(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-09
(45)【発行日】2022-09-20
(54)【発明の名称】机上照明装置
(51)【国際特許分類】
F21V 33/00 20060101AFI20220912BHJP
F21S 6/00 20060101ALI20220912BHJP
A47B 17/00 20060101ALI20220912BHJP
F21V 3/02 20060101ALI20220912BHJP
F21V 23/04 20060101ALI20220912BHJP
F21V 21/30 20060101ALI20220912BHJP
F21Y 103/10 20160101ALN20220912BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20220912BHJP
F21Y 115/20 20160101ALN20220912BHJP
【FI】
F21V33/00 110
F21S6/00 300
A47B17/00 B
F21V3/02 400
F21V23/04 100
F21V21/30 300
F21Y103:10
F21Y115:10 300
F21Y115:20
(21)【出願番号】P 2018131055
(22)【出願日】2018-07-10
【審査請求日】2021-05-20
(73)【特許権者】
【識別番号】591280186
【氏名又は名称】株式会社オリバー
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】浦隅 明弘
(72)【発明者】
【氏名】松▲崎▼ 周平
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-217703(JP,A)
【文献】国際公開第2011/034139(WO,A1)
【文献】特開2012-161407(JP,A)
【文献】特開2000-011752(JP,A)
【文献】特開2001-027786(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 33/00
F21S 6/00
A47B 17/00
F21V 3/02
F21V 23/04
F21V 21/30
F21Y 103/10
F21Y 115/10
F21Y 115/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デスク本体に取り付け可能に立設した左右の支持フレーム体と、前記支持フレーム体の上端部に横設した上部フレーム体と、前記上部フレーム体の下方で前記支持フレーム体に横設した中間フレーム体とを備え、前記デスク本体の机上面を直接的に照明するタスク照明部を前記中間フレーム体に設置し、天井等の周辺部を照明するアンビエント照明部を前記上部フレーム体に設置した机上照明装置であって、
前記タスク照明部の光源は、左右方向に延設された板状の有機EL照明板から拡散照射する面状拡散光源体とし、
前記アンビエント照明部の光源は、半透明に形成された円弧状外周面を有し左右方向に延設された筒状体の外周側設置部に複数のLEDチップを左右方向に均等配置し、前記LEDチップの照射光を前記円弧状外周面から放射状に拡散照射する筒状拡散光源体としたこと
、
前記円弧状外周面は、前記外周側設置部に対して上方へ半円弧状に突出して形成されていること、
前記筒状体は、前後に一対有し、それぞれ拡散光を照射する前記円弧状外周面の上端部が互いに近接する方向に前記外周側設置部を傾斜させて左右方向へ並列状に配置したこと、
前記筒状体は、前後方向で前記円弧状外周面の直径より広く離間して配置したこと、
前記各円弧状外周面から照射される拡散光は、前記上部フレーム体から上方へ向けて部分的に交差しつつ異なる方向へ照射されることを特徴とする机上照明装置。
【請求項2】
請求項1に記載された机上照明装置において、
前記支持フレーム体は、前記デスク本体に取り付ける取付板から前記中間フレーム体との連結部まで延設された下支持フレーム体と、前記中間フレーム体との連結部から前記上部フレーム体との連結部まで延設された上支持フレーム体とに分割され、それぞれの連結部で互いに分離可能に締結されていることを特徴とする机上照明装置。
【請求項3】
デスク本体に取り付け可能に立設した左右の支持フレーム体と、前記支持フレーム体の上端部に横設した上部フレーム体と、前記上部フレーム体の下方で前記支持フレーム体に横設した中間フレーム体とを備え、前記デスク本体の机上面を直接的に照明するタスク照明部を前記中間フレーム体に設置し、天井等の周辺部を照明するアンビエント照明部を前記上部フレーム体に設置した机上照明装置であって、
前記タスク照明部の光源は、左右方向に延設された板状の有機EL照明板から拡散照射する面状拡散光源体とし、
前記アンビエント照明部の光源は、左右方向に複数個配設された板状の有機EL照明板から拡散照射する面状拡散光源体としたこと
、
前記アンビエント照明部の有機EL照明板は、前記タスク照明部の有機EL照明板より一個当たりの面積が小さく且つ数量が多く形成され、また、均等に配置されていること、
前記支持フレーム体は、前記デスク本体に取り付ける取付板から前記中間フレーム体との連結部まで延設された下支持フレーム体と、前記中間フレーム体との連結部から前記上部フレーム体との連結部まで延設された上支持フレーム体とに分割され、それぞれの連結部で互いに分離可能に締結されていることを特徴とする机上照明装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載された机上照明装置において、
前記タスク照明部には、前記有機EL照明板を収容する矩形状の枠体を備え、
前記中間フレーム体には、前記支持フレーム体に左右方向に横設された主フレーム体と、前記主フレーム体の前後方向に延設された複数の補助フレーム体とを備え、
前記タスク照明部の枠体は、前記補助フレーム体の前端部同士の間及び後端部同士の間にそれぞれ上下方向に回転でき、回転した位置で静止可能に形成された回転ヒンジ部を介して連結されたことを特徴とする机上照明装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項
