(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-09
(45)【発行日】2022-09-20
(54)【発明の名称】提示装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/08 20120101AFI20220912BHJP
【FI】
G06Q10/08 300
(21)【出願番号】P 2019567910
(86)(22)【出願日】2018-12-17
(86)【国際出願番号】 JP2018046255
(87)【国際公開番号】W WO2019146307
(87)【国際公開日】2019-08-01
【審査請求日】2021-06-24
(31)【優先権主張番号】P 2018011401
(32)【優先日】2018-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニックホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100067828
【氏名又は名称】小谷 悦司
(74)【代理人】
【識別番号】100118049
【氏名又は名称】西谷 浩治
(72)【発明者】
【氏名】西川 由理
(72)【発明者】
【氏名】小澤 順
【審査官】池田 聡史
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-531128(JP,A)
【文献】特開2002-087522(JP,A)
【文献】特表2017-514198(JP,A)
【文献】特許第6266151(JP,B1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0030133(US,A1)
【文献】秋葉淳一/渡辺重光,“リコメンド機能が未来の生活を変える”,IoT時代のロジスティクス戦略,日本,株式会社幻冬舎メディアコンサルティング,2016年03月16日,pp.192~195
【文献】豊田義和/荒川夏実,“Lesson20 荷物の受け取りをLINEで操作 - ヤマト運輸株式会社の事例”,いちばんやさしいLINEビジネスコネクトの教本,初版,日本,株式会社インプレス,2016年09月21日,pp.088~093
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配達車に対して前記配達車が配達する一以上のユーザの荷物の配達場所を示す情報を提示する提示装置であって、
前記一以上のユーザの其々について、ユ-ザの現在位置の履歴を示す移動履歴情報に基づき定められた、前記配達場所の候補である一以上の配達場所候補を示す候補情報を記憶するメモリと、
前記配達車の情報端末である第一端末及び前記一以上のユーザの情報端末である一以上の第二端末に対して情報の送受信を行う送受信器と、
前記送受信器が受信した情報と前記メモリに記憶されている情報とを用いた処理を行うプロセッサと、
を備え、
前記メモリには、
前記一以上のユーザの荷物の配達順に、前記一以上のユ-ザの其々について、ユーザを識別するユーザIDと、ユーザの荷物を識別する荷物IDと、ユーザが指定した荷物の配達先を示す配達先情報と、第三情報又は第四情報と、ユーザが指定した荷物の配達を希望する日時を示す希望日時情報と、を関連付けた荷物情報が予め記憶され、
前記第三情報は、前記配達先情報が示す配達先がユーザによって指定された場所であることを示し、前記第四情報は、前記配達先情報が示す配達先がユーザの候補情報に基づいて定められた場所であることを示し、
前記プロセッサは、
前記荷物情報において、次に配達する荷物を識別する荷物IDに関連付けられている前記ユーザID、前記配達先情報及び前記希望日時情報を取得し、
前記取得したユーザIDで識別される変更対象ユーザの前記移動履歴情報から前記変更対象ユーザの現在位置を示す第二位置情報を取得し、
前記取得した第二位置情報、前記取得した配達先情報である対象配達先情報及び前記取得した希望日時情報に基づき、前記取得した希望日時情報が示す日時に前記変更対象ユーザが、前記対象配達先情報が示す配達先に不在であるか否かを予測し、
前記不在であると予測した場合、前記荷物情報において更に次に配達する荷物を識別する荷物IDに関連付けられている配達先情報である次配達先情報を取得し、
前記対象配達先情報が示す配達先から前記取得した次配達先情報が示す配達先までの前記配達車の走行経路を算出し、
前記変更対象ユーザの前記候補情報が示す一以上の配達場所候補である一以上の対象候補の位置から
所定の第一距離以内の領域と前記走行経路の位置とを照合し、
前記一以上の対象候補のうちの何れか一以上の対象候補の位置から前記第一距離以内の領域が前記走行経路の位置を含む場合、前記送受信器に、前記何れか一以上の対象候補である一以上の近接配達場所
に前記変更対象ユーザの荷物を配達可能であることを示す代替情報を、前記変更対象ユーザの第二端末に送信させ、
前記送受信器が前記
変更対象ユーザの前記第二端末から前記一以上の
近接配達場所の何れか一を示す配達場所情報を受信した場合、前記送受信器に、前記配達場所情報が示す場所に前記
変更対象ユーザの荷物を配達することを示す提示情報を前記第一端末に送信させる提示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、配達車に対してユーザの荷物の配達場所を提示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネット販売の増加に伴い、配達車による荷物の配達機会の増加が問題となっている。特に、荷物を受け取るユーザが不在のために再配達の機会が増加し、再配達に要するコストの増大が問題となっている。特許文献1は、ユーザの行き先情報、配達時刻に基づいて、商品を配達可能な店舗を検索することを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
しかし、特許文献1の技術では、更なる改善が必要であった。
【0005】
本開示は、配達車の移動距離を増やすことなく、ユーザの受け取りやすい場所に荷物を届け、未配を防ぐ技術を提供するものである。
【0006】
本開示の一態様に係る提示装置は、配達車に対して前記配達車が配達する一以上のユーザの荷物の配達場所を示す情報を提示する提示装置であって、前記一以上のユーザの其々について、ユ-ザの現在位置の履歴を示す移動履歴情報に基づき定められた、前記配達場所の候補である一以上の配達場所候補を示す候補情報を記憶するメモリと、前記配達車の情報端末である第一端末及び前記一以上のユーザの情報端末である一以上の第二端末に対して情報の送受信を行う送受信器と、前記送受信器が受信した情報と前記メモリに記憶されている情報とを用いた処理を行うプロセッサと、を備え、前記プロセッサは、前記送受信器が前記配達車の現在位置を示す第一位置情報を前記第一端末から受信した場合、前記一以上のユーザの其々を対象とし、対象とする対象ユーザの前記候補情報が示す一以上の配達場所候補の位置から所定の第一距離以内の領域と前記受信された前記第一位置情報が示す前記配達車の現在位置との照合処理を行い、前記一以上の配達場所候補のうちの何れか一以上の配達場所候補の位置から前記第一距離以内の領域が前記配達車の現在位置を含む場合、前記送受信器に、前記何れか一以上の配達場所候補である一以上の代替配達場所に前記対象ユーザの荷物を配達可能であることを示す代替情報を前記対象ユーザの前記第二端末に送信させ、前記送受信器が前記対象ユーザの前記第二端末から前記一以上の代替配達場所の何れか一を示す配達場所情報を受信した場合、前記送受信器に、前記配達場所情報が示す場所に前記対象ユーザの荷物を配達することを示す提示情報を前記第一端末に送信させる。
【0007】
尚、この包括的又は具体的な態様は、方法、システム、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能な記録媒体で実現されてもよく、装置、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、例えばCD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)等の不揮発性の記録媒体を含む。
【0008】
本開示によれば、配達車の移動距離を増やすことなく、ユーザの受け取りやすい場所に荷物を届け、未配を防ぐことができる。これにより、荷物の再配達に要する配達車の燃料コスト及びドライバーの人件費等のコストを軽減することができる。本開示の一態様における更なる利点および効果は、明細書および図面から明らかにされる。かかる利点および/または効果は、いくつかの実施形態並びに明細書および図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つまたはそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の実施の形態に係る提示システムのネットワーク構成の一例を示す図
【
図2】
図1に示す提示システムの詳細な構成の一例を示すブロック図
【
図3】
図2に示す提示システムの処理の概要を示す図
【
図5】ユーザ端末に表示される代替情報を示す選択画面の一例を示す図
【
図6】配達端末に表示される提示情報を示す表示画面の一例を示す図
【
図8】マイエリア情報を設定する処理の一例を示すフローチャート
【
図12】ユーザ端末に表示される設定完了情報を示す通知画面の一例を示す図
【
図14】ユーザ不在時にサーバが行う処理の第一例を示すフローチャート
【
図16】配達車の出発前にサーバが行う処理の第一例を示すフローチャート
【
図18】配達車の出発前にサーバが行う処理の第二例を示すフローチャート
【
図22】ユーザ不在時にサーバが行う処理の第二例を示すフローチャート
【
図25】ユーザ不在時にサーバが行う処理の第三例を示すフローチャート
【
図27】ユーザによるマイエリア情報の設定操作に用いられる操作画面の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
(本開示にかかる一態様を発明するに至った経緯)
本発明者らは、従来の方法では、以下に記載する問題が生じることを見出した。従来の方法はユーザの行き先、配達時刻に基づいて、商品を配達可能な店舗を検索することを開示する。この方法は、寿司及びピザ等の調理済み食品宅配サービスにおいて、移動中のユーザが所望する時刻ちょうどに商品を届けるために考案されている。
【0011】
本手法は、検索された店舗はユーザが所望する商品を調理し配達できるという、食品宅配サービスの特色が前提となっている。本手法を物流一般に適用しようとすると、たとえユーザの通過地点が荷物の現在地から遠く離れている時でも、当該通過地点まで荷物を運ぶことになり、配達車の移動距離が増大することが予想される。
【0012】
この方法は、配達車と人員を増やす必要があり、現実的ではない。一方、一般的な荷物の場合、調理済み食品と異なり、ユーザは必ずしも所望する時刻ちょうどに荷物を受け取りたいとは限らず、ユーザの受け取りやすい時間帯に、ユーザの受け取りやすい場所で荷物を受理できれば十分である場合が多い。
【0013】
本開示は、上記の課題を鑑みてなされたものであり、配達車の移動距離を増やすことなく、ユーザの受け取りやすい場所に荷物を届け、未配を防ぐことができる技術を提供することである。
【0014】
本開示の第一の態様に係る提示装置は、配達車に対して前記配達車が配達する一以上のユーザの荷物の配達場所を示す情報を提示する提示装置であって、前記一以上のユーザの其々について、ユ-ザの現在位置の履歴を示す移動履歴情報に基づき定められた、前記配達場所の候補である一以上の配達場所候補を示す候補情報を記憶するメモリと、前記配達車の情報端末である第一端末及び前記一以上のユーザの情報端末である一以上の第二端末に対して情報の送受信を行う送受信器と、前記送受信器が受信した情報と前記メモリに記憶されている情報とを用いた処理を行うプロセッサと、を備え、前記プロセッサは、前記送受信器が前記配達車の現在位置を示す第一位置情報を前記第一端末から受信した場合、前記一以上のユーザの其々を対象とし、対象とする対象ユーザの前記候補情報が示す一以上の配達場所候補の位置から所定の第一距離以内の領域と前記受信された前記第一位置情報が示す前記配達車の現在位置との照合処理を行い、前記一以上の配達場所候補のうちの何れか一以上の配達場所候補の位置から前記第一距離以内の領域が前記配達車の現在位置を含む場合、前記送受信器に、前記何れか一以上の配達場所候補である一以上の代替配達場所に前記対象ユーザの荷物を配達可能であることを示す代替情報を前記対象ユーザの前記第二端末に送信させ、前記送受信器が前記対象ユーザの前記第二端末から前記一以上の代替配達場所の何れか一を示す配達場所情報を受信した場合、前記送受信器に、前記配達場所情報が示す場所に前記対象ユーザの荷物を配達することを示す提示情報を前記第一端末に送信させる。
【0015】
本態様によれば、ユーザの現在位置の履歴に関連付けられた一以上の配達場所候補のうち、一以上の代替配達場所の位置から第一距離以内に配達車の現在位置が存在する場合、前記一以上の代替配達場所に荷物を配達可能であることを示す代替情報がユーザの第二端末に送信される。これにより、ユーザが訪れたと考えられる位置に関連付けられた前記一以上の代替配達場所に荷物を配達可能であることを当該ユーザに提示することができる。
【0016】
その結果、提示装置において、ユーザの第二端末から前記一以上の代替配達場所の何れかを示す配達場所情報が受信されたとする。この場合、当該配達場所情報が示す場所に当該ユーザの荷物を配達することを示す提示情報が配達車の第一端末に送信される。これにより、配達車の現在位置から第一距離以内にあるユーザが訪れたと考えられる代替配達場所に、当該ユーザの荷物を配達することを、配達車のドライバーに通知することができる。その結果、配達車のドライバーは、配達車を第一距離以下の距離を移動させれば、当該ユーザが訪れたと考えられる、当該ユーザにとって荷物を受け取りやすい代替配達場所に荷物を配達することができる。
【0017】
したがって、本態様によれば、配達車の移動距離を増やすことなく、ユーザの受け取りやすい場所に荷物を届け、未配を防ぐことができる。これにより、荷物の再配達に要する配達車の燃料コスト及びドライバーの人件費等のコストを軽減することができる。
【0018】
また、上記態様において、前記メモリには、前記一以上のユーザの其々について、ユーザの荷物を識別する荷物IDと、ユーザが指定した荷物の配達先を示す配達先情報と、ユーザの荷物の属性を示す属性情報と、を関連付けた荷物情報と、前記属性情報と、前記属性情報が示す属性の荷物を、前記配達先情報が示す配達先に荷物を配達することを示す第一情報又は前記候補情報に含まれる何れかの配達場所候補に荷物を配達することを示す第二情報と、を関連付けた属性別情報と、が予め記憶され、前記プロセッサは、前記送受信器が前記第一端末から前記荷物IDを受信した場合、前記荷物情報において前記受信された荷物IDに関連付けられている前記属性情報を取得し、前記属性別情報において前記取得した前記属性情報に対して、前記第一情報が関連付けられている場合、前記送受信器に前記代替情報を送信させず、前記第二情報が関連付けられている場合、前記送受信器に前記代替情報を送信させてもよい。
【0019】
本態様によれば、第一端末から荷物IDを受信した場合、荷物情報において前記受信された荷物IDに関連付けられている属性情報が取得される。そして、属性別情報において前記取得された属性情報に対して第一情報が関連付けられている場合には、代替情報が送信されない。このため、第一端末から受信した荷物IDによって識別される荷物が、第一情報が関連付けられている属性の荷物である場合に、第一情報が示すように、候補情報に含まれる何れかの配達場所候補に当該荷物が配達されることを適切に回避することができる。
【0020】
一方、属性別情報において前記取得された属性情報に対して第二情報が関連付けられている場合には、代替情報が送信される。このため、第一端末から受信した荷物IDによって識別される荷物が、第二情報が関連付けられている属性の荷物である場合に、第二情報が示すように、候補情報に含まれる何れかの配達場所候補に当該荷物を配達し、未配を防ぐことができる。
【0021】
また、上記態様において、前記属性情報は、前記荷物の種類を示し、前記メモリには、荷物を保管可能な一以上の保管場所を識別する一以上のエリアIDと、前記一以上の保管場所の其々で保管可能な一以上の荷物の種類を示す種類情報と、を関連付けたエリア情報が予め記憶され、前記候補情報が示す前記一以上の配達場所候補の其々は、前記一以上の保管場所の何れかに定められ、前記プロセッサは、前記属性別情報において前記取得した前記属性情報である対象属性情報に対して前記第二情報が関連付けられている場合、前記エリア情報において、前記対象属性情報が示す種類の荷物を保管可能であることを示す前記種類情報と関連付けられている一以上のエリアIDを取得し、前記照合処理において、前記対象ユーザの前記候補情報が示す一以上の配達場所候補のうち前記取得した一以上のエリアIDによって識別される一以上の配達場所候補の位置から前記第一距離以内の領域と、前記受信された前記第一位置情報が示す前記配達車の現在位置と、を照合してもよい。
【0022】
荷物情報において第一端末から受信した荷物IDに関連付けられている属性情報が取得され、属性別情報において前記取得した属性情報である対象属性情報に対して第二情報が関連付けられていたとする。この場合、本態様によれば、照合処理において、対象ユーザの候補情報が示す一以上の配達場所候補のうち、エリア情報を用いて取得された、対象属性情報が示す属性の荷物を保管可能な一以上の配達場所候補の位置から第一距離以内の領域と、第一端末から受信された第一位置情報が示す配達車の現在位置と、が照合される。このため、当該照合処理の結果、第二端末に送信される代替情報に、対象属性情報が示す属性の荷物を保管できない一以上の代替配達場所が含まれることを回避することができる。
