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特許7139282広告時間帯を検索する重複視聴装置分析方法と分析システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-09
(45)【発行日】2022-09-20
(54)【発明の名称】広告時間帯を検索する重複視聴装置分析方法と分析システム
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/262 20110101AFI20220912BHJP
   H04N 21/258 20110101ALI20220912BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20220912BHJP
【FI】
H04N21/262
H04N21/258
G06Q30/02 314
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019083055
(22)【出願日】2019-04-24
(65)【公開番号】P2020182069
(43)【公開日】2020-11-05
【審査請求日】2021-09-02
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成31年4月18日 https://us-west-2b.online.tableau.com/にて公開
(73)【特許権者】
【識別番号】000214984
【氏名又は名称】TVS REGZA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 元將
(72)【発明者】
【氏名】片岡 秀夫
(72)【発明者】
【氏名】浜崎 紫
【審査官】大西 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-142186(JP,A)
【文献】特開2017-085406(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0212922(US,A1)
【文献】菊池 匡晃、坪井 創吾、中田 康太,大規模テレビ視聴データによる番組視聴分析,情報処理学会 デジタルプラクティス,日本,情報処理学会,2016年10月15日,Vol.7 No.4,pp. 352 - 360
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/10
H04N 7/14 - 7/173
H04N 7/20 - 7/56
H04N 21/00 -21/858
G06Q 10/00 -10/10
G06Q 30/00 -30/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送波により送信される放送番組を受信する視聴装置から前記放送番組を視聴した履歴である視聴履歴を、前記視聴装置を個別に識別する識別番号とともに収集する収集部と、前記収集部が収集した前記識別番号と前記視聴履歴を解析する解析部と、前記解析部の解析結果をもとにサービスを提供するサービス提供部とを備える、広告時間帯を検索する重複視聴装置分析方法において、
1つのチャンネルの中で選択される第1番組の視聴装置の数である第1データを取得し、
前記第1番組の過去所定期間以内に放送された他の複数の第2番組のそれぞれの視聴装置の数である第2データを取得し、
前記第1データと前記第2データの中で、重複する視聴装置の数を含む第3データを求め、前記第3データに対応する可視化用のデータを得る、
広告時間帯を検索する重複視聴装置分析方法。
【請求項2】
前記第3データに対応する前記可視化用のデータは、前記重複する視聴装置の数の多い上位のランク付けを行ったデータである、請求項1記載の広告時間帯を検索する重複視聴装置分析方法。
【請求項3】
前記第1番組と前記複数の第2番組とは、同一チャンネルの番組であり、前記ランク付けは、番組宣伝に利用するランクとして参照される、請求項2記載の広告時間帯を検索する重複視聴装置分析方法。
【請求項4】
前記第1番組と前記複数の第2番組とは、同一チャンネルの番組であり、前記ランク付けは、商業用の商品の広告に利用するランクとして参照される、請求項2記載の広告時間帯を検索する重複視聴装置分析方法。
【請求項5】
前記第1番組と前記複数の第2番組とは、デモグラフに基づいて番組情報の属性が絞りこまれている番組である、請求項1記載の広告時間帯を検索する重複視聴装置分析方法。
【請求項6】
放送波により送信される放送番組を受信する視聴装置から前記放送番組を視聴した履歴である視聴履歴を、前記視聴装置を個別に識別する識別番号とともに収集する収集部と、前記収集部が収集した前記識別番号と前記視聴履歴を解析する解析部と、前記解析部の解析結果をもとにサービスを提供するサービス提供部とを備える、広告時間帯を検索する分析システムにおいて、
