(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-09
(45)【発行日】2022-09-20
(54)【発明の名称】部品実装装置
(51)【国際特許分類】
H05K 13/04 20060101AFI20220912BHJP
【FI】
H05K13/04 B
(21)【出願番号】P 2018196904
(22)【出願日】2018-10-18
【審査請求日】2021-05-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】岡嵜 真一
【審査官】寺川 ゆりか
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-051297(JP,A)
【文献】特開2009-302265(JP,A)
【文献】国際公開第2016/194136(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に対して部品を実装する実装ヘッドと、
前記実装ヘッドに供給される部品が収容される収容部に収容された部品の3次元形状を計測する3次元計測部と、
前記3次元計測部により計測した部品の3次元形状情報に基づいて、前記収容部の部品の吸着位置情報を取得し、取得した吸着位置情報に基づいて、前記実装ヘッドにより部品を吸着する制御を行う制御部と、を備え
、
前記制御部は、前記3次元計測部により計測した部品の3次元形状情報に基づいて、上下方向に幅を有する所定の高さ範囲の部品の部分を部品の上端面として、部品の上端面の範囲を取得し、取得した部品の上端面の範囲に基づいて、前記収容部の部品の吸着位置情報を取得するように構成されている、部品実装装置。
【請求項2】
前記制御部は、取得した吸着位置情報を、部品情報と関連付けて記憶させるように構成されている、請求項1に記載の部品実装装置。
【請求項3】
前記3次元計測部は、前記実装ヘッドとともに水平方向に移動されるように構成されている、請求項1または2に記載の部品実装装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記3次元計測部により計測した部品の3次元形状情報に基づいて、前記実装ヘッドに取り付けられて部品を吸着するノズルの種類を決定するように構成されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の部品実装装置。
【請求項5】
前記制御部は、取得した吸着位置情報と、決定した前記ノズルの種類とに基づいて、前記収容部の部品を吸着して、吸着状態を確認する制御を行うように構成されている、請求項4に記載の部品実装装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記3次元計測部により計測した部品の3次元形状情報に基づいて、部品の上端面の範囲および部品の上端面の高さを取得するように構成されている、請求項1~5のいずれか1項に記載の部品実装装置。
【請求項7】
前記3次元計測部は、前記収容部の3次元形状を計測するように構成されており、
前記制御部は、前記3次元計測部により計測した前記収容部および部品の3次元形状情報に基づいて、部品全体の外縁および前記収容部の外縁を取得し、前記収容部の外縁に対する部品全体の外縁のギャップ量から部品吸着位置を取得するように構成されている、請求項1~6のいずれか1項に記載の部品実装装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記収容部の外縁に対する部品全体の外縁のギャップ量に基づいて、部品の吸着可能範囲を取得するように構成されている、請求項7に記載の部品実装装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記3次元計測部により計測した前記収容部および部品の3次元形状情報に基づいて、部品の上端面の範囲の中心、部品全体の外縁の中心および前記収容部の外縁の中心を取得し、部品の上端面の範囲の中心と部品全体の外縁の中心とのオフセット量だけ、前記収容部の外縁の中心からオフセットした位置を部品吸着位置として取得するように構成されている、請求項7または8に記載の部品実装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、部品実装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、部品実装装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、基板に対して部品を実装する装着ヘッドと、部品の供給位置を撮像する部品供給位置認識カメラとを備える部品装着装置(部品実装装置)が開示されている。この特許文献1の部品装着装置は、部品供給位置認識カメラによる部品の供給位置の撮像に基づいて、部品の中心位置を求め、装着ヘッドによる部品吸着時の吸着位置を部品の中心位置に補正するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1の部品装着装置(部品実装装置)は、部品供給位置認識カメラによる部品の供給位置の撮像に基づいて、部品の中心位置を求め、装着ヘッドによる部品吸着時の吸着位置を部品の中心位置に補正するように構成されている。このため、リードが設けられている部品などで中心を吸着できない部品の吸着位置を精度よく設定することが困難であるという不都合がある。