(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-09
(45)【発行日】2022-09-20
(54)【発明の名称】シャッターディスクアセンブリ、半導体処理デバイス、及び半導体処理方法
(51)【国際特許分類】
C23C 14/50 20060101AFI20220912BHJP
C23C 14/34 20060101ALI20220912BHJP
【FI】
C23C14/50 F
C23C14/34 G
(21)【出願番号】P 2020562811
(86)(22)【出願日】2018-11-27
(86)【国際出願番号】 CN2018117701
(87)【国際公開番号】W WO2019144696
(87)【国際公開日】2019-08-01
【審査請求日】2020-08-27
(31)【優先権主張番号】201810085194.8
(32)【優先日】2018-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】520266443
【氏名又は名称】ベイジン・ナウラ・マイクロエレクトロニクス・イクイップメント・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Beijing NAURA Microelectronics Equipment Co.,LTD
【住所又は居所原語表記】No.8 Wenchang Avenue Beijing,Economic-Technological Development Area,Beijing 100176,China
(74)【代理人】
【識別番号】100209048
【氏名又は名称】森川 元嗣
(72)【発明者】
【氏名】リ、ドンドン
(72)【発明者】
【氏名】グオ、ハオ
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ、メンシン
【審査官】篠原 法子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2011/117916(WO,A1)
【文献】特開2010-126798(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0271081(US,A1)
【文献】特開平10-110267(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 14/00-14/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続部材とシャッタープラテンとを備え、ここにおいて、
前記接続部材は、前記シャッタープラテンが、前記シャッタープラテンが基部の支持表面を覆う、前記基部の上方の第1の位置に、又は前記シャッタープラテンが垂直方向において前記基部の前記支持表面と重複しない第2の位置に移動することを可能にするように構成され、
前記シャッタープラテンが前記第1の位置にあり、前記基部が冷却位置にあるとき、前記シャッタープラテンの縁部分が、前記基部上に担持された処理されるべきワークピースの上部表面の縁領域と接触
し、
垂直方向に前記接続部材を貫通する位置決め用穴が前記接続部材内に設けられ、位置決め用突起が前記シャッタープラテンの上部表面上に設けられ、前記基部が前記冷却位置よりも低いとき、前記シャッタープラテンが前記位置決め用突起を介して前記接続部材に吊持され、前記位置決め用突起が、前記基部を前記冷却位置に上げ、したがって前記シャッタープラテンを上げるプロセス中に、前記位置決め用穴に対して上向きに移動することが可能にされるように、前記位置決め用突起が前記位置決め用穴へと嵌合することを特徴とするシャッターディスクアセンブリ。
【請求項2】
前記縁部分が、前記基部が前記冷却位置よりも低いとき、処理されるべき前記ワークピースから分離され、前記基部を前記冷却位置に上げるプロセス中、前記基部が、処理されるべき前記ワークピースの前記縁領域を前記縁部分に押させるために前記シャッタープラテンを上げるように、前記シャッタープラテンが前記接続部材に移動可能に接続されることを特徴とする、請求項1に記載のシャッターディスクアセンブリ。
【請求項3】
前記位置決め用穴が、上から下に向かって直径が減少するテーパ付き穴であることを特徴とする、請求項
1に記載のシャッターディスクアセンブリ。
【請求項4】
前記位置決め用突起がテーパ付き嵌合部分を備え、前記基部が前記冷却位置よりも低いとき、前記嵌合部分の外側周囲壁が前記テーパ付き穴の壁を嵌合することを特徴とする、請求項
3に記載のシャッターディスクアセンブリ。
【請求項5】
前記位置決め用穴が直線状の穴であり、前記直線状の穴の壁の上に段を有し、前記位置決め用突起が嵌合部分を備え、前記嵌合部分の少なくとも一部は、前記基部が前記冷却位置よりも低いとき、前記段の上に重ねられることを特徴とする、請求項
1に記載のシャッターディスクアセンブリ。
【請求項6】
前記位置決め用突起が、垂直に設置され、前記嵌合部分に接続された上端と前記シャッタープラテンに接続された下端とを有する円筒状延長部分をさらに備え、前記円筒状延長部分の外径が前記テーパ付き穴の最小直径よりも小さいことを特徴とする、請求項
3又は
4に記載のシャッターディスクアセンブリ。
【請求項7】
前記基部の側面上に垂直に設置され、前記接続部材に接続された回転シャフトと、
前記接続部材が前記回転シャフトの周りで前記第1の位置又は前記第2の位置に回転することを可能にするように、回転するように前記回転シャフトを駆動するように構成された駆動源と
を備える回転機構をさらに備えることを特徴とする、請求項
1に記載のシャッターディスクアセンブリ。
【請求項8】
前記シャッタープラテンがプラテン本体を備え、環状突起が、前記プラテン本体の下部表面の縁領域上に形成され、前記縁部分として働き、前記環状突起が、閉リングの形状をとり、前記シャッタープラテンの円周方向に沿って設置されるか、又は、前記環状突起が、前記シャッタープラテンの前記円周方向に沿って間隔をおいて設置された複数の副突起を備えることを特徴とする、請求項1に記載のシャッターディスクアセンブリ。
【請求項9】
前記シャッタープラテンがプラテン本体を備え、環状突起が、前記プラテン本体の外側周囲壁上に形成され、前記縁部分として働くために前記プラテン本体の下部表面に対して突き出し、前記環状突起が、閉リングの形状をとり、前記シャッタープラテンの円周方向に沿って設置されるか、又は、前記環状突起が、前記シャッタープラテンの前記円周方向に沿って間隔をおいて設置された複数の副突起を備えることを特徴とする、請求項1に記載のシャッターディスクアセンブリ。
【請求項10】
チャンバを備える半導体処理デバイスであって、前記チャンバが、基部と、請求項1から
9のいずれか一項に記載のシャッターディスクアセンブリとを備え、
バックブローパイプラインが、前記基部内に設けられ、前記基部の支持表面と処理されるべきワークピースの下部表面との間の間隙へとバックブローガスを導入するように構成され、
前記基部が、冷却位置又はローディング/アンローディング位置又はプロセス位置に移動可能であるように上げられる又は下げられることが可能であり、前記ローディング/アンローディング位置が前記冷却位置よりも低く、前記プロセス位置が前記冷却位置よりも高い
ことを特徴とする半導体処理デバイス。
【請求項11】
前記チャンバが、
前記基部上に設置され、前記支持表面を取り囲み、前記基部上での処理されるべき前記ワークピースの位置を制限するように構成された制限リングと、
前記チャンバの側壁の内側で前記チャンバの前記側壁の周りに設置されたシールドと、 前記基部が前記プロセス位置にあるとき前記制限リングと前記シールドとの間の間隙を覆い、前記基部が前記プロセス位置から下げられるとき前記シールドによって支持されるように構成されたカバーリングと
をさらに備えることを特徴とする、請求項1
0に記載の半導体処理デバイス。
【請求項12】
前記チャンバの側面上に設置され、前記チャンバの内部と連通するシャッターディスクガレージをさらに備え、ここにおいて、前記シャッターディスクガレージが、シャッタープラテンが第2の位置にあるとき、前記シャッタープラテンを収容するように構成されることを特徴とする、請求項1
0に記載の半導体処理デバイス。
【請求項13】
請求項1
0から1
2のいずれか一項に記載の半導体処理デバイスを使用して処理されるべきワークピースを処理する半導体処理方法であって、
