(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-09
(45)【発行日】2022-09-20
(54)【発明の名称】機器設置台装置、電気機器設置構造、及び板状部材の連結構造
(51)【国際特許分類】
F21V 21/02 20060101AFI20220912BHJP
F16B 5/06 20060101ALI20220912BHJP
F16B 5/07 20060101ALI20220912BHJP
F21V 21/00 20060101ALI20220912BHJP
【FI】
F21V21/02
F16B5/06 P
F16B5/07 L
F21V21/00 110
(21)【出願番号】P 2019005183
(22)【出願日】2019-01-16
【審査請求日】2021-08-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000243803
【氏名又は名称】未来工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083655
【氏名又は名称】内藤 哲寛
(72)【発明者】
【氏名】山本 茂樹
【審査官】田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-014317(JP,A)
【文献】特表2014-531115(JP,A)
【文献】特開2013-121216(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 21/02
F16B 5/06
F16B 5/07
F21V 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に照明器具等の電気機器を設置する設置面が形成され、裏面に構造物に当接される当接面が形成された板状を成し、板厚方向に貫通孔を有する長方形状の機器設置台本体と、
表面に照明器具等の電気機器を設置する設置面が形成され、裏面に構造物に当接される当接面が形成されて、前記機器設置台本体と同一の板厚から成る板状を成し、少なくとも対向する一対の辺が、前記機器設置台本体の短辺と同一長である四角形状の設置台延長部材と、から成り、
前記機器設置台本体と前記設置台延長部材とは、当該機器設置台本体の短辺又は当該設置台延長部材における当該短辺と同一長の辺を含む各突合せ面を突き合わせることで、当該機器設置台本体を自身の長手方向に延長させる構成の機器設置台装置であって、
前記各突合せ面における前記短辺の延びる方向の少なくとも両端部には、板厚方向の全長に亘って面接触で面接する面接部が、前記機器設置台本体及び設置台延長部材のそれぞれに設けられていることを特徴とする機器設置台装置。
【請求項2】
前記機器設置台本体は、前記設置面と前記当接面とを繋いで、全体の輪郭形状を形成する周壁部を備え、当該周壁部における前記短辺に対応する部分に設けられた前記面接部は、前記板厚方向に沿って傾斜して、その外面が傾斜面接部となっており、
前記設置台延長部材の面接部は、前記機器設置台本体の傾斜面接部と傾斜面接可能に傾斜した傾斜面接部となっており、
前記機器設置台本体及び設置台延長部材の各傾斜面接部を突き合わせた状態で、前記周壁部における前記機器設置台本体及び設置台延長部材の各長辺に対応する部分の各外面は、前記設置面又は当接面に対して同一角度を形成することで、当該長辺の延びる方向に沿って無段差の連続面となっていることを特徴とする請求項1に記載の機器設置台装置。
【請求項3】
前記機器設置台本体は、前記設置面と前記当接面とを繋いで、全体の輪郭形状を形成する周壁部を備え、
前記機器設置台本体の周壁部の外面は、全周に亘って前記板厚方向に沿って前記設置面から前記当接面に向けて広がり方向に傾斜されることで、前記周壁部の短辺方向の外面に傾斜面接部が形成され、
前記設置台延長部材の前記面接部は、前記機器設置台本体の傾斜面接部に傾斜面接可能なように、前記当接面から設置面に向けて広がり方向に傾斜された傾斜面接部が形成されていると共に、当該設置台延長部材の周壁部における長辺に対応する部分の外面は、前記機器設置台本体の対応周壁部の外面の傾斜と同方向に同一角度だけ傾斜していることを特徴とする請求項1又は2に記載の機器設置台装置。
【請求項4】
前記機器設置台本体と前記設置台延長部材の各突合せ面には、互いに引っ掛けられて、当該各突合せ面の離間を防止する引掛け部、及び被引掛け部がそれぞれ設けられて、当該引掛け部と被引掛け部の組み合せで、離間防止部を構成していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の機器設置台装置。
【請求項5】
前記面接部は、前記板厚方向に沿って傾斜した傾斜面接部から成り、
前記引掛け部は、前記傾斜面接部における相手方部材に対して離れる側となる板厚方向に沿った一端から当該相手方部材に向けて突出する突出部と、当該突出部の先端から、前記傾斜面接部における板厚方向に沿った他端に向けて片持壁状となって立設されて、自身の基端から先端に向けて前記傾斜面接部に対して徐々に近接する立設壁部とから成ることを特徴とする請求項4に記載の機器設置台装置。
【請求項6】
前記機器設置台本体及び設置台延長部材には、その各突合せ面が突き合わされて、当該機器設置台本体の短辺と、当該設置台延長部材の前記短辺に対応する辺とが合致された状態を維持して、各部材が当該短辺の方向に沿って相対的にずれるのを防止する幅方向位置決め部が設けられていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の機器設置台装置。
【請求項7】
前記幅方向位置決め部は、一方の突合せ面を形成する周壁部に、当該周壁部から相手方部材に向けて突設された係合凸部と、他方の突合せ面を形成する周壁部の内側に、前記係合凸部と係合させるべく、板厚方向の一端に開口して形成された係合凹部とから成ることを特徴とする請求項6に記載の機器設置台装置。
【請求項8】
表面に照明器具等の電気機器を設置する設置面が形成され、裏面に構造物に当接される当接面が形成され、板厚方向に沿って貫通する貫通孔を有する四角形板状の機器設置台と、
並設された2つの前記機器設置台の間に配置されて、当該2つの機器設置台を連結する連結部材と、
から成り、
前記連結部材は、並設された2つの機器設置台の向い合わせに配置される各突合せ面と同一の長さを有し、当該連結部材の前記並設された2つの機器設置台と対向する背中合せとなった各面における少なくとも連結方向と直交する方向の両端部には、板厚方向の全長に亘って面接触で面接する面接部がそれぞれ設けられていることを特徴とする機器設置台装置。
【請求項9】
表面に照明器具等の電気機器を設置する設置面が形成され、裏面に構造物に当接される当接面が形成された四角形板状を成し、突合せ面どうしが突き合わせ状態で当接されて機器設置台装置を構成する同一形状の2つの機器設置台から成り、
前記各機器設置台の各突合せ面における対向方向と直交する方向の少なくとも両端部には、板厚方向の全長に亘って面接触で面接する面接部がそれぞれ設けられ、
2つの機器設置台の一方を平面視において反転させて、対向する各突合せ面を突き合わせて連結する構成であることを特徴とする機器設置台装置。
【請求項10】
前記機器設置台の突合せ面には、当該突合せ面に開口して半貫通孔で形成され、2つの機器設置台の一方を平面視で反転させて、各突合せ面を突き合わせて当接させることで、2つの半貫通孔が合成された完全貫通孔が形成されることを特徴とする請求項9に記載の機器設置台装置。
【請求項11】
矩形状で同一板厚の板状を成し、表面に電気機器の設置面が形成された複数の機器設置台が、同一長の辺どうしを突き合わせるように並設して構造物に固定されており、前記複数の機器設置台を跨ぐようにして、前記設置面に1つの前記電気機器が設置されていることを特徴とする電気機器設置構造。
【請求項12】
対向する二対の各辺のうち一対の辺が同一長である矩形状の2つの板状部材の連結構造であって、
前記板状部材における前記同一長の辺を含む部分が突合せ面となって、各板状部材の各突合せ面を突き合わせて、当該各板状部材が連結され、
各板状部材の各突合せ面における前記同一長の辺が延びる方向の少なくとも両端部は、板厚方向に沿って傾斜され、各板状部材を突き合わせることで、板厚方向に沿って面接触する傾斜面接部が設けられ、
前記各突合せ面には、互いに引っ掛けられて、当該各突合せ面の離間を防止する引掛け部、及び被引掛け部がそれぞれ設けられ、
前記各板状部材の各傾斜面接部の面接状態で、
前記引掛け部と被引掛け部とが互いに引っ掛けられて、前記突合せ方向と反対方向に離間するのを防止することを特徴とする板状部材の連結構造。