また、従来では、中心を吸着できない部品の吸着位置を設定する場合には、部品の供給位置が撮像された画像をオペレータが見ながら、吸着位置を手動で設定しているため、オペレータの作業負担が増大するという不都合がある。このため、従来では、オペレータの作業負担が増大するのを抑制しつつ、部品の吸着位置を精度よく設定することが困難であるという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、オペレータの作業負担が増大するのを抑制しつつ、部品の吸着位置を精度よく設定することが可能な部品実装装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の一の局面による部品実装装置は、基板に対して部品を実装する実装ヘッドと、実装ヘッドに供給される部品が収容される収容部に収容された部品の3次元形状を計測する3次元計測部と、3次元計測部により計測した部品の3次元形状情報に基づいて、収容部の部品の吸着位置情報を取得し、取得した吸着位置情報に基づいて、実装ヘッドにより部品を吸着する制御を行う制御部と、を備え、制御部は、3次元計測部により計測した部品の3次元形状情報に基づいて、上下方向に幅を有する所定の高さ範囲の部品の部分を部品の上端面として、部品の上端面の範囲を取得し、取得した部品の上端面の範囲に基づいて、収容部の部品の吸着位置情報を取得するように構成されている。
【0008】
この発明の一の局面による部品実装装置では、上記のように制御部を構成することによって、部品の3次元形状情報に基づいて部品のリードや平坦でない位置など吸着が困難な位置を避けて部品の吸着位置を設定することができるので、部品の吸着位置を精度よく設定することができる。また、オペレータにより吸着位置を手動で設定する必要がないので、オペレータの作業負担が増大するのを抑制することができる。これらの結果、オペレータの作業負担が増大するのを抑制しつつ、部品の吸着位置を精度よく設定することができる。また、オペレータが手動で部品の吸着位置を設定する場合に比べて、設定時間を短縮することができるので、段取り時間を短縮することができる。
【0009】
上記一の局面による部品実装装置において、好ましくは、制御部は、取得した吸着位置情報を、部品情報と関連付けて記憶させるように構成されている。このように構成すれば、同じ種類の部品を吸着する場合に、記憶された吸着位置情報を利用することができるので、吸着位置を設定する際の時間を効果的に短縮することができる。
【0010】
上記一の局面による部品実装装置において、好ましくは、3次元計測部は、実装ヘッドとともに水平方向に移動されるように構成されている。このように構成すれば、部品供給位置が複数ある場合でも、3次元計測部を移動させることができるので、共通の3次元計測部を複数の部品供給位置に移動させて計測を行うことができる。これにより、3次元計測部を、複数の部品供給位置毎に設ける必要がない。また、3次元計測部が実装ヘッドとともに移動されるので、3次元計測部を移動させるための機構を別途設ける必要がない。その結果、3次元計測部を設けたとしても、部品点数が増加するのを抑制することができるとともに装置構成が複雑化するのを抑制することができる。
【0011】
上記一の局面による部品実装装置において、好ましくは、制御部は、3次元計測部により計測した部品の3次元形状情報に基づいて、実装ヘッドに取り付けられて部品を吸着するノズルの種類を決定するように構成されている。このように構成すれば、部品の形状に適したノズルを決定することができるので、部品とノズルとのミスマッチの発生を抑制することができる。これにより、吸着ミスや吸着不良の発生を抑制することができるので、部品の実装精度を向上させることができる。
【0012】
この場合、好ましくは、制御部は、取得した吸着位置情報と、決定したノズルの種類とに基づいて、収容部の部品を吸着して、吸着状態を確認する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、実装動作開始前に、吸着ミスや吸着不良の発生を確認することができるので、吸着ミスや吸着不良の発生を効果的に抑制することができる。これにより、部品の実装精度をより向上させることができる。
【0013】
上記一の局面による部品実装装置において、好ましくは、制御部は、3次元計測部により計測した部品の3次元形状情報に基づいて、部品の上端面の範囲および部品の上端面の高さを取得するように構成されている。このように構成すれば、部品の吸着に適した上端面に吸着位置を設定することができる。また、取得した部品の上端面の高さに基づいて、部品を適切な高さ位置において吸着することができる。
【0014】
上記一の局面による部品実装装置において、好ましくは、3次元計測部は、収容部の3次元形状を計測するように構成されており、制御部は、3次元計測部により計測した収容部および部品の3次元形状情報に基づいて、部品全体の外縁および収容部の外縁を取得し、収容部の外縁に対する部品全体の外縁のギャップ量から部品吸着位置を取得するように構成されている。このように構成すれば、収容部の外縁に対する部品全体の外縁のギャップ量から収容部内の部品の移動可能な最大の距離を算出することができるので、収容部内のどの位置に移動した場合でも部品を吸着可能なように部品吸着位置を設定することができる。これにより、吸着ミスや吸着不良の発生を抑制することができる。
【0015】
