(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-09
(45)【発行日】2022-09-20
(54)【発明の名称】飲料抽出装置
(51)【国際特許分類】
A47J 31/20 20060101AFI20220912BHJP
【FI】
A47J31/20
(21)【出願番号】P 2020186598
(22)【出願日】2020-11-09
(62)【分割の表示】P 2019567834の分割
【原出願日】2018-08-30
【審査請求日】2021-08-17
(31)【優先権主張番号】PCT/JP2018/002754
(32)【優先日】2018-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】520202603
【氏名又は名称】株式会社LOAD&ROAD
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】特許業務法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】河野辺 和典
【審査官】川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/205561(WO,A2)
【文献】国際公開第2012/098726(WO,A1)
【文献】登録実用新案第3199670(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2013/0055901(US,A1)
【文献】国際公開第2014/037733(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/20
A47J 31/06
A47G 19/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上側に位置する開口部から、内部に供給された液体を保持可能なボトル部と、
前記ボトル部の前記開口部を覆う蓋と、
前記ボトル部が設置され、内部にベースマグネットを回転可能に保持
し、前記ボトル部内の液体を加熱するヒータと、前記ボトル部内の液体の温度を検出する温度センサと、操作部を備えるベース部と、
前記ベースマグネットを回転させるモータと、
抽出元が封入され、内部にインフューザマグネットが配置され、前記ベースマグネットの回転に伴って、前記ボトル部の内部で上下が反転するインフューザと、
前記インフューザの内部と前記ボトル部内との液体の流出入を許容または遮断するために、前記ベースマグネットの磁極を制御する制御
部と、を備え
、
前記制御部は、前記操作部を通じてユーザから入力される抽出条件に基づいて前記ボトル部内の液体の温度を前記ヒータと前記温度センサにより制御して前記抽出元から液体への抽出を行う飲料抽出装置。
【請求項2】
前記ベース部は、前記ボトル部が設置されるベース部本体と、前記ベース部本体の外縁部に立設されたアーム部と、を備え、
前記ベースマグネットは、前記アーム部の内部に配置されて前記インフューザマグネットと対向していることを特徴とする請求項1に記載の飲料抽出装置。
【請求項3】
前記インフューザは略球体であり、
前記蓋は、前記インフューザを回転可能に保持する保持部を備え、
前記インフューザおよび前記保持部のうちの一方には、水平方向に延びて互いに同軸をなす一対の回転軸が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の飲料抽出装置。
【請求項4】
前記一対の回転軸は、前記インフューザの外面に形成され、
前記保持部には、前記一対の回転軸が挿入される挿入孔が、一対形成されていることを特徴とする請求項3に記載の飲料抽出装置。
【請求項5】
前記インフューザマグネットは、前記一対の回転軸のうちのいずれか一方に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の飲料抽出装置。
【請求項6】
前記インフューザは、前記インフューザの内部と前記ボトル部内との液体の流出入を許容するための複数の孔部を有する第1の外面と、前記インフューザの内部とボトル部内との液体の流出入を遮断する第2の外面と、を備え、
前記制御
部は、前記インフューザの内部と前記ボトル部内との液体の流出入を許容する際に、前記第1の外面が下側を向くように前記ベースマグネットの磁極を制御することを特徴とする請求項1に記載の飲料抽出装置。
【請求項7】
前記インフューザは、前記インフューザの内部のうち、前記第1の外面の内側と、前記第2の外面の内側と、を区切るメッシュ状の中皿を備えていることを特徴とする請求項6に記載の飲料抽出装置。
【請求項8】
前記ボトル部は円筒状をなすボトル本体と、前記ボトル本体から径方向の外側に向けて張り出したボトルハンドルと、を備え、
前記アーム部は、前記ベース部本体の外縁部のうち、上面視で前記ボトル本体を径方向に挟む前記ボトルハンドルの反対側に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の飲料抽出装置。
【請求項9】
前記蓋は、円板状をなす蓋本体と、前記蓋本体から径方向の外側に向けて張り出した蓋ハンドルと、を備え、
前記蓋ハンドルは、前記ボトルハンドルと周方向の位置が一致し、かつ互いに上下方向に重なることを特徴とする請求項8に記載の飲料抽出装置。
【請求項10】
前記インフューザは、前記インフューザの内部と前記ボトル部内との液体の流出入を許容するための複数の孔部を有する第1の外面と、前記インフューザの内部とボトル部内との液体の流出入を遮断する第2の外面と、を備え、
前記制御
部は、前記インフューザの内部と前記ボトル部内との液体の流出入を許容する際に前記第1の外面が上側を向くように前記ベースマグネットの磁極を制御することを特徴とする請求項1に記載の飲料抽出装置。
【請求項11】
前記インフューザは、前記孔部が下側を向いた際にボトル部内の液体の流出入を遮断する遮断機構を有することを特徴とする請求項10に記載の飲料抽出装置。
【請求項12】
前記インフューザは、前記第1の外面側のみに前記インフューザマグネットを備えており、
前記制御
部は、前記インフューザの内部と前記ボトル部内との液体の流出入を許容する際にのみに前記ベースマグネットの磁極を制御することを特徴とする請求項10または11に記載の飲料抽出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料抽出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
お茶やコーヒー等の飲料は、抽出処理が必要となる。この抽出処理は、茶葉やコーヒー豆に最適な抽出温度、抽出時間等の抽出条件が存在する。これらの抽出条件を最適に設定することで、抽出後のお茶やコーヒー等の飲料の香り、風味、味が最適となる。これらの条件を最適に設定することは、熟練したスキルが必要になるため、多くの経験を必要とすることが多い。
【0003】
経験が少なくても最適な抽出条件によって抽出された飲料を得るために、抽出条件を保存しておき、自動的に抽出を行う装置が開発されている。例えば、特許文献1は、本体の表示部に表示される表示内容に従った設定を行うことで、茶葉の種類、葉サイズ等の諸条件の違いに応じた最適な湯温、蒸らし時間による抽出工程を実施し、最適の風味、濃度を備えた茶飲料を抽出することを可能とした茶飲料抽出装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された茶飲料抽出装置は、水温が適温になった際に、茶葉用ネットが抽出容器内に下降され、抽出処理後に上昇される昇降機構部を備えているため、茶飲料抽出装置としての大きさが、大きくなる。更に、茶葉の抽出中は、当該昇降機構部が昇降を繰り返す構成となっているため、抽出中に大きな電力を必要とする可能性がある。