【請求項13】
対向する二対の各辺のうち一対の辺が同一長である矩形状の2つの板状部材の連結構造であって、
並列された2つの前記板状部材の間に配置されて、当該2つの板状部材を連結する連結部材を備え、
前記連結部材は、並設された2つの板状部材の向い合せに配置される各突合せ面と同一の長さを有し、当該連結部材の前記並設された2つの板状部材の各突合せ面と対向する背中合せとなった各面における少なくとも連結方向と直交する方向の両端部には、板厚方向の全長に亘って面接触で面接する面接部がそれぞれ設けられていることを特徴とする板状部材の連結構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、突合せ面を面接状態で連結することで、機器設置台に対して設置台延長部材を連結して延長させたり、或いは複数の機器設置台を連結する機器設置台装置、電気機器設置構造、及び板状部材の連結構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
構造物に電気機器を設置する場合には、板状の機器設置台が使用され、取り扱いの容易な長さの機器設置台を用意しておき、当該電気機器の長さに対応して、複数の機器設置台を連結して、当該電気機器の長さに対応した機器設置台として使用する場合がある。
【0003】
例えば、特許文献1では、複数の機器設置台を連結するのに、当該機器設置台とは別の連結部材を使用しているため、当該連結部材の存在感が大きい。このため、「連結感」が目立って、ぎこちない印象を生じさせて、機器設置台としての外観が悪くなる。
【0004】
連結部材を使用せずに、電気機器の長さに対応した機器設置台を個別に製作すれば、問題は解消されるが、機器設置台の長さが長い場合には、成形金型が大型となって成形費用が嵩むと共に、その保管・運搬に支障を生ずる。
【0005】
また、電気機器の長さは、種々異なり、一定長さ、又は異なる長さの複数の機器設置台を「連結感」を生じさせることなく連結して、長さの異なる電気機器を構造物に設置したい要望が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、突合せ連結構造によって「連結感」を生じさせることなく、複数の機器設置台を連結可能にすることを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための請求項1の発明は、表面に照明器具等の電気機器を設置する設置面が形成され、裏面に構造物に当接される当接面が形成された板状を成し、板厚方向に貫通孔を有する長方形状の機器設置台本体と、
表面に照明器具等の電気機器を設置する設置面が形成され、裏面に構造物に当接される当接面が形成されて、前記機器設置台本体と同一の板厚から成る板状を成し、少なくとも対向する一対の辺が、前記機器設置台本体の短辺と同一長である四角形状の設置台延長部材と、から成り、
前記機器設置台本体と前記設置台延長部材とは、当該機器設置台本体の短辺又は当該設置台延長部材における当該短辺と同一長の辺を含む各突合せ面を突き合わせることで、当該機器設置台本体を自身の長手方向に延長させる構成の機器設置台装置であって、
前記各突合せ面における前記短辺の延びる方向の少なくとも両端部には、板厚方向の全長に亘って面接触で面接する面接部が、前記機器設置台本体及び設置台延長部材のそれぞれに設けられていることを特徴としている。
【0009】
請求項1の発明によれば、四角形状の設置台延長部材の突合せ面における機器設置台本体の短辺に対応する辺の長さは、当該短辺と同一長であり、機器設置台本体及び設置台延長部材の各突合せ面を突き合わせると、当該各突合せ面における前記短辺の延びる方向の少なくとも両端部には、板厚方向の全長に亘って面接触で面接する面接部がそれぞれ設けられているため、当該機器設置台本体と設置台延長部材との間には、連結部材が全く存在しない構造であって、しかも両部材の連結部分の両端部の平面視及び側面視は、面接構造であるため、各突合せ面における前記短辺の延びる方向の少なくとも両端部は、板厚方向の全長に亘って完全密着していて、外部には直線状の連結線が現れるのみである。このため、機器設置台本体は、設置台延長部材が一体に連結された状態で、長さが延長されているが、両部材の「連結感」は皆無であり、連結(接続)部分の見栄えが良好となる。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記機器設置台本体は、前記設置面と前記当接面とを繋いで、全体の輪郭形状を形成する周壁部を備え、当該周壁部における前記短辺に対応する部分に設けられた前記面接部は、前記板厚方向に沿って傾斜して、その外面が傾斜面接部となっており、
前記設置台延長部材の面接部は、前記機器設置台本体の傾斜面接部と傾斜面接可能に傾斜した傾斜面接部となっており、
前記機器設置台本体及び設置台延長部材の各傾斜面接部を突き合わせた状態で、前記周壁部における前記機器設置台本体及び設置台延長部材の各長辺に対応する部分の各外面は、前記設置面又は当接面に対して同一角度を形成することで、当該長辺の延びる方向に沿って無段差の連続面となっていることを特徴としている。
【0011】
板状の機器設置台本体及び設置台延長部材は、樹脂の射出成形で成形される場合が多く、射出成形においては、成形品の取り出しのために、板厚方向に沿って必要な「抜き勾配」が形成される。請求項2の発明は、必要不可欠的に形成される「抜き勾配」を巧みに利用して、前記機器設置台本体及び設置台延長部材の各突合せ面の「抜き勾配」を、基準面(例えば、設置面)に対して逆方向に形成することで、各突合せ面に傾斜方向が逆の関係にあって、互いに傾斜面接可能な各傾斜面接部が形成される。また、機器設置台本体及び設置台延長部材の各傾斜面接部を突き合わせた状態で、前記周壁部における前記機器設置台本体及び設置台延長部材の各長辺に対応する部分の各外面は、前記設置面又は当接面に対して同一角度を形成することで、当該長辺の延びる方向に沿って無段差の連続面となっており、機器設置台本体と設置台延長部材との連結部には、側面視で1本の連結線が現れるのみであり、両部材の連結部は、「連結感」を認識させないために、両部材の一体感が生じる。なお、傾斜面接部の傾斜角度は、「抜き勾配」に必要な角度よりも大きくすることも可能であり、各部材の周壁部の長辺方向に沿った外面は、設置面に対して垂直であってもよい。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記機器設置台本体は、前記設置面と前記当接面とを繋いで、全体の輪郭形状を形成する周壁部を備え、
前記機器設置台本体の周壁部の外面は、全周に亘って前記板厚方向に沿って前記設置面から前記当接面に向けて広がり方向に傾斜されることで、前記周壁部の短辺方向の外面に傾斜面接部が形成され、
前記設置台延長部材の前記面接部は、前記機器設置台本体の傾斜面接部に傾斜面接可能なように、前記当接面から設置面に向けて広がり方向に傾斜された傾斜面接部が形成されていると共に、当該設置台延長部材の周壁部における長辺に対応する部分の外面は、前記機器設置台本体の対応周壁部の外面の傾斜と同方向に同一角度だけ傾斜していることを特徴としている。
【0013】
請求項3の発明によれば、機器設置台本体は、両側面視、平面視及び底面視の全てにおいて、脚辺の傾斜角度が小さな台形状となっているために、感覚的に設置の安定感が高まると共に、台形状の脚辺の傾斜は、射出成形時の抜き勾配として利用できる。また、機器設置台本体及び設置台延長部材の各傾斜面接部は、側面視で逆方向に同一角度だけ傾斜しているので、各部材は、隙間なく連結可能であると共に、各部材の各周壁部における長辺に対応する部分の各外面は、同一角度で傾斜しているため、当該各外面は、連結部が無段差の連続面となり、この点においても、連結された2つの部材の一体感が高められる。
【0014】
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明において、前記機器設置台本体と前記設置台延長部材の各突合せ面には、互いに引っ掛けられて、当該各突合せ面の離間を防止する引掛け部、及び被引掛け部がそれぞれ設けられて、当該引掛け部と被引掛け部の組み合せで、離間防止部を構成していることを特徴としている。
【0015】
請求項4の発明によれば、機器設置台本体及び設置台延長部材の各突合せ面に、互いに引っ掛けられて、当該各突合せ面の離間を防止する引掛け部、及び被引掛け部がそれぞれ設けられて、当該引掛け部と被引掛け部の組み合せで、離間防止部を構成しているため、当該離間防止部により、当該機器設置台本体と設置台延長部材とが連結方向に沿って一体化されて、離間不能となる。よって、構造物に対して機器設置台装置の固定前の配置状態においても、両部材が連結方向に沿って分離されることはないので、両部材の連結姿勢が崩されることなく、当該両部材を構造物に固定できる。また、機器設置台本体及び設置台延長部材の取扱い時及び保管時においても、両部材を一体状態で扱える。