シャッタープラテンが第2の位置に維持され、基部が、処理されるべき前記ワークピースの上部表面全体上で処理を実行するためにプロセス位置に上げられる処理ステップと、 前記処理が停止され、前記基部が前記プロセス位置からローディング/アンローディング位置に下げられ、前記シャッタープラテンが前記第2の位置から第1の位置に移動され、次いで、前記基部が、前記基部上に担持された処理されるべき前記ワークピースの前記上部表面の縁領域と前記シャッタープラテンの縁部分を接触させるために冷却位置に上げられ、次いで、バックブローパイプラインを使用して前記基部の支持表面と処理されるべき前記ワークピースの下部表面との間の間隙へとバックブローガスを導入する冷却ステップと
を備えることを特徴とする半導体処理方法。
【請求項14】
前記冷却ステップにおいて、前記基部を前記冷却位置に上げるプロセス中、前記シャッタープラテンの前記縁部分が、処理されるべき前記ワークピースの前記上部表面の前記縁領域を押すように、前記シャッタープラテンをそれに移動可能に接続された接続部材に対して上向きに移動させるために前記基部が前記シャッタープラテンを上げることが可能であるように前記冷却位置の高さが構成されることを特徴とする、請求項1
3に記載の半導体処理方法。
【請求項15】
前記処理ステップにおいて、前記処理が物理気相成長プロセスを備えることを特徴とする、請求項1
3に記載の半導体処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、シャッターディスクアセンブリ、半導体処理デバイス、及び半導体処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
物理気相成長(PVD)技術は、真空条件下で物理的方法によって、(固体又は液体)材料源の表面を気体原子、気体分子へと気化させ、又はイオンへと部分的にイオン化させ、そして低圧気体(又はプラズマ)プロセスを通して基板の表面上に特定の機能を有する薄膜を蒸着させる技術を指す。現在、金属薄膜、合金薄膜だけでなく、化合物薄膜、セラミック薄膜、半導体薄膜、ポリマー薄膜なども、物理気相成長技術によって蒸着可能である。
【0003】
物理気相成長デバイス自体の性能は、蒸着された薄膜層の品質、収率などに対する直接的な影響を有する。さまざまなデバイス薄膜層の精度、品質、及び収率に対する増加する要件とともに、物理気相成長デバイスの性能を改善するための継続的な努力がある。
【発明の概要】
【0004】
本開示の一実施形態によれば、接続部材とシャッタープラテンとを含み、ここにおいて、
接続部材は、シャッタープラテンが、シャッタープラテンが基部の支持表面を覆う、基部の上方の第1の位置、又はシャッタープラテンが基部の支持表面と垂直方向に重複しない第2の位置に移動することを可能にするように構成され、
シャッタープラテンが第1の位置にあり、基部が冷却位置にあるとき、シャッタープラテンの縁部分は、基部上に担持された処理されるべきワークピースの上部表面の縁領域と接触する
シャッターディスクアセンブリが提供される。
【0005】
いくつかの例では、縁部分が、基部が冷却位置よりも低いとき、処理されるべきワークピースから分離され、基部を冷却位置に上げるプロセス中、基部は、処理されるべきワークピースの縁領域を縁部分に押させるためにシャッタープラテンを上げるように、シャッタープラテンが接続部材に移動可能に接続される。
【0006】
いくつかの例では、接続部材は、その中に、垂直方向に接続部材を貫通する位置決め用穴を備え、シャッタープラテンは、その上部表面上に位置決め用突起を備え、この位置決め用突起は、基部が冷却位置よりも低いとき、シャッタープラテンが位置決め用突起を介して接続部材に吊持され、位置決め用突起は、基部を冷却位置に上げ、したがってシャッタープラテンを上げるプロセス中に、位置決め用穴に対して上向きに移動することが可能にされるように、位置決め用穴へと嵌合する。
【0007】
いくつかの例では、位置決め用穴は、上から下に向かって直径が減少するテーパ付き穴である。
【0008】
いくつかの例では、位置決め用突起はテーパ付き嵌合部分を含み、基部が冷却位置よりも低いとき、嵌合部分の外側周囲壁はテーパ付き穴の壁を嵌合する。
【0009】
いくつかの例では、位置決め用穴は、その壁の上に段を有する直線状の穴であり、位置決め用突起は嵌合部分を含み、嵌合部分の少なくとも一部は、基部が冷却位置よりも低いとき、段の上に重ねられる。
【0010】
いくつかの例では、位置決め用突起は、垂直に設置され、嵌合部分に接続された上端とシャッタープラテンに接続された下端とを有する円筒状延長部分をさらに含み、この延長部分の外径はテーパ付き穴の最小直径よりも小さい。
【0011】
いくつかの例では、シャッターディスクアセンブリは、
基部の側面上に垂直に設置され、接続部材に接続された回転シャフトと、
接続部材を回転シャフトの周りで第1の位置又は第2の位置に回転させるように、回転するように回転シャフトを駆動するための駆動源と
を含む回転機構をさらに含む。
【0012】
いくつかの例では、シャッタープラテンはプラテン本体を含み、環状突起は、プラテン本体の下部表面の縁領域上に形成され、縁部分として働き、環状突起は、閉リングの形状をとり、シャッタープラテンの円周方向に沿って設置される、又は、環状突起は、シャッタープラテンの円周方向に沿って間隔をおいて設置された複数の副突起を含む。
【0013】
いくつかの例では、シャッタープラテンはプラテン本体を含み、環状突起は、プラテン本体の外側周囲壁上に形成され、縁部分として働くためにプラテン本体の下部表面に対して突き出し、環状突起は、閉リングの形状をとり、シャッタープラテンの円周方向に沿って設置される、又は、環状突起は、シャッタープラテンの円周方向に沿って間隔をおいて設置された複数の副突起を含む。
【0014】
別の技術的解決策として、本開示は、チャンバを含む半導体処理デバイスをさらに提供し、このチャンバは、上記で説明された基部とシャッターディスクアセンブリとを含み、
基部は、その中に、基部の支持表面と処理されるべきワークピースの下部表面との間の間隙へとバックブローガス(back-blowing gas)を導入するように構成されたバックブローパイプライン(back-blowing pipeline)を備え、
基部は、冷却位置又はローディング/アンローディング位置又はプロセス位置に移動可能であるように上げられる又は下げられることが可能であり、ローディング/アンローディング位置は冷却位置よりも低く、プロセス位置は冷却位置よりも高い。
【0015】
いくつかの例では、チャンバは、
基部上に設置され、支持表面を取り囲み、基部上での処理されるべきワークピースの位置を制限するように構成された制限リングと、
チャンバの内側でチャンバの側壁の周りに設置されたシールドと、
基部がプロセス位置にあるとき制限リングとシールドとの間の間隙を覆い、基部がプロセス位置から下げられるときシールドによって支持されるように構成されたカバーリングと
をさらに含む。
【0016】
いくつかの例では、デバイスはシャッターディスクガレージをさらに含み、このシャッターディスクガレージは、チャンバの側面上に設置され、チャンバの内部と連通し、さらに、シャッタープラテンが第2の位置にあるとき、シャッタープラテンを収容するように構成される。
【0017】
別の技術的解決策として、本開示は、上記で説明された半導体処理デバイスを使用して処理されるべきワークピースを処理するための半導体処理方法であって、
シャッタープラテンが第2の位置に維持され、基部が、処理されるべきワークピースの上部表面全体上で処理を実行するためにプロセス位置に上げられる処理ステップと、
処理が停止され、基部がプロセス位置からローディング/アンローディング位置に下げられ、シャッタープラテンが第2の位置から第1の位置に移動され、次いで、基部が、基部上に担持された処理されるべきワークピースの上部表面の縁領域とシャッタープラテンの縁部分を接触させるために冷却位置に上げられ、次いで、バックブローガスが、バックブローパイプラインを使用して基部の支持表面と処理されるべきワークピースの下部表面との間の間隙へと導入される冷却ステップと
を含む半導体処理方法をさらに提供する。
【0018】
いくつかの例では、冷却ステップにおいて、基部を冷却位置に上げるプロセス中、シャッタープラテンの縁部分が、処理されるべきワークピースの上部表面の縁領域を押すように、シャッタープラテンをそれに移動可能に接続された接続部材に対して上向きに移動させるために基部がシャッタープラテンを上げることが可能であるように冷却位置の高さが構成される。
