(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-09
(45)【発行日】2022-09-20
(54)【発明の名称】記録計
(51)【国際特許分類】
G01D 15/00 20060101AFI20220912BHJP
G01D 9/10 20060101ALI20220912BHJP
G01D 7/00 20060101ALI20220912BHJP
【FI】
G01D15/00 D
G01D9/10
G01D7/00 D
G01D7/00 301A
(21)【出願番号】P 2018174839
(22)【出願日】2018-09-19
【審査請求日】2021-06-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000133526
【氏名又は名称】株式会社チノー
(74)【代理人】
【識別番号】100067323
【氏名又は名称】西村 教光
(74)【代理人】
【識別番号】100124268
【氏名又は名称】鈴木 典行
(72)【発明者】
【氏名】氏家 克俊
【審査官】菅藤 政明
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-149265(JP,A)
【文献】特開平4-32715(JP,A)
【文献】特開2013-142804(JP,A)
【文献】特開2017-32638(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 15/00-15/34
G01D 9/10
G01D 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャート紙を一方向に搬送する紙送り機構と、該紙送り機構にて搬送される前記チャート紙の記録面上に被測定対象の物理量の変化を示す測定データを経時的に記録する記録手段とが筐体内に設けられる記録計において、
前記筐体の前面開口に対して開閉自在に取り付けられ、
枠状のフレームに透過可能な表示器を搭載した扉部と、
前記フレームの裏側の周囲に配置される内部照明と、
前記測定データに関する所望の表示を行う表示領域と、外部から内部の様子が視認可能な透過領域とを、前記表示器の一表示画面内に分割して大きさ、位置、数、表示内容を任意に設定する設定部と、
前記表示領域と前記透過領域を前記一表示画面内に分割して表示するように前記設定部の設定に基づいて前記表示器の表示を制御する制御部と、
を備えたことを特徴とする記録計。
【請求項2】
前記表示器にタッチパネルが搭載されることを特徴とする請求項
1に記載の記録計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば熱電対や測温抵抗体などの温度検出素子からの温度信号、接点信号、電圧信号などによる外部からの計測データを記録する記録計に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、被測定対象の温度、電流、電圧又は歪み等の物理量の変化を示す波形などを長尺状の記録紙に印字するアナログ式と、物理量の変化を示すデータをメモリに記憶して記憶したデータに基づく波形が表示装置の画面上に表示するディジタル方式の両方式を用いたハイブリッド型の記録計について開示されている。この装置により、ユーザはチャート紙に測定データがリアルタイムに印字されることでデータ改竄が防止できるというアナログ式の利点と、測定結果の最大値又は最小値などを示す特定のデータを容易に探索して表示画面上に表示が可能なディジタル方式の利点の両方を享受することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に開示される記録計において、印字部の動作異常や搬送中のチャート紙の紙詰まり、紙切れなどデータ記録時に問題が発生したまま測定が継続されると、正確な記録が行えない。このため、ユーザは、再測定とならないように、特に記録開始前を含めて定期的にアナログ式の記録状態を確認する必要がある。
【0005】
しかしながら、特許文献1の記録計では、アナログ式の記録状態を確認する度に機器前面に設けられた扉を開扉しなければならず確認作業が煩雑であった。
【0006】
