(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-09
(45)【発行日】2022-09-20
(54)【発明の名称】保持具
(51)【国際特許分類】
E05C 17/54 20060101AFI20220912BHJP
【FI】
E05C17/54
(21)【出願番号】P 2018124033
(22)【出願日】2018-06-29
【審査請求日】2021-05-11
(73)【特許権者】
【識別番号】390010054
【氏名又は名称】コイト電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096770
【氏名又は名称】四宮 通
(72)【発明者】
【氏名】高城 里香
【審査官】家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-075404(JP,A)
【文献】特開2011-058336(JP,A)
【文献】登録実用新案第3082064(JP,U)
【文献】実開昭61-020872(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05C 1/00-21/02
H05K 5/00- 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体に軸支され所定の軸線回りに回動することにより前記本体の開口部を開閉する開閉体を、所定の開度の状態に保持する保持具であって、
前記軸線の方向の一方側において前記本体と前記所定の開度の状態の前記開閉体との間に取り外し可能に前記軸線の方向の他方側へ向けて挿入される挿入部を備え、
前記挿入部の前記挿入が行われた状態で、前記開閉体の開方向及び閉方向の両方向への、前記挿入部の前記本体に対する相対的な前記軸線回りの回動が規制され、前記開閉体の開方向及び閉方向の両方向への、前記開閉体の前記挿入部に対する相対的な前記軸線回りの回動が規制され、かつ、前記挿入部の前記軸線の方向の前記他方側への移動が規制されるように、構成さ
れ、
前記挿入部の前記挿入が行われた状態で、前記本体及び前記開閉体のうちの少なくとも一方に当接して、前記挿入部が所定の挿入位置から前記軸線の方向の前記他方側へ移動しないように規制する移動規制部を備え、
前記挿入部は、前記挿入部の前記挿入が行われた状態で、前記開閉体の開方向及び閉方向の両方向への、前記挿入部の前記本体に対する相対的な前記軸線回りの回動を規制する第1の回動規制部と、前記挿入部の前記挿入が行われた状態で、前記開閉体の開方向及び閉方向の両方向への、前記開閉体の前記挿入部に対する相対的な前記軸線回りの回動を規制する第2の回動規制部と、を有する、
ことを特徴とする保持具。
【請求項2】
前記第1の回動規制部は第1及び第2の壁面を含み、
前記第1の壁面は、前記挿入部の前記挿入が行われた状態で前記軸線と平行となる第1の平面で形成され、
前記第2の壁面は、前記挿入部の前記挿入が行われた状態で前記軸線と平行となる第2の平面で構成され、
前記第1の平面と前記第2の平面とが180゜よりも小さい角度をなし、
前記挿入部の前記挿入が行われた状態で、前記本体の一部が前記第1の壁面に当接するとともに前記本体の他の一部が前記第2の壁面に当接することによって、前記挿入部の前記挿入が行われた状態で、前記開閉体の開方向及び閉方向の両方向への、前記挿入部の前記本体に対する相対的な前記軸線回りの回動が規制される、
ことを特徴とする請求項
1記載の保持具。
【請求項3】
前記第2の回動規制部は第3及び第4の壁面を含み、
前記第3の壁面は、前記挿入部の前記挿入が行われた状態で前記軸線と平行となる第3の平面で形成され、
前記第4の壁面は、前記挿入部の前記挿入が行われた状態で前記軸線と平行となる第4の平面で構成され、
前記第3の平面と前記第4の平面とが180゜よりも小さい角度をなし、
前記挿入部の前記挿入が行われた状態で、前記開閉体の一部が前記第3の壁面に当接するとともに前記開閉体の他の一部が前記第4の壁面に当接することによって、前記挿入部の前記挿入が行われた状態で、前記開閉体の開方向及び閉方向の両方向への、前記開閉体の前記挿入部に対する相対的な前記軸線回りの回動が規制される、
ことを特徴とする請求項
2記載の保持具。
【請求項4】
前記第2の回動規制部は第3及び第4の壁面を含み、
前記第3の壁面は、前記挿入部の前記挿入が行われた状態で前記軸線と直交する断面内において前記第3の壁面が第3の方向に延びた第3の直線をなしかつ前記断面の前記軸線方向の位置が前記軸線の方向の前記他方側へ行くにつれて当該断面内における前記第3の直線の位置が当該第3の壁面の外側から内側へ向けて連続的又は段階的に変わるようなテーパ状又は階段状に、形成され、
前記第4の壁面は、前記挿入部の前記挿入が行われた状態で前記軸線と直交する断面内において前記第4の壁面が前記第3の方向に対して180゜よりも小さい角度をなす第4の方向に延びた第4の直線をなしかつ前記断面の前記軸線方向の位置が前記軸線の方向の前記他方側へ行くにつれて当該断面内における前記第4の直線の位置が当該第4の壁面の外側から内側へ向けて連続的又は段階的に変わるようなテーパ状又は階段状に、形成され、
前記挿入部の前記挿入が行われた状態で、前記開閉体の一部が前記第3の壁面に当接するとともに前記開閉体の他の一部が前記第4の壁面に当接することによって、前記挿入部の前記挿入が行われた状態で、前記開閉体の開方向及び閉方向の両方向への、前記開閉体の前記挿入部に対する相対的な前記軸線回りの回動が規制され、
前記第3及び第4の壁面が、前記移動規制部の少なくとも一部として機能する、
ことを特徴とする請求項
2記載の保持具。
【請求項5】
前記第1の回動規制部は第1及び第2の壁面を含み、
前記第1の壁面は、前記挿入部の前記挿入が行われた状態で前記軸線と直交する断面内において前記第1の壁面が第1の方向に延びた第1の直線をなしかつ前記断面の前記軸線方向の位置が前記軸線の方向の前記他方側へ行くにつれて当該断面内における前記第1の直線の位置が当該第1の壁面の外側から内側へ向けて連続的又は段階的に変わるようなテーパ状又は階段状に、形成され、
前記第2の壁面は、前記挿入部の前記挿入が行われた状態で前記軸線と直交する断面内において前記第2の壁面が前記第1の方向に対して180゜よりも小さい角度をなす第2の方向に延びた第2の直線をなしかつ前記断面の前記軸線方向の位置が前記軸線の方向の前記他方側へ行くにつれて当該断面内における前記第2の直線の位置が当該第2の壁面の外側から内側へ向けて連続的又は段階的に変わるようなテーパ状又は階段状に、形成され、
前記挿入部の前記挿入が行われた状態で、前記本体の一部が前記第1の壁面に当接するとともに前記本体の他の一部が前記第2の壁面に当接することによって、前記挿入部の前記挿入が行われた状態で、前記開閉体の開方向及び閉方向の両方向への、前記挿入部の前記本体に対する相対的な前記軸線回りの回動が規制され、
前記第1及び第2の壁面が、前記移動規制部の少なくとも一部として機能する、
ことを特徴とする請求項
1記載の保持具。
【請求項6】
前記第2の回動規制部は第3及び第4の壁面を含み、
前記第3の壁面は、前記挿入部の前記挿入が行われた状態で前記軸線と平行となる第3の平面で形成され、
前記第4の壁面は、前記挿入部の前記挿入が行われた状態で前記軸線と平行となる第4の平面で構成され、
前記第3の平面と前記第4の平面とが180゜よりも小さい角度をなし、
前記挿入部の前記挿入が行われた状態で、前記開閉体の一部が前記第3の壁面に当接するとともに前記開閉体の他の一部が前記第4の壁面に当接することによって、前記挿入部の前記挿入が行われた状態で、前記開閉体の開方向及び閉方向の両方向への、前記開閉体の前記挿入部に対する相対的な前記軸線回りの回動が規制される、
ことを特徴とする請求項
5記載の保持具。
【請求項7】
前記第2の回動規制部は第3及び第4の壁面を含み、
