(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-12
(45)【発行日】2022-09-21
(54)【発明の名称】可動浴槽組立体
(51)【国際特許分類】
A47K 3/02 20060101AFI20220913BHJP
A61H 33/00 20060101ALI20220913BHJP
A47K 4/00 20060101ALI20220913BHJP
A47K 3/12 20060101ALI20220913BHJP
A47K 3/28 20060101ALI20220913BHJP
【FI】
A47K3/02
A61H33/00 310F
A47K4/00
A47K3/12
A47K3/28
(21)【出願番号】P 2019518938
(86)(22)【出願日】2017-10-30
(86)【国際出願番号】 PL2017000108
(87)【国際公開番号】W WO2018080329
(87)【国際公開日】2018-05-03
【審査請求日】2020-10-28
(32)【優先日】2016-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】PL
(73)【特許権者】
【識別番号】519120422
【氏名又は名称】シュテク フォーバルトニング アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】シュコフスキー、 ヤヌシュ
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】蘭国特許発明第01027535(NL,C)
【文献】特開2003-024410(JP,A)
【文献】米国特許第03174160(US,A)
【文献】国際公開第2011/155856(WO,A1)
【文献】特開平11-114005(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 3/00-4/00
F16L 27/11
A47B 77/04
A61H 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽(1)と、前記浴槽(1)を変位させる機構であって2対のアーム(2、3)を含む機構とを含み、前記2対のアーム(2、3)の各対が、前記浴槽(1)と対向する側にあり、前記アーム(2、3)の各対は、第1の端において、第1の対の関節継手(9、11)により、フレーム(6、50)を介してベース(30)及び/又は壁(36)に接続されており、第2の端において、第2の対の関節継手(15、16)により、ベッド(4)を介して前記浴槽(1)に接続されている、可動浴槽組立体であって、
前記浴槽(1)が入浴位置から、前記浴槽(1)の凹側が前記入浴位置における前記浴槽(1)の中央の場所の方に向けられる垂直位置まで、前記アーム(2、3)の各対の回転に追従して変位されるように、全てのアーム、継手、及び機構取り付け構造が、前記浴槽(1)の浴槽のレッグ(7)によって前記ベース(30)上に支持された前記浴槽(1)であって水平方向に中心があり前記入浴位置に位置する前記浴槽(1)の上縁(29)の下方で、前記浴槽(1)の前記上縁(29)と前記ベース(30)と前記浴槽(1)に隣接する前記壁(36)とによって画定された空間の内部に完全に配置されており、
前記アーム(2、3)及び前記浴槽(1)は、前記浴槽(1)の軌道を画定する変動リンクを有する4バーリンケージを形成し、
前記アーム(2、3)の移動は、連結要素(10)により、
前記浴槽(1)の第1の側面からの1つのアーム(2、3)から、
前記浴槽(1)の第2の側面からの対応するアーム(2、3)までの堅い接続によって前記浴槽(1)の両側面において同期される、
可動浴槽組立体。
【請求項2】
前記アーム(2、3)は、モータ、アクチュエータ、手動、ばね、及び/又はそれらの組み合わせ、の少なくとも1つを用いて変位されることを特徴とする、請求項1に記載の可動浴槽組立体。
【請求項3】
前記可動浴槽組立体は、関節継手(19)により前記浴槽(1)に、直接的に又は前記ベッド(4)を介して間接的に接続された一対のレッグ(7)であって、直接的に又はレッグ連結要素(8)を介して間接的に、アーム(3)により折り畳み可能な、一対のレッグ(7)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の可動浴槽組立体。
【請求項4】
前記可動浴槽組立体は、以下の要素すなわち、浴槽ハンドル(24)、前記浴槽(1)の側面に沿って前記浴槽(1)をフレーム(6)と連結する設置システム(21、28、80)、並びに前記入浴位置において及び前記垂直位置において前記浴槽(1)をブロックするロック(12、14、25、26、27)、のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の可動浴槽組立体。
【請求項5】
前記入浴位置における前記浴槽(1)はエアウォーターマッサージのために使用され、