【0019】
いくつかの例では、処理ステップにおける処理は、物理気相成長プロセスを含む。
【0020】
本開示の実施形態において提供されるシャッターディスクアセンブリ、半導体処理デバイス、及び半導体処理方法の技術的解決策によれば、シャッタープラテンが接続部材によって第2の位置に移動し、この位置では、垂直方向に基部の支持表面を覆わずに、処理されるべきワークピースの表面がまったく覆われないようになっており、したがって、薄膜が、処理中に、処理されるべきワークピースの表面全体上に蒸着可能であり、他方、シャッタープラテンが、シャッタープラテンが基部の支持表面を覆う第1の位置にあり、かつ、基部が冷却位置にあるとき、シャッタープラテンの縁部分は、基部上に担持される処理されるべきワークピースの上部表面の縁領域に接触することで、処理されるべきワークピースが、基部に固着されるとともに、バックブローガスが、基部の支持表面と処理されるべきワークピースの下部表面との間の間隙へと導入されるとき、吹き払われることが防止されるように保証可能となっており、処理されるべきワークピースは効果的に、非常に効率的に冷却可能であり、したがって、生産性を高めることができるようになっている。
【0021】
本開示の実施形態の技術的解決策をより明確に示すために、実施形態の図面が簡単に紹介される。以下の説明における図面は、本開示のいくつかの実施形態に関するにすぎず、本開示を限定することを意図したものではないことが明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】チャンバへと回転されるシャッターディスクの概略図。
【
図2】チャンバから移動されたシャッターディスクの概略図。
【
図4】(バックブローパイプラインのない)基部の概略図。
【
図6A】本開示の一実施形態によるシャッターディスクアセンブリの概略断面図。
【
図6B】本開示の一実施形態による回転アーム/位置決め用穴から分離されているシャッターディスクアセンブリの位置決め用部分を示す概略断面図。
【
図7A】本開示の一実施形態によるシャッターディスクアセンブリの概略断面図。
【
図7B】本開示の一実施形態によるシャッターディスクアセンブリの概略断面図。
【
図8A】本開示の別の実施形態によるシャッターディスクアセンブリの概略断面図。
【
図8B】本開示の別の実施形態によるシャッターディスクアセンブリの概略断面図。
【
図8C】本開示の別の実施形態によるシャッターディスクアセンブリの概略断面図。
【
図9A】本開示の一実施形態による(プロセス位置に基部をもつ)半導体処理デバイスの概略断面図。
【
図9B】本開示の一実施形態による半導体処理デバイス内の(バックブローパイプラインをもつ)基部の概略図。
【
図10】本開示の一実施形態による(ローディング/アンローディング位置に基部をもつ)半導体処理デバイスの概略断面図。
【
図11】本開示の一実施形態による(冷却位置に基部をもつ)半導体処理デバイスの概略断面図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本開示の目的と、実施形態と、技術的解決策と、利点とをより明確にするために、本開示の実施形態における技術的解決策が、本開示の実施形態の添付の図面を参照しながら以下で明確に完全に説明される。言うまでもなく、説明される実施形態は、本開示の実施形態のすべてではなく、一部にすぎない。本開示の説明される実施形態に基づいて、創意工夫なしに当業者によって取得されるすべての他の実施形態は、本開示の保護範囲に入る。
【0024】
別段定義されない限り、本明細書において使用される技術的用語又は科学的用語は、当業者によって理解される一般的な意味を有することが意図されている。本明細書において使用される「第1の」、「第2の」という単語、及び類似の用語は、順序、量、又は重要度を示さず、異なる構成要素を区別するために使用されるにすぎない。「含む」もしくは「備える」などの単語は、単語に先行する要素又は項目が、単語に続く要素もしくは項目又はその等価物を含むが、他の要素又は項目を除外しないことを意味する。
【0025】
さらなる詳細な説明が、以下で本開示のいくつかの実施形態を参照しながら与えられる。本開示の明細書全体を通して、基部の支持表面は、チャンバの底部壁から離れた基部の表面を指し得る。支持表面をそのような表面と定義することによって、支持表面に対する他の構成要素の位置関係は、より良く示され得る。さらに、半導体処理デバイス内に取り付けられたとき、基部は、支持表面と直角をなす方向に移動可能であるように構成されることがある。支持表面と直角をなす方向に、すなわち垂直方向に、支持表面と対向する基部の側面から支持表面への方向は「上向き」方向と呼ばれ、支持表面から支持表面と対向する基部の側面への方向は「下向き」方向と呼ばれる。それによって、「上部」及び「下部」又は「頂部」及び「底部」によって修飾されるさまざまな位置関係は、上部表面、下部表面、上げる、下げる、頂部壁、及び底部壁などの明確な意味を有する。別の例として、処理されるべきワークピースの2つの表面の場合、基部から離れた表面は「上部表面」と呼ばれ、基部に面する表面は「下部表面」と呼ばれる。さらに、支持表面と平行な方向、すなわち、水平方向に、基部の縁から中心への方向は「内向き」方向と呼ばれ、基部の中心から縁への方向は「外向き」方向と呼ばれる。それによって、「内」及び「外」によって修飾される相対的な位置関係も、「内側」及び「外側」などの明確な意味を有する。さらに、向きを示す上記の用語は例示にすぎず、それぞれの構成要素の相対的な位置関係を示し、本開示に開示されているさまざまな装置もしくはデバイス内の部品の組み合わせ又は装置全体もしくはデバイス全体は、全体として、ある一定の角度回転され得ることが留意されるべきである。
【0026】
本開示において処理されるべきワークピースは、たとえば、本開示の実施形態において特に限定されない、蒸着が実行され得るウェーハを支持するためのトレイ、又は蒸着が実行され得る単一のウェーハ、又はウェーハがトレイに取り付けられた複合構造である。
【0027】
物理気相成長(PVD)プロセスでは、不活性ガスと反応ガスとを含むプロセスガスがプロセスチャンバへと導入され、直流(DC)電力又は無線周波数(RF)電力が、プラズマを形成してターゲットにボンバードを行うようにチャンバ内のガスを励起するためにターゲットに印加され、ボンバードメントによってスパッタリングされたターゲット粒子は、薄膜を形成するために処理されるべきワークピースの表面上に落下する。ターゲット粒子は、処理されるべきワークピースの表面に加えて、チャンバ壁及び他の構成要素の上に蒸着されてよい。スパッタリングされた材料がチャンバ壁及び他の構成要素の上に直接的に蒸着されるのを防止するために、プロセスキットが通常、チャンバの内壁を保護するためにPVDチャンバ内に追加される。プロセス結果を保証するために、プロセスキット上に蒸着された薄膜がある一定の厚さに到達したとき、プロセスチャンバは、その中のプロセスキットを交換するために開かれる必要がある。
【0028】
プロセスチャンバは、常に真空状態のままである必要があり、ターゲット又はプロセスキットが交換される必要があるときのみ開かれる。交換が終了したとき、チャンバの真空状態が回復される。しかしながら、大気に曝露されたターゲットは大気と反応し、したがって、その表面が酸化される。したがって、初期ステージでは、チャンバが回復された後、ターゲットの表面は欠陥を有し、通常のプロセスに使用可能でない。一般に、シャッターディスクは基部を覆うために使用されてよく、次いで、進行中の高温燃焼が実行され、したがって、ターゲット表面の欠陥部分がシャッターディスク上にスパッタリングされる。欠陥部分がスパッタリングされた後、シャッターディスクが離れるように移動され、次いで、通常のプロセスが実行可能である。
【0029】
図1及び
図2はそれぞれ、チャンバへと及びこれから移動されるシャッターディスクの概略図を示す。
図1は、基部の上方に配置されたシャッターディスクの概略斜視図であり、
図2は、基部から上方に除去されたシャッターディスクの概略上面図である。
図1及び
図2に示されるように、シャッターディスク121はシャッターディスクブラケット122上に設置され、シャッターディスクブラケット122は、ブラケット回転シャフト123に接続され、ブラケット回転シャフト123の駆動下でブラケット回転シャフト123の周りで回転可能であり、したがって、シャッターディスク121は、シャッターディスクブラケット122とともにチャンバ10へと又はこれから移動することができる。シャッターディスク121は、進行中の高温燃焼の間に基部を遮蔽するように、チャンバ10へと移動した後、基部124の上方に配置される。