この場合、好ましくは、制御部は、収容部の外縁に対する部品全体の外縁のギャップ量に基づいて、部品の吸着可能範囲を取得するように構成されている。このように構成すれば、部品の吸着可能範囲内に部品吸着位置を設定することにより、部品をより確実に吸着することができる。
【0016】
上記収容部の外縁に対する部品全体の外縁のギャップ量から部品吸着位置を取得する構成において、好ましくは、制御部は、3次元計測部により計測した収容部および部品の3次元形状情報に基づいて、部品の上端面の範囲の中心、部品全体の外縁の中心および収容部の外縁の中心を取得し、部品の上端面の範囲の中心と部品全体の外縁の中心とのオフセット量だけ、収容部の外縁の中心からオフセットした位置を部品吸着位置として取得するように構成されている。このように構成すれば、収容部の外縁の中心を基準として、部品の上端面の中心位置に対応した位置を部品吸着位置とすることができるので、収容部内において部品がどの方向に移動した場合でも、部品吸着位置が部品の上端面の位置となるようにすることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、上記のように、オペレータの作業負担が増大するのを抑制しつつ、部品の吸着位置を精度よく設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施形態による部品実装装置の概略を示した平面図である。
【
図2】本発明の実施形態による部品実装装置の概略を示した側面図である。
【
図3】本発明の実施形態による部品実装装置の制御的な構成を示したブロック図である。
【
図4】本発明の実施形態による部品実装装置のレーザ変位計を示した図である。
【
図5】本発明の実施形態による部品実装装置により計測した収容部および部品の3次元形状情報を説明するための斜視図である。
【
図6】本発明の実施形態による部品実装装置により計測した収容部および部品の3次元形状情報を説明するための側面図である。
【
図7】本発明の実施形態による部品実装装置の部品の上端面の中心の取得を説明するための平面図である。
【
図8】本発明の実施形態による部品実装装置の部品全体の外縁および収容部の外縁の取得を説明するための平面図である。
【
図9】本発明の実施形態による部品実装装置の収容部の外縁に対する部品全体の外縁のギャップ量の取得を説明するための平面図である。
【
図10】本発明の実施形態による部品実装装置の部品吸着位置の取得の第1例を説明するための図である。
【
図11】本発明の実施形態による部品実装装置の部品吸着位置の取得の第2例を説明するための図である。
【
図12】本発明の実施形態による部品実装装置の部品の吸着可能範囲の算出を説明するための図である。
【
図13】本発明の実施形態による部品実装装置の部品を吸着するノズルの種類の決定を説明するための図である。
【
図14】本発明の実施形態による部品実装装置のノズルによる部品の吸着状態の確認を説明するための図である。
【
図15】本発明の実施形態による部品実装装置のCPUによる部品吸着位置取得処理を説明するためのフローチャートである。
【
図16】本発明の実施形態の変形例による部品実装装置のステレオカメラによる3次元形状の計測を説明するための図である。
【
図17】本発明の実施形態の変形例による部品実装装置の光切断法による3次元形状の計測を説明するための図である。
【
図18】本発明の実施形態の変形例による部品実装装置の位相シフト法による3次元形状の計測を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
(部品実装装置の構成)
図1~
図14を参照して、本発明の実施形態による部品実装装置100の構成について説明する。
【0021】
図1に示すように、部品実装装置100は、一対のコンベア2により基板PをX方向に搬送し、実装作業位置Mにおいて基板Pに部品31を実装する部品実装装置である。
【0022】
部品実装装置100は、基台1と、一対のコンベア2と、部品供給部3と、ヘッドユニット4と、支持部5と、一対のレール部6と、部品認識カメラ7とを備えている。また、
図3に示すように、部品実装装置100は、制御的な構成として、CPU(中央演算処理装置)81と、記憶装置82と、メモリ83と、表示部84と、入力装置85と、モータコントローラ86と、カメラI/F87と、照明コントローラ88と、レーザ変位計コントローラ89と、モータアンプ90と、モータ91とを備えている。なお、CPU81は、特許請求の範囲の「制御部」の一例である。
【0023】
図1に示すように、一対のコンベア2は、基台1上に設置され、基板PをX方向に搬送するように構成されている。また、一対のコンベア2には、搬送中の基板Pを実装作業位置Mで停止させた状態で保持する保持機構が設けられている。また、一対のコンベア2は、基板Pの寸法に合わせてY方向の間隔を調整可能に構成されている。
【0024】
部品供給部3は、一対のコンベア2の外側(Y1側およびY2側)に配置されている。また、部品供給部3には、複数のテープフィーダ3aが配置されている。部品供給部3は、後述する実装ヘッド42に対して部品31を供給するように構成されている。
【0025】
テープフィーダ3aは、複数の部品31を所定の間隔を隔てて保持したテープが巻き付けられたリール(図示せず)を保持している。テープフィーダ3aは、部品31を保持するテープを送出することによりリールを回転させて、テープフィーダ3aの先端から部品31を供給するように構成されている。ここで、部品31は、IC、トランジスタ、コンデンサおよび抵抗などの電子部品を含む。
