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特許7139425自動車のドアリーフの部分的開扉システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-09
(45)【発行日】2022-09-20
(54)【発明の名称】自動車のドアリーフの部分的開扉システム
(51)【国際特許分類】
   E05F 15/73 20150101AFI20220912BHJP
   E05F 15/622 20150101ALI20220912BHJP
   E05F 15/75 20150101ALI20220912BHJP
   B60J 5/00 20060101ALI20220912BHJP
【FI】
E05F15/73
E05F15/622
E05F15/75
B60J5/00
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2020526268
(86)(22)【出願日】2018-10-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-01-21
(86)【国際出願番号】 EP2018078800
(87)【国際公開番号】W WO2019086279
(87)【国際公開日】2019-05-09
【審査請求日】2021-08-23
(31)【優先権主張番号】1771161
(32)【優先日】2017-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】516364120
【氏名又は名称】ユーシン、フランス
(73)【特許権者】
【識別番号】000138462
【氏名又は名称】株式会社ユーシン
(74)【代理人】
【識別番号】100060759
【弁理士】
【氏名又は名称】竹沢 荘一
(74)【代理人】
【識別番号】100083389
【弁理士】
【氏名又は名称】竹ノ内 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100198317
【弁理士】
【氏名又は名称】横堀 芳徳
(72)【発明者】
【氏名】フランソワ ドゥブルーケ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン マルク ヴェルブリュゲ
(72)【発明者】
【氏名】エルベ ブーシェ
(72)【発明者】
【氏名】カナエ オカベ
【審査官】野尻 悠平
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102015003917(DE,A1)
【文献】特開2008-002085(JP,A)
【文献】特開2015-148075(JP,A)
【文献】特開2017-157456(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102015104047(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05F 15/70-15/79
15/622
E05B 81/20
B60J 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車のドアリーフ(12)の部分的開扉システム(20)であって、開扉軸(A)の周りで自動車(10)のフレームに旋回可能に取り付けられている前縁部(14)および前記自動車(10)のセンターピラー(18)と完全に平行に延びるように設計されている後縁部(16)を有するドアリーフ(12)であって、少なくとも閉扉位置と、ユーザが前記ドアリーフ(12)を完全に開扉するために前記ドアリーフ(12)の前記後縁部(16)をつかむための部分的開扉位置との間で移動可能なドアリーフ(12)を備えている部分的開扉システム(20)であって、
前記部分的開扉システム(20)は、
- 前記ドアリーフ(12)に取り付けられている固定フレーム(24)、および、作動要素(26)であって、ドアリーフ(12)を部分的に開扉するために、前記作動要素(26)により前記ドアリーフ(12)が閉扉位置をとることができる格納位置と前記作動要素(26)の自由端がセンターピラー(18)に支えられるようになっている展開位置との間で移動可能な作動要素(26)を備えているアクチュエータ(22)と、
- 保持端部(38)および前記自動車(10)の前記センターピラー(18)に取り付けられている保持要素(40)を備えている前記ドアリーフ(12)の保持装置であって、前記保持装置は、前記ドアリーフ(12)を部分的開扉位置に維持するように、かつユーザが前記ドアリーフ(12)を開けようとする時に、前記ドアリーフ(12)を解放するように設計されており、前記保持端部(38)と前記関連する保持要素(40)とを接続しやすくするために、前記保持装置の前記保持端部(38)は、前記ドアリーフ(12)の前記開扉軸(A)に完全に平行である軸(D)の周りで前記アクチュエータ(22)の前記作動要素(26)の前記自由端で自由に旋回するように取り付けられていることを特徴とする部分的開扉システム(20)。
【請求項2】
前記ドアリーフ(12)の保持装置は、磁気式または電磁式であることを特徴とする請求項1に記載の部分的開扉システム(20)。
【請求項3】
前記ドアリーフ(12)の保持装置は、形状協働機械式であることを特徴とする請求項1に記載の部分的開扉システム(20)。
