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特許7139254カーテンウォール及びカーテンウォールの施工方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-09
(45)【発行日】2022-09-20
(54)【発明の名称】カーテンウォール及びカーテンウォールの施工方法
(51)【国際特許分類】
   E04B 2/90 20060101AFI20220912BHJP
【FI】
E04B2/90
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019004643
(22)【出願日】2019-01-15
(65)【公開番号】P2020111991
(43)【公開日】2020-07-27
【審査請求日】2021-03-23
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 販売による公開 販売日 : 2018年8月24日 販売場所: 東京都千代田区大手町一丁目2番 (仮称)OH-1計画新築工事 A棟
(73)【特許権者】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110319
【弁理士】
【氏名又は名称】根本 恵司
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 篤
(72)【発明者】
【氏名】柏崎 永司
(72)【発明者】
【氏名】藤▲崎▼ 慧
(72)【発明者】
【氏名】野口 翔平
【審査官】兼丸 弘道
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-138584(JP,A)
【文献】特開平02-070866(JP,A)
【文献】実開平01-150807(JP,U)
【文献】実開平01-094586(JP,U)
【文献】登録実用新案第3011558(JP,U)
【文献】特開2018-155032(JP,A)
【文献】実開昭60-091786(JP,U)
【文献】特開2001-011993(JP,A)
【文献】特開平11-217899(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 2/56-2/70,2/88-2/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内外方向の一方側に配置された第1枠体と、室内外方向の他方側に配置された第2枠体と、を備えたカーテンウォールであって、
前記第1枠体は、建物の躯体に固定されたファスナーに取り付けられる第1ブラケットを有し、
前記第2枠体は、前記第1ブラケットに取り付けられる第2ブラケットを有するカーテンウォール。
【請求項2】
請求項1に記載されたカーテンウォールにおいて、
前記ファスナーは、前記建物の躯体の室内側面に固定されるカーテンウォール。
【請求項3】
請求項1又は2に記載されたカーテンウォールにおいて、
前記第1ブラケットは、室内外方向に沿って突出して前記ファスナーの室内外方向に沿う取付部に取り付けられる突出部を有し、
前記第2ブラケットは、前記突出部に取り付けられたカーテンウォール。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載されたカーテンウォールにおいて、
前記第1ブラケットは、前記第2枠体の下側に配置され、
前記第2ブラケットは、前記第2枠体の下側で前記第1ブラケットに取り付けられたカーテンウォール。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載されたカーテンウォールにおいて、
前記第1ブラケットは、前記ファスナーに形成された長孔と交差して配置された長孔を有し、前記ファスナーの長孔と前記第1ブラケットの長孔を貫通する取付部材により、前記ファスナーに取り付けられたカーテンウォール。
【請求項6】
室内外方向の一方側に配置された第1枠体と、室内外方向の他方側に配置された第2枠体と、を備えたカーテンウォールの施工方法であって、
建物の躯体に固定されたファスナーに前記第1枠体の第1ブラケットを取り付け、
前記第1ブラケットの取付孔に連結した調整治具により、前記ファスナーに対する前記第1ブラケットの位置を調整し、
前記第1ブラケットの取付孔から前記調整治具を取り外して、前記第1ブラケットの取付孔に前記第2枠体の第2ブラケットを取り付けるカーテンウォールの施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内外方向の一方側と他方側に枠体を備えたカーテンウォール、及び、カーテンウォールの施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カーテンウォールは、建物の壁部に用いられており、建物の躯体に連結されて、建物の壁部に設置される。また、複数のカーテンウォールユニットを備えたカーテンウォールでは、カーテンウォールユニットの枠体にブラケットが固定されて、建物の躯体に固定されたファスナーに枠体のブラケットが取り付けられる。ブラケットをファスナーに取り付けるときには、枠体の位置を調整するため、ファスナーに対するブラケットの位置を調整する必要がある。そこで、従来、支持金物(ブラケット)に取り付けたレベル調整金物のボルトにより、金属枠体(枠体)の上下方向の位置を調整するカーテンウォールユニットが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載された従来のカーテンウォールユニットでは、レベル調整金物のボルトを躯体側取付金物(ファスナー)に当接し、ボルトを回転することで、躯体側取付金物に対する支持金物の上下方向の位置を調整する。