(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-09
(45)【発行日】2022-09-20
(54)【発明の名称】広告差し替えシステムおよび広告差し替え方法
(51)【国際特許分類】
H04N 21/438 20110101AFI20220912BHJP
H04N 21/432 20110101ALI20220912BHJP
H04H 20/10 20080101ALI20220912BHJP
H04H 20/28 20080101ALI20220912BHJP
H04H 60/13 20080101ALI20220912BHJP
H04H 60/45 20080101ALI20220912BHJP
H04H 40/18 20080101ALI20220912BHJP
H04H 60/82 20080101ALI20220912BHJP
【FI】
H04N21/438
H04N21/432
H04H20/10
H04H20/28
H04H60/13
H04H60/45
H04H40/18
H04H60/82
(21)【出願番号】P 2018238729
(22)【出願日】2018-12-20
【審査請求日】2021-09-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000214984
【氏名又は名称】TVS REGZA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 浩成
【審査官】大西 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-103384(JP,A)
【文献】特開2001-111921(JP,A)
【文献】特開2002-232813(JP,A)
【文献】特開2009-152810(JP,A)
【文献】特開2010-171713(JP,A)
【文献】特開2014-204401(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0023973(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第103747298(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107105316(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/10
H04N 7/14 - 7/173
H04N 7/20 - 7/56
H04N 21/00 -21/858
H04H 20/00 -20/46
H04H 20/51 -20/86
H04H 20/91 -40/27
H04H 40/90 -60/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のサーバ、第2のサーバ、および放送信号で送られてくる番組を受信するとともに、ネットワークを介して前記第1のサーバ、前記第2のサーバと接続する放送信号受信装置と、を備える広告差し替えシステムにおいて、
前記放送信号受信装置は、
前記番組を表示する表示部と、
前記第1のサーバおよび前記第2のサーバと前記ネットワークを介して接続する制御を行う制御手段と、
を具備し
前記第2のサーバは、前記ネットワークを介して前記放送信号受信装置に第2の放送時間長を持つ第2の広告を配信する配信部を具備し、
前記第1のサーバは、前記ネットワークを介して前記放送信号受信装置と接続し、前記番組の放送時間帯に挿入される第1の広告の第1の放送開始時刻と第1の放送時間長あるいは前記第1の放送開始時刻と第1の放送終了時刻を保持する制御部を具備し、
前記制御手段は、少なくとも前記第2の放送時間長を前記第1のサーバに送信し、
前記制御部は、前記第2の広告の第2の放送時間長が、前記第1の放送時間長あるいは前記第1の放送開始時刻と前記第1の放送終了時刻との差分に一致する場合に、前記第1の広告に置き換えて、前記第1の放送開始時刻から前記第2の広告を前記表示部に表示する指示を前記放送信号受信装置に送信する広告差し替えシステム。
【請求項2】
前記制御部は、さらに前記第2の広告を前記第1の広告に置き換えて表示することを許諾する識別子を保持し、前記第2の広告の第2の放送時間長が、前記第1の放送時間長あるいは前記第1の放送開始時刻と前記第1の放送終了時刻との差分に一致する場合で、前記識別子が許諾の場合に、前記第1の放送開始時刻から前記第2の広告を前記第1の広告に置き換えて前記表示部に表示する指示を前記放送信号受信装置に送信する請求項1に記載の広告差し替えシステム。