【0016】
請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記面接部は、前記板厚方向に沿って傾斜した傾斜面接部から成り、
前記引掛け部は、前記傾斜面接部における相手方部材に対して離れる側となる板厚方向に沿った一端から当該相手方部材に向けて突出する突出部と、当該突出部の先端から、前記傾斜面接部における板厚方向に沿った他端に向けて片持壁状となって立設されて、自身の基端から先端に向けて前記傾斜面接部に対して徐々に近接する立設壁部とから成ることを特徴としている。
【0017】
請求項5の発明によれば、機器設置台本体及び設置台延長部材の各突合せ面の一方に設けられた引掛け部を、他方に設けられた被引掛け部に引っ掛けると、当該被引掛け部を構成する板状の部分が、前記一方の突合せ面と、当該一方の突合せ面との間に板厚方向に沿って間隔が漸次変化する立設壁部と、で形成される空間部にくさび状となって圧入される。当該立設壁部のくさび状圧入によって、引掛け部を構成する板状の部分が、前記空間部からの抜け出しが困難となることで、両部材の連結力が大きくなって、連結状態において一体性が高まって、板厚方向に沿って容易には分離できなくなる。
【0018】
請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれかの発明において、前記機器設置台本体及び設置台延長部材には、その各突合せ面が突き合わされて、当該機器設置台本体の短辺と、当該設置台延長部材の前記短辺に対応する辺とが合致された状態を維持して、各部材が当該短辺の方向に沿って相対的にずれるのを防止する幅方向位置決め部が設けられていることを特徴としている。
【0019】
請求項6の発明によれば、機器設置台本体と設置台延長部材とが、当該機器設置台本体の短辺の方向に沿ってずれるのを防止する幅方向位置決め部が設けられているため、各突合せ面が完全合致された状態を維持したままで、機器設置台本体と設置台延長部材との各突合せ面が突き合わされて連結された状態を維持できる。
【0020】
請求項7の発明は、請求項6の発明において、前記幅方向位置決め部は、一方の突合せ面を形成する周壁部に、当該周壁部から相手方部材に向けて突設された係合凸部と、他方の突合せ面を形成する周壁部の内側に、前記係合凸部と係合させるべく、板厚方向の一端に開口して形成された係合凹部とから成ることを特徴としている。
【0021】
請求項7の発明によれば、両部材の一方の突合せ面を形成する周壁部に相手方部材に向けて突設された係合凸部を、両部材の他方の突合せ面を形成する周壁部に板厚方向の一端に開口して形成された係合凹部に係合させることで、両部材は、互いに連結された状態で、幅方向にずれるのを防止できるため、両部材の各突合せ面の完全合致を維持できる。
【0022】
請求項8の発明は、表面に照明器具等の電気機器を設置する設置面が形成され、裏面に構造物に当接される当接面が形成され、板厚方向に沿って貫通する貫通孔を有する四角形板状の機器設置台と、
並設された2つの前記機器設置台の間に配置されて、当該2つの機器設置台を連結する連結部材と、
から成り、
前記連結部材は、並設された2つの機器設置台の向い合わせに配置される各突合せ面と同一の長さを有し、当該連結部材の前記並設された2つの機器設置台と対向する背中合せとなった各面における少なくとも連結方向と直交する方向の両端部には、板厚方向の全長に亘って面接触で面接する面接部がそれぞれ設けられていることを特徴としている。
【0023】
請求項8の発明によれば、2つの機器設置台の向い合わせに配置される各突合せ面の間に、当該各突合せ面の長さと同一長さの連結部材を配置することで、当該連結部材を介して2つの機器設置台が連結される。連結部材の背中合わせとなった各面と、各機器設置台の突合せ面とは、連結方向と直交する方向の少なくとも両端部において面接触して面接する構成であるので、各機器設置台と連結部材とを連結している「連結感」は、殆ど存在しないので、すっきりした見栄えとなる。
【0024】
請求項9の発明は、表面に照明器具等の電気機器を設置する設置面が形成され、裏面に構造物に当接される当接面が形成された四角形板状を成し、突合せ面どうしが突き合わせ状態で当接されて機器設置台装置を構成する同一形状の2つの機器設置台から成り、
前記各機器設置台の各突合せ面における対向方向と直交する方向の少なくとも両端部には、板厚方向の全長に亘って面接触で面接する面接部がそれぞれ設けられ、
2つの機器設置台の一方を平面視において反転させて、対向する各突合せ面を突き合わせて連結する構成であることを特徴としている。
【0025】
請求項9の発明によれば、同一形状の2つの機器設置台の一方を平面視で反転させて、各突合せ面を突き合わせることで、2つの機器設置台を連結状態に配置することができ、必要長の半分の長さの一種類の機器設置台を成形するのみで、当該機器設置台の2倍の長さを有する連結状態の機器設置台装置が得られる。また、2つの機器設置台の連結状態において、各突合せ面が突き合わされた両端部は、面接触して面接していて、その側面には、1本の連結線が現れるのみであって、「連結感」が全く生じなく、すっきりしている。
【0026】
請求項10の発明は、請求項9の発明において、前記機器設置台の突合せ面には、当該突合せ面に開口して半貫通孔で形成され、2つの機器設置台の一方を平面視で反転させて、各突合せ面を突き合わせて当接させることで、2つの半貫通孔が合成された完全貫通孔が形成されることを特徴としている。
【0027】
請求項10の発明によれば、同一形状の2つの機器設置台の一方を平面視で反転させることで、2つの半貫通孔が合成された完全貫通孔が形成される。
【0028】
請求項11の発明は、矩形状で同一板厚の板状を成し、表面に電気機器の設置面が形成された複数の機器設置台が、同一長の辺を有する突合せ面どうしを突き合わせるように並設して構造物に固定されており、前記複数の機器設置台を跨ぐようにして、前記設置面に1つの前記電気機器が設置されていることを特徴としている。
【0029】
請求項11の発明によれば、複数の機器設置台の各突合せ面を突き合わせることで、連結部分に「連結感」を生じさせることなく、別体の連結部材を用いることなく連結状態にすることが可能となる。
【0030】
請求項12の発明は、対向する二対の各辺のうち一対の辺が同一長である矩形状の2つの板状部材の連結構造であって、
前記板状部材における前記同一長の辺を含む部分が突合せ面となって、各板状部材の各突合せ面を突き合わせて、当該各板状部材が連結され、
各板状部材の各突合せ面における前記同一長の辺が延びる方向の少なくとも両端部は、板厚方向に沿って傾斜され、各板状部材を突き合わせることで、板厚方向に沿って面接触する傾斜面接部が設けられ、
前記各突合せ面には、互いに引っ掛けられて、当該各突合せ面の離間を防止する引掛け部、及び被引掛け部がそれぞれ設けられ、
前記各板状部材の各傾斜面接部の面接状態で、前記引掛け部と被引掛け部とが互いに引っ掛けられて、前記突合せ方向と反対方向に離間するのを防止することを特徴としている。
【0031】
請求項12の発明によれば、別体の連結部材を用いることなく、複数の板状部材の各突合せ面を突き合わせて、くさび構造で互いに連結できる。
【0032】
請求項13の発明は、対向する二対の各辺のうち一対の辺が同一長である矩形状の2つの板状部材の連結構造であって、
並列された2つの前記板状部材の間に配置されて、当該2つの板状部材を連結する連結部材を備え、
前記連結部材は、並設された2つの板状部材の向い合わせに配置される各突合せ面と同一の長さを有し、当該連結部材の前記並設された2つの板状部材の各突合せ面と対向する背中合せとなった各面における少なくとも連結方向と直交する方向の両端部には、板厚方向の全長に亘って面接触で面接する面接部がそれぞれ設けられていることを特徴としている。
【0033】
請求項13の発明によれば、連結部材の背中合せとなった各面接部と、板状部材の各突合せ面とを面接させて連結されるので、「連結感」を殆ど生じさせることなく、2つの板状部材を連結できる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、四角形状の設置台延長部材の突合せ面における機器設置台本体の短辺に対応する辺の長さは、当該短辺と同一長であり、機器設置台本体及び設置台延長部材の各突合せ面を突き合わせると、当該各突合せ面における前記短辺の延びる方向の少なくとも両端部には、板厚方向の全長に亘って面接触で面接する面接部が、前記機器設置台本体及び設置台延長部材それぞれに設けられているため、機器設置台本体と設置台延長部材との間には、連結部材が全く存在しない構造であって、しかも両部材の連結部分の両端部の平面視及び側面視は、面接構造であるため、各突合せ面が完全密着している。このため、機器設置台本体は、設置台延長部材が一体に連結された状態で、長さが延長されているが、両部材の「連結感」は皆無であり、連結(接続)部分の見栄えが良好となる。
