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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-09
(45)【発行日】2022-09-20
(54)【発明の名称】組合せ計量装置
(51)【国際特許分類】
   G01G 19/387 20060101AFI20220912BHJP
【FI】
G01G19/387 C
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019075750
(22)【出願日】2019-04-11
(65)【公開番号】P2020173189
(43)【公開日】2020-10-22
【審査請求日】2021-10-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000000572
【氏名又は名称】アンリツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067323
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 教光
(74)【代理人】
【識別番号】100124268
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 典行
(72)【発明者】
【氏名】上田 智
(72)【発明者】
【氏名】山崎 亮
(72)【発明者】
【氏名】夏目 昌美
【審査官】公文代 康祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-156072(JP,A)
【文献】特開昭57-049816(JP,A)
【文献】特開2002-107210(JP,A)
【文献】実開昭61-184926(JP,U)
【文献】実開昭62-146929(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2007/0144792(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01G 19/387
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給部(3)から供給された被計量物(2)を、高さ方向に並んだ複数のカップが水平方向に並んで構成される組合せ計量部(4)にて、所定量となるように各列の前記カップを組み合わせて排出する組合せ計量装置であって、
前記供給部から投入された前記被計量物を、往復移動する自動供給コンベア(7)で受けて該自動供給コンベアの端部から下方へ投下する分散供給部(5)と、
それぞれの前記カップに対応して設けられ、前記自動供給コンベアから投下された前記被計量物を蓄積し、前記被計量物を前記自動供給コンベアの移動方向と直交する方向へと搬送して前記カップに投入する複数のフィードコンベア(12)を設けた送り込み部(6)と、を有し、
前記分散供給部は、
前記自動供給コンベアに設けられ搬送面に周回方向の所定間隔で複数の桟(9)が固定された無端ベルトと、
前記自動供給コンベアに投入された前記被計量物を均す2つの撹拌装置(8)と、
前記自動供給コンベアの前記端部からの前記被計量物の投下量を規制する出口部規制棒(10)と、
を備えることを特徴とする組合せ計量装置。
【請求項2】
前記送り込み部が、
前記自動供給コンベアから投下された前記被計量物をそれぞれの前記フィードコンベアの上流側に蓄積する投入ホッパ(11)と、
前記フィードコンベアに蓄積された前記被計量物に対してエアブローを前記フィードコンベアの搬送面に平行かつ前記カップに投入する側から吹き付けて前記被計量物を整列させるエアノズル(29)と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の組合せ計量装置。
【請求項3】
前記エアノズルが、前記フィードコンベアの取り外し時に、前記フィードコンベアと干渉しない位置に回転自在に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の組合せ計量装置。
【請求項4】
前記エアノズルからのエアブローが、間欠的に行われることを特徴とする請求項2または3に記載の組合せ計量装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組合せ計量装置に関する。
【背景技術】
【0002】
被計量物を所定の目標質量にして排出する組合せ計量装置が知られている。組合せ計量装置では、複数のカップに計量後の被計量物を一時貯留し、所定量となるように複数のカップの被計量物が選択的に組み合わされる。組合せ計量装置において、被計量物の種類によっては、目標値を満たすために、少量の被計量物を分離することが望ましい場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-107210号公報
【文献】特開2013-156072号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、被計量物の種類によっては、塊になってカップに供給されてしまう場合もあり、このような被計量物を均す必要がある。しかし、カップに投入する直前で均しても、投入量が多すぎ(大きすぎ)ると、絡まりが発生し、そこで詰まってしまう問題があった。特に麺などの被計量物では、扱いやすい少量ずつに分散させ、少なく供給したい場合がある。
