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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-09
(45)【発行日】2022-09-20
(54)【発明の名称】問合せ回答システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/9035 20190101AFI20220912BHJP
   G06F 16/90 20190101ALI20220912BHJP
【FI】
G06F16/9035
G06F16/90 100
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019123493
(22)【出願日】2019-07-02
(65)【公開番号】P2021009587
(43)【公開日】2021-01-28
【審査請求日】2021-04-01
(73)【特許権者】
【識別番号】594027074
【氏名又は名称】エムオーテックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092956
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 栄男
(74)【代理人】
【識別番号】100101018
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 正
(72)【発明者】
【氏名】厚山 耕太
【審査官】早川 学
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-003319(JP,A)
【文献】特開2016-081401(JP,A)
【文献】特開2019-028646(JP,A)
【文献】特開2016-103270(JP,A)
【文献】国際公開第2019/004363(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
問合せ回答サーバ装置および当該問合せ回答サーバ装置と通信可能な複数の端末装置とを備えた問合せ回答システムであって、
前記問合せ回答サーバ装置は、
前記端末装置を使用するユーザの属性を取得する属性取得手段と、
前記端末装置からのメッセージを受信する受信制御手段と、
問合わせ回答の処理進行状況と受信したメッセージに含まれるキーワードに基づいて、端末装置に対する質問を送信し、当該質問に対するメッセージに含まれるキーワードに応じて次の質問を端末装置に送信することを繰り返し、回答を端末装置に送信する応答制御手段と、
を備え、
前記応答制御手段は、同一の処理進行状況における同一のキーワードであっても、前記端末装置のユーザの属性が異なると、異なった処理を行うことを特徴とする問合せ回答システムにおいて、
前記応答制御手段は、前記メッセージに含まれるキーワードおよびユーザの属性に基づいて、複数用意されている業務フローから選択し、選択された業務フローにしたがって、処理進行状況と受信したメッセージに含まれるキーワードとに基づいて処理の進行を制御することを特徴とする問合わせ回答システム。
【請求項2】
請求項1のシステムにおいて、
前記応答制御手段は、前記ユーザの属性に応じて、前記選択して実行可能な業務フローと、前記選択できず実行不可能な業務フローとを区別することを特徴とするシステム。
【請求項3】
端末装置を使用するユーザの属性を取得する属性取得手段と、
前記端末装置からのメッセージを受信する受信制御手段と、
処理進行状況と受信したメッセージに含まれるキーワードに基づいて、端末装置に対する質問を送信し、当該質問に対するメッセージに含まれるキーワードに応じて次の質問を端末装置に送信することを繰り返し、回答を端末装置に送信する応答制御手段と、
を備え、
前記応答制御手段は、同一の処理進行状況における同一のキーワードであっても、前記端末装置のユーザの属性が異なると、異なった処理を行うことを特徴とする問合せ回答サーバ装置において、
前記応答制御手段は、前記メッセージに含まれるキーワードおよびユーザの属性に基づいて、複数用意されている業務フローから選択し、選択された業務フローにしたがって、処理進行状況と受信したメッセージに含まれるキーワードとに基づいて処理の進行を制御することを特徴とする回答サーバ装置。
【請求項4】
請求項3の装置において、
前記応答制御手段は、前記ユーザの属性に応じて、前記選択して実行可能な業務フローと、前記選択できず実行不可能な業務フローとを区別することを特徴とする装置。
【請求項5】
問合せ回答サーバ装置をコンピュータによって実現するための問合せ回答サーバプログラムであって、コンピュータを、
端末装置を使用するユーザの属性を取得する属性取得手段と、
前記端末装置からのメッセージを受信する受信制御手段と、
処理進行状況と受信したメッセージに含まれるキーワードに基づいて、端末装置に対する質問を送信し、当該質問に対するメッセージに含まれるキーワードに応じて次の質問を端末装置に送信することを繰り返し、回答を端末装置に送信する応答制御手段として機能させ、
前記応答制御手段は、同一の処理進行状況における同一のキーワードであっても、前記端末装置のユーザの属性が異なると、異なった処理を行うことを特徴とする問合せ回答サーバプログラムにおいて、
前記応答制御手段は、前記メッセージに含まれるキーワードおよびユーザの属性に基づいて、複数用意されている業務フローから選択し、選択された業務フローにしたがって、処理進行状況と受信したメッセージに含まれるキーワードとに基づいて処理の進行を制御することを特徴とする回答サーバプログラム。
【請求項6】
請求項5のプログラムにおいて、
前記応答制御手段は、前記ユーザの属性に応じて、前記選択して実行可能な業務フローと、前記選択できず実行不可能な業務フローとを区別することを特徴とするプログラム。
【請求項7】
複数の端末装置からアクセス可能であって、ユーザに対するコミュニケーションUIの提供を目的とするUIサーバ装置と、
前記UIサーバ装置および機能サーバ装置にアクセス可能な連携装置であって、(a)UIサーバ装置を介して前記端末装置のユーザとのやり取りを行ってユーザのメッセージを受信するとともに処理結果を送信するUI連携手段と、(b)前記メッセージに基づいて、前記機能サーバ装置に処理を指示し、処理結果を前記UI連携手段によってUIサーバ装置を介して端末装置に送信する機能連携手段とを有する連携手段と、
を備えた問合せ回答システムであって、
前記連携手段は、
処理進行状況と受信したメッセージに含まれるキーワードに基づいて、端末装置に対する質問をUIサーバ装置を介して送信し、当該質問に対するメッセージに含まれるキーワードに応じて次の質問をUIサーバ装置を介して端末装置に送信することを繰り返し、UIサーバ装置を介して処理結果を端末装置に送信する応答制御手段を備え、
前記応答制御手段は、同一の処理進行状況における同一のキーワードであっても、前記端末装置のユーザの属性が異なると、異なった処理を行うことを特徴とする問合せ回答システム。
【請求項8】
UIサーバ装置および機能サーバ装置にアクセス可能な連携装置であって、
(a)UIサーバ装置を介して端末装置のユーザとのやり取りを行ってユーザのメッセージを受信するとともに処理結果を送信するUI連携手段と、
(b)前記メッセージに基づいて、前記機能サーバ装置に処理を指示し、処理結果を前記UI連携手段によってUIサーバ装置を介して端末装置に送信する機能連携手段とを有する連携手段と、
を備えた連携装置であって、
前記連携手段は、
処理進行状況と受信したメッセージに含まれるキーワードに基づいて、端末装置に対する質問をUIサーバ装置を介して送信し、当該質問に対するメッセージに含まれるキーワードに応じて次の質問をUIサーバ装置を介して端末装置に送信することを繰り返し、UIサーバ装置を介して処理結果を端末装置に送信する応答制御手段を備え、
前記応答制御手段は、同一の処理進行状況における同一のキーワードであっても、前記端末装置のユーザの属性が異なると、異なった処理を行うことを特徴とする連携装置。
【請求項9】
連携装置をコンピュータによって実現するための連携プログラムであって、コンピュータを、
