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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-09
(45)【発行日】2022-09-20
(54)【発明の名称】外観検査装置および外観検査方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/956 20060101AFI20220912BHJP
【FI】
G01N21/956 B
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018003765
(22)【出願日】2018-01-12
(65)【公開番号】P2019124495
(43)【公開日】2019-07-25
【審査請求日】2020-12-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000002037
【氏名又は名称】新電元工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100120385
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 健之
(72)【発明者】
【氏名】藤原 渉
【審査官】赤木 貴則
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-087546(JP,A)
【文献】特開2009-252358(JP,A)
【文献】特開平04-286943(JP,A)
【文献】特開2007-093258(JP,A)
【文献】特開昭63-186376(JP,A)
【文献】特開2012-171628(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0105637(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84-G01N 21/958
G01B 11/00-G01B 11/30
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外観検査面および前記外観検査面の反対側の反対面を有する検査対象物が収納されたキャリアテープに沿って延在し、前記キャリアテープによる前記検査対象物の搬送を前記外観検査面側からガイドする第1レール部と、前記検査対象物の搬送を前記反対面側からガイドする第2レール部とを有する搬送レールと、
前記搬送レール上の外観検査位置において前記第1レール部に設けられ、前記外観検査面側から前記反対面側に向かう方向に前記第1レール部を貫通する貫通孔と、
前記キャリアテープから前記外観検査面側に離れて配置され、前記外観検査位置に搬送された前記検査対象物に前記貫通孔を通して前記外観検査面側から光を照射する反射照明部と、
前記外観検査位置において前記第2レール部に設けられた光透過部と、
前記キャリアテープから前記反対面側に離れて配置され、前記外観検査位置に搬送された前記検査対象物に前記光透過部を通して前記反対面側から光を照射する透過照明部と、
前記キャリアテープから前記外観検査面側に離れて配置され、前記透過照明部から照射された光を前記光透過部および前記検査対象物の周辺の前記キャリアテープで透過させた透過光によって照明された前記検査対象物の周辺領域を背景として、前記反射照明部から照射された光を前記外観検査面で反射させた反射光によって照明された前記外観検査面を撮像する撮像部と、を備え、
前記光透過部は、前記外観検査面側から前記反対面側に向かう方向に前記第2レール部を貫通する第2の貫通孔と、前記第2の貫通孔の内部に配置された導光板とを有することを特徴とする外観検査装置。
【請求項2】
前記導光板は、透明材で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の外観検査装置。
【請求項3】
前記光透過部は、半透明のセラミック材で構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の外観検査装置。
【請求項4】
前記外検査位置において前記キャリアテープに対して前記外観検査面側に配置されたカバーガラスを更に備えることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の外観検査装置。
【請求項5】
