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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-09
(45)【発行日】2022-09-20
(54)【発明の名称】自律型車両の動作モード間の遷移
(51)【国際特許分類】
   B60W 50/14 20200101AFI20220912BHJP
   B60W 60/00 20200101ALI20220912BHJP
   B60W 40/02 20060101ALI20220912BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20220912BHJP
【FI】
B60W50/14
B60W60/00
B60W40/02
G08G1/16 E
【請求項の数】 14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020082228
(22)【出願日】2020-05-07
(62)【分割の表示】P 2016110762の分割
【原出願日】2016-06-02
(65)【公開番号】P2020142794
(43)【公開日】2020-09-10
【審査請求日】2020-06-01
(31)【優先権主張番号】14/730,570
(32)【優先日】2015-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507342261
【氏名又は名称】トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ,インコーポレイティド
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(72)【発明者】
【氏名】マイケル アール.ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】坂井 克弘
(72)【発明者】
【氏名】金道 敏樹
(72)【発明者】
【氏名】ダニル ブイ.プロホロフ
(72)【発明者】
【氏名】原田 将弘
【審査官】▲高▼木 真顕
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-090274(JP,A)
【文献】国際公開第2015/151243(WO,A1)
【文献】特開2015-209171(JP,A)
【文献】特開2015-141476(JP,A)
【文献】特開2015-182624(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 30/00 - 50/16
G08G 1/00 - 99/00
B60R 21/00 - 21/017
B60T 7/12 - 8/1769
B60T 8/32 - 8/96
B60K 31/00 - 31/18
B62D 6/00 - 6/10
B60K 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第2動作モードが、第1動作モードより、より高い程度での手動による関与を有する、前記第1動作モードと前記第2動作モードとの間で車両を遷移させる方法であって、
前記車両が前記第1動作モードで動作している間に、動作モード遷移事象が発生したかどうかを決定することと、
動作モード遷移事象が発生したと決定することに応答して、前記第2動作モードに切り替わる前の、前記第1動作モードにおいて動作を継続するための時間バッファを決定することと、
前記決定される時間バッファに対応する遷移警報を、前記車両に取り付けられた出力システムによって提示することと、を備え
動作モード遷移事象が発生したかどうかを決定することは、
前記車両が前記第1動作モードで動作している間に、走行ルートに沿う1つ以上の運転シーンを捕捉することと、
前記捕捉された1つ以上の運転シーンを、運転シーンの所定のセットと比較することとを備え、
前記捕捉された1つ以上の運転シーンと前記運転シーンの所定のセットとの間の不整合が大きいときは、前記動作モード遷移事象が発生したと決定され、
前記時間バッファは、前記捕捉された1つ以上の運転シーンと前記運転シーンの所定のセットとの間の前記不整合の量に少なくとも部分的には基づく、方法。
【請求項2】
第2動作モードが、第1動作モードより、より高い程度での手動による関与を有する、前記第1動作モードと前記第2動作モードとの間で車両を遷移させる方法であって、
前記車両が前記第1動作モードで動作している間に、動作モード遷移事象が発生したかどうかを決定することと、
動作モード遷移事象が発生したと決定することに応答して、前記第2動作モードに切り替わる前の、前記第1動作モードにおいて動作を継続するための時間バッファを決定することと、
前記決定される時間バッファに対応する遷移警報を、前記車両内において提示することと、を備え、
動作モード遷移事象が発生したかどうかを決定することは、
前記車両が前記第1動作モードで動作している間に、走行ルートに沿う1つ以上の運転シーンを捕捉することと、
前記捕捉された1つ以上の運転シーンを、運転シーンの所定のセットと比較することとを備え、
前記捕捉された1つ以上の運転シーンと前記運転シーンの所定のセットとの間の不整合が大きいときは、前記動作モード遷移事象が発生したと決定され、
前記運転シーンの所定のセットは、シーン標識のセットを含み、前記シーン標識のセットは格付けされ、前記シーン標識の少なくとも1つは、高い優先権が割り当てられ、高い優先権のシーン標識が、前記捕捉された1つ以上の運転シーンに存在しないときに、大きな不整合が発生する、方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の方法において、前記遷移警報を前記車両内で提示することは、前記決定される時間バッファにおける変化に応答して、前記遷移警報の出力特性を変更することを含んでいる、方法。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の方法において、
前記第1動作モードは、監視されない自律型動作モードであり、
前記第2動作モードは、監視される自律型動作モードまたは手動動作モードの1つである、方法。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の方法において、前記遷移警報は、視覚遷移警報、聴覚警報または触覚警報の1つである、方法。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の方法において、
車両の搭乗者が、増大した手動による関与の表示を提供したかどうかを検出することと、
ユーザが、増大した手動による関与の表示を提供したことを検出することに応答して、前記車両に、前記第1動作モードから前記第2動作モードに切り替えさせることと、を更に含む、方法。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の方法において、
車両の搭乗者が、増大した手動による関与の表示を提供したかどうかを検出することと、
ユーザが、増大した手動による関与の表示を提供しなかったことを検出することに応答して、前記車両に、現在の動作モードから特殊動作モードに切り替えさせることと、を更に含む、方法。
【請求項8】
請求項1又は2に記載の方法において、前記時間バッファは、少なくとも部分的には、前記車両の現在の運転環境の特性に基づいている、方法
【請求項9】
第2動作モードが、第1動作モードより、より高い程度での手動による関与を有する、前記第1動作モードと前記第2動作モードとの間で車両を遷移させるためのシステムであって、
前記車両内に位置しているユーザインタフェース要素と、
前記ユーザインタフェース要素に動作可能に接続されているプロセッサであって、
前記車両が前記第1動作モードで動作している間に、動作モード遷移事象が発生したかどうかを決定することと、
動作モード遷移事象が発生したと決定することに応答して、前記第2動作モードに切り替わる前の、前記第1動作モードにおいて動作を継続するための時間バッファを決定することと、
前記決定される時間バッファに対応する遷移警報を、前記車両に取り付けられた出力システムによって提示することと、を含む実行可能な動作を開始するようにプログラムされているプロセッサと、を備え
前記車両の外部環境の少なくとも一部分を感知するために動作可能なセンサシステムを更に含み、
前記センサシステムは、前記プロセッサに動作可能に接続され、
前記センサシステムは、前記車両が前記第1動作モードで動作している間に、走行ルートに沿う1つ以上の運転シーンを捕捉するように構成され、
動作モード遷移事象が発生したかどうかを決定することは、前記捕捉された1つ以上の運転シーンを運転シーンの所定のセットと比較することを含み、
前記捕捉された1つ以上の運転シーンと前記運転シーンの所定のセットとの間に大きな不整合があるときに、前記動作モード遷移事象は発生したと決定され、
前記時間バッファは、前記捕捉された1つ以上の運転シーンと前記運転シーンの所定のセットとの間の前記不整合の量に少なくとも部分的には基づく、システム。
【請求項10】
第2動作モードが、第1動作モードより、より高い程度での手動による関与を有する、前記第1動作モードと前記第2動作モードとの間で車両を遷移させるためのシステムであって、
前記車両内に位置しているユーザインタフェース要素と、
前記ユーザインタフェース要素に動作可能に接続されているプロセッサであって、
前記車両が前記第1動作モードで動作している間に、動作モード遷移事象が発生したかどうかを決定することと、
動作モード遷移事象が発生したと決定することに応答して、前記第2動作モードに切り替わる前の、前記第1動作モードにおいて動作を継続するための時間バッファを決定することと、
前記決定される時間バッファに対応する遷移警報を、前記車両内において提示することと、を含む実行可能な動作を開始するようにプログラムされているプロセッサと、を備え、
前記車両の外部環境の少なくとも一部分を感知するために動作可能なセンサシステムを更に含み、
前記センサシステムは、前記プロセッサに動作可能に接続され、
前記センサシステムは、前記車両が前記第1動作モードで動作している間に、走行ルートに沿う1つ以上の運転シーンを捕捉するように構成され、
動作モード遷移事象が発生したかどうかを決定することは、前記捕捉された1つ以上の運転シーンを運転シーンの所定のセットと比較することを含み、
前記捕捉された1つ以上の運転シーンと前記運転シーンの所定のセットとの間に大きな不整合があるときに、前記動作モード遷移事象は発生したと決定され、
前記運転シーンの所定のセットは、シーン標識のセットを含み、前記シーン標識のセットは格付けされ、前記シーン標識の少なくとも1つは、高い優先権が割り当てられ、高い優先権のシーン標識が、前記捕捉された1つ以上の運転シーンに存在しないときに、大きな不整合が発生する、システム。
【請求項11】
請求項9又は10に記載のシステムにおいて、前記遷移警報を前記車両内で提示することは、前記決定される時間バッファにおける変化に応答して、前記遷移警報の出力特性を変更することを含んでいる、システム。
【請求項12】
請求項9又は10に記載のシステムにおいて、
前記ユーザインタフェース要素は、ディスプレイ、スピーカまたは触覚アクチュエータの1つであり、前記遷移警報は、前記ユーザインタフェース要素により提示される、システム。
【請求項13】
第2動作モードが、第1動作モードより、より高い程度での手動による関与を有する、前記第1動作モードと前記第2動作モードとの間で車両を遷移させる方法であって、
前記車両が前記第1動作モードで動作している間に、動作モード遷移事象が発生したかどうかを決定することと、
動作モード遷移事象が発生したと決定することに応答して、前記第2動作モードに切り替わる前の、前記第1動作モードにおいて動作を継続するための時間バッファを決定することと、
前記決定される時間バッファに対応する遷移警報を、前記車両に取り付けられた出力システムによって提示することと、を備え、