(a)UIサーバ装置を介して端末装置のユーザとのやり取りを行ってユーザのメッセージを受信するとともに処理結果を送信するUI連携手段と、
(b)前記メッセージに基づいて、機能サーバ装置に処理を指示し、処理結果を前記UI連携手段によってUIサーバ装置を介して端末装置に送信する機能連携手段とを有する連携手段として機能させるための連携プログラムにおいて、
前記連携手段は、
処理進行状況と受信したメッセージに含まれるキーワードに基づいて、端末装置に対する質問をUIサーバ装置を介して送信し、当該質問に対するメッセージに含まれるキーワードに応じて次の質問をUIサーバ装置を介して端末装置に送信することを繰り返し、UIサーバ装置を介して処理結果を端末装置に送信する応答制御手段を備え、
前記応答制御手段は、同一の処理進行状況における同一のキーワードであっても、前記端末装置のユーザの属性が異なると、異なった処理を行うことを特徴とする連携プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、チャットなどによって問合せを受けて、回答を返信する問合せ回答システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ネットワーク上のサーバ装置によって、ユーザが端末装置から入力したメッセージに返答し、チャットによってやり取りを行って、ユーザの問合せに回答するチャットボットシステムが用いられている。
【0003】
このようなチャットボットシステムによれば、自然なメッセージのやり取りにより、ユーザの希望する情報を提供することができる。たとえば、特許文献1では、チャットボットの質問にユーザが答えることにより、より適切な旅行情報を提供するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-206338
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のような従来技術においては、チャットボットからの質問に対する回答としてのメッセージによって、進行を制御し、所望の情報をユーザに回答するように構成されている。したがって、多くの質問に回答しなければ所望の情報が得られず、ユーザにとって処理が煩雑であった。
【0006】
また、当該チャットボットによって提供した情報が、ユーザにとって適切なものであったかどうかの判定は行われていなかった。また、FAQなどにおいて、回答が役に立ったかどうかは、ユーザに対して役に立ったかどうかの質問を行い、その回答により判定していた。
【0007】
このような手法では、ユーザが役に立ったかどうかの質問に対し回答することが少なく、適切な判断ができないという問題があった。
【0008】
また、従来のチャットボットによる問合せ回答システムでは、その導入に時間と費用を要するものであった。
【0009】
さらに、チャットボットを用いたFAQなどにおいて、企業ごとに独自のシステムを構築することは無駄であり費用もかかっていた。一方で、いずれの企業でも使用できるような共通のシステムを構築することはシステムを複雑化して好ましいものではなかった。
【0010】
この発明は、少なくとも上記のような問題点のいずれかを解決した問合せ回答システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明の互いに独立して適用可能な特徴を以下に列挙する。
【0012】
(1)(2)(3)この発明に係る問合せ回答システムは、問合せ回答サーバ装置および当該問合せ回答サーバ装置と通信可能な複数の端末装置とを備えた問合せ回答システムであって、前記問合せ回答サーバ装置は、前記端末装置を使用するユーザの属性を取得する属性取得手段と、前記端末装置からのメッセージを受信する受信制御手段と、処理進行状況と受信したメッセージに含まれるキーワードに基づいて、端末装置に対する質問を送信し、当該質問に対するメッセージに含まれるキーワードに応じて次の質問を端末装置に送信することを繰り返し、回答を端末装置に送信する応答制御手段とを備え、前記応答制御手段は、同一の処理進行状況における同一のキーワードであっても、前記端末装置のユーザの属性が異なると、異なった処理を行うことを特徴としている。
【0013】
したがって、ユーザがメッセージを付加的に入力する手間を省きつつ、ユーザ属性に基づく適切な回答を提供することができる。
【0014】
(4)この発明に係るシステムは、応答制御手段が、前記メッセージに含まれるキーワードおよびユーザの属性に基づいて、複数用意されている業務フローから選択し、選択された業務フローにしたがって、処理進行状況と受信したメッセージに含まれるキーワードとに基づいて処理の進行を制御することを特徴としている。
【0015】
したがって、複数用意されている業務フローから、ユーザの属性に応じて選択して実行することができる。
【0016】
(5)この発明に係るシステムは、応答制御手段が、前記ユーザの属性に応じて、前記選択して実行可能な業務フローと、前記選択できず実行不可能な業務フローとを区別することを特徴としている。
【0017】
したがって、ユーザの属性に応じて業務フローを用意し、実行することができる。
【0018】
(6)(7)(8)この発明に係る問合せ回答システムは、複数の端末装置からアクセス可能であって、ユーザに対するコミュニケーションUIの提供を目的とするUIサーバ装置と、前記UIサーバ装置および前記問合せ回答サーバ装置を含む機能サーバ装置にアクセス可能な連携装置であって、(a)UIサーバ装置を介して前記端末装置のユーザとのやり取りを行ってユーザの前記メッセージを受信するとともに処理結果を送信するUI連携手段と、(b)前記メッセージに基づいて、前記問合せ回答サーバ装置を含む機能サーバ装置に処理を指示し、処理結果を前記UI連携手段によってUIサーバ装置を介して端末装置に送信する機能連携手段とを有する連携手段と、を備えた問合せ回答システムであって、
前記連携手段は、処理進行状況と受信したメッセージに含まれるキーワードに基づいて、端末装置に対する質問をUIサーバ装置を介して送信し、当該質問に対するメッセージに含まれるキーワードに応じて次の質問をUIサーバ装置を介して端末装置に送信することを繰り返し、UIサーバ装置を介して処理結果を端末装置に送信する応答制御手段を備え、前記応答制御手段は、同一の処理進行状況における同一のキーワードであっても、前記端末装置のユーザの属性が異なると、異なった処理を行うことを特徴としている。
【0019】
したがって、コミュニケーションUIを用いてユーザの希望する処理を機能サーバ装置に実行させ、結果をコミュニケーションUIにて取得することができる。さらに、ユーザがメッセージを付加的に入力する手間を省きつつ、ユーザ属性に基づく適切な回答を提供することができる。
【0020】
(9)この発明に係るテンプレートプログラムは、端末装置からのメッセージに対する回答を送信する問合せ回答サーバ装置をコンピュータによって実現するためのテンプレートプログラムであって、初期キーワードその設定されたテンプレートプログラムであって、コンピュータを、前記端末装置からのメッセージに含まれるキーワードと記録している初期キーワードとに基づいて、処理の進行を制御し、端末装置に対する質問を送信し、当該質問に対するメッセージに含まれるキーワードに応じて次の質問を端末装置に送信することを繰り返し、回答を端末装置に送信する応答制御手段として機能させるためのテンプレートプログラムにおいて、前記初期キーワードを実際に用いるキーワードに変更した後、実行されることを特徴としている。
【0021】
したがって、導入先の特徴を抽象化したテンプレートプログラムを用意しておき、導入時にキーワードを各導入先の特徴に合致するように変更することで、各導入先に合致したプログラムを提供することができる。
【0022】
(10)この発明に係るプログラムは、テンプレートプログラムには、初期ファイル記録場所の挿入位置が設定されており、使用の際に、挿入位置に実際に用いるファイル記録場所を設定した後、実行されることを特徴としている。
【0023】
したがって、導入先の具体的なファイル記録場所を指定することで実施可能なプログラムとすることができる。
【0024】