【0006】
また、特許文献1に開示された茶飲料抽出装置は、予め茶葉の種類等の諸条件に対応した最適の抽出条件を記憶しているが、予め記憶できる抽出条件にも限界があり、新しい茶葉の種類や新しい茶葉の配合(ブレンド)には対応できないことがある。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、簡単な構成であり、且つコンパクトである飲料抽出装置、多種多様な茶葉やコーヒー豆の種類や配合に対応できる飲料抽出装置の制御方法、飲料抽出装置の制御プログラム、および記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明の飲料抽出装置は、上側に位置する開口部から、内部に供給された液体を保持可能なボトル部と、ボトル部の開口部を覆う蓋と、ボトル部が設置され、内部にベースマグネットを回転可能に保持するベース部と、ベースマグネットを回転させるモータと、内部にインフューザマグネットが配置され、ベースマグネットの回転に伴って、ボトル部の内部で上下が反転するインフューザと、インフューザの内部とボトル部内との液体の流出入を許容または遮断するために、ベースマグネットの磁極を制御する制御手段と、を備えている。
【0009】
また、ベース部は、ボトル部が設置されるベース部本体と、ベース部本体の外縁部に立設されたアーム部と、を備え、ベースマグネットは、アーム部の内部に配置されてインフューザマグネットと対向してもよい。
【0010】
また、インフューザは略球体であり、蓋は、インフューザを回転可能に保持する保持部を備え、インフューザおよび保持部のうちの一方には、水平方向に延びて互いに同軸をなす一対の回転軸が形成されてもよい。
【0011】
また、一対の回転軸は、インフューザの外面に形成され、保持部には、一対の回転軸が挿入される挿入孔が、一対形成されてもよい。
【0012】
また、インフューザマグネットは、一対の回転軸のうちのいずれか一方に配置されてもよい。
【0013】
また、インフューザは、インフューザの内部とボトル部内との液体の流出入を許容するための複数の孔部を有する第1の外面と、インフューザの内部とボトル部内との液体の流出入を遮断する第2の外面と、を備え、制御手段は、インフューザの内部とボトル部内との液体の流出入を許容する際に、第1の外面が下側を向くようにベースマグネットの磁極を制御してもよい。
【0014】
また、インフューザは、インフューザの内部のうち、第1の外面の内側と、第2の外面の内側と、を区切る中皿を備えてもよい。
【0015】
また、ボトル部は円筒状をなすボトル本体と、ボトル本体から径方向の外側に向けて張り出したボトルハンドルと、を備え、アーム部は、ベース部本体の外縁部のうち、上面視でボトル本体を径方向に挟むボトルハンドルの反対側に配置されてもよい。
【0016】
また、蓋は、円板状をなす蓋本体と、蓋本体から径方向の外側に向けて張り出した蓋ハンドルと、を備え、蓋ハンドルは、ボトルハンドルと周方向の位置が一致し、かつ互いに上下方向に重なってもよい。
【0017】
また、インフューザは、インフューザの内部とボトル部内との液体の流出入を許容するための複数の孔部を有する第1の外面と、インフューザの内部とボトル部内との液体の流出入を遮断する第2の外面と、を備え、制御手段は、インフューザの内部とボトル部内との液体の流出入を許容する際に第1の外面が上側を向くようにベースマグネットの磁極を制御してもよい。
【0018】
また、インフューザは、孔部が下側を向いた際にボトル部内の液体の流出入を遮断する遮断機構を有してもよい。
【0019】
また、インフューザは、第1の外面側のみにインフューザマグネットを備えており、制御手段は、インフューザの内部とボトル部内との液体の流出入を許容する際にのみにベースマグネットの磁極を制御してもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によると、液体としての水の温度が抽出に適した温度に達すると、ベースマグネットの磁極が制御されてインフューザの上下位置が反転されて、飲料の抽出が開始されるため、簡素な構成によって飲料抽出装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】第1実施形態に係る飲料抽出装置の構成を示す概略図である。
【
図3】
図1に示す制御部による飲料抽出装置の動作としての抽出ルーチンを示すフロー図である。
【
図4】
図1に示す制御部による飲料抽出装置の制御ルーチンを示すフロー図である。
【
図5】
図1に示す記憶部に記憶される複数の茶葉の最適な抽出条件のデータ構造の一例である。
【
図6】
図1に示すインフューザの変形例について、(A)開封した構造と、(B)結合した構造の一例である。
【
図7】
図1に示す飲料抽出装置およびインフューザの構造の一例である。
【
図9】
図1に示す飲料抽出装置のベースマグネットの構造等の断面図の一例である。
【
図10】
図1に示す飲料抽出装置の断面図の一例である。
【
図11】第2実施形態に係る飲料抽出装置の斜視図である。
【
図16】
図11に示すインフューザに茶葉をセットする様子を示す斜視図である。
【
図17】
図11に示すインフューザを回転させて茶葉を抽出する状態を示す図である。
【
図18】第2実施形態における制御部による飲料抽出装置の動作としての抽出ルーチンを示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
<第1実施形態>
以下、
図1から
図10を参照して本発明の第1実施形態に係る飲料抽出装置、飲料抽出装置の制御方法、飲料抽出装置の制御プログラム、および記憶媒体について詳細に説明する。また、本実施例において、上側とは鉛直方向における上側であり、下側とは鉛直方向における下側である。
(飲料抽出装置の構成)
【0023】
先ず、
図1を用いて、飲料抽出装置1の構成を説明する。
図1は、本実施形態における飲料抽出装置1の構成を示す概略図である。
【0024】
図1に示される通り、飲料抽出装置1は、ボトル部10、ボトル部10を覆うことが可能な蓋部20、ボトル部10が設置されるベース部30、およびボトル部10内に没入されるインフューザ40を含む。
【0025】
ここで飲料抽出装置1が抽出可能な飲料としては、お茶やコーヒーが抽出元として挙げられる。しかし、本発明は、お茶やコーヒーに限定されるものではない。そして、抽出先としての溶媒も通常は水であるが、飲料として使用可能な液体であれば特に限定されるものではない。なお、本実施形態では、抽出元としてお茶と抽出先として水の場合について例示する。
【0026】
ボトル部10は、円筒型のボトルであり、開口部として上側の面が空いており、そこから水を供給することができ、内部に水等の液体を保持することができる。ボトル部10の大きさは任意であり、一人用の小さいサイズでもよく、食卓にて使用される大きいサイズでもよい。ボトル部10は、一人用の小さいサイズの場合、お茶の抽出中にはティーポットの役割を果たし、お茶の抽出後にはティーカップ(グラス)として使用される。そのため、ボトル部の最上部は、飲み口として適したつば形状に形成されている。なお、ボトル部の最上部には、注ぎ口が形成されていてもよい。
【0027】