【0023】
又は、上記態様で、前記属性別情報において、前記第二情報が関連付けられている前記属性情報には、前記荷物を運搬可能な距離の上限値が更に関連付けられ、前記プロセッサは、前記属性別情報において前記取得した前記属性情報である対象属性情報に対して前記第二情報が関連付けられている場合、前記荷物情報において前記受信された荷物IDに関連付けられている前記配達先情報を取得し、前記照合処理において、前記対象ユーザの前記候補情報が示す一以上の配達場所候補のうち、前記取得した配達先情報が示す配達先との離間距離が、前記属性別情報において前記対象属性情報に関連付けられている前記上限値以内である一以上の配達場所候補の領域と、前記受信された前記第一位置情報が示す前記配達車の現在位置と、を照合してもよい。
【0024】
荷物情報において第一端末から受信した荷物IDに関連付けられている属性情報が取得され、属性別情報において前記取得した属性情報である対象属性情報に対して第二情報が関連付けられていたとする。この場合、本態様によれば、照合処理において、対象ユーザの候補情報が示す一以上の配達場所候補のうち、対象ユーザが指定した配達先との離間距離が、対象属性情報が示す属性の荷物を運搬可能な距離の上限値以内である一以上の配達場所候補の位置から第一距離以内の領域と、第一端末から受信された第一位置情報が示す配達車の現在位置と、が照合される。
【0025】
このため、当該照合処理の結果、第二端末に送信される代替情報に、対象ユーザが指定した配達先との離間距離が、対象属性情報が示す属性の荷物を運搬可能な距離の上限値以上である一以上の代替配達場所が含まれることを回避することができる。これにより、対象ユーザが代替配達場所で荷物を受け取った場合に、荷物を指定した配達先まで運搬できない虞を回避することができる。
【0026】
また、上記態様において、前記属性情報は、前記荷物の重量を示し、前記属性別情報において、前記荷物の重量が所定の重量以上であることを示す前記属性情報には前記第一情報が関連付けられ、前記荷物の重量が前記所定の重量未満であることを示す前記属性情報には前記第二情報が関連付けられていてもよい。
【0027】
本態様によれば、重量が所定の重量以上である運搬し難い荷物が、代替配達場所に配達されることを回避できる。これとは反対に、重量が所定の重量未満である運搬し易い荷物については、代替配達場所に配達させることができ、未配を防ぐことができる。
【0028】
又は、上記態様において、前記属性情報は、前記荷物の寸法を示し、前記属性別情報において、前記荷物の寸法が所定の寸法以上であることを示す前記属性情報には前記第一情報が関連付けられ、前記荷物の寸法が前記所定の寸法未満であることを示す前記属性情報には前記第二情報が関連付けられていてもよい。
【0029】
本態様によれば、寸法が所定の寸法以上である運搬し難い荷物が、代替配達場所に配達されることを回避できる。これとは反対に、寸法が所定の寸法未満である運搬し易い荷物については、代替配達場所に配達させることができ、未配を防ぐことができる。
【0030】
また、上記第一の態様において、前記候補情報は、前記一以上の配達場所候補を識別する一以上のマイエリアIDを含み、前記メモリには、荷物を保管可能な一以上の保管場所を示すエリア情報が予め記憶され、前記送受信器は、前記一以上の第二端末の其々から、周期的に、前記一以上の第二端末の其々のユーザを識別するユーザIDと、前記一以上の第二端末の其々のユーザの現在位置を示す第二位置情報と、を受信し、前記プロセッサは、前記送受信器が前記ユーザID及び前記第二位置情報を受信する度に、前記受信されたユーザIDと、前記受信された第二位置情報と、前記エリア情報に含まれる、前記第二位置情報が示す位置から所定の第二距離以内の領域に存在する保管場所を識別するエリアIDと、を関連付けた情報を、前記受信されたユーザIDによって識別される対応ユーザの前記移動履歴情報として前記メモリに記憶し、前記対応ユーザの前記移動履歴情報において所定の第一個数よりも多く存在する一以上のエリアIDを、前記対応ユーザの前記候補情報に含まれる前記一以上のマイエリアIDとして、前記メモリに記憶してもよい。
【0031】
本態様によれば、対応ユーザの移動履歴情報において第一個数よりも多く存在する一以上のエリアIDが、対応ユーザの候補情報が示す一以上の配達場所候補を識別する一以上のマイエリアIDとしてメモリに記憶される。これにより、対応ユーザが、第一個数と同じ回数よりも多く訪れたと考えられる一以上の保管場所が対応ユーザの候補情報として定められる。このため、代替情報が対応ユーザの第二端末に送信された場合に、対応ユーザが頻繁に訪れたと考えられる一以上の代替配達場所に荷物を配達可能であることを、対応ユーザに提示することができる。
【0032】
または、上記第一の態様において、前記メモリは、時間帯毎に前記候補情報を記憶し、一の時間帯に対応する前記候補情報は、前記一の時間帯における前記一以上の配達場所候補を識別する一以上のマイエリアIDを含み、前記メモリには、荷物を保管可能な一以上の保管場所を示すエリア情報が予め記憶され、前記送受信器は、前記一以上の第二端末の其々から、周期的に、前記一以上の第二端末の其々のユーザを識別するユーザIDと、前記一以上の第二端末の其々のユーザの現在位置を示す第二位置情報と、を受信し、前記プロセッサは、前記送受信器が前記ユーザID及び前記第二位置情報を受信する度に、前記送受信器が前記第二位置情報を受信した日時である受信日時と、前記受信されたユーザIDと、前記受信された第二位置情報と、前記エリア情報に含まれる、前記第二位置情報が示す位置から所定の第二距離以内の領域に存在する保管場所を識別するエリアIDと、を関連付けた情報を、前記受信されたユーザIDによって識別される対応ユーザの前記移動履歴情報として前記メモリに記憶し、前記対応ユーザの移動履歴情報において前記一の時間帯内の前記受信日時に関連付けられている一以上のエリアIDのうち、所定の第二個数よりも多く存在する一以上のエリアIDを、前記対応ユーザの前記一の時間帯に対応する前記候補情報に含まれる、前記一以上のマイエリアIDとして、前記メモリに記憶し、前記送受信器が前記第一位置情報を受信した時刻が前記一の時間帯内である場合、前記照合処理において、前記対象ユーザの前記一の時間帯に対応する前記候補情報が示す一以上の配達場所候補の位置から前記第一距離以内の領域と、前記受信された前記第一位置情報が示す前記配達車の現在位置と、を照合してもよい。
【0033】
本態様によれば、対応ユーザの移動履歴情報において、一の時間帯内の受信日時に関連付けられた、第二個数よりも多く存在する一以上のエリアIDが、対応ユーザの前記一の時間帯に対応する候補情報が示す一以上の配達場所候補を識別する、一以上のマイエリアIDとしてメモリに記憶される。これにより、対応ユーザが、前記一の時間帯内に第二個数と同じ回数よりも多く訪れたと考えられる一以上の保管場所が、対応ユーザの前記一の時間帯に対応する候補情報として定められる。
【0034】
そして、第一位置情報を受信した時刻が前記一の時間帯内である場合、対象ユーザの前記一の時間帯に対応する候補情報が示す一以上の配達場所候補の位置から第一距離以内の領域と、前記受信された第一位置情報が示す配達車の現在位置と、が照合される。これにより、対象ユーザの前記一の時間帯に対応する候補情報が示す一以上の配達場所候補に含まれる一以上の代替配達場所に荷物を配達可能であることを示す代替情報が、前記一の時間帯にユーザの第二端末に送信される。その結果、前記一の時間帯において、対応ユーザが前記一の時間帯に頻繁に訪れたと考えられる一以上の代替配達場所に荷物を配達可能であることを、適切なタイミングで対応ユーザに提示することができる。
【0035】
また、上記第一の態様において、前記メモリには、前記一以上のユーザの荷物の其々に関する情報である荷物情報が予め記憶され、前記プロセッサは、前記送受信器が前記第一端末から前記第一位置情報及びユーザの荷物を識別する荷物IDを受信した場合、前記荷物情報に含まれる前記受信された荷物IDによって識別される荷物のユーザの候補情報を参照し、前記照合処理において、前記参照した候補情報が示す一以上の配達場所候補の位置から前記第一距離以内の領域と前記受信された前記第一位置情報が示す前記配達車の現在位置とを照合してもよい。
【0036】
本態様によれば、ユーザが不在の場合等に、第一端末から荷物IDを受信した場合、前記受信した荷物IDによって識別される荷物のユーザの候補情報が参照される。そして、当該ユーザの候補情報が示す一以上の配達場所候補のうち、一以上の代替配達場所の位置から第一距離以内に配達車の現在位置が存在する場合、前記一以上の代替配達場所に荷物を配達可能であることを示す代替情報が当該ユーザの第二端末に送信される。これにより、当該ユーザが訪れたと考えられる位置に関連付けられた前記一以上の代替配達場所に荷物を配達可能であることを当該ユーザに提示することができる。
【0037】
その結果、提示装置において、当該ユーザの第二端末から前記一以上の代替配達場所の何れかを示す配達場所情報が受信された場合、当該配達場所情報が示す場所に当該ユーザの荷物を配達することを示す提示情報が配達車の第一端末に送信される。これにより、配達車の現在位置から第一距離以内にある当該ユーザが訪れたと考えられる代替配達場所に、当該ユーザの荷物を配達することを、配達車のドライバーに通知することができる。その結果、配達車のドライバーは、配達車を第一距離以下の距離を移動させれば、当該ユーザが訪れたと考えられる、当該ユーザにとって荷物を受け取りやすい代替配達場所に荷物を配達することができ、未配を防ぐことができる。
【0038】
また、上記第一の態様において、前記メモリには、前記一以上のユ-ザの其々について、ユーザを識別するユーザIDと、ユーザの荷物を識別する荷物IDと、前記配達車がユーザの荷物を配達するときの出発地を示す出発地情報と、前記配達車がユーザの荷物を配達するときの目的地を示す目的地情報と、を関連付けた荷物情報が予め記憶され、前記プロセッサは、前記荷物情報に含まれる一以上の前記出発地情報及び前記目的地情報に基づき、前記配達車が最初の荷物の配達を開始してから最後の荷物の配達を終了するまでの走行経路を算出し、前記一以上のユーザの前記候補情報に所定数以上重複している一以上の配達場所候補である一以上の重複候補が含まれている場合、前記一以上の重複候補の位置から前記第一距離以内の領域と前記走行経路の位置とを照合し、前記一以上の重複候補のうちの何れか一以上の重複候補の位置から前記第一距離以内の領域が前記走行経路上の位置を含む場合、前記送受信器に、前記何れか一以上の重複候補である一以上の重複配達場所の何れかを含む一以上の前記候補情報に対応する一以上の通知対象ユーザの第二端末に、前記一以上の重複配達場所のうち、各通知対象ユーザの前記候補情報に含まれる一以上の重複配達場所を前記一以上の代替配達場所とする前記代替情報を送信させてもよい。
【0039】
本態様によれば、一以上のユーザの候補情報に所定数以上重複している一以上の重複候補が含まれている場合、前記一以上の重複候補の位置から第一距離以内の領域と、配達車が最初の荷物の配達を開始してから最後の荷物の配達を終了するまでの走行経路の位置とが照合される。当該照合の結果、前記一以上の重複候補のうちの一以上の重複配達場所の位置から第一距離以内の領域が走行経路上の位置を含むとする。この場合、通知対象ユーザの第二端末に、当該一以上の重複配達場所のうち、当該通知対象ユーザの候補情報に含まれる一以上の重複配達場所を一以上の代替配達場所とする代替情報が送信される。
【0040】
これにより、前記走行経路から第一距離以内に一以上の重複配達場所が存在する場合に、一以上の重複配達場所の其々に荷物を配達可能であることを、通知対象ユーザに提示することができる。その結果、一以上の通知対象ユーザの第二端末から配達場所情報を受信した場合には、第一端末に提示情報が送信されるので、配達車は、当該一以上の通知対象ユーザの荷物を、前記受信された配達場所情報が示す、一以上の重複配達場所の何れか一の場所に纏めて配達することができる。この場合、配達車は、各通知対象ユーザの荷物を指定された配達先まで個別に配達させるのに要する手間を軽減でき、効率よく荷物を配達することができる。
【0041】
また、上記第一の態様において、前記メモリには、前記一以上のユーザの荷物の配達順に、前記一以上のユ-ザの其々について、ユーザを識別するユーザIDと、ユーザの荷物を識別する荷物IDと、ユーザが指定した荷物の配達先を示す配達先情報と、第三情報又は第四情報と、ユーザが指定した荷物の配達を希望する日時を示す希望日時情報と、を関連付けた荷物情報が予め記憶され、前記第三情報は、前記配達先情報が示す配達先がユーザによって指定された場所であることを示し、前記第四情報は、前記配達先情報が示す配達先がユーザの候補情報に基づいて定められた場所であることを示し、前記プロセッサは、前記荷物情報において、次に配達する荷物を識別する荷物IDに関連付けられている前記ユーザID、前記配達先情報及び前記希望日時情報を取得し、前記取得したユーザIDで識別される変更対象ユーザの前記移動履歴情報から前記変更対象ユーザの現在位置を示す第二位置情報を取得し、前記取得した第二位置情報、前記取得した配達先情報である対象配達先情報及び前記取得した希望日時情報に基づき、前記取得した希望日時情報が示す日時に前記変更対象ユーザが、前記対象配達先情報が示す配達先に不在であるか否かを予測し、前記不在であると予測した場合、前記荷物情報において更に次に配達する荷物を識別する荷物IDに関連付けられている配達先情報である次配達先情報を取得し、前記対象配達先情報が示す配達先から前記取得した次配達先情報が示す配達先までの前記配達車の走行経路を算出し、前記変更対象ユーザの前記候補情報が示す一以上の配達場所候補である一以上の対象候補の位置から前記第一距離以内の領域と前記走行経路の位置とを照合し、前記一以上の対象候補のうちの何れか一以上の対象候補の位置から前記第一距離以内の領域が前記走行経路の位置を含む場合、前記送受信器に、前記何れか一以上の対象候補である一以上の近接配達場所を前記一以上の代替配達場所とする前記代替情報を、前記変更対象ユーザの第二端末に送信させてもよい。
【0042】
本態様によれば、次に配達される荷物のユーザである変更対象ユーザが、配達を希望した日時に、指定した配達先に不在であることが予測された場合、当該配達先から更に次に配達する荷物の配達先までの走行経路が算出される。そして、変更対象ユーザの候補情報が示す一以上の対象候補の位置から第一距離以内の領域と前記走行経路の位置とが照合される。当該照合の結果、前記一以上の対象候補のうちの一以上の近接配達場所の位置から第一距離以内の領域が前記走行経路上の位置を含むとする。この場合、変更対象ユーザの第二端末に、当該一以上の近接配達場所を一以上の代替配達場所とする代替情報が送信される。
【0043】
これにより、変更対象ユーザが配達を希望した日時に、指定した配達先に不在であることが予測される場合に、一以上の近接配達場所に荷物を配達可能であることを、変更対象ユーザに提示することができる。その結果、変更対象ユーザは、急いで指定した配達先まで移動しなくても、都合のよいときに一以上の近接配達場所で荷物を受け取り可能であることを把握することができる。
【0044】
(実施の形態)
(ネットワーク構成)
図1は、本開示の実施の形態に係る提示システム10のネットワーク構成の一例を示す図である。提示システム10は、配達車4が配達する一以上のユーザの荷物の配達場所を示す情報を、配達車4のドライバーに提示するシステムである。配達車4のドライバーは、提示された配達場所に一以上のユーザの荷物を其々配達する。
【0045】
提示システム10は、サーバ1(提示装置の一例)、一以上のユーザ端末2_1、・・・、2_n(一以上の第二端末の一例)及び配達端末3(第一端末の一例:
図2参照)を備える。サーバ1、ユーザ端末2及び配達端末3は、ネットワークNTを介して相互に通信可能に接続されている。サーバ1は、例えば、商品購入サイトを運営するネット通販事業者によって管理されるサーバであってもよいし、商品購入サイトで購入した商品をユーザに配達する運送業者によって管理されるサーバであってもよい。ネットワークNTは、インターネット通信網、携帯電話通信網、及び公衆電話回線網を含むネットワークで構成される。
【0046】
サーバ1は、例えば、一以上のコンピュータを含むクラウドサーバで構成されている。サーバ1を構成するクラウドサーバは、CPU又はFPGA等のプロセッサと、メモリと、ネットワークNTを介した通信を行う通信回路と、を含む。
【0047】
ユーザ端末2は、例えば、スマートフォン、ボタン式携帯電話、又はタブレット端末等の携帯情報端末で構成されている。但し、これは一例であり、ユーザ端末2は、据え置き型の情報端末で構成されてもよい。
【0048】
図1の例では、ユーザ端末2は、ユーザU1のユーザ端末2_1、・・・、ユーザUnのユーザ端末2_nというようにn台のユーザ端末2が示されている(nは自然数)。
【0049】
配達端末3は、例えば、配達車4に搭載されるコンピュータで構成されてもよいし、配達車4に搭乗するドライバーが携帯する携帯情報端末で構成されてもよい。配達車4に搭載されるコンピュータとしては、例えば、カーナビゲーションシステムが採用されてもよいし、カーナビゲーションシステム以外の配達車4が元々備えるコンピュータが採用されてもよい。ドライバーが携帯する携帯情報端末としては、スマートフォン、ボタン式携帯電話、又はタブレット端末が採用できる。
【0050】
図2は、
図1に示す提示システム10の詳細な構成の一例を示すブロック図である。サーバ1は、制御部11、通信部12(送受信器の一例)、及びメモリ13を備える。制御部11は、CPU等のプロセッサで構成され、コンピュータを本開示の提示装置として機能させるプログラムを実行する。このプログラムは、ネットワークを通じてダウンロードすることで提供されてもよいし、コンピュータ読取可能な非一時的な記録媒体に記憶させることで提供されてもよい。
【0051】