図2に示すように、テープには、実装ヘッド42に供給される部品31が収容される収容部32(キャリアポケット)が複数設けられている。
【0026】
図1に示すように、ヘッドユニット4は、一対のコンベア2および部品供給部3の上方位置に配置されており、ノズル41(
図2参照)が下端に取り付けられた複数(5つ)の実装ヘッド42と、基板認識カメラ43と、レーザ変位計44とを含んでいる。つまり、レーザ変位計44は、実装ヘッド42とともに水平方向(XY方向)に移動されるように構成されている。なお、レーザ変位計44は、特許請求の範囲の「3次元計測部」の一例である。
【0027】
実装ヘッド42は、基板Pに対して部品31を実装するように構成されている。具体的には、実装ヘッド42は、部品供給部3により供給される部品31を吸着して、実装作業位置Mに配置された基板Pに対して吸着した部品31を装着するように構成されている。また、実装ヘッド42は、昇降可能(Z方向に移動可能)に構成され、負圧発生機(図示せず)によりノズル41の先端部に発生された負圧によって、テープフィーダ3aから供給される部品31を吸着して保持し、基板Pにおける実装位置に部品31を装着(実装)するように構成されている。
【0028】
基板認識カメラ43は、基板Pの位置および姿勢を認識するために、基板PのフィデューシャルマークFを撮像するように構成されている。そして、フィデューシャルマークFの位置を撮像して認識することにより、基板Pにおける部品31の実装位置を正確に取得することが可能である。また、基板認識カメラ43は、基板Pの各部を撮像可能に構成されている。具体的には、基板認識カメラ43は、基板Pの部品31の実装位置を撮像するように構成されている。また、基板認識カメラ43の近傍には、照明431(
図3参照)が設けられている。照明431は、基板認識カメラ43の撮像時に可視光を撮像対象に照射するように構成されている。これにより、基板認識カメラ43により撮像対象を鮮明に撮像することが可能である。
【0029】
レーザ変位計44は、各部の高さを計測するように構成されている。具体的には、レーザ変位計44は、基板Pの表面の高さを計測するように構成されている。また、レーザ変位計44は、部品供給位置における部品31やテープの高さを計測するように構成されている。また、レーザ変位計44は、基板Pに実装された部品31の高さを計測するように構成されている。また、レーザ変位計44は、収容部32に収容された部品31の3次元形状を計測するように構成されている。また、レーザ変位計44は、収容部32の3次元形状を計測するように構成されている。
【0030】
支持部5は、モータ51を含んでいる。支持部5は、モータ51を駆動させることにより、支持部5に沿ってヘッドユニット4をX方向に移動させるように構成されている。支持部5は、両端部が一対のレール部6により支持されている。
【0031】
一対のレール部6は、基台1上に固定されている。X1側のレール部6は、モータ61を含んでいる。レール部6は、モータ61を駆動させることにより、支持部5を一対のレール部6に沿ってX方向と直交するY方向に移動させるように構成されている。ヘッドユニット4が支持部5に沿ってX方向に移動可能であるとともに、支持部5がレール部6に沿ってY方向に移動可能であることによって、ヘッドユニット4は水平方向(XY方向)に移動可能である。
【0032】
部品認識カメラ7は、基台1の上面上に固定されている。部品認識カメラ7は、一対のコンベア2の外側(Y1側およびY2側)に配置されている。部品認識カメラ7は、部品31の実装に先立って部品31の吸着状態(吸着姿勢)を認識するために、実装ヘッド42のノズル41に吸着された部品31を下側(Z2側)から撮像するように構成されている。これにより、実装ヘッド42のノズル41に吸着された部品31の吸着状態をCPU81により取得することが可能である。また、部品認識カメラ7の近傍には、照明71(
図3参照)が設けられている。照明71は、部品認識カメラ7の撮像時に可視光をノズル41に吸着された部品31に照射するように構成されている。これにより、部品認識カメラ7によりノズル41に吸着された部品31を鮮明に撮像することが可能である。
【0033】
CPU81は、実装ヘッド42による部品実装動作を制御するように構成されている。具体的には、CPU81は、一対のコンベア2による基板Pの搬送動作、ヘッドユニット4による実装動作、基板認識カメラ43や部品認識カメラ7による撮像動作、レーザ変位計44による高さ計測動作および3次元形状計測動作などの部品実装装置100の全体の動作を制御するように構成されている。
【0034】
記憶装置82は、基板Pの情報、部品31の情報、実装動作を行うプログラムなどが格納されている。記憶装置82は、たとえば、HDD(ハードディスクドライブ)や、SSD(ソリッドステートドライブ)などを含んでいる。また、記憶装置82は、部品31の吸着位置情報と、部品情報とが関連付けられて記憶されている。
【0035】
メモリ83は、CPU81の動作の際に情報が記憶されるように構成されている。表示部84は、部品実装装置100の状態や、生産している基板Pの情報などが表示されるように構成されている。入力装置85は、ユーザの部品実装装置100に対する操作が入力されるように構成されている。入力装置85は、たとえば、マウス、キーボード、スイッチ、タッチパネルなどが含まれる。