抽出後のお茶は、通常高温であり、このお茶の温度を保温する目的で蓋部20によってこの上面側を覆うことが可能である。この蓋部20は、お茶の抽出中に閉じられている必要はなく、水の中の塩素等の成分の除去のため空けられたまま使用されてもよい。
【0028】
ボトル部10の内側底面(下側面)は、インフューザ40が嵌合するよう器型形状となっている。これは、インフューザ40が多方向に回転し易くするためである。ボトル部10の底面のカーブ形状は、インフューザ40の外形のカーブ形状よりも緩やかでもよい(
図1参照)。ボトル部10の底面のカーブ形状をインフューザ40の外形のカーブ形状よりも緩やかにすることで、ボトル部10の底面とインフューザ40との間に隙間が形成され、ボトル部10内の水とインフューザ40内の茶葉とが接触し易くしたり、水の対流を起こし易くしたりすることができる。もしくは、ボトル部10の底面のカーブ形状をインフューザ40の外形のカーブ形状と略同等とすることで、ボトル部10内の水とインフューザ40内の茶葉との接触を抑制することもできる。
【0029】
ベース部30は、電源部31、電源部によって駆動されるベースマグネット32、電源部によって加熱されるヒータ33、ヒータ33によって過熱されるボトル部10内の水温を検出する温度センサ34、制御部35、および記憶部36をベース部30内に備える。
【0030】
ベース部30は、例えば、
図8に示すような、ボトル部10が設置された際に転倒しないよう保持する保持機構30aを備える。保持機構30aは、ボトル部10の底面に形成された凸部を嵌合できるような形状に形成されていればよい。
【0031】
電源部31は、外部からの交流電流を適宜変圧してベースマグネット32やヒータ33等に供給する。この電源部は、外部電源から提供される形式でもよく、予め電力を蓄えた電池でもよい。
図1では、電池である場合を示している。この電源部31を電池とすることで毎回飲料抽出装置を外部電源に接続する手間が省ける。飲料抽出装置に電池が組み込まれている場合、この電池は一次電池であってもよく二次電池であってもよい。最近では、PC(パーソナルコンピュータ)等に設けられたUSB差込口から充電を行うことも可能であり、二次電池が好ましい。なお、二次電池として、無線による電力供給が可能なものでもよい。
【0032】
ベースマグネット32は、電源部31から供給された電力を用いて回転されたモータ55(
図10参照)によって回転駆動され、ベース部30内に保持されている。ベースマグネット32は、永久磁石でもよく、電磁石でもよい。本実施形態では、電磁石の場合について説明を行う。
【0033】
ヒータ33は、ボトル部10に近接され、ボトル部10内の水を加熱する。また、ヒータ33は、電源部31から供給された電力によって発熱する。
【0034】
温度センサ34は、ボトル部10の水温を検出するためのセンサであり、ボトル部10の温度を代用するため検地してもよく、ボトル部10内の水温を直接検出してもよい。この温度センサ34によって、ボトル部10の異常な温度上昇(空焚き等)を検出することもでき、温度センサ34は、安全装置として機能することもできる。
【0035】
制御部35は、電源部31によって駆動されており、温度センサ34からの情報や後述するユーザからの入力情報を元にベースマグネット32またはベースマグネット32を回転駆動させるモータ55やヒータ33を制御する。ここで制御部35は、ベースマグネット32を単に回転駆動する制御およびベースマグネット32の磁極を制御することでインフューザ40の上下を反転する制御を行うことが可能である。制御部35は、記憶部36に記憶された一または複数個のプロセッサおよびその周辺回路を備える。制御部35は、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。制御部35は、記憶部36に記憶されているプログラムをユーザからの入力情報を元に適切な手順で実行して、ベースマグネット32やヒータ33を制御する。なお、ベースマグネット32の磁極を制御する制御部35が本発明の制御手段に相当することができる。すなわち、制御部35は、インフューザ40の内部とボトル部10内の水との流出入を許容または遮断するために、ベースマグネット32の磁極を制御する。なお、本発明において「磁極の制御」とは、ベースマグネット32に電流を流す処理、または電流の向きを反転すること、および磁極の位置を変化させることを意味する。
【0036】
また、ベースマグネット32が永久磁石である場合、制御部35は、ベースマグネット32自体を反転させることでインフューザ40に対向するベースマグネット32の磁極が反転される制御を行う。本実施形態では、制御部35が適切なプログラムを実行することでベースマグネットの磁極を制御しているが、機械的な機構によってベースマグネット32の磁極が反転される制御を行ってもよいし、機械的な機構によって、ベースマグネット32の磁極の位置を変化させてもよい。
【0037】
本実施形態において、制御部35や記憶部36は、ベース部30の内部に配置されているが、制御部35や記憶部36がベース部30の外部に配置されていてもよい。例えば、ユーザの端末内のアプリケーションプログラムが制御部として飲料抽出装置1を制御してもよく、サーバ内のアプリケーションプログラムによって生成された処理信号をユーザの端末経由または直接、飲料抽出装置1に送信することで飲料抽出装置1を制御してもよい。更に、制御部35は、一箇所にまとまっている必要はないため、複数個所に分割されていてもよい。例えば、部分的にベース部30に存在し、部分的にユーザの端末に存在してもよい。ここでユーザの端末とは、ユーザにより使用される端末であり、例えばスマートフォン、携帯電話、タブレットPC(Personal Computer)、ノートブックPC、デスクトップPC等である。
【0038】
記憶部36は、例えば、半導体メモリ、磁気ディスク装置、または光ディスク装置のうちの少なくともいずれか一つを備える。記憶部36は、制御部35での処理に用いられるオペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム、データ等を記憶する。
【0039】
図2は、本実施形態に係るインフューザ40の斜視図である。インフューザ40は、
図2に示される通り、ヒンジ部41、ロック部42、球体の一方の半分の外面(以降、第1の外面)43、複数の孔部44、球体の他方の半分の外面(以降、第2の外面)45、およびインフューザマグネット46を有する。なお、
図2を用いて、インフューザ40を説明するが、本実施形態は
図6に示すインフューザであってもよい。また、
図9に示すようにインフューザマグネット46および49は第1の外面および第2の外面それぞれについている構成であってもよい。
【0040】
インフューザ40は、
図2に示される通り、球体形状を有する。インフューザ40の形状は、球体に限定される必要はなく、箱体であってもよい。インフューザ40は、
図7に示すように、開口部よりボトル部10に没入され、水または加温された水と接触してお茶が抽出される。また、インフューザ40は、口部茶葉を内側に封入することが可能な中空構造を有し、ユーザの好みによって様々な茶葉や茶葉の組み合わせが封入される。例えば、
図6(A)のように、インフューザ40の第1の外面と第2の外面とを螺旋状の溝を設けて、開封および結合を可能とする。また、
図2に示すように、茶葉を封入するためにインフューザ40を開封するための機構として、ヒンジ部41およびロック部42を有するものであってもよい。この機構は、ヒンジ部41およびロック部42に限定されず、球体の一方の半分と球体の他方の半分とが完全に分離し、分離した断面部にネジ式のロック機構を設けてもよい。
