(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-09
(45)【発行日】2022-09-20
(54)【発明の名称】画像処理装置、医用画像診断装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A61B 6/03 20060101AFI20220912BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20220912BHJP
【FI】
A61B6/03 360J
A61B6/03 360D
A61B6/03 360T
G06T7/00 612
(21)【出願番号】P 2021063994
(22)【出願日】2021-04-05
(62)【分割の表示】P 2017129423の分割
【原出願日】2017-06-30
【審査請求日】2021-04-05
(73)【特許権者】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】谷口 敦司
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 智也
(72)【発明者】
【氏名】田口 安則
【審査官】遠藤 直恵
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/086433(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00-6/14、5/055、8/00-8/15
G06T 7/00ー7/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用画像データを取得する画像取得部と、
前記医用画像データに基づく医用画像に含まれる要素が体内の物質及び構造に対応する分類項目のうち少なくともいずれかに分類される尤もらしさを表す複数の尤度値を、前記医用画像の画素毎に取得する尤度取得部と、
前記複数の尤度値を用いて複数の特徴量を算出する特徴量算出部と、
前記複数の特徴量を用いて病変、体組織又は臓器の領域を識別する識別部と、
を具備し、
前記特徴量算出部は、前記画素毎に取得された前記複数の尤度値と予め設定した重み係数を掛け合わせることにより前記複数の特徴量を算出し、前記複数の特徴量を画像全体にわたって足し合わせることで、1つの画像に対して1つの特徴ベクトルを生成し、
前記識別部は、前記
特徴ベクトルを用いて、病変、体組織、又は臓器に対応するテクスチャパターンを識別し、
前記体内の物質
及び構造は、識別したいテクスチャパターンに含まれる物質又は構造である、
画像処理装置。
【請求項2】
前記尤度取得部は、前記画素の画素値に応じて前記尤度値を取得する請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記尤度取得部は、各画素、及びその画素の周囲の画素の画素値に応じて前記尤度値を取得する請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記尤度取得部は、前記各画素と、その画素の周囲の画素との間の距離を複数設定し、前記距離毎に、前記各画素と、その画素の周囲の画素の画素値に応じて前記尤度値を取得する請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記尤度取得部は、前記画素値と対応している、体内の物質及び構造の頻度分布に基づいて前記尤度値を取得する請求項2乃至4のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記頻度分布は、一次元ヒストグラム、又は多次元共起ヒストグラムを含む請求項
5記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記医用画像は、CT画像を含む請求項1乃至
6のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記体内の物質は、CT画像の画素値に基づいて分類可能な、空気、ガス、脂肪組織、水、軟組織、及び石灰化組織のうち少なくともいずれかを含む請求項
7に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記体内の構造は、体組織の塊構造、管又は線構造、及び、板又は膜構造のうち少なくともいずれかを含む請求項1乃至
8のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記医用画像は、肺を撮像した画像を含む請求項
7記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記体内の物質は、空気、肺実質、すりガラス陰影、充実性陰影、血管、及び結節のうち少なくともいずれかを含む請求項
10記載の画像処理装置。
【請求項12】
医用画像データを取得する撮影部と、
