(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-09
(45)【発行日】2022-09-20
(54)【発明の名称】通信装置、通信方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04W 76/16 20180101AFI20220912BHJP
H04B 1/59 20060101ALI20220912BHJP
H04B 5/02 20060101ALI20220912BHJP
H04W 4/00 20180101ALI20220912BHJP
H04W 4/80 20180101ALI20220912BHJP
H04W 48/18 20090101ALI20220912BHJP
H04W 84/10 20090101ALI20220912BHJP
H04W 88/06 20090101ALI20220912BHJP
【FI】
H04W76/16
H04B1/59
H04B5/02
H04W4/00 110
H04W4/80
H04W48/18
H04W84/10 110
H04W88/06
(21)【出願番号】P 2019519547
(86)(22)【出願日】2018-05-08
(86)【国際出願番号】 JP2018017740
(87)【国際公開番号】W WO2018216459
(87)【国際公開日】2018-11-29
【審査請求日】2021-03-26
(31)【優先権主張番号】P 2017100858
(32)【優先日】2017-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】504134520
【氏名又は名称】フェリカネットワークス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121131
【氏名又は名称】西川 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082131
【氏名又は名称】稲本 義雄
(74)【代理人】
【識別番号】100168686
【氏名又は名称】三浦 勇介
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 孝
【審査官】▲高▼橋 真之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/184652(WO,A1)
【文献】特開2011-217043(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02846473(EP,A1)
【文献】特開2015-211379(JP,A)
【文献】特開2017-085447(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0029596(US,A1)
【文献】特開2006-303924(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00-99/00
H04B 1/59
H04B 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信相手との間で
NFCを用いた通信
であるNFC通信を行う
NFC通信部と、
前記
NFC通信に先行し、前記
NFC通信よりも
通信範囲が広い
近距離無線通信を用いて前記通信相手から通知された識別情報を取得する取得部と、
前記
NFC通信部および前記取得部を制御する制御部と
を備え、
前記制御部は、取得された前記識別情報に対応するパラメータファイルを取得し、前記パラメータファイルに基づき、前記
NFC通信部に対して前記
NFC通信におけるパラメータを設定
し、前記通信相手との間で前記NFC通信を行った後、または、前記パラメータの設定から所定の時間が経過した後、前記パラメータをデフォルト値に変更する
ように構成される
通信装置。
【請求項2】
前記パラメータファイルを保持する保持部
をさらに備え、
前記制御部は、前記保持部から前記パラメータファイルを取得する
ように構成される
請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記制御部は、取得された識別情報に対応する前記パラメータファイルが前記保持部に保持されていない場合、取得された識別情報に対応する前記パラメータファイルをデータベースサーバから取得する
ように構成される
請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記データベースサーバから取得した前記パラメータファイルを前記保持部に保持させる
ように構成される
請求項3に記載の通信装置。
【請求項5】
前記識別情報は、前記通信相手の機種、または、前記通信相手が採用されているCL(contactless)サービスの少なくとも一方を表す
請求項
2に記載の通信装置。
【請求項6】
前記保持部には、前記通信装置が発売される国または地域において
使用されている前記通信相手
の機種に対応する
前記パラメータファイルが保持されている
請求項5に記載の通信装置。
【請求項7】
前記保持部には、前記通信装置が発売される国または地域において
使用されている前記通信相手
のCLサービスに対応する
前記パラメータファイルが保持されている
請求項5に記載の通信装置。
【請求項8】
前記保持部には、さらに、デフォルトパラメータファイル
が保持されて
おり、
前記制御部は、前記デフォルトパラメータファイルに基づいて前記パラメータを前記デフォルト値に変更する
請求項
2に記載の通信装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記取得部によって複数の識別情報が取得された場合、前記
保持部から前記デフォルトパラメータファイルを取得し、前記デフォルトパラメータファイルに基づき、前記
パラメータを
前記デフォルト値に設定する
ように構成される
請求項8に記載の通信装置。
【請求項10】
前記制御部は、複数の識別情報が取得された場合、取得時の信号強度が強い方の識別情報に対応する前記パラメータファイルを取得し、前記パラメータファイルに基づき、前記
NFC通信部に対して前記
NFC通信におけるパラメータを設定する
ように構成される
請求項
1に記載の通信装置。
【請求項11】
通信相手との間で
NFCを用いた通信
であるNFC通信を行う
NFC通信部を備える通信装置の通信方法において、
前記通信装置による、
前記
NFC通信に先行し、前記
NFC通信よりも
通信範囲が広い
近距離無線通信を用いて前記通信相手から通知された識別情報を取得する取得ステップと、
取得された前記識別情報に対応するパラメータファイルを取得し、前記パラメータファイルに基づき、前記
NFC通信部に対して前記
NFC通信におけるパラメータを設定する設定ステップと、
前記通信相手との間で前記NFC通信を行った後、または、前記パラメータの設定から所定の時間が経過した後、前記パラメータをデフォルト値に変更する変更ステップと
を含む通信方法。
【請求項12】
コンピュータを、
通信相手との間で
NFCを用いた通信
であるNFC通信を行う
NFC通信部と、
前記
NFC通信に先行し、前記
NFC通信よりも
通信範囲が広い
近距離無線通信を用いて前記通信相手から通知された識別情報を取得する取得部と、
前記
NFC通信部および前記取得部を制御する制御部として機能させ、
前記制御部は、取得された前記識別情報に対応するパラメータファイルを取得し、前記パラメータファイルに基づき、前記
NFC通信部に対して前記
NFC通信におけるパラメータを設定
し、前記通信相手との間で前記NFC通信を行った後、または、前記パラメータの設定から所定の時間が経過した後、前記パラメータをデフォルト値に変更する
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、通信装置、通信方法、およびプログラムに関し、特に、規格等が異なる様々な相手と速やかに通信できるようにした通信装置、通信方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
非接触近距離無線通信の規格としてNFC(Near Field Communication)が知られている。NFCは、公共交通機関の改札、電子商取引、身分証明書等のさまざまなCL(contactless)サービスに世界中の各国、各地域で利用されている。各CLサービスでは、例えば暗号化方式などのプロトコルパラメータが個別に設定されている。
【0003】
ただし、NFCには、RFの通信方式がそれぞれ異なる複数のタイプ(Type A,Type B,type F)が存在しており、例えば、日本では第1のタイプが広く普及しているが、北米では第2のタイプが普及しており、また、欧州では第3のタイプが普及しているように、地球上の各国、各地域において広く普及しているタイプが異なっている。
【0004】
したがって、NFCを採用しているCLサービスを利用する場合、利用者はCLサービス提供者側に備えられているNFCリーダのタイプとCLサービスに対応しているICカードやNFCチップが搭載されたスマートフォン等の電子機器(以下、NFCデバイスと称する)を用いる必要がある。
【0005】
ICカードを用いる場合、通常、ICカードは、対応するタイプとCLサービスが固定されているので、利用者が適切なICカードを選択すれば問題は生じない。
【0006】
一方、NFCデバイスを用いる場合、NFCデバイスは、複数のタイプ、複数のCLサービスに対応可能とされていることが多いので、NFCリーダのタイプとCLサービスに、NFCデバイスの設定を対応させる処理が必要となる。具体的には、例えば、NFCデバイスがスマートフォンである場合、利用しようするCLサービスに対応したアプリケーションプログラムを利用者が起動する等の手間が必要となる。
【0007】
なお、地球上の各地域において広く普及しているタイプが異なっている状況を利用し、GPS(Global Positioning Signal)信号を受信してNFCデバイスが位置する地域を特定し、その地域にて広く普及しているタイプにNFCデバイスの設定を対応させる技術は既に提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に記載の技術の場合、利用しようするCLサービスのNFCリーダが、その地域にて広く普及しているタイプではないことがあり得る。その場合、その地域にて広く普及しているタイプとは異なるタイプのNFCリーダと、その地域にて広く普及しているタイプに対応するように設定されたNFCデバイスとの間では通信を行うことができない。
【0010】
また、利用しようするCLサービスのNFCリーダが、その地域にて広く普及しているタイプであっても、NFCリーダは同一のタイプに属するものであって、規定の範囲内で機種毎にRFの通信特性にバラツキが有ることが有るので、NFCデバイスとの間で通信できないことが起こり得る。
【0011】