前記第3の壁面は、前記挿入部の前記挿入が行われた状態で前記軸線と直交する断面内において前記第3の壁面が第3の方向に延びた第3の直線をなしかつ前記断面の前記軸線方向の位置が前記軸線の方向の前記他方側へ行くにつれて当該断面内における前記第3の直線の位置が当該第3の壁面の外側から内側へ向けて連続的又は段階的に変わるようなテーパ状又は階段状に、形成され、
前記第4の壁面は、前記挿入部の前記挿入が行われた状態で前記軸線と直交する断面内において前記第4の壁面が前記第3の方向に対して180゜よりも小さい角度をなす第4の方向に延びた第4の直線をなしかつ前記断面の前記軸線方向の位置が前記軸線の方向の前記他方側へ行くにつれて当該断面内における前記第4の直線の位置が当該第4の壁面の外側から内側へ向けて連続的又は段階的に変わるようなテーパ状又は階段状に、形成され、
前記挿入部の前記挿入が行われた状態で、前記開閉体の一部が前記第3の壁面に当接するとともに前記開閉体の他の一部が前記第4の壁面に当接することによって、前記挿入部の前記挿入が行われた状態で、前記開閉体の開方向及び閉方向の両方向への、前記開閉体の前記挿入部に対する相対的な前記軸線回りの回動が規制され、
前記第3及び第4の壁面が、前記移動規制部の少なくとも一部として機能する、
ことを特徴とする請求項
5記載の保持具。
【請求項8】
前記挿入部を複数備え、
前記複数の挿入部の各々についての前記所定の開度は互いに異なり、
前記複数の挿入部の各々は、前記軸線の方向の前記一方側において前記本体と当該挿入部についての前記所定の開度の状態の前記開閉体との間に取り外し可能に前記軸線の方向の前記他方側へ向けて選択的に挿入される、
ことを特徴とする請求項1乃至
7のいずれかに記載の保持具。
【請求項9】
本体に軸支され所定の軸線回りに回動することにより前記本体の開口部を開閉する開閉体を、所定の開度の状態に保持する保持具であって、
前記軸線の方向の一方側において前記本体と前記所定の開度の状態の前記開閉体との間に取り外し可能に前記軸線の方向の他方側へ向けて挿入される挿入部を備え、
前記挿入部の前記挿入が行われた状態で、前記開閉体の開方向及び閉方向の両方向への、前記挿入部の前記本体に対する相対的な前記軸線回りの回動が規制され、前記開閉体の開方向及び閉方向の両方向への、前記開閉体の前記挿入部に対する相対的な前記軸線回りの回動が規制され、かつ、前記挿入部の前記軸線の方向の前記他方側への移動が規制されるように、構成され、
前記挿入部を複数備え、
前記複数の挿入部の各々についての前記所定の開度は互いに異なり、
前記複数の挿入部の各々は、前記軸線の方向の前記一方側において前記本体と当該挿入部についての前記所定の開度の状態の前記開閉体との間に取り外し可能に前記軸線の方向の前記他方側へ向けて選択的に挿入される、
ことを特徴とする保持具。
【請求項10】
磁石が設けられるかあるいは落下防止具が取り付けられたことを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の保持具。
【請求項11】
前記本体及び前記開閉体は、電気電子機器収納用箱形筐体を構成することを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の保持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本体に軸支され所定の軸線回りに回動することにより前記本体の開口部を開閉する開閉体を、所定の開度の状態に保持する保持具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に開示された扉開閉装置は、機器筐体の開口側および扉側のいずれか一方に設けられるストッパ係止具と、他方に設けられるストッパ位置可変係止具と、これらのストッパ係止具とストッパ位置可変係止具との間に掛け渡され、上記ストッパ係止具およびストッパ位置可変係止具側に両端側の折曲部がそれぞれ係止されるストッパとを具備したものである。
【0003】
下記特許文献2に開示されたドアストッパーは、ドア開閉を支持するヒンジ側のドア枠とドアとの隙間に、挟み込むドアストッパーであって、前記ドアを開けた際に形成される該ドアの縦方向の端縁と、前記ドア枠の縦方向の端縁の隙間の間隔より薄い板状のストッパー本体と、前記ストッパー本体に形成した、前記ドア枠の端縁に接し、固定する第1固定部と、前記ストッパー本体の第1固定部の対角位置に形成した、前記ドアの端縁に接し、固定する第2固定部と、から成り、前記ドアとドア枠の隙間に、前記ストッパー本体を縦向きに差し込み、差し込んだ状態で水平に回転させ、該第1固定部をドア枠の端縁に、第2固定部をドアの端縁にそれぞれに密着固定させ得るように構成したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-314974号公報
【文献】特開2011-58336号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1,2に開示された扉開閉装置及びドアストッパーによれば、扉又はドアを所定の開度で開いた状態に保持することができる。
【0006】
しかしながら、前記特許文献1に開示された扉開閉装置では、ストッパ係止具を機器筐体の開口側および扉側のいずれか一方に備えつけるとともに、ストッパ位置可変係止具を他方に備えつけなければならないため、機器筐体自体のコストが増大してしまう。
【0007】
一方、前記特許文献2に開示されたドアストッパーは、ドア枠やドアとは別体に構成され、ドア枠及びドアに対して装着及び取り外し可能であるため、ドア枠やドア自体のコストは増大しない。
【0008】
ところが、前記特許文献2に開示されたドアストッパーでは、ドアを所定の開度で開いた状態に保持する際には、前記ドアとドア枠の隙間に、薄い板状のストッパー本体を縦向きに差し込み、差し込んだ状態で水平に回転させるという特別な取り扱いを行わなければならないため、その取り扱いに手数を要し、容易にドアを所定の開度で開いた状態に保持することはできない。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、本体や開閉体自体のコストを増大させることなく、しかも特別な取り扱いを要することなく、本体に軸支され所定の軸線回りに回動することにより前記本体の開口部を開閉する開閉体を、所定の開度の状態に、容易に保持することができる保持具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するための手段として、以下の各態様を提示する。第1の態様による保持具は、本体に軸支され所定の軸線回りに回動することにより前記本体の開口部を開閉する開閉体を、所定の開度の状態に保持する保持具であって、前記軸線の方向の一方側において前記本体と前記所定の開度の状態の前記開閉体との間に取り外し可能に前記軸線の方向の他方側へ向けて挿入される挿入部を備え、前記挿入部の前記挿入が行われた状態で、前記開閉体の開方向及び閉方向の両方向への、前記挿入部の前記本体に対する相対的な前記軸線回りの回動が規制され、前記開閉体の開方向及び閉方向の両方向への、前記開閉体の前記挿入部に対する相対的な前記軸線回りの回動が規制され、かつ、前記挿入部の前記軸線の方向の前記他方側への移動が規制されるように、構成されたものである。
【0011】
この第1の態様による保持具は、前記軸線の方向の一方側において前記本体と前記所定の開度の状態の前記開閉体との間に取り外し可能に前記軸線の方向の他方側へ向けて挿入される挿入部を備えていることから、前記本体及び前記開閉体とは別体として構成することができるので、前記本体及び前記開閉体自体のコストは増大しない。
【0012】
また、前記第1の態様では、前記挿入部を前記軸線の方向の一方側において前記本体と前記所定の開度の状態の前記開閉体との間に前記軸線の方向の他方側へ向けて挿入することによって、前記開閉体の開方向及び閉方向の両方向への、前記挿入部の前記本体に対する相対的な前記軸線回りの回動が規制され、前記開閉体の開方向及び閉方向の両方向への、前記開閉体の前記挿入部に対する相対的な前記軸線回りの回動が規制され、かつ、前記挿入部の前記軸線の方向の前記他方側への移動が規制される。したがって、前記第1の態様によれば、特別な取り扱いを要することなく、本体に軸支され所定の軸線回りに回動することにより前記本体の開口部を開閉する開閉体を、所定の開度の状態に、容易に保持することができる。