(11)(12)(13)この発明に係る問合せ回答システムは、問合せ回答サーバ装置と当該問合せ回答サーバ装置と通信可能な複数の端末装置とを備えた問合せ回答システムであって、前記問合せ回答サーバ装置は、前記端末装置からのメッセージを受信する受信制御手段と、処理進行状況と受信したメッセージに含まれるキーワードに基づいて、端末装置に対する質問を送信し、当該質問に対するメッセージに含まれるキーワードに応じて次の質問を端末装置に送信することを繰り返し、回答を端末装置に送信する応答制御手段とを備え、前記応答制御手段は、前記質問に対するメッセージの取得を繰り返しても最終的な回答にたどり着くことができない場合には、問合せの連絡先を回答として端末装置に送信するものであり、前記応答制御手段は、前記最終的な回答にたどり着いた回数と問合せの連絡先を回答とした回数を、あるいはその比率を管理者のために出力することを特徴としている。
【0025】
したがって、ユーザに対して明示的に回答の適否を入力してもらわなくとも、応答制御手段による回答が適切であったかどうかを判断することができる。
【0026】
(14)(15)(16)この発明に係る問合せ回答システムは、複数の端末装置からアクセス可能であって、ユーザに対するコミュニケーションUIの提供を目的とするUIサーバ装置と、前記UIサーバ装置および前記問合せ回答サーバ装置を含む機能サーバ装置にアクセス可能な連携装置であって、(a)UIサーバ装置を介して前記端末装置のユーザとのやり取りを行ってユーザの前記メッセージを受信するとともに処理結果を送信するUI連携手段と、(b)前記メッセージに基づいて、前記問合せ回答サーバ装置を含む機能サーバ装置に処理を指示し、処理結果を前記UI連携手段によってUIサーバ装置を介して端末装置に送信する機能連携手段とを有する連携手段とを備えた問合せ回答システムであって、
前記連携手段は、処理進行状況と受信したメッセージに含まれるキーワードに基づいて、端末装置に対する質問をUIサーバ装置を介して送信し、当該質問に対するメッセージに含まれるキーワードに応じて次の質問をUIサーバ装置を介して端末装置に送信することを繰り返し、UIサーバ装置を介して処理結果を端末装置に送信する応答制御手段を備え、前記応答制御手段は、前記質問に対するメッセージの取得を繰り返しても最終的な回答にたどり着くことができない場合には、問合せの連絡先を回答として端末装置に送信するものであり、
前記応答制御手段は、前記最終的な回答にたどり着いた回数と問合せの連絡先を回答とした回数を、あるいはその比率を管理者のために出力することを特徴としている。
【0027】
したがって、コミュニケーションUIを用いてユーザの希望する処理を機能サーバ装置に実行させ、結果をコミュニケーションUIにて取得することができる。ユーザに対して明示的に回答の適否を入力してもらわなくとも、応答制御手段による回答が適切であったかどうかを判断することができる。
【0028】
「属性取得手段」は、実施形態においては、ステップS11がこれに対応する。
【0029】
「受信制御手段」は、実施形態においては、ステップS12がこれに対応する。
【0030】
「応答制御手段」は、実施形態においては、ステップS13がこれに対応する。
【0031】
「UI連携手段」は、実施形態においては、ステップST12、ST13、ST14がこれに対応する。
【0032】
「連携手段」は、実施形態においては、ステップST23、ステップST26、ステップST27がこれに対応する。
【0033】
「プログラム」とは、CPUにより直接実行可能なプログラムだけでなく、ソース形式のプログラム、圧縮処理がされたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む概念である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】この発明の一実施形態による問合せ回答システムの機能構成である。
図2】サーバ装置Sのハードウエア構成である。
図3】端末装置Tのハードウエア構成である。
図4】問合せ回答処理のフローチャートである。
図5】社員DBの例である。
図6】端末装置Tにおける画面表示例である。
図7】有給休暇申請のための業務フローの例である。図7Aは正社員用、図7Bは派遣社員用である。
図8図7の業務フローの処理フローチャートである。
図9】ユーザ属性に対応して業務フローを使用するかどうかを定めたテーブルである。図9Aはホワイトリスト、図9Bはブラックリストである。
図10】就業規則閲覧のための業務フロー・テンプレートである。
図11】置き換えのためのテーブルである。
図12】置き換えられた後の業務フローである。
図13】第2の実施形態による問合せ回答システムの機能構成である。
図14】システムの構成図である。
図15】問合せ回答処理のフローチャートである。
図16】端末装置Tにおける表示画面例である。
図17】USB一時許可の業務フローである。
図18図17の業務フローの処理フローチャートである。
図19図17の業務フローの処理フローチャートである。
図20】第3の実施形態による問合せ回答システムの機能構成である。
図21】問合せ回答処理のフローチャートである。
図22】端末装置Tにおける表示画面例である。
図23】パスワード問合せの業務フローである。
図24図23の業務フローの処理フローチャートである。
図25】他の例による問合せ回答システムの機能構成である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
1.第1の実施形態
1.1システム構成
図1に、この発明の一実施形態による問合せ回答システムの機能構成図を示す。ユーザ端末装置Tは、サーバ装置Sに対しメッセージを送信する。サーバ装置Sの受信制御手段6は、通信部2を制御してこのメッセージを受信する。受信したメッセージは、応答制御手段4に渡され、メッセージに含まれるキーワードに基づいて、ユーザに対する質問が生成される。応答制御手段4は、通信部2を制御して、この質問をユーザ端末装置Tに送信する。
【0036】
ユーザ端末装置Tからの質問に対する返答としてのメッセージは、受信制御手段6によって受信され、応答制御手段4に与えられる。応答制御手段4は、このメッセージを受けて、当該メッセージに含まれるキーワードに基づいて質問を生成し、通信部2を介してユーザ端末装置Tに送信する。
【0037】
応答制御手段4は、予め記録されたユーザの問合せに対する回答の中から、いずれを選択するかを、上記の処理を繰り返して決定する。
【0038】
一方、属性取得手段8は、ユーザ端末装置Tにおけるユーザのログイン情報等からユーザの属性を取得する。属性取得手段8によるユーザ属性の取得は、上記質問に対するメッセージという形ではなく、ユーザに対しては暗示的になされる。
【0039】
応答制御手段4は、ユーザの質問に対する回答としてのメッセージに基づいていずれの回答を選択するかを行う際に、属性取得手段8によって取得されたユーザの属性も判断の要素とする。したがって、ユーザに煩雑なやり取りを強いることなく、ユーザの属性も考慮した適切な回答を提示することができる。
【0040】
以上の処理を繰り返し、応答制御手段4は、ユーザ端末装置Tのユーザからの問合せに対する最終的な回答を通信部2を介して送信する。
【0041】
1.2ハードウエア構成
図2に、問合せ回答サーバ装置のハードウエア構成を示す。CPU30には、メモリ32、ハードディスク34、DVD-ROM36、通信回路38が接続されている。
【0042】
通信回路38は、インターネットに接続するためのものである。ハードディスク34には、オペレーティングシステム40、サーバプログラム42が記録されている。サーバプログラム42は、オペレーティングシステム40と協働してその機能を発揮するものである。これらプログラムは、DVD-ROM44に記録されていたものを、DVD-ROMドライブ36を介してハードディスク34にインストールしたものである。
【0043】
図3に、端末装置のハードウエア構成を示す。CPU50には、メモリ52、ディスプレイ54、ハードディスク56、DVD-ROMドライブ58、キーボード/マウス60、通信回路62が接続されている。
【0044】