その状態で、支持金物を躯体側取付金物に取り付けて、金属枠体を躯体に連結する。ところが、従来のカーテンウォールユニットでは、金属枠体の複数の支持金物のそれぞれにレベル調整金物を取り付ける必要がある。そのため、金属枠体と躯体の連結部分の構造が複雑になる。また、室内外方向の一方側と他方側に枠体を備えたカーテンウォールでは、室外側の枠体と室内側の枠体の各ブラケットに対応してファスナーを設ける必要があり、カーテンウォールと躯体の連結部分の構造が更に複雑になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】登録実用新案第3001604号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記従来の問題に鑑みなされたもので、その目的は、建物の躯体に固定されたファスナーを室外側の枠体と室内側の枠体とで共用して、カーテンウォールと躯体の連結部分の構造を簡単にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、室内外方向の一方側に配置された第1枠体と、室内外方向の他方側に配置された第2枠体と、を備えたカーテンウォールであって、前記第1枠体は、建物の躯体に固定されたファスナーに取り付けられる第1ブラケットを有し、前記第2枠体は、前記第1ブラケットに取り付けられる第2ブラケットを有するカーテンウォールである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、建物の躯体に固定されたファスナーを室外側の枠体と室内側の枠体とで共用でき、カーテンウォールと躯体の連結部分の構造を簡単にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態のカーテンウォールを示す正面図である。
図2】本実施形態の第1カーテンウォールユニットを示す正面図である。
図3】本実施形態のカーテンウォールの縦断面図である。
図4】本実施形態のカーテンウォールの横断面図である。
図5】本実施形態のカーテンウォールのファスナーを示す図である。
図6】本実施形態のカーテンウォールの第1ブラケットを示す図である。
図7】本実施形態のカーテンウォールの第2ブラケットを示す図である。
図8】本実施形態のカーテンウォールと躯体の連結部分を示す図である。
図9】本実施形態のカーテンウォールと躯体の連結部分を示す図である。
図10】本実施形態の第1ブラケットの位置を調整する調整治具を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明のカーテンウォール、及び、カーテンウォールの施工方法の一実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態のカーテンウォールは、室内外方向の一方側と他方側に枠体を備えた2重構造のカーテンウォールであり、本実施形態のカーテンウォールの施工方法により施工される。カーテンウォールは、建物の壁部に用いられて、建物の室内(屋内)と室外(屋外)の間に設置される。
【0010】
図1は、本実施形態のカーテンウォール10を示す正面図であり、建物11の壁部12に設けられたカーテンウォール10の一部を室外側からみて示している。カーテンウォール10を室外側又は室内側からみたときに、上下となる方向が上下方向であり、左右となる方向が左右方向である。図1では、上下方向は垂直方向であり、左右方向は水平方向である。
図示のように、建物11は、壁部12に、カーテンウォール10、複数の壁材13、及び、開口部14を備えている。複数の壁材13は、例えば、PC板であり、建物の躯体(図示せず)に取り付けられている。開口部14は、上下方向に離隔した壁材13の間に形成されている。
【0011】
カーテンウォール10は、建物11の壁部12に並べて配置された複数のカーテンウォールユニット(第1カーテンウォールユニット1)を備えている。第1カーテンウォールユニット1は、カーテンウォール10の一部を構成するユニットであり、隣り合う第1カーテンウォールユニット1と組み合わされている。カーテンウォール10及び第1カーテンウォールユニット1は、建物11の開口部14に配置されて、建物11の壁部12に設置されている。ここでは、カーテンウォール10は、連窓であり、複数の第1カーテンウォールユニット1は、1つの開口部14で左右方向に並べて設置されている。
【0012】
図2は、本実施形態の第1カーテンウォールユニット1を示す正面図であり、図1に示すカーテンウォール10の1つの第1カーテンウォールユニット1を示している。
図示のように、第1カーテンウォールユニット1は、パネル体(第1パネル体20)と、第1パネル体20を囲む枠体(第1枠体21)と、第1枠体21に固定された複数のブラケット22、30を備えている。第1パネル体20は、第1枠体21に取り付けられたパネル状部材であり、第1枠体21の開口部23に配置されている。
【0013】
第1パネル体20は、例えば、複層ガラスであり、第1枠体21に取り付けられて、第1枠体21に保持されている。第1枠体21の方形状の開口部23は、方形状の第1パネル体20により閉鎖される。第1枠体21は、開口部23を形成する開口枠であり、枠組みされた4つの枠24~26(上枠24、下枠25、一対の縦枠26)を有している。枠24~26は、例えば、押出成形により形成された形材であり、それぞれ第1パネル体20の縁部に沿って配置されている。
【0014】