また、記録計の内部の様子やアナログ式の記録状態の確認のために扉の開け閉めを繰り返すと、扉の開閉寿命が短くなるだけでなく、開扉時に筐体内に埃や塵などの異物が混入する恐れがあり、故障の原因にもなるという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであって、開扉することなく、内部の様子の確認、過去データの確認、設定操作を選択的に行うことが可能な記録計を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に記載された記録計は、チャート紙を一方向に搬送する紙送り機構と、該紙送り機構にて搬送される前記チャート紙の記録面上に被測定対象の物理量の変化を示す測定データを経時的に記録する記録手段とが筐体内に設けられる記録計において、
前記筐体の前面開口に対して開閉自在に取り付けられ、枠状のフレームに透過可能な表示器を搭載した扉部と、
前記フレームの裏側の周囲に配置される内部照明と、
前記測定データに関する所望の表示を行う表示領域と、外部から内部の様子が視認可能な透過領域とを、前記表示器の一表示画面内に分割して大きさ、位置、数、表示内容を任意に設定する設定部と、
前記表示領域と前記透過領域を前記一表示画面内に分割して表示するように前記設定部の設定に基づいて前記表示器の表示を制御する制御部と、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載された記録計は、請求項1の記録計において、
前記表示器にタッチパネルが搭載されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ユーザの使用形態に応じて表示領域や透過領域を表示器の表示画面に選択的に設定して表示制御することができる。
【0012】
そして、表示器の表示画面に透過領域を設定すれば、開扉せずに透過領域を通じて内部の様子を確認することができる。また、表示器の表示画面に表示領域を設定して過去データを表示すれば、開扉してチャート紙を引き出すことなく過去データを確認することができる。さらに、表示器にタッチパネルを搭載すれば、開扉することなく、タッチパネル機能を利用して所望の設定を行うことができる。
【0013】
その結果、従来に比べて開扉の割合が減り、扉部の開閉寿命が従来より延びるだけでなく、開扉時に筐体内への埃や塵などの異物混入も減り、異物混入による故障を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明に係る記録計の概略構成を示す断面図である。
【
図2】本発明に係る記録計においてアナログモードが選択設定された場合の表示形態の一例を示す図である。
【
図3】本発明に係る記録計においてハイブリッドモードが選択設定された場合の表示形態の一例を示す図である。
【
図4】本発明に係る記録計においてグラフィックモードが選択設定された場合の表示形態の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態について、
図1~
図4を参照しながら詳細に説明する。なお、添付する各図を参照した以下の説明において、方向乃至位置を示すために上、下、左、右の語を使用した場合、これはユーザが各図を図示の通りに見た場合の上、下、左、右に一致する。さらに、本明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺、縦横の寸法比、形状などについて、実物から変更し模式的に表現される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
【0016】
図1に示すように、本実施の形態の記録計1は、各種センサで構成される測定部11にて測定した被測定対象の測定データを、チャート紙Cに記録するアナログ式及び測定データを保存・表示するディジタル式の2方式で記録するハイブリッド記録計である。
【0017】
なお、被測定対象の測定データとは、被測定対象の物理量の変化を示すデータであり、例えば温度、電流、電圧又は歪みなどのデータを総称するものである。
【0018】
記録計1は、本体が矩形状の筐体2で構成され、扉部3が筐体2に開閉自在に取り付けられ、記録手段4、紙送り機構5、収容部6が機械的な構成要素として筐体2の内部に設けられる。
【0019】