【0005】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、被計量物を解(ほぐ)し、絡まず分散、分離でき、少量を投入ホッパへ供給できる組合せ計量装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
本発明の請求項1記載の組合せ計量装置1は、供給部3から供給された被計量物2を、高さ方向に並んだ複数のカップが水平方向に並んで構成される組合せ計量部4にて、所定量となるように各列の前記カップを組み合わせて排出する組合せ計量装置1であって、
前記供給部3から投入された前記被計量物2を、往復移動する自動供給コンベア7で受けて該自動供給コンベア7の端部から下方へ投下する分散供給部5と、
それぞれの前記カップに対応して設けられ、前記自動供給コンベア7から投下された前記被計量物2を蓄積し、前記被計量物2を前記自動供給コンベア7の移動方向と直交する方向へと搬送して前記カップに投入する複数のフィードコンベア12を設けた送り込み部6と、を有し、
前記分散供給部5は、
前記自動供給コンベア7に設けられ搬送面に周回方向の所定間隔で複数の桟9が固定された無端ベルトと、
前記自動供給コンベア7に投入された前記被計量物2を均す2つの撹拌装置8と、
前記自動供給コンベア7の前記端部からの前記被計量物2の投下量を規制する出口部規制棒10と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
この組合せ計量装置1では、供給部3から被計量物2が分散供給部5に供給される。分散供給部5は、自動供給コンベア7を有する。分散供給部5では、供給部3から供給された被計量物2が、自動供給コンベア7の無端ベルトに山状に盛られる。この被計量物2は、自動供給コンベア7の無端ベルトが移動することにより、両側に配置された一対の撹拌装置8により解される。解された被計量物2は、無端ベルトの桟9の間に、層厚が低くなって分散される。この被計量物2の分散動作は、継続的に行われる。
この状態で、分散供給部5は、次段の送り込み部6における複数の投入ホッパ11の並び方向に移動される。分散供給部5は、投入ホッパ11における被計量物2の有無が検出され、被計量物2が存在しない投入ホッパ11に、自動供給コンベア7の端部を一致させて、無端ベルトを周回駆動することにより、解された被計量物2の一部を投入ホッパ11へ落下させる。この際、被計量物2は、自動供給コンベア7の端部に設けられている出口部規制棒10により、投下量がさらに規制される。従って、組合せ計量装置1では、分散供給部5における撹拌装置8で解された被計量物2が、無端ベルトに設けられた桟同士の間にほぼ均等に分散され、さらに出口部規制棒10により減量されて、少量ずつが投入ホッパ11へ供給可能となる。
【0008】
本発明の請求項2記載の組合せ計量装置1は、請求項1に記載の組合せ計量装置1であって、
前記送り込み部6が、
前記自動供給コンベア7から投下された前記被計量物2をそれぞれの前記フィードコンベア12の上流側に蓄積する投入ホッパ11と、
前記フィードコンベア12に蓄積された前記被計量物2に対してエアブローを前記フィードコンベア12の搬送面に平行かつ前記カップに投入する側から吹き付けて前記被計量物2を整列させるエアノズル29と、
を有することを特徴とする。
【0009】
この組合せ計量装置1では、分散供給部5の次段に送り込み部6が設けられる。送り込み部6は、投入ホッパ11と、投入ホッパ11の下流に配置されるフィードコンベア12とを有する。そして、投入ホッパ11には、フィードコンベア12の搬送面に近接して、搬送面とほぼ平行な方向で、エアブローを行うエアノズル29が設けられている。エアノズル29は、フィードコンベア12の組合せ計量部4への供給方向と反対方向からエアを被計量物2に吹き付ける。エアが吹き付けられた被計量物2は、特に麺などの場合、エアの流れに沿って直線状となり、層厚がより低くなるように解される。これにより、組合せ計量装置1では、組合せ計量部4へ供給される直前の被計量物2が、フィードコンベア12の供給端でさらに少量かつ均等に解される。
【0010】
本発明の請求項3記載の組合せ計量装置1は、請求項2に記載の組合せ計量装置1であって、
前記エアノズル29が、前記フィードコンベア12の取り外し時に、前記フィードコンベア12と干渉しない位置に回転自在に設けられていることを特徴とする。
【0011】
この組合せ計量装置1では、フィードコンベア12に近接したエアノズル29が、投入ホッパ11に対して、フィードコンベア12の搬送面から離反する方向に、回転自在となって取り付けられる。被計量物2をより少量に、かつ均等に解すため、エアノズル29は、フィードコンベア12の搬送面に近接させて配置する必要があった。ところが、このエアノズル29の配置は、投入ホッパ11やフィードコンベア12を取り外す際の邪魔となる。そこで、送り込み部6では、エアノズル29が、回転自在に取り付けられ、投入ホッパ11やフィードコンベア12の取り外し時に、干渉しない位置へ退避が可能となっている。
【0012】
本発明の請求項4記載の組合せ計量装置1は、請求項2または3に記載の組合せ計量装置1であって、
前記エアノズル29からのエアブローが、間欠的に行われることを特徴とする。
【0013】