【請求項3】
第1のサーバ、第2のサーバ、および放送信号で送られてくる番組を受信するとともに、ネットワークを介して前記第1のサーバ、前記第2のサーバと接続する放送信号受信装置と、を備える広告差し替えシステムにおける広告差し替え方法において、
前記放送信号受信装置は、
前記番組を表示し、
前記第1のサーバおよび前記第2のサーバと前記ネットワークを介して接続し、
前記第2のサーバは、前記ネットワークを介して前記放送信号受信装置に第2の放送時間長を持つ第2の広告を配信し、
前記第1のサーバは、前記ネットワークを介して前記放送信号受信装置と接続し、
前記番組の放送時間帯に挿入される第1の広告の第1の放送開始時刻と第1の放送時間長あるいは前記第1の放送開始時刻と第1の放送終了時刻を保持し、
取得した前記第2の広告の第2の放送時間長が、前記第1の放送時間長あるいは前記第1の放送開始時刻と前記第1の放送終了時刻との差分に一致する場合に、前記第1の広告に置き換えて、前記第1の放送開始時刻から前記第2の広告を表示する広告差し替え方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、広告差し替えシステムおよび広告差し替え方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークに接続可能な放送信号受信装置の中には、視聴者の属性に合わせた最適な広告を表示させるアドレッサブル広告(差し替えCM)を表示する機能を備えているものがある。このようなアドレッサブル広告(差し替えCM)を表示する機能は、放送信号受信装置の視聴者個々に対する独自のサービスを可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
放送信号受信装置において、放送信号で送られてくる番組に挿入されている広告(CM、コマーシャルメッセージ)をアドレッサブル広告(差し替えCM)に置き換えて、視聴者個々に対して的確に行うためには、番組に挿入されているCM(コマーシャルとも言う)に応じて適切な制御を行う必要がある。
【0005】
そこで本発明の実施形態は、放送信号受信装置が受信する放送番組に挿入されているCMを、適切なアドレッサブル広告(差し替えCM)に差し替えて表示する広告差し替えシステムおよび広告差し替え方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態に係る広告差し替えシステムは、
第1のサーバ、第2のサーバ、および放送信号で送られてくる番組を受信するとともに、ネットワークを介して前記第1のサーバ、前記第2のサーバと接続する放送信号受信装置と、を備える広告差し替えシステムにおいて、
前記放送信号受信装置は、
前記番組を表示する表示部と、
前記第1のサーバおよび前記第2のサーバと前記ネットワークを介して接続する制御を行う制御手段と、
を具備し
前記第2のサーバは、前記ネットワークを介して前記放送信号受信装置に第2の放送時間長を持つ第2の広告を配信する配信部を具備し、
前記第1のサーバは、前記ネットワークを介して前記放送信号受信装置と接続し、前記番組の放送時間帯に挿入される第1の広告の第1の放送開始時刻と第1の放送時間長あるいは前記第1の放送開始時刻と第1の放送終了時刻を保持する制御部を具備し、
前記制御手段は、少なくとも前記第2の放送時間長を前記第1のサーバに送信し、
前記制御部は、前記第2の広告の第2の放送時間長が、前記第1の放送時間長あるいは前記第1の放送開始時刻と前記第1の放送終了時刻との差分に一致する場合に、前記第1の広告に置き換えて、前記第1の放送開始時刻から前記第2の広告を前記表示部に表示する指示を前記放送信号受信装置に送信する広告差し替えシステムである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る広告差し替え装置を含むアドレッサブル広告システムの構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、放送局(放送信号送信装置)の構成例を概略的に示す図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態に係る広告差し替え装置を含む放送信号受信装置(手段)の構成を概略的に示す図である。