【請求項4】
前記アクチュエータ(22)は、電動ジャッキであり、前記アクチュエータ(22)の前記作動要素(26)は、前記ドアリーフ(12)の前記開扉軸(A)に対して完全に直角方向に延びる摺動無端ねじを形成していることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の部分的開扉システム(20)。
【請求項5】
前記部分的開扉システム(20)は、前記アクチュエータ(22)の前記作動要素(26)を、前記ドアリーフ(12)の前記部分的開扉位置に対応する展開位置に、または前記ドアリーフ(12)の閉扉位置に対応する格納位置に選択的に制御するために、アクチュエータ(22)と協働する制御装置(44)を備えていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の部分的開扉システム(20)。
【請求項6】
前記ドアリーフ(12)を部分的に開扉するために、前記部分的開扉システム(20)は、前記制御装置(44)に関連しており、かつユーザが前記アクチュエータ(22)の前記作動要素(26)の格納位置から展開位置への駆動を制御できるようになっている制御インターフェース(42)を備えていることを特徴とする請求項5に記載の部分的開扉システム(20)。
【請求項7】
前記制御装置(44)は、ユーザが前記ドアリーフ(12)を開扉しない場合に、前記作動要素(26)の展開位置から格納位置への駆動を自動的に制御するようになっていることを特徴とする請求項5に記載の部分的開扉システム(20)。
【請求項8】
前記制御装置(44)は、前記ドアリーフ(12)が開扉されない場合に、前記ドアリーフ(12)を自動的に閉扉する際に前記ドアリーフ(12)のロック(58)を制御するようになっていることを特徴とする請求項7に記載の部分的開扉システム(20)。
【請求項9】
前記部分的開扉システム(20)は、前記ドアリーフ(12)の前記部分的開扉位置を超えて前記ドアリーフ(12)の開扉を検出することができる前記ドアリーフ(12)の開扉検出装置(46)を備えており、前記開扉検出装置(46)は、前記制御装置(44)と協働して、前記ドアリーフ(12)が部分的開扉位置からさらに開扉しているとき、アクチュエータ(22)の作動要素(26)が格納位置に位置するように制御することを特徴とする請求項から8のいずれか1項に記載の部分的開扉システム(20)。
【請求項10】
前記開扉検出装置(46)は、
- ピストン(48)であって、前記ドアリーフ(12)の開扉中に、前記ピストン(48)が前記作動要素(26)によって駆動する作動位置と、前記ピストン(48)がバネによって弾性的に戻る休止位置との間で、前記センターピラー(18)に取り付けられている本体(49)に横方向にスライド可能に取り付けられているピストン(48)と、
- 休止位置と前記ピストン(48)の前記作動位置に対応する検出位置との間にスライド可能に取り付けられている従動子(56)であって、前記従動子(56)と協働するカムウェイ(54)を画定するカム(52)と、
- 前記ピストン(48)が作動位置に達したときに前記従動子(56)によって作動し、電気信号を送信して、前記部分的開扉位置を超えて前記ドアリーフ(12)が開扉していることを知らせるコンタクタ(57)とを備えていることを特徴とする請求項9に記載の部分的開扉システム(20)
【請求項11】
本体(49)に横方向にスライド可能に取り付けられているピストン(48)は、前記ドアリーフ(12)の開扉を正確に検出するための同軸検出ロッドdを備えていることを特徴とする請求項10に記載の部分的開扉システム(20)
【請求項12】
前記アクチュエータ(22)の前記作動要素(26)は、前記部分的開扉システム(20)が故障した場合に、ユーザによる前記ドアリーフ(12)の閉扉中に、展開位置から格納位置に引き込まれるようになっていることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の部分的開扉システム(20)。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか1項に記載の部分的開扉システム(20)と、ドアリーフ(12)のロック(58)とを備えるアセンブリ(68)。
【請求項14】
前記ドアリーフ(12)は、前記ロック(58)が設けられている前記ドアリーフ(12)の前記後縁部に発光装置を備えており、前記発光装置は、前記ドアリーフ(12)が部分的開扉位置において見えるように、ロック(58)の外側に収容されていることを特徴とする請求項13に記載のアセンブリ(68)。
【請求項15】
前記ドアリーフ(12)の前記後縁部の発光装置は、前記後縁部の凹部内または凹部の周囲に収容されており、前記凹部は、前記ドアリーフ(12)を開扉するための把持要素として機能していることを特徴とする請求項14に記載のアセンブリ(68)。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか1項に記載の部分的開扉システム(20)を備えている自動車(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のドアリーフを閉扉位置と部分的開扉位置との間で駆動することができるシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、自動車のドアリーフは、開扉軸の周りで自動車のフレームに旋回可能に取り付けられている前縁部と、自動車のセンターピラーに完全に平行に延びるように設計されている後縁部とを有している。