【0013】
第2の態様による保持具は、前記第1の態様において、前記挿入部の前記挿入が行われた状態で、前記本体及び前記開閉体のうちの少なくとも一方に当接して、前記挿入部が所定の挿入位置から前記軸線の方向の前記他方側へ移動しないように規制する移動規制部を備え、前記挿入部は、前記挿入部の前記挿入が行われた状態で、前記開閉体の開方向及び閉方向の両方向への、前記挿入部の前記本体に対する相対的な前記軸線回りの回動を規制する第1の回動規制部と、前記挿入部の前記挿入が行われた状態で、前記開閉体の開方向及び閉方向の両方向への、前記開閉体の前記挿入部に対する相対的な前記軸線回りの回動を規制する第2の回動規制部と、を有するものである。
【0014】
この第2の態様は、前記第1の態様による保持具のより具体的な構成の例を挙げたものである。
【0015】
第3の態様による保持具は、前記第2の態様において、前記第1の回動規制部は第1及び第2の壁面を含み、前記第1の壁面は、前記挿入部の前記挿入が行われた状態で前記軸線と平行となる第1の平面で形成され、前記第2の壁面は、前記挿入部の前記挿入が行われた状態で前記軸線と平行となる第2の平面で構成され、前記第1の平面と前記第2の平面とが180゜よりも小さい角度をなし、前記挿入部の前記挿入が行われた状態で、前記本体の一部が前記第1の壁面に当接するとともに前記本体の他の一部が前記第2の壁面に当接することによって、前記挿入部の前記挿入が行われた状態で、前記開閉体の開方向及び閉方向の両方向への、前記挿入部の前記本体に対する相対的な前記軸線回りの回動が規制されるものである。
【0016】
この第3の態様は、前記第2の態様における前記第1の回動規制部の例を挙げたものである。
【0017】
前記180゜よりも小さい角度は、例えば前記第1及び第2の壁面が当接する相手側の面のなす角度に応じて定めることができ、例えば、60゜以上かつ120゜以下の角度にしてもよいし、80゜以上かつ100゜以下の角度にしてもよいし、ほぼ90゜にしてもよい。この点は、後述する第4乃至第8の態様についても同様である。
【0018】
第4の態様による保持具は、前記第3の態様において、前記第2の回動規制部は第3及び第4の壁面を含み、前記第3の壁面は、前記挿入部の前記挿入が行われた状態で前記軸線と平行となる第3の平面で形成され、前記第4の壁面は、前記挿入部の前記挿入が行われた状態で前記軸線と平行となる第4の平面で構成され、前記第3の平面と前記第4の平面とが180゜よりも小さい角度をなし、前記挿入部の前記挿入が行われた状態で、前記開閉体の一部が前記第3の壁面に当接するとともに前記開閉体の他の一部が前記第4の壁面に当接することによって、前記挿入部の前記挿入が行われた状態で、前記開閉体の開方向及び閉方向の両方向への、前記開閉体の前記挿入部に対する相対的な前記軸線回りの回動が規制されるものである。
【0019】
この第4の態様は、前記第3の態様における前記第2の回動規制部の例を挙げたものである。
【0020】
この第4の態様による保持具は、本体と所定の開度の開閉体との間の間隔が異なる場合であっても使用することができ、汎用性が高まる。
【0021】
第5の態様による保持具は、前記第3の態様において、前記第2の回動規制部は第3及び第4の壁面を含み、前記第3の壁面は、前記挿入部の前記挿入が行われた状態で前記軸線と直交する断面内において前記第3の壁面が第3の方向に延びた第3の直線をなしかつ前記断面の前記軸線方向の位置が前記軸線の方向の前記他方側へ行くにつれて当該断面内における前記第3の直線の位置が当該第3の壁面の外側から内側へ向けて連続的又は段階的に変わるようなテーパ状又は階段状に、形成され、前記第4の壁面は、前記挿入部の前記挿入が行われた状態で前記軸線と直交する断面内において前記第4の壁面が前記第3の方向に対して180゜よりも小さい角度をなす第4の方向に延びた第4の直線をなしかつ前記断面の前記軸線方向の位置が前記軸線の方向の前記他方側へ行くにつれて当該断面内における前記第4の直線の位置が当該第4の壁面の外側から内側へ向けて連続的又は段階的に変わるようなテーパ状又は階段状に、形成され、前記挿入部の前記挿入が行われた状態で、前記開閉体の一部が前記第3の壁面に当接するとともに前記開閉体の他の一部が前記第4の壁面に当接することによって、前記挿入部の前記挿入が行われた状態で、前記開閉体の開方向及び閉方向の両方向への、前記開閉体の前記挿入部に対する相対的な前記軸線回りの回動が規制され、前記第3及び第4の壁面が、前記移動規制部の少なくとも一部として機能するものである。
【0022】
この第5の態様は、前記第3の態様における前記第2の回動規制部の他の例を挙げたものである。
【0023】
この第5の態様による保持具は、本体と所定の開度の開閉体との間の間隔が異なる場合であっても使用することができ、汎用性が高まる。
【0024】
第6の態様による保持具は、前記第2の態様において、前記第1の回動規制部は第1及び第2の壁面を含み、前記第1の壁面は、前記挿入部の前記挿入が行われた状態で前記軸線と直交する断面内において前記第1の壁面が第1の方向に延びた第1の直線をなしかつ前記断面の前記軸線方向の位置が前記軸線の方向の前記他方側へ行くにつれて当該断面内における前記第1の直線の位置が当該第1の壁面の外側から内側へ向けて連続的又は段階的に変わるようなテーパ状又は階段状に、形成され、前記第2の壁面は、前記挿入部の前記挿入が行われた状態で前記軸線と直交する断面内において前記第2の壁面が前記第1の方向に対して180゜よりも小さい角度をなす第2の方向に延びた第2の直線をなしかつ前記断面の前記軸線方向の位置が前記軸線の方向の前記他方側へ行くにつれて当該断面内における前記第2の直線の位置が当該第2の壁面の外側から内側へ向けて連続的又は段階的に変わるようなテーパ状又は階段状に、形成され、前記挿入部の前記挿入が行われた状態で、前記本体の一部が前記第1の壁面に当接するとともに前記本体の他の一部が前記第2の壁面に当接することによって、前記挿入部の前記挿入が行われた状態で、前記開閉体の開方向及び閉方向の両方向への、前記挿入部の前記本体に対する相対的な前記軸線回りの回動が規制され、前記第1及び第2の壁面が、前記移動規制部の少なくとも一部として機能するものである。
【0025】
この第6の態様は、前記第2の態様における前記第1の回動規制部の他の例を挙げたものである。
【0026】
この第6の態様による保持具は、本体と所定の開度の開閉体との間の間隔が異なる場合であっても使用することができ、汎用性が高まる。
【0027】
第7の態様による保持具は、前記第6の態様において、前記第2の回動規制部は第3及び第4の壁面を含み、前記第3の壁面は、前記挿入部の前記挿入が行われた状態で前記軸線と平行となる第3の平面で形成され、前記第4の壁面は、前記挿入部の前記挿入が行われた状態で前記軸線と平行となる第4の平面で構成され、前記第3の平面と前記第4の平面とが180゜よりも小さい角度をなし、前記挿入部の前記挿入が行われた状態で、前記開閉体の一部が前記第3の壁面に当接するとともに前記開閉体の他の一部が前記第4の壁面に当接することによって、前記挿入部の前記挿入が行われた状態で、前記開閉体の開方向及び閉方向の両方向への、前記開閉体の前記挿入部に対する相対的な前記軸線回りの回動が規制されるものである。
【0028】
この第7の態様は、前記第6の態様における前記第2の回動規制部の例を挙げたものである。
【0029】