通信回路54は、インターネットに接続するためのものである。ハードディスク56には、オペレーティングシステム64、端末プログラム66が記録されている。端末プログラム66は、オペレーティングシステム64と協働してその機能を発揮するものである。これらプログラムは、DVD-ROM68に記録されていたものを、DVD-ROMドライブ58を介してハードディスク56にインストールしたものである。
【0045】
なお、ここでは、端末装置としてPCを例として示したが、ノートパソコン、スマートフォン、PDAなどを用いることもできる。
【0046】
1.3問合せ回答処理
以下では、この問合せ回答システムを社内の社員からの問合せに用いた場合を例として説明する。
【0047】
図4に、問合せ回答処理のフローチャートを示す。端末プログラム66、サーバプログラム42のフローチャートを示している。
【0048】
ユーザが端末装置Tを操作して問合せサーバ装置Sにアクセスし、ログイン要求を行う。たとえば、予め登録されているユーザID、パスワードをサーバ装置Sに送信する。これにより、端末装置TのCPU30(以下端末装置Tと省略することがある)は、問合せサーバ装置Sに対して、ユーザID、パスワードを送信しログイン要求を行う(ステップS1)。
【0049】
問合せ回答サーバ装置SのCPU50(以下問合せ回答サーバ装置Sと省略することがある)は、ユーザIDとパスワードの組合せが予め登録されているものと合致すれば、ログインを認める(ステップS11)。ログインを認めると、問合せ回答サーバ装置Sは、チャット画面を端末装置Tに送信する。
【0050】
図5に、予め登録されているユーザ(社員)のDB例を示す。ユーザID、パスワードとともに、名前、部署、役職、入社年月日などのユーザ属性が記録されている。
【0051】
問合せを行いたいユーザは、端末装置Tのキーボードマウスを操作し、問合せ回答サーバ装置Sに対してメッセージを送信する(ステップS2)。たとえば、ユーザが有給休暇の申請をしたい場合であれば、図6Aに示すように、チャット画面において「有給休暇をとりたい」というメッセージを入力し送信する。
【0052】
問合せ回答サーバ装置Sは、受信したメッセージに含まれているキーワードに基づき、対応づけられた業務フローを選択して実行する(ステップS12、S13)。問合せ回答サーバ装置Sには、キーワードに対応付けて複数の業務フローが記録されている。
【0053】
この実施形態では、用いる機能ごとに入力すべき文言(キーワード)が予め定められている。たとえば、有給休暇の申請をしたい場合であれば、「有給休暇」および「申請」または「とりたい」または「とる」などのキーワードが含まれていれば、問合せ回答サーバ装置Sは、有給休暇の申請であると判断し、有給休暇申請の業務フローを選択して実行する。
【0054】
なお、キーワードが含まれているかどうかは、当該単語だけでなく類義語などが含まれている場合も含むようにして、あいまいな用語による合致性を持たせるようにすることが好ましい。以下の実施形態においても同様である。
【0055】
有給休暇申請の業務フローの例を、図7A図7Bに示す。図7Aは、正社員のためのものであり、図7Bは派遣社員のためのものである。この例においては、正社員は正社員勤怠管理システムによって有給休暇取得の適否が判断されており、派遣社員は派遣給与システムによって有給休暇取得の適否が判断されている。図7Aの業務フローには対象者が正社員である旨が記録され、図7Bの業務フローには対象者が派遣社員である旨が記録されている。
【0056】
図7Aに示す正社員用の業務フローの1行目には、起動のためのトリガとなるキーワードが記録されている。このキーワードは、業務フローごとに異なるものとして指定されている。ただし、図7Aに示す正社員用の業務フローと図7Bに示す派遣社員用の業務フローにおいては、同じキーワードが用いられている。
【0057】
問合せサーバ装置Sは、ログイン時のユーザIDに基づいて当該ユーザの雇用形態を参照し、正社員か派遣社員かを判断する。したがって、ユーザが正社員であれば図7Aの業務フローを起動し、派遣社員であれば図7Bの業務フローを起動する。
【0058】
ここでは、ユーザが正社員であったものとして説明を進める。問合せ回答サーバ装置Sは、以後、この業務フローの記述にしたがって処理を実行する(ステップS13)。
【0059】
図7Aの有給申請の業務フローを実行した場合のフローチャートを、図8に示す。問合せ回答サーバ装置Sは、図7Aの1行目を実行する。1行目では、正社員の勤怠を管理する正社員勤怠管理システムに対して、有給休暇申請に必要な項目を送信するよう指示する(ステップS201)。この指示は、正社員勤怠管理システムにおいて用意されているAPIを用いて行うことができる。
【0060】
この指示を受け取った正社員勤怠管理システムは、有給休暇申請に必要な項目を抽出し、問合せ回答サーバ装置Sに送信する(ステップS301)。問合せ回答サーバ装置Sは、この項目を受けて、項目記入のためのフォームを作成し、端末装置Tに送信する(ステップS202)。端末装置Tは、これをディスプレイ54に表示する(ステップS101)。図6Bに、表示された記入フォームの例を示す。有休取得を行いたい日、日数などの項目が設けられている。
【0061】
ユーザは、キーボード/マウス60を操作して、記入フォームの各項目に入力を行い、問合せ回答サーバ装置Tに送信する(ステップS102)。これを受け取った問合せ回答サーバ装置Tは、受け取った項目の内容データを正社員勤怠管理システムに送信し、有給休暇を許可できるかどうかの適否を送信するように指示する(ステップS203)。
【0062】
正社員勤怠管理システムは、受け取った内容データに基づいて、有給休暇の適否を判断し、問合せ回答サーバ装置Sに返信する(ステップS302)。これを受け取った問合せ回答サーバ装置Sは、返答が適であれば許可メッセージを端末装置Tに送信する(ステップS205)。返答が否であれば不許可メッセージを端末装置Tに送信する(ステップS206)。
【0063】
端末装置Tは、このメッセージをディスプレイ54に表示する(ステップS103)。図6Cにその表示例を示す。
【0064】
以上のようにして、ユーザはチャット形式にて有給休暇の申請を行うことができる。
【0065】
上記では、ユーザが正社員であった場合について説明したが、ユーザが派遣社員であった場合も同様である。この場合、問合せ回答サーバ措置Sは、図4のステップS12において、図7Bの業務フローを選択する。図7Bの業務フローにおいては、派遣給与システムと連携して処理が進められることになる。
【0066】
以上のように、社員DBなどに予め記録されているユーザの属性によって業務フローを選択するようにすることで、ユーザに余分な負担をかけずに、所望の処理結果を提供することができる。
【0067】
1.4システムの構築方法
上記システムを構築する際には、業務ごとに必要な業務フローを作成すればよい。しかし、各企業の業務にあわせて業務フローを作成するのは煩雑であり、その一方で、多くの企業における業務(特にバックオフィス業務(FAQなど))は、処理のアルゴリズムが共通であることも多い。
【0068】
そこで、以下では、上記のような共通箇所を考慮して、各業務の業務フローのテンプレートを作成しておき、導入の際に、各企業の特徴を加味してカスタマイズする方法を説明する。
【0069】
この場合、各企業で通常用いられるであろう業務に対しての業務フロー・テンプレートを用意する。たとえば、入社時手続、結婚時手続、パスワード問合せ、デバイス紛失時対応、就業規則閲覧、福利厚生情報閲覧などの業務は多くの企業に共通しているのでテンプレートを用意するとよい。
【0070】
以下では、図10に示す就業規則の閲覧申請を行うための業務フロー・テンプレートを例として説明を行う。この業務フロー・テンプレートでは、「正社員」「派遣社員」「契約社員」「アルバイト」などの一般的な名称にて記述されている。また、実際に就業規則が記録されているURLは記述されていない(URLを記述すべき旨が記載されているだけである)。
【0071】
このテンプレートを用いてシステムを構築する際のために、図11に示すような設定テーブルを用意しておく。この設定テーブルは、左側に初期設定データが記述されている。右側の置き換えの項目は、当初は空欄である。
【0072】