この組合せ計量装置1では、エアノズル29からのエアブローが間欠して吹き付けられることにより、被計量物2の全体が吹き飛ばされることが防止される。また、間欠するエアブローは、吹き付けられることにより、積層した麺などの可撓性のある直線状の被計量物2を、エアブローに沿わした方向に一本一本解す効果が得られる。これにより、積層された麺などの被計量物2を解して、層厚を低くすることが可能となる。また、エアブローを間欠して吹き付けることにより、被計量物2を必要以上に乾燥させない作用がある。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る請求項1記載の組合せ計量装置によれば、被計量物を解し、絡まず分散、分離でき、少量を投入ホッパへ供給できる。
【0015】
本発明に係る請求項2記載の組合せ計量装置によれば、被計量物を安定した少量で供給可能にできる。
【0016】
本発明に係る請求項3記載の組合せ計量装置によれば、投入ホッパなどの清掃やメンテナンスを容易にすることができる。
【0017】
本発明に係る請求項4記載の組合せ計量装置によれば、被計量物の層厚を低くばらしながら、層厚を均していくことができる。また、被計量物の乾燥を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施の形態に係る組合せ計量装置の概略の外観を表す斜視図である。
図2図1に示した組合せ計量装置の側面図である。
図3図1に示した供給部および分散供給部の要部拡大正面図である。
図4】撹拌装置と自動供給コンベアと投入ホッパの一部を表す正面図である。
図5】撹拌装置の動作を説明する要部拡大正面図である。
図6図2の要部拡大図である。
図7】送り込み部の平面図である。
図8図7の要部拡大図である。
図9】エアノズルが退避位置に回転された送り込み部の側面図である。
図10】(a)は左投入ホッパ群への投入開始時の動作説明図、(b)は左投入ホッパ群における二番目に投入された動作説明図である。
図11】(a)は左投入ホッパ群における三番目に投入された動作説明図、(b)は左投入ホッパ群における六番目に投入された動作説明図である。
図12】(a)は右投入ホッパ群への投入開始時の動作説明図、(b)は右投入ホッパ群における二番目に投入された動作説明図である。
図13】エアノズルが通常位置に配置された送り込み部を後から見た斜視図である。
図14】エアノズルが退避位置に配置されて投入ホッパが取り外された状態の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施の形態に係る組合せ計量装置1の概略の外観を表す斜視図、図2図1に示した組合せ計量装置1の側面図である。
本実施の形態に係る組合せ計量装置1は、被計量物2の搬送量を少なく規制する。被計量物2としては、例えば麺などのように、互いに絡まったり、絡まることで固まったりするものが挙げられる。麺などの被計量物2は、もともと分離されているが、例えば茹でることで、絡まる場合が多い。なお、被計量物2は、麺に限定されない。
【0020】
本実施の形態に係る組合せ計量装置1は、供給部3から供給された被計量物2を、高さ方向に並んだ複数のカップが水平方向に並んで構成される組合せ計量部4にて、所定量となるように各列のカップを組み合わせて排出する。
【0021】
組合せ計量装置1は、供給部3と、分散供給部5と、送り込み部6と、組合せ計量部4とに大別して構成される。分散供給部5は、主要な構成として自動供給コンベア7、撹拌装置8、桟9、出口部規制棒10を有する。送り込み部6は、主要な構成として投入ホッパ11、フィードコンベア12、エア解し装置37を有する。また、組合せ計量装置1は、これら各部の動作を制御する制御部(図示略)を備える。
【0022】
[供給部]
供給部3は、供給コンベア13を有する。供給コンベア13は、次段の分散供給部5における自動供給コンベア7へ、上から、搬送方向の中央あたりに被計量物2を落とす。この落下は、投入検出センサ14で監視されることにより行われる。投入検出センサ14は、分散供給部5の自動供給コンベア7の上に、被計量物2があるかないかを見ている。自動供給コンベア7の上に被計量物2があれば、供給コンベア13を止め、無ければ供給コンベア13を動かす。すなわち、供給コンベア13のオンオフは、投入検出センサ14により制御されている。
【0023】
[分散供給部]
図3図1に示した供給部3および分散供給部5の要部拡大正面図である。
分散供給部5は、供給部3の次段に設けられる。分散供給部5は、自動供給コンベア7を備える。分散供給部5は、供給部3から投入された被計量物2を、往復移動する自動供給コンベア7で受けて、自動供給コンベア7の端部から下方へ投下する。自動供給コンベア7は、供給部3の供給コンベア13から投入された被計量物2を上側周回面からなる搬送路の中央部に受ける。自動供給コンベア7は、受けた被計量物2を搬送路のいずれか一方の端部から下方に設けられた次段の送り込み部6に投下(分散供給)する。分散供給部5は、自動供給コンベア7と共に搬送路の延在方向に沿って往復移動する。
【0024】
分散供給部5には自動供給コンベア7の移動方向に延びる支持レール15(図6)が固定されている。分散供給部5は、この支持レール15に直線移動自在に支持される。支持レール15にはラックが設けられ、ラックは分散供給部5に設けられた駆動モータ(図示略)のピニオンギアに噛合する。これにより、分散供給部5は、駆動モータの駆動により移動自在となる。
【0025】
図4は撹拌装置8と自動供給コンベア7と投入ホッパ11の一部を表す正面図である。
自動供給コンベア7の両側の端部には投入ホッパ内監視センサ16が設けられている。投入ホッパ内監視センサ16は、次段の送り込み部6に蓄積した被計量物2の有無及び高さを検出する。