【0035】
特に、請求項5の発明のように、機器設置台及び設置台延長部材の各突合せ面の一方に設けられた引掛け部を、他方に設けられた被引掛け部に引っ掛けると、当該被引掛け部を構成する板状の部分が、前記一方の突合せ面と、当該一方の突合せ面との間、板厚方向に沿って間隔が漸次変化する立設壁部とで形成される空間部にくさび状となって圧入され、当該くさび状圧入によって、引掛け部を構成する板状の部分が、前記空間部からの抜け出しが困難となることで、両部材の連結力が大きくなって、連結状態における一体性が高まって、板厚方向に沿って容易には分離できなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】非連結状態の機器設置台本体A
1aと設置台延長体Bとを当接面F
12,F
22 の側から見た斜視図である。
【
図2】連結状態の機器設置台本体A
1aと設置台延長体Bとを当接面F
12,F
22 の側から見た斜視図である。
【
図3】連結状態の機器設置台本体A
1aと設置台延長体Bとを設置面F
11,F
21の側から見た斜視図である。
【
図4】機器設置台本体A
1aを異なる方向から見た斜視図である。
【
図5】(a),(b)は、それぞれ機器設置台本体A
1aの正面図及び背面図である。
【
図6】(a),(b)は、それぞれ
図5(a)のS
1 -S
1 線及びS
2 -S
2 線の各断面図である。
【
図7】(a),(b)は、それぞれ設置台延長体Bを異なる方向から見た斜視図である。
【
図10】機器設置台本体A
1aと設置台延長体Bとの連結部の部分拡大断面図である。
【
図11】(a)~(c)は、機器設置台本体A
1aと設置台延長体Bとの引掛け連結時における
図2のV
1 -V
1 線及びV
2 -V
2 線の各断面図を一組として、異なる状態を示す一組の断面図である。
【
図12】スイッチボックス91が埋設された側壁体Wの壁面に対して設置台延長体Bが連結された機器設置台本体A
1aが固定されて、当該各部材A
1a,Bの設置面F
11,F
21に照明器具K
1 が設置される状態を示す分解斜視図である。
【
図14】同一形状の2個を平面視で反転連結させて機器設置台装置A
2 を形成する機器設置台A
2aを異なる方向から見た斜視図である。
【
図15】(a)は、機器設置台A
2aの平面図であり、(b)は、(a)の中央縦断面図である。
【
図16】同一形状の2個の機器設置台A
2aの一方を平面視で反転状態にして、垂直面接面37a,37b を対向させた状態の斜視図である。
【
図17】同様の状態の2個の機器設置台A
2aを各垂直面接面37a,37b を突き合わせて連結して機器設置台A
2aとした状態の斜視図である。
【
図18】(a)は、平面視で一方が反転されて、2個の機器設置台A
2aの各面接面が対向している状態の部分斜視図であり、(b)は、機器設置台A
2aの垂直面接面37a,37bの側の側面図、並びに当該側面図のX
1 -X
1 線及びX
2 -X
2 線の各断面図である。
【
図19】(a),(b)は、それぞれ2個の機器設置台A
2aの連結前後の側面図であり、(c)は、(b)のX
3 -X
3 線断面図である。
【
図20】機器設置台装置A
2 と、これに取付けられる照明器具K
2 の分解斜視図である。
【
図21】同一形状の2個の機器設置台本体A
1aが連結体Cで連結する構成の機器設置台装置A
3 の連結前の斜視図である。
【
図22】2 個の機器設置台本体A
1aの連結状態の部分拡大斜視図である。
【
図23】(a),(b)は、それぞれ連結体Cを異なる方向からみた斜視図である。
【
図24】(a)は、連結体Cの中央縦断面図であり、(b), (c)は、それぞれ
図23(b)のY
1 -Y
1 線、Y
2 -Y
2 線及びY
3 -Y
3 線の各断面図である。
【
図25】(a),(b)は、それぞれ
図22のZ
1 -Z
1 線、及びZ
2 -Z
2 線の各断面図である。
【
図26】(a),(b)は、それぞれ2個の板状体D
1 どうしが本発明の連結構造により連結された状態の裏面側及び表面側の斜視図である。
【
図27】(a),(b)は、それぞれ2個の板状体D
1 の連結部の部分拡大斜視図、及び当該連結部の拡大断面図である。
【
図28】(a),(b)は、それぞれ2個の板状体D
2 どうしが連結体C’で連結された状態の裏面側及び表面側の斜視図である。
【
図29】(a),(b)は、それぞれ2個の板状体D
2 の連結部の部分拡大斜視図、及び当該連結部の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、複数の最良の実施例を挙げて、本発明について更に詳細に発明する。
【実施例1】
【0038】
最初に、
図1~
図11を参照して、本発明の実施例1の機器設置台装置A
1 について説明する。実施例1の機器設置台装置A
1 は、
図1~
図7に示されるように、側壁体Wの壁面に取付ける照明器具K
1 (K
2 )の長さに対応して、機器設置台本体A
1aに対して設置台延長体Bを連結して使用するものである。機器設置台本体A
1a及び設置台延長体Bは、いずれも樹脂の射出成形により形成され、板状をなしていて、短辺の長さ(E)を同一とした全体が長方形枠状の周壁部1,21の表面側に、照明器具K
1 (K
2 )を設置するための平面状の設置面F
11,F
21が形成されている。当該設置面F
11,F
21は、前記周壁部1,21の板厚と同等の板厚の設置板部2,22で形成される。機器設置台本体A
1a及び設置台延長体Bの設置板部2,22には、当該機器設置台本体A
1a及び設置台延長体Bを側壁体Wに固定するビスJ
2 を挿通させる複数のビス挿通孔3、前記各設置面F
11,F
21に対して照明器具K
1 (K
2 )の台座81a(81b)を固定するビスJ
1 を螺入させるスリット状の複数のビス下孔4、中央部に円形の小ノック孔5を備えた正方形状の複数の第1ケーブル用予備貫通孔6を備えている点で共通している。なお、複数のビス下孔4には、長短があるが、いずれも同一符号を付してある。
【0039】
機器設置台本体A
1aを構成する長方形枠状の周壁部1の外面は、全周に亘って、通常の樹脂成形品と同様に、当接面F
12を手前側として、当該機器設置台本体A
1aを抜取り可能なように、抜き勾配が全周に亘って設けられているが、当該周壁部1の外面の抜き勾配(θ
1 )〔
図9参照〕は、一般の抜き勾配(θ
2 )〔
図9参照〕である(1°~1.5°〕よりも大きな勾配(約3°)に設計されている。その理由は、本発明では、機器設置台本体A
1a及び設置台延長体Bを長手方向に沿って連結させる際に、後述のように、互いに突き合せられて面接触される突合せ面を形成する各傾斜面接面7,27を傾斜状態で面接させて連結することで、その連結状態が容易に解除されないようにするためである。このように、機器設置台本体A
1aの周壁部1には、その全周に亘って、大きな抜き勾配(θ
1 )が設けられているため、当該機器設置台本体A
1aを単独で使用した場合には、両側面視、平面視及び底面視の全てにおいて、脚辺が僅かに傾斜した台形状をなしているため、構造物に設置した場合に、設置の安定感が生ずる。なお、
図6及び
図10において、Pは、射出成形品である機器設置台本体A
1a及び設置台延長体Bの抜取り方向を示す。長方形状の機器設置台本体A
1aは、長手方向の両端のいずれにも設置台延長体Bを連結可能なように、短辺を構成する当該短辺方向の両端面は、いずれも傾斜面接面7となっている。外面が各傾斜面接面7となっている長方形枠状の周壁部1の短辺部は、設置台延長体Bが連結される被引掛け板部1aとなっていて、当該被引掛け板部1aにおける側壁体Wに対する当接面F
12の側の短辺方向の中央部は、その両端部に対して段差状に切欠かれて、幅方向位置決め部10となっている。当該被引掛け板部1aにおける短辺方向の中央部であって、当該幅方向位置決め部10に接続する部分は、当該被引掛け板部1aの剛性を部分的に低くすることで打抜(ノックアウト)可能にして、機器設置台本体A