1つのチャンネルの中で選択される第1番組の視聴装置の数である第1データを取得する手段と、
前記第1番組の過去所定期間以内に放送された他の複数の第2番組のそれぞれの視聴装置の数である第2データを取得する手段と、
前記第1データと前記第2データの中で、重複する視聴装置の数を含む第3データを求め、前記第3データに対応する可視化用のデータを得る手段と、
を備えた広告時間帯を検索する分析システム。
【請求項7】
前記第3データに対応する前記可視化用のデータを得る手段は、前記重複する視聴装置の数の多い上位のランク付けを行ったデータを得る手段である、請求項6記載の広告時間帯を検索する分析システム。
【請求項8】
前記第1番組と前記第2番組とは、同一チャンネルの番組であり、前記ランク付けは、番組宣伝に利用するランクとして参照される、請求項7記載の広告時間帯を検索する分析システム。
【請求項9】
前記第1番組と前記第2番組とは、同一チャンネルの番組であり、
前記可視化用のデータを得る手段は、
前記同一チャンネルの少なくとも1日分であって、前記第1番組の時間帯を指定可能とする第1の番組枠テーブルを表示するための出力と、
前記同一チャンネルの少なくとも複数日分であって、前記複数の前記第2番組の時間帯を表す第2の番組枠テーブルを表示するための出力と、
前記第2の番組枠テーブルの横に、重複視聴装置の数に応じた番組のランク付けを表示するための出力を得る、請求項6記載の広告時間帯を検索する分析システム。
【請求項10】
前記可視化用のデータを得る手段は、
同一チャンネルの少なくとも複数日分であって、複数の番組の時間帯を表す番組枠テーブルを表示するための出力を得て、
前記複数の番組のうちの1つの第1番組の時間帯を指定することで、他の複数の番組のうちの他の複数の第2番組と、前記1つの第1番組とを重複して視聴した重複視聴装置の数を表示し可能とするインターフェースを得る、請求項6記載の広告時間帯を検索する分析システム。
【請求項11】
前記第1番組と前記他の前記複数の第2番組とは、デモグラフに基づいて番組情報の属性が絞りこまれた番組となるように、
前記可視化用のデータを得る手段は、サービス情報の画面を制御或いは切り替えるための各種ボタン或いは条件を入力する枠を表示するための出力を得る、請求項6記載の広告時間帯を検索する分析システム。
【請求項12】
前記可視化用のデータを得る手段は、
前記第1データと前記第2データと、重複する視聴装置の数を表す前記第3データとの関係を示す表示を行うための出力を得る、請求項6記載の広告時間帯を検索する分析システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、広告時間帯を検索する重複視聴装置分析方法と分析システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネット技術が発達しており、ビデオオンデマンド(VOD)サービスをテレビ装置で利用する人口が増加している。そのためインターネットに接続したテレビ装置の数も増加傾向にある。
このような環境の中で、インターネット経由で各テレビ装置から膨大な量の視聴データ(視聴ログと称される場合もある)を収集し、視聴率などの視聴状況の分析を行うことが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-28353号公報
【文献】特開2017-188932号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、新しく始まる番組を宣伝(番宣と言われる)する場合、番組プロデューサは、効果のあると思われる時間帯を予想し、当該時間帯に番宣を放送している。しかしながら、番宣を行った時間帯が、本当に効果の高い時間帯であるかどうかを客観的に見えるように分析する手段がない。
【0005】
そこで本実施形態では、例えば番宣を含め広告などの宣伝効果が高い時間帯が客観的に見えるように可視化することができる広告時間帯を検索する重複視聴装置分析方法と分析システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態による、重複視聴装置分析方法は、
1つのチャンネルの中で選択される番組Aの視聴装置の数である第1データD1取得し、
前記選択された前記番組Aの過去所定期間以内に放送された複数の番組B(1~y)のそれぞれの視聴装置の数である第2データD2(1~y)を取得し、
前記選択される番組Aの第1データD1と前記第2データD2(1~y)の中で、重複する視聴装置の数を表す第3データD3(1~y)を求め、前記第3データD3(1~y)に関連する可視化用のデータを得る方法である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、一実施形態に関係する放送信号送信装置、サーバおよび受信装置(視聴装置)からなるシステム全体の構成例を示した図である。