さらに、特許文献1に記載の技術では、NFCデバイスをNFCリーダのタイプに対応させることはできても、NFCリーダのCLサービスに対応させることはできず、依然として利用者の手間が必要である。
【0012】
本技術はこのような状況に鑑みてなされたものであり、機種やサービスが異なる様々な通信相手と速やかに近距離無線通信を行えるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本技術の一側面である通信装置は、通信相手との間でNFCを用いた通信であるNFC通信を行うNFC通信部と、前記NFC通信に先行し、前記NFC通信よりも通信範囲が広い近距離無線通信を用いて前記通信相手から通知された識別情報を取得する取得部と、前記NFC通信部および前記取得部を制御する制御部とを備え、前記制御部は、取得された前記識別情報に対応するパラメータファイルを取得し、前記パラメータファイルに基づき、前記NFC通信部に対して前記NFC通信におけるパラメータを設定し、前記通信相手との間で前記NFC通信を行った後、または、前記パラメータの設定から所定の時間が経過した後、前記パラメータをデフォルト値に変更するように構成される。
【0014】
本技術の一側面である通信方法は、通信相手との間でNFCを用いた通信であるNFC通信を行うNFC通信部を備える通信装置の通信方法において、前記通信装置による、前記NFC通信に先行し、前記NFC通信よりも通信範囲が広い近距離無線通信を用いて前記通信相手から通知された識別情報を取得する取得ステップと、取得された前記識別情報に対応するパラメータファイルを取得し、前記パラメータファイルに基づき、前記NFC通信部に対して前記NFC通信におけるパラメータを設定する設定ステップと、前記通信相手との間で前記NFC通信を行った後、または、前記パラメータの設定から所定の時間が経過した後、前記パラメータをデフォルト値に変更する変更ステップとを含む。
【0015】
本技術の一側面であるプログラムは、コンピュータを、通信相手との間でNFCを用いた通信であるNFC通信を行うNFC通信部と、前記NFC通信に先行し、前記NFC通信よりも通信範囲が広い近距離無線通信を用いて前記通信相手から通知された識別情報を取得する取得部と、前記NFC通信部および前記取得部を制御する制御部として機能させ、前記制御部は、取得された前記識別情報に対応するパラメータファイルを取得し、前記パラメータファイルに基づき、前記NFC通信部に対して前記NFC通信におけるパラメータを設定し、前記通信相手との間で前記NFC通信を行った後、または、前記パラメータの設定から所定の時間が経過した後、前記パラメータをデフォルト値に変更する。
【0016】
本技術の第1の側面においては、NFCを用いた通信であるNFC通信に先行し、前記NFC通信よりも通信範囲が広い近距離無線通信を用いて通信相手から通知された識別情報が取得され、取得された前記識別情報に対応するパラメータファイルが取得され、前記パラメータファイルに基づき、前記通信相手との間で前記NFC通信を行うNFC通信部に対して前記NFC通信におけるパラメータが設定され、前記通信相手との間で前記NFC通信を行った後、または、前記パラメータの設定から所定の時間が経過した後、前記パラメータがデフォルト値に変更される。
【発明の効果】
【0021】
本技術の一側面によれば、機種やサービスが異なる様々な通信相手と速やかに近距離無線通信を行うことができる。
【0023】
なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本技術を適用したNFC通信システムの構成例を示すブロック図である。
【
図2】本技術を適用したNFC通信システムの変形例を示すブロック図である。
【
図3】NFCデバイスの構成例を示すブロック図である。
【
図4】各NFCデバイスに保持されるRFパラメータファイルと、DBサーバに蓄積されるRFパラメータファイルの関係を示す図である。
【
図5】各NFCデバイスに保持されるプロトコルパラメータファイルと、DBサーバに蓄積されるプロトコルパラメータファイルの関係を示す図である。
【
図6】BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)におけるアドバタイジング通信のタイミングチャートを示している。
【
図7】アドバタイズパケットのデータ構造を示す図である。
【
図8】NFCリーダ識別情報に基づいてRFパラメータを設定する処理を説明するフローチャートである。
【
図9】NFCリーダ識別情報に基づいてRFパラメータを設定する処理を説明するフローチャートである。
【
図10】NFCリーダ識別情報に基づいてRFパラメータを設定する処理を説明するフローチャートである。
【
図11】NFC通信終了時の処理を説明するフローチャートである。
【
図12】RFパラメータ設定変更タイマ満了時の処理を説明するフローチャートである。
【
図13】CLサービス識別情報に基づいてプロトコルパラメータを設定する処理を説明するフローチャートである。
【
図14】CLサービス識別情報に基づいてプロトコルパラメータを設定する処理を説明するフローチャートである。
【
図15】CLサービス識別情報に基づいてプロトコルパラメータを設定する処理を説明するフローチャートである。
【
図16】NFC通信終了時の処理を説明するフローチャートである。
【
図17】プロトコルパラメータ設定変更タイマ満了時の処理を説明するフローチャートである。
【
図18】複数のNFCリーダ識別情報に基づいてRFパラメータを設定する処理を説明するフローチャートである。
【
図19】複数のNFCリーダ識別情報に基づいてRFパラメータを設定する処理を説明するフローチャートである。
【
図20】複数のNFCリーダ識別情報に基づいてRFパラメータを設定する処理を説明するフローチャートである。
【
図21】複数のNFCリーダ識別情報に基づいてRFパラメータを設定する処理を説明するフローチャートである。
【
図22】RFパラメータ設定後のNFC通信を説明するフローチャートである。
【
図23】RFパラメータ設定変更後のタイマ満了時の処理を説明するフローチャートである。
【
図24】複数のNFCリーダ識別情報に基づいてRFパラメータを設定する処理を説明するフローチャートである。
【
図25】複数のNFCリーダ識別情報に基づいてRFパラメータを設定する処理を説明するフローチャートである。
【
図26】複数のNFCリーダ識別情報に基づいてRFパラメータを設定する処理を説明するフローチャートである。
【
図27】RFパラメータ設定後のNFC通信を説明するフローチャートである。
【
図28】RFパラメータ設定変更後のタイマ満了時の処理を説明するフローチャートである。
【
図29】NFC通信システムの第1のユースケースを説明する図である。
【
図30】NFC通信システムの第2のユースケースを説明する図である。
【
図31】NFC通信システムの第3のユースケースを説明する図である。
【
図32】NFC通信システムの第4のユースケースを説明する図である。
【
図33】NFC通信システムの第5のユースケースを説明する図である。
【
図34】コンピュータの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本技術を実施するための最良の形態(以下、実施の形態と称する)について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、説明は、以下の順序で行なう。
1.本技術の概要
2.本技術の実施の形態であるNFC通信システムの構成例
3.NFCデバイス20の構成例
4.BLEパケットについて
5.NFC通信に先行してNFCリーダ識別情報を通知する場合の動作
6.NFC通信に先行してCLサービス識別情報を通知する場合の動作
7.複数のNFCリーダ識別情報を同時に取得した場合の対処方法
7-1.複数のNFCリーダ識別情報を同時に取得した場合の第1の動作
7-2.複数のNFCリーダ識別情報を同時に取得した場合の第2の動作
8.NFCシステムのユースケースについて
8-1.NFCシステムの第1のユースケースについて
8-2.NFCシステムの第2のユースケースについて
8-3.NFCシステムの第3のユースケースについて
8-4.NFCシステムの第4のユースケースについて
8-5.NFCシステムの第5のユースケースについて
9.まとめ
10.一連の処理のソフトウェアによる実行について
【0026】
<1.本技術の概要>
本技術は、タイプや採用されているCLサービスが異なる様々なNFCリーダと、NFCデバイスとの間で速やかにNFCによる通信(以下、NFC通信と称する)を行えるようにするためのものである。
【0027】
具体的には、NFC通信に先行して、NFCリーダからNFCデバイスに対して、NFCよりも通信範囲が広いBLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)等の近距離無線通信を用いて、NFCリーダのNFCリーダ識別情報またはCLサービスのCLサービス識別情報を通知するようにする。ここで、NFCの通信範囲は、数10cm以内であるのに対し、BLE等の通信範囲は、数m乃至10m程度はあるものとする。ただし、実際に運用する場合、BLEの出力を絞り、その通信範囲を2乃至3m程度にしてもよい。
【0028】
なお、NFCは、本技術の第1の近距離無線通信とみなすことができ、BLEは、本技術の第2の近距離無線通信とみなすことができる。
【0029】
NFCデバイスでは、通知されたNFCリーダ識別情報またはCLサービス識別情報に基づき、RFパラメータやプロトコルパラメータを設定する。これにより、この後に行われるNFC通信が速やか、かつ、確実に実行されることになる。
【0030】
<2.本技術の実施の形態であるNFC通信システムの構成例>
図1は、本技術の実施の形態であるNFC通信システムの構成例を示している。
【0031】
なお、本明細書において、システムとは、複数の構成要素(装置、モジュール(部品)等)の集合を意味し、すべての構成要素が同一筐体中にあるか否かは問わない。したがって、別個の筐体に収納され、ネットワークを介して接続されている複数の装置、及び、1つの筐体の中に複数のモジュールが収納されている1つの装置は、いずれも、システムである。
【0032】
図1に示されるNFC通信システムは、NFCリーダ10とNFCデバイス20を有する。
【0033】
NFCリーダ10は、識別情報出力部11を有する。識別情報出力部11は、NFCリーダ10がNFCデバイス20とNFC通信を行う前に、BLE等の近距離無線通信を用いて、該NFCリーダ10の機種を表すNFCリーダ識別情報、または、該NFCリーダ10が用いられているCLサービスを表すCLサービス識別情報の少なくとも一方をNFCデバイス20に通知する。識別情報出力部11は、本技術の通知部とみなすことができる。
【0034】
なお、識別情報出力部11が用いる近距離無線通信はBLEに限るものではなく、NFCよりも通信範囲が広ければ、任意の近距離無線通信を採用することができる。
【0035】
NFCデバイス20は、NFCチップが搭載された電子機器であり、例えば、スマートフォン、携帯電話、スマートウォッチ等が想定される。
【0036】