【
図4A】
図4Aは、本発明の実施形態に係る広告差し替え装置が行う、番組に挿入されているCMをアドレッサブル広告(差し替えCM)に置き換えるための処理の概要を示す図である。
【
図4B】
図4Bは、本発明の実施形態に係る広告差し替え装置が、管理サーバ121から取得するCMリストの一例である。
【
図4C】
図4Cは、本発明の実施形態に係る広告差し替え装置の構成例を概略的に示す図である。
【
図4D】
図4Dは、本発明の実施形態に係る広告差し替え装置が行う、アドレッサブル広告(差し替えCM)に差し替える処理の一例を示す処理フローである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る広告差し替え装置を含むアドレッサブル広告システムの構成例を示す図である。
アドレッサブル広告システムは、放送局(放送信号送信装置)100、放送信号受信装置140、CM配信用サーバ120、管理サーバ121を含む。放送信号受信装置140は、放送局(放送信号送信装置)100が放送する番組を受信するとともに、本発明の実施形態に係る広告差し替え装置を含む。放送局100および放送信号受信装置140は、ネットワーク130を介してCM配信用サーバ120および管理サーバ121と接続されている。
【0009】
放送局100は、番組を編成し、編成した番組を放送信号により放送信号受信装置140に放送する局である。放送局100は、放送信号送信装置とも呼ぶ。
放送局100は、広告会社110が製作したCMを、保存して管理するCM管理サーバ101を有する。放送局100は、CM管理サーバ101に保存されているCM(Commercial Message)を、放送する番組の途中に挿入して編成し一連の映像ストリームおよび音声ストリームとして、放送信号により放送信号受信装置140に放送(送信)する。なお広告会社110は、例えば契約に基づく広告主111からの依頼により広告を製作し、製作したCMを放送局100のCM管理サーバ101に登録する。
【0010】
また放送局100は、またネットワーク130と接続する機能を有し、ネットワーク130を介してCM配信用サーバ120および管理サーバ121と接続している。
CM配信用サーバ120は、ネットワーク130を介して接続されたCM管理サーバ101から送られてきたアドレッサブル広告(差し替えCM)を蓄積し、放送信号受信装置140からの要求に応じて蓄積しているアドレッサブル広告(差し替えCM)を配信するサーバである。
【0011】
管理サーバ121は、放送信号受信装置140が受信する番組に関連する付加サービスを提供するためのサーバである。管理サーバ121が提供する付加サービスとは、例えば放送信号受信装置140が、ある番組を視聴しているユーザに、番組途中に挿入されているCMをアドレッサブル広告(差し替えCM)に置き換えて提供するための、アドレッサブル広告(差し替えCM)に置き換えることが可能なCMの時間枠を、放送信号受信装置140に提供するサービスである。管理サーバ121が放送信号受信装置140に提供するアドレッサブル広告(差し替えCM)に置き換えることが可能なCMの時間枠は、放送局100のCM管理サーバ101から送られてくるアドレッサブルCM枠情報にもとづいている。
【0012】
また管理サーバ121は、放送信号受信装置140の視聴履歴を収集する機能も有する。放送信号受信装置140は、番組途中に挿入されているCMがアドレッサブル広告(差し替えCM)に置き換えた実績を視聴履歴の中に含めて送信する。
放送信号受信装置140は、放送局100から放送信号により放送される番組を受信する受信装置である。また放送信号受信装置140は、ネットワーク130と接続する機能を有し、ネットワーク130を介してCM配信用サーバ120と接続している。放送信号受信装置140は、CM配信用サーバ120から配信されるアドレッサブル広告(差し替えCM)を、管理する記録媒体160に保存する。
【0013】
さらに放送信号受信装置140は、放送される番組に関する付加サービスを受けるために、放送信号受信装置140の例えば機能設定画面を通じて、管理サーバ121との接続を設定することが可能である。放送信号受信装置140は、機能設定画面を例えばユーザが操作することにより、管理サーバ121との接続に必要な情報である例えば放送信号受信装置140の固有情報や放送信号受信装置140を使用するユーザの世帯の状況(世帯を構成する人の性別や年代)等を管理サーバ121に登録することができる。これにより管理サーバ121は、放送信号受信装置140の1台1台を、例えば放送信号受信装置140の機器IDによりユニークに識別することができる。