前記垂直位置における前記浴槽(1)はシャワーマッサージのために使用され、
前記浴槽(1)は、水及び空気ノズル(37、38、39)、バルブ(42、43、44)、サーモスタット(46)、前記浴槽(1)のリム(29)上に位置し可撓性供給チューブを備えたハンドシャワーヘッド(41)及びグリップ、水流を導く主スイッチバルブ(45)、マッサージ機能を選択及び制御するための制御パネル(63)、供給制御システム、及び浴槽傾斜検出器(64)、を含む群から選択された要素を任意の組み合わせにおいて含む、請求項1に記載の可動浴槽組立体。
【請求項6】
前記浴槽(1)は、壁(60)側において前記浴槽(1)のリム(29)上に取り付けられた摺動シャワーヘッド(40)を備え、前記摺動シャワーヘッド(40)は、前記浴槽(1)が前記入浴位置にある場合に入浴中の人のためのヘッドレストを提供するような形状を有し、前記垂直位置では、前記浴槽(1)に隣接して立っている人によって上部シャワーとして使用可能であるような高さまで出され、前記浴槽(1)を前記入浴位置まで下げる間、前記摺動シャワーヘッド(40)は浴槽(1)の壁(60)の背後にしまい込まれる、請求項1に記載の可動浴槽組立体。
【請求項7】
排水除去システムが浴槽(1)の出口穴(32)を、前記入浴位置において、前記ベース(30)内の排水流出点に、パイプ(51)及び/又は可撓性チューブ(49)と、浴槽(1)の前記垂直位置において同心状に折り畳まれるマッシュルーム型排出物出口(33)とを含むシステムを介して接続する、請求項1に記載の可動浴槽組立体。
【請求項8】
前記浴槽の前記垂直位置における浴槽下壁(59)は、前記浴槽下壁(59)がシートを構成するような前記ベース(30)の上方の高さにその中央部が位置し、且つ前記浴槽下壁(59)がシートを構成するような形状をその中央部において有する、請求項1に記載の可動浴槽組立体。
【請求項9】
前記可動浴槽組立体は、前記浴槽(1)の両側面において浴槽(1)側壁と前記機構とを覆う保護及び装飾カバープレート(52、53)を含む、請求項1に記載の可動浴槽組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個人宅内、保養所内、及び病院内に特に好適な可動浴槽組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許第535509A号明細書では、より緩やかな傾斜を有するより短い浴槽壁(以下では文字「L」によって示す)に接続されたタイを用いてワードローブの内部に持ち上げられる浴槽が開示されており、前記浴槽は、前記浴槽のLの上部に固定された可動継手を用いて前記浴槽を導く、前記より短い浴槽壁の両側上の垂直ガイドを用いて持ち上げられる。この変位は、前記ワードローブの内壁の上部のプーリーを通過した前記タイの他方の端に固定された、前記浴槽の釣り合い重りによって補助される。この方法によって、前記浴槽は、その凹側が外部に面した状態で前記ワードローブ内に配置される。前記浴槽は折り畳みレッグを備えている。
【0003】
米国特許第760540A号明細書には、ワードローブの内部に手動で持ち上げられる浴槽が記載されており、前記浴槽は、前記浴槽のベースに固定されたヒンジを使用して、前記ワードローブに接続された縁において持ち上げられる。前記浴槽はその凹側が前記ワードローブの内部に向いた状態で格納される。
【0004】
米国特許第1235091A号明細書では、シャワーキャビンに変換される浴槽が示されている。折り畳みシャワーヘッド及び付属品が、前記浴槽の内部でその側壁のうちの1つ上に配置される。前記浴槽は、その垂直位置においてその凹側が、前記浴槽の輪郭の外部にすでに存在するシャワー空間に向いた状態に回転される。前記シャワーヘッドは噴射水を前記浴槽の内部に導き、入浴中の人は、垂直に位置付けられた前記浴槽の中央に立たなければならない。この解決策では、浴室内で利用される空間が制限されない。この解決策では、必要な人間工学規格を満たすシャワーキャビンを形成するために、長さ、幅、及び奥行きが非常に大きな浴槽が必要とされる。
【0005】
国際公開第2004012568A号パンフレットでは、その第1部において、1つの継手を使用して浴槽が垂直位置まで回転されて、シャワーキャビンのやや傾斜した回転可能な壁が形成される。その第2部においては、水平位置における浴槽の上縁の上方でシャワーハウジングに引っ掛けられたアームを利用し、前記浴槽の両側におけるガイドの追加の助力によって前記浴槽をその垂直位置まで操作して、入浴の間、シャワーキャビンが閉じられる。
【0006】
米国特許第2514848A号明細書では、医療用の浴槽であって、その垂直位置において前記浴槽内に患者を導入し、その水平位置まで前記浴槽を回転させることを可能にする浴槽が示されている。同時に、前記浴槽は治療を行うために便利な高さまで上昇される。この解決法では、一方の側において前記浴槽のベースに引っ掛けられた、且つ他方の側では、地面に固定された軸の周りの回転-摺動変位を駆動するボルトナット機構に継手を介して引っ掛けられたアームであって、前記アーム内の長手方向スロットが貫通された、アームが利用される。前記浴槽の軌道は前記アームの移動によって画定される。