通信部12は、例えば、サーバ1をネットワークNTに接続させる通信回路で構成され、ユーザ端末2及び配達端末3に対してネットワークNTを介して情報の送受信を行う。
【0052】
メモリ13は、不揮発性の記憶装置で構成され、コンピュータを提示装置として機能させるプログラム、制御部11が行う処理に必要な情報が格納されたテーブル及び制御部11が処理を行うことで生成された各種情報等を記憶する。
【0053】
ユーザ端末2は、制御部21、メモリ22、操作部23、検出部24、通信部25、及び表示部26を備える。尚、
図2では、n(nは自然数)人のユーザに対応するn台のユーザ端末2_1,・・・,2_nが例示されている。ユーザU1はユーザ端末2_1を所有し、・・・、ユーザUnはユーザ端末2_n所有を所有する。
【0054】
制御部21は、CPU等のプロセッサで構成され、ユーザ端末2の全体制御を司る。メモリ22は、例えば、不揮発性の記憶装置で構成されている。メモリ22には、荷物に関する情報をユーザに提示するためのアプリケーションプログラムが記憶されている。また、メモリ22には、ユーザを識別するユーザIDが記憶されている。
【0055】
操作部23は、入力装置、例えば、タッチパネル又はキーボード及びマウスで構成され、ユーザからの操作を受け付ける。
【0056】
検出部24は、周期的に(例えば、5分毎に)複数のGPS衛星から送信される信号を受信し、受信した信号に基づいて、ユーザ端末2の現在位置を算出する。ユーザ端末2_1の現在位置をユーザU1の現在位置、・・・、ユーザ端末2_nの現在位置をユーザUnの現在位置としてもよい。
【0057】
通信部25は、例えば、ユーザ端末2をネットワークNTに接続させる通信回路で構成されている。本開示では、通信部25は、特に、サーバ1に対して検出部24が周期的に算出するユーザ端末2の現在位置を示す位置情報及びメモリ22に記憶されているユーザIDを送信したり、後述するマイエリア情報の設定が完了したことを示す情報をサーバ1から受信したりする。
【0058】
表示部26は、ディスプレイ、例えば、液晶ディスプレイ又は有機ELで構成され、荷物に関する情報をユーザに表示する。
【0059】
配達端末3は、制御部31、メモリ32、操作部33、検出部34、通信部35、及び表示部36を備える。制御部31は、CPU等のプロセッサで構成され、配達端末3の全体制御を司る。メモリ32は、例えば、不揮発性の記憶装置で構成されている。メモリ32には、荷物の配達場所をドライバーに提示するためのアプリケーションプログラムが記憶されている。また、メモリ32には、配達車4を識別する車両IDが記憶されている。操作部33は、入力装置、例えば、タッチパネル又はキーボードで構成され、ドライバーからの操作を受け付ける。
【0060】
検出部34は、周期的に(例えば、5分毎に)複数のGPS衛星から送信される信号を受信し、受信した信号に基づいて、配達端末3の現在位置を算出する。配達端末3の現在位置を配達車4の現在位置としてもよい。
【0061】
通信部35は、例えば、配達端末3をネットワークNTに接続させる通信回路で構成されている。本開示では、通信部35は、特に、サーバ1に対して、検出部34が周期的に算出する配達端末3の現在位置を示す位置情報及びメモリ32に記憶されている車両IDを送信したり、ユーザが不在のために配達できなかった荷物を識別する荷物IDを送信したりする。また、通信部35は、サーバ1から各ユーザの荷物の配達場所を示す情報を受信したりする。
【0062】
表示部36は、ディスプレイ、例えば、液晶ディスプレイ又は有機ELで構成され、ユーザの荷物の配達場所を示す画像を表示し、前記配達場所をドライバーに提示する。尚、表示部36は、配達端末3がカーナビゲーションシステムで構成される場合、カーナビゲーションシステムのディスプレイで構成される。
【0063】
(シーケンス)
図3は、
図2に示す提示システム10の処理の概要を示す図である。尚、
図3では、配達車4の走行中に各ユーザの荷物の配達場所を示す情報が配達端末3に表示される態様が採用された場合の処理の概要が示されている。但し、これは一例である。後述するように、各ユーザの不在時及び配達車4の出発前に、各ユーザの荷物の配達場所を示す情報が配達端末3に表示される態様が採用された場合であっても、
図3に示すシーケンスは適用可能である。
【0064】
図3に示すシーケンスは大きく二つのフェーズに分けられる。一つ目のフェーズは、一以上のユーザの其々について、ユーザの現在位置の履歴を示す移動履歴情報に基づき、ユーザの荷物の配達場所の候補である一以上の配達場所候補を示すマイエリア情報(候補情報の一例)を設定するフェーズであり、S1~S3の処理によって示される。
【0065】
二つ目のフェーズは、一つ目のフェーズで設定された一以上のユーザのマイエリア情報及び配達車4の現在位置等に基づき、各ユーザが指定した荷物の配達先の代替となる一以上の代替配達場所を決定し、配達車4のドライバーに提示するフェーズである。二つ目のフェーズは、S4~S11の処理によって示される。二つ目のフェーズは、例えば、配達端末3において配達端末3の現在位置を示す位置情報が送信される度に繰り返し実行される。
【0066】
尚、
図3では、一台の配達車4が一以上のユーザの荷物を配達するケースを例に挙げて説明する。また、サーバ1は、管理対象となる他の配達車4が配達する一以上のユーザの荷物についても、
図3に示すシーケンスを適用して、各ユーザの荷物の配達場所を示す情報を決定し、当該他の配達車4のドライバーに提示する。
【0067】
まず、一以上のユーザ端末2の其々において、制御部21は、検出部24が周期的に算出するユーザ端末2の現在位置を示す位置情報を、ユーザ端末2のユーザの現在位置を示す情報(以降、第二位置情報と呼ぶことがある)として、メモリ22に記憶されているユーザIDと共に、通信部25にサーバ1へ送信させる(ステップS1)。
【0068】
サーバ1では、通信部12がユーザ端末2からユーザID及び第二位置情報を受信する度に、制御部11は、当該受信されたユーザIDによって識別されるユーザ(以降、対応ユーザと呼ぶことがある)のマイエリア情報(候補情報の一例)の設定を行う(ステップS2)。
【0069】
対応ユーザのマイエリア情報は、一以上の配達場所候補を示す情報である。一以上の配達場所候補のそれぞれは対応ユーザの荷物の配達場所の候補である。対応ユーザのマイエリア情報は、後述するように、対応ユーザの現在位置の履歴を示す移動履歴情報に基づき定められる。具体的には、スーパー又は駅等に設置されている宅配ロッカー、コンビニ、又は郵便局等の荷物を保管可能な保管場所のうち、対応ユーザが頻繁に訪れたと考えられる保管場所が配達場所候補として定められる。対応ユーザのマイエリア情報の設定方法の詳細については後述する。
【0070】
制御部11は、通信部12が一以上のユーザの其々のユーザ端末2からユーザID及びユーザ端末2の位置情報を受信する度にステップS2を行う。これにより、制御部11は、一以上のユーザのマイエリア情報を設定する。
【0071】
制御部11は、対応ユーザのマイエリア情報の設定が完了する度に、対応ユーザのマイエリア情報の設定が完了したことを示す情報を、通信部12に対応ユーザのユーザ端末2へ送信させる(ステップS3)。
【0072】
以上が一つ目のフェーズである。以降二つ目のフェーズが開始される。二つ目のフェーズは、例えば対象となる一台の配達車4が配送センターを出発したことをトリガーにして開始される。
【0073】
二つ目のフェーズでは、まず、配達端末3において、制御部31は、検出部34が周期的に算出する配達端末3の位置情報を、配達車4の現在位置を示す情報(以降、第一位置情報と呼ぶことがある)として、メモリ32に記憶されている車両IDと共に、通信部35にサーバ1へ送信させる(ステップS4)。
【0074】
サーバ1では、通信部12が車両ID及び第一位置情報を受信する度に、制御部11が、通信部12によって受信された情報とメモリ13に記憶されている情報とを用いて所定の照合処理を行う(ステップS5)。
【0075】
具体的には、制御部11は、配達車4が配達する一以上の荷物に対応する一以上のユーザの其々を対象にして、ステップS5の照合処理を行う。
図4は、照合処理の概要を示す図である。
図4は、制御部11が、対象とする対象ユーザのマイエリア情報が示す一の配達場所候補A1の位置から第一距離D1以内の領域B1と、受信された第一位置情報が示す配達車4の現在位置P1と、を照合する例を示している。第一距離D1は、例えば、配達車4が次の荷物の配達場所まで走行すると考えられる距離の上限値(例えば、1km)等に予め定められている。
【0076】
領域B1は配達場所候補A1の位置を中心とする半径がD1の円、及びその円の内部の領域である。すなわち、領域B1はπ×(D1)2の面積を有する。また、対象ユーザのマイエリア情報が複数の配達場所候補を示す場合、ステップS5の照合処理において、複数の領域のそれぞれと、受信された第一位置情報が示す配達車4の現在位置P1と、が照合される。複数の配達場所候補と複数の領域は一対一対応する。
【0077】
上記照合処理の結果、対象ユーザのマイエリア情報が示す一以上の配達場所候補と一対一対応する一以上の領域のうち何れかが、配達車4の現在位置P1を含む場合(ステップS5でYES)、制御部11は、ステップS6を行う。一以上の領域のそれぞれは、対応する配達場所候補の位置から第一距離D1以内の領域である。なお、対象ユーザのマイエリア情報が示す一以上の配達場所候補と一対一対応する一以上の領域を第一の一以上の領域と呼び、第一の一以上の領域のうち配送車4の現在位置P1を含む一以上の領域を第二の一以上の領域と呼んでもよい。
図4の例では、配達場所候補A1の位置から第一距離D1以内の領域B1に配達車4の現在位置P1が存在する。このため、制御部11は、ステップS5の照合処理で、配達場所候補A1の位置から第一距離D1以内の領域が配達車4の現在位置P1を含むと判定する。
【0078】
ステップS6において、制御部11は、第二の一以上の領域に一対一対応する一以上の配達場所候補である一以上の代替配達場所に対象ユーザの荷物を配達可能であることを示す代替情報を生成する(ステップS6)。第二の一以上の領域に対応する一以上の配達場所候補と一以上の代替配達場所は一対一対応する。具体的には、ステップS6において、制御部11は、対象ユーザの荷物を識別する荷物IDと、一以上の代替配達場所を識別する一以上のマイエリアIDと、一以上の代替配達場所の名称と、を含む情報を、代替情報として生成する。尚、制御部11は、代替情報に含めるこれらの情報をメモリ13から取得する。一以上の代替配達場所と一以上のマイエリアIDは一対一対応し、一以上の代替配達場所と一以上の代替配達場所の名称は一対一対応する。
【0079】
そして、制御部11は、通信部12に、ステップS6で生成した代替情報を対象ユーザのユーザ端末2へ送信させる(ステップS7)。これにより、対象ユーザが訪れたと考えられる位置に関連付けられた前記一以上の代替配達場所に荷物を配達可能であることを、対象ユーザに提示することができる。
【0080】
一方、上記ステップS5における照合処理の結果、対象ユーザのマイエリア情報が示す全ての配達場所候補の位置から第一距離D1以内の全ての領域が、配達車4の現在位置P1を含まないとする(ステップS5でNO)。つまり、配達車4が対象ユーザのマイエリア情報が示す全ての配達場所候補の位置から、第一距離D1よりも長い距離だけ離間した位置に存在するとする。この場合、制御部11は、ステップS6を行わず、他のユーザを対象ユーザとしてステップS5の照合処理を行う。
【0081】
ステップS7の後、対象ユーザのユーザ端末2において、制御部21は、通信部25によって受信された代替情報を表示部26に表示する(ステップS8)。
図5は、ユーザ端末2に表示される代替情報を示す選択画面G50の一例を示す図である。具体的には、ステップS8において、制御部21は、例えば
図5に示すように、通信部25によって受信された代替情報を示す選択画面G50を表示部26に表示する。
【0082】
選択画面G50には、表示欄F51、表示欄F53、表示欄F54、オプションボタンF52、ボタンB51及びボタンB52等が含まれる。制御部21は、表示欄F51に、代替情報に含まれる対象ユーザの荷物を識別する荷物ID(例えば、「1234-5678-90」)を表示する。制御部21は、表示欄F53に、代替情報に含まれる一以上の代替配達場所の名称(例えば、「○○マート東神奈川店」、「東神奈川駅ロッカー」)を表示する。この例では、代替情報は二つの代替配達場所の名称を含む。
【0083】
制御部21は、表示欄F54に、選択画面G50を非表示にするまでの残り時間(例えば、「58秒」)を表示する。具体的には、制御部21は、選択画面G50の表示時に表示欄F54に所定の制限時間(例えば、「1分」)を表示後、所定の単位時間(例えば、「1秒」)が経過する度に、表示欄F54に表示する残り時間を当該単位時間だけ減少させる。制御部21は、選択画面G50の表示後、上記制限時間が経過すると、選択画面G50を非表示にする。
【0084】
オプションボタンF52は、表示欄F53に表示された名称が示す一以上の代替配達場所の何れか一つを、対象ユーザの荷物の配達場所として選択させるための画面部品である。
図5では、名称「○○マート東神奈川店」の代替配達場所が、対象ユーザの荷物の配達場所として選択された例を示している。ボタンB51は、オプションボタンF52を用いて選択された一以上の代替配達場所の何れか一つを、対象ユーザの荷物の配達場所としてサーバ1に通知するためのボタンである。ボタンB52は、選択画面G50を非表示にするためのボタンである。
【0085】
対象ユーザによるオプションボタンF52の操作によって、一以上の代替配達場所の何れかが対象ユーザの荷物の配達場所として選択された状態で、ボタンB51が押下されたとする(ステップS9)。この場合、制御部21は、当該選択された一つの代替配達場所を示す配達場所情報を、通信部25にサーバ1へ送信させる(ステップS10)。
【0086】
配達場所情報には、前記選択された一つの代替配達場所を識別するマイエリアIDと、対象ユーザを識別するユーザIDと、が含まれる。前記選択された一つの代替配達場所のマイエリアIDは、通信部25によって受信された代替情報から取得される。尚、対象ユーザによる操作部23の操作によってボタンB52が押下されると、制御部21は、選択画面G50を非表示にする。この場合、配達場所情報はサーバ1に送信されないことになる。
【0087】
一方、サーバ1では、ステップS7において通信部12が代替情報を対象ユーザのユーザ端末2に送信した後、通信部12が対象ユーザのユーザ端末2によって送信された配達場所情報を受信したとする。この場合、制御部11は、配達場所情報が示す場所に対象ユーザの荷物を配達することを示す提示情報を、通信部12に配達端末3へ送信させる(ステップS11)。
【0088】
提示情報には、対象ユーザの荷物を識別する荷物ID、対象ユーザの荷物の配達場所の名称及び当該配達場所の位置を示す情報等が含まれる。対象ユーザの荷物の配達場所は、通信部12によって受信された配達場所情報が示す場所である。つまり、対象ユーザの荷物の配達場所は、対象ユーザのマイエリア情報が示す一以上の代替配達場所のうち、対象ユーザによって選択された何れか一の代替配達場所である。制御部11は、提示情報に含めるこれらの情報をメモリ13から取得する。
【0089】
尚、ステップS7において通信部12が代替情報を対象ユーザのユーザ端末2に送信した後、上記制限時間が経過した時点で、通信部12が当該対象ユーザのユーザ端末2によって送信された配達場所情報を受信していなかったとする。この場合、制御部11は、ステップS11を行わない。
【0090】
ステップS11の後、配達端末3では、制御部31は、通信部35によって受信された提示情報を表示部36に表示する(ステップS12)。
図6は、配達端末3に表示される提示情報を示す表示画面G60の一例を示す図である。具体的には、ステップS12において、制御部31は、例えば
図6に示すように、通信部35によって受信された提示情報を示す表示画面G60を表示部36に表示する。
【0091】
表示画面G60は、地図領域R61とメッセージ領域R62とを備えている。制御部31は、地図領域R61に、配達車4の位置P1を含む一定範囲の地図画像を表示する。制御部31は、提示情報に含まれる対象ユーザの荷物の配達場所の位置を示す位置情報を取得し、取得した位置情報が示す位置に対応する当該地図画像上の位置に、当該配達場所を示すマークM62を表示する。また、制御部31は、検出部34が検出した配達車4の現在位置に対応する当該地図画像上の位置に、配達車4を示すマークM61を表示する。尚、地図画像の画像データは、配達端末3のメモリ32に記憶されていてもよいし、ステップS11において、サーバ1から送信される提示情報に含まれていてもよい。
【0092】
制御部31は、メッセージ領域R62に、地図領域R61に表示された対象ユーザの荷物の配達場所を示すマークM62と対応付けて吹き出し領域M63を表示する。吹き出し領域M63には、表示欄F61及び表示欄F62が含まれる。制御部31は、表示欄F61に、提示情報に含まれる対象ユーザの荷物を識別する荷物ID(例えば、「1234-5678-90」)を表示する。制御部31は、表示欄F62に、提示情報に含まれる対象ユーザの荷物の配達場所の名称(例えば、「○○マート東神奈川店」)を表示する。
【0093】
これにより、配達車4の現在位置から第一距離D1以内にある対象ユーザが訪れたと考えられる代替配達場所に、対象ユーザの荷物を配達することを、配達車4のドライバーに通知することができる。その結果、配達車4のドライバーは、配達車4を第一距離D1以下の距離を移動させれば、対象ユーザが訪れたと考えられる、対象ユーザにとって荷物を受け取りやすい代替配達場所に荷物を配達することができる。
【0094】
したがって、本態様によれば、配達車4の移動距離を増やすことなく、ユーザの受け取りやすい場所に荷物を届け、未配を防ぐことができる。これにより、荷物の再配達に要する配達車4の燃料コスト及びドライバーの人件費等のコストを軽減することができる。
