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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-09
(45)【発行日】2022-09-20
(54)【発明の名称】固形状油性クレンジング化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/31 20060101AFI20220912BHJP
   A61K 8/33 20060101ALI20220912BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20220912BHJP
   A61K 8/39 20060101ALI20220912BHJP
   A61K 8/86 20060101ALI20220912BHJP
   A61K 8/92 20060101ALI20220912BHJP
   A61Q 1/14 20060101ALI20220912BHJP
   C11D 1/66 20060101ALI20220912BHJP
   C11D 3/18 20060101ALI20220912BHJP
   C11D 3/20 20060101ALI20220912BHJP
   C11D 17/00 20060101ALI20220912BHJP
【FI】
A61K8/31
A61K8/33
A61K8/37
A61K8/39
A61K8/86
A61K8/92
A61Q1/14
C11D1/66
C11D3/18
C11D3/20
C11D17/00
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019107677
(22)【出願日】2019-06-10
(65)【公開番号】P2020200263
(43)【公開日】2020-12-17
【審査請求日】2021-09-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000135324
【氏名又は名称】株式会社ノエビア
(72)【発明者】
【氏名】新間 優子
(72)【発明者】
【氏名】丹後 弘隆
【審査官】松元 麻紀子
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-521401(JP,A)
【文献】特表2002-512944(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/31
A61K 8/33
A61K 8/37
A61K 8/39
A61K 8/86
A61K 8/92
A61Q 1/14
C11D 1/66
C11D 3/18
C11D 3/20
C11D 17/00
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)~()を含有する固形状油性クレンジング化粧料。
(A)ノニオン性界面活性剤から選択される1種又は2種以上
(B)融点が40~120°Cの炭化水素から選択される1種又は2種以上
(C)水添パーム核油
(D)炭素数6~12のジアルキルエステル及び/又はジアルキルエーテル
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固形状油性クレンジング化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚の汚れや油性のメイクアップ化粧料を落とす目的で、油性液状クレンジング組成物が上市されている。油性液状クレンジング組成物は乳化型のクリーム状、乳液状クレンジング用組成物、あるいは水性液状・ゲル状クレンジング用組成物と比べてクレンジング効果に優れている。しかし、オイルクレンジング料は油性成分から成っているため、その粘度が配合する油剤に依存し、手に取ったときや肌に塗布したときにタレ落ちし易く、クレンジング行為中の使用性が悪い場合があった。
【0003】
そこで特許文献1には、クレンジング化粧料のたれ落ちがなく、塗擦による肌への負担が少ない固形の油性クレンジング化粧料でありながら、メイクアップ化粧料とのなじみ性が良く、汚れ落ちに優れ、かつ洗浄後のさっぱり感に優れる固形状油性クレンジング化粧料として、融点が60~120℃である炭化水素油 を化粧料全量中に5~15質量%と、エステル油を液状油全量に対して35質量%以上含有する液状油と、HLB値が5~13のノニオン性界面活性剤を化粧料全量中に5~30質量%含有する固形状油性クレンジング化粧料が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2012-206974号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の特許文献1に示されるような炭化水素系ワックスを多量に配合するクレンジング化粧料においては、ジャー容器に充填した際、硬すぎて指で取れにくい、柔らかすぎると指からこぼれるといった使用上の課題があった。そこで、本願発明は、使用性が良好で、かつ塗擦による肌への負担が少ない固形の油性クレンジング化粧料でありながら、メイクアップ化粧料とのなじみ性が良く、汚れ落ちに優れ、かつ洗浄後の乾燥感のなさに優れる固形状油性クレンジング化粧料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(A)~(C)を含有する固形状油性クレンジング化粧料。