【0003】
機械式ドアハンドルをなくし、ハンドルを電動開扉装置に置き換えた自動車のドアリーフが知られている。
【0004】
ドアリーフの電動開扉装置は、たとえば、静電容量型センサまたは誘導型センサを使用した非接触型インターフェースまたは触覚型インターフェースによって制御することができ、ユーザがドアリーフの開扉を制御することができる。
【0005】
さらに、機械式ハンドルの消失、したがって、ドアリーフを開扉することができる把持要素の消失による影響を解消するために、ドアリーフには、電動式の部分的開扉システムまたは押出システムが装備されている。これは、ドアリーフが車体によって形成された周辺フレームと同一面上にある閉扉位置から、ドアリーフを完全に開扉するために、ユーザがドアリーフの縁部をつかむことができるようにするための部分的開扉位置まで、ドアリーフを駆動するように設計されている。
【0006】
様々な部分的開扉システムが知られており、特に、車両のフレームに固定されているラックと、ドアリーフに固定されているアクチュエータとを備えるシステムが知られている。
【0007】
アクチュエータは、ドアリーフに取り付けられているフレームと、ラックと係合しているピニオンとを備えており、ピニオンはモータで駆動する。したがって、ピニオンの回転により、ドアリーフを閉扉位置と部分的開扉位置との間で移動することができる。
【0008】
ここで説明するラック式の部分的開扉システムは、車両の客室へのアクセスを妨げないように、ドアリーフの前縁部の近くとドアリーフのヒンジの近くに配置されている。
【0009】
車両のフレームに取り付けられた本体と、ドアリーフに自由端部が取り付けられた可動ロッドとを備えている電動ジャッキを備える電動ジャッキ式の自動開扉システムを提案することも知られている。このように、電動ジャッキは、ドアリーフをその閉扉位置と部分的開扉位置との間で駆動するようになっている。
【0010】
ここで説明する電動ジャッキ式の部分的開扉システムは、車両の客室へのアクセスを妨げないように、ドアリーフの前縁部の近くとドアリーフのヒンジの近くに配置されている。
【0011】
上述のものと同様のシステムは、特許文献1に開示されている。
【0012】
電動アクチュエータを介してドアリーフの様々な電動機能を管理する別のシステムもあり、そのうちの1つはプッシュ部材を作動させてドアリーフを開扉するものであり、特許文献2に開示されている。
【0013】
最後に、ドアリーフを開閉する方法および閉扉システム並びに制御システムも、特許文献3に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【文献】独国特許出願公開第2015 003917号明細書
【文献】独国実用新案出願公開第2017 104564号明細書
【文献】独国特許出願公開第2011 008992号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
上記の自動部分的開扉システムの欠点は、故障した場合に、ドアリーフをユーザがもはや手動で操作することができなくなる恐れがあることであり、ドアリーフは、開扉位置または閉扉位置でブロックされたままになる恐れがある。さらに、従来技術の部分的開扉位置は不安定であり、自動車のユーザがドアリーフを開けようとしたかどうかに関する情報を得ることはできない。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、特に、これらの欠点を解決することを目的とし、すなわち、自動車のドアリーフの部分的開扉システムに関し、開扉軸の周りで自動車のフレームに旋回可能に取り付けられている前縁部と前記自動車のセンターピラーに完全に平行に延びるように設計されている後縁部とを有するドアリーフであって、少なくとも閉扉位置と、ユーザが前記ドアリーフを完全に開扉するために前記ドアリーフの前記後縁部をつかむための部分的開扉位置との間で移動可能なドアリーフを備えている部分的開扉システムであって、
前記部分的開扉システムは、
-前記ドアリーフに取り付けられている固定フレーム、および、作動要素であって、ドアリーフを部分的に開扉するために、前記作動要素により前記ドアリーフが閉扉位置をとることができる格納位置と前記作動要素の自由端がセンターピラーに支持されるようになっている展開位置との間で移動可能な作動要素を備えているアクチュエータと、
-前記アクチュエータの前記作動要素の前記自由端に配置されている保持端部および前記自動車の前記センターピラーに取り付けられている保持要素を備えている前記ドアリーフの保持装置とを備えており、前記保持装置は、前記ドアリーフを部分的開扉位置に維持するように、かつ、ユーザがドアリーフを開けようとする時に、ドアリーフを解放するように設計されており、前記保持端部と前記関連する保持要素とを接続しやすくするために、前記保持装置は、前記ドアリーフの前記開扉軸と完全に平行な軸の周りで前記アクチュエータの前記作動要素の前記自由端で自由に旋回するように取り付けられていることを特徴としている。
【0017】
本発明による部分的開扉システムは、ドアリーフの後縁部の近くに配置されており、これにより、ドアリーフの前縁部の近くに配置されている部分的開扉システムに対してレバーアームを増加させることができ、そのため、部分的開扉システムの寸法を小さくすることができる。