図2は、NFC通信システムの変形例を示している。この変形例は、従来のNFCリーダ12に識別情報出力デバイス13を追加することにより、NFCリーダ10を実現したものである。識別情報出力デバイス13は、識別情報出力部11と同様、NFCリーダ12がNFCデバイス20とNFC通信を行う前に、BLE等の近距離無線通信を用いて、該NFCリーダ12の機種を表すNFCリーダ識別情報、または、該NFCリーダ12が用いられているCLサービスを表すCLサービス識別情報の少なくとも一方をNFCデバイス20に通知する。
【0037】
<3.NFCデバイス20の構成例>
図3は、NFCデバイス20の構成例を示している。
【0038】
NFCデバイス20は、NFCC21、アンテナ22、eSE23、UICC24、DH25、BLE通信部26、およびメモリ部27を有する。NFCC21と、eSE23、UICC24、DH25、およびメモリ部27とは、有線により接続され、相互に通信可能とされる。
【0039】
NFCC(NFC Controller)21は、アンテナ22を介してNFCリーダ10と近距離無線通信を行う。なお、NFCC21は、本技術の第1の近距離無線通信部とみなすことができる。
【0040】
eSE(Embedded Secure Element)23は、各CLサービスにおけるセキュリティ機能、または各CLサービスを実現する。
【0041】
UICC(Universal Integrated Circuit Card)24は、例えば、SIM(Subscriber Identity Module)カードから構成され、各CLサービスを実現する。
【0042】
DH(Device Host)25は、NFCC21およびBLE通信部26を制御する。なお、DH25は、本技術の制御部とみなすことができる。
【0043】
また、DH25は、通信できたNFCリーダ10に対応するRFパラメータファイルおよびプロトコルパラメータファイルを生成してメモリ部27に保持する。
【0044】
RFパラメータファイルには、該NFCデバイス20の機種を表すNFCデバイス機種識別情報、通信できたNFCリーダ10の機種を表すNFCリーダ識別情報、および、その通信の際に設定されていたRFパラメータが記述されているものとする。
【0045】
RFパラメータには、負荷変調強度LMA、共振周波数設定値、受信感度調整値、共振回路のQ値、または、ALM(位相制御)における位相シフト量のうちの少なくとも一つが含まれているものとする。
【0046】
プロトコルパラメータファイルには、該NFCデバイス20の機種を表すNFCデバイス機種識別情報、通信できたNFCリーダ10が採用されているCLサービスを表すCLサービス情報、および、その通信の際に設定されていたプロトコルパラメータが記述されているものとする。
【0047】
また、DH25は、通信網31を介してDB(Data Base)サーバ40に接続し、生成したRFパラメータファイルおよびプロトコルパラメータファイルをDBサーバ40に蓄積させる。さらに、DH25は、DBサーバ40に蓄積されているRFパラメータファイルおよびプロトコルパラメータファイルを取得する。
【0048】
さらに、DH25は、メモリ部27から読み出すか、DBサーバ40から取得するRFパラメータファイルに基づいて、RFパラメータをNFCC21に設定する。
【0049】
なお、DH25がNFCC21に設定するRFパラメータは、NFCC毎に固有に定義しているRFパラメータ設定レジスタのアドレスと設定値という形で設定してもよいし、例えば、RFテクノロジ、LMAレベル値、ALM(Active Load Modulation)の位相オフセット値のように物理量として抽象化された値を設定してもよい。
【0050】
同様に、DH25は、メモリ部27から読み出すか、DBサーバ40から取得するプロトコルパラメータファイルに基づいて、プロトコルパラメータをNFCC21に設定する。
【0051】
BLE通信部26は、NFCリーダ10との間でBLEによる通信を行い、NFCリーダ10から通知されるNFCリーダ識別情報およびCLサービス識別情報を、DH25を介してNFCC21に通知する。なお、BLE通信部26は、本技術の取得部とみなすことができる。
【0052】
メモリ部27は、NFCデバイス20の内部ストレージであり、DH25にて生成されたRFパラメータファイルおよびプロトコルパラメータファイルを保持する。なお、メモリ部27は、本技術の保持部とみなすことができる。
【0053】
通信網31は、移動機通信網やインターネット等の双方向の電気通信ネットワークを指す。
【0054】
DBサーバ40は、複数のNFCデバイス20が共有するものであり、各NFCデバイス20から送信されたRFパラメータファイルおよびプロトコルパラメータファイルを蓄積する。また、DBサーバ40は、蓄積しているRFパラメータファイルおよびプロトコルパラメータを、NFCデバイス20からの要求に応じて供給する。
【0055】
ここで、各NFCデバイス20のメモリ部27に保持されるRFパラメータファイルおよびプロトコルパラメータファイルと、DBサーバ40に蓄積されるRFパラメータファイルおよびプロトコルパラメータファイルとの関係について説明する。
【0056】
図4は、日本で販売されるNFCデバイス20のメモリ部27に保持されるRFパラメータファイルと、欧州で販売されるNFCデバイス20のメモリ部27に保持されるRFパラメータファイルと、DBサーバ40に蓄積されるRFパラメータファイルとの関係を示している。
【0057】
日本で販売されるNFCデバイス20のメモリ部27には、出荷段階において日本で使用されている複数のNFCリーダ10との間でそれぞれ通信可能であって検定合格するように調整したRFパラメータを含むRFパラメータファイル(file1、file2、file3、・・・)が予め保持されている。
【0058】
一方、欧州で販売されるNFCデバイス20のメモリ部27には、出荷段階において欧州で使用されている複数のNFCリーダ10との間でそれぞれ通信可能であって検定合格するように調整したRFパラメータを含むRFパラメータファイル(file101、file102、file103、・・・)が予め保持されている。
【0059】
なお、日本で販売されるNFCデバイス20と欧州で販売されるNFCデバイス20のメモリ部27に、特定のNFCリーダ10との間で調整したものではなく、標準的な値に設定されたRFパラメータが記述されているデフォルトRFパラメータファイル(file0)が予め保持されているようにしてもよい。
【0060】
一方、DBサーバ40には、各国、各地域で発売されるNFCデバイス20のメモリ部27に予め保持される全てのRFパラメータファイルが蓄積されているものとする。なお、DBサーバ40には、NFCデバイス20が発売された後に、各国、各地域で使用が開始されたNFCリーダ10との間で調整したRFパラメータを含むRFパラメータファイルが随時追加して蓄積されるものとする。
【0061】
したがって、日本等で販売されるNFCデバイス20のメモリ部27に、全世界で使用されている複数のNFCリーダ10とそれらが設置される位置情報との組み合わせのそれぞれに対応する大量のRFパラメータファイルを予め保持させて出荷する場合に比較し、メモリ部27に保持させるデータ量を大幅に削減することができる。
【0062】
なお、例えば、日本で販売されたNFCデバイス20を欧州で使用する場合、該NFCデバイス20は、NFC通信に先行して、NFCリーダ10からBLE等によってNFCリーダ識別情報を受け取り、該NFCリーダ識別情報に基づいてDBサーバ40から対応するRFパラメータファイルを取得すればよい。
【0063】
次に、
図5は、日本で販売されるNFCデバイス20のメモリ部27に保持されるプロトコルパラメータファイルと、欧州で販売されるNFCデバイス20のメモリ部27に保持されるプロトコルパラメータファイルと、DBサーバ40に蓄積されるプロトコルパラメータファイルとの関係を示している。
【0064】
日本で販売されるNFCデバイス20のメモリ部27には、出荷段階において日本で提供されている各CLサービスにそれぞれ対応するように調整されたプロトコルパラメータを含むプロトコルパラメータファイルを含むプロトコルパラメータファイル(file1、file2、file3、・・・)が予め保持されている。
【0065】
一方、欧州で販売されるNFCデバイス20のメモリ部27には、出荷段階において欧州で提供されている各CLサービスにそれぞれ対応するように調整されたプロトコルパラメータを含むプロトコルパラメータファイルを含むプロトコルパラメータファイル(file101、file102、file103、・・・)が予め保持されている。
【0066】
なお、日本で販売されるNFCデバイス20と欧州で販売されるNFCデバイス20のメモリ部27に、特定のCLサービスに対応するように調整されたプロトコルパラメータではなく、標準的なプロトコルパラメータとして、例えば、EMVCoサービスに対応するEuropay,MasterCard,VISA protcolを含むデフォルトプロトコルパラメータファイル(file0)が予め保持されているようにしてもよい。
【0067】
一方、DBサーバ40には、各国、各地域で発売されるNFCデバイス20のメモリ部27に保持されている全てのプロトコルパラメータファイルが蓄積されているものとする。なお、DBサーバ40には、NFCデバイス20が発売された後に登場したCLサービスに対応するプロトコルパラメータを含むプロトコルパラメータファイルが随時追加して蓄積されるものとする。
【0068】
したがって、日本等で販売されるNFCデバイス20のメモリ部27に、全世界で提供されている複数のCLサービスとそれらが提供されている場所の位置情報との組み合わせにそれぞれ対応する大量のプロトコルパラメータファイルを予め保持させて出荷する場合に比較し、メモリ部27に保持させるデータ量を大幅に削減することができる。
【0069】
なお、例えば、日本で販売されたNFCデバイス20を欧州で使用する場合、該NFCデバイス20は、NFC通信に先行して、NFCリーダ10からBLE等によってCLサービス識別情報を受け取り、該CLサービス識別情報に基づいてDBサーバ40から対応するプロトコルパラメータファイルを取得すればよい。
【0070】
<4.BLEパケットについて>
上述したように、NFCリーダ10側からNFCデバイス20にNFCリーダ識別情報またはCLサービス識別情報を通知するにはBLEが用いられる。具体的には、BLEのアドバタイジング通信の一部が利用される。
【0071】
図6は、NFCリーダ10によるアドバタイジング通信のタイミングチャートを示している。
【0072】
アドバタイジング通信では、例えば、100ms間隔で周期的にアドバタイズパケットが送信される。
【0073】
図7は、アドバタイジング通信にて周期的に送信されるアドバタイズパケットのデータ構造を示している。
【0074】
