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特許7139390熱処理オーブンのチャンバー冷却ユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-09
(45)【発行日】2022-09-20
(54)【発明の名称】熱処理オーブンのチャンバー冷却ユニット
(51)【国際特許分類】
   F27D 9/00 20060101AFI20220912BHJP
   F27D 1/12 20060101ALI20220912BHJP
【FI】
F27D9/00
F27D1/12 F
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020118020
(22)【出願日】2020-07-08
(65)【公開番号】P2021196160
(43)【公開日】2021-12-27
【審査請求日】2020-12-03
(31)【優先権主張番号】10-2020-0069567
(32)【優先日】2020-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520252033
【氏名又は名称】コヨ サーモ システム コリア カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100149870
【弁理士】
【氏名又は名称】芦北 智晴
(72)【発明者】
【氏名】キム ミンチョル
(72)【発明者】
【氏名】ナカニシ サトル
【審査官】松岡 徹
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-169077(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F27D 7/00- 15/02
F27D 1/00- 1/18
H01L 21/00- 21/16
H01L 21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の加熱または乾燥のために基板を収容するチャンバーを備え、前記チャンバー内にヒーターからなる発熱体を実装して前記ヒーターの熱で基板を加熱または乾燥させる熱処理オーブンと、
前記チャンバーの内外部ケーシングに沿って形成された冷却気流誘導路と、
前記チャンバーの外部側面上に垂直方向に位置して、前記チャンバーの内部側に構成される前記冷却気流誘導路に冷却気流を形成する少なくとも一つの冷却ジャケットとを含み、
前記冷却気流誘導路は、前記チャンバーの外部ケーシングと該外部ケーシングから離隔した内部ケーシングとの間において、前記チャンバーの内外部ケーシングに沿って形成されるとともに、前記チャンバーの外部ケーシングと該外部ケーシングから離隔した内部ケーシングとの間に冷却パイプを内蔵型に配置して構成され、
前記冷却ジャケットは、冷却水が外部から導入されて経由する冷却パイプを収容し、内部に冷却気流を造成して前記チャンバーの冷却気流誘導路に沿って給気する空間を備える本体ハウジングを備える、熱処理オーブンのチャンバー冷却ユニット。
【請求項2】
前記冷却ジャケットは、前記チャンバーの外壁を形成するように前記チャンバーの垂直方向に沿って配置されたことを特徴とする、請求項1に記載の熱処理オーブンのチャンバー冷却ユニット。
【請求項3】
前記冷却ジャケットは、複数のセル単位で組み立てられて前記チャンバーの外壁を形成するように前記チャンバーの垂直方向に沿って配置されたことを特徴とする、請求項1に記載の熱処理オーブンのチャンバー冷却ユニット。
【請求項4】
前記冷却ジャケットは、前記本体ハウジングの上部と下部にそれぞれ設けられて外気を導入する外気導入口と冷却気流を排気する排気口を備えることを特徴とする、請求項1に記載の熱処理オーブンのチャンバー冷却ユニット
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱処理オーブンのチャンバーを効果的に冷却させる熱処理オーブンのチャンバー冷却ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光表示装置及びLCDガラス基板などは、いろんな種類の画像機器、例えば画像スクリーン、TV、携帯電話、モニターなどに使用されている。有機発光表示装置及びLCDガラス基板などは、次世代ディスプレイの一つであって、様々な分野に適用されており、近年、この分野のフラットパネルディスプレイ製造技術は、性能と歩留まりを向上させるための技術開発が続けられている。