1aと設置台延長体Bに跨がって配線されるケーブル(図示せず)の貫通孔を形成する薄肉部1bが形成されている。なお、当該薄肉部1bは、被引掛け板部1aの僅かな変形を許容させて、引掛け板部24との係合を容易にさせる機能も有する。当該幅方向位置決め部10は、設置台延長体Bの長手方向の一端に設けられた後述の突出部23を係合構造で引っ掛けて、当該機器設置台本体A
1aと設置台延長体Bとを連結した状態で、両部材A
1a,Bが長さ(E)の短辺の方向(幅方向)にずれるのを防止している。このため、前記突出部23及び段差状に形成された幅方向位置決め部10は、それぞれ請求項7の「係合凸部」及び「係合凹部」を構成している。また、切欠き構造の幅方向位置決め部10は、機器設置台本体A
1aを構造物に縦方向(垂直方向)に配置させる場合において、内部に浸入した雨水等の排出口としての機能も果す。なお、
図5(b)に示されるように、機器設置台本体A
1aの平面視では、外面が大きな抜き勾配で全体が長方形枠状に形成された周壁部1の上端縁8aと下端縁8bとで、大きさの異なる長方形が形成される。周壁部1の上端縁8aは、設置面F
11の周縁を形成し、その下端縁8bは、当接面F
12である長方形枠状の機器設置台本体A
1aの下端面の外周縁を形成する。
【0040】
機器設置台本体A1aの設置面F11の長手方向の中央部は、背面側(当接面F12の側)に向けて正方形状に窪んでいて、当該窪んだ部分には、当該機器設置台本体A1aが固定される側壁体W内に埋設されたスイッチボックス91内のケーブル92を挿通して当該機器設置台本体A1aの前面に引き出すためのケーブル用貫通孔9が形成されて、前記設置面F11における当該ケーブル用貫通孔9の長手方向に沿った両側には、横長の長方形状の第2ケーブル用予備貫通孔11が所定間隔をおいて形成され、更に、設置面F11における当該各第2ケーブル用予備貫通孔11と長手方向の両端の各傾斜面接面7との間には、前記第1ケーブル用予備貫通孔6がそれぞれ形成されている。第1及び第2の各ケーブル用予備貫通孔6,11は、いずれも背面側に窪んで形成されている。第1及び第2の各ケーブル用予備貫通孔6,11、及び第1ケーブル用予備貫通孔6の中央部に形成された小ノック孔5は、いずれも衝撃力で打ち抜くことで、孔部が形成されるノックアウト構造になっている。
【0041】
機器設置台本体A1aの設置面F11における前記ケーブル用貫通孔9、前記第1及び第2の各ケーブル用予備貫通孔6,11、及び長手方向両端の各傾斜面接面7の各間であって、しかも幅方向(長さEの前記短辺の方向)の中央部には、当該設置面F11に対して前記照明器具K1 の台座81aを固定するビスJ1 を自身の回転により螺入させる複数の長短の前記ビス下孔4が、当該機器設置台本体A1aの長手方向に沿って直線状となって断続的に形成されている。また、長手方向の両端の各ビス下孔4における傾斜面接面7の側の端部の両側、及び第1及び第2の各ケーブル用予備貫通孔6,11の中央部には、それぞれ機器設置台本体A1aを側壁体Wに固定するビスJ2 を貫通させる複数の前記ビス挿通孔3が形成されている。
【0042】
また、
図12及び
図13に示されるように、側壁体Wに埋設されたスイッチボックス91の壁表側の開口には、塗代カバー93が取付けられ、当該塗代カバー93に対して前記機器設置台本体A
1aは、2本のビスJ
3 により固定される。このため、
図5に示されるように、機器設置台本体A
1aの設置面F
11における前記ケーブル用貫通孔9と一対の各第2ケーブル用予備貫通孔11の間であって、同様の部分に形成された各ビス下孔4の同一側には、前記ビスJ
3 を挿通させる一対一組の各ビス挿通孔12,13が、設置面F
11に対して窪んだ位置に貫通して形成されている。前記塗代カバー93に対して機器設置台本体A
1aを固定する際に、当該機器設置台本体A
1aが絶対空間に対して傾斜することなく、垂直方向又は水平方向に固定可能にするために、一対一組の各ビス挿通孔12,13の配置方向は、当該機器設置台本体A
1aの長手方向であるが、一方の一対一組のビス挿通孔13は、機器設置台本体A
1aの短辺の方向(幅方向)に沿って長孔状になっている。
【0043】
また、機器設置台本体A1aは、長方形板状の設置板部2の全周縁部に、長方形枠状の周壁部1が当該設置板部2に対して立設状態で一体に形成されることで、開口状態の背面、正確には、長方形枠状の周壁部1の背面側の端面が、側壁体Wに対する当接面F12となっているため、背面は開口構造となっている。そして、ビス挿通孔3、ケーブル用貫通孔9及び各ビス挿通孔12,13は、いずれも機器設置台本体A1aの設置板部2に対して所定長だけ垂直となって貫通状態で形成されているため、機器設置台本体A1aの開口状態の背面側には、これらの各孔3,9,12,13を形成するための筒状部が突設されており、機器設置台本体A1aの背面側が図示される各図面には、これらの筒状部は、本来の各孔の符号(3,9,12,13)に対して添字(a)を付して図示することで、関連性を示している。同様にして、ビス下孔4、第1及び第2の各ケーブル用予備貫通孔6,11を成形するための背面側への非貫通構造の突出部は、本来の非貫通構造の各孔の符号(4,6,11)に対して添字(a)を付して、関連性を図示してある。なお、各図において、14は、円形のケーブル用貫通孔9の周囲に形成された正方形状の凹部を示し、14aは、当該凹部14を形成するために背面側への突出部を示し、15は、機器設置台本体A1aの背面側において、上記した本来の孔を形成するために背面側に突出した突出部どうし、或いは当該突出部と周壁部1の内側面を連結して補強するリブを示す。
【0044】
上記した機器設置台本体A1aでは、長手方向の両端の各端面は、いずれも全面が傾斜面接面7となって、外面が当該傾斜面接面7となっている長方形枠状の周壁部1の短辺となる被引掛け板部1aの裏面側に段差状の幅方向位置決め部10が形成されて、当該機器設置台本体A1aの長手方向の両端部のいずれに対しても設置台延長体Bが接続可能になっているが、設置対象の照明器具K1 の長さが限られている場合には、機器設置台本体A1aの長手方向の一端のみに設置台延長体Bを連結可能とすべく、機器設置台本体A1aの長手方向の一端部のみに前記幅方向位置決め部10を形成した構造にしてもよい。なお、長方形枠状の周壁部1の長辺部の裏面側の端面における各傾斜面接面7に近接した部分には、当該機器設置台装置A1 を外壁に横方向(水平方向)に設置して照明器具を取付けた場合に、内部に浸入した雨水等を排出させる水抜き孔16が形成されている。
【0045】
一方、長方形板状の設置台延長体Bは、同様の形状の前記機器設置台本体A1aに連結されて、同一平面を形成する各設置面F11,F21に、当該機器設置台本体A1aのみでは設置不能な長さを有する照明器具K1 の設置を可能とするものであり、当該照明器具K1 の長さに対応して、機器設置台本体A1aの長手方向の両端に、それぞれ設置台延長体Bを連結させることも可能である。
【0046】
長方形板状の設置台延長体Bは、
図7~
図10に示されるように、機器設置台本体A
1aの短辺と同一長Eの短辺を有して、長方形枠状の周壁部21の表面側に設置板部22が一体に設けられて、当該周壁部21の短辺に相当する二つの部分の一方のみに、前記機器設置台本体A
1aの周壁部1の外面の抜き勾配と逆方向の抜き勾配を有する一対の部分傾斜面接面27(
図10参照)が形成されて、その他方には、部分傾斜面接面27は、形成されていない。設置台延長体Bの部分傾斜面接面27は、機器設置台本体A
1aの傾斜面接面7に対して突き合わせられる部分突合せ面を形成している。長方形枠状の周壁部21における一対の部分傾斜面接面27を有する短辺部を除く残りの3辺の外面は、前記機器設置台本体A
1aの周壁部1と同様にして、射出成形品の取出し時において当接面F
22を手前側として抜取り可能なように、一般の抜き勾配(θ
2 )よりも大きな抜き勾配(θ
1 )を有している。これにより、機器設置台本体A
1aに設置台延長体Bを連結した状態において、当該各部材A
1a,Bの長手方向に沿って、各周壁部1,21の各上端縁8a,28a及び各下端縁8b,28bは、一直線状となって接続されることで、互いに連結された機器設置台本体A
1a及び設置台延長体Bの一体性が高められる。
【0047】
また、前記設置板部22の長手方向に沿って所定間隔をおき、しかも幅方向の中央部に、前記機器設置台本体A1aと同一構造の一対の第1ケーブル用予備貫通孔6が設けられ、前記設置板部22における各第1ケーブル用予備貫通孔6の間、及び各第1ケーブル用予備貫通孔6と長手方向の両端部との間であって、当該設置台延長体Bの幅方向の中央部に、それぞれ前記機器設置台本体A1aと同一構造のビス下孔4が形成され、前記設置板部22の長手方向の両端部には、幅方向に沿って所定間隔をおいて複数のビス挿通孔3が形成されている。