第8の態様による保持具は、前記第6の態様において、前記第2の回動規制部は第3及び第4の壁面を含み、前記第3の壁面は、前記挿入部の前記挿入が行われた状態で前記軸線と直交する断面内において前記第3の壁面が第3の方向に延びた第3の直線をなしかつ前記断面の前記軸線方向の位置が前記軸線の方向の前記他方側へ行くにつれて当該断面内における前記第3の直線の位置が当該第3の壁面の外側から内側へ向けて連続的又は段階的に変わるようなテーパ状又は階段状に、形成され、前記第4の壁面は、前記挿入部の前記挿入が行われた状態で前記軸線と直交する断面内において前記第4の壁面が前記第3の方向に対して180゜よりも小さい角度をなす第4の方向に延びた第4の直線をなしかつ前記断面の前記軸線方向の位置が前記軸線の方向の前記他方側へ行くにつれて当該断面内における前記第4の直線の位置が当該第4の壁面の外側から内側へ向けて連続的又は段階的に変わるようなテーパ状又は階段状に、形成され、前記挿入部の前記挿入が行われた状態で、前記開閉体の一部が前記第3の壁面に当接するとともに前記開閉体の他の一部が前記第4の壁面に当接することによって、前記挿入部の前記挿入が行われた状態で、前記開閉体の開方向及び閉方向の両方向への、前記開閉体の前記挿入部に対する相対的な前記軸線回りの回動が規制され、前記第3及び第4の壁面が、前記移動規制部の少なくとも一部として機能するものである。
【0030】
この第8の態様は、前記第6の態様における前記第2の回動規制部の他の例を挙げたものである。
【0031】
第9の態様による保持具は、前記第1乃至第8のいずれかの態様において、前記挿入部を複数備え、前記複数の挿入部の各々についての前記所定の開度は互いに異なり、前記複数の挿入部の各々は、前記軸線の方向の前記一方側において前記本体と当該挿入部についての前記所定の開度の状態の前記開閉体との間に取り外し可能に前記軸線の方向の前記他方側へ向けて選択的に挿入されるものである。
【0032】
この第9の態様によれば、前記複数の挿入部のうちのいずれの挿入部を本体と開閉体との間に挿入するかによって、互いに異なる複数の開度のうちのいずれの開度の状態に保持するかを簡単に選択することができる。
【0033】
第10の態様による保持具は、前記第1乃至第9のいずれかの態様において、磁石が設けられるかあるいは落下防止具が取り付けられたものである。
【0034】
この第10の態様によれば、作業者が当該保持具を装着したり取り外したりする際に当該保持具を誤って落下させてしまう可能性を低減することができ、安全性を高めることができる。
【0035】
第11の態様による保持具は、前記第1乃至第10のいずれかの態様において、前記本体及び前記開閉体は、電気電子機器収納用箱形筐体を構成するものである。
【0036】
この第11の態様は、前記本体及び前記開閉体の例を挙げたものである。この場合、前記開閉体は扉となる。前記第11の態様によれば、筐体の内部の機器の設置・保守・点検等の際に、筐体の扉を所定の開度に保持することができるので、その作業の容易性や安全性を高めることができる。
【0037】
もっとも、前記第1乃至第10の態様では、前記本体及び前記開閉体は、前記第11の態様の例に限らず、例えば、アタッシュケースなどでもよい。この場合、前記開閉体は蓋となる。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、本体や開閉体自体のコストを増大させることなく、しかも特別な取り扱いを要することなく、本体に軸支され所定の軸線回りに回動することにより前記本体の開口部を開閉する開閉体を、所定の開度の状態に、容易に保持することができる保持具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】本発明の第1の実施の形態による保持具を筐体に装着した状態を示す概略斜視図である。
【
図3】
図1中の保持具を示す六面図であり、(a)は平面図、(b)は左側面図、(c)は正面図、(d)は右側面図、(e)は背面図、(f)は底面図である。
【
図4】
図1中の筐体を、その扉が開いた状態で示す概略斜視図である。
【
図5】
図1において筐体の本体及び扉の上面に沿った面を上側から見た図である。
【
図6】本発明の第2の実施の形態による保持具を示す概略斜視図であり、(a)と(b)は互いに異なる方向から見た概略斜視図である。
【
図7】
図6に示す保持具を示す六面図であり、(a)は平面図、(b)は左側面図、(c)は正面図、(d)は右側面図、(e)は背面図、(f)は底面図である。
【
図8】
図6に示す保持具を装着した筐体を、当該筐体の本体及び扉の上面に沿った面を上側から見た図である。
【
図9】本発明の第3の実施の形態による保持具を装着した筐体を、当該筐体の本体及び扉の上面に沿った面を上側から見た図である。
【
図10】本発明の第4の実施の形態による保持具を示す概略斜視図である。
【
図11】
図10に示す保持具を示す六面図であり、(a)は平面図、(b)は左側面図、(c)は正面図、(d)は右側面図、(e)は背面図、(f)は底面図である。
【
図12】
図10に示す保持具を筐体(開扉時に本体と扉との間の間隔が相対的に広い筐体)に装着した状態の要部を示す図であり、(a)は概略斜視図、(b)は当該筐体の本体及び扉の上面に沿った面を上側から見た図である。
【
図13】
図10に示す保持具を筐体(開扉時に本体と扉との間の間隔が相対的に中程度である筐体)に装着した状態の要部を示す図であり、(a)は概略斜視図、(b)は当該筐体の本体及び扉の上面に沿った面を上側から見た図である。
【
図14】
図10に示す保持具を筐体(開扉時に本体と扉との間の間隔が相対的に狭い筐体)に装着した状態の要部を示す図であり、(a)は概略斜視図、(b)は当該筐体の本体及び扉の上面に沿った面を上側から見た図である。
【
図15】本発明の第5の実施の形態による保持具を示す概略斜視図である。
【
図16】
図15に示す保持具を示す六面図であり、(a)は平面図、(b)は左側面図、(c)は正面図、(d)は右側面図、(e)は背面図、(f)は底面図である。
【
図17】本発明の第6の実施の形態による保持具を示す概略斜視図である。
【
図18】
図17に示す保持具を示す六面図であり、(a)は平面図、(b)は左側面図、(c)は正面図、(d)は右側面図、(e)は背面図、(f)は底面図である。
【
図19】
図17に示す保持具を装着した筐体(開扉時に本体と扉との間の間隔が相対的に広い筐体)に装着した状態の要部を示す図であり、(a)は概略斜視図、(b)は当該筐体の本体及び扉の上面に沿った面を上側から見た図である。
【
図20】
図17に示す保持具を装着した筐体(開扉時に本体と扉との間の間隔が相対的に中程度である筐体)に装着した状態の要部を示す図であり、(a)は概略斜視図、(b)は当該筐体の本体及び扉の上面に沿った面を上側から見た図である。
【
図21】
図17に示す保持具を装着した筐体(開扉時に本体と扉との間の間隔が相対的に狭い筐体)に装着した状態の要部を示す図であり、(a)は概略斜視図、(b)は当該筐体の本体及び扉の上面に沿った面を上側から見た図である。
【
図22】本発明の第7の実施の形態による保持具を示す概略斜視図である。
【
図23】
図22に示す保持具を示す六面図であり、(a)は平面図、(b)は左側面図、(c)は正面図、(d)は右側面図、(e)は背面図、(f)は底面図である。
【
図24】本発明の第8の実施の形態による保持具を示す概略斜視図である。
【
図25】
図24に示す保持具を示す六面図であり、(a)は平面図、(b)は左側面図、(c)は正面図、(d)は右側面図、(e)は背面図、(f)は底面図である。
【
図26】
図24に示す保持具を筐体に装着した状態を示す概略斜視図である。
【
図27】本発明の第9の実施の形態による保持具を示す概略斜視図である。
【
図28】本発明の第10の実施の形態による保持具を示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明による保持具について、図面を参照して説明する。
【0041】
[第1の実施の形態]
【0042】
図1は、本発明の第1の実施の形態による保持具1を筐体100に装着した状態を示す概略斜視図である。
図2は、
図1中の保持具1を示す概略斜視図である。
図3は、
図1中の保持具1を示す六面図であり、(a)は平面図、(b)は左側面図、(c)は正面図、(d)は右側面図、(e)は背面図、(f)は底面図である。
図4は、
図1中の筐体100を、その扉102が開いた状態で示す概略斜視図である。
図5は、
