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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-09
(45)【発行日】2022-09-20
(54)【発明の名称】ガスメータ
(51)【国際特許分類】
   G01F 3/22 20060101AFI20220912BHJP
【FI】
G01F3/22 D
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018247758
(22)【出願日】2018-12-28
(65)【公開番号】P2020106486
(43)【公開日】2020-07-09
【審査請求日】2021-06-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニックホールディングス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000221834
【氏名又は名称】東邦瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩本 龍志
(72)【発明者】
【氏名】栗本 由子
(72)【発明者】
【氏名】中田 圭祐
(72)【発明者】
【氏名】木場 康雄
(72)【発明者】
【氏名】榎本 光伸
(72)【発明者】
【氏名】大和久 崇
(72)【発明者】
【氏名】宇野 長武
(72)【発明者】
【氏名】佐久間 博久
(72)【発明者】
【氏名】土屋 創太
(72)【発明者】
【氏名】田中 恭太郎
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 孝信
(72)【発明者】
【氏名】久米村 秀明
(72)【発明者】
【氏名】安井 昌広
(72)【発明者】
【氏名】田村 至
(72)【発明者】
【氏名】浅田 昭治
(72)【発明者】
【氏名】山崎 拓也
(72)【発明者】
【氏名】坂野 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】松井 彰
【審査官】後藤 順也
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-156265(JP,A)
【文献】特開2002-098568(JP,A)
【文献】特許第3257541(JP,B2)
【文献】特開2006-064431(JP,A)
【文献】特開2006-242785(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F 3/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスの通路を遮断する遮断弁と、ガスの流れを計測する流量計測手段と、前記流量計測手段が計測する流量に基づく積算流量の積算表示手段と、複数個の表示部から構成されてガスメータの状態を表示するインジケータ表示手段と、所定の操作を行う操作手段と、外部装置との通信を行う通信手段と、を有するガスメータであって、
前記インジケータ表示手段は、ひとつの表示部に対して、予め定めた特定の動作状態か否かを指示する第1の表示指示手段による表示と、予め定めた特定の設定状態か否かを指示する第2の表示指示手段による表示との両方を表示するように表示を切り替えるインジケータ表示切替え手段を備え、
前記第1の表示指示手段と前記第2の表示指示手段の両方の表示指示が重なる場合は、前記第2の表示指示手段の点滅表示とは異なる点滅パターンで表示するガスメータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ガスメータの各種の動作状態等を専用に表示するインジケータ表示に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のガスメータは、ガス流量を計量する流量計測機能と、ガス流量およびガスメータの使用状態を監視して、異常時には遮断するブレーカ機能と、ガスメータの様々な動作状態の確認や判定値などを設定するために外部装置を介して送受信する通信機能とを有している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図5は、特許文献1に記載の従来のガスメータの概略的正面図である。図5において、ガスメータ101と、内蔵するガス流量を測定する流量測定手段(図示せず)によって計測されたガス流量の使用量を積算する指針値表示手段102と、液晶式の表示手段103と、内蔵する遮断弁(図示せず)を開栓するための復帰ボタン104とから構成されている。
【0004】