前記時間バッファは、少なくとも部分的には、高い優先権のシーン標識が、前記車両が前記第1動作モードで動作している間に捕捉された、走行ルートに沿う1つ以上の運転シーンに存在するかどうかに基づく、方法。
【請求項14】
第2動作モードが、第1動作モードより、より高い程度での手動による関与を有する、前記第1動作モードと前記第2動作モードとの間で車両を遷移させるためのシステムであって、
前記車両内に位置しているユーザインタフェース要素と、
前記ユーザインタフェース要素に動作可能に接続されているプロセッサであって、
前記車両が前記第1動作モードで動作している間に、動作モード遷移事象が発生したかどうかを決定することと、
動作モード遷移事象が発生したと決定することに応答して、前記第2動作モードに切り替わる前の、前記第1動作モードにおいて動作を継続するための時間バッファを決定することと、
前記決定される時間バッファに対応する遷移警報を、前記車両内に取り付けられた出力システムによって提示することと、を含む実行可能な動作を開始するようにプログラムされているプロセッサと、を備え、
前記時間バッファは、少なくとも部分的には、高い優先権のシーン標識が、前記車両が前記第1動作モードで動作している間に捕捉された、走行ルートに沿う1つ以上の運転シーンに存在するかどうかに基づく、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ここにおいて記述される主題は、一般的には、自律型動作モードを含む複数の動作モードを有する車両に関し、より特別には、異なる動作モード間で遷移することに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の動作モードにおいて動作するように構成されている車両がある。動作モードの例としては、コンピューティングシステムが使用されて、人間の運転者からの入力を最小限または入力なしで、走行ルートに沿って車両をナビゲートおよび/または操縦する動作モードがある。そのような車両は、環境における物体の存在を含む、取り囲んでいる環境についての情報を検出するように構成されているセンサを装備している。検出された情報は、コンピューティングシステムに送ることが可能である。他の動作モードとしては、人間の運転者が、取り囲んでいる環境を通して車両をナビゲートまたは操縦することに対して責任を負う手動モードを含む、人間の入力の異なるレベルを含むことが可能である。複数の動作モードを有する車両は、種々の動作モード間の切り替えを可能にするように構成されている。
【発明の概要】
【0003】
1つの点において、本開示は、第1動作モードと第2動作モードとの間で車両を遷移させる方法に向けられている。第2動作モードは、第1動作モードよりも、より高い程度での手動による関与を有している。方法は、車両が第1動作モードで動作している間に、動作モード遷移事象が発生したかどうかを決定することを含むことが可能である。方法はまた、動作モード遷移事象が発生したことに応答して、第2動作モードに切り替わる前の、第1動作モードにおいて動作を継続するための時間バッファを決定することも含むことが可能である。方法は更に、車両内で遷移警報を提示することを含むことが可能である。遷移警報は、決定される時間バッファに対応することが可能である。
【0004】
別の点において、本開示は、第1動作モードと第2動作モードとの間で車両を遷移させるためのシステムに向けられている。第2動作モードは、第1動作モードよりも、より高い程度での手動による関与を有している。システムは車両内に位置しているユーザインタフェースを含むことが可能である。システムはまた、センサシステムに動作可能に接続されているプロセッサも含むことが可能である。プロセッサは、実行可能な動作を開始するためにプログラム可能である。実行可能な動作は、車両が第1動作モードで動作している間に、動作モード遷移事象が発生したかどうかを決定することを含むことが可能である。実行可能な動作はまた、動作モード遷移事象が発生したことに応答して、第2動作モードに切り替わる前の、第1動作モードにおいて動作を継続するための時間バッファを決定することも含むことが可能である。実行可能な動作は更に、決定される時間バッファに対応する遷移警報を、車両内で提示することも含むことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】異なる動作モード間で遷移するように構成されている自律型車両の例である。
図2】第1動作モードと第2動作モードとの間で車両を遷移させる方法の例であり、第2動作モードは、第1動作モードより、より高い程度での手動による関与を有している。
図3】ディスプレイ上に提示される遷移警報の例であり、遷移警報は棒グラフである。
図4】ディスプレイ上に提示される遷移警報の例であり、遷移警報はカウントダウン時計である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
この詳細な記述は、自律型車両が第1動作モードから第2動作モードへ遷移することに関する。この詳細な記述は、より特別には、第2動作モードが、第1動作モードよりも、より高い程度での手動による関与を有する例に関する。動作モード遷移事象が発生したと決定することに応答して、第2動作モードに切り替わる前の、第1動作モードにおいて動作を継続するための時間バッファを決定可能である。決定される時間バッファに対応する遷移警報を提示可能である。本詳細記述は、そのような特徴を組み込んでいるシステム、方法、およびコンピュータプログラム製品に関する。少なくとも幾つかの例においては、そのようなシステム、方法、およびコンピュータプログラム製品は、自律型車両の性能および/または安全性を改良可能である。
【0007】
詳細な実施の形態がここにおいて開示されるが、開示される実施の形態は例としてのみ意図されているということは理解されたい。従って、ここにおいて開示される特定の構造的および機能的詳細は制限的であるとは解釈されてはならず、請求項に対する単なる基盤として解釈され、ここにおける態様を、当業者が、仮想的に任意の適切に詳述される構造において種々の方法で採用することを教示するための代表的な基盤として解釈されるべきである。更に、ここで使用される用語およびフレーズは、制限的であるとは意図されておらず、可能な実現形態の理解可能な記述を提供することが意図されている。種々の実施の形態が図1~4に示されているが、実施の形態は、例示されている構造または適用に制限されない。
【0008】
例示の簡潔性および明確性のために、適切であれば、参照番号は異なる図においても繰り返され、対応する、または類似の要素を示すということは認識されよう。加えて、多くの特定の詳細が、ここにおいて記述される実施の形態の完全な理解を提供するために記述される。しかし、当業者であれば、ここにおいて記述される実施の形態は、これらの特定な詳細がなくても実践可能であることは理解されよう。
【0009】
図1を参照すると、例としての車両100が示されている。ここで使用されているように、「車両」は、モータを装備する輸送機関の任意の形状を意味する。1つ以上の実現形態においては、車両100は自動車であることが可能である。ここにおいては、設備は自動車に関して記述されるが、実施の形態は自動車に制限されないということは理解されよう。幾つかの実現形態においては、車両100は、船舶、航空機、またはモータを装備する輸送機関の任意の他の形状であってよい。
【0010】
ここにおける設備によれば、車両100は自律型車両であることが可能である。ここにおいて使用されているように、「自律型車両」は、自律型モードで動作するように構成されている車両を意味する。「自律型モード」は、1つ以上のコンピューティングシステムが使用されて、人間の運転者からの入力を最小限または入力なしで、走行ルートに沿って車両をナビゲートおよび/または操縦することを意味する。1つ以上の設備においては、車両100は高度に自動化可能である。
【0011】
車両100は、複数の動作モードを有することが可能である。例えば、車両は監視されない自律型動作モードを有することが可能である。「監視されない自律型動作モード」は、1つ以上のコンピューティングシステムが使用されて、人間の運転者から要求される入力または管理なしで、走行ルートに沿って車両をナビゲートおよび/または操縦することを意味する。例として、監視されない自律型動作モードは、(米国)高速道路交通安全事業団(National Highway Traffic Safety Administration)により、そのPreliminary Statement of Policy Concerning Automated Vehicles(2013年5月30日)(NHTSA 2013 Policy)において定義されているようなLevel 4(L4)を含むことが可能であり、この文献は、ここにおいて参考文献として組み込まれる。車両100は、監視される自律型動作モードを有することが可能である。「監視される自律型動作モード」は、1つ以上のコンピューティングシステムが使用されて、少なくとも幾つかの要求される人間の運転者の管理のもとで、車両を走行ルートに沿ってナビゲートおよび/または操縦することを意味する。例としては、監視される自律型動作モードは、NHTSA 2013 Policyによる定義されるLevel 3、即ちL3を含むことが可能である。幾つかの例においては、車両100が監視される自律型動作モードのときは、信号(例えば、聴覚信号、視覚信号、触覚信号など)を、人間の運転者が所定の時間内に行動を取るために運転者に提示可能である。そのような行動が所定の時間内に取られないときは、1つ以上の安全措置が実現される。
【0012】
車両100は、1つ以上の半自律型動作モードを有することが可能である。「半自律型動作モード」は、走行ルートに沿う車両のナビゲーションおよび/または操縦の一部が1つ以上のコンピューティングシステムにより行われ、走行ルートに沿う車両のナビゲーションおよび/または操縦の一部が人間の運転者により行われることを意味する。例として、半自律型動作モードは、NHTSA 2013 Policyによる定義されるような、Level 2(L2)および/またはLevel 1(L1)を含むことが可能である。半自律型動作モードの1つの例は、適応クルーズコントロールシステムが起動されたときである。そのような場合、車両の速度が、車上のセンサから受信されるデータに基づいて、前方の車両との安全距離を維持するために自動的に調整されるが、それ以外は、車両は人間の運転者により手動で操作される。車両の速度を変えるという運転者の入力(例えば、ブレーキペダルを踏んで、車両の速度を落とすことにより)を受信すると、適応クルーズコントロールシステムの起動が停止され、車両の速度は落とされる。
【0013】
車両100は、手動動作モードを有することが可能である。「手動動作モード」は、走行ルートに沿う車両のナビゲーションおよび/または操縦の略大半またはすべてが、コンピューティングシステムからの入力を最小限または入力なしで、人間の運転者により行われることを意味する。例として、手動動作モードは、NHTSA 2013 Policyにより定義されているようなLevel 0(L0)を含むことが可能である。
【0014】
車両100は、特殊動作モードを有することが可能である。「特殊動作モード」は、要求された人間の運転者の行動が、所定の時間内に取られないとき、または確認されないときに、車両のナビゲーションおよび/または操縦を、1つ以上のコンピューティングシステムにより制御して、1つ以上の安全措置を実現することが可能であることを意味する。安全措置は、現在の運転環境に基づく所定の安全措置であることが可能である。例えば、人間の運転者が所定の時間内に車両100の制御を行わなかったときに、安全措置は、少しの可能性のあるものを挙げれば、車両100を道路の側方に移動すること、車両100を道路の路肩上に移動すること、車両100の速度を落とすこと、車両100を最も近くの駐車場内に向けさせること、車両100を停止させること、車両100の停止を続けること、または、車両100に高速道路の次の出口で出すことを含むことができる。