図1において筐体100の本体101及び扉102の上面(+Z側の面)に沿った面を上側から見た図であり、保持具1の断面が現れている。
【0043】
説明の便宜上、
図1乃至
図5に示すように、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸を定義する。X軸方向のうち矢印の向きを+X方向又は+X側、その反対の向きを-X方向又は-X側と呼び、Y軸方向及びZ軸方向についても同様である。本実施の形態では、Z軸方向は上下方向となっており、+Z側が上側で-Z側が下側となっている。これらの点は、後述する各図についても同様である。
【0044】
本実施の形態では、筐体100は、本体101と、本体101にヒンジ103で軸支されZ軸と平行な所定の軸線O回りに回動することにより本体101の開口部101aを開閉する開閉体としての扉102と、を有し、箱形に構成されている。本実施の形態では、筐体100は、その内部には収納される電子電気機器(図示せず)と共に、例えば、交通信号機を制御する信号制御機を構成する。
【0045】
本実施の形態では、本体101の上面(+Z側の面)と扉102の上面(+Z側の面)は同じ高さ(Z軸方向位置)に位置している。もっとも、本発明による保持具の使用対象となる筐体はこれに限らない。
【0046】
本実施の形態による保持具1は、扉102を所定の開度(本実施の形態では、90゜)の状態に保持するものである。本実施の形態による保持具1は、軸線Oの方向の一方側(本実施の形態では+Z側)において本体101と前記所定の開度の状態の扉102との間に取り外し可能に軸線Oの方向の他方側(本実施の形態では-Z側)へ向けて挿入される挿入部2を備え、挿入部2の前記挿入が
図1及び
図5に示すように行われた状態で、扉102の開方向及び閉方向の両方向への、挿入部2の本体101に対する相対的な軸線O回りの回動が規制され、扉102の開方向及び閉方向の両方向への、扉102の挿入部2に対する相対的な軸線O回りの回動が規制され、かつ、挿入部2の軸線Oの方向の前記他方側(Z側)への移動が規制されるように、構成されている。
【0047】
具体的には、本実施の形態による保持具1は、挿入部2の前記挿入が
図1及び
図5に示すように行われた状態で、本体101及び扉102のうちの少なくとも一方に当接して、挿入部2が所定の挿入位置(本実施の形態では、
図1に示す挿入位置)から軸線Oの方向の前記他方側(-Z側)へ移動しないように規制する移動規制部3を備えている。本実施の形態では、移動規制部3は、本体101に当接することで-Z側への移動規制を行う当接部3aと、扉102に当接することで-Z側への移動規制を行う当接部3bとから構成されている。当接部3a,3bのいずれか一方のみを設け、他方を取り除いてもよい。
【0048】
本実施の形態では、挿入部2は、挿入部2の前記挿入が
図1及び
図5に示すように行われた状態で、扉102の開方向及び閉方向の両方向への、挿入部2の本体101に対する相対的な軸線O回りの回動を規制する第1の回動規制部2Aと、挿入部2の前記挿入が
図1及び
図5に示すように行われた状態で、扉102の開方向及び閉方向の両方向への、扉102の挿入部2に対する相対的な軸線O回りの回動を規制する第2の回動規制部2Bと、を有している。
【0049】
本実施の形態では、第1の回動規制部2Aは第1の壁面2aと第2の壁面2bとを含み、第2の回動規制部2Bは第3の壁面2cと第4の壁面2dとを含んでいる。
【0050】
本実施の形態では、第1の壁面2aは、挿入部2の前記挿入が
図1及び
図5に示すように行われた状態で軸線Oと平行(すなわち、Z軸と平行)となる第1の平面で形成され、第2の壁面2bは、挿入部2の前記挿入が
図1及び
図5に示すように行われた状態で軸線Oと平行(すなわち、Z軸と平行)となる第2の平面で構成され、前記第1の平面と前記第2の平面とが180゜よりも小さい角度(本実施の形態では、90゜)をなし、挿入部2の前記挿入が
図1及び
図5に示すように行われた状態で、
図5に示すように本体101の一部が第1の壁面2aに当接するとともに本体101の他の一部が第2の壁面2bに当接することによって、挿入部2の前記挿入が
図1及び
図5に示すように行われた状態で、扉102の開方向及び閉方向の両方向への、挿入部2の本体101に対する相対的な軸線O回りの回動が規制される。本実施の形態では、第1の壁面2aを形成する第1の平面はXZ平面と平行な平面とされ、第2の壁面2bを形成する第2の平面はYZ平面と平行な平面とされ、両者は90゜をなしている。前記180゜よりも小さい角度は、必ずしも90゜に限らず、例えば、第1及び第2の壁面2a,2bが当接する相手側の面のなす角度が90゜以外である場合にはその角度に設定される。
【0051】
また、本実施の形態では、第3の壁面2cは、挿入部2の前記挿入が
図1及び
図5に示すように行われた状態で軸線Oと平行(すなわち、Z軸と平行)となる第3の平面で形成され、第4の壁面2dは、挿入部2の前記挿入が
図1及び
図5に示すように行われた状態で軸線Oと平行(すなわち、Z軸と平行)となる第4の平面で構成され、前記第3の平面と前記第4の平面とが180゜よりも小さい角度(本実施の形態では、90゜)をなし、挿入部2の前記挿入が
図1及び
図5に示すように行われた状態で、
図5に示すように扉102の一部が第3の壁面2cに当接するとともに扉102の他の一部が第4の壁面2dに当接することによって、挿入部2の前記挿入が
図1及び
図5に示すように行われた状態で、扉102の開方向及び閉方向の両方向への、扉102の挿入部2に対する相対的な軸線O回りの回動が規制される。本実施の形態では、第3の壁面2cを形成する第3の平面はYZ平面と平行な平面とされ、第4の壁面2dを形成する第4の平面はXZ平面と平行な平面とされ、両者は90゜をなしている。前記180゜よりも小さい角度は、必ずしも90゜に限らず、例えば、第3及び第4の壁面2a,2bが当接する相手側の面のなす角度が90゜以外である場合にはその角度に設定される。
【0052】
本実施の形態による保持具1は、例えば、硬質ゴム等の弾性体で削り出し加工又は一体成形により構成してもよいし、弾性体の複数の部材を接着剤等で接合して構成してもよい。保持具1における本体101や扉102と当接する部分は、弾性体で構成することが好ましい。少なくともその部分を弾性体で構成すると、本体101や扉102が傷つく可能性を低減することができるとともに、隙間の発生を抑えて扉102の開度保持をより安定して行うことができる。もっとも、本発明では、保持具1の材質は特に限定されるものではなく、例えば金属や樹脂等の剛体で構成してもよい。
【0053】
なお、本実施の形態による保持具1では、手当たりを良くするために、
図1乃至
図3に示すように、角部が面取りされている。もっとも、本発明では、このような面取りは必ずしも必要ではない。
【0054】
筐体100の内部に収納した機器の点検・保守等の際に、扉102を90゜開いた状態に保持する場合には、扉102を90゜開いた状態で
図1及び
図5に示すように保持具1の挿入部2を+Z側において本体101と開度90゜の状態の扉102との間に軸線Oの方向の他方側(本実施の形態では-Z側)へ向けて挿入する。
【0055】
これによって、扉102の開方向及び閉方向の両方向への、挿入部2の本体101に対する相対的な軸線O回りの回動が規制され、扉102の開方向及び閉方向の両方向への、扉102の挿入部2に対する相対的な軸線O回りの回動が規制され、かつ、挿入部2の軸線Oの方向の前記他方側(-Z側)への移動が規制される。したがって、本実施の形態による保持具1によれば、特別な取り扱いを要することなく、扉102を90゜の開度の状態に、容易に保持することができる。そして、
図1及び
図5等からも理解することができるように、この状態では、保持具1が下方(-Z方向)へ落下するおそれもない。
【0056】
また、本実施の形態による保持具は、軸線Oの方向の一方側において本体101と前記所定の開度の状態の扉102との間に取り外し可能に前記軸線の方向の他方側へ向けて挿入される挿入部2を備えており、本体101及び扉102とは別体として構成されているので、筐体100自体(本体101及び扉102自体)のコストは増大しない。