図1は、基部取り付けねじ125も示す。
【0030】
PVD技術は主に、処理されるべきワークピースを支持するために、静電チャック(ESC)又は機械チャックを採用する。ウェーハのPVDプロセス中、処理されるべきワークピースは一般に熱を生成し、熱は、真空中でほとんど伝わることはできない。処理されるべきワークピース内の熱を放散するために、処理されるべきワークピースは、一般に、静電チャック又は機械チャックによって固着され、一方、バックブローガスは、ウェーハを冷却するように、処理されるべきワークピースの背面に送達される。
【0031】
図3は、DCマグネトロンスパッタリングデバイス1の概略断面図を示す。DCマグネトロンスパッタリングデバイス1はチャンバ本体100を有し、チャンバ本体100によって画定された空間はチャンバ10を形成する。たとえば、チャンバ本体100は、底部壁1001と、側壁1002とを含んでよい。基部101はチャンバ10内に設置され、基部101は、底部壁1001上に設置されることがある。基部101は、処理されるべきワークピース102を担持する機械チャックであってよく、基部101は、プロセス位置に上げられる又はローディング/アンローディング位置に下げられるように、上げられる又は下げられることが可能である。基部101がプロセス位置にあるとき、ある一定の重量を有するクランプリング103が、処理されるべきワークピース102がスパッタリングプロセスのために基部101に機械的に固着されるように、処理されるべきワークピース102の上部表面の縁領域に押し付けられる。チャンバ本体の側壁1002の内側に設置され、側壁1002の少なくとも一部を取り囲み、チャンバ本体の側壁1002に接続されたシールド104は、基部101がプロセス位置から下げられるときにクランプリング103を支持するように構成されてよい。ターゲット105はチャンバ本体100上に設置され、このターゲット105は、チャンバ10の上に置かれ、チャンバ10の外部に設置されたDC電源(図示せず)に電気的に接続されてよく、このDC電源は、ターゲット105にバイアス電圧を提供し得る。絶縁材料107とターゲット105は、脱イオン水106で満たされた閉鎖チャンバを形成する。絶縁材料107は、たとえば、ガラス繊維と樹脂の複合材料を含む、高い絶縁性をもつ材料から作製されてよく、一例として、G10を含んでよい。スパッタリング中、DC電源は、ターゲット105が、接地されたチャンバ本体100に対して負の電圧を有し、それによって、プラズマを生成するように放出するためにアルゴンを励起し、プラズマ中の正に帯電したアルゴンイオンを負にバイアスされたターゲット105に引きつけるように、ターゲット105にバイアス電圧を印加する。アルゴンイオンのエネルギーが十分高いとき、金属原子は、ターゲットの表面から逃げ、処理されるべきワークピース102上に蒸着される。上記の説明は、アルゴンを導入する例を挙げることによって与えられてきたが、窒素などの他のプロセスガスも導入可能である。
図3は、マグネトロン108と、動くようにマグネトロン108を駆動するためのモータ109も示す。ターゲット105の上方に設置されたマグネトロン108は、ターゲット105の下方にプラズマを集めるように、ターゲット105の表面をスキャンするためにモータ109によって駆動され得る。
【0032】
さらに、スパッタリング中、ある一定の量のバックブローガスが、処理されるべきワークピース102の熱が、気体熱伝導によって基部101に伝えられ、それによって、処理されるべきワークピース102を冷却するように、基部101の中心にあるパイプ110を通して、処理されるべきワークピース102の背面に導入されることがある。
【0033】
しかしながら、包装分野におけるPVD装置内では、クランプリング103は、処理されるべきワークピース102の上部表面の縁領域を押すので、薄膜は、蒸着中に処理されるべきワークピース102の上部表面の縁領域上に蒸着されることはできず、それによって、その後のプロセス(電気めっきなど)に影響を与える。したがって、上記のPVD装置によって採用される処理されるべきワークピース102の固着及び冷却様式は、適用例において大きな制限を有する。さらに、静電チャックは、その高いコスト及び技術的な複雑さにより、包装分野ではPVD装置に適用不可能である。
【0034】
図4は、薄膜がウェーハの縁上に蒸着されることを可能にする、バックブローのない基部の組み立てられた構造を示す。基部126は、基部本体1261と、基部本体1261上に設置された頂部プレート1262とを含んでよい。
図4は、頂部プレート1262の縁に設置された制限リング127も示す。基部本体1261、頂部プレート1262、及び制限リング127は、ウェーハを支持及び制限するために一緒に組み立てられてよい。通常のプロセスでは、ウェーハは、頂部プレート1262の上に置かれてよい。基部126は、ウェーハを担持する。頂部プレート1262は、基部126の一番上の部品であり、ねじによって基部本体1261に固着されてよい。制限リング127は、ねじによって頂部プレート1262に固着されてよく、頂部プレート1262上でウェーハの位置を画定するように構成される。
【0035】
図5は、バックブローのないチャンバ構造の構造概略図を示す。制限リング127は基部126の縁に設置され、チャンバ10はシールド104をさらに含み、シールド104は、チャンバ本体の側壁1002の内側に設置され、チャンバ本体の側壁の少なくとも一部分を取り囲み、チャンバ本体の側壁に接続され、シールド104は、カバーリング128を支持するように構成されてよい。カバーリング128は、基部126がプロセス位置に上げられたとき、上げられ、基部126がプロセス位置から下げられたとき、シールド104によって支持される。カバーリング128は、基部126がプロセス位置にあるとき、制限リング127とシールド104との間の間隙を覆うように構成される。カバーリング128の具体的な構造は、後で詳細に説明される。通常のプロセスでは、カバーリング128は、被覆機能のみを有するが、処理されるべきワークピース102の縁を押さず、それによって、処理されるべきワークピース102の表面全体が薄膜とともに蒸着されることを保証する。しかしながら、処理されるべきワークピース102は、基部126上に置かれているにすぎず、これに固着されていないので、処理されるべきワークピース102は、バックブローによって冷却不可能である。そのようなチャンバを冷却するという問題を解決するために、処理されるべきワークピース102は現在、最初に、処理されるべきワークピース102上にある一定の厚さをもつ薄膜を蒸着させるためにプロセスステップを実行することと、処理されるべきワークピース102の温度が上昇した後、プロセスステップを停止することと、冷却ステップ、すなわち、チャンバ内の圧力を1トル又はそれ以上にするために大量のガスをチャンバへと直接的に導入することと、処理されるべきワークピース102と頂部プレート1262との間で熱交換が行われるようにある時間の期間にわたって維持することと、それによって、処理されるべきワークピース102を冷却することとを実行すること、次いで、ガスをポンプ圧送することとを含む方法によって冷却される。ある一定の温度での薄膜蒸着を達成するように、プロセスステップが継続され、温度が上昇した後、冷却ステップが繰り返される、以下同様である。
【0036】
しかしながら、上記の半導体処理方法では、ガスを導入することによる冷却は比較的ゆっくりであり、ウェーハの背面に対するガス圧力はせいぜい1トルであり、長時間維持プロセスは、ウェーハを十分冷却するために必要とされる。より高い圧力に到達するためにガスが導入される場合、ガスの導入及びポンプ圧送プロセスは、より多くの時間がかかり、したがって、全体的な生産性に影響を与える。また、プロセスは、チャンバの真空凝縮ポンプに対する過度の負荷を引き起こし、したがって、真空ポンプの再生期間を短縮する。
【0037】
上記の問題を解決するために、本開示の実施形態は、処理されるべきワークピースの表面全体上に薄膜が蒸着されることを可能にし、処理されるべきワークピースを効果的に冷却し、生産性を改善することができる、シャッターディスクアセンブリ、半導体処理デバイス、及び方法を提供する。
【0038】
