(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-09
(45)【発行日】2022-09-20
(54)【発明の名称】プログラム、制御方法、および情報処理装置
(51)【国際特許分類】
A63F 13/426 20140101AFI20220912BHJP
A63F 13/69 20140101ALI20220912BHJP
G06F 3/0488 20220101ALI20220912BHJP
【FI】
A63F13/426
A63F13/69 520
G06F3/0488
(21)【出願番号】P 2021113961
(22)【出願日】2021-07-09
(62)【分割の表示】P 2017203739の分割
【原出願日】2016-09-30
【審査請求日】2021-07-30
(73)【特許権者】
【識別番号】504437801
【氏名又は名称】グリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100185971
【氏名又は名称】高梨 玲子
(72)【発明者】
【氏名】野▲崎▼ 雅人
(72)【発明者】
【氏名】山ノ口 純子
【審査官】安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-229081(JP,A)
【文献】特開2014-236907(JP,A)
【文献】特開2015-107216(JP,A)
【文献】特開2014-075004(JP,A)
【文献】特開2011-090532(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
A63F 9/24
G06F 3/0488
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム媒体を表示する表示部と、ユーザが前記ゲーム媒体を選択する第1の入力操作および前記第1の入力操作により選択されたゲーム媒体に対する処理を指示する第2の入力操作を受け付けて、前記第1の入力操作を座標情報と関連付けた第1の入力操作データおよび前記第2の入力操作を座標情報と関連付けた第2の入力操作データを出力する操作部と、前記ゲーム媒体に対する処理と向きとを対応付けた情報を記憶する記憶部と、を備える情報処理装置に、
前記第1の入力操作に基づいて、前記選択されたゲーム媒体を特定するゲーム媒体特定ステップと
、
前記第2の入力操作に基づいて、前記第2の入力操作の始点から終点への向きを特定する向き特定ステップと、
前記ゲーム媒体特定ステップにおいて特定されたゲーム媒体の種類およびゲーム媒体の数の少なくともいずれかと、前記向き特定ステップにおいて特定された向きとに基づいて、前記選択されたゲーム媒体に対して実行すべき処理を決定して実行するステップと
を実行させる、プログラム。
【請求項2】
前記実行するステップは、前記種類、前記数および前記向きに基づいて、前記選択されたゲーム媒体に対して実行すべき処理を決定して実行することを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記ゲーム媒体特定ステップは、さらに、前記第1の入力操作に基づいて、前記特定されたゲーム媒体の選択順序を特定し、
前記実行するステップは、さらに、前記選択順序に基づいて、前記選択されたゲーム媒体に対して実行すべき処理を決定して実行することを特徴とする請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記特定されたゲーム媒体の種類または数に応じて、前記向き特定ステップにおいて特定可能な向きの少なくとも一の向きが異なることを特徴とする請求項1、2または3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記情報処理装置に、さらに、
前記第2の入力操作の始点から終点までの距離が閾値を超えるか否かを判定するステップを実行させ、
前記向き特定ステップは、前記判定するステップにより前記距離が閾値を超えると判定された場合に前記向きを特定し、
前記実行するステップは、特定された前記第2の入力操作の始点から終点への向きが所定の向きである場合に、前記処理を実行しないことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項6】
ゲーム媒体を表示する表示部と、ユーザが前記ゲーム媒体を選択する第1の入力操作および前記第1の入力操作により選択されたゲーム媒体に対する処理を指示する第2の入力操作を受け付けて、前記第1の入力操作を座標情報と関連付けた第1の入力操作データおよび前記第2の入力操作を座標情報と関連付けた第2の入力操作データを出力する操作部と、前記ゲーム媒体に対する処理と向きとを対応付けた情報を記憶する記憶部と、を備える情報処理装置によって実行されるゲームの制御方法であって、
前記第1の入力操作に基づいて、前記選択されたゲーム媒体を特定するゲーム媒体特定ステップと、
前記第2の入力操作に基づいて、前記第2の入力操作の始点から終点への向きを特定する向き特定ステップと、
前記ゲーム媒体特定ステップにおいて特定されたゲーム媒体の種類およびゲーム媒体の数の少なくともいずれかと、前記向き特定ステップにおいて特定された向きとに基づいて、前記選択されたゲーム媒体に対して実行すべき処理を決定して実行する実行ステップと
を含む、制御方法。
【請求項7】
ゲーム媒体を表示する表示部と、
ユーザが前記ゲーム媒体を選択する第1の入力操作および前記第1の入力操作により選択されたゲーム媒体に対する処理を指示する第2の入力操作を受け付けて、前記第1の入力操作を座標情報と関連付けた第1の入力操作データおよび前記第2の入力操作を座標情報と関連付けた第2の入力操作データを出力する操作部と、
前記ゲーム媒体に対する処理と向きとを対応付けた情報を記憶する記憶部と、を備える
前記第1の入力操作に基づいて、前記選択されたゲーム媒体を特定するゲーム媒体特定部と、
前記第2の入力操作に基づいて、前記第2の入力操作の始点から終点への向きを特定する向き特定部と、
前記ゲーム媒体特定部により特定されたゲーム媒体の種類およびゲーム媒体の数の少なくともいずれかと、前記向き特定部により特定された向きとに基づいて、前記選択されたゲーム媒体に対して実行すべき処理を決定して実行する実行部と
を備える、情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、制御方法、および情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ロールプレイングゲーム等をプレイするユーザは、ゲームの進行に応じて例えばカード、アイテム、装備品、キャラクタ等のゲーム媒体を取得する。ユーザは、ゲーム内でゲーム媒体を用いた様々な処理(例えば合成、強化、売却等)を実行できる。
【0003】
ユーザが、1つの処理(例えば合成)を実行する場合、次のような手順に従うことが多い。まず、ユーザは、メニュー画面から1つの処理を選択して、その処理を実行するための専用画面を表示させる。専用画面において、ユーザはその処理の対象となるゲーム媒体(例えば合成元キャラクタおよび素材キャラクタ)を選択する。そして、ユーザは実行ボタンを押す。
【0004】
上記の手順では、1つの処理の選択と実行とは別のステップで行われる。1つの処理の選択と実行とが1つのステップで行われるならば、ゲーム媒体に対する処理はより効率的に実行される。
【0005】
例えば、特許文献1は、PC(personal computer)で広く使用されているドラッグアンドドロップについて記載する。ドラッグアンドドロップは、選択されたオブジェクト(例えばドキュメントファイル等)を、1つのアプリケーションのアイコンまで移動することによって、そのアプリケーションに関連付けられた処理を実行することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年、ゲームは例えばスマートフォン等の携帯端末でプレイされることが多い。携帯端末の表示部は、PCの表示部と比べるとサイズが小さい。そのため、携帯端末でプレイされるゲームでゲーム媒体に対する様々な処理を行う際に、ドラッグアンドドロップをそのまま適用することは現実的ではない。そのため、ゲーム媒体に対する様々な処理を効率的に実行できる新たなユーザインタフェースが求められていた。
【0008】
かかる事情に鑑みてなされた本発明の目的は、ゲーム媒体に対する様々な処理を容易かつ効率的に実行できるユーザインタフェースを実現するプログラム、制御方法、および情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施形態に係るプログラムは、