4のいずれか1項に記載された机上照明装置において、
前記タスク照明部のスイッチは、各タスク照明部毎に設け、前記アンビエント照明部のスイッチは、既設の天井照明のスイッチ近傍に一括して設けたことを特徴とする机上照明装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項
5のいずれか1項に記載された机上照明装置において、
前記支持フレーム体と前記中間フレーム体とは、それぞれ同一断面の角パイプで形成され、各外表面が暗色系の艶消し塗装されていることを特徴とする机上照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、机上照明装置に関し、詳しくは、デスク机等の机上面を直接的に照明するタスク照明部と当該タスク照明部の上方に位置して天井等の周辺部を照明するアンビエント照明部とを備えた机上照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、オフィスにおけるフリーな作業環境等を実現するため、デスク机等のフレキシブルなレイアウト変更が可能であって、既設の天井照明から外れた位置でのデスクワークに対しても必要な照度を確保できるように、机上を直接的に照明するタスク照明部と当該タスク照明部の上方に位置して天井等の周辺部を照明するアンビエント照明部とを備えた机上照明装置が注目されている。一方、オフィス照明においても、省エネルギーの観点から消費電力の少ない発光ダイオード(LED:light emitting diode)を利用した照明装置が普及しつつある。そのため、発光ダイオード(LED)を用いた照明ユニットを利用して、タスク照明部とアンビエント照明部とを構成した机上照明装置に関する発明が、例えば、特許文献1に開示されている。
【0003】
すなわち、特許文献1に開示された机上照明装置100は、
図17に示すように、デスク本体101に門型の机上構造体102を取り付け可能とし、机上構造体102における左右の支持柱102a、102bの上端に横設する上部フレーム102cと、上部フレーム102cの下方に横設する中間フレーム102dとを備え、タスク照明部103を中間フレーム102dに配置し、アンビエント照明部105を上部フレーム102cに配置している。
【0004】
また、
図17、
図18に示すように、中間フレーム102dには、タスク照明部103として、机上面101aのワークラインWLに沿って間欠的に又は連続的に点光源であるLEDチップ103aを複数個マウントした基板103bを配置し、平板状のスモーク板104で覆って机上面101aを照明するように構成した。また、
図17、
図19に示すように、上部フレーム102cには、上壁に凹部102ccを設け、この凹部102cc内に、アンビエント照明部105として、タスク照明部103と同様にLEDチップ105aを複数個マウントした基板105bを配置し、平板状のスモーク板106で覆って天井方向を照らすように構成した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記机上照明装置100は、タスク照明部103及びアンビエント照明部105として、点光源であるLEDチップ103a、105aを複数個マウントした基板103b、105bを配置し、平板状のスモーク板104、106で覆って照明するように構成したので、以下のような問題があった。
すなわち、点光源であるLEDチップ103a、105aから照射される光線は、直進性が高く、平板状のスモーク板104、106で覆っても光を周辺部に略均一に拡散させることができない。そのため、デスクワークに必要な照度を確保できるが、照明にムラや影が生じやすく、目の疲労感を増長させやすいという問題があった。
また、タスク照明部103のLEDチップ103aから出るブルーライトやUV(紫外線)が、直接的又は間接的に目に入り、角膜や水晶体を透過して網膜を傷付ける恐れがあるという問題もあった。
【0007】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、デスク机等のフレキシブルなレイアウト変更が可能であって、既設の天井照明から外れた位置でのデスクワークに対しても必要な照度を確保しつつ、安全で目に優しい光で照明できる机上照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係る机上照明装置は、次のような構成を有している。
(1)デスク本体に取り付け可能に立設した左右の支持フレーム体と、前記支持フレーム体の上端部に横設した上部フレーム体と、前記上部フレーム体の下方で前記支持フレーム体に横設した中間フレーム体とを備え、前記デスク本体の机上面を直接的に照明するタスク照明部を前記中間フレーム体に設置し、天井等の周辺部を照明するアンビエント照明部を前記上部フレーム体に設置した机上照明装置であって、
前記タスク照明部の光源は、左右方向に延設された板状の有機EL照明板から拡散照射する面状拡散光源体とし、
前記アンビエント照明部の光源は、半透明に形成された円弧状外周面を有し左右方向に延設された筒状体の外周側設置部に複数のLEDチップを左右方向に均等配置し、前記LEDチップの照射光を前記円弧状外周面から放射状に拡散照射する筒状拡散光源体としたことを特徴とする。
【0009】
本発明においては、タスク照明部の光源は、左右方向に延設された板状の有機EL照明板から拡散照射する面状拡散光源体とし、アンビエント照明部の光源は、半透明に形成された円弧状外周面を有し左右方向に延設された筒状体の外周側設置部に複数のLEDチップを左右方向に均等配置し、LEDチップの照射光を円弧状外周面から放射状に拡散照射する筒状拡散光源体としたので、タスク照明部とアンビエント照明部のいずれにおいても、照明にムラや影が生じにくく、まぶしさ等のストレスを感じにくい。また、タスク照明部の光源は、有機EL(Electro Luminescence)照明板から拡散照射する面状拡散光源体としたので、ブルーライトやUV(紫外線)が少なく、目に対する安全性が高い。そのため、安全で目に優しく、長時間のデスクワークにおいても目の疲労感を感じにくい効果を奏する。
【0010】