【0036】
モータコントローラ86は、CPU81の制御によりモータアンプ90を介して各種モータ91(モータ51、モータ61、実装ヘッド42の昇降モータ(Z軸モータ)、実装ヘッド42の回転モータ(R軸モータ)など)を駆動させるように構成されている。カメラI/F(インターフェース)87は、部品認識カメラ7および基板認識カメラ43が接続されている。また、カメラI/F87は、CPU81に接続されている。これにより、CPU81と、部品認識カメラ7および基板認識カメラ43とをそれぞれ接続するように構成されている。
【0037】
照明コントローラ88は、CPU81の制御により照明71および431を駆動させるように構成されている。レーザ変位計コントローラ89は、CPU81に対して、入力および出力される信号を制御するように構成されている。レーザ変位計コントローラ89は、レーザ変位計44が接続されている。これにより、CPU81と、レーザ変位計44とを接続するように構成されている。
【0038】
レーザ変位計44は、
図4に示すように、X方向に沿ってレーザをスキャンすることにより、3次元形状を計測するように構成されている。また、レーザ変位計44は、線状にレーザを照射し、反射光に基づいて、線状のレーザ光が反射された各々の高さを計測する。
【0039】
ここで、従来では、収容部32の中心を部品31の吸着位置としていた。しかし、
図5に示すように、収容部32の中心に部品31の吸着に適した面が無い場合などでは、収容部32の中心を吸着位置とすることができない。このような場合は、オペレータが基板認識カメラ43により撮像した画像を目視により確認しながら手動で部品吸着位置を決定している。また、従来では、部品31の上端面高さはテープフィーダ3aに関する情報と収容部32に関する情報と部品厚み情報とから求める事ができるが、通常これらの情報が正確に入力されている訳ではない。また、収容部32に関する情報は、一般的な情報が入力されているが実際にはテープのメーカーにより千差万別であまり正確ではない。また、部品厚み情報は、部品31をノギスなどでオペレータが手動計測するなどして入力している。このため、不正確であったりオペレータの作業負担が増大している。
【0040】
図5に示すように、たとえば、本体部311と、複数のリード312とを有する部品31の吸着位置情報を取得する場合、CPU81は、吸着可能な本体部311の面を吸着位置とする制御を行う。
【0041】
ここで、本実施形態では、CPU81は、レーザ変位計44により計測した部品31の3次元形状情報に基づいて、収容部32の部品31の吸着位置情報を取得する制御を行うように構成されている。具体的には、CPU81は、テープフィーダ3aが部品実装装置100にセットされると、予め入力されたテープフィーダ3aに関する情報(種類、寸法)と、テープフィーダ3aにセットされたテープの収容部32に関する情報(種類、寸法)と、部品31に関する情報(種類、サイズ)とに基づいて、ヘッドユニット4を、部品供給位置に移動させる。そして、CPU81は、ヘッドユニット4に設けられたレーザ変位計44の計測により部品31の形状および収容部32の形状の3次元情報を取得する。
【0042】
つまり、CPU81は、部品吸着位置が一意的に決まる部品供給装置(テープフィーダ3aやトレイ供給機)において、部品の吸着動作に先立って、部品供給位置における部品31および収容部32の形状を計測し、計測結果に基づいて、部品吸着位置を取得する。また、CPU81は、取得した吸着位置情報に基づいて、実装ヘッド42により部品31を吸着する制御を行うように構成されている。なお、「部品吸着位置が一意的に決まる」とは、部品供給機がテープフィーダ3aの場合には、部品吸着位置は、固定的な一ケ所の位置であり一意的に決まる場合を含む。また、「部品吸着位置が一意的に決まる」とは、部品供給機がトレイ供給機の場合には、第一吸着位置は可変的ではあるがその他は第一吸着位置から等ピッチな複数位置であり一意的に決まる場合を含む。
【0043】
また、CPU81は、取得した吸着位置情報を、部品情報と関連付けて記憶させるように構成する。また、CPU81は、レーザ変位計44により計測した部品31の3次元形状情報に基づいて、実装ヘッド42に取り付けられて部品31を吸着するノズル41の種類を決定するように構成されている。また、CPU81は、取得した吸着位置情報と、決定したノズル41の種類とに基づいて、収容部32の部品31を吸着して、吸着状態を確認する制御を行うように構成されている。
【0044】
また、CPU81は、レーザ変位計44により計測した部品31の3次元形状情報に基づいて、部品31の上端面の範囲および部品31の上端面の高さを取得するように構成されている。また、CPU81は、レーザ変位計44により計測した収容部32および部品31の3次元形状情報に基づいて、部品31全体の外縁および収容部32の外縁を取得し、収容部32の外縁に対する部品31全体の外縁のギャップ量から部品吸着位置を取得するように構成されている。また、CPU81は、収容部32の外縁に対する部品31全体の外縁のギャップ量に基づいて、部品31の吸着可能範囲を取得するように構成されている。
【0045】
また、CPU81は、レーザ変位計44により計測した収容部32および部品31の3次元形状情報に基づいて、部品31の上端面の範囲の中心、部品31全体の外縁の中心および収容部32の外縁の中心を取得し、部品31の上端面の範囲の中心と部品31全体の外縁の中心とのオフセット量だけ、収容部32の外縁の中心からオフセットした位置を部品吸着位置として取得するように構成されている。