【0095】
(マイエリア情報の設定方法)
次に、ステップS1~ステップS3(
図3参照)における一以上のユーザのマイエリア情報の設定方法について、
図7乃至
図12を用いて詳述する。
図7は、マイエリア情報の設定方法の概要を示す図である。
図8は、マイエリア情報を設定する処理の一例を示すフローチャートである。
図9は、移動履歴テーブルTuhの一例を示す図である。
図10は、エリアテーブルTmh1の一例を示す図である。
図11は、顧客テーブルTcsの一例を示す図である。
図12は、ユーザ端末2に表示される設定完了情報を示す通知画面G120の一例を示す図である。
【0096】
先ず、
図7を用いて、マイエリア情報の設定方法の概要について説明する。
図7には、提示システム10の一のユーザの自宅周辺の地図画像が図示されている。当該地図画像上には、配達車4により配達される荷物を保管可能な保管場所として、コンビニ「○○マート東神奈川店」、駅「○○駅」及びスーパー「△△ショップ東神奈川店」が図示され、当該一のユーザの現在位置の履歴が×印で図示されている。
【0097】
図7の例では、コンビニ「○○マート東神奈川店」の位置から第二距離D2以内の位置を示す点線の円形の領域に、×印が多く含まれている。これに対し、スーパー「△△ショップ東神奈川店」の位置から第二距離D2以内の位置を示す点線の円形の領域には、×印が含まれていない。このことから、当該一のユーザは、コンビニ「○○マート東神奈川店」に頻繁に訪れたと考えられ、スーパー「△△ショップ東神奈川店」には訪れたことがないと考えられる。この場合、当該一のユーザが自宅に不在のとき、当該ユーザが頻繁に訪れたと考えられるコンビニ「○○マート東神奈川店」に荷物を配達し、コンビニ「○○マート東神奈川店」が荷物を保管するようにすれば、当該一のユーザは、荷物を受け取るために、コンビニ「○○マート東神奈川店」まで容易に出向くと考えられる。
【0098】
本実施形態におけるマイエリア情報の設定方法は、上記考察の結果、想起されたものであり、先ず、上記×印に相当するユーザの現在位置の履歴を示す移動履歴情報を記憶する。なお、ユーザの現在位置はユーザ端末の現在位置である。そして、ユーザの移動履歴情報に基づき、ユーザが存在していた位置から第二距離D2内に存在する保管場所を把握する。そして、当該把握した保管場所の中で当該ユーザが頻繁に訪れたと考えられる保管場所を示す情報を、当該ユーザの配達場所候補を示すマイエリア情報として設定する。当該設定方法の具体的な処理フローを
図8に示す。
【0099】
尚、
図8では、サーバ1が、一のユーザのマイエリア情報を設定後、当該一のユーザのマイエリア情報の設定が完了したことを、当該一のユーザのユーザ端末2に通知するケースを例に挙げて説明する。また、サーバ1は、配達車4によって荷物が配達される他のユーザについても、
図8に示すフローに従い、当該他のユーザのマイエリア情報を設定後、当該他のユーザのマイエリア情報の設定が完了したことを、当該他のユーザのユーザ端末2に通知する。
【0100】
図8に示すように、通信部12が、ステップS1(
図3)でユーザ端末2が送信したユーザID及び対応ユーザの現在位置、すなわち、ユーザ端末の現在位置、を示す第二位置情報を受信すると(ステップS21)、制御部11は、ステップS21で受信されたユーザIDと第二位置情報とを関連付けて、
図9に示す移動履歴テーブルTuhに記憶する(ステップS22)。
【0101】
尚、コンビニ及び郵便局等の店舗において、監視カメラで取得した画像、監視マイクで取得した音声、又は、店舗における商品の購入履歴等から、ユーザの存在を検知するようにしてもよい。また、駅の改札機の通過履歴等から、ユーザの存在を検知するようにしてもよい。そして、ユーザの存在を検知した店舗又は駅等の位置を示す情報を、ユーザの現在位置を示す第二位置情報として、当該検知したユーザを識別するユーザIDと共に、サーバ1に送信するようにしてもよい。この場合にも、サーバ1において、通信部12が受信したユーザID及び第二位置情報を用いて、ステップS22以降の処理を行うようにしてもよい。
【0102】
移動履歴テーブルTuhは、メモリ13が有する記憶領域の一部によって構成されている。移動履歴テーブルTuhには、一以上のユーザの其々について、ユーザの現在位置を示す第二位置情報がレコード単位で記憶される。つまり、移動履歴テーブルTuhに記憶されている各ユーザに対応する一以上のレコードが、各ユーザの現在位置の履歴を示す移動履歴情報の一例に相当する。
【0103】
具体的には、移動履歴テーブルTuhは、
図9に示すように、「日時」、「ユーザID」、「位置情報」、「エリアID」及び「累積訪問回数」フィールドを備えている。ステップS22では、制御部11は、ステップS21でユーザID及び第二位置情報が受信された日時(受信日時の一例:例えば「8:00」)を「日時」フィールドに記憶する。尚、説明の便宜上、
図9における「日時」フィールドには、時刻を示す情報(例えば「8:00」)を図示しているが、実際には、年月日を示す情報(例えば「2018/12/10」)も記憶される。
【0104】
制御部11は、ステップS21で受信されたユーザID(例えば「GUEST0020」)を「ユーザID」フィールドに記憶する。制御部11は、ステップS21で受信された第二位置情報(例えば「(35.478898,139.635775)」)を「位置情報」フィールドに記憶する。このように、制御部11は、移動履歴テーブルTuhの「ユーザID」及び「位置情報」フィールドに、ステップS21で受信されたユーザID及び第二位置情報を其々記憶することにより、ステップS21で受信されたユーザIDと第二位置情報とを関連付けてメモリ13に記憶する。
【0105】
尚、「エリアID」フィールドには、後述するように、「位置情報」フィールドに記憶された第二位置情報が示す位置から、所定の第二距離D2以内に存在する保管場所を識別するエリアIDが記憶される。「累積訪問回数」フィールドには、後述するように、「ユーザID」フィールドに記憶されているユーザIDによって識別されるユーザが、「エリアID」フィールドに記憶されているエリアIDによって識別される保管場所に訪れたと考えられる回数の累計である累積訪問回数が記憶される。
【0106】
ステップS22の後、制御部11は、
図10に示すエリアテーブルTmh1を用いて、ステップS21で受信された第二位置情報が示す位置から所定の第二距離D2以内の位置に、荷物を保管可能な保管場所が存在するか否かを判定する(ステップS23)。尚、第二距離D2は、例えば、保管場所の敷地を覆う程度の大きさの円の半径(例えば、20~300m)に定められている。
【0107】
エリアテーブルTmh1は、メモリ13が有する記憶領域の一部によって構成されている。エリアテーブルTmh1には、荷物を保管可能な一以上の保管場所を示す情報(エリア情報の一例)が予め記憶されている。具体的には、
図10に示すように、エリアテーブルTmh1は、「エリアID」、「名称」及び「エリア位置情報」フィールドを備えている。「エリアID」フィールドには、荷物を保管可能な保管場所を識別するエリアID(例えば、「CB0011」)が記憶されている。「名称」フィールドには、保管場所の名称(例えば、「○○マート東神奈川店」)が記憶されている。「エリア位置情報」フィールドには、保管場所の位置の緯度及び経度を示すエリア位置情報(例えば、「(35.67971,139.765125)」)が記憶されている。尚、エリア位置情報は、これに限らず、保管場所の位置の住所(都道府県名、市町村名及び番地)を示す情報であってもよい。
【0108】
具体的には、ステップS23では、制御部11は、ステップS21で受信された第二位置情報が示す位置から第二距離D2以内の位置を示すエリア位置情報が、エリアテーブルTmh1に記憶されているか否かを判定する。当該エリア位置情報がエリアテーブルTmh1に記憶されている場合、制御部11は、ステップS21で受信された第二位置情報が示す位置から第二距離D2以内の位置に、保管場所が存在すると判定する(ステップS23でYES)。この場合、制御部11は、当該保管場所を識別するエリアIDを、ステップS22で移動履歴テーブルTuhに記憶した第二位置情報と関連付けて記憶する(ステップS24)。これにより、制御部11は、対応ユーザが当該保管場所に訪れたものとして、当該保管場所を識別するエリアIDを、対応ユーザの現在位置の履歴を示す移動履歴情報として記憶する。
【0109】
具体的には、ステップS24において、制御部11は、
図10に示すエリアテーブルTmh1において、ステップS21で受信された第二位置情報が示す位置から第二距離D2以内の位置を示すエリア位置情報(例えば、「(35.67971,139.765125)」)に関連付けられているエリアID(例えば、「CB0011」)を取得する。そして、制御部11は、当該取得したエリアID(例えば、「CB0011」)を、ステップS22において移動履歴テーブルTuh(
図9)の「位置情報」フィールドに記憶した第二位置情報(例えば、「(35.480165,139.639302)」)と関連付けて、移動履歴テーブルTuhの「エリアID」フィールドに記憶する。
【0110】
尚、エリアテーブルTmh1において、ステップS21で受信された第二位置情報が示す位置から第二距離D2以内の位置を示すエリア位置情報が複数記憶されているとする。この場合、ステップS24において、制御部11は、第二位置情報が示す位置に最も近い位置を示すエリア位置情報を含んだレコードに含まれるエリアIDを、ステップS22で移動履歴テーブルTuhに記憶した第二位置情報と関連付けて記憶する。
【0111】
次に、制御部11は、移動履歴テーブルTuhに記憶されている対応ユーザの移動履歴情報において、ステップS24で記憶したエリアIDと関連付けられている累積訪問回数の最大値を一回分加算(インクリメント)する(ステップS25)。これにより、制御部11は、対応ユーザが、ステップS24で移動履歴テーブルTuhに記憶されたエリアIDによって識別される保管場所に訪れたと考えられる回数の累計である累積訪問回数を1回増加させる。
【0112】
例えば、
図9に示す移動履歴テーブルTuhは、通信部12が日時「8:05」にユーザID「GUEST0020」及び第二位置情報「(35.480165,139.639302)」を受信した場合に、ステップS24でエリアID「CB0011」が「エリアID」フィールドに記憶された後、ステップS25が行われた例を示している。
【0113】
つまり、本具体例では、制御部11は、ユーザID「GUEST0020」によって識別される対応ユーザの移動履歴情報である、移動履歴テーブルTuhにおいてユーザID「GUEST0020」に関連付けられている一以上のレコードを参照する。そして、制御部11は、参照した一以上のレコードのうち、「エリアID」フィールドがステップS24で記憶されたエリアID「CB0011」であるレコードにおいて、「累積訪問回数」フィールドに記憶された累積訪問回数が最大値「80」であるレコードを参照する。そして、制御部11は、参照したレコードの「累積訪問回数」フィールドに記憶された累積訪問回数の最大値「80」に「1」加算した結果「81」を、ステップS24で記憶したエリアID「CB0011」に関連付けられた「累積訪問回数」フィールドに記憶する。
【0114】
次に、制御部11は、ステップS21で受信されたユーザIDによって識別される対応ユーザの移動履歴情報に、累積訪問回数が所定の第一回数より多い回数のレコードが含まれているか否かを判定する(ステップS26)。制御部11は、ステップS26において、対応ユーザの移動履歴情報に、累積訪問回数が所定の第一回数より多い回数を有するレコードが含まれていると判定した場合(ステップS26でYES)、ステップS27を行う。
【0115】
ステップS27において、制御部11は、累積訪問回数が所定の第一回数より多い回数を有するレコードに含まれるエリアIDを、ステップS21で受信されたユーザIDと関連付けて、
図11に示す顧客テーブルTcsに記憶する(ステップS27)。なお、累積訪問回数が所定の第一回数より多い回数のレコードに含まれるエリアIDが複数存在し、かつ複数のエリアIDが異なる場合は、制御部11はこれらの異なる複数のエリアIDを
図11に示す顧客テーブルTcsに記憶する。
【0116】
図11に示す顧客テーブルTcsにおいて、ユーザIDに対応する1以上のエリアIDは、ユーザIDで特定されるユーザのマイエリア情報である。例えば、
図11に示す顧客テーブルTcsにおいて、ユーザIDがGUEST0020で特定されるユーザのマイエリア情報はCB0011、CB0012、LK0080である。
【0117】
なお、顧客テーブルTcsに記憶されたエリアIDをマイエリアIDと呼んでもよい。つまり、制御部は対応ユーザが所定の第一回数よりも多くの回数訪れた一以上の保管場所を識別する一以上のエリアIDを、対応ユーザの一以上の配達場所候補を識別する一以上のマイエリアIDとしてメモリ13に記憶する。対応ユーザのマイエリア情報は対応ユーザの一以上のマイエリアIDである。
【0118】
これにより、制御部11は、対応ユーザのマイエリア情報の設定を終了する。
【0119】
顧客テーブルTcsは、メモリ13が有する記憶領域の一部によって構成されている。顧客テーブルTcsには、提示システム10を利用するユーザに関する情報が予め記憶されている。具体的には、
図11に示すように、顧客テーブルTcsは、「ユーザID」、「氏名」、「自宅住所」、「自宅位置」及び「マイエリアID」等のフィールドを備えている。「ユーザID」フィールドには、ユーザを識別するユーザID(例えば、「GUEST0020」)が記憶されている。「氏名」フィールドには、ユーザの名称(例えば、「宅急太郎」)が記憶されている。「自宅住所」フィールドには、ユーザの自宅の位置を示す住所が記憶されている。「自宅位置」フィールドには、ユーザの自宅の位置の緯度及び経度を示す自宅位置情報(例えば、「(35.477963,139.633347)」)が記憶されている。
【0120】
「マイエリアID」フィールドには、ユーザのマイエリア情報が記憶される。ユーザのマイエリア情報は配達場所候補を識別するマイエリアIDを一以上示す。つまり、ステップS27において、制御部11は、ステップS26で累積訪問回数が所定の第一回数より多い回数であると判定したレコードに含まれるエリアIDを「マイエリアID」フィールドに記憶する。なお、制御部11は、累積訪問回数が所定の第一回数より多い回数であると判断した一のレコードに含まれる一のエリアID、及び、一のエリアIDと異なりかつ累積訪問回数が所定の第一回数より多い回数であると判断した他のレコードに含まれる他のエリアIDを「マイエリアID」フィールドに記憶してもよい。
【0121】
例えば、
図11に示す顧客テーブルTcsは、ステップS26で、ユーザID「GUEST0020」で識別される対応ユーザの移動履歴情報に、累積訪問回数が所定の第一回数より多い回数であることを示す第1レコード、累積訪問回数が所定の第一回数より多い回数であることを示す第2レコード、累積訪問回数が所定の第一回数より多い回数であることを示す第3レコードが含まれると判定された後、ステップS27で、第1レコードに含まれるエリアID「CB0011」、第2レコードに含まれるエリアID「CB0012」、第3レコードに含まれるエリアID「LK0080」を「マイエリアID」フィールドに記憶された例を示している。
【0122】
尚、ステップS25~ステップS27に替えて、制御部11は、ステップS21で受信されたユーザIDによって識別される対応ユーザの移動履歴情報を示す、移動履歴テーブルTuhにおける一以上のレコードを参照してもよい。そして、制御部11は、当該参照した一以上のレコードに含まれる、所定の第一回数と同じ数の第一個数よりも多く存在する一以上のエリアIDを取得するようにしてもよい。そして、制御部11は、ステップS27と同様にして、当該取得した一以上のエリアIDを、対応ユーザのマイエリア情報が示す一以上の配達場所候補を識別する一以上のマイエリアIDとして、顧客テーブルTcsに記憶するようにしてもよい。
【0123】
ステップS27が終了すると、制御部11は、対応ユーザのマイエリア情報の設定が完了したものとして、対応ユーザのユーザ端末2に、マイエリア情報の設定が完了したことを示す情報(以降、設定完了情報と呼ぶことがある)を、通信部12に対応ユーザのユーザ端末2へ送信させる(ステップS28)。
【0124】
設定完了情報には、ステップS27で顧客テーブルTcsに記憶されたマイエリアIDによって識別される配達場所候補の名称及び位置を示す情報、対応ユーザの自宅とマイエリアIDによって識別される配達場所候補とを含む一定範囲の地図画像を示す情報、及び、顧客テーブルTcsの「自宅位置」フィールドに記憶されている対応ユーザの自宅の位置を示す情報等が含まれる。尚、制御部11は、エリアテーブルTmh1において当該マイエリアIDと同じエリアIDに関連付けられている保管場所の名称及びエリア位置情報を、マイエリアIDによって識別される配達場所候補の名称及び位置を示す情報として取得する。また、前記地図画像は、前記地図画像を示す画像データであってもよいし、当該画像データにアクセスするためのURLであってもよい。
【0125】
対応ユーザのユーザ端末2において、通信部25が設定完了情報を受信すると、制御部21は、例えば
図12に示すように、通信部25によって受信された設定完了情報を示す通知画面G120を表示部26に表示する。
【0126】
通知画面G120は、地図領域R121とメッセージ領域R122とを備えている。制御部21は、地図領域R121に、設定完了情報に含まれる地図画像を表示する。制御部21は、設定完了情報に含まれる配達場所候補の位置を示す情報を取得し、取得した情報が示す位置に対応する当該地図画像上の位置に、当該配達場所候補を示すマークM121を表示する。また、制御部21は、設定完了情報に含まれる対応ユーザの自宅の位置を示す情報を取得し、取得した情報が示す位置に対応する当該地図画像上の位置に、対応ユーザの自宅を示すマークM122を表示する。メッセージ領域R122には、表示欄F121が含まれる。制御部21は、表示欄F121に、設定完了情報に含まれる配達場所候補の名称(例えば、「○○マート東神奈川店」)を表示する。