前記反射照明部の光量は、前記透過照明部の光量の1倍よりも大きく3倍よりも小さいことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の外観検査装置。
【請求項6】
前記外観検査面に対して前記反射照明部の光軸がなす角度は、45°よりも小さいことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の外観検査装置。
【請求項7】
前記透過照明部と前記キャリアテープとの距離は、前記反射照明部と前記キャリアテープとの距離よりも小さいことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の外観検査装置。
【請求項8】
外観検査面および前記外観検査面の反対側の反対面を有する検査対象物が収納されたキャリアテープに沿って延在し、前記キャリアテープによる前記検査対象物の搬送を前記外観検査面側からガイドする第1レール部と、前記検査対象物の搬送を前記反対面側からガイドする第2レール部とを有する搬送レールと、
前記搬送レール上の外観検査位置において前記第1レール部に設けられ、前記外観検査面側から前記反対面側に向かう方向に前記第1レール部を貫通する貫通孔と、
前記キャリアテープから前記外観検査面側に離れて配置された反射照明部と、
前記外観検査位置において前記第2レール部に設けられた光透過部と、
前記キャリアテープから前記反対面側に離れて配置された透過照明部と、
前記キャリアテープから前記外観検査面側に離れて配置された撮像部と、を備え、
前記光透過部が、前記外観検査面側から前記反対面側に向かう方向に前記第2レール部を貫通する第2の貫通孔と、前記第2の貫通孔の内部に配置された導光板とを有する外観検査装置を用いて、前記検査対象物の外観を検査し、
前記検査対象物の外観の検査は、
前記外観検査位置に搬送された前記検査対象物に、前記貫通孔を通して前記外観検査面側から前記反射照明部によって光を照射し、
前記外観検査位置に搬送された前記検査対象物に、前記光透過部を通して前記反対面側から前記透過照明部によって光を照射し、
前記透過照明部から照射された光を前記光透過部および前記検査対象物の周辺の前記キャリアテープで透過させた透過光によって照明された前記検査対象物の周辺領域を背景として、前記反射照明部から照射された光を前記外観検査面で反射させた反射光によって照明された前記外観検査面を前記撮像部で撮像することを含むことを特徴とする外観検査方法。
【請求項9】
前記外観検査面は、電子部品の捺印文字の形成面を含むことを特徴とする請求項8に記載の外観検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外観検査装置および外観検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、キャリアテープ内に収納された電子部品などの検査対象物(以下、ワークと呼ぶ)の外観を検査するテーピング外観検査装置が採用されていた。従来のテーピング外観検査装置では、キャリアテープを巻き取ってワークを搬送しながら、ワークに対して上方から照明光を照射し、照射された照明光のワークによる反射光を受光することでワークの画像を撮像し、撮像された画像に基づいて、ワークの表面に形成された捺印文字の外観を検査していた。この他にも、外観検査では、ワークの有無、異物混入の有無、ワークの位置および端子の外観なども検査していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-107254号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のテーピング外観検査装置では、キャリアテープの周辺に、キャリアテープによるワークの搬送をガイドするための搬送レールや、ワークの飛散を防止するためのカバーガラスが設けられているため、これらが照明光の乱反射を生じさせることで、ワークとその背景とのコントラストを不明瞭にしていた。これにより、外観検査に適した高画質のワークの画像を安定的に撮像することが困難であった。
【0005】
したがって、従来は、画像に基づく検査対象物の適切な外観検査を安定的に行うことが困難であるといった問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、画像に基づく検査対象物の適切な外観検査を安定的に行うことができる外観検査装置および外観検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る外観検査装置は、