また、アンビエント照明部の光源は、半透明に形成された円弧状外周面を有し左右方向に延設された筒状体の外周側設置部に複数のLEDチップを左右方向に均等配置し、LEDチップの照射光を円弧状外周面から放射状に拡散照射する筒状拡散光源体としたので、円弧状外周面から上方に拡散照射する拡散光が、上部フレーム体の上方における天井面をより多く照射し、その反射光を有効に活用できる。そのため、天井照明から外れた位置でのデスクワークに対して必要な照度を確保する上で、より一層貢献できる。
【0011】
よって、本発明によれば、デスク机等のフレキシブルなレイアウト変更が可能であって、既設の天井照明から外れた位置でのデスクワークに対しても必要な照度を確保しつつ、安全で目に優しい光で照明できる机上照明装置を提供することができる。
【0012】
(2)(1)に記載された机上照明装置において、
前記筒状体は、前後に一対有し、それぞれ拡散光を照射する円弧状外周面が互いに近接する方向に前記外周側設置部を傾斜させて左右方向へ並列状に配置したことを特徴とする。
【0013】
本発明においては、筒状体は、前後に一対有し、それぞれ拡散光を照射する円弧状外周面が互いに近接する方向に外周側設置部を傾斜させて左右方向へ並列状に配置したので、各円弧状外周面から放射状に照射される拡散光は上部フレーム体から上方へ向けて部分的に交差しつつ異なる方向へ照射される。そのため、上部フレーム体の上方に位置する天井面を、異なる方向から照射される拡散光によって周囲より明るくかつ略均一に照明できる。また、異なる方向から照射される天井面には、照明のムラや影が生じにくい。その結果、周囲より明るく照射される天井面からのムラや影のない目に優しい反射光によって、デスクワークに対して必要な照度を確保でき、デスク本体のレイアウト変更における自由度を高めることできる。また、目に優しい反射光によって、デスクワークに対して必要な照度を確保できるので、長時間のデスクワークにおいても目の疲労感をより一層感じにくい効果を奏する。
【0014】
(3)デスク本体に取り付け可能に立設した左右の支持フレーム体と、前記支持フレーム体の上端部に横設した上部フレーム体と、前記上部フレーム体の下方で前記支持フレーム体に横設した中間フレーム体とを備え、前記デスク本体の机上面を直接的に照明するタスク照明部を前記中間フレーム体に設置し、天井等の周辺部を照明するアンビエント照明部を前記上部フレーム体に設置した机上照明装置であって、
前記タスク照明部の光源は、左右方向に延設された板状の有機EL照明板から拡散照射する面状拡散光源体とし、
前記アンビエント照明部の光源は、左右方向に延設又は複数個配設された板状の有機EL照明板から拡散照射する面状拡散光源体としたことを特徴とする。
【0015】
本発明においては、タスク照明部の光源は、左右方向に延設された板状の有機EL照明板から拡散照射する面状拡散光源体とし、アンビエント照明部の光源は、左右方向に延設又は複数個配設された板状の有機EL照明板から拡散照射する面状拡散光源体としたので、タスク照明部とアンビエント照明部のいずれにおいても、照明にムラや影が生じにくく、まぶしさ等のストレスを感じにくい。また、タスク照明部及びアンビエント照明部の光源は、有機EL照明板から拡散照射する面状拡散光源体としたので、ブルーライトやUV(紫外線)が少なく、目に対する安全性が高い。そのため、安全で目に優しく、長時間のデスクワークにおいても目の疲労感を感じにくい効果を奏する。
【0016】
また、アンビエント照明部の光源は、左右方向に延設又は複数個配設された板状の有機EL照明板から拡散照射する面状拡散光源体としたので、直進性の高いLED照射光と違って、柔らかい自然光に近い拡散光として上部フレーム体の上方の天井面を周囲より明るくかつ略均一に照明することができる。その結果、上部フレーム体の上方に位置する天井面からの略均一で明るく柔らかい反射光によって、デスクワークに対して必要な照度を確保でき、デスク本体のレイアウト変更における自由度を高めることできる。また、近年、有機EL照明の発光効率(Lm/W)は、LED照明と比較して同程度又はそれ以上の水準に向上しつつある。そのため、既設の天井照明から外れた位置でのデスクワークに対して必要な照度を確保する上で、消費電力の節約に貢献することも可能である。
【0017】
よって、本発明によれば、デスク机等のフレキシブルなレイアウト変更が可能であって、既設の天井照明から外れた位置でのデスクワークに対しても必要な照度を確保しつつ、安全で目に優しい光で照明できる机上照明装置を提供することができる。
【0018】
(4)(1)乃至(3)のいずれか1つに記載された机上照明装置において、
前記タスク照明部には、前記有機EL照明板を収容する矩形状の枠体を備え、
前記中間フレーム体には、前記支持フレーム体に左右方向に横設された主フレーム体と、前記主フレーム体の前後方向に延設された複数の補助フレーム体とを備え、
前記タスク照明部の枠体は、前記補助フレーム体の前端部同士の間及び後端部同士の間にそれぞれ上下方向に回転でき、回転した位置で静止可能に形成された回転ヒンジ部を介して連結されたことを特徴とする。
【0019】
本発明においては、タスク照明部には、有機EL照明板を収容する矩形状の枠体を備え、中間フレーム体には、支持フレーム体に左右方向に横設された主フレーム体と、主フレーム体の前後方向に延設された複数の補助フレーム体とを備え、タスク照明部の枠体は、補助フレーム体の先端部同士の間に上下方向に回転でき、回転した位置で静止可能に形成された回転ヒンジ部を介して連結されたので、個人個人のワーク対象の近くで照明でき、各個人の姿勢やワーク対象に適合するようにタスク照明部の照射角度を簡単な操作で変更することができる。そのため、各個人ごとのワーク対象に対して必要な照度を確保しつつ、より一層安全で目に優しい光で照明できる。
【0020】
(5)(1)乃至(4)のいずれか1つに記載された机上照明装置において、
前記支持フレーム体は、前記デスク本体に取り付ける取付板から前記中間フレーム体との連結部まで延設された下支持フレーム体と、前記中間フレーム体との連結部から前記上部フレーム体との連結部まで延設された上支持フレーム体とに分割され、それぞれの連結部で互いに分離可能に締結されていることを特徴とする。
【0021】