【0127】
このように、本態様によれば、対応ユーザの移動履歴情報において、所定の第一回数と同じ数の第一個数よりも多く存在するエリアIDが、対応ユーザのマイエリア情報が示すマイエリアIDとしてメモリ13に記憶される。これにより、対応ユーザが、所定の第一回数よりも多く訪れたと考えられる保管場所を示す情報が対応ユーザのマイエリア情報として定められる。このため、ステップS7(
図3)において代替情報が対応ユーザのユーザ端末2に送信された場合に、対応ユーザが頻繁に訪れたと考えられる代替配達場所に荷物を配達可能であることを、対応ユーザに提示することができる。
【0128】
(ユースケース1:ユーザ不在時の処理フロー)
図3に示すシーケンスに従い、配達車4の走行中に各ユーザの荷物の配達場所を示す情報が配達端末3に表示された場合であっても、ステップS10が行われず、ユーザが指定した配達先に荷物を配達することがある。そして、配達車4が当該配達先に到着した際に、当該ユーザが不在である場合がある。このように、ユーザの不在時に、当該ユーザの荷物の配達場所を示す情報を配達端末3に表示する態様(以降、ユースケース1と呼ぶことがある)について、
図13及び
図14を用いて以下に説明する。
図13は、荷物テーブルTcb1の一例を示す図である。
図14は、ユーザ不在時にサーバ1が行う処理の第一例を示すフローチャートである。
【0129】
尚、以下の説明では、上述したように、
図8に示した各処理が行われ、一以上のユーザの其々について、各ユーザのマイエリア情報が設定されているものとする。また、サーバ1は、管理対象となる配達車4毎に、配達車4に配達させる一以上のユーザの荷物の其々に関する情報である荷物リスト(荷物情報の一例)を事前に作成しており、当該荷物リストが予め
図13に示す荷物テーブルTcb1に記憶されているものとする。
【0130】
また、提示システム10が対象とする配達車4には、配達車4が出発する事前に、荷物テーブルTcb1に記憶されている当該配達車4に対応する荷物リストがサーバ1から配達端末3に送信され、配達端末3のメモリ32に、サーバ1から受信した荷物リストが記憶されているものとする。
【0131】
荷物テーブルTcb1は、メモリ13が有する記憶領域の一部によって構成されている。具体的には、荷物テーブルTcb1は、
図13に示すように、「ユーザID」、「荷物ID」、「車両ID」、「配達先」、「配達先位置」及び「種類」等のフィールドを備えている。「ユーザID」フィールドには、ユーザを識別するユーザID(例えば、「GUEST0020」)が記憶されている。「荷物ID」フィールドには、ユーザの荷物を識別する荷物ID(例えば、「1234-5678-90」)が記憶されている。「車両ID」フィールドには、ユーザの荷物を配達する配達車4を識別する車両ID(例えば、「TRK0015」)が記憶されている。
【0132】
「配達先」フィールドには、ユーザが指定した荷物の配達先の名称又は住所を示す配達先名称情報(例えば、「横浜市神奈川区東神奈川・・・」)が記憶されている。「配達先位置」フィールドには、ユーザが指定した荷物の配達先の位置の緯度及び経度を示す配達先位置情報(例えば、「(・・・,・・・)」)が記憶されている。配達先名称情報及び配達先位置情報によって、ユーザが指定した荷物の配達先を示す配達先情報が構成されている。「種類」フィールドには、ユーザの荷物の種類を示す属性情報(例えば、「食品」)が記憶されている。荷物テーブルTcb1に記憶されている一以上のレコードが、荷物リストに相当する。
【0133】
ユースケース1では、先ず、配達車4のドライバーは、配達端末3の操作部33を用いて、指定された配達先に不在のユーザの荷物(以降、不在荷物と呼ぶことがある)を識別する荷物IDを入力する。制御部31は、不在荷物を識別する荷物IDが入力されると、通信部35に、当該入力された不在荷物を識別する荷物IDをサーバ1へ送信させる。
【0134】
図14に示すように、サーバ1では、通信部12が、配達端末3から不在荷物を識別する荷物IDを受信し(ステップS31)、ステップS4(
図3参照)で配達端末3から周期的に送信される車両ID及び第一位置情報を受信する(ステップS32)。制御部11は、荷物テーブルTcb1(
図13)を参照し、ステップS31で受信された荷物ID(例えば、「1234-5678-90」)に関連付けられているユーザID(例えば、「GUEST0020」)を取得する(ステップS33)。
【0135】
次に、制御部11は、顧客テーブルTcs(
図11)から、ステップS33で受信されたユーザID(例えば、「GUEST0020」)に関連付けられている一以上のマイエリアID(例えば、「CB0011、CB0012、LK0080」)を取得する(ステップS34)。このように、ステップS33及びステップS34において、制御部31は、不在荷物のユーザのマイエリア情報が示す一以上の配達候補場所を識別する、一以上のマイエリアIDを取得する。
【0136】
次に、制御部11は、ステップS5(
図3)と同様、ステップS34で取得した一以上のマイエリアIDによって示される一以上の配達場所候補の位置と一対一対応する一以上の領域と、ステップS32で受信された第一位置情報によって示される配達車4の現在位置P1と、の照合処理を行う(ステップS35)。一以上の領域のそれぞれは、対応する配達場所候補の位置から第一距離D1以内の領域である。具体的には、制御部11は、エリアテーブルTmh1(
図10)において、ステップS34で取得した一以上のマイエリアIDと同じ一以上のエリアIDに関連付けられている一以上のエリア位置情報を取得し、当該取得した一以上のエリア位置情報が示す一以上の位置を、前記一以上の配達場所候補の位置として、ステップS35の照合処理を行う。
【0137】
ステップS34で取得した一以上のマイエリアIDと一対一対応する一以上の領域のうち何れかが、配達車4の現在位置P1を含むとする(ステップS35でYES)。なお、ステップS34で取得した一以上のマイエリアIDと一対一対応する一以上の領域を第三の一以上の領域と呼び、第三の一以上の領域のうち配送車4の現在位置P1を含む一以上の領域を第四の一以上の領域と呼んでもよい。
【0138】
この場合、制御部11は、ステップS6及びステップS7(
図3)と同様、代替情報を生成し、当該生成した代替情報を、通信部12に、ステップS33で取得したユーザIDで識別されるユーザのユーザ端末2へ送信させる(ステップS36)。これにより、ステップS33で取得したユーザIDで識別されるユーザが訪れたと考えられる位置に関連付けられた第四の一以上の領域に一対一対応する一以上の配達場所候補である一以上の代替配達場所に荷物を配達可能であることを、当該ユーザに提示することができる。第四の一以上の領域に対応する一以上の配達場所候補と一以上の代替配達場所は一対一対応する。その後は、
図3に示したステップS8以降の処理が行われる。
【0139】
具体的には、ステップS36において、制御部11は、ステップS31で受信された荷物IDと、ステップS34で取得した一以上のマイエリアIDのうち、前記一以上の代替配達場所を識別する一以上のマイエリアIDと、エリアテーブルTmh1(
図10)において、前記一以上の代替配達場所を識別する一以上のマイエリアIDと同じ一以上のエリアIDに関連付けられている一以上の保管場所の名称と、を含む情報を、代替情報として生成する。
【0140】
一方、上記ステップS35の照合処理の結果、ステップS34で取得した一以上のマイエリアIDが示す全ての配達場所候補の位置から第一距離D1以内の全ての領域が、配達車4の現在位置P1を含まないとする(ステップS35でNO)。つまり、配達車4が、ステップS34で取得した一以上のマイエリアIDが示す全ての配達場所候補の位置から、第一距離D1よりも長い距離だけ離間した位置に存在するとする。この場合、制御部11は、ステップS36を行わずに、処理を終了する。この場合、
図3に示したステップS8以降の処理も行われない。
【0141】
その後、ステップS10(
図3)が行われ、サーバ1において、当該ユーザのユーザ端末2から前記一以上の代替配達場所の何れか一を示す配達場所情報が受信された場合、ステップS11(
図3)において、当該配達場所情報が示す場所に当該ユーザの荷物を配達することを示す提示情報が配達車4の配達端末3に送信される。これにより、配達車4の現在位置から第一距離D1以内にある当該ユーザが訪れたと考えられる代替配達場所に、不在荷物を配達することを、配達車4のドライバーに通知することができる。その結果、配達車のドライバーは、配達車4を第一距離D1以下の距離を移動させれば、当該ユーザが訪れたと考えられる、当該ユーザにとって荷物を受け取りやすい代替配達場所に不在荷物を配達することができ、未配を防ぐことができる。
【0142】
(ユースケース2:配達車4の出発前の処理フロー)
配達車4が近隣に住む複数のユーザの荷物を配達する場合、当該複数のユーザの荷物を当該複数のユーザの自宅の近隣に存在する保管場所に配達できれば、個別にユーザの荷物を配達することなく、効率良く荷物を配達できる。これを考慮し、複数のユーザの荷物を配達する配達車4の出発前に、各ユーザの荷物の配達場所を示す情報を配達端末3に表示する態様(以降、ユースケース2と呼ぶことがある)について、
図15及び
図16を用いて以下に説明する。
図15は、荷物テーブルTcb2の他の一例を示す図である。
図16は、配達車4の出発前にサーバ1が行う処理の第一例を示すフローチャートである。
【0143】
尚、以下の説明では、上述したように、
図8に示した各処理が行われ、一以上のユーザの其々について、各ユーザのマイエリア情報が設定されているものとする。また、サーバ1は、ユースケース1とは異なる構成の荷物リストを事前に作成しており、当該荷物リストが予め
図15に示す荷物テーブルTcb2に記憶されているものとする。
【0144】
荷物テーブルTcb2は、メモリ13が有する記憶領域の一部によって構成されている。具体的には、荷物テーブルTcb2は、
図15に示すように、
図13に示した荷物テーブルTcb1と同様の「ユーザID」、「荷物ID」、「車両ID」、「配達先」及び「配達先位置」フィールドを備え、更に、「出発地」及び「目的地」フィールドを備えている。
【0145】
「出発地」フィールドには、配達車4が「ユーザID」フィールドに記憶されたユーザIDによって識別されるユーザの荷物を配達するときの出発地を示す出発地情報(例えば、「博多BS」)が記憶されている。「目的地」フィールドには、配達車4が「ユーザID」フィールドに記憶されたユーザIDによって識別されるユーザの荷物を配達するときの目的地を示す目的地情報(例えば、「北大阪SC」)が記憶されている。荷物テーブルTcb2に記憶されている一以上のレコードが荷物リストに相当する。
【0146】
尚、
図15では説明の便宜上、出発地情報を、出発地の名称(例えば、「博多BS」)としているが、実際には、出発地情報には、出発地の位置の緯度及び経度を示す情報等が含まれる。同様に、目的地情報には、目的地の名称、目的地の位置の緯度及び経度を示す情報等が含まれる。
【0147】
ユースケース2では、先ず、配達車4のドライバーは、配達端末3の操作部33を用いて、出発地においてこれから出発を開始することを示すシグナル(以降、出発開始シグナルと呼ぶことがある)を入力する。制御部31は、当該出発開始シグナルが入力されると、当該入力された出発開始シグナルを、メモリ32に記憶されている車両IDと共にサーバ1に送信させる。
【0148】
図16に示すように、サーバ1では、通信部12が、配達端末3から車両ID及び出発開始シグナルを受信すると(ステップS41)、制御部11は、荷物テーブルTcb2(
図15)を参照し、ステップS41で受信された車両ID(例えば、「TRK0015」)に関連付けられている一以上の出発地情報(例えば、「博多BS」、「博多BS」、・・・、「北大阪SC」、・・・)及び目的地情報(例えば、「北大阪SC」、「北大阪SC」、・・・、「大阪府門真市・・・」、・・・)を取得する(ステップS42)。
【0149】
次に、制御部11は、カーナビゲーションシステム等で行われている公知のルート探索処理を用いて、ステップS42で取得した一以上の出発地情報及び目的地情報が示す一以上の出発地及び目的地の位置に基づき、配達車4が最初の荷物の配達を開始してから、最後の荷物の配達を終了するまでの走行経路を算出する(ステップS43)。
【0150】
例えば、ステップS41で、車両ID「TRK0015」が受信され、
図15に示す荷物テーブルTcb2を用いてステップS42及びステップS43が行われたとする。この場合、ステップS43では、配達車4が最初にユーザID「GUEST0020」によって識別されるユーザの荷物を配達するときの出発地「博多BS」から、配達車4が最初に当該荷物を配達するときの目的地及びユーザID「GUEST0080」によって識別されるユーザの荷物を配達するときの出発地「北大阪SC」を経由し、ユーザID「GUEST0080」によって識別されるユーザの荷物を配達するときの目的地「大阪府門真市・・・」を通る走行経路が算出される。
【0151】
また、制御部11は、荷物テーブルTcb2(
図15)を参照し、ステップS41で受信された車両ID(例えば、「TRK0015」)に関連付けられている一以上のユーザID(例えば、「GUEST0020」、「GUEST0021」、・・・、「GUEST0080」、・・・)を取得する(ステップS44)。そして、制御部11は、顧客テーブルTcs(
図11)から、ステップS44で受信された一以上のユーザIDの其々に関連付けられている一以上のマイエリアID(例えば、ユーザID「GUEST0020」に関連づけられた一以上のマイエリアID「CB0011、CB0012、LK0080」、ユーザID「GUEST0021」に関連づけられた一以上のマイエリアID「CB0011、LK0080」、・・・、ユーザID「GUEST0080」に関連づけられた一以上のマイエリアID「CB0030、LK0090」、・・・)を取得する(ステップS45)。このように、ステップS44及びステップS45おいて、制御部11は、出発前の配達車4が配達する一以上の荷物のユーザの其々について、ユーザのマイエリア情報が示す一以上の配達候補場所を識別する一以上のマイエリアIDを取得する。
【0152】
次に、制御部11は、ステップS45で取得したあるユーザに対応づけられた一以上のマイエリアIDを含むマイエリアセットと、他のユーザに対応づけられた一以上のマイエリアIDを含むマイエリアセットに、重複しているマイエリアIDが含まれているか否かを判定する(ステップS46)。例えば、ステップS45で、
図11に示す顧客テーブルTcsから、ユーザID「GUEST0020」に関連付けられたマイエリアID「CB0011、CB0012、LK0080」と、ユーザID「GUEST0021」に関連付けられたマイエリアID「CB0011、LK0080」が取得されたとする。この場合、制御部11は、ステップS46において、マイエリアID「CB0011」が重複していると判断する。また、制御部11は、ステップS46において、マイエリアID「LK0080」も重複していると判断する。重複すると判断した一以上のマイエリアIDは「CB0011」、「LK0080」である。
【0153】
次に、制御部11は、ステップS35(
図14)と同様、ステップS46で重複すると判断した一以上のマイエリアIDによって示される一以上の配達場所候補(一以上の重複候補の一例)の位置と一対一対応する一以上の領域と、ステップS43で算出された配達車4の走行経路と、を照合する(ステップS47)。一以上の領域のそれぞれは、対応する配達場所候補の位置から第一距離D1以内の領域である。つまり、制御部11は、ステップS47において、配達車4がステップS43で算出された走行経路上を走行中に容易に立ち寄ることができるか否か、すなわち、走行経路から第一距離D1以内に一以上の重複配達場所が存在するか否かを判定する。
【0154】
ステップS47において、ステップS46で重複すると判断した一以上のマイエリアIDと一対一対応する一以上の領域のうち何れかが、ステップS43で算出された配達車4の走行経路の上の位置を含むとする(ステップS47でYES)。なお、ステップS46で重複すると判断した一以上のマイエリアIDと一対一対応する一以上の領域を第五の一以上の領域と呼び、第五の一以上の領域のうち配送車4の走行経路の上の位置を含む領域を第六の一以上の領域と呼んでもよい。
【0155】
この場合、制御部11は、第六の一以上の領域に一対一対応する一以上の配達場所候補(以降、一以上の重複配達場所と呼ぶことがある)を識別する一以上のマイエリアIDを含むマイエリア情報に対応する一以上の通知対象ユーザの其々について、ステップS36(
図14)と同様のステップS48を行う(ステップS48)。具体的には、ステップS48において、制御部11は、一以上の重複配達場所のうち、各通知対象ユーザのマイエリア情報に含まれる一以上のマイエリアIDが示す一以上の重複配達場所を一以上の代替配達場所とする代替情報を生成する。そして、制御部11は、当該生成した代替情報を各通知対象ユーザのユーザ端末2に送信させる。その後は、
図3に示したステップS8以降の処理が行われる。
【0156】
例えば、ステップS47において、マイエリアID「CB0012」が示す重複配達場所の位置から第一距離D1以内の領域が配達車4の走行経路の上の位置を含み、及び、マイエリアID「LK0080」が示す重複配達場所の位置から第一距離D1以内の領域が、配達車4の走行経路の上の位置を含むとする。この場合、ステップS48において、制御部11は、