外観検査面および前記外観検査面の反対側の反対面を有する検査対象物が収納されたキャリアテープに沿って延在し、前記キャリアテープによる前記検査対象物の搬送を前記外観検査面側からガイドする第1レール部と、前記検査対象物の搬送を前記反対面側からガイドする第2レール部とを有する搬送レールと、
前記搬送レール上の外観検査位置において前記第1レール部に設けられ、前記外観検査面側から前記反対面側に向かう方向に前記第1レール部を貫通する貫通孔と、
前記キャリアテープから前記外観検査面側に離れて配置され、前記外観検査位置に搬送された前記検査対象物に前記貫通孔を通して前記外観検査面側から光を照射する反射照明部と、
前記外観検査位置において前記第2レール部に設けられた光透過部と、
前記キャリアテープから前記反対面側に離れて配置され、前記外観検査位置に搬送された前記検査対象物に前記光透過部を通して前記反対面側から光を照射する透過照明部と、
前記キャリアテープから前記外観検査面側に離れて配置され、前記透過照明部から照射された光を前記光透過部および前記検査対象物の周辺の前記キャリアテープで透過させた透過光によって照明された前記検査対象物の周辺領域を背景として、前記反射照明部から照射された光を前記外観検査面で反射させた反射光によって照明された前記外観検査面を撮像する撮像部と、を備える。
【0008】
前記外観検査装置において、
前記光透過部は、前記外観検査面側から前記反対面側に向かう方向に前記第2レール部を貫通する第2の貫通孔と、前記第2の貫通孔の内部に配置された導光板とを有してもよい。
【0009】
前記外観検査装置において、
前記導光板は、透明材で構成されていてもよい。
【0010】
前記外観検査装置において、
前記光透過部は、半透明のセラミック材で構成されていてもよい。
【0011】
前記外観検査装置において、
前記外見検査位置において前記キャリアテープに対して前記外観検査面側に配置されたカバーガラスを更に備えてもよい。
【0012】
前記外観検査装置において、
前記反射照明部の光量は、前記透過照明部の光量の1倍よりも大きく3倍よりも小さくてもよい。
【0013】
前記外観検査装置において、
前記外観検査面に対して前記反射照明部の光軸がなす角度は、45°よりも小さくてもよい。
【0014】
前記外観検査装置において、
前記透過照明部と前記キャリアテープとの距離は、前記反射照明部と前記キャリアテープとの距離よりも小さくてもよい。
【0015】
本発明の一態様に係る外観検査方法は、
外観検査面および前記外観検査面の反対側の反対面を有する検査対象物が収納されたキャリアテープに沿って延在し、前記キャリアテープによる前記検査対象物の搬送を前記外観検査面側からガイドする第1レール部と、前記検査対象物の搬送を前記反対面側からガイドする第2レール部とを有する搬送レールと、
前記搬送レール上の外観検査位置において前記第1レール部に設けられ、前記外観検査面側から前記反対面側に向かう方向に前記第1レール部を貫通する貫通孔と、
前記キャリアテープから前記外観検査面側に離れて配置された反射照明部と、
前記外観検査位置において前記第2レール部に設けられた光透過部と、
前記キャリアテープから前記反対面側に離れて配置された透過照明部と、
前記キャリアテープから前記外観検査面側に離れて配置された撮像部と、を備える外観検査装置を用いて、前記検査対象物の外観を検査し、
前記検査対象物の外観の検査は、
前記外観検査位置に搬送された前記検査対象物に、前記貫通孔を通して前記外観検査面側から前記反射照明部によって光を照射し、
前記外観検査位置に搬送された前記検査対象物に、前記光透過部を通して前記反対面側から前記透過照明部によって光を照射し、
前記透過照明部から照射された光を前記光透過部および前記検査対象物の周辺の前記キャリアテープで透過させた透過光によって照明された前記検査対象物の周辺領域を背景として、前記反射照明部から照射された光を前記外観検査面で反射させた反射光によって照明された前記外観検査面を前記撮像部で撮像することを含む。
【0016】
前記外観検査方法において、