前記医用画像データに基づく医用画像に含まれる要素が体内の物質及び構造に対応する分類項目のうち少なくともいずれかに分類される尤もらしさを表す複数の尤度値を、前記医用画像の画素毎に取得する尤度取得部と、
前記複数の尤度値を用いて複数の特徴量を算出する特徴量算出部と、
前記複数の特徴量を用いて病変、体組織又は臓器の領域を識別する識別部と、
を具備し、
前記特徴量算出部は、前記画素毎に取得された前記複数の尤度値と予め設定した重み係数を掛け合わせることにより前記複数の特徴量を算出し、前記複数の特徴量を画像全体にわたって足し合わせることで、1つの画像に対して1つの特徴ベクトルを生成し、
前記識別部は、前記
特徴ベクトルを用いて、病変、体組織、又は臓器に対応するテクスチャパターンを識別し、
前記体内の物質
及び構造は、識別したいテクスチャパターンに含まれる物質又は構造である、
医用画像診断装置。
【請求項13】
医用画像データを取得する処理と、
前記医用画像データに基づく医用画像に含まれる要素が体内の物質及び構造に対応する分類項目のうち少なくともいずれかに分類される尤もらしさを表す複数の尤度値を、前記医用画像の画素毎に取得する処理と、
前記複数の尤度値を用いて複数の特徴量を算出する処理と、
前記複数の特徴量を用いて、病変、体組織、又は臓器に対応するテクスチャパターンを識別することにより、病変、体組織又は臓器の領域を識別する処理と、
をプロセッサに実行させるプログラムであって、
前記特徴量を算出する処理は、前記画素毎に取得された前記複数の尤度値と予め設定した重み係数を掛け合わせることにより前記複数の特徴量を算出し、前記複数の特徴量を画像全体にわたって足し合わせることで、1つの画像に対して1つの特徴ベクトルを生成し、
前記識別する処理は、前記特徴ベクトルを用いて、病変、体組織、又は臓器に対応するテクスチャパターンを識別し、
前記体内の物質
及び構造は、識別したいテクスチャパターンに含まれる物質又は構造である、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、画像処理装置、医用画像診断装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
X線CT(Computed Tomography)装置等の医用画像診断装置によって収集された画像のテクスチャパターンを自動で識別する技術が知られている。この種の技術は、CT画像上で特徴的なテクスチャパターンを示す、例えば、びまん性肺疾患等の疾患の診断に有用である(例えば、非特許文献1参照。)。そのため、この種の技術は、所定の疾患等の診断への活用が期待されている。
【0003】
ところで、医師は、患者のCT画像から特徴的なテクスチャパターンを抽出することで読影を行う。近年のX線CT装置の高精細化等に伴い、病変の詳細な読影が可能とはなってはいるものの、目視での読影は医師にとって負担が大きい。また、特徴的なテクスチャパターンを抽出するには経験が必要なため、医師によって診断結果にばらつきが生じる場合がある。
【0004】
このような問題を解決するため、コンピュータ支援診断が近年注目されている。例えば、CT画像の肺野に属する関心領域から特徴量を抽出し、抽出した特徴量に基づいて機械学習によってテクスチャパターンを自動で識別する方法が知られている。識別精度を向上させるためには、特徴抽出方法の設計が重要である。しかしながら、従来はCT画像から直接特徴量を抽出しているため、識別に有効な特徴量を抽出することが難しく、識別制度を向上させることが困難な場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【非特許文献】
【0006】
【文献】D. M. Hansell著、「Fleischner Society: glossary of terms for thoracic imaging」、Radiology、Vol.246、No.3、p.697-722、2008年
【文献】V. Lepetit著、「Keypoint Recognition using Randomized Trees」、IEEE Transactions on Pattern Analysis and Machine Intelligence、Vol.28、No.9、p.1465-1479、2006年
【文献】A. F. Frangi著、「Multiscale Vessel Enhancement Filtering」、Medical Image Computing and Computer-Assisted Intervention (MICCAI)、LNCS、vol.1496、p.130-137、1998年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、目的は、医用画像のテクスチャパターンの識別精度を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態によれば、画像処理装置は、画像取得部、尤度取得部、及び特徴量算出部を具備する。画像取得部は、医用画像データを取得する。尤度取得部は、前記医用画像データに基づく医用画像に含まれる要素が体内の物質及び構造に対応する分類項目のうち少なくともいずれかに分類される尤もらしさを表す複数の尤度値を、前記医用画像の画素毎に取得する。特徴量算出部は、前記複数の尤度値を用いて複数の特徴量を算出する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る画像処理装置を含む医用情報システムを示す図である。