図6Aは、接続部材1112とシャッタープラテン113とを含む、本開示の一実施形態によって提供されるシャッターディスクアセンブリ11を示す。ターゲット表面上の欠陥部分が、ターゲット上で進行中の高温燃焼を実行しながらシャッタープラテン113上へとスパッタリングされるように、接続部材1112は、シャッタープラテン113が、基部116(
図6Aに図示されない。
図10に示される基部116を参照されたい)の上方の第1の位置L1(
図6Aに図示されない。
図11に示される第1の位置L1を参照されたい)に移動することを可能にするように構成され、第1の位置にあるシャッタープラテン113は、基部116の支持表面11601(
図6Aに図示されない。
図9Bに示される支持表面11601を参照されたい)を覆う。具体的には、基部116の支持表面11601上のシャッタープラテン113の突出部が、支持表面11601を完全に覆う。あるいは、基部116の支持表面11601がまったく覆われず、支持表面上の処理されるべきワークピースの表面全体は、薄膜蒸着プロセスにおいて薄膜を用いて蒸着可能であるように、接続部材1112は、シャッタープラテン113を、シャッタープラテン113が基部116の支持表面11601と垂直方向に重複されない第2の位置(
図6Aに図示されない。
図9Aに示される第2の位置L2を参照されたい)に移動させるように構成される。
【0039】
図6Aに示されるように、いくつかの例では、シャッターディスクアセンブリ11は、回転機構をさらに含む。この回転機構は、回転シャフト111と、駆動源(図示せず)とを含む。回転シャフト111は、基部116の側面に垂直に設置され、接続部材1112に接続される。任意選択で、接続部材1112は片持ちにされる。駆動源は、接続部材1112が回転シャフト111の周りで第1の位置L1又は第2の位置L2に回転可能であるように回転するために、回転シャフト111を駆動するように構成される。
図6Aは、回転シャフト111の回転方向を示すが、実際の適用例では、回転シャフト111の回転方向は、図示の方向に限定されない。
【0040】
シャッタープラテン113が第1の位置L1にあり、基部116が冷却位置(
図11に示される基部116の位置を参照されたい)にあるとき、シャッタープラテン113の縁部分Eは、基部116の支持表面11601上に置かれた処理されるべきワークピースの上部表面の縁領域と接触する。それによって、処理されるべきワークピースが効果的に、非常に効率的に冷却可能であり、したがって、生産性を高めることができるように、処理されるべきワークピースは、基部116に固着され、バックブローガスが、基部116の支持表面11601と処理されるべきワークピースの下部表面との間の間隙へと導入されるとき、吹き払われることを防止することが保証可能である。
【0041】
この実施形態では、シャッタープラテン113は、まっすぐなプレート形状を有するプラテン本体を含み、環状突起1132は、プラテン本体の下部表面11302の縁領域上に形成され、上述の縁部分Eとして働き、シャッタープラテン113が第1の位置L1にあり、基部116が冷却位置にあるとき、環状突起1132の下部表面11320は、基部116の支持表面11601上に置かれた処理されるべきワークピースの上部表面の縁領域と接触し、環状突起1132の内部の凹部部分0113は、処理されるべきワークピース102と接触しない。凹部部分0113の形成は、処理されるべきワークピースの上部表面を保護し、処理されるべきワークピースの有効面積の損傷を回避するのに有益である。
【0042】
この実施形態では、環状突起1132は、閉リング形状を有し、シャッタープラテン113の円周方向に沿って設置される。実際の適用例では、言うまでもなく、環状突起1132は不連続な環状構造も有することがある、たとえば、環状突起1132は、シャッタープラテン113の円周方向に沿って間隔をおいて並べられた複数の副突起を含む。
【0043】
図6Aに示されるように、いくつかの例では、シャッタープラテン113の上部表面11301及び下部表面11302は両方とも、製造を容易にし、シャッタープラテン113の空間占有を減少させることを容易にするために平面状であってよいが、本開示は、それに限定されない。たとえば、上部表面11301及び下部表面11302はまた、湾曲した表面又はアーチ形表面であってよい。
【0044】
図6A及び
図6Bに示されるように、いくつかの例では、シャッタープラテン113は、基部116が冷却位置(
図10に示される基部116の位置を参照されたい)よりも低いとき、シャッタープラテン113の縁部分E(すなわち、環状突起1132)は、処理されるべきワークピースから分離され、シャッタープラテン113は、依然として接続部材1112に沿って移動することができるように、接続部材1112に移動可能に接続される。又は、基部116が冷却位置に上げられると、基部116は、縁部分Eが、処理されるべきワークピースの縁領域を押すように、シャッタープラテン113を上げる。すなわち、シャッタープラテン113は、シャッタープラテン113が、それ自体の重量を使用して、処理されるべきワークピースを押すことができるように、ある一定の距離、基部116とともに上昇する。
【0045】
シャッタープラテン113と接続部材1112との間の移動可能な接続の具体的な様式は、以下で詳細に説明される。具体的には、
図6Bに示されるように、接続部材1112は、垂直方向に接続部材1112を貫通する位置決め用穴1120を備え、位置決め用突起1131が前記シャッタープラテン113の上部表面11301上に設けられ、基部116が冷却位置よりも低いとき、シャッタープラテン113が位置決め用突起1131を介して接続部材1112に吊持され、位置決め用突起1131が、基部116を冷却位置に上げ、したがってシャッタープラテン113を上げるプロセス中に、位置決め用穴1120に対して上向きに移動することが可能にされるように、位置決め用突起1131が位置決め用穴1120へと嵌合する。この移動可能な接続は、単純な構造を有し、製造するのが簡単である。
【0046】
好ましくは、位置決め用穴1120は、上から下に向かって直径が減少するテーパ付き穴である。位置決め用突起1131は、そのサイズがテーパ付き穴の最小直径よりも大きい限り、接続部材1112に吊持可能である。テーパ付き穴は、単純な構造を有し、製造するのが簡単であり、シャッタープラテン113を中心に置くのに好都合である。
【0047】
さらに、
図6Aに示されるように、いくつかの例では、位置決め用突起1131は、テーパが付けられた嵌合部分11311を含み、嵌合部分11311の外側周囲壁は、基部116が冷却位置よりも低いとき、テーパ付き穴の壁を嵌合し、それによって、シャッタープラテン113のセンタリングと移動可能性とを実現する。具体的には、嵌合部分11311の外側周囲壁は、位置決め用穴1120からの嵌合部分11311の分離を容易にし、後退したときシャッタープラテン113が位置決め用穴1120の中に制限されることを容易にするように、テーパ付き穴の壁と同じ傾斜角度を有し、したがって、シャッタープラテン113は、位置決め用穴1120の中の一意の位置を有し、それによって、シャッタープラテン113が、第1の位置L1にあるときシャッタープラテン113が基部116の真上に配置されることを容易にしながら、処理されるべきワークピースを押すとき、押圧によるずれが発生しないことを保証する。
【0048】
さらに、シャッタープラテン113が基部116によって上げられ、上向きに移動されることを可能にするように、シャッタープラテン113と接続部材1112との間にある一定の垂直距離があるように、位置決め用突起1131は、垂直に設置され、嵌合部分11311に接続された上端とシャッタープラテン113に接続された下端とを有する延長部分11312をさらに含み、延長部分11312の外径は、延長部分11312がテーパ付き穴を通過することができるように、テーパ付き穴の最小直径よりも小さい。
【0049】
あるいは、延長部分11312は、溶接、スナップ嵌め、ねじ固締などによって、嵌合部分11311及びシャッタープラテン113にそれぞれ接続されてよい。
【0050】
実施形態における位置決め用穴1120はテーパ付き穴であるが、本開示は、それに限定されないことが留意されるべきである。実際の適用例では、位置決め用穴1120は、他の任意の構造を採用してよい。たとえば、位置決め用穴1120はその壁に段を有する、直線状の穴であり、嵌合部分11311の少なくとも一部は、基部が冷却位置よりも低いとき、段の上に重ねられる。