図2図2は、テレビジョン受信装置の構成例を概略的に示した図である。
図3図3は、サーバの構成例とサービスを受けるユーザのパーソナルコンピュータの例を概略的に示した図である。
図4図4は、一実施形態において、表示部が表示した解析結果の一例を示す説明図である。
図5図5は、他の実施形態において、表示部が表示した解析結果の一例を示す説明図である。
図6図6は、一実施形態のシステムの動作例を示すフローチャートである。
図7図7は、一実施形態のシステムの他の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る放送信号送信装置100、サーバ120および視聴装置140からなるシステム全体の構成例を示した図である。
100は、放送番組を放送する放送信号送信装置(放送局とも呼ぶ)であり、放送番組サーバ101および第1の基本機能102を備える。
【0009】
放送番組サーバ101は、放送信号送信装置100として放送する番組のデータ、番組の名称、放送日時、内容の説明等を予め保存しておくエリアである。
第1の基本機能102は、放送信号送信装置100の基本的な機能であり、放送する番組の映像信号や音声信号等を符号化(エンコードとも言う)して多重化し、放送信号として送出する機能を持つ。
【0010】
120は、クラウド上に存在し、視聴装置140のユーザが視聴した番組の視聴履歴を収集するサーバであり、識別管理部121、収集部122、解析部123およびサービス提供部124を備える。
サーバ120は、視聴装置(テレビ装置、テレビジョン受信機、放送信号受信装置とも称される)140が個別に持つ識別番号により個々の視聴装置140を識別している。視聴装置140が持つ識別番号は、例えば数字、アルファベットの組み合わせから構成されている。
【0011】
識別管理部121は、視聴装置140が持つ識別番号を、ネットワーク180を介して収集し管理する機能を持つ。識別管理部121は、例えば視聴装置140の初期設定時に、視聴装置140が持つ識別番号を収集してもよい。
収集部122は、視聴装置140のユーザが放送番組を視聴した履歴である視聴履歴を収集する機能を持つ。
【0012】
解析部123は、収集部122で収集した視聴履歴を解析する機能を持つ。サービス提供部124は、解析部123が解析した結果をもとにサービスを提供する機能を持つ。
サービス提供部124は、解析部123が解析した結果をもとに例えば、視聴装置140のユーザにとって有益な情報を提供してもよい。あるいはサービス提供部124は、解析部123が解析した結果をもとに例えば、視聴装置140に対して番組を放送する側である放送信号送信装置100や番組制作会社、番組のスポンサー等にとって有益な情報を提供してもよい。
【0013】
140は、放送信号送信装置100が放送する番組を受信する受信装置であり、デジタル放送の受信機能(第2の基本機能141)、制御部142を含む。視聴装置140は、例えばテレビジョン受信装置でもあってもよい、また放送波で送られてくる番組を録画する機能を備えたレコーダであってもよい。以降の説明においては、視聴装置140を視聴装置140として説明する。図では1つのテレビジョン受信装置を示しているが、多数の視聴装置140がサーバ120に接続されている。
【0014】
第2の基本機能141は、視聴装置140としての基本的な機能であり、放送信号送信装置100から送られてくる放送波を受信し、放送波に含まれる符号化された映像信号(映像ストリームとも呼ぶ)、符号化された音声信号(音声ストリームとも呼ぶ)、アプリケーションデータおよび伝送制御信号を分離し、映像信号および音声信号をデコードしたり、アプリケーションデータを受信したり、伝送制御信号を解析したりする機能を持つ。
【0015】
制御部142は、視聴装置140の全体を制御する機能を持つ。また制御部142は、録画機能である録画部を持つ。また制御部142は、視聴装置140に接続されている周辺機器、例えば表示器160、スピーカ161、視聴装置140にバインドされているHDD(Hard Disk Drive)162、リムーバルメディア170、との接続やデータの送受信の管理も行う。
【0016】
表示器160は、スピーカ161を内蔵しており、第2の基本機能141においてデコードされた映像信号を表示領域に表示したり、音声信号をスピーカ161から出力したりする。なお、表示器160に内蔵されているスピーカ161は、USB等のI/Fにより接続された外部のスピーカであってもよい。
【0017】
なお図1の例では、表示器160は、視聴装置140と別体として記載しているが、視聴装置140の1機能として視聴装置140と一体であってもよい。
