(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-12
(45)【発行日】2022-09-21
(54)【発明の名称】下部仕切り板
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20220913BHJP
G09F 23/00 20060101ALI20220913BHJP
【FI】
A63F7/02 349Z
A63F7/02 349B
G09F23/00 Z
(21)【出願番号】P 2016256546
(22)【出願日】2016-12-28
【審査請求日】2019-12-16
【審判番号】
【審判請求日】2021-07-12
(73)【特許権者】
【識別番号】506179697
【氏名又は名称】株式会社エルゴジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100144048
【氏名又は名称】坂本 智弘
(72)【発明者】
【氏名】安田 光守
【合議体】
【審判長】鉄 豊郎
【審判官】古屋野 浩志
【審判官】澤田 真治
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3136432(JP,U)
【文献】特開2016-131807(JP,A)
【文献】実開平5-41587(JP,U)
【文献】特開平11-103974(JP,A)
【文献】特開平2009-233138(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F7/02
G09F23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
床の上に並んで配置される2つの遊技台の間から前記2つの遊技台に対して遠ざかる遠離方向に延びる前方領域の下部を仕切る下部仕切り板であって、
前記前方領域の下方に配置され、前記遠離方向に広がる仕切り板本体と、
前記仕切り板本体を前記床に固定する下部固定部と、
前記仕切り板本体から前記遠離方向に延びるように形成される羽根部と、を備え、
前記羽根部は、モニタを収容するモニタ収容部と、前記モニタ収容部に収容されたモニタを保持するモニタ保持部とを有し、
前記モニタは、前記仕切り板本体が設置されている遊技台の遊技者以外の他の遊技者に対する優越感を得るように、当該遊技台の遊技の状態を視覚的に演出する演出画像として、フィーバーの演出又は出玉に応じてドル箱が積み上がった状態の演出を表示し、
前記モニタは、前記遊技台が設置されている遊技島に対して位置関係が不変に配置されており、前記遊技台の近傍の床の上に現実のドル箱を積み上げることを視覚的に
演出する
ように、前記遊技島の膳板以下の高さにおい
て当該遊技台に対応する当該モニタで常に前記演出画像を表示する、下部仕切り板。
【請求項2】
前記モニタ収容部は、前記羽根部の一方の側面に形成され、
前記羽根部は、さらに、前記羽根部の他方の側面に形成された別のモニタ収容部と、前記別のモニタ収容部に収容された別のモニタを保持する別のモニタ保持部と、を有する、請求項1に記載の下部仕切り板。
【請求項3】
前記羽根部は、広告用パネルを収容するパネル収容部と、前記パネル収容部に収容された広告用パネルを保持するパネル保持部と、を有する、請求項1又は2に記載の下部仕切り板。
【請求項4】
前記羽根部は、遊技者の接触を避けるための切欠き部を有する、請求項1から3のいずれかに記載の下部仕切り板。
【請求項5】
さらに、前記仕切り板本体に設けられ、前後方向及び横方向の少なくとも一方にスライドする肘置きを備える、請求項1から4のいずれかに記載の下部仕切り板。
【請求項6】
さらに、前記肘置きの前記仕切り板本体側に設けられ、前記肘置きに置かれた手が接触可能な板部材を備える、請求項5に記載の下部仕切り板。
【請求項7】
さらに、前記肘置きの高さを調整する肘置き高さ調整部を備える、請求項5又は6に記載の下部仕切り板。
【請求項8】
前記肘置き高さ調整部は、前記下部固定部から垂直方向に立設されたフレーム部と、前記仕切り板本体と前記フレーム部とを固定する固定手段と、を有する、請求項7に記載の下部仕切り板。
【請求項9】
さらに、収納状態から展開状態に展開可能なテーブルを備える、請求項1から8のいずれかに記載の下部仕切り板。
【請求項10】