【0046】
(実装動作再開処理)
次に、
図6~
図15を参照して、部品実装装置100のCPU81による部品31の吸着位置取得処理について
図15のフローチャートに基づいて説明する。
【0047】
図15のステップS1において、CPU81は、部品31の上端面範囲を取得する。具体的には、CPU81は、
図6に示すように、レーザ変位計44により計測した収容部32および部品31の3次元形状情報に基づいて、部品
上端面の範囲に存在する部分を抽出する。部品31の上端面範囲は、予め入力されたテープフィーダ3aに関する情報(種類、寸法)と収容部32に関する情報(種類、寸法)と部品31に関する情報(種類、サイズ)とから、部品31の上端面と思われる可能性のある高さ範囲が決められる。そして、その高さ範囲に入っている部品形状の3次元形状情報が部品上端面範囲とされる。部品31の上端面範囲は、所定を基準に上下に幅を持たせて設定される。
【0048】
ステップS2において、CPU81は、部品31の上端面範囲の中心を取得する。具体的には、CPU81は、
図7に示すように、部品31の上端面範囲中心を、部品31の上端面範囲から求める。たとえば、部品31の上端面範囲中心は、部品31の上端面範囲の面積重心を中心として求められる。また、たとえば、部品31の上端面範囲中心は、部品31の上端面範囲の外形中心を中心として求められる。
【0049】
ステップS3において、CPU81は、部品31の上端面の高さを取得する。具体的には、CPU81は、部品31の上端面高さを、部品31の上端面範囲から求める。たとえば、部品31の上端面高さは、部品31の上端面範囲の高さを平均して求められる。また、たとえば、部品31の上端面高さは、部品31の上端面範囲の中心の高さとして求められる。
【0050】
ステップS4において、CPU81は、部品31全体の外縁を取得する。具体的には、
図6および
図8に示すように、予め入力されたテープフィーダ3aに関する情報(種類、寸法)と収容部32に関する情報(種類、寸法)と部品31に関する情報(種類、サイズ)とから、部品31の形状と思われる可能性のある高さ範囲が決められる。そして、その高さ範囲に入っている部品形状の3次元形状情報が部品31とされる。また、部品31とされた外縁が部品31の外縁として取得される。
【0051】
ステップS5において、CPU81は、収容部32の外縁を取得する。具体的には、
図6および
図8に示すように、予め入力されたテープフィーダ3aに関する情報(種類、寸法)と収容部32に関する情報(種類、寸法)と部品31に関する情報(種類、サイズ)とから、収容部32の上端面と思われる可能性のある高さ範囲が決められる。そして、その高さ範囲に入っている形状の3次元情報がテープの収容部32の上面とされる。また、テープの内側の高さが変わる縁を収容部32の外縁とされる。収容部32(キャリアポケット)の外縁を求めることにより、収容部32の外縁から部品31の位置がばらつく量を求められるので、一意的に決まった吸着位置での最適なノズル41を決めることが可能である。
【0052】
ステップS6において、CPU81は、部品31全体の外縁と収容部32の外縁とのギャップ量を算出する。具体的には、CPU81は、
図9に示すように、部品31の外縁と収容部32の外縁とから、収容部32に対する部品31のギャップ量を求める。
図9の例では、X方向のギャップXcは、Xc=Xa+Xbにより求められる。また、Y方向のギャップYcは、Yc=Ya+Ybにより求められる。
【0053】
ステップS7において、CPU81は、部品31の吸着位置(吸着位置情報)を取得する。具体的には、CPU81は、
図10に示すように、部品31の上端面範囲中心と収容部32の外縁中心とが予め設定された許容範囲内であれば、収容部32の外縁の中心(範囲中心)を部品31の吸着位置とする。予め設定された許容範囲は、たとえば、部品外形サイズの1/4(X方向において1/2、Y方向において1/2のサイズ)に設定される。また、
図11に示すように、部品31上端面範囲中心と収容部32の外縁中心とが予め設定された許容範囲外であれば、CPU81は、部品31の上端面範囲中心と部品31の外縁の中心とのオフセット量を、収容部32の外縁の中心(範囲中心)からオフセットした位置を部品吸着位置とする。
【0054】
ステップS8において、CPU81は、部品31の吸着可能範囲を取得する。具体的には、CPU81は、
図12に示すように、部品31の上端面範囲から部品31と収容部32のギャップ量を引いた範囲を、吸着可能範囲に決定する。つまり、CPU81は、部品31の上端面範囲から、X方向においてXc(=Xa+Xb)のギャップ量だけ引き、Y方向においてYc(=Ya+Yb)のギャップ量だけ引いた吸着可能範囲を取得する。
【0055】
ステップS9において、CPU81は、吸着に使用するノズル41の種類を決定する。具体的には、CPU81は、
図13に示すように、ノズル41の内径が吸着可能範囲以内で、かつ、最大内径のノズル41を使用するノズル41の種類として決定する。
【0056】
ステップS10において、CPU81は、吸着位置情報と部品情報とを関連付けて記憶する。
【0057】
ステップS11において、CPU81は、決定したノズル41を使用して吸着状態を確認する。具体的には、CPU81は、