図2は、視聴装置(視聴機器と称する場合もある)140の構成例を概略的に示した図である。視聴装置140は、先に述べたように、放送波を受信する機能である第2の基本機能141、制御部142を含む。
【0018】
第2の基本機能141は、地上デジタルテレビジョン放送用の地デジチューナ201-1、地デジデマルチプレクサ202-1、地デジデスクランブラ203-1、映像および音声の2Kデコーダ204-1を持つ。同様に第2の基本機能141は、BSデジタル放送用のBSチューナ201-2、BSデマルチプレクサ202-2、BSデスクランブラ203-2、映像および音声の2K用デコーダ204-2、4K用デコーダ204-3、8K用デコーダ204-4を持つ。同様に第2の基本機能141は、CSデジタル放送用のCSチューナ201-3、CSデマルチプレクサ202-3、CSデスクランブラ203-3、映像および音声の2K用デコーダ204-5、4K用デコーダ204-6を持つ。
【0019】
視聴装置140が地上デジタルテレビジョン放送の放送信号を受信すると、放送チューナ201-1は、放送波で送られてきたストリーム(放送信号)を復調する。復調されたストリーム(放送信号)は、地デジデマルチプレクサ202-1に入力される。地デジデマルチプレクサ202-1は、入力された多重化ストリームを映像ストリーム、音声ストリーム、字幕ストリーム、アプリケーションデータ、伝送制御信号に分離し、映像ストリームと音声ストリームを地デジデスクランブラ203-1に入力する。
【0020】
地デジデスクランブラ203-1は、映像ストリームと音声ストリームをデスクランブルして、2Kデコーダ204-1に入力する。
映像ストリームおよび音声ストリームは2Kデコーダ204-1でデコードされる。
デコードされた映像データは、映像・オーディオ・字幕データ処理部206、表示信号出力部207を介して表示器160に出力される。またデコードされた音声データは、映像・オーディオ・字幕データ処理部206、表示信号出力部207を介して表示器160に内蔵されているスピーカ161に出力される。
【0021】
映像・オーディオ・字幕データ処理部206は、映像データに対して、輝度調整、色補正などを行うことができる、また音声データに対して、音質の調整、周波数特性の調整などを行うことができる。
表示信号出力部207は、表示器160の表示能力に応じて、色度、解像度などを制御する。
【0022】
オーディオ信号出力部208は、スピーカシステム(単なるステレオタイプ、5チャンネルシステムなど)に応じてオーディオ出力を変換することができる。
視聴装置140がBSデジタル放送信号、CSデジタル放送信号を受信した場合も、地上デジタルテレビジョン放送の放送信号を受信した場合と同様に、放送波で送られてきたストリーム(放送信号)をデマルチプレクサ処理やデスクランブル処理を行い、映像データを表示器160に出力したり音声データをスピーカ161に出力したりする。
【0023】
図2の視聴装置140の例は、地上デジタルテレビジョン放送用のチューナが地デジチューナ201-1の1つを内蔵している場合の例であるが、複数の地上デジタルテレビジョン放送用のチューナを内蔵していてもよい。同様に視聴装置140は、複数のBSデジタル放送用のチューナ、複数のCSデジタル放送用のチューナを内蔵していてもよい。
【0024】
制御部142は、視聴装置140の全体を制御する。また制御部142は、視聴装置140のユーザが視聴している番組の視聴履歴を取得し、取得した視聴履歴を、ネットワーク180を介してサーバ120に送信する。制御部142は、外部とのI/Fとして通信ネットワーク180とのI/FであるネットワークI/F181、リモートコントローラ(リモコン)190とのI/FであるリモコンI/F182を持つ。
【0025】
ここで視聴履歴とは、視聴装置140が、複数あるチューナに受信している番組すべての履歴のことを示している。具体的には例えば視聴装置140のユーザが、放送波を受信して表示器160に表示されている番組Aを視聴しながら、同時に番組Bを視聴装置140の録画機能である録画部143により録画している場合、制御部142は、番組Aの視聴(ライブ視聴と呼ぶ)の履歴であるライブ視聴履歴と、番組Bの再生視聴(録画した番組を再生する視聴)の再生視聴履歴、さらには番組Cの視聴予約による視聴である予約視聴履歴を取得することができる。
【0026】
再生視聴は、例えば録画機能の予約機能により予め録画する番組を予約することで、指定した番組Bを指定した時刻に録画部143に録画し、表示器160に表示させずに録画だけが行われる場合もある。
このように本実施形態の視聴装置140は、ライブ視聴、録画再生視聴、視聴予約による予約視聴などの各種の視聴形態をとることができる。
【0027】
上記の各種の視聴履歴は、例えばチャンネル番号、番組名、放送局名と、視聴を開始時刻と視聴を終了した時刻との組み合わせの情報で構成されていてもよい。制御部142は、取得した視聴履歴を内部に持つ保存エリア(図示せず)に、上記の各種の視聴履歴をその種別ごとに保存する。
