(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-09
(45)【発行日】2022-09-20
(54)【発明の名称】着色有機顔料およびこれを含む電気泳動ディスプレイ媒体
(51)【国際特許分類】
G02F 1/167 20190101AFI20220912BHJP
G02F 1/16757 20190101ALI20220912BHJP
G02F 1/1681 20190101ALI20220912BHJP
【FI】
G02F1/167
G02F1/16757
G02F1/1681
(21)【出願番号】P 2019537352
(86)(22)【出願日】2018-01-08
(86)【国際出願番号】 US2018012733
(87)【国際公開番号】W WO2018136250
(87)【国際公開日】2018-07-26
【審査請求日】2019-07-10
(32)【優先日】2017-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】516101190
【氏名又は名称】イー インク カリフォルニア, エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】リウ, シン
(72)【発明者】
【氏名】ドゥ, フイ
(72)【発明者】
【氏名】ワン, ミン
【審査官】岩村 貴
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/007633(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第103540162(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0244149(US,A1)
【文献】特表2004-526210(JP,A)
【文献】国際公開第2016/182839(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0011913(US,A1)
【文献】特開2010-044114(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/165-1/1685
JSTPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気泳動ディスプレイであって、
少なくとも1つが透明である前方電極および後方電極と、
前記前方電極と後方電極との間に配置された、複数の顔料を含有するカプセル型分散流体であって、前記複数の顔料が第1、第2、および第3の種類の有機顔料粒子、ならびに第4の種類の無機顔料粒子を含み、前記第1の種類の有機顔料粒子が第1の色および第1の帯電極性を有し、前記第1の種類の有機顔料粒子が、シリカコーティング、シランカップリング基、およびポリマー安定剤を含み、ここで前記ポリマー安定剤が、前記シリカコーティングに共有結合したシランカップリング基と共有結合し、前記第2の種類の有機顔料粒子が第2の色および第2の帯電極性を有し、前記第1の色と第2の色が異なり、前記第1および第2の帯電極性が同じであり、前記第3の種類の有機顔料粒子が、第3の色、ならびに前記第1および第2の帯電極性と異なる第3の帯電極性を有し、前記第4の種類の無機顔料粒子が、第4の色および第4の帯電極性を有し、前記第4の色が、前記第1、第2、および第3の色と異なり、そして前記第4の帯電極性が、前記第1および第2の帯電極性と異なり、ここで前記第4の色が、白色または黒色である、カプセル型分散流体とを含む、
電気泳動ディスプレイ。
【請求項2】
前記第1および第2の種類の有機顔料が、PB15:1、PB15:2、PB15:3、PB15:4、PR254、PR122、PR149、PG36、PG58、PG7、PY138、PY150、PY151、PY154およびPY20からなる群から独立して選択される有機コアを含む、請求項1に記載の電気泳動ディスプレイ。
【請求項3】
前記第1および第2の種類の有機顔料が、赤色、緑色、青色、シアン、マゼンタ、または黄色に独立して着色されている、請求項2に記載の電気泳動ディスプレイ。
【請求項4】
前記第4の種類の無機顔料粒子が、金属酸化物、マンガンフェライトブラック、銅クロマイトブラックスピネル、カーボンブラック、硫化亜鉛、およびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の電気泳動ディスプレイ。
【請求項5】
前記ポリマー安定剤が、モノマーまたはマクロモノマーから誘導される、請求項1に記載の電気泳動ディスプレイ。
【請求項6】
前記モノマーが、スチレン、アルファメチルスチレン、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸n-ブチル、メタクリル酸n-ブチル、アクリル酸t-ブチル、メタクリル酸t-ブチル、ビニルピリジン、n-ビニルピロリドン、アクリル酸2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ラウリル、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘキシル、アクリル酸n-オクチル、メタクリル酸n-オクチル、アクリル酸n-オクタデシル、メタクリル酸n-オクタデシル、アクリル酸2-パーフルオロブチルエチル、メタクリル酸2,2,2トリフルオロエチル、メタクリル酸2,2,3,3テトラフルオロプロピル、アクリル酸1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロイソプロピル、メタクリル酸1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロイソプロピル、アクリル酸2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル、アクリル酸2,2,3,3-テトラフルオロプロピル、メタクリル酸2,2,3,4,4,4-ヘキサフルオロブチル、およびメタクリル酸2,2,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロブチルからなる群から選択される、請求項5に記載の電気泳動ディスプレイ。
【請求項7】
前記マクロモノマーが、アクリレート基、ビニル基、またはこれらの組合せからなる群から選択される末端官能基を含有する、請求項5に記載の電気泳動ディスプレイ。
【請求項8】
前記分散流体がマイクロカプセル内にカプセル化される、請求項1に記載の電気泳動ディスプレイ。
【請求項9】
前記分散流体がマイクロセル内にカプセル化される、請求項1に記載の電気泳動ディスプレイ。
【請求項10】
前記分散流体がポリマーマトリックス内にカプセル化される、請求項1に記載の電気泳動ディスプレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2017年1月20日に出願された米国仮出願番号第62/448,683号に基づく優先権および利益を主張しており、その内容は、その全体が本明細書中に参考として援用される。
【0002】
発明の分野
本発明は、電気泳動ディスプレイ媒体に使用される有機顔料に関する。より詳細には、一態様では、本発明は、類似の帯電極性を有する、異なる色に着色された複数の有機顔料を含有する電気泳動システムに関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
「電気光学」という用語は、材料またはディスプレイに適用される場合、本明細書では、少なくとも1種の光学特性が異なる第1および第2の表示状態を有する材料を指すように、画像化技術におけるその従来の意味で使用されており、この材料は、材料への電界の印加により、その第1の表示状態からその第2の表示状態へと変化する。光学特性とは、通常、ヒトの眼には知覚可能な色であるが、光伝送、反射率、発光などの別の光学特性、または、機器による読み取りを目的とするディスプレイの場合には、可視域外の電磁波長反射率の変化という意味での擬似色であってもよい。
【0004】
一部の電気光学材料は、液体または気体を充填した内部空間を有することができ、しかも実際有することが多いが、外部表面が固体であるという意味でこれらの材料は固体である。便宜のため、固体電気光学材料を使用するこのようなディスプレイを、本明細書でこれより以下「固体電気光学ディスプレイ」と称してもよい。よって、「固体電気光学ディスプレイ」という用語は、回転二色部材型ディスプレイ、カプセル型電気泳動ディスプレイ、マイクロセル型電気泳動ディスプレイおよびカプセル型液晶ディスプレイを含む。
【0005】
「双安定」および「双安定性」という用語は、少なくとも1種の光学特性が異なる第1および第2の表示状態、例えば、黒色および白色などを有するディスプレイエレメントを含むディスプレイであって、持続期間が有限のパルスをアドレシングするという手段により任意の所与のエレメントが駆動して、その第1または第2の表示状態のいずれかとなった後、パルスアドレシングの終了後、その状態が、ディスプレイエレメントの状態を変化させるために必要なパルスをアドレシングする最小持続期間の少なくとも数倍、例えば、少なくとも4倍にわたり持続するディスプレイを指すように本明細書において当技術分野でのこれらの従来の意味で使用される。一部の粒子ベースの電気泳動ディスプレイは、これらの極端な黒色および白色状態だけではなく、3つまたはそれより多くの状態、例えば、3色またはそれより多くの色を有するマルチカラーディスプレイなどにおいても安定している。便宜のため、「双安定」という用語は、本明細書では、2つまたはそれより多くの表示状態を有するディスプレイエレメントを網羅するように使用することができる。
【0006】