【0057】
[第2の実施の形態]
【0058】
図6は、本発明の第2の実施の形態による保持具11を示す概略斜視図であり、(a)と(b)は互いに異なる方向から見た概略斜視図であり、
図2に対応している。
図7は、
図6に示す保持具11を示す六面図であり、(a)は平面図、(b)は左側面図、(c)は正面図、(d)は右側面図、(e)は背面図、(f)は底面図であり、
図3に対応している。
図8は、
図6に示す保持具11を装着した筐体100を、当該筐体100の本体101及び扉102の上面(+Z側の面)に沿った面を上側から見た図であり、保持具11の断面が現れており、
図5に対応している。
【0059】
図6乃至
図8において、
図2、
図3及び
図5中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
【0060】
本実施の形態による保持具11が前記第1の実施の形態による保持具1と異なる所は、前記第1の実施の形態による保持具1では、扉102を90゜の開度で保持するように構成されているのに対し、本実施の形態による保持具11では、第1の回動規制部2A(第1及び第2の壁面2a,2b)に対する第2の回動規制部2B(第3及び第4の壁面2c,2d)のZ軸回りの角度関係を+45゜変更することで、扉102を135゜の開度で保持するように構成されている点である。
【0061】
本実施の形態によっても、前記第1の実施の形態と同様の利点が得られる。
【0062】
[第3の実施の形態]
【0063】
図9は、本発明の第3の実施の形態による保持具21を装着した筐体100を、当該筐体100の本体101及び扉102の上面に沿った面を上側から見た図であり、保持具21の断面が現れており、
図5に対応している。
【0064】
図9において、
図5中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
【0065】
本実施の形態による保持具21が前記第1の実施の形態による保持具1と異なる所は、前記第1の実施の形態による保持具1では、扉102を90゜の開度で保持するように構成されているのに対し、本実施の形態による保持具21では、第1の回動規制部2A(第1及び第2の壁面2a,2b)に対する第2の回動規制部2B(第3及び第4の壁面2c,2d)のZ軸回りの角度関係を-45゜変更することで、扉102を45゜の開度で保持するように構成されている点である。
【0066】
本実施の形態によっても、前記第1の実施の形態と同様の利点が得られる。
【0067】
なお、本発明による保持具が保持し得る扉102の開度は、90゜、135゜及び45゜に限らない。保持しようとする所望の開度に応じて、第1の回動規制部2A(第1及び第2の壁面2a,2b)に対する第2の回動規制部2B(第3及び第4の壁面2c,2d)のZ軸回りの角度関係を設定すればよい。
【0068】
[第4の実施の形態]
【0069】
図10は、本発明の第4の実施の形態による保持具31を示す概略斜視図であり、
図2に対応している。
図11は、
図10に示す保持具31を示す六面図であり、(a)は平面図、(b)は左側面図、(c)は正面図、(d)は右側面図、(e)は背面図、(f)は底面図であり、
図3に対応している。
図12は、
図10に示す保持具31を筐体100(開扉時に本体101と扉102との間の間隔が相対的に広い筐体100)に装着した状態の要部を示す図であり、(a)は概略斜視図、(b)は当該筐体100の本体101及び扉102の上面(+Z側の面)に沿った面を上側から見た図であり、保持具31の断面が現れており、
図1及び
図5にそれぞれ対応している。
図13は、
図10に示す保持具31を筐体100(開扉時に本体101と扉102との間の間隔が相対的に中程度である筐体100)に装着した状態の要部を示す図であり、(a)は概略斜視図、(b)は当該筐体100の本体101及び扉102の上面(+Z側の面)に沿った面を上側から見た図であり、保持具31の断面が現れており、
図1及び
図5にそれぞれ対応している。
図14は、
図10に示す保持具31を筐体100(開扉時に本体101と扉102との間の間隔が相対的に狭い筐体100)に装着した状態の要部を示す図であり、(a)は概略斜視図、(b)は当該筐体100の本体101及び扉102の上面(+Z側の面)に沿った面を上側から見た図であり、保持具31の断面が現れており、
図1及び
図5にそれぞれ対応している。
【0070】
図10乃至
図14において、
図1中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
【0071】
本実施の形態による保持具31が前記第1の実施の形態による保持具1と異なる所は、第2の回動規制部2Bを構成する第3の壁面2c及び第4の壁面2dが、前記第1の実施の形態による保持具1では、Z軸と平行な第3の平面及び第4の平面でそれぞれ形成されているのに対し、本実施の形態による保持具31では、第2の回動規制部2Bを構成する第3の壁面2c及び第4の壁面2dは、Z軸に対して非平行に傾けられたテーパ状に形成されている点である。
【0072】
すなわち、本実施の形態では、第3の壁面2cは、
図10及び
図11(c)に示すように、挿入部2の前記挿入が
図12乃至
図14に示すように行われた状態で軸線Oと直交する断面(XY平面と平行な断面)内において第3の壁面2cが第3の方向(本実施の形態では、Y軸方向)に延びた第3の直線をなしかつ前記断面の軸線O方向の位置(Z軸方向位置)が軸線Oの方向の前記他方側(-Z側)へ行くにつれて当該断面内における前記第3の直線の位置が当該第3の壁面2cの外側から内側へ向けて(+X側から-X側へ向けて)連続的に変わるようなテーパ状に、形成されている。
【0073】
また、本実施の形態では、第4の壁面2dは、
図10及び
図11(d)に示すように、挿入部2の前記挿入が
図12乃至
図14に示すように行われた状態で軸線Oと直交する断面(XY平面と平行な断面)内において第4の壁面2dが前記第3の方向(本実施の形態では、Y軸方向)に対して180゜よりも小さい角度(本実施の形態では、90゜)をなす第4の方向(本実施の形態では、X軸方向)に延びた第4の直線をなしかつ前記断面の軸線O方向の位置(Z軸方向位置)が軸線Oの方向の前記他方側(-Z側)へ行くにつれて当該断面内における前記第4の直線の位置が当該第4の壁面2dの外側から内側へ向けて(+Y側から-Y側へ向けて)連続的に変わるようなテーパ状に、形成されている。
【0074】
本実施の形態では、挿入部2の前記挿入が
図12乃至
図14に示すように行われた状態で、扉102の一部が第3の壁面2cに当接するとともに扉102の他の一部が第4の壁面2dに当接することによって、挿入部2の前記挿入が
図12乃至
図14に示すように行われた状態で、扉102の開方向及び閉方向の両方向への、扉102の挿入部2に対する相対的な軸線O回りの回動が規制される。また、挿入部2の前記挿入が
図12乃至
図14に示すように行われた状態で、扉102の一部が第3の壁面2cに当接するとともに扉102の他の一部が第4の壁面2dに当接することによって、挿入部2が当該当接したZ軸方向位置(所定の挿入位置)から軸線Oの方向の前記他方側(-Z側)へ移動しないように規制される。したがって、第3及び第4の壁面2c,2dは、挿入部2が軸線Oの方向の前記他方側(-Z側)へ移動しないように規制する移動規制部としての機能の少なくとも一部を担う。
【0075】
本実施の形態では、90゜開扉時の本体101と扉102との間の間隔が
図12に示すように
図5に示す間隔と同じである場合には、当接部3a,3bが本体101の上面(+Z側の面)及び扉102の上面(+Z側の面)に当接すると同時に、扉102の一部が第3の壁面2cに当接するとともに扉102の他の一部が第4の壁面2dに当接するように、設定されている。
図13では、90゜開扉時の本体101と扉102との間の間隔は