液晶式の表示手段103は、ガスの圧力を表示するための表示部103Aと、ガスメータ101の動作中の状態を表示するための動作状態表示部103Bと、口火の有無や漏洩圧力の検知の有無や、口火の有無等に応じたガスメータ101の動作パターンを設定するための動作パターン設定表示部103Cとから構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2000-205918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記従来の構成では、予め定めた動作状態を表示するため、表示の意味を示す専用の表示プレートまたは表示シールを使用しているため、これらの表示プレートまたは表示シールが紛失したり、汚れ等により表示内容が見えにくくなったりすることがあり、その場合、内部情報を読み取る装置(例えば、設定器など)を持たない作業者には動作状態等が分からなくなってしまうという課題を有していた。
【0007】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、専用の表示プレートまたは表示シールの省略化及び、内部の動作や設定状態が分からなくならないようにするガスメータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記従来技術の課題を解決するために、本発明のガスメータは、ガスの通路を遮断する遮断弁と、ガスの流れを計測する流量計測手段と、前記流量計測手段が計測する流量に基づく積算流量の積算表示手段と、複数個の表示部から構成しそれぞれが独立した表示を行うインジケータ表示手段と、所定の操作を行う操作手段と、外部装置との通信を行う通信手段と、を有するガスメータであって、前記インジケータ表示手段は、ひとつの表示部に対して、予め定めた特定の動作状態か否かを指示する第1の表示指示手段による表示と、予め定めた特定の設定状態か否かを指示する第2の表示指示手段による表示と、の何れか或いは両方を表示するように表示を切り替えるインジケータ表示切替え手段を設けたものである。
【0009】
これによって、インジケータ表示手段のそれぞれ表示部に対して、予め割り当てた内部の動作状態および設定状態を的確に表示できるようになる。
【発明の効果】
【0010】
本発明のガスメータは、複数個の表示部から構成しそれぞれが独立した表示を行うインジケータ表示手段に対して、予め割り当てた内部の動作状態および、設定状態を的確に表示することができるようになり、専用の表示プレートまたは表示シールの省略化及び、作業者の点検作業等を効率的に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施の形態1におけるガスメータのブロック図
図2】本発明の実施の形態1におけるガスメータの表示部のイメージ図
図3】(1)、(2)本発明の実施の形態1におけるインジケータ表示パターンを示す図
図4】本発明の実施の形態1における概略フローチャート
図5】従来の技術のガスメータの概略的正面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
第1の発明は、ガスの通路を遮断する遮断弁と、ガスの流れを計測する流量計測手段と、前記流量計測手段が計測する流量に基づく積算流量の積算表示手段と、複数個の表示部から構成しそれぞれが独立した表示を行うインジケータ表示手段と、所定の操作を行う操作手段と、外部装置との通信を行う通信手段と、を有するガスメータであって、前記インジケータ表示手段は、ひとつの表示部に対して、予め定めた特定の動作状態か否かを指示する第1の表示指示手段による表示と、予め定めた特定の設定状態か否かを指示する第2の表示指示手段による表示との何れか或いは両方を表示するように表示を切り替えるインジケータ表示切替え手段を備えたもので、インジケータ表示手段の表示数を増やすことなく動作状態および設定状態を表示することができる。
【0013】
また、同一表示部において、対象設定項目に対する設定有無および設定数について、表示内容を確認することにより容易に把握することができ、ガスメータ設置等での設定作業や現場確認の作業性を向上することができる。
【0014】
第2の発明は、第1の発明において、前記第1の表示指示手段は点灯表示または消灯表示を指示し、前記第2の表示指示手段は点滅表示または消灯表示を指示するようにしたものである。
【0015】
第3の発明は、第1または2の発明において、前記第1の表示指示手段と前記第2の表示手段の両方の表示指示が重なる場合は、前記第2の表示指示手段の点滅表示とは異なる点滅パターンで表示するようにしたものである。
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0017】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるガスメータのブロック図を示すものである。
【0018】
図1において、ガスメータ1は、ガスを遮断する遮断弁2と、ガス流量を計測する流量計測手段3と、遮断弁2の開栓を行う復帰手段4と、遮断弁2を強制的に遮断する強制遮断手段5、各種の表示を行う表示手段6と、インジケータ表示手段7、遮断弁2及び各手段を制御する制御手段8、外部との通信を行う外部通信手段9で構成されている。
【0019】
図2は、本発明の第1の実施の形態におけるガスメータの表示部のイメージを示すものである。
【0020】
図2において、例えば液晶により構成された表示手段6は、ガスの使用量を表示する指針値表示部11と、ガスメータの異常状態を表示する事象表示部13と、ガスメータの特に重要な動作状態を表示するインジケータ表示部12とから構成されている。