また、記録計1は、設定部7、記憶部8、制御部9を電気的な構成要素として備える。なお、記録計1は、外部電源や一次電池又は二次電池などの内部電源から記録計1の駆動に必要な駆動電源を各部に供給する電源部10を備える。
【0020】
扉部3は、筐体2の前面開口2aの一側辺の不図示の回動軸を中心として筐体2の前面開口2aに開閉自在に取り付けられる。この扉部3は、チャート紙Cの補充や記録手段4の打点子やペンのインク交換時などのメンテナンスを行うときなどに開閉される。
【0021】
扉部3は、表示器3aが枠状のフレーム3bに取り付けられた構成である。フレーム3bの下部には、
図2~
図4に示すように、どの箇所の各チャネル(CH1,CH2,CH3)の測定データかを示す箇所表示カード12が装着できるようになっている。
【0022】
また、箇所表示カード12が装着されるフレーム3bの裏側は、例えば表示器3aを駆動するためのドライバ回路を配置するためのスペースとして有効活用することが可能である。
【0023】
さらに、図示はしないが、表示器3aの後述する透過領域E2の透過率を考慮して、フレーム3bの裏側の周囲に必要数の内部照明を配置したり、既存の内部照明を明るくするのが好ましい。なお、表示器3aの詳細については後述する。
【0024】
記録手段4は、チャート紙Cの記録面(表面)に測定データを記録するもので、キャリッジ4aと記録部材4bを備えて構成される。
【0025】
キャリッジ4aは、チャート紙Cの送り方向である副走査方向と直交する主走査方向(
図1における手前/奥行き方向または
図2~
図4における左右方向)に沿ってチャート紙Cに対して相対的に移動可能である。
【0026】
さらに説明すると、キャリッジ4aは、摺動軸に沿ってチャート紙Cの幅方向と同幅程度まで移動可能であり、測定部11で測定された測定データに基づいて幅方向に所定量移動すると、この移動に伴って記録部材4bも幅方向に左右移動する。
【0027】
そして、このキャリッジ4aの移動に伴って記録部材4bが左右に移動することにより、所定速度で搬送されるチャート紙Cの記録面上に測定データが記録される。
【0028】
記録部材4bは、キャリッジ4aに設けられ、打点式で用いられる打点子やペン式で用いられるペンなどのチャート紙Cに測定データを記録するものである。記録部材4bは、チャート紙Cに測定データを記録するためのインクを収容するインク収容部を具備し、被測定対象や入力チャネルの数に応じて単数又は複数設けられている。
【0029】
記録部材4bは、チャート紙Cに対する記録方法が打点式の場合は測定データ記録用の打点子で構成され、ペン式の場合は測定データ記録用のペンで構成される。記録部材4bは、所定速度で搬送されるチャート紙C上をキャリッジ4aの移動に伴って左右に移動することにより測定データの変化を連続又は断続的に記録する。
【0030】
紙送り機構5は、チャート紙Cを一方向に回転させながら記録部材4bと当接させた状態で収容部6まで搬送する。紙送り機構5による搬送速度は、予め設定部7にて設定された搬送速度(デフォルト値)に基づいて搬送しても、測定データや測定時間(期間)に基づいて適宜規定してもよい。
【0031】
収容部6は、紙送り機構5によって搬送された記録済みのチャート紙Cを収容する容器である。搬送された記録済みのチャート紙Cは、
図1に示すように、つづら折りされた状態で順次収容部6に収納される。
【0032】
設定部7は、例えば収容部6の前面側(扉部3側)に設けられる設定キーや上下左右キーなどの操作キーによる各種ハードウェアキー、ロータリーノブなどの入力機器で構成される。
【0033】
設定部7は、後述する3つのモード(アナログモード、ハイブリッドモード、グラフィックモード)の選択設定、選択設定したモードに関する情報(例えばチャネル数、スケール板表示の目盛りや測定レンジ(上下限値)、表示画面Eの分割数や表示内容の情報など)の設定、チャート紙Cの搬送速度などの各種設定を行う。この設定部7にて設定された各種情報は制御部9に入力される。
【0034】
なお、表示器3aの表示画面上に選択項目や設定項目などを表示させて選択や設定を行うためのタッチパネル(入力装置)を表示器3aに搭載すれば、操作キーなどのハードウェアキーに代えて、表示器3aのタッチパネル機能を設定部7として利用することができ、扉部3を開扉させずに所望の設定を行うことが可能になる。
【0035】