【0003】
フラットパネルディスプレイの代表的な有機発光表示装置やLCDガラス基板(以下、「基板」または「ガラス基板」という)を製造する上での温度管理と温度均一度は、良品基板の品質の確保及び歩留まりの維持のために必ず必要である。
【0004】
例えば、有機発光表示装置の製造工程では、基板の表面に有機物層が形成されて一定量の水分を含むことができるので、水分を蒸発させる乾燥工程を必要としている。
【0005】
LCDガラス基板の製造工程では、基板の表面に感光膜をコーティングする前に洗浄過程を経るが、洗浄過程後には、水分を除去するための加熱乾燥工程を行っている。
【0006】
そして、感光膜をLCDガラス基板にコーティングした後には、露光及び現像工程を行う。このような露光及び現像工程の前にはプレベーキング(pre-baking)、露光及び現像工程の後にはポストベーキング(post-baking)工程を順次行っている。
【0007】
このように、基板製造工程のほとんどは、加熱及び乾燥工程を行って基板を製造している。基板製造工程で発生する水分は、赤外線の活用によって、或いはヒーター(シーズヒーター(sheath heater))などの発熱体を含む熱処理オーブンのチャンバーに入れて加熱乾燥によって除去している。
【0008】
これに関連する基板の熱処理オーブンは、特許文献1に提案されている。
【0009】
しかし、従来の熱処理オーブンは、チャンバーを介して基板上に残存する水分をヒーターシステムで除去するようになっているが、高温のチャンバー温度を効果的に制御することが難しいため、量産製品の品質向上に限界があり、高い性能の工程能力を満たしていない。
【0010】
また、従来の熱処理オーブンは、工程時間の短縮による製品生産性の向上のために、チャンバーの冷却が必要であるときに温度を急速に下げながら、構造的にチャンバーの耐久性を満たすのには限界がある。
【0011】
これにより、フラットパネルディスプレイ基板の熱処理工程トレンドの変化だけでなく、性能アップグレードを必要とする需要者の要求条件を満足させる改善された熱処理オーブンが求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】韓国登録特許第10-2094763号公報(2020年3月31日公告)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、基板の熱処理工程性能を満足させる熱処理オーブンを提供することにある。
【0014】
本発明の他の目的は、基板を熱処理する熱処理工程時間を短縮させ、構造的にチャンバーの耐久性を強化させる熱処理オーブンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的は、本発明によれば、基板の加熱または乾燥のために基板を収容するチャンバーを備え、前記チャンバー内にヒーターからなる発熱体を実装して前記ヒーターの熱で基板を加熱または乾燥させる熱処理オーブンと、前記チャンバーの内外部ケーシングに沿って形成された冷却気流誘導路と、前記チャンバーの外部側面上に垂直方向に位置して、前記チャンバーの内部側に構成される前記冷却気流誘導路に冷却気流を形成する少なくとも一つの冷却ジャケットと、を含む、熱処理オーブンのチャンバー冷却ユニットにより達成される。
【0016】
本発明の実施形態によれば、前記チャンバーの内外部ケーシングに沿って形成される冷却気流誘導路は、冷却水パイプ管路を含んで構成できる。
【0017】
本発明の実施形態によれば、前記冷却気流誘導路は、前記チャンバーの外部ケーシングと該外部ケーシングから離隔した内部ケーシングとの間に形成される第1流路部と、前記冷却ジャケットから形成される冷却気流を前記第1流路部に導入し、前記第1流路部から排気される排気流体を排気する第2流路部とを含んで構成できる。
【0018】
本発明の実施形態によれば、前記第1流路部と前記第2流路部は一体型または独立型に構成できる。
【0019】
本発明の実施形態によれば、前記第1流路部は、前記チャンバーの外部ケーシングから離隔した内部ケーシングの上下部にそれぞれ水平方向に形成して構成できる。
【0020】
本発明の実施形態によれば、前記第1流路部は、前記チャンバーの外部ケーシングと該外部ケーシングから離隔した内部ケーシングとの間に冷却パイプが内蔵型に配置できる。
【0021】