システム構築時には、この設定テーブルについて、置き換えの各項目を入力する。図11では、導入企業においては、正社員を社員と呼び、派遣社員を派遣と呼んでいることから、テンプレート中に現れるこれらの言葉を置き換えることが示されている。なお、このような置き換えは、その文言が用いられている全てのテンプレートに対して適用される。また、就業規則が記録されている記録場所(URL)についても具体的な場所が示されている。
【0073】
問合せ回答サーバ装置Sは、この設定テーブルの内容に基づいて、各業務フロー・テーブルの内容を置き換えて、当該企業のための業務フローを生成する。このようにして生成された就業規則閲覧の業務フォローを図12に示す。
【0074】
これにより、ユーザIDに基づいて雇用形態を取得し、それに応じた回答を行うことができる。2行目は、1行目にて社員DBから取得した雇用形態が「社員」である場合の処理、3行目は同じく雇用形態が「派遣」である場合の処理、4行目は同じく雇用形態が「契約」である場合の処理、5行目は同じく雇用形態が「アル・パート」である場合の処理ということを表している。
【0075】
たとえば、「社員」の場合には、問合せ回答サーバ装置Sは、メッセージとして「下記を参照下さい。kisoku/seishain/shuugyou.pdf」を端末装置Tに送信する。これを受け取ったユーザは、URLをクリックすることで自分に合致した就業規則を閲覧できる。
【0076】
以上のように、業務フロー・テンプレートを用意しておくことで、各企業における導入が容易となる。
【0077】
上記では、社内で用いられている用語への置き換えを行った。しかし、使用しているシステムとの関係で置き換えを行う場合もある。たとえば、テンプレートには、「クラウドストレージ」との文言になっており、当該企業で用いている具体的なシステム名(one drive(商標)、drop box(商標)など)に置き換える場合もある。
【0078】
なお、上記では用語とURL(ファイルパス)の置き換えを説明したが、その他、会社(組織)にて用いられているシステム(WINDOWS(商標)、Android(商標)など)や、用いられているサービス(ビジネスチャットの種類、アプリケーションソフトウエアの種類など)もテーブルにて設定することが好ましい。
【0079】
また、上記導入時に、予め準備されているテンプレートのうちいずれを使用するかを選択するようにしてもよい。各テンプレートに使用・未使用のフラグを設けておき、これを設定するようにする。未使用のテンプレートは、処理対象から外されることになる。
【0080】
1.5その他
(1)上記実施形態では、ユーザの属性を業務フローの選択に用いている。しかし、業務フロー内の処理の分岐において、ユーザ属性を用いるようにしてもよい。
【0081】
(2)上記実施形態では、他のシステムとの連携を行って処理をしている。しかし、他のシステムとの連携を行わず、問合せ回答サーバ装置Sが自ら処理を行うようにしてもよい。たとえば、ユーザからの質問に対する回答(Q&A)を提供する場合には、問合せ回答サーバ装置がその処理を行うようにしてもよい。この場合、業務フローを用いてもよいし、用いなくともよい。
【0082】
(3)上記実施形態では、ユーザ属性に応じて選択する業務フローを変えるようにしている。しかし、ユーザ属性に応じて使用できる業務フローを変えるようにしてもよい。
【0083】
たとえば、図9Aに示すように、ユーザごとに各業務フローを使用できるかどうかのホワイトリストを用意しておく。図においては、10972のユーザは、有給休暇取得、残業申請の業務フローが使用可能であり、健康診断申し込みは使用できないようになっている。したがって、健康診断申し込みの業務フローを起動するためのキーワードが入力されても、10972のユーザの場合には、問合せ回答サーバ装置Sは、健康診断申し込みの業務フローを起動させない。
【0084】
したがって、ユーザ属性ごとに無駄な業務フローが実行されないように管理することができる。なお、図9Aのホワイトリストに代えて、図9Bに示すようにブラックリスト(使えない業務フロー)を用いるようにしてもよい。
【0085】
(4)上記実施形態では、キーワードに応じて業務フローを選択し起動するようにしている。しかし、いずれの業務フローに割り当てられたキーワードにも該当しない場合、当該ユーザが利用できる業務フローの一覧を表示するようにしてもよい。この場合、上記のホワイトリストまたはブラックリストを用いることができる。
【0086】
この際、業務フローごとに分類(休暇、慶弔、研修など)を付しておき、分類の一覧を表示して、当該分類に属する業務フローのリストを表示するようにしてもよい。
【0087】
また、表示案件が多い場合には、業務フローに付された分類(休暇、慶弔、研修など)などに基づき、絞込を行って表示できるようにしてもよい。
【0088】
(5)上記実施形態では、ユーザ属性として、雇用形態を用いた例を示したが、役職、部署、階級、性別、年齢、在籍年数、入社年度など、そのユーザの属性を示す情報を用いることができる。
【0089】
(6)上記実施形態では、会社を例として説明したが、その他の団体やインターネット上におけるグループなどにも適用することができる。
【0090】
(7)上記実施形態では、図8のステップS204において、正社員勤怠管理システムからの回答のみに基づいて適否を判断している。しかし、正社員勤怠管理システムが適であると判断した後、当該社員の上司(社員DBより取得可能)に、当該社員が有給休暇取得を申請している旨のメッセージを問合せ回答サーバ装置が送信し、その回答が「YES」や「許可」などであれば、「適」であると判断するようにしてもよい。
【0091】
(8)上記実施形態では、システム構築時にテンプレートによって置き換えを行い、置き換えた後の業務フォローを実行するようにしている。しかし、システム構築時には置き換えを行わずに、システム実行時にその都度テンプレートを参照して置き換えを行って実行するようにしてもよい。
【0092】
(9)上記実施形態および変形例は、その本質に反しない限り他の実施形態および変形例と組み合わせて実施可能である。
【0093】
2.第2の実施形態
2.1システム構成
図13に、第2の実施形態による問合せ回答システムの機能構成図を示す。このシステムは、ユーザ端末装置T、UIサーバ装置U、連携装置R、機能サーバ装置Fを備えて構成されている。
【0094】
ユーザ端末装置Tからは、ユーザによる指示が、連携装置Rに送信される。この指示は、UIサーバ装置Uの提供するコミュニケーションプログラムを用いて、UIサーバ装置Uを介した、ユーザ端末装置Tと連携装置Rとのやり取りによって行われる。
【0095】
ユーザの指示に応じて、連携装置Rの応答制御手段4は、機能サーバ装置Fに対し、処理の実行を指示する。応答制御手段4が機能サーバ装置Fから受け取った処理結果(あるいは処理完了の連絡)は、UI連携手段3によって、UIサーバ装置Uを介して、ユーザ端末装置Tに送信される。
【0096】
ユーザは、使い慣れたコミュニケーションプログラムによるユーザインターフェイス(コミュニケーションUI)を用いて、機能サーバ装置Fによる所望の処理を実現することができる。また、その処理結果を得ることができる。ここで、コミュニケーションUIとは、ユーザ同士またはユーザとコンピュータとの間で、コミュニケーションをとるためのユーザインターフェイスをいう。画面によるユーザインターフェイスだけでなく、音声などによるユーザインターフェイスも含む概念である。
【0097】
図14に、問合せ回答システムの一実施形態によるシステム構成を示す。インターネット上には、UIサーバ装置U1~Un、機能サーバ装置F1~Fmが設けられている。インターネットに接続されたユーザ端末装置T1~Tp、管理者端末装置Mからは、インターネットを介して、これらUIサーバ装置U1~Un、機能サーバ装置F1~Fmにアクセス可能となっている。あるいは、これらUIサーバ装置U1~Un、機能サーバ装置F1~Fmから、インターネットを介して、ユーザ端末装置T1~Tp、管理者端末装置Mにアクセス可能となっている。
【0098】
インターネット上には、連携装置Rが設けられている。ユーザ端末装置T1~Tp、管理者端末装置Mからは、インターネットを介して、連携装置Rにアクセス可能となっている。
【0099】