【0014】
このように放送信号受信装置140は、機能設定画面を通じて管理サーバ121との接続のたに必要な情報を登録することで、放送信号で受信する番組に関連する種々の付加サービスを、管理サーバ121から受けることができる。
またさらに放送信号受信装置140は、本発明の実施形態に係る広告差し替え装置を含む。放送信号受信装置140は、広告差し替え装置による推定結果に従って記録媒体160に保存されているアドレッサブル広告(差し替えCM)の中から最適なアドレッサブル広告(差し替えCM)を選択して表示画面に表示する機能を有する。放送信号受信装置140は、選択した最適なアドレッサブル広告(差し替えCM)を、管理サーバ121から送られてきたアドレッサブル広告(差し替えCM)に置き換えが可能な時間枠に当てはめて表示することで、番組を視聴する視聴者に提供することができる。
【0015】
図2は、放送局(放送信号送信装置)100の構成例を概略的に示した図である。放送局(放送信号送信装置)100は、CM管理サーバ101に蓄えられているCMを挿入して編成した番組の映像データや音声データ等を符号化(エンコードとも呼ぶ)して放送信号として送出する。
【0016】
データ放送エンコーダ210は、編成された番組に関連するデータ放送のデータを符号化する機能を持つ。データ放送エンコーダ210は、データ放送のデータを符号化する。
映像エンコーダ211は、編成された番組の映像データを符号化する機能を持つ。映像エンコーダ211は、編成された番組の映像データを符号化する。
【0017】
音声エンコーダ212は、編成された番組の音声データを符号化する機能を持つ。音声エンコーダ212は、編成された番組の音声データを符号化する。
字幕エンコーダ213は、編成された番組の字幕データを符号化する機能を持つ。字幕エンコーダ213は、編成された番組の字幕データを符号化する。
【0018】
制御情報生成手段214は、TLVパケットおよびMMTの制御情報を生成する機能を持つ。TLVパケットの制御情報とは、IPパケットの多重に関する制御情報(TLV-SIとも呼ばれる)であり、選局のための情報やIPアドレスとサービスの対応情報を提供する。またMMTの制御情報とは、MMTのパッケージの構成や放送サービスに関連する制御情報(MMT-SIとも呼ばれる)である。制御情報生成手段214は、音声エンコーダ212、映像エンコーダ211がエンコード対象とした番組に関する制御情報を含むTLVパケットおよびMMTの制御情報の信号を生成する。
【0019】
スクランブラ215は、音声エンコーダ212から出力された符号化された音声データ、映像エンコーダ211から出力された符号化された映像データを、CASモジュール216と連携してスクランブルする機能を持つ。
CASモジュール216は、スクランブラ215がスクランブルする際に使用する鍵を生成するモジュールである。
【0020】
マルチプレクサ217は、データ放送エンコーダ210が符号化して生成したデータ放送ストリーム、映像エンコーダ211が映像データを符号化して生成した映像ストリーム、音声エンコーダ212が音声データを符号化して生成した音声ストリーム、字幕エンコーダ213が字幕データを符号化して生成した字幕ストリームおよび制御情報生成手段214で生成された制御情報を、MMT・TLV方式で多重する機能を持つ。マルチプレクサ217は、音声ストリーム、映像ストリーム、TLVパケットおよびMMTの制御情報を多重化したTLVストリームを生成する。
【0021】
送信手段218は、TLVストリームからなる放送信号を放送波として送出する機能を持つ。送信手段218は、マルチプレクサ217が生成したTLVストリームを、16APSKなどの変調や誤り訂正符号化などの伝送路符号化処理を行い放送波として送出する。
【0022】
図3は、本発明の実施形態に係る広告差し替え装置を含む放送信号受信装置(手段)140の構成を概略的に示した図である。
放送信号受信装置140は、放送信号を受信する受信機能である基本機能341と制御手段342を含む。
基本機能341は、放送チューナ301、デマルチプレクサ302、デスクランブラ303、CASモジュール304、データ放送エンジン305、映像デコーダ306、音声デコーダ307、字幕デコーダ308、制御情報解析手段309、GUI320、合成器326を含む。