幾年の間、集中した研究および開発の対象となってきた1つの種類の電気光学ディスプレイが粒子ベースの電気泳動ディスプレイであり、この電気泳動ディスプレイでは、複数の帯電粒子が電界の影響下で流体中を移動する。液晶ディスプレイと比較して、電気泳動ディスプレイは、良好な輝度およびコントラスト、幅広い視角、状態双安定性、および低い消費電力という特質を有することができる。それにもかかわらず、これらのディスプレイの長期的画像品質に問題があり、これらの広範囲におよぶ使用が妨げられてきた。例えば、電気泳動ディスプレイを構成する粒子は沈降する傾向にあり、これによって、これらのディスプレイの耐用年数が不十分となる。
【0007】
マサチューセッツ工科大学(MIT)、E Ink Corporation、E Ink California,LLCおよび関連会社に譲受された、またはこれらの名義による多くの特許および出願は、カプセル型およびマイクロセル型電気泳動および他の電気光学媒体に使用されている様々な技術について記載している。カプセル型電気泳動媒体は多くの小型カプセルを含み、小型カプセルそれ自体がそれぞれ、流体媒体中に電気泳動可動性粒子を含有する内部相と、内部相を取り囲むカプセル壁とを含む。通常、カプセルそれ自体はポリマー結合剤内に保持されて、2つの電極間に配置された干渉層(coherent layer)を形成する。マイクロセル型電気泳動ディスプレイでは、帯電粒子および流体はマイクロカプセル内にカプセル化されておらず、代わりに、通常、ポリマーフィルムである担体媒体内に形成された複数の空洞内に保持されている。これらの特許および出願に記載されている技術は以下を含む:
(a)電気泳動粒子、流体および流体添加物;例えば、米国特許第7,002,728号および第7,679,814号を参照されたい;
(b)カプセル、結合剤およびカプセル化プロセス;例えば、米国特許第6,922,276号および第7,411,719号を参照されたい;
(c)マイクロセル型構造体、壁材料、およびマイクロセルを形成する方法;例えば、米国特許第7,072,095号および第9,279,906号を参照されたい;
(d)マイクロセルを充填および密閉するための方法;例えば、米国特許第7,144,942号および第7,715,088号を参照されたい;
(e)電気光学材料を含有するフィルムおよびサブアセンブリー;例えば、米国特許第6,982,178号および第7,839,564号を参照されたい;
(f)ディスプレイに使用されるバックプレーン、接着層および他の補助層および方法;例えば、米国特許第7,116,318号および第7,535,624号を参照されたい;
(g)カラー形成およびカラー調節;例えば、米国特許第6,017,584号;第6,545,797号;第6,664,944号;第6,788,452号;第6,864,875号;第6,914,714号;第6,972,893号;第7,038,656号;第7,038,670号;第7,046,228号;第7,052,571号;第7,075,502号;第7,167,155号;第7,385,751号;第7,492,505号;第7,667,684号;第7,684,108号;第7,791,789号;第7,800,813号;第7,821,702号;第7,839,564号;第7,910,175号;第7,952,790号;第7,956,841号;第7,982,941号;第8,040,594号;第8,054,526号;第8,098,418号;第8,159,636号;第8,213,076号;第8,363,299号;第8,422,116号;第8,441,714号;第8,441,716号;第8,466,852号;第8,503,063号;第8,576,470号;第8,576,475号;第8,593,721号;第8,605,354号;第8,649,084号;第8,670,174号;第8,704,756号;第8,717,664号;第8,786,935号;第8,797,634号;第8,810,899号;第8,830,559号;第8,873,129号;第8,902,153号;第8,902,491号;第8,917,439号;第8,964,282号;第9,013,783号;第9,116,412号;第9,146,439号;第9,164,207号;第9,170,467号;第9,170,468号;第9,182,646号;第9,195,111号;第9,199,441号;第9,268,191号;第9,285,649号;第9,293,511号;第9,341,916号;第9,360,733号;第9,361,836号;第9,383,623号;および第9,423,666号;ならびに米国特許出願公開第2008/0043318号;第2008/0048970号;第2009/0225398号;第2010/0156780号;第2011/0043543号;第2012/0326957号;第2013/0242378号;第2013/0278995号;第2014/0055840号;第2014/0078576号;第2014/0340430号;第2014/0340736号;第2014/0362213号;第2015/0103394号;第2015/0118390号;第2015/0124345号;第2015/0198858号;第2015/0234250号;第2015/0268531号;第2015/0301246号;第2016/0011484号;第2016/0026062号;第2016/0048054号;第2016/0116816号;第2016/0116818号;および第2016/0140909号を参照されたい;
(h)ディスプレイを駆動するための方法;例えば、米国特許第7,012,600号および第7,453,445号を参照されたい;
(i)ディスプレイの用途;例えば、米国特許第7,312,784号および第8,009,348号を参照されたい;ならびに
(j)非電気泳動ディスプレイ;米国特許第6,241,921号および米国特許出願公開第2015/0277160号に記載のもの;ならびにディスプレイ以外のカプセル化およびマイクロセル型技術の出願;例えば、米国特許出願公開第2015/0005720号および第2016/0012710号を参照されたい。
【0008】
カプセル型電気泳動媒体の中の離散したマイクロカプセルを取り囲む壁を、連続相に置き換えることによって、その中に電気泳動媒体が、電気泳動流体の複数の離散した液滴と、ポリマー材の連続相とを含む、いわゆるポリマー分散型電気泳動ディスプレイを生成することができること、そのようなポリマー分散型電気泳動ディスプレイの電気泳動流体の離散した液滴は、離散したカプセル膜がそれぞれ個々の液滴に付随していなくても、カプセルまたはマイクロカプセルとみなすことができることを、上述の特許および出願の多くが認識している。例えば、上述の米国特許第6,866,760号を参照されたい。したがって、本出願の目的のため、このようなポリマー分散型電気泳動媒体はカプセル型電気泳動媒体の亜種とみなされる。
【0009】
電気泳動ディスプレイは、通常、電気泳動材料の層と、電気泳動材料の反対側の上に置かれた少なくとも2つの他の層とを含み、これら2つの層の1つは電極層である。大部分のこのようなディスプレイにおいて、両方の層が電極層であり、電極層の1つまたは両方はディスプレイのピクセルを画定するようにパターン化される。例えば、一方の電極層を細長い列の電極にパターン化し、他方の電極層を、列電極に対して直角に走る細長いカラム電極にパターン化することができ、ピクセルは列とカラム電極との交点により画定される。代わりに、より一般的には、一方の電極層は単一の連続する電極の形態を有し、他方の電極層はピクセル電極のマトリックスにパターン化され、それぞれがディスプレイの1つのピクセルを画定する。スタイラス、プリントヘッドまたはディスプレイとは別個の類似の移動可能な電極での使用を目的とする別の種類の電気泳動ディスプレイでは、電気泳動層に隣接する層の1つのみが電極を含み、電気泳動層と反対側の層は、通常、移動可能な電極が電気泳動層を損傷するのを防ぐことを意図した保護層である。
【0010】
カプセル型電気泳動ディスプレイは、通常、従来の電気泳動デバイスのクラスタリング化および沈降不具合モードを欠点として有さず、さらなる利点、例えば、多種多様な可撓性および硬質基材の上にディスプレイをプリントまたはコーティングする能力などを提供する。(「プリンティング」という単語の使用は、すべての形態のプリンティングおよびコーティングを含むことを意図し、これらには、これらに限定されないが、予め測定されたコーティング、例えば、パッチダイコーティング、スロットまたは押出しコーティング、スライドまたはカスケードコーティング、カーテンコーティング;ロールコーティング、例えば、ナイフオーバーロールコーティング、フォワードおよびリバースロールコーティング;グラビアコーティング;ディップコーティング;スプレーコーティング;メニスカスコーティング;スピンコーティング;ブラシコーティング;エアナイフコーティング;シルクスクリーンプリントプロセス;静電プリントプロセス;サーマルプリントプロセス;インクジェットプリントプロセス;電気泳動堆積(米国特許第7,339,715号を参照されたい);および他の類似の技術が含まれる)。よって、生産されるディスプレイは可撓性であってよい。さらに、ディスプレイ媒体は(様々な方法を使用して)プリントすることができるので、ディスプレイそれ自体は安価に作製することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】米国特許第7,002,728号明細書
【文献】米国特許第7,679,814号明細書
【文献】米国特許第6,922,276号明細書
【文献】米国特許第7,411,719号明細書
【文献】米国特許第7,072,095号明細書
【文献】米国特許第9,279,906号明細書
【文献】米国特許第7,144,942号明細書
【文献】米国特許第7,715,088号明細書
【文献】米国特許第6,982,178号明細書
【文献】米国特許第7,839,564号明細書
【文献】米国特許第7,116,318号明細書
【文献】米国特許第7,535,624号明細書
【文献】米国特許第6,017,584号明細書
【文献】米国特許第6,545,797号明細書
【文献】米国特許第6,664,944号明細書
【文献】米国特許第6,788,452号明細書
【文献】米国特許第6,864,875号明細書
【文献】米国特許第6,914,714号明細書
【文献】米国特許第6,972,893号明細書