【0007】
米国特許第6378145B1号明細書では、浴槽とシャワーキャビンとの組み合わせが、浴槽を引く機構と共に提案されている。前記浴槽の下及び浴室壁上のガイドが、浴槽壁から利用される。前記浴槽は、そのベースに取り付けられたホイールを用いて、電気モータによって駆動されて前記ガイド上を移動する。
【0008】
周知の解決法では、限られた空間を有する使用者は、別個のシャワー空間と浴槽との間の選択を余儀なくされ、その一方で、シャワー付属品を有する浴槽という選択肢は多くの欠点、すなわち、浴槽の高い壁、浴槽内の限られた空間、恒久的な仕切りの代わりにバスカーテンを使用する必要性と結び付いており、また非常に多くの場合、浴槽の底の危険な表面と結び付いている。浴槽及びシャワーキャビンの両方を有する浴室配置では、必要な付属品及び取り付け物が倍増し、これらの装置の両方がマッサージ機能を有する場合、前記浴室配置は特に高価になる。加えて、着座位置においてシャワーを使用する必要もあり、これは高齢者又は/及び障害者にとって、並びに脚を洗う間、特に重要である。その目的のために、追加の空間を占有するスツールを浴室内に保持しなければならない。浴槽の下の床のいくらかの部分にはアクセスできないため、浴室を清潔に保つのは困難であることが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】米国特許第535509A号明細書
【文献】米国特許第760540A号明細書
【文献】米国特許第1235091A号明細書
【文献】国際公開第2004012568A号パンフレット
【文献】米国特許第2514848A号明細書
【文献】米国特許第6378145B1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、現状技術で周知の解決法の欠点なしに、浴槽と、別個のシャワー空間とを使用することを可能にする解決法である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明による、浴槽と、それを変位させる機構であって少なくとも1つのアームを含む機構とを含む可動浴槽組立体であって、前記アームが、その端のうちの1つにおいて少なくとも1つの関節継手を用いて前記浴槽と接続された、且つその端のうちの第2において少なくとも1つの関節継手を用いてベース及び/又は壁と接続された、可動浴槽組立体は、前記浴槽がその入浴位置から、その垂直位置であってそこにおいては前記浴槽の凹側が前記入浴位置における前記浴槽の中央の場所の方に向けられる垂直位置まで、前記アームの回転に追従して変位されるように、全てのアーム、継手、及び機構取り付け構造が、前記浴槽のレッグによってベース上に支持された前記浴槽であって原則として水平に前記入浴位置に位置する前記浴槽の上縁の下方で、前記浴槽の前記上縁と前記ベースと前記浴槽に適合された前記壁とによって画定された空間の完全に内部に配置されていることを特徴とする。
【0012】
有利には、前記アームは、モータ、アクチュエータ、手動、ばね、及び/又はそれらの組み合わせ、からの少なくとも1つを用いて変位される。
【0013】
有利には、前記可動浴槽組立体は、2対のアームであって各対が前記浴槽の対抗側面上にある2対のアームを含み、各アームは、一方の側において、関節継手を相応じて用いて、アームを介して前記ベース及び/又は前記壁に接続されており、他方の側において、関節継手を用いて、ベッドを介して前記浴槽に接続されており、前記アーム及び前記浴槽は、前記浴槽の軌道を画定する変動リンクを有する4バーリンケージを形成し、前記アームの移動は、第1の対からの1つのアームから、第2の対からの対応するアームまでの、連結要素を用いた堅い接続によって前記浴槽の両側面において同期される。
【0014】
有利には、前記可動浴槽組立体は、関節継手を用いて前記浴槽に、直接的に又は前記ベッドを介して間接的に接続された一対のレッグであって、有利には、直接的に又はレッグ連結要素を介して間接的に、機構アームを用いて折り畳み可能な、一対のレッグを含む。
【0015】
有利には、前記可動浴槽組立体は、以下の要素すなわち、浴槽ハンドル、前記浴槽の側面に沿って前記浴槽を機構フレームと連結する設置システム、並びに前記入浴位置において及び前記垂直位置において前記浴槽をブロックするロック、のうちの少なくとも1つを含む。前記設置システムは、前記浴槽の側面から前記機構にアクセスする必要のない、前記浴槽と前記機構との安定した且つ快適な接続を可能にする。このシステムは前記浴槽と前記機構との間の形状関係、及び重力を利用し、したがって前記浴槽を前記機構から切り離すためには、前記浴槽を前記垂直位置に移動し、最初に基本的に上に、次に基本的に前記機構から外側に移動する必要がある。前記ロックは、前記機構を前記浴槽に固定している継手の付近の機構アーム形状と前記浴槽ハンドルの形状との間の空間関係、及びばねの動作を利用する。前記浴槽を前記垂直位置から前記入浴位置に及びその逆に移行するために、前記アームをブロック解除し、前記ハンドルに関連したその移動を開始するためには、前記垂直位置では、前記ハンドルに垂直上向きに力を加えなければならず、前記入浴位置では、前記浴槽から水平外向きに力を加えなければならない。