【
図2】
図2は、
図1に示される画像処理装置の機能構成を示す図である。
【
図3】
図3は、
図2に示される処理回路の動作を説明する図である。
【
図4】
図4は、
図2に示される尤度取得機能により尤度値が取得される処理を示す図である。
【
図5】
図5は、
図2に示される尤度取得機能により尤度値が取得される処理のその他の例を示す図である。
【
図7】
図7は、
図2に示される尤度取得機能により尤度値が決定木学習により取得される処理の例を示す図である。
【
図8】
図8は、
図2に示される尤度取得機能により構造強調フィルタによって構造に関する尤度値が取得される処理の例を示す図である。
【
図9】
図9は、
図2に示される特徴量算出機能により特徴ベクトルが作成される処理を示す図である。
【
図10】
図10は、ニューラルネットワークを用いて重み係数を学習する処理を示す図である。
【
図11】
図11は、
図1に示される画像処理装置の機能構成に識別能を有する場合の例を示す図である。
【
図12】
図12は、
図2に示される処理回路の動作のその他の例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、本実施形態に係る画像処理装置10を含む医用情報システム1の例を示す図である。
図1に示される医用情報システム1は、画像処理装置10、医用画像診断装置20、及び画像保管装置30を具備する。画像処理装置10、医用画像診断装置20、及び画像保管装置30は、例えば、病院内に設置された院内LAN(Local Area Network)により、直接的、又は間接的に相互に通信可能に接続されている。例えば、画像保管装置30がPACS(Picture Archiving and Communication System)を構成する場合、画像処理装置10、医用画像診断装置20、及び画像保管装置30は、DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)規格に則って、例えば、医用画像データを相互に送受信する。
【0012】
医用画像診断装置20は、被検体を撮影することにより医用画像データを発生する装置である。医用画像診断装置20は、例えば、X線診断装置、X線CT(Computed Tomography)装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、超音波診断装置、SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)装置、PET(Positron Emission computed Tomography)装置、SPECT装置とX線CT装置とが一体化されたSPECT-CT装置、PET装置とX線CT装置とが一体化されたPET-CT装置、PET装置とMRI装置とが一体化されたPET-MRI装置、又はこれらの装置群等である。
【0013】
画像保管装置30は、医用画像データを保管するデータベースである。画像保管装置30は、例えば、画像処理装置10、及び医用画像診断装置20で発生された医用画像データを、内部に設けられている記憶回路に記憶する。
【0014】
画像処理装置10は、医用画像診断装置20で発生された医用画像データ、及び画像保管装置30から読み出された医用画像データに対して画像処理を施す装置である。
図2は、本実施形態に係る画像処理装置10の機能構成の例を示す図である。
図2に示される画像処理装置10は、処理回路11、入力インタフェース12、出力インタフェース13、通信インタフェース14、及び記憶回路15を有する。
【0015】
処理回路11は、画像処理装置10の中枢として機能するプロセッサである。処理回路11は、記憶回路15に記憶されているプログラムを実行することで、実行したプログラムに対応する機能を実現する。なお、処理回路11は、記憶回路15で記憶されているデータの少なくとも一部を記憶する記憶領域を備えても構わない。
【0016】
入力インタフェース12は、画像処理装置10に対して操作者から入力される各種操作を受け付ける。入力インタフェース12は、例えば、マウス、キーボード、及び操作面へ触れることで指示が入力されるタッチパネル等により実現される。入力インタフェース12は、処理回路11に接続され、操作者から入力される操作指示を電気信号へ変換し、電気信号を処理回路11へ出力する。なお、本明細書において入力インタフェース12はマウス、及びキーボード等の物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、画像処理装置10とは別体に設けられた外部の入力機器から入力される操作指示に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を処理回路11へ出力する電気信号の処理回路も入力インタフェース12の例に含まれる。