【0018】
さらに、本発明による部分的開扉システムは、ドアリーフのロックの近くに配置することができ、これにより、アクチュエータおよびロックによって形成されているアセンブリを一工程で取り付けることができる。
【0019】
また、本発明による部分的開扉システムは、アクチュエータが故障した場合に、ドアリーフをブロックしないようになっている。
【0020】
別の特徴によれば、前記ドアリーフの保持装置は、磁気式または電磁式である。
【0021】
この特徴により、ユーザが開けようと力を加えたときにドアリーフが解放されることを可能にしつつ、ドアリーフが不用意に開くことがないように、ドアリーフを部分的開扉位置に確実に保持することができる。
【0022】
異なる実施形態によれば、前記ドアリーフの保持装置は、形状協働機械式である。
【0023】
別の特徴によれば、前記アクチュエータは、電動ジャッキであり、前記アクチュエータの前記作動要素は、前記ドアリーフの前記開扉軸に対して完全に直角方向に延びる摺動無端ねじを形成している。
【0024】
別の特徴によれば、前記部分的開扉システムは、前記アクチュエータの前記作動要素を、前記ドアリーフの前記部分的開扉位置に対応する展開位置に、または前記ドアリーフの閉扉位置に対応する格納位置に選択的に制御するために、アクチュエータと協働する制御装置を備えている。
【0025】
別の特徴によれば、前記ドアリーフを部分的に開扉するために、前記部分的開扉システムは、前記制御装置に関連しており、かつユーザが前記アクチュエータの前記作動要素の格納位置から展開位置への駆動を制御できるようになっている制御インターフェースを備えている。
【0026】
別の特徴によれば、前記制御装置は、ユーザが前記ドアリーフを開扉しない場合に、前記作動要素の展開位置から格納位置への駆動を自動的に制御するようになっている。
【0027】
別の特徴によれば、前記制御装置は、前記ドアリーフが開扉されない場合に、前記ドアリーフを自動的に閉扉する際に前記ドアリーフのロックを制御するようになっている。
【0028】
別の特徴によれば、前記部分的開扉システムは、前記ドアリーフの前記部分的開扉位置を超えて前記ドアリーフの開扉を検出することができる前記ドアリーフの開扉検出装置を備えており、前記開扉検出装置は、前記制御装置と協働して、前記ドアリーフが部分的開扉位置からさらに開扉しているとき、アクチュエータの作動要素が格納位置に位置するように制御する。
【0029】
前記開扉検出装置は、
- ピストンであって、前記ドアリーフの開扉中に、前記ピストンが前記作動要素によって駆動する作動位置と、前記ピストンがバネによって弾性的に戻る休止位置との間で、前記センターピラーに取り付けられている本体に横方向にスライド可能に取り付けられているピストンと、
- 休止位置と前記ピストンの前記作動位置に対応する検出位置との間にスライド可能に取り付けられている従動子であって、前記従動子と協働するカムウェイを画定するカムと、
- 前記ピストンが作動位置に達したときに前記従動子によって作動し、電気信号を送信して、前記部分的開扉位置を超えて前記ドアリーフが開扉していることを知らせるコンタクタとを備えている。
【0030】
ドアリーフの開扉検出装置は、ドアリーフの実際の開扉の際に生じるドアリーフの振動および小さな動きに鈍感であるという利点を有している。
【0031】
別の特徴によれば、前記アクチュエータの前記作動要素は、前記部分的開扉システムが故障した場合に、ユーザによる前記ドアリーフの閉扉中に、展開位置から格納位置に引き込まれるようになっている。
【0032】
本発明はまた、上述の部分的開扉システムと、ドアリーフのロックとを備えるアセンブリにも関する。
【0033】
本発明は、前記ロックが設けられている前記ドアリーフの前記後縁部に発光装置を備えているドアリーフを、任意に備えることができる。前記発光装置は、前記ドアリーフが部分的開扉位置において見えるように、ロックの外側に収容されている。
【0034】
さらに、本発明は、前記ドアリーフの前記後縁部に発光装置を、任意に備えることができる。前記発光装置は、前記ドアリーフの前記後縁部の凹部内または凹部の周囲に収容されており、前記凹部は、前記ドアリーフを開扉するための把持要素として機能している。
【0035】
本発明はまた、上記の部分的開扉システムを備えている自動車にも関する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明による部分的開扉システムが装備された閉扉位置にあるドアリーフを備えた自動車の模式的な斜視図である。
図2】ドアリーフが部分的開扉位置にある図1の自動車の模式的な斜視図である。
図3】モータおよび作動要素を備えた図1の部分的開扉システムのアクチュエータの詳細斜視図である。
図4】カバーを取り外した図3と同様の部分的開扉システムのアクチュエータの斜視図である。
図5図1の部分的開扉システムのアクチュエータの断面図である。
図6】閉扉位置にある図1のドアリーフおよび格納位置にあるアクチュエータの作動要素の長手方向における模式的断面図である。
図7】部分的開扉位置にある図1のドアリーフおよび展開位置にあるアクチュエータの作動要素の長手方向における模式的断面図である。
図8】開扉中の部分的開扉位置にある図1のドアリーフおよび展開位置にあるアクチュエータの作動要素の長手方向における模式的断面図である。