【0041】
インフューザ40は、第1の外面43がインフューザ40の内部とボトル部10内との液体の流出入を許容するための複数の孔部44を有しており、第2の外面45が凸凹や孔を有さない面からなっている。インフューザ40は、内部とボトル部10内との液体の流出入を許容する際には第1の外面が上側に向けられ、内部とボトル部10内との液体の流出入を遮断する際には第2の外面が上側に向けられる。また、
図6に示すようなインフューザ40の場合、第1の外面43がインフューザ40の内部とボトル部10内との液体の流出入を許容するための複数の孔部44を有しており、第2の外面45に孔48を有していてもよい。
【0042】
本実施形態では、第1の外面43および第2の外面45の割合を半分としたが、この割合は適宜変更可能である。例えば、茶葉の種類に応じてこの割合を変更したり、抽出条件に応じて変更したりすることが可能である。更に孔部44の形状は、本実施形態において
図2に示される通り、縦長としたが、この形状も任意であり、茶葉の種類に応じて変更してもよい。また、孔部44は、細かい茶葉が水に混入しないよう、メッシュを有してもよい。
【0043】
インフューザ40は、更にインフューザマグネット46を第1の外面43側の内部に備えており、ベース部30のベースマグネット32の回転駆動に伴って回転駆動される。ここでは、インフューザマグネット46は、永久磁石からなり、第1の外面の中央部付近に配置される。その際、インフューザマグネット46は、上側に一方の磁極が配置され、下側に他方の磁極が配置されるように、インフューザ40内に配置される。この構成によって、インフューザマグネット46が第1の外面の中央部付近にのみ配置されているため、ベースマグネット32が磁力を発生していない場合であれば、インフューザ40の第1の外面側が重力によって下側になる。そして、ベースマグネット32に磁力が発生した際に、インフューザマグネット46の上下位置が反転して、インフューザ40自体の上下方向が反転する。すなわち、制御部35は、インフューザ40の内部とボトル部10内との液体の流出入を許容する際にのみにベースマグネット32に磁極を発生させればよい。また、
図9に示すように、インフューザマグネットが第1の外面および第2の外面それぞれに配置されることで、上下位置の反転を繰り返すこともできる。
【0044】
更にインフューザ40は、複数の孔部44を閉じることでインフューザ40の内部とボトル部10内の水との流出入を遮断する遮断機構47を有する。この遮断機構47は、第1の外面側が下向きになった際に重力で閉じられるような機構となっており、第1の外面側が上向きになった際には、インフューザ40の内部とボトル部10内の水との流出入が許容される。
図2では、孔部44のインフューザ40の内部側に孔部44より若干大きい板状の蓋を第2の外面45側で回転可能に支持することによって遮断機構47が実現されている。
(飲料抽出装置の動作)
【0045】
図3は、本実施形態に係る制御部35による飲料抽出装置1の動作としての抽出ルーチンを示すフロー図である。まずS1にて制御部35は、ユーザから希望の抽出条件の受信を待ち受ける。ユーザは、ベース部30に備えられた操作部(図示しない)を使用して、抽出条件を入力してもよく、ユーザ自身の保有するユーザ端末を用いて抽出条件を入力してもよい。抽出条件には、抽出時間、抽出温度、および抽出物理量が含まれる。本抽出ルーチンは、ユーザからの抽出条件が受信された時点で開始される。制御部35は、ユーザからの希望の抽出条件の入力がなされるまでS1の処理を繰り返す(S1がNO)。
【0046】
ユーザからの希望の抽出条件が受信されると(S1がYES)続くS2にて、制御部35は、ボトル部10内の水をS1で受信した抽出条件に含まれる抽出温度となるようにヒータ33を用いて加温を開始する。制御部35は、S3では温度センサ34を用いて、ボトル部10内の水温が抽出条件に満たされるまでヒータ33をON状態に保つ。すなわち、制御部35は、水温が抽出条件に満たされるまでS3の処理を繰り返す(S3がNO)。そして、水温が抽出条件に含まれる抽出温度に達した場合(S3がYES)に、制御部35は、S4にて水温を抽出条件に含まれる抽出温度に保つよう、ヒータ33を制御して保温制御を行う。具体的には、制御部35は、本抽出ルーチンとは別に存在する一般的な保温制御ルーチンを実行するための開始信号を生成し送信する。
【0047】
続くS5では、ベースマグネット32の電源が制御部35によって入れられる。ベースマグネット32の電源が入れられることで、ベースマグネット32は磁力を発生して、第2の外面側45が下側となるよう電流が制御される。すなわち、制御部35は、インフューザ40の内部とボトル部10内の水との流出入を許容する際にベースマグネット32に磁力を発生させる。更にS5で制御部35は、ベースマグネット32の回転駆動を開始する。更に、制御部35は、抽出物理量としてのベースマグネット32の回転速度を制御する。抽出物理量は、ベースマグネット32の回転速度以外にもベースマグネット32の回転位置の制御やベースマグネット32への電力供給の強弱等、特に限定されるものではない。本実施形態において、抽出物理量は、回転速度であり、制御部35がベースマグネット32に送電する電圧の強弱で調整される。また、制御部35は、S4とS5とを同時に行う処理とすることもできる。
【0048】
なお、ベースマグネット32は、抽出条件が入力された時点で電流が供給されていてもよい。この場合、制御部35は、ベースマグネット32がインフューザ40の第1の外面側43が確実に下側を向くよう磁力を発生するようベースマグネット32への電力供給の方向を制御することができる。更に、制御部35は、抽出条件が入力された時点でベースマグネット32の回転駆動を開始してもよい。これによって、ボトル部10の水温が一定になるように攪拌することができる。
【0049】
続くS6で、制御部35は、ユーザにより入力された抽出条件に含まれる抽出時間がS4から現時点までで経過したかを計測する。制御部35は、抽出条件に含まれる抽出時間が経過するまでS6の処理を繰り返す(S6がNO)。制御部35は、抽出条件に含まれる抽出時間が経過した際に(S6がYES)S7の処理を実行する。
【0050】
S7で制御部35は、ベースマグネット32への通電を停止し、ベースマグネット32の回転駆動も停止する。茶葉は、水と接触が続くことで苦味等の成分が抽出されるため、S7においてベースマグネット32の回転駆動を停止し、ベースマグネット32の磁極を反転してもよい。これによって、再度第1の外面43が下側に位置することで、茶葉と水との接触を遮断することができる。更に、S7において、ベースマグネット32の磁極を反転のみを行い、ベースマグネット32の回転駆動のみを継続することもできる。これによって、抽出された飲料の攪拌を継続することができる。
【0051】
そして、処理はS8に移され、制御部35は、ユーザがS3でボトル部10内の水温を保温している処理を停止するか否かを検知する。すなわち、ユーザによって、抽出後の飲料を飲み終えたか、他の容器に移される処理が完了したことによって、飲料抽出装置が停止される。ユーザが保温処理を停止するまでS8の処理は繰り返される(S8がNO)。そして、制御部35は、ユーザが保温処理を停止した際に(S8がYES)本抽出ルーチンを終了する。具体的に、制御部35は、本抽出ルーチンとは別に存在する保温制御ルーチンを停止する信号を生成し送信する。
(飲料抽出装置の制御方法)
【0052】