前記テーブルは、回動軸を中心に前記収納状態と前記展開状態との間の回動が可能に、かつ、前記展開状態において前記回動軸が延びる回動軸方向のスライドが可能なテーブル本体と、前記テーブル本体が前記展開状態において前記回動軸方向の一方側にスライドをしたときに前記テーブル本体の回動を規制するロック部と、前記テーブル本体が前記展開状態において前記回動軸方向の前記一方側に前記テーブル本体に対して付勢力を与える付与部と、を有する、請求項9に記載の下部仕切り板。
【請求項11】
さらに、前記仕切り板本体の少なくとも一方の面に設けられたポケットを備える、請求項1から10のいずれかに記載の下部仕切り板。
【請求項12】
さらに、前記仕切り板本体を膳板に固定するための膳板固定部を備える、請求項1から11のいずれかに記載の下部仕切り板。
【請求項13】
床の上に並んで配置される2つの遊技台の間から前記2つの遊技台に対して遠ざかる遠離方向に延びる前方領域の下部を仕切る下部仕切り板であって、
前記前方領域の下方に配置され、前記遠離方向に広がる仕切り板本体と、
前記仕切り板本体を前記床に固定する下部固定部と、
前記仕切り板本体から前記遠離方向に延びるように形成される羽根部と、を備え、
前記羽根部は、モニタを収容するモニタ収容部と、前記モニタ収容部に収容されたモニタを保持するモニタ保持部とを有し、
前記モニタは、前記仕切り板本体が設置されている遊技台の遊技者以外の他の遊技者に対する優越感を得ることができる演出画像を表示するように、
隣接する他の下部仕切り板の羽根部
に向けて設けられており、
前記モニタは、前記遊技台が設置されている遊技島に対して位置関係が不変に配置されており、前記遊技台の近傍の床の上に現実のドル箱を積み上げることを視覚的に
演出する
ように、前記遊技島の膳板以下の高さにおい
て当該遊技台に対応する当該モニタで常に前記演出画像を表示する、下部仕切り板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下部仕切り板に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ台及びスロットマシン等の遊技台が設置された遊技ホールでは、遊技者に遊技に集中してもらうために、遊技者ごとに快適な遊技空間を提供している。例えば、特許文献1には、仕切手段を利用して利用者が楽な姿勢で遊技が行えるように、遊技者が使用する側の腕を置く肘掛部を備えた遊技機用ブースが記載されている。この遊技機用ブースによれば、遊技者は、その遊技機用空間を使用して快適に遊技に集中することができる。
【0003】
しかし、遊技機用ブースは、仕切り板で仕切られているので、遊技台で得たパチンコ玉及びメダル(出玉)を入れた箱(ドル箱)を遊技台の近傍の床の上に積み上げることが難しくなった。そこで、得た出玉を遊技台の外に払い出しをする代わりに、得た出玉を各遊技台に設けられた表示部で表示することが行われている。
【0004】
他方、ドル箱の積み上げは、遊技ホールの華であり、遊技者は、ドル箱を積み上げることにより、他の遊技者に対する優越感を得ている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、遊技者が占有できる遊技空間内において、よりよい遊技環境を提供可能な下部仕切り板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係る下部仕切り板は、床の上に並んで配置される2つの遊技台の間から前記2つの遊技台に対して遠ざかる遠離方向に延びる前方領域の下部を仕切る下部仕切り板であって、前記前方領域の下方に配置され、前記遠離方向に広がる仕切り板本体と、前記仕切り板本体を前記床に固定する下部固定部と、を備え、前記仕切り板本体は、モニタを収容するモニタ収容部と、前記モニタ収容部に収容されたモニタを保持するモニタ保持部とを有することを特徴とする。
【0008】
本発明に係る下部仕切り板において、前記仕切り板本体は、前記仕切り板本体から前記遠離方向に延びるように形成される羽根部を有し、前記羽根部は、モニタを収容するモニタ収容部と、前記モニタ収容部に収容されたモニタを保持するモニタ保持部とを有することを特徴とする。
【0009】
本発明に係る下部仕切り板において、前記モニタ収容部は、前記羽根部の一方の側面に形成され、前記羽根部は、さらに、前記羽根部の他方の側面に形成された別のモニタ収容部と、前記別のモニタ収容部に収容された別のモニタを保持する別のモニタ保持部と、を有することを特徴とする。
【0010】
本発明に係る下部仕切り板において、前記羽根部は、広告用パネルを収容するパネル収容部と、前記パネル収容部に収容された広告用パネルを保持するパネル保持部と、を有することを特徴とする。
【0011】