【文献】米国特許第7,038,656号明細書
【文献】米国特許第7,038,670号明細書
【文献】米国特許第7,046,228号明細書
【文献】米国特許第7,052,571号明細書
【文献】米国特許第7,075,502号明細書
【文献】米国特許第7,167,155号明細書
【文献】米国特許第7,385,751号明細書
【文献】米国特許第7,492,505号明細書
【文献】米国特許第7,667,684号明細書
【文献】米国特許第7,684,108号明細書
【文献】米国特許第7,791,789号明細書
【文献】米国特許第7,800,813号明細書
【文献】米国特許第7,821,702号明細書
【文献】米国特許第7,839,564号明細書
【文献】米国特許第7,910,175号明細書
【文献】米国特許第7,952,790号明細書
【文献】米国特許第7,956,841号明細書
【文献】米国特許第7,982,941号明細書
【文献】米国特許第8,040,594号明細書
【文献】米国特許第8,054,526号明細書
【文献】米国特許第8,098,418号明細書
【文献】米国特許第8,159,636号明細書
【文献】米国特許第8,213,076号明細書
【文献】米国特許第8,363,299号明細書
【文献】米国特許第8,422,116号明細書
【文献】米国特許第8,441,714号明細書
【文献】米国特許第8,441,716号明細書
【文献】米国特許第8,466,852号明細書
【文献】米国特許第8,503,063号明細書
【文献】米国特許第8,576,470号明細書
【文献】米国特許第8,576,475号明細書
【文献】米国特許第8,593,721号明細書
【文献】米国特許第8,605,354号明細書
【文献】米国特許第8,649,084号明細書
【文献】米国特許第8,670,174号明細書
【文献】米国特許第8,704,756号明細書
【文献】米国特許第8,717,664号明細書
【文献】米国特許第8,786,935号明細書
【文献】米国特許第8,797,634号明細書
【文献】米国特許第8,810,899号明細書
【文献】米国特許第8,830,559号明細書
【文献】米国特許第8,873,129号明細書
【文献】米国特許第8,902,153号明細書
【文献】米国特許第8,902,491号明細書
【文献】米国特許第8,917,439号明細書
【文献】米国特許第8,964,282号明細書
【文献】米国特許第9,013,783号明細書
【文献】米国特許第9,116,412号明細書
【文献】米国特許第9,146,439号明細書
【文献】米国特許第9,164,207号明細書
【文献】米国特許第9,170,467号明細書
【文献】米国特許第9,170,468号明細書
【文献】米国特許第9,182,646号明細書
【文献】米国特許第9,195,111号明細書
【文献】米国特許第9,199,441号明細書
【文献】米国特許第9,268,191号明細書
【文献】米国特許第9,285,649号明細書
【文献】米国特許第9,293,511号明細書
【文献】米国特許第9,341,916号明細書
【文献】米国特許第9,360,733号明細書
【文献】米国特許第9,361,836号明細書
【文献】米国特許第9,383,623号明細書
【文献】米国特許第9,423,666号明細書
【文献】米国特許出願公開第2008/0043318号明細書
【文献】米国特許出願公開第2008/0048970号明細書
【文献】米国特許出願公開第2009/0225398号明細書
【文献】米国特許出願公開第2010/0156780号明細書
【文献】米国特許出願公開第2011/0043543号明細書
【文献】米国特許出願公開第2012/0326957号明細書
【文献】米国特許出願公開第2013/0242378号明細書
【文献】米国特許出願公開第2013/0278995号明細書
【文献】米国特許出願公開第2014/0055840号明細書
【文献】米国特許出願公開第2014/0078576号明細書
【文献】米国特許出願公開第2014/0340430号明細書
【文献】米国特許出願公開第2014/0340736号明細書
【文献】米国特許出願公開第2014/0362213号明細書
【文献】米国特許出願公開第2015/0103394号明細書
【文献】米国特許出願公開第2015/0118390号明細書
【文献】米国特許出願公開第2015/0124345号明細書
【文献】米国特許出願公開第2015/0198858号明細書
【文献】米国特許出願公開第2015/0234250号明細書
【文献】米国特許出願公開第2015/0268531号明細書
【文献】米国特許出願公開第2015/0301246号明細書
【文献】米国特許出願公開第2016/0011484号明細書
【文献】米国特許出願公開第2016/0026062号明細書
【文献】米国特許出願公開第2016/0048054号明細書
【文献】米国特許出願公開第2016/0116816号明細書
【文献】米国特許出願公開第2016/0116818号明細書
【文献】米国特許出願公開第2016/0140909号明細書
【文献】米国特許第7,012,600号明細書
【文献】米国特許第7,453,445号明細書
【文献】米国特許第7,312,784号明細書
【文献】米国特許第8,009,348号明細書
【文献】米国特許第6,241,921号明細書
【文献】米国特許出願公開第2015/0277160号明細書
【文献】米国特許出願公開第2015/0005720号明細書
【文献】米国特許出願公開第2016/0012710号明細書
【文献】米国特許第7,339,715号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
発明の要旨
しかし、カプセル型電気泳動ディスプレイの耐用年数は、完全に望ましい年数よりも依然として低い。例えば、粒子は凝集してクラスターとなる傾向があり、これによって、その光学的状態の間でのディスプレイの切替のために必要とされる運動を粒子が完了することを妨げられるなどの要因によってこの耐用年数が限定されるようにみえる。電気泳動粒子の物理的特性および表面特徴は、様々な材料を粒子の表面に吸着させること、または様々な材料をこれらの表面に化学的に結合させることにより改変することができる。例えば、有機顔料を含有する電気泳動ディスプレイでは、異なる化学基を有するモノマーが分散重合により顔料上にポリマーコーティングを形成することができ、このコーティングは電荷制御剤と反応して、異なる電荷強度の着色粒子を提供することができる。しかし、色の数が増加するにつれて、異なる色に着色されたポリマーコーティング顔料のいくつかは、コーティングポリマー構造の類似性により互いに分離するのが困難となり得ることが観察された。代替のアプローチは無機の色顔料を使用することであるが、有機顔料の色の強度および輝度は無機顔料より優れている。有機顔料が好ましいことから、複数の着色有機粒子を含有する電気泳動媒体を含む改善された電気光学ディスプレイに対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
発明の要旨
本発明の1つの態様に従い、電気泳動ディスプレイ媒体は、前方電極および後方電極と、前方電極と後方電極との間に配置された、複数の顔料を含有するカプセル型分散流体とを含む。前方電極および後方電極の少なくとも1つは透明であってよい。複数の顔料は、第1および第2の種類の有機顔料粒子を含む。第1の種類の有機顔料粒子は、第1の色および第1の帯電極性を有することができる。第2の種類の有機顔料粒子は、第1の色とは異なる第2の色および第1の帯電極性と同じ第2の帯電極性を有することができる。第1および第2の種類の有機顔料粒子の少なくとも1つは、シリカコーティングおよびこのシリカコーティングに結合したポリマー安定剤を含む。
【0014】
本発明のこれらおよび他の態様は、以下の記載の観点から明らかとなる。
【0015】
図は、限定によるものではなく、単なる例示により、本発明の概念に従い1つの実施を表す。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】図は、本発明の一実施形態による電気泳動ディスプレイデバイスを表す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
詳細な説明
以下の詳細な記載では、多くの特定の詳細は、関連する教示の十分な理解をもたらすために例として記載されている。しかし、本発明の教示はこのような詳細なしに実施することができることは当業者に明らかなはずである。
【0018】
本発明の一実施形態に従い、電気光学ディスプレイに組み込むことができる電気泳動ディスプレイ媒体が提供される。電気光学ディスプレイは、そのうちの少なくとも1つが透明である前方電極および後方電極と、前方電極と後方電極との間に配置された、複数の顔料を含有するカプセル型分散流体とを含んでもよい。複数の顔料は、第1および第2の種類の有機顔料粒子を含み得る。第1の種類の有機顔料粒子は、第1の色および第1の帯電極性を有することができ、第2の種類の有機顔料粒子は第2の色および第2の帯電極性を有することができる。また、第1の色と第2の色は異なってもよいが、第1および第2の帯電極性は同じである。
【0019】