図11に示す顧客テーブルTcsにおいて、マイエリアID「CB0012」及び「LK0080」に関連付けられているユーザID「GUEST0020」によって識別されるユーザを通知対象ユーザと判断する。
【0157】
そして、制御部11は、荷物テーブルTcb2(
図15)において、当該通知対象ユーザを識別するユーザID「GUEST0020」に関連付けられている荷物ID「1234-5678-90」と、前記二個の重複配達場所を識別するマイエリアID「CB0012」「LK0080」と、エリアテーブルTmh1(
図10)において、前記二個の重複配達場所を識別するマイエリアID「CB0012」「LK0080」と同じエリアIDに関連付けられている保管場所の名称「△△ショップ東神奈川店」「東神奈川駅ロッカー」と、を含む情報を、代替情報として生成する。そして、制御部11は、当該生成した代替情報を通信部12に当該通知対象ユーザのユーザ端末2へ送信させる。
【0158】
また、制御部11は、
図11に示す顧客テーブルTcsにおいて、前記二個の重複配達場所を識別するマイエリアID「CB0012」及び「LK0080」のうち、一個の重複配達場所を識別するマイエリアID「LK0080」に関連付けられているユーザID「GUEST0021」によって識別されるユーザも、通知対象ユーザと判断する。
【0159】
そして、制御部11は、荷物テーブルTcb2(
図15)において、当該通知対象ユーザを識別するユーザID「GUEST0021」に関連付けられている荷物ID「0987-6543-21」と、前記一個の重複配達場所を識別するマイエリアID「LK0080」と、エリアテーブルTmh1(
図10)において、前記一個の重複配達場所を識別するマイエリアID「LK0080」と同じエリアIDに関連付けられている保管場所の名称「東神奈川駅ロッカー」と、を含む情報を、代替情報として生成する。そして、制御部11は、当該生成した代替情報を当該通知対象ユーザのユーザ端末2に送信させる。
【0160】
本態様によれば、あるユーザに対応づけられた一以上のマイエリアIDを含むマイエリアセットと、他のユーザに対応づけられた一以上のマイエリアIDを含むマイエリアセットに、一以上のマイエリアIDが重複して含まれている場合、前記重複している一以上のマイエリアIDに一対一対応する一以上の配達場所候補の位置から第一距離D1以内の第五の一以上の領域と、配達車4が最初の荷物の配達を開始してから最後の荷物の配達を終了するまでの走行経路の位置が照合される。第五の一以上の領域のそれぞれは、対応する配達場所候補の位置からの第一距離D1以内の領域である。当該照合の結果、第五の一以上の領域のうち第六の一以上の領域が走行経路の上の位置を含むとする。この場合、通知対象ユーザのユーザ端末2に、第六の一以上の領域に一対一対応する一以上のマイエリアIDが示す一以上の重複配達場所を一以上の代替配達場所とする代替情報が送信される。
【0161】
これにより、前記走行経路から第一距離D1以内に一以上の重複配達場所が存在する場合に、一以上の重複配達場所の其々に荷物を配達可能であることを、通知対象ユーザに提示することができる。その結果、一以上の通知対象ユーザのユーザ端末2から配達場所情報を受信した場合には、配達端末3に提示情報が送信されるので、配達車4は、当該一以上の通知対象ユーザの荷物を、前記受信された配達場所情報が示す、一以上の重複配達場所の何れか一の場所に纏めて配達することができる。この場合、配達車4は、各通知対象ユーザの荷物を指定された配達先まで個別に配達させるのに要する手間を軽減でき、効率よく荷物を配達することができる。
【0162】
(ユースケース3:配達車4の出発前の処理フロー)
例えば急用等によって、ユーザが、予め指定した配達希望日時までに荷物の配達先まで移動することが困難になる場合がある。このような場合に、ユーザが頻繁に訪れたと考えられる保管場所が配達車4の走行経路付近に存在するときは、当該保管場所に荷物を配達することが考えられる。この場合、配達車4のドライバーは、ユーザが指定した配達先まで配達車4を走行させることなく、荷物を配達することができる。これにより、配達車4の燃料コスト及び当該荷物の配達に要する時間を軽減できる。また、当該ユーザは、急いで配達先に向かわなくても、都合の良い時間に頻繁に訪れたと考えられる保管場所で荷物を受け取ることができる。
【0163】
これを考慮し、次の荷物を配達するために配達車4が出発する前に、当該次の荷物のユーザの現在位置、当該ユーザが指定した荷物の配達希望日時及び当該ユーザが指定した荷物の配達先に基づき、当該ユーザの荷物の配達場所を示す情報を配達端末3に表示する態様(以降、ユースケース3と呼ぶことがある)について、
図17乃至
図19を用いて以下に説明する。
図17は、荷物テーブルTcb3の一例を示す図である。
図18は、配達車4の出発前にサーバ1が行う処理の第二例を示すフローチャートである。
図19は、
図18に示す処理後の荷物テーブルTcb3の一例を示す図である。
【0164】
尚、以下の説明では、上述したように、
図8に示した各処理が行われ、一以上のユーザの其々について、各ユーザのマイエリア情報が設定されているものとする。また、サーバ1は、ユースケース1及び2とは異なる構成の荷物リストを事前に作成しており、当該荷物リストが予め
図17に示す荷物テーブルTcb3に記憶されているものとする。
【0165】
ユースケース3では、荷物テーブルTcb3は、
図17に示すように、
図13に示した荷物テーブルTcb1と同様の「ユーザID」、「荷物ID」、「車両ID」、「配達先」、「配達先位置」フィールドを備え、更に、「配達先種別」フィールド及び「配達希望日時」フィールドを備えている。
【0166】
「配達先種別」フィールドには、「配達先」及び「配達先位置」フィールドに記憶されている配達先名称情報及び配達先位置情報からなる配達先情報によって示される配達先が、ユーザが荷物の配達を依頼時にユーザによって指定された場所であることを示す情報である「指定先」(以降、第三情報と呼ぶことがある)が記憶されている。尚、荷物リストの作成当初、「配達先種別」フィールドには、第三情報が記憶されているが、
図18に示す処理フローに従ってサーバ1が処理を行った結果、「配達先種別」フィールドに記載されている第三情報が、ユーザのマイエリア情報に基づいて定められた場所であることを示す情報である「マイエリア」(以降、第四情報と呼ぶことがある)に更新される場合がある。「配達希望日時」フィールドには、ユーザが指定した荷物の配達を希望する日時を示す希望日時情報が記憶されている。
【0167】
また、荷物テーブルTcb3に記憶されている一以上のレコードが荷物リストに相当する。荷物リストを示す一以上のレコードは、カーナビゲーションシステム等で行われている公知の最短ルート探索処理を用いて、「配達先」フィールド及び「配達先位置」フィールドに記憶されている配達先情報に基づき定められた配達車4の走行経路による荷物の配達順にソートされている。例えば、
図17に示す荷物テーブルTcb3は、一行目のレコードに含まれる荷物ID「1234-5678-90」によって識別される荷物が最初に配達され、次に、二行目のレコードに含まれる荷物ID「1234-5678-90」によって識別される荷物が配達されることを示している。
【0168】
ユースケース3では、先ず、配達車4のドライバーは、配達端末3の操作部33を用いて、次の荷物を配達するために出発を開始することを示すシグナル(以降、次配達開始シグナルと呼ぶことがある)を入力する。制御部31は、次配達開始シグナルが入力されると、通信部35に、当該入力された次配達開始シグナルとメモリ32に記憶されている車両IDを、にサーバ1へ送信させる。
【0169】
図18に示すように、サーバ1では、通信部12が、配達端末3から車両ID及び次配達開始シグナルを受信すると(ステップS51)、制御部11は、荷物テーブルTcb3(
図17)を参照し、ステップS51で受信された車両ID(例えば、「TRK0015」)に関連付けられている一以上の荷物IDのうち、次に配達する荷物を識別する荷物ID(例えば、「1234-5678-90」)と、当該荷物IDに関連付けられているユーザID(例えば、「GUEST0020」)、配達先情報(例えば、配達先名称情報「横浜市神奈川区東神奈川・・・」、配達先位置情報「・・・」)及び希望日時情報(例えば、「2018/12/10 17:00」)と、を取得する(ステップS52)。
【0170】
次に、制御部11は、移動履歴テーブルTuh(
図9)から、ステップS52で取得したユーザIDによって識別されるユーザ(以降、変更対象ユーザと呼ぶことがある)の現在位置を示す情報を取得する(ステップS53)。具体的には、ステップS53において、制御部11は、移動履歴テーブルTuh(
図9)に記憶されている、ステップS52で取得したユーザID(例えば、「GUEST0020」)を含む一以上のレコードのうち、最後に記憶されたレコードから、「位置情報」フィールドに記憶されている位置情報(例えば、「(35.606218,139.734931)」)を、変更対象ユーザの現在位置を示す情報として取得する。
【0171】
次に、カーナビゲーションシステム等で行われている公知の予測処理を用いて(例えば、特開2013-167972号公報を参照)、ステップS53で取得した変更対象ユーザの現在位置を示す情報(例えば、「(35.606218,139.734931)」)、ステップS52で取得した配達先情報である対象配達先情報(例えば、配達先名称情報「横浜市神奈川区東神奈川・・・」、配達先位置情報「・・・」)及び希望日時情報に基づき、前記取得した希望日時情報が示す日時(例えば、「2018/12/10 17:00」)に、変更対象ユーザが、対象配達先情報が示す配達先に不在であるか否かを予測する(ステップS54)。
【0172】
制御部11が、ステップS54において、変更対象ユーザが、対象配達先情報が示す配達先に不在であると予測したとする(ステップS54でYES)。この場合、制御部11は、荷物テーブルTcb3(
図17)を参照し、ステップS51で受信された車両ID(例えば、「TRK0015」)に関連付けられている一以上の荷物IDのうち、更に次に配達する荷物を識別する荷物ID(例えば、「0987-6543-21」)に関連付けられている配達先情報(例えば、配達先名称情報「横浜市神奈川区東神奈川・・・」及び配達先位置情報「・・・」)を取得する(ステップS55)。一方、制御部11は、ステップS54において、変更対象ユーザが、対象配達先情報が示す配達先に存在すると予測した場合(ステップS54でNO)、ステップS55以降の処理を行わず、処理を終了する。
【0173】
ステップS55の後、制御部11は、カーナビゲーションシステム等で行われている公知のルート探索処理を用いて(例えば、特開2009-257940号公報を参照)、ステップS52で取得した対象配達先情報が示す配達先の位置から、ステップS55で取得した配達先情報(次配達先情報の一例)が示す配達先の位置までの配達車4の走行経路を算出する(ステップS56)。
【0174】
次に、制御部11は、変更対象ユーザのマイエリア情報に含まれる一以上のマイエリアIDによって示される一以上の配達場所候補(一以上の対象候補の一例)の位置と一対一対応する一以上の領域と、ステップS56で算出された配達車4の走行経路と、を照合する(ステップS57)。一以上の領域のそれぞれは、対応する配達場所候補の位置から第一距離D1以内の領域である。つまり、制御部11は、ステップS57において、配達車4が上記更に次の荷物を配達するためにステップS56で算出された走行経路上を走行中に容易に立ち寄ることができるか否か、すなわち、走行経路から第一距離D1以内に配達場所候補が存在するか否かを判定する。
【0175】
具体的には、制御部11は、ステップS57において、ステップS45(
図16)と同様、顧客テーブルTcs(
図11)から、ステップS52で受信された変更対象ユーザのユーザID(例えば、「GUEST0020」)に関連付けられている一以上のマイエリアID(例えば、「CB0011、CB0012、LK0080」)を取得する。そして、制御部11は、ステップS47(
図16)と同様、当該取得した一以上のマイエリアIDによって示される一以上の配達場所候補の位置と一対一対応する一以上の領域と、ステップS56で算出された配達車4の走行経路の位置と、を照合する。
【0176】
ステップS57において、変更対象ユーザのマイエリア情報に含まれる一以上のマイエリアIDと一対一対応する一以上の領域のうち何れかが、ステップS56で算出された配達車4の走行経路の上の位置を含むとする(ステップS57でYES)。なお、ステップS57において、変更対象ユーザのマイエリア情報に含まれる一以上のマイエリアIDと一対一対応する一以上の領域を第七の一以上の領域と呼び、第七の一以上の領域のうち配送車4の走行経路の上の位置を含む領域を第八の一以上の領域と呼んでもよい。
【0177】
この場合、制御部11は、ステップS36(
図14)と同様、第八の一以上の領域に一対一対応する一以上の配達場所候補(以降、一以上の近接配達場所と呼ぶことがある)を一以上の代替配達場所とする代替情報を生成し、変更対象ユーザのユーザ端末2に送信させる(ステップS58)。その後は、
図3に示したステップS8以降の処理が行われる。
【0178】
例えば、ステップS57において、ユーザID「GUEST0020」で識別される変更対象ユーザに対応するマイエリアID「CB0011」及び「LK0080」を考える。マイエリアID「CB0011」が示す近接配達場所の位置から第一距離D1以内の領域が配達車4の走行経路の上の位置を含み、及びマイエリアID「LK0080」が示す近接配達場所の位置から第一距離D1以内の領域が配達車4の走行経路の上の位置を含むとする。この場合、制御部11は、ステップS52で取得された変更対象ユーザの荷物を識別する荷物IDと、近接配達場所を識別するマイエリアID「CB0011」「LK0080」と、エリアテーブルTmh1(
図10)において、近接配達場所を識別するマイエリアID「CB0011」「LK0080」と同じエリアIDに関連付けられている保管場所の名称「○○マート東神奈川店」「東神奈川駅ロッカー」と、を含む情報を、代替情報として生成する。そして、制御部11は、当該生成した代替情報を通信部12に変更対象ユーザのユーザ端末2へ送信させる。
【0179】
これにより、変更対象ユーザが配達を希望した日時に、指定した配達先に不在であることが予測される場合に、一以上の近接配達場所に荷物を配達可能であることを、変更対象ユーザに提示することができる。その結果、変更対象ユーザは、急いで指定した配達先まで移動しなくても、都合のよいときに一以上の近接配達場所で荷物を受け取り可能であることを把握することができる。
【0180】
尚、その後、ステップS9(
図3)で、マイエリアID「CB0011」が示す近接配達場所が変更対象ユーザの荷物の配達場所として選択されたとする。そして、ステップS10(
図3)で、当該近接配達場所を示す配達場所情報がサーバ1に送信され、通信部12が当該配達場所情報を受信したとする。
【0181】
この場合、ステップS11(
図3)において、制御部11は、前記受信された配達場所情報が示す、マイエリアID「CB0011」が示す近接配達場所に、変更対象ユーザの荷物を配達することを示す提示情報を通信部12に配達端末3へ送信させる。具体的には、制御部11は、ステップS52で取得された変更対象ユーザの荷物を識別する荷物IDと、エリアテーブルTmh1(
図10)において、マイエリアID「CB0011」と同じエリアIDに関連付けられている保管場所の名称「○○マート東神奈川店」及びエリア位置情報「(35.67971,139.765125)」と、を含む情報を、提示情報として、配達端末3に送信させる。
【0182】
更に、制御部11は、荷物テーブルTcb3(
図17)において、変更対象ユーザに対応する配達先情報を、前記受信された配達場所情報を用いて更新し、前記更新した配達先情報に第四情報を関連付けた後、荷物テーブルTcb3に記憶されている一以上のレコードを荷物の配達順に並び替える。
【0183】
具体的には、制御部11は、荷物テーブルTcb3(
図17)において、変更対象ユーザのユーザID「GUEST0020」に関連付けられている配達先名称情報「横浜市神奈川区東神奈川・・・」を、エリアテーブルTmh1(
図10)において、前記受信された配達場所情報が示す近接配達場所を識別するマイエリアID「CB0011」と同じエリアIDに関連付けられている名称「○○マート東神奈川店」に更新する。
【0184】
また、制御部11は、荷物テーブルTcb3(
図17)において、変更対象ユーザのユーザID「GUEST0020」に関連付けられている配達先位置情報「・・・」を、エリアテーブルTmh1(
図10)において、前記受信された配達場所情報が示す近接配達場所を識別するマイエリアID「CB0011」と同じエリアIDに関連付けられているエリア位置情報「(35.67971,139.765125)」に更新する。
【0185】
また、制御部11は、荷物テーブルTcb3(
図17)において、変更対象ユーザのユーザID「GUEST0020」を含むレコードの「配達先種別」フィールドに記憶されている第三情報を第四情報に更新する。
【0186】
そして、制御部11は、荷物テーブルTcb3(
図17)に記憶されている一以上のレコードを、カーナビゲーションシステム等で行われている公知の最短ルート探索処理を用いて、「配達先」及び「配達先位置」フィールドに記憶されている配達先情報に基づき定められた配達車4の走行経路による荷物の配達順にソートする。
【0187】
当該処理の結果、更新された荷物テーブルTcb31を
図19に示す。
図19に示す荷物テーブルTcb31は、上記処理の結果、網掛け部に示す、「配達先」、「配達先位置」及び「配達先種別」フィールドに記憶されている情報が更新されたことを示している。尚、当該網掛け部に含まれる「マイエリア」は、第四情報の一例を示す。また、