次にユーザによる抽出条件の飲料抽出装置の制御方法について説明する。本実施形態では、制御部35および記憶部36がベース部30内に配置されている構成を例示しているが、制御部35および記憶部36は、ユーザ端末や外部のサーバ等によって実現されてもよい。また、操作部(図示しない)についてもベース部30に配置されている構成を例示しているが、操作部は、ユーザ保有するユーザ端末であってもよい。ユーザ端末を制御部35や操作部とする場合、ユーザ端末と飲料抽出装置1がBluetooth(登録商標)等のNFC(Near Field Communication)によって通信することで、ユーザ端末と飲料抽出装置1を確実にペアリングすることが可能となる。
【0053】
図4は、本実施形態に係る制御部35による飲料抽出装置1の制御ルーチンを示すフロー図である。まず、S11にて、制御部35は、ユーザから茶葉の種類や必要に応じて抽出補助条件の受信を待機する。ユーザは、操作部を用いて茶葉の種類や必要に応じて抽出補助条件を入力する。制御部35は、ユーザから抽出補助条件の入力がなされるまでS11の処理を繰り返す(S11がNO)。
【0054】
そして、ユーザから抽出補助条件が受信されると(S11がYES)制御部35は、S12にて入力された茶葉の種類について最適な抽出時間、抽出温度、および抽出物理量を少なくとも含む抽出条件を記憶部36より取得する。
【0055】
図5は、記憶部36に記憶される複数の茶葉の最適な抽出条件のデータ構造の一例である。
図5に示される通り、記憶部36は、複数の茶葉の最適な抽出条件として、個々の茶葉に最適な抽出時間、抽出温度、および抽出物理量を記憶している。ここでも抽出物理量とは、充填されるインフューザ40の回転数または回転速度であってもよい。
図5に示す例では、1分間の回転数としてrpmが用いられている。更に記憶部は、複数の茶葉の各々について、抽出補助条件も記憶している。抽出補助条件とは、個々の茶葉について酸味、アロマ、甘い、苦い等を得たり、緩和したりするための補助的な抽出条件である。
【0056】
S13にて、制御部35は、抽出された抽出条件を用いて、最適な抽出条件を算出する。また、記憶部36は、ユーザが今まで抽出してきた抽出条件や抽出補助条件を蓄積することができ、制御部35は、ユーザの嗜好に合わせて抽出条件や抽出補助条件を茶葉に応じて制御部35にて算出することができる。記憶部36がインターネット回線で接続されたサーバ等である場合は、様々なユーザの抽出条件を蓄積することもできるため、制御部35は、巨大なデータベースを用いて茶葉やユーザに最適な抽出条件を算出することもできる。
【0057】
また、ユーザは、ユーザの好みに合う複数の茶葉を組み合わせて飲料を抽出することもできる。所謂ブレンドティーである。飲料抽出装置1は、複数の茶葉の組み合わせに応じた抽出条件や抽出補助条件を算出することもできる。具体的には、ユーザは、個々の茶葉が各々何割ずつ含まれているかを、操作部を通じて制御部35に入力する。そして、制御部は、複数の茶葉の組み合わせに応じた抽出条件や抽出補助条件を算出することができる。本実施形態において、抽出条件や抽出補助条件を算出するのは、制御部35であり、飲料抽出装置1の制御を行うのも制御部35であるが、これらの動作を複数の制御部で行う場合、一の制御部で算出された抽出条件や抽出補助条件を他の制御部に送信することで実現可能である。なお、操作部を介して、各ユーザが、お勧めのブレンドティーを例えばSNS等に投稿できてもよい。
【0058】
茶葉によって、抽出温度、抽出時間、および抽出物理量が過度になることで苦味等の成分が抽出されてしまうことがある。制御部35は、複数の茶葉の組み合わせをユーザが入力した場合に、記憶部36から抽出された個々の茶葉における抽出条件のうち最短の抽出時間、最低の抽出温度、および最小の抽出物理量を最適な抽出条件として算出する。一方、複数の茶葉の有効成分を全て抽出したい場合、制御部35は、記憶部36から抽出された個々の茶葉における抽出条件のうち最大の抽出時間、最大の抽出温度、および最大の抽出物理量を最適な抽出条件として算出する。
【0059】
また、茶葉の組み合わせによっては、飲み合わせが悪く、ユーザに腹痛等をもたらす可能性がある。そこで、記憶部36は、茶葉の悪い飲み合わせについて記憶しておくことができ、仮にユーザが飲み合わせの悪い複数の茶葉を選択した際に、ユーザに警告することが可能である。
【0060】
続くS14で、制御部35は、算出された最適な抽出条件を飲料抽出装置1に送信して、飲料抽出装置1は、飲料の抽出を開始する。
【0061】
続くS15で、制御部35は、茶葉から抽出処理が完了したか否かを判断する。制御部35は、茶葉から抽出処理が完了するまでS15の処理を繰り返す(S15がNO)。そして、茶葉から抽出処理が完了した際には(S15がYES)、茶葉から抽出処理が完了したことをユーザに報知する(S16)。制御部35は、S16が完了すると本制御ルーチンを終了する。
【0062】
なお、本実施形態で説明した制御部を構成する機能を実現するためのプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、当該記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、本実施形態の上述した種々の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0063】
(第1変形例)
上記実施形態では、インフューザ40が、一つのインフューザマグネット46を内部に備えていたが、第1の外面の中央部付近に一つのインフューザマグネット、第2の外面の中央部付近に一つのインフューザマグネットを配置することもできる。この構成によって、インフューザ40の重心を中心に寄せることができ、ベースマグネット32の磁極の反転時に、インフューザ40がスムーズに反転される。この場合、2つの磁石の上側が同一の磁極となるように2つの磁石を配置される必要がある。
【0064】
この際に、制御部35は、S2にてベースマグネット32に磁力を発生させて、インフューザ40の内部とボトル部10内の水との流出入を許容する際に、インフューザ40に対向する位置のベースマグネット32の磁極を第1極に設定する。そして、制御部35は、S5にてインフューザ40の内部とボトル部10内との液体の流出入を許容する際にインフューザ40に対向する位置のベースマグネット32の磁極を第2極に設定する。
【0065】
(第2変形例)
上記本実施形態および第1変形例では、第1の外面の中央部付近および/または第1の外面の中央部付近にインフューザマグネット46を配置したが、インフューザ40が上下方向に配置されている際の側面に棒状のインフューザマグネットを1つまたは複数配置することもできる。棒状のインフューザマグネットは、上側が一の磁極となり、下側が他の磁極となるように配置される。この場合の制御部35の処理は、上記第1変形例と同様であるため、説明は割愛する。
【0066】
以上説明したように、本実施形態に係る飲料抽出装置1によれば、液体としての水の温度が抽出に適した温度に達すると、ベースマグネット32の磁極が制御されてインフューザ40の上下位置が反転されて、飲料の抽出が開始される。よって、簡素な構成によって飲料抽出装置1を実現することができる。
【0067】
また、例えばボトル部10内の上下方向の位置により、茶葉から抽出された液体に濃度の違いが出た場合であっても、インフューザ40の上下が反転することで、ボトル部10内の液体を上下方向に攪拌することができる。これにより、飲料抽出装置1の機能を向上することができる。