電気泳動ディスプレイ媒体は、第3の色および第3の帯電極性を有する第3の種類の有機顔料を任意選択でさらに含むことができ、この第3の色および第3の帯電極性は両方とも、第1および第2の色ならびに帯電極性とは異なる。第1、第2、および第3の種類の有機顔料粒子のそれぞれは、これらに限定されないが、CI顔料PR254、PR122、PR149、PG36、PG58、PG7、PB28、PB15:1、PB15:2、PB15:3、PB15:4、PY83、PY138、PY150、PY151、PY154、PY155またはPY20、ならびに色指数ハンドブック「New Pigment Application Technology」(CMC Publishing Co, Ltd、1986年)および「Printing Ink Technology」(CMC Publishing Co, Ltd、1984年)に記載の他の一般的に使用されている有機顔料を含み得る。具体例として、Clariant Hostaperm Red D3G 70-EDS、Hostaperm Pink E-EDS、PV fast red D3G、Hostaperm red D3G 70、Hostaperm Blue B2G-EDS、Hostaperm Yellow H4G-EDS、Novoperm Yellow HR-70-EDS、Hostaperm Green GNX、BASF Irgazine red L 3630、Cinquasia Red L 4100 HD、およびIrgazin Red L 3660 HD;Sun Chemicalフタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ジアリライドイエローまたはジアリライドAAOTイエローが挙げられる。さらに、第1、第2、および第3の種類の有機顔料粒子の色は、例えば、独立して着色された赤色、緑色、青色、シアン、マゼンタ、または黄色であってよい。
【0020】
色に加えて、粒子は他の明確な光学的特徴、例えば、光伝送、反射率、発光などを有することができ、または、機器による読み取りを目的とするディスプレイの場合には、可視域外の電磁波長反射率の変化という意味での擬似色であることもある。
【0021】
本発明の様々な実施形態に従い、第1および第2の種類の有機顔料粒子の少なくとも1つは、ポリマー安定剤が結合し得るシリカコーティングを含む。一実施形態では、ポリマー安定剤は、シランカップリング基を含有するポリマーを含むことができ、このシラン基はシリカコーティングに共有結合している。別の実施形態では、ポリマー安定剤は、シラン基を有するシランカップリング剤にイオン結合していてもよく、このシラン基はシリカコーティングに共有結合していてもよい。
【0022】
ここで具体的に図を参照すると、電気泳動流体は、カプセル型分散流体、例えば、誘電性溶媒または溶媒混合物などに分散した4種類の粒子を含み得る。例示を簡略化するために、この4種類の顔料粒子は、図に示されている通り、第1の種類(11)、第2の種類(12)、第3の種類(13)および第4の種類(14)の粒子と呼ぶことができる。しかし、4種類の顔料粒子のみを用いて、電気泳動流体を利用するディスプレイデバイスは、少なくとも5つの異なる色状態を表示することができ、これによって、全カラーディスプレイがもたらされる。分散流体は、当業者に公知の任意の方法、例えば、マイクロカプセル、マイクロセル、またはポリマーマトリックスに従い、任意のサイズまたは形状、例えば、球状などにカプセル化することができ、ミリメートルの範囲またはミクロンの範囲、好ましくは約10~約数100ミクロンの直径を有することができる。
【0023】
様々なコーティング方法を利用して、シリカコーティングを有する有機顔料粒子を提供することができる。例えば、その内容がその全体において参照により本明細書に組み込まれている米国特許第3,639,133号に記載されているコーティング方法はコーティング方法の一例を提供する。有機顔料粒子をコーティングする前に、様々な公知の方法、例えば、超音波処理、ボール粉砕、ジェット粉砕などを使用して、有機顔料粒子の水性スラリーを最初に解凝集およびホモジナイズすることにより粒子を調製することができる。分散剤を水性スラリーに加えて、顔料粒子の解凝集を維持することができる。1つのプロセスでは、有機顔料粒子は、エタノールおよびテトラエチルオルトシリケートの溶液に分散させ、塩基性条件下、室温で20時間反応させて、粒子上にシリカの全般的に均一なコーティングを形成する。コーティングは好ましくは厚さ0.5~10nm、より好ましくは1~5nmである。
【0024】
シリカコーティングの堆積が完了した後、反応混合物のpHは、シリカコーティングした粒子が反応混合物から分離する前に、約4未満、好ましくは約3まで減少させることができる。pHの減少は硫酸を使用して実行するのが便利ではあるが、他の酸、例えば、硝酸、塩酸および過塩素酸を使用することもできる。粒子は、遠心分離により反応混合物から分離するのが便利である。この分離に続いて、粒子を乾燥させる必要はない。代わりに、シリカコーティングした粒子は媒体、通常、水性アルコール媒体中に容易に再分散させて、粒子上でのポリマー安定剤の形成のためのプロセスの次のステップに使用することができる。これによって、顔料粒子は重合性基または重合開始基を結合させるためのプロセスに供され、よって、顔料粒子をこのような基で十分に覆うことが可能となり、マイクロカプセル内に顔料粒子の大きな凝集物(通常、シリカコーティングした顔料から最終的に形成される)が形成されるのを妨げるので、シリカコーティングした顔料粒子を非凝集および非縮合形態で維持することが可能となる。このような凝集物の形成を妨げることは、シリカコーティングした顔料が小型マイクロカプセル(直径約100μm未満)に使用される場合特に重要であり、このような小型マイクロカプセルは、電気泳動媒体の作動電圧および/または切替回数を減少させるので望ましい。
【0025】
本発明の第1の実施形態に従い、ポリマー安定剤は、当業者に公知の様々な重合技術を使用して、1種または複数種のモノマーまたはマクロモノマーから誘導することができる。例えば、シリカコーティングした有機顔料粒子上のポリマー安定剤は、その内容がその全体において参照により本明細書に組み込まれている米国特許第6,822,782号に記載されているランダムグラフト重合(RGP)、イオンランダムグラフト重合(IRGP)、および原子移動ラジカル重合(ATRP)により得ることができる。明細書および特許請求の範囲全体にわたり本明細書で使用される場合、「マクロモノマー」とは、モノマーとして作用することを可能にする1つの末端基を有する巨大分子を意味する。
【0026】
ポリマー安定剤を形成するのに適切なモノマーとして、これらに限定されないが、スチレン、アルファメチルスチレン、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸n-ブチル、メタクリル酸n-ブチル、アクリル酸t-ブチル、メタクリル酸t-ブチル、ビニルピリジン、n-ビニルピロリドン、アクリル酸2-ヒドロキシエチル(2-hydoxyethyl acrylate)、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ラウリル、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘキシル、アクリル酸n-オクチル、メタクリル酸n-オクチル、アクリル酸n-オクタデシル、メタクリル酸n-オクタデシル、アクリル酸2-パーフルオロブチルエチル、メタクリル酸2,2,2トリフルオロエチル、アクリル酸2,2,3,3テトラフルオロプロピルメタクリレート、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロイソプロピル、メタクリル酸1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロイソプロピル、アクリル酸2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル、アクリル酸2,2,3,3-テトラフルオロプロピル、メタクリル酸2,2,3,4,4,4-ヘキサフルオロブチル、およびメタクリル酸2,2,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロブチルなどを挙げることができる。マクロモノマーは、アクリレート基、ビニル基、またはこれらの組合せからなる群から選択される末端官能基を含有することができる。
【0027】
本発明のプロセスでは、重合性モノマーまたはマクロモノマーは、シリカコーティングに共有結合することが可能な1つの基と、モノマーまたはマクロモノマーに共有結合またはイオン結合することが可能な別の基とを有する任意の二官能性化合物を使用して、シリカコーティングした顔料粒子の表面に結合することができる。1つの例では、化合物は、少なくとも1つの重合性基を有するシラン、例えば、上記に列挙された重合性モノマー(例えばメタクリル酸3-(トリメトキシシリル)プロピル)などであってよい。
【0028】
ポリマー安定剤は、シリカコーティングおよびポリマー安定剤を架橋するために使用される二官能性化合物を吸着する、これらに組み込まれる、またはこれらに化学的に結合する反応性のある、重合性モノマーまたはマクロモノマーから形成され得る。ポリマー安定剤は、システムの粒径およびコロイド安定性を決定し、好ましくは、炭化水素溶媒中で複合体顔料粒子を安定化することができる長いポリマー鎖を有する。
【0029】
所望の重合性官能基または重合開始官能基を得るために使用される試薬を記載する上で、ポリマー安定剤が「二官能性」であってもよいという可能性を排除しない。例えば、1つより多くのイオン部位を有する重合開始剤は公知であり(例えば、4,4’-アゾビス(4-シアノ吉草酸)など)、このような開始剤を本発明のプロセスで使用することができる。また、以前に観察されたように、二官能性化合物は、粒子表面に結合する能力を有する繰返し単位および所望の重合性官能基または重合開始官能基を有する他の繰返し単位を含有するマクロモノマーの形態を有することができ、このようなマクロモノマー二官能性化合物は、これらの種類両方の複数の繰返し単位を通常含有するポリマー安定剤を形成することができる。
【0030】
シリカコーティングした顔料への結合に対して好ましいクラスの官能基はシランカップリング基、特にトリアルコキシシランカップリング基である。チタニアおよび類似の顔料に重合性基を結合させるのに特に好ましい1つの試薬は上述のメタクリル酸3-(トリメトキシシリル)プロピルであり、これは、商標名Z6030でDow Chemical Company、Wilmington、Del.から市販されている。対応するアクリレートもまた使用することができる。
【0031】
ポリマー安定剤として使用するための1つの種類のマクロモノマーは、アクリレート末端ポリシロキサン、例えば、Gelest、MCR-M11、MCR-M17、またはMCR-M22などであってよい。本プロセスに適切な別の種類のマクロモノマーは以下に示されているようなPE-PEOマクロモノマーである:
RmO--[--CH2CH2O--]n--CH2-フェニル-CH=CH2;または
RmO--[--CH2CH2O--]n--C(=O)--C(CH3)=CH2。
置換基Rはポリエチレン鎖であってよく、nは1~60であり、mは1~500である。これらの化合物の合成は、Dongri Chaoら、Polymer Journal、23巻、9号、1045頁(1991年)およびKoichi Itoら、Macromolecules、1991年、24巻、2348頁に見出すことができる。さらなる種類の適切なマクロモノマーは以下に示されているようなPEマクロモノマーである:
CH3--[--CH2--]n--CH2O--C(=O)--C(CH3)=CH2。
この場合、このnは30~100である。この種類のマクロモノマーの合成は、Seigou Kawaguchiら、Designed Monomers and Polymers、2000年、3巻、263頁に見出すことができる。
【0032】
粒子上で重合性官能基または重合開始官能基を提供する二官能性化合物を選ぶ場合、試薬内の2つの基の相対的な位置に注目すべきである。ポリマー製造の当業者に明らかであるように、粒子に結合した重合性基または重合開始基の反応速度は、この基が粒子表面近くに堅く保持されているか、またはこの基がその表面から(原子スケールで)距離をあけて配置され、よって、粒子を取り囲んでいる反応媒体まで延びることができるかどうかに応じて大きく変動することがあり、後者は基の化学反応に対して大いにより好ましい環境である。一般的に、2つの官能基の間の直接的な鎖の中に少なくとも3個の原子が存在することが好ましい。例えば、上述のメタクリル酸3-(トリメトキシシリル)プロピルは、シリルとエチレン性不飽和基との間に4個の炭素および1個の酸素原子の鎖をもたらすが、その一方で上述の4-ビニルアニリンは、ベンゼン環の全幅(これは3炭素鎖長とほぼ同等である)、アミノ基(または、実際の反応形態ではジアゾニウム基)をビニル基から分離させている。
【0033】
上記に記載されているプロセスのいずれかにおいて、使用される試薬(例えば、有機コア顔料粒子、シリカシェル材料およびポリマー安定剤を形成するための材料)の量は、生産した複合体顔料粒子において所望の有機含有量を達成するように調整および制御することができる。さらに、本発明のプロセスは1つより多くの段階および/または1つより多くの種類の重合を含むことができる。
【0034】
上述のように、本発明の様々な実施形態に従い作製された粒子は、カプセル化流体に分散される。ポリマー安定剤はカプセル化流体と極めて相容性であることが望ましい。実際に、電気泳動媒体中の懸濁化流体は、通常、炭化水素ベースであるが、ただし、流体は、流体密度を増加させることによって、流体密度と粒子密度との差異を低減させるために使用されるハロ炭素をある割合で含むことができる。したがって、本発明のプロセスで形成されたポリマー安定剤がカプセル化流体と極めて相容性があり、よってポリマー安定剤それ自体が主要な割合の炭化水素鎖を含むことが重要である。ただし、これは、以下に論じている通り、帯電目的で提供される基を除く。強いイオン性の基の多くは炭化水素懸濁化流体にあまり溶解しないポリマー安定剤をもたらし、よって粒子分散の安定性に悪影響を及ぼすので、これらは望ましくない。また、既に論じたように、粒子が使用されることになる媒体が脂肪族炭化水素懸濁化流体を含む場合(一般的にそうであるように)には少なくとも、主鎖と、主鎖から外に広がる複数の側鎖とを有する、分枝または「コーム」構造をポリマー安定剤が有することが有利である。これらの側鎖のそれぞれは、少なくとも約4個、好ましくは少なくとも約6個の炭素原子を有するべきである。実質的により長い側鎖は有利であり得る。例えば、好ましいポリマー安定剤のいくつかはラウリル(C12)側鎖を有し得る。側鎖それら自体は分枝であってよい。例えば、各側鎖は分枝アルキル基、例えば、2-エチルヘキシル基などであることができる。炭化水素ベースの懸濁化流体に対して炭化水素鎖は高親和性を有するため、ポリマー安定剤の枝は大量の液体を介してブラシまたは樹木状構造内で互いに拡散し、よって、懸濁化流体に対する粒子の親和性および粒子分散の安定性を増加させると考えられている(ただし、本発明は、決してこの考えに限定されない)。
【0035】
このようなコームポリマーを形成するための2つの基本的アプローチが存在する。第1のアプローチは、必要な側鎖を本質的に提供するモノマーを使用する。通常、このようなモノマーは、長鎖(少なくとも4個、好ましくは少なくとも6個の炭素原子)の1末端に単一の重合性基を有する。本発明のプロセスにおいて良好な結果をもたらすことが判明しているこの種のモノマーは、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2-エチルヘキシルおよびメタクリル酸ラウリルを含む。メタクリル酸イソブチルおよびアクリル酸2,2,3,4,4,4-ヘキサフルオロブチルもまた成功裏に使用されている。場合によっては、このようなプロセスで形成された側鎖の数を限定することが望ましいこともあり、これは、いくつかの繰返し単位のみが長い側鎖を保有するランダムコポリマーを形成するためにモノマーの混合物(例えば、メタクリル酸ラウリルとメタクリル酸メチルの混合物)を使用することによって達成することができる。RGP-ATRPプロセスに代表される第2のアプローチでは、第1の重合反応はモノマーの混合物を使用して行われ、ここでは、これらのモノマーの少なくとも1つが開始基を保有することによって、このような開始基を含有する第1のポリマーを生成する。次いで、この第1の重合反応の生成物を、通常、第1の重合とは異なる条件下での第2の重合に供するによって、元のポリマー上に追加のモノマーの重合を引き起こすための開始基をポリマー内に引き起こし、これによって所望の側鎖を形成する。上記で論じた二官能性試薬と同様に、2つの重合の間に開始基のいくらかの化学修飾を実行し得るという可能性は排除しない。このようなプロセスでは、側鎖それ自体は大きく分枝されている必要はなく、小さなモノマー、例えば、メタクリル酸メチルから形成することができる。
【0036】
粒子に結合しているエチレンまたは類似のラジカル重合性基のフリーラジカル重合はより高い反応温度、好ましくは60~70℃において、アゾビス(イソブチロニトリル(isobutyryinitrile))(AIBN)などの従来のフリーラジカル開始剤を使用して実行することができ、ATRP重合は、Wang, J. S.ら、Macromolecules、1995年、23巻、7901頁、およびJ. Am. Chem. Soc.、1995年、117巻、5614頁、およびBeers, K.ら、Macromolecules、1999年、32巻、5772~5776頁に記載されているような従来の金属錯体を使用して実行することができる。また米国特許第5,763,548号;第5,789,487号;第5,807,937号;第5,945,491号;第4,986,015号;第6,069,205号;第6,071,980号;第6,111,022号;第6,121,371号;第6,124,411号;第6,137,012号;第6,153,705号;第6,162,882号;第6,191,225号;および第6,197,883号も参照されたい。これらの論文および特許の全開示は参照により本明細書に組み込まれている。ATRPを実行するのに現在好ましい触媒は、ビピリジル(Bpy)の存在下での塩化第一銅である。
【0037】
重合性基を保有する粒子が開始剤の存在下でモノマーと反応する本発明のRGPプロセスは、反応混合物中のモノマーは重合されているため、粒子に結合していない「遊離」ポリマーのいくらかの形成を必然的に引き起こす。未結合ポリマーは、未結合ポリマーが溶解性である溶媒(通常、炭化水素)で粒子を繰り返し洗浄することにより、または(少なくとも金属酸化物または他の高密度粒子の場合)反応混合物から処理した粒子を遠心分離して取り除くことにより(溶媒または希釈剤を事前に加えて、または加えないで)、新鮮な溶媒に粒子を再分散させることにより、未結合ポリマーの割合が許容されるレベルに減少するまでこれらのステップを繰り返すことにより除去することができる。(未結合ポリマーの割合の低下は、ポリマーの試料の熱重量分析により追跡することができる。)経験的には、ほぼ1重量パーセント程度の低い割合の未結合ポリマーの存在は、処理した粒子の電気泳動特性にいかなる深刻な有害作用も与えないようにみえる。実際のところ、場合によっては、未結合ポリマーおよび懸濁化流体の化学的性質に応じて、電気泳動ディスプレイで粒子を使用する前に、ポリマー安定剤が結合した粒子を未結合ポリマーから分離する必要がない場合もある。
【0038】
既に示されたように、電気泳動粒子上に形成されるべきポリマー安定剤の量に対して最適範囲が存在し、過剰な量のポリマーを粒子上に形成することはこれらの電気泳動特徴を低下させる可能性があることが判明した。最適範囲は、コーティングされる粒子の密度およびサイズ、粒子が使用されることになる懸濁媒の性質、ならびに粒子上に形成されるポリマーの性質を含むいくつかの要因により異なり、任意の特定の粒子、ポリマーおよび懸濁媒に対する最適範囲は経験的に最もよく決定される。しかし、一般的な手引きとして、粒子密度が高いほど、粒子の重量によるポリマーの最適割合は低くなり、粒子がより微細に分割されているほど、ポリマーの最適割合が高いことに注目されたい。一般的に、粒子は、粒子の少なくとも約2重量パーセント、望ましくは少なくとも約4重量パーセントがコーティングされるべきである。ほとんどの場合、ポリマーの最適割合は、粒子の約4~約15重量パーセント、通常、約6~約15重量パーセント、最も望ましくは約8~約12重量パーセントの範囲である。
【0039】