【0028】
制御部142は、取得した視聴履歴を、視聴装置140が持つ識別番号を付与して、任意のタイミングにネットワーク180を介してサーバ120に送信する。
図3は、サーバ120の構成例を概略的に示した図である。
収集部122は、ネットワーク180を介して視聴装置140から送られてくる視聴履歴を収集して、付与されている識別番号ごとに内部に持つ保存エリア(図示せず)に保存するとともに、視聴履歴の保存アドレスや付与されている識別番号等、受信した視聴履歴の保存に関する情報を識別管理部121に送信する。
【0029】
識別管理部121は、収集部122から送られてきた保存に関する情報と識別番号とを保存して管理する。これにより識別管理部121は、視聴装置140の識別番号ごとの視聴履歴のデータ(視聴ログ)を管理することができる。
解析部123は、収集部122に保存されている視聴履歴の中から、例えば指定した識別番号の、指定した期間の視聴履歴に対して解析を行う。解析の結果はサービス提供部124に送られ、サービス提供部124は送られてきた解析結果をもとに、サービスの提供を行う。
【0030】
なお図1および図3に示したサーバ120は、サービス提供部124が提供するサービスの内容を表示できる表示部(図示しない)を備えてもよい。あるいはまたサーバ120は、接続された外部の表示装置(図示しない)に、サービス提供部124が提供するサービスの内容を表示できるようにしてもよい。あるいはまた解析部123およびサービス提供部124は、サーバ120の外にあってもよい。
【0031】
サービス提供部124が、サーバ120の外にある場合、解析部123およびサービス提供部124は、例えばPC(パーソナルコンピュータ)の中にあってもよい。あるいは解析部123およびサービス提供部124は、スマートフォンやタブレット等の携帯端末の中にあってもよい。この場合PCや携帯端末は、ネットワーク180を介してサーバ120と接続され、サーバ120にアクセスすることが可能である。このためPCや携帯端末は、収集部122に保存されている視聴履歴の情報を任意の場所において取得することができる。またPCや携帯端末の操作者は、解析部123による解析を任意の場所で行うことが可能である。またPCや携帯端末の操作者は、解析部123の解析結果をもとにサービス提供部124により、任意の場所でサービスの提供や付加価値データの提供を行うことが可能である。解析部123およびサービス提供部124を含む携帯端末を、視聴履歴分析装置と呼んでもよい。
【0032】
サービス提供部124が提供するサービスは、例えば解析部123による解析結果をもとにした、可視化されたデータの提供や表示であってもよい。可視化されたデータとは、例えば収集部122が収集した膨大な視聴履歴の中から、解析部123が解析対象にした識別番号をもつ視聴装置140の視聴履歴の集合である視聴履歴群Aを、さらに種々のパラメータを用いて視聴履歴群Aを色々な観点でまとめ直すことで、無秩序に見えていた視聴履歴群Aに、ある傾向が存在することをグラフや表を用いてユーザが理解しやすい形にして提供したり表示したりすることである。
【0033】
このような視聴履歴群Aの可視化のサービスは、例えば放送局140や番組制作会社、番組スポンサー等、視聴装置140に対して番組を放送する側にとって有益な情報になりえる。
図3の例は、サービス提供部124が提供するサービスデータを、ネットワーク310を介してパーソナルコンピュータ311から見えるように接続した例を示している。
【0034】
図4には、例えばパーソナルコンピュータ311の画面322に表示されたサービスの一例を示している。
例えば左の表示領域331のテーブルには、右側のサービス情報の画面を制御或いは切り替えるための各種ボタンやサービス情報が生成されたときの条件など表示される。たとえば、
・提供するサービス情報であるエリアをどのエリアとするのか(図の例では関東)、
・提供するサービス情報は、どの位の時期であるのか(図の例では2019/03/11(月曜から))、
・提供するサービス情報であるチャンネルをどのチャンネルのものとするのか(図の例ではNNKK放送)、
・提供するサービス情報であるデモグラフが例えば一部地域、或いは全地域とするのか(図の例では地域全体)、
・提供するサービス情報である視聴データとして、どの視聴履歴を採用するのか(図の例ではライブ)、
・提供するサービス情報をマルチ編成とするか否か(図の例ではマルチ編成ではない)、
・提供するサービス情報である番組ランキングを2つの番組の視聴装置として重複機器数で生成するか、一方の番組のみの視聴装置の数で生成するのか、或いは他方の番組のみの視聴装置の数で生成するのか(図の例では重複機器数が選択されている)、