本発明においては、支持フレーム体は、デスク本体に取り付ける取付板から中間フレーム体との連結部まで延設された下支持フレーム体と、中間フレーム体との連結部から上部フレーム体との連結部まで延設された上支持フレーム体とに分割され、それぞれの連結部で互いに分離可能に締結されているので、上下の支持フレーム体と上部フレーム体と中間フレーム体とを互いに分離して搬送し、現地で組み立てることができ、梱包・搬送の効率化に寄与できる。また、アンビエント照明部から天井面までの距離に応じて上支持フレーム体の長さを変更して、アンビエント照明部の照明効率を最適な状態に調節することができる。この場合、下支持フレーム体の長さは、そのまま維持できるので、タスク照明部の照明に影響を与えない。
【0022】
(6)(1)乃至(5)のいずれか1つに記載された机上照明装置において、
前記タスク照明部のスイッチは、各タスク照明部毎に設け、前記アンビエント照明部のスイッチは、既設の天井照明のスイッチ近傍に一括して設けたことを特徴とする。
【0023】
本発明においては、タスク照明部のスイッチは、各タスク照明部毎に設け、アンビエント照明部のスイッチは、既設の天井照明のスイッチ近傍に一括して設けたので、天候や時刻等によってオフィスの照明環境が変化する場合においても、各個人の判断で自己のタスク照明部を点灯又は消灯できる。一方で、一定の周辺領域で安定した明るさを確保する必要があるアンビエント照明部については、その領域で天井照明を含み一括して点灯又は消灯できる。そのため、一定の周辺領域で安定した明るさを確保しつつ、各個人のニーズに沿った照明環境を実現でき、省エネにも貢献できる。また、天井照明を追加する等の天井工事を不要として現場での工期短縮にも貢献できる。
【0024】
(7)(1)乃至(6)のいずれか1つに記載された机上照明装置において、
前記支持フレーム体と前記中間フレーム体とは、それぞれ同一断面の角パイプで形成され、各外表面が暗色系の艶消し塗装されていることを特徴とする。
【0025】
本発明においては、支持フレーム体と中間フレーム体とは、それぞれ同一断面の角パイプで形成され、各外表面が暗色系の艶消し塗装されているので、タスク照明部やアンビエント照明部又は既設の天井照明等からの光が各フレーム体の外表面に反射して作業者の目に入るのを有効に回避でき、目の疲労感をより一層低減できる。また、作業者の各フレーム体等に対する違和感を低減して、デスクワークに意識を集中させることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、デスク机等のフレキシブルなレイアウト変更が可能であって、天井照明から外れた位置でのデスクワークに対しても必要な照度を確保しつつ、安全で目に優しい光で照明できる机上照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の実施形態に係る第1実施例の机上照明装置をデスク本体に設置した全体側面図である。
【
図6】
図3に示すB部、C部の詳細図である。(A)は、B部に表す回転ヒンジ部の分解図を示し、(B)は、B部に表す回転ヒンジ部の組立図を示し、(C)は、C部に表す回転ヒンジ部の組立図を示す。
【
図7】
図3に示す机上照明装置の筒状体の正面図である。
【
図9】本発明の実施形態に係る第2実施例の机上照明装置の正面図である。
【
図12】本発明の実施形態に係る第1実施例の机上照明装置と第2実施例の机上照明装置をデスク本体に設置した全体正面図である。
【
図13】本発明の実施形態に係る第3実施例の机上照明装置の正面図である。
【
図17】特許文献1に開示された机上照明装置の斜視図である。
【
図18】
図17に示す机上照明装置のタスク照明部の分解図である。
【
図19】
図17に示す机上照明装置のアンビエント照明部の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
次に、本発明の実施形態に係る机上照明装置について、図面を参照して詳細に説明する。はじめに、本実施形態に係る第1実施例の机上照明装置の構造及び動作方法を説明し、その後、第2実施例、第3実施例の机上照明装置について、主に第1実施例との相違点を中心に説明する。
【0029】
<本机上照明装置の構造及び動作方法>
(第1実施例)
まず、本実施形態に係る第1実施例の机上照明装置の構造及び動作方法を、
図1~
図8を用いて説明する。
図1に、本発明の実施形態に係る第1実施例の机上照明装置をデスク本体に設置した全体側面図を示す。
図2に、
図1に示す机上照明装置の正面図を示す。
図3に、
図2に示す机上照明装置の平面図を示す。
図4に、
図2に示す机上照明装置の側面図を示す。
図5に、
図4に示すA部詳細図を示す。
図6に、
図3に示すB部、C部の詳細図を示し、(A)は、B部に表す回転ヒンジ部の分解図を示し、(B)は、B部に表す回転ヒンジ部の組立図を示し、(C)は、C部に表す回転ヒンジ部の組立図を示す。
図7に、
図3に示す机上照明装置の筒状体の正面図を示す。
図8に、
図7に示す筒状体の側面図を示す。
【0030】
図1~
図3に示すように、本実施形態の第1実施例に係る机上照明装置10は、デスク本体1(例えば、天板下方のフレーム部材1b)に取り付け可能に立設した左右の支持フレーム体21と、支持フレーム体21の上端部21Tに横設した上部フレーム体22と、上部フレーム体22の下方で支持フレーム体21に横設した中間フレーム体23とを備え、全体として略門型のフレーム構造体2を形成している。
【0031】
また、本机上照明装置10は、デスク本体1の机上面1aを直接的に照明するタスク照明部3を中間フレーム体23に設置し、天井T等の周辺部を照明するアンビエント照明部4を上部フレーム体22に設置した。ここでは、タスク照明部3は、デスク本体1の前後位置に着座する作業者Mと対峙するように、前後対称で作業者側へ一定距離近づいた位置に各2つ設置され、アンビエント照明部4は、デスク本体1の前後方向中央部の上方位置に天井側に向けて1つ設置されている。ここで、デスク本体1には、デスクワークの他にミーティング等を含む各種用途に使用できる机、テーブル等が該当する。
【0032】
また、タスク照明部3のスイッチ3Sは、各タスク照明部3毎に設け、アンビエント照明部4のスイッチ4Sは、既設の天井照明TSのスイッチTSS近傍に一括して設けている。タスク照明部3のスイッチ3Sは、デスク本体1に着座した状態で作業者Mが簡単に操作でき、デスクワークに邪魔にならない場所、例えば、天板下方の足元付近等に設置されている。この場合、タスク照明部3のスイッチ3Sは、作業者Mが直接見にくいので、簡単に操作しやすいもの(例えば、タッチセンサ式のスイッチ)が好ましい。