4つの枠24~26が方形状に組み合わされて、枠24~26の長手方向の端部同士が接続されている。上枠24と下枠25は、横方向(左右方向)に延びる一対の横枠であり、一対の縦枠26の間に設けられている。一対の縦枠26は、上枠24の端部と下枠25の端部の間で縦方向(上下方向)に延びる。4つの枠24~26により、方形状の第1枠体21が形成されるとともに、第1枠体21の内側に開口部23が形成されている。
【0015】
ブラケット22は、第1枠体21の上部に固定された上ブラケットであり、第1枠体21から上側に突出している。ブラケット30は、第1枠体21の下部に固定された下ブラケットであり、第1枠体21から下側に突出している。ここでは、2つのブラケット22が、上枠24の長手方向に離隔して設けられて、上枠24に固定されている。また、2つのブラケット30が、下枠25の長手方向に離隔して設けられて、下枠25に固定されている。4つのブラケット22、30は、それぞれ建物11の躯体に連結され、第1枠体21及び第1カーテンウォールユニット1は、4つのブラケット22、30により、建物11の躯体に連結される。
【0016】
図3は、本実施形態のカーテンウォール10の縦断面図であり、図1のX1-X1線で切断したカーテンウォール10と建物11を示している。図4は、本実施形態のカーテンウォール10の横断面図であり、図1のX2-X2線で切断したカーテンウォール10を示している。図4では、左右方向に隣り合うカーテンウォールユニット1、2の縦枠26、46側の部分を示している。図3図4に示す室内外方向は、カーテンウォール10を室外側又は室内側からみたときのカーテンウォール10の奥行方向である。
【0017】
図示のように、カーテンウォール10は、2重構造に形成されたダブルスキンカーテンウォールであり、室内外方向の一方側に配置されたカーテンウォールユニット(第1カーテンウォールユニット1)と、室内外方向の他方側に配置されたカーテンウォールユニット(第2カーテンウォールユニット2)を備えている。第1カーテンウォールユニット1は、室内外方向の一方側カーテンウォールユニットであり、カーテンウォール10の室内外方向の一方側に並べて配置されている。第2カーテンウォールユニット2は、室内外方向の他方側カーテンウォールユニットであり、カーテンウォール10の室内外方向の他方側に並べて配置されている。第1カーテンウォールユニット1と第2カーテンウォールユニット2は、室内外方向において互いに対向して配置されている。
【0018】
ここでは、室内外方向の一方側は、室外側であり、室内外方向の他方側は、室内側である。従って、第1カーテンウォールユニット1は、室外側カーテンウォールユニットであり、第2カーテンウォールユニット2は、室内側カーテンウォールユニットである。また、第2カーテンウォールユニット2は、図2に示す第1カーテンウォールユニット1と同様に構成されており、カーテンウォール10は、建物11の壁部12に並べて配置された複数の第2カーテンウォールユニット2を備えている。第2カーテンウォールユニット2は、建物11の開口部14に配置されて、建物11の壁部12に設置され、隣り合う第2カーテンウォールユニット2と組み合わされている。複数の第2カーテンウォールユニット2は、1つの開口部14で左右方向に並べて設置されている。
【0019】
第2カーテンウォールユニット2は、パネル体(第2パネル体40)と、第2パネル体40を囲む枠体(第2枠体41)と、第2枠体41に固定された複数のブラケット42、50を備えている。第2パネル体40は、第2枠体41に取り付けられたパネル状部材であり、第2枠体41の開口部43に配置されている。また、第2パネル体40は、例えば、合わせガラスであり、第2枠体41に取り付けられて、第2枠体41に保持されている。第2枠体41の方形状の開口部43は、方形状の第2パネル体40により閉鎖される。
【0020】
第2枠体41は、開口部43を形成する開口枠であり、枠組みされた4つの枠44~46(上枠44、下枠45、一対の縦枠46)を有している。枠44~46は、例えば、押出成形により形成された形材であり、それぞれ第2パネル体40の縁部に沿って配置されている。4つの枠44~46が方形状に組み合わされて、枠44~46の長手方向の端部同士が接続されている。上枠44と下枠45は、横方向(左右方向)に延びる一対の横枠であり、一対の縦枠46の間に設けられている。一対の縦枠46は、上枠44の端部と下枠45の端部の間で縦方向(上下方向)に延びる。4つの枠44~46により、方形状の第2枠体41が形成されるとともに、第2枠体41の内側に開口部43が形成されている。
【0021】
ブラケット42は、第2枠体41の上部に固定された上ブラケットであり(図3参照)、第2枠体41から上側に突出している。ブラケット50は、第2枠体41の下部に固定された下ブラケットであり、第2枠体41から下側に突出している。ここでは、2つのブラケット42が、上枠44の長手方向に離隔して設けられて、上枠44に固定されている。また、2つのブラケット50が、下枠45の長手方向に離隔して設けられて、下枠45に固定されている。4つのブラケット42、50は、それぞれ建物11の躯体15、16に連結され、第2枠体41及び第2カーテンウォールユニット2は、4つのブラケット42、50により、建物11の躯体15、16に連結される。
【0022】
左右方向に隣り合う2つの第1カーテンウォールユニット1の組み合わせ部分で(図4参照)、2つの第1カーテンウォールユニット1の縦枠26は、左右方向に隣接して、互いに対向して配置されている。また、左右方向に隣り合う2つの第2カーテンウォールユニット2の組み合わせ部分で、2つの第2カーテンウォールユニット2の縦枠46は、左右方向に隣接して、互いに対向して配置されている。第2カーテンウォールユニット2の枠44~46は、それぞれ第1カーテンウォールユニット1の枠24~26の室内側に配置される。カーテンウォールユニット1、2は、室内外方向に隣接し、互いのパネル体20、40の間に、空気層である空間19を形成する。