【0015】
車両100は、種々の動作モード間で切り替えられるように構成可能である。そのような切り替えは、現在知られている、または後日開発される、任意の適切な方法によって実現可能である。切り替えは自動的に行うことが可能であり、または、手動の入力または要求を受信することに応答して行うことが可能である。動作モード間の切り替えは、動作権限の信頼できる伝達についての関心を高めることが可能であるということは認識されよう。
【0016】
1つ以上の設備においては、切り替えは、第1動作モードから第2動作モードへと行うことが可能である。幾つかの例においては、第2動作モードは、第1動作モードよりも、より高い程度での手動による関与を有することが可能である。「より高い程度での手動による関与」は、人間の運転者が、車両の少なくともナビゲーションおよび/または操縦の制御に関する、運転者の管理および/または入力レベルを増大するように要求されること、または増大すべきことを意味する。第2動作モードが、第1動作モードよりも、より高い程度での手動による関与を有することが可能なときの1つの例は、第1動作モードが、監視されない自律型動作モードであり、第2動作モードが、監視される自律型動作モードまたは手動動作モードのときである。別の例は、第1動作モードが、監視される動作モードであり、第2動作モードが、半自律型動作モードまたは手動動作モードであるときである。
【0017】
幾つかの例においては、第2動作モードは、第1動作モードよりも、より低い程度での手動による関与を有することが可能である。「より低い程度での手動による関与」は、人間の運転者が、車両の少なくともナビゲーションおよび/または操縦の制御に関する、運転者の管理および/または入力レベルを減少可能であることを意味する。第2動作モードが、第1動作モードよりも、より低い程度での手動による関与を有することが可能なときに1つの例は、第1動作モードが手動動作モードであり、第2動作モードが半自律型動作モード、監視される自律型動作モード、または、監視されない自律型動作モードであるときである。別の例は、第1動作モードが、監視される動作モードであり、第2動作モードが、監視されない動作モードであるときである。
【0018】
車両100は、前方端部101と後方端部102を有することが可能である。車両100は、関連する縦軸103を有することが可能であり、これは、車両100の中心軸であることが可能である。車両100は、関連する縦方向104を有することが可能である。「縦方向」は、縦軸103と略平行、および/または、縦軸103と共線形である任意の方向を意味する。車両100は、関連する側方軸105を有することが可能であり、これは、縦軸103と略直交していることが可能である。ここにおいて使用されているように、「略」という用語は、それが正に修飾している用語、およびそれから少しずれている用語を含んでいる。このため、「略直交」という用語は、正確に直交していること、およびそれから少しずれていることを意味する。この特別な例においては、そこから少しずれている、とは、通常の製造許容誤差の範囲内であること、約10度以下の範囲内であること、約5度以下の範囲内であること、約4度以下の範囲内であること、約3度以下の範囲内であること、約2度以下の範囲内であること、または、約1度以下の範囲内であることを含むことが可能である。車両100は、関連する側方向106を有することが可能である。「側方向」は、側方軸105と略平行、および/または、側方軸105と共線形である任意の方向を意味する。
【0019】
車両100は、種々の要素を含むことが可能であり、その幾つかは、自律型運転システムの一部であることができる。車両100の可能な要素の幾つかが図1に示されており、ここで記述される。車両100は、図1に示されている、またはここにおいて記述される要素のすべてを有する必要はないということは理解されよう。車両100は、図1に示されている種々の要素の任意の組み合わせを有することが可能である。更に車両100は、図1に示されている要素に対しての追加的要素を有することが可能である。幾つかの設備においては、車両100は、図1に示されている要素の1つ以上を含まなくてもよい。更に、種々の要素は、図1において車両100内に位置しているように示されているが、これらの要素の1つ以上は、車両100の外側に位置することが可能であるということは理解されよう。更に、示されている要素は、物理的に遠くに離すことができる。
【0020】
車両100は、1つ以上のプロセッサ110を含むことが可能である。「プロセッサ」は、ここにおいて記述される何れのプロセスも、または、そのようなプロセスを行うための、またはそのようなプロセスが行われるようにさせるための指令の何れの形状も実行するように構成されている任意の構成要素、または任意の構成要素のグループを意味する。プロセッサ110は、1つ以上の汎用プロセッサ、および/または、1つ以上の特殊目的プロセッサにより実現できる。適切なプロセッサの例には、マイクロプロセッサ、マクロコントローラ、DSPプロセッサ、および、ソフトウェアを実行可能な他の回路が含まれる。更に、適切なプロセッサの例には、制限されることはないが、中央演算処理装置(CPU)、アレイプロセッサ、ベクトルプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブル論理アレイ(PLA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理回路、およびコントローラが含まれる。プロセッサ110は、プログラムコードに含まれる指令を行うように構成されている少なくとも1つのハードウェア回路(例えば、集積回路)を含むことが可能である。複数のプロセッサ110がある設備においては、そのようなプロセッサは、互いに独立して動作可能であり、または、1つ以上のプロセッサが、互いとの組み合わせにおいて動作可能である。1つ以上の設備においては、プロセッサ110は、車両100の主要プロセッサであることが可能である。例えば、プロセッサ110は、エンジンコントロールユニット(ECU)であることが可能である。
【0021】
車両100は、1つ以上のタイプのデータを記憶するための、1つ以上のデータ記憶装置115を含むことが可能である。データ記憶装置115は、揮発性および/または不揮発性メモリを含むことが可能である。適切なデータ記憶装置115の例には、RAM(Random Access Memory(ランダムアクセスメモリ))、フラッシュメモリ、ROM(Read Only Memory(リードオンリメモリ))、PROM(Programmable Read-Only Memory(プログラマブルリードオンリメモリ))、EPROM(Erasable Programmable Read-Only Memory(消去型プログラマブルリードオンリメモリ))、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory(電気消去型プログラマブルリードオンリメモリ))、レジスタ、磁気ディスク、光ディスク、ハードドライブ、または任意の他の適切な記憶媒体、またはそれらの任意の組み合わせが含まれる。データ記憶装置115は、プロセッサ110の構成要素であることが可能であり、または、データ記憶装置115は、プロセッサ110による使用のために、プロセッサ110に動作可能に接続可能である。ここでの記述を通して使用されているような「動作可能に接続される」という用語は、直接の物理的接触なしの接続を含む、直接または間接的な接続を含むことが可能である。
【0022】
1つ以上の設備においては、1つ以上のデータ記憶装置115は、マップデータ111を含むことが可能である。マップデータ111は、1つ以上の地理的エリアまたは領域の地図を含むことが可能である。マップデータ111は、1つ以上の地理的エリアにおける道路、交通制御装置、構造物、特徴、目印についての情報またはデータを含むことが可能である。マップデータ111は、任意の適切な形状であることが可能である。幾つかの例においては、マップデータ111は、エリアの空からの眺めを含むことが可能である。幾つかの例においては、マップデータ111は、360度の地上の眺めを含む、エリアの地上の眺めを含むことが可能である。マップデータ111は、高度に詳細であることが可能である。幾つかの例においては、マップデータ111は車両100上に位置することが可能である。代替的に、マップデータ111の少なくとも一部は、車両100から離れて位置することが可能である。
【0023】
1つ以上の設備においては、1つ以上のデータ記憶装置115は、運転シーン112のセットを含むことが可能である。「運転シーンのセット」という用語は、1つ以上の運転シーンとして定義される。「運転シーン」は、地理的エリア内の位置のセンサシステムデータを意味する。例としては、運転シーンは、画像または映像であることが可能である。運転シーンは、道路、交差点、ビル、構造物、交通制御装置、車線標識、目印、特徴の任意の適切なセンサシステムデータを含むことができる。幾つかの例においては、運転シーン112のセットは、車両100上に位置することが可能である。代替的に、運転シーン112のセットの少なくとも一部は、車両100から離れて位置することが可能である。
【0024】
1つ以上の設備においては、1つ以上のデータ記憶装置115は、シーン標識113のセットを含むことが可能である。「シーン標識のセット」という用語は、1つ以上のシーン標識として定義される。「シーン標識」は、運転シーンにおいて位置している、および/または、運転シーンを記述する注目物体または特徴である。シーン標識の例としては、道路、交差点、ビル、構造物、交通制御装置、車線標識、目印、道路ペイント、信号、電柱、縁石、特徴の任意の適切なセンサシステムデータを含むことが可能である。幾つかの例においては、シーン標識113のセットは、車両100上に位置することが可能である。代替的に、シーン標識113のセットの少なくとも一部は、車両100から離れて位置することが可能である。
【0025】
1つ以上の設備においては、優先権を、シーン標識113のセットに関して確立可能である。例えば、優先権は、シーン標識113のセットを連続的に格付けすることを含むことが可能である。代替的に、優先権は、優先権レベルを、シーン標識113のセットに割り当てることを含むことが可能である。例えば、優先権レベルは、高、中、および/または低を含むことが可能である。格付けは、ユーザまたは何らかの他のエンティティにより構成可能である。
【0026】
車両100は、自律型運転モジュール120を含むことが可能である。自律型運転モジュール120は、プロセッサにより実行されると、ここにおいて記述される種々のプロセス、例えば、走行ルートを決定すること、決定された走行ルートを実現すること、車両100の現在の運転措置に対する修正を決定すること、および/または、直接または間接的に、車両100の現在の運転措置を修正させることなどを実現する、コンピュータ読み取り可能プログラムコードとして実現可能である。自律型運転モジュール120は、プロセッサ110の構成要素であることが可能であり、または、自律型運転モジュール120は、プロセッサ110が動作可能に接続されている他の処理システム上で実行可能であり、および/または、プロセッサ110が動作可能に接続されている他の処理システムの間に分散可能である。
【0027】
自律型運転モジュール120は、プロセッサ110により実行可能な指令(例えば、プログラム論理)を含むことが可能である。そのような指令は、種々の車両機能を行うため、および/または、車両100または車両100の1つ以上のシステム(例えば、車両システム145の1つ以上)にデータを送信、または、そこからデータを受信し、またはそれと相互作用し、および/または、それを制御するための指令を含むことが可能である。代替的に、または追加的に、データ記憶装置115はそのような指令を含むことができる。
【0028】