ゲーム媒体を表示する表示部と、ユーザが前記ゲーム媒体を選択する第1の入力操作および前記第1の入力操作により選択されたゲーム媒体に対する処理を指示する第2の入力操作を受け付けて、前記第1の入力操作を座標情報と関連付けた第1の入力操作データおよび前記第2の入力操作を座標情報と関連付けた第2の入力操作データを出力する操作部と、前記ゲーム媒体に対する処理と向きとを対応付けた情報を記憶する記憶部と、を備える情報処理装置に、
前記第1の入力操作データに基づいて、前記選択されたゲーム媒体を特定するゲーム媒体特定ステップと、
前記記憶部から前記情報を取得するステップと、
前記第2の入力操作データに基づいて、前記第2の入力操作の始点から終点への向きを特定するステップと、
前記第2の入力操作の始点から終点までの距離が閾値を超える場合に、前記情報で前記第2の入力操作の始点から終点への向きに対応付けられた一の処理を前記選択されたゲーム媒体に対して行い、前記第2の入力操作の始点から終点までの距離が閾値を超えない場合に前記一の処理を行わない、判定ステップと、を実行させ、
前記判定ステップは、特定された前記第2の入力操作の始点から終点への向きが所定の向きである場合に実行されない。
ここで、第2の入力操作の始点から終点までの「距離」に代えて、「単位時間当たりの距離変化」が用いられてもよい。
【0010】
本発明の実施形態に係る制御方法は、
ゲーム媒体を表示する表示部と、ユーザが前記ゲーム媒体を選択する第1の入力操作および前記第1の入力操作により選択されたゲーム媒体に対する処理を指示する第2の入力操作を受け付けて、前記第1の入力操作を座標情報と関連付けた第1の入力操作データおよび前記第2の入力操作を座標情報と関連付けた第2の入力操作データを出力する操作部と、前記ゲーム媒体に対する処理と向きとを対応付けた情報を記憶する記憶部と、を備える情報処理装置によって実行されるゲームの制御方法であって、
前記第1の入力操作データに基づいて、前記選択されたゲーム媒体を特定するステップと、
前記記憶部から前記情報を取得するステップと、
前記第2の入力操作データに基づいて、前記第2の入力操作の始点から終点への向きを特定するステップと、
前記第2の入力操作の始点から終点までの距離が閾値を超える場合に、前記情報で前記第2の入力操作の始点から終点への向きに対応付けられた一の処理を前記選択されたゲーム媒体に対して行い、前記第2の入力操作の始点から終点までの距離が閾値を超えない場合に前記一の処理を行わない、判定ステップと、を含み、
前記判定ステップは、特定された前記第2の入力操作の始点から終点への向きが所定の向きである場合に実行されない。
【0011】
本発明の実施形態に係る情報処理装置は、
ゲーム媒体を表示する表示部と、
ユーザが前記ゲーム媒体を選択する第1の入力操作および前記第1の入力操作により選択されたゲーム媒体に対する処理を指示する第2の入力操作を受け付けて、前記第1の入力操作を座標情報と関連付けた第1の入力操作データおよび前記第2の入力操作を座標情報と関連付けた第2の入力操作データを出力する操作部と、
前記ゲーム媒体に対する処理と向きとを対応付けた情報を記憶する記憶部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記第1の入力操作データに基づいて、前記選択されたゲーム媒体を特定し、
前記記憶部から前記情報を取得し、
前記第2の入力操作データに基づいて、前記第2の入力操作の始点から終点への向きを特定し、
前記第2の入力操作の始点から終点までの距離が閾値を超える場合に、前記情報で前記第2の入力操作の始点から終点への向きに対応付けられた一の処理を前記選択されたゲーム媒体に対して行い、前記第2の入力操作の始点から終点までの距離が閾値を超えない場合に前記一の処理を行わない、判定制御を、実行し、
前記判定制御は、特定された前記第2の入力操作の始点から終点への向きが所定の向きである場合に実行されない。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一実施形態によれば、ゲーム媒体に対する様々な処理を容易かつ効率的に実行できるユーザインタフェースを実現するプログラム、制御方法、および情報処理装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理装置のブロック図である。
【
図2】ゲーム媒体を表示する表示領域を例示する図である。
【
図3】
図3(A)および
図3(B)は、ヘルプ情報の一例を示す図である。
【
図4】記憶部に記憶された情報(テーブル)の一例を示す図である。
【
図5】
図5(A)および
図5(B)は、ユーザがスライド操作によって一の処理を 実行する様子を例示する図である。
【
図6】
図6(A)は処理の実行判定を例示する図である。
図6(B)は予測が表示された場合の処理のキャンセル手法を例示する図である。
【
図7】情報処理装置によって実行されるゲームにおいて、ゲーム媒体に対してユーザのスライド操作に応じた処理を実行する制御方法を示すフローチャートである。
【
図8】
図8(A)はページ切り替えの一例を示す図である。
図8(B)はスライダの一例を示す図である。
図8(C)は画面内全選択ボタンの一例を示す図である。
【
図9】
図9(A)は複数のゲーム媒体に対する処理を例示する図である。
図9(B)は1つのゲーム媒体に対する処理を例示する図である。
【
図10】
図10はスライド操作でキャラクタを選択する画面例を示す図である。
【
図11】
図11はスライド操作で強化するパラメータを選択する画面例を示す図である。
【
図12】スマートフォンにドラッグアンドドロップを適用した場合の画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0015】
(情報処理装置の構成)
図1を参照して、本発明の一実施形態に係る情報処理装置1について説明する。情報処理装置1は、例えばスマートフォン、タブレット、またはゲーム用機器等であって、ゲームのアプリケーション(プログラム)を実行する。ゲームのアプリケーションは、例えばインターネットを介して所定のアプリケーション配信サーバから受信されてもよい。或いは、ゲームのアプリケーションは、情報処理装置1に備えられた記憶装置または情報処理装置1が読取可能なメモリカード等の記憶媒体に予め記憶されていてもよい。
【0016】
ここで、本実施形態に係る情報処理装置1が実行するゲームのアプリケーション(以下、本実施形態のゲームという)の概要について説明する。本実施形態のゲームは、例えばロールプレイングゲーム等である。ユーザは、仮想空間内でユーザキャラクタを操作してゲームを進行させる。ユーザは、ゲームの進行に応じてゲーム媒体を取得する。また、ユーザは、取得したゲーム媒体について様々な処理を実行できる。
【0017】
ゲーム媒体は、ゲームに使用される電子データであり、例えばカード、アイテム、装備品、キャラクタ、およびオブジェクト等、任意の媒体を含む。また、ユーザは、ゲーム内において、ゲーム媒体についての処理として、例えば取得、保有、使用、管理、交換、合成、強化、売却、破棄、および贈与等を実行できる。ここで、ゲーム媒体の利用態様は、本明細書で明示されるものに限られない。
【0018】
本実施形態のゲームは、概略の例示として、次のような内容を含む。ユーザは、ユーザキャラクタを操作して、ゲーム内のフィールドを探索しながら、ゲームを進行させる。フィールドには、例えば町およびバトルステージ等が設けられている。ユーザキャラクタは、例えば町の住人キャラクタとの会話、バトルステージ内で遭遇する敵キャラクタとの対戦等が可能である。ゲーム内のフィールドでは、エリアに応じた多様なイベントが発生する。イベントが実行されることによって、ゲームのメインストーリーが進行する。例えばユーザキャラクタが敵キャラクタとの対戦に勝利すると、ユーザはゲーム媒体を取得することができる。
【0019】
情報処理装置1の構成要素について説明する。情報処理装置1は、操作部10と、記憶部11と、表示部12と、制御部13と、を備える。
【0020】
操作部10は、ユーザの入力操作を受け付けて、入力操作を座標情報と関連付けた入力操作データを出力する。上記のように、情報処理装置1が実行するゲームでは、ゲーム媒体について様々な処理を実行可能である。操作部10が受け付けるユーザの入力操作は、例えばユーザが処理の対象となるゲーム媒体を選択する操作を含む。また、操作部10が受け付けるユーザの入力操作は、例えばユーザが選択したゲーム媒体に対して所望の処理の実行を指示する操作を含む。
【0021】
本実施形態に係る情報処理装置1において、操作部10は表示部12と一体化したタッチパネルである。例えば、情報処理装置1は、操作部10である静電容量の変化を検出する透明なセンサ層を、表示部12であるLCD(Liquid Crystal Display)層の上に重ねた構成(ユーザがセンサ層を介してLCD層を見る構成)を備える。操作部10は、静電容量の変化を検出することで、ユーザによって接触された位置を検出できる。操作部10は、静電容量方式以外の方式のタッチパネルを採用することも可能である。
【0022】