顔料粒子の電荷発生のために官能基を組み込むため、コモノマーを重合反応媒体に加えることができる。コモノマーは直接的に複合体顔料粒子を帯電させるか、またはディスプレイ流体中の電荷制御剤と相互作用を有することによって、複合体顔料粒子に所望の帯電極性および電荷密度をもたらすことができる。適切なコモノマーとして、ビニルベンジルアミノエチルアミノ-プロピル-トリメトキシシラン、メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、アクリル酸、メタクリル酸、ビニルリン酸、メタクリル酸2-アクリルアミノ-2-メチルプロパンスルホン酸、2-(ジメチルアミノ)エチル、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミドなどを挙げることができる。適切なコモノマーとしてまた、フッ化アクリレートまたはメタクリレート、例えば、アクリル酸2-パーフルオロブチルエチル、メタクリル酸2,2,2トリフルオロエチル、メタクリル酸2,2,3,3テトラフルオロプロピル、アクリル酸1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロイソプロピル、メタクリル酸1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロイソプロピル、アクリル酸2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル、アクリル酸2,2,3,3-テトラフルオロプロピル、メタクリル酸2,2,3,4,4,4-ヘキサフルオロブチルまたはメタクリル酸2,2,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロブチルを挙げることもできる。代わりに、重合性官能基または重合開始官能基を顔料に提供するために使用される二官能性安定剤を介して、帯電基または帯電性基をポリマーに組み込むことができる。
【0040】
酸性基または塩基性基などの官能基は、重合中に「遮断された」形態で提供されてもよく、次いで、ポリマーの形成後に脱遮断されてもよい。例えば、ATRPは酸の存在下で開始することができないので、ポリマー内に酸性基を提供することが望まれる場合、アクリル酸t-ブチルまたはメタクリル酸イソボルニルなどのエステルを使用することができ、最終ポリマー内のこれらのモノマーの残基を加水分解して、アクリル酸またはメタクリル酸残基を得る。
【0041】
顔料粒子上に帯電基または帯電性基、さらに粒子に別々に結合しているポリマー安定剤を生成することが望まれる場合、2種の試薬の混合物で粒子を処理すること(シリカコーティング後)が非常に好都合なこともあり、このうちの一方の試薬は帯電基または帯電性基(または最終的に処理されて所望の帯電基または帯電性基を生成する基)を有し、他方は重合性基または重合開始基を有する。この2種の試薬は望ましくは、粒子表面と反応する官能基が同じまたは本質的に同じであり、それにより、反応条件がわずかに変化した場合、試薬が粒子と反応する相対速度が類似の方式で変化し、帯電基または帯電性基の数と、重合性基または重合開始基の数との比率が実質的に一定のままである。混合物に使用される2種(またはそれよりも多くの)試薬の相対分子量を変化させることにより、この比率を変化させ、制御することができることを認識されたい。重合性基または重合開始基ではなく、帯電性部位を提供する試薬の例として、3-(トリメトキシシリル)プロピルアミン、N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]ジエチレントリアミン、N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンおよび1-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]ウレアが挙げられる。これらのシラン試薬のすべてはUnited Chemical Technologies,Inc.、Bristol、Pa.、19007から購入することができる。既に記載されているように、帯電基または帯電性基ではなく重合性基を提供する試薬の例はメタクリル酸3-(トリメトキシシリル)プロピルである。
【0042】
着色有機顔料粒子に加えて、本発明による電気泳動ディスプレイ媒体の様々な実施形態は、少なくとも1種類の無機顔料粒子をさらに含み得る。この無機顔料粒子もまた、例えば、米国特許第6,822,782号に記載されているように、シリカおよびポリマー安定剤でコーティングすることができる。白色粒子は、無機顔料、例えば、TiO2、ZrO2、ZnO、Al2O3、Sb2O3、BaSO4、PbSO4などから形成することができる。黒色粒子は、CI顔料のブラック26または28など(例えば、マンガンフェライトブラックスピネルまたは銅クロマイトブラックスピネル)、カーボンブラック、硫化亜鉛、およびこれらの組合せから形成することができる。
【0043】
一般的に、4種類の粒子は高帯電の群と低帯電の群の2つの群に分割される。反対に帯電した粒子の2つの群において、1つの群は他の群より強く帯電している。したがって、4種類の顔料粒子はまた、高い正の粒子、高い負の粒子、低い正の粒子および低い負の粒子と呼ぶこともできる。
【0044】
例として、赤色粒子(R)および白色粒子(W)は、反対に帯電した粒子の第1の群であってよく、この群の中で、赤色粒子は高い正の粒子であり、白色粒子は高い負の粒子である。青色粒子(B)および緑色粒子(G)は反対に帯電した粒子の第2の群であってよく、この群の中で、青色粒子は低い正の粒子であり、緑色粒子は低い負の粒子である。
【0045】
別の例では、赤色粒子は高い正の粒子であってよい。白色粒子は高い負の粒子であってよい。青色粒子は低い正の粒子であってよく、黄色粒子は低い負の粒子であってよい。本発明の範囲は、4種類の粒子が目視により区別できる色を有する限り、任意の色の粒子を幅広く包含することを理解されたい。
【0046】
また図に示されているように、本発明のディスプレイ流体を利用したディスプレイ層は、視野側の第1の表面(17)と、第1の表面(17)の反対側の第2の表面(18)の2つの表面を有する。ディスプレイ流体は、2つの表面の間に挟まれている。第1の表面(17)の側には、ディスプレイ層全体の最上部に広がる透明な電極層(例えば、ITO)である共通電極(15)が存在する。第2の表面(18)の側には、複数のピクセル電極(16a)を含む電極層(16)が存在する。
【0047】
ピクセル電極は、その内容がその全体において参照により本明細書に組み込まれている米国特許第7,046,228号に記載されている。薄膜トランジスタ(TFT)バックプレーンで駆動するアクティブマトリックスがピクセル電極の層に対して記述されているが、本発明の範囲は、電極が所望の機能の役目を果たす限り、他の種類の電極アドレッシングを包含することに注目されたい。
【0048】
図の中の2本の垂直の点線の間の各空間はピクセルを表す。示されている通り、各ピクセルは対応するピクセル電極を有する。共通電極に印可された電圧と、対応するピクセル電極に印可された電圧との電位差によりピクセルに対して電界が作り出される。
【0049】
流体内の4種類の粒子の百分率は様々であってよい。例えば、1種類の粒子が電気泳動流体の0.1容量%~50容量%、好ましくは0.5容量%~15容量%を占めることができる。
【0050】
4種類の粒子は異なる粒径を有し得ることにも注目されたい。有用なサイズは1nmから約100μmまでの範囲であり得る。例えば、より小さな粒子は約50nm~約800nmの範囲のサイズを有してもよい。より大きな粒子は、小さな粒子のサイズの約2~約50倍、より好ましくは約2~約10倍のサイズを有してもよい。
【0051】
電気泳動粒子の密度は懸濁化(すなわち、電気泳動)流体の密度と実質的に合致させることができる。本明細書で定義されたように、懸濁化流体は、これらのそれぞれの密度の差異が約0~約2グラム/ミリリットル(「g/ml」)の間である場合、粒子の密度に「実質的に合致させた」密度を有する。この差異は約0~約0.5g/mlの間であることが好ましい。
【0052】
4種類の粒子が分散している溶媒は透明無色である。溶媒は、高い粒子移動性のために、低い粘度および約2~約30、好ましくは約2~約15の範囲の誘電定数を有することが好ましい。適切な誘電性溶媒の例として、炭化水素、例えば、isopar、デカヒドロナフタレン(DECALIN)、5-エチリデン-2-ノルボルネン、脂肪油、パラフィン油、ケイ素流体など、芳香族炭化水素、例えば、トルエン、キシレン、フェニルキシリルエタン、ドデシルベンゼンまたはアルキルナフタレンなど、ハロゲン化溶媒、例えば、ペルフルオロデカリン、パーフルオロトルエン、パーフルオロキシレン、ジクロロベンゾトリフルオリド、3,4,5-トリクロロベンゾトリフルオリド、クロロペンタフルオロ-ベンゼン、ジクロロノナンまたはペンタクロロベンゼンなど、およびパーフルオロ化溶媒、例えば、3M Company、St.Paul MN製のFC-43、FC-70またはFC-5060など、低分子量ハロゲン含有ポリマー、例えば、TCI America、Portland、Oregon製のポリ(パーフルオロプロピレンオキシド)など、ポリ(クロロトリフルオロ-エチレン)、例えば、Halocarbon Product Corp.、River Edge、NJ製のHalocarbon Oilなど、パーフルオロポリアルキルエーテル、例えば、Ausimont製のGalden、またはDuPont、Delaware製のKrytox OilおよびGreases K-Fluid Series、Dow-corning(DC-200)製のポリジメチルシロキサンベースのシリコーン油などが挙げられる。
【0053】
一実施形態では、「低電荷」粒子により運ばれる電荷は、「高電荷」粒子により運ばれる電荷の約50%未満、または約5%~約30%であってよい。別の実施形態では、「低電荷」粒子は、「高電荷」粒子により運ばれる電荷の約75%未満、または約15%~約55%であってよい。さらなる実施形態では、示されているような電荷レベルの比較は、同じ帯電極性を有する2種類の粒子に適用される。
【0054】