【0033】
このように、タスク照明部3のスイッチ3Sを、各タスク照明部3毎に設けたことによって、作業者Mが離席するとき、自己のタスク照明部3を簡単に消灯できる。また、天候や時刻等によってオフィスの照明環境が変化する場合においても、各個人の判断で自己のタスク照明部3を点灯又は消灯できる。一方で、一定の周辺領域で安定した明るさを確保する必要があるアンビエント照明部4については、その領域で天井照明TS等を含み一括して点灯又は消灯できるので、利便性が高く、省エネにも貢献できる。また、天井照明を追加する等の天井工事を不要として現場での工期短縮にも貢献できる。
【0034】
したがって、一定の周辺領域で安定した明るさを確保しつつ、各個人のニーズに沿った照明環境を実現できる。また、デスク机等のフレキシブルなレイアウト変更が可能であって、既設の天井照明TSから外れた位置でのデスクワークに対しても必要な照度を確保でき、オフィスにおけるフリーな作業環境等を実現することができる。
【0035】
また、
図1~
図5、
図7、
図8に示すように、本机上照明装置10では、タスク照明部3の光源は、左右方向に延設された板状の有機EL照明板31から拡散照射する面状拡散光源体3Kとし、アンビエント照明部4の光源は、半透明に形成された円弧状外周面421を有し左右方向に延設された筒状体42の外周側設置部422に複数のLEDチップ41を左右方向に均等配置し、LEDチップ41の照射光を円弧状外周面421から拡散照射する筒状拡散光源体4Kとした。円弧状外周面421には、光拡散機能を備える処理(例えば、光拡散シートを接着する等の処理)を施してもよい。
【0036】
上記構成としたことによって、タスク照明部3とアンビエント照明部4のいずれにおいても、照明にムラや影が生じにくく、まぶしさ等のストレスを感じにくい。また、タスク照明部3の光源は、有機EL照明板31から拡散照射する面状拡散光源体としたので、ブルーライトやUV(紫外線)が少なく、目に対する安全性が高い。そのため、安全で目に優しく、長時間のデスクワークにおいても目の疲労感を感じにくい効果を奏する。また、アンビエント照明部4は、円弧状外周面421から放射状に拡散照射する拡散光が、上部フレーム体22の上方における天井T等をムラなく照射することができる。そのため、天井T等からの反射光を利用して天井照明TSから外れた位置でのデスクワークに対して必要な照度を確保する上で、より一層貢献できる。
【0037】
また、
図3、
図7、
図8に示すように、左右方向に延設された筒状体42の外周側設置部422には、複数のLEDチップ41を左右方向に均等配置した基板423が装着されている。また、各LEDチップ41の照射光は、筒状体42の内部で反射、屈折を繰り返しながら、半透明に形成された円弧状外周面421から放射状に拡散照射する。その照射光は、円弧状外周面421の前後方向の周辺部より中央部付近から天井側へ向けて多く照射される。したがって、上部フレーム体の上方における天井面に向けて多く照射した反射光を効果的に利用して、天井照明から外れた位置でのデスクワークに対して必要な照度を確保できる。
【0038】
また、
図1、
図3~
図5に示すように、筒状体42は、前後に一対有し、それぞれ拡散光を照射する円弧状外周面421が互いに近接する方向に外周側設置部422を傾斜させて左右方向へ並列状に配置した。ここでは、左右方向に直列状に配置された2つの筒状体42が前後に配置され、それらが外周側設置部422を傾斜させて左右方向へ並列状に配置されている。
【0039】
上記構成に筒状体42を設置するために、上部フレーム体22には、支持フレーム体21(211)の上端部21Tに連結され左右方向へ所定の幅で延設された底板221と、底板221に対して前後に起立する縦板222と、底板221と縦板222とを連結し筒状体42を設置する傾斜板223とを備えている。底板221に対する傾斜板223の傾斜角θは、筒状体42の円弧状外周面421から照射される照射光の照度分布と、前後に配置した筒状体42同士の離間距離と、筒状体42から天井Tまでの離間距離とに応じて、上部フレーム体の上方における天井面に略均一な照度分布が形成されるように、最適な角度(例えば、20~40度)を設定するのが好ましい。なお、縦板222の上端には、透明なカバー板43が装着されている。
【0040】
その結果、各円弧状外周面421から照射される拡散光は、上部フレーム体22から上方へ向けて部分的に交差しつつ異なる方向へ照射される。そのため、上部フレーム体22の上方に位置する天井面を異なる方向から照射される拡散光によって、周囲より明るくかつ略均一に照明できる。また、異なる方向から照射される天井面には、照明のムラや影が生じにくい。その結果、周囲より明るく照射される天井面からのムラや影のない目に優しい反射光によって、デスクワークに対して必要な照度を確保でき、デスク本体1のレイアウト変更における自由度をより一層高めることできる。また、目に優しい反射光によって、デスクワークに対して必要な照度を確保できるので、長時間のデスクワークにおいても目の疲労感をより一層低減させることができる。
【0041】
また、
図1~
図4に示すように、中間フレーム体23には、前後、左右に隣接して着座する作業者Mに対して、各人のタスク照明部3を分離して操作できるように、1つの中間フレーム体23の前後両側で、タスク照明部3が左右方向に直列状に設置されている。上記構成にタスク照明部3を設置するため、中間フレーム体23には、左右の支持フレーム体21に左右方向に延設された主フレーム体232と、主フレーム体232の前後方向に延設された複数の補助フレーム体231とを備えている。ここでは、補助フレーム体231は、主フレーム体232の左右方向の両端部と中央部に形成されている。また、主フレーム体232の左右方向の中央部には、デスク本体1に締結する取付板214から延設された下支持フレーム体213が連結されている。
【0042】
また、
図3、
図6に示すように、タスク照明部3には、左右方向に延設した有機EL照明板31を収容する矩形状の枠体32を、前後対称な位置にそれぞれ複数個(ここでは、各2つ)備えている。この枠体32は、左右方向に細長く形成され、直列状に配置されている。この枠体32の下端(照明側)は、半透明なカバー体37が装着されている。