【0023】
カーテンウォール10の上側に位置する躯体15(上躯体)には(図3参照)、ファスナー17、18(上ファスナー)が室内外方向に離隔した状態で固定されている。第1カーテンウォールユニット1の上側のブラケット22は、第1枠体21の上枠24から上側に突出して、室外側のファスナー17(室外側ファスナー)に取り付けられている。第1枠体21及び第1カーテンウォールユニット1は、ブラケット22によりファスナー17に連結されて、ブラケット22を介して、ファスナー17により上側から支持される。第2カーテンウォールユニット2の上側のブラケット42は、第2枠体41の上枠44から上側に突出して、室内側のファスナー18(室内側ファスナー)に取り付けられている。第2枠体41及び第2カーテンウォールユニット2は、ブラケット42によりファスナー18に連結されて、ブラケット42を介して、ファスナー18により上側から支持される。
【0024】
カーテンウォール10の下側に位置する躯体16(下躯体)には、ファスナー60(下ファスナー)が固定されている。第1カーテンウォールユニット1の下側のブラケット30は、第1枠体21の下枠25から下側に突出し、第2カーテンウォールユニット2の下側のブラケット50は、第2枠体41の下枠45から下側に突出している。2つのブラケット30、50は、1つのファスナー60に直接又は間接に取り付けられている。カーテンウォール10の枠体21、41及びカーテンウォールユニット1、2は、共通のファスナー60により、建物11の躯体16に連結されている。以下、カーテンウォール10の下側におけるカーテンウォール10と躯体16の連結部分3の構造について、詳しく説明する。
【0025】
カーテンウォール10は、室内外方向において互いに対向する2つの枠体21、41を備えている。第1カーテンウォールユニット1の第1枠体21は、ブラケット30(第1ブラケット)を有しており、室内外方向の一方側に配置されている。第2カーテンウォールユニット2の第2枠体41は、ブラケット50(第2ブラケット)を有しており、室内外方向の他方側に配置されている。ここでは、第1枠体21は、室外側に配置された室外側枠体(アウターサッシ)である。また、第2枠体41は、室内側に配置された室内側枠体(インナーサッシ)であり、第1枠体21の室内側に配置されている。第1枠体21と第2枠体41は、室内外方向に隣接している。
【0026】
ファスナー60は、建物11の躯体16に固定された支持部材であり、カーテンウォール10の下側に配置されている。第1枠体21と第2枠体41の両方が、ファスナー60に連結されて、ファスナー60により下側から支持される。枠体21、41、カーテンウォールユニット1、2、及び、カーテンウォール10は、第2カーテンウォールユニット2の下側で、ファスナー60により、躯体16に連結される。
【0027】
図5は、本実施形態のカーテンウォール10のファスナー60を示す図であり、ファスナー60と建物11の躯体16を示している。図5Aは、図3と同様に、ファスナー60を左右方向からみた側面図である。図5Bは、図5Aの矢印X3方向からみたファスナー60の平面図である。図5Cは、図5Aの矢印X4方向からみたファスナー60の正面図である。
【0028】
図示のように、建物11の躯体16には、保持部材70と固定部材71が設けられており、2つの固定部材71が保持部材70に取り付けられている。固定部材71は、ファスナー60の固定用の固定手段であり、保持部材70に装着されたボルト72と、ボルト72に取り付けられたナット73からなる。保持部材70及び固定部材71は、躯体16の室内側の壁部に設けられており、躯体16の室内側に面する室内側面16Aに位置する。
【0029】
ファスナー60は、上側からみてL字形状(図5B参照)に形成されており、躯体16から室内側に向かって突出している。また、ファスナー60は、躯体16に固定される板状の固定部61と、固定部61に形成された固定孔62と、第1枠体21の第1ブラケット30が取り付けられる取付部63と、取付部63に形成された長孔64を有している。固定部61は、保持部材70に接触した状態で、躯体16に沿って配置されている。固定孔62は、上下方向に細長い孔(長孔)であり、2つの固定孔62が、左右方向に離隔して固定部61に形成されている。
【0030】
2つのボルト72は、それぞれ固定孔62内に配置されており、固定部61から室内側に突出している。ナット73が2つのボルト72に取り付けられて、固定部材71により、固定部61及びファスナー60が保持部材70に固定されている。固定部材71により、ファスナー60は、保持部材70に保持されるとともに、建物11の躯体16の室内側面16Aに固定されている。取付部63は、躯体16及び固定部61から室内側に突出する板状の突出部であり、室内外方向に沿って配置されている。長孔64は、所定方向に細長い孔であり、2つの長孔64が、上下方向に離隔して取付部63に形成されている。第1枠体21の第1ブラケット30は、取付孔である長孔64を用いて、ファスナー60の取付部63に取り付けられる。
【0031】
図6は、本実施形態のカーテンウォール10の第1ブラケット30を示す図であり、第1ブラケット30と第1カーテンウォールユニット1の一部を示している。図6Aは、図3と同様に、第1ブラケット30を左右方向(下枠25の長手方向)からみた側面図である。図6Bは、図6Aの矢印X5方向からみた第1ブラケット30の平面図である。図6Cは、図6Aの矢印X6方向からみた第1ブラケット30の正面図である。