上記のように、車両100はセンサシステム125を含むことが可能である。センサシステム125は、1つ以上のセンサを含むことが可能である。「センサ」は、何かを検出、決定、評価、監視、測定、定量、および/または感知可能な任意の装置、構成要素、および/またはシステムを意味する。1つ以上のセンサを、リアルタイムで検出、決定、評価、監視、測定、定量、および/または感知するように構成可能である。ここにおいて使用されているように、「リアルタイム」という用語は、ユーザまたはシステムが、特別なプロセスまたは決定が行われるためには十分に即時であると感知する、またはプロセッサが何らかの外部プロセス処理に遅れを取らないことを可能にする処理応答性のレベルを意味する。
【0029】
センサシステム125が複数のセンサを含む設備においては、センサは互いに独立して動作可能である。代替的に、センサの2つ以上は、互いの組み合わせにおいて動作可能である。そのような場合、2つ以上のセンサは、センサネットワークを形成可能である。センサシステム125および/または1つ以上のセンサは、プロセッサ110、データ記憶装置115、自律型運転モジュール120、および/または車両100の他の要素、および/または、自律型運転システム105に動作可能に接続可能である。
【0030】
センサシステム125は、任意の適切なタイプのセンサを含むことが可能である。例えば、センサシステム125は、車両100についての情報を検出、決定、評価、監視、測定、定量、および/または感知するように構成されている1つ以上のセンサを含むことが可能である。代替的に、または追加的に、センサシステム125は、外部環境における物体についての情報を含む、車両100が位置している外部環境についての情報を検出、決定、評価、監視、測定、定量、および/または感知するように構成されている1つ以上のセンサを含むことが可能である。そのような物体は、静止物体または移動物体であってよい。代替的に、または、上記の例の1つ以上に追加して、センサシステム125は、車両100の位置、および/または、車両100に対する、環境における物体の位置を検出、決定、評価、監視、測定、定量、および/または感知するように構成されている1つ以上のセンサを含むことが可能である。これらのセンサおよび他のタイプのセンサの種々の例をここにおいて記述する。実施の形態は、記述される特別なセンサに制限されないということは理解されよう。
【0031】
センサシステム125は、例えば、慣性加速度に基づいて、車両100の位置および方向の変化を検出、決定、評価、監視、測定、定量、および/または感知するように構成されている1つ以上のセンサを含むことが可能である。1つ以上の設備においては、センサシステム125は、加速度計、ジャイロスコープ、および/または他の適切なセンサを含むことが可能である。センサシステム125は、車両100の1つ以上の内部システムを監視可能なセンサを含むことが可能である(例えば、酸素モニタ、燃料ゲージ、エンジンオイル温度、冷却水温度など)。
【0032】
センサシステム125は、1つ以上の環境センサ126を含むことが可能である。環境センサ126は、車両100の外部環境の少なくとも一部分における物体、および/または、そのような物体についての情報/データを検出、決定、評価、監視、測定、定量、および/または感知するように構成可能である。環境センサ126の種々の例がここにおいて記述される。しかし、実施の形態は、記述される特別なセンサに制限されないということは理解されよう。
【0033】
1つ以上の設備においては、環境センサ126の1つ以上は、少なくとも部分的には無線信号を使用可能である(例えば、RADARに基づくセンサ)。1つ以上の、無線に基づくセンサは、車両100の外部環境における1つ以上の物体の存在、車両100に対する、各検出された物体の位置、1つ以上の方向(例えば、縦方向104、側方向106、および/または他の方向)における、各検出された物体と車両100との間の距離、各検出された物体の速度、および/または、各検出された物体の動きを、直接または間接的に、検出、決定、評価、監視、測定、定量、および/または感知するように構成可能である。
【0034】
1つ以上の設備においては、環境センサ126の1つ以上は、少なくとも部分的にはレーザを使用可能である。例えば、環境センサ126の1つ以上は、レーザ測距機またはLIDARであることが可能であり、またはその一部として含めることが可能である。そのような装置は、レーザを出射するように構成されているレーザ源および/またはレーザスキャナ、およびレーザの反射を検出するように構成されている検出器を含むことが可能である。レーザ測距機またはLIDARは、コヒーレントまたは非コヒーレント検出モードにおいて動作するように構成できる。1つ以上の、レーザに基づくセンサは、車両100の外部環境における1つ以上の物体の存在、車両100に対する、各検出された物体の位置、1つ以上の方向(例えば、縦方向104、側方向106、および/または他の方向)における、各検出された物体と車両100との間の距離、各検出された物体の速度、および/または、各検出された物体の動きを、直接または間接的に、検出、決定、評価、監視、測定、定量、および/または感知するように構成可能である。
【0035】
1つ以上の設備においては、環境センサ126の1つ以上は、少なくとも部分的には超音波を使用可能である。そのようなセンサは、超音波信号を出射するように構成されている超音波源および超音波信号の反射を検出するように構成されている検出器を含むことが可能である。1つ以上の、超音波に基づく環境センサ126は、車両100の外部環境における1つ以上の物体の存在、車両100に対する、各検出された物体の位置、1つ以上の方向(例えば、縦方向104、側方向106、および/または他の方向)における、各検出された物体と車両100との間の距離、各検出された物体の速度、および/または、各検出された物体の動きを、直接または間接的に、検出、決定、評価、監視、測定、定量、および/または感知するように構成可能である。そのような検出は、反射された超音波信号の特性(例えば、強度)に基づくことが可能である。
【0036】
1つ以上の配置においては、センサシステム125は、1つ以上のカメラを含むことが可能である。1つ以上の設備においては、1つ以上のカメラは、1つ以上の環境センサ126の一部であることが可能である。「カメラ」は、少なくとも視覚データを捕捉可能な、任意の装置、構成要素、および/またはシステムとして定義される。「視覚データ」は、映像および/または画像情報/データを含むことが可能である。視覚データは、任意の適切な形状であることが可能である。
【0037】
1つ以上の設備においては、カメラの1つ以上は、レンズ(図示せず)および撮像要素(図示せず)を含むことが可能である。撮像要素は、例えば、エリアアレイセンサ、電荷結合素子(Charge Coupled Device:CCD)センサ、相補型金属酸化膜半導体(Complementary Metal Oxide Semiconductor:CMOS)センサ、リニアアレイセンサを含む、任意の適切なタイプの撮像装置またはシステムであることが可能である。撮像要素は、電磁スペクトル上の任意の適切な波長における画像を捕捉できる。撮像要素は、カラー画像および/またはグレースケール画像を捕捉できる。カメラの1つ以上は、ズームインおよび/またはズームアウト機能を有するように構成可能である。
【0038】
1つ以上のカメラは、車両100の外部環境の少なくとも一部分からデータを捕捉するように向かせ、位置させ、構成し、動作可能にし、および/または、配置することが可能である。1つ以上のカメラは、車両100の任意の適切な部分に位置することが可能である。例えば、カメラの1つ以上は、車両100内に位置することが可能である。カメラの1つ以上は、車両100の外部に位置することが可能である。カメラの1つ以上は、車両100の外部に位置または露出させることが可能である。
【0039】
カメラの1つ以上の位置は、その位置が車両100に対して変化しないように固定可能である。カメラの1つ以上は、その位置が変化して、車両100の外部環境の異なる位置からのデータを捕捉することを可能にするために可動にすることが可能である。そのようなカメラの動きは、任意の適切な方法で達成可能である。
【0040】
代替的に、または上記のセンサの何れかに追加して、センサシステム125は、他のタイプのセンサを含むことが可能である。センサシステム125、プロセッサ110、および/またはモジュール120、135、137の1つ以上は、センサシステム125のセンサおよび/またはカメラの1つ以上の動き、または他の態様を制御するように動作可能である。ここにおいて記述されるセンサおよび/またはカメラの何れも、車両100に対して任意の適切な位置に設けることが可能であるということに留意すべきである。例えば、1つ以上のセンサおよび/または1つ以上のカメラを、車両100内に位置させることが可能である。代替的に、または追加的に、1つ以上のセンサおよび/または1つ以上のカメラを、車両100の外部に位置させることが可能である。更に代替的に、または追加的に、1つ以上のセンサおよび/または1つ以上のカメラを、車両100の外部に露出させるように位置させることが可能である。
【0041】
幾つかの設備においては、センサシステム125、プロセッサ110、および/または、ここにおいて記述されるモジュール120、135、137の1つ以上を、検出された物体の1つ以上の態様、特性、および/または性質を、直接または間接的に、検出、決定、評価、監視、測定、定量、および/または感知するように構成可能である。例えば、センサシステム125、プロセッサ110、および/またはモジュール120、135、137の1つ以上を、検出された物体のサイズ、相対的サイズ、長さ、幅、高さ、寸法、材料、材質、速度、加速度、および/または軌道を、直接または間接的に検出、決定、評価、監視、測定、定量、および/または感知するように構成可能である。1つ以上の設備においては、1つ以上の人工またはコンピュータアルゴリズム、または機械学習方法を、そのような目的のために使用可能である。
【0042】
センサシステム125は、プロセッサ110、および/または、ここにおいて記述されるモジュール120、135、137の1つ以上により使用されて、自律型車両100の位置および方向を推定するための自立型車両100を取り囲む環境内の物体に対する位置情報、画像センサによる処理のための画像、複数の衛星からの信号に基づくグローバル座標における車両の位置、または、マップフォーマットの作成、またはマップフォーマットに関しての車両100の位置を決定するために使用される、車両100の現在の状態を決定するために、または、環境に対する自律型車両100の位置を決定するために使用可能な任意の他のデータおよび/または信号を捕捉するように構成可能である。
【0043】
マップフォーマットは、車両100が走行ルートに沿って走行するときに車両100に近接する交通信号機、交通標識、車線境界線、横断歩道、縁石のような、道路に基づく物体に対して、車両100により捕捉される位置に基づく地理的特徴を使用して構築可能である。これらの地理的特徴を表す情報は、車線を見分け、車両100の位置を記録し、GNSSおよび/またはIMUから位置のデータを収集するための、ランダムサンプルコンセンサス(RANSAC)のようなアルゴリズムと組み合わせて、上記のセンサシステム125を使用して捕捉可能である。これらの地理的特徴に対する捕捉された情報は、すべての地理的特徴を、車両100の位置との関係において位置決めするためのSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)技術を使用して処理可能である。
【0044】