【0051】
図6Bに示されるように、いくつかの例では、シャッタープラテン113が静止している又は回転しているときシャッタープラテン113のバランスを容易にするために、位置決め用突起1131は、シャッタープラテン113の中央位置に配置されてよい。
【0052】
実施形態におけるプラテン本体はまっすぐなプレート形状であるが、本開示は、それに限定されないことが留意されるべきである。実際の適用例では、
図7Aに示されるように、いくつかの例では、プラテン本体は、湾曲したプレート形状を有することがあり、湾曲したプレートは、基部116の支持表面11601から離れる方向に向かって凹部が作られてよい。
【0053】
この実施形態では、環状突起1132は、プラテン本体の下部表面11302の縁領域上に形成され、上述の縁部分Eとして働くが、本開示は、それに限定されないことも留意されるべきである。実際の適用例では、
図7Bに示されるように、いくつかの例では、環状突起1132は、プラテン本体の外側周囲壁上に形成され、縁部分Eとして働くようにプラテン本体の下部表面に対して突き出す。具体的には、プラテン本体は、湾曲したプレートの形状をとり、この湾曲したプレートは、凹部部分0113を形成するように、基部116の支持表面11601から離れる方向に向かって凹部が作られる。環状突起1132は、プラテン本体の中心から離れて水平方向にプラテン本体の外側周囲壁に対して突き出す。プラテン本体は湾曲したプレートの形状をとるので、環状突起1132の下部表面11320は、プラテン本体の下部表面11302(湾曲した凹部表面)よりも低く、したがって、処理されるべきワークピースの上部表面の縁領域と接触することができる。言うまでもなく、実際の適用例では、プラテン本体は、まっすぐなプレートの形状であってもよく、環状突起1132は、処理されるべきワークピースの上部表面の縁領域との接触を達成するように、プラテン本体の外側周囲壁上に設置され、プラテン本体の下部表面に対して突き出す。
【0054】
実際の適用例では、環状突起1132は、閉リングの形状であり、シャッタープラテン113の円周方向に沿って設置される。あるいは、環状突起1132は、シャッタープラテン113の円周方向に沿って間隔をおいて並べられた複数の副突起を含む。
【0055】
シャッタープラテン113の形状は上記で示された例に限定されないことが留意されるべきである。たとえば、シャッタープラテン113の縁部分は、処理されるべきワークピースの上部表面の縁領域と接触し、シャッタープラテン113の残りの部分は、処理されるべきワークピースと接触しない限り、シャッタープラテン113は、凹部部分と縁突起とを有するテーパ付きプラテンなども含んでよい。
【0056】
位置決め用穴1120及び位置決め用突起1131の構造及び嵌合様式が上記の例に限定されないことが留意されるべきである。たとえば、
図8Aに示されるように、位置決め用穴1120は、テーパ付き穴である。位置決め用突起は、上から下に向かって徐々に減少する外径を有するテーパ付き柱を形成するために単一の構造として形成された、嵌合部分11311と延長部分11312とを含む。基部116が冷却位置よりも低いとき、嵌合部分11311の外側周囲壁は、テーパ付き穴の壁に完全に嵌合し、延長部分11312は、シャッタープラテン113が接続部材1112からある一定の垂直距離を有することを可能にするために、接続部材1112の下方に配置される。
【0057】
別の例では、
図8Bに示されるように、位置決め用穴1120は直線状の穴であり、位置決め用突起1131は、その両方が柱の形状である、嵌合部分11311と延長部分11312とを含む。嵌合部分11311は、直線状の穴の直径よりも大きい外径を有し、接続部材1112の上部表面の上に重ねられる。延長部分11312は、直線状の穴の直径よりも小さい外径を有し、嵌合部分11311に接続された上端と、位置決め用穴1120を垂直に下向きに貫通し、シャッタープラテン113が接続部材1112からある一定の垂直距離を有することを可能にするためにシャッタープラテン113に接続された下端とを有する。
【0058】
別の例では、
図8Cに示されるように、位置決め用穴1120はテーパ付き穴であり、位置決め用突起1131は、第1の嵌合部分11311と、第2の嵌合部分11312とを含む。第1の嵌合部分11311は、柱の形状であり、テーパ付き穴の最大直径よりも大きい外径を有し、接続部材1112の上部表面の上に重ねられる。第2の嵌合部分11312はテーパ付き柱の形状であり、基部116が冷却位置よりも低いとき、第2の嵌合部分11312の上部部分の外側周囲壁はテーパ付き穴の壁に完全に嵌合し、第2の嵌合部分11312の残りの部分は接続部材1112の下方に配置される。第2の嵌合部分11312の上端は第1の嵌合部分11311に接続され、第2の嵌合部分11312の下端は、シャッタープラテン113が接続部材1112からある一定の垂直距離を有することを可能にするために、シャッタープラテン113に接続される。
【0059】
要約すると、本開示の実施形態によって提供されるシャッターディスクアセンブリでは、シャッタープラテンは、接続部材によって第2の位置に移動し、この位置では、垂直方向に基部の支持表面を覆わずに、処理されるべきワークピースの表面がまったく覆われないようになっており、したがって、薄膜が、処理中に、処理されるべきワークピースの表面全体上に蒸着可能であり、他方、シャッタープラテンが、シャッタープラテンが基部の支持表面を覆う第1の位置にあり、かつ、基部が冷却位置にあるとき、シャッタープラテンの縁部分は、基部上に担持される処理されるべきワークピースの上部表面の縁領域に接触することで、処理されるべきワークピースが、基部に固着されるとともに、バックブローガスが、基部の支持表面と処理されるべきワークピースの下部表面との間の間隙へと導入されるとき、吹き払われることが防止されるように保証可能となっており、処理されるべきワークピースが効果的に、非常に効率的に冷却可能であり、したがって、生産性を高めることができるようになっている。
【0060】
別の技術的解決策として、本開示の一実施形態は、半導体処理デバイスをさらに提供する。たとえば、この半導体処理デバイスは、物理気相成長(PVD)デバイスであってよい。
【0061】
この実施形態では、
図9Aに示されるように、半導体処理デバイスは、基部116と上記の実施形態のいずれか1つによるシャッターディスクアセンブリ11とを有するチャンバ10を含む。バックブローパイプライン110は、基部116内に設けられ、基部116の支持表面11601と処理されるべきワークピース102の下部表面との間の間隙へとバックブローガスを導入するように構成される。基部116が、冷却位置(
図9Aに図示されない。
図11に示される基部116の位置を参照されたい)又はローディング/アンローディング位置(
図9Aに図示されない。
図10に示される基部116の位置を参照されたい)又はプロセス位置(
図9Aに示される基部116の位置)に移動可能であるように、基部116は、上げられる又は下げられることが可能である、すなわち、支持表面11601と直角をなす方向に移動可能である。ローディング/アンローディング位置は冷却位置よりも低く、プロセス位置は冷却位置よりも高い。本開示の実施形態の図面全体を通じて、支持表面11601と直角をなす方向に基部116を移動させることができる昇降機構は省略される。
【0062】
バックブローパイプライン110は、必要に応じて提供されてよく、バックブローが実施可能である限り、図示されるバックブローパイプラインに限定されないことが留意されるべきである。本開示の実施形態では、処理されるべきワークピース102を冷却するためにバックブローパイプラインへとバックブローガスを導入するケースが一例として挙げられているが、言うまでもなく、実際の適用例では、バックブローガスは、異なるプロセス要件に従って処理されるべきワークピース102を加熱するために使用されてもよい。
【0063】
本開示の実施形態において提供されるシャッターディスクアセンブリは、PVDデバイスに適用されることに限定されず、他の半導体製造プロセスにも適用されてよいことが留意されるべきである。
【0064】
図9Aに示されるように、いくつかの例では、半導体処理デバイスは、チャンバ10の側面上に設置され、チャンバ10の内部と連通するシャッターディスクガレージ010をさらに含み、シャッターディスクガレージ010は、シャッタープラテン113が第2の位置L2にあるとき、シャッタープラテン113を収容するように構成される。