【0026】
自動供給コンベア7は、送り込み部6に設けられる複数のフィードコンベア12のそれぞれに、搬送路のいずれか一方の端部が一致する範囲で往復移動する。そのため、投入ホッパ内監視センサ16は、自動供給コンベア7の搬送路の両側の端部に設けられている。
【0027】
投入ホッパ内監視センサ16に検出された送り込み部6における被計量物2の高さは、高さ信号として制御部に送られる。制御部は、この高さ信号に基づいて、自動供給コンベア7の端部を位置決めし、また、無端ベルトの正逆回転を制御する。
【0028】
分散供給部5には、自動供給コンベア7に落とされた被計量物2が、一か所に(搬送方向の中央に)山のように溜まってしまうのを「解す・ならす」ために、左右(ベルトの動く方向の前後)に一対の撹拌装置8を設けている。
【0029】
自動供給コンベア7の無端ベルトには、複数の桟9が所定間隔毎に設けられている。桟9は、無端ベルトの動く方向に直交する突条となる。自動供給コンベア7は、桟同士の間に、被計量物2が分散して分けられる。
【0030】
また、自動供給コンベア7には、端部の出口部分に「出口部規制棒10」が設けられる。分散供給部5は、これら撹拌装置8と出口部規制棒10とで、端部から送り込み部6へ供給する被計量物2の量を規制する。これにより、次段の送り込み部6における投入ホッパ11への被計量物2の入り過ぎを抑制している。つまり、分散供給部5の自動供給コンベア7は、被計量物2を少なくして送り出しできるように構成されている。
【0031】
分散供給部5は、被計量物2が自動供給コンベア7に大量にある状態を、撹拌装置8で掻くようにならし、かつ出口部規制棒10で少なくして、投入ホッパ11へ送り出す。投入ホッパ11への被計量物2の送り出し量は、撹拌装置8、桟9、出口部規制棒10により少なく規制される。
【0032】
出口部規制棒10は、下向きの櫛のような形状で形成される。分散供給部5では、自動供給コンベア7の桟9と桟9との間に、撹拌装置8により被計量物2を略定量となるように溜め、最後に落ちるところ(端部)で、出口部規制棒10により量を規制して落とす。
【0033】
本実施の形態において、被計量物2は、麺である。麺は、出口部規制棒10の間をすり抜けて行く。つまり、被計量物2が細い素材の麺であることから、自動供給コンベア7の端部では、麺がすり抜けて落ちるように、棒や櫛である出口部規制棒10で送り出し量を制御している。
【0034】
分散供給部5は、撹拌装置8だけでは、麺の層厚がまだ厚い。もっと少量にするために、自動供給コンベア7における送り出し終端となる端部に、出口部規制棒10を設けている。分散供給部5では、これにより、麺の送り出し方向への移動にさらに規制をかけている。具体的には、麺を、桟9の高さとほぼ同程度にまで減らす。
【0035】
分散供給部5には、出口部監視センサ17、投入ホッパ内監視センサ16が設けられる。投入ホッパ内監視センサ16と出口部監視センサ17とは、分散供給部5の左右端部にそれぞれ配置される。出口部監視センサ17は、出口部規制棒10の位置を見て、被計量物2が到達しているか否かを監視する。被計量物2が出口部規制棒10の近傍に無ければ自動供給コンベア7を回転させて、出口方向に被計量物2を移動させる。例えば逆転移動の際に、無い場合に自動供給コンベア7の回転を続けて被計量物2を移動させる。
【0036】
投入ホッパ内監視センサ16は、次段の送り込み部6における投入ホッパ内、すなわち、フィードコンベア12に被計量物2が存在しているか否かを見ている。
【0037】
組合せ計量装置1では、これら出口部監視センサ17、投入ホッパ内監視センサ16により投入ホッパ11への供給の空振り、すなわち入れ損ねを無くしている(減らしている)。被計量物2が投入ホッパ11の中に無い、つまりフィードコンベア12に無いと認識すると、自動供給コンベア7が供給を行う。かつ、有りと判断するまで供給を続ける。自動供給コンベア7は、桟9ごとの送り距離で回転駆動される。つまり、自動供給コンベア7は、間欠駆動する。
【0038】
ただし、自動供給コンベア7は、被計量物2の供給量に限度を設けている。自動供給コンベア7が回り続けると、次の投入ホッパ11への供給が行えなくなる可能性、すなわち、供給すべき被計量物2が分散供給部側で減ってしまい、送り出せなくなる。このため、自動供給コンベア7の供給は、例えば最大5秒間に設定される。なお、最大供給時間は、これに限定されない。分散供給部5は、投入ホッパ内監視センサ16により投入ホッパ11の中を見て(監視して)、中に被計量物2が無いと判断された場合に、最大5秒以内、自動供給コンベア7を駆動させて、供給を続ける。
【0039】
分散供給部5は、一つの投入ホッパ11への投入を終えると、隣の投入ホッパ11へ同様の手順で被計量物2の投入を行う。分散供給部5は、この動作を繰り返す。分散供給部5は、その間、撹拌装置8が連続稼働する。
【0040】
従って、もし5秒以内に投入ホッパ11が被計量物2で満たされない場合でも、分散供給部5は、次の投入ホッパ11へ移動することになる。
【0041】
分散供給部5による投入ホッパ11への供給は、複数並んだ送り込み部6におけるフィードコンベア12の端から内側へ向かって順に行われる。送り込み部6の投入ホッパ11は、分散供給部5の移動方向に複数(例えば12個)が並ぶ。この並び方向の下部には、中央に排出シュート18を備えた集合部19が配置される。すなわち、複数の投入ホッパ11は、排出シュート18を挟んで左右の投入ホッパ群に分けられる。
【0042】