図9】開扉位置にある図1のドアリーフおよび格納位置にあるアクチュエータの作動要素の長手方向における模式的断面図である。
図10】ドアリーフの保持装置の長手方向における詳細断面図である。
図11】作動位置におけるピストンを備えるドアリーフの保持装置の詳細断面図である。
図12】休止位置における保持装置のピストンを示す図11と同様の図である。
図13】保持端部が格納位置にあるドアリーフの形状協働機械式保持装置の模式図である。
図14】保持端部が展開位置に駆動中であるドアリーフの形状協働機械式保持装置の模式図である。
図15】本発明による部分的開扉システムおよびドアリーフのドアロックを備えたアセンブリの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明の他の特徴および利点は、添付図面を参照して、本発明を理解するための以下の詳細な説明から明らかになると思う。
【0038】
明細書および特許請求の範囲では、明細書および特許請求の範囲を明確にするために、長手方向、垂直方向、および横方向という用語は、図に示す三次元軸L、V、Tをもって、非限定的に示している。その軸Lは車両の長手方向に平行である。
【0039】
これらの図のすべてにおいて、同一または類似の符号は、同一または類似の部材、または部材の集まりを表している。
【0040】
図1は、ドアリーフ12を備える自動車10を示している。
【0041】
ドアリーフ12は、垂直開扉軸Aの周りで自動車10のフレーム(図示せず)に旋回可能に取り付けられている前縁部14と、自動車10のセンターピラー18に完全に平行に延びるように設計されている後縁部16とを有している。
【0042】
ドアリーフ12は、ドアリーフ12の外面が自動車10のボディと同一面上にある図1に示す閉扉位置と、ドアリーフ12を完全に開扉するために、ユーザがドアリーフの後縁部16をつかむことができるようにドアリーフの後縁部16がセンターピラー18から横方向に解放されている図2に示す部分的開扉位置との間で移動可能に取り付けられている。
【0043】
ドアリーフ12の部分的開扉位置は、閉扉位置に対して25~50mm程度ドアリーフ12が開くことに対応している。
【0044】
自動車10は、開扉位置と部分的開扉位置との間でドアリーフ12を駆動するように設計されているアクチュエータ22を備える部分的開扉システム20を装備している。
【0045】
この目的のために、図3から図5に詳細に示されているアクチュエータ22は、ドアリーフ12に取り付けられている固定フレーム24と、可動作動要素26とを備えている。
【0046】
好ましい例示的な実施形態によれば、アクチュエータ22は、電動ジャッキであり、作動要素26は、軸Bに沿って、ドアリーフ12の開扉軸Aに対して完全に直角方向に延びる無端ねじである。
【0047】
図4および図5に示すように、アクチュエータ22は、作動要素26に平行な軸Cの周りで駆動輪30を回転させるモータ28を備えており、駆動輪30は、摩擦によって、軸Bの周りのナット32を回転させる。
【0048】
ナット32は、無端ねじを形成する作動要素26にねじ込まれている。
【0049】
さらに、ナット32は、ナット32の両側に配置され、アクチュエータ22の固定フレーム24によって形成されたハウジングにそれぞれ取り付けられている第1軸受34aおよび第2軸受34bによって、作動要素26の軸Bに沿った軸方向の動きがブロックされている。
【0050】
また、第1スラスト玉軸受36aが第1軸受34aとナット32の第1側面との間に軸方向に設けられ、第2スラスト玉軸受36bが第2軸受34bとナット32の対向する第2側面との間に軸方向に設けられている。
【0051】
したがって、駆動輪30によってナット32が回転することにより、作動要素26は、軸Bに沿った軸方向に並進移動することができる。
【0052】
より具体的には、作動要素26は、図6および図9に示す格納位置と、図7および図8に示す展開位置との間で移動可能である。
【0053】
本発明の別の態様によれば、部分的開扉システム20は、ドアリーフ12を部分的開扉位置に維持するように、かつ、ユーザがドアリーフを開けようとする時に、ドアリーフ12を解放するように設計されているドアリーフ12の保持装置を備えている。
【0054】
この目的のために、この保持装置は、アクチュエータ22の作動要素26の自由端部に配置されている保持端部38と、自動車10のセンターピラー18に取り付けられている保持要素40とを備えている。
【0055】
図7に示すように、保持要素40は、保持端部38に面して配置されている。これにより、作動要素26を展開位置に向かって駆動すると、保持端部38は、ドアリーフ12を閉扉位置から部分的開扉位置に移動させるために保持要素40に当接する。
【0056】
本発明の好ましい実施形態によれば、図10に示すように、保持端部38は、ドアリーフ12の開扉軸Aに完全に平行である垂直軸Dの周りでアクチュエータ22の作動要素26の自由端部で自由に旋回するように取り付けられている。
【0057】
この特徴により、ドアリーフ12の開扉中に、保持端部38と関連する保持要素40とを接続しやすくするために、作動要素26に対して保持端部38が角度をなすことができるようにしている。
【0058】
本発明の好ましい実施形態によれば、ドアリーフ12の保持装置は、磁気式である。
【0059】
より具体的には、保持端部38は、永久磁石であり、センターピラー18に取り付けられている保持要素40は強磁性体である。