【0017】
出力インタフェース13は、処理回路11に接続され、処理回路11から供給される信号を出力する。出力インタフェース13は、例えば、表示回路であり、例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、LEDディスプレイ、及びプラズマディスプレイ等により実現される。表示回路は、例えば、医用画像データに基づく医用画像を表示する。なお、表示対象を表すデータをビデオ信号に変換し、ビデオ信号を外部へ出力する処理回路も出力インタフェース13に含まれる。
【0018】
通信インタフェース14は、例えば、病院内ネットワークと接続する。通信インタフェース14は、例えば、病院内ネットワークを介して医用画像診断装置20、及び画像保管装置30から、医用画像データを受信する。
【0019】
記憶回路15は、磁気的、若しくは光学的記録媒体、又は半導体メモリ等の、プロセッサにより読み取り可能な記録媒体等を含む。また、記憶回路15は、CD-ROMドライブ、DVDドライブ、及びフラッシュメモリ等の可搬性記憶媒体との間で種々の情報を読み書きする駆動装置等であっても良い。なお、記憶回路15は、必ずしも単一の記憶装置により実現される必要は無い。例えば、記憶回路15は、複数の記憶装置により実現されても構わない。
【0020】
記憶回路15は、処理回路11からの制御に応じ、受信したデータを記憶する。例えば、記憶回路15は、医用画像診断装置20、及び画像保管装置30から出力された医用画像データを記憶する。
【0021】
また、記憶回路15は、処理回路11からの制御に応じ、記憶しているデータを読み出す。例えば、記憶回路15は、処理回路11からの制御に応じ、記憶している医用画像データを読み出す。また、例えば、記憶回路15は、本実施形態に係るプログラムを記憶している。記憶回路15は、処理回路11からの制御に応じ、記憶しているプログラムを読み出す。また、記憶回路15は、例えば、体内の物質及び構造の頻度分布に関するデータ、決定木学習に関するデータ、構造強調フィルタに関するデータ、並びに、重み係数に関するデータ等を記憶している。記憶回路15は、処理回路11からの制御に応じ、記憶している各種データを読み出す。
【0022】
本実施形態に係る処理回路11は、本実施形態に係るプログラムを実行することにより、医用画像に含まれる要素が所定の構成に対応する分類項目に分類される尤もらしさを用いて特徴量を算出する。具体的には、処理回路11は、記憶回路15に記憶されるプログラムを実行することで、画像取得機能110、尤度取得機能111、及び特徴量算出機能112を有する。
【0023】
画像取得機能110は、所望の医用画像データを取得する機能である。例えば、画像取得機能110を実行すると処理回路11は、記憶回路15に記憶されている医用画像データを読み出す。なお、画像取得機能110は、医用画像診断装置20、及び画像保管装置30から、所望の医用画像データを取得するようにしても構わない。
尤度取得機能111は、医用画像に含まれる要素が所定の構成に対応する分類項目に分類される尤もらしさを表す尤度を取得する機能である。例えば、尤度取得機能111を実行すると、処理回路11は、医用画像の各画素についてN個の尤度値を取得することで、多チャンネルの画像を生成する。
図3は、本実施形態に係わる処理回路11の動作を模式的に説明する図である。
図3によれば、処理回路11は、医用画像の各画素について尤度値を取得することで、尤度1~尤度Nの尤度画像を発生する。
【0024】
特徴量算出機能112は、尤度取得機能111で取得された尤度値に基づいて特徴量を算出する機能である。例えば、特徴量算出機能112を実行すると、処理回路11は、取得された複数の尤度値を用いて複数の特徴量を算出し、算出した複数の特徴量から特徴ベクトルを生成する。
図3によれば、処理回路11は、尤度1~尤度Nの尤度画像に基づき、特徴ベクトルを生成する。
【0025】
次に、
図2に示される尤度取得機能111の処理について具体的に説明する。なお、以下では、医用画像診断装置20がCT画像データを発生するX線CT装置であり、画像処理装置10が、医用画像データとして、医用画像診断装置20で発生されたCT画像データを受信する場合を例に説明する。
【0026】
まず、X線CT装置である医用画像診断装置20は、被検体の撮像領域をX線で撮像する。具体的には、医用画像診断装置20は、X線管とX線検出器とが取り付けられた回転フレームを回転しながら、X線管からX線を発生する。X線検出器は、X線管から発生され被検体を透過したX線を検出する。医用画像診断装置20は、X線検出器により検出されたX線に応じた生データを、データ収集回路(Data Acquisition System:DAS)により収集し、収集された生データに基づいてCT画像データを画像再構成装置により再構成する。