【0032】
図示のように、第1枠体21(ここでは、第1枠体21の下枠25)には、2つの固定部材74が取り付けられる。固定部材74は、第1ブラケット30の固定用の固定手段であり、第1枠体21に装着されたボルト75と、ボルト75に取り付けられたナット76からなる。固定部材74は、第1枠体21の下枠25の室内側部25Aに取り付けられて、第1枠体21から室内側に突出する。
【0033】
第1ブラケット30は、上側からみてL字形状(図6B参照)に形成されており、第1枠体21(下枠25)から室内側と下側に向かって突出している。また、第1ブラケット30は、第1枠体21に固定される板状の固定部31と、固定部31に形成された固定孔32と、室内外方向に沿って突出する突出部33と、突出部33に形成された複数の孔34~36(長孔34、取付孔35A、35B、連結孔36)を有している。固定部31は、第1枠体21に接触した状態で、第1枠体21に沿って配置されている。
【0034】
固定孔32は、上下方向に細長い孔(長孔)であり、2つの固定孔32が、左右方向に離隔して固定部31に形成されている。2つのボルト75は、それぞれ固定孔32内に配置されており、固定部31から室内側に突出している。ナット76が2つのボルト75に取り付けられて、固定部材74により、固定部31及び第1ブラケット30が第1枠体21に固定されている。これにより、第1ブラケット30は、第1枠体21の下部である下枠25(ここでは、下枠25の室内側部25A)に固定される。
【0035】
突出部33は、ファスナー60に取り付けられる板状の取付部であり、第1枠体21及び固定部31から室内側に突出して、室内外方向に沿って配置されている。長孔34は、所定方向に細長い孔であり、2つの長孔34が、上下方向に離隔して突出部33に形成されている。第1ブラケット30の突出部33は、取付孔である長孔34を用いて、ファスナー60の取付部63に取り付けられる。
【0036】
取付孔35A、35Bと連結孔36は、長孔34よりも上側に位置する円形孔であり、複数(ここでは、4つ)の取付孔35A、35Bと1つの連結孔36が、突出部33の上側部33Aに形成されている。連結孔36は、突出部33の室内外方向の中間部に形成されており、連結孔36の直径は、取付孔35A、35Bの直径よりも大きい。2つの取付孔35Aは、連結孔36よりも室外側の位置で上下方向に離隔して形成された室外側取付孔であり、2つの取付孔35Bは、連結孔36よりも室内側の位置で上下方向に離隔して形成された室内側取付孔である。第2枠体41の第2ブラケット50は、取付孔35A、35Bを用いて、第1ブラケット30の突出部33に取り付けられる。
【0037】
図7は、本実施形態のカーテンウォール10の第2ブラケット50を示す図であり、第2ブラケット50と第2カーテンウォールユニット2の一部を示している。図7Aは、図3と同様に、第2ブラケット50を左右方向(下枠45の長手方向)からみた側面図である。図7Bは、図7Aの矢印X7方向からみた第2ブラケット50の平面図である。図7Cは、図7Aの矢印X8方向からみた第2ブラケット50の正面図である。
【0038】
図示のように、第2ブラケット50は、室内外方向からみてL字形状(図7C参照)に形成されており、第2枠体41(ここでは、第2枠体41の下枠45)から下側に向かって突出している。また、第2ブラケット50は、第2枠体41に固定される板状の固定部51と、固定部51に形成された2つの固定孔52と、下側に向かって突出する突出部53と、突出部53に形成された取付孔54A、54Bを有している。固定部51は、第2枠体41に接触した状態で、第2枠体41に沿って配置されている。固定孔52は、円形孔であり、2つの固定孔52が、室内外方向に離隔して固定部51に形成されている。
【0039】
2つのビス55は、第2ブラケット50の固定用の固定部材(固定手段)であり、それぞれ固定孔52に挿入されて、第2枠体41の下枠45に取り付けられる。ビス55により、固定部51及び第2ブラケット50は、第2枠体41に固定されている。これにより、第2ブラケット50は、第2枠体41の下部である下枠45(ここでは、下枠45の下面部)に固定される。
【0040】
突出部53は、第1ブラケット30に取り付けられる板状の取付部であり、第2枠体41及び固定部51から下側に突出して、室内外方向に沿って配置されている。取付孔54A、54Bは、円形孔であり、複数(ここでは、4つ)の取付孔54A、54Bが、第1ブラケット30の取付孔35A、35B(図6A参照)の位置に対応して突出部53に形成されている。2つの取付孔54Aは、上下方向に離隔して形成された室外側取付孔であり、2つの取付孔54Bは、上下方向に離隔して形成された室内側取付孔である。第2ブラケット50の突出部53は、取付孔54A、54Bを用いて、第1ブラケット30の突出部33に取り付けられる。
【0041】
図8は、本実施形態のカーテンウォール10と躯体16の連結部分3を示す図であり、図5に示すファスナー60、図6に示す第1ブラケット30、及び、図7に示す第2ブラケット50を連結した状態を示している。図8Aは、図3と同様に、連結部分3を左右方向からみた側面図である。図8Bは、図8Aの矢印X9方向からみた連結部分3の平面図である。図8Cは、図8Aの矢印X10方向からみた連結部分3の正面図である。
図示のように、カーテンウォール10を建物11の躯体16に連結するときには、第1カーテンウォールユニット1の第1枠体21と第2カーテンウォールユニット2の第2枠体41を順に躯体16のファスナー60に連結する。
【0042】