・視聴したのかしなかったのかを、どのような基準で決定しているのか(図の例では番組の1/3を視聴したら視聴したとみなしている)、
・番組ランキングが、分析基準となった番組から何時間離れている番組の視聴データから生成されるのか(図の例では150時間離れている約1週間はなれている)、
などを選択できる。
・また、参照データは、何時の集計機器数であるのか(図の例では3月11日月曜)
・さらに上記集計機器数の利用者分類も示される。
【0035】
表示領域331の右側には、ある1つのチャンネルの1週間分の番組領域332にテーブルが表示される。この番組領域332のテーブルは、横が曜日、縦が時間で区画されている。この番組領域332は、枠間が特別に識別されるわけではなく、区分されているだけである。また少なくとも1日分が表示されてもよい。
【0036】
さらに番組領域332の右側にも同じく同様な番組領域333に番組のテーブルが表示される。
左のヒートマップは選択した番組Aの過去1週間の番組B(1~N)に関する状況を表示する。このとき、番組Aの放送時間によらず、表示は例えば月曜から日曜の1週間で折り返して表示し、選択した番組Aの時間の右側は1週前の時間になる。なおヒートマップは、各番組の枠におけるランクに応じて異なる色温度の色を表示している。
【0037】
ヒートマップには選択したランキング指標、重複機器率/重複シェアのどちらかのランキングの順位が表示されている。このとき、ランキングの集計対象となる「ランキング表示時間」によって番組Aの開始何時間前までランキング順位を表示するか変更することが可能である。これは番宣効果が高いのは番組Aの放送時間に近いところなので、直近のみを対象として分析できるようにしたからである。ヒートマップの色は選択したランキング指標で色分けしている。
【0038】
さらに、右側のランキングは選択したランキング指標に沿って「ランキング表示時間」の集計時間内の番組のランキングを表示している。右側は、棒グラフを示し、棒が3段階の識別部で表示されている。この棒グラフは棒の左識別部が番組Aのみを視聴した機器、棒の中央識別部が番組Aと番宣をうつ番組Bの両方を見た機器、棒の右識別部が番組Bのみを視聴した機器の割合になる。これはベン図を複数番組分並べて表示していることに相当する。棒の左識別部と中央識別部とを足した合計数は番組Aの視聴装置の数に一致するので番組Bによらず一致する。黒三角は重複シェアを表している。
【0039】
ランキング指標の重複機器率は棒グラフの棒の中央識別部、重複シェアは黒三角(重複機器数/棒グラフの長さ(A+AB+B))に相当する。
上記の番組領域333は、左側の番組領域332の1つの枠(例えば332-1)がカーソルによりクリックされると、対応する枠333-1が白抜きとなる。
【0040】
そして、後で説明するように、枠332-1に対応する番組Aと他の番組B(1~N)との間で、重複して視聴した機器数(ライブで視聴した重複視聴装置の数)が視聴履歴解析により割り出される。さらに重複機器数に応じて各枠の番組に対してランキングが付与される。番組領域333は、各枠に対してランキングが表示され、ランキングの違いにより色分けされて表示される。このようなマップをヒートマップと称している。
【0041】
この番組領域333の右側の表示領域334のテーブルでは、ランキングの上位の番組から番組名が画面上で順次上から下へ並べて表示され、各番組名の右側には放送された日時が表示されている。
さらにランキングを示す表示領域334の右側の領域335のテーブルでは、各番組名に対して横方向へ並ぶように棒グラフが表示される。棒グラフでは、各棒において、番組Aのみを視聴した視聴装置の数、番組B(各ランキングの番組)のみを視聴した視聴装置の数、番組AとBの両方を視聴した視聴装置の数が色分けして表示される。図のランキング1位の番組の場合、
番組Aのみを視聴した視聴装置の数Asの割合・・・・記載なし、
番組B(各ランキングの番組)のみを視聴した視聴装置の数Bsの割合・・・1.306
番組AとBの両方を視聴した重複視聴装置の数AsBsの割合・・・1.388
が例示されている。番組Aのみを視聴した視聴装置の数の割合と、番組AとBの両方を視聴した視聴装置の数ASBSの割合との合計は、どのランキングでも一致する、が、重複視聴装置の数割合が各ランキングにより異なる。
【0042】
ここで黒の三角は、重複シェア(パーセント)を示す。重複シェアは、
=(重複機器数/棒の長さ(As+AsBs+Bs))で計算されている。
上記した番組ランキングの表示を見ると、いずれの番組の時間帯で、番組宣伝を行うことが効率的であるかが可視化されて分かり易い。
【0043】
上記の例は、番組Aとして、木曜日の16時から18時の枠332-1の番組を指定した。しかし本システムは、他の枠を指定することも可能である。すると先と同様に指定した枠の番組Xと他の番組B(1~N)の重複視聴装置情報が得られる。そして、重複視聴装置の数の割合の大きい番組のランキングが表示される。したがって、ユーザは、いくつかの枠を指定することで、重複視聴装置の数の割合が最も大きい(ランキングの高い)番組を知ることができ、効果的に番組宣伝を行う番組を知る(探索する)ことができる。