【0043】
また、
図3、
図4、
図6に示すように、枠体32の左右両端部32a、32bは、補助フレーム体231の前端部231a同士の間及び後端部231b同士の間でそれぞれ上下方向に回転でき、回転した位置で静止可能に形成された回転ヒンジ部33、34とを介して連結されている。また、補助フレーム体231の前端部231a及び後端部231bには、一方(B部)の回転ヒンジ部33と隣接して枠体32の回転を所定の角度で停止させる止め部材36が形成されている。
【0044】
また、
図6(A)、
図6(B)に示すように、一方(B部)の回転ヒンジ部33は、例えば、一対のハット型断面の摺接部材332、333同士をボルト331、ナット334で締結し、締結面の摩擦力で静止させるように形成されている。また、
図6(C)に示すように、他方(C部)の回転軸ヒンジ部34には、円筒状に形成され、有機EL照明板31への配線コード35が軸方向に挿通されている。上記構成によって、タスク照明部3は、個人個人のワーク対象の近くで照明でき、各個人の姿勢やワーク対象に適合するように照射角度を簡単な操作で変更することができる。
【0045】
また、
図2、
図4に示すように、支持フレーム体21は、デスク本体1に取り付ける取付板214から中間フレーム体23の主フレーム体232との連結部21Nまで延設された下支持フレーム体212と、中間フレーム体23の主フレーム体232との連結部21Nから上部フレーム体22との連結部21Nまで延設された上支持フレーム体211とに分割され、それぞれの連結部21Nで互いに分離可能に締結されている。
【0046】
上記構成によって、上下の支持フレーム体211、212と上部フレーム体22と中間フレーム体23とを互いに分離して搬送し、現地で組み立てることができ、梱包・搬送の効率化に寄与できる。また、アンビエント照明部4から天井Tまでの距離に応じて上支持フレーム体211の長さを変更して、アンビエント照明部4の照明効率を最適な状態に調節することができる。この場合、下支持フレーム体212の長さは、そのまま維持できるので、タスク照明部3の照明に影響を与えない。
【0047】
また、支持フレーム体21(211、212)と中間フレーム体23(231、232)とは、それぞれ同一断面の角パイプで形成され、各外表面が暗色系の艶消し塗装されている。そのため、タスク照明部3やアンビエント照明部4又は既設の天井照明TS等からの光が各フレーム体の外表面に反射して作業者Mの目に入るのを有効に回避でき、目の疲労感をより一層低減できる。また、作業者Mの各フレーム体等に対する違和感を低減して、デスクワークに意識を集中させることができる。なお、下支持フレーム体212、213には、対向する左右方向の外壁面に係止具215が上下2箇所ずつ設置されている。その係止具215には、必要に応じて、前後方向の視界を遮るセパレータ5を装着することができる。
【0048】
(第2実施例)
次に、本実施形態に係る第2実施例の机上照明装置の構造及び動作方法を、
図9~
図12を用いて説明する。ここでは、主に第1実施例との相違点を中心に説明する。したがって、第1実施例との共通点は、同一の符号番号に第2実施例を示す記号「B」を付して、原則として説明を割愛する。
図9に、本発明の実施形態に係る第2実施例の机上照明装置の正面図を示す。
図10に、
図9に示す机上照明装置の平面図を示す。
図11に、
図9に示す机上照明装置の側面図を示す。
図12に、本発明の実施形態に係る第1実施例の机上照明装置と第2実施例の机上照明装置をデスク本体に設置した全体正面図を示す。
【0049】
図9~
図12に示すように、本実施形態の第2実施例に係る机上照明装置10Bは、デスク本体1(例えば、天板下方のフレーム部材1b)に取り付け可能に立設した左右の支持フレーム体21Bと、支持フレーム体21Bの上端部21TBに横設した上部フレーム体22Bと、上部フレーム体22Bの下方で支持フレーム体21Bに横設した中間フレーム体23とを備え、全体として略門型のフレーム構造体2Bを形成している。
【0050】
上記構成は、基本的に第1実施例と共通するが、支持フレーム体21B同士の間隔が、上部フレーム体22B及び中間フレーム体23Bの左右方向の長さより若干短く形成されるとともに、第1実施例の支持フレーム体21同士の間隔に比較して半分程度に形成されている点、および中間フレーム体23Bにおける主フレーム体232Bの左右方向の中央部に支持フレーム体を設けていない点が、第1実施例と相違する。
【0051】
また、本机上照明装置10Bは、デスク本体1の机上面1aを直接的に照明するタスク照明部3Bを中間フレーム体23Bに設置し、天井T等の周辺部を照明するアンビエント照明部4Bを上部フレーム体22Bに設置した。ここでは、タスク照明部3Bは、デスク本体1の前後位置に着座する作業者Mと対峙するように、前後対称で作業者側へ一定距離近づいた位置に各1つ設置され、アンビエント照明部4Bは、デスク本体1の前後方向中央部の上方位置に天井側に向けて1つ設置されている。なお、タスク照明部3Bを上下方向に回転可能とする回転ヒンジ部33B、34Bの構造は、第1実施例と共通する。
【0052】
また、本机上照明装置10Bでは、タスク照明部3Bの光源は、左右方向に延設された板状の有機EL照明板31Bから拡散照射する面状拡散光源体3KBとし、アンビエント照明部4Bの光源は、半透明に形成された円弧状外周面421Bを有し左右方向に延設された筒状体42Bの外周側設置部422Bに複数のLEDチップ41Bを左右方向に均等配置し、LEDチップ41Bの照射光を円弧状外周面421Bから放射状に拡散照射する筒状拡散光源体4KBとした。
【0053】
上記構成は、基本的に第1実施例と共通するが、第2実施例では、タスク照明部3Bを前後対称位置に1つずつ配置した点と、アンビエント照明部4Bの筒状体42Bを前後対称位置に1つずつ配置した点とが、第1実施例と相違する。なお、
図12に示すように、オフィスのレイアウト、特にデスク本体1の長さに応じて、第1実施例と第2実施例とを組み合わせて設置するとよい。
【0054】
(第3実施例)
次に、本実施形態に係る第3実施例の机上照明装置10Cの構造及び動作方法を、