本発明の実施形態によれば、前記第2流路部は、前記チャンバーの外部ケーシングから離隔した内部ケーシングの垂直壁面に沿って垂直方向に形成できる。
【0022】
本発明の実施形態によれば、前記冷却ジャケットは、前記チャンバーの外壁を形成するように前記チャンバーの垂直方向に沿って配置できる。
【0023】
本発明の実施形態によれば、前記冷却ジャケットは、複数のセル単位で組み立てられて前記チャンバーの外壁を形成するように前記チャンバーの垂直方向に沿って配置できる。
【0024】
本発明の実施形態によれば、前記冷却ジャケットは、外部から冷却水が導入されて経由する冷却パイプが収容され、内部は冷却気流を造成して前記チャンバーの冷却気流誘導路に沿って給気する空間を備える本体ハウジング、及び該本体ハウジングの上部と下部にそれぞれ設けられ、外気を導入する外気導入口と冷却気流を排気する排気口を備えることができる。
【0025】
本発明の実施形態によれば、前記チャンバーと対面する本体ハウジングの内壁垂直壁面上には、多数の空気羽根を備えることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明は、熱処理オーブンのチャンバー内に冷却気流誘導路と冷却パイプを構成することにより、チャンバー内の温度を迅速かつ均一に管理することができ、チャンバーの冷却性能を向上させるという効果がある。
【0027】
また、本発明は、チャンバーの耐久性を向上させて熱処理工程中にチャンバー内の温度急降下が繰り返し現れる条件でも、チャンバーの長時間使用が可能であり、チャンバーの焼損や諸機能障害を未然に防止して熱処理オーブンの使用安全性と熱処理オーブンの性能を改善するという効果がある。
【0028】
また、本発明は、熱処理オーブンのチャンバー性能を向上させることにより、基板の熱処理工程時間の短縮を含めて基板の熱処理生産量の増大と基板の熱処理品質の向上を図り、エネルギーの使用効率を高めて環境にやさしい熱処理オーブンを提供することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の一実施形態に係る熱処理オーブンを示す例示である。
図2】本発明の一実施形態に係る熱処理オーブンの正面を示す例示である。
図3】本発明の一実施形態に係る熱処理オーブンの平面を示す例示である。
図4】本発明の一実施形態に係る熱処理オーブンの側面を示す例示である。
図5】本発明の一実施形態に係る熱処理オーブンを構成するチャンバーを示す例示である。
図6】本発明の一実施形態に係る熱処理オーブンを構成するチャンバーの平面を示す例示である。
図7】本発明の一実施形態に係る熱処理オーブンを構成するチャンバーの内部構造を示す例示である。
図8】本発明の一実施形態に係る熱処理オーブンを構成するチャンバーの主要構成を示す例示である。
図9図8の詳細を示すもので、(a)は図8のA部、(b)は図8のB部、(c)は図8のC部を拡大して示す例示である。
図10】本発明の一実施形態に係る熱処理オーブンを構成するチャンバーの主要構成を説明するために一側面を切り取って示す例示である。
図11】本発明の一実施形態に係る熱処理オーブンのチャンバーに設置される冷却ジャケットを示すもので、(a)は冷却ジャケットの外部側、(b)は冷却ジャケットの内部側をそれぞれ区分して示す例示である。
図12】本発明の一実施形態に係る熱処理オーブンのチャンバー内での気流の流れを示す例示である。
図13】本発明の一実施形態に係る熱処理オーブンのチャンバー内での気流の流れと冷却水の流れを示す例示であって、(a)は横方向性気流の流れ、(b)は横方向性冷却水の流れをそれぞれ区分して示す例示である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態に係る「熱処理オーブンのチャンバー冷却ユニット」の内容を具体的に説明する。
【0031】
一般に、基板を熱処理するための熱処理オーブンは、熱処理対象基板をチャンバー内に設けられた各段に取り込んだり熱処理工程済みの基板をチャンバーから取り出したりするために、前面部にはシャッター、背面部にはドアをそれぞれ備えることができる。
【0032】
また、熱処理オーブンは、加熱または乾燥を必要とする基板を収容するチャンバーを備え、チャンバー内にヒーターからなる発熱体を実装してヒーターからの熱で基板を加熱したり水分を蒸発乾燥させたりするように構成される。そして、仕様によって異なるが、通常の場合、ヒーターの上下部には上/下部熱伝達プレートを密着するように設置することにより、基板加熱工程を効率よく行うように構成されている。