前記外観検査面は、電子部品の捺印文字の形成面を含んでもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の一態様に係る外観検査装置は、外観検査面および外観検査面の反対側の反対面を有する検査対象物が収納されたキャリアテープに沿って延在し、キャリアテープによる検査対象物の搬送を外観検査面側からガイドする第1レール部と、検査対象物の搬送を反対面側からガイドする第2レール部とを有する搬送レールと、搬送レール上の外観検査位置において第1レール部に設けられ、外観検査面側から反対面側に向かう方向に第1レール部を貫通する貫通孔と、キャリアテープから外観検査面側に離れて配置され、外観検査位置に搬送された検査対象物に貫通孔を通して外観検査面側から光を照射する反射照明部と、外観検査位置において第2レール部に設けられた光透過部と、キャリアテープから反対面側に離れて配置され、外観検査位置に搬送された検査対象物に光透過部を通して反対面側から光を照射する透過照明部と、キャリアテープから外観検査面側に離れて配置され、透過照明部から照射された光を光透過部および検査対象物の周辺のキャリアテープで透過させた透過光によって照明された検査対象物の周辺領域を背景として、反射照明部から照射された光を外観検査面で反射させた反射光によって照明された外観検査面を撮像する撮像部と、を備える。
このように、透過照明部からの透過光で照明された検査対象物の周辺領域を背景として反射照明部からの反射光で照明された外観検査面を撮像することで、外観検査面と周辺領域とのコントラストが明瞭な画像を得ることができる。これにより、外観検査に適した高画質の検査対象物の画像を安定的に撮像することができる。
したがって、本発明によれば、画像に基づく検査対象物の適切な外観検査を安定的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本実施形態に係る外観検査装置の一例を示す縦断面図である。
図2】本実施形態に係る外観検査装置の一例を示す横断面図である。
図3】半導体ワークの外観検査面を示す平面図である。
図4】本実施形態の変形例に係る外観検査装置の一例を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態を説明する。実施形態は、本発明を限定するものではない。
【0020】
図1は、本実施形態に係る外観検査装置1の一例を示す縦断面図である。図2は、本実施形態に係る外観検査装置1の一例を示す横断面図である。図3は、半導体ワークWの外観検査面S1を示す平面図である。
【0021】
図1および図2に示される本実施形態に係る外観検査装置1は、検査対象物の外観を検査する装置である。図1図3の例において、検査対象物は、電子部品の一例である半導体ワークWである。図3の例において、半導体ワークWは、半導体素子を樹脂で封止した封止部W1と、封止部W1から露出し、半導体素子に電気的に接続された端子部W2とを有している。半導体ワークWの構成は、図3の例に限定されない。
【0022】
半導体ワークWは、図1における上面である外観検査面S1と、図1における下面である外観検査面S1の反対側の反対面S2とを有する。図3の例において、封止部W1の外観検査面S1には、捺印文字Cが形成されている。外観検査においては、例えば、捺印文字Cが適切に形成されているか否かを検査する。
【0023】
このような半導体ワークWは、キャリアテープTに収納された状態で、キャリアテープTとともに搬送方向fに搬送されながら外観検査が行われる。キャリアテープTは、搬送方向fに長尺に形成されており、搬送方向fに沿って複数の半導体ワークWを収納可能である。図1および図2の例において、キャリアテープTは、半導体ワークWを反対面S2側すなわち下方d2から保持する底壁部Taと、底壁部Taの外周端から外観検査面S1側すなわち上方d1に向かって延出する側壁部Tbと、側壁部Tbの上端から搬送方向fに直交する幅方向Wの外方に突出する突縁部Tcとを有する。なお、後述する外観検査が行われる前のキャリアテープTは、上部開口が封止されておらず、半導体ワークWの外観検査面S1が露出した状態になっている。
【0024】
図1に示すように、外観検査装置1は、搬送レール2と、貫通孔3と、反射照明部4と、光透過部5と、透過照明部6と、撮像部7と、カバーガラス8と、外観判定部9とを備える。
【0025】
搬送レール2は、半導体ワークWが収納されたキャリアテープTに沿って延在している。
【0026】
搬送レール2は、第1レール部21と第2レール部22とを有する。第1レール部21および第2レール部22は、いずれも金属等によって遮光性を有するように構成されている。
【0027】
第1レール部21は、キャリアテープTに対して外観検査面S1側すなわち上側に配置されている。第1レール部21は、キャリアテープTによる半導体ワークWの搬送を外観検査面S1側からガイドする。
【0028】
第2レール部22は、キャリアテープTに対して反対面S2側すなわち下側に配置されている。第2レール部22は、キャリアテープTによる半導体ワークWの搬送を反対面S2側からガイドする。
【0029】