記憶部8は、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の各種半導体メモリからなる主記憶装置や、例えばフラッシュメモリやHDD(Hard Disk Drive )等の補助記憶装置で構成される。
【0036】
記憶部8は、測定部11にて測定された各チャネルごとの測定データ、記録計1の各部を制御するのに必要なコンピュータプログラムやアプリケーションソフトウェアなどを記憶する。
【0037】
制御部9は、CPUやROM、RAMなどのプロセッサで構成され、測定部11から物理量に対応する測定信号(アナログ信号)が入力されると、この測定信号をディジタルの測定データに変換処理して記憶部8に記憶する。
【0038】
また、制御部9は、記憶部8への測定データの記憶処理の他、設定部7にて選択設定された後述するモード(アナログモード、ハイブリッドモード、グラフィックモードの何れかのモード)による表示器3aの表示画面Eへの表示制御、記録手段4の駆動制御、紙送り機構5の駆動制御など、各部を統括制御する。
【0039】
次に、本実施の形態の要部である表示器3aについて説明する。表示器3aは、透過可能な透明液晶パネルからなり、フラットケーブルなどを介して制御部9に配線接続される。
【0040】
表示器3aは、制御部9の制御により、設定部7にて選択設定されたモード(アナログモード、ハイブリッドモード、グラフィックモードの何れかのモード)に応じた表示形態の表示を行う。
【0041】
図2~
図4は設定部7にて選択設定される各モード(アナログモード、ハイブリッドモード、グラフィックモード)の表示形態を示している。
【0042】
図2は設定部7にて「アナログモード」が選択設定された場合の表示形態である。この「アナログモード」では、表示器3aの表示画面(表示可能領域)Eを上下に2分割し、上段の領域が表示領域(測定データに関する所望の表示を行う領域)E1、下段の領域が透過領域(
図2の斜線で囲まれた領域:外部から内部の様子が視認可能な領域)E2として設定される。
【0043】
図2の表示形態では、制御部9の制御により、表示領域E1に対し、記録計1の状態(例えば画面名称、記録状態、警報情報など)を表示するステータスバー、測定した時刻を示す時刻表示、指針表示(
図2では3チャネルの指針表示)を含むスケール板表示(
図2では0~200の目盛りが付されたスケール板表示)を行う。
【0044】
この「アナログモード」によれば、表示領域E1に対して比較的広い範囲で透過領域E2が設定されるので、外部から透過領域E2を通じて筐体2の内部の様子を視認することができる。これにより、ユーザは、扉部3を開扉することなく、記録手段4のペンや打点子による記録状態(チャート紙Cに対する波形描画や打点状態)、チャート紙Cの紙送り状態などをリアルタイムで確認することができる。
【0045】
また、
図2の「アナログモード」では、表示器3aにて指針表示を含むスケール板表示を行うので、従来のアナログ式の記録計で用いられるスケール板が不要になる。
【0046】
図3は設定部7にて「ハイブリッドモード」が選択設定された場合の表示形態である。この「ハイブリッドモード」では、表示器3aの表示画面Eを上下に3分割し、上段と下段の領域が表示領域E1(E1a,E1b)に設定され、中段の領域が透過領域(
図3の斜線で囲まれた領域)E2に設定される。
【0047】
図3の表示形態では、制御部9の制御により、上段の表示領域E1aに対し、ステータスバー、時刻表示、各チャネル(CH1,CH2,CH3)の測定データのデジタル表示およびバーグラフ表示を行う。また、下段の表示領域E1bに対し、各チャネルの測定データのトレンド表示を行う。
【0048】
この「ハイブリッドモード」の透過領域E2は、「アナログモード」に比べて高さ方向に狭くなっているが、外部からチャート紙C上の記録手段4のペンや打点子の移動領域全体が視認できる領域に設定されている。これにより、ユーザは、扉部3を開扉することなく、記録手段4のペンや打点子による直近での記録状態をリアルタイムで確認することができる。
【0049】
また、
図3の「ハイブリッドモード」では、トレンド表示のスクロールバーやフリック動作により、測定データの現在値だけでなく過去の測定データを表示画面E上の表示領域E1bで確認することができる。さらに、トレンド表示を行う表示領域E1bを半透過させれば、チャート紙Cの記録との比較にも利用することが可能である。