ユーザは、指またはスタイラス等の器具を用いて操作部10に接触することによって入力操作を行う。本実施形態において、ユーザはタップによってゲーム媒体の選択、および選択されたゲーム媒体の非選択(解除)ができる。タップは、ユーザが指で操作部10に触れて、その後に指を移動させずに指を離す操作である。本実施形態において、ユーザはタップおよび/またはスライド操作によって、連続的なゲーム媒体の選択、解除およびゲーム媒体に対する所望の処理を実行できる。スライド操作は、ユーザが操作部10に触れた指を、操作部10上で移動させる操作である。スライド操作は例えばフリック、スワイプ等を含む。フリックは、ユーザが指等で操作部10に触れて、触れたまま素早く指を移動させつつ指を離す操作である。スワイプは、ユーザが指等で操作部10に触れ、触れたまま指を移動させる操作である。ここで、ユーザが操作部10に指等を接触させて入力操作を開始した点を始点という。また、入力操作を終了する際に、ユーザが操作部10に接触していた指等を離した点を終点という。また、入力操作を開始して終了するまでに、ユーザが操作部10に接触した軌跡上の点を中間点という。ここで、入力操作中に指等が一瞬離れた点を終点とすることがないように、所定時間(例えば0.5秒)以内に再び指等が操作部10に接触した場合には終点でないと扱われることが好ましい。
【0023】
操作部10は、タップ位置、スライド操作の始点、終点、およびスライド操作の軌跡等を、タッチパネルにおける座標情報と関連付ける。座標情報と関連付けられた始点、終点、軌跡等は入力操作データとして出力される。本実施形態に係る情報処理装置1において、操作部10と一体となった表示部12の画面の横方向をX軸、縦方向をY軸とする直交座標系の座標が用いられる。また、入力操作データは入力操作の開始からの経過時間の情報も含む。
【0024】
記憶部11は例えば記憶装置であって、ゲームの処理に必要な種々の情報およびプログラム(ゲームのアプリケーション)を記憶する。記憶部11は、例えば、半導体メモリ、磁気メモリ、または光メモリ等を含んでもよい。記憶部11は、仮想空間(仮想ゲーム空間)内に表示するゲーム媒体の画像を記憶する。また、記憶部11は、ゲーム媒体の各種パラメータ(例えば属性、レベル、攻撃力、防御力、価値等)を記憶する。また、記憶部11は、後述するテーブル111(
図4参照)を記憶する。また、記憶部11は、仮想空間内に配置された種々のオブジェクトに投影(テクスチャマッピング)するための種々の画像(テクスチャ画像)を記憶してもよい。また、記憶部11は、例えば空、遠景等の背景の画像(背景画像)、町およびバトルステージ等のフィールドの画像(フィールド画像)を記憶する。記憶部11は、サーバから受信したデータをキャッシュとして記憶するメモリ(例えばRAM等)でもよい。
【0025】
表示部12は、ユーザキャラクタが配置される仮想空間を表示する。本実施形態において、表示部12はタッチパネルのLCD(Liquid Crystal Display)層であるが、これに限定されるものではない。例えば、表示部12は有機ELディスプレイ等の表示デバイスであってもよい。
【0026】
制御部13は、専用のマイクロプロセッサ、または、特定のプログラムを読み込むことにより特定の機能を実現するCPUである。制御部13は、情報処理装置1の動作を制御する。例えば制御部13は、操作部10に対するユーザ操作に応じてゲームのアプリケーションを実行する。また制御部13は、ゲームに関する多様な処理を実行する。
【0027】
制御部13は、例えばフィールドおよびユーザキャラクタ等を含む仮想空間を表示部12に表示させる。また、制御部13は、例えばカード、装備等のゲーム媒体を表示部12に表示させる。また、制御部13は、ユーザの入力操作によって選択されたゲーム媒体を識別する。制御部13は、選択されたゲーム媒体に対してユーザの入力操作に応じた処理を実行する。以下、
図2~
図8を参照して、本実施形態に係る情報処理装置1の表示部12に表示される画面例およびゲーム媒体に対する処理について説明する。
【0028】
(ゲーム媒体の選択)
図2に示されるように、情報処理装置1は、一体化してタッチパネルを構成する操作部10と表示部12とを備える。表示部12には、ゲーム媒体2a~2iを表示する表示領域121が設けられている。ゲーム媒体2a~2iのそれぞれは個別のゲーム媒体である。表示領域121には、ゲーム媒体2a~2iが一覧表示されている。一覧表示とは、ユーザが選択しやすいように、ゲーム媒体をユーザにわかりやすく整列して表示することである。
図2の例では縦横ともに3列でゲーム媒体2a~2iを整列した一覧表示がされている。本実施形態において、実行する処理に関係なく、表示領域121がゲーム媒体2a~2iの選択に用いられる。選択画面が処理に関係なく統一されているため、ユーザの利便性が向上する。
【0029】
ユーザは表示領域121に表示されるゲーム媒体2a~2iをタップすることで選択することができる。既に選択されたゲーム媒体2a~2iをタップすると、非選択(選択の解除)ができる。また、スライド操作によってゲーム媒体2a~2iに接触した場合にも、接触したゲーム媒体2a~2iを選択可能である。
図2の例では、ユーザはゲーム媒体2d,2e,2g,2iを選択している。選択されたゲーム媒体2d,2e,2g,2iは表示色が変化するので、ユーザは選択結果を確認できる。別の例として、選択されたゲーム媒体2d,2e,2g,2iは点滅してもよいし、形状が変化してもよいし、表示態様が変化してもよいし、選択されたことを示す画像が付加されてもよい。
【0030】
ここで、操作部10は、ユーザの入力操作を受け付けて、入力操作を座標情報と関連付けた入力操作データを出力する。操作部10は、
図2に示されるように画面の横方向をX軸、縦方向をY軸とする直交座標系の座標を用いる。座標情報は次のように用いられる。例えば、操作部10はユーザのゲーム媒体2iをタップする入力操作を受け付けて、タップ位置の座標と関連付けて入力操作データを出力する。その後、入力操作データは制御部13に取得されて、タップ位置の座標が把握される。そして、タップ位置の座標に表示されているゲーム媒体2iの表示色を変化させる制御が制御部13によって実行される。
【0031】
本実施形態の情報処理装置1は、選択されたゲーム媒体2d,2e,2g,2iに対する様々な処理を実行できる。上記のように、情報処理装置1は、例えばスマートフォン、タブレット、またはゲーム用機器等である。そのため、情報処理装置1に、ドラッグアンドドロップをそのまま適用することは現実的ではない。
【0032】
図12は、スマートフォンである情報処理装置1Aにドラッグアンドドロップをそのまま適用した場合の画面例を示す。情報処理装置1Aの表示部12には、アプリケーションアイコンに相当する処理領域が設けられている。
図12の例では、処理領域として、進化合成の領域140A、強化合成の領域140B、特殊合成の領域140C、チーム編成の領域140D、売却の領域140Eおよび倉庫の領域140Fが設けられている。
図12の例では、ユーザは選択されたゲーム媒体2d,2eをいずれかの処理領域にドラッグすることで、選択したゲーム媒体をまとめて処理することができる。
【0033】
しかし、サイズがPCに比べて小さい表示部12では、処理領域を設けることにより、ゲーム媒体2a~2fを表示する表示領域121が小さくなる。一度に選択可能なゲーム媒体の数が減り、結果として処理の実行回数が増えるため、ユーザにとって不便である。
【0034】
本実施形態に係る情報処理装置1は、表示部12に処理領域を設けることなく、選択されたゲーム媒体2d,2e,2g,2iに対する様々な処理を実行できる。具体的には、情報処理装置1は、ユーザのスライド操作の向きに処理を対応させることによって、様々な処理を実行する。言い換えると、ユーザは所定の向きへのスライド操作だけで、所望の処理を実行させることが可能である。
【0035】
(ヘルプ情報の表示)
ここで、ユーザは所望の処理がスライド操作のどの向きと対応しているか迷う可能性がある。本実施形態に係る情報処理装置1は、ユーザがゲーム媒体2a~2iを選択した後に長押し(ロングタップ)をすると、ヘルプ情報122を表示部12に示す。
【0036】
図3(A)はヘルプ情報122の一例を示す図である。本実施形態において、ヘルプ情報122は、ゲーム媒体に対する処理と向きとの対応付けを説明する画像等の情報である。ここで、ヘルプ情報122は文による説明を含んでいてもよい。また、ヘルプ情報122は文による説明だけでもよい。つまり、ヘルプ情報122はゲーム媒体に対する処理と向きとの対応付けを説明する画像および文の少なくとも一方である。
【0037】
図3(A)の例では、表示領域121に表示されているゲーム媒体2a~2iはキャラクタが装着する装備品(例えば武器、兜、鎧、盾等)である。装備品に対しては、合成、倉庫、特殊合成、売却の処理が可能である。合成は、素材となる装備品を合成元の装備品に合成することで、合成元の装備品を別の装備品にする処理である。倉庫は、使用しない装備品をゲーム空間の仮想的な倉庫に移動して保管する処理である。特殊合成は、ゲーム内通貨だけでなく特殊なアイテムを消費して行う合成である。特殊合成は、合成元の装備品のパラメータを単なる合成よりも強化することができる。売却は、装備品をゲーム内通貨と交換する処理である。