本発明に係る下部仕切り板において、前記羽根部は、遊技者の接触を避けるための切欠き部を有することを特徴とする。
【0012】
本発明に係る下部仕切り板において、さらに、前記仕切り板本体に設けられ、前後方向及び横方向の少なくとも一方にスライドする肘置きを備えることを特徴とする。
【0013】
本発明に係る下部仕切り板において、さらに、前記肘置きの前記仕切り板本体側に設けられ、前記肘置きに置かれた手が接触可能な板部材を備えることを特徴とする。
【0014】
本発明に係る下部仕切り板において、さらに、前記肘置きの高さを調整する肘置き高さ調整部を備えることを特徴とする。
【0015】
本発明に係る下部仕切り板において、前記肘置き高さ調整部は、前記下部固定部から垂直方向に立設されたフレーム部と、前記仕切り板本体と前記フレーム部とを固定する固定手段と、を有することを特徴とする。
【0016】
本発明に係る下部仕切り板において、さらに、収納状態から展開状態に展開可能なテーブルを備えることを特徴とする。
【0017】
本発明に係る下部仕切り板において、前記テーブルは、回動軸を中心に前記収納状態と前記展開状態との間の回動が可能に、かつ、前記展開状態において前記回動軸が延びる回動軸方向のスライドが可能なテーブル本体と、前記テーブル本体が前記展開状態において前記回動軸方向の一方側にスライドをしたときに前記テーブル本体の回動を規制するロック部と、前記テーブル本体が前記展開状態において前記回動軸方向の前記一方側に前記テーブル本体に対して付勢力を与える付与部と、を有することを特徴とする。
【0018】
本発明に係る下部仕切り板において、さらに、前記仕切り板本体の少なくとも一方の面に設けられたポケットを備えることを特徴とする。
【0019】
本発明に係る下部仕切り板において、さらに、前記仕切り板本体を膳板に固定するための膳板固定部を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、遊技者が占有できる遊技空間内において、よりよい遊技環境を提供可能な下部仕切り板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】遊技島における第1実施形態に係る下部仕切り板の利用状態を模式的に表した図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係る下部仕切り板のテーブルが収納されている状態を示す斜視図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係る下部仕切り板のテーブルが収納されている状態を示す斜視図である。
【
図4】本発明の第1実施形態に係る下部仕切り板のテーブルが収納されている状態を示す構成図である。
【
図5】本発明の第1実施形態に係る下部仕切り板の肘置きを説明する図である。
【
図6】本発明の第1実施形態に係る下部仕切り板のテーブルを展開した状態を示す図である。
【
図7】本発明の第1実施形態に係る下部仕切り板のテーブルを展開した状態を示す図である。
【
図8】本発明の第1実施形態に係る下部仕切り板の羽根部の広告収納部について説明する図である。
【
図9】本発明の第1実施形態の変形例に係る下部仕切り板を説明する図である。
【
図10】本発明の第2実施形態に係る下部仕切り板にポケットを取り付けた状態を示す斜視図である。
【
図11】本発明の第2実施形態に係る下部仕切り板へのポケットの取り付け方を示す分解斜視図である。
【
図12】本発明の第2実施形態の変形例に係る下部仕切り板にポケットを取り付けた状態を示す斜視図である。
【
図13】本発明の第2実施形態の変形例に係る下部仕切り板にポケットを取り付けた状態を示す斜視図である。
【
図14】本発明の変形例に係る下部仕切り板のモニタの表示状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。以降の図においては、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号又は符号を付している。
図1に示すように、以下の説明において、並んで配置された複数の遊技台Bの方向をY方向とし、遊技台Bの正面方向をX方向とし、上下方向をZ方向とする。
以下、
図1から
図9を参照しながら本発明に係る下部仕切り板1の構成について詳細に説明する。
【0023】
図1に示すように、遊技ホールには複数の遊技島Aが配置されている。各遊技島Aには複数の遊技台Bが設置されている。
【0024】