図12に示す間隔よりも狭まっており、そのため、当接部3a,3bが本体101の上面(+Z側の面)及び扉102の上面(+Z側の面)に当接する前に、扉102の一部が第3の壁面2cに当接するとともに扉102の他の一部が第4の壁面2dに当接し、当接部3a,3bと本体101の上面(+Z側の面)及び扉102の上面(+Z側の面)との間に隙間が生じている。
図14では、90゜開扉時の本体101と扉102との間の間隔は
図13に示す間隔よりも更に狭まっており、そのため、当接部3a,3bが本体101の上面(+Z側の面)及び扉102の上面(+Z側の面)に当接する前に、扉102の一部が第3の壁面2cに当接するとともに扉102の他の一部が第4の壁面2dに当接し、当接部3a,3bと本体101の上面(+Z側の面)及び扉102の上面(+Z側の面)との間に更に大きい隙間が生じている。
【0076】
なお、開扉時の本体101と扉102との間の間隔の違いは、ヒンジ103の大きさの相違などに起因して生ずる。
【0077】
以上の説明から理解できるように、本実施の形態による保持具31は、本体101と所定の開度(本実施の形態では、90゜)の扉102との間の間隔が異なる筐体100についても使用することができ、汎用性が高まる。
【0078】
また、本実施の形態によっても、前記第1の実施の形態と同様の利点が得られることは、言うまでもない。
【0079】
なお、本発明では、第1及び第2の壁面2a,2bも、第3及び第4の壁面2c,2dと同様にテーパ状に形成してもよい。また、本発明では、第3及び第4の壁面2c,2dは前記第1の実施の形態と同様にZ軸方向と平行な平面とする一方で、第1及び第2の壁面2a,2bをテーパ状に形成してもよい。
【0080】
[第5の実施の形態]
【0081】
図15は、本発明の第5の実施の形態による保持具41を示す概略斜視図であり、
図10に対応している。
図16は、
図15に示す保持具41を示す六面図であり、(a)は平面図、(b)は左側面図、(c)は正面図、(d)は右側面図、(e)は背面図、(f)は底面図であり、
図11に対応している。
【0082】
図15及び
図16において、
図10及び
図11中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
【0083】
本実施の形態による保持具41が前記第4の実施の形態による保持具31と異なる所は、当接部3a,3bが取り除かれている点である。第3及び第4の壁面2c,2dが挿入部2の-Z方向への移動を規制する移動規制部としても機能するので、本実施の形態のように当接部3a,3bを取り除くことができる。
【0084】
本実施の形態によっても、前記第4の実施の形態と同様の利点が得られる。
【0085】
[第6の実施の形態]
【0086】
図17は、本発明の第6の実施の形態による保持具51を示す概略斜視図であり、
図10に対応している。
図18は、
図17に示す保持具51を示す六面図であり、(a)は平面図、(b)は左側面図、(c)は正面図、(d)は右側面図、(e)は背面図、(f)は底面図であり、
図11に対応している。
図19は、
図17に示す保持具51を筐体100(開扉時に本体101と扉102との間の間隔が相対的に広い筐体100)に装着した状態の要部を示す図であり、(a)は概略斜視図、(b)は当該筐体100の本体101及び扉102の上面(+Z側の面)に沿った面を上側から見た図であり、保持具51の断面が現れており、
図12に対応している。
図20は、
図17に示す保持具51を筐体100(開扉時に本体101と扉102との間の間隔が相対的に中程度である筐体100)に装着した状態の要部を示す図であり、(a)は概略斜視図、(b)は当該筐体100の本体101及び扉102の上面(+Z側の面)に沿った面を上側から見た図であり、保持具51の断面が現れており、
図13に対応している。
図21は、
図17に示す保持具51を筐体100(開扉時に本体101と扉102との間の間隔が相対的に狭い筐体100)に装着した状態の要部を示す図であり、(a)は概略斜視図、(b)は当該筐体100の本体101及び扉102の上面(+Z側の面)に沿った面を上側から見た図であり、保持具51の断面が現れており、
図14に対応している。
【0087】
図17乃至
図21において、
図10乃至
図14中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
【0088】
本実施の形態による保持具51が前記第4の実施の形態による保持具31と異なる所は、第2の回動規制部2Bを構成する第3の壁面2c及び第4の壁面2dが、前記第4の実施の形態による保持具31では、Z軸に対して非平行に傾けられたテーパ状に形成されているのに対し、本実施の形態では、階段状に形成されている点である。
【0089】
すなわち、本実施の形態では、第3の壁面2cは、
図17及び
図18(c)に示すように、挿入部2の前記挿入が
図19乃至
図21に示すように行われた状態で軸線Oと直交する断面(XY平面と平行な断面)内において第3の壁面2cが第3の方向(本実施の形態では、Y軸方向)に延びた第3の直線をなしかつ前記断面の軸線O方向の位置(Z軸方向位置)が軸線Oの方向の前記他方側(-Z側)へ行くにつれて当該断面内における前記第3の直線の位置が当該第3の壁面2cの外側から内側へ向けて(+X側から-X側へ向けて)段階的に変わるような階段状に、形成されている。
【0090】
また、本実施の形態では、第4の壁面2dは、
図17及び
図18(d)に示すように、挿入部2の前記挿入が
図19乃至
図21に示すように行われた状態で軸線Oと直交する断面(XY平面と平行な断面)内において第4の壁面2dが前記第3の方向(本実施の形態では、Y軸方向)に対して180゜よりも小さい角度(本実施の形態では、90゜)をなす第4の方向(本実施の形態では、X軸方向)に延びた第4の直線をなしかつ前記断面の軸線O方向の位置(Z軸方向位置)が軸線Oの方向の前記他方側(-Z側)へ行くにつれて当該断面内における前記第4の直線の位置が当該第4の壁面2dの外側から内側へ向けて(+Y側から-Y側へ向けて)段階的に変わるような階段状に、形成されている。
【0091】
本実施の形態では、挿入部2の前記挿入が
図19乃至
図21に示すように行われた状態で、扉102の一部が第3の壁面2cに当接するとともに扉102の他の一部が第4の壁面2dに当接することによって、挿入部2の前記挿入が
図19乃至
図21に示すように行われた状態で、扉102の開方向及び閉方向の両方向への、扉102の挿入部2に対する相対的な軸線O回りの回動が規制される。また、挿入部2の前記挿入が
図19乃至
図21に示すように行われた状態で、扉102の一部が第3の壁面2cの段部に当接するとともに扉102の他の一部が第4の壁面2dの段部に当接することによって、挿入部2が当該当接したZ軸方向位置(所定の挿入位置)から軸線Oの方向の前記他方側(-Z側)へ移動しないように規制される。したがって、第3及び第4の壁面2c,2dは、挿入部2が軸線Oの方向の前記他方側(-Z側)へ移動しないように規制する移動規制部としての機能の少なくとも一部を担う。
【0092】
本実施の形態では、90゜開扉時の本体101と扉102との間の間隔が
図19に示すように
図5に示す間隔と同じである場合には、当接部3a,3bが本体101の上面(+Z側の面)及び扉102の上面(+Z側の面)に当接すると同時に、扉102の一部が第3の壁面2cに当接するとともに扉102の他の一部が第4の壁面2dに当接するように、設定されている。
図20では、90゜開扉時の本体101と扉102との間の間隔は
図19に示す間隔よりも狭まっており、そのため、当接部3a,3bが本体101の上面(+Z側の面)及び扉102の上面(+Z側の面)に当接する前に、扉102の一部が第3の壁面2cに当接するとともに扉102の他の一部が第4の壁面2dに当接し、当接部3a,3bと本体101の上面(+Z側の面)及び扉102の上面(+Z側の面)との間に隙間が生じている。
図21では、90゜開扉時の本体101と扉102との間の間隔は