アドバタイズパケットにNFCリーダ識別情報を格納する場合、PDUパケットのヘッダの先頭の4ビットに記述するPDU typeをADV_NONCONN_INDとする。そして、PDUパケットのペイロードの後半24ビットに記述するcompany_idにNFCリーダ識別情報を格納し、ペイロードの前半24ビットのcompany_assignedに、company_idにNFCリーダ識別情報が格納されていることを表す固有番号を記述する。
【0075】
なお、アドバタイズパケットにCLサービス識別情報を格納する場合も同様にすればよい。すなわち、PDUパケットのヘッダの先頭の4ビットに記述するPDU typeをADV_NONCONN_INDとする。そして、PDUパケットのペイロードの後半24ビットに記述するcompany_idにCLサービス識別情報を格納し、ペイロードの前半24ビットのcompany_assignedに、company_idにCLサービス識別情報が格納されていることを表す固有番号を記述する。
【0076】
なお、アドバタイズパケットを用いて、NFCリーダ識別情報とCLサービス識別情報を同時に通知するようにしてもよい。
【0077】
<5.NFC通信に先行してNFCリーダ識別情報を通知する場合の動作>
図8乃至
図10は、NFC通信に先立ち、NFCリーダ識別情報を通知する場合における、NFCデバイス20の起動後の動作を説明するフローチャートである。
【0078】
ステップS1において、DH25は、メモリ部27に保持されているデフォルトRFパラメータファイルに基づいてRFパラメータをNFCC21に設定する。ステップS2において、DH25は、カレント識別情報をデフォルトに設定する。ステップS3において、NFCC21は、DH25からの制御に従い、NFC通信の相手を探索するRF Discoveryを開始する。
【0079】
次に、ステップS4において、BLE通信部26は、DH25からの制御に従い、BLEのアドバタイズパケットを確認することにより、NFCリーダ10から通知されるNFCリーダ識別情報の検索を開始し、ステップS5において、NFCリーダ識別情報を検出できたか否かを判定する。ここで、NFCリーダ識別情報を検出できなかった場合、処理はステップS4に戻される。
【0080】
ステップS5において、NFCリーダ識別情報を検出できた場合、それを取得し、処理はステップS6に進められる。ステップS6において、DH25は、現在、NFC通信実行中であるか否かを判定する。ここで、NFC通信実行中であると判定した場合、処理はステップS4に戻される。
【0081】
ステップS6において、NFC通信実行中ではないと判定した場合、処理はステップS7に進められる。ステップS7において、DH25は、取得できたNFCリーダ識別情報とカレント識別情報とが同一のものであるか否かを判定する。ここで、同一のものであると判定した場合、取得できたNFCリーダ識別情報に対応するNFCリーダ10に対して該NFCデバイス20は既に対応済みであるので、処理はステップS4に戻される。
【0082】
ステップS7において、取得できたNFCリーダ識別情報とカレント識別情報とが異なるものであると判定された場合、処理はステップS8に進められる。ステップS8において、NFCC21は、カレント識別情報を、取得できたNFCリーダ識別情報に更新する。
【0083】
次に、ステップS9において、DH25は、メモリ部27における、取得できたNFCリーダ識別情報(カレント識別情報)に対応するRFパラメータファイルの探索を開始し、ステップS10において、取得できたNFCリーダ識別情報に対応するRFパラメータファイルがメモリ部27に保持されているか否かを判定する。ここで、対応するRFパラメータファイルがメモリ部27に保持されていると判定された場合、処理は、
図9のステップS21に進められる。
【0084】
ステップS21において、DH25は、メモリ部27から該RFパラメータファイルを取得する。ステップS22において、NFCC21は、DH25からの制御に従い、RF Discoveryを停止する。この後、ステップS23において、DH25は、メモリ部27から取得したRFパラメータファイルに記載されているRFパラメータをNFCC21に設定する。さらに、DH25は、ステップS24において、RFパラメータ設定変更済フラグをTrueに設定し、ステップS25において、RFパラメータ設定変更タイマの計時をスタートする。
【0085】
次に、ステップS26において、NFCC21は、DH25からの制御に従い、停止していたRF Discoveryを再開する。この段階において、NFCC21には最適なRFパラメータが設定されているので、NFC通信を高い確度で実行することができる。この後、処理は、ステップS4に戻されて、それ以降が繰り返される。
【0086】
一方、ステップS10において、取得できたNFCリーダ識別情報に対応するRFパラメータファイルがメモリ部27に保持されていないと判定された場合、処理は、
図10のステップS31に進められる。
【0087】
ステップS31において、DH25は、通信網31を介してDBサーバ40に接続し、取得できたNFCリーダ識別情報に対応するRFパラメータファイルの探索を開始し、ステップS32において、該RFパラメータファイルがDBサーバ40に蓄積されているか否かを判定する。ここで、該RFパラメータファイルがDBサーバ40に蓄積されていると判定された場合、処理はステップS33に進められる。
【0088】
ステップS33において、DH25は、DBサーバ40から該RFパラメータファイルをダウンロードする。
【0089】
ステップS34において、DH25は、DBサーバ40からダウンロードしたRFパラメータファイルをメモリ部27に保持させる。この後、処理は、
図9のステップS21に進められる。この場合、NFCC21には、DBサーバ40からダウンロードされたRFパラメータファイルに基づいて、RFパラメータが設定されることになる。
【0090】
一方、ステップS32において、対応するRFパラメータファイルがDBサーバ40に蓄積されていないと判定された場合、処理は、
図8のステップS4に戻される。この場合、既にNFCC21に設定済のデフォルトのRFパラメータがNFCを用いた通信に使用されることになる。
【0091】
次に、
図11は、上述したステップS3等の処理としてRF Discoveryが開始された後、該NFCデバイス20がNFCリーダ10にかざされてNFC通信が開始された時の処理を説明するフローチャートである。
【0092】
ステップS51において、DH25は、NFC通信実行中であるか否かを判定し、NFC通信が終了するまで待機する。NFC通信が終了した場合、処理をステップS52に進める。ステップS52において、DH25は、RFパラメータ設定変更フラグを確認してTrueであるか否かを判定する。ここで、RFパラメータ設定変更フラグがTrueであると判定された場合、処理はステップS53に進められ、NFCC21のRFパラメータの設定がデフォルトに戻される。
【0093】
すなわち、ステップS53において、DH25は、RFパラメータ設定変更フラグをFalseに設定する。ステップS54において、DH25は、メモリ部27からデフォルトRFパラメータファイルを取得する。ステップS55において、NFCC21は、DH25からの制御に従い、RF Discoveryを停止する。この後、ステップS56において、DH25は、メモリ部27から取得したデフォルトRFパラメータファイルに記載されているRFパラメータをNFCC21に設定する。
【0094】
ステップS57において、NFCC21は、カレント識別情報をデフォルトに設定する。ステップS58において、NFCC21は、DH25からの制御に従い、NFC通信の相手を探索するRF Discoveryを再開する。この後、処理は、
図8のステップS4に戻されて、それ以降が繰り返される。
【0095】
一方、ステップS52において、RFパラメータ設定変更フラグがTrueではないと判定された場合、NFCC21のRFパラメータの設定はデフォルトの状態であるので、ステップS53乃至S58はスキップされ、処理は、
図8のステップS4に戻されて、それ以降が繰り返される。
【0096】
次に、
図12は、上述したステップS25の処理として、計時がスタートされたRFパラメータ設定変更タイマが、所定の満了時間を超えた時の処理を説明するフローチャートである。
【0097】
なお、この処理は、
図11を参照して説明した処理と実質的に同じであり、同一のステップ番号(S51乃至S58)を付与しているので、その説明は省略する。
【0098】
以上説明したように、NFC通信に先行してNFCリーダ識別情報を通知することにより、NFCデバイス20のNFCC21に対して最適なRFパラメータが設定されるので、その後に行われるNFC通信では、良好な通信条件下で確実に通信を行うことができる。
【0099】
<6.NFC通信に先行してCLサービス識別情報を通知する場合の動作>
次に、
図13乃至
図15は、NFC通信に先立ち、CLサービス識別情報を通知する場合における、NFCデバイス20の起動後の動作を説明するフローチャートである。
【0100】
ステップS71において、DH25は、メモリ部27に保持されているデフォルトプロトコルパラメータファイルに基づいてプロトコルパラメータをNFCC21に設定する。ステップS72において、DH25は、カレント識別情報をデフォルトに設定する。ステップS73において、NFCC21は、DH25からの制御に従い、NFC通信の相手を探索するRF Discoveryを開始する。
【0101】
次に、ステップS74において、BLE通信部26は、BLEのアドバタイズパケットを確認することにより、NFCリーダ10から通知されるCLサービス識別情報の検索を開始し、ステップS75において、CLサービス識別情報を検出できたか否かを判定する。ここで、CLサービス識別情報を検出できなかった場合、処理はステップS74に戻される。
【0102】
ステップS75において、CLサービス識別情報を検出できた場合、それを取得し、処理はステップS76に進められる。ステップS76において、DH25は、現在、NFC通信実行中であるか否かを判定する。ここで、NFC通信実行中であると判定した場合、処理はステップS74に戻される。
【0103】
ステップS76において、NFC通信実行中ではないと判定した場合、処理はステップS77に進められる。ステップS77において、DH25は、取得できたCLサービス識別情報とカレント識別情報とが同一のものであるか否かを判定する。ここで、同一のものであると判定した場合、取得できたCLサービス識別情報に対応するCLサービスに対して該NFCデバイス20は既に対応済みであるので、処理はステップS74に戻される。
【0104】
ステップS77において、取得できたCLサービス識別情報とカレント識別情報とが異なるものであると判定された場合、処理はステップS78に進められる。ステップS78において、DH25は、カレント識別情報を、取得できたCLサービス識別情報に更新する。
【0105】
次に、ステップS79において、DH25は、メモリ部27における、取得できたCLサービス識別情報(カレント識別情報)に対応するプロトコルパラメータファイルの探索を開始し、ステップS80において、該プロトコルパラメータファイルがメモリ部27に保持されているか否かを判定する。ここで、該プロトコルパラメータファイルがメモリ部27に保持されていると判定された場合、処理は、