【0021】
図3は、本発明の実施の形態1におけるインジケータ表示パターンを示すものである。図3(1)は1つのインジケータ表示に対して、1つの動作状態と1つの設定状態を表示するときの表示パターンを示すもので、図3(2)は1つのインジケータ表示に対して、1つの動作状態と2つの設定状態を表示するときの表示パターンを示すものである。
【0022】
ここで、動作状態とは、出荷時の遮断状態や、ガス漏れのようにガスメータ1で検知される異常、復帰動作に失敗した状態等の状態であり、設定状態とは、ガスの使用時間を監視する機能の有効/無効や、所定の保安機能の有効/無効のようにガスメータ1に設定された機能の状態を意味している。
【0023】
図4は、本発明の実施の形態1における概略フローチャートを示すものである。
【0024】
以下、図1から図4を用いて、インジケータ表示部の表示の動作について説明する。
【0025】
図3(1)において、動作状態Aの一事例としてガス漏れ判定、設定状態aの一事例としてガスの使用時間を監視する機能の有効/無効の設定を事例に説明する。なお、ガスの使用時間を監視する機能の有効/無効の設定において、機能を無効にする設定として、機能が有効であれば「オフ」、機能が無効であれば「オン」と定義して説明する。
【0026】
先ず、動作状態A(ガス漏れ)がなく、設定状態a(機能無効)がオフされている場合、ガスメータ1において、流量計測手段3でガス流量を計測し、制御手段8でガス漏れ判定を行う(ステップS1)。続いて制御手段8がガス漏れあり/なしと判定する(ステップS2)。次に、制御手段8がガス漏れなしと判定した場合、続いて、設定状態a(ガスの使用時間を監視する機能が無効か否か)を判定する(ステップS3)。そして、設定状態a(ガスの使用時間を監視する機能が無効か否か)が「オフ」(機能が有効)と判定されると、インジケータ表示手段7を消灯する(ステップS5)。
【0027】
次に、動作状態A(ガス漏れ)がなく、設定状態a(機能無効)がオンされている場合、ガスメータ1において、流量計測手段3でガス流量を計測し、制御手段8でガス漏れ判定を行う(ステップS1)。続いて、制御手段8がガス漏れあり/なしと判定する(ステップS2)。次に、制御手段8がガス漏れなしと判定した場合、続いて、設定状態a(ガスの使用時間を監視する機能が無効か否か)を判定する(ステップS3)。そして、設定状態a(ガスの使用時間を監視する機能が無効か否か)が「オン」(機能が無効)と判定されると、インジケータ表示手段7を点滅する(ステップS6)。ステップS6の点滅状態(点滅1)は、例えば、点灯時間:0.5秒/消灯時間:0.5秒とする。
【0028】
次に、動作状態A(ガス漏れ)があり、設定状態a(機能無効)がオフされている場合、ガスメータ1において、流量計測手段3でガス流量を計測し、制御手段8でガス漏れ判定を行う(ステップS1)。続いて、制御手段8がガス漏れあり/なしと判定する(ステップS2)。次に、制御手段8がガス漏れありと判定した場合、続いて、設定状態a(ガスの使用時間を監視する機能が無効か否か)を判定する(ステップS4)。そして、設定状態a(ガスの使用時間を監視する機能が無効か否か)が「オフ」(機能が有効)と判定されると、インジケータ表示手段7を点灯する(ステップ7)。
【0029】
次に、動作状態A(ガス漏れ)があり、設定状態a(機能無効)がオンされている場合、ガスメータ1において、流量計測手段3でガス流量を計測し、制御手段8でガス漏れ判定を行う(ステップS1)。続いて、制御手段8がガス漏れあり/なしと判定する(ステップS2)。次に、制御手段8がガス漏れありと判定した場合、続いて、設定状態a(ガスの使用時間を監視する機能が無効か否か)を判定する(ステップS4)。そして、設定状態a(ガスの使用時間を監視する機能が無効か否か)が「オン」(機能が無効)と判定されると、インジケータ表示手段7を点滅する(ステップ8)。ステップS8の点滅状態(点滅2)は、例えば、点灯時間:1秒/消灯時間:1秒とし、ステップS6の点滅状態(点滅1)とは異なる時間で点滅する。
【0030】
以上のように、本実施の形態においては、ガスメータ1の動作状態Aを監視し、動作状態Aの有無と、設定状態aのオン/オフとを一つのインジケータ表示部に表示することにより、動作状態Aと設定状態aが容易に確認できるようになり、ガスメータ設置等での設定作業や現場確認の作業性を向上することができる。
【0031】
なお、点滅表示は、図3(2)に示すように、複数の設定状態(例えば、設定状態bと設定状態c)を識別できるように表示時間を変えることで、点滅状態(点滅1~点滅6)を定義するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0032】
以上のように、本発明にかかるガスメータは、インジケータ表示部の表示数を増やすことなく動作状態および設定状態を表示することができ、電気メータや水道メータの用途にも適用できる。
【符号の説明】
【0033】
1 ガスメータ
2 遮断弁
3 流量計測手段
4 復帰手段
5 強制遮断手段
6 表示手段
7 インジケータ表示手段
8 制御手段
9 外部通信手段
図1
図2
図3
図4
図5