貫通孔3は、搬送レール2上の外観検査位置Pにおいて第1レール部21に設けられている。より詳しくは、貫通孔3は、外観検査面S1側から反対面S2側に向かう方向すなわち上下方向に第1レール部21を貫通している。
【0030】
反射照明部4は、キャリアテープTから外観検査面S1側すなわち上方d1に離れて配置されている。反射照明部4は、外観検査位置Pに搬送された半導体ワークWに、貫通孔3を通して外観検査面S1側から光L1を照射する。反射照明部4は、例えば、LED照明装置であってもよい。
【0031】
外観検査面S1に対して反射照明部4の光軸がなす角度θは、45°よりも小さくてもよい。
【0032】
光透過部5は、外観検査位置Pにおいて第2レール部22に設けられている。本実施形態において、光透過部5は、外観検査面S1側から反対面S2側に向かう方向すなわち上下方向に第2レール部22を貫通する第2の貫通孔51と、第2の貫通孔51の内部に配置された導光板52とを有する。
【0033】
導光板52は、透明材で構成されている。透明材は、例えば、ガラスであってもよい。
【0034】
図1の例において、導光板52の搬送方向f側の一端52aは、第2の貫通孔52の搬送方向f側の側壁に設けられた第1の切欠き部521に挿入された状態で第2レール部22に保持されている。一方、導光板52の搬送方向fの反対方向側の他端52bは、第2の貫通孔52の搬送方向fの反対方向側の側壁に設けられた第2の切欠き部522に挿入された状態で第2レール部22に保持されている。
【0035】
より詳しくは、図1の例において、第2レール部22は、切欠き部521、522が形成された上側部分22aと、上側部分22aの下面に接し、切欠き部521、522が形成されていない下側部分22bと、を有している。このような構成によれば、上側部分22aと下側部分22bとの間に導光板52を挟み込むことで、切欠き部521、522に簡便に導光板52の端部52a、52bを挿入することができるので、光透過部5を簡便に組み立てることができる。
【0036】
透過照明部6は、キャリアテープTから反対面S2側すなわち下方d2に離れて配置されている。透過照明部6は、外観検査位置Pに搬送された半導体ワークWに、光透過部5を通して反対面S2側から光L2を照射する。透過照明部6は、例えば、LED照明装置であってもよい。
【0037】
透過照明部6の光量に対して、反射照明部4の光量は、1倍よりも大きく3倍よりも小さくてもよい。例えば、反射照明と透過照明の比は、12:5であってもよい。
【0038】
透過照明部6とキャリアテープTとの距離は、反射照明部4とキャリアテープTとの距離よりも小さくてもよい。
【0039】
図2に示すように、撮像部7は、キャリアテープTから外観検査面S1側すなわち上方d1に離れて配置されている。撮像部7は、透過照明部6から照射された光L2を光透過部5および半導体ワークWの周辺のキャリアテープTで透過させた透過光によって照明された半導体ワークWの周辺領域を背景として、反射照明部4から照射された光L1を外観検査面S1で反射させた反射光によって照明された外観検査面S1を撮像する。
【0040】
カバーガラス8は、未封止状態のキャリアテープTに収納された半導体ワークWの飛散を防止するために、外観検査位置PにおいてキャリアテープTに対して外観検査面S1側すなわち上側に配置されている。
【0041】
外観判定部9は、撮像部7で撮像された外観検査面S1の画像に基づいて、外観検査面S1の外観を判定する。例えば、外観判定部9は、撮像された外観検査面S1の画像と、外観の判定において参照とする参照画像とを比較し、両画像の画素値の差が閾値以内に収まる場合には、外観検査面S1を外観が正常であると判定し、一方、閾値以内に収まらない場合には、外観検査面S1を外観が異常であると判定してもよい。
【0042】
以下、本実施形態によってもたらされる作用について説明する。
【0043】
既述したように、本実施形態に係る外観検査装置1は、外観検査面S1および反対面S2を有する半導体ワークWが収納されたキャリアテープTに沿って延在する搬送レール2を備える。搬送レール2は、キャリアテープTによる半導体ワークWの搬送を外観検査面S1側からガイドする第1レール部21と、半導体ワークWの搬送を反対面S2側からガイドする第2レール部22とを有する。また、外観検査装置1は、外観検査位置Pにおいて第1レール部21を貫通する貫通孔3と、外観検査位置Pに搬送された半導体ワークWに貫通孔3を通して外観検査面S1側から光L1を照射する反射照明部4とを備える。また、外観検査装置1は、外観検査位置Pにおいて第2レール部22に設けられた光透過部5と、外観検査位置Pに搬送された半導体ワークWに光透過部5を介して反対面S2側から光L2を照射する透過照明部6とを備える。また、外観検査装置1は、透過照明部6から照射された光L2を光透過部5および半導体ワークWの周辺のキャリアテープTで透過させた透過光によって照明された半導体ワークWの周辺領域を背景として、反射照明部4から照射された光L1を外観検査面S1で反射させた反射光によって照明された外観検査面S1を撮像する撮像部7を備える。