図14のステップS91に進められる。
【0106】
ステップS91において、DH25は、メモリ部27から該プロトコルパラメータファイルを取得する。ステップS92において、NFCC21は、DH25からの制御に従い、RF Discoveryを停止する。この後、ステップS93において、DH25は、メモリ部27から取得したプロトコルパラメータファイルに記載されているプロトコルパラメータをNFCC21に設定する。さらに、DH25は、ステップS94において、プロトコルパラメータ設定変更済フラグをTrueに設定し、ステップS95において、プロトコルパラメータ設定変更タイマの計時をスタートさせる。
【0107】
次に、ステップS96において、NFCC21は、DH25からの制御に従い、停止していたRF Discoveryを再開する。この段階において、NFCC21には最適なプロトコルパラメータが設定されているので、NFC通信を高い確度で実行することができる。この後、処理は、ステップS74に戻されて、それ以降が繰り返される。
【0108】
一方、ステップS80において、取得できたCLサービス識別情報に対応するプロトコルパラメータファイルがメモリ部27に保持されていないと判定された場合、処理は、
図15のステップS101に進められる。
【0109】
ステップS101において、DH25は、通信網31を介してDBサーバ40に接続して、該プロトコルパラメータファイルの探索を開始し、ステップS102において、該プロトコルパラメータファイルがDBサーバ40に蓄積されているか否かを判定する。ここで、該プロトコルパラメータファイルがDBサーバ40に蓄積されていると判定された場合、処理はステップS103に進められる。
【0110】
ステップS103において、DH25は、DBサーバ40から該プロトコルパラメータファイルをダウンロードする。
【0111】
ステップS104において、DH25は、DBサーバ40からダウンロードしたプロトコルパラメータファイルをメモリ部27に保持させる。この後、処理は、
図14のステップS91に進められる。この場合、NFCC21には、DBサーバ40からダウンロードされたプロトコルパラメータファイルに基づいて、プロトコルパラメータが設定されることになる。
【0112】
一方、ステップS102において、対応するCLサービスパラメータファイルがDBサーバ40に蓄積されていないと判定された場合、処理は、
図13のステップS74に戻される。この場合、既にNFCC21に設定済のデフォルトのプロトコルパラメータが、NFCを用いた通信に使用されることになる。
【0113】
次に、
図16は、上述したステップS73等の処理としてRF Discoveryが開始された後、該NFCデバイス20がNFCリーダ10にかざされてNFC通信が開始された時の処理を説明するフローチャートである。
【0114】
ステップS121において、DH25は、NFC通信中であるか否かを判定し、NFC通信が終了するまで待機する。そして、NFC通信が終了した場合、処理をステップS122に進める。ステップS122において、DH25は、プロトコルパラメータ設定変更フラグを確認してTrueであるか否かを判定する。ここで、プロトコルパラメータ設定変更フラグがTrueであると判定された場合、NFCC21のプロトコルパラメータの設定をデフォルトに戻すために、処理はステップS123に進められる。
【0115】
ステップS123において、DH25は、プロトコルパラメータ設定変更フラグをFalseに設定する。ステップS124において、DH25は、メモリ部27からデフォルトプロトコルパラメータファイルを取得する。ステップS125において、NFCC21は、DH25からの制御に従い、RF Discoveryを停止する。この後、ステップS126において、DH25は、メモリ部27から取得したデフォルトプロトコルパラメータファイルに記載されているプロトコルパラメータをNFCC21に設定する。
【0116】
ステップS127において、DH25は、カレント識別情報をデフォルトに設定する。ステップS128において、NFCC21は、DH25からの制御に従い、NFC通信の相手を探索するRF Discoveryを再開する。この後、処理は、
図13のステップS74に戻されて、それ以降が繰り返される。
【0117】
一方、ステップS122において、プロトコルパラメータ設定変更フラグがTrueではないと判定された場合、NFCC21のプロトコルパラメータの設定はデフォルトの状態であるので、ステップS123乃至S128はスキップされ、処理は、
図13のステップS74に戻されて、それ以降が繰り返される。
【0118】
次に、
図17は、上述したステップS95の処理として、計時がスタートされたプロトコルパラメータ設定変更タイマが、所定の満了時間を超えた時の処理を説明するフローチャートである。
【0119】
なお、この処理は、
図16を参照して説明した処理と実質的に同じであり、同一のステップ番号(S121乃至S128)を付与しているので、その説明は省略する。
【0120】
以上説明したように、NFC通信に先行してCLサービス識別情報を通知することにより、NFCデバイス20のNFCC21に対して最適なプロトコルパラメータが設定されるので、その後に行われるNFC通信では、良好な通信条件下で確実に通信を行うことができる。
【0121】
<7.複数のNFCリーダ識別情報を同時に取得した場合の対処方法>
NFCシステムの現実的な運用を考慮した場合、NFCデバイス20が、同時に異なる複数のNFCリーダ10からNFCリーダ情報を取得することも起こり得る。その場合、NFCデバイス20としては、複数のNFCリーダ識別情報にいずれにも対応し得るように、デフォルトのRFパラメータを設定する第1の動作を行うか、複数のNFCリーダ識別情報のうちの一つ(例えば、RSSI(信号強度)が最も強いもの)を選択し、それに対応できるようにRFパラメータを設定する第2の動作を行うようにすればよい。
【0122】
<7-1.複数のNFCリーダ識別情報を同時に取得した場合の第1の動作>
図18乃至
図21は、同時に異なる複数のNFCリーダ10からNFCリーダ情報を取得した場合にNFCデバイス20がデフォルトのRFパラメータを設定する第1の動作を説明するフローチャートである。
【0123】
ステップS131において、DH25は、メモリ部27に保持されているデフォルトRFパラメータファイルに基づいてNFCC21にRFパラメータを設定する。ステップS132において、DH25は、カレント識別情報をデフォルトに設定する。ステップS133において、DH25は、取得したNFCリーダ識別情報の数を表す識別情報カウンタを0に設定する。ステップS134において、NFCC21は、DH25からの制御に従い、NFC通信の相手を探索するRF Discoveryを開始する。
【0124】
次に、ステップS135において、BLE通信部26は、BLEのアドバタイズパケットを確認することにより、NFCリーダ10から通知されるNFCリーダ識別情報の検索を開始し、ステップS136において、NFCリーダ識別情報を検出できたか否かを判定する。ここで、NFCリーダ識別情報を検出できなかった場合、処理はステップS135に戻される。
【0125】
ステップS136において、NFCリーダ識別情報を検出できた場合、それを取得し、処理はステップS137に進められる。ステップS137において、DH25は、現在、NFC通信実行中であるか否かを判定する。ここで、NFC通信実行中であると判定した場合、処理はステップS135に戻される。
【0126】
ステップS137において、NFC通信実行中ではないと判定した場合、処理はステップS138に進められる。ステップS138において、DH25は、取得できたNFCリーダ識別情報とカレント識別情報とが同一のものであるか否かを判定する。ここで、同一のものであると判定した場合、取得できたNFCリーダ識別情報に対応するNFCリーダ10に対して該NFCデバイス20は既に対応済みであるので、処理はステップS135に戻される。
【0127】
ステップS138において、取得できたNFCリーダ識別情報とカレント識別情報とが異なるものであると判定された場合、処理はステップS139に進められる。ステップS139において、DH25は、識別情報カウンタが0であるか否かを判定する。ここで、識別情報カウンタが0であると判定された場合、処理はステップS140に進められる。
【0128】
ステップS140において、DH25は、カレント識別情報を、取得できたNFCリーダ識別情報に更新する。ステップS141において、DH25は、識別情報カウンタを1に更新する。
【0129】
次に、ステップS142において、DH25は、メモリ部27における、取得できたNFCリーダ識別情報(カレント識別情報)に対応するRFパラメータファイルの探索を開始し、ステップS143において、取得できたNFCリーダ識別情報に対応するRFパラメータファイルがメモリ部27に保持されているか否かを判定する。ここで、対応するRFパラメータファイルがメモリ部27に保持されていると判定された場合、処理は、
図19のステップS151に進められる。
【0130】
ステップS151において、DH25は、メモリ部27から該RFパラメータファイルを取得する。ステップS152において、NFCC21は、DH25からの制御に従い、RF Discoveryを停止する。この後、ステップS153において、DH25は、メモリ部27から取得したRFパラメータファイルに記載されているRFパラメータをNFCC21に設定する。さらに、DH25は、ステップS154において、RFパラメータ設定変更済フラグをTrueに設定し、ステップS155において、RFパラメータ設定変更タイマの計時をスタートする。
【0131】
次に、ステップS156において、NFCC21は、DH25からの制御に従い、停止していたRF Discoveryを再開する。この段階において、NFCC21には最適なRFパラメータが設定されているので、NFC通信を高い確度で実行することができる。この後、処理は、
図18のステップS135に戻されて、それ以降が繰り返される。
【0132】
一方、ステップS143において、取得できたNFCリーダ識別情報に対応するRFパラメータファイルがメモリ部27に保持されていないと判定された場合、処理は、
図20のステップS161に進められる。
【0133】
ステップS161において、DH25は、通信網31を介してDBサーバ40に接続し、取得できたNFCリーダ識別情報に対応するRFパラメータファイルの探索を開始し、ステップS162において、該RFパラメータファイルがDBサーバ40に蓄積されているか否かを判定する。ここで、該RFパラメータファイルがDBサーバ40に蓄積されていると判定された場合、処理はステップS163に進められる。
【0134】
ステップS163において、DH25は、DBサーバ40から該RFパラメータファイルをダウンロードする。
【0135】
ステップS164において、DH25は、DBサーバ40からダウンロードしたRFパラメータファイルをメモリ部27に保持させる。この後、処理は、