連携装置R、機能サーバ装置Fのハードウエア構成は、図2と同様である。また、端末装置Tの構成も第1の実施形態と同様である。
【0100】
2.2連携処理
図15に、連携プログラム22のフローチャートを示す。この連携処理を利用するユーザは、ユーザ端末装置T1~Tpから、UIサーバ装置U1~Unのいずれかが提供するコミュニケーションシステムにログインする(ステップST1)。この実施形態では、コミュニケーションシステムとして、ラインワークス(商標)、ハングアウト(商標)、チャットワーク(商標)、チームス(商標)などの対話型システムを用いている。
【0101】
以下の説明では、社員がユーザ端末装置T1~Tpにおいて、USB記録装置(USBメモリなど)の使用を禁止されている場合に、一時的にUSB記録装置を使用したい場合を例として、この連携システムの処理を示す。
【0102】
なお、以下の例では、前提として次のようにしてUSB記録装置の利用を禁止するようになっているものとする。端末監視プログラム(機能サーバ装置F1にインストールされている)によって、各ユーザ端末装置T1~TpにおけるUSB記録装置の装着が監視されている。さらに、各ユーザ端末装置T1~Tpにおいて、USB記録装置へのアクセスを行おうとすると、前記端末監視プログラムと協働している端末監視エージェントプログラム(各ユーザ端末プログラムT1~Tpにインストールされている)が、これをブロックするようになっている。
【0103】
ユーザがユーザ端末装置T1において、一時的にUSB記録装置を使用したい場合について説明する。まず、ユーザは、ユーザ端末装置T1を操作して、ユーザが通常使用しているコミュニケーションシステム(UIサーバ装置U1~Unのいずれかが提供するコミュニケーションシステム)の端末側プログラムを立ち上げる。ここでは、UIサーバ装置U1のラインワークス(商標)を用いるものとする。ユーザ端末装置T1は、ユーザの操作に応じて、ラインワークス(商標)の端末側プログラムを起動し、予め記録されているユーザID等をUIサーバ装置U1に送信してログインを行う(ステップST1)。
【0104】
続いて、ユーザは、連携システムのために用意されたラインワークス(商標)のグループの画面(対話室)に、連携装置Rを用いるための文言をキーボードから入力する(ステップST2)。このグループには、連携装置Rの他、ユーザの同僚や上司などがメンバーとして含まれている。なお、グループにはユーザと連携システムのチャットボットのみがメンバーとして含まれる場合もある。
【0105】
この実施形態では、用いる機能ごとに入力すべき文言が予め定められている。たとえば、USB記録装置の一時利用をしたい場合には、「USBを使いたい」という文言を入力するように定めているので、そのように入力する。入力されたメッセージ(文言)は、図16Aに示すように、ラインワークス(商標)の端末側プログラムによってユーザ端末装置T1のディスプレイに表示される。
【0106】
入力されたメッセージは、ユーザ端末装置T1から、UIサーバ装置U1に送信される。UIサーバ装置U1は、ラインワークス(商標)のサーバ側プログラムによってこのメッセージを受信して記録し、ユーザIDとともに、連携装置Rや他のメンバーに送信する(ステップST11)。
【0107】
連携装置Rにおいては、連携プログラム22の処理によって受信したメッセージに含まれる文言に応じて、業務フローが起動される(ステップST21)。連携装置Rのハードディスク14に記録されている業務フローの例を、図17に示す。図17においては、USB一時許可の業務フローのみが示されているが、他にも種々の業務フローが記録されている。
【0108】
業務フローの1行目には、起動のためのトリガとなるキーワードが記録されている。このキーワードは、業務フローごとに異なるものとして指定されている。
【0109】
図17のUSB一時許可の業務フローでは、「USB」「使」の双方の文字がメッセージに含まれていると、起動されるようになっている。ここでは、受け取った「USBを使いたい」というメッセージ中に、「USB」「使」の双方の文字が含まれているので、図17のUSB一時許可の業務フローが起動する。
【0110】
連携装置Rは、以後、この業務フローの記述にしたがって処理を実行する(ステップST22)。
【0111】
図17のUSB一時許可の業務フローを実行した場合のフローチャートを、図18、19に示す。連携装置RのCPU10(以下、連携装置Rと省略することがある)は、業務フローの1行目を実行する。1行目では、会社内のPC資産を管理するアプリケーションであるLanScope Cat(MOTEX社の商標)(ここでは、機能サーバ装置F1にインストールされているものとする)に対して、受け取ったユーザIDのユーザが使用するものとして登録されているユーザ端末装置T1の情報を取得して返信するように指令する。併せて当該ユーザの雇用形態も取得して返信するように指令する(ステップST23)。この指令は、LanScope Cat(商標)において用意されているAPIを用いて行うことができる。
【0112】
ここでは、LanScope Cat(MOTEX社の商標)のシステムに雇用形態が記録されているものとした。しかし、雇用形態は、社員DBなどから取得するようにしてもよい。
【0113】
なお、連携装置Rにおいては、各ユーザについて、ラインワークス(商標)のユーザIDと、LanScope Cat(商標)などの各機能プログラムのユーザIDとの対応表を予め記録している。したがって、連携装置RがLanScope Cat(商標)に対してユーザIDを送る場合には、この対応表を参照し、先に取得したラインワークス(商標)のユーザIDをLanScope Cat(商標)のユーザIDに変換して送信するようにしている。
【0114】
この指令を受け取った機能サーバ装置F1のLanScope Cat(商標)は、当該ユーザの雇用形態、当該ユーザIDに対応付けて登録されているユーザ端末装置の情報(使用ユーザ名、メーカ、機種、ユーザ端末IDなど)を検索し、連携装置Rに返信する(ステップST31)。
【0115】
業務フローの2行目は、トリガとして、取得した雇用形態がアルバイトである場合に実行される。3行目は、正社員、派遣社員、契約社員である場合に実行される。
【0116】
ユーザの雇用形態がアルバイトである場合、USB使用の許可は与えられないので、処理を終了する(ステップST231)。
【0117】
ユーザの雇用形態が正社員、派遣社員、契約社員のいずれかである場合、3行目の処理が実行される。
【0118】
3行目では、ラインワークス(商標)にてユーザ端末装置T1に対するメッセージとして、受信したユーザ端末情報を、UIサーバ装置U1に送信する(ステップST24)。この際、メッセージ内容として「あなたの端末装置はこれですか?」を付加するようにしている。
【0119】
UIサーバ装置U1は、このメッセージを記録するとともに、ユーザ端末装置T1(およびグループの他のユーザのユーザ端末装置)に転送する(ステップST12)。ユーザ端末装置T1は、これを受けて、ディスプレイにメッセージを表示する(ステップS3)。表示されたメッセージを、図16Bに示す。
【0120】
ユーザ端末装置T1のユーザが、これを確認し、正しければ、「YES」をメッセージとして返信する(ステップST4)。違っていれば「NO」をメッセージとして返信する。
【0121】
このメッセージは、UIサーバ装置U1を介して、連携装置R(および他のユーザの端末装置)に送信される(ステップST13)。
【0122】
業務フローの4行目にはトリガとして「NO」が記述され、業務フローの5行目にはトリガとして「YES」が記述されている。したがって、上記の返信メッセージが、「NO」であれば、3行目が実行されて、USB一時許可の処理が終了される(ステップST25)。処理終了の際には、その旨のメッセージが、UIサーバ装置U1を介して、ユーザ端末装置T1に送信される(業務フロー、フローチャートにおいては記述を省略している)。他の処理終了においても同様である。
【0123】
上記の返信メッセージが、「YES」であれば、5行目が実行されることになる。5行目では、LanScope Cat(商標)に対し、2行目で取得したユーザ端末IDによって特定される端末装置(すなわち当該ユーザのユーザ端末装置)のUSBポートに挿入されたUSB記録装置の情報(メーカ名、製品名など)を取得するように指令を行う。さらに、そのUSB記録装置の利用を許可するよう指令する(ステップST26)。