各遊技島Aに設置されている複数の遊技台Bは、遊技ホールの床の上に並んで配置されている。複数の遊技台Bにおいて、並んで配置された2つの遊技台Bの間から遊技台Bに対して遠ざかる遠離方向x1(X方向のうち遊技台Bに対して遠ざかる方向)に延びる前方領域に上部仕切り板Cが配置されている。
【0025】
下部仕切り板1は、前方領域の下部を仕切る仕切り板である。下部仕切り板1は、前面が遊技台Bの枠体と略同じ位置となるように各遊技台Bの台間に配置される上部仕切り板Cの床方向(Z方向のうち下向きの方向である下方向z1)側に設置されている。
【0026】
(下部仕切り板)
図2から
図7に示すように、下部仕切り板1は、仕切り板本体10と、下部固定部42とを備える。下部仕切り板1は、さらに、テーブル20と、肘置き30と、膳板固定部40と、高さ調整部41と、フック60とを備える。仕切り板本体10は、羽根部11を含むことが好ましい。
【0027】
(仕切り板本体)
図2に示すように、仕切り板本体10は、Y方向に並んで配置された2つの遊技台Bの間の距離(
図1において、上部仕切り板Cの厚さ)と略同じ厚さを有する板形状に形成されている。仕切り板本体10に複数の穴を設けて、通気性を確保するようにしてもよい。
仕切り板本体10の側部には、羽根部11を取り付けるための孔10bが形成されている。
仕切り板本体10の一方の側面には、テーブル本体20aを収納する凹部形状のテーブル収納部10aが形成されている。
仕切り板本体10は、鉄、ステンレス、アルミニウムのような金属によって構成されていることが好ましいが、樹脂のような素材によって構成されていてもよい。仕切り板本体10が金属によって構成されている場合、仕切り板本体10の周囲に塗装が施されていることが好ましい。
また、仕切り板本体10には、傘、洋服収納容器又はメダル収納容器等を保持する保持部を設けていることが好ましい。
【0028】
(フック)
図3及び
図4に示すように、フック60は、仕切り板本体10の側面に設けられている。フック60には、例えば、遊技者の鞄のような私物を掛けることができる。
【0029】
(羽根部)
図2及び
図6(a)に示すように、羽根部11は、板形状を有し、遠離方向x1に延びるように、仕切り板本体10に形成されている。羽根部11は、仕切り板本体10のうち、遠離方向x1の端部である側部に形成されていることが好ましいがこれに限定されない。
【0030】
羽根部11は、仕切り板本体10の孔10bにネジのような取付部43を通すことによって、仕切り板本体10の側部に取り付けられる。したがって、仕切り板本体10に形成されている孔10bに取付部43を通すことで、固定する(取り付ける)ことができ、取付部43を緩めることによって、取り外すことができる。羽根部11は、大きい羽根部と、小さい羽根部とを用意しておき、必要に応じて大きい羽根部と小さい羽根部を選択的に取付部43によって仕切り板本体10に取付ることができる。
なお、羽根部11と仕切り板本体10とは一体成形されていてもよい。
【0031】
羽根部11の下部の一部には、切欠部12が形成されている。切欠部12が形成されていることによって、遊技台Bの椅子を回転させたときに、椅子及び回転する椅子に座っている遊技者の足が羽根部11に接触することを防ぐことができる。
羽根部11の形状又は大きさは、遊技ホールに設置されるX方向に隣接する2つの遊技島Aの間の間隔や、Y方向に隣接する2つの遊技台Bの間に設置される上部仕切り板Cの形状及び大きさに応じて適宜変更可能である。
【0032】
羽根部11は、遊技ホールの客が接触した時に破損しないように、又は、遊技客が怪我を負わないようにするため、所定の強度と弾性とを有する素材(例えば、樹脂)であることが好ましい。これらの条件を満たすためには、アクリル製のボード、例えば、エラストマー性樹脂が含有される素材を使用するのが好ましい。エラストマー性樹脂は、数あるプラスチックの中でもゴム的な性質を最大の特徴としており、ゴムとプラスチックの双方にまたがるような非常に特徴ある使われ方がなされており、一定の強度と弾性を有する点で羽根部11の素材として最適である。なお、エラストマー性樹脂に限定されず、透明であって一定の強度と弾性を有する素材であれば代替可能である。
【0033】
本実施形態では、仕切り板本体10は、モニタQを収容するモニタ収容部11dと、モニタ収容部11dに収容されたモニタQを保持するモニタ保持部11cとを有する例として、羽根部11が、2つのモニタ収容部11dと、モニタ保持部11cとを有するものとして説明するが、これに限定されない。
2つのモニタ収容部11dは、それぞれ、羽根部11の一方及び他方の側面に形成されている。