図19のステップS151に進められる。この場合、NFCC21には、DBサーバ40からダウンロードされたRFパラメータファイルに基づいて、RFパラメータが設定されることになる。
【0136】
一方、ステップS162において、対応するRFパラメータファイルがDBサーバ40に蓄積されていないと判定された場合、処理は、
図18のステップS135に戻される。この場合、既にNFCC21に設定済のデフォルトのRFパラメータがNFCを用いた通信に使用されることになる。
【0137】
また、ステップS139において、識別情報カウンタが0ではないと判定された場合、処理は、
図21のステップS171に進められる。
【0138】
ステップS171において、カレント識別情報がデフォルトであるか否かを判定する。ここで、カレント識別情報がデフォルトではないと判定した場合、NFCC21のRFパラメータの設定をデフォルトに戻すために、処理はステップS172に戻される。
【0139】
ステップS172において、NFCC21は、DH25からの制御に従い、RF Discoveryを停止する。この後、ステップS173において、DH25は、メモリ部27からデフォルトRFパラメータファイルを取得し、デフォルトRFパラメータファイルに基づいてRFパラメータをNFCC21に設定する。さらに、DH25は、ステップS174において、カレント識別情報をデフォルトに設定し、ステップS175において、RFパラメータ設定変更済フラグをFalseに設定し、ステップS176において、RFパラメータ設定変更タイマの計時を停止して、0にリセットする。この後、ステップS177において、NFCC21は、DH25からの制御に従い、停止していたRF Discoveryを再開する。この段階において、NFCC21にはデフォルトのRFパラメータが設定されたことになる。この後、処理は、
図18のステップS135に戻されて、それ以降が繰り返される。
【0140】
一方、ステップS171において、カレント識別情報がデフォルトであると判定された場合、NFCC21にはデフォルトのRFパラメータが設定されていることになるので、ステップS172乃至S177はスキップされて、処理は、
図18のステップS135に戻されて、それ以降が繰り返される。
【0141】
次に、
図22は、上述したステップS134等の処理としてRF Discoveryが開始された後、該NFCデバイス20がNFCリーダ10にかざされてNFC通信が開始された時の処理を説明するフローチャートである。
【0142】
ステップS181において、DH25は、NFC通信実行中であるか否かを判定し、NFC通信が終了するまで待機する。NFC通信が終了した場合、処理をステップS182に進める。ステップS182において、DH25は、取得したNFCリーダ識別情報の数を表す識別情報カウンタを0に設定する。
【0143】
ステップS183において、DH25は、RFパラメータ設定変更フラグを確認してTrueであるか否かを判定する。ここで、RFパラメータ設定変更フラグがTrueであると判定された場合、処理はステップS184に進められ、NFCC21のRFパラメータの設定がデフォルトに戻される。
【0144】
すなわち、ステップS184において、DH25は、RFパラメータ設定変更フラグをFalseに設定する。ステップS185において、DH25は、メモリ部27からデフォルトRFパラメータファイルを取得する。ステップS186において、NFCC21は、DH25からの制御に従い、RF Discoveryを停止する。この後、ステップS187において、DH25は、メモリ部27から取得したデフォルトRFパラメータファイルに記載されているRFパラメータをNFCC21に設定する。
【0145】
ステップS188において、DH25は、カレント識別情報をデフォルトに設定する。ステップS189において、NFCC21は、DH25からの制御に従い、NFC通信の相手を探索するRF Discoveryを再開する。この後、処理は、
図18のステップS135に戻されて、それ以降が繰り返される。
【0146】
一方、ステップS183において、RFパラメータ設定変更フラグがTrueではないと判定された場合、NFCC21のRFパラメータの設定はデフォルトの状態であるので、ステップS84乃至S189はスキップされ、処理は、
図18のステップS135に戻されて、それ以降が繰り返される。
【0147】
次に、
図23は、上述したステップS155の処理として、計時がスタートされたRFパラメータ設定変更タイマが、所定の満了時間を超えた時の処理を説明するフローチャートである。
【0148】
なお、この処理は、
図22を参照して説明した処理と実質的に同じであり、同一のステップ番号(S181乃至S189)を付与しているので、その説明は省略する。
【0149】
以上説明したように、NFC通信に先行して複数のNFCリーダ識別情報を取得した場合の第1の動作では、NFCデバイス20ではNFCC21に対してデフォルトのRFパラメータが設定できる。
【0150】
なお、NFC通信に先行して複数のCLサービス識別情報を取得した場合にも同様に、NFCデバイス20ではNFCC21に対してデフォルトのプロトコルパラメータが設定できるようにしてもよい。
【0151】
<7-2.複数のNFCリーダ識別情報を同時に取得した場合の第2の動作>
次に、
図24乃至
図26は、同時に異なる複数のNFCリーダ10からNFCリーダ情報を取得した場合、NFCデバイス20が、BLEのRSSI(信号強度)が最も強いNFCリーダ10を選択し、それに対応できるようRFパラメータを設定する第2の動作を説明するフローチャートである。
【0152】
ステップS191において、DH25は、メモリ部27に保持されているデフォルトRFパラメータファイルに基づいてRFパラメータをNFCC21に設定する。ステップS192において、DH25は、カレント識別情報をデフォルトに設定する。ステップS193において、DH25は、カレントRSSIを最小値に設定する。ステップS194において、NFCC21は、DH25からの制御に従い、NFC通信の相手を探索するRF Discoveryを開始する。
【0153】
次に、ステップS195において、BLE通信部26は、BLEのアドバタイズパケットを確認することにより、NFCリーダ10から通知されるNFCリーダ識別情報の検索を開始し、ステップS196において、NFCリーダ識別情報を検出できたか否かを判定する。ここで、NFCリーダ識別情報を検出できなかった場合、処理はステップS195に戻される。
【0154】
ステップS196において、NFCリーダ識別情報を検出できた場合、それを取得し、処理はステップS197に進められる。ステップS197において、DH25は、現在、NFC通信実行中であるか否かを判定する。ここで、NFC通信実行中であると判定した場合、処理はステップS195に戻される。
【0155】
ステップS197において、NFC通信実行中ではないと判定した場合、処理はステップS198に進められる。ステップS198において、DH25は、BLE通信部26から、NFCリーダ識別情報を取得したときのRSSIを取得する。
【0156】
ステップS199において、DH25は、取得できたNFCリーダ識別情報とカレント識別情報とが同一のものであるか否かを判定する。ここで、同一のものであると判定した場合、取得できたNFCリーダ識別情報に対応するNFCリーダ10に対して該NFCデバイス20は既に対応済みであるので、処理はステップS205に進められる。ステップS205において、DH25は、カレントRSSIを、ステップS198で取得したRSSIを用いて更新する。この後、処理はステップS195に戻される。
【0157】
ステップS199において、取得できたNFCリーダ識別情報とカレント識別情報とが異なるものであると判定された場合、処理はステップS200に進められる。ステップS200において、DH25は、取得したRSSIが、カレントRSSIよりも強いか否かを判定する。ここで、取得したRSSIがカレントRSSIよりも強くないと判定された場合、処理はステップS195に戻される。
【0158】
ステップS200において、取得したRSSIがカレントRSSIよりも強いと判定された場合、処理はステップS201に進められる。ステップS201において、NFCC21は、カレント識別情報を、取得できたNFCリーダ識別情報に更新する。ステップS202において、DH25は、カレントRSSIを、ステップS199で取得したRSSIを用いて更新する。
【0159】
次に、ステップS203において、DH25は、メモリ部27における、取得できたNFCリーダ識別情報(カレント識別情報)に対応するRFパラメータファイルの探索を開始し、ステップS204において、取得できたNFCリーダ識別情報に対応するRFパラメータファイルがメモリ部27に保持されているか否かを判定する。ここで、対応するRFパラメータファイルがメモリ部27に保持されていると判定された場合、処理は、
図25のステップS211に進められる。
【0160】
ステップS211において、DH25は、メモリ部27から該RFパラメータファイルを取得する。ステップS212において、NFCC21は、DH25からの制御に従い、RF Discoveryを停止する。この後、ステップS213において、DH25は、メモリ部27から取得したRFパラメータファイルに記載されているRFパラメータをNFCC21に設定する。さらに、DH25は、ステップS214において、RFパラメータ設定変更済フラグをTrueに設定し、ステップS215において、RFパラメータ設定変更タイマの計時をスタートする。
【0161】
次に、ステップS216において、NFCC21は、DH25からの制御に従い、停止していたRF Discoveryを再開する。この段階において、NFCC21にはRSSIの強度がより強いNFCリーダ10に対応するRFパラメータが設定されているので、NFC通信を高い確度で実行することができる。この後、処理は、
図24のステップS195に戻されて、それ以降が繰り返される。
【0162】
一方、ステップS204において、取得できたNFCリーダ識別情報に対応するRFパラメータファイルがメモリ部27に保持されていないと判定された場合、処理は、
図26のステップS221に進められる。
【0163】
ステップS221において、DH25は、通信網31を介してDBサーバ40に接続し、取得できたNFCリーダ識別情報に対応するRFパラメータファイルの探索を開始し、ステップS222において、該RFパラメータファイルがDBサーバ40に蓄積されているか否かを判定する。ここで、該RFパラメータファイルがDBサーバ40に蓄積されていると判定された場合、処理はステップS223に進められる。
【0164】
ステップS223において、DH25は、DBサーバ40から該RFパラメータファイルをダウンロードする。
【0165】
ステップS224において、DH25は、DBサーバ40からダウンロードしたRFパラメータファイルをメモリ部27に保持させる。この後、処理は、
図25のステップS211に進められる。この場合、NFCC21には、DBサーバ40からダウンロードされたRFパラメータファイルに基づいて、RFパラメータが設定されることになる。