【0048】
一般の抜き勾配(θ
2 )よりも大きくて、機器設置台本体A
1aの対向する傾斜面接面7に対して傾斜状態で面接触する一対の部分傾斜面接面27の抜き勾配(θ
1 )は、
図8及び
図10に示されるように、周壁部21の残りの3辺の外面の抜き勾配(θ
1 )に対して逆方向に傾斜している。当該周壁部21における一対の部分傾斜面接面27が形成されている短辺部には、当該一対の部分傾斜面接面27の間に、設置面F
21に対して垂直な中間板部21aが形成されている。当該中間板部21aの当接面F
22の側の端部には、連結される機器設置台本体A
1aの側に向けて突出部23が形成され、当該突出部23の先端部には、設置面F
21の側に向けて片持ち壁状の引掛け板部24が当該設置面F
21に対して垂直となって形成されている。よって、
図10に示されるように、前記短辺方向(幅方向)に沿って配置位置の異なる各部分傾斜面接面27と前記引掛け板部24の内面との相対的な間隔Uは、当該引掛け板部24の基端部から自由端部に向けて漸次小さく(狭く)なっている。引掛け板部24は、機器設置台本体A
1a又は設置台延長体Bの内部に収容されたケーブル(図示せず)を挿通するために、前記中間板部21aに形成された貫通孔21b〔
図7(a)参照〕に対応させるべく、前記短辺方向の中央部が欠落されて、当該短辺方向の両端部のみに存在している。なお、引掛け板部24の短辺方向の中央部に設けられた前記切欠き部は、相手方部材である機器設置台本体A
1aの被引掛け板部1aとの引掛け連結時において自身の僅かな変形を許容して、当該連結を容易にさせる機能もある。設置台延長体Bの引掛け板部24と、一対の部分傾斜面接面27とは、当該設置台延長体Bの短辺方向(幅方向)に沿ってずれて配置されているが、いずれも前記短辺方向の全長に亘って延長して形成されていると仮定した場合に、前記引掛け板部24と、一対の部分傾斜面接面27とで形成される空間は、機器設置台本体A
1aの被引掛け板部1aの圧入空間29となる。
【0049】
また、
図10において、機器設置台本体A
1aの短辺方向の周壁部1は、前記設置台延長体Bにおける短辺方向に沿って配置位置がずれている各部分傾斜面接面27と引掛け板部24との間に圧入されて嵌着される被引掛け板部1aとなっている。当該被引掛け板部1aの外面は、大きな抜き勾配(θ
1 )の傾斜面接面7となっているが、その内面は、一般の抜き勾配(θ
2 )となっているので、厳密には、当該被引掛け板部1aの板厚Tは、当接面F
12から設置面F
11に向けて漸次薄肉となり、そして、機器設置台本体A
1aの被引掛け板部1aの幅方向位置決め部10の側の板厚Tは、設置台延長体Bの各部分傾斜面接面27と引掛け板部24の自由端部(先端部)内面との相対的な間隔Uよりも僅かに大きくなっているため、設置台延長体Bの圧入空間29に機器設置台本体A
1aの被引掛け板部1aが圧入された後において、当該圧入空間29から被引掛け板部1aの抜け出しが困難な寸法設計になっているため、機器設置台本体A
1aと設置台延長体Bとの連結が確実となる。
【0050】
また、設置台延長体Bの周壁部21の対向する短辺周壁部(中間板部21aの部分)のうち、引掛け板部24が設けられた側の外面には、上記した部分傾斜面接面27が設けられているが、他方の短辺周壁部30は、他の部材が連結されることを予定しておらず、前記一方の短辺周壁部(中間板部21aの部分)の貫通孔21bに対応する位置に、ケーブル挿通用の貫通孔が形成可能なようにノックアウト構造の薄肉部30bが形成されている。なお、周壁部21の長辺壁部における一対の部分傾斜面接面27に近接した部分、及び周壁部21における各部分傾斜面接面27が設けられた短辺周壁部と対向する他方の短辺周壁部30には、当該設置台延長体Bを横方向及び縦方向に配置させた場合の水抜き孔25,26がそれぞれ形成されている。
【0051】
そして、照明器具K
1 の長さに対応して、機器設置台本体A
1aに対して設置台延長体Bを連結させて、その長さを延ばすには、
図1及び
図11に示されるように、各部材A
1a,Bの裏面を表側に向けて、機器設置台本体A
1aの長手方向の一端の傾斜面接面7と、設置台延長体Bの長手方向の一端の一対の部分傾斜面接面27とを、当該機器設置台本体A
1aの幅方向位置決め部10と、当該設置台延長体Bの引掛け板部24の自由端部とが対向するように配置して、設置台延長体Bの圧入空間29に、機器設置台本体A
1aの被引掛け板部1aを圧入させる。これにより、圧入途中において、
図11(a)に示される状態から、
図11(b)に示される状態に変化して、設置台延長体Bの引掛け板部24が僅かに外方に弾性変形されることで、機器設置台本体A
1aの被引掛け板部1aの外面の傾斜面接面7の短辺方向の両端部が、設置台延長体Bの短辺方向の両端部の一対の部分傾斜面接面27に圧着状態で傾斜面接され、
図11(c)に示されるように、前記圧入空間29に被引掛け板部1aが完全に圧入状態で挿入されると、設置台延長体Bの引掛け板部24の基端部が接続されている突出部23の両端部が、機器設置台本体A
1aの幅方向位置決め部10に嵌着されると共に、機器設置台本体A
1aの傾斜面接面7の短辺方向の両端部と、設置台延長体Bの短辺方向の両端部の一対の部分傾斜面接面27とが、突き合わされて傾斜面接されて、両部材A
1a,Bは、短辺方向にずれない状態で、一体に連結される。
図12に示されるように、両部材A
1a,Bの設置面F
11,F
21に照明器具K
2 を設置した状態で、両部材A
1a,Bの引掛け連結部の側面には、傾斜連結線L
1 のみが形成される。
【0052】
図12及び
図13に示されるように、側壁体Wに埋設されたスイッチボックス91の開口側には、塗代カバー93が取付けられ、側壁体Wの荒い壁面は、塗代カバー93の厚みに対応するモルタルが塗られて、化粧用のモルタル層94が形成され、塗代カバー93の開口からケーブル92が引き出されている。前記モルタル層94の表面のスイッチボックス91に対応する位置に、設置台延長体Bにより延長された機器設置台本体A
1aを配置して、当該機器設置台本体A
1aの各ビス挿通孔12,13を使用して、2本のビスJ
3 を使用して、機器設置台本体A
1aを塗代カバー93に固定する。この際に、塗代カバー93における前記2本のビスJ
3 が螺入される各ビス孔を結ぶ線分が垂直方向に対して僅かに傾斜していても、長孔状のビス挿通孔13の使用により、機器設置台本体A
1aは、絶対空間に対して垂直方向に配置できる。その後に、スイッチボックス91から壁表に引き出されたケーブル92を、機器設置台本体A
1aのケーブル用貫通孔9を通して表側に引き出した状態で、機器設置台本体A
1a及び設置台延長体Bの複数のビス挿通孔3を使用して、複数本のビスJ
2 を介して機器設置台本体A
1a及び設置台延長体Bを側壁体Wに対して固定し、機器設置台本体A
1a及び設置台延長体Bの各設置面F
11,F
21に、複数本のビスJ
3 を介して照明器具K
1 の台座81aを固定して、当該台座81aに複数の固定具84を介してランプ82aを取付けて、前記台座81aにカバー83aを取付けた後に、前記ランプ82aを覆うことで、機器設置台本体A
1a及び設置台延長体Bに照明器具K
1 が取付けられる。
【0053】
取付対象の照明器具の長さが機器設置台本体A1aの長さに対応している場合には、当該機器設置台本体A1aの単体で使用される。また、設置台延長体Bに対して当該設置台延長体Bの短辺周壁部30の外面の傾斜に合わせた傾斜面接部を有する別形状の他の設置台延長体を繋いだり、設置台延長体Bの短辺周壁部30の形状を、機器設置台本体A1aの短辺周壁部(外面が傾斜面接面7となっていて、幅方向位置決め部10を有するる部分)と同一形状にすることで、設置台延長体Bに対して同一形状の別の設置台延長体Bを繋ぐようにしてもよい。更に、実施例1では、互いに連結された機器設置台本体A1aと設置台延長体Bの2つの部材に跨がるように、電気機器(照明器具K1 )が設置されているが、機器設置台本体A1aの両側にそれぞれ設置台延長体Bを連結して、計3つの部材に対して電気機器を跨がるように設置してもよく、上記のように、連結可能な構造の設置台延長体を複数連結することて、計4以上の部材に対して電気機器を跨がるように設置してもよい。
【実施例2】
【0054】
次に、
図14~
図20を参照して、本発明の実施例2の機器設置台装置A
2 について説明する。機器設置台装置A
2 は、同一形状の機器設置台A
2aの一方を平面視で反転させて、各垂直面接面37a,37bを互いに突き合わせて一体に連結する構成である。長方形板状の機器設置台A
2aは、
図14及び
図15に示されるように、対向する各長辺と一方の短辺の計3辺の部分は、大きな抜き勾配(θ