【0027】
本実施形態に係るCT画像データは、CT値の2次元の空間分布を示すスライス画像を表すデータであるとする。スライス画像は、2次元状に配列された複数のピクセルにより構成される。各ピクセルにはCT値が割り当てられる。また、CT画像データに基づくCT画像は、対象臓器全体を撮像した画像でもよく、注目する局所領域に限定した画像であってもよい。なお、CT画像データは、CT値の3次元の空間分布を示すボリューム画像を表すデータであっても構わない。ボリューム画像は、3次元状に配列された複数のボクセルにより構成される。各ボクセルにはCT値が割り当てられる。
【0028】
医用画像診断装置20は、発生したCT画像データを、病院内ネットワークを介して画像処理装置10へ送信する。画像処理装置10は、医用画像診断装置20から送信されたCT画像データを受信すると、受信したCT画像データを記憶回路15に記憶する。
【0029】
画像処理装置10の処理回路11は、例えば、入力インタフェース12を介して操作者から画像処理の開始指示が入力されると、画像取得機能110を実行する。画像取得機能110を実行すると処理回路11は、記憶回路15から操作者が所望するCT画像データを読み出す。処理回路11は、CT画像データが読み出されると、尤度取得機能111を実行する。尤度取得機能111を実行すると処理回路11は、CT画像データに含まれる画素の画素値(輝度値)に基づき、その画素で表される体内の物質、及び構造それぞれについて尤度値を取得する。
【0030】
具体的には、例えば、処理回路11は、体内の物質、及び構造の頻度分布を表す一次元ヒストグラムを用いて尤度値を取得する。
図4は、
図2に示される尤度取得機能111により尤度値が取得される処理の例を模式的に示す図である。
図4は、肺野に属する関心領域についてのCT画像に関し、尤度値を算出する場合を例に説明している。
【0031】
CT画像の画素値は、空気-1000HU、水0HUを基準として体内の物質及び構造毎に設定されるヒストグラムにおける特定の範囲に分布する。特に、空気は-950HU以下、肺野(肺実質)は-950HU~-850HU、すりガラス状構造は-850HU~-300HU、血管等は-300HU以上の範囲に分布する場合が多い。テクスチャパターンの画素値も疾患の種類によって変化するため、画素値がどの範囲に分布しているかは識別において重要な特徴である。
【0032】
記憶回路15は、
図4に示されるようなヒストグラムを予め記憶している。処理回路11は、記憶回路15からヒストグラムを読み出し、読み出したヒストグラムに基づき、一つの画素値から4つの尤度値を算出する。具体的には、
図4に示される4つの物質の分布はそれぞれ確率密度関数p(I(x)|c
k),(k=1:空気、2:肺実質、3:すりガラス状構造、4:血管等)であることから、画素位置xにおける画素値をI(x)とすると、ベイズの定理を用いて事後確率を以下のように算出できる。
【0033】
【0034】
ここで、p(ck)は事前確率を表し、一様(=1/4)としてもよい。処理回路11は、式(1)により求められる、画素値がそれぞれの分布に属する確率(0~1)を、尤度値として用いる。処理回路11は、例えば、式(1)に示される計算を、CT画像データに含まれる全ての画素に対して実施し、画素毎に複数の尤度値を取得する。
【0035】
また、例えば、処理回路11は、二次元共起ヒストグラムを用いて尤度値を取得しても構わない。式(1)の尤度値は、一つの画素値から計算されているため、空間的な情報を含んでいない。そのため、テクスチャパターンの形状を表現することが困難な場合がある。そこで、空間的に近い位置にある画素値ペアの共起ヒストグラムを用いるようにしてもよい。
【0036】
図5は、共起ヒストグラムを用いて尤度値を取得する処理の例を模式的に示す図である。
図5は、肺野に属する関心領域についてのCT画像に関し、尤度値を算出する場合を例に説明している。記憶回路15は、
図5に示されるような共起ヒストグラムを予め記憶している。処理回路11は、尤度取得機能111において、記憶回路15から共起ヒストグラムを読み出し、読み出した共起ヒストグラムに基づき、一つの画素値から複数の尤度値を算出する。具体的には、処理回路11は、画素位置xにおける画素値をI(x)とし、xから距離rだけ離れた位置yにおける画素値をI(y)として同時確率密度関数p(I(x),I(y)|c
k,r),(k=1:空気、2:肺実質、3:すりガラス状構造、4:血管等)を求める。そして、処理回路11は、式(2)に示されるように事後確率を算出し、算出した事後確率を尤度値として用いる。
【0037】
【0038】
なおr=0の場合、x=yとなるため、式(2)により求められる事後確率は、式(1)により求められる事後確率と同値となる。ここで、画素位置yには複数の候補が考えられるが、例えば、