図13~
図16を用いて説明する。ここでは、主に第1実施例との相違点を中心に説明する。したがって、第1実施例との共通点は、同一の符号番号に第3実施例を示す記号「C」を付して、原則として説明を割愛する。
図13に、本発明の実施形態に係る第3実施例の机上照明装置の正面図を示す。
図14に、
図13に示す机上照明装置の平面図を示す。
図15に、
図13に示す机上照明装置の側面図を示す。
図16に、
図15に示すD部詳細図を示す。
【0055】
図13~
図15に示すように、デスク本体1に取り付け可能に立設した左右の支持フレーム体21Cと、支持フレーム体21Cの上端部に横設した上部フレーム体22Cと、上部フレーム体22Cの下方で支持フレーム体21Cに横設した中間フレーム体23Cとを備え、デスク本体1の机上面1aを直接的に照明するタスク照明部3Cを中間フレーム体23Cに設置し、天井等の周辺部を照明するアンビエント照明部4Cを上部フレーム体22Cに設置した。また、タスク照明部3Cの光源は、左右方向に延設された板状の有機EL照明板31Cから拡散照射する面状拡散光源体3KCとした。また、タスク照明部3は、デスク本体1の前後位置に着座する作業者Mと対峙するように、前後対称で作業者側へ一定距離近づいた位置に各2つ設置され、アンビエント照明部4は、デスク本体1の前後方向中央部の上方位置に天井側に向けて1つ設置されている。
【0056】
上記構成は、第1実施例と共通するが、アンビエント照明部4Cの光源は、左右方向に延設又は複数個配設された板状の有機EL照明板43Cから拡散照射する面状拡散光源体4KCとしたことが、第1実施例と相違する。上部フレーム体22Cには、支持フレーム体21Cの上端部に連結され左右方向へ所定の幅で延設された底板221Cと、底板221Cに対して前後に起立する縦板222Cとを備え、底板221Cに板状の有機EL照明板43Cが左右方向に均等に設置されている。縦板222Cには、透明なカバー体44Cが設置されている。そのため、タスク照明部3Cとアンビエント照明部4Cのいずれにおいても、照明にムラや影が生じにくく、まぶしさ等のストレスを感じにくい。また、タスク照明部3C及びアンビエント照明部4Cの光源は、有機EL照明板31C、43Cから拡散照射する面状拡散光源体3KC、4KCとしたので、ブルーライトやUV(紫外線)が少なく、目に対する安全性が高い。そのため、安全で目に優しく、長時間のデスクワークにおいても目の疲労感を感じにくい効果を奏する。
【0057】
また、アンビエント照明部4Cの光源は、左右方向に延設又は複数個配設された板状の有機EL照明板43Cから拡散照射する面状拡散光源体4KCとしたことによって、第1実施例のLED照射光よりも、柔らかい自然光に近い拡散光として上部フレーム体22Cの上方の天井面を周囲より明るくかつ略均一に照明することができる。その結果、上部フレーム体22Cの上方に位置する天井面からの略均一で明るく柔らかい反射光によって、デスクワークに対して必要な照度を確保でき、デスク本体1のレイアウト変更における自由度を高めることできる。
【0058】
<作用効果>
また、本実施形態に係る机上照明装置10、10Bによれば、タスク照明部3、3Bの光源は、左右方向に延設された板状の有機EL照明板31、31Bから拡散照射する面状拡散光源体3K、3KBとし、アンビエント照明部4、4Bの光源は、半透明に形成された円弧状外周面421、421Bを有し左右方向に延設された筒状体42、42Bの外周側設置部422、422Bに複数のLEDチップ41、41Bを左右方向に均等配置し、LEDチップ41、41Bの照射光を円弧状外周面421、421Bから放射状に拡散照射する筒状拡散光源体4K、4KBとしたので、タスク照明部3、3Bとアンビエント照明部4、4Bのいずれにおいても、照明にムラや影が生じにくく、まぶしさ等のストレスを感じにくい。また、タスク照明部3、3Bの光源は、有機EL照明板31、31Bから拡散照射する面状拡散光源体3K、3KBとしたので、ブルーライトやUV(紫外線)が少なく、目に対する安全性が高い。そのため、安全で目に優しく、長時間のデスクワークにおいても目の疲労感を感じにくい効果を奏する。
【0059】
また、アンビエント照明部4、4Bの光源は、半透明に形成された円弧状外周面421、421Bを有し左右方向に延設された筒状体42、42Bの外周側設置部422、422Bに複数のLEDチップ41、41Bを左右方向に均等配置し、LEDチップ41、41Bの照射光を円弧状外周面421、421Bから放射状に拡散照射する筒状拡散光源体4K、4KBとしたので、円弧状外周面421、421Bから上方へ拡散照射する拡散光が、上部フレーム体22、22Bの上方における天井面をより多く照射し、その反射光を有効に活用できる。そのため、天井照明TSから外れた位置でのデスクワークに対して必要な照度を確保する上で、より一層貢献できる。
【0060】
よって、本実施形態によれば、デスク机等のフレキシブルなレイアウト変更が可能であって、既設の天井照明TSから外れた位置でのデスクワークに対しても必要な照度を確保しつつ、安全で目に優しい光で照明できる机上照明装置10、10Bを提供することができる。
【0061】
また、本実施形態によれば、筒状体42、42Bは、前後に一対有し、それぞれ拡散光を照射する円弧状外周面421、421Bが互いに近接する方向に外周側設置部422、422Bを傾斜させて左右方向へ並列状に配置したので、各円弧状外周面421、421Bから放射状に照射される拡散光は上部フレーム体22、22Bから上方へ向けて部分的に交差しつつ異なる方向へ照射される。そのため、上部フレーム体22、22Bの上方に位置する天井面を、異なる方向から照射される拡散光によって周囲より明るくかつ略均一に照明できる。また、異なる方向から照射される天井面には、照明のムラや影が生じにくい。その結果、周囲より明るく照射される天井面からのムラや影のない目に優しい反射光によって、デスクワークに対して必要な照度を確保でき、デスク本体1のレイアウト変更における自由度を高めることできる。また、目に優しい反射光によって、デスクワークに対して必要な照度を確保できるので、長時間のデスクワークにおいても目の疲労感をより一層感じにくい効果を奏する。
【0062】
