P 2020101621
(22)【出願日】2020-06-11
【審査請求日】2021-04-19
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】391021628
【氏名又は名称】法月株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092680
【氏名又は名称】入江 一郎
(72)【発明者】
【氏名】法 月 寛 文
【審査官】黒田 正法
(56)【参考文献】
【文献】特開昭64-023906(JP,A)
【文献】登録実用新案第3130649(JP,U)
【文献】特開平10-053202(JP,A)
【文献】米国特許第03983682(US,A)
【文献】米国特許第02009724(US,A)
【文献】特開2016-209750(JP,A)
【文献】特開平07-040978(JP,A)
【文献】登録実用新案第3149134(JP,U)
【文献】特開2001-187095(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 17/08
A47G 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パウダー状に粉砕した遺骨を内在すると共に脱気された包装袋を遺骨収納体に収納する遺骨収納体の収納方法であって、
パウダー状に粉砕した遺骨を内在する包装袋を規制部材内に収納し、前記包装袋の開放側端部を前記規制部材より突出させ、
真空包装機による脱気後、前記包装袋の開放側端部をシールするものであり、
このシールされた前記包装袋を前記規制部材から取り出し、
前記遺骨収納体を拡げることなく前記遺骨収納体に収納するものであり、
前記規制部材の内部形状が前記遺骨収納体の内部形状と同一である
ことを特徴とする遺骨収納体の収納方法。
【請求項2】
パウダー状に粉砕した遺骨を内在すると共に脱気された包装袋を遺骨収納体に収納する遺骨収納体の収納方法であって、
パウダー状に粉砕した遺骨を内在する包装袋を規制部材内に収納し、前記包装袋の開放側端部を前記規制部材より突出させ、
真空包装機による脱気後、前記包装袋の開放側端部をシールするものであり、
このシールされた前記包装袋を前記規制部材から取り出し、
前記遺骨収納体を拡げることなく前記包装袋のシールされた前記開放側端部を折り曲げて前記遺骨収納体に収納するものであり、
前記規制部材の内部形状が前記遺骨収納体の内部形状と同一である
ことを特徴とする遺骨収納体の収納方法。
【請求項3】
パウダー状に粉砕した遺骨を内在すると共に脱気された包装袋を遺骨収納体に収納する遺骨収納体の収納方法であって、
パウダー状に粉砕した遺骨を内在する包装袋を規制部材内に収納し、前記包装袋の開放側端部を前記規制部材より突出させ、
真空包装機による脱気後、前記包装袋の開放側端部をシールするものであり、
このシールされた前記包装袋を前記規制部材から取り出し、
前記遺骨収納体を拡げることなく前記遺骨収納体に収納するものであり、
前記規制部材の内部形状が前記遺骨収納体の内部形状と同一であり、
前記内部形状は、直方体形状の空間であり、
前記シールされた前記包装袋は、底面、上面、この上面と前記底面との間の平らな面の4側面からなる外形が保持されている直方体形状を有しているものである
ことを特徴とする遺骨収納体の収納方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遺骨収納体の収納方法に係り、特に、パウダー状の遺骨を内在した包装袋を遺骨収納体に簡易且つ迅速に収納することができる遺骨収納体の収納方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近時、遺骨をパウダー状にして、遺骨の収納容積をコンパクトにするようにしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、パウダー状の遺骨を内在した包装袋をコンパクトな収納容器に入れようとすると中々収納容器に入らず、脱気しシールされた包装袋にあっては、形状が変形しないため、大きな収納容器に入れなければならないという問題点があった。
【0004】
本発明は、上記の問題点を考慮してなされた遺骨収納体の収納方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の遺骨収納体の収納方法は、パウダー状に粉砕した遺骨を内在すると共に脱気された包装袋を遺骨収納体に収納する遺骨収納体の収納方法であって、パウダー状に粉砕した遺骨を内在する包装袋を規制部材内に収納し、前記包装袋の開放側端部を前記規制部材より突出させ、真空包装機による脱気後、前記包装袋の開放側端部をシールするものであり、このシールされた前記包装袋を前記規制部材から取り出し、前記遺骨収納体を拡げることなく前記遺骨収納体に収納するものであり、前記規制部材の内部形状が前記遺骨収納体の内部形状と同一である。