代替的に、マップフォーマットは、例えば、交通標識、路面標識などの各地理的特徴に対して異なるカテゴリの選択を可能にする、マップエディタによりトレースされる地理的特徴の、頭上からの画像(例えば、衛星画像)を使用して構築可能である。車両100により使用される何れのマップフォーマットも、例えば、データ記憶装置115に記憶可能である。背景マップフォーマットは、計画された車両経路を走行している間の意思決定のために車両100により行われる、移動物体検出および追尾プロセスの間は無視可能な地理的情報に対する位置情報を使用して構築可能である。地理的情報のこのグループ、つまり、背景物体は、交通信号機、ガードレール、路肩のような静止している、道路に基づく物体、および、葉群を生成可能な木、低木、または茂みのような、ほとんど静止している自然の物体を含むことが可能である。
【0045】
車両100は、入力システム130を含むことが可能である。「入力システム」は、情報/データをマシンに入力させることが可能な任意の装置、構成要素、システム、要素、または設備、またはそれらのグループとして定義される。入力システム130は、車両の搭乗者(例えば、運転者または同乗者)から入力を受信可能である。例えば、キーパッド、ディスプレイ、タッチスクリーン、マルチタッチスクリーン、ボタン、ジョイスティック、マウス、トラックボール、マイクロフォン、および/またはそれらの組み合わせを含む任意の適切な入力システム130を使用可能である。
【0046】
車両100は、出力システム131を含むことが可能である。「出力システム」は、情報/データを車両100の搭乗者(例えば、人間、車両の搭乗者など)に提示させることが可能な任意の装置、構成要素、システム、要素、または設備、またはそれらのグループとして定義される。出力システム131は、情報/データを車両の搭乗者に提示可能である。出力システム131は、ディスプレイ300を含むことが可能である。「ディスプレイ」は、データを人間の視覚が感知可能な形状で提示する構成要素または構成要素のグループとして定義される。ディスプレイ300は、任意の適切なタイプのディスプレイであることが可能である。例えばディスプレイ300は、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、または何らかの他の適切なディスプレイであることが可能である。
【0047】
代替的に、または追加的に、出力システム131は、1つ以上のマイクロフォン、1つ以上のイヤフォン、および/または、1つ以上のスピーカ191を含むことが可能である。「スピーカ」は、音声信号入力に応答して音を生成する1つ以上の要素、1つ以上の装置、1つ以上の構成要素、1つ以上のシステム、および/またはそれらの任意の組み合わせを意味する。スピーカの例としては、例えば、電気音響トランスデューサ、サウンドチップ、およびサウンドカードが含まれる。各スピーカ191は、スピーカ191に動作可能に接続される1つ以上の音声出力チャネル(図示せず)を有することが可能である。「音声出力チャネル」は、音声信号を搬送するための任意の適切な装置、構成要素、または構造体を意味する。車両100の幾つかの構成要素は、入力システム130の構成要素および出力システム131の構成要素の両者として機能できる。
【0048】
車両100は、遷移事象検出モジュール135を含むことが可能である。遷移事象検出モジュール135は、プロセッサにより実行されると、ここにおいて記述される種々のプロセスを実現するコンピュータ読み取り可能プログラムコードとして実現可能である。遷移事象検出モジュール135は、プロセッサ110の構成要素であることが可能であり、または、遷移事象検出モジュール135は、プロセッサ110が動作可能に接続されている他の処理システム上で実行可能であり、および/または、プロセッサ110が動作可能に接続されている他の処理システム間に分散可能である。遷移事象検出モジュール135は、マップデータ111、運転シーン112のセット、および/またはシーン標識113に動作可能に接続可能である。
【0049】
遷移事象検出モジュール135は、車両100の現在の動作モードを、異なる動作モードに潜在的に切り替えることを保証するために、遷移事象が発生したかどうかを決定するように構成可能である。そのような事象は、運転者が車両の制御において、より高い程度で関与する準備をするために、運転者に通信される問題を示すことができる。遷移事象検出モジュール135、自律型運転モジュール120、および/またはプロセッサ110は、センサシステム125により得られ、捕捉され、および/または取得されるデータを解析して、外部環境における1つ以上の物体を識別するように構成可能である。幾つかの設備においては、これらの要素の1つ以上を、例えば、テンプレートマッチング、コンピュータビジョン、および/または画像処理技術、および/または他の人工またはコンピュータ知能アルゴリズムまたは機械学習方法を含む、任意の適切な技術を使用して、物体の性質を識別するように構成可能である。
【0050】
遷移事象検出モジュール135は、遷移事象が、何れかの適切な方法で発生したかどうかを決定可能である。例えば、1つ以上の設備においては、車両100の外部環境のビジュアルまたは他のデータを、センサシステム125などにより捕捉可能である。捕捉されたデータをマップデータ111と比較して、捕捉データがマップデータ111と整合しているかどうかを決定可能である。この状況において「整合する」とは、捕捉データと所定のデータ(例えば、マップデータ111)が同一であることを意味する。幾つかの実施の形態においては、「整合する」とは、捕捉データと所定のデータマップデータが、略同一であることも意味することが可能である。例えば、捕捉データと所定のデータは、所定の確率(例えば、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、またはそれ以上)内で、または信頼レベル内で整合可能である。
【0051】
捕捉データとマップデータ111との間に大きな不整合があるときには、または両者が整合していないときは、動作モード遷移事象が発生したと決定可能である。例えば、工事ゾーンがあるとき、または道路のペンキが塗り直されたときには、大きな不整合が発生する可能性が高い。高度に詳細なマップデータ111が使用されるときは、マップデータ111からの相対的に小さなずれでさえ、動作モード遷移事象が発生したという決定になる可能性が高い。
【0052】
別の例として、1つ以上の設備においては、1つ以上の運転シーンを走行ルートに沿って捕捉可能である。捕捉された1つ以上の運転シーンは、運転シーン112のセットと比較可能である。捕捉された1つ以上の運転シーンと、所定の運転シーンのセットとの間に大きな不整合があるときは、動作モード遷移事象が発生したと決定可能である。
【0053】
1つ以上の設備においては、捕捉された1つ以上の運転シーンを解析して、1つ以上のシーン標識113が捕捉された運転シーンに含まれているかどうかを決定可能である。シーン標識113のセットの1つ以上のシーン標識が、捕捉された1つ以上の運転シーンに含まれていないときには、大きな不整合が発生したと決定可能である。
【0054】
幾つかの例においては、シーン標識113を格付け可能である。例えば、シーン標識113の1つ以上に高い優先権を割り当て可能である。大きな不整合は、1つ以上の高い優先権のシーン標識が、捕捉された1つ以上の運転シーンにおいて検出されないときに発生する可能性が高い。
【0055】
車両100のセンサシステム125は、車両100の外部環境を感知可能である。センサシステム125は、外部環境における種々の特徴を検出できる(例えば、車線標識、信号機、電柱、交差点のような目印など)。これらの検出された特徴は、シーン標識113のセットと整合させることが可能である。遷移事象検出モジュール135が大きな不整合(例えば、観測された特徴のほとんどが、それらの対応する高い優先権を示すものと整合しない)を決定したときには、動作モード遷移事象が発生したと決定可能である。
【0056】
車両100は、時間バッファ決定モジュール137を含むことが可能である。時間バッファ決定モジュール137は、プロセッサにより実行されると、ここにおいて記述される種々のプロセスを実現するコンピュータ読み取り可能プログラムコードとして実現可能である。時間バッファ決定モジュール137は、プロセッサ110の構成要素であることが可能であり、または、時間バッファ決定モジュール137は、プロセッサ110が動作可能に接続されている他の処理システム上で実行可能であり、および/または、プロセッサ110が動作可能に接続されている他の処理システム間に分散可能である。
【0057】
時間バッファ決定モジュール137は、時間バッファを決定するように構成可能である。ここにおいて使用されているように、「時間バッファ」は、車両の現在の動作モードが、異なる動作モードへ切り替え、および/または、潜在的に切り替えられるまでの時間量を意味する。
【0058】
時間バッファは、任意の適切な方法で決定可能である。例えば、1つ以上の設備においては、時間バッファは、少なくとも部分的には、車両の現在の運転環境の特性に基づくことが可能である。例えば、現在の運転環境がより複雑なときには(例えば、検出される物体の数が多い、物体が多くの異なる方向において動いている、良好に標識が付けられていない道路、夜間、霧、雨など)、より短い時間バッファが容認されると決定可能である。対照的に、現在の運転環境が、それほど複雑でないときには(例えば、検出される物体の数が少ない、物体が、少ない数の異なる方向において動いている、良好に標識が付けられた道路、日中など)、より長い時間バッファが容認されると決定可能である。
【0059】
1つ以上の設備においては、時間バッファは、少なくとも部分的には、捕捉された1つ以上の運転シーンと、運転シーンの所定のセット、および/または、シーン標識の所定のセットとの間の不整合の量に基づくことが可能である。例えば、捕捉された1つ以上の運転シーンと、運転シーンの所定のセット、および/または、シーン標識の所定のセットとの間に、大きな程度の不整合があるときには、より短い時間バッファが容認されると決定可能である。捕捉された1つ以上の運転シーンと、運転シーンの所定のセット、および/または、シーン標識の所定のセットとの間に、小さな程度の不整合があるときには、より長い時間バッファが容認されると決定可能である。
【0060】
1つ以上の設備においては、時間バッファは、少なくとも部分的には、高い優先権のシーン標識が、捕捉された1つ以上の運転シーンに存在するかどうかに基づくことが可能である。予期される高い優先権のシーン標識が、捕捉された1つ以上の運転シーンにおいて検出されないときには、より短い時間バッファが容認されると決定可能である。高い優先権のシーン標識が検出されたときには、より長い時間バッファが容認されると決定可能である。
【0061】
車両100は、1つ以上の車両システム145を含むことが可能である。1つ以上の車両システム145の種々の例が図1に示されている。しかし車両100は、より多くの、より少ない、または異なるシステムを含むことが可能である。特別な車両システムが別個に定義されるが、システムのそれぞれ、または何れも、またはその一部分を、車両100内のハードウェアおよび/またはソフトウェアを介して、別途組み合せる、または分離することができるということは認識すべきである。
【0062】
車両100は、推進システム150を含むことが可能である。推進システム150は、現在知られている、または後日開発される、車両100に対して動力による動きを提供するように構成されている1つ以上の機構、装置、要素、構成要素、システム、および/またはそれらの組み合わせを含むことが可能である。推進システム150は、エンジンおよびエネルギ源を含むことが可能である。
【0063】
エンジンは、現在知られている、または後日開発される、任意の適切なタイプのエンジンまたはモータであることが可能である。例えば、エンジンは、少しの可能性のあるものを挙げれば、内燃機関、電気モータ、蒸気機関、および/またはスターリングエンジンであることが可能である。幾つかの実施の形態においては、推進システムは、複数のタイプのエンジンを含むことが可能である。例えば、ガス電気ハイブリッド車両は、ガソリンエンジンおよび電気モータを含むことが可能である。
【0064】