【0065】
図9Aに示されるように、いくつかの例では、チャンバ10は、制限リング127と、シールド104と、カバーリング128とをさらに含む。制限リング127は、基部116上に設置され、支持表面11601を取り囲み、基部116上での処理されるべきワークピース102の位置を制限するように構成される。たとえば、基部116上に置かれた処理されるべきワークピース102に近い制限リング127の一部分は、ワークピース102の制限を容易にするように段が付けられてよい。処理されるべきワークピース102が制限リング127の中に置かれるとき、基部116から離れた処理されるべきワークピース102の表面は完全に露出される、すなわち、制限リング127は、処理されるべきワークピース102をまったく覆わず、それによって、処理されるべきワークピース102の上部表面全体を覆う薄膜の蒸着を容易にする。
【0066】
カバーリング128は、基部116がプロセス位置にあるとき制限リング127とシールド104との間の間隙を覆うように構成され、基部116がプロセス位置から下げられた後、カバーリング128は、シールド104によって支持される。さらに、ターゲット105、シールド104、カバーリング128、及び処理されるべきワークピース102はプロセス領域を形成し、このプロセス領域内でプラズマが生成される。カバーリング128及びシールド104は、比較的閉鎖した反応環境を形成し、蒸着がチャンバの内壁を汚染することを防止するように機能する。たとえば、カバーリング128は、処理されるべきワークピース102の直径よりも大きく、制限リング127の外径よりも小さい内径を有する。カバーリング128が制限リング127に押し付けられるとき、カバーリング128とシールド104との間の間隙は、カバーリング128が引き上げられたときプラズマの密封を容易にするように、限られた範囲内の値を有することができる。
【0067】
図9Bは、基部116及び制限リング127の概略斜視図を示す。基部116は、基部本体1161と、基部本体1161上に設置された頂部プレート1162とを含んでよい。
図9Bは、頂部プレート1162の縁にある制限リング127も示す。基部本体1161、頂部プレート1162、及び制限リング127は、処理されるべきワークピース102を支持し、その位置を制限するために、一緒に組み立てられてよい。通常のプロセスでは、処理されるべきワークピース102は、頂部プレート1162の上に置かれてよい。基部116は、処理されるべきワークピース102を担持する。頂部プレート1162は、基部116の一番上の部品であり、ねじによって基部本体1161に固着されてよい。制限リング127は、ねじによって頂部プレート1162に固着されてよい。
【0068】
本開示の実施形態において提供される半導体処理デバイスによれば、本開示の上記の実施形態において提供されるシャッターディスクアセンブリを使用することによって、処理されるべきワークピースの表面はまったく覆われず、したがって、薄膜は、処理中に、処理されるべきワークピースの表面全体の上に蒸着可能であり、一方、処理されるべきワークピースが効果的に、非常に効率的に冷却可能であり、したがって、生産性を高めることができるように、処理されるべきワークピースは、基部に固着され、バックブローガスが、基部の支持表面と処理されるべきワークピースの下部表面との間の間隙へと導入されるとき、吹き払われることが防止されることが保証可能である。
【0069】
別の技術的解決策として、本開示の一実施形態は、上記で説明された実施形態のいずれか1つによる半導体処理デバイスを使用して、処理されるべきワークピース102を処理することができる、半導体処理方法をさらに提供する。この半導体処理方法は、
シャッタープラテン113が第2の位置L2に維持され、基部116が、処理されるべきワークピース102の表面全体の上で処理を実行するためにプロセス位置に上げられる、処理ステップと、
処理が停止され、基部116がプロセス位置からローディング/アンローディング位置に下げられ、シャッタープラテン113が第2の位置L2から第1の位置L1に移動され、次いで、基部116が、シャッタープラテン113の縁部分Eが、基部116上に担持された処理されるべきワークピース102の上部表面の縁領域と接触するように冷却位置に上げられ、その後、バックブローガスが、バックブローパイプライン110を使用して基部116の支持表面11601と処理されるべきワークピース102の下部表面との間の間隙へと導入される、冷却ステップと
を含む。
【0070】
処理ステップ中、バックブローパイプライン110は閉鎖され、そうでない場合は、処理されるべきワークピース102は吹き払われる。薄膜蒸着プロセス中、処理されるべきワークピース102の温度は急速に上昇し、ワークピース102の温度が温度上限に到達したとき、冷却ステップに切り換わることが必要である。
【0071】
あるいは、処理ステップにおいて、処理は、物理気相成長プロセスを含む。
【0072】
あるいは、冷却ステップにおいて、基部116が冷却位置に上げられると、基部116は、シャッタープラテン113を上げることができ、したがって、シャッタープラテン113は、シャッタープラテン113の縁部分Eに、処理されるべきワークピース102の上部表面の縁領域を押させるように、それに移動可能に接続された接続部材1112に対して上向きに移動されるように冷却位置の高さが構成される。このようにして、シャッタープラテン113は、それ自体の重量を使用して、処理されるべきワークピース102を押すことができる。
【0073】
いくつかの例では、方法は、チャンバ10内のプロセスキットを交換した(たとえば、チャンバ内のシールド104、カバーリング128、及び制限リング127のうちの少なくとも1つを交換した)後で進行中の高温燃焼中にシャッタープラテン113で基部116を覆うことをさらに含む。したがって、シャッタープラテン113は、クランプリングとシャッターディスクの機能を統合することができ、これは、デバイスの性能を改善し、デバイス構造を簡略化する。
【0074】
本開示の実施形態による半導体処理方法における冷却ステップが説明されており、薄膜を蒸着させることなどを含む他のステップは、従来の物理気相成長動作を指すことがある。本開示の実施形態による半導体処理方法についてより明確に説明するために、デバイスに適用可能である半導体処理方法の一例が、以下でより詳細に説明される。
【0075】
薄膜蒸着ステップでは、処理されるべきワークピース102が処理されるとき、基部116は、処理されるべきワークピース102を支持し、プロセス位置(
図9Aに示される)に上げられ、制限リング127は、処理されるべきワークピース102の左右の位置を制限し、カバーリング128は、スパッタリングされるターゲット(たとえば、金属)がチャンバの他の部品に入ることを防止するために使用され、スパッタリングされることになるターゲット105は、チャンバ10の上方に置かれる。このとき、シャッタープラテン113は、回転シャフト111の回転とともにシャッターディスクガレージ010へと回転される。
【0076】
バックブロー冷却ステップでは、
図10に示されるように、基部116はローディング/アンローディング位置に下げられ、処理されるべきワークピース102も基部116とともに下げられ、次いで、シャッタープラテン113は、処理されるべきワークピース102の上方の位置に回転される。基部116は、その冷却位置よりも低いローディング/アンローディング位置にあるので、基部116とシャッタープラテン113は、互いと干渉することを防止可能である。
【0077】
上記の動作が完了した後、
図11に示されるように、基部116は冷却位置に上げられ、処理されるべきワークピース102は、シャッタープラテン113の縁部分Eが処理されるべきワークピース102の上部表面の縁領域を押すように、シャッタープラテン113を接続部材1112に対してある一定の距離上向きに移動させるように、シャッタープラテン113を上げるために基部116とともに上げられる。このとき、シャッタープラテン113の重量が、処理されるべきワークピース102に押し付けられ、次いで、バックブローガスが、バックブローパイプライン110を使用して、基部116の支持表面11601と処理されるべきワークピース102の下部表面との間の間隙へと導入され得る。たとえば、シャッタープラテン113の重量は、処理されるべきワークピース102の面積×その背面に対するガス圧力の積よりも大きくてよく、ガス圧力は、たとえば、7トル以下の圧力であってよいが、制限されない。