【0050】
図4は設定部7にて「グラフィックモード」が選択設定された場合の表示形態である。この「グラフィックモード」では、表示器3aの表示画面Eには透過領域E2が設定されず、表示器3aの表示画面Eの全ての領域が表示領域E1に設定される。
【0051】
図4の表示形態では、制御部9の制御により、表示領域E1を5分割し、最上段の領域E1aにステータスバーの表示と時刻表示を行い、左上段の領域E1bに各チャネル(CH1,CH2,CH3)の測定データおよび最大/最小値のデジタル表示を行い、右上段の領域E1cに各チャネルのバーグラフ表示を行い、左下段の領域E1dに所望チャネルのサーキュラーチャートを表示し、右下段の領域E1eに各チャネルの測定データのトレンド表示を行う。
【0052】
この「グラフィックモード」によれば、ユーザが扉部3を開扉してチャート紙Cを引き出さなくても、測定データに関する様々なグラフィック表示を行うことができ、現在の測定データや過去の測定データを表示画面E上の表示領域E1で確認することができる。
【0053】
ところで、上述した実施の形態では、表示器3aの表示形態として、3つのモード(アナログモード、ハイブリッドモード、グラフィックモード)を例にとって説明したが、これら3つのモードに限定されるものではない。例えばユーザが設定部7にて表示器3aの表示画面E上の表示領域E1または透過領域E2の大きさ、位置、数を任意に設定することもできる。
【0054】
また、表示器3aの表示領域E1への表示内容は、図示のものに限定されず、設定部7にて表示内容を任意に設定することができる。例えば
図3の表示器3aの表示領域E1aに対し、
図2の表示器3aの表示領域Eの表示内容、すなわち、ステータスバー、時刻表示、指針表示を含むスケール板表示を行うようにしてもよい。
【0055】
このように、本実施形態の記録計1によれば、透過可能な表示器3aを搭載した扉部3を筐体2の前面開口2aに開閉自在に設け、ユーザの使用形態に応じて表示領域E1や透過領域E2を表示器3aの表示画面Eに選択的に設定して表示制御することができる。
【0056】
すなわち、表示器3aの表示画面Eに透過領域E2を設定すれば、扉部3を開扉することなく透過領域E2を通じて内部の様子を確認することができる。例えば記録後のチャート紙Cを含めてペンや打点子の移動領域全体をカバーするように透過領域E2を設定すれば、記録手段4による記録状態(チャート紙Cに対するペンの波形描画や打点子の打点状態)、チャート紙Cの紙送り状態を外部からリアルタイムで確認することができる。その結果、測定データの記録中にチャート紙Cの紙詰まり、紙切れや記録手段4による動作不良が起きた場合には、扉部3を開扉して迅速に対応することができる。
【0057】
また、表示器3aの表示画面Eに表示領域E1を設定して測定データをトレンド表示すれば、扉部3を開扉してチャート紙Cを引き出すことなく、トレンド表示をスクロールバーやフリック動作により過去データを確認することができる。
【0058】
さらに、タッチパネル(入力装置)を扉部3の表示器3aに搭載すれば、扉部3を開扉することなく、タッチパネル機能を設定部7として利用して所望の設定を行うことができる。
【0059】
そして、不用意に扉部3を開扉する必要がないので、従来に比べて開扉の割合が減り、扉部3の開閉寿命が従来より延びるだけでなく、開扉時に筐体2内への埃や塵などの異物混入が減り、異物混入による故障を軽減することができる。
【0060】
以上、本発明に係る記録計の最良の形態について説明したが、この形態による記述および図面により本発明が限定されることはない。すなわち、この形態に基づいて当業者等によりなされる他の形態、実施例および運用技術などはすべて本発明の範疇に含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0061】
1 記録計
2 筐体
3 扉部
3a 表示器
3b フレーム
4 記録手段
4a キャリッジ
4b 記録部材
5 紙送り機構
6 収容部
7 設定部
8 記憶部
9 制御部
10 電源部
11 測定部
12 箇所表示カード
C チャート紙
E 表示画面(表示可能領域)
E1(E1a,E1b) 表示領域
E2 透過領域