【0016】
有利には、前記入浴位置における前記浴槽はエアウォーターマッサージのために使用され、前記垂直位置における前記浴槽はシャワーマッサージのために使用され、前記浴槽は、水及び空気ノズル、バルブ、サーモスタット、前記浴槽のリム上に位置し可撓性供給チューブを備えたハンドシャワーヘッド及びグリップ、選択された装置に水流を導く主スイッチバルブ、マッサージ機能を選択及び制御するための制御パネル、供給制御システム、及び浴槽傾斜検出器、を含む群から選択された要素を任意の組み合わせにおいて含む。
【0017】
有利には、前記浴槽は、壁側において前記浴槽の前記リム上に取り付けられた摺動シャワーヘッドを備え、前記摺動シャワーヘッドは、前記浴槽が前記入浴位置にある場合に入浴中の人のためのヘッドレストを提供するような形状を有し、前記垂直位置では、前記浴槽に隣接して立っている人によって上部シャワーとして使用可能であるような高さまで出される。前記浴槽を前記入浴位置まで下げる間、前記摺動シャワーヘッドは浴槽壁の背後にしまい込まれる。
【0018】
有利には、排水除去システムが浴槽出口穴を、前記浴槽が前記入浴位置にある状態で、前記ベース内の排水流出点に、パイプ及び/又は可撓性チューブと、前記浴槽の前記垂直位置において同心状に折り畳まれるマッシュルーム排出物出口(mushroom discharge outlet)とを含むシステムを介して接続する。
【0019】
有利には、前記浴槽の前記垂直位置における浴槽下壁は、前記浴槽下壁がシートを構成するような前記ベースの上方の高さにその中央部が位置し、且つ前記浴槽下壁がシートを構成するような形状を有する。
【0020】
有利には、前記可動浴槽組立体は、前記浴槽の両側面において浴槽側壁と前記機構とを覆う保護及び装飾カバープレートを含む。
【0021】
本発明について、図面を参照して、実施形態の有利な例において詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】付属品なしの、水平位置における、変動リンク機構(ロッカー機構)を有し覆われていない4バーリンケージと排水除去システムとを有する、浴槽組立体の側面図を示す。
【
図2】付属品なしの、水平位置と垂直位置との間の移行位置における、変動リンク機構(ロッカー機構)を有し覆われていない4バーリンケージと排水除去システムとを有する、前記浴槽組立体の側面図を示す。
【
図3】付属品なしの、垂直位置における、変動リンク機構(ロッカー機構)を有し覆われていない4バーリンケージと折り畳まれた排水除去システムとを有する、前記浴槽組立体の側面図を示す。
【
図4】浴槽が除去された状態の、部分的に分解された、変動リンク機構(ロッカー機構)を有する4バーリンケージの斜視図を示す。
【
図5】トランスミッションと共に取り付けられた例示的モータを示す機構フレームの斜視図を示す。
【
図6】ベースに取り付けられた機構フレームの斜視図を示す。
【
図7】水平位置における、マッサージ付属品を有する浴槽組立体の上面図を示す。
【
図8】マッサージ付属品を有する前記浴槽組立体の側面図を示し、これはシャワーヘッドを、変動リンク機構(ロッカー機構)を有する4バーリンケージ及び排水除去可撓性チューブと共に示している。
【
図9】垂直位置における、マッサージ付属品を有する前記浴槽組立体の側面図を示し、これはシャワーヘッドを摺動させて出す方法と、垂直位置における排水除去のための可撓性チューブとを示している。
【
図10】前記浴槽組立体の裏面図を示し、これはロッカー機構と、前進されたシャワーヘッドと、排水除去可撓性チューブとを示している。
【
図11】水平位置においてアームをブロックしている浴槽操作ハンドルの側面図を示す。
【
図12】前記浴槽操作ハンドルの側面図を、水平位置と垂直位置との間の移行位置におけるアームのブロックと共に示す。
【
図13】垂直位置において前記アームをブロックしている前記浴槽操作ハンドルの側面図を示す。
【
図14】保護カバープレートを用いて覆われた、水平位置における浴槽組立体の側面図を、下げられたシャワーヘッドによって形成されたヘッドレスト上で頭を支持している入浴中の人と共に示す。
【
図15】保護カバープレートを用いて覆われた、垂直位置における前記浴槽組立体の側面図を、着座している入浴中の人、及び前進されたシャワーヘッドを使用中の立っている入浴中の人と共に示す。
【
図16】水平位置と垂直位置との間の移行位置において手動で操作されている、1つの持ち上げアームとタイとシリンダとを有する浴槽組立体の側面図を示す。
【
図17】水平位置にあり、レッグが展開された、1つの持ち上げアームとタイとシリンダとを有する前記浴槽組立体の側面図を示す。
【