1 )を有する方形枠状の周壁部31の上端縁38aの側に、平板状の設置板部32が一体に設けられている構成は、実施例1の機器設置台本体A
1aと同等であるが、他方の短辺の中央部には、半円状の分割ケーブル用貫通孔39aが当該短辺を構成する端面に開口した状態で貫通され、当該短辺を構成する端面は、前記分割ケーブル用貫通孔39aにより左右に分離されて、前記設置板部32の表面である設置面F
31に対して垂直な垂直面接面37a,37bとなっている構成が、前記機器設置台本体A
1aと異なる。
【0055】
一方の垂直面接面37aには、実施例1の突出部23及び引掛け板部24と同等の突出部33及び引掛け板部34が形成されて、当該一方の垂直面接面37aと引掛け板部34との間に、圧入空間35〔
図18(b)参照〕が形成される。外面が他方の垂直面接面37bとなっている被引掛け板部31aは、互いに連結される別の機器設置台A
2aの前記圧入空間35に圧入され、当該被引掛け板部31aの当接面F
32となる側の端面には,短辺方向の中央部が低くなるように切り欠かれて、互いに連結される別の機器設置台A
2aの突出部33を嵌め込んで、互いに連結されて一体となる一対の機器設置台A
2aが相互に短辺方向(幅方向)にずれるのを防止する幅方向位置決め部40が形成されている。また、引掛け板部34の短辺方向に沿った中央部は、連結リブ36を介して一方の垂直面接面37aに一体に連結されることで、周壁部31に対する当該引掛け板部34の一体性を高めていると共に、外面が他方の垂直面接面37bとなっている前記被引掛け板部31aには、互いに連結される別の機器設置台A
2aの前記連結リブ36 が挿入されるリブ挿入溝41が形成されている。当該リブ挿入溝41は、前記連結リブ36を挿入し易いように、V字状に形成されている。
【0056】
なお、機器設置台A2aの設置面F31には、実施例1の機器設置台本体A1aと同様に、ビス挿通孔3、ビス下孔4、円形の小ノック孔5を備えた第1ケーブル用予備貫通孔6、塗代カバー93に対して機器設置台A2aを固定するビスJ3 を挿通するための各ビス挿通孔12,13が設けられているので、同一又は同等部分には、同一符号を付して図示のみ行う。実施例1の機器設置台本体A1aと異なる構成は、2個の機器設置台A2aの一方を平面視で反転させて、当該2個の機器設置台A2aを一体に引掛け連結することで、長手方向の中央部に、一対の分割ケーブル用貫通孔39aが合体されたケーブル用貫通孔39が形成される点である。このため、当該ケーブル用貫通孔39にスイッチボックス91のケーブル92を挿通させる場合には、一体に引掛け連結された機器設置台装置A2 の前記ケーブル用貫通孔39の周辺部を、前記モルタル層94に埋設された塗代カバー93に固定する必要がある。このため、機器設置台A2aにおける分割ケーブル用貫通孔39aに近い部分には、異なる形状の孔部を有するビス挿通孔12,13が短辺方向に沿って形成されて、2個の機器設置台A2aの一方を平面視で反転させて、各機器設置台A2aを引掛け連結して一体にすることで、異なる形状の孔部を有するビス挿通孔12,13が、機器設置台A2aの長手方向に沿って配置される構成となっている。
【0057】
そして、同一構成の2個の機器設置台A
2aを互いに引掛け連結して、取付対象の照明器具K
2 の長さにするには、以下のようにして行う。即ち、
図16に示されるように、互いに引掛け連結する2個の機器設置台A
2aの一方を平面視で反転させて、一方の機器設置台A
2aの各垂直面接面37a,37bと、他方の機器設置台A
2aの各垂直面接面37b,37aとを対向させた状態で、
図18(a)に示されるように、各機器設置台A
2aの対向している短辺部を「ねじれの位置」に配置した状態で、各機器設置台A
2aの各引掛け板部34を、互いに他方の機器設置台A
2aの圧入空間35に圧入させる。これにより、一方の機器設置台A
2aの引掛け板部34と垂直面接面37aとの間に設けられた連結リブ36は、他方の機器設置台A
2aのリブ挿入溝41に挿入されると共に、一方の機器設置台A
2aの突出部33が他方の機器設置台A
2aの幅方向位置決め部40に嵌着されて、分割ケーブル用貫通孔39aの両側において、一方の機器設置台A
2aの各垂直面接面37a,37bは、他方の機器設置台A
2aの各垂直面接面37b,37aに対して突き合わされて、互いに全面接触した状態で、当該2個の機器設置台A
2aは、
図17に示されるように、引掛け連結されて、全体の長さが、1個の機器設置台A
2aの長さの2倍の機器設置台装置A
2 となる。これにより、2個の機器設置台A
2aが引掛け連結された機器設置台装置A
2 は、
図20に示されるように、その設置面F
31に照明器具K
2 を取付けると、2個の機器設置台A
2aの引掛け連結部の側面には、当該設置面F
31に対して垂直な垂直連結線L
2 が形成されると共に、各機器設置台A
2aの半円状の各分割ケーブル用貫通孔39aが合体されて、円形のケーブル用貫通孔39が形成される。
【0058】
このように、実施例2の機器設置台装置A2 によれば、同一形状の2個の機器設置台A2aの一方を平面視で反転させて、当該2個の機器設置台A2aを引掛け連結して、当該機器設置台A2aの長さの2倍の長さを有する機器設置台装置A2 とする構成であるので、機器設置台装置A2 として必要な個数の2倍の同一形状の機器設置台A2aを成形すればよいので、成形が容易になると共に、施工前の取扱い時及び保管時における機器設置台A2aの長さを必要な長さの半分にできて、その取扱い及び保管が容易となる。
【実施例3】
【0059】
次に、
図21~
図25を参照して、本発明の実施例3の機器設置台装置A
3 について説明する。当該機器設置台装置A
3 は、実施例1の機器設置台装置A
1 を構成する2個の機器設置台本体A
1aを直列に配置して、連結体Cにより一体に引掛け連結された構成である。2個の機器設置台本体A
1aを直列に配置することで、短辺方向の対向面を突き合わせて引掛け連結するための2つの傾斜面接面7は、裏面である当接面F
12の側の間隔が、表面である設置面F
11の側の間隔よりも狭くなるような緩やかなV字状をなして配置される(
図25参照)。
【0060】
連結体Cは、直列に配置された2個の機器設置台本体A1aの突合せ面となる2つの傾斜面接面7に対応して、当該傾斜面接面7と同一角度で逆方向に傾斜された部分傾斜面接面57と、2個の機器設置台本体A1aを連結した状態で、当該機器設置台本体A1aの設置面F11と同一平面上に配置される設置面対応面51とを備えている。即ち、連結体Cは、機器設置台本体A1aの設置面F11となる側が閉塞されて、当接面F12の側が開口された長方形箱状の連結体本体52を備え、当該連結体本体52の両外側面における長手方向(連結状態では、機器設置台本体A1aの短辺方向)の両端部には、対向状態の2個の機器設置台本体A1aの各傾斜面接面7に対して、部分的に傾斜面接される部分傾斜面接面57がそれぞれ形成され、長方形箱状の連結体本体52の底板部である設置面側板部53の外面は、前記設置面対応面51となっている。
【0061】
長方形箱状をした前記連結体本体52は、短手方向に対向配置された一対の長手方向側壁部61と、長手方向に対向配置された短手方向側壁部62とが、前記設置面側板部53で連結された構成である。当該連結体本体52の各長手方向側壁部61の長手方向の両端部の各部分傾斜面接面57を除く部分には、当該各部分傾斜面接面57に対して当該連結体本体52の厚さ方向の中心の側に窪んで逃げることで、前記各部分傾斜面接面57の部分に比較して薄肉となる逃し空間部54が形成されている。連結体本体52の長手方向の両端部の各部分傾斜面接面57を除く前記逃し空間部54の部分であって、その開口側の端部には、前記機器設置台本体A1aの突出部23及び引掛け板部24に対応する突出部55及び引掛け板部56がそれぞれ形成されている。各引掛け板部56の合成長(各引掛け板部56の外端面の間の長さ)は、傾斜面接面7が対向配置された各機器設置台本体A1aの幅方向位置決め部10に嵌込み可能なように、当該幅方向位置決め部10の凹部の長さと同一長さを有している。当該引掛け板部56の長手方向(連結状態では、機器設置台本体A1aの短辺方向)の中央部は、方形状に欠落され、前記逃し空間部54における引掛け板部56の欠落部に対応する部分は、同様に方形状に欠落されて、中央部の欠落部で分離された引掛け板部56の各部分の連結体本体52に対する一体性を弱くして、連結時における引掛け板部56の変形を許容する構造となっている。また、連結体本体52の長手方向に沿った両端面であって、2個の機器設置台本体A1aを連結した状態で、当該機器設置台本体A1aの周壁部1の外面と接続される平面は、抜き勾配(θ1 )の傾斜面58に形成されている。なお、対向する各逃し空間部54の長手方向の中央部であって、前記設置面側板部53の側の連結体本体52の閉塞側の部分は、リブ59で補強されている。