【0078】
冷却が完了した後、ガスの導入が停止され、基部116は、その上に担持された処理されるべきワークピース102とともに下げられ、シャッタープラテン113も、シャッタープラテン113が接続部材1112に吊持されるまで、基部116とともに下げられる(
図10を参照されたい)。その後、シャッタープラテン113はシャッターディスクガレージ010へと回転され、次いで、基部116は、薄膜蒸着プロセスのために再びプロセス位置(
図9Aに示される)に上げられる。薄膜蒸着ステップとバックブロー冷却ステップは、このようにして循環的に実行される。
【0079】
以下の点が留意される必要がある。
【0080】
(1)開示の実施形態の図面は、開示の実施形態に関与する構造を示しているにすぎず、他の構造は一般的な設計を参照し得る。
【0081】
(2)本開示の同じ実施形態及び異なる実施形態に開示されている特徴は、矛盾することなく互いと組み合わされ得る。
【0082】
上記は、本開示の例示的な実装形態にすぎないが、本開示の範囲を限定することを意図したものではなく、本開示は、添付の特許請求の範囲によって定義される。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] 接続部材とシャッタープラテンとを備え、ここにおいて、
前記接続部材は、前記シャッタープラテンが、前記シャッタープラテンが基部の支持表面を覆う、前記基部の上方の第1の位置に、又は前記シャッタープラテンが垂直方向において前記基部の前記支持表面と重複しない第2の位置に移動することを可能にするように構成され、
前記シャッタープラテンが前記第1の位置にあり、前記基部が冷却位置にあるとき、前記シャッタープラテンの縁部分が、前記基部上に担持された処理されるべきワークピースの上部表面の縁領域と接触する
ことを特徴とするシャッターディスクアセンブリ。
[2] 前記縁部分が、前記基部が前記冷却位置よりも低いとき、処理されるべき前記ワークピースから分離され、前記基部を前記冷却位置に上げるプロセス中、前記基部が、処理されるべき前記ワークピースの前記縁領域を前記縁部分に押させるために前記シャッタープラテンを上げるように、前記シャッタープラテンが前記接続部材に移動可能に接続されることを特徴とする、[1]に記載のシャッターディスクアセンブリ。
[3] 垂直方向に前記接続部材を貫通する位置決め用穴が前記接続部材内に設けられ、位置決め用突起が前記シャッタープラテンの上部表面上に設けられ、前記基部が前記冷却位置よりも低いとき、前記シャッタープラテンが前記位置決め用突起を介して前記接続部材に吊持され、前記位置決め用突起が、前記基部を前記冷却位置に上げ、したがって前記シャッタープラテンを上げる前記プロセス中に、前記位置決め用穴に対して上向きに移動することが可能にされるように、前記位置決め用突起が前記位置決め用穴へと嵌合することを特徴とする、[2]に記載のシャッターディスクアセンブリ。
[4] 前記位置決め用穴が、上から下に向かって直径が減少するテーパ付き穴であることを特徴とする、[3]に記載のシャッターディスクアセンブリ。
[5] 前記位置決め用突起がテーパ付き嵌合部分を備え、前記基部が前記冷却位置よりも低いとき、前記嵌合部分の外側周囲壁が前記テーパ付き穴の壁を嵌合することを特徴とする、[4]に記載のシャッターディスクアセンブリ。
[6] 前記位置決め用穴が、その壁の上に段を有する直線状の穴であり、前記位置決め用突起が嵌合部分を備え、前記嵌合部分の少なくとも一部は、前記基部が前記冷却位置よりも低いとき、前記段の上に重ねられることを特徴とする、[3]に記載のシャッターディスクアセンブリ。
[7] 前記位置決め用突起が、垂直に設置され、前記嵌合部分に接続された上端と前記シャッタープラテンに接続された下端とを有する円筒状延長部分をさらに備え、前記円筒状延長部分の外径が前記テーパ付き穴の最小直径よりも小さいことを特徴とする、[5]又は[6]に記載のシャッターディスクアセンブリ。
[8] 前記基部の側面上に垂直に設置され、前記接続部材に接続された回転シャフトと、
前記接続部材が前記回転シャフトの周りで前記第1の位置又は前記第2の位置に回転することを可能にするように、回転するように前記回転シャフトを駆動するように構成された駆動源と
を備える回転機構をさらに備えることを特徴とする、[3]に記載のシャッターディスクアセンブリ。
[9] 前記シャッタープラテンがプラテン本体を備え、環状突起が、前記プラテン本体の下部表面の縁領域上に形成され、前記縁部分として働き、前記環状突起が、閉リングの形状をとり、前記シャッタープラテンの円周方向に沿って設置されるか、又は、前記環状突起が、前記シャッタープラテンの前記円周方向に沿って間隔をおいて設置された複数の副突起を備えることを特徴とする、[1]に記載のシャッターディスクアセンブリ。
[10] 前記シャッタープラテンがプラテン本体を備え、環状突起が、前記プラテン本体の外側周囲壁上に形成され、前記縁部分として働くために前記プラテン本体の下部表面に対して突き出し、前記環状突起が、閉リングの形状をとり、前記シャッタープラテンの円周方向に沿って設置されるか、又は、前記環状突起が、前記シャッタープラテンの前記円周方向に沿って間隔をおいて設置された複数の副突起を備えることを特徴とする、[1]に記載のシャッターディスクアセンブリ。
[11] チャンバを備える半導体処理デバイスであって、前記チャンバが、基部と、[1]から[10]のいずれか一項に記載のシャッターディスクアセンブリとを備え、
バックブローパイプラインが、前記基部内に設けられ、前記基部の支持表面と処理されるべきワークピースの下部表面との間の間隙へとバックブローガスを導入するように構成され、
前記基部が、冷却位置又はローディング/アンローディング位置又はプロセス位置に移動可能であるように上げられる又は下げられることが可能であり、前記ローディング/アンローディング位置が前記冷却位置よりも低く、前記プロセス位置が前記冷却位置よりも高い
ことを特徴とする半導体処理デバイス。
[12] 前記チャンバが、
前記基部上に設置され、前記支持表面を取り囲み、前記基部上での処理されるべき前記ワークピースの位置を制限するように構成された制限リングと、
前記チャンバの側壁の内側で前記チャンバの前記側壁の周りに設置されたシールドと、 前記基部が前記プロセス位置にあるとき前記制限リングと前記シールドとの間の間隙を覆い、前記基部が前記プロセス位置から下げられるとき前記シールドによって支持されるように構成されたカバーリングと
をさらに備えることを特徴とする、[11]に記載の半導体処理デバイス。
[13] 前記チャンバの側面上に設置され、前記チャンバの内部と連通するシャッターディスクガレージをさらに備え、ここにおいて、前記シャッターディスクガレージが、シャッタープラテンが第2の位置にあるとき、前記シャッタープラテンを収容するように構成されることを特徴とする、[11]に記載の半導体処理デバイス。
[14] [11]から[13]のいずれか一項に記載の半導体処理デバイスを使用して処理されるべきワークピースを処理する半導体処理方法であって、
シャッタープラテンが第2の位置に維持され、基部が、処理されるべき前記ワークピースの上部表面全体上で処理を実行するためにプロセス位置に上げられる処理ステップと、 前記処理が停止され、前記基部が前記プロセス位置からローディング/アンローディング位置に下げられ、前記シャッタープラテンが前記第2の位置から第1の位置に移動され、次いで、前記基部が、前記基部上に担持された処理されるべき前記ワークピースの前記上部表面の縁領域と前記シャッタープラテンの縁部分を接触させるために冷却位置に上げられ、次いで、バックブローパイプラインを使用して前記基部の支持表面と処理されるべき前記ワークピースの下部表面との間の間隙へとバックブローガスを導入する冷却ステップと
を備えることを特徴とする半導体処理方法。
[15] 前記冷却ステップにおいて、前記基部を前記冷却位置に上げるプロセス中、前記シャッタープラテンの前記縁部分が、処理されるべき前記ワークピースの前記上部表面の前記縁領域を押すように、前記シャッタープラテンをそれに移動可能に接続された接続部材に対して上向きに移動させるために前記基部が前記シャッタープラテンを上げることが可能であるように前記冷却位置の高さが構成されることを特徴とする、[14]に記載の半導体処理方法。
[16] 前記処理ステップにおいて、前記処理が物理気相成長プロセスを備えることを特徴とする、[14]に記載の半導体処理方法。