図6に示されるように、xから同一距離にある円周上の点から取得した複数の尤度値の平均値を用いるとよい。
図5では、rをパラメータ(r=1~5)として算出した結果例が示されている。距離r毎に4つの尤度値が取得でき、r=1~5の5つのrを全て用いた場合、取得される尤度値の数は、合計20(=4×5)個となる。処理回路11は、例えば、式(2)に示される計算を、CT画像データに含まれる全ての画素に対して実施し、画素毎に複数の尤度値を取得する。
【0039】
複数の距離を用いることで、異なるスケールの構造を捉えることが可能となる。また、空間的な情報を加味しながら、テクスチャパターンの形状を識別することが可能となる。なお、処理回路11は、二次元共起ヒストグラムを用いた処理を、3つ以上の画素値を用いた多次元共起ヒストグラムを用いた処理へ拡張することも可能である。
【0040】
また、例えば、処理回路11は、決定木学習を用いて尤度値を取得しても構わない。
図7は、決定木学習を用いて尤度値を取得する処理の例を模式的に示す図である。
図7は、肺野に属する関心領域についてのCT画像に関し、尤度値を算出する場合を例に説明している。
図7によれば、処理回路11は、決定木の末端ノードで設定されている頻度分布に基づいて尤度値を決定する(例えば、非特許文献2参照)。
【0041】
具体的には、例えば、
図7に示されるような、所定の広さの局所領域内におけるランダムな2点の画素間の画素値差の大小関係に基づいて分岐を行う木構造を予め複数(M個)学習しておく。入力する領域として、例えば、空気、肺実質、すりガラス、及び血管の4つのパターンを用いれば、末端ノードに到達した学習サンプルの頻度分布により、空気、肺実質、すりガラス、及び血管についての尤度を算出することが可能となる。なお、局所領域は複数の広さが設定されており、木構造は設定されている広さの局所領域毎に学習されている。木構造学習についての情報は、記憶回路15に記憶されている。
【0042】
処理回路11は、尤度取得機能111において、所定の広さの局所領域が入力されると、学習済みの決定木に従って領域内のランダムな2点の画素ペアを選択する。処理回路11は、局所領域内における2点の画素の大小関係に基づく分岐を繰り返し、末端ノードで設定されている学習サンプルの頻度分布を取得する。処理回路11は、取得した頻度分布に基づき、例えば、空気、肺実質、すりガラス、及び血管についての尤度値を算出する。例えば、処理回路11は、複数(M個)の木毎の尤度値の平均値を、空気、肺実質、すりガラス、及び血管についての尤度値とするとよい。
【0043】
処理回路11は、入力された所定の局所領域をスライドさせながら、CT画像データに含まれる全ての画素について複数の尤度値を取得する。また、処理回路11は、記憶回路15に記憶されている複数の広さの局所領域について同様の処理を実施し、記憶されている局所領域毎に複数の尤度値を取得する。
【0044】
また、例えば、処理回路11は、強調フィルタを用いて尤度値を取得しても構わない。
図8は、強調フィルタを用いて尤度値を取得する処理の例を模式的に示す図である。
図8は、肺野に属する関心領域についてのCT画像に関し、尤度値を算出する場合を例に説明している。肺内には結節等の塊構造、血管等の管構造、及び葉間膜等の膜構造が含まれる。そのため、塊構造、管構造、及び膜構造の尤度値を取得することはテクスチャパターンの識別において重要な情報となる。
図8によれば、処理回路11は、体内の物質、及び構造の強調フィルタに基づいて尤度値を取得する(例えば、非特許文献3参照)。
【0045】
なお、処理回路11は、例えば、構造についての尤度値を取得するための学習済みのニューラルネットワーク等を利用した識別機能を有していても構わない。このとき、記憶回路15には、例えば、学習済みの機械学習に関するデータが予め記憶されている。処理回路11は、識別機能において、記憶回路15に記憶されているデータに基づく学習済みのニューラルネットワークを利用し、構造についての尤度値を取得する。
【0046】
なお、
図4乃至
図8を用いた尤度取得機能111の説明では、処理回路11は、CT画像に含まれる1つの画素から、空気、肺実質、すりガラス陰影、血管、塊構造、管構造、及び膜構造の7種類の物質及び構造についての尤度値を取得する場合を例に説明した。しかしながら、これに限定されない。処理回路11は、他の物質及び構造についての尤度値を取得しても構わない。例えば、CT画像には、充実性陰影、及び結節が含まれていてもよい。また、CT画像には、管構造に代えて線構造が含まれていてもよく、さらに、膜構造に代えて板構造が含まれていてもよい。また、CT画像に肺以外の領域が含まれている場合には、CT画像に、画素値に基づいて分類可能な、ガス、脂肪組織、水、軟組織、及び石灰化組織等が含まれていてもよい。処理回路11は、空気、肺実質、すりガラス陰影、充実性陰影、血管、結節、ガス、脂肪組織、水、軟組織、石灰化組織、塊構造、管又は線構造、並びに、膜又は板構造についての尤度値のうち、少なくともいずれかを取得しても構わない。
【0047】
次に、