【0033】
熱処理オーブンのチャンバーの一側には、プロセスガスを含む流体を流入させる給気口、及びチャンバー内の流体を排気させる排気口を備え、チャンバーを支持及びサポートするラグ付きフレーム、及びヒーターの発熱線を接続して電流を通電させる多数のバスバーが接続された導電部を含んで構成されている。
【0034】
一方、熱処理オーブンは、チャンバーの内部に、基板の熱処理工程中に基板上に残存する水分を除去するためにヒーターを含んでおり、製品の品質向上のために、より効率的で高い性能の工程能力を求めている。
【0035】
さらに、熱処理工程時間の短縮によってより多くの量の製品を量産するために、チャンバー内の温度を急速に上昇させ、冷却をより迅速に行うことができながらも、構造的には耐久性が良い熱処理オーブンを求めている。
【0036】
従来の熱処理オーブンのチャンバーは、熱処理工程を処理する温度条件ではチャンバーの温度を維持し管理する目的で適用をしており、熱処理工程条件では効率性と量産性などの性能を満足させるようにセットされている。
【0037】
一方、最近では、基板のスリム化と大型化の傾向に伴い、熱処理工程トレンドの変化が頻繁に発生しており、性能改善に対する絶え間ないニーズがある。
【0038】
これにより、熱処理工程中で効果的に熱処理オーブンのチャンバーの温度を維持管理することができる提案が必要な実情である。
【0039】
熱処理オーブンのチャンバー構造を改善する方向は、幾つかの性能を満たさなければならない。
【0040】
例えば、熱処理オーブンのチャンバーは、熱処理工程の温度を急速に維持するために、チャンバーの温度を効果的に管理することができなければならない。
【0041】
また、熱処理オーブンのチャンバー内で行われる熱処理工程での温度の維持及び管理を迅速に行うことができなければならない。
【0042】
また、熱処理オーブンのチャンバー内で行われる熱処理工程での温度の維持及び管理能力を拡大して生産性を向上させることができなければならない。
【0043】
また、熱処理オーブンのチャンバー内で行われる熱処理工程での工程実行中の全区間における温度管理が可能でなければならない。
【0044】
これにより、本発明は、熱処理オーブンのチャンバー内に冷却気流誘導路と冷却パイプを構成することにより、チャンバー内の温度を迅速かつ均一に管理することができ、チャンバーの冷却性能を向上させることができるように提示される。
【0045】
また、本発明は、チャンバーの耐久性を向上させて熱処理工程中にチャンバー内の温度急降下が繰り返し現れる条件でも、チャンバーの長時間使用が可能であり、チャンバーの焼損や諸機能障害を未然に防止して熱処理オーブンの使用安全性と熱処理オーブンの性能を改善するように提示される。
【0046】
また、本発明は、熱処理オーブンのチャンバー性能を向上させることにより、基板の熱処理工程時間の短縮を含めて基板の熱処理生産量の増大と基板の熱処理品質の向上を図り、エネルギーの使用効率を高めて環境にやさしい熱処理オーブンを提供するように提示される。
【0047】
次に、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態に係るより具体的な内容を説明する。
【0048】
図1は本発明の一実施形態に係る熱処理オーブンを示す例示である。図2は本発明の一実施形態に係る熱処理オーブンの正面を示す例示である。図3は本発明の一実施形態に係る熱処理オーブンの平面を示す例示である。図4は本発明の一実施形態に係る熱処理オーブンの側面を示す例示である。
【0049】
図1乃至図4は、熱処理オーブン100の全体構造を示すもので、チャンバー200を含む熱処理オーブン100の例示である。
【0050】
本発明に係る熱処理オーブン100は、図1乃至図4に示すように、基板を熱処理するためのもので、熱処理対象基板をチャンバー200内に設けられた各段に取り込んだり熱処理工程済みの基板をチャンバー200から取り出したりするために、前面部にはシャッター部120、背面部にはドア部110をそれぞれ備えることができる。
【0051】
また、熱処理オーブン100は、加熱または乾燥を必要とする基板を収容するチャンバー200を備え、チャンバー200内にはヒーターからなる発熱体を実装することにより、ヒーターから発生する熱で基板を加熱したり水分を蒸発乾燥させたりするように構成される。そして、仕様によって異なるが、通常の場合、ヒーター230の上下部には上/下部熱伝達プレートを密着するように設置して、基板加熱工程を効果的に行うように構成されている。