第2枠体41の連結前に、取付部材37により、第1枠体21の第1ブラケット30(図6参照)をファスナー60(図5参照)に取り付ける。その際、ファスナー60の室内外方向に沿う取付部63に第1ブラケット30の突出部33を取り付ける。第1ブラケット30の突出部33は、ファスナー60の取付部63に沿って配置されて、取付部63に接触する。その状態で、取付部63の長孔64の一部と突出部33の長孔34の一部は、互いに重なるように、位置を合わせて配置される。また、ファスナー60は、第1ブラケット30に対して左右方向の一方側に位置し、第1ブラケット30の突出部33は、ファスナー60の取付部63に対して左右方向の他方側に位置する。
【0043】
取付部材37は、第1ブラケット30の取り付け用の取付手段であり、長孔34、64の重なる部分を貫通するボルト38と、ボルト38に取り付けられたナット39からなる。ファスナー60の長孔64と第1ブラケット30の長孔34を貫通する取付部材37により、第1ブラケット30は、ファスナー60に取り付けられる。また、上下方向に離隔する2つの取付部材37により、第1ブラケット30の突出部33がファスナー60の取付部63に取り付けられる。第1枠体21及び第1カーテンウォールユニット1は、連結部材である第1ブラケット30により、ファスナー60に連結されて、第1ブラケット30を介して、ファスナー60により支持される。
【0044】
第1ブラケット30、第2ブラケット50、及び、ファスナー60は、第2枠体41の下側に配置される(図8A参照)。第2枠体41の下側で、取付部材56により、第2枠体41の第2ブラケット50(図7参照)を第1枠体21の第1ブラケット30(図6参照)に取り付ける。その際、ファスナー60の上側で、第2ブラケット50は、第1ブラケット30に接触した状態で、第1ブラケット30に沿って配置されて、第1ブラケット30の突出部33に取り付けられる。第2ブラケット50は、第1ブラケット30を介して、ファスナー60に連結される。
【0045】
第2ブラケット50の突出部53は、第1ブラケット30の突出部33に沿って配置されて、突出部33に接触する。その状態で、突出部33の取付孔35A、35Bと突出部53の取付孔54A、54Bは、互いに重なるように、位置を合わせて配置される。また、第2ブラケット50は、第1ブラケット30に対して左右方向の一方側(ファスナー60側)に位置し、第1ブラケット30の突出部33は、第2ブラケット50の突出部53に対して左右方向の他方側に位置する。取付部材56は、第2ブラケット50の取り付け用の取付手段であり、互いに重なる取付孔35A、35B、54A、54Bに挿入された状態で、突出部33、53に取り付けられる。
【0046】
ビスである取付部材56により、第2ブラケット50は、ファスナー60に取り付けられた第1ブラケット30に取り付けられる。また、4つの取付部材56により、第2ブラケット50の突出部53が第1ブラケット30の突出部33に取り付けられる。第2ブラケット50は、第1ブラケット30の突出部33の上側部33A(図8A参照)に接触して、突出部33の上側部33Aに取り付けられる。突出部33の上側部33Aは、第1ブラケット30をファスナー60に取り付けた状態で、突出部33のファスナー60よりも上側に位置する部分である。
【0047】
第2ブラケット50は、連結部材であり、第1ブラケット30を介して、第2枠体41及び第2カーテンウォールユニット2をファスナー60に連結する。第2枠体41及び第2カーテンウォールユニット2は、第2ブラケット50及び第1ブラケット30を介して、ファスナー60により支持される。また、カーテンウォール10は、第1ブラケット30、第2ブラケット50、及び、ファスナー60により、建物11の躯体16に連結されており、第1ブラケット30及び第2ブラケット50を介して、ファスナー60により支持される。
【0048】
図9は、本実施形態のカーテンウォール10と躯体16の連結部分3を示す図であり、第2ブラケット50を第1ブラケット30に取り付ける前の連結部分3を示している。図9Aは、図8Aと同様に、連結部分3を左右方向からみた側面図であり、図9Bは、図9Aの矢印X11方向からみた連結部分3の正面図である。図10は、本実施形態の第1ブラケット30の位置を調整する調整治具80を示す図である。図10Aは、調整治具80の正面図であり、図10Bは、図10Aの矢印X12方向からみた調整治具80の側面図である。
【0049】
図示のように、第2ブラケット50を第1ブラケット30に取り付ける前に、ファスナー60に取り付けられる第1ブラケット30の位置(取付位置)を調整して、第1カーテンウォールユニット1の位置を調整する。位置の調整時には、第1ブラケット30を上下方向と室内外方向に移動できるように、取付部材37による第1ブラケット30とファスナー60の締め付けを緩めておく。その状態で、長孔34、64、及び、着脱可能な調整治具80を用いて、第1ブラケット30の位置を調整する。
【0050】
ファスナー60に形成された長孔64(図5A参照)と第1ブラケット30に形成された長孔34(図6A参照)は、ファスナー60に対する第1ブラケット30の位置を調整する調整孔である。第1ブラケット30の長孔34は、ファスナー60の長孔64の延びる方向に交差する方向に延び、ファスナー60の長孔64と交差して配置される。第1ブラケット30の長孔34は、上下方向と室内外方向の一方(ここでは、室内外方向)に細長い孔であり、ファスナー60の長孔64は、上下方向と室内外方向の他方(ここでは、上下方向)に細長い孔である。
【0051】