電荷強度はゼータ電位から測定することができる。一実施形態では、ゼータ電位は、CSPU-100シグナル処理ユニット、ESA EN# Attn フロースルーセル(K:127)を備えたColloidal Dynamics AcoustoSizer IIMにより決定される。装置の定数、例えば、試料に使用される溶媒の密度、溶媒の誘電定数、溶媒中の音速、溶媒の粘度など(すべて試験温度(25℃)において)を試験前に入力する。顔料試料を溶媒(普通、12個未満の炭素原子を有する炭化水素流体)に分散させ、5~10重量%に希釈する。試料はまた電荷制御剤(Solsperse 17000(登録商標)、Berkshire Hathawayの会社であるLubrizol Corporationから入手可能;「Solsperse」は登録商標である)を、電荷制御剤の粒子に対する重量比1:10で含有する。希釈された試料の質量を決定し、次いで、ゼータ電位を決定するために試料をフロースルーセルに入れる。
【0055】
「高い正の」粒子および「高い負の」粒子の規模は同じでも異なっていてもよい。同様に、「低い正の」粒子および「低い負の」粒子の規模も同じでも異なっていてもよい。
【0056】
同じ流体内で、高電荷-低電荷粒子の2つの群が異なるレベルの電荷差を有してもよいことにも注目されたい。例えば、1つの群では、低い正荷電粒子は、高い正荷電粒子の電荷強度の30%の電荷強度を有してもよく、別の群では、低い負荷電粒子は、高い負荷電粒子の電荷強度の50%の電荷強度を有してもよい。
【0057】
ポリマーコーティング内に帯電基を含む、または含まない場合でも、電荷制御剤を使用して、電気泳動粒子に対して良好な電気泳動移動性を提供することができる。電気泳動粒子の凝集を妨げるため、ならびに電気泳動粒子がカプセル壁に不可逆的に堆積するのを妨げるために安定剤を使用することができる。成分は、広範囲な分子量にわたる材料(低分子量、オリゴマー、またはポリマー)から構築することもできるし、単一の純粋な化合物または混合物であってもよい。粒子表面電荷を改変するおよび/または安定化させるために使用される電荷制御剤は、一般的に当技術分野で公知の液体トナー、電気泳動ディスプレイ、非水性塗料分散剤、およびエンジンオイル添加物として適用される。これらの技術のすべてにおいて、電気泳動移動性を増加させるため、または静電安定性を増加させるために帯電種を非水性媒体に加えることができる。この材料は立体の安定化も改善することができる。選択的イオン吸着、プロトン移動、および接触帯電を含めて、帯電の異なる理論が主張されている。
【0058】
任意選択の電荷制御剤または電荷ディレクタを使用することができる。これらの構成物質は、通常、低分子量の界面活性剤、ポリマー剤、または1種または複数種の成分のブレンドからなり、電気泳動粒子上の電荷の符号および/または規模を安定化させる、さもなければ改変する役目を果たす。関連し得る追加の顔料特性は粒径分布、化学組成、および耐光性である。
【0059】
帯電補助剤もまた加えることができる。これらの材料は、電荷制御剤または電荷ディレクタの有効性を増加させる。帯電補助剤はポリヒドロキシ化合物またはアミノアルコール化合物であってよく、少なくとも2重量%の量で懸濁化流体に溶解することが好ましい。少なくとも2つのヒドロキシル基を含有するポリヒドロキシ化合物の例として、これらに限定されないが、エチレングリコール、2,4,7,9-テトラメチルデシン(tetramethyldecyne)-4,7-ジオール、ポリ(プロピレングリコール)、ペンタエチレングリコール、トリプロピレングリコール、トリエチレングリコール、グリセロール、ペンタエリトリトール、グリセロールトリス(12-ヒドロキシステアレート)、プロピレングリセロールモノヒドロキシステアレート、およびエチレングリコールモノヒドロキシステアレートが挙げられる。同じ分子内に少なくとも1つのアルコール官能基および1つのアミン官能基を含有するアミノアルコール化合物の例として、これらに限定されないが、トリイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、エタノールアミン、3-アミノ-1-プロパノール、o-アミノフェノール、5-アミノ-1-ペンタノール、およびテトラキス(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミンが挙げられる。帯電補助剤は、懸濁化流体中に好ましくは粒子質量1グラム当たり約1~約100ミリグラム(「mg/g」)、より好ましくは約50~約200mg/gの量で存在する。
【0060】
一般的に、帯電は、連続相および粒子表面に存在するいくつかの部分間での酸-塩基反応として生じると考えられている。よって有用な材料とは、このような反応、または当技術分野で公知の任意の他の帯電反応に参加することが可能な材料である。
【0061】
有用である、異なる非限定的なクラスの電荷制御剤として、有機スルフェートまたはスルホネート、金属石鹸、ブロックまたはコームコポリマー、有機アミド、有機両性イオン、および有機ホスフェートおよびホスホネートが挙げられる。有用な有機スルフェートおよびスルホネートとして、これらに限定されないが、ナトリウムビス(2-エチルヘキシル)スルホスクシネート、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム、石油スルホネートカルシウム、中性または塩基性バリウムジノニルナフタレンスルホネート、中性または塩基性カルシウムジノニルナフタレンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、およびラウリル硫酸アンモニウムが挙げられる。有用な金属石鹸として、これらに限定されないが、塩基性または中性バリウムペトロネート、カルシウムペトロネート、ナフテン酸のCo塩、Ca塩、Cu塩、Mn塩、Ni塩、Zn塩、およびFe塩、ステアリン酸のBa塩、Al塩、Zn塩、Cu塩、Pb塩、およびFe塩、二価および三価金属カルボキシレート、例えば、トリステアリン酸アルミニウム、オクタン酸アルミニウム、ヘプタン酸リチウム、ステアリン酸鉄、ジステアリン酸鉄、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸クロム、オクタン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ナフテン酸鉄、ナフテン酸亜鉛、ヘプタン酸のMn塩およびZn塩、ならびにオクタン酸のBa塩、Al塩、Co塩、Mn塩、およびZn塩などが挙げられる。有用なブロックまたはコームコポリマーとして、これらに限定されないが、(A)メチルp-トルエンスルホネートで四級化されたメタクリル酸2-(N,N-ジメチルアミノ)エチルのポリマーおよび(B)ポリ(メタクリル酸2-エチルヘキシル)のABジブロックコポリマー、ならびにポリ(12-ヒドロキシステアリン酸)の油溶性テールを有し、ポリ(メタクリル酸メチル-メタクリル酸)の油溶性固着基上に約1800の分子量のペンダントを有するコームグラフトコポリマーが挙げられる。有用な有機アミドとして、これらに限定されないが、ポリイソブチレンスクシンイミド、例えば、OLOA371または1200(Chevron Oronite Company LLC、Houston、Tex.から入手可能)、またはSolsperse 19000およびSolsperse 17000(Avecia Ltd.、Blackley、Manchester、United Kingdomから入手可能;「Solsperse」は登録商標である)、およびN-ビニルピロリドンポリマーなどが挙げられる。有用な有機両性イオンとして、これに限定されないが、レシチンが挙げられる。有用な有機ホスフェートおよびホスホネートとして、これらに限定されないが、飽和および不飽和酸性置換基を有するリン酸化モノおよびジグリセリドのナトリウム塩が挙げられる。
【0062】
粒子の凝集またはカプセル壁への結合を妨げるために粒子分散安定剤を加えることができる。電気泳動ディスプレイにおいて懸濁化流体として使用される典型的な高抵抗性液体には、非水性界面活性剤を使用することができる。これらの懸濁化流体として、これらに限定されないが、グリコールエーテル、アセチレン性グリコール、アルカノールアミド、ソルビトール誘導体、アルキルアミン、第四級アミン、イミダゾリン、ジアルキルオキシド、およびスルホスクシネートが挙げられる。
【0063】
双安定電気泳動媒体が所望される場合、約20,000を上回る数平均分子量を有するポリマーを懸濁化流体内に含むことが望ましいこともあり、このポリマーは電気泳動粒子上で本質的に非吸収性である。ポリ(イソブチレン)がこの目的のために好ましいポリマーである。全体の開示が本明細書中に参照により組み込まれている米国特許第7,170,670号を参照されたい。
【実施例】
【0064】
以下の実施例は、本発明の例示的な実施形態として示すが、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0065】
試料1
【0066】
30gの有機銅フタロシアニンブルー顔料を100mlのエタノールおよび5mlの水溶媒混合物に分散させた。次いで1.5gのアンモニアを加えて、pHを上昇させた。3gのトリエトキシシラン(triethyoxysilane)(TEOS)を加え、混合物を室温で20時間撹拌した。コーティング後、粒子を、エタノール中での3回の洗浄-遠心分離-再分散プロセスにより精製した。
【0067】
次いで、シリカコーティングした有機顔料粒子を、150gのメチルエチルケトン(MEK)溶媒中で30gのメタクリルオキシプロピルトリメトキシシランと混合することによって、シリカコーティングした有機顔料粒子を官能化し、これを60~65℃で還流させた。次いで、官能化した粒子を、イソプロピルアルコール(IPA)中での2回の洗浄-遠心分離-再分散プロセスにより精製した。
【0068】
官能化した、シリカコーティングした顔料上でのポリマー成長を、トルエン中でのラジカル重合により完了させた。15gのシラン処理した顔料を50gのトルエン中に加え、三口フラスコ内で1時間超音波処理した。30gのアクリル酸2-エチルヘキシルモノマーをフラスコ中に加え、N2をフラスコ中に20分間パージして、酸素を除去し、次いで、フラスコを65℃に加熱した。トルエン溶液中の0.2gのAIBNをフラスコ中に加えた。20時間の反応後、粒子を、トルエン中での3回の洗浄-遠心分離-再分散プロセスにより精製した。