図3(A)の例では、ヘルプ情報122は、上向きのスライド操作が合成であることを示す。また、ヘルプ情報122は、下向きのスライド操作が倉庫であることを示す。また、ヘルプ情報122は、右向きのスライド操作が特殊合成であることを示す。また、ヘルプ情報122は、左向きのスライド操作が売却であることを示す。
【0038】
図3(B)はヘルプ情報122の別の例を示す図である。
図3(B)の例では、表示領域121に表示されているゲーム媒体2a~2iはキャラクタである。キャラクタに対しては、強化合成、進化合成、売却の処理が可能である。強化合成は、素材となるキャラクタを合成元のキャラクタに合成することで、合成元のキャラクタのパラメータを強化する処理である。進化合成は、素材となるキャラクタを合成元のキャラクタに合成することで、合成元のキャラクタを別のキャラクタにする処理である。売却は、キャラクタをゲーム内通貨と交換する処理である。
図3(B)の例では、ヘルプ情報122は、上向きのスライド操作が強化合成であることを示す。また、ヘルプ情報122は、右向きのスライド操作が進化合成であることを示す。また、ヘルプ情報122は、左向きのスライド操作が売却であることを示す。
図3(B)の例では、下向きのスライド操作に対応する処理はない。
【0039】
本実施形態において、
図3(A)および
図3(B)に示されるように、表示領域121に表示されているゲーム媒体2a~2iの種類(装備品、キャラクタ)によって処理が異なる。つまり、情報処理装置1は、ゲーム媒体の種類に応じた適切な処理をスライド操作の向きと対応付ける。このような対応付けは、テーブル111として記憶部11に記憶された情報に基づいて実行される。
【0040】
図4は記憶部11に記憶されたテーブル111の一例を示す図である。上記のように、テーブル111はゲーム媒体に対する処理をスライド操作の向きと対応付ける。本実施形態において、テーブル111は、ゲーム媒体に対する様々な処理を、ゲーム媒体の種類毎にスライド操作の向きに対応付ける。スライド操作の向きは、例えば上、下、左、右、右上等である。しかし、全ての向きが処理と対応付けられる必要はない。
図4の例では、ゲーム媒体の種類がキャラクタ、装備品、アイテムのいずれであっても、右上の向きに処理は対応付けられていない。
【0041】
図4でゲーム媒体の種類がキャラクタ、装備品である場合の処理とスライド操作の向きとの対応は、それぞれ
図3(A)、
図3(B)で説明したヘルプ情報122と同じである。また、
図4の例では、ゲーム媒体の種類がアイテムである場合に、上向きのスライド操作はポイントを消費して実行される強化に対応付けられている。また、下向きのスライド操作は倉庫に対応付けられている。また、左向きのスライド操作は売却に対応付けられている。
【0042】
ここで、別の例として、テーブル111は処理とスライド操作の向きとの対応を、ゲーム媒体の種類毎に分けずに共通化してもよい。しかし、ゲーム媒体に対する処理が多い場合(例えば8種類を超える場合等)、本実施形態のように表示領域121に表示されているゲーム媒体2a~2iの種類に応じた処理をスライド操作の向きと対応付けることが好ましい。また、さらに別の例として、表示領域121に表示されているゲーム媒体2a~2iの種類ではなく、選択されたゲーム媒体2d,2e,2g,2iの種類によって処理が異なってもよい。
【0043】
また、
図4の例のように、ゲーム媒体2a~2iの種類にかかわらず、同じ処理が同じ向きに対応付けられることが好ましい。例えば、ゲーム媒体2a~2iがキャラクタ、装備品、アイテムのいずれであっても、売却は可能である。そして、売却は左向きに対応付けられている。また、ゲーム媒体2a~2iが装備品であっても、アイテムであっても、倉庫に保管する(または倉庫から取り出す)ことが可能である。そして、倉庫は下向きに対応付けられている。この例のように、ゲーム媒体2a~2iの2つ以上の種類に共通の処理は、同じスライド操作の向きに対応付けることが好ましい。このとき、ユーザは特定の処理と特定の向きとを対応付けて記憶するため、ヘルプ情報122で確認する手間を減らすことができる。
【0044】
(処理の実行)
上記のように、ユーザは表示領域121に表示されたゲーム媒体2a~2iの中からゲーム媒体2d,2e,2g,2iをタップして選択した(
図2参照)。そして、ユーザは表示部12と一体化された操作部10を長押しすることでヘルプ情報122を表示させて、処理と向きとの対応付けを確認した(
図3(A)および
図3(B)参照)。そして、所望の処理と対応する向きへスライド操作(具体例としてはフリック)をすることによって、選択されたゲーム媒体2d,2e,2g,2iに対して、まとめて所望の処理を実行することができる。
【0045】
図5(A)および
図5(B)はユーザがスライド操作によって一の処理を実行する様子を例示する。
図5(A)および
図5(B)の例では、表示領域121に表示されているゲーム媒体2a~2iは装備品である。
図5(A)の例では、ユーザは選択されたゲーム媒体2d,2e,2g,2iに対して合成を実行する。合成は上向きのスライド操作に対応付けられている。ユーザが指等で上向きにスライド操作をすると、途中で(合成の実行前に)予測123がポップアップされる。予測123は、テーブル111で定められる、途中までのスライド操作の向きに対応する一の処理が、選択されたゲーム媒体に対して実行された場合に期待される結果である。予測123は確定的な内容に限定されない。例えば、一の処理が所定の確率に応じて実施される場合に、予測123は確率を伴った1つまたは複数の結果(例えば70%の確率でX、20%の確率でY、10%の確率でZ等)を表示してもよい。
図5(A)の例では、予測123は合成の予測結果を示すものである。予測123は、合成結果が80%の確率で“ABC(レア)”であることをユーザに知らせる。さらにユーザが指等で上向きにスライド操作をすると、選択されたゲーム媒体2d,2e,2g,2iに対する合成が実行される。ここで、合成においては、最初に選択されたゲーム媒体2dが合成元と扱われてもよいし、最後に選択されたゲーム媒体2iが合成元と扱われてもよい。
【0046】
図5(B)の例では、ユーザは選択されたゲーム媒体2d,2e,2g,2iをまとめて売却する。売却は左向きのスライド操作に対応付けられている。ユーザが指等で左向きにスライド操作をすると、途中で(売却の実行前に)予測123がポップアップされる。
図5(B)の例では、予測123は売却の予測結果(売却予定額)を示すものである。予測123は、選択されたゲーム媒体2d,2e,2g,2iの売却予定額(合計)が“2350G”であることをユーザに知らせる。ここでGはゲーム内通貨の単位である。さらにユーザが指等で左向きにスライド操作をすると、選択されたゲーム媒体2d,2e,2g,2iがまとめて売却される。
【0047】
図6(A)は処理の実行判定を例示する図である。本実施形態においては、
図6(A)に示されるように、スライド操作の長さに応じて処理の実行またはキャンセルが行われる。ユーザは、選択されたゲーム媒体2d,2e,2g,2iに対して一の処理を実行する場合に、指等を用いて一の処理と対応する向きへスライド操作をする。本実施形態において、このスライド操作の始点131から終点132までの距離について閾値Thが設けられている。閾値Thは例えば表示部12で200~400ピクセルに相当する距離に設定されてもよい。閾値Thは処理の実行判定で用いられる。例えば
図6(A)の左側の矢印(スライド操作を表す)のように、始点131から終点132までの距離L1が閾値Thを超える場合に、情報処理装置1は処理を実行する。また、例えば
図6(A)の右側の矢印(スライド操作を表す)のように、始点131から終点132までの距離L2が閾値Th以下の場合に、情報処理装置1は処理がキャンセルされたと扱う。
【0048】
ここで、ユーザは予測123が表示された場合、その内容から処理を中断したいと考えることがある。
図5(A)の例で、ユーザは予測123によって合成結果が“ABC(レア)”である確率が高いことを把握する。ユーザは“ABC(レア)”が不要であると考える場合に、合成をキャンセルしたいと思う可能性がある。また、
図5(B)の例で、ユーザは予測123によって売却予定額が“2350G”であることを把握する。ユーザは“2350G”が安いと考える場合に、売却をキャンセルしたいと思う可能性がある。本実施形態においては、以下に述べる判定により、予測123が表示された場合の処理のキャンセルを行う。
【0049】
図6(B)は予測123が表示された場合の処理のキャンセル手法を例示する図である。