【0060】
保持端部38は、好ましくは、保持端部38と保持要素40との間の接触を減衰させるために、例えばゴム製のダンパーパッド(図示せず)を備えている。
【0061】
保持端部38を形成する磁石の力は、特に風が吹いている場合でも、部分的開扉位置にドアリーフ12を保持するのに十分であり、かつ、ユーザがドアリーフ12を開扉するためにドアリーフ12を引く際には、保持要素40から保持端部38を容易に切り離すことができる程度の強さである。
【0062】
ユーザがドアリーフ12を部分的に開扉できるようにするため、本発明による部分的開扉システム20は、制御装置44に関連している制御インターフェース42によって形成されたアセンブリを備えており、図1に記載のこのアセンブリにより、ユーザは、ドアリーフ12を部分的に開扉するために、アクチュエータ22の作動要素26を格納位置から展開位置へ駆動することを制御することができる。
【0063】
制御インターフェース42は、例えば、車両のドアリーフ12またはセンターピラー18に配置されている押ボタン式の触覚センサである。
【0064】
しかし、制御インターフェース42はまた、手の動きを検出するように設計されている静電容量型センサ、またはドアリーフ12を開扉する意図を捉えるようになっている任意の他のセンサによって構成することができる。
【0065】
制御装置44は、アクチュエータ22と協働して、アクチュエータ22の作動要素26が、ドアリーフ12の部分的開扉位置に対応する展開位置に、または、ドアリーフ12の閉扉位置に対応する格納位置に位置するように選択的に制御している。
【0066】
本発明の別の態様によれば、部分的開扉システム20は、ドアリーフ12の部分的開扉位置からさらにドアリーフ12が開扉したことを検出することができるドアリーフ12の開扉検出装置46を備えている。
【0067】
開扉検出装置46は、制御装置44と協働して、ドアリーフ12が部分的開扉位置からさらに開扉しているとき、アクチュエータ22の作動要素26を格納位置に位置するように制御する。
【0068】
換言すれば、ドアリーフ12の開扉検出装置46は、ドアリーフ12の部分的開扉位置から、ユーザがドアリーフ12を開けようとする動きを検出するように設計されている。
【0069】
この目的のために、図11および図12に詳細に示している開扉検出装置46は、センターピラー18に取り付けられた本体49内を横方向に延びるピストン48を備えている。ピストン48の軸と作動要素26の軸とは、検出を容易にするため、かつ小型化の観点から、好ましくは一致している。
【0070】
ピストン48の自由端部は、保持要素40を支えることができる。
【0071】
ピストン48は、ピストン48がドアリーフ12の開扉中に、作動要素26によって駆動される図11に示す作動位置と、ピストン48がバネ50によって弾性的に戻される図12に示す休止位置との間をスライドすることができる。
【0072】
また、開扉検出装置46は、従動子56と協働するカムウェイ54を画定するカム52を備えている。
【0073】
従動子56は、図12に示す休止位置と、ピストン48の作動位置、すなわち部分的開扉位置からさらにドアリーフ12が開扉する位置に対応する図11に示す検出位置との間で、ピストン48に対して直角方向にスライド可能に取り付けられている。
【0074】
検出位置において、従動子56は、電気信号を制御装置44に送信するコンタクタ57を作動させて、部分的開扉位置からさらにドアリーフ12が開扉していることを知らせる。
【0075】
したがって、作動要素26が展開位置を占め、ドアリーフ12が部分的開扉位置を占めるとき、図12に対応して、例えば、風によって引き起こされるドアリーフ12の振動またはドアリーフ12のわずかな揺れでも、従動子56は、関連するコンタクタ57を作動させないようにしている。
【0076】
逆に、ドアリーフ12が意図的に開扉される場合、従動子56は、コンタクタ57を作動させ、ドアリーフ12の意図しない開扉に応じたピストン48の如何なる不用意な動きを解消するために、バネ50は、十分に大きな復元力を発揮するように調整されている。
【0077】
オプションとして、従動子56が、関連するコンタクタ57を作動させる不必要なドアリーフの動きを防止するために、本発明の別の実施形態によれば、以下の装置を有することができる。
「ドアリーフの保持要素40は、ドアリーフに直接固定されている。すなわち保持要素40は、定位置に固定されており、ピストン48に固定されていない。ピストン48は、保持要素40から独立して、保持要素40の開口部を介して並進移動する。」
この解決策は、ドアの押出時に保持要素40の跳ね返りを発生させないという利点を有する。
【0078】
このような跳ね返りは、風、車両の傾き、または意図しないドアの動きを生ずるその他の事象によって起きる可能性がある。具体的には、図11の実施形態では、保持要素40が部分的開扉位置で作動要素26に固定されていることが分かる。そのため、保持要素40に伝達されるドアの不用意な動きにより、コンタクタ57が作動する恐れがある。このリスクは小さいけれども、保持要素40を所定の位置に固定し、ピストン48を保持要素40に形成された開口部を介してバネによって動かすことにより、さらに低減する。
【0079】