【0007】
また、請求項2記載の遺骨収納体の収納方法は、パウダー状に粉砕した遺骨を内在すると共に脱気された包装袋を遺骨収納体に収納する遺骨収納体の収納方法であって、パウダー状に粉砕した遺骨を内在する包装袋を規制部材内に収納し、前記包装袋の開放側端部を前記規制部材より突出させ、真空包装機による脱気後、前記包装袋の開放側端部をシールするものであり、 このシールされた前記包装袋を前記規制部材から取り出し、前記遺骨収納体を拡げることなく前記包装袋のシールされた前記開放側端部を折り曲げて前記遺骨収納体に収納するものであり、前記規制部材の内部形状が前記遺骨収納体の内部形状と同一である。
【0008】
また、請求項3記載の遺骨収納体の収納方法は、パウダー状に粉砕した遺骨を内在すると共に脱気された包装袋を遺骨収納体に収納する遺骨収納体の収納方法であって、パウダー状に粉砕した遺骨を内在する包装袋を規制部材内に収納し、前記包装袋の開放側端部を前記規制部材より突出させ、真空包装機による脱気後、前記包装袋の開放側端部をシールするものであり、このシールされた前記包装袋を前記規制部材から取り出し、前記遺骨収納体を拡げることなく前記遺骨収納体に収納するものであり、前記規制部材の内部形状が前記遺骨収納体の内部形状と同一であり、前記内部形状は、直方体形状の空間であり、前記シールされた前記包装袋は、底面、上面、この上面と前記底面との間の平らな面の4側面からなる外形が保持されている直方体形状を有しているものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の遺骨収納体の収納方法によれば、パウダー状に粉砕した遺骨を内在する包装袋を規制部材内に収納し、前記包装袋の開放側端部を前記規制部材より突出させ、脱気後、前記包装袋の開放側端部をシールするものであり、このシールされた前記包装袋を前記遺骨収納体に収納するものであり、前記規制部材の内部形状が前記遺骨収納体の内部形状と同一であるため、脱気後、開放側端部をシールされた包装袋を遺骨収納体に簡易且つ迅速に収納することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、本発明の一実施例の遺骨収納体の
収納方法の形成過程を示すもので 、
図1(a)は、遺骨を収集する過程の概略的図であり、
図1(b)は、
図1(a) の遺骨を洗浄する過程の概略的図であり、
図1(c)は、
図1(b)の遺骨を乾燥す る過程の概略的図であり、
図1(d)は、
図1(c)の遺骨を粉砕する過程の概略的 図であり、
図1(e)は、
図1(d)の粉砕した遺骨(骨粉)を取り出した状態の概 略的図である。
【
図2】
図2(a)は、
図1(e)の粉砕した遺骨(骨粉)を包装袋に入れる前の状 態の概略的図であり、
図2(b)は、
図2(a)の粉砕した遺骨(骨粉)を入れた包 装袋を脱気する真空包装機の概略的図であり、
図2(c)は、
図2(b)の真空包装 機に載置した規制部材内に
図2(a)の粉砕した遺骨(骨粉)を収納した包装袋を入 れた状態の概略的図であり、
図2(d)は、
図2(c)の規制部材から脱気されると 共に、シールされた包装袋を取り出した状態の概略的図であり、
図2(e)は、
図2 (d)の脱気されると共に、シールされた包装袋を遺骨収納体に入れる過程の概略的 図であり、
図2(f)は、
図2(e)の脱気されると共に、シールされた包装袋を遺 骨収納体に収納された状態の概略的図である。
【
図3】
図3は、
図2(d)の遺骨収納体を分解して示す概略的分解斜視図である。
【
図4】
図4は、
図2(d)の遺骨収納体を仏壇に収納した状態の概略的斜視図であ
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の一実施例の
遺骨収納体の収納方
法を図面(
図1乃至
図4)を参照して説明する。
【0015】
図2(d)に示す1は遺骨収納体で、遺骨収納体1は、パウダー状に粉砕した遺骨2’を内在すると共に脱気された包装袋6を収納するものである。
遺骨2をパウダー状に粉砕するには、先ず、遺骨2をスコップ3で収集し[
図1(a)]、収集した遺骨2を水で洗浄し[
図1(b)]、洗浄後、乾燥機4で乾燥させる[
図1(c)]。