図6(B)の例では、ユーザは実線の矢印のように、最初に始点131から上向きにスライド操作をしている。そして、ユーザは指等を操作部10に接触させながら途中で右下方向に方向を変えて、終点132までのスライド操作をしている。最初の始点131から上向きのスライド操作において、閾値Thよりも小さい特定の距離だけ始点131から離れると予測123が表示される。本実施形態において、特定の距離は閾値Thの80%(
図6(B)の0.8Th)である。また、予測123が表示されたときの、軌跡(
図6(B)の実線の矢印)上の中間点を特定中間点133とする。つまり、特定中間点は始点から一の方向に向かって特定の距離(一の方向に対応付けられた処理の予測123を表示させる距離)だけ離れた中間点である。ここで、特定の距離を与える閾値Thに対する乗数(80%)は一例であって、別の例としては50%であってもよい。
【0050】
図6(B)の例のように、スライド操作の始点131から終点132への向き(
図6(B)のベクトルVeの向き)が、始点131から特定中間点133への向き(
図6(B)のベクトルVmの向き)と同じでない場合に、情報処理装置1は処理をキャンセルする。つまり、情報処理装置1は、最終的な始点131から終点132への向きが、予測123を表示させた始点131から特定中間点133への向きと異なれば、ユーザによる意図的なスライド操作の向きの転換だと判定する。そして、情報処理装置1は処理をキャンセルする。本実施形態においては、上記のように向きが同じでない場合には、スライド操作の始点131から終点132までの距離(
図6(B)のベクトルVeの長さ)にかかわらず、情報処理装置1は処理をキャンセルする。
【0051】
ここで、スライド操作の始点131から終点132への向きと、始点131から特定中間点133への向きとが同じであるとは、完全一致に限定されない。つまり、始点131から終点132への向きと、始点131から特定中間点133への向きとが略同じであれば、情報処理装置1は同じであると判定する。略同じであるか否かについては、次のように判定される。本実施形態において、
図6(B)のベクトルVeとベクトルVmとが成す角度が所定の値(所定の角度)を超えると向きが異なると判定され、角度が所定の値(所定の角度)以下であれば向きが同じであると判定される。ここで、ユーザの入力操作のブレ等を考慮して、所定の値(所定の角度)は例えば20°に設定されてもよい。このとき、ユーザの指等を途中で元の位置(例えば始点131の辺り)に戻すようなスライド操作が検出された場合には、制御部13は処理をキャンセルしてもよい。
【0052】
(フローチャート)
図7は、制御部13が実行するゲームの制御方法を示すフローチャートである。制御部13は、
図7のフローチャートのように、選択されたゲーム媒体に対してユーザのスライド操作に応じた処理を実行する。
【0053】
まず、操作部10が受け付けるユーザの入力操作を3つに分類する。第1の入力操作はユーザがゲーム媒体を選択する入力操作である。第2の入力操作は第1の入力操作により選択されたゲーム媒体に対する処理を指示する入力操作である。そして、第3の入力操作は、第1の入力操作とも第2の入力操作とも異なるユーザの入力操作(例えば長押し)である。操作部10は、第1の入力操作、第2の入力操作および第3の入力操作を受け付けて、座標情報と関連付けて、それぞれ第1の入力操作データ、第2の入力操作データおよび第3の入力操作データとして出力する。第1~第3の入力操作データは、入力操作の開始からの経過時間の情報も含む。
【0054】
制御部13は、操作部10から第1の入力操作データを取得する(ステップS1)。そして、制御部13は、第1の入力操作データに基づいて、選択されたゲーム媒体を特定する(ステップS2)。ステップS2はゲーム媒体特定ステップである。制御部13は、第1の入力操作データから、例えばタップ位置、スライド操作の軌跡等の座標情報を取得する。制御部13は、取得した座標情報と、表示部12に表示させているゲーム媒体の座標とを比較することで、選択されたゲーム媒体を特定する。
【0055】
制御部13は、操作部10から第3の入力操作データを取得する(ステップS3)。そして、制御部13は、第3の入力操作が長押しであるか否かを判定する(ステップS4)。制御部13は、第3の入力操作データから、例えば入力操作の始点および終点の座標情報、開始から終了までの時間の情報等を取得する。そして、制御部13は、入力操作の開始から終了までの時間が、所定の時間(第1の長押し判定閾値)を超えるか否かを判定する。また、制御部13は、入力操作の始点の座標と終点の座標との距離が、所定の距離(第2の長押し判定閾値)以下であるか否かを判定する。制御部13は、入力操作の開始から終了までの時間が第1の長押し判定閾値を超え、かつ、始点の座標と終点の座標との距離が第2の長押し判定閾値以下である場合に、当該入力操作が長押しであると判定する。第1の長押し判定閾値は例えば1~3秒の範囲に設定されてもよい。また、第2の長押し判定閾値は例えば表示部12で1~10ピクセルに相当する距離に設定されてもよい。制御部13は、第3の入力操作が長押しであると判定した場合に(ステップS4のYes)、ヘルプ情報122を表示部12に表示させる(ステップS5)。ステップS5はヘルプ表示ステップである。本実施形態において、表示部12に表示されたヘルプ情報122は、ユーザが長押しを止めてから所定時間(例えば2秒)が経過すると表示されなくなる。制御部13は、ステップS5の処理を実行した後、および、第3の入力操作が長押しでないと判定した場合に(ステップS4のNo)、ステップS6の処理に進む。
【0056】
制御部13は、記憶部11からテーブル111を取得する(ステップS6)。上記のように、テーブル111はゲーム媒体に対する処理をスライド操作の向きと対応付けた情報である。
【0057】
制御部13は、操作部10から第2の入力操作データを取得する(ステップS7)。そして、制御部13は、第2の入力操作データから、例えばスライド操作の始点およびスライド操作の軌跡等の座標情報を取得する。制御部13は、スライド操作の終点が特定されるか否かを判定する(ステップS8)。制御部13は、第2の入力操作データにスライド操作の終点の座標情報が含まれる場合には、スライド操作の終点が特定される(終点が存在する)と判定して(ステップS8のYes)、ステップS11の処理に進む。
【0058】
制御部13は、スライド操作の終点が特定されない(終点が存在しない)と判定する場合に(ステップS8のNo)、予測123の表示に関する以下の処理を実行する。制御部13は、スライド操作途中の軌跡に、特定中間点が含まれるか否かを判定する(ステップS9)。特定中間点は、スライド操作の始点から一の向きに向かって特定の距離(
図6(B)の例では閾値Thの80%に相当する距離)だけ離れた中間点である。制御部13は、スライド操作の軌跡に特定中間点が含まれると判定した場合に(ステップS9のYes)、テーブル111で始点から特定中間点への向きに対応付けられた一の処理が、選択されたゲーム媒体に対して実行されたときの予測123を表示部12に表示させる(ステップS10)。ステップS10は予測表示ステップである。本実施形態において、表示部12に表示された予測123は、表示開始から所定時間(例えば5秒)が経過すると表示されなくなる。制御部13は、ステップS10の処理を実行した後、および、特定中間点が含まれないと判定した場合に(ステップS9のNo)、ステップS7の処理に戻る。そして、制御部13は、更新された第2の入力操作データを取得する。
【0059】
制御部13は、第2の入力操作データに終点の座標情報が含まれる場合に、始点から終点までの距離を求める。そして、制御部13は、第2の入力操作の始点から終点までの距離が閾値Th(
図6(B)参照)を超えるか否かを判定する(ステップS11)。制御部13は、始点から終点までの距離が閾値Th以下であると判定する場合に(ステップS11のNo)、選択されたゲーム媒体に対する処理をキャンセルして一連の処理を終了する。制御部13は、始点から終点までの距離が閾値Thを超えると判定する場合に(ステップS11のYes)、第2の入力操作(スライド操作)の始点から終点への向きを特定する(ステップS12)。
【0060】
制御部13は、予測123の表示があったか否かを判定する(ステップS13)。制御部13は、予測123を表示部12に表示させていない場合に(ステップS13のNo)、ステップS15の処理に進む。制御部13は、予測123を表示部12に表示させた場合に(ステップS13のYes)、処理のキャンセルを判定するステップS14の処理に進む。
【0061】