【0166】
一方、ステップS222において、対応するRFパラメータファイルがDBサーバ40に蓄積されていないと判定された場合、処理は、
図24のステップS195に戻されて、それ以降が繰り返される。この場合、既にNFCC21に設定済のデフォルトのRFパラメータがNFCを用いた通信に使用されることになる。
【0167】
次に、
図27は、上述したステップS194等の処理としてRF Discoveryが開始された後、該NFCデバイス20がNFCリーダ10にかざされてNFC通信が開始された時の処理を説明するフローチャートである。
【0168】
ステップS231において、DH25は、NFC通信実行中であるか否かを判定し、NFC通が終了するまで待機する。NFC通信が終了した場合、処理をステップS232に進める。ステップS232において、DH25は、カレントRSSIを最小値に設定する。
【0169】
ステップS233において、DH25は、RFパラメータ設定変更フラグを確認してTrueであるか否かを判定する。ここで、RFパラメータ設定変更フラグがTrueであると判定された場合、処理はステップS234に進められ、NFCC21のRFパラメータの設定がデフォルトに戻される。
【0170】
すなわち、ステップS234において、DH25は、RFパラメータ設定変更フラグをFalseに設定する。ステップS235において、DH25は、メモリ部27からデフォルトRFパラメータファイルを取得する。ステップS236において、NFCC21は、DH25からの制御に従い、RF Discoveryを停止する。この後、ステップS237において、DH25は、メモリ部27から取得したデフォルトRFパラメータファイルに記載されているRFパラメータをNFCC21に設定する。
【0171】
ステップS238において、DH25は、カレント識別情報をデフォルトに設定する。ステップS239において、NFCC21は、DH25からの制御に従い、NFC通信の相手を探索するRF Discoveryを再開する。この後、処理は、
図24のステップS195に戻されて、それ以降が繰り返される。
【0172】
一方、ステップS233において、RFパラメータ設定変更フラグがTrueではないと判定された場合、NFCC21のRFパラメータの設定はデフォルトの状態であるので、ステップS234乃至S239はスキップされ、処理は、
図14のステップS195に戻されて、それ以降が繰り返される。
【0173】
次に、
図28は、上述したステップS215の処理として、計時がスタートされたRFパラメータ設定変更タイマが、所定の満了時間を超えた時の処理を説明するフローチャートである。
【0174】
なお、この処理は、
図27を参照して説明した処理と実質的に同じであり、同一のステップ番号(S231乃至S239)を付与しているので、その説明は省略する。
【0175】
以上説明したように、NFC通信に先行して複数のNFCリーダ識別情報を取得した場合の第2の動作では、NFCC21に対してRSSIがより強いNFCリーダ10に対応するRFパラメータが設定できる。
【0176】
なお、NFC通信に先行して複数のCLサービス識別情報を取得した場合にも同様に、NFCC21に対してRSSIがより強いNFCリーダ10に対応するプロトコルパラメータが設定できるようにしてもよい。
【0177】
<8.NFCシステムのユースケースについて>
<8-1.NFCシステムの第1のユースケースについて>
次に、
図29は、NFCシステムの第1のユースケースを説明するための図である。第1のユースケースでは、駅の改札と、駅内の売店のそれぞれにNFCリーダ10が設置されているものとする。
【0178】
NFCデバイス20を所持する利用者が、NFCリーダ10が存在しない駅外等にいる場合、NFCデバイス20のNFCC21にはデフォルトのRFパラメータが設定されている。
【0179】
利用者が改札に設置されているNFCリーダ10のBLE通信可能範囲に入ると、NFCデバイス20には、該NFCリーダ10からNFCリーダ識別情報が通知されて、そのNFCC21には、改札のNFCリーダ10に対して最適なRFパラメータが設定される。したがって、NFCデバイス20は、改札のNFCリーダ10と確実にNFC通信を行うことができるので、利用者は速やかに改札を通ることができる。
【0180】
改札のNFCリーダ10とのNFC通信を終えると、NFCデバイス20のNFCC21には、デフォルトのRFパラメータが設定される。なお、改札のNFCリーダ10に対して最適なRFパラメータが設定されてから所定の時間が経過したときにも、NFCデバイス20のNFCC21には、デフォルトのRFパラメータが設定される。
【0181】
次に、利用者が駅内の売店に設置されているNFCリーダ10のBLE通信可能範囲に入ると、NFCデバイス20には、該NFCリーダ10からNFCリーダ識別情報が通知されて、そのNFCC21には、売店のNFCリーダ10に対して最適なRFパラメータが設定される。したがって、NFCデバイス20は、売店のNFCリーダ10と確実にNFC通信を行うことができるので、利用者は売店にて速やかに買い物(電子決済)を行うことができる。
【0182】
<8-2.NFCシステムの第2のユースケースについて>
次に、
図30は、NFCシステムの第2のユースケースを説明するための図である。第2のユースケースでは、駅の改札にNFCリーダ10が設置されており、駅内の自動販売機は、識別情報出力部11を有していない従来のNFCリーダ12が搭載されているものとする。
【0183】
NFCデバイス20を所持する利用者が、NFCリーダ10が存在しない駅外等にいる場合、NFCデバイス20のNFCC21にはデフォルトのRFパラメータが設定されている。
【0184】
利用者が改札に設置されているNFCリーダ10のBLE通信可能範囲に入ると、NFCデバイス20には、該NFCリーダ10からNFCリーダ識別情報が通知されて、そのNFCC21には、改札のNFCリーダ10に対して最適なRFパラメータが設定される。したがって、NFCデバイス20は、改札のNFCリーダ10と確実にNFC通信を行うことができるので、利用者は速やかに改札を通ることができる。
【0185】
改札のNFCリーダ10とのNFC通信を終えると、NFCデバイス20のNFCC21には、デフォルトのRFパラメータが設定される。なお、改札のNFCリーダ10に対して最適なRFパラメータが設定されてから所定の時間が経過したときにも、NFCデバイス20のNFCC21には、デフォルトのRFパラメータが設定される。
【0186】
この後、利用者が駅内の自動販売機を利用しようとした場合、NFCデバイス20のNFCC21には、デフォルトのRFパラメータが設定されているので、自動販売機のNFCリーダ12とNFC通信による電子決済を実行できる可能性が高い。
【0187】
なお、この自動販売機に搭載されている従来のNFCリーダ12に、
図2に示された識別情報出力デバイス13を追加するようにしてもよい。その場合、利用者のNFCデバイス20は、自動販売機のNFCリーダ12と確実にNFC通信を行うことができるので、利用者は自動販売機にて速やかに買い物(電子決済)を行うことができる。
【0188】
<8-3.NFCシステムの第3のユースケースについて>
次に、
図31は、NFCシステムの第3のユースケースを説明するための図である。第3のユースケースでは、隣接して配置されている複数の自動販売機それぞれにNFCリーダ10が設置されているものとする。また、利用者のNFCデバイス20は、
図18乃至
図21を参照して上述した第1の動作を行うものとする。
【0189】
NFCデバイス20を所持する利用者が、2台の自動販売機にそれぞれ設置されているNFCリーダ10のBLE通信可能範囲に入った場合、NFCデバイス20のNFCC21には、デフォルトのRFパラメータが設定されるので、2台の自動販売機それぞれとNFC通信による電子決済を実行できる可能性を上げることができる。
【0190】
<8-4.NFCシステムの第4のユースケースについて>
次に、
図32は、NFCシステムの第4のユースケースを説明するための図である。第4のユースケースでは、隣接して配置されている複数の自動販売機それぞれにNFCリーダ10が設置されているものとする。また、利用者のNFCデバイス20は、
図24乃至
図26を参照して上述した第2の動作を行うものとする。
【0191】
NFCデバイス20を所持する利用者が、2台の自動販売機にそれぞれ設置されているNFCリーダ10のBLE通信可能範囲に入った場合、NFCデバイス20のNFCC21には、RSSIが強い方のNFCリーダ10に対応するRFパラメータが設定される。同図の場合、自動販売機1の方がRSSIが強いので、NFCデバイス20のNFCC21には、自動販売機1に搭載されているNFCリーダ10に対応するRFパラメータが設定される。よって、NFCデバイス20は、自動販売機1とNFC通信による電子決済を速やかに実行することができる。
【0192】
<8-5.NFCシステムの第5のユースケースについて>
次に、
図33は、NFCシステムの第5のユースケースを説明するための図である。第5のユースケースでは、駅の改札と、駅内の売店のそれぞれにNFCリーダ10が設置されているものとする。
【0193】
NFCデバイス20を所持する利用者が、NFCリーダ10が存在しない駅外等にいる場合、NFCデバイス20のNFCC21にはデフォルトのプロトコルパラメータが設定されている。
【0194】
利用者が改札に設置されているNFCリーダ10のBLE通信可能範囲に入ると、NFCデバイス20には、該NFCリーダ10からCLサービス識別情報が通知されて、そのNFCC21には、改札に採用されているCLサービスに対して最適なプロトコルパラメータが設定される。したがって、NFCデバイス20は、改札のNFCリーダ10と確実にNFC通信を行うことができるので、利用者は速やかに改札を通ることができる。
【0195】
改札のNFCリーダ10とのNFC通信を終えると、NFCデバイス20のNFCC21には、デフォルトのプロトコルパラメータが設定される。なお、改札のNFCリーダ10に対して最適なプロトコルパラメータが設定されてから所定の時間が経過したときにも、NFCデバイス20のNFCC21には、デフォルトのプロトコルパラメータが設定される。
【0196】
次に、利用者が駅内の売店に設置されているNFCリーダ10のBLE通信可能範囲に入ると、NFCデバイス20には、該NFCリーダ10からCLサービス識別情報が通知されて、そのNFCC21には、売店に採用されているCLサービスに対して最適なプロトコルパラメータが設定される。したがって、NFCデバイス20は、売店のNFCリーダ10と確実にNFC通信を行うことができるので、利用者は売店にて速やかに買い物(電子決済)を行うことができる。
【0197】
<9.まとめ>
以上に説明したように、本実施の形態であるNFCシステムによれば、NFC通信に先行して、NFCデバイス20のRFパラメータやプロトコルパラメータを、通信相手となるNFCリーダ10の機種や採用されているCLサービスに合わせて、容易に設定することができる。よって、NFC通信を高い確度で速やかに実行することができる。