エネルギ源は、少なくとも部分的にはエンジンに動力を与えるために使用可能な、任意の適切なエネルギ源であることが可能である。エンジンは、エネルギ源を機械的エネルギに変換するように構成可能である。エネルギ源の例としては、ガソリン、ディーゼル、プロパン、水素、他の圧縮ガス系燃料、エタノール、ソーラーパネル、バッテリ、および/または他の電力源が含まれる。代替的に、または追加的に、エネルギ源は、燃料タンク、バッテリ、容量、および/またはフライホイールを含むことが可能である。幾つかの実施の形態においては、エネルギ源は、車両100の他のシステムにエネルギを提供するために使用可能である。
【0065】
車両100は、車輪、タイヤ、および/またはトラック(キャタピラ(登録商標)のようなもの)を含むことが可能である。任意の適切なタイプの車輪、タイヤ、および/またはトラックを使用可能である。1つ以上の設備においては、車両100の車輪、タイヤ、および/またはトラックは、車両100の他の車輪、タイヤ、および/またはトラックとは異なるように回転するように構成可能である。車輪、タイヤ、および/またはトラックは、任意の適切な材料から製造可能である。
【0066】
車両100は、ブレーキシステム155を含むことが可能である。ブレーキシステム155は、現在知られている、または後日開発される、車両100を減速するように構成されている1つ以上の機構、装置、要素、構成要素、システム、および/またはそれらの組み合わせを含むことが可能である。例として、ブレーキシステム155は、車輪/タイヤを減速するために摩擦を使用可能である。ブレーキシステム155は、車輪/タイヤの運動エネルギを電流に変換可能である。
【0067】
更に、車両100は、操縦システム160を含むことが可能である。操縦システム160は、現在知られている、または後日開発される、車両100の進路を調整するように構成されている1つ以上の機構、装置、要素、構成要素、システム、および/またはそれらの組み合わせを含むことが可能である。
【0068】
車両100は、スロットル(絞り弁)システム165を含むことが可能である。スロットルシステム165は、現在知られている、または後日開発される、車両100のエンジン/モータの動作速度を制御し、その結果、車両100の速度を制御するように構成されている1つ以上の機構、装置、要素、構成要素、システム、および/またはそれらの組み合わせを含むことが可能である。
【0069】
車両100は、トランスミッションシステム170を含むことが可能である。トランスミッションシステム170は、現在知られている、または後日開発される、車両100のエンジン/モータからの機械的動力を車輪/タイヤに伝達するように構成されている1つ以上の機構、装置、要素、構成要素、システム、および/またはそれらの組み合わせを含むことが可能である。例えば、トランスミッションシステム170は、ギヤボックス、クラッチ、ディファレンシャル、ドライブシャフト、および/または他の要素を含むことが可能である。トランスミッションシステム170がドライブシャフトを含む設備においては、ドライブシャフトは、車輪/タイヤに結合されるように構成されている1つ以上の車軸を含むことが可能である。
【0070】
車両100は、シグナリングシステム175を含むことが可能である。シグナリングシステム175は、現在知られている、または後日開発される、車両100の運転者に照明を提供し、および/または、車両100の1つ以上の態様に関する情報を提供するように構成されている1つ以上の機構、装置、要素、構成要素、システム、および/またはそれらの組み合わせを含むことが可能である。例えば、シグナリングシステム175は、車両の存在、位置、サイズ、走行方向、および/または、走行方向および速度に関する運転者の意図に関する情報を提供可能である。例えば、シグナリングシステム175は、ヘッドライト、テールライト、ブレーキライト、ハザードライト、および方向指示信号ライトを含むことが可能である。
【0071】
車両100は、ナビゲーションシステム180を含むことが可能である。ナビゲーションシステム180は、現在知られている、または後日開発される、車両100の地理的位置を決定し、および/または、車両100に対して走行ルートを決定するように構成されている1つ以上の機構、装置、要素、構成要素、システム、アプリケーション、および/またはそれらの組み合わせを含むことが可能である。
【0072】
ナビゲーションシステム180は、車両100に対して走行ルートを決定するための1つ以上のマッピングアプリケーションを含むことが可能である。例えば、運転者または同乗者は、出発地と目的地を入力できる。マッピングアプリケーションは、出発地と目的地との間の1つ以上の適切な走行ルートを決定可能である。走行ルートは、1つ以上のパラメータ(例えば、最短走行距離、最短走行時間など)に基づいて選択できる。幾つかの設備においては、ナビゲーションシステム180を、車両100が動作中に走行ルートを動的に更新するように構成可能である。
【0073】
ナビゲーションシステム180は、全地球測位システム、局所測位システム、または地理位置情報システムを含むことが可能である。ナビゲーションシステム180は、米国GPS(United States Global Positioning System:GPS)、ロシアグロナス(Russian Glonass)システム、欧州ガリレオ(European Galileo)システム、中国北斗(Chinese Beidou)システム、または、衛星システムの組み合わせから衛星を使用する任意のシステム、または、計画されている中国コンパス(Chinese COMPASS)システムおよびインド地域航法衛星システム(Indian Regional Navigational Satellite System)を含む、将来開発される任意の衛星システムのような多数の衛星測位システムの任意の1つにより実現可能である。更に、ナビゲーションシステム180は、伝送制御プロトコル(Transmission Control Protocol:TCP)、および/または、地理(Geographic)情報システム(GIS)および位置情報サービスを使用可能である。
【0074】
ナビゲーションシステム180は、地球に対する車両100の位置を推定するように構成されているトランシーバを含むことができる。例えば、ナビゲーションシステム180は、車両の緯度、経度、および/または高度を決定するためのGPSトランシーバを含むことが可能である。ナビゲーションシステム180は、車両100の位置を決定するための他のシステム(例えば、レーザに基づく位置測定システム、慣性支援GPS、および/またはカメラに基づく位置測定)を使用可能である。
【0075】
代替として、または追加的に、ナビゲーションシステム180は、W3C地理位置情報(Geolocation)アプリケーションプログラミングインタフェース(Application Programming Interface:API)を使用するなどのアクセスポイント位置情報サービスに基づくことが可能である。そのようなシステムでは、車両100の位置は、例えば、インターネット(Internet)プロトコル(IP)アドレス、Wi-Fiおよびブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)メディアアクセスコントロール(Media Access Control:MAC)アドレス、無線周波数ID(RFID)、Wi-Fi接続位置、または、装置GPSおよびグローバル移動通信システム(Global System for Mobile Communication:GSM(登録商標))/符号分割多元接続(CDMA)セルIDを含む、位置情報サーバを参照することにより決定可能である。このため、車両100の地理的位置が決定される特定の方法は、使用される特別な位置追尾システムの動作方法に依存するということが理解されよう。
【0076】
プロセッサ110および/または自律型運転モジュール120は、種々の車両システム145および/またはそれらの個々の構成要素と通信するために動作可能に接続可能である。例えば、図1に戻ると、プロセッサ110および/または自律型運転モジュール120は、車両100の動き、速度、操縦、進行方向、方向などを制御するために、種々の車両システム145に情報を送り、および/または、種々の車両システム145から情報を受信する通信状態であることが可能である。プロセッサ110および/または自律型運転モジュール120は、これらの車両システム145の幾つかまたはすべてを制御でき、そのため、部分的に、または完全に自律型であることができる。
【0077】
プロセッサ110および/または自律型運転モジュール120は、車両システム145および/またはそれらの構成要素の1つ以上を制御することにより、車両100のナビゲーションおよび/または操縦を制御するように動作可能であることができる。例えば、自律型モードで動作するときは、プロセッサ110および/または自律型運転モジュール120は、車両100の方向および/または速度を制御可能である。プロセッサ110および/または自律型運転モジュール120は、車両100を加速(例えば、エンジンに提供される燃料供給量を増大することにより)、減速(例えば、エンジンへの燃料供給量を削減および/またはブレーキを掛けることにより)、および/または方向を変更(例えば、2つの前輪の向きを変えることにより)させることが可能である。ここにおいて使用されているように、「させる」は、直接または間接的な方法で、ある事象または動作が起こるように、または、少なくともそのような事象または動作が起こることができる状態に強制的にさせる、強いる、強要する、命令する、指示する、および/またはそれを可能にさせるという意味である。
【0078】
車両100は、1つ以上のアクチュエータ140を含むことが可能である。アクチュエータ140は、プロセッサ110および/または自律型運転モジュール120からの信号または他の入力を受信することに応答して、車両システム145またはそれらの構成要素の1つ以上を修正、調整、および/または変更するように動作可能な任意の要素または任意の要素の組み合わせであることが可能である。任意の適切なアクチュエータを使用可能である。例えば、1つ以上のアクチュエータ140は、少しの可能性のあるもの挙げれば、モータ、空気式アクチュエータ、油圧ピストン、リレー、ソレノイド、および/または圧電アクチュエータを含むことが可能である。
【0079】
車両100は、知覚システム(図示せず)を含むことが可能である。知覚システムは、処理のためのデータおよび/または信号を、慣性測定ユニット(IMU)、デッドレコニングシステム(自己位置推定システム)、全地球航法衛星システム(GNSS)、光検出と測距(LIDAR)システム、レーダーシステム、ソナーシステム、画像に基づくセンサシステム、または、車両を取り囲む環境に特有な情報を、交通標識、自然物体、移動車両、歩行者、または、他の局在化された位置データおよび/または信号のような静止および移動する物体両者に特有な情報を含む背景マップフォーマットの作成における使用のために捕捉可能で、プロセッサ110に、対応するデータおよび/または信号を出力可能な任意の他のタイプのシステムにより捕捉可能である。知覚システムは、車両位置および速度データを決定可能である。知覚システムは、障害物、物体、または、交通標識、木、低木、隣接する車両、歩行者などを含む、他の環境における特徴物の位置を決定可能である。1つ以上の車両システム145を、知覚システムに動作可能に接続可能である。知覚システムを、車両システム145の性能を示すデータを捕捉するように構成可能である。
【0080】
ここにおける設備によれば、車両100は、車両の搭乗者(例えば、運転者)に、車両100が潜在的に異なる動作モード、特には、より高い程度での手動による関与を有する動作モードに切り替わるまでの、残り時間の刻々と変化する表示を提供するように構成可能である。そのような表示は、遷移警報により提供可能である。遷移警報は、車両100内で出力可能である。
【0081】