また、本実施形態によれば、タスク照明部3Cの光源は、左右方向に延設された板状の有機EL照明板31Cから拡散照射する面状拡散光源体3KCとし、アンビエント照明部4Cの光源は、左右方向に延設又は複数個配設された板状の有機EL照明板43Cから拡散照射する面状拡散光源体4KCとしたので、タスク照明部3Cとアンビエント照明部4Cのいずれにおいても、照明にムラや影が生じにくく、まぶしさ等のストレスを感じにくい。また、タスク照明部3C及びアンビエント照明部4Cの光源は、有機EL照明板31C、43Cから拡散照射する面状拡散光源体3KC、4KCとしたので、ブルーライトやUV(紫外線)が少なく、目に対する安全性が高い。そのため、安全で目に優しく、長時間のデスクワークにおいても目の疲労感を感じにくい効果を奏する。
【0063】
また、アンビエント照明部4Cの光源は、左右方向に延設又は複数個配設された板状の有機EL照明板43Cから拡散照射する面状拡散光源体4KCとしたので、直進性の高いLED照射光と違って、柔らかい自然光に近い拡散光として上部フレーム体22Cの上方の天井面を周囲より明るくかつ略均一に照明することができる。その結果、上部フレーム体22Cの上方に位置する天井面からの略均一で明るく柔らかい反射光によって、デスクワークに対して必要な照度を確保でき、デスク本体1のレイアウト変更における自由度を高めることできる。また、近年、有機EL照明の発光効率(Lm/W)は、LED照明と比較して同程度又はそれ以上の水準に向上しつつある。そのため、既設の天井照明TSから外れた位置でのデスクワークに対して必要な照度を確保する上で、消費電力の節約に貢献することも可能である。
【0064】
また、本実施形態によれば、タスク照明部3、3B、3Cには、有機EL照明板31、31B、31Cを収容する矩形状の枠体32、32B、32Cを備え、中間フレーム体23、23B、23Cには、支持フレーム体21、21B、21Cに左右方向に横設された主フレーム体232、232B、232Cと、主フレーム体232、232B、232Cの前後方向に延設された複数の補助フレーム体231、231B、231Cとを備え、タスク照明部3、3B、3Cの枠体32、32B、32Cは、補助フレーム体231、231B、231Cの先端部同士の間に上下方向に回転でき、回転した位置で静止可能に形成された回転ヒンジ部33、33B、33C、34、34B、34Cを介して連結されたので、個人個人のワーク対象の近くで照明でき、各個人の姿勢やワーク対象に適合するようにタスク照明部3、3B、3Cの照射角度を簡単な操作で変更することができる。そのため、各個人ごとのワーク対象に対して必要な照度を確保しつつ、より一層安全で目に優しい光で照明できる。
【0065】
また、本実施形態によれば、支持フレーム体21、21B、21Cは、デスク本体1に取り付ける取付板214、214B、214Cから中間フレーム体23、23B、23Cとの連結部まで延設された下支持フレーム体212、212B、212Cと、中間フレーム体23との連結部から上部フレーム体22、22B、22Cとの連結部まで延設された上支持フレーム体211、211B、211Cとに分割され、それぞれの連結部で互いに分離可能に締結されているので、上下の支持フレーム体21、21B、21Cと上部フレーム体22、22B、22Cと中間フレーム体23、23B、23Cとを互いに分離して搬送し、現地で組み立てることができ、梱包・搬送の効率化に寄与できる。また、アンビエント照明部4、4B、4Cから天井までの距離に応じて上支持フレーム体211、211B、211Cの長さを変更して、アンビエント照明部4、4B、4Cの照明効率を最適な状態に調節することができる。この場合、下支持フレーム体212、212B、212Cの長さは、そのまま維持できるので、タスク照明部の照明に影響を与えない。
【0066】
また、本実施形態によれば、タスク照明部3、3B、3Cのスイッチ3Sは、各タスク照明部3、3B、3C毎に設け、アンビエント照明部4、4B、4Cのスイッチ4Sは、既設の天井照明TSのスイッチTSS近傍に一括して設けたので、天候や時刻等によってオフィスの照明環境が変化する場合においても、各個人の判断で自己のタスク照明部3、3B、3Cを点灯又は消灯できる。一方で、一定の周辺領域で安定した明るさを確保する必要があるアンビエント照明部4、4B、4Cについては、その領域で天井照明TSを含み一括して点灯又は消灯できる。そのため、一定の周辺領域で安定した明るさを確保しつつ、各個人のニーズに沿った照明環境を実現できる。
【0067】
また、本実施形態によれば、支持フレーム体21、21B、21Cと中間フレーム体23、23B、23Cとは、それぞれ同一断面の角パイプで形成され、各外表面が暗色系の艶消し塗装されているので、タスク照明部3、3B、3Cやアンビエント照明部4、4B、4C又は既設の天井照明TS等からの光が各フレーム体の外表面に反射して作業者の目に入るのを有効に回避でき、目の疲労感をより一層低減できる。また、作業者の各フレーム体等に対する違和感を低減して、デスクワークに意識を集中させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、デスク机等の机上面を直接的に照明するタスク照明部と当該タスク照明部の上方に位置して天井等の周辺部を照明するアンビエント照明部とを備えた机上照明装置として利用できる。
【符号の説明】
【0069】
1 デスク本体
1a 机上面
2、2B、2C フレーム構造体
3、3B、3C タスク照明部
3S、4S スイッチ
3K、3KB、3KC 面状拡散光源体
4、4B、4C アンビエント照明部
4K、4KB 筒状拡散光源体
4KC 面状拡散光源体
10、10B、10C 机上照明装置
21、21B、21C 支持フレーム体
22、22B、22C 上部フレーム体
23、23B、23C 中間フレーム体
31、31B、31C 有機EL照明板
32、32B、32C 枠体
33、33B、33C 回転ヒンジ部
34、34B、34C 回転ヒンジ部
41、41B LEDチップ
42、42B 筒状体
43C 有機EL照明板
211、211B、211C 上支持フレーム体
212、212B、212C 下支持フレーム体
214 取付板
231、231B、231C 補助フレーム体
232、232B、232C 主フレーム体
421、421B 円弧状外周面
422、422B 外周側設置部
T 天井
TS 天井照明
TSS スイッチ