【0198】
また、本実施の形態であるNFCシステムでは、RFパラメータファイルを各NFCリーダ10の機種毎に生成するので、個々のパラメータ設定に大きなマージンを持たせることが可能となり、RF通信性能を向上させ、相互接続性を改善させることができる。
【0199】
NFCデバイス20が発売された後、新たなNFCリーダ10やCLサービスが出現した場合にも、それに対応するRFパラメータファイルやプロトコルパラメータファイルをDBサーバ40に追加すれば、発売済みのNFCデバイス20を新たなNFCリーダ10やCLサービスに対応させることができる。
【0200】
NFCデバイス20のメモリ部27やDBサーバ40に記録されるRFパラメータファイルやプロトコルパラメータファイルはデータ量が小さいので、検索やダウンロードを速やかに実行することができる。
【0201】
本実施の形態は、NFC通信には全く影響を及ぼさないため、既存のNFCデバイスやNFCリーダは既存のサービスを享受することができる。
【0202】
なお、本実施の形態においては、NFC通信に先行して、NFCリーダ10からNFCデバイス20に対して、識別情報(NFCリーダ識別情報またはCLサービス識別情報)を通知し、NFCデバイス20がNFCリーダ10に対応するように設定を変更するようにした。反対に、NFC通信に先行して、NFCデバイス20からNFCリーダ10に対して、識別情報を通知し、NFCリーダ10がNFCデバイス20に対応するように設定を変更する場合にも本技術は適用可能である。
【0203】
<10.一連の処理のソフトウェアによる実行について>
ところで、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータにインストールされる。ここで、コンピュータには、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータや、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどが含まれる。
【0204】
図12は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウェアの構成例を示すブロック図である。
【0205】
コンピュータ200において、CPU(Central Processing Unit)201,ROM(Read Only Memory)202,RAM(Random Access Memory)203は、バス204により相互に接続されている。
【0206】
バス204には、さらに、入出力インタフェース205が接続されている。入出力インタフェース205には、入力部206、出力部207、記憶部208、通信部209、およびドライブ210が接続されている。
【0207】
入力部206は、キーボード、マウス、マイクロフォンなどよりなる。出力部207は、ディスプレイ、スピーカなどよりなる。記憶部208は、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる。通信部209は、ネットワークインタフェースなどよりなる。ドライブ210は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリなどのリムーバブルメディア211を駆動する。
【0208】
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU201が、例えば、記憶部208に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース205およびバス204を介して、RAM203にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
【0209】
コンピュータ(CPU201)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブルメディア211に記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供することができる。
【0210】
コンピュータでは、プログラムは、リムーバブルメディア211をドライブ210に装着することにより、入出力インタフェース205を介して、記憶部208にインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部209で受信し、記憶部208にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM202や記憶部208に、あらかじめインストールしておくことができる。
【0211】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであってもよいし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであってもよい。
【0212】
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、他の効果があってもよい。
【0213】
本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0214】
本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
通信相手との間で第1の近距離無線通信を用いた通信を行う第1の近距離無線通信部と、
前記第1の近距離無線通信を用いた通信に先行し、前記第1の近距離無線通信よりも通信可能範囲が広い第2の近距離無線通信を用いて前記通信相手から通知された識別情報を取得する取得部と、
前記第1の近距離無線通信部および前記取得部を制御する制御部と
を備え、
前記制御部は、取得された前記識別情報に対応するパラメータファイルを取得し、前記パラメータファイルに基づき、前記第1の近距離無線通信部に対して前記第1の近距離無線通信におけるパラメータを設定するように構成される
通信装置。
(2)
前記パラメータファイルを保持する保持部をさらに備え、
前記制御部は、前記保持部から前記パラメータファイルを取得するように構成される
前記(1)に記載の通信装置。
(3)
前記制御部は、取得された識別情報に対応する前記パラメータファイルが前記保持部に保持されていない場合、取得された識別情報に対応する前記パラメータファイルをデータベースサーバから取得するように構成される
前記(2)に記載の通信装置。
(4)
前記制御部は、前記データベースサーバから取得した前記パラメータファイルを前記保持部に保持させるように構成される
前記(3)に記載の通信装置。
(5)
前記識別情報は、前記通信相手の機種、または、前記通信相手が採用されているCL(contactless)サービスの少なくとも一方を表す
前記(1)から(4)のいずれかに記載の通信装置。
(6)
前記保持部には、前記通信装置が発売される国または地域において既存の通信相手となる機種に対応するRFパラメータファイルが出荷段階に保持されている
前記(5)に記載の通信装置。
(7)
前記保持部には、前記通信装置が発売される国または地域において既存の前記CLサービスに対応するプロトコルパラメータファイルが出荷段階に保持されている
前記(5)に記載の通信装置。
(8)
前記保持部には、さらに、デフォルトパラメータファイルが出荷段階に保持されている
前記(2)から(7)のいずれかに記載の通信装置。
(9)
前記制御部は、前記取得部によって複数の識別情報が取得された場合、前記メモリ部から前記デフォルトパラメータファイルを取得し、前記デフォルトパラメータファイルに基づき、前記第1の近距離無線通信部に対して前記第1の近距離無線通信におけるパラメータを設定するように構成される
前記(8)に記載の通信装置。
(10)
前記制御部は、複数の識別情報が取得された場合、取得時の信号強度が強い方の識別情報に対応する前記パラメータファイルを取得し、前記パラメータファイルに基づき、前記第1の近距離無線通信部に対して前記第1の近距離無線通信におけるパラメータを設定するように構成される
前記(1)から(8)のいずれかに記載の通信装置。
(11)
通信相手との間で第1の近距離無線通信を用いた通信を行う第1の近距離無線通信部を備える通信装置の通信方法において、
前記通信装置による、
前記第1の近距離無線通信を用いた通信に先行し、前記第1の近距離無線通信よりも通信可能範囲が広い第2の近距離無線通信を用いて前記通信相手から通知された識別情報を取得する取得ステップと、
取得された前記識別情報に対応するパラメータファイルを取得し、前記パラメータファイルに基づき、前記第1の近距離無線通信部に対して前記第1の近距離無線通信におけるパラメータを設定する設定ステップと
を含む通信方法。
(12)
コンピュータを、
通信相手との間で第1の近距離無線通信を用いた通信を行う第1の近距離無線通信部と、
前記第1の近距離無線通信を用いた通信に先行し、前記第1の近距離無線通信よりも通信可能範囲が広い第2の近距離無線通信を用いて前記通信相手から通知された識別情報を取得する取得部と、
前記第1の近距離無線通信部および前記取得部を制御する制御部として機能させ、
前記制御部は、取得された前記識別情報に対応するパラメータファイルを取得し、前記パラメータファイルに基づき、前記第1の近距離無線通信部に対して前記第1の近距離無線通信におけるパラメータを設定する
プログラム。
(13)
通信相手との間で第1の近距離無線通信を用いた通信を行う第1の近距離無線通信部と、
前記第1の近距離無線通信を用いた通信に先行し、前記第1の近距離無線通信よりも通信可能範囲が広い第2の近距離無線通信を用いて識別情報を前記通信相手に通知する通知部と
を備える通信装置。
(14)
前記通知部は、前記通信装置の機種、または、前記通信装置が採用されているCL(contactless)サービスの少なくとも一方を表す前記識別情報を通知するように構成される
前記(13)に記載の通信装置。
(15)
通信相手との間で第1の近距離無線通信を用いた通信を行う第1の近距離無線通信部を備える通信装置の通信方法において、
前記通信装置による、
前記第1の近距離無線通信を用いた通信に先行し、前記第1の近距離無線通信よりも通信可能範囲が広い第2の近距離無線通信を用いて識別情報を前記通信相手に通知する通知ステップを含む
通信方法。
(16)
コンピュータを、
通信相手との間で第1の近距離無線通信を用いた通信を行う第1の近距離無線通信部と、
前記第1の近距離無線通信を用いた通信に先行し、前記第1の近距離無線通信よりも通信可能範囲が広い第2の近距離無線通信を用いて識別情報を前記通信相手に通知する通知部と
して機能させるプログラム。
【符号の説明】
【0215】
10 NFCリーダ, 11 識別情報出力部, 12 NFCリーダ, 13 識別情報出力デバイス, 20 NFCデバイス, 21 NFCC, 22 アンテナ, 23 eSE, 24 UICC, 25 DH, 26 BLE通信部, 27 メモリ部, 31 通信網, 40 DBサーバ, 200 コンピュータ, 201 CPU