【0062】
そして、
図21に示されるように、2個の機器設置台本体A
1aの各傾斜面接面7を所定間隔をおいて対向配置させた状態で、2個の機器設置台本体A
1aの各傾斜面接面7の間に連結体Cを押し込むと、当該連結体Cの連結体本体52の長手方向の両端部に背中合せとなって形成された各部分傾斜面接面57と、2個の機器設置台本体A
1aの対向する各傾斜面接面7とが圧接された状態で、当該連結体Cの各引掛け板部56は、2個の機器設置台本体A
1aの短辺方向に沿った各周壁部1の内側に挿入された後に、短辺方向の各周壁部1に形成された各幅方向位置決め部10に嵌着される。これにより、
図22及び
図25に示されるように、連結体Cの連結体本体52の長手方向の両端部に背中合せとなって形成された各部分傾斜面接面57と、2個の機器設置台本体A
1aの対向する各傾斜面接面7とが圧接された状態で、当該連結体Cを介して2個の機器設置台本体A
1aが長手方向に沿って連結される。
図25(a),(b)に示されるように、2個の機器設置台本体A
1aが連結体Cを介して長手方向に連結された状態では、傾斜面接している2個の機器設置台本体A
1aの各傾斜面接面7と、当該連結体Cに背中合せとなって形成されている各部分傾斜面接面57とは、当該連結体Cが抜き取られる方向に対して緩やかな逆テーパー状(くさび状)となって、互いに傾斜面接しているため、2個の機器設置台本体A
1aは、連結体Cを介して連結された後には、当該連結は、容易には解除されない。
【0063】
このため、連結体Cを介して長手方向に連結された2個の機器設置台本体A1aを側壁体Wに固定して、その表面となる設置面F11に照明器具を取付けると、2個の機器設置台本体A1aの側面には、傾斜方向の異なる2本の傾斜連結線L1 ,L3 が現れるのみであるので、2個の機器設置台本体A1aが連結体Cを介して連結されている「連結感」を感じさせなくて、連結部がすっきりとなる。なお、実施例3では、連結体Cを介して連結された2つの機器設置台本体A1aに跨がって照明器具K2 が設置されているが、2つの連結体Cを介して連結された3つ機器設置台本体A1aに跨がって、電気機器を設置することも可能である。
【実施例4】
【0064】
次に、
図26及び
図27を参照して、本発明の実施例4の板状体D
1 の連結構造について説明する。板状体D
1 は、表面板部64の全周縁部に長短辺の各周壁部65a,65bが設けられることで、裏面が開口された浅い長方形箱状をなしており、各周壁部65a,65bの外面は、表面板部64に対して垂直に形成されている。長辺の周壁部65aどうし及び短辺の周壁部65bどうしが、それぞれリブ66b,66aで補強されている。板状体D
1 の一方の短辺の周壁部65bには、突出部67及び引掛け板部68が外方に向けて、当該引掛け板部68は、前記表面板部64に対して垂直に形成され、他方の短辺の周壁部65bの開口側の中央部には段差状位置決め部69が形成され、当該周壁部65bと、引掛け板部68の間に、連結される別の板状体D
1 の短辺の周壁部65bが圧入状態で挿入されることで、各板状体D
1 の短辺の周壁部65bの外面の各垂直面接面63が全面で面接した状態で、2個の板状体D
1 は、その長手方向に沿って連結される。即ち、短辺の周壁部65bの内面65b
1 は、当該短辺の周壁部65bの基端側(表面板部64に連結された側)が僅かに肉厚となるように、抜き勾配(θ
1 )が設けられているので、前記引掛け板部68が僅かに外方に弾性変形されることで、上記した圧入状態が実現されて、2個の板状体D
1 の連結状態が容易に解除されなくなると共に、連結力自体も大きくなる。
【0065】
よって、
図26(b)に示されるように、表面板部64を上方に向けた使用状態では、2個の板状体D
1 の連結部には、その長辺の周壁部65aどうしの垂直連結線L
2 と表面板部64どうしの幅方向連結線L
11とが現れるのみであるので、「連結感」を全く感じさせないため、連結部がすっきりした見栄えのよい連結状態となる。
【0066】
また、所定長の板状体D1 を必要個数だけ連結して、必要長の連結板状体にでき、長さの異なる板状体を自在に形成できると共に、運搬及び保管時には、長さの短い板状体D1 を扱えばよいので、その運搬及び保管が容易となる。
【実施例5】
【0067】
次に、
図28及び
図29を参照して、本発明の実施例5の中実構造の板状体D
2 の連結構造について説明する。中実構造の2個の板状体D
2 は、実施例3の機器設置台装置A
3 を構成する連結体Cに対して連結構造はほぼ同一であって、寸法のみが異なる別の連結体C’により連結される。よって、連結体C’には、連結体Cに対して異なる部分についてのみ説明し、当該連結体Cで使用される符号に「’」を付す。連結体C’の傾斜面接面57’は、前記連結体Cと異なり、その長手方向〔2個の板状体D
2 が連結された状態では、当該板状体D
2 の短辺方向(幅方向)〕の全長に亘って形成されている。
【0068】
板状体D2 は、長方形状をした中実構造であって、平面状の表面71及び裏面72は、互いに平行な平面であり、長短辺の各周壁面73a,73bは、射出成形後において裏面72を手前側にして抜取り可能な抜き勾配(θ1 )が設けられ、長手方向に沿った両端部には、連結体C’の引掛け板部56’を挿入するための挿入溝74が短辺方向(幅方向)に沿ってそれぞれ形成され、当該板状体D2 の長手方向の両端部には、連結体C’の突出部55’を嵌着させて、当該板状体D2 に対する連結体C’の幅方向の位置決めを行う幅方向位置決め部75が段差状となって形成されている。板状体D2 の短辺方向に沿った周壁面73bは、連結体本体52’の各長手方向側壁部61’の外側面の部分傾斜面接面57’に対して傾斜面接する傾斜面接面76となっている。なお,連結体C’の連結体本体52’の高さは、板状体D2 の板厚と同一となっている。
【0069】
よって、各傾斜面接面76が所定間隔をおいて対向するように、2個の板状体D2 を配置した状態で、連結体C’に背中合せに設けられた各引掛け板部56’を、2個の板状体D2 の各挿入溝74に圧入させると、当該連結体C’の背中合せとなった面に設けられた各傾斜面接面57’と、2個の板状体D2 の対向する各傾斜面接面76とが傾斜面接した状態で、2個の板状体D2 は連結体C’を介して連結される。この連結状態では、表面71に2本の幅方向連結線L12が現れると共に、側面に方向の異なる各傾斜連結線L1', L2'が現れるのみであるので、2個の板状体D2 の連結部がすっきりした外観となる。また、上記した実施例3と同様に、2個の板状体D2 が連結体C’を介して連結された後には、各板状体D2 の各傾斜面接面76と、連結体C’の各傾斜面接面57’との緩やかなくさび構造の傾斜面接により、2個の板状体D2 の連結状態は、容易には解除されない。
【0070】
このように、複数個の板状体D2 を連結体C’を介して連結することで、必要な長さの連結板状体が得られ、運搬及び保管は、長さの短い個々の板状体D2 で行えるので、当該運搬及び保管が容易となる。
【0071】
上記した実施例1~5において、機器設置台本体A1a, 機器設置台A2a及び設置台延長体Bの周壁部1,21,31の外面の傾斜は、抜き勾配又はデザイン性のいずれを目的としたものであってもよく、互いに連結される2つの部材の周壁部の長手方向に沿った部分の傾斜角度を同一にすると、連結される2つの部材の一体感が、デザイン面において増す効果がある。
【0072】
なお、実施例1~5では、連結される2つの部材の連結方向と直交する方向の位置決め、及び当該方向のずれ防止は、いずれも切欠き構造の「幅方向位置決め部10,40,75」で実現しているが、磁石構造にすることも可能である。
【符号の説明】
【0073】
A1 ~A3 :機器設置台装置
A1a:機器設置台本体
A2a:機器設置台
B:設置台延長体
C,C’:連結体
D1 ,D2 :板状体(板状部材)
E:短辺の長さ
F11~F31:設置面
F12~F32:当接面
K1 ,K2 :照明器具(電気機器)
W:側壁体(構造物)
θ1 :大きな抜き勾配
θ2 :一般の抜き勾配
1,21,31:周壁部
1a,31a:被引掛け板部(被引掛け部,離間防止部)
7,76:傾斜面接面(突合せ面,面接部,傾斜面接部)
9,39:ケーブル用貫通孔(貫通孔)
39a:分割ケーブル用貫通孔
10,40,75:幅方向位置決め部(係合凹部)
23:突出部(係合凸部)
24,34,56:引掛け板部(引掛け部,離間防止部)
27:部分傾斜面接面(傾斜面接部)