【0068】
また、インフューザ40が略球体であり、ボトル部10の内側底面が、インフューザ40が嵌合するよう器型形状となっているので、ボトル部10の底面とインフューザ40の球面が一致するため、インフューザ40が回転し易くなる。
【0069】
また、制御手段が、インフューザ40の内部とボトル部10内との液体の流出入を許容する際に第1の外面43が上側を向くようにベースマグネット32の磁極を制御するので、ベースマグネット32の磁極を制御することだけで、飲料の抽出を開始することができるため、大掛かりな装置でもなく、また省電力で飲料の抽出を行うことができる。
【0070】
また、インフューザ40が、孔部44が下側を向いた際にインフューザ40の内部とボトル部10内との液体の流出入を遮断する遮断機構47を有しているので、インフューザ40の孔部44が下側を向いた際に確実にインフューザ40の内部とボトル部10内との液体の流出入を遮断できる。このため、飲料の抽出開始までインフューザ40の内部を乾燥した状態で保つことができる。
【0071】
また、インフューザ40が、第1の外面43側のみにインフューザマグネット46を備えている場合には、片側のみにインフューザマグネット46を設けることで、インフューザ40自体の重量やコストを下げることができる。
【0072】
また、制御手段が、インフューザ40の内部とボトル部10内との液体の流出入を許容する際のみにベースマグネット32の磁極を制御する場合には、重力によって第1の外面43側が下側を向くため、ベースマグネット32の制御を行わなくとも、抽出開始までインフューザ40の内部とボトル部10内との液体の流出入が許容されない。
【0073】
また、制御手段が、インフューザ40の内部とボトル部10内との液体の流出入を許容する際に電磁石に磁力を発生させるので、インフューザ40の内部とボトル部10内との液体の流出入を許容する際のみに電力を使用するため、飲料の抽出にかかる電力使用料を抑えることができる。
【0074】
また、インフューザ40が、第1の外面43側および第2の外面45にインフューザマグネット46を備え、インフューザマグネット46が、それぞれの上側が一の磁極となるように配置されている。このため、インフューザマグネット46による重心がインフューザ40の中央に寄ることで、インフューザ40の上下回転がスムーズになる。
【0075】
また、制御手段が、インフューザ40の内部とボトル部10内との液体の流出入を許容する際に第1の外面43が上側を向くようにベースマグネット32の磁極を制御するとともに、インフューザ40の内部とボトル部10内との液体の流出入を遮断する際に第2の外面45が上側を向くようにベースマグネット32の磁極を制御する。このため、ベースマグネット32の磁極を適切に制御することで、インフューザ40の内部とボトル部10内との液体の流出入を遮断しながら、インフューザ40を回転させることができるので、ボトル部10内の液体を攪拌することができる。
【0076】
また、インフューザ40が、当該インフューザ40が上下方向に配置されている際の側面に棒状の永久磁石をインフューザマグネット46として備えているので、インフューザマグネット46による重心がインフューザ40の中央に寄るため、インフューザ40の上下回転がスムーズになる。
【0077】
また、制御手段が、インフューザ40の内部とボトル部10内との液体の流出入を許容する際に、インフューザ40に対向する位置のベースマグネット32の磁極を第1極に設定し、インフューザ40の内部とボトル部10内との液体の流出入を遮断する際にインフューザ40に対向する位置のベースマグネット32の磁極を第2極に設定する。
このため、ベースマグネット32の磁極を制御するだけで、インフューザ40の上下方向を制御できるため、簡単にインフューザ40の内部とボトル部10内との液体の流出入を許容したり、遮断したりすることができる。
【0078】
また、本発明に係る飲料抽出装置1の制御方法は、ユーザが入力した内容物を受信する受信ステップと、内容物に最適な抽出時間、抽出温度、および抽出物理量を少なくとも含む抽出条件を記憶部36より取得する取得ステップと、取得された抽出条件を、抽出装置を制御する制御部35に送信する送信ステップと、内容物から抽出処理が完了したことをユーザに報知する報知ステップと、を備えている。
【0079】
この場合には、ユーザが入力した内容物に最適な抽出条件を記憶部36から取得するため、様々な内容物に最適な抽出条件を飲料抽出装置1として実現できる。
【0080】
また、抽出物理量は、抽出装置が備える内容物を充填されるインフューザ40の回転数または回転速度である。
【0081】
この場合には、内容物に応じてじっくり抽出行程を行うか、迅速に行うかを設定できるため、最適な抽出条件で飲料が抽出できる。
【0082】
また、受信ステップにおいて、ユーザから複数種類の内容物を受信した場合に、取得ステップは、複数種類の内容物の個々の種類の内容物の各々に最適な抽出時間、抽出温度、および抽出物理量を少なくとも含む抽出条件を記憶部36より取得してもよく、抽出された個々の抽出条件からユーザから受信した複数種類の内容物に最適な抽出時間、抽出温度、および抽出物理量を含む最適な抽出条件として算出する算出ステップを更に備えている。
【0083】
この場合には、ユーザによって入力されたオリジナルブレンドに対応する最適な抽出条件を、記憶部36を参酌して算出できるため、ユーザは、手間をかけずにオリジナルブレンドを抽出した飲料を得ることができる。
【0084】
また、算出ステップは、個々の種類の内容物のうち最短の抽出時間、最低の抽出温度、および最小の抽出物理量を最適な抽出条件として算出する。
【0085】
この場合には、算出部は、簡易な算出方法によって、オリジナルブレンドに対応する適切な抽出条件を算出することができる。
【0086】
また、算出ステップにおいて、複数種類の内容物に含まれる個々の種類の内容物同士の飲み合わせが悪いことが算出された場合にユーザに警告する警告ステップを更に備えている。
【0087】
この場合には、ユーザにとって影響のありそうなオリジナルブレンドの抽出を抑制でき、または、抽出された飲料を飲んでしまうことを抑制できる。
【0088】
また、受信ステップは、ユーザからユーザの嗜好情報を併せて受信してもよく、算出ステップは、ユーザの嗜好情報に応じた抽出条件を算出してもよい。
【0089】
また、ユーザの嗜好情報に基づいてユーザにとって最適な抽出条件を算出できるため、ユーザが細かい抽出条件を設定しなくてもユーザにとって最適な飲料を抽出できる。
【0090】
また、本発明に係る飲料抽出装置1の制御プログラムは、コンピュータに、ユーザが入力した内容物を受信する受信機能と、内容物に最適な抽出時間、抽出温度、および抽出物理量を少なくとも含む抽出条件を記憶部36より取得する取得機能と、取得された抽出条件を、抽出装置を制御する制御部35に送信する送信機能と、内容物から抽出処理が完了したことをユーザに報知する報知機能と、を実現させる。
【0091】
この場合には、ユーザが入力した内容物に最適な抽出条件を記憶部36から取得するため、様々な内容物に最適な抽出条件を飲料抽出装置1として実現できる。
【0092】
また、本発明にかかる一態様の記憶媒体は、上記態様にかかる飲料抽出装置1の制御プログラムを格納している。
【0093】
<第2実施形態>
以下、
図11から
図18を参照して、本発明の第2実施形態に係る飲料抽出装置2について説明する。
なお、この説明において、第1実施形態と同様の構成および制御方法についてはその説明を省略する。また、第1実施形態と同様の効果についても、その説明を省略する。