図19に示す荷物テーブルTcb31は、上記処理の結果、荷物ID「0987-6543-21」を含むレコードが一番目のレコードとなり、変更対象ユーザの荷物を識別する荷物ID「1234-5678-90」を含むレコードが二番目のレコードとなるように、並び替えられたことを示している。
【0188】
上記態様は、本開示に係る実施形態の例示に過ぎず、本開示を上記態様に限定する趣旨ではない。例えば、以下に示す変形実施形態であってもよい。
【0189】
(変形実施形態1)
例えば、冷凍食品及び生鮮食品等の食品の荷物をユーザが指定した配達先に配達した場合に、ユーザが不在であったとする。しかし、当該配達先の付近に、ユーザが頻繁に訪れたと考えられる食品の荷物を保管可能な保管場所が存在する場合、当該荷物を当該保管場所に配達して保管するようにすれば、ユーザは、再配達を依頼することなく、当該保管場所に容易に訪れ、荷物を保管された状態で受け取ることができると考えられる。
【0190】
このようなユーザが不在時の態様を実現するため、メモリ13の記憶領域の一部によって、
図20に示す属性別配達テーブルTba1を構成してもよい。また、
図10に示したエリアテーブルTmh1の構成を、
図21に示すエリアテーブルTmh2の構成に変更してもよい。これに合わせて、サーバ1において、
図22に示す処理フローに従って処理を行うようにしてもよい。
図20は、属性別配達テーブルTba1の一例を示す図である。
図21は、エリアテーブルTmh2の一例を示す図である。
図22は、ユーザ不在時にサーバ1が行う処理の第二例を示すフローチャートである。
【0191】
具体的には、属性別配達テーブルTba1は、
図20に示すように、「ユーザID」、「種類」及び「配達先区分」フィールドを備えている。「ユーザID」フィールドには、ユーザを識別するユーザID(例えば、「GUEST0020」)が記憶されている。「種類」フィールドには、ユーザの荷物の種類を示す属性情報(例えば、「一般」、「食品」)が記憶されている。「配達先区分」フィールドには、「種類」フィールドに記憶されている属性情報が示す属性の荷物を、
図13に示す荷物テーブルTcb1の「配達先」及び「配達先位置」フィールドに記憶されている情報からなる配達先情報が示す配達先に荷物を配達することを示す第一情報(例えば、「指定先」)が記憶されている。又は、「配達先区分」フィールドには、「種類」フィールドに記憶されている属性情報が示す属性の荷物を、マイエリア情報に含まれる何れかの配達場所候補に荷物を配達することを示す第二情報(例えば、「マイエリア」)が記憶されている。
【0192】
このように、属性別配達テーブルTba1には、一以上のユーザの其々について、ユーザの荷物の種類と、当該種類の荷物の配達先を区別する情報と、が関連付けて記憶されている。属性別配達テーブルTba1に記憶されている一以上のレコードが、属性別情報の一例に相当する。
【0193】
エリアテーブルTmh2は、
図21に示すように、エリアテーブルTmh1(
図10)と同様、「エリアID」、「名称」及び「エリア位置情報」フィールドを備え、更に、「保管可能な種類」フィールドを備えている。「保管可能な種類」フィールドには、「名称」フィールドに記憶されている名称の保管場所において保管可能な一以上の荷物の種類を示す種類情報(例えば、「一般、食品、ゴルフ」)が記憶されている。
【0194】
本態様では、ユースケース1と同様、先ず、制御部31は、通信部35に、配達車4のドライバーが入力した不在荷物を識別する荷物IDをサーバ1へ送信させる。
【0195】
図22に示すように、サーバ1では、ステップS31及びステップS32(
図14)と同様、通信部12が、配達端末3から不在荷物を識別する荷物ID、配達端末3から周期的に送信される車両ID及び第一位置情報を受信する(ステップS61)。制御部11は、荷物テーブルTcb1(
図13)を参照し、ステップS61で受信された荷物ID(例えば、「1234-5678-90」)に関連付けられている属性情報(例えば、「食品」)及びユーザID(例えば、「GUEST0020」)を取得する(ステップS62)。
【0196】
次に、制御部11は、属性別配達テーブルTba1(
図20)において、「ユーザID」及び「種類」フィールドに、ステップS62で取得したユーザID(例えば、「GUEST0020」)及び属性情報(例えば、「食品」)と同じユーザID及び属性情報が記憶されているレコードを参照し、参照したレコードの「配達先区分」フィールドに、第二情報(例えば、「マイエリア」)が記憶されているか否かを判定する(ステップS63)。これにより、制御部11は、ステップS62で取得したユーザIDによって識別されるユーザの荷物の種類が、ステップS62で取得した属性情報が示す種類であった場合に、当該荷物が当該ユーザのマイエリア情報に含まれる何れかの配達場所候補に配達されてよいものであるか否かを判定する。
【0197】
ステップS63において、制御部11は、第二情報が記憶されていると判定した場合(ステップS63でYES)、ステップS34(
図14)と同様、顧客テーブルTcs(
図11)から、ステップS62で取得したユーザID(例えば、「GUEST0020」)に関連付けられている一以上のマイエリアID(例えば、「CB0011、CB0012、LK0080」)を取得する(ステップS64)。これにより、制御部11は、不在荷物のユーザのマイエリア情報が示す一以上の配達候補場所を識別する、一以上のマイエリアIDを取得する。
【0198】
次に、制御部11は、エリアテーブルTmh2(
図21)から、ステップS62で取得した属性情報が示す種類の荷物を保管可能な一以上の保管場所を識別する一以上のエリアIDを取得する(ステップS65)。具体的には、ステップS65において、制御部11は、エリアテーブルTmh2(
図21)において、「保管可能な種類」フィールドに記憶されている種類情報に、ステップS62で取得した属性情報が示す荷物の種類(例えば、「食品」)を含む一以上のレコードを参照する。そして、制御部11は、参照した一以上のレコードの「エリアID」フィールドに記憶されている、一以上のエリアID(例えば、「CB0011」)を取得する。
【0199】
そして、制御部11は、ステップS64で取得した一以上のマイエリアID(例えば、「CB0011、CB0012、LK0080」)のうち、ステップS65で取得した一以上のエリアIDと一致するマイエリアID(例えば、「CB0011」)を取得する(ステップS66)。これにより、制御部11は、不在荷物のユーザのマイエリア情報が示す一以上の配達候補場所のうち、不在荷物を保管可能な一以上の配達候補場所を識別する一以上のマイエリアIDを取得する。
【0200】
次に、制御部11は、ステップS35(
図14)と同様、ステップS66で取得した一以上のマイエリアIDよって示される一以上の配達場所候補の位置と一対一対応する一以上の領域と、ステップS61で受信された第一位置情報によって示される配達車4の現在位置P1と、の照合処理を行う(ステップS67)。一以上の領域のそれぞれは、対応する配達場所候補の位置から第一距離D1以内の領域である。具体的には、制御部11は、エリアテーブルTmh2(
図21)において、ステップS66で取得した一以上のマイエリアIDと同じ一以上のエリアIDに関連付けられている一以上のエリア位置情報を取得し、当該取得した一以上のエリア位置情報が示す一以上の位置を、前記一以上の配達場所候補の位置として、ステップS67を行う。
【0201】
ステップS66で取得した一以上のマイエリアIDと一対一対応する一以上の領域のうち何れかが、配達車4の現在位置P1を含むとする(ステップS67でYES)。なお、ステップS66で取得した一以上のマイエリアIDと一対一対応する一以上の領域を第九の一以上の領域と呼び、第九の一以上の領域のうち配送車4の現在位置P1を含む領域を第十の一以上の領域と呼んでもよい。この場合、制御部11は、ステップS36(
図14)と同様、代替情報を生成し、当該生成した代替情報を、ステップS62で取得したユーザIDで識別されるユーザのユーザ端末2に送信させる(ステップS68)。その後は、
図3に示したステップS8以降の処理が行われる。
【0202】
具体的には、ステップS68において、制御部11は、ステップS61で受信された荷物IDと、第十の一以上の領域に一対一対応する一以上の配達場所候補である一以上の代替配達場所を識別するマイエリアIDと、エリアテーブルTmh2(
図21)において、前記一以上の代替配達場所を識別するマイエリアIDと同じエリアIDに関連付けられている保管場所の名称と、を含む情報を、代替情報として生成する。
【0203】
一方、ステップS63において、制御部11が、参照したレコードの「配達先区分」フィールドに第一情報「指定先」が記憶されているため、第二情報「マイエリア」が記憶されていないと判定したとする(ステップS63でNO)。又は、ステップS67の照合処理の結果、ステップS66で取得した全てのマイエリアIDが示す全ての配達場所候補の位置から第一距離D1以内の全ての領域が、配達車4の現在位置P1を含まないとする(ステップS67でNO)。これらの場合、制御部11は、ステップS68を行わずに、処理を終了する。この場合、
図3に示したステップS8以降の処理も行われない。
【0204】
本態様によれば、配達端末3から荷物IDを受信した場合、荷物テーブルTcb1(
図13)において前記受信された荷物IDに関連付けられている属性情報が取得される。そして、属性別配達テーブルTba1(
図20)において前記取得された属性情報に対して、第一情報が関連付けられている場合には、代替情報が送信されない。このため、配達端末3から受信した荷物IDによって識別される荷物が、第一情報が関連付けられている種類の荷物である場合に、第一情報が示すように、マイエリア情報に含まれる何れかの配達場所候補に当該荷物が配達されることを適切に回避することができる。
【0205】
一方、属性別配達テーブルTba1(
図20)において前記取得された属性情報に対して、第二情報が関連付けられている場合には、代替情報が送信される。このため、配達端末3から受信した荷物IDによって識別される荷物が、第二情報が関連付けられている種類の荷物である場合に、第二情報が示すように、マイエリア情報に含まれる何れかの配達場所候補に当該荷物を配達し、未配を防ぐことができる。
【0206】
また、荷物テーブルTcb1(
図13)において、配達端末3から受信した荷物IDに関連付けられている属性情報が取得され、属性別配達テーブルTba1(
図20)において前記取得した属性情報である対象属性情報に対して第二情報が関連付けられていたとする。この場合、本態様によれば、ステップS67の照合処理において、対象ユーザのマイエリア情報に含まれるマイエリアIDが示す一以上の配達場所候補のうち、エリアテーブルTmh2(
図21)を用いて取得された、対象属性情報が示す種類の荷物を保管可能な一以上の配達場所候補の位置から第一距離以内の位置と、配達端末3から受信された第一位置情報が示す配達車4の現在位置と、が照合される。このため、当該照合処理の結果、ユーザ端末2に送信される代替情報に、対象属性情報が示す属性の荷物を保管できない一以上の代替配達場所が含まれることを回避することができる。
【0207】
(変形実施形態2)
例えば、重量又は寸法が大きい運び難い荷物をユーザが指定した配達先に配達した場合に、ユーザが不在であったとする。この場合、当該配達先の付近に存在するユーザが頻繁に訪れたと考えられる保管場所に当該荷物を配達して保管するようにしたとしても、ユーザは、当該荷物を指定した配達先まで持ち帰ることができない虞がある。
【0208】
このようなユーザが不在時の問題を解消する態様を実現するため、
図13等に示した荷物テーブルの構成を、
図23に示す荷物テーブルTcb4の構成に変更し、
図20に示した属性別配達テーブルTba1の構成を、
図24に示す属性別配達テーブルTba2の構成に変更してもよい。これに合わせて、サーバ1において、
図25に示す処理フローに従って処理を行うようにしてもよい。
図23は、荷物テーブルTcb4の一例を示す図である。
図24は、属性別配達テーブルTba2の一例を示す図である。
図25は、ユーザ不在時にサーバ1が行う処理の第三例を示すフローチャートである。
【0209】
具体的には、荷物テーブルTcb4は、
図23に示すように、荷物テーブルTcb1(
図13)と同様、「ユーザID」、「荷物ID」、「車両ID」、「配達先」及び「配達先位置」フィールドを備え、更に、「重量」フィールドを備えている。「重量」フィールドには、「荷物ID」フィールドに記憶されている荷物IDによって識別される荷物の重量を示す属性情報(例えば、「250g」)が記憶されている。
【0210】
属性別配達テーブルTba2は、
図24に示すように、「重量」、「配達先区分」及び「上限移動距離」フィールドを備えている。「重量」フィールドには、荷物の重量を示す属性情報(例えば、「~500g」)が記憶されている。「配達先区分」フィールドには、「重量」フィールドに記憶されている属性情報が示す重量の荷物を、
図23に示す荷物テーブルTcb4の「配達先」及び「配達先位置」フィールドに記憶されている情報からなる配達先情報が示す配達先に荷物を配達することを示す第一情報(例えば、「指定先」)が記憶されている。又は、「配達先区分」フィールドには、「重量」フィールドに記憶されている属性情報が示す重量の荷物を、マイエリア情報に含まれる何れかの配達場所候補に荷物を配達することを示す第二情報(例えば、「マイエリア」)が記憶されている。
【0211】
「上限移動距離」フィールドには、「重量」フィールドに記憶されている属性情報が示す重量(例えば、「~500g」)の荷物を運搬可能な距離の上限値(例えば、「500m」)が記憶されている。尚、「配達先区分」フィールドに第二情報が記憶されているレコードの「上限移動距離」フィールドには、前記上限値が記憶されているが、「配達先区分」フィールドに第一情報が記憶されているレコードの「上限移動距離」フィールドには、前記上限値が記憶されていない。つまり、属性別配達テーブルTba2において、第二情報が関連付けられている属性情報には、前記上限値が関連付けられている。
【0212】
また、属性別配達テーブルTba2において、荷物の重量が所定の重量(例えば、「3kg」)以上であることを示す属性情報(例えば、「3kg~」)には、第一情報が関連付けられている。一方、属性別配達テーブルTba2において、荷物の重量が前記所定の重量(例えば、「3kg」)未満であることを示す属性情報(例えば、「~500g」、「~3kg」)には、第二情報が関連付けられている。
【0213】
このように、属性別配達テーブルTba2には、荷物の重量と、当該重量の荷物の配達先を区別する情報と、当該重量の荷物を運搬可能な距離の上限値と、が関連付けて記憶されている。属性別配達テーブルTba2に記憶されている一以上のレコードが、属性別情報の一例に相当する。
【0214】
尚、属性別配達テーブルTba2が、「重量」フィールドに替えて、荷物の寸法を示す属性情報(例えば、「~50cm」)を記憶する「寸法」フィールドを備えるようにしてもよい。荷物の寸法とは、例えば、荷物の幅、高さ及び奥行のうちの最大値を示す。荷物の寸法は、これに限らず、荷物の幅、高さ及び奥行の合計値(和)や、物流業者において荷物の寸法として用いられている情報等であってもよい。この場合、属性別配達テーブルTba2において、荷物の寸法が所定の寸法(例えば、「50cm」)以上であることを示す属性情報(例えば、「50cm~」)には、第一情報を関連付け、荷物の寸法が前記所定の寸法(例えば、「50cm」)未満であることを示す属性情報(例えば、「~20cm」、「~50cm」)には、第二情報を関連付ければよい。
【0215】
本態様では、ユースケース1と同様、先ず、制御部31は、通信部35に、配達車4のドライバーが入力した不在荷物を識別する荷物IDをサーバ1へ送信させる。
【0216】
図25に示すように、サーバ1では、ステップS31及びステップS32(
図14)と同様、通信部12が、配達端末3から不在荷物を識別する荷物ID、配達端末3から周期的に送信される車両ID及び第一位置情報を受信する(ステップS71)。制御部11は、荷物テーブルTcb4(
図23)を参照し、ステップS71で受信された荷物ID(例えば、「1234-5678-90」)に関連付けられている属性情報(例えば、「250g」)及びユーザID(例えば、「GUEST0020」)を取得する(ステップS72)。
【0217】
次に、制御部11は、属性別配達テーブルTba2(
図24)において、「重量」フィールドに、ステップS72で取得した属性情報(例えば、「250g」)と一致する属性情報(例えば、「~500g」)が記憶されているレコードを参照し、参照したレコードの「配達先区分」フィールドに、第二情報(例えば、「マイエリア」)が記憶されているか否かを判定する(ステップS73)。これにより、制御部11は、ステップS72で取得したユーザIDによって識別されるユーザの荷物の重量が、ステップS72で取得した属性情報が示す重量であった場合に、当該荷物が当該ユーザのマイエリア情報に含まれる何れかの配達場所候補に配達されてもよいものであるか否かを判定する。
【0218】
ステップS73において、制御部11は、第二情報が記憶されていると判定した場合(ステップS73でYES)、荷物テーブルTcb4(
図23)から、ステップS71で取得した荷物ID(例えば、「1234-5678-90」)に関連付けられている配達先情報、つまり、配達先名称情報(例えば、「横浜市神奈川区東神奈川・・・」)及び配達先位置情報(例えば、「(・・・,・・・)」)を取得する(ステップS74)。
【0219】
次に、制御部11は、ステップS34(
図14)と同様、顧客テーブルTcs(
図11)から、ステップS72で取得したユーザID(例えば、「GUEST0020」)に関連付けられている一以上のマイエリアID(例えば、「CB0011、CB0012、LK0080」)を取得する(ステップS75)。これにより、制御部11は、不在荷物のユーザのマイエリア情報が示す一以上の配達候補場所を識別する、一以上のマイエリアIDを取得する。