【0052】
また、熱処理オーブン100は、チャンバー200の一側にプロセスガスを含む流体を流入させる給気口、及びチャンバー内の流体を排気させる排気口を備え、チャンバーを支持及びサポートするラグ付きフレーム、及びヒーターの発熱線を接続して電流を通電させる多数のバスバーが接続された導電部を含んで構成されている。
【0053】
ここで、未説明符号400は、電源を供給する電源供給部である。参考として、熱処理オーブンを構成する基本的な構成、例えば、ヒーター、上/下部の熱伝達プレート、プロセスガスの給気及び排気系統、ヒーターに電源を供給する導電部を含む電源供給系統の構成は、本発明と直接関係がない。そして、熱処理オーブンの基本的な当該構成は、本発明の要旨とは無関係であり、公知の構成なので、本発明の説明では省略する。
【0054】
本発明に係る熱処理オーブンのチャンバー冷却ユニットの主要構成を説明する。
【0055】
図5は本発明の一実施形態に係る熱処理オーブンを構成するチャンバーを示す例示である。図6は本発明の一実施形態に係る熱処理オーブンを構成するチャンバーの平面を示す例示である。図7は本発明の一実施形態に係る熱処理オーブンを構成するチャンバーの内部構造を示す例示である。図8は本発明の一実施形態に係る熱処理オーブンを構成するチャンバーの主要構成を示す例示である。図9の(a)(b)(c)はそれぞれ図8の詳細を示すもので、(a)は図8のA部、(b)は図8のB部、(c)は図8のC部を拡大して示す例示である。図10は本発明の一実施形態に係る熱処理オーブンを構成するチャンバーの主要構成を説明するために一側面を切り取って示す例示である。
【0056】
図5乃至図10は、熱処理オーブン100を構成するチャンバー200を抜粋して示す例示である。
【0057】
本発明の実施形態に係る熱処理オーブンのチャンバー冷却ユニットは、基板の加熱または乾燥のために基板を収容するチャンバー200を備え、チャンバー200内にヒーターからなる発熱体を実装してヒーターの熱で基板を加熱または乾燥させる熱処理オーブン100から構成できる。
【0058】
チャンバー200の内外部ケーシング210、220に沿って冷却気流誘導路と冷却水パイプ管路を開設して構成できる。
【0059】
そして、チャンバー200の外部側面上に垂直方向に位置して、チャンバー200の内部に形成される冷却気流誘導路に冷却気流a1を形成する少なくとも一つの冷却ジャケット300を含んで構成できる。
【0060】
本発明に係る熱処理オーブンのチャンバー冷却ユニットのより具体的な構成は、次のとおりである。
【0061】
図5乃至図10に示すように、チャンバー200には冷却気流誘導路と冷却水パイプ管路が開設されて構成される。
【0062】
冷却気流誘導路は、チャンバー200の外部ケーシング220と該外部ケーシングから離隔した内部ケーシング210との間に形成される第1流路部230と、各ジャケット300から形成される冷却気流a1を第1流路部230に導入し、その第1流路部230から排気される排気流体a2を排気する第2流路部240と、を含んで構成できる。
【0063】
また、第1流路部230から排気される排気流体a1/a2は、それぞれ独立して制御することができる機能を含んで構成できる。
【0064】
また、第1流路部230は、チャンバー200の外部ケーシング220から離隔した内部ケーシング210の上下部にそれぞれ水平方向に構成できる。
【0065】
このように外部ケーシング220から離隔した内部ケーシング210の上下部にそれぞれ水平方向に構成された第1流路部230は、チャンバー200の上部と下部に均一な冷各気流を形成して均一な分布でチャンバー200を冷却させることができる。
【0066】
また、第1流路部230は、チャンバー200の外部ケーシング220と該外部ケーシングから離隔した内部ケーシング210との間に冷却パイプ250を内蔵型に配置して構成できる。
【0067】
このようにチャンバー200の外部ケーシング220と該外部ケーシングから離隔した内部ケーシング210との間に冷却パイプ250を内蔵型に配置して構成される第1流路部230に冷却パイプ250を設置する場合、これを介して高温のチャンバー200の内部温度を必要に応じて均一な温度分布で冷却させるのに有利であり得る。
【0068】
また、冷却気流誘導路を構成する第2流路部240は、チャンバー200の外部ケーシング220から離隔した内部ケーシング210の垂直壁面に沿って垂直方向に構成できる。
【0069】