図2に示される特徴量算出機能112の処理について具体的に説明する。処理回路11は、例えば、CT画像に含まれる各画素についての尤度値を取得すると、特徴量算出機能112を実行する。
図9は、
図2に示される特徴量算出機能112により特徴ベクトルが作成される処理の例を模式的に示す図である。特徴量算出機能112において処理回路11は、尤度取得機能111によりCT画像の各画素で取得されたN個の尤度値に対し、適当な重み係数をかける。処理回路11は、重み係数をかけた尤度値を画像全体にわたって足し合わせることで1つの特徴ベクトルを作成する。
【0048】
具体的には、処理回路11は、チャンネルi(i=1~N)の尤度値を並べたベクトルをベクトルviとすると、ベクトルviと同じ長さの重み係数を並べたベクトルwiをKi個用意する。処理回路11は、Ki個のベクトルwiを並べ、以下に示される行列Wiとする。
【0049】
【0050】
数(3)において、Vは画素数を表す。
【0051】
処理回路11は、行列Wiを用いて、特徴量を並べたベクトルuを、以下のように算出する。
【0052】
【0053】
数(4)において、Pは特徴量の総数を表す。処理回路11は、算出したベクトルuを、画像全体にわたって足し合わせることで、特徴ベクトルを作成する。
【0054】
なお、処理回路11は、ベクトルuを、バイアスベクトルbを加えて以下のように算出してもよい。
【0055】
【0056】
また、数(3)~(5)を用いた説明では、チャンネル毎に重み係数を設定した。しかしながら、これに限定されない。重み係数は、同一であっても構わない。
【0057】
尤度値にかけられる重み係数は、種々の手法により決定される。例えば、重み係数は、ガウシアンフィルタ、ガボールフィルタ、平均値フィルタ、及びボックスフィルタ等の決められた値を用いてもよい。また、重み係数は、機械学習により最適な値を決定してもよい。
図10は、ニューラルネットワークを用いて重み係数を学習する処理の例を模式的に示す図である。例えば、予め識別したいテクスチャパターンの数にあわせた出力ユニットと、重み係数との掛け合わせによって得られた特徴量とを全結合層でつなぐネットワークを用意する。なお、重み係数の初期値は、ガウス分布、及び一様分布等からランダムに設定するとよい。そして、例えば、誤差逆伝播法を用いて重み係数を繰り返し更新する。機械学習を用いる場合、識別したい問題に合わせて自動的に重み係数が決定される。そのため、ガウシアンフィルタ等の予め決められた重み係数を用いるよりも識別精度が向上する場合がある。
【0058】
以上のように、本実施形態では、処理回路11は、画像取得機能110により、所望の医用画像データを取得する。処理回路11は、尤度取得機能111により、医用画像の各画素について、画素値に応じ、複数種類の体内の物質及び構造に関する尤度値をそれぞれ取得する。そして、処理回路11は、特徴量算出機能112により、取得した複数の尤度値を用いて複数の特徴量を算出する。このように、処理回路11は、画像から直接特徴抽出するのではなく、識別すべきテクスチャパターンに関連のある体内の物質及び構造の尤度を用いて特徴抽出を実施するようにしている。これにより、処理回路11は、識別能力の高い特徴量を求めることが可能となる。
【0059】
したがって、本実施形態に係る画像処理装置10によれば、医用画像のテクスチャパターンの識別精度を向上できる。
【0060】
なお、上記実施形態では、処理回路11が画像取得機能110、尤度取得機能111、及び特徴量算出機能112を有する場合を例に説明した。しかしながら、これに限定されない。例えば、
図11に示されるように、処理回路11aは、識別機能113を有しても構わない。処理回路11aは、記憶回路15に記憶されているプログラムを実行することで、画像取得機能110、尤度取得機能111、特徴量算出機能112、及び識別機能113を有する。
【0061】
識別機能113は、特徴量算出機能112により取得された特徴ベクトルを用いて学習した機械学習を利用し、予め設定した病変、体組織、又は臓器等のテクスチャパターンを識別する。このとき、例えば、記憶回路15には、所定のテクスチャパターンを識別するための学習済みの機械学習に関するデータが予め記憶されている。識別機能113により識別されるパターンの数は任意であるが、取得した尤度値の種類よりも多くてもよいし、少なくても構わない。識別されるパターンの数は、例えば、良性と悪性とを識別する場合には2となる。
図12は、
図11に示される処理回路11aの動作を模式的に説明する図である。
図12によれば、処理回路11aは、医用画像の各画素について尤度値を取得することで、尤度1~尤度Nの尤度画像を発生する。処理回路11aは、尤度1~尤度Nの尤度画像に基づき、特徴ベクトルを生成する。そして、処理回路11aは、サンプルとして取得した特徴ベクトルを用いて学習した機械学習を利用し、取得した特徴ベクトルに基づき、予め設定した病変、体組織、又は臓器等のテクスチャパターンを識別する。
【0062】