図18】覆われていない機構が、モータによって回転される一対の駆動アームを、浴槽の傾斜を制御するサーボ機構と共に含む、水平位置と垂直位置との間の移行位置における浴槽組立体の側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、付属品なしの、水平位置における、変動リンク機構(ロッカー機構)を有し覆われていない4バーリンケージと排水除去システムとを有する、浴槽1組立体の側面図を示す。
図2及び
図3は、移行位置における及び垂直位置における同じ浴槽組立体を相応じて示す。
図1における浴槽1は、浴槽1の側面59の上方で壁上に配置されたシャワーセット66を備えた部屋の、仮定的な壁36の間に比較的密に配置されている。前記機構は、それを覆うカバープレート52及び53(
図14及び
図15を参照)なしで見ることができる。示されている機構は、原則として浴槽1の両側面において対称的であることを理解されたい。4バーリンケージを構成するこの機構は、浴槽1の両側面において、関節継手9を介してリーディングアーム2と連結された、且つ関節継手11を介してフォローイングアーム3と連結された壁フレーム6によって形成されており、両方のアームは関節継手15及び16を相応じて用いて浴槽1のベッド4に接合されている。リーディングアーム2の上向きの角回転に、ベッド4内の関節継手15及び16を介してフォローイングアーム3が追従する。フォローイングアーム3はリーディングアーム2より短く、関節継手11によって静止フレーム6に固定されており、ベッド4の上縁がベース30に平行且つリーディングアーム2に平行な位置から前記ベースに垂直な位置までゆっくり移動するように、関節継手15の周りでベッド4が回転するよう強制する(
図2及び
図3)。そのようにして得られる軌道の形状は、システムの全ての幾何学的寸法によって明確に画定され、前記全ての幾何学的寸法とは、アーム2及びアーム3の長さと、ベッド4内のそれらの関節継手15及び16の間隔及び位置と、静止フレーム6内のそれらの関節継手9及び11の位置とを意味している。
【0024】
浴槽1の両側面において配置されたリーディングアーム2は、フレーム6内のアーム2の前記関節継手と同軸状に位置する連結要素10(
図4を参照)を用いて恒久的に互いに接合されている。連結要素10は前記アームの移動を同期させ、浴槽1の両側面における両方のシステムの移動に追従する。
【0025】
浴槽1の重量は、水平位置(
図1)において、ベッド4上に、及び関節継手20を介して一対の折り畳みレッグ7上に載っており、レッグ7は、一方の側では、連結アーム8と、レッグ7上に配置された関節継手19と、フォローイングアーム3の輪郭内に配置された関節継手18とを用いて、並びに他方の側では、関節継手15と、ストップ22(
図4を参照)上に支持されたリーディングアーム2とを用いて、及び壁36に固定されたフレーム6上に配置された関節継手9を用いて、垂直位置に維持されている。
【0026】
ベッド4に固定された浴槽1は、アーム2及びアーム3の移動によって引き起こされるベッド4の回転の間に、ベッド4と共に、水平位置(
図1)から移行位置(
図2)を通って垂直位置まで回転し、前記垂直位置において浴槽1の凹側は、水平(入浴)位置(
図3)における浴槽1の中央の場所の方に向けられる。
【0027】
ベッド4と関連したフォローイングアーム3の移動により、連結アーム8と、アーム3内及びレッグ7内のその関節継手18及び19とを介して、ベッド4内の関節継手20の周りでのレッグ7の回転が強制される(前記浴槽の両側面において対称的)。したがって、浴槽1が上向きに移動する場合、その側面輪郭内にレッグ7は自動的に折り畳まれ、浴槽1が下向きに移動する間、レッグ7は展開されて、水平位置における浴槽1の支持体を形成する(
図1、
図2、及び
図3)。浴槽1がベース30と係合することになる場合以外は、及び浴槽1を垂直位置において、それが水平位置においてベース30と関連して配置されるよりも壁36に近く配置するために、レッグ7は折り畳まれなければならない。これは前記部屋の中の空間の使用をさらに最適化するためにも役立つ。
【0028】
示されている解決法では、リーディングアーム2及び浴槽1の移動は、浴槽1の中央部でそのリム上に配置されたハンドル24を介して加えられる手操作によって、並びに、重力の及び空気圧ばね5の相互に対向する力の組み合わせによって引き起こされ、空気圧ばね5は、水平位置から垂直位置までの前記浴槽の移動の間は拡張及び伸長され、前記浴槽の逆の移動の間は圧縮及び短縮される(
図1)。前記浴槽を操作するために必要な手動力は、重力からの力と前記ばねからの力との間の差を補うのみであるため、わずかである。
【0029】
ばね5は、一方の側ではフレーム6内で関節継手13によって支持されており、他方の側ではリーディングアーム2と、前記アーム2の中央部内に配置された関節継手17(
図2及び
図3を参照)を介して連結されている。浴槽1の重量は、ベッド4と、関節継手2を用いてそれらに連結されたリーディングアーム2とを介してばね5を圧縮する(
図4も参照)。
【0030】