【0124】
LanScope Cat(商標)は、各ユーザ端末装置をリアルタイムで監視し、その状況(USBに装着された機器の情報を含む)を取得している。したがって、LanScope Cat(商標)は、当該ユーザ端末装置T1のUSBポートに装着されたUSB記録装置の情報を取得することができる。また、前述のように、LanScope Cat(商標)は、ユーザ端末装置T1のクライアントプログラムと協働して、ユーザ端末装置T1においてUSBポートを監視し、USB記録装置へのアクセスを禁止するようにしている。
【0125】
上記の利用許可指令を受けると、LanScope Cat(商標)は、ユーザ端末装置T1のクライアントプログラム(および当該ユーザが登録している端末装置のクライアントプログラム)に対し、上記特定したUSB記録装置に対しては、アクセスを許可するように指令する。なお、この使用許可は、所定時間あるいは当該USB記録装置が抜かれるまで継続される。LanScope Cat(商標)は、上記の一時許可処理を完了すると、USB記録装置の情報と一時許可を連携装置Rに返信する(ステップST33)。
【0126】
業務フローの5行目は、トリガとして「YESの処理終了」が記述されている。したがって、5行目の処理が終了すると(一時許可処理の完了がLanScope Cat(商標)から送信されてくると)、6行目が実行されることになる。
【0127】
6行目においては、ラインワークス(商標)にてユーザ端末装置T1(およびグループの他の端末装置)に対して、このUSB記録装置の利用が一時的に許可された旨のメッセージを送信する(ステップST27、ST14)。
【0128】
ユーザ端末装置T1は、このメッセージを受信して、図16Cに示すように、ディスプレイに表示する(ステップST5)。ユーザは、これをみて一時利用の許可があったことを知り、USB記録装置を使用することができる。
【0129】
なお、上記説明では、ユーザが連携装置Rを使用する場合について説明した。しかし、管理者が管理者端末装置Mから、連携装置Rを使用することもできる。特に、管理者の場合は、他のユーザのために、他のユーザが行うべき処理を代行することができる。この実施形態では、これを実現するために、管理者のための業務フローも設けられている。
【0130】
たとえば、管理者が、連携システムのために用意されたラインワークス(商標)にキーワードを入力すると、管理装置Rは、メッセージの送信元が管理者であることをIDによって把握し、管理者用の業務フローを検索する。他のユーザのために代行する場合の管理者用業務フローには、どのユーザのために処理を行うのかをラインワークス(商標)によって質問する項目が設けられている。
【0131】
なお、連携装置Rは、ラインワークス(商標)などのコミュニケーション・システムやLanScope Cat(商標)などの機能システムに対して指示を行うようにしている。各システムの保持するユーザ情報(ユーザIDや氏名やメールアドレス等)は異なるものが登録されている可能性があり、また、デバイス情報のように特定のシステムしか記録していないものもある。そこで、上記実施形態では、たとえば、全てのシステムにおいて同一ユーザについては同一のユーザID(他の項目でも良い)を登録するようにしている。これにより、ユーザIDによってユーザを特定し、他のシステムの情報を利用することができる。
【0132】
2.3システムの構築方法
上記システムの構築方法は、第1の実施形態と同様である。業務フロー・テンプレートを用意しておき、これを用いて構築することができる。
【0133】
2.4その他
(1)上記実施形態では、USB一時許可の場合を例としてあげたが、種々の業務フローを準備しておくことで、様々な処理を自動化して実行することができる。
【0134】
なお、図17の業務フローの例では、連携装置Rとのやり取りの内容がグループに属する他のメンバー(上司など)も見ることができるようにしていた。これは、他の社員の行動を見ることができるようにして、セキュリティ上危ない行動があれば他の社員が注意できる機会を与えるためである。
【0135】
しかし、業務フローに、個人のプライバシーに関係するような内容がやり取りの中に含まれる場合、当該ユーザと連携装置Rのみメッセージの内容を見ることができるようにすることが好ましい。たとえば、グループでのチャットではなく、一対一のチャットとすることが好ましい。
【0136】
(2)上記実施形態では、業務フローにおいて、キーワードの合致をトリガとして当該業務フローの処理を進めるようにしている。しかし、完全一致ではなく曖昧なマッチングを行って実行するようにしてもよい。たとえば、類義語辞書などを用意しておき、キーワードの類義語が入力された場合も動作を開始するようにすることができる。
【0137】
(3)上記実施形態においては、記録された業務フローは固定的なものであった。しかし、各ユーザによる業務フローの使用履歴を連携装置に記録し、当該使用履歴に基づいて、業務フローの内容を自動的に修正(もしくは提案)するようにしてもよい。たとえば、4つの選択肢を提示してユーザからの回答を求める場合があったとして、相当件数の実行がなされた後であっても、その回答数が「0」である選択肢については削除するようにしてもよい。
【0138】
(4)上記実施形態では、連携装置Rは、業務フローによって連携処理を実行するようにしている。しかし、業務フローを用いずに、通常のプログラムなどによってこれを実現するようにしてもよい。
【0139】
(5)上記実施形態では、複数用意された業務フローから自動的に選択された業務フローに従って処理を行うようにしている。しかし、業務フローの一覧を表示し、ユーザが選択した業務フローを実行するようにしてもよい。
【0140】
(6)上記実施形態では、ユーザの使用するコミュニケーションシステム(ラインワークス(商標)など)が一つである場合について説明した。ユーザが、二以上のコミュニケーションシステムを使用している場合には、連携装置に対してメッセージを送ってきた時に使用したコミュニケーションシステムを用いて処理を進めるようにすればよい。
【0141】
(7)上記実施形態では、他のシステムとの連携を行って処理をしている。しかし、他のシステムとの連携を行わず、問合せ回答サーバ装置Sが自ら処理を行うようにしてもよい。たとえば、ユーザからの質問に対する回答(Q&A)を提供する場合には、問合せ回答サーバ装置がその処理を行うようにしてもよい。この場合、業務フローを用いてもよいし、用いなくともよい。
【0142】
(8)上記実施形態およびその変形例は、その本質に反しない限り、他の実施形態および変形例と組み合わせて実行することができる。
【0143】
3.第3の実施形態
3.1システム構成
図20に、第3の実施形態による問合せ回答システムの機能構成図を示す。ユーザ端末装置Tは、サーバ装置Sに対しメッセージを送信する。サーバ装置Sの受信制御手段6は、通信部2を制御してこのメッセージを受信する。受信したメッセージは、応答制御手段4に渡され、メッセージに含まれるキーワードに基づいて、ユーザに対する質問が生成される。応答制御手段4は、通信部2を制御して、この質問をユーザ端末装置Tに送信する。
【0144】
ユーザ端末装置Tからの質問に対する返答としてのメッセージは、受信制御手段6によって受信され、応答制御手段4に与えられる。応答制御手段4は、このメッセージを受けて、当該メッセージに含まれるキーワードに基づいて質問を生成し、通信部2を介してユーザ端末装置Tに送信する。
【0145】
応答制御手段4は、予め記録されたユーザの問合せに対する回答の中から、いずれを選択するかを、上記の処理を繰り返して決定する。以上の処理を繰り返し、応答制御手段4は、ユーザ端末装置Tのユーザからの問合せに対する結論回答を通信部2を介して送信する。
【0146】
なお、結論回答には、2つの種類のものが設けられている。一つは最終的な回答(ユーザの問合せに対して明確な回答が示されたもの)であり、もう一つは当該問合せに対する問合せ先を回答とするものである。
【0147】