【0069】
イソパラフィン溶媒中に、24%のポリマーコーティングした酸化チタン粒子、16重量%の、試料1の実施例から得た青色粒子、5重量%のポリマーコーティングした赤色粒子、5重量%のポリマーコーティングした黄色粒子および0.4%のSolsperse(登録商標)17000および他の帯電補助剤を含有する電気泳動インク媒体を光学的電気性能試験のために調製した。
【0070】
比較試料1
【0071】
銅フタロシアニンブルー顔料を無機コバルトアルミネートブルースピネル粒子で置き換えたことを除いて、試料1を生成するために使用した手順を繰り返した。また、カプセル化した流体は、15重量%より多くの無機青色顔料粒子を含有した。
【0072】
比較試料2
【0073】
ポリマー安定剤を形成する前に、有機銅フタロシアニンブルー顔料にシリカをコーティングしなかったことを除いて、試料1を生成するために使用した手順を繰り返した。
【0074】
試験方法
【0075】
米国特許第6,859,302号に記載されているマイクロセル充填-密閉技術を介して、2つの透明なITO-PET電極の間に電気泳動媒体を密閉した。同じ駆動シーケンスを使用して、波形発生器で試験試料を駆動した。D65照度設定下で、X-rite iOne分光光度計を使用して、L*a*b*光学性能の測定を行った。
【0076】
試料1、比較試料1、および比較試料2による顔料粒子を含有する電気泳動媒体を試験した結果が以下の表1、2、および3に提供されている。
【0077】
【0078】
【0079】
【0080】
3つの異なる電気泳動媒体の結果を比較すると、試料1の着色粒子の電気光学性能が予想外に改善された結果をもたらした。試料1に関して、青色、赤色、および黄色の光学的状態のそれぞれは、赤色状態の低下を実証した比較試料2の粒子と比較した場合、大いに改善した色分解を示す値をもたらした。予想された通り、試料1の有機粒子によりもたらされる青色状態は、比較試料1の無機粒子よりも優れた電気光学性能をもたらした。よって、ハイブリッドシリカおよびポリマー安定剤コーティングを有する有機顔料粒子を提供することにより、改善された電気光学性能が達成された。
【0081】
本発明の好ましい実施形態が本明細書に示され、記載されてきたが、このような実施形態は単なる例示により提供されていることを理解されたい。多くの変化形、変更、および置換が、本発明の趣旨から逸脱することなく、当業者であれば思い付くであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の趣旨および範囲内のものとして、すべてのこのような変化形を網羅することが意図されている。
一実施形態において、例えば、以下の項目が提供される。
(項目1)
少なくとも1つが透明である前方電極および後方電極と、
前記前方電極と後方電極との間に配置された、複数の顔料を含有するカプセル型分散流体であって、前記複数の顔料が第1および第2の種類の有機顔料粒子を含み、前記第1の種類の有機顔料粒子が第1の色および第1の帯電極性を有し、前記第2の種類の有機顔料粒子が第2の色および第2の帯電極性を有し、前記第1の色と第2の色が異なり、前記第1および第2の帯電極性が同じであり、前記第1および第2の種類の有機顔料粒子の少なくとも1つが、シリカコーティングおよび前記シリカコーティングに結合したポリマー安定剤を含む、カプセル型分散流体と
を含む、電気泳動ディスプレイ。
(項目2)
前記第1および第2の種類の有機顔料が、PB15:1、PB15:2、PB15:3、PB15:4、PR254、PR122、PR149、PG36、PG58、PG7、PY138、PY150、PY151、PY154およびPY20からなる群から独立して選択される有機コアを含む、項目1に記載の電気泳動ディスプレイ。
(項目3)
前記第1および第2の種類の有機顔料が、赤色、緑色、青色、シアン、マゼンタ、または黄色に独立して着色されている、項目2に記載の電気泳動ディスプレイ。
(項目4)
前記複数の顔料が、少なくとも1種類の無機顔料粒子をさらに含む、項目1に記載の電気泳動ディスプレイ。
(項目5)
前記無機顔料粒子が、金属酸化物、マンガンフェライトブラック、銅クロマイトブラックスピネル、カーボンブラック、硫化亜鉛、およびこれらの組合せからなる群から選択される、項目4に記載の電気泳動ディスプレイ。
(項目6)
前記複数の顔料が、第3の色および第3の帯電極性を有する第3の種類の有機顔料をさらに含み、前記第3の色が前記第1および第2の色と異なり、前記第3の帯電極性が前記第1および第2の帯電極性と異なる、項目1に記載の電気泳動ディスプレイ。
(項目7)
前記第1、第2および第3の種類の有機顔料が、PB15:1、PB15:2、PB15:3、PB15:4、PR254、PR122、PR149、PG36、PG58、PG7、PY138、PY150、PY151、PY154およびPY20からなる群から独立して選択される、項目6に記載の電気泳動ディスプレイ媒体。
(項目8)
前記第1および第2の種類の有機顔料が、赤色、緑色、青色、シアン、マゼンタ、または黄色に独立して着色されている、項目7に記載の電気泳動ディスプレイ。
(項目9)
前記複数の顔料が、少なくとも1種類の無機顔料粒子をさらに含む、項目6に記載の電気泳動ディスプレイ。
(項目10)
前記ポリマー安定剤が、前記シリカコーティングに共有結合したシラン基を有するシランカップリング基と共有結合している、項目1に記載の電気泳動ディスプレイ。
(項目11)
前記ポリマー安定剤が、モノマーまたはマクロモノマーから誘導される、項目10に記載の電気泳動ディスプレイ。
(項目12)
前記モノマーが、スチレン、アルファメチルスチレン、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸n-ブチル、メタクリル酸n-ブチル、アクリル酸t-ブチル、メ
タクリル酸t-ブチル、ビニルピリジン、n-ビニルピロリドン、アクリル酸2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ラウリル、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘキシル、アクリル酸n-オクチル、メタクリル酸n-オクチル、アクリル酸n-オクタデシル、メタクリル酸n-オクタデシル、アクリル酸2-パーフルオロブチルエチル、メタクリル酸2,2,2トリフルオロエチル、メタクリル酸2,2,3,3テトラフルオロプロピル、アクリル酸1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロイソプロピル、メタクリル酸1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロイソプロピル、アクリル酸2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル、アクリル酸2,2,3,3-テトラフルオロプロピル、メタクリル酸2,2,3,4,4,4-ヘキサフルオロブチル、およびメタクリル酸2,2,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロブチルからなる群から選択される、項目11に記載の電気泳動ディスプレイ。
(項目13)
前記マクロモノマーが、アクリレート基、ビニル基、またはこれらの組合せからなる群から選択される末端官能基を含有する、項目11に記載の電気泳動ディスプレイ。
(項目14)
前記ポリマー安定剤が、シラン基を有するシランカップリング剤にイオン結合し、前記シラン基が前記シリカコーティングに共有結合している、項目1に記載の電気泳動ディスプレイ。
(項目15)
前記ポリマー安定剤が、ラジカル重合性基を含有するモノマーまたはマクロモノマーから誘導される、項目14に記載の電気泳動ディスプレイ。
(項目16)
前記モノマーが、スチレン、アルファメチルスチレン、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸n-ブチル、メタクリル酸n-ブチル、アクリル酸t-ブチル、メタクリル酸t-ブチル、ビニルピリジン、n-ビニルピロリドン、アクリル酸2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ラウリル、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘキシル、アクリル酸n-オクチル、メタクリル酸n-オクチル、アクリル酸n-オクタデシル、メタクリル酸n-オクタデシル、アクリル酸2-パーフルオロブチルエチル、メタクリル酸2,2,2トリフルオロエチル、メタクリル酸2,2,3,3テトラフルオロプロピル、アクリル酸1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロイソプロピル、メタクリル酸1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロイソプロピル、アクリル酸2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル、アクリル酸2,2,3,3-テトラフルオロプロピル、メタクリル酸2,2,3,4,4,4-ヘキサフルオロブチル、および2,2,メタクリル酸3,3,4,4,4-ヘプタフルオロブチルからなる群から選択される、項目15に記載の電気泳動ディスプレイ。
(項目17)
前記マクロモノマーが、アクリレート基、ビニル基、またはこれらの組合せからなる群から選択される末端官能基を含有する、項目15に記載の電気泳動ディスプレイ。
(項目18)
前記分散流体がマイクロカプセル内にカプセル化される、項目1に記載の電気泳動ディスプレイ。
(項目19)
前記分散流体がマイクロセル内にカプセル化される、項目1に記載の電気泳動ディスプレイ。
(項目20)
前記分散流体がポリマーマトリックス内にカプセル化される、項目1に記載の電気泳
動ディスプレイ。