【0044】
このような構成によれば、キャリアテープTとともに外観検査位置Pに搬送された半導体ワークWに対して、第1レール部21の貫通孔3を通して外観検査面S1側から反射照明部4によって光L1を照射し、同時に、光透過部5を通して反対面S2側から透過照明部6によって光L2を照射することができる。これにより、撮像部7は、透過照明部6からの透過光によって照明された半導体ワークWの周辺領域を背景として、反射照明部4からの光L1の反射光によって照明された外観検査面S1を撮像することができる。このように、透過光で照明された半導体ワークWの周辺領域を背景として反射光で照明された外観検査面S1を撮像することで、半導体ワークWの周辺領域での乱反射を抑制して外観検査面S1と周辺領域とのコントラストが明瞭な画像を得ることができる。これにより、外観検査に適した高画質の半導体ワークWの画像を安定的に撮像することができる。高画質の半導体ワークWの画像を安定的に撮像することができるので、画像に基づく半導体ワークWの適切な外観判定を安定的に行うことができる。
【0045】
したがって、本実施形態によれば、画像に基づく検査対象物の適切な外観検査を安定的に行うことができる。
【0046】
また、本実施形態に係る外観検査装置1において、光透過部5は、外観検査面S1側から反対面S2側に向かう方向に第2レール部22を貫通する第2の貫通孔51と、第2の貫通孔51の内部に配置された導光板52とを有する。導光板52は、透明材で構成されている。
【0047】
このような構成によれば、簡易な構成によって光透過部5を構成することができる。
【0048】
また、本実施形態に係る外観検査装置1は、キャリアテープTに対して外観検査面S1側に配置されたカバーガラス8を備える。
【0049】
このような構成によれば、キャリアテープTの封止前の半導体ワークWの飛散を防止することができるとともに、透過照明部6からの透過光によってカバーガラス8による乱反射の影響を抑制して、外観検査面S1と周辺領域とのコントラストが明瞭な画像を得ることができる。
【0050】
また、本実施形態に係る外観検査装置1において、反射照明部4の光量は、透過照明部6の光量の1倍よりも大きく3倍よりも小さくてもよい。
【0051】
このような構成によれば、反射照明部4の光量を適度に抑えることができるので、乱反射の影響をより効果的に抑えることができる。
【0052】
また、本実施形態に係る外観検査装置1において、外観検査面S1に対して反射照明部4のなす角度θは、45°よりも小さくてもよい。
【0053】
このような構成によれば、外観検査装置1の高さを抑制することができるので、設置スペースが制約させた場所にも外観検査装置1を設置することができる。
【0054】
また、本実施形態に係る外観検査装置1において、透過照明部6とキャリアテープTとの距離は、反射照明部4とキャリアテープTとの距離よりも小さくてもよい。
【0055】
このような構成によれば、外観検査装置1の高さを更に抑制することができる。
【0056】
(変形例)
上述した構成以外にも、本実施形態には種々の変形例を適用することができる。図4は、本実施形態の変形例に係る外観検査装置1の一例を示す縦断面図である。
【0057】
図1および図2の例では、光透過部5を第2の貫通孔51および導光板52によって構成していた。これに対して、図4に示すように、光透過部5を、半透明のセラミック材で構成してもよい。本変形例の光透過部5においても、図1および図2の光透過部5と同様に、透過照明部6からの光を透過して反射照明部4の周辺領域を照明することができるので、外観検査面S1と周辺領域とのコントラストが明瞭な画像を得ることができる。
【0058】
上述した実施形態は、あくまで一例であって、発明の範囲を限定するものではない。発明の要旨を逸脱しない限度において、上述した実施形態に対して種々の変更を行うことができる。変更された実施形態は、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0059】
1 外観検査装置
2 搬送レール
21 第1レール部
22 第2レール部
3 貫通孔
4 反射照明部
5 光透過部
6 透過照明部
7 撮像部
図1
図2
図3
図4