図20に示す間隔よりも更に狭まっており、そのため、当接部3a,3bが本体101の上面(+Z側の面)及び扉102の上面(+Z側の面)に当接する前に、扉102の一部が第3の壁面2cの段部に当接するとともに扉102の他の一部が第4の壁面2dの段部に当接し、当接部3a,3bと本体101の上面(+Z側の面)及び扉102の上面(+Z側の面)との間に更に大きい隙間が生じている。
【0093】
なお、開扉時の本体101と扉102との間の間隔の違いは、ヒンジ103の大きさの相違などに起因して生ずる。
【0094】
以上の説明から理解できるように、本実施の形態による保持具51は、前記第4の実施の形態による保持具31と同様に、本体101と所定の開度(本実施の形態では、90゜)の扉102との間の間隔が異なる筐体100についても使用することができ、汎用性が高まる。
【0095】
また、本実施の形態によっても、前記第4の実施の形態と同様の利点が得られることは、言うまでもない。
【0096】
なお、本発明では、第1及び第2の壁面2a,2bも、第3及び第4の壁面2c,2dと同様に階段状に形成してもよい。また、本発明では、第3及び第4の壁面2c,2dは前記第1の実施の形態と同様にZ軸方向と平行な平面とする一方で、第1及び第2の壁面2a,2bを階段状に形成してもよい。さらに、本発明では、第1及び第2の壁面2a,2bを階段状に形成する一方で第3及び第4の壁面2c,2dをテーパ状に形成してもよいし、逆に、第1及び第2の壁面2a,2bをテーパ状に形成する一方で第3及び第4の壁面2c,2dを階段状に形成してもよい
【0097】
[第7の実施の形態]
【0098】
図22は、本発明の第7の実施の形態による保持具61を示す概略斜視図であり、
図17に対応している。
図23は、
図22に示す保持具61を示す六面図であり、(a)は平面図、(b)は左側面図、(c)は正面図、(d)は右側面図、(e)は背面図、(f)は底面図であり、
図18に対応している。
【0099】
図22及び
図23において、
図17及び
図18中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
【0100】
本実施の形態による保持具61が前記第6の実施の形態による保持具51と異なる所は、当接部3a,3bが取り除かれている点である。
【0101】
本実施の形態によっても、前記第4の実施の形態と同様の利点が得られる。
【0102】
[第8の実施の形態]
【0103】
図24は、本発明の第8の実施の形態による保持具71を示す概略斜視図であり、
図2及び
図6に対応している。
図25は、
図24に示す保持具71を示す六面図であり、(a)は平面図、(b)は左側面図、(c)は正面図、(d)は右側面図、(e)は背面図、(f)は底面図であり、
図3及び
図7に対応している。
図26は、
図24に示す保持具71を筐体100に装着した状態を示す概略斜視図であり、
図1に対応している。
【0104】
図24乃至
図26において、
図1乃至
図3、
図6及び
図7中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。ただし、保持具11の要素に対応する要素には、保持具11の要素の符号にダッシュを付した符号を付している。
【0105】
本実施の形態による保持具71は、前記第1の実施の形態による保持具1と、+Z側と-Z側を逆にした前記第2の実施の形態による保持具11とを、保持具1を-Z側に配置する一方で保持具11を+Z側に配置して合体させたような構造を有している。これにより、本実施の形態による保持具71は、保持する扉102の開度が互いに異なる2つの挿入部2,2’を備えている。
【0106】
本実施の形態による保持具71は使用に際し、扉102の開度を90゜に保持する場合には、
図26に示すように挿入部2が本体101と扉102との間に選択的に挿入され、扉102の開度を135゜に保持する場合には、上下を逆にして挿入部2’が本体101と扉102との間に選択的に挿入される。
【0107】
本実施の形態によれば、複数の挿入部2,2’のうちのいずれの挿入部を本体101と扉102との間に挿入するかによって、互いに異なる複数の開度のうちのいずれの開度の状態に保持するかを簡単に選択することができる。
【0108】
なお、本発明による保持具は、扉102を保持する開度が互いに異なる3つ以上の挿入部を備えていてもよい。その場合、3つ以上の挿入部は、例えば放射状に配置することができる。
【0109】
[第9の実施の形態]
【0110】
図27は、本発明の第9の実施の形態による保持具81を示す概略斜視図であり、
図24に対応している。
【0111】
図27において、
図24中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
【0112】
本実施の形態による保持具81が前記第8の実施の形態による保持具71と異なる所は、磁石82が内蔵されている点である。
【0113】
筐体100の本体101や扉102は、通常は鋼板等の磁力が作用し得る材料で構成される。したがって、本実施の形態による保持具81には磁石82が内蔵されているので、その磁力によって保持具81は本体101や扉102に吸着する。このため、本実施の形態によれば、作業者が当該保持具を装着したり取り外したりする際に当該保持具を誤って落下させてしまう可能性を低減することができ、安全性を高めることができる。筐体100が高所に設置される場合などには、その安全性向上効果は著しい。
【0114】
なお、本発明では、前述した他の各実施の形態による保持具に磁石を設けてもよい。
【0115】
[第10の実施の形態]
【0116】
図28は、本発明の第10の実施の形態による保持具91を示す概略斜視図であり、
図24に対応している。
【0117】
図28において、
図24中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
【0118】
本実施の形態による保持具91が前記第8の実施の形態による保持具71と異なる所は、落下防止具92が取り付けられている点である。
【0119】
本実施の形態では、落下防止具92は、基端側が保持具に取り付けられたチェーン92aと、チェーン92aの先端に設けられたフック92bとから構成されている。チェーン92aの基端側の保持具への取り付け構造としては、図面には示していないが、例えば、浴槽の水抜き孔を閉塞するバスゴム栓に対するチェーンの取り付け構造を採用することができる。
【0120】
本実施の形態によれば、フック92bを筐体100の適当箇所に引っ掛けたり、作業者の衣類やバンド等に引っ掛けたりすることによって、作業者が当該保持具91を装着したり取り外したりする際に当該保持具91を誤って落下させてしまう可能性を低減することができ、安全性を高めることができる。筐体100が高所に設置される場合などには、その安全性向上効果は著しい。
【0121】
なお、落下防止具92は前述した例に限らず、公知の種々の落下防止具を用いることができる。例えば、チェーン92aに代えて紐を用いてもよい。
【0122】
なお、本発明では、前述した他の各実施の形態による保持具に落下防止具92を取り付けてもよい。
【0123】
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。例えば、開閉体は、扉に限らず、蓋であってもよい。
【0124】
また、例えば、本発明では、前記第8の実施の形態による保持具71において、(i)挿入部2の第1及び第2の壁面2a,2b、(ii)挿入部2の第3及び第4の壁面2c,2d、(iii)挿入部2’の第1及び第2の壁面2a’,2b’、(iv)挿入部’2の第3及び第4の壁面2c’,2d’のいずれか1つ以上を、テーパ状又は階段状に形成してもよい。
【符号の説明】
【0125】
1,11,21,31,41,51,61,71,81,91 保持具
2 挿入部
3 移動規制部
2A 第1の回動規制部
2B 第2の回動規制部
2a 第1の壁面
2b 第2の壁面
2c 第3の壁面
2d 第4の壁面
100 筐体
101 本体
102 扉