制御部13は、第2の入力操作(スライド操作)の始点から終点への向きが、予測123の表示時、すなわち予測表示ステップにおける始点から特定中間点への向きと同じか否かを判定する(ステップS14)。制御部13は、ステップS14の処理の際に、始点と終点とを結ぶベクトルVeと、始点と特定中間点とを結ぶベクトルVmとが成す角度が所定の値以下であれば向きが同じであると判定する。制御部13は、第2の入力操作の始点から終点への向きが、始点から特定中間点への向きと同じでない場合に(ステップS14のNo)、選択されたゲーム媒体に対する処理をキャンセルして一連の処理を終了する。制御部13は、第2の入力操作の始点から終点への向きが始点から特定中間点への向きと同じである場合に(ステップS14のYes)、ステップS15の処理に進む。
【0062】
制御部13は、テーブル111で第2の入力操作の始点から終点への向きに対応付けられた一の処理を、選択されたゲーム媒体に対して実行し(ステップS15)、一連の処理を終了する。ステップS15は実行ステップである。
【0063】
以上述べたように、本実施形態に係る情報処理装置1は、ゲーム媒体に対する処理と向きとを対応付けて、ユーザのスライド操作の向きに応じた一の処理を、選択されたゲーム媒体に対して実行する。本実施形態に係る情報処理装置1は、ゲーム媒体に対する様々な処理を容易かつ効率的に実行できるユーザインタフェースを実現する。
【0064】
また、本実施形態に係る情報処理装置1は、ドラッグアンドドロップのアプリケーションアイコンに相当する処理領域(
図12参照)を表示部12に設ける必要もない。そのため、サイズがPCに比べて小さい表示部12を備えるスマートフォン等の情報処理装置1に適している。
【0065】
本発明を諸図面や実施形態に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。したがって、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各手段、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段やステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0066】
(変形例等)
上記の実施形態において、制御部13は操作部10から入力操作データを受け取る。しかし、記憶部11が一時的に入力操作データを記憶してもよい。そして、制御部13は記憶部11から入力操作データを受け取ってもよい。このとき、記憶部11がバッファとして機能するため、制御部13はより柔軟に入力操作データを取得するタイミングを選択できる。
【0067】
上記の実施形態の例示では、表示領域121には表示可能な数のゲーム媒体2a~2iが一覧表示されていた。ここで、表示領域121に表示しきれないゲーム媒体を所有する場合に、ユーザは表示領域121を単位とするページ切り替えができてもよい。例えば
図8(A)に示されるように、第1ページにゲーム媒体1a~1iが含まれ、第2ページにゲーム媒体2a~2iが含まれ、第3ページにゲーム媒体3a~3iが含まれてもよい。
【0068】
ここで、表示領域121を単位とするページ切り替えにおいては、左右方向のスライドの入力操作に応じて、制御部13は、隣接するページに切り替えて表示してもよい。例えば、
図8(A)に示すように、表示領域121にゲーム媒体2a~2iが表示されている場合において、ユーザが表示領域121を左にスライドする入力操作に応じて、表示領域121にゲーム媒体3a~3iが表示されるようにしてもよい。同様に、
図8(A)に示すように、表示領域121にゲーム媒体2a~2iが表示されている場合において、ユーザが表示領域121を右にスライドする入力操作に応じて、表示領域121にゲーム媒体1a~1iが表示されるようにしてもよい。
【0069】
また、このようにスライドの入力操作に応じてページ切り替えを行う場合、例えば上下方向のスライドの入力操作に応じて、制御部13は、隣接しない所定のページに飛ぶように切り替えて表示してもよい。例えば、
図8(A)に示すように、表示領域121にゲーム媒体2a~2iが表示されている場合において、ユーザが表示領域121を上にスライドする入力操作に応じて、表示領域121に10ページ先に相当するゲーム媒体12a~12iが表示されるようにしてもよい。同様に、表示領域121にゲーム媒体12a~12iが表示されている場合において、ユーザが表示領域121を下にスライドする入力操作に応じて、表示領域121に10ページ前に相当するゲーム媒体2a~2iが表示されるようにしてもよい。
【0070】
さらに、このようにスライドの入力操作に応じてページ切り替えを行う場合、例えば斜め方向のスライドの入力操作に応じて、制御部13は、隣接しない所定のページに飛ぶように切り替えて表示してもよい。例えば、
図8(A)に示すように、表示領域121にゲーム媒体2a~2iが表示されている場合において、ユーザが表示領域121を左下から右上にスライドする入力操作に応じて、表示領域121に100ページ先に相当するゲーム媒体102a~102iが表示されるようにしてもよい。
【0071】
ここで、表示領域121に表示されるページは、タブ124で切り替えられてもよい。
図8(A)の例では、ユーザは番号「2」が記されたタブ124を選択している。そして、表示領域121には、第2ページに含まれるゲーム媒体2a~2iが表示されている。ユーザはタブ124によって容易にページを切り替えることができる。ここで、例えばユーザが番号「1」が記されたタブ124を選択した場合には、表示領域121にゲーム媒体1a~1iが表示される。また、タブ124に代えて、
図8(B)に示されるスライダ125によってページ切り替えが可能であってもよい。スライダ125は各ページに対応
した目盛り単位でつまみを移動することが可能である。
【0072】
さらに、
図8(C)に示されるように、表示領域121に表示されているゲーム媒体2a~2iをまとめて一度に選択可能な画面内全選択ボタン126が設けられていてもよい。例えば制御部13は、第1の入力操作データに基づいてユーザが画面内全選択ボタン126を押したと判定する場合に、表示部12の表示領域121に表示されている全てのゲーム媒体2a~2iが選択されたと判定する。このとき、タブ124で選択されていない第1ページのゲーム媒体1a~1iおよび第3ページのゲーム媒体3a~3iは表示部12に表示されていない。そのため、制御部13は、ゲーム媒体1a~1iおよびゲーム媒体3a~3iは選択されていないと扱う。そして、制御部13は、選択されたゲーム媒体2a~2iの表示色を変化させるように表示部12を制御する。その後、制御部13は、ユーザが画面内全選択ボタン126を再び押したと判定する場合に、ゲーム媒体2a~2iの選択を解除する。つまり、画面内全選択ボタン126は表示部12に表示されているゲーム媒体の全てを選択し、また、その選択を解除するトグルボタンとして機能する。
【0073】
ここで、ゲーム媒体は、ユーザが指定した1つ以上の条件、好適には複数の条件でソートされてもよい。ソートの対象は、表示領域121に表示されているゲーム媒体(例えばゲーム媒体2a~2i)に限ってもよいし、表示領域121に表示されないゲーム媒体を含む全て(例えばゲーム媒体1a~1i,2a~2iおよび3a~3i)でもよい。複数の条件とは、例えば1つ目の条件としてレア度、2つ目の条件として属性を指定可能であることをいう。そして、各属性についてレア度の高い順にゲーム媒体がソートされてもよい。このような複数の条件でのソートによって、ユーザはゲーム媒体を各ページに適切に割り当てることが容易になる。
【0074】
上記の実施形態において、テーブル111は、ゲーム媒体に対する様々な処理を、表示領域121に表示されるゲーム媒体の種類毎にスライド操作の向きに対応付ける(
図4参照)。ここで、テーブル111は、更に選択されるゲーム媒体が1つであるか、複数であるかの区分を有していてもよい。そして、ゲーム媒体の種類が同じであっても、ゲーム媒体が1つであるか、複数であるかで処理が異なっていてもよい。
【0075】
図9(A)および
図9(B)の例では、キャラクタであるゲーム媒体2a~2iが表示領域121に表示されている。
図9(A)の例では、複数(2つ)のゲーム媒体2a,2bが選択されている。このとき、選択されたキャラクタに対して、強化合成、進化合成、売却の処理が可能であることがヘルプ情報122に示されている。一方、
図9(B)の例では、単数(1つ)のゲーム媒体2aが選択されている。このとき、選択されたキャラクタに対して、リーダー設定、装備変更、売却の処理が可能であることがヘルプ情報122に示されている。
図9(B)の例では、複数のゲーム媒体を必要とする強化合成、進化合成に代えて、1つのゲーム媒体を対象にするリーダー設定、装備変更という処理が可能になっている。このように、選択されるゲーム媒体が1つであるか、複数であるかで、ゲーム媒体に対する処理を異ならせて、実行可能な処理だけをスライド操作の向きに対応付ける。このことにより、ユーザにとって一層使いやすいユーザインタフェースを実現できる。
【0076】