ばね5は圧縮力に対抗する。ばね5は、浴槽1と前記機構とを合わせた重量と均衡するように、且つ水平位置において空の浴槽(約20kgの重量)をわずかに上昇させることができるように選択される。したがって、水平位置においてアーム2をブロックしている浴槽1の浴槽操作ハンドル24の側面図を示す
図11に示すように、操作ハンドル24の部分を構成するロッキングボルト26と係合するリセス14が、リーディングアーム2上に関節継手15の付近で配置されており(
図4、
図11、
図12、及び
図13を参照)、ロッキングボルト26は、前記アームと浴槽1のリム29との間で延在し、制限プレート27上で支持されるばね25によって付勢される。
【0031】
前記ロッキングボルト26とリセス14とはロックの部分を形成し、アーム2に関連した浴槽1の角変位を防止する、すなわち浴槽1を水平位置に維持する。ブロック(前記ロック)は、多くの類似した方法で(例えば、前記リーディングアームから突出した要素をリセスの代わりに用いて)得ることができる。実装にかかわらず、前記浴槽を水平位置において直接的に又は間接的にブロックするのは、常に、ハンドル24とリーディングアーム2との形状関係及びばね5である。
【0032】
浴槽1が水平位置にある場合(
図1)、操作ハンドル24を上向きに引くことにより、ばね25の圧縮と、リセス14からのロッキングボルト26の除去とが引き起こされる(
図11)。前記浴槽はわずかに上昇され、それによりリーディングアーム2の小さな回転が引き起こされ、ロッキングボルト26は関節継手15の周りの前記アームの曲面上に支持され、前記浴槽のさらなる上向きの移動の間、前記曲面上でロッキングボルト26は摺動する(
図12)。浴槽1が垂直位置に近い位置に到達した後、操作者は前記浴槽を壁36に向けて押さなければならない。垂直位置を画定するリセス12をロッキングボルト26が見出した場合、ばね25は圧縮解除され、前記ハンドルが反対方向に引かれるまで前記浴槽は前記位置においてブロックされる(
図13)。前記浴槽にいかなる方向において追加の荷重をかけても、前記浴槽の変位は発生しない。
【0033】
すでに説明したように、浴槽1はそのより長い側面に沿ったそのリム29を用いてベッド4上に支持され、その位置はストップ23と、浴槽1に直接固定された(例えば、ねじ込まれた又は接着された)ピン28とによって画定され、ピン28は、前記ベッド4内に切り抜かれたシート21内に据えられる(
図1、
図11、
図12、及び
図13)。シート21はピン28及びストップ23と共に接続システムを形成し、前記シートの「L」形状によって、前記浴槽が垂直に近い位置にある場合(
図3)の、浴槽1の取り付け及び取り外しの選択肢が実現される。本発明では、浴槽1に適合された構造(例えばプレート)の背後に操作機構が隠される場合があるため、浴槽1の側面から前記操作機構にアクセスすることなしに前記取り付け及び取り外しを実行可能であるということが重要である。垂直に近い位置にある浴槽1をそのベッド4から取り外すプロセスは、ハンドル24を上向きに引くことによって浴槽1を持ち上げることと、操作者の方にハンドル24を引くことによってシート21から除去することとを含む。ロッキングボルト26がリセス12又は14内にある場合、浴槽1をベッド4から除去することはできない。浴槽1を水平位置から垂直位置まで手動で持ち上げる間の浴槽1の偶発的な除去を防止するために、重力で進められるラッチ80がシート21の上縁に配置されている。ラッチ80はそれらのシート内にピン28をその重量を用いてブロックし(
図11及び
図12)、操作者がハンドル24を上向きに引くのではなく通常は押す位置である垂直に近い位置に浴槽1が到達した場合のみ、それらを解放する。浴槽1のはめ込み(montage)をさらに容易にするために、フォローイングアーム3の最大傾斜のリミッタ(図示せず)をフレーム6内に導入してもよく、これはカバープレート52のための構成要素としても使用されてもよい(
図14及び
図15)。
【0034】
図5は、トランスミッションと共に取り付けられた例示的モータ54を示す機構フレームを斜視図で示す。この場合、モータ54は、減速ギア57と、駆動ベルト又は駆動チェーン55と、リーディングアーム2を接続している連結要素10上に取り付けられた受け入れホイール56とを介してアーム2を、及びそれにより浴槽1を、電気エネルギーを使用して駆動する。モータ54の動作は、ターミナルスイッチ又は傾斜角指示器を利用して、制御システム(図示せず)によって制御されてもよい。
【0035】
前記機構を駆動するために、例えば前記空気圧ばねの代わりに取り付けられた、空気圧アクチュエータ又は液圧アクチュエータを使用してもよい。
【0036】
ほとんどの場合、浴室壁の標準的構成は、フレーム6の全ての固定点の間に分散された、概して垂直の方向における、水で満たされた浴槽の半分の重量(約100kg)(剪断荷重)に対する十分な支持を提供しなければならない。前記壁の構成が十分でない場合、ベース30に固定されたフレーム50を使用してもよく、この例示的構成は
図6に示されている。
【0037】