【0023】
チューナ301は、放送波で送られてきた放送信号(TLVストリーム)を受信する機能を持つ。チューナ301で受信した放送信号は、デマルチプレクサ302に入力される。
デマルチプレクサ302は、多重化されているTLVストリームをデータ放送ストリーム、映像ストリーム、音声ストリーム、字幕ストリーム、制御情報に分離する機能を持つ。デマルチプレクサ302は、分離したデータ放送ストリーム、映像ストリーム、音声ストリーム、データ放送ストリーム、字幕ストリームをデスクランブラ303に、制御情報であるSI信号を制御情報解析手段309にそれぞれ入力する。
【0024】
デスクランブラ303は、入力されたデータ放送ストリーム、映像ストリーム、音声ストリーム、字幕ストリームを、CASモジュール304と連携してデスクランブルする機能を持つ。デスクランブラ303は、デスクランブルしたデータ放送ストリームをデータ放送エンジン305に、映像ストリームを映像デコーダ306に、音声ストリームを音声デコーダ307に、字幕ストリームを字幕デコーダ308にそれぞれ入力する。
【0025】
CASモジュール304は、デスクランブラ303でデスクランブルする際に使用するキーを生成する機能を持つ。
データ放送エンジン305は、入力されたデータ放送ストリームの受信処理を行う機能を持つ。データ放送エンジン305は、受信したデータ放送ストリームを表示手段350に表示するデータに変換して合成器326に送る。合成器326に送られたデータ放送用のデータは、映像データ等と合成され、表示手段350に表示される。
【0026】
映像デコーダ306は、入力された映像ストリームを復号化(デコード)する機能を持つ。映像デコーダ306は、映像ストリームを復号し表示手段350に表示する信号を生成する。
音声デコーダ307は、入力された音声ストリームを復号化する機能を持つ。音声デコーダ307は、音声ストリームを復号しスピーカ351に出力する信号を生成する。
【0027】
字幕デコーダ308は、字幕ストリームを復号化し、表示手段350に表示する信号を生成する。
復号化された映像信号および字幕信号およびデータ放送用信号は、合成器326で合成され表示手段350に出力される。また復号化された音声信号は、スピーカ351に出力される。
【0028】
制御情報解析手段309は、放送信号の制御情報であるSI信号の解析を行う。制御情報解析手段309は、SI信号の解析を行うと、その解析結果を制御手段342に送る。
制御手段342は、放送信号受信装置140の全体的な動作の制御を行う。また制御手段342は、本発明の実施形態に係る広告差し替え装置330を内部に持ち、広告差し替え装置330の制御を行う。また制御手段342は、ネットワーク130とのI/FであるネットワークI/F331および外部機器との接続I/Fである外部入力I/F332の制御も行う。
【0029】
また制御手段342は、アドレッサブル広告に置き換えることが可能な時間枠のCMを、広告差し替え装置330が出力したアドレッサブル広告(差し替えCM)に置き換えて表示する制御も行う。
広告差し替え装置330は、番組に挿入されている広告をアドレッサブル広告(差し替えCM)に置き換えるための処理を行う。
【0030】
広告差し替え装置330が行う、番組に挿入されているCMをアドレッサブル広告(差し替えCM)に置き換えるための処理の概要については、
図4Aに示す。また広告差し替え装置330の構成の一例を
図4Cに示す。また広告祭祀替え装置の処理の一例を
図4Dに示す。
【0031】
図4Aは、広告差し替え装置330が行う、番組に挿入されているCMをアドレッサブル広告(差し替えCM)に置き換えるための処理の概要を示す図である。
広告差し替え装置330は、番組に挿入されているCMをアドレッサブル広告(差し替えCM)に置き換えるために、番組に挿入されているCMが表示される時間や表示される長さ等の情報、番組に挿入されているCMに差し替えて表示するアドレッサブル広告の情報を取得する必要がある。
【0032】
広告差し替え装置330は、番組に挿入されている広告が表示開始時間や表示長さ等の情報(時間枠の情報)であるCMリストを、番組に関連する付加サービスを提供する管理サーバ121に任意のタイミングで要求することで取得することが出来る。
また広告差し替え装置330は、アドレッサブル広告(差し替えCM)を、CM配信用サーバ120に任意のタイミングで要求することで取得し記録媒体160に保存することが出来る。