上記の実施形態において、スライド操作の向きに応じてゲーム媒体に対する様々な処理の中から一の処理が実行された。ここで、既にゲーム媒体に対する一の処理を実行することが決定している状況において、スライド操作の向きおよび長さの少なくとも一方に応じて、一の処理における選択事項の決定が行われてもよい。例えば、スライド操作の向きに応じた一の処理をユーザが選択した後に、画面が一の処理を実行するための専用画面に遷移して、専用画面においてユーザがそれまでと同様にスライド操作で選択事項(例えばパラメータ、キャラクタ等)を決定できるようにしてもよい。
【0077】
図10は、既に選択したゲーム媒体をキャラクタに装着させるという処理が決定している状況で、ユーザがスライド操作でキャラクタを選択するための画面を示す。画面の中央には装着させる装備品iが表示されている。そして、装備品iの上下左右の向きに、それぞれ4人のキャラクタA~Dが割り当てられている。
図10の例では、ユーザは画面上で右向きのスライド操作を行い、装備品iをキャラクタBに装着させるように指示をする。ここで、この画面においても予測123が表示されてもよい。予測123として、ユーザのスライド操作の向きに応じたキャラクタに装備品iを装着させた場合のイメージ、パラメータ等が表示されてもよい。ユーザは予測123を確認することによって、装着させる処理の実行前に各キャラクタへの試着ができる。また、
図10の例では、装備品iは1つの武器であるが、複数の装備品(例えば、剣および盾)をまとめてキャラクタに装着させることができてもよい。
【0078】
また、
図11は、強化用ポイント(消費することでキャラクタを強化することができるポイント)によるユーザキャラクタの強化という処理が決定している状況で、ユーザがスライド操作で強化するパラメータを選択するための画面を示す。画面の中央から6つの向きにそれぞれ6つのパラメータ(攻撃力、HP、スキル、防御力、MP、速さ)が割り当てられている。
図11の例では、ユーザは画面上で上向きのスライド操作V1を行い、上向きに割り当てられている攻撃力を強化することができる。また、
図11の例では、ユーザは画面上で左下向き(MPと防御力との中間の向き)のスライド操作V2も行い、MPおよび防御力を同時に強化することができる。強化の度合いは、スライド操作の長さに応じて大きくなり、強化用ポイントの消費も大きくなる。
図11の例では、スライド操作V1がスライド操作V2よりも長いので、MPおよび防御力よりも攻撃力について大きく強化される。ここで、ユーザが画面の中央を長押しする場合には、長押しの時間に応じた大きさで、全てのパラメータが均等に強化されてもよい。
【0079】
上記の実施形態において、1つの閾値が設けられており、スライド操作の始点から終点までの距離が閾値を超えるか否に応じて処理の実行またはキャンセルが行われた(
図6(B)参照)。ここで、閾値は複数あってもよい。そして、複数の閾値のそれぞれは、異なる処理の実行判定で用いられてもよい。
【0080】
例えば、一の向きに2つの処理である「合成」および「売却」が対応づけられているとする。そして、第1の閾値と、第1の閾値よりも大きい第2の閾値が設けられているとする。制御部13は、ユーザのスライド操作の始点から終点までの距離が第1の閾値以下である場合に、2つの処理のどちらもキャンセルされたと判定する。また、制御部13は、その距離が第1の閾値を超えて、かつ第2の閾値以下である場合に、選択されたゲーム媒体に対して「合成」を実行する。また、制御部13は、その距離が第2の閾値を超える場合に、選択されたゲーム媒体に対して「合成」ではなく「売却」を実行する。このように、複数の処理のそれぞれに対応する閾値を複数設けることによって、一の向きに複数の処理を対応付けることが可能になる。そして、スライドの向きの数を増加させることなく、より多くの処理を対応付けることができるので、一層効率的な操作を可能にするユーザインタフェースを実現できる。このとき、表示部12の長手方向の向き(例えば上下の向き)に複数の処理を対応付けてもよい。言い換えると、表示部12の短手方向の向き(例えば左右の向き)には1つの処理を対応付けてもよい。表示部12の形状に合わせて、1つの向きに対応付けられる処理の数を調整することによって、サイズが比較的小さい表示部12を有する情報処理装置1でも、一層操作がしやすいユーザインタフェースを実現できる。
【0081】
上記の実施形態において、ユーザのスライド操作はタッチパネル上で実行されていた。しかし、スライド操作は接触操作に限定されるものではなく空間(空中)で実行されてもよい。例えば、操作部10はユーザの指等の動きを検知するセンサを備えてもよい。そして、操作部10は空間にユーザの指等が描いた軌跡を入力操作としてもよい。また、例えば、操作部10はユーザが操作する操作機器(コントローラ)であってもよい。そして、ユーザが操作機器(コントローラ)のボタンをプッシュしてからリリースするまでの間に、空間を移動した操作機器の軌跡が入力操作であってもよい。ボタンをプッシュした点、リリースした点がそれぞれ始点、終点に対応してもよい。また、空間での始点から終点の向きは、上下左右方向(1つの平面上の方向)だけでなく手前、奥行き方向について定めてもよい。
【0082】
上記の実施形態において、所定の条件(例えば閾値を超える長さであって、かつ意図的な向きの転換がないこと)が満たされたスライド操作が行われると、一の処理が直ちに実行された。ここで、所定の条件が満たされたスライド操作が行われても、1回目は処理の準備が行われて、もう一度ユーザが同じ向きにスライド操作をした場合に処理が実行されてもよい。例えば、ユーザが行ったスライド操作の向きに対応付けられた処理が倉庫であるとする。このとき、1回目のスライド操作では倉庫への保管は実行されず、準備画面が示されてもよい。準備画面は、例えば選択されたゲーム媒体と「保管してもよいですか?」との確認メッセージとを含むものでもよい。また、1回目のスライド操作の後にユーザが行う処理を実行させる操作は、同じ向きへのスライド操作に代えて、長押し、所定時間のスライド操作の停止等が用いられてもよい。
【0083】
上記の実施形態において、スライド操作の向きに対応付けられているのは、ゲーム媒体に対して実行される処理であった。ここで、スライド操作の1つの向きにはキャンセルが対応付けられてもよい。例えば、ゲーム媒体の種類にかかわらず、左下向きにキャンセルが対応付けられてもよい。このとき、ゲーム媒体の選択で過不足があったことに気付いた場合等に、ユーザは左下向きのスライド操作をすることによって直ちにキャンセルをするができる。また、スライド操作の1つの向きにはヘルプ情報122の表示が対応付けられてもよい。例えば、ゲーム媒体の種類にかかわらず、左上向きにヘルプ情報122の表示が対応付けられてもよい。このとき、ユーザはいつでも直ちにヘルプ情報122を確認することができる。また、上記のように処理の準備(例えば倉庫の準備、売却の準備等)が行われる場合に、スライド操作の1つの向きに最終的な実行が対応付けられてもよい。このとき、複数の処理の準備の後でまとめて処理を実行することが可能になる。
【0084】
上記の実施形態においては、ユーザによる一の入力操作(スライド)に応じて、選択されたゲーム媒体に対して一の処理を実行した。しかしながら、ユーザによる複数段階のスライドの入力操作に応じて、それぞれの段階の入力操作の向きに対応する、それぞれ異なる複数の処理を実行してもよい。例えば、アイテム(ゲーム媒体)を選択した後で、右に所定の距離スライドする入力操作に応じて、「アイテム合成」のアイコン(または上述の予測123など)が表示されるようにしてもよい。その後、さらに右に所定の距離スライドする入力操作に応じて、「アイテム通常合成」の処理が実行されるようにしてもよい。一方、ここで、右ではなく下への所定の距離スライドする入力操作に応じて、「アイテム特殊合成」の処理が実行されるようにしてもよい。また、ここで、右または下ではなく、左に所定の距離スライドする入力操作に応じて、「アイテム合成」のアイコンが消去されて、合成の処理の実行がキャンセルされるようにしてもよい。
【0085】
上記の実施形態において、ユーザがゲーム媒体を選択した後に長押しをすると、ヘルプ情報122が表示部12に示された。ここで、ヘルプ情報122が表示部12に表示するための操作は長押しに限定されるものではない。例えば、ユーザが特定の図形等(例えば円、三角形等)を描くと、ヘルプ情報122が表示部12に表示されてもよい。また、操作部10が圧力センサを備えており、ユーザの入力操作の圧力に応じた深さ(ユーザから見て奥向きの入力レベル)を判定する場合には、入力操作データに深さ情報(圧力値)が含まれてもよい。そして、制御部13は、入力操作の深さが第1のレベルの場合にはタップ、スライド操作と扱い、入力操作の深さが第2のレベルの場合にはヘルプ情報122を表示させてもよい。
【0086】
上記の実施形態において、ゲーム媒体を表示する表示領域121は表示部12の一部であった。ここで、表示部12の全体が表示領域121であってもよい。この場合においても、ユーザは表示領域121内でスライド操作を行うことによって、選択されたゲーム媒体に対する様々な処理を実行できる。そして、表示領域121に表示可能なゲーム媒体の数を最も増やすことができる。