識別機能113において用いられる機械学習のアルゴリズムは、判別分析、ロジスティック回帰、サポートベクターマシン、ニューラルネットワーク、Randomized Trees、部分空間法等が挙げられる。なお、これらのうちいずれかと、条件付き確立場、及びグラフカットとを組み合わせることで、画素の隣接関係を考慮してテクスチャパターンを識別するようにしてもよい。
【0063】
また、本実施形態では、画像取得機能110、尤度取得機能111、特徴量算出機能112、及び識別機能113が画像処理装置10に設けられる場合を例に説明した。しかしながら、これに限定されない。画像取得機能110、尤度取得機能111、特徴量算出機能112、及び識別機能113は、医用画像診断装置20に設けられていても構わない。
図13は、医用画像診断装置20の一例であるX線CT装置が、画像取得機能110、尤度取得機能111、特徴量算出機能112、及び識別機能113を有する場合のX線CT装置の機能構成の例を示す図である。
図13によれば、医用画像診断装置20の処理回路21は、記憶回路22に記憶されているプログラムを実行することで、画像取得機能110、尤度取得機能111、特徴量算出機能112、及び識別機能113を実現する。なお、処理回路21は、画像再構成処理により発生したCT画像データに対して尤度取得機能111を実施しても構わない。この場合、必ずしも処理回路21は、画像取得機能110を実施する必要はない。
【0064】
本実施形態に係る画像取得機能110、尤度取得機能111、特徴量算出機能112、及び識別機能113は、例えば、汎用のコンピュータ装置を基本ハードウェアとして用いることでも実現することが可能である。すなわち、画像処理装置10、及び医用画像診断装置20は、コンピュータ装置に搭載されたプロセッサにプログラムを実行させることにより画像取得機能110、尤度取得機能111、特徴量算出機能112、及び識別機能113を実現することができる。このとき、画像処理装置10、及び医用画像診断装置20は、上記プログラムを予めインストールすることで、画像取得機能110、尤度取得機能111、特徴量算出機能112、及び識別機能113を実現してもよい。また、画像処理装置10、及び医用画像診断装置20は、上記プログラムをCD-ROM等の記憶媒体から読み込んで、又はネットワークを介して受信して適宜インストールすることで、画像取得機能110、尤度取得機能111、特徴量算出機能112、及び識別機能113を実現してもよい。また、画像処理装置10に入力される3次元CT画像、及び抽出対象の構造を特定する位置情報は、上記のコンピュータ装置に内蔵あるいは外付けされたメモリ、ハードディスク、又はCD-R、CD-RW、DVD-RAM、及びDVD-R等の記憶媒体等に記憶されていても構わない。
【0065】
また、上記実施形態では医用画像の例として、CT画像を挙げた。しかしながら、医用画像はCT画像に限定されない。MRI装置により取得されるMR画像等、他の画像であっても構わない。処理回路11は、例えば、MR画像に含まれる構造に基づいて尤度値を取得する。そして、処理回路11は、取得した尤度値に重み係数をかけることで特徴量を算出し、特徴ベクトルを取得する。
【0066】
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(central processing unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA)等の回路を意味する。プロセッサは記憶回路15に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、記憶回路15にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、上記実施形態に記載のプロセッサは、単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。
【0067】
本実施形態における画像取得機能110、尤度取得機能111、特徴量算出機能112、及び識別機能113は、それぞれ対応する画像取得部、尤度取得部、特徴量算出部、及び識別部によって実現されるものであってもよい。なお、本実施形態において「部」として説明した構成要素は、その動作がハードウェアによって実現されるものであってもよいし、ソフトウェアによって実現されるものであってもよいし、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせによって実現されるものであってもよい。
【0068】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0069】
1…医用情報システム、10…画像処理装置、11,11a…処理回路、110…画像取得機能、111…尤度取得機能、112…特徴量算出機能、113…識別機能、12…入力インタフェース、13…出力インタフェース、14…通信インタフェース、15…記憶回路、20…医用画像診断装置、21…処理回路、22…記憶回路、30…画像保管装置。