【0044】
上記の指定を自動的に行い、ランキングの高い番組を複数探索し、最も重複視聴装置の数の割合の大きい番組を割り出すことも可能である。
上記の実施形態では、番組の枠を指定するための番組領域332と、ヒートマップを表示するための番組領域333の2つを表示した。しかし本発明はこのような実施形態に限定されるものではない。
【0045】
図5は、他の表示形態の例を示している。この表示形態では、番組領域332を省略し、ヒートマップを表示する番組領域B333が、番組A指定テーブルとしても兼用されている。
この番組領域B333において、木曜日の16時から18時の番組Aの枠がカーソルにより指定されると、その番組Aの周囲の番組B(1~N)が重複して視聴されたどうかの判定がなされ視聴履歴解析により割り出される。さらに重複機器数に応じて各枠の番組に対してランキングが付与される。番組領域333は、各枠に対してランキングが表示され、ランキングの違いにより色分けされて表示される。
【0046】
また、番組領域B333の右側の表示領域B334にもランキングの上位の番組から番組名が画面上で順次上から下へ並べて表示され、各番組名の右側には放送された日時が表示されている。また、各番組名の横には、重複機器率が表示される。
上記の表示形態の場合、図4の表示形態に比べて、ヒートマップやランキングを拡大して表示することができる。また、この表示モード(図4図5)が切り替え可能なシステムであってもよい。
【0047】
つまり図5の表示は、可視化用のデータを得る手段によるものであり、同一チャンネルの少なくとも複数日分であって、複数の番組の時間帯を表す番組領域を表示するための出力を得て、複数の番組のうちの1つの番組の時間帯を指定することで、前記複数の番組のうちの他の複数の番組と前記1つの番組とを重複して視聴した重複視聴装置の数を割り出し可能とするインターフェースとして利用可能である。
【0048】
なお図4図5において番組のランク付けを行い、ランク順に表示したが本発明はこのような実施形態に限定されるものではない。例えば番組をジャンル別に分類して、番組のランキングはジャンル内で付けられてもよい、そして表示は、ランク順、或いはランク順がランダムであって、ランキングは番組名の横に数値で表示されてもよい。表示の形態が種々あって、切り替え可能であってもよい。また、番組のランクが、曜日別に分類されてもよい。そして番組のラキングが各曜日内で付けられてもよい。
付けられても良い。よくにさらにランクが色分けされていてもよい。
【0049】
図6は、図3に示したパーソナルコンピュータ311を操作することで、実行するフローチャート兼処理ブロックを示している。例えば、スタートボタンをクリックし、チャンネルを選択すると、図4に示したような番組表のモデル(番組領域332、333)が表示される(ステップAS1)。
【0050】
ここで、ユーザは、任意の番組の枠(先の例では枠332-1)を選択する。つまり番組Axを選択する(具体的には番組Axの視聴関連データ)(ステップAS2)。すると、サーバ120の解析部123の解析がスタートし、他の番組Byを自動選択(具体的には番組Byの視聴関連データを自動選択し)し(ステップAS3)、番組Axと番組Byの視聴データの処理を開始する(ステップAS4)。このステップでは、
Axのみ視聴した機器数
Byのみ視聴した機器数
AxとByの両方を視聴した重複機器数
を検索する。次に、他の番組Byを更新する(具体的には次のB(y+1)の視聴関連データに更新する)。そしてステップSA3に戻り
B(y+1)のみ視聴した機器数
AxとB(y+1)の両方を視聴した重複機器数 を調べる。
【0051】
このように所定数の番組Bの情報と、番組Aの情報とが解析されると、先に説明したヒートマップの作成が行われる。なおステップAS3で利用されるデータは、サーバ120のメモリM1に格納されている視聴関連データ(視聴ログ)が利用される。またステップAS4で検出された各種データは、サーバ或いは操作部であるパーソナルコンピュータのメモリM2に蓄積され、ヒートマップの作成(ステップAS7)、ランクデータの作成(ステップAS8)に利用される。作成された参照データは、例えばパーソナルコンピュータ31の表示処理部により画面上に表示される(ステップAS9)。その後は、次の操作待ち状態となる。
【0052】
図7は、本発明システムの他の動作例を示す図である。この動作例は、次の操作待ちのステップAS10において、例えば、デモグラフの一項目が選択された場合を示している(ステップAS11)。すると、ステップAS3aにおいて、選択したデモグラフの項目に応じた番組Byの番組関連データが利用される。番組Bを視聴した機器情報がサーチされる。例えば、デモグラフの項目として、年齢層(M1又はM2又はM3又はM4)が指定された場合、選択されたユーザ年齢層を持つ機器の視聴関連データが収集されて、その中から番組Byを視聴した機器数が解析されることになる。