【0220】
次に、制御部11は、属性別配達テーブルTba2(
図24)において、「重量」フィールドに、ステップS72で取得した属性情報(例えば、「250g」)と一致する属性情報(例えば、「~500g」)が記憶されているレコードを参照し、参照したレコードの「上限移動距離」フィールドに記憶されている前記上限値(例えば、「500m」)を取得する(ステップS76)。
【0221】
次に、制御部11は、エリアテーブルTmh1(
図10)を参照して、ステップS75で取得した一以上のマイエリアID(例えば、「CB0011、CB0012、LK0080」)で特定される一以上のエリア位置情報のうち、ステップS74で取得した配達先情報が示す配達先(例えば、「横浜市神奈川区東神奈川・・・」又は「(・・・,・・・)」)との離間距離が、ステップS76で取得した前記上限値(例えば、「500m」)以内である一以上のマイエリアID(以降、対象マイエリアIDと呼ぶことがある)が存在するか否かを判定する(ステップS77)。これにより、制御部11は、不在荷物のユーザのマイエリア情報が示す一以上の配達候補場所のうち、当該不在荷物の配達先との離間距離が、当該不在荷物の重量の荷物を運搬可能な距離の上限値以内である一以上の配達候補場所が存在するか否かを判定する。
【0222】
ステップS77において、制御部11は、一以上の対象マイエリアIDが存在すると判定した場合(ステップS77でYES)、ステップS35(
図14)と同様、当該一以上の対象マイエリアIDによって示される一以上の配達場所候補の位置と一対一対応する一以上の領域と、ステップS71で受信された第一位置情報によって示される配達車4の現在位置P1と、の照合処理を行う(ステップS78)。一以上の領域のそれぞれは、対応する配達場所候補の位置から第一距離D1以内の領域である。具体的には、制御部11は、エリアテーブルTmh1(
図10)において、前記一以上の対象マイエリアIDと同じ一以上のエリアIDに関連付けられている一以上のエリア位置情報を取得し、当該取得した一以上のエリア位置情報が示す一以上の位置を、前記一以上の代替配達場所の位置として、ステップS78を行う。
【0223】
ステップS78の結果、一以上の対象マイエリアIDと一対一対応する一以上の領域のうち何れかが、配達車4の現在位置P1を含むとする(ステップS78でYES)。なお、ステップS78の結果、一以上の対象マイエリアIDと一対一対応する一以上の領域を第十一の一以上の領域と呼び、第十一の一以上の領域のうち配送車4の現在位置P1を含む一以上の領域を第十二の一以上の領域と呼んでもよい。この場合、制御部11は、ステップS36(
図14)と同様、代替情報を生成し、当該生成した代替情報を、ステップS72で取得したユーザIDで識別されるユーザのユーザ端末2に送信させる(ステップS79)。その後は、
図3に示したステップS8以降の処理が行われる。
【0224】
具体的には、ステップS79において、制御部11は、ステップS71で受信された荷物IDと、第十二の一以上の領域に一対一対応する一以上の配達場所候補である一以上の代替配達場所を識別するマイエリアIDと、エリアテーブルTmh1(
図10)において、前記一以上の代替配達場所を識別するマイエリアIDと同じエリアIDに関連付けられている保管場所の名称と、を含む情報を、代替情報として生成する。
【0225】
一方、ステップS73において、制御部11が、参照したレコードの「配達先区分」フィールドに第一情報「指定先」が記憶されているため、第二情報「マイエリア」が記憶されていないと判定したとする(ステップS73でNO)。又は、ステップS77において、制御部11が、一以上の対象マイエリアIDが存在しないと判定したとする(ステップS77でYES)。又は、ステップS78の照合処理において、制御部11が、前記一以上の対象マイエリアIDが示す全ての配達場所候補の位置から第一距離D1以内の全ての領域が、配達車4の現在位置P1を含まないとする(ステップS78でNO)。これらの場合、制御部11は、ステップS79を行わずに、処理を終了する。この場合、
図3に示したステップS8以降の処理も行われない。
【0226】
本態様によれば、配達端末3から荷物IDを受信した場合、荷物テーブルTcb4(
図23)において前記受信された荷物IDに関連付けられている属性情報が取得される。そして、属性別配達テーブルTba2(
図24)において前記取得された属性情報に対して、第一情報が関連付けられている場合には、代替情報が送信されない。このため、配達端末3から受信した荷物IDによって識別される荷物が、第一情報が関連付けられている重量の荷物である場合に、第一情報が示すように、マイエリア情報に含まれる何れかの配達場所候補に当該荷物が配達されることを適切に回避することができる。
【0227】
一方、属性別配達テーブルTba2(
図24)において前記取得された属性情報に対して、第二情報が関連付けられている場合には、代替情報が送信される。このため、配達端末3から受信した荷物IDによって識別される荷物が、第二情報が関連付けられている重量の荷物である場合に、第二情報が示すように、マイエリア情報に含まれる何れかの配達場所候補に当該荷物を配達し、未配を防ぐことができる。
【0228】
また、荷物テーブルTcb4(
図23)において配達端末3から受信した荷物IDに関連付けられている属性情報が取得され、属性別配達テーブルTba2(
図24)において前記取得した属性情報である対象属性情報に対して第二情報が関連付けられていたとする。この場合、本態様によれば、ステップS78の照合処理において、対象ユーザのマイエリア情報に含まれるマイエリアIDが示す一以上の配達場所候補のうち、対象ユーザが指定した配達先との離間距離が、対象属性情報が示す重量の荷物を運搬可能な距離の上限値以内である一以上の配達場所候補の位置から第一距離D1以内の位置と、配達端末3から受信された第一位置情報が示す配達車4の現在位置と、が照合される。
【0229】
このため、当該照合処理の結果、ユーザ端末2に送信される代替情報に、対象ユーザが指定した配達先との離間距離が、対象属性情報が示す重量の荷物を運搬可能な距離の上限値以上である一以上の代替配達場所が含まれることを回避することができる。これにより、対象ユーザが代替配達場所で荷物を受け取った場合に、荷物を指定した配達先まで運搬できない虞を回避することができる。
【0230】
また、本態様によれば、属性別配達テーブルTba2(
図24)において、荷物の重量が所定の重量以上であることを示す属性情報には第一情報が関連付けられているので、重量が所定の重量以上である運搬し難い荷物が、代替配達場所に配達されることを回避できる。これとは反対に、属性別配達テーブルTba2(
図24)において、荷物の重量が所定の重量未満であることを示す属性情報には第二情報が関連付けられているので、重量が所定の重量未満である運搬し易い荷物については、代替配達場所に配達させることができ、未配を防ぐことができる。尚、属性別配達テーブルTba2(
図24)が、上述したように、「重量」フィールドに替えて、荷物の寸法を示す属性情報を記憶する「寸法」フィールドを備える場合にも同様のことが言える。
【0231】
(変形実施形態3)
上記の態様では、一以上のユーザの其々について、一のマイエリア情報を設定していたが、これに替えて、一以上のユーザの其々について、時間帯毎にマイエリア情報を設定するようにしてもよい。
【0232】
図26は、顧客テーブルTcs2の一例を示す図である。例えば、
図11に示した顧客テーブルTcsの「マイエリアID」フィールドを、
図26に示す顧客テーブルTcs2のように、18時までの時間帯におけるユーザの現在位置の履歴を示す移動履歴情報に基づき定められた一以上の配達場所候補を識別する一以上のマイエリアID(例えば、「CB0040、CB0041、LK0120」)を記憶する第一フィールドと、18時以降の時間帯におけるユーザの現在位置の履歴を示す移動履歴情報に基づき定められた一以上の配達場所候補を識別する一以上のマイエリアID(例えば、「CB0011、CB0012、LK0080」)を記憶する第二フィールドと、に分割するようにしてもよい。
【0233】
本構成は、例えば、
図8に示す処理フローを以下のように変更して実現することができる。制御部11は、ステップS25~ステップS27に替えて、ステップS21で受信されたユーザIDによって識別される対応ユーザの移動履歴情報を示す、移動履歴テーブルTuh(
図9)における一以上のレコードを、18時までの時間帯内の時刻が「日時」フィールドに記憶されている一以上の第一レコードと、18時以降の時間帯内の時刻が「日時」フィールドに記憶されている一以上の第二レコードと、に分類すればよい。
【0234】
そして、制御部11は、一以上の第一レコードに含まれる、所定の第二個数よりも多く存在する一以上のエリアIDを、18時までの時間帯の対応ユーザのマイエリア情報が示す一以上の配達場所候補を識別する一以上のマイエリアIDとして、顧客テーブルTcs2の第一フィールドに記憶すればよい。これと同様に、制御部11は、一以上の第二レコードに含まれる、前記第二個数よりも多く存在する一以上のエリアIDを、18時以降の時間帯の対応ユーザのマイエリア情報が示す一以上の配達場所候補を識別する一以上のマイエリアIDとして、顧客テーブルTcs2の第二フィールドに記憶すればよい。
【0235】
これに合わせて、制御部11は、ステップS5(
図3)では、顧客テーブルTcs2(
図26)において、対象ユーザのユーザIDに関連付けられている、第一位置情報を受信した時刻に対応する第一フィールド又は第二フィールドに記憶されている、一以上のマイエリアIDによって識別される一以上の配達場所候補と、受信された第一位置情報が示す配達車4の現在位置P1と、を照合すればよい。
【0236】
例えば、第一位置情報を受信した時刻が「17:30」である場合には、顧客テーブルTcs2(
図26)において、対象ユーザのユーザIDに関連付けられている第一フィールドに記憶されている一以上のマイエリアIDによって示される一以上の配達場所候補の位置と一対一対応する一以上の領域と、受信された第一位置情報によって示される配達車4の現在位置P1と、を照合すればよい。一以上の領域のそれぞれは、対応する配達場所候補の位置から第一距離D1以内の領域である。
【0237】
同様に、制御部11は、ステップS57(
図18)では、顧客テーブルTcs2(
図26)において、変更対象ユーザのユーザIDに関連付けられている、第一位置情報を受信した時刻に対応する第一フィールド又は第二フィールドに記憶されている一以上のマイエリアIDを取得すればよい。そして、制御部11は、当該取得した一以上のマイエリアIDによって示される一以上の配達場所候補の位置と一対一対応する一以上の領域と、ステップS56(
図18)で算出された配達車4の走行経路と、の照合処理を行うようにすればよい。一以上の領域のそれぞれは、対応する配達場所候補の位置から第一距離D1以内の領域である。
【0238】
また、制御部11は、ステップS34(
図14)、ステップS45(
図16)、ステップS64(
図22)及びステップS75(
図25)では、顧客テーブルTcs2(
図26)において、ユーザIDに関連付けられている、第一位置情報を受信した時刻に対応する第一フィールド又は第二フィールドに記憶されている一以上のマイエリアIDを取得すればよい。
【0239】
本態様によれば、ユーザの移動履歴情報において、一の時間帯内の日時に関連付けられた、第二個数よりも多く存在する一以上のエリアIDが、当該ユーザの前記一の時間帯に対応するマイエリア情報に含まれるマイエリアIDとしてメモリに記憶される。これにより、当該ユーザが、前記一の時間帯内に第二個数と同じ回数よりも多く訪れたと考えられる一以上の保管場所が、当該ユーザの前記一の時間帯に対応するマイエリア情報として定められる。
【0240】
そして、第一位置情報を受信した時刻が前記一の時間帯内である場合、当該ユーザの前記一の時間帯に対応するマイエリア情報が示す一以上の配達場所候補の位置と一対一対応する一以上の領域と、前記受信された第一位置情報が示す配達車4の現在位置と、が照合される。一以上の領域のそれぞれは、対応する配達場所候補の位置から第一距離D1以内の領域である。これにより、当該ユーザの前記一の時間帯に対応するマイエリア情報に含まれるマイエリアIDが示す一以上の配達場所候補に含まれる一以上の代替配達場所に、荷物を配達可能であることを示す代替情報が、前記一の時間帯に当該ユーザの第二端末に送信される。その結果、前記一の時間帯において、当該ユーザが前記一の時間帯に頻繁に訪れたと考えられる一以上の代替配達場所に荷物を配達可能であることを、適切なタイミングで当該ユーザに提示することができる。
【0241】
(変形実施形態4)
上記の態様では、ユーザの移動履歴情報に基づき、当該ユーザのマイエリア情報を設定する態様について説明した。しかし、ユーザが提示システム10の利用を開始した当初は、ユーザの移動履歴情報がメモリ13に記憶されていないので、当該ユーザのマイエリア情報が設定されない。このため、ユーザによって入力された住所、例えば自宅の住所及び/または職場の住所に基づき、当該ユーザによって入力されたそれぞれの住所が示す位置から、所定の第二距離D2以内に存在する保管場所を識別するエリアIDを、当該ユーザのマイエリア情報が示す一以上の配達場所候補のマイエリアIDとして、顧客テーブルTcs(
図11)の「マイエリアID」フィールド又は顧客テーブルTcs2(
図26)の第一フィールド及び第二フィールドに記憶するようにしてもよい。
【0242】
本構成は、例えば、以下のようにして実現することができる。
図27は、ユーザによるマイエリア情報の設定操作に用いられる操作画面G270、G271の一例を示す図である。ユーザ端末2において、ユーザが操作部23を操作してマイエリア情報の設定指示を入力した場合、制御部21は、
図27に示すような自宅の住所及び職場の住所の操作画面G270を表示部26に表示すればよい。
【0243】
操作画面G270には、自宅の住所の入力欄F271、職場の住所の入力欄F272及びボタンB271が含まれる。入力欄F271に自宅の住所が入力され、入力欄F272に職場の住所が入力された状態で、ボタンB271が押下された場合、制御部21は、入力欄F271に入力された自宅の住所及び入力欄F272に入力された職場の住所を示す住所情報を、メモリ22に記憶されているユーザIDと共に、通信部25に、サーバ1へ送信させればよい。
【0244】
サーバ1では、通信部12がユーザID及び住所情報を受信すると、制御部11が、エリアテーブルTmh1(
図10)を参照し、住所情報に含まれる自宅の住所が示す位置から第二距離D2以内の領域を示す一以上のエリア位置情報に関連付けられている一以上のエリアID(以降、第一エリアIDと呼ぶことがある)及び保管場所の名称(以降、第一名称と呼ぶことがある)を取得するようにすればよい。同様に、制御部11が、エリアテーブルTmh1(
図10)を参照し、住所情報に含まれる職場の住所が示す位置から第二距離D2以内の領域を示す一以上のエリア位置情報に関連付けられている一以上のエリアID(以降、第二エリアIDと呼ぶことがある)及び保管場所の名称(以降、第二名称と呼ぶことがある)を取得するようにすればよい。
【0245】
そして、制御部11は、当該取得した情報をユーザ端末2に返信すればよい。ユーザ端末2では、通信部25がサーバ1から返信された情報を受信すると、制御部21は、
図27に示すような一以上の配達場所候補の操作画面G271を表示部26に表示すればよい。
【0246】
操作画面G271には、自宅付近の保管場所の選択欄F273、自宅付近の保管場所の名称の表示欄F274、職場付近の保管場所の選択欄F275、職場付近の保管場所の名称の表示欄F276、及びボタンB272が含まれる。制御部21は、サーバ1から返信された情報に含まれる第一名称を表示欄F274に表示し、第二名称を表示欄F276に表示すればよい。
【0247】
そして、ユーザが選択欄F273を用いて表示欄F274に表示された第一名称である自宅付近の保管場所の名称の一以上を選択し、選択欄F275を用いて表示欄F276に表示された第二名称である職場付近の保管場所の名称の一以上が選択した状態で、ボタンB272が押下されたとする。
【0248】
この場合、制御部21は、選択された一以上の自宅付近の保管場所の名称に対応する一以上の第一エリアIDと、選択された一以上の職場付近の保管場所の名称に対応する一以上の第二エリアIDと、をメモリ22に記憶されているユーザIDと共に、通信部25に、サーバ1へ送信させればよい。
【0249】
サーバ1では、通信部12がユーザID、一以上の第一エリアID及び一以上の第二エリアIDを受信すると、制御部11が、顧客テーブルTcs(
図11)において、当該受信されたユーザIDを含むレコードの「マイエリアID」フィールドに、当該受信された一以上の第一エリアID及び一以上の第二エリアIDを記憶すればよい。又は、制御部11が、顧客テーブルTcs2(
図26)において、当該受信されたユーザIDを含むレコードの第一フィールド及び第二フィールドに、当該受信された一以上の第一エリアID及び一以上の第二エリアIDを記憶すればよい。
【産業上の利用可能性】
【0250】
本開示によれば、配達車の移動距離を増やすことなく、ユーザの受け取りやすい場所に荷物を届け、未配を防ぐことができるので、ネット通販の物流システムに対して有用である。
【符号の説明】
【0251】
1 サーバ(提示装置)
2 ユーザ端末(第二端末)
2_1 ユーザ端末(第二端末)
2_n ユーザ端末(第二端末)
3 配達端末(第一端末)
4 配達車
10 提示システム
11 制御部(プロセッサ)
12 通信部(送受信器)
13 メモリ
D1 第一距離
D2 第二距離
NT ネットワーク
P1 現在位置
Tba1、Tba2 属性別配達テーブル
Tcb1、Tcb2、Tcb3、Tcb31、Tcb4 荷物テーブル
Tcs、Tcs2 顧客テーブル
Tmh1、Tmh2 エリアテーブル
Tuh 移動履歴テーブル