上述の浴槽1操作機構は、浴槽1が垂直位置にある場合に浴槽1の壁59の表面が着座(
図15)に好適であるような高さに配置され且つ着座に好適であるような形状を有するように、(アーム2及び3又はアーム69(
図16及び
図17を参照)、固定点、関節継手、浴槽1の寸法、並びに浴槽1の壁59の形状の選択によって)構成されてもよい。快適な着座という条件を満たすために、浴槽1が垂直位置にある場合の、前記ベースの上方の壁59の高さは0.45m~0.55mの範囲内でなければならず、壁59の表面は、場合によってはその中央部に小さなくぼみを有して、原則としてベース30に平行でなければならない。
【0038】
浴槽1を水平位置から垂直位置まで操作し、その下壁59上に着座することの可能性により、さらに本発明の新たな用途及び新たな技術的解決法が示される。それらは前記浴槽のマッサージ機能及びシャワー機能に結び付いている。
【0039】
図7及び
図8は、したがって、マッサージ付属品及びシャワー付属品を備えた浴槽1の上面図及び側面図を示す。ノズル38及び39が浴槽1の底に配置されている。それらは、前記浴槽が水平位置にある場合は加圧空気又は水を供給され、前記浴槽が垂直位置にある場合は水のみを供給されることを特徴とする。ノズル39は、水平位置において、入浴中の人のふくらはぎをマッサージするために使用され、垂直位置において、大腿をシャワーマッサージするために、又は入浴中の人が表面59上に着座している場合に背中をマッサージするために使用される。ノズル38は、浴槽1の水平位置において、大腿をマッサージするために使用され、垂直位置において、入浴中の人が立っている場合に背中をマッサージするために使用される。浴槽1の壁60内に配置されたノズル37は、加圧水を施して集中的な背中のマッサージを提供するか、又はより低い圧力で浴槽1を水で満たす。垂直位置において、それらのノズル37は、壁59上に着座している人のための上部シャワーとして使用可能である。ノズルの各グループは、ノズル37のためのバルブ42、ノズル38のためのバルブ43、及びノズル39のためのバルブ44を、流れの強さを制御するために備えていてもよい。加えて、マッサージ機能を制御するために、浴槽1のリム29上に、マッサージプログラムを選択するために使用される制御パネル63であって、浴槽1が水平位置にあるか垂直位置にあるかに応じてマッサージ機能を変更するための傾斜検知器64を含む、制御パネル63が配置されていてもよい。コンプレッサ及びポンプ(図示せず)が制御システムと共に、浴槽1の外側に、例えば壁59の外側に配置されていてもよい。浴槽1のリム29上の、ハンドル24の付近に、可撓性供給チューブを有するハンドシャワーヘッド41、及びその制御バルブ65も配置されていてもよい(
図7)。システム全体は、メインバルブ45と、シャワーヘッド40若しくは41に供給するため又は前記浴槽を満たすための機能スイッチを有する共通サーモスタット46とによって制御されてもよい。前記スイッチの代わりに、傾斜センサと電磁バルブを有する制御システムとが使用されるか、又は重力二方バルブ(gravitational two-way valve)が使用されてもよい。
【0040】
図9は、垂直位置における、マッサージ付属品を有する浴槽組立体の側面図を示し、これは、シャワーヘッド40を摺動させて出す方法と垂直位置における排水除去のための可撓性チューブ49とを示しており、
図10は、前記浴槽組立体の裏面図を示し、これは、ロッカー機構、前進されたシャワーヘッド40、及び排水除去可撓性チューブを示している。これらの図に示すように、浴槽1が水平位置にある場合にシャワーヘッド40がその形状により、入浴中の人のためのヘッドレストを構成できるように(
図14)、浴槽1は、壁60の側上で浴槽1のリムに固定されたシャワーヘッド40を備えてもよい。垂直位置において、シャワーヘッド40は2mを超える高さまで前進されてもよく、したがって浴槽1に隣接して立っている人のための上部シャワーとして使用可能である(
図15)。シャワーヘッド40は、壁60に及びガイド48に概して平行な、且つ垂直位置における浴槽1の上部に配置された、堅い供給パイプ47を用いて変位されてもよい。浴槽1の垂直位置において、シャワーヘッド40は、鋸歯状抵抗トラック67と重力によって鋸歯状抵抗トラック67に対して付勢される重り68とを用いて、選択された位置に留まる(
図9及び
図10を参照)。浴槽1が下げられる場合、重力によって重り68は鋸歯状抵抗トラック67から切り離され、ヘッド40は供給パイプ47の一部と共に前記浴槽の壁60の背後に隠れる(
図8)。ヘッド40はまた、可撓性チューブを両方の側において有するボールジョイントを用いて供給パイプ47に接続されていてもよく、したがって浴槽1の水平位置及び垂直位置の両方においてヘッド40の位置を調節することがさらに可能である。
【0041】
水接続及び電気接続、並びに制御装置、フィルタ、及びバルブなどのシステムは、標準的な技術的解決法であるため本明細書では示していない。
【0042】