遷移警報は、任意の適切な形状を有することが可能である。例えば、遷移警報は、視覚遷移警報、聴覚遷移警報、触覚遷移警報、および/またはそれらの組み合わせであることが可能である。「視覚遷移警報」は、人間の視覚が感知可能な任意の通信による情報である。「聴覚遷移警報」は、人間の聴覚が感知可能な任意の通信による情報である。「触覚遷移警報」は、人間の触覚が感知可能な任意の通信による情報である。そのような遷移警報の種々の非制限的な例が、ここで提供される。
【0082】
視覚遷移警報は、出力システム131を使用して、車両の搭乗者(例えば、運転者)に提示可能である。例えば、視覚遷移警報は、ディスプレイ300(図3および4参照)の1つ以上において提示可能である。ディスプレイ300は、タッチスクリーンまたはマルチタッチスクリーンであることが可能なスクリーン305を含むことが可能である。視覚遷移警報は任意の適切な形状を有することが可能である。1つ以上の設備においては、視覚遷移警報は、棒グラフ310であることが可能である(図3参照)。バー(棒)は、互いに略同一であることが可能であり、または、バーの1つ以上は他のバーとは異なっていることが可能である。図3は、バーの長さが、左から右へ向かうにつれて徐々に長くなる例を示している。しかし、ここにおいて記述される設備は、このタイプの棒グラフに制限されない。
【0083】
棒グラフ310のバーは、決定される時間バッファに基づいて選択的に照明可能である。1つ以上の設備においては、時間バッファが短いときは、より多くの数のバーを選択的に照明可能であり、時間バッファが長いときは、より少ない数のバーを選択的に照明可能である。1つ以上の代替設備においては、時間バッファが長いときは、より多くの数のバーを選択的に照明可能であり、時間バッファが短いときは、より少ない数のバーを選択的に照明可能である。
【0084】
1つ以上の設備においては、視覚遷移警報は、カウントダウン時計315(図4参照)であることが可能である。カウントダウン時計315は、現在の動作モードが、異なる動作モードに潜在的に切り替わるまでの残り時間を表示可能である。
【0085】
代替的に、または追加的に、視覚遷移警報は、1つ以上の光源(図示せず)により提示可能である。1つ以上の光源は、任意のタイプの光エネルギを生成または出射可能である。1つ以上の設備においては、1つ以上の光源に電力を与えることが可能である。1つ以上の設備においては、1つ以上の光源は、少しの可能性のあるものを挙げれば、電子刺激、白熱灯、エレクトロルミネセント(EL)ランプ、ガスチャージランプ、高強度ディスチャージランプ、および/またはレーザのようなタイプの電力による光源を1つ以上含むことが可能である。1つ以上設備においては、1つ以上の光源は、発光ダイオード(LED)であることが可能である。例えば、1つ以上の光源は、有機LED、ポリマLED、ソリッドステートライティング、LEDランプ、および/またはアクティブマトリックス有機LEDであることが可能である。幾つかの設備においては、1つ以上の光源は、同じタイプの光源であることが可能である。他の設備においては、1つ以上の光源の1つ以上は、他の光源とは異なるタイプの光源であることが可能である。
【0086】
単一の光源の場合、遷移事象が発生したときに、光源を最初に起動可能である。光源は、第1色(例えば、緑)であってよい。色は、時間バッファにより変化可能である。例えば、時間バッファが短くなると、色は、第2色(例えば、黄色)に変化可能であり、時間バッファがほとんどなくなるときに、第3色(例えば、赤)に変化可能である。幾つかの設備においては、光源はまた、更に注意を引くために、オン/オフして点滅可能である。そのような点滅は、任意の適切な時間、および/または、任意の適切な点滅の頻度で発生させることが可能である。
【0087】
複数の光源の場合、動作モード遷移事象が決定されたときに、1つの光源を最初に起動可能である。追加の光源は、時間バッファが短くなるにつれて起動可能である。また、光源の色は、時間バッファが短くなるにつれて変化可能である。例えば、起動された光源は、最初は緑であってよく、時間バッファが短くなるにつれて、黄色に、そして赤に変化できる。1つ以上の設備においては、遷移事象が決定されたときに、複数の光源すべてを最初に起動可能である。時間バッファが短くなるにつれて、起動されている光源の数が、任意の適切なシーケンスで減少し、時間バッファがゼロまたはゼロに近くなったときに、起動されている光源は1つのみになり、または起動されている光源は1つもなくなるということが可能である。
【0088】
聴覚遷移警報は、出力システム131を使用して、車両の搭乗者(例えば、運転者)に提示可能である。例えば、聴覚遷移警報は、スピーカ191の1つ以上で提示可能である。聴覚遷移警報は任意の適切な形状を有することが可能である。例えば、聴覚遷移警報は、音および/またはメッセージ(例えば、言葉、フレーズ、および/または文章)であることが可能である。例として、聴覚遷移警報は、「引き継ぎまでX秒」、「制御する準備をせよ」などを示すことが可能である。
【0089】
触覚遷移警報は、任意の適切な要素を使用して、車両の搭乗者(例えば、運転者)に提示可能である。例えば、車両100(または車両100の出力システム131)は、1つ以上の触覚アクチュエータ192を含み、触覚遷移警報を提示させることが可能である。触覚アクチュエータ192は、プロセッサ110および/または自律型運転モジュール120からの信号または他の入力を受信したことに応答して、車両100の1つ以上の要素を修正、調整、および/または変更するように動作可能な任意要素または任意の要素の組み合わせであることが可能である。任意の適切な触覚アクチュエータを使用可能である。例えば、1つ以上の触覚アクチュエータ192は、少しの可能性のあるものを挙げれば、モータ、空気式アクチュエータ、油圧ピストン、リレー、ソレノイド、および/または圧電アクチュエータを含むことが可能である。
【0090】
触覚遷移警報は、任意の適切な形状を有することが可能である。例えば、触覚遷移警報は、運転者シートの振動を起こすことにより提示可能である。しかし、触覚遷移警報は振動に制限されないということは理解されよう。また、触覚遷移警報は、運転者シートにより提示されることに制限されないということも理解されよう。
【0091】
上記のタイプの遷移警報の任意の組み合わせおよび/または他のタイプの遷移警報を提供可能であることは認識されよう。例えば、視覚遷移警報と聴覚遷移警報は任意の適切な方法での組み合わせで使用可能である。
【0092】
遷移警報は、1つ以上の出力特性を有することが可能であるということに留意すべきである。ここにおける設備によれば、遷移警報の出力特性を、決定される時間バッファにおける変化に応答して変更可能である。このため、時間バッファが短くなるにつれて、出力特性を、運転者の注意を惹くために変更可能である。時間バッファが短くなったときに、任意の適切な変更を出力特性に行うことが可能である。例えば、視覚遷移警報の場合、少しの可能性のあるものを挙げれば、視覚遷移警報をサイズ(例えば、より大きな、またはより多くの光、または照明されるバー)、色(例えば、赤のような警告色)、明るさ(例えば、明るさの増大)、および/またはモード(例えば、点滅、または増大された頻度での点滅)に関して変更可能である。聴覚遷移警報に関しては、少しの可能性のあるものを挙げれば、音のレベル(例えば、より大きくする)および/または音の頻度(例えば、より頻度を増やす)に関して変更可能である。触覚遷移警報に関しては、触覚の強度(例えば、より強くする)および/または頻度(例えば、頻度を増やす)に関して変更可能である。
【0093】
遷移警報の出力特性を変更する速度は、遷移事象を引き起こす条件(例えば、予期される運転シーン/シーン標識と、実際の運転シーン/シーン標識との間の相違量)および/または現在の運転環境の関数であることが可能である。このため、予期される運転シーン/シーン標識と、実際の運転シーン/シーン標識との間の相違が増大するにつれて、遷移警報の出力特性は、より急速に変更される。代替的に、または追加的に、現在の運転環境が複雑であればあるほど、遷移警報の出力特性は、より急速に変更される。例えば、車両100の周囲で検出された物体または障害物があるときには、遷移警報の1つ以上の出力特性が変更される速度は、運転者により迅速に警告するために増大可能である。しかし、車両100の近くに障害物や物体がないときには、遷移警報の1つ以上の出力特性が変更される速度は同じ、またはデフォルト設定、または減少することさえ可能である。
【0094】
もちろん、時間バッファが長くなるにつれて、出力特性を、遷移警報に惹き付けられる注意の量を削減するために変更可能である。時間バッファが長くなるきは、任意の適切な変更を出力特性に対して行うことが可能である。そのような変更の例としては、上記の変更とは反対の変更を含むことが可能である。
【0095】
車両100の種々の潜在的なシステム、装置、要素、および/または構成要素が記述されてきたが、ここでは、自律型車両の外部環境において、遠距離にある静止物体を検出する方法を記述する。ここで図2を参照すると、車両を第1動作モードと第2動作モードの間で遷移する方法の例が示されている。第1動作モードは、第2動作モードとは異なっている。方法200を、第2動作モードが、第1動作モードよりも、より高い程度での手動による関与を有している例との関連において記述する。しかし、ここにおいて記述される設備は、この点において制限されないということは理解されよう。実際、1つ以上の設備においては、方法200は、第2動作モードが、第1動作モードよりも、より低い程度での手動による関与を有している例において実現可能である。
【0096】
方法200の種々の可能なステップをここで記述する。図2に例示されている方法200は、図1に関連して上述された実施の形態に適用可能であるが、方法200は、他の適切なシステムおよび設備で実行可能であることは理解されたい。更に、方法200は、ここで示されない他のステップを含むことができ、実際、方法200は、図2に示されているすべてのステップを含むことに制限されない。ここで、方法200の一部として例示されているステップは、この特別な時系列の順序に制限されない。実際、ステップの幾つかは、示されている順序とは異なる順序で行うことができ、および/または、示されているステップの少なくとも幾つかは同時に起こることが可能である。
【0097】
ブロック210において、車両が第1動作モードで動作している間に、動作モード遷移事象が発生したかどうかを決定可能である。そのような決定は、遷移事象検出モジュール135により行うことが可能である。そのような決定は、連続的に、定期的に、不規則に、更にはランダムに行うことが可能である。そのような決定は、リアルタイムで行うことが可能である。動作モード遷移事象が検出された場合には、方法200は、ブロック220へと継続可能である。動作モード遷移事象が検出されない場合には、方法200は終了可能であり、または、方法200はブロック210に戻ることが可能である。
【0098】
ブロック220において、動作モード遷移事象が発生したとの決定に応答して、第2動作モードへの切り替えの前の、第1動作モードにおいて動作を継続するための時間バッファを決定可能である。そのような決定は、時間バッファ決定モジュール137により行うことが可能である。そのような決定は、連続的に、定期的に、不規則に、更にはランダムに行うことが可能である。このため、決定される時間バッファは時間と共に変更可能である。幾つかの例においては、時間バッファは減少可能である。他の例においては、時間バッファは増大可能である。時間バッファの決定は、リアルタイムで行うことが可能である。方法200は、ブロック230へ継続可能である。
【0099】
ブロック230において、遷移警報を車両100内で提示可能である。遷移警報は、任意の適切な方法および任意の適切な形状(例えば、聴覚、視覚、および/または触覚)で提示可能である。遷移警報は、出力システム131(例えば、ディスプレイ300、スピーカ191、触覚アクチュエータ192など)により提示可能である。遷移警報は、決定される時間バッファに対応可能である。このため、遷移警報は、決定される時間バッファが更新されるときに更新可能である。遷移警報は、車両100の運転者に、重要性および/または緊急性を示すために変更可能である。