【0033】
広告差し替え装置330がCM配信用サーバ120にアドレッサブル広告(差し替えCM)を要求する方法は、広告差し替え装置330が例えばアドレッサブル広告(差し替えCM)のダウンロード要求メッセージをCM配信用サーバ120に送信することで、メッセージを受信したCM配信用サーバ120が、アドレッサブル広告(差し替えCM)を広告差し替え装置330にダウンロードしてもよいし、広告差し替え装置330が例えばアドレッサブル広告(差し替えCM)のダウンロード開始時刻を含むダウンロード要求メッセージをCM配信用サーバ120に送信することで、メッセージを受信したCM配信用サーバ120が、メッセージに含まれる時刻に達したタイミングで、アドレッサブル広告(差し替えCM)を広告差し替え装置330にダウンロードしてもよい。
【0034】
広告差し替え装置330がCM配信用サーバ120にアドレッサブル広告(差し替えCM)を要求する機能は、予め放送信号受信装置140の中に備わっていてもよいし、放送信号に含まれる制御情報(TLV-SIやMMT-SI)に含まれる情報をもとに、放送信号受信装置140が、特定のサーバ(記載せず)にアクセスし取得してもよい。このように、放送信号受信装置140が放送信号に含まれる制御情報(TLV-SIやMMT-SI)に含まれる情報をもとに、放送信号受信装置140が、特定のサーバ(記載せず)にアクセスしCM配信用サーバ120にアドレッサブル広告(差し替えCM)を要求する機能を取得する形態として、例えばデータコンテンツサービスと呼ばれるサービスを用いてもよいし、それ以外のサービスを用いてもよい。
【0035】
図4Bは、本発明の実施形態に係る広告差し替え装置330が、管理サーバ121から取得するCMリストの一例である。CMリスト400は、CMの識別子であるID401、CMの放送開始時刻であるStart_time402、CMが放送される長さであるduration403、アドレッサブル広告に差し替えが可能か否かを示すenable404を含む。
【0036】
例えば410は、IDが001002201である。IDのフォーマットは、例えば最初の3桁の001がチャンネル番号を示し、次の4桁の0022が番組の識別子を表し、次の2桁が、先の4桁で識別される番組に含まれるCMの識別子を表している。このようにIDは、放送信号受信装置140が受信するすべてのチャンネルのすべての番組に含まれるCMを識別できるフォーマットであれば、どのようなフォーマットでもよい。
【0037】
また410は、Start_timeが20181215201500である。Start_timeのフォーマットは、例えば最初の8桁の20181215が西暦で年月日(yyyymmdd)を表し、次の6桁の201500が時分秒(hhmmss)を表している。
【0038】
また410は、durationが15である。durationのフォーマットは、表示時間を表している。
また410は、enableが0である。enableのフォーマットは、アドレッサブル広告(差し替えCM)に差し替えが可能な場合は1、アドレッサブル広告(差し替えCM)に差し替えが可能でない場合は0が設定される。
【0039】
この他、CMリストにはCMの製品ジャンルやメーカ名などの情報が含まれていてもよい。
図4Cは、本発明の実施形態に係る広告差し替え装置330の構成例を概略的に示す図である。広告差し替え装置330は、制御部330-1と解析部330-2を含む。
【0040】
制御部330-1は、広告差し替え装置330の全体の動作を制御するとともに、解析部300-2を制御することで、放送番組に含まれるCMを差し替えるアドレッサブル広告(差し替えCM)を決定し、決定したアドレッサブル広告(差し替えCM)を放送信号受信装置140の表示手段350に表示させる。
【0041】
また制御部330-1は、CM配信用サーバ120から差し替えCMの候補である複数のアドレッサブル広告を取得して記録媒体160に保存し、管理サーバ121からCMリストを取得して記録媒体160に保存する。
解析部330-2は、記録媒体160に保存されているCMリストを解析し、CMリストに記載されているCMが、アドレッサブル広告(差し替えCM)に差し替え可能かどうかを判断する。
【0042】
図4Dは、本発明の実施形態に係る広告差し替え装置330が行う、アドレッサブル広告(差し替えCM)に差し替える処理の一例を示す処理フローである。