浴槽1は排水除去システムを備えていなければならない。本発明を使用するために、前記部屋は、建築構成のフラッディングを防止する水分離膜又は別の構造を備えていなければならない。ベース30内に床排水口33が存在するか(例えば
図1を参照)、又はベース30上に排水ます(図示せず)が存在すると仮定する。(例えば、前記浴槽の壁59のリム29と連結された保護エプロンを使用した)可能な封止解決法は、本出願の主題ではない。
【0043】
本明細書では、前記浴槽からの排水除去の2つの方法が示される。第1の方法は、床排水口33が、水平位置における浴槽1の出口穴32から短い距離に配置されている状況に関する(
図1、
図2、
図7、及び
図8)。床排水口33が、浴槽1の出口穴32の突起の中心から半径0.3m以内でベース30に位置している場合、浴槽1からのアウトフローは、2つのエルボーと堅いパイプ51とを含みマッシュルーム排出物出口35で終わる適合システムを備えていてもよく、マッシュルーム排出物出口35は、前記ベース上の水たまりを防止し、サイホン34の床排水口33の直径に対応する直径を有し(
図1)、前記浴槽が垂直位置にある場合、前記位置において前記浴槽の背後に残る無用の空間を減らすために、基本的に平坦な形状まで同心状に折り畳み可能である(
図3)。出口穴32の直径は、ベース30内で使用されるサイホン34の排出容量に適合されていてもよい。床排水口33が異なる場所にある場合、可撓性チューブ49を使用してもよい(
図8、
図9、及び
図10)。
【0044】
その結果として、機構全体が前記浴槽のリムの下で外壁に隣接して格納されることが可能であり、本装置は、前記機構の動作を妨げることのないカバープレートを、困難を伴わずに備えることが可能である。前記カバープレートは、使用者の負傷を防止する、及び装飾の目的のための、前記機構のフレーム6上のカバープレート52と、浴槽1上のカバープレート53とを含む(
図14及び
図15)。
【0045】
図16は、水平位置と垂直位置との間の移行位置において手動で操作されている、1つの持ち上げアームと、タイと、シリンダとを有する本浴槽組立体の側面図を示し、
図17は、浴槽1が水平位置にあり、レッグ7が展開された、同じ組立体を示し、
図18は、浴槽1が、浴槽1の水平位置と垂直位置との間の移行位置にあり、覆われていない機構が、モータ54によって回転される一対の駆動アーム2を、浴槽1の傾斜を制御するサーボ機構と共に含む、浴槽組立体の側面図を示す。
【0046】
水平位置における浴槽1(
図17)は、そのより短い、緩やかに上昇する側面60を用いて壁36と直接接触している。この構成では、浴槽1を移動させるアーム69は、基本的にベース30に平行且つ壁36に垂直であるように、一方の端において、浴槽1の底の外側にあるその対称軸内の関節継手72に連結されており、他方の端において、関節継手73を介してベース30に又は壁36に連結されている。浴槽1の重量は、少なくとも部分的に前記アームによって支持され、アーム69の突起70によってベース30に伝達される。アーム69の長さは浴槽1の長さの半分より大きい。浴槽1は、その残りの部分では、より大きな峻度を有するより短い壁59の下部の付近に配置された関節継手19であって、所与の構成では壁36に固定されたアーム69の関節継手73から遠く離れた、関節継手19を用いて、折り畳み可能なレッグ7上に支持されている。タイ76(又は一対の平行なタイ76)は、壁36から離れた場所で、浴槽1の高さと等しいか又はそれより小さな高さにおいて、アーム69に固定されている。タイ76は、浴槽1のリム29のすぐ下で取り付け具75を用いて壁36上に配置された巻き取りシリンダ74(1又は複数)まで伸びでいる。巻き取りシリンダ74は任意の源によって駆動されてもよいが、この場合は、手動力と重力と前記シリンダ内に配置されたばねとの組み合わせによって駆動される。
【0047】
浴槽1のレッグ7を折り畳んだ後、操作者はリム29に垂直方向における力を加え(
図16)、回転しているシリンダ74上にタイ76が巻き取られることによってタイ76に沿って作られる力と合わせて、アーム69と浴槽1との持ち上げを引き起こす。操作者によって導かれ、巻き取りシリンダ74内の前記ばねの助力によって、浴槽1は、アーム69と浴槽1内のその関節継手72との回転によって画定される弧に沿って、壁36の方向に、アーム69が前記壁に寄りかかるまで移動される。
【0048】
図18は、モータ54をトランスミッション55、56、及び57(
図5も参照)と共に用いた一対のアーム2の電気駆動装置を、電気サーボ機構(図示せず)と共に有する実施形態を示し、前記電気サーボ機構は、アーム2に固定されたモータ77と、アーム2と浴槽1との回転を同期させるトランスミッションとを含み、前記トランスミッションは、モータ77の軸上に取り付けられたギア78を、浴槽1に固定されたアーム2の関節継手15と同心状に浴槽1に固定されたギアセクタ79と共に含む。モータ77の速度は、例えば、所与の浴槽1の回転の角速度がリフティング(リーディング)アーム2の回転の角速度の2倍且つ反対方向であるように制御されてもよい。