各モニタ収容部11dは、モニタQを収容する部分である。モニタ収容部11dは、例えば、羽根部11の側面に形成された凹部である。
モニタ保持部11cは、モニタ収容部11dに収容されたモニタQを保持する保持部である。モニタ保持部11cは、モニタQの周囲を保持する爪部であることが好ましいが、これに限定されず、モニタQをモニタ収容部11dに収容することができる手段であればよく、例えば、モニタ収容部11dに貼られた粘着テープ等により、モニタQの背面を保持してもよい。
なお、羽根部11は、2つのモニタ収容部11dを有するとして説明したが、1つのモニタ収容部11dを有するとしてもよいし、3つ以上のモニタ収容部11dを有してもよい。
モニタQは、液晶ディスプレイ(有機EL、液晶テレビ、プラズマ)、LED表示機、LEDをバックライトとしてフレームプレートを光らせるもの、バックライト付きカラーパネル(
図14参照)の少なくともいずれかであることが好ましい。モニタQには、遊技台Bの遊技の状態を視覚的に演出する演出画像を表示させることが好ましい。演出画像としては、「フィーバー」の演出、出玉に応じて「ドル箱」の絵(出玉が一杯のドル箱の絵Q1、出玉が半分のドル箱の絵Q2、出玉が入っていないドル箱の絵Q3)を複数表示させて、「ドル箱」が積み上がった状態の演出(
図14参照)を例示することができる。
【0034】
羽根部11は、2つのパネル収容部11aと、パネル保持部11bとを有する。
2つのパネル収容部11aは、それぞれ、羽根部11の一方及び他方の側面に形成されている。パネル収容部11aはモニタ収容部11dの下方向z1側に形成されていることが好ましい。
各パネル収容部11aは、広告用パネルPを収容する部分である。パネル収容部11aは、例えば、羽根部11の側面に形成された凹部である。パネル収容部11aの凹部とモニタ収容部11dの凹部とは共有されていてもよい。
パネル保持部11bは、パネル収容部11aに収容された広告用パネルPを保持する保持爪であることが好ましい。
図8(a)に示す状態から、パネル保持部11bにそって広告用パネルPをパネル収容部11aに収容させていき(
図8(b))、広告用パネルPのすべてをパネル収容部11aに入れることができる(
図8(c))。この構成によって広告用パネルPを簡単に変更することができる。図に示す例では、羽根部11の両側にそれぞれ広告用パネルPを収容することができるように構成したが、両側に広告表示がなされた1枚の広告用パネルを1つの収容部に装着して、両側から視認することができるように構成することもできる。なお、広告用パネルPを収容する収容部を羽根部11に設ける例について説明したが、広告用パネルPを収容する収容部を仕切り板本体10に設けるようにしてもよい。
【0035】
(テーブル)
テーブル20は、テーブル本体20aと、ロック部25と、付与部24と、を有する。テーブル20は、さらに、回動軸21を有する。回動軸21は、仕切り板本体10に取り付けられた回動軸支持部材100により回転及び摺動可能に支持されている。回動軸21は、例えば、X方向に延びていることが好ましい。
テーブル20は、テーブル本体20aが収納された収納状態(
図2参照)と、テーブル本体20aが展開された展開状態(
図6(a)参照)との間の回転が可能に構成されている。
テーブル本体20aは、回動軸21を中心に収納状態(
図2参照)と展開状態(
図6(a)参照)との間の回動が可能に、かつ、展開状態において回動軸21が延びる回動軸方向のスライドが可能な板状の部材である。
ロック部25は、テーブル本体20aが展開状態において回動軸方向(本実施形態では、X方向と平行の方向)の一方側(本実施形態では、遠離方向x1とは反対側)にスライドをしたときにテーブル本体20aの回動を規制することができるように、仕切り板本体10の側面から突出した凸部である。
付与部24は、テーブル本体20aが展開状態において回動軸方向(X方向)の一方側(遠離方向x1とは反対側)にテーブル本体20aに対して付勢力を与えるバネである。
付与部24は、仕切り板本体10に形成された突起23と、回動軸21に設けられた突起22との間に、圧縮状態で設けられている。これより、付与部24は、常に、突起22に、回動軸21の延びる方向(回動軸方向)の一方(遠離方向x1とは反対方向)の付勢力を与え、また、突起23に、回動軸21の延びる方向(回動軸方向)の一方とは反対方向(遠離方向x1)の付勢力を与える。
テーブル本体20aは、不使用時には仕切り板本体10に形成されたテーブル収納部10aに折り畳まれて収納される(収納状態)。