放送信号受信装置140が放送番組の受信を開始すると、広告差し替え装置330は、受信した番組に含まれるCMをアドレッサブル広告に差し替えるための処理を開始する(S400)。
【0043】
広告差し替え装置330の制御部330-1は、管理サーバ121にアクセスし、管理サーバ121に、更新されたCMリストが存在しているかを確認する(S401)。
確認の結果更新されたCMリストが存在している場合(S402のYes)、制御部330-1は、管理サーバ121から更新されたCMリストを取得して保持する(S403)。
【0044】
確認の結果更新されたCMリストが存在していない場合(S402のNo)、制御部330-1は、新たに管理サーバ121に更新されたCMリストが現れるまで連続して、あるいは一定時間待ちながら確認処理(S401)を繰り返す。
次に制御部330-1は、保持しているCMリストの中から、放送信号受信装置140の表示手段350に表示されている番組、つまり視聴者が視聴している番組に含まれるCMのstart_timeを取得し、現在時刻がstart_timeに達しているかの確認を行う(S404)。
【0045】
確認(S404)の結果現在時刻がstart_timeに達している場合(S405のYes)、制御部330-1は、番組に挿入されているCMの代わりに表示可能な置き換え用CM(アドレッサブル広告)が存在するかを解析部330-2に問い合わせて確認する(S406)。
【0046】
解析部330-2に問い合わせて確認(S406)した結果、置き換え用CM(アドレッサブル広告)が存在する場合(S407のYes)、制御部330-1は、該当する置き換え用CM(アドレッサブル広告)を解析部330-2から取得し、番組に挿入されているCMの代わりに、表示手段350に表示させる(S408)。
【0047】
解析部330-2に問い合わせて確認(S406)した結果、置き換え用CM(アドレッサブル広告)が存在しない場合(S407のNo)、番組に挿入されているCMをそのまま、表示手段350に表示させる(S409)。
確認(S404)の結果現在時刻がstart_timeに達していない場合(S405のNo)、制御部330-1は、現在時刻がstart_timeに達するまでS404の確認処理を繰り返す。
【0048】
該当する置き換え用CM(アドレッサブル広告)が存在しない、とは、たとえばCMリスト400に記載のあるCMのduration403に一致する差し替え用CM(アドレッサブル広告)が存在しない場合やenableが1(置き換え可能)のCMがCMリスト400の中に存在しない場合であってもよい。
【0049】
また解析部330-2が、例えば表示手段350に表示中の番組を視聴している視聴者を推定する機能を持ち(図示せず)、その推定した視聴者に最適なCMが存在しないと判断した場合であってもよい。
次に制御部330-1は、現在時刻がCMの表示終了時刻に達したかを確認(S410)する。表示終了時刻は、start_timeとdurationから算出することができる。
【0050】
確認の結果(S410)現在時刻がCMの表示終了時刻に達している場合(S411のYes)、制御部330-1は、表示終了時刻に達したCMに継続して表示するCMが存在するかを、解析部330-2に問い合わせて確認する(S412)。
解析部330-2に問い合わせて確認(S412)した結果、表示終了時刻に達したCMに継続して表示するCMが存在する場合(S413のYes)、制御部330-1は、S406の処理に戻り、表示終了時刻に達したCMの次のCMの代わりに表示可能な差し替え用CM(アドレッサブル広告)が存在するかの問い合わせを行う(S406)。
【0051】
解析部330-2に問い合わせて確認(S412)した結果、表示終了時刻に達したCMに継続して表示するCMが存在しない場合(S413のNo)、制御部330-1は、表示手段350に表示中の番組に、以降のタイミングでCMを表示するかを解析部330-2に問い合わせて確認する(S414)。
【0052】
解析部330-2に問い合わせて確認(S414)した結果、以降のタイミングでCMを表示する場合(S415のYes)、制御部330-1は、S405の処理に戻り、以降のタイミングで表示されるCMに対して、差し替え用のCMが存在するかの処理を継続する。
【0053】
解析部330-2に問い合わせて確認(S414)した結果、以降のタイミングでCMを表示しない場合(S415のNo)、制御部330-1は、S402の処理に戻り、新たな番組に挿入されているCMに対して、差し替え用のCMが存在するかの処理を継続する。