第1ブラケット30の長孔34は、ファスナー60の長孔64に交差(ここでは、直交)するように、ファスナー60の長孔64に部分的に重ねて配置される。2つの長孔34、64のそれぞれの内部における取付部材37の位置を変更しつつ、2つの長孔34、64の重なる部分を変更する。同時に、ファスナー60に対する第1ブラケット30の位置(取付位置)が、2つの長孔34、64のそれぞれに沿って変更される。第1ブラケット30の位置の変更に伴い、第1ブラケット30及び第1枠体21は、ファスナー60に対して、2つの長孔34、64の延びる方向(室内外方向、上下方向)に移動する。これにより、第1ブラケット30及び第1枠体21の室内外方向と上下方向の位置が調整される。
【0052】
調整治具80は、ファスナー60に対する第1ブラケット30の位置(ここでは、上下方向の位置)を調整する調整手段である。調整治具80は、第1ブラケット30に装着される装着部81と、第1ブラケット30に連結される複数の連結部82、83(第1連結部82、第2連結部83)と、装着部81及び連結部82、83を移動する移動機構84を有している。装着部81は、ブロック状のベース部であり、第1ブラケット30のファスナー60側の部分に装着される。連結部82、83は、円柱状の連結ピンであり、装着部81に固定されて、装着部81から第1ブラケット30に向かって突出する。複数(ここでは、2つ)の第1連結部82と1つの第2連結部83が、互いに平行に設けられている。第2連結部83の直径は、第1連結部82の直径よりも大きい。
【0053】
調整治具80を第1ブラケット30に連結したときに、第1連結部82は、第2連結部83及び移動機構84よりも室内外方向の一方側(ここでは、室外側)に位置し、第2連結部83は、第1連結部82及び移動機構84よりも室内外方向の他方側(ここでは、室内側)に位置する。従って、第1連結部82は、室外側連結部であり、第2連結部83は、室内側連結部である。2つの第1連結部82は、上下方向に離間して設けられている。
【0054】
移動機構84は、装着部81のネジ孔にねじ込まれたボルトであり、装着部81を貫通して、上下方向に沿って配置される。装着部81及び連結部82、83を移動機構84により移動するときには、移動機構84(ボルト)を回転して、ネジの作用で、移動機構84に対する装着部81及び連結部82、83の位置を変化させる。これにより、装着部81及び連結部82、83は、移動機構84に沿って移動する。移動機構84により、装着部81及び連結部82、83は、第1ブラケット30と一体に上下方向に移動する。
【0055】
第1ブラケット30は、第2ブラケット50が取り付けられる取付孔35A、35Bを有している。複数の取付孔35A、35Bのうち、室外側に位置する2つの取付孔35Aは、調整治具80が連結される連結孔であり、調整治具80の連結と第2ブラケット50の取り付けとに兼用される。調整治具80の2つの第1連結部82は、それぞれ第1ブラケット30の取付孔35Aに挿入されて、取付孔35A及び第1ブラケット30に連結される。同時に、調整治具80の第2連結部83は、第1ブラケット30の連結孔36に挿入されて、連結孔36及び第1ブラケット30に連結される。
【0056】
第2ブラケット50が取付孔35A、35Bに取り付けられていない状態で、調整治具80は、連結部82、83により、第1ブラケット30の取付孔35A及び連結孔36に連結される。これにより、調整治具80は、第1ブラケット30に着脱可能に連結されて、第1ブラケット30により支持される。また、装着部81は、第1ブラケット30に装着される。装着部81は、突出部33の上側部33Aに装着され、調整治具80は、突出部33の上側部33Aに連結される。調整治具80は、ファスナー60の取付部63よりも上側の位置に配置されて、上下方向において取付部63と対向する。
【0057】
続いて、調整治具80により、ファスナー60に対する第1ブラケット30の位置を調整する。具体的には、移動機構84を回転して、移動機構84の端部をファスナー60の取付部63に当接する。その状態で、移動機構84により、装着部81及び連結部82、83を上下方向に移動して、第1ブラケット30及び第1枠体21を上下方向に移動する。このように、調整治具80により、第1ブラケット30及び第1枠体21の上下方向の位置を調整する。また、第1ブラケット30及び第1枠体21を室内外方向に移動して、第1ブラケット30及び第1枠体21の室内外方向の位置を調整する。
【0058】
位置の調整後に、取付部材37により第1ブラケット30とファスナー60を締め付けて、取付部材37により、第1ブラケット30をファスナー60に取り付ける。続いて、取付孔35A、連結孔36、及び第1ブラケット30から調整治具80を取り外す。その状態で、取付部材56により(図8参照)、第2ブラケット50を第1ブラケット30の取付孔35A、35B及び第1ブラケット30に取り付ける。
【0059】
以上説明したように、本実施形態のカーテンウォール10では、ファスナー60を室外側と室内側の枠体21、41で共用でき、カーテンウォール10と躯体16の連結部分3の構造を簡単にすることができる。ファスナー60を躯体16の室内側面16Aに固定することで、室内外方向に張り出す躯体16の室内側面16Aにカーテンウォール10が連結される納まり等、カーテンウォール10が躯体16の室内側面16Aに連結される特殊な納まりに対応することができる。
【0060】
調整治具80を第1ブラケット30の取付孔35Aに連結しており、調整治具80の連結と第2ブラケット50の取り付けとに取付孔35Aを兼用することができる。そのため、第1ブラケット30に形成する孔の数を削減して、第1ブラケット30の加工を簡単にすることができる。着脱可能な調整治具80を第1ブラケット30から取り外して、調整治具80を複数の第1ブラケット30の位置の調整に用いることができる。