収納状態にあるテーブル本体20aを展開状態に起こすと、テーブル本体20aは、遊技台Bに対して回動軸方向(X方向)にスライドさせることができる。
ロック部25がテーブル本体20aの下側に位置するように、展開状態に起こされたテーブル本体20aを、回動軸方向(X方向)の一方側(遠離方向x1とは反対側)にスライドさせる。
このとき、テーブル本体20aが展開状態において回動軸方向(X方向)の一方側(遠離方向x1とは反対側)にテーブル本体20aに対して付勢力を与える付与部24が設けられているので、展開状態に起こされたテーブル本体20aを、回動軸方向(X方向)の一方側(遠離方向x1とは反対側)にスライドさせることができる。
これにより、テーブル本体20aが収納状態にならないように、テーブル本体20aがロック部25に乗っかるので、展開状態において回動軸方向にスライドさせたテーブル本体20aの回動がロック部25によって規制されている。
なお、図においては、回動によって収納状態から展開状態へ移行する場合を例にとって説明しているが、これに限られず、収納状態から展開状態へ移行することができるものであれば、例えば引き出し式等の場合も含まれる。
【0036】
(肘置き)
図3、
図4及び
図7に示すように、肘置き30は、仕切り板本体10の遊技者の側方と対向する側の面の反対側の面(テーブル20が設置されている側面とは反対側の側面)にスライド可能に設けられる。
肘置き30の仕切り板本体10側には、板部材32が設けられている。板部材32を設けることによって、肘置き30に置かれた遊技者の手が板部材32に接触可能であり、遊技者がハンドルに手を掛ける際の負担を軽減することができる。
図5(b)に示すように、肘置き30の下側には、プレート71が設けられている。仕切り板本体10には、取付金具70が固定されている。取付金具70には、遊技者から左右方向に延びる長孔72が形成されている。取付金具70とプレート71は、長孔72を介してボルト73によって取付されている。ボルト73を緩めることによって、プレート71は取付金具70に対して、左右方向に移動することができ、これによって、肘置き30を遊技台Bからみて左右方向(横方向)にスライドさせることができる。
【0037】
また、
図5(c)に示すように、肘置き30とプレート71は、スライドレール31を介して取り付けられている。スライドレール31は、それぞれネジを介して肘置き30とプレート71に固定されている。スライドレール31は、バネ等によって元の位置に戻るように付勢力が与えられている。スライドレール31によって、遊技台Bの前後方向に肘置き30をスライドさせることができる。これによって遊技者の負担を軽減することができると共に、メンテナンス時には遊技台Bの扉の開閉をしやすくできる。
【0038】
(膳板固定部)
図2及び
図7に示すように、膳板固定部40は、取付金具40aが設けられており、取付金具40aには、複数の孔40bが形成されている。取付金具40aは、膳板D(
図1参照)の下側に位置し、ネジを介して膳板Dに螺着固定される。テーブル20が展開状態となったときにテーブル20の上面と膳板Dの上面が略一致するように、仕切り板本体10に対する取付金具40aの位置が決定されている。このように構成することで、テーブル20と膳板Dとを遊技者が一体的に使用することができる。
【0039】
(高さ調整部)
図2に示すように、高さ調整部41は、肘置き30の高さを遊技台Bのハンドルの高さに対して調整する調整部である。高さ調整部41は、下部固定部42を構成する取付金具42aから垂直方向に立設されたフレーム部42cと、仕切り板本体10とフレーム部42cとを固定するネジ(固定手段)42dと、を有する。仕切り板本体10は、端部が中空に形成されており、この端部に対してフレーム部42cが摺動可能に構成されている。膳板Dの下部と取付金具42aとの間の位置が決まると、フレーム部42cと仕切り板本体10との間の位置関係が決定する。
【0040】
(下部固定部)
図2に示すように、下部固定部42は、仕切り板本体10を床に固定するためのものである。下部固定部42は、取付金具42aを有し、取付金具42aには、複数の孔42bが設けられている。上記高さ調整後、取付金具42aの孔42bにアンカー等でホールの床面に打ち付けることにより、下部仕切り板1を、床面にしっかりと固定することができる。
【0041】
図9は、第1実施形態の変形例を説明する図である。
第1実施形態の下部仕切り板1では、仕切り板本体10を一体のものとして構成したが、