【0087】
上記の実施形態において、スライド操作の終点が特定されなければ、一の処理が実行されることはなかった。しかし、スライド操作の終点が特定されなくても、スライド操作の軌跡の長さが所定の長さ(例えば
図6(A)の閾値Thに相当する長さ)に達した時点で、一の処理が実行されるようにしてもよい。
【0088】
上記の実施形態において、所定の長さである閾値が設けられており、スライド操作の始点から終点までの距離が閾値を超えるか否に応じて処理の実行またはキャンセルが行われた(
図6(B)参照)。ここで、距離に代えて速度が用いられてもよい。このとき、閾値も所定の速度であるように設定されていてもよい。
【0089】
また、上述した実施形態において、情報処理装置1の制御部13が実行する動作及び処理の一部又は全部を、情報処理装置1と通信するサーバ装置が実行する構成であってもよい。例えば情報処理装置1の表示部12に表示される画面の表示制御等は、情報処理装置1およびサーバ装置の何れか一方が実行してもよく、情報処理装置1およびサーバ装置が協働して実行してもよい。
【0090】
また、上記の実施形態において、ゲーム画面の一部をサーバ装置が生成したデータに基づいて情報処理装置1の表示部12に表示させるウェブ表示とし、ゲーム画面の一部を、情報処理装置1にインストールされているネイティブアプリによって表示させるネイティブ表示としてもよい。このように、上述した実施形態に係るゲームは、情報処理装置1およびサーバ装置のそれぞれが処理の一部を担うハイブリッドゲームとすることもできる。
【0091】
また、情報処理装置1またはサーバ装置として機能させるために、例えばコンピュータ、携帯電話等を好適に用いることができる。情報処理装置1またはサーバ装置は上記の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、アクセス可能な記憶部に格納し、CPUによって当該プログラムを読み出して実行させることによって実現可能である。
以下に、本願の原出願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] ゲーム媒体を表示する表示部と、ユーザが前記ゲーム媒体を選択する第1の入力操作および前記第1の入力操作により選択されたゲーム媒体に対する処理を指示する第2の入力操作を受け付けて、前記第1の入力操作を座標情報と関連付けた第1の入力操作データおよび前記第2の入力操作を座標情報と関連付けた第2の入力操作データを出力する操作部と、前記ゲーム媒体に対する処理と向きとを対応付けた情報を記憶する記憶部と、を備える情報処理装置に、
前記第1の入力操作データに基づいて、前記選択されたゲーム媒体を特定するゲーム媒体特定ステップと、
前記記憶部から前記情報を取得するステップと、
前記第2の入力操作データに基づいて、前記第2の入力操作の始点から終点への向きを特定するステップと、
前記第2の入力操作の始点から終点までの距離が閾値を超える場合に、前記情報で前記第2の入力操作の始点から終点への向きに対応付けられた一の処理を前記選択されたゲーム媒体に対して実行し、前記第2の入力操作の始点から終点までの距離が閾値を超えない場合に前記一の処理を実行しない、判定ステップと、を実行させる、プログラム。
[2] ゲーム媒体を表示する表示部と、ユーザが前記ゲーム媒体を選択する第1の入力操作および前記第1の入力操作により選択されたゲーム媒体に対する処理を指示する第2の入力操作を受け付けて、前記第1の入力操作を座標情報と関連付けた第1の入力操作データおよび前記第2の入力操作を座標情報と関連付けた第2の入力操作データを出力する操作部と、前記ゲーム媒体に対する処理と向きとを対応付けた情報を記憶する記憶部と、を備える情報処理装置に、
前記第1の入力操作データに基づいて、前記選択されたゲーム媒体を特定するゲーム媒体特定ステップと、
前記記憶部から前記情報を取得するステップと、
前記第2の入力操作データに基づいて、前記第2の入力操作の始点から終点への向きを特定するステップと、
前記第2の入力操作の始点から終点までの単位時間当たりの距離変化が閾値を超える場合に、前記情報で前記第2の入力操作の始点から終点への向きに対応付けられた一の処理を前記選択されたゲーム媒体に対して実行し、前記第2の入力操作の始点から終点までの単位時間当たりの距離変化が閾値を超えない場合に前記一の処理を実行しない、判定ステップと、を実行させる、プログラム。
[3] 前記判定ステップにおいて、
前記閾値は複数であって、
複数の前記閾値のそれぞれは異なる処理の実行判定で用いられる、[1]または[2]に記載のプログラム。
[4] 前記第2の入力操作の始点が特定されて、かつ終点が特定されていない場合に、前記情報で前記第2の入力操作の始点から特定中間点への向きに対応付けられた一の処理が実行されたときの予測を前記表示部に表示する予測表示ステップと、を実行させる、[1]から[3]のいずれか一項に記載のプログラム。
[5] 前記判定ステップにおいて、
さらに、前記第2の入力操作の始点から終点への向きが、前記予測表示ステップにおける前記第2の入力操作の始点から特定中間点への向きと略同じという条件が満たされた場合に、前記一の処理を前記選択されたゲーム媒体に対して実行する、[4]に記載のプログラム。
[6] 前記操作部は、前記第1の入力操作とも前記第2の入力操作とも異なる第3の入力操作を受け付けて、前記第3の入力操作を座標情報と関連付けた第3の入力操作データを出力し、
前記第3の入力操作データに基づいて、前記ゲーム媒体に対する処理と向きとの対応付けを説明する画像および文の少なくとも一方であるヘルプ情報を前記表示部に表示するヘルプ表示ステップ、を実行させる、[1]から[5]のいずれか一項に記載のプログラム。
[7] 前記ヘルプ表示ステップにおいて、
前記第3の入力操作の開始から終了までの時間が所定の時間を超えて、かつ始点の座標と終点の座標との距離が所定の距離以下である場合に、前記ヘルプ情報を前記表示部に表示する、[6]に記載のプログラム。
[8] 前記表示部は画面内全選択ボタンを表示し、
前記ゲーム媒体特定ステップにおいて、
前記第1の入力操作データに基づいてユーザが前記画面内全選択ボタンを押したと判定する場合に、前記表示部に表示されている全てのゲーム媒体が選択されたとする、[1]から[7]のいずれか一項に記載のプログラム。
[9] ゲーム媒体を表示する表示部と、ユーザが前記ゲーム媒体を選択する第1の入力操作および前記第1の入力操作により選択されたゲーム媒体に対する処理を指示する第2の入力操作を受け付けて、前記第1の入力操作を座標情報と関連付けた第1の入力操作データおよび前記第2の入力操作を座標情報と関連付けた第2の入力操作データを出力する操作部と、前記ゲーム媒体に対する処理と向きとを対応付けた情報を記憶する記憶部と、を備える情報処理装置によって実行されるゲームの制御方法であって、
前記第1の入力操作データに基づいて、前記選択されたゲーム媒体を特定するステップと、
前記記憶部から前記情報を取得するステップと、
前記第2の入力操作データに基づいて、前記第2の入力操作の始点から終点への向きを特定するステップと、
前記第2の入力操作の始点から終点までの距離が閾値を超える場合に、前記情報で前記第2の入力操作の始点から終点への向きに対応付けられた一の処理を前記選択されたゲーム媒体に対して実行し、前記第2の入力操作の始点から終点までの距離が閾値を超えない場合に前記一の処理を実行しないステップと、を含む制御方法。
[10] ゲーム媒体を表示する表示部と、
ユーザが前記ゲーム媒体を選択する第1の入力操作および前記第1の入力操作により選択されたゲーム媒体に対する処理を指示する第2の入力操作を受け付けて、前記第1の入力操作を座標情報と関連付けた第1の入力操作データおよび前記第2の入力操作を座標情報と関連付けた第2の入力操作データを出力する操作部と、
前記ゲーム媒体に対する処理と向きとを対応付けた情報を記憶する記憶部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記第1の入力操作データに基づいて、前記選択されたゲーム媒体を特定し、
前記記憶部から前記情報を取得し、
前記第2の入力操作データに基づいて、前記第2の入力操作の始点から終点への向きを特定し、
前記第2の入力操作の始点から終点までの距離が閾値を超える場合に、前記情報で前記第2の入力操作の始点から終点への向きに対応付けられた一の処理を前記選択されたゲーム媒体に対して実行し、前記第2の入力操作の始点から終点までの距離が閾値を超えない場合に前記一の処理を実行しない、情報処理装置。
【符号の説明】
【0092】
1,1A 情報処理装置
10 操作部
11 記憶部
12 表示部
13 制御部
111 テーブル
121 表示領域
122 ヘルプ情報
123 予測
124 タブ
125 スライダ
126 全選択ボタン
131 始点
132 終点
133 特定中間点