(A)ノニオン性界面活性剤から選択される1種又は2種以上
(B)融点が40~120℃の炭化水素から選択される1種又は2種以上
(C)水添パーム核油
【発明の効果】
【0007】
本発明の固形状油性クレンジング化粧料は、使用性が良好で、かつ塗擦による肌への負担が少なく、メイクアップ化粧料とのなじみ性が良く、汚れ落ちに優れ、かつ洗浄後の乾燥感のなさに優れるという効果を発揮する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下本発明を実施するための形態を説明する。
【0009】
本発明の固形状油性クレンジング化粧料は、化粧品、医薬部外品、医薬品等のいずれの用途にも用いられ得る。
【0010】
本発明には(A)ノニオン性界面活性剤を用いる。ノニオン性界面活性剤としては、特に種類を限定されないが、HLB値が5以上、さらにはHLB値が7以上であり、HLB値が20以下、さらにはHLB値が17以下のノニオン性界面活性剤を用いることが、クレンジングにおける洗浄後の乾燥感のなさの点から好ましい。かかるノニオン性界面活性剤として、例えばポリグリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸ポリオキシエチレングリセリル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等が挙げられる。ここで、HLB(親水性-親油性バランス;Hydrophile-Lypophile Balance)値は、一般にノニオン性界面活性剤の水及び油への親和性を示す値であり、グリフィン法により求めることができる。
【0011】
ポリグリセリン脂肪酸エルテルとして例えば、イソステアリン酸ポリグリセリル-10(HLB値:14)、イソステアリン酸ポリグリセリル-2(HLB値:5)、イソステアリン酸ポリグリセリル-4(HLB値:8)、イソステアリン酸ポリグリセリル―6(HLB値:11)、オレイン酸ポリグリセリル-10(HLB値:13)、オレイン酸ポリグリセリル-2(HLB値:6)、オレイン酸ポリグリセリル-4(HLB値:9)、オレイン酸ポリグリセリル-6(HLB値:12)、カプリル酸ポリグリセリル-2(HLB値:8)、カプリル酸ポリグリセリル-6(HLB値:10)、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-10(HLB値:11)、ジオレイン酸ポリグリセリル-10(HLB値:12)、ジカプリン酸ポリグリセリル-6(HLB値:10)、ジステアリン酸ポリグリセリル-10(HLB値:12)ステアリン酸ポリグリセリル-10(HLB値:14)、ステアリン酸ポリグリセリル-2(HLB値:5)、ステアリン酸ポリグリセリル-4(HLB値:6)、セスキカプリル酸ポリグリセリル-2(HLB値:8)、トリステアリン酸ポリグリセリル-10(HLB値:8)、ミリスチン酸ポリグリセリル-10(HLB値:15)、ラウリン酸ポリグリセリル-4(HLB値:10)、ラウリン酸ポリグリセリル-6(HLB値:14)、ラウリン酸ポリグリセリル-10(HLB値:14.8)等が挙げられる。
【0012】
脂肪酸ポリオキシエチレングリセリルとして例えば、ステアリン酸PEG-5グリセリル(HLB値:8)、ステアリン酸PEG-10グリセリル(HLB値:11)、ステアリン酸PEG-15グリセリル(HLB値:13)、ステアリン酸PEG-20グリセリル(HLB値:14)、ステアリン酸PEG-30グリセリル(HLB値:15)、ステアリン酸PEG-40グリセリル(HLB値:16)、イソステアリン酸PEG-3グリセリル(HLB値:6)、イソステアリン酸PEG-5グリセリル(HLB値:8)、イソステアリン酸PEG-6グリセリル(HLB値:8)、イソステアリン酸PEG-8グリセリル(HLB値:10)、イソステアリン酸PEG-10グリセリル(HLB値:10)、イソステアリン酸PEG-15グリセリル(HLB値:12)、イソステアリン酸PEG-20グリセリル(HLB値:13)、イソステアリン酸PEG-25グリセリル(HLB値:14)、イソステアリン酸PEG-30グリセリル(HLB値:15)、イソステアリン酸PEG-40グリセリル(HLB値:15)、イソステアリン酸PEG-50グリセリル(HLB値:16)、イソステアリン酸PEG-60グリセリル(HLB値:16)、ジイソステアリン酸PEG-10グリセリル(HLB値:7)、ジイソステアリン酸PEG-20グリセリル(HLB値:10)、ジイソステアリン酸PEG30グリセリル(HLB値:12)、ジイソステアリン酸PEG-60グリセリル(HLB値:14)、トリステアリン酸PEG-10グリセリル(HLB値:5)、トリステアリン酸PEG-15グリセリル(HLB値:7)、トリステアリン酸PEG-20グリセリル(HLB値:8)、トリオレイン酸PEG-20グリセリル(HLB値:8)、トリオレイン酸PEG-30グリセリル(HLB値:10)、トリオレイン酸PEG-40グリセリル(HLB値:11)、トリオレイン酸PEG-50グリセリル(HLB値:12)、トリオレイン酸PEG-60グリセリル(HLB値:13)、トリイソステアリン酸PEG-10グリセリル(HLB値:5)、トリイソステアリン酸PEG-15グリセリル(HLB値:7)、トリイソステアリン酸PEG-20グリセリル(HLB値:8)、トリイソステアリン酸PEG-30グリセリル(HLB値:10)、トリイソステアリン酸PEG-40グリセリル(HLB値:11)、トリイソステアリン酸PEG-50グリセリル(HLB値:12)、トリイソステアリン酸PEG-60グリセリル(HLB値:13)、ラウリン酸PEG-9グリセリル(HLB値:12)等が挙げられる。