応答制御手段6は、問合せに対し、最終的な回答を示した数と問合せ先を示した数を計数し、これを記録する。管理者端末Mからこの情報を取得することができる。これにより、応答制御手段6における制御のアルゴリズム修正を適切に行うことができる。
【0148】
システム構成、ハードウエア構成は、第1の実施形態と同様である。
【0149】
3.2問合せ回答処理
以下では、この問合せ回答システムを社内の社員からの問合せに用いた場合を例として説明する。
【0150】
図21に、問合せ回答処理のフローチャートを示す。端末プログラム66、サーバプログラム42のフローチャートを示している。
【0151】
ユーザが端末装置Tを操作して問合せサーバ装置Sにアクセスし、ログイン要求を行う。たとえば、予め登録されているユーザID、パスワードをサーバ装置Sに送信する。これにより、端末装置TのCPU30(以下端末装置と省略することがある)は、問合せサーバ装置Sに対して、ユーザID、パスワードを送信しログイン要求を行う(ステップS1)。
【0152】
問合せ回答サーバ装置SのCPU50(以下問合せ回答サーバ装置と省略することがある)は、ユーザIDとパスワードの組合せが予め登録されているものと合致すれば、ログインを認める(ステップS11)。ログインを認めると、問合せ回答サーバ装置Sは、チャット画面を端末装置Tに送信する。
【0153】
図5に、予め登録されているユーザ(社員)のDB例を示す。ユーザID、パスワードとともに、名前、部署、役職、入社年月日などのユーザ属性が記録されている。
【0154】
問合せを行いたいユーザは、端末装置Tのキーボードマウスを操作し、問合せ回答サーバ装置Sに対してメッセージを送信する(ステップS2)。たとえば、ユーザが社内で使っているシステムのパスワードを忘れた場合であれば、図22Aに示すように、チャット画面において「パスワード忘れ」というメッセージを入力し送信する。
【0155】
問合せ回答サーバ装置Sは、受信したメッセージに含まれているキーワードに基づき、対応づけられた業務フローを選択して実行する(ステップS12、S13)。問合せ回答サーバ装置Sには、キーワードに対応付けて複数の業務フローが記録されている。
【0156】
パスワード忘れの業務フローの例を、図23に示す。1行目には、起動のためのトリガとなるキーワードが記録されている。このキーワードは、業務フローごとに異なるものとして指定されている。
【0157】
図23のパスワード忘れの業務フローを実行した場合のフローチャートを、図24に示す。問合せ回答サーバ装置Sは、図23の1行目を実行する。1行目では、ユーザIDを与えて、当該ユーザの使用するシステムとそのパスワードを管理するLanScope Cat(商標)に対し、それを送信するように指示する(ステップS211)。
【0158】
この指示を受け取ったLanScope Cat(商標)は、当該ユーザの使用するシステム(内部のソフトウエア、外部のウエブサービスなど)の一覧と、それぞれのパスワードを抽出し、問合せ回答サーバ装置Sに送信する(ステップS311)。
【0159】
問合せ回答サーバ装置Sは、これを受けて、パスワードを忘れたのがいずれのシステムであるかの質問を作成し、端末装置Tに送信する(図23の2行目、図24のステップS212)。
【0160】
端末装置Tは、これをディスプレイ54に表示する(ステップS111)。図22に、表示された選択質問の例を示す。当該ユーザが使用するシステムとしてLanScope Cat(商標)に登録されているシステムの一覧が、符号とともに示されている。また、該当無しも表示されている。
【0161】
ユーザは、キーボード/マウス60を操作して、いずれのシステムのパスワードが必要であるかを符号にて入力し、送信する(ステップS112)。たとえば、クラウド記録装置のパスワードが必要な場合には、「1」を入力して送信する。一覧にない場合には、「3」を入力して送信する。
【0162】
これを受け取った問合せ回答サーバ装置Tは、いずれのシステムのパスワードが求められているかを判断し、対応するパスワードをリセットしその旨を端末装置Tに送信する(図23、3~5行、図24ステップS214)。端末装置Tは、これをディズプレイに表示する(ステップS113)。図22Cに表示例を示す。これにより、ユーザはパスワードを再設定することができる。なお、ユーザによって再設定されたパスワードを受けて、問合せ回答サーバ装置Sは、そのパスワードの設定を行うが、ここでは説明を省略する。
【0163】
なお、図22Bのリスト中にパスワードを忘れたシステムがない場合、ユーザは「3」を選択して送信する。この場合、問合せ回答サーバ装置Sは、パスワードリセットに代えて、問合せ先を端末装置Tに送信する(図23、最終行、図24ステップS216)。端末装置Tにおいて、このメッセージ(問合せ先)が表示されるので、ユーザは問合せを行うことができる。
【0164】
このように、問合せ回答サーバ装置Sは、対応可能な場合にはパスワードをリセットし、できない場合には問合せ先を送信する。また、問合せ回答サーバ装置Sは、パスワードをリセットした回数(最終的な回答回数)と問合せ先を送信した回数を計数し(ステップS215、S217)、それぞれを記録する。
【0165】
管理者が使用する管理装置Mは、問合せ回答サーバ装置Sのこの記録にアクセスすることができる。したがって、最終的な回答回数を行うことができた比率などを知ることができる。これにより、たとえば、問合せ回答比率の大きい業務フローは改善の余地があることを知ることができる。
【0166】
この実施形態では、最終的な回答を行った回数と問合せ先を送信した回数を取得するようにしている。したがって、ユーザに対して、この業務フローが役立ったかどうかを改めて入力してもらうことなく、その有効性を判断することができる。
【0167】
3.3システムの構築方法
上記システムの構築方法は、第1の実施形態と同様である。業務フロー・テンプレートを用意しておき、これを用いて構築することができる。
【0168】
3.4その他
(1)上記実施形態では、最終的な回答を行った回数と問合せ先を送信した回数を記録するようにしている。しかし、その比率を算出して記録するようにしてもよい。
【0169】
また、問合せ回答サーバ装置Sは、問合せ先送信の比率が所定値以上となった業務フローを自動的に検出し、その業務フローを特定する情報を管理者端末装置Mに送信するようにしてもよい。また、比率ではなく、問合せ先を送信した回数が所定値を超えた業務フローを自動的に検出し、その業務フローを特定する情報を管理者端末装置Mに送信するようにしてもよい。
【0170】
(2)上記実施形態では、図20に示すような構成にてシステムを構築している。しかし、第2の実施形態のようにUI連携手段を用いて実現するようにしてもよい。その場合の機能ブロック図を図25に示す。
【0171】
このシステムは、ユーザ端末装置T、UIサーバ装置U、連携装置R、機能サーバ装置Fを備えて構成されている。
【0172】
ユーザ端末装置Tからは、ユーザによる指示が、連携装置Rに送信される。この指示は、UIサーバ装置Uの提供するコミュニケーションプログラムを用いて、UIサーバ装置Uを介した、ユーザ端末装置Tと連携装置Rとのやり取りによって行われる。
【0173】
ユーザの指示に応じて、連携装置Rの応答制御手段4は、機能サーバ装置Fに対し、処理の実行を指示する。応答制御手段4が機能サーバ装置Fから受け取った処理結果(あるいは処理完了の連絡)は、UI連携手段3によって、UIサーバ装置Uを介して、ユーザ端末装置Tに送信される。
【0174】
ユーザは、使い慣れたコミュニケーションプログラムによるユーザインターフェイス(コミュニケーションUI)を用いて、機能サーバ装置Fによる所望の処理を実現することができる。また、その処理結果を得ることができる。ここで、コミュニケーションUIとは、ユーザ同士またはユーザとコンピュータとの間で、コミュニケーションをとるためのユーザインターフェイスをいう。画面によるユーザインターフェイスだけでなく、音声などによるユーザインターフェイスも含む概念である。
【0175】
(3)上記実施形態およびその変形例は、その本質に反しない限り、他の実施形態および変形例と組み合わせて実行することができる。
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