図11の(a)(b)は本発明の一実施形態に係る熱処理オーブンのチャンバーに設置される冷却ジャケットを示すもので、(a)は冷却ジャケットの外部側、(b)は冷却ジャケットの内部側をそれぞれ区分して示す例示図である。
【0070】
冷却ジャケット300は、図5乃至図11に示すように、チャンバー200の外壁を形成するようにチャンバー200の垂直方向に沿って配置して構成できる。
【0071】
また、冷却ジャケット300は、複数のセル単位で組み立てられてチャンバー200の外壁を形成するようにチャンバー200の垂直方向に沿って配置して構成できる。
【0072】
また、冷却ジャケット300は、外部から冷却水が導入されて経由する冷却パイプ310が収容され、内部は冷却気流a1を造成してチャンバー200の冷却気流誘導路に沿って給気する空間320を備える本体ハウジング301から構成できる。
【0073】
そして、本体ハウジング301は、外気を導入する外気導入口302と冷却気流を排気する排気口303を上部と下部にそれぞれ備えて構成できる。
【0074】
また、冷却ジャケット300は、チャンバー200と対面する本体ハウジング301の内壁垂直壁面上に多数の空気羽根304を備えて冷却性能を向上させることができる。
【0075】
図12は本発明の一実施形態に係る熱処理オーブンのチャンバー内での冷却気流の流れを示す例示である。
【0076】
図13の(a)(b)はそれぞれ本発明の一実施形態に係る熱処理オーブンのチャンバー内での気流の流れと冷却水の流れを示す例示であって、(a)は横方向性気流の流れ、(b)は横方向性冷却水の流れをそれぞれ区分して示す例示である。
【0077】
本発明に係る熱処理オーブンのチャンバー冷却ユニットは、図12及び図13に示すように、冷却ジャケット300の外気導入口を介して導入される外気が、冷却シャケット300の冷却パイプ310を経由する過程で冷却気流a1を形成して、チャンバー200の内部に構成された冷却気流誘導路、すなわち第1流路部230と第2流路部240に沿って流入してチャンバー200を均一な温度分布で冷却させることができる。
【0078】
チャンバー200の内部を冷却させた流体は、同様に、冷却気流誘導路を構成する第1流路部230と第2流路部240を介して外部へ排気できる。
【0079】
一方、具体的に図示されていないが、チャンバーの冷却気流誘導路を含めて第1流路部230及び第2流路部240を経由する冷却気流a1の給気と排気a2は、冷却ジャケット300を中心に送風ファンまたは給排気装置を設置することによりチャンバーの内部に冷却気流を均一な分布で造成することができ、排気タイミングでは、チャンバー内の気流をチャンバーの外部へ簡単に排気することができる。
【0080】
このように、本発明に係る熱処理オーブンのチャンバー冷却ユニットは、熱処理オーブンのチャンバー内に冷却気流誘導路と冷却パイプを構成することにより、チャンバー内の温度を迅速かつ均一に管理することができ、チャンバーの冷却性能を向上させることができるという有利な利点がある。
【0081】
また、チャンバーの耐久性を向上させて熱処理工程中にチャンバー内の温度急降下が繰り返し現れる条件でも、チャンバーの長時間使用が可能であり、チャンバーの焼損や諸機能障害を未然に防止して熱処理オーブンの使用安全性と熱処理オーブンの性能を改善することができるという有利な利点がある。
【0082】
また、熱処理オーブンのチャンバー性能を向上させることにより、基板の熱処理工程時間の短縮を含めて基板の熱処理生産量の増大と基板の熱処理品質の向上を図り、エネルギーの使用効率を高めて環境にやさしい熱処理オーブンを提供するという有利な利点がある。
【0083】
本発明は、図示された一実施形態を参照して説明されたが、実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱することなく修正及び変更して実施することができ、それらの修正と変更も本発明の技術思想に含まれると理解されるべきである。
【符号の説明】
【0084】
100 熱処理オーブン
110 ドア
120 シャッター
200 チャンバー
210 内部ケーシング
220 外部ケーシング
230 第1流路部
240 第2流路部
250 冷却パイプ
300 冷却ジャケット
301 本体ハウジング
302 外気導入口
303 排気口
304 空気羽根
310 冷却パイプ
320 空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13