図14に示すように、実装ヘッド42に吸着に使用するノズル41を取り付けて、ノズル41を部品吸着位置中心の上空に移動させ、部品31の上端面高さから予め設定された部品31押し込み量加味した部品吸着高さ位置に下降させて、バキューム動作を行い負圧を確認する。また、CPU81は、ノズル41を吸着可能範囲の隅からノズル半径を引いた位置上空に移動させ、部品吸着高さ位置に下降させて、バキューム動作を行い負圧を確認する。また、CPU81は、ノズル41を吸着可能範囲の隅からノズル半径を引いた一ケ所以上の位置で吸着状態を確認する。つまり、CPU81は、互いに異なる吸着位置において部品31の吸着、上昇、下降、載置を繰り返し行い、吸着状態を確認する制御を行う。CPU81は、負圧が安定した部品吸着に必要な圧に達していれば、正しい吸着位置、正しい吸着高さ、正しいノズル41であると判断し、吸着位置と吸着高さと使用ノズルとを記憶装置82に記憶する。一方CPU81は、負圧が安定した部品吸着に必要な圧に達しなければ、オペレータに通知する。その後、部品吸着位置取得処理が終了する。
【0058】
(実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0059】
本実施形態では、上記のように、レーザ変位計44により計測した部品31の3次元形状情報に基づいて、収容部32の部品31の吸着位置情報を取得する制御を行うCPU81を設ける。これにより、部品31の3次元形状情報に基づいて部品31のリードや平坦でない位置など吸着が困難な位置を避けて部品31の吸着位置を設定することができるので、部品31の吸着位置を精度よく設定することができる。また、オペレータにより吸着位置を手動で設定する必要がないので、オペレータの作業負担が増大するのを抑制することができる。これらの結果、オペレータの作業負担が増大するのを抑制しつつ、部品31の吸着位置を精度よく設定することができる。また、オペレータが手動で部品31の吸着位置を設定する場合に比べて、設定時間を短縮することができるので、段取り時間を短縮することができる。
【0060】
また、本実施形態では、上記のように、CPU81を、取得した吸着位置情報を、部品情報と関連付けて記憶させるように構成する。これにより、同じ種類の部品31を吸着する場合に、記憶された吸着位置情報を利用することができるので、吸着位置を設定する際の時間を効果的に短縮することができる。
【0061】
また、本実施形態では、上記のように、レーザ変位計44は、実装ヘッド42とともに水平方向(XY方向)に移動されるように構成する。これにより、部品供給位置が複数ある場合でも、レーザ変位計44を移動させることができるので、共通のレーザ変位計44を複数の部品供給位置に移動させて計測を行うことができる。その結果、レーザ変位計44を、複数の部品供給位置毎に設ける必要がない。また、レーザ変位計44が実装ヘッド42とともに移動されるので、レーザ変位計44を移動させるための機構を別途設ける必要がない。その結果、レーザ変位計44を設けたとしても、部品点数が増加するのを抑制することができるとともに装置構成が複雑化するのを抑制することができる。
【0062】
また、本実施形態では、上記のように、CPU81を、レーザ変位計44により計測した部品31の3次元形状情報に基づいて、実装ヘッド42に取り付けられて部品31を吸着するノズル41の種類を決定するように構成する。これにより、部品31の形状に適したノズル41を決定することができるので、部品31とノズル41とのミスマッチの発生を抑制することができる。その結果、吸着ミスや吸着不良の発生を抑制することができるので、部品31の実装精度を向上させることができる。
【0063】
また、本実施形態では、上記のように、CPU81を、取得した吸着位置情報と、決定したノズル41の種類とに基づいて、収容部32の部品31を吸着して、吸着状態を確認する制御を行うように構成する。これにより、実装動作開始前に、吸着ミスや吸着不良の発生を確認することができるので、吸着ミスや吸着不良の発生を効果的に抑制することができる。その結果、部品31の実装精度をより向上させることができる。
【0064】
また、本実施形態では、上記のように、CPU81を、レーザ変位計44により計測した部品31の3次元形状情報に基づいて、部品31の上端面の範囲および部品31の上端面の高さを取得するように構成する。これにより、部品31の吸着に適した上端面に吸着位置を設定することができる。また、取得した部品31の上端面の高さに基づいて、部品31を適切な高さ位置において吸着することができる。
【0065】
また、本実施形態では、上記のように、CPU81を、レーザ変位計44により計測した収容部32および部品31の3次元形状情報に基づいて、部品31全体の外縁および収容部32の外縁を取得し、収容部32の外縁に対する部品31全体の外縁のギャップ量から部品吸着位置を取得するように構成する。これにより、収容部32の外縁に対する部品31全体の外縁のギャップ量から収容部32内の部品31の移動可能な最大の距離を算出することができるので、収容部32内のどの位置に移動した場合でも部品31を吸着可能なように部品吸着位置を設定することができる。これにより、吸着ミスや吸着不良の発生を抑制することができる。
【0066】
また、本実施形態では、上記のように、CPU81を、収容部32の外縁に対する部品31全体の外縁のギャップ量に基づいて、部品31の吸着可能範囲を取得するように構成する。これにより、部品31の吸着可能範囲内に部品吸着位置を設定することにより、部品31をより確実に吸着することができる。