【0013】
ソルビタン脂肪酸エステルとして例えば、イソステアリン酸ソルビタン(HLB値:8)、オリーブ油脂肪酸ソルビタン(HLB値:9)、オレイン酸ソルビタン(HLB値:9)、ステアリン酸ソルビタン(HLB値:8)、セスキイソステアリン酸ソルビタン
(HLB値:6)、セスキオレイン酸ソルビタン(HLB値:6)、パルミチン酸ソルビタン(HLB値:7)、ヤシ脂肪酸ソルビタン(HLB値:11)、ラウリン酸ソルビタン(HLB値:9)等が挙げられる。
【0014】
ポリオキシエチレンアルキルエーテルとして例えば、ポリオキシエチレンセチルエーテルであるセテス-2(HLB値:5)、セテス-3(HLB値:6)、セテス-4(HLB値:7)、セテス-5(HLB値:8)、セテス-7(HLB値:10)、セテス-10(HLB値:11)、セテス-12(HLB値:12)、セテス-15(HLB値:13)、セテス-17(HLB値:13)、セテス-20(HLB値:14)、セテス-25(HLB値:15)、セテス-30(HLB値:15)、ポリオキシエチレンステアリルエーテルである、ステアレス-3(HLB値:6)、ステアレス-5(HLB値:8)、ステアレス-6(HLB値:8)、ステアレス-8(HLB値:9)、ステアレス-10(HLB値:11)、ステアレス-11(HLB値:11)、ステアレス-12(HLB値:11)、ステアレス-15(HLB値:12)、ステアレス-20(HLB値:13)、ステアレス-25(HLB値:14)、ステアレス-30(HLB値:15)、ステアレス-40(HLB値:16)、ポリオキシエチレンラウリルエーテルであるラウレス-3(HLB値:8)、ラウレス-5(HLB値:10)、ラウレス-7(HLB値:11)、ラウレス-9(HLB値:12)、ラウレス-10(HLB値:12)、ラウレス-12(HLB値:13)、ラウレス-15(HLB値:14)、ラウレス-20(HLB値:15)、ラウレス-25(HLB値:15)、ラウレス-30(HLB値:16)、ラウレス-50(HLB値:17)、ポリオキシエチレンベヘニルエーテルであるベヘネス-5(HLB値:7)、ベヘネス-10(HLB値:9)、ベヘネス-20(HLB値:12)、ベヘネス-30(HLB値:14)、ポリオキシエチレンフィトステリルエーテルであるPEG-5フィトステロール(HLB値:7)、PEG-10フィトステロール(HLB値:9)、PEG-20フィトステロール(HLB値:12)、PEG-25フィトステロール(HLB値:13)、PEG-30フィトステロール(HLB値:14)、ポリオキシエチレンコレステリルエーテルであるコレス-5(HLB値:7)、コレス-10(HLB値:10)、コレス-15(HLB値:11)、コレス-20(HLB値:12)、コレス-24(HLB値:13)、コレス-30(HLB値:14)、ポリオキシエチレンイソアルコールエーテルであるイソセテス-5(HLB値:8)、イソセテス-10(HLB値:11)、イソセテス-15(HLB値:13)、イソセテス-20(HLB値:14)、イソセテス-25(HLB値:15)、イソステアレス-5(HLB値:8)、イソステアレス-10(HLB値:11)、イソステアレス-15(HLB値:12)、イソステアレス-20(HLB値:13)、イソステアレス-25(HLB値:14)、オクチルドデセス-5(HLB値:7)、オクチルドデセス-10(HLB値:10)、オクチルドデセス-16(HLB値:12)、オクチルドデセス-20(HLB値:13)、オクチルドデセス-25(HLB値:14)等が挙げられる。
【0015】
本発明においては、これらのノニオン性界面活性剤の中でも、ポリグリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸ポリオキシエチレングリセリルから選択される1種又は2種以上を用いることが好ましく、さらにはポリグリセリン脂肪酸エステルと脂肪酸ポリオキシエチレングリセリルを併用して用いることが、メイクアップ化粧料とのなじみ性、汚れ落ち、洗浄後の乾燥感のなさの点から好ましい。
【0016】
本発明において、成分(A)の含有量は、本発明の固形状油性クレンジング化粧料全量中、8~40質量%、好ましくは10~35質量%、より好ましくは12~30質量%である。8質量%未満の配合では汚れ落ち、洗浄後の乾燥感のなさが得られない場合がある。40質量%を超えて配合すると、ノニオン性界面活性剤によるべたつきの原因となる場合がある。
【0017】
本発明には(B)融点が40~120℃の炭化水素から選択される1種又は2種以上を用いる。具体的には、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、合成ワックス、フィッシャートロプシュワックス、オゾケライト、セレシン、ポリエチレンワックス、エチレン・プロピレン共重合体等が挙げられる。これらは1種を単独で、または2種以上を併用して用いることができる。