ドアの押出時に保持要素40の跳ね返りを発生させないようにするための別の好ましい実施形態がある。この原理は、従動子56を有する上記の実施形態と同じであるけれども、開扉検出装置は、ピストン48と同軸であり、前記ピストン48の内部に含まれている検出ロッドdである。ドアリーフの位置センサを実現することができ、必要に応じてピストン48を初期位置に引き戻すように命じることができるダブルピストンシステムが得られる。
【0080】
構造的には、ロッドバネ50の一方の側では、検出ロッドdは、ロッドバネ50によってドアリーフの保持端部38と接触したままである。ロッドバネ50の他方の側では、カム52の形状に応じて、従動子56と接触することができる。図11を参照すると、保持端部38を有するドアリーフが開けられると、保持要素40と同軸の検出ロッドdもドアリーフと接触しなくなり、ドアリーフの押出システムの情報が表示される(作動コンタクタ57を有する図11を参照のこと)。しばらくして、ドアリーフが初期位置に引き戻されると、同軸ロッドは、コンタクタ57の状態変化を引き起こし、ドアリーフがユーザによって開けられていないことを押出システムに通知する。
【0081】
したがって、開扉検出装置46のピストン48の自由端は、保持要素40を支えても、支えなくてもよい。
【0082】
図6から図9を参照して、本発明による部分的開扉システム20の動作例を、ドアリーフ12の開扉サイクルの時系列で以下に説明する。
【0083】
図6は、閉扉位置にあるドアリーフ12を示している。ユーザは、押ボタン42を押すことにより、制御インターフェース42を作動させ、同時に制御装置44は、アクチュエータ22の作動要素26の格納位置から展開位置への駆動を制御する。
【0084】
ドアリーフ12を閉扉位置から図7に示す部分的開扉位置に駆動するため、作動要素26の展開中、保持端部38は、関連する保持要素40と接触して、作動要素26がセンターピラー18に当接できるようにする。
【0085】
ドアリーフ12は、ドアリーフ12の意に反する閉扉または開扉を回避するために、部分的に開扉され、保持端部38および関連する保持要素40によって、部分的開扉位置に保持されている。
【0086】
図7を参照すると、
- スタティックハンドルにたとえることができ、
- ドアリーフ12を完全に開扉するために、
ユーザは、ドアリーフ12の後縁部16をつかんでいる。
【0087】
図8に示すように、ドアリーフ12の開扉検出装置46のピストン48は、休止位置から作動位置まで駆動する。これにより、部分的開扉位置を超えるドアリーフ12の開扉動作を伝えるための電気信号が制御装置44に送信される。
【0088】
制御装置44は、図9に示すように、作動要素26の展開位置から格納位置への駆動を制御し、ピストン48は、弾性的に休止位置に戻される。
【0089】
また、ユーザがドアリーフ12に加える力により、保持端部38が保持要素40から切り離され、ドアリーフ12を完全に開扉することができる。
【0090】
図6に示すように、ドアリーフ12の閉扉位置において、保持端部38と、関連する保持要素40との間に、横方向の隙間Jが設けられていることに留意されたい。これは、ドアリーフ12がバタンと閉められるときに、保持端部38と、関連する保持要素40との間の衝突を回避するため、ドアリーフ12のバタンと閉める際のオーバートラベルよりも大きくなっている。
【0091】
本発明の別の特徴によれば、制御装置44は、ユーザがドアリーフ12を開扉しない場合に、作動要素26を展開位置から格納位置への駆動を自動的に制御するようになっている。
【0092】
この目的のために、図7に示すように、ドアリーフ12が部分的開扉位置のままである時間が計算される。この時間がドアリーフ12が開扉されない所定の値を超えると、ドアリーフ12は、アクチュエータ22によって再び自動的に閉扉される。中間ノッチとも呼ばれているドアラッチの最初のノッチの位置から、ラッチロックボルトの2番目のノッチまで電動で閉扉することができるようにして、開扉から完全に閉扉することができる。電動閉扉(「シンチング」とも呼ばれる)に関連している本発明による装置は、展開位置から、完全な自律でドアリーフの電動閉扉を行うことができる。したがって、開扉コマンドの後、ユーザがドアリーフを開けない場合に、ドアリーフを最初の完全に閉扉した位置に戻すことにより、再度、自動車を完全に安全な状態にすることができる。
【0093】
相補的に、上述のように、ドアリーフ12が開扉されない場合にドアリーフ12が自動的に閉扉される際に、ドアリーフ12をロックするため、制御装置44は、図15に示すロック58を制御するようになっている。
【0094】
さらに、部分的開扉システム20が故障した場合、例えば、ドアリーフ12が部分的開扉位置にロックされたままにならないようにするため、ドアリーフ12を閉扉する際に、アクチュエータ22の作動要素26は、展開位置から格納位置にユーザが手動で駆動するようになっている。
【0095】
具体的には、図5に示すように、ナット32、軸受34a、34bおよびスラスト玉軸受36a、36bによって形成されているアセンブリは、作動要素26に軸方向に圧力をかけることにより、作動要素26を展開位置から格納位置に駆動できるようにしている。
【0096】
本発明の第1の異なる実施形態によれば、ドアリーフ12の保持装置は、上述のような磁気式ではなく、形状協働機械式である。
【0097】
この第1の異なる実施形態によれば、図13および図14を参照すると、保持要素40は、クランプを形成し、バネ62によって閉扉位置に弾性的に戻される2つのジョー60を備えている。