分散供給部5による投入ホッパ11への供給は、それぞれの投入ホッパ群の並び方向端の外端から内端に向かって順に投入を行う。従って、分散供給部5は、例えば左側の投入ホッパ群の外端から内端(図1中カップ番号1~6)へ向かって供給を行い、分散供給部5の左端が左右投入ホッパ群の略中央に到達する。次いで、分散供給部5は、右側の投入ホッパ群の外端に自動供給コンベア7の右側の端部を一致させ、自動供給コンベア7を逆転して、外端から内端(図1中カップ番号7~12)へ向かって供給を行う。これにより、分散供給部5は、移動量を少なくして複数の投入ホッパ11への被計量物2の供給を次々に行うことを可能としている。
【0043】
組合せ計量装置1では、少なくとも投入ホッパ内監視センサ16が自動供給コンベア7の左右に配置される。一方、出口部監視センサ17を備えることは、必須ではない。
【0044】
組合せ計量装置1は、被計量物2が無いところに、確実に被計量物2が供給されるまで、被計量物2を供給する。つまり、被計量物2が有ること(投入されたこと)を見ている。この点は、従来の、被計量物2が無いから供給するとしていた供給制御と異なる。
【0045】
分散供給部5の自動供給コンベア7は、その位置に実際到達してから、その各位置で桟付のコンベアが落とし込み方向に回転移動、投入ホッパ内監視センサ16で十分に入ったかを見て回し続け、かつ例えば5秒を限度として供給する。「5秒」としたのは、各投入ホッパ11へ全て(この例では12個)投入を行うので、1か所に集中せず、全体への分配を考慮するためである。このため、投入ホッパ内監視センサ16が「無い」と判断しても、5秒を限度にして次の投入ホッパ11に移動して投入を開始する。組合せ計量装置1では、例えば1分間に30個の被計量物2の組合せを作る。1個の被計量物2というのは、本実施の形態では、例えば100gの麺となる。組合せ計量装置1では、後段の組合せ計量部4において6個のカップのうち例えば2つや3つを組み合わせて1つの商品(100g)とする計量を行う。
【0046】
組合せ計量装置1では、投入ホッパ11や組合せ計量部4へ落とす被計量物2の量を極力少なくしたい。このため、フィードコンベア12への供給量も少なくしている。
【0047】
分散供給部5は、自動供給コンベア7のそれぞれの端部に、出口ガイド板20を備える。出口ガイド板20は、垂下した下端が自動供給コンベア7の端部に接近する方向に傾斜した可撓性のスキージ板部21を有する。スキージ板部21は、例えばバンコランシート(商品名)などの高強度、耐摩耗性、耐油性、柔軟性を有する素材やウレタンシートとすることができる。出口ガイド板20は、分散供給部5が移動するごとに、隣り合う投入ホッパ11の境目に設けられた三角の山形部分の頂部22を摺接する。これにより、出口ガイド板20は、頂部22に引っ掛かった被計量物2を外して落とすスキージのような働きを有する。分散供給部5は、この出口ガイド板20を備えることにより、麺などの素材であることから起こる頂部22に引っ掛かっている(乗り上げている)被計量物2を投入ホッパ11へ強制的に落とすことができる。
【0048】
[撹拌装置]
図5は撹拌装置8の動作を説明する要部拡大正面図である。
撹拌装置8は、自動供給コンベア7の両側に、一対が離間して設けられる。それぞれの撹拌装置8は、自動供給コンベア7に搬送されている被計量物2を略均等な厚さとなるように均すための撹拌棒23と、撹拌棒23を所定軌跡で移動させるリンク部24と、支持軸25と、揺動軸26と、リンク部24を介して撹拌棒23を駆動する撹拌駆動モータ27とを備えている。リンク部24、支持軸25、揺動軸26、撹拌駆動モータ27は、往復動作手段28を構成する。それぞれの撹拌装置8には、撹拌棒23が、互いに所定の隙間を有して配置される。
【0049】
撹拌駆動モータ27は、リンク部24を駆動する。撹拌装置8は、往復動作手段28において、リンク部24が回転し、撹拌棒23を高さ方向に上下動させる。これに加えて、撹拌装置8は、揺動軸26を備えているため、撹拌棒23が往復で異なる軌跡となって移動する。
【0050】
撹拌装置8は、自動供給コンベア7で山状となっている被計量物2を、掻き戻すように撹拌する。撹拌装置8の撹拌棒23は、振り子状の先端が櫛やホークのような形状となっている。撹拌棒23の先端は、例えば丸棒を数本下向きに設けて構成される。撹拌棒23の動きは、揺動であるが、行く方向(かき上げる方向)は下で、戻る方向(復帰方向)は上を通る略楕円状の経路・軌跡となる。この経路・軌跡は、例えば焼きそばを焼くときの腕の動きに近似する。撹拌装置8は、この撹拌棒23の軌跡を揺動軸26とリンク部24とにより実現させている。
【0051】
撹拌装置8は、分散供給部5の左右に配置され、自動供給コンベア7の中心に向かってかき上げるように作動する。つまり、一対の撹拌装置8は、供給コンベア13から自動供給コンベア7の中央に供給された被計量物2の山を、掻き解すように動作する。撹拌装置8の動きは、一定速度で行われ、他の部分とは連動しない。
【0052】
[送り込み部]
図6図2の要部拡大図である。
送り込み部6は、それぞれのカップに対応して、投入ホッパ11と、フィードコンベア12と、エア解し装置37とを備える。投入ホッパ11は、自動供給コンベア7から投下された被計量物2の受入部となる。
【0053】
図7は送り込み部6の平面図である。
投入ホッパ11は、分散供給部5における自動供給コンベア7の下方に平行に並んで複数(図1の例は12個)が設けられる。この投入ホッパ11の下方には、それぞれの投入ホッパ11に応じ12個のフィードコンベア12が備えられている。フィードコンベア12は、被計量物2の搬送方向の先端側を次段の組合せ計量部4に延出させている。フィードコンベア12は、被計量物2を蓄積し、自動供給コンベア7の移動方向と直交する方向へ被計量物2を搬送してカップに投入する。