【0094】
図11は、第2実施形態に係る飲料抽出装置2の斜視図である。
図12は、飲料抽出装置2の分解斜視図である。
図13は、飲料抽出装置2の縦断面図である。
図11から
図13に示すように、本実施形態に係る飲料抽出装置2は、上側に位置する開口部から、内部に供給された液体を保持可能なボトル部110と、ボトル部110の開口部を覆う蓋部120と、ボトル部110が設置され、内部にベースマグネット133を回転可能に保持するベース部130と、を備えている。
【0095】
図12に示すように、ボトル部110は円筒状をなすとともに、液体を保持可能なボトル本体111と、ボトル本体111から径方向の外側に向けて張り出したボトルハンドル112と、を備えている。
ここで、ボトル本体111の中心軸線Oは上下方向に延びている。以下の説明において、上面視でボトル本体111の中心軸線Oと直交する方向を径方向といい、中心軸線O回りに周回する方向を周方向という。
【0096】
ボトル本体111の外周壁は、例えばガラス等の内部を視認可能な透光性を備えた材料により形成されている。このため、ボトル本体111の内容物の量を外部から視認することができる。
図13に示すように、ボトル本体111の上端部には、注ぎ口が形成されている。ボトル本体111の上面は、蓋部120で覆うことが可能となっている。蓋部120は、円板状をなす蓋部本体121と、蓋部本体121から径方向の外側に向けて張り出した蓋ハンドル122と、を備えている。
【0097】
図12に示すように、蓋部本体121の上面には、ボトル本体111に装着された蓋部本体121を、ボトル本体111から取り外す際に操作される操作部123が設けられている。また、蓋部本体121は、インフューザ140を回転可能に保持する保持部124を備えている。蓋部本体121の下面に、保持部124が固定されている。
【0098】
図13に示すように、保持部124は、円弧状を呈している。保持部124における円弧に沿った両端部には、後述するインフューザ140の回転軸141が挿入される挿入孔125が一対形成されている。挿入孔125は、保持部124を径方向に貫いている。
保持部124における円弧に沿った一端部には、挿入孔125の内側から外部に向けて開口された挿入口126が形成されている。
【0099】
蓋ハンドル122は、蓋部本体121から径方向の外側に向けて突出する連結部127と、連結部127における径方向の外端部から、下方に向けて延びる把持部128と、を備えている。
把持部128の上下方向の大きさは、ボトル本体111の上下方向の大きさよりも小さくなっている。
【0100】
ベース部130は、ボトル部110が設置されるベース部本体131と、ベース部本体131の外縁部に立設されたアーム部132と、を備えている。
ベース部本体131には、電源部によって加熱されるヒータ33、ヒータ33によって過熱されるボトル部110内の水温を検出する温度センサ34、制御部(制御手段)35、および記憶部36が内蔵されている。
【0101】
図13に示すように、ベース部130は、ベースマグネット133を回転可能に保持している。ベース部130におけるアーム部132の内部に、ベースマグネット133と、ベースマグネット133を回転させるモータ55と、が配置されている。モータ55の駆動軸55Aは水平方向に延びている。
【0102】
本実施形態では、ベースマグネット133には、一対の永久磁石が採用されている。一対のベースマグネット133は、それぞれの磁極の向きを互いに異ならせた状態で、上下方向に互いに隣り合うように配置されている。
そして、モータ55の駆動軸55Aが回転すると、一対の永久磁石は、互いの上下方向の位置を変更するように、駆動軸55A回りに回転する。
【0103】
図14は、飲料抽出装置2の6面図である。
図14に示すように、アーム部132は、ベース部本体131の外縁部のうち、上面視でボトル本体111を径方向に挟むボトルハンドル112の反対側に配置されている。蓋ハンドル122は、ボトルハンドル112と周方向の位置が一致し、かつ互いに上下方向に重なっている。
【0104】
図13に示すように、インフューザ140は、略球体であるとともに、その外面に水平方向に延びて互いに同軸をなす一対の回転軸141が形成されている。回転軸141は、蓋部120に固定された保持部124により、回転可能に保持されている。
インフューザマグネット146は、一対の回転軸141のうちのいずれか一方における先端部に配置されている。本実施形態では、インフューザマグネット146には、一対の永久磁石が採用されている。
【0105】
インフューザ140の一方の回転軸141における先端部には、マグネットケース142が連結されている。マグネットケース142は、上下方向に延びる長円形状を呈している。マグネットケース142の内部に、一対のインフューザマグネット146がそれぞれ配置されている。
【0106】
一対のインフューザマグネット146は、それぞれの磁極の向きを互いに異ならせた状態で、上下方向に互いに隣り合うように配置されている。このように、一対のインフューザマグネット146におけるそれぞれの磁極の向きを互いに異ならせていることで、一対のインフューザマグネット146の初期位相を容易に特定することができる。
なお、このような初期位相の特定機能を求めないのであれば、一対のインフューザマグネット146を、それぞれの磁極の向きを一致させた状態で、上下方向に互いに隣り合うように配置してもよい。
【0107】
一対のインフューザマグネット146は、一対のベースマグネット133を水平方向に間隔をあけて対向している。図示の例では、一対のインフューザマグネット146および一対のベースマグネット133は、ボトル本体111の外周壁およびアーム部132の外壁を介して、水平方向に隣り合う位置に配置されている。
【0108】
一対のインフューザマグネット146、および一対のベースマグネット133のうち、水平方向に互いに対向するもの同士には、互いの磁力により引力が作用している。
このため、ベースマグネット133がモータ55の駆動軸55A回りに回転すると、インフューザマグネット146が、ベースマグネット133と同期して、駆動軸55A回りに回転する。これにより、インフューザ140の上下が反転する。
【0109】
図15は、インフューザ140の6面図である。
図15に示すように、本実施形態におけるインフューザ140の第1の外面143には、メッシュ状の複数の孔部144が形成されている。複数の孔部144は、第1の外面143における頂部を除く全域にわたって形成されている。
【0110】
図12に示すように、インフューザ140はまた、インフューザ140の内部のうち、第1の外面143の内側と、第2の外面145の内側と、を区切るメッシュ状の中皿147を備えている。
中皿147は、平面視で円形状をなし、全域にわたってメッシュが形成されている。このため、中皿147は、茶葉が中皿147を通過するのを規制する一方、液体が中皿147を通過するのを許容する。
インフューザ140の第2の外面145における底部には、貫通孔148が形成されている。このため、貫通孔148から第2の外面145の内側に、液体の流入が可能となっている(
図17(a)参照)。
【0111】
制御部35は、インフューザ140の内部とボトル部110内との液体の流出入を許容する際に、第1の外面143が下側を向くようにベースマグネット133の磁極を制御する。本実施形態では、制御部35はベースマグネット133の位置を変化させることで、ベースマグネット133の磁極を制御する