【0054】
このように制御部330-1は、CMリスト400を参照することで、放送されている番組に挿入されている全てのCMに対して、差し替え用CM(アドレッサブル広告)が存在するかの確認を行う。
なおS412の、継続して表示するCMが存在するかの確認は、
図4Bに示すCMリスト400を例にすると、412の情報のCMに対して、413の情報のCMを確認することである。412の情報のCMと413の情報のCMは、ID番号で示されるように同一の番組において連続して(継続して)放送されるCMである。
【0055】
またS414の、以降のタイミングでCMを表示するかの確認は、
図4Bに示すCMリスト400を例にすると、414の情報のCMの表示が終了した時点で、415の情報のCMを確認することである。414の情報のCMおよび415の情報のCMは、ID番号で示されるように同一の番組において放送されるCMであり、415の情報のCMは、414の情報のCMに連続(継続)しないで放送されるCMである。
【0056】
図を用いて本発明の実施形態に係る広告差し替え装置330および広告差し替え装置330を含むアドレッサブル広告システムの例を説明したが、上述した例に限定されない。
図1に示したアドレッサブル広告システムの構成例では、放送局(放送信号送信装置)100は、MMT・TLV方式で多重された放送波を送信し、放送信号受信装置140は、MMT・TLV方式で多重された放送波を受信する場合を例に説明したが、放送波がMPEG-2方式で多重されたものであってもよい。あるいはまた
図1に示したアドレッサブル広告システムの構成例は、放送局(放送信号送信装置)100は、ネットワーク130を介して、番組コンテンツを放送信号受信装置140に配信してもよい。
【0057】
また
図1に示したアドレッサブル広告システムの構成例では、放送信号受信装置140が1つだけ含まれている例であるが、複数含まれていてもよい。この場合管理サーバ121は、放送信号受信装置140の各々が持つ機器IDを用いて、複数ある放送信号受信装置140を識別し管理することが出来る。
【0058】
また本発明の実施形態にかかる広告差し替え装置330は、放送信号受信装置140に含まれるとして説明したが、放送信号受信装置140と通信可能であり個々の放送信号受信装置140をその機器IDにより識別することが可能な別体の中にあってもよい。この別体は、例えば管理サーバ121であってもよい。
【0059】
広告差し替え装置330が別体の中にある場合、別体の中にある広告差し替え装置330は、ネットワーク130を介して放送信号受信装置140の記録媒体160に保存されているアドレッサブル広告(差し替えCM)が放送される長さの情報と、管理サーバ121から取得したCMリストを用いて
図4Dに示す処理を行い、S408のように表示手段350に表示させる処理は、ネットワーク130を介して放送信号受信装置140に表示指示を出せばよい。
【0060】
以上のように、本発明の実施形態に係る広告差し替え装置330は、取得したCMリストに記載されているCMの情報に基づいて、表示手段350に表示している番組のCMすべてに対してアドレッサブル広告(差し替えCM)に差し替えが可能かどうかを判断し、差し替えが可能なCMに対しては、アドレッサブル広告(差し替えCM)に差し替えて表示手段350に表示することが可能である。
【0061】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。さらにまた、請求項の各構成要素において、構成要素を分割して表現した場合、或いは複数を合わせて表現した場合、或いはこれらを組み合わせて表現した場合であっても本発明の範疇である。また請求項を制御ロジックとして表現した場合、コンピュータを実行させるインストラクションを含むプログラムとして表現した場合、及び前記インストラクションを記載したコンピュータ読み取り可能な記録媒体として表現した場合でも本発明の装置を適用したものである。また、使用している名称や用語についても限定されるものではなく、他の表現であっても実質的に同一内容、同趣旨であれば、本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0062】
100・・・放送局(放送信号送信装置)、120・・・CM配信用サーバ、121・・・管理サーバ、140・・・放送信号受信装置、160・・・記録媒体。