【0054】
送り込み部6では、各フィードコンベア12は、自動供給コンベア7から投下された被計量物2をベルトの上側周回面からなる搬送路に受けて、受けた被計量物2を上記した分散供給部5の移動方向と直交する方向に搬送する。
【0055】
図8図7の要部拡大図である。
送り込み部6は、投入ホッパ11に投入され、フィードコンベア上に供給された被計量物2を、塊のまま次に送り出さずに、次段の組合せ計量部4への供給量を、エアによる吹き戻しで規制する。すなわち、送り込み部6は、組合せ計量部4へ、塊にならずに、ほぐした状態の被計量物2を供給する。これにより、送り込み部6は、被計量物2の安定した少量供給を可能としている。
【0056】
フィードコンベア12では、被計量物2の搬送高さ、すなわち層厚を抑えることができる。従来、カップに投入する直前で「均し」を行っていたが、カップへの投入量が多すぎ(大きすぎ)多くなると、絡まりが発生して、そこで詰まってしまう。そこで、組合せ計量装置1では、前段の分散供給部5に撹拌装置8を配置するとともに、カップの直前となる後段の送り込み部6において、エア解し装置37のエアノズル29によりエアを吹く。これにより、組合せ計量装置1では、扱う「量」が小さいことへの対応を実現させている。
【0057】
フィードコンベア12の動きは、次段の組合せ計量部4における3段のカップの最上段のプールカップ30への供給時に動作する。カップの中が無くなると、それを検知して動作する。分散供給部5から投入ホッパ11を介してフィードコンベア12へ送られてきた被計量物2は、フィードコンベア12が動作することにより、カップ内に落とされる。
【0058】
カップへの供給量は、フィードコンベア12の駆動時間による。このフィードコンベア12の駆動と次段のエア解し装置37によるエアの吹き出しは連係している。カップに被計量物2が無いとなると、フィードコンベア12の駆動が促される。これに連係してエア解し装置37のエアノズル29によるエアの吹き出しが、複数回で行われる。
【0059】
[エア解し装置]
フィードコンベア12の搬送方向の先側には、エア解し装置37が設けられる。エア解し装置37には、エアノズル29が設けられる。エアノズル29は、フィードコンベア12の組合せ計量部4への供給方向(図8中の矢印a方向)と反対方向(図8中の矢印b方向)からエアを被計量物2に吹き付ける。これにより、エアによる被計量物2の吹き戻しを可能とする。被計量物2は、エア解し装置37のエアノズル29によって、フィードコンベア上で高さ(厚さ)がさらに略均等化され、プールカップ30に落下排出される。エア解し装置37では、「解す」という動作を、エアノズル29からのエアブローで行う。
【0060】
エアノズル29をフィードコンベア12に設けて、そこに溜まってくる被計量物2をエアで吹いて、ただし、長時間連続して吹き続けると、被計量物2が奥方向(図8中右方)に山となってしまう。このため、エアブローは、間欠して行う。これにより、エア解し装置37は、被計量物2を平らにすることと、被計量物2である麺を真っ直ぐにすることを実現させている。
【0061】
本実施の形態において、エアの吹き出しは、2回となる。なお、エアの吹き出しは、2回に限定されない。エアの吹き出しは、3回や4回以上であってもよい。エアの吹き出し回数は、被計量物2の供給量に依存するところが多い。
【0062】
フィードコンベア12の駆動時間と、カップへの所定量とは比例する。その駆動時間に応じて、エアの吹きつけ回数が設定される。エア解し装置37は、少なくとも2回のエアの吹き出しを行うことにより、絡み取り、層厚を均すことができる。
【0063】
団子状に絡まって投入ホッパ11から落ちてくる被計量物2は、エアブローを1回吹くと、山を崩す。ここで、エアブローは、吹きっぱなしにすると、被計量物2が山ごと吹き出しエアの下流へ戻されてしまう。そこで、エア解し装置37は、エアブローを分けて吹くことにより、山を崩し、被計量物2が真っ直ぐになじむようにしている。エア解し装置37は、エアブローにより麺がある程度解された後、もう1回エアブローを吹くと、上の部分の層厚をほぐしてくれる。つまり、フィードコンベア12において、ある程度の層厚になっている被計量物2を1回吹いてばらしながら、層厚を均していく。これにより、エア解し装置37では、被計量物2を崩して層厚を薄くするとともに、解しにより、絡まった塊状の麺を伸ばすことが可能となる。
【0064】
図9はエアノズル29が退避位置に回転された送り込み部6の側面図である。
エア解し装置37のエアノズル29は、上記の解し作用を良好に得るために、フィードコンベア12の搬送面に沿って配置される。このため、エアノズル29が近接して配置された送り込み部6では、投入ホッパ11やフィードコンベア12などの部品が取り外せない。そこで、エア解し装置37は、ワンタッチでエアノズル29が回転軸31を中心に回転して、跳ね上がる構造となっている。
【0065】
エア解し装置37は、投入ホッパ内に延びているエアノズル29を、退去させることができ、投入ホッパ内など、清掃やメンテナンスが容易となっている。エアノズル29は、清掃時だけ上に跳ね上がるように持ち上がる。
【0066】
エア解し装置37によるエアブローは、麺の種類によるが、特に春雨などの真直性のある麺類に有効となる。春雨は、エアを吹付けることで、歪み,撓みが正され、エアの方向に沿って縦に、すなわち真っ直ぐに揃えられる。