【0100】
方法200は、終了可能である。代替的に、方法200は、ブロック210に戻ることが可能である。更なる代替として、方法200は、追加的および/または代替ブロック(図示せず)を含むことが可能である。例として、1つ以上の設備においては、方法200は、車両の搭乗者が、増大された手動による関与(例えば、第2動作モードと等しい程度での手動による関与)の表示を提供したかどうかを検出することを含むことが可能である。搭乗者の入力は、任意の適切な方法で受信可能である。例えば、車両の搭乗者は、入力システム130の1つ以上の構成要素を使用して入力を提供可能である。例として、車両の搭乗者は、タッチスクリーン、ボタン、スイッチ、または他の車両内ユーザインタフェース要素を介して入力を提供可能である。幾つかの設備においては、車両の搭乗者は、1つ以上の車両の構成要素と係合すること(例えば、ハンドルを把持するまたは回転する、方向指示信号を起動する、ブレーキペダルを踏む、アクセルペダルを踏むなど)により入力を提供可能である。1つ以上の設備においては、車両の搭乗者は、話すことにより入力を提供可能である。
【0101】
ユーザがそのような表示を提供したことを検出することに応答して、車両100に、第1動作モードから第2動作モードに切り替えさせることが可能である。そのような切り替えは、プロセッサ110、自律型運転モジュール120、および/またはアクチュエータ140により行うことが可能である。ユーザがそのような表示を提供しなかった(例えば、運転者が寝ている、注意が散漫している)ことを検出することに応答して、車両に、現在の動作モードから特殊動作モードへ切り替えさせることが可能である。そのような切り替えは、プロセッサ110、自律型運転モジュール120、および/またはアクチュエータ140により行うことが可能である。
【0102】
方法200の非制限的な例をここで記述する。この例においては、車両100は、交差点を通過する準備をしていることができる。車両100は、監視されない自律型動作モードにおいて動作していることが可能である。遷移事象検出モジュール135は、交差点の複雑さのために、遷移事象が発生した、または発生するということを決定可能である。この例においては、遷移は、監視されない自律型動作モードから、より高い程度での手動による関与を有する動作モード(例えば、監視される自律型動作モードまたは手動モード)への遷移である。
【0103】
遷移事象検出モジュール135および/または時間バッファ決定モジュール137は、車両が交差点への所定の距離内にいることを検出すると即座に、デフォルトのオプションとして、遷移警報を提示できる。この例の目的のために、遷移警報は、視覚遷移警報であることが可能である。例えば、遷移警報は、単一の光源であることが可能である。光源は、第1色(例えば、緑)に照明可能である。
【0104】
車両が交差点に接近している間に、車両100(例えば、遷移事象検出モジュール135)は、ある特徴(例えば、交通信号機または標識)の検出を開始すべきである。これらの特徴は、シーン標識113のセットと比較可能である。予期されるものとの不整合、またはずれが大きい場合には、視覚遷移警報の出力の特性を変更可能である。例えば、光源から出力される光は、第2の色(例えば、赤)に変更可能である。例えば、車両100は、交差点における交通信号機を検出することが可能であるべきであるが、それが可能でないこともある(例えば、交通信号機が動作していないため)。代替的に、または追加的に、車両100は、接近している交差点における道路標識上の適切な道路名を検出可能でない(または、予期せぬ道路名または予期せぬ道路標識を検出可能でない)。
【0105】
検出された特徴とシーン標識113との間の不整合がほとんどない場合には、または車両100が、以前は可能でなかった特徴を結果的に検出した場合には、光源から出力される光はもとのままであることが可能であり、または、第1色に戻って、自律型から手動モードへの即座の遷移は予期されないことを示すことが可能である。予測される時間バッファは、いつ運転者の介入が予期されるかについて、運転者にとって便利な手段であるので、光源は、車両100が交差点に接近している間、カウントダウンク時計の表示により補足可能である。
【0106】
ここにおいて記述される設備は、ここにおいて触れる恩恵の1つ以上を含む、多数の恩恵を提供可能であるということは認識されよう。例えば、ここにおいて記述される設備は、動作モード間のスムーズな遷移を提供することにより、自律型車両の性能を改良可能である。ここにおいて記述される設備は、車両と人間の運転者との間の向上した通信を提供可能である。ここにおいて記述される設備は、運転者が、車両の動作において、手動の関与のレベルを増大するための時間を最大にすることが可能である。ここにおいて記述される設備は、人間の運転者に、予期される運転シーンと実際の運転シーンとの間のずれを警告することにより、自律型車両に対する安全性を改良可能である。ここにおいて記述される設備はまた、運転者が、車両の動作において、増大されたレベルでの手動による関与を提供する準備ができていることを確認しない場合には、適切な安全対策を取ることにより安全性を改良することも可能である。更に、ここにおいて記述される設備は、自律型車両の搭乗者の全体的な信頼性のレベルを高めることが可能である。
【0107】
図におけるフローチャートとブロック図は、種々の実施の形態に係るシステム、方法、およびコンピュータプログラム製品の可能な実現形態のアーキテクチャ、機能、および動作を例示している。この点において、フローチャートまたはブロック図における各ブロックは、指定された論理機能を実現するための1つ以上の実行可能な指令を含むコードのモジュール、セグメント、または一部を表現できる。幾つかの代替実現形態においては、ブロックにおいて記述される機能は、図において記述される順序とは異なって起こることができるということにも留意すべきである。例えば、連続して示されている2つのブロックは、実際は、略同時に実行することができ、またはブロックは、関係する機能によっては、ときには、反対の順序で実行することができる。
【0108】
上記のシステム、構成要素、および/またはプロセスは、ハードウェアまたはハードウェアとソフトウェアの組み合わせにより実現可能であり、1つの処理システムにおいて統括な方法で実現可能であり、または、異なる要素が、幾つかの相互接続されている処理システムにわたって分散されている分散的な方法で実現可能である。ここにおいて記述される方法を行うように適合されている任意の種類の処理システムまたは他の機器は適切である。ハードウェアとソフトウェアの典型的な組み合わせは、ロードされて実行されると、ここにおいて記述される方法を処理システム行わせるように制御する、コンピュータ使用可能プログラムコードを有する処理システムであることが可能である。システム、構成要素、および/またはプロセスもまた、ここにおいて記述される方法およびプロセスを行うために、マシンが実行可能な指令のプログラムを実体的に具現化するマシンにより読み取り可能な、コンピュータプログラム製品または他のデータプログラム記憶装置のような、コンピュータ読み取り可能記憶装置に組み込み可能である。これらの要素はまた、ここにおいて記述される方法の実現形態を可能にするすべての特徴を備え、処理システムにロードされたときにこれらの方法を行うことが可能なアプリケーション製品に組み込むことも可能である。
【0109】
更に、ここにおいて記述される設備は、具現化される、または例えば、記憶されるなどして組み込まれるコンピュータ読み取り可能プログラムコードを有する1つ以上のコンピュータ読み取り可能媒体において具現化されるコンピュータプログラム製品の形状を取ることができる。1つ以上のコンピュータ読み取り可能媒体の任意の組み合わせを利用することができる。コンピュータ読み取り可能媒体は、コンピュータ読み取り可能信号媒体またはコンピュータ読み取り可能記憶媒体であってよい。「コンピュータ読み取り可能媒体」というフレーズは、非一時的記憶媒体を意味する。コンピュータ読み取り可能媒体は、例えば、制限されることはないが、電子的、磁気的、光学的、電磁的、赤外線、または半導体システム、機器、または装置、または、前述したものの任意の適切な組み合わせであってよい。コンピュータ読み取り可能媒体のより具体的な例(完全なリストではない)は、下記を含む。つまり、1つ以上の配線を有する電気接続、持ち運び可能コンピュータディスケット、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能型プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュ(Flash)メモリ)、光ファイバ、持ち運び可能コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多目的ディスク(DVD)、光記憶装置、磁気記憶装置、または前述したものの任意の適切な組み合わせを含む。本明細書の状況においては、コンピュータ読み取り可能記憶媒体は、指令実行システム、機器、または装置により使用される、またはそれらと共に使用されるプログラムを含む、または記憶することが可能な任意の実体的媒体であってよい。
【0110】
コンピュータ読み取り可能媒体上で具現化されるプログラムコードは、制限されることはないが、無線、ワイヤーライン、光ファイバ、ケーブル、RFなど、または前述したものの任意の適切な組み合わせを含む、任意の適切な媒体を使用して送信できる。本設備の態様に対する動作を行うためのコンピュータプログラムコードは、JavaTM(登録商標)、Smalltalk、C++などのようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または類似のプログラミング言語のような従来の手順型プログラミング言語を含む、1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせにおいて記述できる。プログラムコードは、その全体をユーザのコンピュータ上で、またはスタンドアロンソフトウェアパッケージとして一部をユーザのコンピュータで、または、一部をユーザのコンピュータ上で他の一部をリモートコンピュータ上で、または、全体をリモートコンピュータまたはサーバ上で実行できる。最後のシナリオにおいては、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)またはワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを介してユーザコンピュータに接続でき、または、接続を、外部コンピュータに対して行うことができる(例えば、インターネットサービスプロバイダ(Internet Service Provider)を使用してインターネットを介して)。
【0111】
ここにおいて使用されているように、「1つの」という用語は、1つまたは2つ以上として定義される。ここにおいて使用されているように、「複数の」という用語は、2つまたは3つ以上として定義される。ここで使用されているように、な「別の」という用語は、少なくとも第2の、またはそれ以降のものとして定義される。ここで使用されているように、「含んでいる」および/または「有している」という用語は、「備えている」として定義される(つまり、オープン言語)。ここで使用されているように、「~および~の少なくとも1つ」というフレーズは、関連のある列挙される項目の1つ以上の任意の、およびすべての可能な組み合わせのことであり、それらを含んでいる。例として、「A、B、およびCの少なくとも1つ」というフレーズは、Aのみ、Bのみ、Cのみ、またはそれらの任意の組み合わせ(例えば、AB、AC、BCまたはABC)を含んでいる。
【0112】
ここにおける態様は、それらの精神または本質から逸脱することなく他の形状で具現化可能である。従って、本発明の範囲を示すものとしては、前述の明細書ではなく、下記の請求項を参照すべきである。
図1
図2
図3
図4