【0053】
また視聴関連データには、番組をライブで視聴したのか、一旦録画してその後再生して視聴したのか、或いは視聴予約して視聴した場合の等の識別データも含まれるので、このような条件(属性)に基づいて、利用する視聴関連データを絞ることも可能である。つまり、デモグラフに基づいて視聴関連データの属性が絞りこまれ番組が調査対象となることも容易に可能である。
【0054】
さらにまた、図4の実施形態では、同一チャンネルの番組領域332、333を用いた。しかし、本システムでは、番組領域333が、他のチャンネル、つまり異なるチャンネル間の重複機器数と、ランキングを得ることも可能である。このような場合は、自局において視聴率の低い番組に対して同一時間帯で他局ではどのような番組が視聴率が高いのかを比較することも可能となる。したがって、この場合は表示領域331において、比較対象とするチャンネルを選択するための選択ボックスを用意しておくことが好ましい。
【0055】
また本システムは、番組宣伝用として利用価値が高いとともに、商業用の商品の広告を行う場合にも利用可能であることは勿論である。つまり複数のチャンネルの中で、第1のチャンネルと第2のチャンネルの組合せにおいて、重複視聴装置の数が多いとみられる番組(ランクの高い番組)に対して商用広告を行うと言う判断も可能となる。
【0056】
なお上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の考え方は、種々の分析に利用することが可能であり、また、図4図5で示した表示形態は、種々の分析データを可視化した際に適用することが可能である。またその表示形態としては、次に述べるような特徴を備えている。
(A)放送波により送信される放送番組を受信する視聴装置から前記放送番組を視聴した履歴である視聴履歴を、前記視聴装置を個別に識別する識別番号とともに収集する収集部と、前記収集部が収集した前記識別番号と前記視聴履歴を解析する解析部と、前記解析部の解析結果をもとにサービスを提供するサービス提供部とを備え、前記サービスとして得る分析データを表示部で表示する可視化方法であり、(A1)1つのチャンネルの複数日分の番組編成が区画された少なくとも1つのテーブルを表示し、(A2)このテーブルの1つの区画を操作入力が選択した状態を表示し、(A3)上記選択により、前記解析に応じて、前記1つの区画の1つの番組(N1)と他の区画の各番組(N2-Nn)とを視聴したそれぞれの前記区画の重複視聴装置の数の分析データを表示する。
(B1)前記分析データが、通信により伝送されてくる、可視化方法である。
(C1)前記分析データの分析アスペクトを変更するためのデモグラフィックの選択ボタンを表示することも可能である(表示領域331)。
(D1)前記1つのチャンネルの複数日分の番組編成が区画された第1のテーブルと、前記1つのチャンネルの複数日分の番組編成が区画された第2のテーブルとを表示することが可能である(図4)。
(E1)前記第1のテーブルの前記番組編成と前記第2のテーブルの前記番組編成とは同一チャンネル又は異なるチャンネルのいずれかである。
【0057】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。さらにまた、請求項の各構成要素において、構成要素を分割して表現した場合、或いは複数を合わせて表現した場合、或いはこれらを組み合わせて表現した場合であっても本発明の範疇である。また、複数の実施形態を組み合わせてもよく、この組み合わせで構成される実施例も発明の範疇である。
また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合がある。また請求項を制御ロジックとして表現した場合、コンピュータを実行させるインストラクションを含むプログラムとして表現した場合、及び前記インストラクションを記載したコンピュータ読み取り可能な記録媒体として表現した場合でも本発明の装置を適用したものである。また、使用している名称や用語についても限定されるものではなく、他の表現であっても実質的に同一内容、同趣旨であれば、本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0058】
100・・・放送信号送信装置、101・・・放送局サーバ、102・・・第1の基本機能、120・・・サーバ、121・・・識別管理部、122・・・収集部、123・・・解析部、124・・・サービス提供部、140・・・視聴装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7