【0067】
送り込み部6のフィードコンベア12では、高摩擦のグリップ力の高いベルトが使われる。具体的には、ベルト表面が平滑ではなく凹凸などが形成されて、ベルト上の被計量物2が滑りにくくなっている。フィードコンベア12は、この高グリップにより、エア解し装置37からのエアの吹き出しで、被計量物2が後退しにくくなっている。
【0068】
エア解し装置37は、フィードコンベア上に投下された被計量物2に対して、その移送方向(組合せ計量部4への方向)と逆方向(下流から上流へ)にエアを吹き出す。エアノズル29からエアを吹き出すタイミングは、例えば、フィードコンベア12が起動開始後に10ms行い、所定時間の150msの時間のエアブローを行い、被計量物2の絡みをほぐす。間欠として30msの後に、再び所定時間の150msの時間のエアブローを行って、被計量物2の層厚を均す。これにより、組合せ計量部4のカップへ送られる被計量物2の供給量を抑える。
【0069】
エア解し装置37では、このエアブローの間欠動作、上記例では2回のみ、短時間吹付けにより、連続吹きつけでは被計量物2が移動してしまうことを防ぎ、かつエアの消費量を削減している。エアノズル29は、先端の吹き出し口内径を、管本体の内径よりも絞り小さくしている。例えば、エアノズル29は、管内径が6φ、ノズル口が4φに設定される。そのため、エアノズル29は、吐出流速を上げることができ、これによってもエアの消費量が抑えられている。
【0070】
エア解し装置37は、被計量物2が進んでいく方向の進行方向から戻す方向にエアブローを行うことで、被計量物2の絡みを解いて、層厚を均す。春雨などの被計量物2は、このエアのみで平らに均すことが可能となる。エア解し装置37によれば、絡まり、曲がっている被計量物2が、ほぼ真っ直ぐに矯正される。被計量物2が、フィードコンベア12のベルト上で滑って後退しないように、フィードコンベア12の搬送ベルトにはグリップ力の高いベルトが使用されている。
【0071】
[組合せ計量部]
組合せ計量部4の各カップは、最上段のカップが計量前の被計量物2を貯留するプールカップ30、中段のカップが計量カップ32、下段のカップが計量後の被計量物2を一時貯留し、所定量となるように複数のカップを選択的に組み合わせるためのメモリカップ33である。計量カップ32は、計量器34を具備する。各カップは、上下が開口された中空に形成され、下部には駆動装置35により水平方向に移動するシャッタ36を有し、シャッタ36の移動でカップ内の被計量物2を1段下に落下排出する。
【0072】
組合せ計量部4の下部には、選択されたメモリカップ33から排出された被計量物2を一カ所にまとめる集合部19が設けられている。集合部19は、排出シュート18を備えるとともに、この排出シュート18を中央に配置して、左右の投入ホッパ群のそれぞれの下部に集合コンベア38がそれぞれ配置され構成される。所定量となった被計量物2は、排出シュート18から下部搬送駆動部で下部搬送装置に落下排出される。
【0073】
組合せ計量装置1は、目標値を満たすため、各カップからより均等な計量値を得ることが理想となる。そのためには、送り込み部6が、プールカップ30に対して被計量物2を円滑に供給する必要がある。組合せ計量装置1は、分散供給部5に撹拌装置8、送り込み部6にエア解し装置37を採用することにより、フィードコンベア12で搬送される被計量物2を、塊や絡まりを生じさせずに、一定な層厚にして、かつ少量で供給させることができる。
【0074】
次に、組合せ計量装置1における分散供給部5の概略の動作を説明する。
【0075】
分散供給部5は、自動供給コンベア7が、投入ホッパ11の1箇所ずつに被計量物2を落とす。各投入ホッパ11は、フィードコンベア12ごとにあり、略垂直な壁体で囲まれている。分散供給部5は、左右に全体が動きながら、各投入ホッパ11に被計量物2を投入する。本実施の形態では、12箇所の投入ホッパ11へ被計量物2が投入される。
【0076】
分散供給部5では、上方に配置されている左右2つの撹拌装置8も、自動供給コンベア7と一緒に左右に移動する。そして、自動供給コンベア7の左右の端部で、被計量物2を少量にして(量を減らして)、各投入ホッパ11に落としていく。
【0077】
図10(a)は左投入ホッパ群への投入開始時の動作説明図、(b)は左投入ホッパ群における二番目に投入された動作説明図である。
分散供給部5の左右方向の移動は、その下の投入ホッパ11内の被計量物2の量を、投入ホッパ内監視センサ16により監視することで行われる。分散供給部5は、図10(a)に示すように、例えば左側の投入ホッパ群から供給を開始する場合、左端から一番目の投入ホッパ11に対し、自動供給コンベア7の左側の端部を一致させて供給を開始する。左端から一番目の投入ホッパ11に対し供給が終了すると、図10(b)に示すように、左端から二番目の投入ホッパ11に対して供給を行う。
【0078】
図11(a)は左投入ホッパ群における三番目に投入された動作説明図、(b)は左投入ホッパ群における六番目に投入された動作説明図である。
二番目の投入ホッパ11に対し供給が終了すると、図11(a)に示すように、左端から三番目の投入ホッパ11に対して供給を行う。同様の動作を繰り返して、図11(b)に示すように、六番目の投入ホッパ11に対して供給を行う。
【0079】
図12(a)は右投入ホッパ群への投入開始時の動作説明図、(b)は右投入ホッパ群における二番目に投入された動作説明図である。