【0067】
また、本実施形態では、上記のように、CPU81を、レーザ変位計44により計測した収容部32および部品31の3次元形状情報に基づいて、部品31の上端面の範囲の中心、部品31全体の外縁の中心および収容部32の外縁の中心を取得し、部品31の上端面の範囲の中心と部品31全体の外縁の中心とのオフセット量だけ、収容部32の外縁の中心からオフセットした位置を部品吸着位置として取得するように構成する。これにより、収容部32の外縁の中心を基準として、部品31の上端面の中心位置に対応した位置を部品吸着位置とすることができるので、収容部32内において部品31がどの方向に移動した場合でも、部品吸着位置が部品31の上端面の位置となるようにすることができる。
【0068】
(変形例)
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0069】
たとえば、上記実施形態では、収容部および部品の3次元形状をレーザ変位計により計測する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、
図16に示す変形例のように、収容部および部品の3次元形状をステレオカメラ45により計測してもよい。ステレオカメラ45は、複数のカメラ451と、照明452とを含んでいてもよい。複数のカメラ451は、上下方向に並んで配置されていてもよい。また、ステレオカメラ45は、鉛直方向(Z方向)に対して複数の斜め方向から撮像可能に構成されていてもよい。なお、ステレオカメラ45は、特許請求の範囲の「3次元計測部」の一例である。
【0070】
また、本発明では、
図17に示す変形例のように、収容部および部品の3次元形状を光切断法を用いる3次元計測部46により計測してもよい。3次元計測部46は、カメラ461と、プロジェクタ462とを含んでいてもよい。プロジェクタ462は、ライン状のパターン光を、収容部32および部品31に照射して投影する。カメラ461は、投影されたパターン光を撮像する。そして、撮像されたパターン光の形状に基づいて、収容部および部品の3次元形状が計測される。
【0071】
また、本発明では、
図18に示す変形例のように、収容部および部品の3次元形状を位相シフト法を用いる3次元計測部47により計測してもよい。3次元計測部47は、カメラ471と、複数のプロジェクタ472とを含んでいてもよい。位相シフト法では、プロジェクタ472の各々から正弦波状の光強度分布を有する等間隔の格子状の明暗パターン(縞パターン光)を計測対象(収容部32および部品31)に投影する。また、この明暗パターンの位置(位相)をシフトさせた複数の画像をカメラ471により撮像する。そして、撮像した複数の画像における同一部分の画素値の差異に基づいて、計測対象の立体形状(高さ)を算出する。
【0072】
また、本発明では、収容部および部品の3次元形状をTOF(Time of Fly)カメラを用いて検出してもよい。なお、この場合、TOFカメラは、特許請求の範囲の「3次元計測部」の一例である。
【0073】
また、上記実施形態では、決定した種類のノズルを用いて部品の吸着状態を確認する際に、負圧を確認することにより行う構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ノズルに吸着した状態の部品をカメラにより撮像することにより吸着状態を確認してもよい。
【0074】
また、上記実施形態では、部品供給位置にテープに保持された部品を供給する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、部品供給位置にトレイなどに載置された部品を供給してもよい。
【0075】
また、上記実施形態では、複数の実装ヘッドが直線状に1列または複数列設けられたいわゆるインライン式のヘッドユニットを設ける構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、実装ヘッドが円周状に複数設けられたいわゆるロータリー式のヘッドユニットを設けてもよい。
【0076】
また、上記実施形態では、ヘッドユニットが1つ設けられている構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ヘッドユニットを複数設けてもよい。
【0077】
また、上記実施形態では、基板を搬送するコンベアが一対設けられている構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、基板を搬送するコンベアが複数対設けられていてもよい。たとえば、並行して基板を搬送可能であり、並行して基板に部品を実装可能な部品実装装置に本発明を適用してもよい。
【0078】
また、上記実施形態では、説明の便宜上、制御部としてのCPUの制御処理を、処理フローに沿って順番に処理を行うフロー駆動型のフローチャートを用いて説明した例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部の制御処理を、イベント単位で処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。
【符号の説明】
【0079】
31 部品
32 収容部
41 ノズル
42 実装ヘッド
44 レーザ変位計(3次元計測部)
45 撮像ユニット(3次元計測部)
46、47 3次元計測部
81 CPU(制御部)
100 部品実装装置
P 基板