【0098】
ジョー60は、それぞれのジョーの間で、作動要素26の保持端部38を保持するハウジング64を画定している。
【0099】
また、それぞれのジョー60は、クランプを開けるための傾斜路66を形成している。相補的に、作動要素26の自由端に配置されている保持端部38は、ハウジング64の形状と相補的な形状、ここでは完全な円筒形である。
【0100】
こうして、作動要素26が格納位置から展開位置に駆動すると、ドアリーフ12を部分的に開扉するために、図14に示すように、この目的のために設けられた保持要素40のハウジング64内に保持端部38が閉じ込められるまで、保持端部38は、バネ62の作用に抗してジョー60を引き離している。
【0101】
保持要素40と保持端部38とを切り離すために、ユーザは、ドアリーフ12の開扉中に、ドアリーフ12を保持するための装置であるジョー60を引き離すことができる力を加えなければならないことが理解されるであろう。
【0102】
本発明の第2の異なる実施形態(図示せず)によれば、ドアリーフ12を保持するための装置は、電磁式である。
【0103】
この変形例によれば、保持要素40がピストン48の自由端によって支えられている場合、作動要素26の自由端に配置されている保持端部38は、電磁石であり、保持要素40を保持端部38に固定するために、ドアリーフ12が閉扉位置から部分的開扉位置に駆動する間、励磁されている
【0104】
逆に、ドアリーフ12の開扉検出装置46がドアリーフ12を開扉する意図を検出すると、保持要素40を保持端部38から切り離すために電磁石は、もはや励磁されていない。
【0105】
最後に、本発明は、上述の部分的開扉システム20と、ドアリーフ12のロック58とを備えているアセンブリ68にも関する。
【0106】
オプションとして、ドアリーフ12は、ロック58が設けられているドアリーフ12の後縁部に発光ダイオードなどの発光装置または発光信号放射装置を備えている。この発光装置は、ドアリーフ12が部分的開扉位置にあるときに見ることができるようにロックの外側に収容されている。有利なことに、ドアリーフ12の発明であるアセンブリ68のユーザに、ドアが部分的に開いているので、つかむことができるという情報を与えることができる。
【0107】
発光装置がロックが設けられているドアリーフ12の後縁部の表面に、またはロックの中に設けられている場合、放出された光は、センターピラーによって覆われてしまうため、部分的開扉位置では見ることができない。理想的には、光源の管理を最適化するために、発光装置は、制御インターフェース42の反対側に設けることが好ましい。
【0108】
本発明による好ましい態様では、ドアリーフの後縁部にある発光装置は、静的ハンドルにたとえることができるドアリーフの後縁部の凹部内または凹部の周囲に収容されている。この凹部は、ドアリーフを開扉するための把持要素またはハンドル要素として機能している。
【0109】
これにより、ドアリーフ12が部分的開扉位置にあることを示すだけでなく、ドアリーフ12を完全に開扉するために、手を置くべき凹部をユーザに示すこともできる。
【0110】
有利なことに、アセンブリ68は、ロック58と部分的開扉システム20との同時アセンブリを可能にするモジュールを形成している。
【0111】
本発明の上記の説明は、非限定的な実施例に基づくものである。機械的な構成要素を単に移動させることは、本発明に含まれるものであることを理解するべきである。
【0112】
別の異なる実施形態によれば、本発明は、具体的には、自動車10のセンターピラー18に取り付けられている固定フレーム24、および、作動要素26によりドアリーフ12が閉扉位置をとることができる格納位置と作動要素26の自由端がドアリーフ12を部分的に開扉するためにドアリーフ12に当接するようになっている展開位置との間で移動可能な作動要素26を備えているアクチュエータ22と、アクチュエータ22の作動要素26の自由端に配置されている保持端部38およびドアリーフ12に取り付けられている保持要素40を備えているドアリーフ12の保持装置であって、ドアリーフ12を部分的開扉位置に維持するように、かつユーザがドアリーフ12を開けようとする時に、ドアリーフ12を解放するように設計されている保持装置と、を備えている部分的開扉システム20に関する。
【0113】
このような機械的変換により、例えば、空間要件および電気接続の問題を解決することができる。
【0114】
本発明によるシステムは、ドアリーフが設けられている如何なる車両でも使用することができる。
【符号の説明】
【0115】
10 自動車
12 ドアリーフ
14 前縁部
16 後縁部
18 センターピラー
20 部分的開扉システム
22 アクチュエータ
24 固定フレーム
26 作動要素
28 モータ
30 駆動輪
32 ナット
34a 第1軸受
34b 第2軸受
36a 第1スラスト玉軸受
36b 第2スラスト玉軸受
38 保持端部
40 保持要素
42 制御インターフェース
44 制御装置
46 開扉検出装置
48 ピストン
49 本体
50 バネ
52 カム
54 カムウェイ
56 従動子
57 コンタクタ
58 ロック
60 ジョー
62 バネ
64 ハウジング
66 傾斜路
68 アセンブリ
A 開扉軸
B 軸
C 軸
D 垂直軸
d 検出ロッド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16