左側の投入ホッパ群において、六番目の投入ホッパ11に対し供給が終了すると、分散供給部5は、図12(a)に示すように、右側の投入ホッパ群の右端から一番目の投入ホッパ11に対し、自動供給コンベア7の右側の端部を一致させ、自動供給コンベア7の搬送方向を逆転させて供給を開始する。右端から一番目の投入ホッパ11に対し供給が終了すると、図12(b)に示すように、右端から二番目の投入ホッパ11に対して供給を行う。同様の動作を繰り返して、右端から六番目の投入ホッパ11に対して供給を行って、12箇所全ての投入ホッパ11への被計量物2の供給を終了する。
【0080】
このように、分散供給部5では、投入ホッパ群の並び方向端の外端から内側に向かって順に投入を行う。例えば左方の投入ホッパ群の外端から内端へ向かって供給を行い、分散供給部5の左端が左右投入ホッパ群の略中央に到達すると、今度は、右端の投入ホッパ群の外端に自動供給コンベア7の右側の端部を一致させ、外端から内端へ向かって供給を行う。これにより、分散供給部5は、移動量を少なくして被計量物2の供給を可能としている。
【0081】
次に、上記した構成の作用を説明する。
本実施の形態に係る組合せ計量装置1では、供給部3から被計量物2が分散供給部5に供給される。分散供給部5は、自動供給コンベア7を有する。分散供給部5では、供給部3から供給された被計量物2が、自動供給コンベア7の無端ベルトに山状に盛られる。この被計量物2は、自動供給コンベア7の無端ベルトが移動することにより、両側に配置された一対の撹拌装置8により解される。解された被計量物2は、無端ベルトの桟9の間に、層厚が低くなって分散される。この被計量物2の分散動作は、継続的に行われる。
【0082】
この状態で、分散供給部5は、次段の送り込み部6における複数の投入ホッパ11の並び方向に移動される。分散供給部5は、投入ホッパ11における被計量物2の有無が検出され、被計量物2が存在しない投入ホッパ11に、自動供給コンベア7の端部を一致させて、無端ベルトを周回駆動することにより、解された被計量物2の一部を投入ホッパ11へ落下させる。この際、被計量物2は、自動供給コンベア7の端部に設けられている出口部規制棒10により、投下量がさらに規制される。従って、組合せ計量装置1では、分散供給部5における撹拌装置8で解された被計量物2が、無端ベルトに設けられた桟同士の間にほぼ均等に分散され、さらに出口部規制棒10により減量されて、少量ずつが投入ホッパ11へ供給可能となる。
【0083】
また、この組合せ計量装置1では、分散供給部5の次段に送り込み部6が設けられる。送り込み部6は、投入ホッパ11と、投入ホッパ11の下流に配置されるフィードコンベア12とを有する。そして、投入ホッパ11には、フィードコンベア12の搬送面に近接して、搬送面とほぼ平行な方向で、エアブローを行うエアノズル29が設けられている。エアノズル29は、フィードコンベア12の組合せ計量部4への供給方向と反対方向からエアを被計量物2に吹き付ける。エアが吹き付けられた被計量物2は、特に麺などの場合、エアの流れに沿って直線状となり、層厚がより低くなるように解される。これにより、組合せ計量装置1では、組合せ計量部4へ供給される直前の被計量物2が、フィードコンベア12の供給端でさらに少量かつ均等に解される。その結果、被計量物2を安定した少量で供給可能にできる。
【0084】
図13はエアノズル29が通常位置に配置された送り込み部6を後から見た斜視図、図14はエアノズル29が退避位置に配置されて投入ホッパ11が取り外された状態の分解斜視図である。
また、この組合せ計量装置1では、図9に示したように、フィードコンベア12に近接したエアノズル29が、フィードコンベア12の搬送面から離反する方向に、回転自在となって取り付けられる。被計量物2をより少量に、かつ均等に解すため、エアノズル29は、図13に示すように、フィードコンベア12の搬送面に近接させて配置する必要があった。ところが、このエアノズル29の配置は、投入ホッパ11やフィードコンベア12を取り外す際の邪魔となる。そこで、送り込み部6では、エアノズル29が、回転自在に取り付けられ、図14に示すように、投入ホッパ11やフィードコンベア12の取り外し時に、干渉しない位置へ退避が可能となっている。その結果、投入ホッパ11やフィードコンベア12などの清掃やメンテナンスを容易にすることができる。
【0085】
さらに、この組合せ計量装置1では、エアノズル29からのエアブローが間欠して吹き付けられることにより、被計量物2の全体が吹き飛ばされることが防止される。また、間欠するエアブローは、吹き付けられることにより、積層した麺などの可撓性のある直線状の被計量物2を、エアブローに沿わした方向に一本一本解す効果が得られる。これにより、積層された麺などの被計量物2を解して、層厚を低くすることが可能となる。また、エアブローを間欠して吹き付けることにより、被計量物2を必要以上に乾燥させない作用がある。その結果、被計量物2の層厚を低くばらしながら、層厚を均していくことができる。また、被計量物2の乾燥を抑えることができる。
【0086】
従って、本実施の形態に係る組合せ計量装置1によれば、被計量物2を解し、絡まず分散、分離でき、少量を投入ホッパ11へ供給できる。
【符号の説明】
【0087】
1…組合せ計量装置
2…被計量物
3…供給部
4…組合せ計量部
5…分散供給部
6…送り込み部
7…自動供給コンベア
8…撹拌装置
9…桟
10…出口部規制棒
11…投入ホッパ
12…フィードコンベア
29…エアノズル
37…エア解し装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14