【0018】
成分(B)の含有量は、本発明の固形状油性クレンジング化粧料全量中、3~20質量%配合することが好ましく、さらには5~15質量%配合することが好ましい。3質量%未満の配合では固形状の形状を保つことができない場合がある。20質量%を超えて配合すると、使用感、取れやすさが低下する場合がある。
【0019】
本発明には(C)水添パーム核油を用いる。水添パーム核油を用いることにより、経時安定性、使用感、取れやすさが改善する。
【0020】
成分(C)の含有量は、本発明の固形状油性クレンジング化粧料全量中、0.1~20質量%配合することが好ましく、さらには1~10質量%配合することが、安定性及び使用感の観点から好ましい。
【0021】
本発明の固形状油性クレンジング化粧料に、さらに成分(D)炭素数6~12のジアルキルエステル及び/又はジアルキルエーテルを配合することが好ましい。成分(D)を配合することによりクレンジング力を向上させることができる。成分(D)の具体例としては炭酸ジカプリリルを挙げることができる。
【0022】
本発明の固形状油性クレンジング化粧料には、成分(D)以外のエステル油を配合することができる。かかる油としては通常化粧料に配合し得るものであれば特に限定されない。具体的には、動物油、植物油、合成油等の起源は問わず、ホホバ油、2-エチルヘキサン酸セチル、トリ (カプリル酸/カプリン酸) グリセリル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソノナン酸イソトリデシル、オレイン酸エチル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2、トリベヘン酸グリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、p-アミノ安息香酸エチルヘキシルジメチル、サリチル酸エチルヘキシル、メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、酢酸トコフェロール、オリーブ油、ヒマシ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油、メドウフォーム油、ローズヒップ油、コメヌカ油、アボカド油、パーム核油、パーム油、トリポリヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスチリル等を例示することができる。
【0023】
本発明の固形状油性クレンジング化粧料には、エステル油以外の液状油を実質的に配合しないことがその安定性の観点から好ましい。
【0024】
本発明の固形状油性クレンジング化粧料には、前記の必須成分以外に本発明の目的を損なわない範囲で、通常の化粧料、医薬部外品に用いられる任意成分を、本発明の効果を阻害しない程度に配合することができる。具体的には、油性成分、界面活性剤、増粘剤、防腐剤、香料、保湿剤、抗酸化剤、抗炎症剤、抗菌剤等を挙げることができる。
【0025】
本発明の固形状油性クレンジング化粧料の剤形は、常温(25℃)、常圧(1気圧)で流動性のないクレンジング化粧料であり、その形状は特に限定されないが、容器への流し込み成形したものの他、棒状、板状等を例示することができ、その使用性の点から容器への流し込み成形したものを用いることが好ましい。
【実施例
【0026】
本発明の固形状油性クレンジング化粧料の実施例を示す。実施例はあくまでも本発明の一例であり、これによって本発明が限定されるものではない。なお、配合量は断りのない限り質量%で示す。
【0027】
本発明の実施例、比較例の評価方法を示す。
【0028】
[官能評価]
調製した固形状油性クレンジング化粧料をジャー容器に充填したものを用いて、「硬さと指どれのバランス」、「塗擦による肌への負担の少なさ」、「メイクアップ化粧料とのなじみ性」、「汚れ落ち」、「洗浄後の乾燥感のなさ」について、スキンケア専門官能評価員3名がそれぞれ独立して定法により使用し、合議により下記の評価基準に従い評価した。
◎:非常に優れている
○:優れている
△:あまり良くない
×:良くない
【0029】
[安定性評価]
調製した固形状油性クレンジング化粧料をジャー容器に充填し、5℃12時間40℃12時間のサイクル恒温槽にて10サイクル保管後、視覚判定及び実際の使用により、下記の基準で評価を行った。
◎:外観の変化が全くなく、使用性の変化もない。
○:外観の変化は殆どなく、使用性に若干の変化を感じる。
△:わずかに発汗等が認められ、使用性に変化を感じる。
×:明らかに発汗等が認められ、使用性に明らかな変化を感じる。
【0030】
表1の記載に基づき、定法により固形状油性クレンジング化粧料を調製し、評価に供した。結果を表1に併せて示す。
【0031】
【表1】
【0032】
本発明の実施例にかかる固形状油性クレンジング化粧料は、すべての評価項目において、良好な結果であった。特に、炭素数6~12のジアルキルエステルである炭酸時カプリリルを含有する実施例2、3においては、クレンジング性能に非常に優れていた。これに対し、水添パーム核油を配合していない比較例1は、使用性が悪く安定性もあまり良好な結果が得られなかった。