この点について、インフューザ140の内部への茶葉の充填と、茶葉の抽出の際のインフューザ140の動作とともに、
図16から
図18を用いて詳述する。
図16は、インフューザ140に茶葉をセットする様子を示す斜視図である。
図17は、インフューザ140を回転させて茶葉を抽出する状態を示す図である。
図18は、第2実施形態における制御部35による飲料抽出装置2の動作としての抽出ルーチンを示すフロー図である。
なお、
図17では、図の見やすさを考慮して、インフューザ140以外の部品の図示を省略している。
【0112】
図16に示すように、インフューザ140の中皿147に茶葉を載置した状態で、第1の外面143と第2の外面145とを装着する。そして、インフューザ140の回転軸141を蓋部120の保持部124に挿入する。
この際、一対の回転軸141のうち、マグネットケース142が連結されていない方を、保持部124の挿入孔125に通した状態で、一対の回転軸141のうち、マグネットケース142が連結されている方を、保持部124の挿入口126から挿入する。
【0113】
これにより、蓋部120がインフューザ140を回転可能に保持する。そして、水を充填したボトル部110に蓋部120を装着する。そして、
図18に示す制御フローのうち、S1からS4の工程を行う。
次に、
図17(a)に示す状態から、S5として、制御部35の制御によりモータ55を駆動させ、インフューザ140を上下に反転させる(
図17(b))。
【0114】
これにより、中皿147の上面から、インフューザ140の第1の外面143の内側に、茶葉が落下して水に浸漬され、茶葉が抽出される。抽出された液体は、孔部144を通過してボトル本体111の全域にいきわたる。
制御部35は、抽出条件に含まれる抽出時間が経過するまでS6の処理を繰り返す(S6がNO)。制御部35は、抽出条件に含まれる抽出時間が経過した際に(S6がYES)S7の処理を実行する。
【0115】
そして、S7では、茶葉の抽出が完了すると、制御部35の制御によりモータ55を更に駆動させ、インフューザ140を更に回転させる(
図17(c))。これにより、茶葉が中皿147の上面に載置された状態となり、抽出が終了する。そして、処理はS8に移される。
【0116】
以上説明したように、本実施形態に係る飲料抽出装置2によれば、ベース部130が、ベース部本体131の外縁部に立設されたアーム部132を備え、ベースマグネット133が、アーム部132の内部に配置されている。
このため、ベースマグネット133を、インフューザ140に対して水平方向に隣り合う位置に配置することが可能になる。そして、ベースマグネット133と水平方向に対向する位置にインフューザマグネット146を配置することで、インフューザ140の直径を大きくしても、インフューザ140の回転の姿勢によらず、インフューザマグネット146とベースマグネット133との間の距離が大きくなるのを抑えることができる。これにより、ベースマグネット133によりインフューザ140を確実に回転させることができる。
【0117】
これにより、ベースマグネット133が、ベース部本体131の内部に配置されている構成と比較して、インフューザ140の直径を大きくすることが可能になり、茶葉を抽出する際に、茶葉が膨らむ空間をインフューザ140内に確保することで、飲料抽出装置2により茶葉の抽出の品質を向上することができる。
また、ベース部本体131の内部にベースマグネット133を配置する構成と比較して、ベースマグネット133の内部に占めるヒータ33の体積を大きく確保することが可能になり、製造実現性を確保することができる。
【0118】
また、球体状のインフューザ140が一対の回転軸141を備え、蓋部120に固定された保持部124により回転軸141が保持されている。このため、蓋部120と同時にインフューザ140をボトル本体111から取り外すことが可能になり、インフューザ140の取扱性を確保することができる。
【0119】
また、例えばインフューザ140を保持する部分をボトル本体111の内部に設ける構成と比較して、ボトル本体111の構造をシンプルにして、ボトル本体111内の空間容積を確保することができる。
また、インフューザ140の外面に回転軸141を形成することで、インフューザ140の外面に凹部を形成する構成と比較して、インフューザ140の成形性を確保することができる。
【0120】
また、インフューザマグネット146が、一対の回転軸141のうちのいずれか一方に配置されている。このため、インフューザマグネット146を、インフューザ140の内部に設ける構成と比較して、ベースマグネット133とインフューザマグネット146との距離を近くすることができる。
これにより、ベースマグネット133とインフューザマグネット146とを用いた、インフューザ140の回転操作を円滑に行うことができる。
【0121】
また、インフューザ140が、第1の外面143と第2の外面145とを備え、制御手段が、インフューザ140の内部とボトル部110内との液体の流出入を許容する際に、第1の外面143が下側を向くようにベースマグネット133の磁極を制御する。
このため、孔部144が形成された第1の外面143が上側を向くときに、インフューザ140の内部とボトル部110内との液体の流出入が遮断されることとなり、第1の外面143を上側に向けることで、茶葉の抽出を停止することができる。
【0122】
また、インフューザ140が、インフューザ140の内部のうち、第1の外面143の内側と、第2の外面145の内側と、を区切る中皿147を備えている。
このため、茶葉がインフューザ140の内部で攪拌されすぎるのを抑え、茶葉の抽出を円滑に行うことができる。
【0123】
また、アーム部132が、ベース部本体131の外縁部のうち、上面視でボトル本体111を径方向に挟むボトルハンドル112の反対側に配置されている。このため、アーム部132と、ボトルハンドル112とが重なるのを抑えるとともに、飲料抽出装置2の見栄えを向上することができる。
【0124】
また、蓋部120の蓋ハンドル122が、ボトルハンドル112と周方向の位置が一致し、かつ互いに上下方向に重なるので、蓋ハンドル122およびボトルハンドル112のかさばりを抑えてコンパクトな構成とすることができる。
【0125】
以上、本発明の実施形態について、図面を参照して説明してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記各実施形態では、ボトル部10,110が円筒状をなす構成を示したが、このような態様に限られない。ボトル部10,110は、例えば角筒状であってもよい。
【0126】
また、上記第2実施形態においては、回転軸141がインフューザ140の外面に形成されている構成を示したが、このような態様に限られない。保持部124における円弧の両端部に、インフューザ140に向けて突出する一対の回転軸141が各別に形成され、インフューザ140の外面に、回転軸141が挿入される挿入凹部が形成されてもよい。
【0127】
また、本発明の趣旨を逸脱しない範囲においての種々の変更も含まれる。また、前述した各実施形態における構成を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0128】
1、2 飲料抽出装置
10、110 ボトル部
20、120 蓋部
30、130 ベース部
32、133 ベースマグネット
40、141 インフューザ
43、143 第1の外面
44、144 孔部
45、145 第2の外面
46、146 インフューザマグネット
47 遮断機構
131 ベース部本体
132 アーム部
147 中皿