図9に示すように、仕切り板本体を上部仕切り板本体100aと下部仕切り板本体100bに分割して構成することもできる。上部仕切り板本体100a及び下部仕切り板本体100bは、例えば、プラスチック等の樹脂製のカバーや樹脂製のメッシュにて構成される。上部仕切り板本体100aには、羽根部111が一体成形されている。下部仕切り板は、金属製のフレーム50に上部仕切り板本体100a及び下部仕切り板本体100bを装着することによって構成されている。
【0042】
下部仕切り板1によれば、遊技者は、快適に遊技を行うことができ、また、仕切り板本体10の一方の面に収納可能なテーブル20を有することで、遊技者は、そのテーブル20上に、煙草が入った箱、携帯電話、あるいは飲みかけの飲料缶等をその遊技空間内に載置していつでも使用できるような状態にしておくことができる。また、他方の面に肘置き30を備えることで利用者が楽な姿勢で遊技が行えるようになる。
【0043】
また、高さ調整部41を有することで、遊技店によって高さが異なる膳板に合わせて設置が可能となる。また、仕切り板本体10の側部に、着脱自在に設置される羽根部11を設けることで、羽根部11に遊技場のサービス案内情報等、POP(Point of purchase advertising)広告を貼付することができ、タイムリーで的確な宣伝と情報提供が可能になる。
【0044】
なお、下部仕切り板1は、テーブル20に代えて、ポケット80を設けてもよい。ポケット80を設けた場合にも、煙草が入った箱、携帯電話、又は、飲みかけの飲料缶等をその遊技空間内に載置していつでも使用できるような状態にしておくことができる。
【0045】
図10では、ポケット80を仕切り板本体10の上部であって肘置き30とは反対側の面に取り付けた場合を示している。
図11は、
図10のポケット80の取り付け方を仕切り板本体10の反対側すなわち肘置き30の側からみた図である。ポケット80は、その上部に取付用の孔80aを有しており、仕切り板本体10の上部に設けられている取付金具10cによって仕切り板本体10に固定される。図示するように、ポケット80は、その幅において広狭の部分を有しており、収納する物品の大きさによってポケット80内の適した位置を選択できるようになっている。
【0046】
ポケット80の取付位置はこれに限らず、仕切り板本体10に対して幾分下側になるように取り付けてもよい。
図12は、ポケット80が仕切り板本体10の上部よりもポケット80の略1個分だけ下方に取り付けられた変形例を示している。なお、ポケット80は、足を組んだり、少し斜めを向いたりして遊戯する遊技者の姿勢に応じ易いように、仕切り板本体10の枠体に沿って上下にスライドするように構成してもよい。
【0047】
さらに、ポケット80の取付位置は、仕切り板本体10の上部であって肘置き30の側の面に取り付けてもよい。
図13は、
図12の取付位置に対応する箇所に取り付けられた変形例を示している。このようにすると、肘置き30とポケット80が干渉せずに、ポケット80に前述した物品を収納することができる。また、この場合、
図10及び
図11に示したように、仕切り板本体10の反対側の面の上部にもポケット80を取り付けることができ、ポケット80は、仕切り板本体10の少なくとも一方の面に取り付けられればよい。
【0048】
また、
図10から
図13ではポケット80として剛性の枠体から構成されたものを図示したが、ポケット80は、これに限らず、例えば、折り畳み式のカップホルダー状ものや、剛性の枠体に代えて網かご状又はネット状のものなどであってもよく、仕切り板本体10に取り付けられるように、かつ、物品を収納するように構成されているものであれば、種々の態様のものを採用することができる。
【0049】
また、
図14に示すように、広告用パネルPを収容するパネル収容部11aを省略してもよい。
また、モニタ収容部11dの形状及びモニタQの形状は、矩形であるとして説明したが、
図14に示すように、羽根部11の形状に合致した形状であってもよく、また、他の形状(円形状、楕円形状、オーバル形状、多角形状)であってもよい。
【0050】
以上、実施の形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲に限定されないことは言うまでもない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0051】
1…下部仕切り板
10…仕切り板本体
11…羽根部
20…テーブル
30…肘置き
40…膳板固定部
41…高さ調整部
42…下部固定部
50…フレーム
60…フック
70…取付金具
80…ポケット
Q…モニタ