なお、遺骨2をスコップ3で収集したが、スコップ3を用いず、遺骨2を骨壺からそのままトレイに移しても良いし、また、遺骨2が湿気を帯びている場合にのみ水洗浄及び乾燥を行うのが良い。例えば、最初から乾燥している場合(お墓に入れず、自宅で保管されていた遺骨2等)は、洗浄・乾燥を行わず、直接、粉砕して粉骨(骨粉)2’するようにしても良い。
【0016】
乾燥後、粉砕機5でパウダー状に粉砕する[
図1(d)]。粉砕後、パウダー状に粉砕した遺骨2’を包装袋6に入れる。
遺骨収納体1に包装袋6に収納される前に、包装袋6を遺骨収納体1の内壁に当接して挿入できるように、包装袋6の外形形状が遺骨収納体1に内部空間に合致した状態で、真空包装機7で脱気されると共に、包装袋6がシールされ、包装袋6の外形が保持されるようにする[
図2(d)の包装袋6参照]。
即ち、真空包装機7に載置した規制部材8内に、パウダー状に粉砕した遺骨2’を内在した包装袋6を入れ[
図2(a)]、この遺骨2’を内在した包装袋6の開放側端部6Aが真空包装機7のヒーターHを乗り越えると共に、規制部材8より外側に位置するようにする[
図2(b)(c)]して、真空包装機7の蓋71を閉じて脱気すると共に、脱気後、包装袋6の開放側端部6AをヒーターHによりシールし、シール後、シールされた包装袋6を規制部材8から取り出す[
図2(d)]。
その後、シールされた包装袋6を
図2(e)(f)に示すようにして遺骨収納体1内に収納する。なお、
図2(c)は、
図2(b)記載の真空包装機7の規制部材8、ヒーターHのみ記載し、それ以外は、省略して図示されている。
つまり、パウダー状に粉砕した遺骨2’を内在すると共に脱気された包装袋6を遺骨収納体1に収納する遺骨収納体の収納方法であって、
パウダー状に粉砕した遺骨2’を内在する包装袋6を規制部材8内に収納し、包装袋6の開放側端部6Aを規制部材8より突出させ、脱気後、包装袋6の開放側端部6Aをシールするものである。なお、このシールされた包装袋6[
図2(b)の包装袋6参照]を
図2(c)、
図2(d)に示すように、遺骨収納体1に収納するものであり、規制部材8の内部形状(例えば、直方体形状)が遺骨収納体1の内部形状(例えば、直方体形状)と同一となっている。
そのため、脱気後、包装袋6の開放側端部6Aをシールされた包装袋4を遺骨収納体1に簡易且つ迅速に収納することができる。
【0017】
また、
図2(e)(f)に示す11は表示体で、表示体11に遺骨に起因するネーム(例えば、戒名、ペットであれば、愛称等)又は、メッセージ(例えば、お父さんありがとう。)をレーザー又は彫刻で掘り込んで加工し、加工後、表示体11を請求項1記載の遺骨収納体1(又は、請求項1記載の遺骨収納体1に限らない遺骨を収納した図示しない直方体形状の遺骨収納体)の外表面に磁石12を介して着脱自在に取り付けられる。
この遺骨収納体の形成方法によれば、レーザー又は彫刻で加工する際、遺骨収納体1の形状にとらわれなく、表示体11に遺骨に起因するネーム又は、メッセージを簡易且つ迅速にレーザー又は彫刻で加工し、表示体11を遺骨収納体1の外表面に容易に取り付けることができる。
【0018】
上述したことは、遺骨収納体の形成方法でもある。この遺骨収納体の形成方法によれば、レーザー又は彫刻で加工する際、遺骨収納体1の形状にとらわれなく、表示体11に遺骨2に起因するネーム又は、メッセージを簡易且つ迅速にレーザー又は彫刻で加工し、表示体11を遺骨収納体1の外表面に容易に取り付けることができる。
【0019】
本実施例の遺骨収納体1は、直方体形状に形成したが、本願発明にあっては、これに限らず、立方体形状、円柱体形状、多角柱体形状等でも良い。
特に、遺骨収納体1を収納する収納部10(例えば、下台)を有する仏壇100には、遺骨収納体1は、収納部10に収納できる大きさの幅寸法A、奥行き寸法B、高さ寸法Cの直方体形状が良い。
そして、直方体形状の遺骨収納体1の幅寸法Aが遺骨収納体1の高さ寸法C及び遺骨収納体1の奥行き寸法Bより小となっている。この遺骨収納体1は、収納部10(例えば、下台)においては、
図4に示すように、並設すると共に、幅寸法A、高さ寸法Cが前面に位置している。
そのため、仏壇の収納部10(例えば、下台)を利用して、直方体形状の遺骨収納体1を効率良く収納することができる。
つまり、
図4記載の仏壇100によれば、直方体形状の遺骨収納体1の幅寸法Aが遺骨収納体1の高さ寸法C及び遺骨収納体1の奥行き寸法Bより小であり、収納部10内の遺骨収納体1は、並設すると共に、前記幅寸法A、前記高さ寸法Cが前面に位置しているため、仏壇100の収納部10を利用して、直方体形状の遺骨収納体1を効率良く収納することができる。
【符号の説明】
【0020】
1 遺骨収納体
6 包装袋