【0061】
第1ブラケット30の突出部33をファスナー60の室内外方向に沿う取付部63に取り付け、第2ブラケット50を突出部33に取り付ける。このようにすることで、第1ブラケット30のファスナー60への取付作業、及び、第2ブラケット50の第1ブラケット30への取付作業を簡単に行うことができる。第2枠体41の下側で、第2ブラケット50を第1ブラケット30に取り付けることで、第2ブラケット50を第1ブラケット30に容易に取り付けることができる。第1ブラケット30の長孔34とファスナー60の長孔64とを交差して配置しており、長孔34、64内における取付部材37の位置を変更することで、第1ブラケット30の位置を容易に調整することができる。
【0062】
なお、本実施形態では、室内外方向の一方側が室外側であり、室内外方向の他方側が室内側である。これに対し、室内外方向の一方側が室内側であり、室内外方向の他方側が室外側であってもよい。この場合には、第1枠体21が室内側に配置され、第2枠体41が室外側に配置される。また、ファスナー60を固定する躯体16の位置又は形状等に対応して、ファスナー60の位置又は形状等を変更してもよい。例えば、ファスナー60を室外側に向かって突出するようにしてもよく、ファスナー60を上側に向かって突出するようにしてもよい。本発明は、カーテンウォールの下側以外の箇所(例えば、上側)におけるカーテンウォールと躯体の連結部分に適用することもできる。
【0063】
以上のとおり、カーテンウォールは、室内外方向の一方側に配置された第1枠体と、室内外方向の他方側に配置された第2枠体と、を備えたカーテンウォールであって、
前記第1枠体は、建物の躯体に固定されたファスナーに取り付けられる第1ブラケットを有し、
前記第2枠体は、前記第1ブラケットに取り付けられる第2ブラケットを有するカーテンウォールである。
このカーテンウォールによれば、建物の躯体に固定されたファスナーを室外側の枠体と室内側の枠体とで共用でき、カーテンウォールと躯体の連結部分の構造を簡単にすることができる。
【0064】
前記ファスナーは、前記建物の躯体の室内側面に固定される。
従って、カーテンウォールが躯体の室内側面に連結される特殊な納まりに対応することができる。
【0065】
前記第1ブラケットは、室内外方向に沿って突出して前記ファスナーの室内外方向に沿う取付部に取り付けられる突出部を有し、
前記第2ブラケットは、前記突出部に取り付けられる。
従って、第1ブラケットのファスナーへの取付作業、及び、第2ブラケットの第1ブラケットへの取付作業を簡単に行うことができる。
【0066】
前記第1ブラケットは、前記第2枠体の下側に配置され、
前記第2ブラケットは、前記第2枠体の下側で前記第1ブラケットに取り付けられる。
従って、第2ブラケットを第1ブラケットに容易に取り付けることができる。
【0067】
前記第1ブラケットは、前記ファスナーに形成された長孔と交差して配置された長孔を有し、前記ファスナーの長孔と前記第1ブラケットの長孔を貫通する取付部材により、前記ファスナーに取り付けられる。
従って、互いに交差して配置される長孔内における取付部材の位置を変更することで、第1ブラケットの位置を容易に調整することができる。
【0068】
カーテンウォールの施工方法は、室内外方向の一方側に配置された第1枠体と、室内外方向の他方側に配置された第2枠体と、を備えたカーテンウォールの施工方法であって、
建物の躯体に固定されたファスナーに前記第1枠体の第1ブラケットを取り付け、
前記第1ブラケットの取付孔に連結した調整治具により、前記ファスナーに対する前記第1ブラケットの位置を調整し、
前記第1ブラケットの取付孔から前記調整治具を取り外して、前記第1ブラケットの取付孔に前記第2枠体の第2ブラケットを取り付けるカーテンウォールの施工方法である。
このカーテンウォールの施工方法によれば、建物の躯体に固定されたファスナーを室外側の枠体と室内側の枠体とで共用でき、カーテンウォールと躯体の連結部分の構造を簡単にすることができる。また、調整治具の連結と第2ブラケットの取り付けとに第1ブラケットの取付孔を兼用することができる。
【符号の説明】
【0069】
1・・・第1カーテンウォールユニット、2・・・第2カーテンウォールユニット、3・・・連結部分、10・・・カーテンウォール、11・・・建物、12・・・壁部、13・・・壁材、14・・・開口部、15・・・躯体、16・・・躯体、17・・・ファスナー、18・・・ファスナー、19・・・空間、20・・・第1パネル体、21・・・第1枠体、22・・・ブラケット、23・・・開口部、24・・・上枠、25・・・下枠、26・・・縦枠、30・・・第1ブラケット、31・・・固定部、32・・・固定孔、33・・・突出部、34・・・長孔、35A・・・取付孔、35B・・・取付孔、36・・・連結孔、37・・・取付部材、38・・・ボルト、39・・・ナット、40・・・第2パネル体、41・・・第2枠体、42・・・ブラケット、43・・・開口部、44・・・上枠、45・・・下枠、46・・・縦枠、50・・・第2ブラケット、51・・・固定部、52・・・固定孔、53・・・突出部、54A・・・取付孔、54B・・・取付孔、55・・・ビス、56・・・取付部材、60・・・ファスナー、61・・・固定部、62・・・固定孔、63・・・取付部、64・・・長孔、70・・・保持部材、71・・・固定部材、72・・・ボルト、73・・・ナット、74・・・固定部材、75・・・ボルト、76・・・ナット、80・・・調整治具、81・・・装着部、82・・・第1連結部、83・・・第2連結部、84・・・移動機構。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10